JPWO2014087785A1 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

膜電極接合体33を一対のセパレータ40,41で挟持して成る単セル20を複数積層してセルモジュールMを形成すると共に、このセルモジュールMを複数積層して一対のエンドプレート10,11で積層方向に挟持した構造を有し、セルモジュールM同士の間、及び積層両端のセルモジュールMと各エンドプレート10,11との間に、反応用ガスをシールするためのシールプレートP1を備え、各シールプレートのうちの少なくとも一つのシールプレートP1に、電池外側へ突出する電圧測定用端子PTを設けた燃料電池スタックAとし、シール構造を別途追加せずに、必要な部位の電圧測定を行うことが可能になる。

Description

本発明は、単セルを複数積層して成るセルモジュールを備えた燃料電池スタックに関し、とくに、各単セルやセルモジュールの電圧測定機能を有する燃料電池スタックの改良に関するものである。
従来、上記したような燃料電池スタックとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の燃料電池スタックは、膜電極接合体を一対のセパレータで挟持して成るセル(単セル)を複数積層したもので、各セルの同極のセパレータには、電池外側へ突出する電圧モニタ用接続構造が設けてある。このような燃料電池スタックでは、セル積層体端のセルについては、片側の電圧モニタ用接続構造だけであるから、電圧モニタを行うことができない。
そこで、燃料電池スタックは、セル積層体端に、セパレータと同形状の導電性のカバープレートを配置し、このカバープレートに電圧モニタ用接続構造を設けている。そして、燃料電池スタックは、隣接するセルのセパレータ同士のコネクタを用いて電圧モニタを行うと共に、セル積層体端のセルについては、カバープレートのコネクタを用いて電圧モニタを行うようにし、これにより全てのセルの電圧モニタを可能にしている。
日本国特開2002−352820号公報
しかしながら、上記したような従来の燃料電池スタックにあっては、セパレータとカバープレートとの間に、反応用ガスをシールするためのシール構造を別途追加する必要があることから、部品点数が増大すると共に、構造が複雑化するという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、単セルを複数積層して成るセルモジュールを備えた燃料電池スタックにおいて、シール構造を別途追加せずに、必要な部位の電圧測定を行うことが可能な燃料電池スタックを提供することを目的としている。
本発明の燃料電池スタックは、膜電極接合体を一対のセパレータで挟持して成る単セルを複数積層してセルモジュールを形成すると共に、このセルモジュールを複数積層して一対のエンドプレートで積層方向に挟持した構造を有している。そして、燃料電池スタックは、セルモジュール同士の間、及び積層端のセルモジュールとエンドプレートとの間に、反応用ガスをシールするためのシールプレートを備えており、各シールプレートのうちの少なくとも一つのシールプレートに、電池外側へ突出する電圧測定用端子を設けた構成としており、上記構成をもって課題を解決するための手段としている。
本発明によれば、単セルを複数積層して成るセルモジュールを備えた燃料電池スタックにおいて、セルモジュール自体が持っているシール構造を用いて反応ガスをシールすることができるため、特別なシール構造を別途追加せずに、必要な部位の電圧測定を行うことが可能になり、コスト削減などにも貢献することができる。
本発明に係る燃料電池スタックの概略外観斜視図である。 セルモジュールを構成するセパレータ、膜電極接合体及びシールプレートの配置を説明する一方側の面の平面図(A)、及び他方側の面の平面図(B)である。 図2(A)に示すカソード側セパレータの拡大平面図(A)、及び膜電極接合体の拡大平面図(B)である。 図2に示すシールプレートの拡大平面図である。 セルモジュールの断面図である。 本発明の燃料電池スタックの一実施形態を説明する概略断面図(A)、及びシールプレートの平面図(B)である。 本発明の燃料電池スタックの他の実施形態を説明する概略断面図(A)、及びシールプレートとセパレータの平面図(B)である。 シールプレートの電圧測定用端子を示す正面図(A)、及び断面図(B)である。 本発明の燃料電池スタックのさらに他の実施形態を説明する概略断面図である。
〈第1実施形態〉
