JPWO2014068653A1 - 車両用外装部品の取付構造 - Google Patents

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Abstract

金属製の車体(11)に、樹脂製の外装部品(60)を取り付ける車両用外装部品の取付構造である。該外装部品は、少なくとも表面に導電性を有し、車体前後方向に長い長尺材によって構成される。該外装部品の長手方向の後端部(71)と前端部(91)のいずれか一方は、金属製のボルト(75)によって該車体に相対移動を規制されて取り付けられる固定端部である。該外装部品の長手方向の該後端部と該前端部のいずれか他方は、該車体に対して該外装部品の熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に取り付けられる可動端部である。該ボルトは、該固定端部の表面に接触しつつ該車体に締結される。

Description

本発明は、金属製の車体と樹脂製の外装部品とを同時塗装することが可能に、該車体に該外装部品を取り付ける車両用外装部品の取付構造に関する。
金属製の車体の外面には、樹脂製の種々の外装部品が取り付けられている。金属製の車体に樹脂製の外装部品を取り付けるための、車両用外装部品の取付構造は特許文献1から知られている。特許文献1で知られている車両用外装部品の取付構造は、車体の側面の下部にサイドシルガーニッシュが取り付けられる。
該車体は、車体前後方向に延びた左右のサイドシルと、該左右のサイドシルの前端から起立した左右のフロントピラーと、前記左右のサイドシルの長手中央から起立した左右のセンタピラーと、前記左右のサイドシルの後端から起立した左右のリヤピラーと、左右のフロントピラーと左右のセンタピラーと左右のリヤピラーとに掛け渡された左右のルーフレールと、該左右のルーフレールに掛け渡されたルーフパネルとを含む。
サイドシルとフロントピラーとセンタピラーとリヤピラーとルーフレールとは、強度の向上や軽量化のために互いに異なる材料によって構成される。このため、例えばサイドシルに対してセンタピラーとリヤピラーとが重ねられ且つ接合される。サイドシルに対するセンタピラーとリヤピラーの接合部分は、樹脂製のサイドシルガーニッシュによって覆われる。従って、接合部分は外部から視認できない。
一般に、金属製の車体は、塗装工程において静電塗装が施される。その後に、サイドシルの外面にサイドシルガーニッシュが取り付けられる。該サイドシルガーニッシュは、サイドシルに取り付けられる前に、独自に塗装されている。車体に対してサイドシルガーニッシュの色相を合致させる場合には、外観性を高める上で、両方を同時に塗装できることが好ましい。金属製の車体と樹脂製の外装部品とを同時塗装する技術は、特許文献2から知られている。
特許文献2で知られている車両用外装部品の取付構造は、金属製の左右のフロントフェンダの外面の前端部間に、樹脂製のバンパフェイスの両端が金属製のボルトによって固定されるものである。該バンパフェイスは、フロントフェンダに取り付けられた状態において、該フロントフェンダと共に塗装される。
具体的には、先ず下塗り工程においてフロントフェンダとバンパフェイスとに導電性プライマーを吹き付けることによって、プライマー塗膜を施す。次に、中塗り工程においてプライマー塗膜の表面に中塗りの静電塗装を施す。次に、乾燥工程において中塗り塗膜を乾燥させる。次に、上塗り工程において中塗り塗膜の表面に上塗りの静電塗装を施す。最後に、乾燥工程において上塗り塗膜を乾燥させる。
しかしながら、前記乾燥工程においては、車体は外装部品を取り付けた状態で、それぞれ概ね170℃程度の高温で加熱される。金属製の車体に対して、樹脂製の外装部品は熱膨張係数が相違する。このため、該外装部品の取付部分に応力が集中する。車体に対する外装部品の取り付け状態を、安定した状態に維持するには、改良の余地がある。
国際公開第2011/118107号公報 特開平3−080966号公報
本発明の課題は、金属製の車体と樹脂製の外装部品とを同時塗装することができ、しかも、塗装後の乾燥工程において車体と外装部品との熱膨張差による両者の取付部分に応力が集中しない取り付け技術を提供することにある。
請求項1に係る発明によれば、金属製の車体に、樹脂製の外装部品を取り付ける車両用外装部品の取付構造において、前記外装部品は、少なくとも表面に導電性を有している車体前後方向に長い長尺材によって構成され、前記外装部品の長手方向の後端部と前端部のいずれか一方は、金属製のボルトによって前記車体に相対移動を規制されて取り付けられる固定端部であり、前記外装部品の長手方向の後端部と前端部のいずれか他方は、前記車体に対して前記外装部品の熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に取り付けられる可動端部であり、前記ボルトは、前記固定端部の表面に接触しつつ前記車体に締結される締結部材である、ことを特徴とする車両用外装部品の取付構造が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記外装部品は、導電性の成分を含有した耐熱性の樹脂によって形成されている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記車体の外面には、前記外装部品を嵌め込むための凹み部が形成され、該凹み部に前記外装部品が嵌め込まれることにより、前記車体の外面に対して前記外装部品の外面が実質的に連続している。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記固定端部は、前記外装部品の縁から前記車体へ向かって延びた延長片により構成され、前記車体は、前記外装部品へ向かって延びた金属製のブラケットを有し、前記延長片は、前記ブラケットに対して前記外装部品の長手方向に重ね合わされ、且つ前記ボルトによって取り付けられている。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記可動端部には、前記外装部品の長手方向の端に開口した長溝が形成され、前記車体は、前記長溝を嵌合する凸部を有し、該凸部に前記長溝を嵌合することにより、前記車体に対する前記可動端部の相対移動が許容されている。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記外装部品の外周は、前記車体の外面に対向する周縁を有し、前記車体の外面には、前記周縁の少なくとも一部が入り込む凹部が形成され、該凹部の縁は、前記車体の外面に対して傾斜した傾斜面であり、該傾斜面は、該傾斜面と前記外装部品の前記周縁とに向かって塗料を吹き付け可能な角度に傾斜している。
請求項7に記載のごとく、好ましくは、前記外装部品は、前記固定端部と前記可動端部との間に複数の中間固定部を有し、該複数の中間固定部には、前記外装部品の長手方向に且つ互いに同じ方向に開口した複数の溝が形成され、該複数の溝は、前記車体に取り付けられている複数のクリップに対して、前記外装部品の長手方向にスライド可能に嵌合し、前記複数の溝の長さは、前記固定端部に対して離れて位置する溝ほど長く設定され、前記複数の溝には、前記車体に対する前記外装部品の組み付け時に、前記複数のクリップに対して個別に位置決めするための、位置決め部が設けられている。
請求項8に記載のごとく、好ましくは、前記外装部品は、前記凹部の縁の近傍に取り付けられている。
請求項9に記載のごとく、好ましくは、前記ボルトは、前記固定端部の表面に対し金属製のワッシャを介して接触している。
請求項10に記載のごとく、好ましくは、前記車体は、複数の材料の接合によって構成され、前記外装部品は、前記複数の材料同士の接合部分の外面の少なくとも一部を覆っている。
請求項11に記載のごとく、好ましくは、前記外装部品は、前記車体のなかのサイドシルの外面を覆うサイドシルガーニッシュによって構成され、前記車体は、前記サイドシルの前に位置しているフロントフェンダの裏面から車幅方向内側へ且つ下方へ延びた延長部を有し、該延長部には、前端面に壁板を有したブラケットが設けられ、前記可動端部は、前記サイドシルガーニッシュの熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に、前記ブラケットに取り付けられている。
