JPWO2014092167A1 - 酸化亜鉛基板を用いた面発光素子 - Google Patents

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Abstract

100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶から構成される基板と、紫外光を放出可能な発光機能層と、発光機能層上に設けられる電極と、電極の外側に設けられる、紫外光を可視光に変換するための蛍光体層と、蛍光体層の外側に設けられる反射層とを備えた、面発光素子が提供される。本発明によれば、高性能な面発光素子を安価に提供することができる。

Description

本発明は、酸化亜鉛基板を用いた面発光素子に関する。
近年、次世代照明として面発光EL照明が注目されている。面発光EL照明には、明るさの均一性が高い、薄型で省スペースである、デザイン性が高い、目に優しいといった利点がある。面発光EL照明は、有機ELを用いたものでは一部製品化されているが、コスト及び耐久性の面で全面的な普及への課題は依然として多い。また、発光ダイオード(LED)を用いる場合は、高価な基板を使用する必要があるため、素子の大面積化が難しいという問題がある。
一方、酸化亜鉛(ZnO)は、安全、安価であり、化学的にも安定で、透明性にも優れた材料として知られており、その広いバンドギャップや優れた光学特性から、発光ダイオード(LED)等の発光素子への応用が期待されている。例えば非特許文献1には、Zn極性ZnO単結晶基板上にNをドープしたMgZn1−xO膜を形成して作製したLEDにおいて紫外発光を観測したことが報告されている。
このような発光素子に用いられる酸化亜鉛単結晶基板には、導電性及び結晶性の両方が高いことが求められる。このため、導電性を向上させる異種元素(以下、ドーパントという)を酸化亜鉛単結晶にドーピングすることが一般的に行われる。例えば、特許文献1(特開2004−315361号公報)には、導電性向上のためにAlやFe等をドープした酸化亜鉛単結晶を水熱合成法により製造することが開示されている。また、特許文献2(国際公開第2007/100146号)には、液相成長法による酸化亜鉛単結晶の製造において各種のドーパントを添加可能であることが開示されている。
特開2004−315361号公報 国際公開第2007/100146号
本発明者らは、今般、100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶を基板として用いることで、高性能な面発光素子を安価に提供できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、高性能な面発光素子を安価に提供することにある。
本発明の一態様によれば、100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶から構成される基板と、
前記基板上に設けられる、紫外光を放出可能な発光機能層と、
前記発光機能層上に設けられる電極と、
前記電極の外側に設けられる、前記紫外光を可視光に変換するための蛍光体層と、
前記蛍光体層の外側に設けられる反射層と、
を備えた、面発光素子が提供される。
本発明の別の一態様によれば、100μm以上の厚さを有する導電性酸化亜鉛単結晶から構成される基板と、
前記基板上に設けられる発光機能層と、
前記発光機能層上に設けられる電極と、
を備えた、面発光素子が提供される。
本発明の面発光素子の一例を示す模式断面図である。 ドーパントの拡散を抑制するための加熱方法の一例を説明する図である。 本発明の面発光素子の他の一例を示す模式断面図である。 例1及び2で用いたAD成膜装置を示す模式断面図である。 例1及び2で用いた加熱装置を示す模式断面図である。
面発光素子
図1に、本発明による面発光素子の一例を示す。図1に示される面発光素子10は、基板12と、基板上に設けられる発光機能層14と、発光機能層上に設けられる電極16とを備えてなる。所望により、面発光素子10は、電極16の外側に蛍光体層17及び/又は反射層18を更に備えてもよい。なお、図1において、発光機能層14はp−n接合を利用した発光素子の一部を構成すべくp型酸化亜鉛層で構成される一方、基板12はn型酸化亜鉛単結晶で構成されてn型酸化亜鉛層として機能しうる構成となっている。このため、図示例の面発光素子10はn型酸化亜鉛層が省略された構成となっているが、本発明はこれに限定されない。
基板12は100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶、好ましくは導電性酸化亜鉛単結晶から構成される。酸化亜鉛単結晶は六方晶ウルツ鉱型構造を有しており、他の元素としてドーパントを含んでいてもよく、それにより導電性酸化亜鉛単結晶とされているのが好ましい。また、酸化亜鉛単結晶は、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなるものであってもよい。すなわち、混晶化されていても、六方晶ウルツ鉱型構造を有する酸化亜鉛ベースの単結晶であれば、本発明における酸化亜鉛単結晶に包含される。また、混晶化されているか否かを問わず、酸化亜鉛単結晶にはn型ドーパント又はp型ドーパントがドープされるのが好ましく、それにより基板12がn型酸化亜鉛層又はp型酸化亜鉛層として機能するように構成されてもよい。n型ドーパントの好ましい例としては、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、硼素(B)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びシリコン(Si)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、p型ドーパントの好ましい例としては、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、カーボン(C)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銀(Ag)及び銅(Cu)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、発光機能層が作製される酸化亜鉛単結晶の成膜面は特に限定がなく、c面(Zn面、O面)又はm面などであってもよい。発光機能層に酸化亜鉛や窒化ガリウムなどを用いる場合はm面酸化亜鉛単結晶を成膜面とすると酸化亜鉛や窒化ガリウム結晶内の自発分極の影響を避けられるため、発光効率がより高まる可能性がある。
このような酸化亜鉛単結晶は、導電性、結晶性、透明性等の様々な有利な特性を有することができ、これを基板として用いることで、高性能な面発光素子を安価に提供することができる。特に、本発明者らは、固相エピタキシャル成長法や液相析出法、フラックス法、水熱法、スピンコート法、ディッピング法などの液相エピタキシャル成長法等の手法を用いることで、望ましくは1×10−3Ωcm以下という低抵抗な酸化亜鉛単結晶を100μm以上の厚さで安価に作製できるとの知見を得ている。そして、このような厚みの酸化亜鉛単結晶はコスト及び機械強度の観点から大面積化に適し、大面積面発光素子の安価な製造を可能にするのみならず、それが持ちうる導電性、結晶性、透明性等の種々の有利な特性を最大限に活用する構成を採用することで高性能の面発光素子を実現することができる。また、面発光素子とすることで印加電流が低い状態でも一定の輝度を得ることができる。
例えば、酸化亜鉛単結晶基板12上に発光機能層14の構成層をエピタキシャル成長により形成した場合、単結晶基板と同一の結晶構造が実現可能となるため、高い発光効率を得ることができる。また、酸化亜鉛単結晶基板を用いることで発光機能層14の結晶性が高まって発光効率が向上する。特にn型ドーパントの添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いた場合、ドーピングされていない酸化亜鉛基板上にn型層を形成したときに問題となる、n型ドーパントの基板への拡散も抑制でき、面発光素子の品質を安定化できる。p型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いた場合でも同様で、ドーピングされていない酸化亜鉛基板上にp型層を形成したときに問題となるp型ドーパントの基板への拡散も抑制でき、面発光素子の品質を安定化できる。また、n型ドーパントを添加して著しく低抵抗化したn型酸化亜鉛単結晶を基板12として用いる場合には、図示例のように基板12自体にn型層だけでなくn型層側の対向電極としての機能を持たせることができ、n型層及び/又はn型層側の対向電極を不要にして構成を簡素化できる。また、n型層として機能する基板12の低抵抗化によって発光時の発熱が抑制され、発光効率を更に高めることができる。その上、基板12の裏面側の対向電極を不要とした場合には、酸化亜鉛単結晶の透明性によって、基板12裏面から光を取り出すことが可能であり、より好ましくは可視光のみを取り出す構成とすることも可能となる。
例えば、発光機能層14が紫外光を放出可能な場合には、用途によっては図1に示されるように、電極16の外側に、紫外光を可視光に変換するための蛍光体層17を設け、且つ、蛍光体層17の外側に反射層18を設けることで、紫外光を含まない可視光のみを取り出すように構成するのが好ましい。すなわち、この構成によれば、発光機能層14からの紫外光が蛍光体層17によって可視光に変換される一方、変換されなかった紫外光が酸化亜鉛単結晶酸化亜鉛単結晶12によって吸収され、その結果、可視光のみが基板12の裏面側から高効率に取り出されることが可能となる。こうすることで、人体に有害な紫外光を発しない白色面発光素子を実現できる。その上、反射層18によって電極16側からの光放出を抑制し、基板12裏面側からの発光強度を増幅する構成となるため、面光源としての発光効率を有意に高めることができる。もっとも、用途によっては反射層18を無くして面発光素子10全体を発光させる構成としてもよい。なお、この場合は酸化亜鉛単結晶のバンドギャップエネルギーは、発光機能層から発せられた紫外光のエネルギーより小さいことが望ましい。