以下、図面に基づいて、本発明の燃料電池スタックの一実施形態を説明する。ここで、図1〜図5は、燃料電池スタックの構成を説明する図であって、図1は本発明の燃料電池スタックの概略外観斜視図である。図2(A)はセルモジュールを構成するセパレータ、膜電極接合体及びシールプレートの配置を説明する一方側の面の平面図であり、図2(B)は他方側の面の平面図である。図3(A)は図2(A)に示すカソード側セパレータの拡大平面図であり、図3(B)は膜電極接合体の拡大平面図(B)である。図4は図2に示すシールプレートの拡大平面図であり、図5はセルモジュールの断面図である。
図1に示す燃料電池スタックAは、複数のセルモジュールMを積層して、その積層体を一対のエンドプレート10,11により挟持した構造を有している。そして、セルモジュールM同士の間、及び積層両端のセルモジュールM,Mと各エンドプレート10,11との間に、反応用ガス及び/又は冷却流体をシールするためのシールプレートPが介装してある。
セルモジュールMは、単セル20を複数積層したものであり、その外壁面は後述するセルフレーム30の鍔部32と接着剤9によって構成してある。これにより、セルモジュールMの内部への浸水を防止するとともに電気的な絶縁を図っている。なお、図1には、5枚の単セル20を積層接着したものを例示しているが、その枚数に限るものではなく、また、接着剤層を省略して示している。
上記の単セル20は、図2及び図3(A)に示すセルフレーム30を、図2及び図3(B)に示す一対のセパレータ40,41で挟持したものである。この単セル20は、セルフレーム30と各セパレータ40,41との間に、反応用ガスを流通させるためのガス流通路F1,F2を形成している。反応用ガスは、酸素含有ガス(カソードガス)と水素含有ガス(アノードガス)である。
セルフレーム30は、絶縁部材であって、具体的には樹脂製であり、本実施形態においては、単セル20の積層方向αから見た正面視において横長方形にし、且つ一定の板厚にして形成した基板31の全周囲にわたって表裏両面に突出する鍔部32を形成したものである。このセルフレーム30の中央部分には膜電極接合体33が設けてあり、その両側(両端部)にはマニホールド部ML,MRが配設してある。
膜電極接合体33は、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれるもので、例えば、固体高分子から成る電解質膜を、一対の電極により挟持した構造を有している。
上記マニホールド部ML,MRは、水素含有ガス、酸素含有ガス及び冷却流体の流入出を夫々行なうためのものであり、それらマニホールド部ML,MRと膜電極接合体33との間には、水素含有ガス又は酸素含有ガスの流通領域であるディフューザ領域D,Dが形成されている。冷却流体は例えば水である。
一側部のマニホールド部MLはマニホールド孔M1〜M3からなる。各マニホールド孔M1〜M3は、酸素含有ガス供給用(M1)、冷却流体供給用(M2)及び水素含有ガス供給用(M3)であり、積層方向αに連続して夫々の流通路をなしている。
他方のマニホールド部MRはマニホールド孔M4〜M6からなる。各マニホールド孔M4〜M6は、水素含有ガス排出用(M4)、冷却流体排出用(M5)及び酸素含有ガス排出用(M6)のものであり、積層方向αに連続して夫々の流通路をなしている。なお、供給用と排出用は一部又は全部が逆の位置関係でもよい。
ディフューザ領域Dは、セルフレーム30とセパレータ40,41との各間、すなわち、セルフレーム30の両面側に夫々形成してあり、図示しない適宜形状の突起が所定間隔で複数配置してある。
ここで、図2(A)は、カソード及びアノードのセパレータ40,41、セルフレーム30及び膜電極接合体33、並びにシールプレートP1の一方側の面を示す図であり、図 2(B)は、図2(A)に示す各部材を図2上下方向の軸回りに裏返して、各部材の他方側の面を示す図である。よって、図2(A)に示す各部材は、最下段に示すシールプレートP1が上側となるように順次積層する。また、図2(B)に示す各部材は、最上段に示すカソード側セパレータ41が上側となるように順次積層する。
セルフレーム30には、図2及び図3(A)に示すように、外縁部の全周にわたる部分、及びマニホールド孔M1〜M6の周囲の部分に、接着シール80が連続的に設けてある。このとき、接着シール80は、図2(A)に示すセルフレーム30のカソード面においては、酸素含有ガスを流通させるために、酸素含有ガスの供給用及び排出用のマニホールド孔M1,M6の部分で開放してあり、それ以外のマニホールド孔M2〜M5を囲繞している。
また、接着シール80は、図2(B)に示すセルフレーム30のアノード面では、水素含有ガスを流通させるために、水素含有ガスの供給用及び排出用のマニホールド孔M3,M4の部分で開放してあり、それ以外のマニホールド孔M1,M2,M5及びM6を囲繞している。
