JPWO2014103725A1 - 化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)コロイダルシリカと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)アルキル硫酸エステルおよびアルキルエーテル硫酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン塩と、を含有し、pHが1〜4であることを特徴とする。

Description

本発明は、化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の高精細化に伴い、半導体装置内に形成される配線の微細化が進んでいる。これに伴い、例えば特表2002−518845号公報では、配線層を化学機械研磨(以下、「CMP」ともいう。)により平坦化する手法が用いられている。
例えば、各種配線層とデバイス各部とを接続するコンタクトを形成する際に、CMPによる平坦化が行われている。まず、酸化シリコン膜にゲート電極と配線層とを接続するコンタクトホールを形成する。そこにロングスロースパッタ法やコリメートスパッタ法といった指向性の高いスパッタ法を用いて密着層となるTi膜/TiN膜を形成した後、CVD法で埋め込み性に優れたタングステンを成長させる。次いで、酸化シリコン膜上に形成されたタングステン膜をタングステン研磨速度が極めて速いスラリーを用いてバルク研磨工程を行い、さらにタングステンおよび酸化シリコン膜上の欠陥をなくすための仕上げとして行われるタッチアップ研磨工程を行うことによって平坦化されたコンタクトが形成される。特にタッチアップ研磨工程では、タングステンプラグの腐食およびスクラッチがないことや、酸化シリコン膜の下層に位置するゲート電極を研磨しないことが要求される。このゲート電極が研磨によって損傷すると半導体基板が機能しなくなるため、これを保護する目的でゲート電極の周りには窒化シリコン膜がコーティングされている。
一方、従来のタングステン用CMPスラリーには砥粒としてアルミナ粒子が用いられてきたが、タングステンプラグ上のマイクロスクラッチによる通電不良や、酸化シリコン膜上のマイクロスクラッチおよび洗浄不足によるメタルコンタミによる絶縁不良による歩留まりの低下が問題となっていた。最近では、上記問題を回避する目的で他のCMPスラリーと同様に砥粒としてコロイダルシリカが用いられるようになった。しかしながら、砥粒としてコロイダルシリカを用いたタングステン用CMPスラリーであっても、被研磨面上にコロイダルシリカが残留することによる歩留まりの低下を解消できずにいた。
上述したように、酸化シリコン膜の下層に位置するゲート電極を研磨することを防止するためにゲートの周りには窒化シリコン膜がコーティングされている。したがって、タッチアップ研磨工程では、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を高めると共に、窒化シリコン膜の研磨速度を低くして、仮に削り込んでいっても窒化シリコン膜で研磨を停止させてゲート電極を保護する必要がある。このような要求を満たす化学機械研磨用水系分散体は、いまだに存在しない。また、被研磨面上にコロイダルシリカが残留することによる研磨欠陥を低減し、歩留まりの低下を同時に解消できなければ、実用化が極めて困難となる。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記の課題を解決することで、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を十分に高めると共に、窒化シリコン膜の研磨速度を低くすることができ、かつ化学機械研磨の際に被研磨面上に残留するコロイダルシリカを大幅に低減できる化学機械研磨用水系分散体を提供する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の一態様は、
(A)コロイダルシリカと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)アルキル硫酸エステルおよびアルキルエーテル硫酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン塩と、を含有し、pHが1〜4であることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(C)成分のアルキル硫酸エステル部位またはアルキルエーテル硫酸エステル部位のアルキル鎖長が炭素数8〜20であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(C)成分の含有量が、0.01質量%以上0.6質量%以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(B)成分の含有量が、0.005質量%以上0.15質量%以下であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体は、
タングステン膜と、窒化シリコン膜と、を少なくとも有する被処理体の研磨に用いることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
同一の研磨条件で研磨した場合に、前記タングステン膜の研磨速度が前記窒化シリコン膜の研磨速度の4倍以上であることができる。
[適用例7]
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体を用いることを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を十分に高めると共に、窒化シリコン膜の研磨速度を低くすることができ、かつ化学機械研磨の際に被研磨面上に残留するコロイダルシリカを大幅に低減することができる。
