JPWO2014098181A1 - 極端紫外光生成システム及び極端紫外光生成装置 - Google Patents

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Abstract

この極端紫外光生成システムは、プラズマ生成領域にプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を集光するように、且つプリパルスレーザ光の光路軸及びメインパルスレーザ光の光路軸が、磁場生成器によって生成される磁場の中心軸に対してロスコーン角以下の角度でプラズマ生成領域を通るように構成された集光光学系を含んでもよい。ターゲット生成部から出力されたターゲットに、プラズマ生成領域においてプリパルスレーザ光が照射された後、このターゲットに、0.5μs以上7μs以下の範囲の遅延時間でメインパルスレーザ光が照射されるように、第1のレーザ装置及び第2のレーザ装置が制御されてもよい。

Description

本開示は、極端紫外光生成システム及び極端紫外光生成装置に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光を生成するための極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
概要
本開示の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、第1のレーザ装置と、第2のレーザ装置と、第1のレーザ装置から出力されたプリパルスレーザ光と第2のレーザ装置から出力されたメインパルスレーザ光とが通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、チャンバ内のプラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、プラズマ生成領域にプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を集光するように、且つプリパルスレーザ光の光路軸及びメインパルスレーザ光の光路軸が、磁場生成器によって生成される磁場の中心軸に対してロスコーン角以下の角度でプラズマ生成領域を通るように構成された集光光学系と、ターゲット生成部と、ターゲット生成部から出力されたターゲットに、プラズマ生成領域においてプリパルスレーザ光が照射された後、このターゲットに、0.5μs以上7μs以下の範囲の遅延時間でメインパルスレーザ光が照射されるように、第1のレーザ装置及び第2のレーザ装置を制御するEUV光生成制御部と、を含んでもよい。
本開示の他の1つの観点に係る極端紫外光生成装置は、パルスレーザ光が通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、チャンバ内のプラズマ生成領域にパルスレーザ光を集光するように構成された集光光学系と、プラズマ生成領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、プラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、プラズマ生成領域と磁場生成器との間に位置し、プラズマ生成領域において生成されたイオンを回収するように構成され、且つ、パルスレーザ光を通過させるレーザ光通路を画定するイオン回収部と、を含んでもよい。
本開示の他の1つの観点に係る極端紫外光生成装置は、第1のレーザ装置から出力されたプリパルスレーザ光と第2のレーザ装置から出力されたメインパルスレーザ光とが通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、チャンバ内のプラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、ターゲット生成部と、プリパルスレーザ光とメインパルスレーザ光とを合流させるビームコンバイナと、ビームコンバイナから出力されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を、磁場生成器によって生成される磁場の中心軸と交差してプラズマ生成領域に集光するように構成された集光光学系と、プリパルスレーザ光の光路軸及びメインパルスレーザ光の光路軸と磁場生成器によって生成される磁場の中心軸とを含む面に対向する反射面を有し、前記プラズマ生成領域において生成された極端紫外光を集光するEUV集光ミラーと、を含んでもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図2Aは、第1の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図2Bは、図2Aに示されるEUV光生成装置のZX平面に平行な断面を示す。 図3は、EUV光生成システムにおけるプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射条件とCEとの関係の計測結果を示すグラフである。 図4は、ロスコーン角について説明するための図である。 図5Aは、ターゲットにプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を照射したときに発生した正イオンの電荷量分布の計測結果を示す。 図5Bは、図5Aに示されるイオン電荷量の分布を極座標平面に示す。 図6は、第2の実施形態に係るEUV光生成装置の一部断面図である。 図7A及び図7Bは、図6に示されたイオン回収部の詳細な構成を示す。 図8は、第3の実施形態に係るEUV光生成装置の一部断面図である。 図9Aは、第4の実施形態に係るEUV光生成システムを示す一部断面図である。 図9Bは、図9Aに示されるEUV光生成装置のZX平面に平行な断面を示す。 図10は、磁場によるイオン収束範囲Aを概略的に示す。 図11は、上述の各実施形態に係るEUV光生成装置において用いることができる第1のレーザ装置のブロック図である。 図12は、プラズマから放射されるEUV光の光強度分布の計測結果を極座標平面に示す。
実施形態
<内容>
1.概要
2.用語の説明
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.磁場生成器を含むEUV光生成装置(第1の実施形態)
4.1 構成
4.2 動作
4.3 第5の遅延時間について
4.4 ロスコーン角
4.5 イオン回収率の向上
5.第2の実施形態(レーザ光路軸が磁場軸に一致する場合)
6.第3の実施形態(磁場が非対称な場合)
7.第4の実施形態(レーザ軸と磁場軸が直交する場合)
8.その他(第1のレーザ装置)
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作のすべてが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.概要
LPP式のEUV光生成装置においては、ターゲット生成部がターゲットを出力し、チャンバ内のプラズマ生成領域に到達させてもよい。ターゲットがプラズマ生成領域に到達した時点で、レーザシステムがターゲットにパルスレーザ光を照射することで、ターゲットがプラズマ化し、このプラズマからEUV光が放射され得る。
プラズマは、ターゲットの材料が電離したことによって生成されたイオン及び電子を含み得る。プラズマに含まれるイオンは、チャンバ内の光学装置に付着した場合に、当該光学装置の性能を低下させ得る。そこで、イオンを回収するために、磁場生成器によってプラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成する場合がある。