前述のとおり、100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶を用いることで大面積の面発光素子の製造が可能となる。酸化亜鉛単結晶基板12の好ましい厚さは100μm以上であり、より好ましくは300μm以上、より好ましくは500μm以上である。また、基板12は20cm以上の面積を有するのが好ましく、より好ましくは45cm以上である。別の表現をすれば、基板12は直径5.08cm以上の大きさを有するのが好ましく、より好ましくは直径7.62cm以上である。基板12は大きければ大きいほど面発光素子として面発光照明等への用途が広がる点で好ましく、その面積ないし大きさに上限は規定されるべきではない。
発光機能層14が基板上に設けられる。発光機能層14は、発光素子における発光機能を担う層であればよく、基板12の構成材料である酸化亜鉛単結晶上で所望の発光機能を確保できるかぎり、発光素子の種類や方式は限定されない。従って、発光機能層14は青色、赤色等の可視光を放出するものであってもよいし、可視光を伴わずに又は可視光と共に紫外光を発光するものであってもよい。この点、図1に示される発光機能層14は紫外光を発光するものとして構成されているため、蛍光体層17を別途設けて紫外光を可視光に変換する構成とされている。発光機能層14は、p−n接合を利用した発光素子の少なくとも一部を構成するのが好ましく、このp−n接合はp型層とn型層の間に発光層を含んでいても良い。このとき、発光層としてp型層及びn型層よりもバンドギャップが小さい層を用いたダブルへテロ接合や、p型層及びn型層のいずれか一方が発光層よりもバンドギャップが高いシングルへテロ接合としてもよい。また、p型層−発光層−n型層の一形態として、発光層の厚みを薄くした量子井戸構造を採りうる。量子井戸を得るためには発光層のバンドギャップがp型層及びn型層よりも小さくしたダブルへテロ接合が採用されるべきことは言うまでもない。また、これらの量子井戸構造を多数積層した多重量子井戸構造(MQW)としてもよい。これらの構造をとることで、p−n接合と比べて発光効率を高めることができる。p−n接合の場合にはp型層、n型層及び(発光層を含む場合には)発光層の各層をいずれも酸化亜鉛系の材料で構成することができ、同じく酸化亜鉛で構成される基板との間で配向ないし結晶方位を整合させやすく、それにより更に発光効率を高めることができる。
基板12としてノンドープの酸化亜鉛単結晶基板、又はn型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いる場合は、発光機能層14は、p型ドーパントがドープされたZnOからなるp型酸化亜鉛層を少なくとも含むのが好ましい。これにより、図1に示されるようにn型酸化亜鉛層を有しない構成の場合には、基板12をn型酸化亜鉛層として機能しうるように構成することで、基板12との組み合わせによりp−n接合による発光素子を構成可能である。ノンドープの酸化亜鉛単結晶基板の酸化亜鉛でも、酸化亜鉛単結晶基板中に酸素欠陥がある場合はn型酸化亜鉛として振舞うため、同様の構造にて発光させることができる。一方、n型酸化亜鉛層が存在する場合にはそれとの組み合わせによりp−n接合による発光素子を構成しうる。p型ドーパントの好ましい例としては、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、カーボン(C)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銀(Ag)及び銅(Cu)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、p型酸化亜鉛層は、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなるものであってもよく、この混晶化されたZnOにp型ドーパントがドープされていてもよい。例えば、ZnOとMgOの混晶であるMgZn1−xO(0.1≦x≦0.4)にNをドープした化合物が特に好ましい。ZnOをMgOと混晶化することでバンドギャップが広がり、発光波長を高エネルギー側にシフトさせることができる。また、ZnOをCdO又はZnSとの混晶としてもよく、これによりバンドギャップが狭まり、発光波長を低エネルギー側にシフトさせることができる。
一方、基板12にp型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いる場合は、発光機能層14は、n型ドーパントがドープされたZnOからなるn型酸化亜鉛層を少なくとも含むのが好ましい。これにより、p型酸化亜鉛層を有しない構成の場合には、基板12をp型酸化亜鉛層として機能しうるように構成することで、基板12との組み合わせによりp−n接合による発光素子を構成可能である。n型ドーパントの好ましい例としては、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、硼素(B)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びシリコン(Si)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、n型酸化亜鉛層は、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなるものであってもよく、この混晶化されたZnOにn型ドーパントがドープされていてもよい。混晶にすることで上述したp型層と同様、バンドギャップが変わり、発光波長を制御することができる。
なお、p型酸化亜鉛層やn型酸化亜鉛層の作製は、市販のp型又はn型ZnO粉末を用いた固相エピタキシャル成長法、MBE法(分子線エピタキシー法)、RS−MBE法(ラジカルソース分子線エピタキシー法)によって好ましく行うことができるが、これらに限定されず、MOCVD法(有機金属気相成長法)、PLD法(パルスレーザーアブレーション法)、スパッタリング法などの気相エピタキシャル成長法、液相析出法、フラックス法、水熱法、スピンコート法、ディッピング法などの液相エピタキシャル成長法、又はスピンコート法、ディッピング法等の溶液法によってp型酸化亜鉛、n型酸化亜鉛粒子及び/又はそれらの前駆体を塗布し、300〜700℃で熱処理する手法によっても行うことができる。
基板12としてノンドープの酸化亜鉛単結晶基板、又はn型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いる場合は、発光機能層14は、p型酸化亜鉛層と基板12との間に、n型ドーパントがドープされたn型酸化亜鉛層を更に備えてもよい。n型ドーパントの好ましい例としては、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、硼素(B)フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びシリコン(Si)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、n型酸化亜鉛層は、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなるものであってもよく、この混晶化されたZnOにn型ドーパントがドープされていてもよい。例えば、ZnOとMgOの混晶であるMgZn1−xO(0.1≦x≦0.4)にAl又はGaをドープした化合物が特に好ましい。もっとも、前述したように、基板12がn型酸化亜鉛層として機能するように構成されている場合には、n型酸化亜鉛層は省略可能である。
一方、基板12にp型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用いる場合は、発光機能層14は、n型酸化亜鉛層と基板12との間に、p型ドーパントがドープされたp型酸化亜鉛層を更に備えてもよい。p型ドーパントの好ましい例としては、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、カーボン(C)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銀(Ag)及び銅(Cu)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、p型酸化亜鉛層は、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなるものであってもよく、この混晶化されたZnOにn型ドーパントがドープされていてもよい。もっとも、前述したように、基板12がp型酸化亜鉛層として機能するように構成されている場合には、p型酸化亜鉛層は省略可能である。