図1は、本実施の形態に係る化学機械研磨方法を模式的に示す断面図である。 図2は、本実施の形態に係る化学機械研磨方法を模式的に示す断面図である。 図3は、本実施の形態に係る化学機械研磨方法を模式的に示す断面図である。 図4は、化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.化学機械研磨用水系分散体
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)コロイダルシリカと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)アルキル硫酸エステルおよびアルキルエーテル硫酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン塩と、を含有し、pHが1〜4であることを特徴とする。以下、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)コロイダルシリカ
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)コロイダルシリカを含有する。(A)コロイダルシリカは、タングステン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜などの研磨対象膜を機械的に研磨する効果を有する。(A)コロイダルシリカは、例えば特開2003−109921号公報等に記載されている公知の方法で製造されたものを使用することができる。また、特開2010−269985号公報や、J.Ind.Eng.Chem.,Vol.12,No.6,(2006)911−917等に記載されているような方法で表面修飾されたコロイダルシリカを使用してもよい。
(A)コロイダルシリカの平均粒子径は、特に制限されるものではないが、5nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上80nm以下であることがより好ましい。(A)コロイダルシリカの平均粒子径が前記範囲にあると、タングステン膜に対する実用的な研磨速度を達成できると共に、スクラッチが少なく、かつ粒子の沈降および分離を生ずることのない、安定な化学機械研磨用水系分散体とすることができる。
(A)コロイダルシリカの平均粒子径は、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体について動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置で測定することにより求めることができる。動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置としては、ベックマン・コールター社製のナノ粒子アナライザー「DelsaNano S」;Malvern社製の「Zetasizer nano zs」;株式会社堀場製作所製の「LB550」等が挙げられる。なお、動的光散乱法を用いて測定した平均粒子径は、一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の平均粒子径を表している。
(A)コロイダルシリカの含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。(A)コロイダルシリカの含有量が前記範囲であると、タングステン膜や酸化シリコン膜に対する十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降および分離を生ずることのない、安定な化学機械研磨用水系分散体とすることができる。
1.2.(B)アニオン性水溶性高分子
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)アニオン性水溶性高分子を含有する。(B)アニオン性水溶性高分子は、研磨対象膜の一部である窒化シリコン膜の表面に優先的に配位することができる。窒化シリコン膜の表面は、一般に正に帯電しているため、静電相互作用により(B)アニオン性水溶性高分子が優先的に配位されると考えられる。これにより、窒化シリコン膜の表面が効果的に保護されて、上記(A)コロイダルシリカの表面に存在するシラノール基との相互作用や(B)アニオン性水溶性高分子の立体障害的反発効果により(A)コロイダルシリカが窒化シリコン膜表面に過剰に吸着することを抑制できる。したがって、研磨後に簡単な洗浄操作によって(A)コロイダルシリカを容易に除去することができる。
また、(B)アニオン性水溶性高分子は、(A)コロイダルシリカを包摂することもできる。その結果、(A)コロイダルシリカの親水性が高まるので、研磨後に簡単な洗浄操作によって研磨対象膜から(A)コロイダルシリカを容易に除去することができる。
(B)アニオン性水溶性高分子が有するアニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。カルボキシル基を有するアニオン性水溶性高分子としては、例えば、不飽和カルボン酸の(共)重合体、カルボキシメチルセルロース、およびこれらの塩等が挙げられる。スルホン酸基を有するアニオン性水溶性高分子としては、例えば、スルホン酸基を有する不飽和単量体の(共)重合体等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸の(共)重合体とは、不飽和カルボン酸の単独もしくは共重合体、または不飽和カルボン酸とその他の単量体との共重合体のことである。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。その他の単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。上記不飽和カルボン酸共重合体は、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位を10モル%以上(好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上)含有することが好ましい。