プラズマ生成領域から放出されて拡散しようとするイオンは、磁場によってローレンツ力を受けることにより移動方向を変えられ、磁場に沿ってらせん状に移動し得る。プラズマ生成領域から、磁場に対してロスコーン角と呼ばれる角度範囲内の方向に放出されたイオンは、プラズマ生成領域と磁場生成器との間に設けられたイオン回収部によって回収され得る。しかしながら、磁場に対してロスコーン角を超える方向に放出されたイオンは、磁場に閉じ込められてしまい、イオン回収部に到達できない場合があり得る。イオン回収部に到達できなかったイオンは、チャンバ内の光学装置に付着してしまう場合があり得る。
本発明者らは、プラズマに含まれるイオンの量の分布が、ターゲットに照射されるパルスレーザ光の照射方向に依存し得ることを見出した。多くのイオンが磁場に対してロスコーン角以下の角度で放出されれば、多くのイオンがイオン回収部に到達し、効率的に回収され得る。一方、多くのイオンが磁場に対してロスコーン角を超える角度で放出されれば、イオンの回収効率が低くなり得る。
本開示の1つの観点によれば、ターゲットに照射されるパルスレーザ光の光路軸が、磁場の中心軸に対してロスコーン角以下の角度でプラズマ生成領域を通ってもよい。
本開示のもう1つの観点によれば、プラズマ生成領域と磁場生成器の1つとの間に、パルスレーザ光を通過させるイオン回収部が設けられてもよい。
これらの観点によれば、多くのイオンを、磁場に対してロスコーン角以下の角度で放出させることができ、イオン回収部によって効率的に回収し得る。
また、多くのイオンが磁場に対してロスコーン角を超える角度で放出されるとしても、その放出方向がEUV集光ミラーに向かう方向でない場合には、イオンがEUV集光ミラーに付着することを抑制し得る。
本開示の別の観点によれば、ターゲットに照射されるパルスレーザ光の光路軸と磁場の中心軸とを含む面と、EUV集光ミラーの反射面とが対向していてもよい。
この観点によれば、磁場に対してロスコーン角を超える角度で放出されたイオンがEUV集光ミラーに到達することを抑制し得る。
2.用語の説明
本願において使用される幾つかの用語を以下に説明する。
「ロスコーン角」は、イオンが磁場に閉じ込められずに磁場に沿って排出されるようなイオンの移動方向の閾値を意味し得る。ロスコーンという用語は、イオンを磁場に閉じ込めて利用する核融合炉などの分野において、磁場に閉じ込められずに損失となるイオンの移動方向の範囲が円錐の形状を有することに由来し得る。
ターゲットの「軌道」は、ターゲット生成部から出力されるターゲットの理想的な経路、あるいは、ターゲット生成部の設計に従ったターゲットの経路であってもよい。
ターゲットの「軌跡」は、ターゲット生成部から出力されたターゲットの実際の経路であってもよい。
「プラズマ生成領域」は、EUV光を生成するためのプラズマの生成が開始される領域を意味し得る。プラズマ生成領域においてプラズマの生成が開始されるためには、プラズマ生成領域に向けてターゲットが出力され、かつ、ターゲットがプラズマ生成領域に到達するタイミングでプラズマ生成領域にパルスレーザ光が集光される必要があり得る。
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いられてもよい。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザシステム3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット生成部26を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。ターゲット生成部26は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられてもよい。ターゲット生成部26から出力されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられてもよく、ウインドウ21をレーザシステム3から出力されるパルスレーザ光32が透過してもよい。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF)292に位置するように配置されるのが好ましい。必要な場合には、EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられていてもよく、貫通孔24をパルスレーザ光33が通過してもよい。
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御部5、ターゲットセンサ4等を含んでもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよく、ターゲット27の存在、軌跡、位置、速度等を検出するよう構成されてもよい。
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
3.2 動作
図1を参照に、レーザシステム3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内を進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。
ターゲット生成部26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射され得る。EUV集光ミラー23は、放射光251に含まれるEUV光を、他の波長域の光に比べて高い反射率で反射してもよい。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光を含む反射光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
EUV光生成制御部5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括するよう構成されてもよい。EUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理するよう構成されてもよい。また、EUV光生成制御部5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御するよう構成されてもよい。さらに、EUV光生成制御部5は、例えば、レーザシステム3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御するよう構成されてもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
4.磁場生成器を含むEUV光生成装置
4.1 構成
図2Aは、第1の実施形態に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。図2Aは、EUV光生成装置1のYZ平面に平行な断面を示す。図2Bは、図2Aに示されるEUV光生成装置1のZX平面に平行な断面を示す。ここで、X方向は、磁場18aの中心軸18bの方向に相当し得る。Y方向は、ターゲット27の進行方向に相当し、且つ、好ましくは重力の方向に相当し得る。Z方向は、EUV光を含む反射光252の中心軸の方向に相当し得る。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに垂直であり得る。図2A及び図2Bに示されるように、チャンバ2の内部には、集光光学系22aと、EUV集光ミラー23aと、ターゲット回収部28と、イオン回収部28aと、EUV集光ミラーホルダ81と、プレート82及び83とが設けられてもよい。チャンバ2には、ターゲット生成部26が取り付けられてもよい。
チャンバ2の外部には、レーザ光進行方向制御部34と、光検出器35と、EUV光生成制御部5と、磁場生成器18とが設けられてもよい。レーザ光進行方向制御部34は、高反射ミラー341、342及び343と、ダイクロイックミラー344とを含んでもよい。光検出器35は、ビームスプリッタ351と光センサ352とを含んでもよい。EUV光生成制御部5は、EUVコントローラ51と、ターゲットコントローラ52と、遅延回路53とを含んでいても良い。
