JPWO2014091617A1 - 風力発電装置及びその建設方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ブレーキディスク又はヨー旋回座軸受の下部に第1シール部材を取り付けるようにしたので、ナセルを製造する工場側で第1シール部材の取り付けを完結させることができる。すなわち、通常、ナセルを製造する工場において、ナセル台板、ブレーキディスク及びナセルカバーを含むナセルユニットを製造する場合、ブレーキディスク又はヨー旋回座軸受の下部に第1シール部材を取り付けるようにすれば、このナセルユニットに第1シール部材を含めることができる。これにより、現地における風力発電装置の組立作業は、タワー上端部にナセルユニットを搭載するのみでよく、タワー最上部という高所でのシール取り付け作業が不要となり、作業性が向上する。また、タワー上端部に予めシール部材と油を溜めるための凹部を有するナセルの底を設けておくことも考えられるが、この場合、シール部材とナセルの底との位置精度が低い。これに対して上記したようにナセル側にシール部材及び凹部を取り付ける構成とすることで、シール部材とナセルの底との位置精度を良好に保持し、リークオイルの外部への漏出を確実に防止可能となる。
このように、第1シール部材がナセルの底の開口側縁部に対して上方から当接するように配置されることによって、ナセル内で発生したリークオイルを確実にナセルの底の凹部に導くことができる。
これにより、開口側縁部がタワーの半径方向外方に向かって下る斜面を有することにより、ナセル内で発生するリークオイルが斜面を伝って確実にナセルの底の凹部に導かれる。
ヨー旋回座軸受の下部又はブレーキディスクに取り付けられる第1シール部材は、ナセルのヨー旋回時に、ナセルの底の開口側縁部に対して摺動する。そのため、第1シール部材に突起部を設けることによって、ナセルの底の開口側縁部に対する第1シール部材の押し付け力を大きくすることができ、より一層確実にリークオイルの漏出を防止できる。また、突起部は耐摩耗コーティングされているので、第1シール部材とナセルの底の開口側縁部とが摺動しても摩耗し難い構造とすることができる。
このように、ナセルの底の凹部にリブを設けることによって、ナセルの底の強度を向上させることができ、凹部に溜まったリークオイルによる重量増加にも耐え得る構造とすることができる。
このように、少なくとも一本のボルトによって、ヨー旋回座軸受の下部又はブレーキディスクに第1シール部材を取り付け、ボルトの頭部を第2シール部材によって被覆するようにしたので、ボルト穴からリークオイルが風力発電装置の外部へ漏れ出ることを防止できる。
少なくとも一本のボルトによって、ヨー旋回座軸受の下部又はブレーキディスクに第1シール部材を取り付ける場合、隣り合う2つのボルト間における第1シール部材の押し付け力が低くなるので、第3シール部材によって、ブレーキディスクの全周に亘ってブレーキディスクと第1シール部材との間をシールすることによって、リークオイルの漏出をより一層確実に防止できる。
これにより、第1シール部材を簡単に製造することができ、部品コストの低廉化が図れる。
これにより、第1シール部材の取り付け作業の容易化が図れる。
これにより、ブレーキディスクを軽量化することができる。
第1シール部材は、ナセルの底の開口側縁部に覆い被さるように設けられるので、ナセル内又はその周辺で発生する漏出油を確実にナセルの底の凹部に導くことができる。また、第1シール部材は弾性部材を含むことにより、ナセルがヨー旋回しても、ナセルとタワーとの隙間を確実にシールすることができる。
また、ブレーキディスク又はヨー旋回座軸受の下部に第1シール部材を取り付けるようにしたので、ナセルを製造する工場側で第1シール部材の取り付けを完結させることができる。
これにより、矩形の弾性部材を用いることができるので製造コストを安価にできるとともに、矩形の弾性部材にスリットを設けて環状に形成することで、外周側から内周側に向けて傾斜ができ、リークオイルをナセルの底の凹部へ導きやすくなる。
また、ブレーキディスク又はヨー旋回座軸受の下部に第1シール部材を取り付けるようにしたので、ナセルを製造する工場側で第1シール部材の取り付けを完結させることができる。
なお、メインシャフト5を含む種々の機器は、水上又は地上に立設されたタワー11の上端部11aに設置されたナセル20に収納され、ナセル20のナセルカバーによって覆われていてもよい。ここで、ナセルカバーは、ナセル20に収容された機器を覆うナセルカバー本体22と、タワー11の周囲に配置される底23とから構成される。また、ハブ3は、ハブカバー3aによって覆われていてもよい。