上記スルホン酸基を有する不飽和単量体の(共)重合体とは、スルホン酸基を有する不飽和単量体の単独重合体もしくは共重合体、またはスルホン酸基を有する不飽和単量体とその他の単量体との共重合体とのことである。スルホン酸基を有する不飽和単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸等が挙げられる。その他の単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。上記スルホン酸基を有する不飽和単量体の共重合体は、スルホン酸基を有する不飽和単量体に由来する繰り返し単位を10モル%以上(好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上)含有することが好ましい。
これらの(B)アニオン性水溶性高分子の中でも、不飽和カルボン酸(共)重合体を好ましく使用でき、(A)コロイダルシリカの安定性に影響を及ぼさない観点から、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸が特に好ましい。また、これらの(B)アニオン性水溶性高分子は、これに含まれるアニオン性基の全部または一部が塩であるものを使用してもよい。その場合のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。
なお、本明細書における「(メタ)アクリル〜」とは、「アクリル〜」および「メタクリル〜」の双方を包括する概念である。
(B)アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上500万以下であり、より好ましくは20万以上500万以下であり、特に好ましくは20万以上150万以下である。(B)アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量が前記範囲にあると、窒化シリコン膜に対する研磨摩擦を強めることもなく、窒化シリコン膜の研磨速度を小さくしながらタングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を大きくすることができる。なお、(B)アニオン性水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)である。
(B)アニオン性水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.005〜0.15質量%であり、より好ましくは0.008〜0.10質量%であり、特に好ましくは0.01〜0.08質量%である。(B)アニオン性水溶性高分子の含有量が前記範囲にあると、窒化シリコン膜に対する研磨摩擦を強めることもなくタングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を大きくすることができると共に、研磨後に研磨対象膜から(A)コロイダルシリカを容易に除去することができる。(B)アニオン性水溶性高分子の含有量が前記範囲を超えると、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度が小さくなる傾向があり、結果的にタングステン膜や酸化シリコン膜を選択的に研磨できなくなる場合がある。一方、(B)アニオン性水溶性高分子の含有量が前記範囲未満では、(A)コロイダルシリカを包摂する(B)アニオン性水溶性高分子が不足するため、研磨対象膜に(A)コロイダルシリカが残留しやすくなる場合がある。
1.3.(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)アルキル硫酸エステルおよびアルキルエーテル硫酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン塩(本明細書では、これらを纏めて「アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩」と表現する場合がある。)を含有する。(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩は、研磨対象膜の一部である窒化シリコン膜の研磨速度を抑制する効果がある。このような効果が発現する理由としては、窒化シリコン膜の表面に吸着することで効果的に保護されるので、上記(A)コロイダルシリカによる機械的研磨力が緩和し、他の成分による化学反応を抑制するためであると考えられる。
上記アルキル硫酸エステルとしては、アルキル鎖長の炭素数が8〜20のアルキル硫酸エステルであることが好ましく、アルキル鎖長の炭素数が10〜18のアルキル硫酸エステルであることがより好ましい。これらの中でも、アルキル鎖長の炭素数が12〜14のアルキル硫酸エステルであることが特に好ましい。
上記アルキルエーテル硫酸エステルとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルであることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルは、アルキル鎖長の炭素数が8〜20であることが好ましく、10〜18であることがより好ましく、12〜14であることが特に好ましい。加えて、エチレンオキサイドの平均付加モル数が0.5〜10モルであることが好ましい。