発光機能層14は、p型酸化亜鉛層とn型酸化亜鉛層との間に、p型酸化亜鉛層及びn型酸化亜鉛層のいずれよりもバンドギャップが小さいZnO、又はMgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上とZnOとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有してもよい。このようにダブルへテロ接合することで発光効率を高めることができる。この発光層を薄くした構成はp−n接合の一態様である量子井戸構造の発光素子に相当し、発光効率をより一層高めることができる。また、発光層のバンドギャップをp型酸化亜鉛層及びn型酸化亜鉛層のいずれか一方と同じとし、別の一方の層のバンドギャップを大きくしたシングルへテロ接合をしてもよい。このようにすることでも発光効率を高めることができる。もっとも、n型酸化亜鉛層を省略してn型酸化亜鉛基板12を用いる場合には、発光機能層は、p型酸化亜鉛層とn型酸化亜鉛基板12との間に、p型酸化亜鉛層及び酸化亜鉛単結晶の両方又はいずれか一方よりもバンドギャップが小さいZnO、又はMgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上とZnOとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有するように構成すればよい。あるいは、p型酸化亜鉛層を省略してp型酸化亜鉛基板12を用いる場合には、発光機能層14は、n型酸化亜鉛層とp型酸化亜鉛基板12との間に、n型酸化亜鉛層及び酸化亜鉛単結晶のいずれよりもバンドギャップが小さいZnO、又はMgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上とZnOとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有するように構成すればよい。
発光機能層14の材質は、酸化亜鉛単結晶の表面の原子配列に倣ってエピタキシャル成長し、それにより良質な結晶性を有するものが好ましいが、特に限定されない。例えば、酸化亜鉛系材料、窒化ガリウム系材料、窒化アルミニウム系材料、酸化銅系材料、酸化ニッケル系材料、亜鉛テルル系材料、硫化亜鉛系材料から選ばれる少なくとも1種以上で発光機能層14を構成してもよい。なお、これらの材料系は他元素を含むものであってよい。例えば酸化亜鉛系材料の場合は少なくとも酸化亜鉛成分を含有するものであればよく、例えばMgZn1−xOなどの固溶体が含まれる。ただし、発光機能層14が酸化亜鉛単結晶と異なる材料で構成される場合、ヘテロエピタキシャル成長となり、酸化亜鉛単結晶の表面原子配列と発光機能層14の格子不整合が生じて結晶性が悪化する場合がある。また、酸化亜鉛単結晶と反応しやすい材料を発光機能層14に用いた場合、エピタキシャル成長を阻害し、発光効率を損ねるおそれもある。このため、発光機能層14と酸化亜鉛単結晶基板12間に格子不整合や反応を抑制するためのバッファ層を設けてもよい。バッファ層の材質に特に限定はないが、発光機能層の結晶構造と同じ又は類似したものが好ましく、格子定数が同じ又は近いものを用いてもよい。例えば酸化亜鉛単結晶上に窒化ガリウム系材料を成長させる場合、バッファ層として300〜1000nm程度のノンドープ窒化ガリウム層を設けてもよい。バッファ層は500〜600℃の低温で30〜100nm程度の薄膜層を成膜した後、600℃以上の高温で厚肉のバッファ層を成膜してもよい。こうすることで酸化亜鉛と窒化ガリウムの反応を抑制することができ、エピタキシャル成長を生じさせることができる。バッファ層や発光機能層14の一部又は/及び全部を成膜する場合、酸化亜鉛単結晶基板上に種結晶層を作製した後、該バッファ層及び発光機能層14を成膜させてもよい。種結晶層、バッファ層及び発光機能層14の各成膜方法は特に限定されず、エピタキシャル成長を生じさるものであればよい。例えば、液相析出法、フラックス法等の液相エピタキシャル法を用いて、窒化ガリウム系材料からなるバッファ層及び発光機能層を作製する場合、酸化亜鉛単結晶基板上にMBE法、RS−MBE法、スパッタリング法、MOCVD法などの気相エピタキシャル成長法を用いて極薄い窒化ガリウムの種結晶を作製した後に、液相エピタキシャル法による成膜を行ってもよい。全て同じ成膜法で行ってもよいことは言うまでもなく、例えばMBE法を用いて種結晶、バッファ層、及び発光機能層の各層を成膜してもよい。
酸化亜鉛単結晶上に窒化ガリウム系材料からなる発光機能層の形態として、例えばn型酸化亜鉛単結晶上にバッファ層を設け、更にn型窒化ガリウム層及びp型窒化ガリウム層を順にエピタキシャル成長させた構造としてもよい。このような構造ではn型酸化亜鉛単結晶を電極として使用することもできる。また、ノンドープの酸化亜鉛単結晶上にノンドープの窒化ガリウム層からなるバッファ層を設け、更にn型窒化ガリウム層及びp型窒化ガリウム層を順にエピタキシャル成長させても良く、p型窒化ガリウム層とn型窒化ガリウム層の積層順序は逆であってもよい。p型窒化ガリウム層に使用されるp型ドーパントの好ましい例としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、亜鉛(Zn)及びカドミウム(Cd)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、n型窒化ガリウム層に使用されるn型ドーパントの好ましい例としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
また、p型窒化ガリウム層及び/又はn型窒化ガリウム層は、AlN及びInNからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化された窒化ガリウムからなるものであってもよく、p型層及び/又はn型層はこの混晶化された窒化ガリウムにp型ドーパント又はn型ドーパントがドープされていてもよい。例えば、窒化ガリウムとAlNの混晶であるAlGa1−xNにMgをドーピングすることでp型層、AlGa1−xNにSiをドーピングすることでとしてn型層として使用することができる。窒化ガリウムをAlNと混晶化することでバンドギャップが広がり、発光波長を高エネルギー側にシフトさせることができる。また、窒化ガリウムをInNとの混晶としてもよく、これによりバンドギャップが狭まり、発光波長を低エネルギー側にシフトさせることができる。
p型窒化ガリウム層とn型窒化ガリウム層との間に、両層のいずれよりもバンドギャップが小さいGaN、又はAlN及びInNからなる群から選択される1種以上とGaNとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有してもよい。発光層はp型層及びn型層とダブルへテロ接合された構造であり、この発光層を薄くした構成はp−n接合の一態様である量子井戸構造の発光素子に相当し、発光効率をより一層高めることができる。また、発光層は両層のいずれか一方よりもバンドギャップが小さくGaN、又はAlN及びInNからなる群から選択される1種以上とGaNとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まないものとしてもよい。このようなシングルヘテロ接合にても発光効率をより一層高めることができる。
上述のとおり、バッファ層の材質は酸化亜鉛と窒化ガリウムの反応を抑え、エピタキシャル成長を生じさせることができるものであれば特に限定されない。例えばノンドープのGaN、又はn型若しくはp型ドーピングされたGaNとしてもよい。また、格子定数が近いAlN、InN、或いはGaNとAlN及びInNからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたものとしてもよい。
発光機能層14は酸化亜鉛単結晶の結晶構造に倣ってエピタキシャル成長し、それにより単結晶基板と同一の結晶構造を有するのが特に好ましい。こうすることで優れた発光特性を得ることができる。このような構造を有する発光機能層14の成膜方法は、基板の配向性に倣った成長を促す方法であれば特に限定されないが、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE)、RS−MBE法(ラジカルソース分子線エピタキシー法)、MOCVD法(有機金属気相成長法)、PLD法(パルスレーザーアブレーション法)などの気相エピタキシャル成長法、固相エピタキシャル成長法、液相析出法、フラックス法、水熱法、スピンコート法、ディッピング法などの液相エピタキシャル成長法等が好ましく例示される。固相エピタキシャル成長法は、例えば、基板上にエアロゾルデポジション法(AD法)により成膜しておき、被膜を基板側からの一方向加熱により単結晶化することにより好ましく行うことができる。この一方向加熱は赤外線ランプにより好ましく行うことができる。気相エピタキシャル成長法は、例えばMOCVD法を用いて窒化ガリウム系材料からなる発光機能層を作製する場合においては、少なくともガリウム(Ga)を含む有機金属ガス(例えばトリメチルガリウム)と窒素(N)を少なくとも含むガス(例えばアンモニア)を原料として基板上にフローさせ、水素、窒素又はその両方を含む雰囲気等において300〜1200℃程度の温度範囲で成長させてもよい。この場合、バンドギャップ制御のためインジウム(In)、アルミニウム(Al)、n型及びp型ドーパントとしてシリコン(Si)及びマグネシウム(Mg)を含む有機金属ガス(例えばトリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム、モノシラン、ジシラン、ビス−シクロペンタジエニルマグネシウム)を適宜導入して成膜を行ってもよい。