チャンバ2の外部には、さらに、EUV光生成システムを構成するレーザシステム3が設けられてもよい。レーザシステム3は、第1のレーザ装置3a及び第2のレーザ装置3bを含んでいてもよい。第1のレーザ装置3aは、プリパルスレーザ光31aを出力してもよい。第2のレーザ装置3bは、メインパルスレーザ光31bを出力してもよい。
プレート82は、チャンバ2に固定されてもよい。プレート82には、プレート83が固定されてもよい。EUV集光ミラー23aは、EUV集光ミラーホルダ81を介してプレート82に固定されてもよい。EUV集光ミラー23aには、貫通孔24(図1)が形成されていなくてもよい。
集光光学系22aは、平面ミラー221、軸外放物面ミラー222及び平面ミラー223と、ホルダ224〜226とを含んでもよい。平面ミラー221は、ホルダ224によって保持されてもよい。軸外放物面ミラー222は、ホルダ225によって保持されてもよい。平面ミラー223は、ホルダ226によって保持されてもよい。ホルダ224及び225は、プレート83に固定されてもよい。ホルダ226は、チャンバ2に固定されてもよい。平面ミラー221、軸外放物面ミラー222及び平面ミラー223によって反射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cがプラズマ生成領域25で集光するように、これらのミラーの位置及び姿勢が保持されてもよい。
ターゲット生成部26は、リザーバ61を有していてもよい。リザーバ61は、図示しないヒータを用いてターゲットの材料を溶融した状態で内部に貯蔵してもよい。リザーバ61の一部が、チャンバ2の壁面に形成された貫通孔2aを貫通しており、リザーバ61の先端がチャンバ2の内部に位置していてもよい。リザーバ61の上記先端には、開口62が形成されていてもよい。貫通孔2aの周囲のチャンバ2の壁面には、リザーバ61のフランジ部61aが密着して固定されてもよい。
磁場生成器18は、一対の磁石を含んでもよい。これらの磁石は、電源19に接続されたトロイダル状のコイルを含む電磁石でもよい。磁場生成器18は、これらのコイルの中心軸がターゲット27の進行方向とほぼ直交するように配置されてもよい。磁場生成器18は、チャンバ2の内部に磁場18aを生成するように構成されてもよい。磁場生成器18に含まれる2つのコイルの中心軸は、磁場18aの中心軸18bとほぼ一致し得る。磁場18aは、中心軸18bの周りに軸対称であってもよい。磁場18aは、プラズマ生成領域25を含む領域に生成されるのが好ましい。
4.2 動作
図2Aを参照し、ターゲット生成部26は、開口62を介して、溶融したターゲットの材料をドロップレット状のターゲット27としてチャンバ2内のプラズマ生成領域25に向けて出力してもよい。ターゲット回収部28は、ターゲット27の軌道の延長線上に配置され、プラズマ生成領域25を通過したターゲット27を回収してもよい。
レーザ光進行方向制御部34に含まれる高反射ミラー341は、第1のレーザ装置3aが出力するプリパルスレーザ光31aの光路に配置されてもよい。高反射ミラー341は、プリパルスレーザ光31aを高い反射率で反射してもよい。
高反射ミラー341によって反射されたプリパルスレーザ光31aは、ダイクロイックミラー344に図中上側から入射してもよい。ダイクロイックミラー344は、プリパルスレーザ光31aを高い反射率で図中左側に向けて反射してもよい。
第2のレーザ装置3bが出力するメインパルスレーザ光31bは、プリパルスレーザ光31aに含まれる波長成分と異なる波長成分を含んでもよい。メインパルスレーザ光31bの光路には、高反射ミラー342及び343が配置されてもよい。高反射ミラー342及び343は、メインパルスレーザ光31bを高い反射率で順次反射してもよい。
高反射ミラー342及び343によって反射されたメインパルスレーザ光31bは、ダイクロイックミラー344に図中右側から入射してもよい。ダイクロイックミラー344は、メインパルスレーザ光31bを高い透過率で図中左側に向けて透過させてもよい。
これにより、プリパルスレーザ光31aと、メインパルスレーザ光31bとは、ダイクロイックミラー344によって合波され得る。すなわち、ダイクロイックミラー344はビームコンバイナとして機能し得る。合波されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cは、集光光学系22aに導かれ得る。
図2Bを参照し、集光光学系22aに含まれる平面ミラー221は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cの光路に配置されてもよい。平面ミラー221は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cを軸外放物面ミラー222に向けて反射してもよい。平面ミラー221及び軸外放物面ミラー222は、EUV集光ミラー23aの反射面より後方の位置に配置されていてもよい。「後方」とは、EUV集光ミラー23aの反射面から、EUV集光ミラー23aの反射面と反対側の面へ向かう方向でもよい。
平面ミラー223は、軸外放物面ミラー222によって反射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cの光路に配置されてもよい。平面ミラー223は、EUV集光ミラー23aの反射面より前方の位置に配置されていてもよい。「前方」とは、EUV集光ミラー23aの反射面と反対側の面から、EUV集光ミラー23aの反射面へ向かう方向でもよい。軸外放物面ミラー222によって反射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cは、EUV集光ミラー23aの反射面の外縁より外側の光路を通って平面ミラー223に達してもよい。なお、平面ミラー223は、図2Aにおいては省略されている。
平面ミラー223は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cを反射することにより、これらの光をプラズマ生成領域25に導いてもよい。プラズマ生成領域25を通るときの、プリパルスレーザ光の光路軸33aの向き及びメインパルスレーザ光の光路軸33bの向きは、磁場生成器18によって生成される磁場18aの中心軸18bの向きと僅かに異なってもよい。平面ミラー223の位置は、プラズマ生成領域25からみて、イオン回収部28aと重ならない位置であってもよい。
図2Aを再び参照し、光検出器35は、レーザ光進行方向制御部34と集光光学系22aとの間に配置されてもよい。光検出器35に含まれるビームスプリッタ351は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cを集光光学系22aに向けて高い透過率で透過させてもよい。これとともに、ビームスプリッタ351は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cの一部を光センサ352に向けて反射してもよい。光センサ352は、ビームスプリッタ351によって反射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cの一部を受光してもよい。光センサ352は、それらの受光タイミングを示す受光タイミング信号をEUV光生成制御部5に出力してもよい。
EUV光生成制御部5に含まれるEUVコントローラ51は、露光装置6(図1)からEUV光生成指令信号が出力された場合に、当該EUV光生成指令信号を受信してもよい。EUV光生成制御部5は、以下の第1の機能及び第2の機能のいずれかを有していてもよい。EUV光生成指令信号とは、露光装置6からEUV光生成制御部5に対して送信されるトリガ信号であってもよい。
第1の機能は、以下の機能でもよい。
EUVコントローラ51は、EUV光生成指令信号に基づき、ターゲットコントローラ52にターゲット生成信号を出力してもよい。ターゲットコントローラ52は、EUVコントローラ51から受信したターゲット生成信号をターゲット生成部26に出力してもよい。ターゲット生成部26は、ターゲット生成信号が出力されている間、略一定の繰り返し周波数で連続的にターゲット27をチャンバ2内に出力してもよい。