上記アルキル(エーテル)硫酸エステルのカウンターカチオンであるアルカノールアミンとしては、例えば、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(n−プロパノール)アミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン(全ての異性体を含む。なお、以下に例示するものは全ての異性体を含む。)、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、モノペンタノールアミン、ジペンタノールアミン、トリペンタノールアミン、モノヘキサノールアミン、ジヘキサノールアミン、モノヘプタノールアミン、ジヘプタノールアミン、モノオクタノールアミン、モノノナノールアミン、モノデカノールアミン、モノウンデカノールアミン、モノドデカノールアミン、モノトリデカノールアミン、モノテトラデカノールアミン、モノペンタデカノールアミン、モノヘキサデカノールアミン、ジエチルモノエタノールアミン、ジエチルモノプロパノールアミン、ジエチルモノブタノールアミン、ジエチルモノペンタノールアミン、ジプロピルモノエタノールアミン、ジプロピルモノプロパノールアミン、ジプロピルモノブタノールアミン、ジプロピルモノペンタノールアミン、ジブチルモノエタノールアミン、ジブチルモノプロパノールアミン、ジブチルモノブタノールアミン、ジブチルモノペンタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン、モノエチルジプロパノールアミン、モノエチルジブタノールアミン、モノエチルジペンタノールアミン、モノプロピルジエタノールアミン、モノプロピルジプロパノールアミン、モノプロピルジブタノールアミン、モノプロピルジペンタノールアミン、モノブチルジエタノールアミン、モノブチルジプロパノールアミン、モノブチルジブタノールアミン、モノブチルジペンタノールアミン等を挙げることができる。
これらの中でも、窒化シリコン膜の研磨速度を抑制する効果が特に高い点で、トリエタノールアミンであることが好ましい。
(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.01〜0.6質量%であり、より好ましくは0.03〜0.5質量%であり、特に好ましくは0.05〜0.4質量%である。(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の含有量が前記範囲にあると、窒化シリコン膜の表面に(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩が十分に配位されるため、窒化シリコン膜の研磨速度を小さくしながらタングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を大きくすることができる。(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の含有量が前記範囲を超えると、タングステン膜の研磨速度が小さくなる傾向があり、結果的にタングステン膜を選択的に研磨できなくなる場合がある。一方、(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の含有量が前記範囲未満では、窒化シリコン膜の表面に(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩が十分に配位されず、結果的にタングステン膜を選択的に研磨できなくなる場合がある。
1.4.その他の添加剤
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上記(A)ないし(C)成分の他、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、酸化剤、pH調整剤等が挙げられる。
1.4.1.酸化剤
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、酸化剤を含有することができる。酸化剤は、タングステン膜の表面を酸化し脆弱な改質層をタングステン膜の表面に作り出し、タングステン膜の研磨を促進させる効果がある。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物、重クロム酸カリウム等の重クロム酸化合物、ヨウ素酸カリウム等のハロゲン酸化合物、硝酸、硝酸鉄等の硝酸化合物、過塩素酸等の過ハロゲン酸化合物、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、およびヘテロポリ酸などが挙げられる。これらの酸化剤のうち、酸化力、樹脂基板への腐食性、および取り扱いやすさなどを考慮すると、過酸化水素、有機過酸化物、または過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が好ましく、分解生成物が無害である過酸化水素が特に好ましい。
酸化剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは1〜4質量%であり、特に好ましくは1.5〜3質量%である。
1.4.2.化学機械研磨用水系分散体のpHおよびpH調整剤
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、1以上4以下であり、好ましくは1.5以上3.5以下の範囲内であり、より好ましくは2以上3以下の範囲内である。pHが前記範囲であると、窒化シリコン膜の研磨速度を低減しながら、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度を高めることができる。pHが前記範囲外では、タングステン膜の研磨速度が低くなる傾向があり、タングステン膜を選択的に研磨する目的が達成できなくなる。
上述したpHは、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;マレイン酸、マロン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸;水酸化カリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の強アルカリ等を用いて上記の範囲内に調整することができる。