請求項12に記載のごとく、好ましくは、前記サイドシルガーニッシュは、前記固定端部と前記可動端部との間に複数の中間固定部を有し、前記複数の中間固定部は、前記サイドシルの外面に対して、前記サイドシルガーニッシュの熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に取り付けられ、前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記サイドシルガーニッシュの長手方向に千鳥状に配置されている。
請求項13に記載のごとく、好ましくは、前記複数の中間固定部は、前記サイドシルガーニッシュの断面形状に従って形成された稜線に位置する部位を、該サイドシルガーニッシュの裏面に接合されることにより、車体後方から見て閉断面に形成され、前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記閉断面を構成する壁面に位置している。
請求項14に記載のごとく、好ましくは、前記複数の中間固定部は、前記サイドシルガーニッシュの裏面に対し略垂直な壁部を有し、前記車体の使用状態において、前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記壁部の近傍に位置している。
請求項15に記載のごとく、好ましくは、前記サイドシルガーニッシュは、後端部から上方へ延びて、前記車体のなかのリヤピラーのリヤアウタパネルの外面の下部を覆う後部延長部を有している。
請求項1に係る発明では、樹脂製の外装部品は、少なくとも表面に導電性を有し、車体前後方向に長い長尺材から成る。該外装部品の固定端部は、金属製のボルトにより、車体に相対移動を規制されて取り付けられる。該ボルトは、該固定端部の表面に接触しつつ車体に締結される。該車体に静電塗装を施す場合には、該車体をアースすればよい。このため、外装部品の少なくとも表面は、ボルトと車体とを介してアースされる。金属製の車体は、樹脂製の外装部品を取り付けた状態において、静電塗装を施すことが可能である。つまり、樹脂製の外装部品を、車体と共に静電塗装を施すことができる。この結果、車体に対して外装部品の色相を合致させることができるので、車両の外観性を高めることができる。しかも、車体と外装部品とを別々に静電塗装する場合に比べて、塗装費用を安価にできる。
塗装工程の次に行われる乾燥工程においては、車体は外装部品を取り付けた状態で、概ね170℃程度の高温で加熱される。これに対し、該外装部品の可動端部は、車体に対し該外装部品の熱膨張に従って長手方向へ相対移動が可能に取り付けられる。金属製の車体に対して、樹脂製の外装部品は熱膨張係数が相違するものの、長尺材によって構成されている該外装部品の取付部分に、応力が集中することはない。車体に対する外装部品の取り付け状態を、安定した状態に維持することができる。
請求項2に係る発明では、外装部品は、導電性の成分を含有した樹脂によって形成されている。このため、外装部品のなかの、ボルトに接触している全ての部分が、電気的に導通することが可能である。外装部品とボルトとの間のアース性能が、より高まる。静電塗装時に外装部品に帯電している電荷を、ボルトを介して車体に速やかに逃がすことができる。さらに外装部品は、耐熱性の樹脂によって形成されているので、塗装後の乾燥工程における高温の雰囲気に対して、十分に耐久性を有する。
請求項3に係る発明では、車体の外面には、外装部品を嵌め込むための凹み部が形成されている。該凹み部に外装部品が嵌め込まれることにより、車体の外面に対して外装部品の外面が実質的に連続している。車体の外面に対して、外装部品の外面が突出せず又は凹んでいないので、車両の外観性を高めることができる。
請求項4に係る発明では、車体から外装部品へ向かって延びたブラケットに対して、外装部品の縁から車体へ向かって延びた延長片を、外装部品の長手方向に重ね合わせてボルト結合をしている。この結果、該ボルト結合の位置は、外装部品の外面の位置で結合する場合に比べて、車体に近づく。車体に近い位置でボルト結合をするので、ブラケットの支持剛性は大きい。車体と外装部品との熱膨張差に対して、車体に対する外装部品の相対移動を、十分に規制することができる。しかも、外装部品の長手方向にボルト結合をするので、該ボルト結合の部分は外部から見えにくい。車両の外観性を高めることができる。
請求項5に係る発明では、可動端部には、外装部品の長手方向の端に開口した長溝が形成されている。車体の凸部に対して、外装部品の長手方向から長溝を差し込むことによって、車体に可動端部を容易に取り付けることができる。しかも、車体の凸部と外装部品の長溝との組み合わせから成る、簡単な構成によって、車体と外装部品との熱膨張差を、十分に許容することができる。車体に対する外装部品の取り付け状態を、安定して維持することができる。
請求項6に係る発明では、車体の外面には、外装部品の周縁の少なくとも一部が入り込むための、凹部が形成されている。該凹部の縁は、車体の外面に対して傾斜した傾斜面である。該傾斜面は、該傾斜面と外装部品の周縁とに向かって塗料を吹き付け可能な角度に、傾斜している。このため、車体の凹部の傾斜面と外装部品の周縁との合わせ部分に、塗料を容易に吹き付けることができる。従って、傾斜面と外装部品の周縁とに、良好な塗膜を施すことができるので、塗膜の品質を高めることができる。しかも、外装部品が熱膨張や熱収縮をしたときに、例え該周縁が若干変位または熱変形をした場合であっても、該周縁が凹部に入り込んでいるので、車体の外面に対して外装部品全体の位置が大きくずれることはない。
請求項7に係る発明では、外装部品は、固定端部と可動端部との間に複数の中間固定部を有する。該複数の中間固定部には、外装部品の長手方向に且つ互いに同じ方向に開口した複数の溝が形成されている。該複数の溝は、車体に取り付けられている複数のクリップに対して、外装部品の長手方向にスライド可能に嵌合している。外装部品に熱膨張や熱収縮が発生したときに、該外装部品は複数のクリップに案内されて、長手方向にスライドすることができる。従って、車体に対する外装部品の熱膨張差を、円滑に吸収することができる。
さらに、複数の溝の長さは、固定端部に対して離れて位置する溝ほど長く設定されている。外装部品が熱膨張をしたときに、固定端部に対し離れて位置する溝であっても、クリップから外れることがなく、安定した嵌合状態に維持される。さらに、該複数の溝には、車体に対する外装部品の組み付け時に、複数のクリップに対して個別に位置決めするための、位置決め部が設けられている。このため、車体に対する外装部品の組み付け精度を高めることができる。
請求項8に係る発明では、外装部品は、車体の外面に形成されている凹部の縁の近傍に取り付けられている。このため、外装部品が熱膨張や熱収縮をしたときに、該周縁が熱変形することを規制することができる。
例えば、外装部品がサイドシルガーニッシュによって構成されている場合に、該サイドシルガーニッシュは車体のサイドシルの外面を覆う。該サイドシルは、ドアによって開閉されるドア開口の縁の一部を成す。サイドシルガーニッシュが熱膨張や熱収縮をしたときに、該周縁は熱変形を規制されているので、ドア開口に対してほとんど相対変位しない。熱膨張の影響によって、該周縁がドア開口に寸法上の影響を及ぼすことはない。ドア開口とドアとの寸法精度を十分に確保することができる。ドア開口に対するドアの建て付け(開閉具合い)の精度を、十分に確保することができる。
請求項9に係る発明では、ボルトは、外装部品の固定端部の表面に対し、金属製のワッシャを介して接触している。従って、該固定端部の表面に対して該ボルトの接触面積を増すことができるので、固定端部の表面と車体とのアース性能が高まる。
請求項10に係る発明では、車体を構成している材料同士の接合部分の外面のなかの、少なくとも一部は、外装部品によって覆われている。覆われている該接合部分は、外部から視認できない。車両の外観性を高めることができる。