上述のように、酸化亜鉛以外の材質からなる発光機能層、バッファ層及び/又は種結晶層を作製する場合、MOCVD法を用いることもできる。例えば、MOCVD法を用いて窒化ガリウム系材料からなる発光機能層を作製する場合においては、少なくともガリウム(Ga)を含む有機金属ガス(例えばトリメチルガリウム)と窒素(N)を少なくとも含むガス(例えばアンモニア)を原料として基板上にフローさせ、水素、窒素又はその両方を含む雰囲気等において300〜1200℃程度の温度範囲で成長させてもよい。しかし、このような高温の還元雰囲気と基材となる酸化亜鉛単結晶が反応し、蒸発する可能性がある。このような問題に対し、本発明者らは、酸化亜鉛単結晶中に酸化物の沸点が2000℃以上となる元素を少なくとも1種類以上ドーピングすることで還元性ガスとの反応が抑えられ、酸化亜鉛単結晶の蒸発を抑えることができることを見出した。これらの元素が好ましい理由は定かではないが、熱力学的に安定なため水素等の還元雰囲気と反応しづらく、不動態として働くためではないかと考えられる。これらのドーパントの内、アルミニウム(Al)及びマグネシウム(Mg)から選ばれる1種以上が更に好ましい。例えばドーパントとしてアルミニウム(Al)を亜鉛:アルミニウム(Al)=100:0.2(原子比)となるように作製した酸化亜鉛単結晶を用いることで、MOCVDにおいて酸化亜鉛単結晶と還元雰囲気の反応及びそれによる蒸発を抑制しつつ、窒化ガリウム層をエピタキシャル成長させることができる。酸化亜鉛に対するAlのドープ量は亜鉛:アルミニウム=100:0.3程度が限界といわれており、Alのドープ量が亜鉛:アルミニウム=100:0.3以上になるように添加すると異相としてスピネル(ZnAl)が形成する可能性がある。このようにドーパントが固溶限界以上に添加され、スピネルなどの異相が形成されていても、酸化亜鉛が主相となる量であれば発光機能層を作製することができる。主相とは任意の一断面を切り出したときに面積比率で50%を超える領域を指す。例えばEPMAによるマッピング像から主相となる材料を判定することができるが、主相の判定が可能な分析手法であれば特に限定されない。しかし、スピネル等の異相は酸化亜鉛単結晶の結晶性を損ない、エピタキシャル成長を阻害する可能性もあり、発光効率の観点では存在しない方が望ましい。上記ドーパントの総量は亜鉛:ドーパント元素=100:0.01(原子比)以上が好ましく、より好ましくは100:0.01〜0.03(原子比)である。
また、エピタキシャル成長は生じないが、スピンコート法、ディッピング法等の溶液法によってp型、n型粒子(例えばp型、n型酸化亜鉛粒子)及び/又はそれらの前駆体を塗布し、300〜700℃で熱処理する手法によっても発光機能層を作製することができる。
発光機能層14は、配向多結晶酸化亜鉛焼結体であってもよい。この場合、発光機能層14は、p型ドーパントがドープされたZnOからなるp型酸化亜鉛層14a又はn型ドーパントがドープされたZnOからなるn型酸化亜鉛層14aを少なくとも含むのが好ましい。これにより、n型酸化亜鉛層14b又はp型酸化亜鉛層14bとの組み合わせによりp−n接合による発光素子を構成しうる。このようなp−n接合による発光素子は、p型配向多結晶酸化亜鉛焼結体となるべきグリーンシートとn型配向多結晶酸化亜鉛焼結体となるべきグリーンシートを積層した後に焼成することにより形成してもよいし、あるいはこれらのグリーンシートを別々に焼成してp型配向多結晶酸化亜鉛焼結体及びn型配向多結晶酸化亜鉛焼結体とした後、これらを接合することにより形成してもよい。一方、n型又はp型酸化亜鉛層14bを有しない構成を採用した場合であっても、基板12をn型又はp型酸化亜鉛層として機能しうるように構成することで、基板12との組み合わせによりp−n接合による発光素子を構成可能である。ノンドープの酸化亜鉛単結晶基板の酸化亜鉛でも、酸化亜鉛単結晶基板中に酸素欠陥がある場合はn型酸化亜鉛として振舞うため、同様の構造にて発光させることができる。この場合における基板12への配向酸化亜鉛焼結体14の積層は、グリーンシート積層後に焼成もしくは焼成体同士の接合により行うことができる。
もっとも、成膜プロセス中の基板加熱やプラズマ暴露などの条件によっては、ドーパントが発光機能層内部又は基板内部に拡散が生じてp型層、n型層及び/又は発光層が十分に機能せず、発光効率が低下するおそれがある。また、成膜プロセス中に多数の酸素欠陥、窒素欠陥などが発生する可能性もある。さらに、p型及び/又はn型ドーパントを活性化するため、発光機能層の作製中又は作製後に適宜熱処理を行うことがあり、とりわけp型ドーパントの活性化には高温を要することがある。このようなプロセスにおいても上記のようなドーパントの拡散や酸素欠陥、窒素欠陥などを生じる可能性がある。上記のような酸素欠陥や窒素欠陥はn型キャリアとして機能するため、作製したp型層の機能に悪影響を及ぼすことが知られている。例えば、酸素欠陥や窒素欠陥を除去する方法として、酸素含有雰囲気又は窒素含有雰囲気中での熱処理や酸素プラズマ又は窒素プラズマ暴露による酸化又は窒化処理が挙げられるが、これらの処理中にもドーパントの拡散を生じ、発光効率が低下するおそれがある。このため、拡散を生じないような発光機能層の構成材料とドーパントの組合せを選択する方が望ましいが、特に発光機能層に酸化亜鉛系材料を用い、且つn型ドーパントとしてAl、Ga及び/又はInを用いた酸化亜鉛系材料を用いた場合などでは、上記の熱処理等によってn型ドーパントが拡散しやすい場合がある。
このような理由のため、特に高温処理が必要となるp型ドーパントの活性化は、AlやGa、Inなどのn型ドーパントが添加された層と接触しない状態で行ってもよい。この一例として、基板12にノンドープの酸化亜鉛単結晶基板を用い、n型層を作製せずにp型層を作製した構造が挙げられる。こうすることでAl、Ga、Inなどのn型ドーパントなしで発光機能層14を作製することができる。また、別の一例として、基板12にp型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用い、活性化処理、酸素欠陥及び窒素欠陥除去処理を行った後にn型層を作製してもよい。あるいは、基板12にp型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶やノンドープ酸化亜鉛単結晶を用い、更にその上にp型層を作製してもよく、この場合においても活性化処理、酸素欠陥及び窒素欠陥除去処理を行った後にn型層を作製すればよい。これらの方法により、n型ドーパントの拡散を抑制することができる。
ドーパントの拡散を抑制するための別の方策として、、基板12と発光機能層14の間、並びに/又は発光機能層を構成するp型層、n型層及び/若しくは発光層の層間の一部または全てに不動態層が設けられてもよい。こうすることで熱処理等に伴うドーパントの拡散を抑えることができる。このような不導態層はエピタキシャル成長を阻害せず、発光機能層中のp−n接合、p−発光層−n接合を阻害しない成分が好ましく、厚みが薄いことが更に好ましい。不動態層の材質は特に限定されないが、特に酸化亜鉛系材料においてはそれらと固溶する材料や酸化亜鉛含有材料、あるいは結晶構造が近い窒化物系材料が望ましく、ZnO(ノンドープ)、ZnON、MgZn1−xO、CdZn1−xO、ZnS、ZnTe、LiO、MgO、CaO、SrO、CoO、NiO、CuO、ZnAl、GaN、AlN、AlGa1−xN、InGa1−xN、及びInAlGaNから選ばれる少なくとも一種以上としてもよい。
ドーパントの拡散を抑制するための更に別の方策として、基板12としてn型ドーパントを添加した酸化亜鉛単結晶基板を用い、その上に発光層14c及びp型層14aからなる発光機能層14を作製した後、p型層14aから基板12に向かって温度勾配が生じるようにp型層14a側から一方向に加熱を行ってもよい。このような方策の一形態による加熱手法の構成が図2に示される。図2に示される構成は、Pt箔20の表面にp型層14a側が位置するように基板12を配置し、基板12の上方に近赤外線ランプ22が設けられる一方、Pt箔20が石英台座24上に支持されてなる。この構成によれば、基板12側から近赤外光を照射して加熱処理を行うことができる。酸化亜鉛は近赤外光を吸収しづらいため、近赤外光は基板12及び発光機能層を透過し、Pt箔20に吸収される。加熱されたPt箔20からの熱伝導によりp型層14aから基板12に向かって一方向に加熱され、p型層14aから基板12にかけて温度勾配が生じる。その結果、基板12中に含まれるn型ドーパントの拡散を抑制しつつ、p型層14aの活性化処理や酸素欠陥除去処理を行うことができる。なお、このような手法は基板12と発光層14cの間にn型層を形成した構造等にも適用可能である。また、図2に示される基板12/発光層14c/p型層14aの積層物を上下反転させた上で、p型層上にPt箔を設け、そのPt箔の上方に近赤外線ランプを設けた構成としてもよい。この構成においては、近赤外線ランプから放射された近赤外光はPt箔に吸収され、加熱されたPt箔からの熱伝導によりp型層から基板に向かって一方向に加熱を行うことができる。この場合の加熱方法には特に限定はなく、例えば各種レーザー(例えば、COレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、半導体レーザー等)等を熱源とする光加熱や高周波加熱装置等を用いてもよい。また、Pt箔の代わりに高誘電体を設置し、誘電加熱装置等を用いて一方向に加熱してもよいし、Pt箔や高誘電体を設置せずにステージヒーターなどの加熱源を用いて一方向に加熱してもよい。