1.5.選択比
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、タングステン膜および窒化シリコン膜を同一条件で研磨した場合に、選択比(タングステン膜の研磨速度/窒化シリコン膜の研磨速度)が4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましい。このような選択比であれば、窒化シリコン膜の研磨速度を低くすると共に、タングステン膜を選択的に研磨するという本願発明の目的を達成することが可能となる。
2.化学機械研磨方法
上述の化学機械研磨用水系分散体は、タッチアップ用研磨工程において好適に用いることができる。具体的には、ゲート電極と配線層とをつなぐコンタクトホールを有する酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜上にバリアメタル膜を介して設けられたタングステン膜と、を含み、前記ゲート電極が窒化シリコン膜でコーティングされているような被処理体のタッチアップ研磨工程に最適である。
以下、本実施の形態に係る化学機械研磨方法について、図面を用いて詳細に説明する。
2.1.被処理体
図1に、本実施の形態に係る化学機械研磨方法に適用される被処理体の一例を示す。
(1)まず、図1に示すように、基体10を用意する。基体10は、例えば、シリコン基板とその上に形成された酸化シリコン膜から構成されていてもよい。さらに、基体10および基体10の上には、ソース、ドレイン、ゲートの3電極を有する電界効果トランジスタ(FET)等の機能デバイス(図示せず)が形成される。なお、ゲート電極を保護するために、ゲート電極の周りには窒化シリコン膜(図示せず)がコーティングされている。次いで、基体10の上に、CVD法または熱酸化法を用いて絶縁膜である酸化シリコン膜12を形成させる。
(2)次に、酸化シリコン膜12にゲート電極と配線をつなぐコンタクトホール14を形成する。
(3)次に、ロングスロースパッタ法またはコリメートスパッタ法を適用して酸化シリコン膜12の表面およびコンタクトホール14の内壁面にバリアメタル膜16を形成させる。タングステンとシリコンとの密着性があまり良好でないため、バリアメタル膜を介在させることで良好な密着性を実現している。バリアメタル膜16としては、Ti膜および/またはTiN膜が挙げられる。
(4)次に、CVD法を適用してタングステン膜18を形成させる。
以上の工程により、図1に示すような被処理体100が形成される。
2.2.化学機械研磨方法
2.2.1.バルク研磨工程
まず、バルク研磨工程を行う。バルク研磨工程は、図2に示すように、タングステンの研磨速度が速い化学機械研磨用水系分散体を用いてバリアメタル膜16およびタングステン膜18を酸化シリコン膜12が露出するまで研磨する工程である。
2.2.2.タッチアップ研磨工程
次に、タッチアップ研磨工程を行う。タッチアップ研磨工程は、図3に示すように、上述した化学機械研磨用水系分散体を用いてさらにバリアメタル膜16、タングステン膜18および酸化シリコン膜12を同時に研磨する工程である。このタッチアップ工程は、仕上げ工程に相当する。上述した化学機械研磨用水系分散体は、タングステン膜および酸化シリコン膜に対する非選択的研磨性を有するため、タッチアップ工程によって極めて平坦性に優れた仕上げ面を得ることができる。
ここで、タッチアップ研磨工程に使用する上述の化学機械研磨用水系分散体は、タングステン膜や酸化シリコン膜の研磨速度は高いが、窒化シリコン膜の研磨速度は低い。したがって、仮に酸化シリコン膜12を削り込んでいってもゲート電極の周りに形成された窒化シリコン膜がストッパ膜の役目を果たすため、ゲート電極が研磨によって損傷することを防ぐことができる。
2.2.3.化学機械研磨装置
バルク研磨工程およびタッチアップ研磨工程では、例えば、図4に示すような化学機械研磨装置200を用いることができる。図4は、化学機械研磨装置200を模式的に示した斜視図である。スラリー供給ノズル42からスラリー44を供給し、かつ研磨布46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、半導体基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図4には、水供給ノズル54およびドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、1〜98kPaの範囲内で選択することができ、好ましくは3〜49kPaである。また、ターンテーブル48およびキャリアーヘッド52の回転数は10〜400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30〜150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー44の流量は、10〜1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50〜400mL/分である。
市販の化学機械研磨装置として、例えば、荏原製作所社製、形式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」、「Reflexion」等が挙げられる。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1.化学機械研磨用水系分散体の調製
3.1.1.コロイダルシリカ水分散体の調製
3号水硝子(シリカ濃度24質量%)を水で希釈し、シリカ濃度3.0質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とした。この希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去したpH3.1の活性ケイ酸水溶液とした。その後、すぐに撹拌下10質量%水酸化カリウム水溶液を加えてpHを7.2に調整し、さらに続けて加熱し沸騰させて3時間熱熟成した。得られた水溶液に、先にpHを7.2に調整した活性ケイ酸水溶液の10倍量を少量ずつ添加し、コロイダルシリカを成長させた。