なお、図1にはドライブトレイン6として油圧トランスミッションを例示したが、ギア式増速機を用いてもよいし、メインシャフト5を発電機10に直結したダイレクトドライブを採用してもよい。
一実施形態では、ナセル20は、メインシャフト5を支持する軸受(不図示)が設けられるナセル台板21と、ナセル台板21上に載置された各種機器を覆うナセルカバー本体22と、タワー上端部11aの外周に沿って設けられた底23を有している。
具体的に、ナセル台板21は、例えば球状黒鉛鋳鉄や強靭鋳鉄等の鋳造鋼(cast steel)で構成される。ナセルカバー本体22は、ナセル台板21に組み付けられたフレーム(不図示)に取り付けられて、ナセル台板21上に載置された各種機器(例えばドライブトレイン6及び発電機10等)を覆うように構成される。底23の構成については後に詳述する。
すなわち、風力発電装置1は、ヨー旋回機構として、ナセル20を旋回自在にタワー11に支持するためのヨー旋回座軸受12と、ヨー旋回座軸受12を駆動するためのヨー駆動機構15とを有している。
図1及び図2に示すように、一実施形態において、ヨー旋回座軸受12は、ナセル台板21に固定される内輪12aと、タワー上端部11aに固定される外輪12bと、内輪12a及び外輪12bとの間に介装されるボールベアリング12cとを含む。外輪12bの外周側には外歯13が設けられている。一方、ヨー駆動機構15は、外歯13と噛み合うピニオンギア15bと、ピニオンギア15bを駆動するための駆動部(ヨーモータ)15aを含む。なお、内輪12aのナセル台板21への固定、又は、外輪12bのタワー上端部11aへの固定は、ボルト締結であってもよい。
図2及び図3に示すように、一実施形態において、ブレーキ機構は、タワー上端部11aに固定されたブレーキディスク16と、ナセル台板21に固定されたブレーキキャリパ17及びブレーキパッド18とを含む。ブレーキディスク16は、ヨー旋回座軸受12の下端面とタワー11の上端面との間に設けられる。また、ブレーキディスク16は、図5に示すように、タワー上端部11aからタワー内周側に向けて延在する環状に形成されてもよい。なお、図5はブレーキディスクを示す底面図である。ブレーキキャリパ17は、ブレーキディスク16の両面にブレーキパッド18を押し付けて、摩擦力を発生させることによってブレーキディスク16とブレーキキャリパ17との相対的な回転を停止させる。これにより、ブレーキキャリパ17が取り付けられたナセル20に対して、タワー11に取り付けられたブレーキディスク16によって制動力が付与される。なお、ブレーキキャリパ17及びブレーキパッド18は、ブレーキディスク16の円周方向に所定間隔で複数設けられていてもよい。
図2に示すように、一実施形態において、風力発電装置1の内部で発生したリークオイルを溜めるために、ナセル20の底23に凹部23aが設けられている。また、ナセル20の底23にはタワー上端部11aの外周面に沿って開口23cが形成されており、凹部23aはこの開口23cの周りに設けられている。凹部23aの開口側縁部23bは、タワー11の外周に沿って配置される。
このように、開口側縁部23bがタワー11の半径方向外方に向かって下る斜面を有することにより、ナセル20内又はその周辺で発生する漏出油が斜面を伝って確実にナセル20の底23の凹部23aに導くことができる。
ヨー旋回座軸受12の下部又はブレーキディスク16に取り付けられる第1シール部材30は、ナセル20のヨー旋回時に、ナセル20の底23の開口側縁部23bに対して摺動する。そのため、第1シール部材30に突起部30bを設けることによって、第1シール部材30とナセル20の底23の開口側縁部23bとが面接触よりも点接触又は線接触することで確実にリークオイルの漏出を防止できる。突起部23bは耐摩耗コーティングされているので、第1シール部材30とナセル20の底23の開口側縁部23bとが摺動しても摩耗し難い構造とすることができる。
その場合、ボルト31の頭部は第2シール部材32によって被覆されてもよい。
前記少なくとも一本のボルトの頭部を被覆する少なくとも一つの第2シール部材とをさらに備える。