前述したとおり、発光機能層14が紫外光を放出可能なものである場合には、紫外光を可視光に変換するための蛍光体層17を、電極16の外側に更に備えてなるのが好ましい。蛍光体層17は紫外光を可視光に変換可能な公知の蛍光成分を含む層であればよく特に限定されない。例えば、紫外光により励起されて青色光を発光する蛍光成分、紫外光により励起されて青〜緑色光を発光する蛍光成分、及び紫外光により励起されて赤色光を発光する蛍光成分を混在させて、混合色として白色光を得るような構成とするのが好ましい。そのような蛍光成分の好ましい組み合わせとしては、(Ca,Sr)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu、及びMn、YS:Euが挙げられ、これらの成分をシリコーン樹脂等の樹脂中に分散させて蛍光体層17を形成するのが好ましい。このような蛍光成分は上記例示物質に限定されるものではなく、他の紫外光励起蛍光体、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)やシリケート系蛍光体、酸窒化物系蛍光体等の組み合わせでもよい。
また、発光機能層14が青色光を放出可能なものである場合には、青色光を黄色光に変換するための蛍光体層17を電極16の外側に更に備えてなるのが好ましい。蛍光体層17は青色光を黄色光に変換可能な公知の蛍光成分を含む層であればよく特に限定されない。例えばYAGなどの黄色発光する蛍光体との組み合わせたものとしてもよい。このようにすることで、蛍光体層を透過した青色発光と蛍光体からの黄色発光は補色関係にあるため、擬似的な白色光源とすることができる。なお、蛍光体層17は、青色を黄色に変換する蛍光成分と、紫外光を可視光に変換するための蛍光成分との両方を備えることで、紫外光の可視光への変換と青色光の黄色光への変換との両方を行う構成としてもよい。
電極16は発光機能層14上に設けられる。電極16は公知の電極材料で構成すればよいが、蛍光体層17で光の変換を行う場合及び/又は電極16側から光を取り出す構成とする場合には、ITO等の透明導電膜、又は格子構造若しくはモスアイ構造等の開口率が高い金属電極とすれば、発光機能層14で発生した光の変換及び/又は取り出し効率を上げられる点で好ましい。
前述したとおり、反射層18が蛍光体層17の外側に更に設けられてもよい。反射層18の材質及び厚さは、蛍光体からの可視光線を反射できるものであれば特に限定されず、AuやAl等の反射性の高い金属で構成すればよい。
図1において基板12は対向電極として機能するように構成されているが、そうでない場合には、基板12の発光機能層14と反対側に対向電極を別途設ければよい。この場合、対向電極は公知の電極材料で構成すればよいが、対向電極側から光を取り出す構成とする場合には、ITO等の透明導電膜、又は格子構造若しくはモスアイ構造等の開口率が高い金属電極とすれば、発光機能層14で発生した光の取り出し効率を上げられる点で好ましい。また、基板12が十分な導電性を持たない場合は発光機能層14中に含まれるn型層を電極としてもよいし、n型層に電極を設置してもよい。
あるいは、図3に示されるような構造としてもよい。図3に示される面発光素子10’は、酸化亜鉛単結晶からなる基板12’上に、多重量子井戸(MQW)構造の発光層14c’、p型層14a’、及び反射層を兼ねた電極16’が順次設けられ、基板12’の反対側には蛍光体層17’が設けられる。このような構造とすることで、p型層14a’及び発光層14c’からなる発光機能層14’から放出された紫外光は基板12’を透過し、蛍光体層17’で白色光となる。すなわち、この構造によれば白色光を放出可能な面発光素子となる。その上、発光機能層14’側へ放射された紫外光も反射層兼電極16’にて基板12’側に反射される構成となるため、高効率な発光素子とすることができる。なお、電極16’は反射層を兼ねていなくてもよく、その場合には反射層を電極16’の外側に別途設ければよいのは言うまでもない。あるいは、図3に示される構成又はそれに類する構成の変形例として、p型電極16’の開口部(光取り出し口)を大きく確保した上でp型電極16’上に蛍光体層を設ける一方、基板12’の発光機能層14’と反対側に反射層を設けた構造とすることもできる。こうすることで、基板12’に対して発光機能層14’側から光を取り出すことができる。
酸化亜鉛単結晶の製造方法
基板12として用いる酸化亜鉛単結晶はいかなる方法によって作製されたものであってもよいが、基板12として適する高ドープの導電性酸化亜鉛単結晶は以下に示される方法により好ましく製造することができる。なお、高ドープの導電性酸化亜鉛単結晶の製法は以下の方法に限るものではなく、例えば水熱合成法、フラックス法、液相析出法、スピンコート法、ディッピング法などの液相エピタキシャル成長法(LPE法)を用いてもよい。
(1)原料粉末の作製
導電性酸化亜鉛単結晶の製造用原料粉末として、ドーパントが固溶又は添加された酸化亜鉛原料粉末を作製する。このドープされた原料粉末は、固相法、液相法を問わず、いかなる方法によって製造されたものでもよい。
固相法による酸化亜鉛原料粉末の製造は、ノンドープの酸化亜鉛粒子と、ドーパント元素の酸化物等の化合物の粒子とをポットミル、ボールミル等で混合し、熱処理をすることにより好ましく行うことができる。この熱処理は固相反応に適した条件で行えばよく、900〜1500℃で1〜5時間行われるのが好ましく、より好ましくは1000〜1400℃で1〜5時間である。熱処理後の粉末はポットミル、ボールミル粉砕等を施して所望の平均粒径に粉砕するのが好ましい。粉砕後の原料粉末の好ましい体積基準D50平均粒径は0.2〜4μmである。
(2)酸化亜鉛単結晶の作製
上記酸化亜鉛原料粉末を噴射して、酸化亜鉛単結晶を含む種基板上に主に酸化亜鉛からなる膜を形成すると共に、形成した膜を固相状態のまま結晶化させて酸化亜鉛単結晶を作製する。上記の噴射成膜の手法としては、エアロゾルデポジション法(AD法)及びパウダージェットデポジション法(PJD法)が好ましく挙げられる。また、成膜手法としては上記の粉末の噴射を用いたものに限るものではなく、物理蒸着(PVD)法、及び化学蒸着(CVD)法からなる群より選ばれる何れの方法としてもよい。上記物理蒸着(PVD)法の具体例としては、例えば、スパッタ法等を挙げることができる。更に、化学蒸着(CVD)法としては、例えば、ミストCVD法及びレーザーCVD法等を挙げることができる。
また、形成した膜を固相状態のまま結晶化させる工程は、赤外線ランプ(例えば、近赤外線ランプ等)、各種レーザー(例えば、COレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、半導体レーザー等)等を熱源とする光加熱や高周波加熱装置等による加熱処理で行う手法が望ましい。尚、上記では成膜後に加熱する工程としたが、酸化亜鉛単結晶が成長可能な温度で基板を加熱しながら酸化亜鉛原料粉末を噴射する方法であっても良い。これらの加熱温度は、より好ましくは900℃以上であり、更に好ましくは1000〜1400℃である。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
図1に示されるように、n型ZnO単結晶基板12上に、p−n接合を用いた発光機能層14、電極16、蛍光体層17及び反射層18を順に形成して面発光素子10を作製して、その評価を行った。具体的には以下のとおりである。なお、以下の例はn型ドーパントをAlとした基板を用いる例であるが、Gaドーパント、又はInドーパントなど、他のn型ドーパントを添加した基板でもよい。また、n型ZnO単結晶基板の作製には固相エピタキシャル成長法を用いているが、水熱法やLPE等の他の方法を用いてもよい。
(1)n型ZnO単結晶基板の作製
(1a)成膜用原料粉の作製
成膜用原料粉として、アルミニウム(Al)が固溶した酸化亜鉛(ZnO)を以下のようにして調製した。まず、酸化亜鉛(ZnO)粉末(体積基準メジアン径(D50):0.8μm)と酸化アルミニウム(Al)粉末(体積基準D50:0.5μm)とを、アルミニウム(Al)の原子モル比率が0.2at%となるように秤量し、混合した。得られた混合粉末をポットミルにて湿式混合した。この湿式混合した粉末を、大気中、1400℃で5時間に亘って焼成して、アルミニウム(Al)が固溶した酸化亜鉛(ZnO)粉末を合成した。得られた合成粉末を、体積基準D50が2.6μmとなるように、ポットミル中で、ジルコニアボールを用いて、5時間に亘って湿式粉砕した。こうして、アルミニウム(Al)が0.2at%固溶した酸化亜鉛(ZnO)を成膜用原料粉として得た。
(1b)AD膜の作製
上記(1a)で得られた成膜用原料粉を市販のZnO単結晶基板(直径7.62cm、厚さ0.5mm、c面)上にエアロゾルデポジション法(以下、ADという)により堆積させた。AD成膜には図4に示す成膜装置120を使用した。この成膜装置120は、原料成分を含む原料粉末のエアロゾルを生成するエアロゾル生成部122と、成膜粉を種基板121に噴射して原料成分を含む膜を形成する成膜部130とを備えている。
エアロゾル生成部122は、成膜粉112を収容しガスボンベ(図示せず)からのキャリアガス111の供給を受けてエアロゾルを生成するエアロゾル生成室123と、生成したエアロゾルを成膜部130へ供給する原料供給管124と、エアロゾル生成室123及びその中のエアロゾルに10〜100Hzの振動数で振動を付与する加振器125とを備えている。成膜部130は、種基板121にエアロゾルを噴射する成膜チャンバ132と、成膜チャンバ132の内部に配設され種基板121を固定する種基板ホルダ134と、種基板ホルダ134をX軸−Y軸方向に移動するX−Yステージ133とを備えている。また、成膜部130は、先端にスリット137が形成されエアロゾルを種基板121へ噴射する噴射ノズル136と、成膜チャンバ132を減圧する真空ポンプ138とを備えている。