セパレータ40,41は、例えばステンレス等の金属板をプレス成形したものであり、図2及び図3(B)に示すように、上記セルフレーム30の鍔部32の内側領域に配設できる大きさの横長方形に形成してある。
このセパレータ40(41)は、とくにカソード側のセパレータ41を図3(B)に示すように、上記した膜電極接合体33に対向する中央部分に、長手方向に連続した凹凸部41a(40a),41b(40b)が形成してあると共に、両端部には、上記したセルフレーム30の各マニホールド孔M1〜M6に対応するマニホールド孔M1〜M6が形成してある。
また、セパレータ40,41には、セルフレーム30と同様に、外縁部の全周にわたる部分、及びマニホールド孔M1〜M6の周囲の部分に、接着シール80が連続的に設けてある。このとき、接着シール80は、酸素含有ガス、水素含有ガス及び冷却流体を夫々の層間に流通させるために、図2(A)及び(B)に示すように、夫々の層間に該当するマニホールド孔M1〜M6の部分で開放してあり、それ以外のマニホールド孔M1〜M6を囲繞している。
燃料電池スタックAは、セルモジュールMにおいて、隣接する単セル20,20同士の相対向するセパレータ40,41の間に、冷却流体の流通路(以下、「冷却用流通路」という。)F3を区画形成している。また、隣接する二つのセルモジュールM,M同士の間の空間、より具体的には、最外側に配置した単セル20,20同士の対向当接する鍔部32により囲繞形成される空間も冷却用流通路F3になっている。そして、燃料電池スタックAは、セルモジュールM,M同士の間の冷却用流通路F3に、シールプレートP1を介装している。
シールプレートP1は、上記した単セル20とは別体にして形成されており、図2及び図4に示すように、プレート基板50の両端部にマニホールド部ML,MRを開口していると共に、中央部分に圧力損失調整部B1を備えている。
プレート基板50は、導電性の一枚の金属板を成形したものであり、平面視において上記した単セル20とほぼ同じ形状で同じ大きさに形成してある。このプレート基板50を導電性の金属板で形成することにより、経時的に安定した通電性を保つことができる。このプレート基板50に形成されているマニホールド部ML,MRは、上記したセルフレーム30等に形成したものと同等である。
このシールプレートP1は、セルモジュールMのマニホールド孔M1〜M6に対応するマニホールド孔M1〜M6を有し、セルモジュールM,M間に介装したときに、互いのマニホールド孔M1〜M6を連続させて一連の流通路を形成する。
シールプレートP1は、酸素含有ガス及び水素含有ガスの流通に用いるマニホールド孔M1,M3,M4,M6を区画形成するプレート基板50の各辺縁部に、シール部材51〜54が設けてある。マニホールド孔M1,M3,M4,M6の辺縁部に設けた各シール部材51〜54は、互いに独立して形成してある。なお、当然のことながら、冷却流体の流通に用いるマニホールド孔M2,M4は、シール部材を設けずに、開放状態である。
また、シールプレートP1は、図5にも示すように、プレート基板50の最外周縁部に沿って外周シール部材55が設けてあり、さらに、外周シール部材55よりも内側には、同外周シール部材55との間に所要の間隔をおいて平行配置した内周シール部材56が設けてある。このシールプレートP1は、上記内周シール56により冷却用流通路F3を流通する冷却流体の漏出を防止し、また、外周シール部材55により、外部からの雨水の浸入を防止するとともに、電気的な絶縁を図っている。なお、図5において符号9で示すものは接着剤である。
また、シールプレートP1は、マニホールド孔M1,M3,M4,M6の周囲に設けたシール部材51〜54を独立させた構造としているので、それら各シール部材51〜54の設計(高さ、幅、形状)を個別に設定することができる。これにより、シールする部位により流体が異なり、これに応じてシール部材の劣化環境が異なるので、それに応じてシール部材51〜54の設計を個別に行なうことができ、燃料電池スタックAの信頼性を向上させられる。
前記圧力損失調整部B1は、図4に示すように、冷却用流通路において、これを流通する冷却流体の圧力損失を低減調整する機能を有するものであり、そのる。アクティブエリアに対向する領域、又はアクティブエリア近傍、若しくはそれら双方の領域において冷却用流通路の断面を低減させることによって圧力損失を低減調整できるようにしている。冷却用流通路の断面の低減は、冷却流体の流通方向β及び当該流通方向βと直交する方向γの双方を含むものである。「アクティブエリア」は、上記した膜電極接合体33に対向する領域のことである。