このように、少なくとも一本のボルト31によって、ブレーキディスク16に第1シール部材30を取り付け、ボルト31の頭部を第2シール部材32によって被覆するようにしたので、ボルト穴からリークオイルが風力発電装置1の外部へ漏れ出ることを防止できる。
ナセル台板21とタワー11との間には、ヨー旋回座軸受12が設けられている。ヨー旋回座軸受12は、ナセル台板21に固定される内輪12aと、タワー上端部11aに固定される外輪12bと、内輪12a及び外輪12bの間に介装されるボールベアリング12cとを含む。外輪12bの外周側には外歯13が設けられている。外歯13は、ヨー旋回機構のピニオンギア(不図示)と噛み合うように配置される。そして、ヨー旋回機構によってナセル20がタワー11に対してヨー旋回するようになっている。
タワー上端部11aにはブレーキディスク16が固定されている。ブレーキディスク16は、タワー上端部11aの外周面より外方に突出している。ナセル台板21には、ブレーキキャリパ17及びブレーキパッド18が固定されている。そして、ブレーキキャリパ17によってブレーキディスク16の上下面にブレーキパッド18を押し付けることにより、ナセル20に制動力を付与するようになっている。
底25には、タワー上端部11aの外周面に沿って開口25cが形成され、この開口25cの周りに凹部25aが設けられている。凹部25aの開口側縁部25bは、タワー11の外周に沿って配置される。
この実施形態において、ブレーキディスク16はタワー上端部11aの外周面より外方に突出して設けられているので、第1シール部材40は、ブレーキディスク16の外周面にボルト41によって固定される。第1シール部材40の外周側はナセル20の底25の開口側縁部25bに当接している。これにより、ナセル20がヨー旋回した時に、第1シール部材40は開口側縁部25bに摺動しながら回転し、ナセル20とタワー11との隙間からリークオイルが漏れ出ることを防止できる。
まず、ナセル20と、ヨー旋回座軸受12と、ブレーキディスク16と、第1シール部材30とを含むナセルユニットを形成する。このナセルユニットの形成は、例えばナセル組立工場等のように、風力発電装置1の設置場所とは離れた場所で実施される。
タワー11が設置されたら、風力発電装置1の設置場所に運搬されたナセルユニットを、タワー上端部11aに設置する。
また、ブレーキディスク16又はヨー旋回座軸受12の下部に第1シール部材30,40を取り付けるようにしたので、ナセル20を製造する工場側で第1シール部材30,40の取り付けを完結させることができる。
2 ブレード
3 ハブ
3a ハブカバー
4 ロータ
5 メインシャフト
6 ドライブトレイン
7 油圧ポンプ
8 油圧モータ
9a 高圧油ライン
9b 低圧油ライン
10 発電機
11 タワー
11a タワー上端部
12 ヨー旋回座軸受
12a 内輪
12b 外輪
12c ボールベアリング
13 外歯
15 ヨー旋回機構
15a 駆動部
15b ピニオンギア
16 ブレーキディスク
17 ブレーキキャリパ
18 ブレーキパッド
20 ナセル
21 ナセル台板
22 ナセルカバー本体
23,25 底
23a,25a 凹部
23b,25b 開口側縁部
23c,25c 開口
30,40 第1シール部材
30a 本体部
30b 突起部
31,41 ボルト
32 第2シール部材
33 第3シール部材
Claims (15)
- タワーと、
前記タワーの上端部の外周面に沿って開口が形成され、該開口の周りに凹部が設けられた底を有するナセルと、
前記ナセルを旋回自在に前記タワーに支持するためのヨー旋回座軸受と、
前記ヨー旋回座軸受の下端面と前記タワーの上端面との間に設けられるブレーキディスクと、
前記ヨー旋回座軸受の下部、又は、前記ブレーキディスクに取り付けられて、前記ナセルの前記底の開口側縁部に当接するように構成された第1シール部材とを備えることを特徴とする風力発電装置。 - 前記ナセルの前記底は、前記凹部を形成する開口側側面の上部に前記開口側縁部が位置するように構成され、
前記第1シール部材は、前記開口側縁部に対して上方から当接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置。 - 前記開口側縁部と前記第1シール部材とがオーバーラップする領域の少なくとも一部において、前記開口側縁部は前記タワーの半径方向外方に向かって下る斜面を有することを特徴とする請求項1又は、2に記載の風力発電装置。