ターゲットコントローラ52は、ターゲットセンサ4から出力されたターゲット27の検出タイミングを示すターゲット検出信号を受信してもよい。ターゲットコントローラ52は、ターゲット検出信号を、遅延回路53に出力してもよい。遅延回路53は、ターゲット検出信号に第1の遅延時間を与えた第1遅延信号を第1のレーザ装置3aに出力してもよい。遅延回路53は、ターゲット検出信号に第2の遅延時間を与えた第2遅延信号を第2のレーザ装置3bに出力してもよい。
第1の遅延時間は、ターゲットセンサ4によって検出されたターゲット27がプラズマ生成領域25に到達するタイミングでプリパルスレーザ光がターゲット27に照射されるような遅延時間でもよい。第2の遅延時間は、プリパルスレーザ光が照射されたターゲット27が拡散して所定の拡散ターゲットとなるタイミングでメインパルスレーザ光が拡散ターゲットに照射されるような遅延時間でもよい。以上が第1の機能でもよい。
第2の機能は、以下の機能でもよい。
EUVコントローラ51は、EUV光生成指令信号に基づき、ターゲットコントローラ52及び遅延回路53に、EUV光生成トリガ信号を出力してもよい。ターゲットコントローラ52は、EUVコントローラ51から受信したEUV光生成トリガ信号をターゲット生成部26に出力してもよい。ターゲット生成部26は、EUV光生成トリガ信号のタイミングに応じて、オンデマンドでターゲット27をチャンバ2内に出力してもよい。
遅延回路53は、EUV光生成トリガ信号に第3の遅延時間を与えた第3遅延信号を第1のレーザ装置3aに出力してもよい。遅延回路53は、EUV光生成トリガ信号に第4の遅延時間を与えた第4遅延信号を第2のレーザ装置3bに出力してもよい。
第3の遅延時間は、ターゲット生成部26から出力されるターゲット27がプラズマ生成領域25に到達するタイミングでプリパルスレーザ光がターゲット27に照射されるような遅延時間でもよい。第4の遅延時間は、プリパルスレーザ光が照射されたターゲット27が拡散して所定の拡散ターゲットとなるタイミングでメインパルスレーザ光が拡散ターゲットに照射されるような遅延時間でもよい。以上が第2の機能でもよい。
第1の機能における第1及び第2の遅延時間、あるいは、第2の機能における第3及び第4の遅延時間は、光検出器35の光センサ352から出力された受光タイミング信号に基づいて設定されてもよい。光検出器35は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路のうち、ダイクロイックミラー344より下流側に配置されていてもよい。従って、ターゲット27へのプリパルスレーザ光の照射タイミングに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングの遅延時間を、高い正確さで検出し得る。ターゲット27へのプリパルスレーザ光の照射タイミングに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングの遅延時間を、以下「第5の遅延時間」という。
4.3 第5の遅延時間について
図3は、EUV光生成システム11におけるプリパルスレーザ光31a及びメインパルスレーザ光31bの照射条件と変換効率(CE)との関係の計測結果を示すグラフである。図3においては、第5の遅延時間(μs)を横軸にとり、メインパルスレーザ光のエネルギーからEUV光のエネルギーへの変換効率すなわちCE(%)を縦軸にとっている。また、図3においては、プリパルスレーザ光のパルス幅(半値全幅)とフルーエンス(エネルギー密度)との組合せを7通り設定し、それぞれの組合せについて、測定を行い、その結果を折れ線で示した。なお、フルーエンスとは、パルスレーザ光のエネルギーを、集光スポット径(集光点の強度分布において、ピーク強度の1/e以上の強度を有する部分の直径)の円の面積で除算した値とする。
測定条件の詳細は次の通りである。ターゲット物質としてスズ(Sn)を用い、これを溶融させて直径約21μmのドロップレット状のターゲットとした。
第1のレーザ装置としては、パルス幅を10nsとする場合には、Nd:YAGレーザ装置を用い、波長を1.06μmとし、パルスエネルギーを0.5mJ〜2.7mJとした。パルス幅を10psとする場合には、マスターオシレータとしてNd:YVOの結晶を含むモードロックレーザ装置を用い、再生増幅器としてNd:YAGの結晶を含むレーザ装置を用い、波長を1.06μmとし、パルスエネルギーを0.25mJ〜2mJとした。これらの第1のレーザ装置によるプリパルスレーザ光の集光スポット径は、70μmとした。
第2のレーザ装置としては、COレーザ装置を用い、波長を10.6μmとし、パルスエネルギーを135mJ〜170mJとした。この第2のレーザ装置によるメインパルスレーザ光のパルス幅は15nsとし、集光スポット径を300μmとした。
図3に示された結果から、プリパルスレーザ光のパルス幅をピコ秒オーダーとし、フルーエンスを13J/cm〜52J/cmとする場合には、第5の遅延時間は、0.5μs以上、1.8μs以下の範囲とするのが好ましい。第5の遅延時間は、0.7μs以上、1.6μs以下の範囲とするのがより好ましく、1.0μs以上、1.4μs以下とするのがさらに好ましい。
また、プリパルスレーザ光のパルス幅をナノ秒オーダーとし、フルーエンスを26J/cm〜70.2J/cmとする場合には、第5の遅延時間は、1μs以上、7μs以下の範囲とするのが好ましい。第5の遅延時間は、2μs以上、4μs以下の範囲とするのがより好ましく、2.5μs以上、3.5μs以下とするのがさらに好ましい。
4.4 ロスコーン角
図4は、ロスコーン角について説明するための図である。プラズマ生成領域25において生成されるプラズマには、ターゲット物質(スズ等)のイオン(Sn2+等の陽イオン)及び電子が含まれ得る。磁場18aが無い場合、これらのイオン及び電子は、プラズマ生成領域25から放射状に拡散し得る。
磁場生成器18によって生成される磁場18aの中を、イオンが拡散しながら移動しようとすると、このイオンは、磁力線の方向と、イオンの移動方向とに垂直な方向のローレンツ力を受け得る。その結果、プラズマに含まれるイオンは、ローレンツ力を受けて移動方向を変えられ、磁力線に沿ってらせん状に移動し、イオン回収部28aによって回収され得る。
これにより、イオンがEUV集光ミラー23aに向かって飛散することが抑制され得る。従って、EUV集光ミラー23aがイオンによって汚染されることが抑制され得る。しかしながら、以下に説明するように、すべてのイオンがイオン回収部28aによって回収されるわけではない。
磁場生成器18によって生成される磁場18aは、磁場生成器18付近の位置よりも、磁場生成器18から離れた位置において弱くなり得る。プラズマ生成領域25を挟んで2つの磁場生成器18が配置される場合には、プラズマ生成領域25付近の磁場Bよりも、磁場生成器18付近の各位置における磁場Bの方が強くなり得る。すなわち、B<Bであり得る。
ここで、プラズマ生成領域25付近におけるイオンの速度が、磁場に平行な速度成分vpoと、磁場に垂直な速度成分vsoと、を含むものとする。また、プラズマ生成領域25付近から磁場生成器18付近に向かってイオンが螺旋状に移動し、磁場生成器18付近に達したときのイオンの速度が、磁場に平行な速度成分vpmと、磁場に垂直な速度成分vsmと、を含むものとする。このとき、mをイオンの質量として、以下の式(1)で表されるように、イオンの磁気モーメントμは保存され得る。
μ=(mvso /2)/B
=(mvsm /2)/B ・・・式(1)
上述の通り、B<Bであるので、式(1)より、vso<vsmであり得る。すなわち、プラズマ生成領域25付近から磁場生成器18付近に向かってイオンが螺旋状に移動すると、当該イオンが到達した位置における磁場が強くなり、磁場に垂直な速度成分が大きくなり得る。