請求項11に係る発明では、外装部品は、車体のサイドシルの外面を覆うための、サイドシルガーニッシュによって構成されている。該サイドシルの前には、フロントフェンダが位置している。該フロントフェンダの裏面から、車幅方向内側へ且つ下方へ延長部が延びている。該延長部にはブラケットが設けられている。可動端部は、サイドシルガーニッシュの長手方向へ相対移動を可能に、ブラケットに取り付けられている。このため、車体とサイドシルガーニッシュとの熱膨張差に従い、車体に対して該サイドシルガーニッシュは前縁周りだけが相対移動する。サイドシルガーニッシュに熱膨張や熱収縮が発生したときに、可動端部は車体に対して円滑に相対移動できる。しかも、サイドシルガーニッシュの前縁を、フロントフェンダのなかのホイールアーチ周りの形状に沿うように形成することができる。この結果、車両の外観性を高めることができる。
請求項12に係る発明では、サイドシルの外面に対する複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、サイドシルガーニッシュの長手方向に千鳥状に配置されている。つまり、各取り付け箇所は、長手方向に2列に配列される。このため、サイドシルガーニッシュに熱膨張や熱収縮が発生したときに、該サイドシルガーニッシュが車幅方向へ倒れ込むことを抑制することができる。
請求項13に係る発明では、複数の中間固定部は、サイドシルガーニッシュの断面形状に従って形成された稜線に位置する部位を、該サイドシルガーニッシュの裏面に接合されている。このため、サイドシルガーニッシュの成型時において、溶融樹脂が冷却するときの収縮作用により発生するヒケ(小さい凹み)の痕跡を、サイドシルガーニッシュに複数の中間固定部を一体成型した場合に比べて、目立たなくすることができる。従って、サイドシルガーニッシュの外観性を高めることができる。
さらには、複数の中間固定部は、サイドシルガーニッシュの裏面に接合されることにより、車体後方から見て閉断面に形成されているので、剛性が大きい。サイドシルの外面に対する複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記閉断面を構成する壁面に位置している。このため、各々の取り付け箇所に作用する荷重を、支持剛性が大きい壁面によって、十分に支えることができる。従って、荷重に対する支持剛性を高めることができる。
請求項14に係る発明では、車体の使用状態において、サイドシルの外面に対する複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、該複数の中間固定部の略垂直な壁部の近傍に位置している。このため、各々の取り付け箇所に作用する車幅方向の荷重を、支持剛性が大きい垂直な壁部によって、十分に支えることができる。従って、車幅方向の荷重に対する支持剛性を高めることができる。
請求項15に係る発明では、サイドシルガーニッシュの後端部から上方へ、後部延長部が延びている。該後部延長部は、リヤピラーのリヤアウタパネルの外面の下部を覆っている。一般に、該リヤピラーは、ドアによって開閉されるドア開口の縁の一部を成す。サイドシルガーニッシュの固定端部は、車体に対して長手方向の相対移動を規制されて取り付けられている。該後部延長部は、固定端部の近傍に位置しているので、サイドシルガーニッシュに熱膨張や熱収縮が発生したときに、リヤアウタパネルに対する長手方向の相対移動量が微少である。つまり、ドア開口に対して、後部延長部はほとんど相対変位しない。熱膨張の影響によって、後部延長部がドア開口に寸法上の影響を及ぼすことはない。ドア開口とドアとの寸法精度を十分に確保することができる。リヤアウタパネルの外面の下部を、後部延長部によって覆っているにもかかわらず、ドア開口に対するドアの建て付け(開閉具合い)の精度を、十分に確保することができる。
本発明に係る外装部品の取付構造が採用された車両の該外装部品周りの側面図である。 図1に示された外装部品を外した車体の側面図である。 図1に示された車体の外装部品周りの斜視図である。 図1の4−4に沿った断面図である。 図4に示されたサイドシルアウタの上端部と外装部品の上端部との関係を拡大して表した図である。 図1に示された外装部品を車幅方向内側から見た図である。 図1に示された車体に取付状態の外装部品の後端部の斜視図である。 図7に示された車体に対する外装部品の後部の分解図である。 図7に示された車体に取付状態の外装部品の後端部を車幅方向内側から見た斜視図である。 図9に示された車体に対する外装部品の後部の分解図である。 図7の11−11に沿った断面図である。 図11に示された車体と外装部品の固定端部の作用図である。 図11に示された車体と外装部品の固定端部の取付構造の変形例図である。 図1に示された車体に対する外装部品の前部の分解図である。 図14の15−15に沿った断面であって車体に外装部品の可動端部を取り付けた状態の断面図である。 図14に示されたサイドシルアウタとフロントフェンダの延長部とを車幅方向内側から見た分解図である。 図6に示された外装部品の一部の中間固定部周りを車体前方から見た斜視図である。 図17に示された外装部品の一部の中間固定部周りを車体後方から見た斜視図である。 図4の19−19に沿った断面図である。 図19に示されたサイドシルアウタへの中間固定部の取付部分の拡大図である。 図20に示されたサイドシルアウタと中間固定部との分解図である。 図21に示された中間固定部とクリップとの関係を一部を破断して表した図である。 図6に示された外装部品が熱膨張と熱収縮をすることに従ってクリップに対する溝の位置の推移を説明する図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る車両用外装部品の取付構造について説明する。図1及び図2に示されるように、車両10(自動車10)は、車体11に左右の前ドア21と左右の後ドア22とを備えた、いわゆる4ドア車である。
該車体11は、左右のサイドシル12と、左右のフロントピラー13と、左右のセンタピラー14と、左右のリヤピラー15と、左右のルーフサイドレール16と、を含む。左右のサイドシル12は、車体11の左右の側部において、車体11の前後方向に延びている。左右のフロントピラー13は、左右のサイドシル12の前端部から上に延びている。左右のセンタピラー14は、左右のサイドシル12の長手途中の部位から上に延びている。左右のリヤピラー15は、左右のサイドシル12の後端部から上に延びている。左右のルーフサイドレール16は、左右のフロントピラー13の上端と、左右のセンタピラー14の上端と、左右のリヤピラー15の上端との間に掛け渡されている。
図2に示されるように、該車体11は金属材料、例えば鋼板によって構成されており、導電性を有する。さらに、該車体11は、強度の向上や軽量化を図るために、部位毎に異なる板材の繋ぎ合わせによる構成である。つまり、車体11は、複数の材料の接合によって構成されている。複数の材料同士の接合は、例えば溶接による。
一例を挙げると、左右のセンタピラー14の下端は、左右のサイドシル12の外面に重ねられ且つ接合されている。左右のサイドシル12を成す板材に対し、左右のセンタピラー14を成す板材が重ねられ且つ接合されることによって、左右のサイドシル12の一部が構成される。このように、左右のサイドシル12は、板材同士が重ね合わせられ且つ接合された、段差状の接合部分17を有している。
次に、左のサイドシル12について説明する。右のサイドシル12は、左のサイドシル12に対して左右対称形である他には同じ構成である。
図2乃至図4に示されるように、左のサイドシル12は、車体11の前後方向に均一な略矩形の閉断面形状に形成されている。つまり、サイドシル12は、車幅方向の内側に位置するサイドシルインナ30と、車幅方向の外側に位置するサイドシルアウタ40と、から成る閉断面体である。サイドシルインナ30及びサイドシルアウタ40は、それぞれ略ハット状断面に形成されている。