- 前記第1シール部材は、前記開口側縁部に対向する前記第1シール部材の表面に設けられて、耐摩耗コーティングが施された少なくとも一つの突起部を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項の風力発電装置。
- 前記ナセルの前記底は、前記凹部に設けられる少なくとも一つのリブを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の風力発電装置。
- 前記ヨー旋回座軸受の前記下部、又は、前記ブレーキディスクに前記第1シール部材を取り付けるための少なくとも一本のボルトと、
前記少なくとも一本のボルトの頭部を被覆する少なくとも一つの第2シール部材とをさらに備えることを特徴とする1乃至5の何れか一項に記載の風力発電装置。 - 前記ブレーキディスクと、該ブレーキディスクに取り付けられた前記第1シール部材との間をシールするための第3シール部材をさらに備え、前記第3シール部材は、前記ブレーキディスクの全周に亘って設けられることを特徴とする請求項6に記載の風力発電装置。
- 前記第1シール部材は、内周側と外周側との周長差を吸収するための複数のスリットが前記内周側に設けられ、前記内周側から前記外周側に向けて傾斜したテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の風力発電装置。
- 前記第1シール部材は、前記ヨー旋回座軸受の外輪と前記タワーの上端面との間に設けられた前記ブレーキディスクに取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風力発電装置。
- 前記ブレーキディスクの上面のうち前記外輪によって覆われていない領域に取り付けられた前記第1シール部材を上方から前記ブレーキディスクに向けて押さえつけるための環状の押え板をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の風力発電装置。
- 前記ヨー旋回座軸受の外輪に設けられた外歯と噛み合うピニオンギア、および、該ピニオンギアを駆動するための駆動部を含むヨー駆動機構をさらに備え、
前記第1シール部材は、前記外輪の外周面のうち前記外歯よりも下方の領域に取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風力発電装置。 - 前記ナセルは、前記ヨー旋回座軸受に取り付けられるナセル台板と、前記ナセル台板に取り付けられたナセルフレームと、前記ナセルフレームに取り付けられるナセルカバーとを含み、
前記ナセルカバーは、前記ナセルの内部空間を形成するためのナセルカバー本体と、前記ナセルカバー本体の下面に取り付けられる前記底とを含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の風力発電装置。 - 前記第1シール部材は、前記開口側縁部に覆い被さるように設けられた弾性部材を含むことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の風力発電装置。
- タワーと、前記タワーの上端部の外周面に沿って開口が形成され、該開口の周りに凹部が設けられた底を有するナセルと、前記ナセルを旋回自在に前記タワーに支持するためのヨー旋回座軸受と、前記ヨー旋回座軸受の下端面と前記タワーの上端面との間に設けられるブレーキディスクと、前記ヨー旋回座軸受の下部、又は、前記ブレーキディスクに取り付けられて、前記ナセルの前記底の開口側縁部に当接するように構成された第1シール部材とを備える風力発電装置の建設方法であって、
前記ナセルと、前記ヨー旋回座軸受と、前記ブレーキディスクと、前記第1シール部材とを含むナセルユニットを形成するナセルユニット形成ステップと、
前記タワーを設置するタワー設置ステップと、
前記タワー設置ステップの後、前記タワー上に前記ナセルユニットを設置するナセルユニット設置ステップとを備えることを特徴とする風力発電装置の建設方法。 - 前記ナセルユニット形成ステップでは、
長手方向に沿った一辺に複数のスリットを有する矩形の弾性部材を変形させて前記弾性部材の両端を突き合わせ、前記一辺が内周側に位置して前記一辺に対向する辺が外周側に位置する環状体を作り、
前記環状体を前記ブレーキディスクの上面に取り付けて前記シール部材を得ることを特徴とする請求項15に記載の風力発電装置の建設方法。
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