成膜装置120においては、窒素(N)ガスを6L/分の流量にてキャリアガス111として流し、エアロゾル生成室123の圧力は50〜70kPaとし、成膜チャンバ132内の圧力は0.1kPa以下とし、成膜用粉体の噴射ノズル136に備えられたスリット137の開口サイズは10mm×0.8mmとした。成膜時のノズルの走査方法としては、1スキャンの走査距離を80mm、スキャン速度1mm/秒とし、1スキャン終了後、10mm走査位置をずらして成膜を行い、1サイクルで計8列スキャンを行った。この成膜を計60サイクル行い、厚みが約2.5μmのAlドープZnOからなるAD膜を得た。
(1c)AD膜の単結晶化
得られたZnO膜を図4の加熱装置を用いて基板側から一方向加熱した。図4には光加熱のための光源として近赤外線ランプ206を使用した。なお、ZnO膜は近赤外線の吸収係数が低いため、種基板202の膜201が堆積した面とは反対側の面に白金板203を配設し、種基板202の膜201が堆積した面と同じ側から近赤外線を照射して、当該近赤外線を上記白金板203に吸収させることにより、膜201を種基板202側から加熱した。種基板202及び白金板203は石英製台座204上に設置し、熱電対205にて膜201の温度を計測した。加熱処理は大気中で行い、昇温速度400℃/分で加熱し、1250℃で10分間保持した。この熱処理によってZnO膜は基板となる単結晶の表面原子配列に倣って成長する固相エピタキシャル成長を生じ、AlドープされたZnO(以下、AZOという)単結晶膜となった。成膜−熱処理のサイクルを200回繰り返すことで、厚さ500μmのAZO膜を作製した。その後、ワイヤソーにて導電性のないZnO単結晶基板を切断し、AZO単体からなる直径3インチ(7.62cm)の単結晶基板をn型ZnO単結晶基板として得た。
単結晶化の確認は多機能高分解能X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、D8 DISCOVER)を、以下の条件下で使用して、面内ロッキングカーブ(XRC)測定を行った。(100)ピークが検出されたため、単結晶膜が良好に得られたと判断した。
<XRC測定条件>
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・アンチスキャッタリングスリット:3°
・ステップ幅:0.001°
・スキャンスピード:0.5秒/ステップ
・入射角:1°
また、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタAX MCP−T370型)を用いて、単結晶体の中心部近傍にて四探針法により体積抵抗率を測定したところ、5×10−4Ωcmと非常に低抵抗であることが分かった。
(2)固相エピタキシャル成長によるp型ZnO層の成膜
上記得られたn型ZnO単結晶基板12上に、Nドープしたp型ZnO(以下、ZnO:Nという)からなるp型ZnO層14を、固相エピタキシャル成長を用いて以下のようにして作製した。まず、n型ZnO単結晶基板に対し、市販のNドープしたp型ZnO粉末(以下、ZnO:N粉末という)を用いて、図4のAD装置によってn型ZnO層上にAD成膜し、緻密なZnO:N膜を得た。AD成膜は窒素(N)ガスを10L/分の流量にてキャリアガス111として流し、エアロゾル生成室123の圧力は50kPaとし、成膜チャンバ132内の圧力は0.1kPa以下とし、成膜用粉体の噴射ノズル136に備えられたスリット137の開口サイズは10mm×0.4mmとした。成膜時のノズルの走査方法としては、1スキャンの走査距離を80mm、スキャン速度1mm/秒とし、1スキャン終了後、10mm走査位置をずらして成膜を行い、1サイクルで計8列スキャンを行った。この成膜を計60サイクル行い、厚みが約2.5μmのZnO:NからなるAD膜を得た。なお、本例では成膜方法をAD法としたが、PJD法、スパッタ法、レーザーCVD法、ミストCVD法、スピンコート法、ディッピング法などを用いてもよい。その後、図5の赤外ランプ加熱装置を用いて単結晶化を行った。加熱処理は窒素中で行い、昇温速度400℃/分で加熱し、1100℃で10分間保持した。この熱処理によってZnO:N膜はn型ZnO単結晶基板の結晶構造に倣って成長する固相エピタキシャル成長を生じ、ZnO:N単結晶膜を得た。n型ZnO単結晶膜とZnO:N単結晶膜に通電し、I−V測定を行ったところ、整流性が確認され、ZnO:N単結晶膜がp型ZnO層として機能していること、及び熱処理によって良質なp−n接合が形成されたことが確認できた。
(3)電極層の作製
p型ZnO層14上に、Auを電子ビーム蒸着法にて30nm成膜して電極16を得た。本例の電極はAu薄膜としたが、発光効率を高めるためAu部は格子状など開口率が高い電極やITOなどの透明導電膜を用いてもよい。
(4)蛍光体層の作製
電極16上に、蛍光体層17を形成すべく、蛍光成分として(Ca,Sr)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、及びYS:Euを分散含有させたシリコーン樹脂を約5μm塗布した。これらの各蛍光体はそれぞれ紫外光により励起されて青色光、青〜緑色光、赤色光を発光し、混合色として白色光を得ることができる。このような蛍光体は上記に挙げたものに限られるものではなく、他の紫外光励起蛍光体、例えばYAGやシリケート系蛍光体、酸窒化物系蛍光体などの組み合わせでも問題はない。
(5)反射層の作製
蛍光体層17上に、電極層16と同様、Auを電子ビーム蒸着法にて500nm成膜して反射層18とした。反射層の成分や厚みはこれに限定するものではなく、蛍光体からの可視光線を反射できるものであれば特に限定されない。
(6)発光素子の評価
上記のようにして得られた面発光素子において、電極16とn型ZnO単結晶基板12との間に通電したところ、n型ZnO単結晶基板12の全域から白色発光のみが観察され、紫外光は検出されなかった。蛍光体層17を除去して発光機能層側から発光波長を測定したところ、約375nmの紫外発光が観測され、p−n接合部からの紫外発光が蛍光体層17にて可視光に変換されたこと、及び変換されなかった紫外光はZnO単結晶基板12に吸収されたことが確認できた。また、低抵抗なn型ZnO単結晶基板を用いたため、発光時の発熱がほとんど無いことがわかった。これらの結果から、低抵抗なn型ZnO単結晶基板を用いることで、n型層とn型側の電極(対向電極)が不要となり、縦型構造の白色発光素子を作製できた。なお、本例では面光源としての効率を高めるため、反射層18によって発光機能層14側からの光放射を抑制し、基板12裏面側からの発光強度を増幅する構成としたが、用途によっては反射層18を無くして面発光素子10全体を発光させる構成としてもよい。
例2
p型ZnO層の作製をRS−MBE(ラジカルソース分子線成長)により行ったこと以外は例1と同様にして、面発光素子の作製及び評価を行った。
すなわち、p型ZnO層の作製は、例1の(1c)で得られたn型ZnO単結晶基板に対し、RS−MBE(ラジカルソース分子線成長)装置を用いて行った。このとき、金属材料である亜鉛(Zn)はクヌーセンセルで照射し、基板に供給した。ガス材料である酸素(O)と窒素(N)は、RFラジカル発生装置にてそれぞれOガス、NOガスを原料とし、酸素ラジカル(O*と表記する)、窒素ラジカル(N*と表記する)として供給した。各種原料の純度はZnが7N、Oが6N、NOガスは5Nのものを用いた。基板は抵抗加熱ヒータを用いて700℃に加熱し、膜中の窒素濃度が1×1020cm−3となるように各種ガスソースのフラックスを制御しながら厚さ100nmのZnO:N単結晶膜を成膜した。例1の(2)と同様に、n型ZnO単結晶膜とZnO:N単結晶膜に通電し、I−V測定を行ったところ、整流性が確認され、ZnO:N単結晶膜がp型ZnO層として機能していること、及び熱処理によって良質なp−n接合が形成されたことが確認できた。
上記得られたp型ZnO層14上に、例1と同様にして、電極16、蛍光体層17及び反射層18を順次形成して、面発光素子10を得た。得られた面発光素子において、電極16とn型ZnO単結晶基板12との間に通電したところ、n型ZnO単結晶基板12の全域から白色発光のみが観察され、紫外光は検出されなかった。蛍光体層17を除去して発光機能層側から発光波長を測定したところ、約375nmの紫外発光が観測され、p−n接合部からの紫外発光が蛍光体層17にて可視光に変換されたこと、及び変換されなかった紫外光はZnO単結晶基板12に吸収されたことが確認できた。また、低抵抗なn型ZnO単結晶基板を用いたため、発光時の発熱がほとんど無く、高効率であることがわかった。これらの結果から、低抵抗なn型ZnO単結晶基板を用いることで、下部(n型側)電極が不要となり、縦型構造の白色発光素子を作製できた。なお、本例では面光源としての効率を高めるため、反射層18によって発光機能層14側からの光放射を抑制し、基板12裏面側からの発光強度を増幅する構成としたが、用途によっては反射層18を無くして面発光素子10全体を発光させる構成としてもよい。
例3
図3に示される構造の面発光素子を以下のようにして作製した。具体的には、例1の(1c)で得られたn型ZnO単結晶基板に対して、図3に示される層構成となるように、p型層14a’と多重量子井戸構造(MQW)の発光層14c’とからなる発光機能層14’、反射層兼電極16’、及び蛍光体層17’を形成し、図3に示される面発光素子10’を作製した。各層の形成方法は以下のとおりとした。
(a)発光機能層の成膜
RS−MBE(ラジカルソース分子線成長)装置を用いて例1の(1c)で得られたn型ZnO単結晶基板12’上に対し、発光機能層14’の成膜を行った。このとき、金属材料である亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)及び/又はアルミニウム(Al)をクヌーセンセルで照射し、基板に供給した。ガス材料である酸素(O)と窒素(N)は、RFラジカル発生装置にてそれぞれOガス及びNOガスを原料とし、酸素ラジカル(O*と表記する)及び窒素ラジカル(N*と表記する)として供給した。各種原料の純度は、Znが7N、Oが6N、NOガスが5Nであった。