但し、イオンの運動量は保存されるので、イオンの速度の絶対値|v|は、以下の式(2)で表されるように、一定であり得る。
|v|=(vpo +vso 1/2
=(vpm +vsm 1/2 ・・・式(2)
すなわち、磁場に垂直な速度成分が大きくなると、磁場に平行な速度成分が小さくなる。従って、プラズマ生成領域25付近から磁場生成器18付近に向かってイオンが移動し、磁場が強くなると、あるところで磁場に平行なイオンの速度成分は0となり、イオンはプラズマ生成領域25へ向かう方向に戻され得る。例えば、vpm=0となると仮定すると、式(2)より、|v|=|vsm|となり得る。
また、プラズマ生成領域25付近におけるイオンの移動方向の磁場に対する角度をαとした場合に、vpm=0となると仮定すると、以下の式(3)が導かれ得る。
sinα=|vso|/|v|
=|vso|/|vsm| ・・・式(3)
式(1)及び式(3)より以下のようにして導かれる角度αは、ロスコーン角と呼ばれ、vpm=0となるようなイオンの移動方向の閾値を示し得る。
/B=vso /vsm
=sinα
α=sin−1(B/B1/2
以上より、ロスコーン角を超える角度で拡散しようとするイオンは、強い磁場Bによって反射されてプラズマ生成領域25又はその周辺に戻され得る。ロスコーン角以下の角度で拡散しようとするイオンは、強い磁場Bによって反射されずに、イオン回収部28aによって回収され得る。磁場18aの中心軸18bとの角度がαである曲面を側面とする円錐が、ロスコーン18c(図2B参照)と呼ばれる。
4.5 イオン回収率の向上
図5Aは、ターゲットにプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を照射したときに発生した正イオンの電荷量分布の計測結果を示す。図5Aにおいて、横軸は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに対して垂直な方向に対する角度を示す。角度θ=90degは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射側の方向、すなわち、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路の上流側の方向に相当する。角度θ=0degは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに対して垂直な方向に相当する。角度θ=−90degは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射側と反対側の方向、すなわち、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路の下流側の方向に相当する。図5Aにおいて、縦軸は、各角度における1ステラジアンあたりのイオン電荷量を示す。
図5Aは、磁場生成器18を電源19から遮断した状態で測定した結果を示している。ターゲットとしては、直径20μmの液体のスズ(Sn)を用いた。プリパルスレーザ光は、波長1.06μm、パルス幅10ns、パルスエネルギー2.6mJ、スポット径70μmであった。メインパルスレーザ光は、波長10.6μm、パルス幅15ns、パルスエネルギー170mJ、スポット径300μmであった。第5の遅延時間は、3μsであった。なお、上述の「スポット径」は、パルスレーザ光の集光位置において、ピーク強度に対して1/e以上の強度を有する部分の直径である。
図5Aに示されるように、イオンは等方的に発生していたのではなかった。イオンは、ターゲット27に照射されるプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに平行な2方向には多く、光路軸に垂直な方向には少ない分布を有していた。
図5Bは、図5Aに示されるイオン電荷量の分布を極座標平面に示す。図5Bにおける水平方向に対する角度θは、図5Aの横軸の値に相当する。図5Bにおける原点からの距離rは、図5Aの縦軸の値に相当する。イオン電荷量の分布は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに対して軸対称となり得る。すなわち、イオン電荷量の分布は、この分布が極座標空間に示される場合には、図5Bに示された右半分の分布を示す曲線を、θ=90degの直線を軸として回転させた軌跡によって得られる曲面となり得る。そして、この曲面の形状は、2つの回転楕円体が接合した「ひょうたん」のような回転体の表面形状に相当し得る。
図2Bには、プラズマ生成領域25を中心とした各方向でのイオン電荷量の分布を示す曲線Cが示されている。この曲線Cの形状は、図5Bに示されたイオン電荷量の分布を示す曲線の形状に相当する。すなわち、図2Bにおいて、プラズマ生成領域25から曲線C上の各点までの距離が大きいほど、当該点への方向におけるイオン電荷量が大きいことを示す。図2Bに示されるように、曲線Cのうち、イオン電荷量が大きいことを示す部分が、磁場のロスコーン18c内に位置する場合には、プラズマ生成領域25において発生したイオンの多くをイオン回収部28aによって回収し得る。本実施形態においては、プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bが、磁場の中心軸18bに対してロスコーン角以下の角度でプラズマ生成領域25を通るように、集光光学系22aが配置されている。これにより、曲線Cのうちイオン電荷量が大きいことを示す部分が、磁場のロスコーン18c内に位置するようになり、プラズマ生成領域25において発生したイオンの多くをイオン回収部28aによって回収し得る。
5.第2の実施形態(レーザ光路軸が磁場軸に一致する場合)
図6は、第2の実施形態に係るEUV光生成装置1aの一部断面図である。第2の実施形態においては、平面ミラー223を、磁場18aの中心軸18b上に配置してもよい。これにより、プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bを、磁場18aの中心軸18bと略同じ方向となるようにしてもよい。筒型の形状を有する2つのイオン回収部28bが、支持部28dによってチャンバ2に支持されていてもよい。イオン回収部28bの1つは、平面ミラー223とプラズマ生成領域25との間に配置されてもよい。筒型の形状を有するイオン回収部28bによって、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cを通過させるレーザ光通路が画定されてもよい。
図7A及び図7Bに、図6に示されたイオン回収部28bの詳細な構成を示す。図7Aは、プラズマ生成領域25からみたイオン回収部28bを、イオンの動きとともに示す。図7Bは、図7Aに示されたイオン回収部28bのXY平面に平行な断面を示す。イオン回収部28bは、電源280と、一対の電極281及び282と、ホルダ283と、ターゲット捕集部284とを含んでもよい。
電極281は電源280の出力端子に電気的に接続され、電極282は接地電位に電気的に接続されてもよい。一対の電極281及び282は、向かい合わせに配置されてもよい。ホルダ283は、電気絶縁性を有し、一対の電極281及び282を保持してもよい。ターゲット捕集部284は、一対の電極281及び282の各一端に沿って配置されてもよい。一対の電極281及び282と、ホルダ283と、ターゲット捕集部284とが、全体で筒型の形状をなすことにより、筒型のレーザ光通路285が画定されてもよい。
レーザ光通路285には、磁場生成器18によって、中心軸18bを有する磁場18aが生成されていてもよい。プラズマ生成領域25において生成されたプラズマに含まれるイオンは、磁場18aに沿ってらせん状に移動し、一対の電極281及び282の間に到達してもよい。イオンが正の電荷を有し、磁場の中心軸18bの方向が図7Aの手前方向であるとすると、このイオンのらせん状の移動の方向は、図7Aに右回りの破線矢印で示す方向となり得る。図7Aの視点で見たイオンの軌跡は、例えば、θ1の位置からθ2の位置へ、次にθ3の位置へ、次にθ4の位置へ、そしてθ1の位置へ移動する軌跡であり得る。