図示の圧力損失調整部B1は、プレート基板50の長軸中心線O1に平行に形成された上流側スリット列60、下流側スリット列61及びその長軸線O1と直交する短軸中心線O2に平行な二つのスリット62,62からなる。長軸中心線O1は、プレート基板50の短辺、また、短軸中心線O2は、そのプレート基板50の長辺をそれぞれ二分する位置に想定したものである。
上流側スリット列60は、冷却流体の流通方向βの上流側に配列した8本のスリット60aからなり、各スリット60aは、流通方向βと平行にし且つ互いに同じ長さ及び幅にして配列形成してある。下流側スリット列61は、冷却流体の流通方向βの上流側に配列した8本のスリット61aからなり、各スリット61aは、上記スリット60aと同じく流通方向βと平行にし且つ互いに同じ長さ及び幅にして配列形成してある。
上記構成を備えた燃料電池スタックAは、図5に示すように、各単セル20のカソード側セパレータ40に、電池外側(図5中で左側)へ突出する電圧測定用端子40Tが設けてある。ここで、各単セル20の電圧は、それ自身の電圧測定用端子40Tと、隣接する単セル20の電圧測定用端子40Tとを用いて測定する。
また、積層中間のセルモジュールMにおいて、積層端となる単セル20の電圧は、それ自身の電圧測定用端子40Tと、これに隣接するセルモジュールMにおける積層端の単セル20の電圧測定用端子40Tとを用いて測定することができる。
ところが、図5中で最下段となる積層端のセルモジュールMにおいて、その積層端(下端)となる単セル20は、それよりも下側のセルモジュールMが存在しないので、そのままでは電圧測定を行うことができない。図5では、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが無い場合を仮定して、同端子PTを点線で示している。
そこで、本発明の燃料電池スタックAでは、各シールプレートP1のうちの少なくとも一つのシールプレートP1に、電池外側へ突出する電圧測定用端子(点線で示す)PTを設けた構成としている。
すなわち、燃料電池スタックAは、図6(A)に示すように、単セル20を複数積層してセルモジュールMを形成すると共に、このセルモジュールMを複数積層して一対のエンドプレート0,11で積層方向に挟持した構造を有している。なお、セルモジュールMとエンドプレート10,11との間には、夫々の集電板70,71が介装してある。
また、燃料電池スタックAは、セルモジュールM同士の間、及び積層両端(上下端)のセルモジュールMと各エンドプレート10,11との間に、反応用ガス及び/又は冷却流体をシールするためのシールプレートP1を備えている。なお、先述したように、各単セル20は、カソード側のセパレータ40に、電圧測定用端子40Tを有している。
そして、燃料電池スタックAは、各シールプレートPのうちの少なくとも一つのシールプレートPに、電池外側へ突出する電圧測定用端子PTを設けている。また、この実施形態では、少なくとも図中下側となる一方のエンドプレート11に隣接するシールプレートP1に、電圧測定用端子P1を設けている。この電圧測定用端子PTは、図6(B)においては、シールプレートP1の長辺の一部に配置してあるが、その配置や形状がとくに限定されるものではない。
上記構成を備えた燃料電池スタックAは、隣接する単セル20のセパレータ40同士の電圧測定用端子40Tを用いて、各単セル20の電圧測定を行う。そして、積層端のセルモジュールMにおける積層端の単セル20、すなわち図5及び図6中で最下段の単セル20については、それ自身の電圧測定用端子40Tと、シールプレートP1の電圧測定用端子PTとを用いて電圧測定を行うこととなる。
このようにして、燃料電池スタックAは、シールプレートP1によるシール機能及び取り外し機能を備えたうえで、全ての単セル20や選択した単セル20の電圧を測定することができる。したがって、燃料電池スタックAは、セルモジュールM自体が持っているシール構造を流用することで反応ガスをシールすることができるため、電圧測定用端子40Tを設けたとしても、特別なシール構造を別途追加せずに、必要な部位の電圧測定を行うことが可能になり、構造も簡単であるから、コスト削減などにも貢献することができる。
図7〜図9は、本発明に係る燃料電池スタックの他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図7(A)に示す燃料電池スタックAは、先の実施形態と同様に、各単セル20における同極側のセパレータ、すなわちカソード側のセパレータ40に、電池外側に突出する電圧測定用端子40Tが設けてある。また、図中下側となる一方のエンドプレート11に隣接するシールプレートP1に、電圧測定用端子P1が設けてある。