詳しく述べると、サイドシルインナ30は、略垂直な縦板状の側板31と、該側板31の上端から車幅方向外側へ延びた上板32と、該上板32の先端から上方へ延びた上部フランジ33と、前記側板31の下端から車幅方向外側へ延びた下板34と、該下板34の先端から下方へ延びた下部フランジ35とから成る、鋼板のプレス成型品である。
サイドシルアウタ40は、前半部40Fと後半部40Rの2つの部材から成る(図2参照)。前半部40Fと後半部40Rとは互いに接合されている。サイドシルアウタ40、つまり前半部40Fと後半部40Rは、略垂直な縦板状の側板41と、該側板41の上端から車幅方向内側へ延びた上板42と、該上板42の先端から上方へ延びた上部フランジ43と、前記側板41の下端から車幅方向内側へ延びた下板44と、該下板44の先端から下方へ延びた下部フランジ45とから成る、鋼板のプレス成型品である。該サイドシル12は、上部フランジ33,43同士及び下部フランジ35,45同士が溶接等によって接合されることにより構成される。
図2に示されるように、車体11の左右の側部には、前側に位置する左右のドア開口51と、後側に位置する左右のドア開口52と、が形成されている。各ドア開口51,52の下縁(開口下縁)は、左右のサイドシル12の上面によって構成されている。つまり、前側に位置する左右のドア開口51は、左右のサイドシル12と左右のフロントピラー13と左右のセンタピラー14と左右のルーフサイドレール16とによって囲まれた、開口である。また、後側に位置する左右のドア開口52は、左右のサイドシル12と左右のセンタピラー14と左右のリヤピラー15と左右のルーフサイドレール16とによって囲まれた、開口である。
図1及び図2に示されるように、左右のドア開口51を開閉するための左右の前ドア21は、左右のフロントピラー13に図示せぬヒンジによって開閉可能に取り付けられている。左右のドア開口52を開閉するための左右の後ドア22は、左右のセンタピラー14に図示せぬヒンジによって開閉可能に取り付けられている。
図1乃至図4に示されるように、左右のサイドシル12の車幅方向外側の側面12a(外面12a)、つまりサイドシルアウタ40の外面12aと前記接合部分17(図3参照)は、左右のサイドシルガーニッシュ60によって覆われている。このように、左右のサイドシルガーニッシュ60は、複数の材料同士の接合部分17の外面の少なくとも一部を覆っている。該接合部分17が、左右のサイドシルガーニッシュ60によって覆い隠されることにより、外部から見えない。車両10の外観性が高まる。
このように、該左右のサイドシルガーニッシュ60は、車体11のなかのサイドシル12の外面12aを覆う外装部品である。以下、該サイドシルガーニッシュ60のことを、単にガーニッシュ60というとともに、適宜「外装部品60」と言い換える。
以下、左のガーニッシュ60について説明する。右のガーニッシュ60は、左のガーニッシュ60に対して左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。
該ガーニッシュ60は、少なくとも表面に導電性を有した耐熱性の樹脂製品(硬質樹脂製)であり、車体前後方向に長い長尺材によって構成されている。例えば、樹脂製のガーニッシュ60に導電性プライマーを塗布することにより、ガーニッシュ60の表面に導電層が形成される。より好ましくは、導電性の成分(例えば導電カーボンや炭素繊維)を含有した耐熱性の樹脂によって、該ガーニッシュ60が形成される。
図3及び図4に示されるように、ガーニッシュ60は、サイドシルアウタ40の上板42に対して所定の距離だけ下がって位置した、略U字状断面に形成されている。サイドシルアウタ40の外面12aのなかの、ガーニッシュ60によって覆われていない上側の部位は、閉じたドア21,22(図1及び図2参照)によって覆われる。ガーニッシュ60の外面60aは、閉じたドア21,22の外面に対して実質的に連続している(面一である)。
詳しく述べると、該ガーニッシュ60は、略垂直な縦板状の側板61と、該側板61の上端から車幅方向内側へ延びた上板62と、該側板61の下端から車幅方向内側へ延びた下板63とから成る、樹脂一体成型品である。側板61は、サイドシルアウタ40の側板41(外面12a)に対して所定の間隔を有して対向している。上板62の先端62aは、サイドシルアウタ40の側板41(外面12a)に近接している。下板63の先端は、サイドシルアウタ40の下板44に沿って下部フランジ45へ向かって延びている。
該上板62及び下板63は、側板61の外周に形成されているので、ガーニッシュ60の外周の周縁に相当する。ガーニッシュ60の上の縁に位置した上板62(周縁62)は、車体11の外面12a、つまりサイドシルアウタ40の外面12aに対向している。サイドシルアウタ40の外面12aには、ガーニッシュ60の周縁62の少なくとも一部が入り込む凹部12bが形成されている。つまり、サイドシルアウタ40の外面12aは、上半部に対して下半部が車幅方向内側に凹むように段差を有している。
図5に示されるように、ガーニッシュ60の周縁62の先端62aは、凹部12b内に入り込み量δだけ入り込んでいる。該凹部12bの縁12cは、サイドシルアウタ40の外面12aに対して傾斜した傾斜面に形成されている。該傾斜面12c(縁12c)は、該傾斜面12cとガーニッシュ60の周縁62とに向かって塗料を吹き付け可能な角度θに傾斜している。該角度θは、車体11の塗装工程において、サイドシルアウタ40の外面12aに対してスプレーガンの塗料吹付けノズルNbから塗料を吹き付ける吹き付け角である。
該ガーニッシュ60は、サイドシル12に組み付けられた状態で、該サイドシル12と共に塗装される。このときに、車体11の凹部12bの傾斜面12cと外装部品60の周縁62との合わせ部分には、角度θの方向から塗料を容易に吹き付けることができる。従って、傾斜面12cと外装部品60の周縁62とに、良好な塗膜を施すことができるので、塗膜の品質を高めることができる。つまり、サイドシルアウタ40の外面12aとガーニッシュ60の周縁62とを、同時に塗り残し無く塗装することができる。
しかも、外装部品60が熱膨張や熱収縮をしたときに、該周縁62が若干変位または熱変形をした場合であっても、該周縁62は凹部12bに入り込んでいるので、大きく変位または変形することがない。
図6乃至図11に示されるように、ガーニッシュ60の長手方向の後端部71は、少なくとも1つのボルト75によって車体11に相対移動が規制されて取り付けられている。該後端部71は、車体11に固定されるので、以下「固定端部71」と言い換える。該固定端部71は、ガーニッシュ60の後端の縁72(後縁72)から車体11へ向かって延びた延長片によって構成される。該延長片71、つまり固定端部71は、ガーニッシュ60の後端の全体にわたって一体に形成されている。
図2及び図7に示されるように、リヤピラー15のリヤアウタパネル73の下部は、サイドシルアウタ40の後半部40Rに重ねられ且つ接合されている。車体11のなかのリヤアウタパネル73は、ガーニッシュ60へ向かって延びた金属製のブラケット74を有する。つまり、該ブラケット74は、リヤピラー15のリヤアウタパネル73から車幅方向外側へ延びたフランジによって構成される。延長片71は、ブラケット74に対してガーニッシュ60の長手方向に重ね合わされ、且つボルト75によって取り付けられている。より詳しく述べると、延長片71は、ブラケット74に対して車体後方から重ねられることにより、該ブラケット74を覆っている。
図11に示されるように、ボルト75は、固定端部71の表面に接触しつつ車体11に締結される締結部材である。より詳しく述べると、ブラケット74には、ボルト75を車体前後方向に挿通するボルト孔74aが形成されている。ブラケット74の背面には、ボルト孔74aに対して同心に位置するナット76が溶接されている。一方、延長片71には、ボルト75を車体前後方向に挿通するボルト孔71aが形成されている。延長片71のボルト孔71aの径は、ブラケット74のボルト孔74aよりも大きい。