このとき、電源280によって電極281に負の電位−HVが印加され、電極282から電極281へ向かう方向の電界Eが生成された場合には、正の電荷を有するイオンは、電界Eと同一方向のクーロン力を受け得る。このクーロン力により、イオンは、θ4の位置からθ1の位置を通ってθ2の位置に達するまでの間に、電界Eと同一方向に加速され得る。反対に、イオンは、θ2の位置からθ3の位置を通ってθ4の位置に達するまでの間に減速され得る。
従って、θ1〜θ4のうちで、磁場の中心軸18bに垂直なイオンの速度成分が最大となるのはθ2の位置においてであり、磁場の中心軸18bに垂直なイオンの速度成分が最小となるのはθ4の位置においてであり得る。磁場の中心軸18bに垂直なイオンの速度成分が最大となるθ2の位置においては、らせん状の移動の中心軸に向かってイオンを引っ張るローレンツ力が最大となり、電界Eによるクーロン力に勝り得る。この結果、イオンのらせん状の移動の中心軸は、電界E及び磁場の中心軸18bの両方に垂直な矢印Dの方向に移動し得る。この現象は、ドリフトと呼ばれ得る。
イオンのらせん状の移動の中心軸が矢印Dの方向に移動することにより、イオンは、ターゲット捕集部284に捕集され得る。ターゲット捕集部284は、図示しないヒータによって加熱され得る。ターゲット捕集部284に捕集されたイオンは、電気的に中性の状態に戻され、且つ溶融された状態のターゲット物質284bとして、窪み284aに溜められ得る。ターゲット物質284bは、窪み284aから、図示しない配管に流れ込んでチャンバ2の外部に排出され得る。
第2の実施形態によれば、磁場の中心軸とレーザ光の光路軸とを同軸化することができるので、より多くのイオンをイオン回収部28bによって回収することができる。
他の点については、第1の実施形態と同様でよい。
なお、ここでは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cをプラズマ生成領域25に集光する場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。第2の実施形態においては、プリパルスレーザ光を用いずに、図1を参照しながら説明したようにパルスレーザ光に含まれる少なくとも1つのパルスによってターゲット27がプラズマ化されてもよい。
6.第3の実施形態(磁場が非対称な場合)
図8は、第3の実施形態に係るEUV光生成装置1bの一部断面図である。第3の実施形態においては、磁場生成器によって生成される磁場を、プラズマ生成領域25を中心として一方の磁場生成器側と他方の磁場生成器側とで非対称にしてもよい。
例えば、磁場生成器181に含まれるコイルの直径を、磁場生成器182に含まれるコイルの直径より小さくしてもよい。これにより、磁場生成器181側においては狭い範囲に磁力線を集中させ、磁場生成器182側においては磁力線を集中させないようにしてもよい。これにより、磁場生成器181側の磁場を相対的に強くすることができる。
また、磁場生成器181に含まれるコイルの直径と、磁場生成器182に含まれるコイルの直径とを同じにした場合でも、他の構成をとることにより、磁場を非対称にしてもよい。例えば、磁場生成器181に含まれるコイルの巻き数を、磁場生成器182に含まれるコイルの巻き数より多くしてもよい。あるいは、磁場生成器181に含まれるコイルに流す電流の値を、磁場生成器182に含まれるコイルに流す電流の値より大きくしてもよい。これにより、磁場生成器181側の磁場を、磁場生成器182側の磁場より強くすることができる。
以上の構成により、プラズマ生成領域25で生成されたイオンが、磁場が弱い方の磁場生成器182に向かって移動した場合に、プラズマ生成領域25に向かって戻されることが抑制され得る。すなわち、磁場生成器181側のロスコーン角よりも、磁場生成器182側のロスコーン角が大きくなり得る。プラズマ生成領域25と磁場が弱い方の磁場生成器182との間には、磁場に略垂直な面の面積の大きいイオン回収部28cが配置されてもよい。
好ましくは、磁場生成器181側に配置されたイオン回収部28bにおける磁場B1と、プラズマ生成領域25における磁場B0と、磁場生成器182側に配置されたイオン回収部28cにおける磁場B2とは、以下の関係を有してもよい。
B1>B0≧B2
これにより、磁場生成器182側のロスコーン角をほぼ90度にし得る。
第3の実施形態によれば、磁場生成器182側のロスコーン角をほぼ90度にし得るので、イオン回収部28cによって、より多くのイオンを回収することができる。
他の点については、第2の実施形態と同様でよい。
なお、ここでは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cをプラズマ生成領域25に集光する場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。第3の実施形態においては、プリパルスレーザ光を用いずに、図1を参照しながら説明したようにパルスレーザ光に含まれる少なくとも1つのパルスによってターゲット27がプラズマ化されてもよい。
7.第4の実施形態(レーザ軸と磁場軸が直交する場合)
図9Aは、第4の実施形態に係るEUV光生成システム11cを示す一部断面図である。図9Aは、EUV光生成装置1cのYZ平面に平行な断面を示す。図9Bは、図9Aに示されるEUV光生成装置1cのZX平面に平行な断面を示す。第4の実施形態においては、プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bが、磁場18aの中心軸18bとほぼ垂直に交差するようにしてもよい。そして、光路軸33a及び光路軸33bと磁場18aの中心軸18bとを含む面と、EUV集光ミラー23aの反射面231とが対向するように配置してもよい。
また、光路軸33a及び光路軸33bと磁場18aの中心軸18bとを含む面と、EUV集光ミラー23aの中心軸232とがほぼ垂直であってもよい。なお、EUV集光ミラー23aの中心軸232は、EUV集光ミラー23aの反射面231が回転体の一部の形状である場合に、当該回転体の回転中心であってもよい。また、EUV集光ミラー23aの中心軸232は、EUV集光ミラー23aの反射面231が回転楕円体の一部の形状である場合に、当該回転楕円体の第1の焦点と第2の焦点とを結ぶ線であってもよい。
ここで具体的な構成例を説明すると、レーザ光進行方向制御部34から出力されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cの光路に、高反射ミラー345が配置されていてもよい。高反射ミラー345は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cを高い反射率で反射し、EUV集光ミラー23aの反射面231より前方の位置に配置されたウインドウ21を介してチャンバ2内に入射させてもよい。チャンバ2内において、プレート82に固定されたプレート83には、EUV集光ミラー23aの反射面231より前方の位置に、平面ミラー221及び軸外放物面ミラー222が固定されていてもよい。平面ミラー221及び軸外放物面ミラー222は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光32cを反射し、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cとしてプラズマ生成領域25に集光させてもよい。