そして、燃料電池スタックAは、図7(B)に示すように、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが、単セル20の(セパレータ40の)電圧測定用端子40Tに対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有しており、しかも、互いに隣接する電圧用端子同士40T,PTの間隔がいずれも等しくなっている。つまり、単セル20の電圧測定用端子40T同士の間隔はいずれも等しいから、シールプレートP1の電圧測定用端子PTと、これに隣接する単セル20の電圧測定用端子40Tとの間隔を、その間隔に合わせれば良い。
上記構成を備えた燃料電池スタックAにあっても、先の実施形態と同様に、シールプレートP1によるシール機能及び取り外し機能を備えたうえで、セルモジュールM自体が持っているシール構造を流用することで、特別なシール構造を別途追加せずに、低コストで必要な部位の電圧測定を行うことができる。
また、燃料電池スタックAは、各単セル20における同極側のセパレータ40に、電池外側に突出する電圧測定用端子40Tが設けてあり、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが、セパレータ40の電圧測定用端子40Tに対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有し、互いに隣接する電圧用端子同士40T,PST間隔が等しいことから、全ての電圧測定用端子40T,PTに対して、コネクタを共用することが可能になり、部品点数やコストのさらなる削減を実現することができる。
なお、コネクタとしては、例えば、セルモジュールM毎に個別に接続するものが用いられ、セルモジュールMの全ての電圧測定用端子40T,PTにコンタクトするものや、選択した電圧測定用端子40T,PTのみにコンタクトするものがある。また、燃料電池スタックAは、複数の外板又は筐体に覆われて、ケース一体構造にすることができ、この場合には、電圧測定用端子40T,PTをケース外側に露出させた状態にし、これらにコネクタを接続することとなる。
〈第3実施形態〉
図8は、シールプレートP1に設けた電圧測定用端子PTの他の実施形態を説明する図であって、図示の電圧測定用端子PTは、その厚みT1が、シールプレート本体の厚さT2よりも小さいものとなっている。また、図示例の電圧測定用端子PTは、中央部分に開口部Hを有している。なお、電圧測定用端子PTの厚みT1は、図7に示す実施形態のように、単セル20の(セパレータ40の)電圧測定用端子40Tの厚さと同等である。
上記構成を備えたシールプレートP1は、電圧測定用端子PTの厚みT1を、シールプレート本体の厚さT2よりも小さくしたので、それ自身の強度を充分に確保したうえで、電圧測定機能を付加することができ、且つ電圧測定用端子PTの厚さを単セル20の電圧測定用端子40Tの厚さに合わせることが容易にできる。また、開口部Hを設けることで、図示しないコネクタとの嵌合力が向上する。これにより、シールプレートP1は、電圧測定用端子PTを単セル20のものと同等にし、接触抵抗のばらつきを低減することが可能になる。
〈第4実施形態〉
図9に示す燃料電池スタックAは、全てのシールプレートP1に電圧測定用端子PTを備えたものとなっている。図示例の燃料電池スタックAは、単セル20の(セパレータ40の)電圧測定用端子が無い構造であって、各シールプレートP1のほぼ同じ位置に、同じ大きさ、形状及び厚さの電圧測定用端子PTが設けてある。なお、各電圧測定用端子PTは、必ずしも同一構成でなくても構わない。
上記構成を備えた燃料電池スタックAは、先の実施形態と同様に、シールプレートP1によるシール機能及び取り外し機能を備えたうえで、セルモジュールM自体が持っているシール構造を流用することで、特別なシール構造を別途追加せずに、低コストで必要な部位の電圧測定を行うことができる。また、燃料電池スタックAは、全てのシールプレートP1に電圧測定用端子PTを備えているので、各セルモジュールM毎に電圧測定を行うことが可能になり、さらには、コネクタ数を減らして、組み立て工数や部品点数のさらなる削減を実現し、より一層の低コスト化を図ることができる。