ボルト75は、頭部75aと、該頭部75aの下に一体に形成されたフランジ75bと、該フランジ75bの下に一体に形成された段部75cと、該段部75cの下に一体に形成されたネジ部75dとから成る、金属製の段付きボルトである。ネジ部75dの径よりも段部75cの径が大きい。段部75cの径よりもフランジ75bの径が大きい。段部75cは、延長片71のボルト孔71aに嵌合する。ボルト75のなかの、フランジ75bと段部75cの少なくとも一方は、固定端部71の表面に接触することが可能である。
ブラケット74に延長片71を重ね合わせた後に、ボルト75をボルト孔71a,74aに挿通し、ナット76にネジ込むことによって、ガーニッシュ60の後端部71は、ボルト75によって車体11に相対移動が規制されて取り付けられる。
車体11は、静電塗装を施される。周知のように、該車体11に静電塗装を施すには、アースされた該車体11を正極とするとともに、図示せぬ塗料噴霧装置を負極として負の高電圧をかけて、両電極間に静電界をつくることにより、負に帯電させた塗料の微粒子を該車体11に吸着させることによって塗装する。
塗装工程では、先ず下塗り工程において、該車体11に導電性プライマーを吹き付けることにより、プライマー塗膜(防錆用の塗膜)を施す。次に、ガーニッシュ取り付け工程において、ガーニッシュ60の後端部71をボルト75によって車体11に取り付ける。この結果、図12に示されるように、ガーニッシュ60の少なくとも表面は、ボルト75と車体11とを介してアースされる。特に、ガーニッシュ60の全体が導電性を有している構成の場合には、該ガーニッシュ60に帯電している電荷は、ボルト孔71aの縁から段部75cの外周面を介して、車体11へ流れることが可能である。
金属製の車体11は、ガーニッシュ60を取り付けた状態において、中塗りの静電塗装と上塗りの静電塗装とを施すことが可能である。つまり、中塗り工程において、車体11とガーニッシュ60とに中塗りの静電塗装を施す。次に、乾燥工程において中塗り塗膜を乾燥させる。次に、上塗り工程において、車体11とガーニッシュ60とに上塗りの静電塗装を施す。最後に、乾燥工程において上塗り塗膜を乾燥させる。このように、樹脂製のガーニッシュ60を、車体11と共に同時に静電塗装を施すことができる。
なお、ナット76はブラケット74の背面に溶接されているので、車体11の下塗り工程において、該車体11と共にプライマー塗膜が施される。しかし、ボルト75をナット76にネジ込むことによって、該ナット76のネジ部分のプライマー塗膜は剥離する。従って、ボルト75とナット76との間のアース性能は、十分に確保される。
固定端部71の表面に対してボルト75の接触面積を増すには、図13に示されるように、金属製のワッシャ77を用いることが好ましい。つまり、固定端部71の表面とボルト75のフランジ75bとの間にワッシャ77を介在する。この結果、ボルト75は、固定端部71の表面に対し金属製のワッシャ77を介して接触する。従って、固定端部71の表面に対してボルト75の接触面積を増すことができるので、固定端部71の表面と車体11とのアース性能が高まる。
図6乃至図8に示されるように、ガーニッシュ60は、後端部71から上方へ延びた後部延長部81を有している。該後部延長部81は、車体11のなかの、リヤアウタパネル73の外面73aの下部を覆う部分である。該リヤアウタパネル73の外面73aの下部には、後部延長部81を嵌め込むための凹み部82が形成されている。つまり、車体11の外面73aには、ガーニッシュ60を嵌め込むための凹み部82が形成されている。該凹み部82にガーニッシュ60が嵌め込まれることにより、該凹み部82の上端の縁83に該後部延長部81の上端の縁84が合致する。ガーニッシュ60の外面60aは、車体11の外面73aに対して実質的に連続している(面一である)。
図6、図14乃至図16に示されるように、ガーニッシュ60の長手方向の前端部91は、車体11に対してガーニッシュ60の熱膨張に従って長手方向へ相対移動が可能に取り付けられている。該前端部91は、車体11に対して相対移動が可能なので、以下「可動端部91」と言い換える。
可動端部91には、ガーニッシュ60の長手方向に細長い2つの長溝92A,92Bが形成されている。該2つの長溝92A,92Bは、車体前方に開口している。第1の長溝92Aは、ガーニッシュ60の上板62に位置する。第2の長溝92Bは、ガーニッシュ60の側板61の裏面から車幅方向内側へ延びた延出部93に位置する。
車体11は、サイドシル12の前に位置しているフロントフェンダ94の裏面94aから車幅方向内側へ且つ下方へ延びた延長部95を有する。該延長部95は、サイドシル12の前端の直前に位置している。詳しく述べると、該延長部95は、フロントフェンダ94の裏面94aのなかの後下端から車幅方向内側へ延びた第1横板96と、該第1横板96の先端から下方へ延びた第1縦板97と、該第1縦板97の下端から車幅方向内側へ延びた第2横板98と、該第2横板98の先端から下方へ延びた第2縦板99とから成る、金属板のプレス成型品である。
該延長部95の下の空間Spには樹脂製のブラケット101が位置している。該ブラケット101は、前端面101aに壁板102を有するとともに、延長部95にクリップ103,104によって取り付けられている。このように、該延長部95には、ブラケット101が設けられている。
さらに、該ブラケット101には、可動端部91の2つの長溝92A,92Bを嵌合するための2つの凸部105,105が一体に形成されている。つまり、車体11は、長溝92A,92Bを嵌合する凸部105,105を有する。該凸部105,105に長溝92A,92Bを嵌合することにより、車体11に対する可動端部91の相対移動が許容されている。
図6に示されるように、ガーニッシュ60は、固定端部71と可動端部91との間に複数(例えば8個)の中間固定部110を有する。図4、図6、図17乃至図19に示されるように、各中間固定部110は、ガーニッシュ60の裏面60bから若干の隙間Dsを有して位置する、樹脂の一体成型品であり、該ガーニッシュ60を長手方向に仕切るバルクヘッドである。さらに、各中間固定部110は、ガーニッシュ60の断面形状に従って形成された稜線111(図18参照)に位置する部位を、該ガーニッシュ60の裏面60bに対し複数の接合台112を介して接合されている。該複数の接合台112は、ガーニッシュ60に一体に形成され、またはガーニッシュ60に接合される別部材によって構成される。
さらに詳しく述べると、各中間固定部110は、ガーニッシュ60の裏面60bに開放した略U字状断面に形成されており、該裏面60bからサイドシルアウタ40へ向かって延びる上下の脚部113,114と、該上下の脚部113,114の先端間を繋いでいるクリップ嵌合部115とから成る。該上の脚部113は、ガーニッシュ60の上板62に対向する細長い平板から成る。該下の脚部114は、ガーニッシュ60の下板63に対向する細長い平板から成る。該クリップ嵌合部115(天板115)は、ガーニッシュ60の側板61に対向する細長い平板から成る。さらに該クリップ嵌合部115は、ガーニッシュ60がサイドシルアウタ40に取り付けられた状態において、サイドシルアウタ40の側板41に近接し且つ対面する。
上の脚部113と下の脚部114とクリップ嵌合部115とは、可動端部91側の端を全範囲にわたって、縦板状の壁部116により互いに繋がれている。該壁部116は、ガーニッシュ60の裏面60bに対し起立するとともに、板面を車体前後方向に向けた、略垂直な縦板状の部分である。このため、該壁部116は、上の脚部113と下の脚部114とクリップ嵌合部115とによって囲まれた空間を実質的に閉鎖する仕切り壁の役割と、中間固定部110の補強部材の役割とを果たす。上下の脚部113,114とクリップ嵌合部115と壁部116は、一体に形成されている。このように、複数の中間固定部110は、稜線111に位置する部位をガーニッシュ60の裏面60bに接合されることにより、車体後方から見て閉断面に形成されている。