具体的には、抵抗加熱ヒータを用いて基板12’を700℃に加熱し、ZnO/Cd0.2Zn0.8O層からなる量子井戸構造を3層形成し、多重量子井戸構造(MQW)の発光層14c’とした。このとき、ZnO層の膜厚は10nmとし、Cd0.2Zn0.8O層の膜厚は1.5nmとした。
こうして得られた発光層14c’上に、NドープしたZnOからなるp型ZnO層14a’を積層した。具体的には、抵抗加熱ヒータを用いて基板を700℃に加熱し、膜中の窒素濃度が1×1020cm−3となるように各種ガスソースのフラックスを制御しながら厚さ100nmのNドープZnO層を成膜した。
(b)反射層兼電極の成膜
p型ZnO層14a’上に、Alを電子ビーム蒸着法にて300nm面状に成膜して電極16’とした。本例の電極はAl薄膜であり、紫外光を反射する反射層としても機能するものとした。
(c)蛍光体の成膜
基板12’の発光機能層14’と反対側に、蛍光体層17’を形成すべく、蛍光成分として(Ca,Sr)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、及びYS:Euを分散含有させたシリコーン樹脂を約5μm塗布した。
(d)発光素子の評価
基板12’とp型電極16’に通電し、I−V測定を行ったところ、整流性が確認され、良質なp−n接合が形成されたことが確認できた。また、蛍光体層全域から白色発光が観察された。蛍光体を除去して発光波長を測定したところ、約390nmの紫外発光が観測され、p−n接合部からの紫外発光が蛍光体層にて可視光に変換されたことが確認できた。
例4
酸化亜鉛単結晶基板と異なる材質の発光機能層を作製して、図3と類似した構造の発光素子を作製した。したがって、本例で作製される発光素子における図3と共通する部位については、図3の符号を適宜参照するものとする。すなわち、本例においては、基板12’と発光機能層14’の反応を抑制し、エピタキシャル成長を生じさせるために、n型ZnO単結晶基板12’上にn型のSiドープGaN層で構成されるバッファ層を作製し、更に発光機能層14’としてn型のSiドープGaN層及びp型のMgドープGaN層、反射層兼電極16’、並びに蛍光体層17’を形成した。ただし、本例では発光層14c’を設けず、p−n接合の発光素子とした。各層の形成方法は以下のとおりとした。
(a)バッファ層及び発光機能層の成膜
例1の(1c)で得られたn型ZnO単結晶基板上に対し、RS−MBE(ラジカルソース分子線成長)装置を用いてバッファ層及び発光機能層の成膜を行った。このとき、金属材料であるガリウム(Ga)、シリコン(Si)及び/又はマグネシウム(Mg)はクヌーセンセルで照射し、基板に供給した。ガス材料である窒素(N)は、RFラジカル発生装置にてNHガスを原料とし、窒素ラジカルとして供給した。各種原料の純度は、各種金属材料が7N、NHガスが5Nであった。
具体的には、バッファ層としてSiドープGaN層を作製した。まず、抵抗加熱ヒータを用いてn型ZnO単結晶基板12’を550℃に加熱し、膜中のSi濃度が5×1018/cmとなり、且つGa、Siの原子濃度の合計とN濃度の合計の比が1対1となるようにガスソースのフラックスを制御しながら厚さ50nmのSiドープGaN層を成膜した。その後、抵抗加熱ヒータを用いて800℃に加熱し、膜中のSi濃度が5×1018/cmとなり、且つGa及びSiの原子濃度の合計とN濃度の比が1対1となるようにガスソースのフラックスを制御しながら厚さ600nmのSiドープGaN層を前記50nmのSiドープGaN層上に成膜した。このようにして得られた計650nmのSiドープGaN層をn型ZnO単結晶基板12’と発光機能層14’の反応を抑制し、且つエピタキシャル成長をもたらすバッファ層とした。
こうして得られたバッファ層上に、n型層14b’としてSiドープGaN層を作製した。具体的には、基板12’は抵抗加熱ヒータを用いて750℃に加熱し、膜中のSi濃度が5×1018/cmとなり、且つGa、Siの原子濃度の合計とN濃度の合計が1対1となるようにガスソースのフラックスを制御しながら厚さ700nmのSiドープGaN層を成膜した。
こうして得られたSiドープGaN層上に、p型層14a’としてMgドープGaN層を作製した。具体的には、抵抗加熱ヒータを用いて基板12’を750℃に加熱し、膜中のMg濃度が1×1019/cmとなり、且つGa、Mgの原子濃度の合計とN濃度の合計が1対1となるようにガスソースのフラックスを制御しながら厚さ200nmのMgドープGaN層を成膜した。
(b)反射層兼電極の成膜
p型層上にAlを電子ビーム蒸着法にて300nm面状に成膜して電極16’とした。本例の電極はAl薄膜であり、紫外光を反射する反射層としても機能するものとした。
(c)蛍光体の成膜
基板12’の発光機能層14’と反対側に、蛍光体層17’を形成すべく、蛍光成分として(Ca,Sr)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、及びYS:Euを分散含有させたシリコーン樹脂を約5μm塗布した。
(d)発光素子の評価
基板12’とp型電極16’に通電し、I−V測定を行ったところ、整流性が確認され、良質なp−n接合が形成されたことが確認できた。また、蛍光体層全域から白色発光が観察された。蛍光体を除去して発光波長を測定したところ、約380nmの紫外発光が観測され、p−n接合部からの紫外発光が蛍光体層にて可視光に変換されたことが確認できた。
本例では基板12’の発光機能層と反対側に蛍光体層17’を作製し、基板12’を通して発光させる構造としたが、p型電極16’の開口部(光取り出し口)を大きく確保した上でp型電極16’上に蛍光体層を設ける一方、基板12’の発光機能層14’と反対側に反射層を設けた構造とすることもできる。こうすることで、基板12’に対して発光機能層14’側から光を取り出すことができる。
例5
Alドープしたn型酸化亜鉛単結晶基板上に窒化ガリウムで構成される発光機能層を作製して、図3と類似した構造の発光素子を作製した。したがって、本例で作製される発光素子における図3と共通する部位については、図3の符号を適宜参照するものとする。すなわち、本例においては、基板12’と発光機能層14’の反応を抑制し、エピタキシャル成長を生じさせるために、Alドープしたn型ZnO単結晶基板12’上にn型のSiドープGaN層で構成されるバッファ層を作製し、更に発光機能層14’としてn型のSiドープGaN層及びp型のMgドープGaN層、反射層兼電極16’、並びに蛍光体層17’を形成した。ただし、本例では発光層14c’を設けず、p−n接合の発光素子とした。各層の形成方法は以下のとおりとした。
(a)バッファ層及び発光機能層の成膜
例1の(1c)で得られたn型ZnO単結晶基板上に対し、MOCVD(有機金属気相成長法)装置を用いてバッファ層及び発光機能層14’の成膜を行った。原料ガスには、Ga源としてTMG(トリメチルガリウム)、N源としてNH(アンモニア)、Mg源としてCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)、Si源としてSiH(モノシラン)を用いた。
具体的には、バッファ層としてSiドープGaN層を作製した。まずn型ZnO単結晶基板12’をMOCVD炉(有機金属気相成長炉)内に入れ、炉内を窒素ガス雰囲気中で700℃にて、TMG、NH及びSiHを原料とし、膜中のSi濃度が2×1018/cmとなり、且つ原料ガスのGa及びSiの原子濃度の合計とN濃度の合計の比が1対3000となるようにガスソースのバブリング量を制御しながら厚さ50nmのSiドープGaN層を成膜した。
その後、800℃に加熱し、膜中のSi濃度が2×1018/cmとなり、且つ原料ガスのGa及びSiの原子濃度の合計とN濃度の比が1対3000となるようにガスソースのバブリング量を制御しながら厚さ600nmのSiドープGaN層を前記50nmのSiドープGaN層上に成膜した。このようにして得られた計650nmのSiドープGaN層を、n型ZnO単結晶基板12’と発光機能層14’の反応を抑制し、且つエピタキシャル成長をもたらすバッファ層とした。
こうして得られたバッファ層上に、n型層としてSiドープGaN層を作製した。具体的には水素・窒素混合雰囲気中で基板温度を1100℃まで上げ、TMG、NH及びSiHを原料とし、膜中のSi濃度が2×1018/cmとなり、且つ原料ガスのGa及びSiの原子濃度の合計とN濃度の合計の比が1対2000となるようにガスソースのバブリング量を制御しながら厚さ2μmのSiドープGaN層を成膜した。
こうして得られたn型層上に、p型層としてMgドープGaN層を作製した。具体的には水素・窒素混合雰囲気中、1100℃にて、TMG、NH及びCpMgを原料とし、膜中のMg濃度が1×1019cm−3となり、且つ原料ガスのGa及びMgの原子濃度の合計とN濃度の合計の比が1対1500となるようにガスソースのバブリング量を制御しながら厚さ0.1μmのMgドープGaN層を成膜した。成膜終了後、窒素雰囲気にて室温まで温度を下げ、バッファ層及び発光機能層14’を成膜した基板12’を取り出した。
次いで、MgドープGaN層をp型として活性化するため、基板12’を高速アニール炉(RTA)内に配置し、窒素雰囲気中にて5分間で室温から800℃まで昇温し、この温度で2分間保持した後、室温まで冷却し、基板12’を取り出した。
(b)反射層兼電極の成膜
基板12’のp型層上にAlを電子ビーム蒸着法にて300nm面状に成膜して電極16’とした。本例の電極はAl薄膜であり、紫外光を反射する反射層としても機能するものとした。
(c)蛍光体の成膜