プラズマ生成領域25に集光するプリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bは、−Y方向であってもよい。ターゲット生成部26は、ターゲット27がプラズマ生成領域25に供給されるように、ターゲット27をほぼY方向に向けて供給してもよい。但し、ターゲット27は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光33cを照射されずに、プラズマ生成領域25を通過する場合があり得る。そこで、ターゲット27がプラズマ生成領域25を通過した場合に軸外放物面ミラー222に当たらないように、ターゲット27はY方向から若干ずれた方向に供給されてもよい。なお、図示された構成に限らず、ターゲット27はX方向に供給されてもよい。
磁場18aの中心軸18bは、X方向であってもよい。すなわち、光路軸33a及び光路軸33bと磁場18aの中心軸18bとを含む面は、XY平面に平行であってもよい。EUV集光ミラー23aの中心軸232は、Z方向であってもよい。そして、EUV集光ミラー23aの反射面231は、Z方向を向いて、光路軸33a及び光路軸33bと磁場18aの中心軸18bとを含む面と対向していてもよい。
他の点については、第1の実施形態と同様でよい。
図10は、磁場によるイオン収束範囲Aを概略的に示す。上述のイオン電荷量の分布を示す曲線Cは、磁場生成器18を電源19から遮断した場合のものであるのに対し、図10は、曲線Cのように分布するイオンが、磁場18aによってどのように収束するかを示している。図10において、プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bと、磁場18aの中心軸18bとは直交してもよい。
図10に示されるように、プラズマ生成領域25において生成されたターゲット物質のイオンは、磁場18aに沿って、すなわちX軸方向に、帯状に収束され得る。
磁場18aと交差する方向への収束形状は、Y軸方向とZ軸方向とで異なり得る。プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bと平行なY軸方向には、曲線Cで示されるようにイオンの放出量が多いので、磁場18aによって収束させてもY軸方向には広がり易い。一方、プリパルスレーザ光の光路軸33a及びメインパルスレーザ光の光路軸33bと垂直なZ軸方向には、曲線Cで示されるようにイオンの放出量が少ないので、磁場18aによる収束効果が強く働き得る。このため、イオンは、Y軸方向には広く、Z軸方向には狭い範囲に収束され得る。
図9A及び図9Bを再び参照すると、図10に示されたイオン収束範囲Aが示されている。図9A及び図9Bに示される配置によれば、ターゲット物質のイオンがEUV集光ミラー23aの反射面231に飛散することが抑制され得る。従って、ターゲット物質に由来するデブリが反射面231に堆積してEUV集光ミラー23aの反射率を低下させることが抑制され得る。イオン回収部28aに到達できなかったイオンは、図示しない排気装置によって、チャンバ2内のガスとともにチャンバ2の外に排出されてもよい。
8.その他(第1のレーザ装置)
図11は、上述の各実施形態に係るEUV光生成装置において用いることができる第1のレーザ装置3aのブロック図である。図11に示される第1のレーザ装置3aは、パルス幅がピコ秒オーダーであるプリパルスレーザ光を出力し得る。
パルス幅の短いパルスレーザ光を出力する装置として、モードロックレーザ装置が考えられる。モードロックレーザ装置は、相対的に位相が固定された複数の縦モードでレーザ光を発振させ得る。そして、それらの縦モードの光が合波されることにより、パルス幅の短いパルスレーザ光が出力され得る。しかしながら、モードロックレーザ装置がパルスレーザ光の各パルスを出力するタイミングは、1つ前のパルスを出力したタイミングと、当該モードロックレーザ装置の光共振器長に応じた繰り返し周波数とに依存し得る。従って、所望のタイミングで各パルスが出力されるようにモードロックレーザ装置を制御することは容易ではない。そこで、チャンバ内に出力されるドロップレット状のターゲットにプリパルスレーザ光を照射するタイミング制御を実現するために、第1のレーザ装置3aは以下の構成を備えてもよい。
第1のレーザ装置3aは、クロック生成器301と、モードロックレーザ装置302と、光共振器長調整ドライバ303と、パルスレーザ光検出器304と、再生増幅器305と、励起用電源306と、制御部310とを含んでもよい。
クロック生成器301は、例えば繰り返し周波数を100MHzとするクロック信号を出力してもよい。モードロックレーザ装置302は、例えばパルス幅がピコ秒オーダーであり、繰り返し周波数が100MHz程度であるパルスレーザ光を出力してもよい。モードロックレーザ装置302は、光共振器(図示せず)を含んでもよく、その光共振器長は、光共振器長調整ドライバ303によって調整可能であってもよい。光共振器長が調整されることにより、モードロックレーザ装置302から出力されるパルスレーザ光の繰り返し周波数が制御され得る。モードロックレーザ装置302から出力されるパルスレーザ光の繰り返し周波数は、クロック生成器301の繰り返し周波数に一致するように制御されてもよい。
モードロックレーザ装置302から出力されるパルスレーザ光の光路には、ビームスプリッタ307が配置されてもよい。ビームスプリッタ307によって2つの光路に分岐されたパルスレーザ光の一方の光路には、パルスレーザ光検出器304が配置されてもよい。パルスレーザ光検出器304は、パルスレーザ光を検出して検出信号を出力してもよい。
再生増幅器305は、ビームスプリッタ307によって分岐されたパルスレーザ光の他方の光路に配置されてもよい。再生増幅器305は、光共振器(図示せず)を含んでもよく、その光共振器内でパルスレーザ光を複数回往復させて増幅し、パルスレーザ光が所定回数往復したタイミングでこのパルスレーザ光を取り出す装置であってもよい。再生増幅器305の光共振器にはレーザ媒質が配置され、このレーザ媒質を励起するためのエネルギーが、励起用電源306を介して与えられてもよい。再生増幅器305は、内部にポッケルスセルを含んでもよい。
制御部310は、位相調整部311と、AND回路312とを含んでもよい。位相調整部311は、クロック生成器301によって出力されるクロック信号と、パルスレーザ光検出器304によって出力される検出信号とに基づいて、光共振器長調整ドライバ303をフィードバック制御してもよい。
また、制御部310は、クロック生成器301によって出力されるクロック信号と、図2Aの説明で述べた上述の遅延回路53からの第1又は第3遅延信号とに基づいて、再生増幅器305を制御してもよい。具体的には、AND回路312が、クロック信号と第1又は第3遅延信号とのAND信号を生成し、このAND信号によって再生増幅器305内のポッケルスセルを制御してもよい。
再生増幅器305は、モードロックレーザ装置302から出力されたパルスレーザ光に含まれる複数のパルスのうち、ポッケルスセルにAND信号が印加されたタイミングで再生増幅器305の光共振器内を進行しているパルスのみを、所定強度まで増幅してもよい。このようにして、第1のレーザ装置3aは、ターゲットがプラズマ生成領域25に到達するタイミングでプラズマ生成領域25に集光されるパルスのみを所定強度まで増幅して、プリパルスレーザ光として出力し得る。このプリパルスレーザ光のパルス幅は、ピコ秒オーダーであり得る。
プリパルスレーザ光のパルス幅をピコ秒オーダーとすることにより、ターゲットを細かい粒子状に破壊して拡散させ得る。これにより、拡散したターゲットにメインパルスレーザ光を照射したときに、ターゲットが効率良くプラズマ化され得る。
図12は、プラズマから放射されるEUV光の光強度分布の計測結果を極座標平面に示す。図12においては、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに垂直な方向からみた光強度分布が示されている。図12における上方向に対する角度ψは、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに対する角度を示す。図12における原点からの距離は、プラズマ生成領域25から各角度に放射されたEUV光の光強度Iを示す。