複数の中間固定部110には、ガーニッシュ60の長手方向に且つ互いに同じ方向に開口した複数の溝117が形成されている。より詳しく述べると、全ての溝117は、各クリップ嵌合部115に形成されるとともに、可動端部91側に開口している。つまり、全ての溝117は、壁部116の近傍に位置している。各溝117の一対の縁117a,117a(図21参照)には、半円形状に凹んだ一対の位置決め部118,118が形成されている。
各クリップ嵌合部115は、少なくともサイドシルアウタ40の側板41に対向する面115aに、一対の突起部119,119を有する。該一対の突起部119,119は、溝117の両側に位置した略半円形断面状の小さい突起であり、ガーニッシュ60の長手方向に細長く形成されている。
該複数の溝117は、ガーニッシュ60の長手方向に千鳥状(図6参照)に配置されている。つまり、隣接し合う溝117同士は、車体上下方向に互いに位置がずれている。
該複数の溝117は、車体11に取り付けられている複数のクリップ120に対して、ガーニッシュ60の長手方向にスライド可能に嵌合されている。詳しく述べると、サイドシルアウタ40の側板41には、貫通孔41aが形成されている。
図20乃至図22に示されるように、該クリップ120は、中間固定部110の溝117にスライド可能に嵌合するスライダ部121と、該スライダ部121に対して垂直方向へ延びた脚部122と、該脚部122の先端に形成された一対の係止爪部123,123とから成る、樹脂の一体成型品である。
該スライダ部121は、中間固定部110の溝117の縁117a,117aに嵌合する嵌合部131と、平板状のクリップ嵌合部115の両面を挟み込む一対の挟み込み板132,133とから成る。一対の挟み込み板132,133の一方は、小さい突起部119,119に接触する。一対の挟み込み板132,133の両方がクリップ嵌合部115の両面に接触する場合に比べて、スライド抵抗を抑制することができる。
該嵌合部131には、溝117の一対の縁117a,117aに対して対向する対向面131a,131a(図22参照)に、略半円形断面状のスライダ突起部134,134が形成されている。一対の位置決め部118,118がスライダ突起部134,134に嵌合することによって、クリップ120に対する溝117の相対位置が一時的に定まる。このように、複数の溝117には、車体11に対するガーニッシュ60の組み付け時に、複数のクリップ120に対して個別に位置決めするための、位置決め部118,118が設けられている。このため、車体11に対する外装部品60の組み付け精度を高めることができる。
該クリップ120の脚部122は、サイドシルアウタ40の貫通孔41aに嵌合する略十字状断面の棒状の部分である。一対の係止爪部123,123は、互いに離反する方向へ弾性を有しており、サイドシルアウタ40の側板41の裏面41bに掛け止め可能である。
側板41の貫通孔41aに対して、クリップ120の脚部122を車幅方向外側から圧入することにより、係止爪部123,123が側板41の裏面41bに掛け止められる。この結果、スライダ部121の挟み込み板133と係止爪部123,123とにより側板41を挟み込むことによって、クリップ120は車体11に取り付けられる。その後、ガーニッシュ60をサイドシルアウタ40に沿わせつつ車体前方へ移動させることにより、中間固定部110の溝117はスライダ部121に嵌め込まれる。この結果、中間固定部110は車体11に取り付けられる。
図19に示されるように、車体11の使用状態において、該車体11に取り付けられている複数のクリップ120に対する、複数の溝117の嵌合位置は、壁部116の近傍に位置している。
図4、図6及び図7に示されるように、ガーニッシュ60は、サイドシルアウタ40の外面12aに形成されている凹部12bの縁12cの近傍にも、クリップ120によって取り付けられている。このため、ガーニッシュ60が熱膨張や熱収縮をしたときに、該ガーニッシュ60の周縁62が熱変形することを規制することができる。
上述のように、サイドシル12は、ドア開口51,52(図1参照)の縁の一部を成す。サイドシルガーニッシュ60が熱膨張や熱収縮をしたときに、周縁62は熱変形を規制されているので、ドア開口51,52に対してほとんど相対変位しない。熱膨張の影響によって、該周縁62がドア開口51,52に寸法上の影響を及ぼすことはない。ドア開口51,52とドア21,22(図1参照)との寸法精度を十分に確保することができる。ドア開口51,52に対するドア21,22の建て付け(開閉具合い)の精度を、十分に確保することができる。
次に、ガーニッシュ60の後部延長部81(図7参照)の取付構造について説明する。図7、図8及び図10に示されるように、後部延長部81は、車体11、つまりリヤアウタパネル73に対して、ガーニッシュ60の熱膨張に従って長手方向へ相対移動が可能に取り付けられている。
詳しく述べると、後部延長部81の裏面(ガーニッシュ60の裏面60b)には、2つの固定部141,141が一体に形成されている。該固定部141は、リヤアウタパネル73に対して対向する面に、図17に示されるように溝117と一対の突起部119,119とが形成されている。該溝117には一対の位置決め部118,118が形成されている。該固定部141に形成されている該溝117と該一対の位置決め部118,118と該一対の突起部119,119は、上記中間固定部110に形成されている構成と同じである。該固定部141の溝117の向きは、上記中間固定部110の溝117の向きと同じである。該固定部141の溝117は、図7及び図8に示されるようにクリップ120に嵌合される。該クリップ120は、リヤアウタパネル73に形成された貫通孔41aに取り付けられる。該クリップ120は、図19に示されているクリップ120と同じ構成である。
次に、ガーニッシュ60の可動端部91(図14参照)の取付構造を、より詳しく説明する。図14及び図15に示されるように、ガーニッシュ60の可動端部91に形成されている2つの長溝92A,92Bは、上記中間固定部110(図21参照)に形成されている溝117と同じ構成である。各長溝92A,92Bの縁には、一対の位置決め部118,118が形成されている。各長溝92A,92Bの開口端117bは、ガーニッシュ60の前縁91aに位置している。各長溝92A,92Bの閉鎖端117cは、開口端117bに対して反対側に位置する。該長溝92A,92Bを嵌合するための2つの凸部105,105は、上記クリップ120(図21参照)のスライダ部121と同じ構成である。
次に、ガーニッシュ60の複数の中間固定部110(図6参照)に形成されている、複数の溝117の各々の長さの関係について説明する。図6に示されるように、複数の溝117の各長さL1は、固定端部71に対して離れて位置する溝117ほど長く設定されている。このため、外装部品60が長手方向に熱膨張、熱収縮したときに、固定端部71に対して離れて位置する溝117であっても、クリップ120から外れることがなく、安定した嵌合状態に維持される。
さらに複数の溝117は、該溝117の開口端117bから位置決め部118までの距離L2(開口側の距離L2)と、該位置決め部118から該溝117の閉鎖端117cまでの距離L3(閉鎖側の距離L3)も、各々の溝117の長さL1の比率に概ね従って異なる。
固定端部71から最も離れた可動端部91に形成されている、長溝92A,92Bの長さL1は、複数の溝117よりも長く設定されている。さらに、長溝92A,92Bは、開口端117bから位置決め部118までの距離L2と、該位置決め部118から閉鎖端117cまでの距離L3も、該長溝92A,92Bの長さL1の比率に概ね従って長く設定される。
次に、車両10の生産過程における、ガーニッシュ60の熱膨張と熱収縮に従ってクリップ120に対する溝117の位置の推移を、図4及び図23に基づいて説明する。車両10の生産過程における、ガーニッシュ60の熱膨張と熱収縮に関係するステップの概要は、次の通りである。
(1)先ず、第1ステップでは、車体11にガーニッシュ60を組み付ける。該第1ステップにおける環境温度は、常温(約23℃)である。