基板12’の発光機能層14’と反対側に、蛍光体層17’を形成すべく、蛍光成分として(Ca,Sr)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、及びYS:Euを分散含有させたシリコーン樹脂を約5μm塗布した。
(d)発光素子の評価
基板12’とp型電極16’に通電し、I−V測定を行ったところ、整流性が確認され、良質なp−n接合が形成されたことが確認できた。また、蛍光体層全域から白色発光が観察された。蛍光体を除去して発光波長を測定したところ、約380nmの紫外発光が観測され、p−n接合部からの紫外発光が蛍光体層にて可視光に変換されたことが確認できた。このように、Alドープしたn型ZnO単結晶を基板に用いることで、高温の還元雰囲気を用いるMOCVDにおいても、還元雰囲気とZnO単結晶の反応及びそれによる蒸発の影響を抑えながら発光機能層を成膜することができる。
本例では基板12’の発光機能層と反対側に蛍光体層17’を作製し、基板12’を通して発光させる構造としたが、p型電極16’の開口部(光取り出し口)を大きく確保した上でp型電極16’上に蛍光体層を設ける一方、基板12’の発光機能層14’と反対側に反射層を設けた構造とすることもできる。こうすることで、基板12’に対して発光機能層14’側から光を取り出すことができる。

Claims (33)

  1. 100μm以上の厚さを有する酸化亜鉛単結晶から構成される基板と、
    前記基板上に設けられる、紫外光を放出可能な発光機能層と、
    前記発光機能層上に設けられる電極と、
    前記電極の外側に設けられる、前記紫外光を可視光に変換するための蛍光体層と、
    前記蛍光体層の外側に設けられる反射層と、
    を備えた、面発光素子。
  2. 前記発光機能層が、p−n接合に基づいた発光機能を有する、請求項1に記載の面発光素子。
  3. 前記発光機能層が、前記酸化亜鉛単結晶の結晶方位に倣ってエピタキシャル成長した構造を有し、それにより単結晶基板と同一の結晶構造を有する、請求項1又は2に記載の面発光素子。
  4. 前記発光機能層が、p型ドーパントがドープされたZnOからなるp型酸化亜鉛層を少なくとも含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の面発光素子。
  5. 前記p型ドーパントが、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、カーボン(C)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銀(Ag)及び銅(Cu)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項4に記載の面発光素子。
  6. 前記発光機能層が、前記p型酸化亜鉛層と前記基板との間に、n型ドーパントがドープされたn型酸化亜鉛層を更に備えてなる、請求項4又は5に記載の面発光素子。
  7. 前記n型ドーパントが、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、硼素(B)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びシリコン(Si)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項6に記載の面発光素子。
  8. 前記p型酸化亜鉛層が、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の面発光素子。
  9. 前記n型酸化亜鉛層が、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の面発光素子。
  10. 前記酸化亜鉛単結晶が、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の面発光素子。
  11. 前記発光機能層が、前記p型酸化亜鉛層と前記基板との間に、前記p型酸化亜鉛層及び前記酸化亜鉛単結晶のいずれよりもバンドギャップが小さいZnO、又はMgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上とZnOとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有する発光素子を構成してなる、請求項4、5、8及び10のいずれか一項に記載の面発光素子。
  12. 前記発光機能層が、前記p型酸化亜鉛層とn型酸化亜鉛層との間に、前記p型酸化亜鉛層及び前記n型酸化亜鉛層のいずれよりもバンドギャップが小さいZnO、又はMgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上とZnOとの混晶からなり、且つ、p型ドーパント及びn型ドーパントを含まない発光層を少なくとも有する発光素子を構成してなる、請求項6、7、9及び10のいずれか一項に記載の面発光素子。
  13. 前記基板が対向電極として機能する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の面発光素子。
  14. 前記基板上の前記発光機能層と反対側に、対向電極を更に備えてなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の面発光素子。
  15. 前記電極が、透明導電膜、又は格子構造若しくはモスアイ構造を有する金属電極である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の面発光素子。
  16. 前記基板が20cm以上の面積を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の面発光素子。
  17. 前記基板が45cm以上の面積を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の面発光素子。
  18. 前記酸化亜鉛単結晶のバンドギャップエネルギーが、前記発光機能層から発せられた紫外光のエネルギーより小さいことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の面発光素子。
  19. 100μm以上の厚さを有する導電性酸化亜鉛単結晶から構成される基板と、
    前記基板上に設けられる発光機能層と、
    前記発光機能層上に設けられる電極と、
    を備えた、面発光素子。
  20. 前記導電性酸化亜鉛単結晶はn型ドーパントがドープされている、請求項19に記載の面発光素子。
  21. 前記n型ドーパントが、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、硼素(B)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びシリコン(Si)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項19又は20に記載の面発光素子。
  22. 前記導電性酸化亜鉛単結晶はp型ドーパントがドープされている、請求項19に記載の面発光素子。
  23. 前記p型ドーパントが、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、カーボン(C)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銀(Ag)及び銅(Cu)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項22に記載の面発光素子。
  24. 前記導電性酸化亜鉛単結晶が1×10-3Ωcm以下の抵抗率を有する、請求項19〜23のいずれか一項に記載の面発光素子。
  25. 前記導電性酸化亜鉛単結晶が、MgO、CdO、ZnS、ZnSe及びZnTeからなる群から選択される1種以上の結晶と混晶化されたZnOからなる、請求項19〜24のいずれか一項に記載の面発光素子。
  26. 前記基板が、酸化亜鉛単結晶基板上にエアロゾルデポジション(AD)法で酸化亜鉛膜を作製し、前記酸化亜鉛膜を基板側からの一方向加熱にて固相エピタキシャル成長を生じさせることによって作製されたものである、請求項19〜25のいずれか一項に記載の面発光素子。
  27. 前記基板がn型酸化亜鉛層として機能する、請求項19〜21及び24〜26のいずれか一項に記載の面発光素子。
  28. 前記基板がp型酸化亜鉛層として機能する、請求項19及び22〜26のいずれか一項に記載の面発光素子。
  29. 前記発光機能層が、p−n接合に基づいた発光機能を有する、請求項19〜28のいずれか一項に記載の面発光素子。
  30. 前記発光機能層が、酸化亜鉛系材料、窒化ガリウム系材料、窒化アルミニウム系材料、酸化銅系材料、酸化ニッケル系材料、亜鉛テルル系材料、及び硫化亜鉛系材料から選ばれる少なくとも1種以上で構成される、請求項19〜29のいずれか一項に記載の面発光素子。
  31. 前記発光機能層が、前記酸化亜鉛単結晶の結晶方位に倣ってエピタキシャル成長した構造を有し、それにより単結晶基板と同一の結晶構造を有する、請求項19〜30のいずれか一項に記載の面発光素子。
  32. 前記発光機能層と前記基板の間にバッファ層をさらに備えた、請求項19〜31のいずれか一項に記載の面発光素子。
  33. 前記基板が20cm以上の面積を有する、請求項19〜32のいずれか一項に記載の面発光素子。
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