次に、前記コロイダルシリカを含有する分散体水溶液を減圧濃縮し、シリカ濃度:32.0質量%、pH:9.8であるコロイダルシリカ水分散体を得た。このコロイダルシリカ水分散体を、再度水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムの大部分を除去した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を加え、シリカ粒子濃度:28.0質量%、pH:10.0であるコロイダルシリカ水分散体を得た。
3.1.2.ポリアクリル酸を含む水溶液の調製
イオン交換水1000gおよび5質量%過硫酸アンモニウム水溶液1gを仕込んだ内容積2リットルの容器中に、20質量%のアクリル酸水溶液500gを70℃還流下で撹拌しながら8時間かけて均等に滴下した。滴下終了後、更に2時間還流下で保持することにより、ポリアクリル酸を含む水溶液を得た。得られたポリアクリル酸をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は82.5万であった。
3.1.3.化学機械研磨用水系分散体の調製
イオン交換水を50質量部、上記で得られたコロイダルシリカ水分散体を固形分換算して2.5質量部、上記で得られたポリアクリル酸を含む水溶液をポリマー量に換算して0.05質量部に相当する量をポリエチレン製の瓶に入れ、これにラウリル硫酸トリエタノールアミンを0.18質量部添加した。次いで、過酸化水素1質量部を添加し、15分間攪拌した。最後に、全成分の合計量が100質量部、所定のpHとなるようにマレイン酸およびイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、表1に記載の実施例1に係る化学機械研磨用水系分散体を得た。
添加する成分の種類および含有量を表1に示したものに変更したこと以外は、上記の実施例1に係る化学機械研磨用水系分散体の調製方法と同様にして実施例2〜10および比較例1〜6に係る化学機械研磨用水系分散体を調製した。
なお、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB−550」)を用いて、上記で得られた実施例1に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径を測定したところ、75nmであった。また、上記で得られた化学機械研磨用水系分散体に含まれるコロイダルシリカの表面電荷(ゼータ電位)を超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology社製、型式「DT−1200」)で測定したところ、−1.5mVであった。実施例2〜9および比較例1〜6に係る化学機械研磨用水系分散体についても同様にしてコロイダルシリカの表面電荷(ゼータ電位)を測定した。その結果を表1に併せて示す。
3.2.評価方法
化学機械研磨装置(AMAT社製、型式「Reflexion LK」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、上記で得られた化学機械研磨用水系分散体のいずれかを供給しながら、下記の研磨速度測定用基板につき、下記研磨条件にて化学機械研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度および選択比を評価した。その結果を表1に併せて示す。
(1)研磨速度測定用基板
・直径300mmのタングステン膜付きブランケットウェハー(SKW Associates社製、「W−Blanket」)
・直径300mmの窒化シリコン膜付きシリコンウェハー
また、ゼータ電位測定装置(大塚電子株式会社製、型式「ELS6000」)の測定用セルに上記窒化シリコン膜付きシリコンウェハーを貼り付けてウェハー表面のゼータ電位を測定した。なお、使用する化学機械研磨用水系分散体に含まれるケミカル量と同等量を0.01mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に溶解させ、そこにコロイダルシリカ水分散体を1滴(0.1g)添加したサンプルを用いて、ウェハー表面のゼータ電位測定を行った。
(2)研磨条件
・ヘッド回転速度:91rpm
・ヘッド荷重:10.3kPa(1.5psi)
・プラテン回転速度:90rpm
・化学機械研磨用水系分散体の供給速度:300mL/分
(3)研磨速度の評価方法
被研磨体である直径300mmのタングステン膜または窒化シリコン膜付きウェハーのそれぞれについて、研磨前の膜厚をシート抵抗式金属膜厚計「RS−100」(ケーエルエー・テンコール社製)、光干渉式膜厚計「ASET−F5X」(ケーエルエー・テンコール社製)によって予め測定しておき、上記の条件で1分間研磨を行った。研磨後の被研磨体の膜厚を、同様に光干渉式膜厚計を用いて測定し、研磨前と研磨後の膜厚の差、すなわち化学機械研磨により減少した膜厚を求めた。そして、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
なお、選択比(タングステン膜の研磨速度/窒化シリコン膜の研磨速度)が、4.0以上である場合には良好と判断し、表1中で「○」と記載した。一方、4.0未満の場合には、選択比のバランスが損なわれており不良と判断し、表1中で「×」と記載した。
(4)窒化シリコン膜上の欠陥評価
上記で研磨速度の評価が行われた窒化シリコン膜付きウェハーについて、欠陥検査装置(ケーエルエー・テンコール社製、型式「Surfscan SP1」)を用いて、90nm以上の大きさの欠陥総数をカウントした。ウェハー当たりの欠陥総数が100個未満である場合を良好と判断し、表1中で「○」と記載した。一方、100個以上である場合を不良と判断し、表1中で「×」と記載した。