(2)次に、第2ステップでは、車体11とガーニッシュ60とに静電塗装を施すとともに、乾燥炉で塗膜を乾燥させる。該第2ステップには、中塗り工程と、中塗り後の乾燥工程と、上塗り工程と、上塗り後の乾燥工程とを含む。該第2ステップにおける環境温度は、乾燥工程における乾燥炉の内部温度を代表する。該内部温度は約170℃の高温である。
(3)次に、第3ステップでは、乾燥炉から車体11を取り出す。該第3ステップにおける環境温度は、常温(約23℃)である。
(4)次に、第4ステップでは、車両を組み立てて完成させ、完成車を生産ラインから外部へ搬出する。該第4ステップにおける環境温度は、常温(約23℃)である。
上記第1ステップでは、ガーニッシュ60の前縁91aは、基準位置Stに位置している。この場合には、クリップ120のスライダ突起部134に対して、溝117の位置決め部118が嵌合している。この結果、クリップ120に対する溝117の相対位置は、一時的に定まっている。
次の第2ステップでは、環境温度が高温になるので、ガーニッシュ60は車体前方へ熱膨張する。前縁91aは基準位置Stよりも車体前方へ変位する。この結果、位置決め部118はスライダ突起部134から外れる。溝117は、閉鎖端117cが位置決め部118に接近する方向へ移動する。なお、閉鎖側の距離L3は、閉鎖端117cがスライダ突起部134に当たらない大きさに設定されている。
次の第3ステップでは、環境温度が常温に急冷されるので、ガーニッシュ60は車体後方へ大きく熱収縮する。従って、前縁91aは基準位置Stよりも車体後方へ変位してしまう。この結果、スライダ突起部134に対し、溝117は開口端117bの近傍まで移動する。なお、開口側の距離L2は、開口端117bがスライダ突起部134から外れない大きさに設定されている。
次の第4ステップから2乃至3週間後にかけては、ガーニッシュ60は元の長さに徐々に戻る。しかし、ガーニッシュ60は元の長さまでは戻らない。従って、前縁91aは基準位置Stよりも車体後方に位置している。最終的には、スライダ突起部134に対し、溝117は開口側の距離L2の範囲に位置する。この状態が、車体11に対するガーニッシュ60の最終的な組み付け位置となる。
上記構成の車両用外装部材の取付構造の説明をまとめると、次の通りである。
図6、図7及び図11に示されるように、少なくとも表面に導電性を有している車体前後方向に長い長尺材から成る樹脂製のガーニッシュ60(外装部品60)の固定端部71は、金属製のボルト75により、車体11に相対移動を規制されて取り付けられる。該ボルト75は、該固定端部71の表面に接触しつつ車体11に締結される。該車体11に静電塗装を施す場合には、該車体11をアースすればよい。このため、ガーニッシュ60の少なくとも表面は、ボルト75と車体11とを介してアースされる。
金属製の車体11は、樹脂製のガーニッシュ60を取り付けた状態において、静電塗装を施すことが可能である。つまり、樹脂製のガーニッシュ60を、車体11と共に静電塗装を施すことができる。この結果、車体11に対してガーニッシュ60の色相を合致させることができるので、車両10の外観性を高めることができる。しかも、車体11とガーニッシュ60とを別々に静電塗装する場合に比べて、塗装費用を安価にできる。
塗装工程の次に行われる乾燥工程においては、車体11はガーニッシュ60を取り付けた状態で、それぞれ概ね170℃程度の高温で加熱される。これに対し、該ガーニッシュ60の可動端部91は、車体11に対し該ガーニッシュ60の熱膨張に従って長手方向へ相対移動が可能に取り付けられる。金属製の車体11に対して、樹脂製のガーニッシュ60は熱膨張係数が相違するものの、長尺材によって構成されている該ガーニッシュ60の取付部分に、応力が集中することはない。車体11に対するガーニッシュ60の取り付け状態を、安定した状態に維持することができる。
さらには、図11に示されるように、ガーニッシュ60は、導電性の成分を含有した樹脂によって形成されている。このため、ガーニッシュ60のなかの、ボルト75に接触している全ての部分が、電気的に導通することが可能である。ガーニッシュ60とボルト75との間のアース性能が、より高まる。静電塗装時にガーニッシュ60に帯電している電荷を、ボルト75を介して車体11に速やかに逃がすことができる。さらにガーニッシュ60は、耐熱性の樹脂によって形成されているので、塗装後の乾燥工程における高温の雰囲気に対して、十分に耐久性を有する。
さらには、図8に示されるように、車体11の外面12aには、ガーニッシュ60を嵌め込むための凹み部82が形成されている。該凹み部82にガーニッシュ60が嵌め込まれることにより、車体11の外面12aに対してガーニッシュ60の外面60aが実質的に連続している。車体11の外面12aに対して、ガーニッシュ60の外面60aが突出せず又は凹んでいないので、車両10の外観性を高めることができる。
さらには、図7、図8及び図11に示されるように、車体11からガーニッシュ60へ向かって延びたブラケット74に対して、ガーニッシュ60の縁72から車体11へ向かって延びた延長片71を、ガーニッシュ60の長手方向に重ね合わせてボルト結合をしている。この結果、該ボルト結合の位置は、ガーニッシュ60の外面60aの位置で結合する場合に比べて、車体11に近づく。該車体11に近い位置でボルト結合をするので、ブラケット74の支持剛性は大きい。車体11とガーニッシュ60との熱膨張差に対して、車体11に対するガーニッシュ60の相対移動を、十分に規制することができる。しかも、ガーニッシュ60の長手方向にボルト結合をするので、該ボルト結合の部分は外部から見えにくい。車両10の外観性を高めることができる。
さらには、図14乃至図16に示されるように、可動端部91には、ガーニッシュ60の長手方向の端91a(前縁91a)に開口した長溝92A,92Bが形成されている。車体11の凸部105,105に対して、ガーニッシュ60の長手方向から長溝92A,92Bを差し込むことによって、車体11に可動端部91を容易に取り付けることができる。しかも、車体の凸部105,105と外装部品の長溝92A,92Bとの組み合わせから成る、簡単な構成によって、車体11とガーニッシュ60との熱膨張差を、十分に許容することができる。車体11に対するガーニッシュ60の取り付け状態を、安定して維持することができる。
さらには、図6、図17乃至図22に示されるように、ガーニッシュ60は、固定端部71と可動端部91との間に複数の中間固定部110を有する。該複数の中間固定部110には、ガーニッシュ60の長手方向に且つ互いに同じ方向に開口した複数の溝117が形成されている。該複数の溝117は、車体11に取り付けられている複数のクリップ120に対して、ガーニッシュ60の長手方向にスライド可能に嵌合している。ガーニッシュ60に熱膨張や熱収縮が発生したときに、該ガーニッシュ60は複数のクリップ120に案内されて、長手方向にスライドすることができる。従って、車体11に対するガーニッシュ60の熱膨張差を、円滑に吸収することができる。
さらには、図1、図3、図14乃至図16に示されるように、サイドシル12の前には、フロントフェンダ94が位置している。該フロントフェンダ94の裏面94aから、車幅方向内側へ且つ下方へ延長部95が延びている。該延長部95にはブラケット101が設けられている。可動端部91は、ガーニッシュ60の長手方向へ相対移動を可能に、ブラケット101に取り付けられている。このため、車体11とガーニッシュ60との熱膨張差に従い、車体11に対して該ガーニッシュ60は前縁91a周りだけが相対移動する。ガーニッシュ60に熱膨張や熱収縮が発生したときに、可動端部91は車体11に対して円滑に相対移動できる。しかも、ガーニッシュ60の前縁91aを、フロントフェンダ94のなかのホイールアーチ周りの形状に沿うように形成することができる。この結果、車両10の外観性を高めることができる。
さらには、図4、図6、図17乃至図22に示されるように、サイドシル12の外面12aに対する複数の中間固定部110の各々の取り付け箇所は、ガーニッシュ60の長手方向に千鳥状に配置されている。つまり、各取り付け箇所は、長手方向に2列に配列される。このため、ガーニッシュ60に熱膨張や熱収縮が発生したときに、該ガーニッシュ60が車幅方向へ倒れ込むことを抑制することができる。