なお、本発明に係る燃料電池スタックは、その構成が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更したり、各実施形態の構成を組み合わせたりすることが可能である。また、シールプレートの圧力損失調整部の配置や形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができる。また、圧力損失調整部の配置や形状等は、上記実施形態に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができる。
A 燃料電池スタック
M セルモジュール
P1 シールプレート
PT 電圧測定用端子
10 エンドプレート
11 エンドプレート
20 単セル
33 膜電極接合体
40 カソード側セパレータ
40T 電圧測定用端子
41 アノード側セパレータ
【0010】
わち図5及び図6中で最下段の単セル20については、それ自身の電圧測定用端子40Tと、シールプレートP1の電圧測定用端子PTとを用いて電圧測定を行うこととなる。
[0044]
このようにして、燃料電池スタックAは、シールプレートP1によるシール機能及び取り外し機能を備えたうえで、全ての単セル20や選択した単セル20の電圧を測定することができる。したがって、燃料電池スタックAは、セルモジュールM自体が持っているシール構造を流用することで反応ガスをシールすることができるため、電圧測定用端子40Tを設けたとしても、特別なシール構造を別途追加せずに、必要な部位の電圧測定を行うことが可能になり、構造も簡単であるから、コスト削減などにも貢献することができる。
[0045]
図7〜図9は、本発明に係る燃料電池スタックの他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0046]
〈第2実施形態〉
図7(A)に示す燃料電池スタックAは、先の実施形態と同様に、各単セル20における同極側のセパレータ、すなわちカソード側のセパレータ40に、電池外側に突出する電圧測定用端子40Tが設けてある。また、図中下側となる一方のエンドプレート11に隣接するシールプレートP1に、電圧測定用端子P1が設けてある。
[0047]
そして、燃料電池スタックAは、図7(B)に示すように、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが、単セル20の(セパレータ40の)電圧測定用端子40Tに対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有しており、しかも、互いに隣接する電圧測定用端子同士40T,PTの間隔がいずれも等しくなっている。つまり、単セル20の電圧測定用端子40T同士の間隔はいずれも等しいから、シールプレートP1の電圧測定用端子PTと、これに隣接する単セル20の電圧測定用端子40Tとの間隔を、その間隔に合わせれば良い。
【0011】
[0048]
上記構成を備えた燃料電池スタックAにあっても、先の実施形態と同様に、シールプレートP1によるシール機能及び取り外し機能を備えたうえで、セルモジュールM自体が持っているシール構造を流用することで、特別なシール構造を別途追加せずに、低コストで必要な部位の電圧測定を行うことができる。
[0049]
また、燃料電池スタックAは、各単セル20における同極側のセパレータ40に、電池外側に突出する電圧測定用端子40Tが設けてあり、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが、セパレータ40の電圧測定用端子40Tに対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有し、互いに隣接する電圧測定用端子同士40T,PST間隔が等しいことから、全ての電圧測定用端子40T,PTに対して、コネクタを共用することが可能になり、部品点数やコストのさらなる削減を実現することができる。
[0050]
なお、コネクタとしては、例えば、セルモジュールM毎に個別に接続するものが用いられ、セルモジュールMの全ての電圧測定用端子40T,PTにコンタクトするものや、選択した電圧測定用端子40T,PTのみにコンタクトするものがある。また、燃料電池スタックAは、複数の外板又は筐体に覆われて、ケース一体構造にすることができ、この場合には、電圧測定用端子40T,PTをケース外側に露出させた状態にし、これらにコネクタを接続することとなる。
[0051]
〈第3実施形態〉