Figure 2014103725
なお、表1中における上記で説明した以外の成分は、それぞれ下記のものを使用した。
・コロイダルシリカ(上記「3.1.1.コロイダルシリカ水分散体の調製」で得られたもの)
・ポリアクリル酸(上記「3.1.2.ポリアクリル酸を含む水溶液の調製」で得られたもの)
・ポリスチレンスルホン酸(東ソー株式会社製、商品名「PS−5」、重量平均分子量Mw:50,000)
・ポリエチレングリコール(日油株式会社製、商品名「PEG#200」、重量平均分子量Mw:200)
・ラウリル硫酸トリエタノールアミン(花王株式会社製、商品名「エマールTD」)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(花王株式会社製、商品名「エマール20T」、エチレンオキサイド付加モル数;3)
・ラウリル硫酸アンモニウム(花王株式会社製、商品名「ラテムルAD−25」)
・ミリスチル硫酸トリエタノールアミン(東邦化学工業株式会社製、商品名「アルフコープLS−40T」)
・ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン(花王株式会社製、商品名「ネオペレックスGS」と日本触媒株式会社製、商品名「トリエタノールアミン」をモル当量混合し、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩水溶液として使用した。)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、商品名「エマルゲン150」)
3.3.評価結果
実施例1〜10の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合には、選択比(タングステン膜の研磨速度/窒化シリコン膜の研磨速度)がいずれも4以上と大きくなった。また、窒化シリコン膜上の欠陥も100未満となり、良好な状態の被研磨面が得られることが分かった。
pHが所定範囲外にある、比較例1または比較例2の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合には、pHが所定範囲外であるため、特にタングステン膜の研磨速度が低下し、選択比が4未満となった。
(B)アニオン性水溶性高分子および(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の組み合わせではない、比較例3〜6の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合には、選択比および窒化シリコン膜上の欠陥のいずれか一方もしくは両方が損なわれる結果となった。したがって、選択比および窒化シリコン膜上の欠陥を良好とするためには、(B)アニオン性水溶性高分子および(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩の組み合わせが重要であることが分かった。
以上のように、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)コロイダルシリカと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)アルキル(エーテル)硫酸エステルのアルカノールアミン塩と、を含有し、pHが1〜4であることによって、タングステン膜の研磨速度を十分に高めると共に、窒化シリコン膜の研磨速度を低くすることができ、かつ化学機械研磨の際に被研磨面上に残留するコロイダルシリカを大幅に低減できることが示された。
10…基体、12…酸化シリコン膜、14…コンタクトホール、16…バリアメタル膜、18…タングステン膜、42…スラリー供給ノズル、44…スラリー、46…研磨布、48…ターンテーブル、50…半導体基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…被処理体、200…化学機械研磨装置

Claims (7)

  1. (A)コロイダルシリカと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)アルキル硫酸エステルおよびアルキルエーテル硫酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のアルカノールアミン塩と、を含有し、pHが1〜4であることを特徴とする、化学機械研磨用水系分散体。
  2. 前記(C)成分のアルキル硫酸エステル部位またはアルキルエーテル硫酸エステル部位のアルキル鎖長が炭素数8〜20である、請求項1に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  3. 前記(C)成分の含有量が、0.01質量%以上0.6質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  4. 前記(B)成分の含有量が、0.005質量%以上0.15質量%以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  5. タングステン膜と、窒化シリコン膜と、を少なくとも有する被処理体の研磨に用いる、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  6. 前記タングステン膜の研磨速度が、前記窒化シリコン膜の研磨速度の4倍以上である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いることを特徴とする、化学機械研磨方法。
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