ターゲットとしては、直径20μmの液体のスズ(Sn)を用いた。メインパルスレーザ光は、波長10.6μm、パルス幅15ns、パルスエネルギー150mJ、スポット径300μmであった。
プリパルスレーザ光としては、ナノ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光と、ピコ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光とを用いて、結果を比較した。ナノ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光は、波長1.06μm、パルス幅10ns、パルスエネルギー2.7mJ、スポット径70μmであった。ナノ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光を照射した後にメインパルスレーザ光を照射する第5の遅延時間は、3μsであった。
ピコ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光は、波長1.06μm、パルス幅10ps、パルスエネルギー1mJ、スポット径70μmであった。ピコ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光を照射した後にメインパルスレーザ光を照射する第5の遅延時間は、1.1μsであった。
なお、上述の「スポット径」は、パルスレーザ光の集光位置において、ピーク強度に対して1/e以上の強度を有する部分の直径である。上述の第5の遅延時間としては、それぞれのプリパルスレーザ光の条件で最も高いCEが得られる値を選択した。
EUV光の光強度の分布は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに対して軸対称となり得る。すなわち、EUV光の光強度の分布は、この分布が極座標空間に示される場合には、図12に示された右半分の分布を示す曲線を、ψ=0degの直線を軸として回転させた軌跡によって得られる曲面となり得る。ψ=0degの直線は、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路軸33a及び33bに相当し得る。図12に示されるように、EUV光は等方的に生成されていたのではなく、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路の上流側の方向と下流側の方向とでEUV光の強度は異なっていた。
第1〜第4の実施形態においては、EUV集光ミラー23aの反射面より前方の位置からプラズマ生成領域25にプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を集光する場合が示されている。これらの実施形態において、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路の上流側の方向と下流側の方向とでEUV光の強度が異なっていると、EUV集光ミラー23aによって集光されるEUV光のファーフィールドパターンの均一性が低下し得る。しかしながら、図12に示されるように、ピコ秒オーダーのパルス幅を有するプリパルスレーザ光をターゲットに照射した場合には、EUV光の強度分布の均一性を改善し得る。
また、図3に示されるように、プリパルスレーザ光のパルス幅をピコ秒オーダーとした場合には、プリパルスレーザ光のパルス幅をナノ秒オーダーとした場合に比べて、CEが向上し得る。また、プリパルスレーザ光のパルス幅をピコ秒オーダーとした場合には、電荷を有しない中性粒子の発生割合が減少し得る。このため、デブリの多くを磁場生成器18によって生成される磁場及びイオン回収部28aによって回収し得る。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。

Claims (5)

  1. 第1のレーザ装置と、
    第2のレーザ装置と、
    前記第1のレーザ装置から出力されたプリパルスレーザ光と前記第2のレーザ装置から出力されたメインパルスレーザ光とが通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、
    前記チャンバ内のプラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
    前記プラズマ生成領域に前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を集光するように、且つ前記プリパルスレーザ光の光路軸及び前記メインパルスレーザ光の光路軸が、前記磁場生成器によって生成される磁場の中心軸に対してロスコーン角以下の角度で前記プラズマ生成領域を通るように構成された集光光学系と、
    ターゲット生成部と、
    前記ターゲット生成部から出力されたターゲットに、前記プラズマ生成領域において前記プリパルスレーザ光が照射された後、このターゲットに、0.5μs以上7μs以下の範囲の遅延時間で前記メインパルスレーザ光が照射されるように、前記第1のレーザ装置及び前記第2のレーザ装置を制御するEUV光生成制御部と、
    を含む
    極端紫外光生成システム。
  2. 前記プリパルスレーザ光の光路軸及び前記メインパルスレーザ光の光路軸が、前記磁場生成器によって生成される磁場の中心軸と略同じ方向となるように、前記集光光学系が配置されている、
    請求項1記載の極端紫外光生成システム。
  3. パルスレーザ光が通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、
    前記チャンバ内のプラズマ生成領域に前記パルスレーザ光を集光するように構成された集光光学系と、
    前記プラズマ生成領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、
    前記プラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
    前記プラズマ生成領域と前記磁場生成器との間に位置し、前記プラズマ生成領域において生成されたイオンを回収するように構成され、且つ、前記パルスレーザ光を通過させるレーザ光通路を画定するイオン回収部と、
    を含む極端紫外光生成装置。
  4. 前記イオン回収部は、
    電源と、
    前記電源によって電圧が印加されたときに、前記磁場の方向と交差する方向の電界を生成するように構成された一対の電極と、
    を含む請求項3記載の極端紫外光生成装置。
  5. 第1のレーザ装置から出力されたプリパルスレーザ光と第2のレーザ装置から出力されたメインパルスレーザ光とが通過するための貫通孔が設けられたチャンバと、
    前記チャンバ内のプラズマ生成領域を含む領域に磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
    ターゲット生成部と、
    前記プリパルスレーザ光と前記メインパルスレーザ光とを合流させるビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出力された前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を、前記磁場生成器によって生成される磁場の中心軸と交差して前記プラズマ生成領域に集光するように構成された集光光学系と、
    前記プリパルスレーザ光の光路軸及び前記メインパルスレーザ光の光路軸と前記磁場生成器によって生成される磁場の中心軸とを含む面に対向する反射面を有し、前記プラズマ生成領域において生成された極端紫外光を集光するEUV集光ミラーと、
    を含む極端紫外光生成装置。
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