図8は、シールプレートP1に設けた電圧測定用端子PTの他の実施形態を説明する図であって、図示の電圧測定用端子PTは、その厚みT1が、シールプレート本体の厚さT2よりも小さいものとなっている。また、図示例の電圧測定用端子PTは、中央部分に開口部Hを有している。なお、電圧測定用端子PTの厚みT1は、図7に示す実施形態のように、単セル20の(セパレータ40の)電圧測定用端子40Tの厚さと同等である。
[0052]
上記構成を備えたシールプレートP1は、電圧測定用端子PTの厚みT1を、シールプレート本体の厚さT2よりも小さくしたので、それ自身の強度
また、シールプレートP1は、図5にも示すように、プレート基板50の最外周縁部に沿って外周シール部材55が設けてあり、さらに、外周シール部材55よりも内側には、同外周シール部材55との間に所要の間隔をおいて平行配置した内周シール部材56が設けてある。このシールプレートP1は、上記内周シール部材56により冷却用流通路F3を流通する冷却流体の漏出を防止し、また、外周シール部材55により、外部からの雨水の浸入を防止するとともに、電気的な絶縁を図っている。なお、図5において符号9で示すものは接着剤である。
図示の圧力損失調整部B1は、プレート基板50の長軸中心線O1に平行に形成された上流側スリット列60、下流側スリット列61及びその長軸中心線O1と直交する短軸中心線O2に平行な二つのスリット62,62からなる。長軸中心線O1は、プレート基板50の短辺、また、短軸中心線O2は、そのプレート基板50の長辺をそれぞれ二分する位置に想定したものである。
すなわち、燃料電池スタックAは、図6(A)に示すように、単セル20を複数積層してセルモジュールMを形成すると共に、このセルモジュールMを複数積層して一対のエンドプレート10,11で積層方向に挟持した構造を有している。なお、セルモジュールMとエンドプレート10,11との間には、夫々の集電板70,71が介装してある。
そして、燃料電池スタックAは、各シールプレートPのうちの少なくとも一つのシールプレートPに、電池外側へ突出する電圧測定用端子PTを設けている。また、この実施形態では、少なくとも図中下側となる一方のエンドプレート11に隣接するシールプレートP1に、電圧測定用端子PTを設けている。この電圧測定用端子PTは、図6(B)においては、シールプレートP1の長辺の一部に配置してあるが、その配置や形状がとくに限定されるものではない。
また、燃料電池スタックAは、各単セル20における同極側のセパレータ40に、電池外側に突出する電圧測定用端子40Tが設けてあり、シールプレートP1の電圧測定用端子PTが、セパレータ40の電圧測定用端子40Tに対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有し、互いに隣接する電圧測定用端子同士40T,PT間隔が等しいことから、全ての電圧測定用端子40T,PTに対して、コネクタを共用することが可能になり、部品点数やコストのさらなる削減を実現することができる。

Claims (5)

  1. 膜電極接合体を一対のセパレータで挟持して成る単セルを複数積層してセルモジュールを形成すると共に、このセルモジュールを複数積層して一対のエンドプレートで積層方向に挟持した構造を有し、
    セルモジュール同士の間、及び積層両端のセルモジュールと各エンドプレートとの間に、反応用ガスをシールするためのシールプレートを備え、
    各シールプレートのうちの少なくとも一つのシールプレートに、電池外側へ突出する電圧測定用端子を設けたことを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 少なくとも一方のエンドプレートに隣接するシールプレートに、電圧測定用端子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 各単セルにおける同極側のセパレータに、電池外側に突出する電圧測定用端子が設けてあり、
    シールプレートの電圧測定用端子が、セパレータの電圧測定用端子に対応する位置、形状、大きさ及び厚さを有し、
    互いに隣接する電圧用端子同士の間隔が等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
  4. シールプレートの電圧用測定端子の厚みが、シールプレート本体の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタック。
  5. 全てのシールプレートに電圧測定用端子を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
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