さらには、図17乃至図19に示されるように、複数の中間固定部110は、ガーニッシュ60の断面形状に従って形成された稜線111(図18参照)に位置する部位を、該ガーニッシュ60の裏面60bに接合されている。このため、ガーニッシュ60の成型時において、溶融樹脂が冷却するときの収縮作用により発生するヒケ(小さい凹み)の痕跡を、ガーニッシュ60に複数の中間固定部110を一体成型した場合に比べて、目立たなくすることができる。従って、ガーニッシュ60の外観性を高めることができる。
さらには、図17乃至図19に示されるように、複数の中間固定部110は、ガーニッシュ60の裏面60bに接合されることにより、車体11後方から見て閉断面(図19参照)に形成されているので、剛性が大きい。サイドシル12の外面12aに対する複数の中間固定部110の各々の取り付け箇所は、前記閉断面を構成する壁面115(クリップ嵌合部115)に位置している。このため、各々の取り付け箇所に作用する荷重を、支持剛性が大きい壁面115によって、十分に支えることができる。従って、荷重に対する複数の中間固定部110の支持剛性を高めることができる。
さらには、図17乃至図19に示されるように、車体11の使用状態において、サイドシル12の外面12aに対する複数の中間固定部110の各々の取り付け箇所は、該複数の中間固定部110の略垂直な壁部116の近傍に位置している。このため、各々の取り付け箇所に作用する車幅方向の荷重を、支持剛性が大きい垂直な壁部116によって、十分に支えることができる。従って、車幅方向の荷重に対する複数の中間固定部110の支持剛性を高めることができる。
さらには、図1、図7及び図8に示されるように、ガーニッシュ60の後端部から上方へ、後部延長部81が延びている。該後部延長部81は、リヤピラー15のリヤアウタパネル73の外面73aの下部を覆っている。上述のように、該リヤピラー15は、ドア開口52の縁の一部を成す。ガーニッシュ60の固定端部71は、車体11に対して長手方向の相対移動を規制されて取り付けられている。
該後部延長部81は、固定端部71の近傍に位置しているので、ガーニッシュ60に熱膨張や熱収縮が発生したときに、リヤアウタパネル73に対する長手方向の相対移動量が微少である。つまり、ドア開口52に対して、後部延長部81はほとんど相対変位しない。熱膨張の影響によって、後部延長部81がドア開口52に寸法上の影響を及ぼすことはない。ドア開口52とドア22との寸法精度を十分に確保することができる。リヤアウタパネル73の外面73aの下部を、後部延長部81によって覆っているにもかかわらず、ドア開口52に対するドア22の建て付け(開閉具合い)の精度を、十分に確保することができる。
本発明では、外装部品60はサイドシルガーニッシュに限定されるものではなく、例えば前ドア21や後ドア22の外面に取り付けられるドアガーニッシュの構成にすることが可能である。
また、外装部品60は、長手方向の後端部71と前端部91のいずれか一方が固定端部であり、後端部と前端部のいずれか他方が可動端部であればよい。
本発明の車両用外装部材の取付構造は、サイドシル12へのサイドシルガーニッシュ60の取付けに好適である。
10…車両、11…車体、12…サイドシル、12a…外面、12b…凹部、12c…縁(傾斜面)、17…接合部分、60…外装部品(サイドシルガーニッシュ)、60a…外面、60b…裏面、62…周縁(上板)、71…後端部(固定端部、延長片)、73…リヤアウタパネル、73a…外面、74…ブラケット、75…ボルト、77…ワッシャ、81…後部延長部、82…凹み部、91…前端部(可動端部)、92A,92B…長溝、94…フロントフェンダ、94a…裏面、95…延長部、101…ブラケット、101a…前端面、102…壁板、105…凸部、110…中間固定部、111…稜線、116…壁部、117…溝、118…位置決め部、120…クリップ、θ…角度。

Claims (15)

  1. 金属製の車体に、樹脂製の外装部品を取り付ける車両用外装部品の取付構造において、
    前記外装部品は、少なくとも表面に導電性を有している車体前後方向に長い長尺材によって構成され、
    前記外装部品の長手方向の後端部と前端部のいずれか一方は、金属製のボルトによって前記車体に相対移動を規制されて取り付けられる固定端部であり、
    前記外装部品の長手方向の後端部と前端部のいずれか他方は、前記車体に対して前記外装部品の熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に取り付けられる可動端部であり、
    前記ボルトは、前記固定端部の表面に接触しつつ前記車体に締結される締結部材である、ことを特徴とする車両用外装部品の取付構造。
  2. 前記外装部品は、導電性の成分を含有した耐熱性の樹脂によって形成されている、請求項1記載の車両用外装部品の取付構造。
  3. 前記車体の外面には、前記外装部品を嵌め込むための凹み部が形成され、
    該凹み部に前記外装部品が嵌め込まれることにより、前記車体の外面に対して前記外装部品の外面が実質的に連続している、請求項1又は請求項2記載の車両用外装部品の取付構造。
  4. 前記固定端部は、前記外装部品の縁から前記車体へ向かって延びた延長片により構成され、
    前記車体は、前記外装部品へ向かって延びた金属製のブラケットを有し、
    前記延長片は、前記ブラケットに対して前記外装部品の長手方向に重ね合わされ、且つ前記ボルトによって取り付けられている、請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  5. 前記可動端部には、前記外装部品の長手方向の端に開口した長溝が形成され、
    前記車体は、前記長溝を嵌合する凸部を有し、
    該凸部に前記長溝を嵌合することにより、前記車体に対する前記可動端部の相対移動が許容されている、請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  6. 前記外装部品の外周は、前記車体の外面に対向する周縁を有し、
    前記車体の外面には、前記周縁の少なくとも一部が入り込む凹部が形成され、
    該凹部の縁は、前記車体の外面に対して傾斜した傾斜面であり、
    該傾斜面は、該傾斜面と前記外装部品の前記周縁とに向かって塗料を吹き付け可能な角度傾斜している、請求項1乃至5のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  7. 前記外装部品は、前記固定端部と前記可動端部との間に複数の中間固定部を有し、
    該複数の中間固定部には、前記外装部品の長手方向に且つ互いに同じ方向に開口した複数の溝が形成され、
    該複数の溝は、前記車体に取り付けられている複数のクリップに対して、前記外装部品の長手方向にスライド可能に嵌合し、
    前記複数の溝の長さは、前記固定端部に対して離れて位置する溝ほど長く設定され、
    前記複数の溝には、前記車体に対する前記外装部品の組み付け時に、前記複数のクリップに対して個別に位置決めするための、位置決め部が設けられている、請求項1乃至6のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  8. 前記外装部品は、前記凹部の縁の近傍に取り付けられている、請求項6記載の車両用外装部品の取付構造。
  9. 前記ボルトは、前記固定端部の表面に対し金属製のワッシャを介して接触している、請求項1乃至8のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  10. 前記車体は、複数の材料の接合によって構成され、
    前記外装部品は、前記複数の材料同士の接合部分の外面の少なくとも一部を覆っている、請求項1乃至9のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  11. 前記外装部品は、前記車体のなかのサイドシルの外面を覆うサイドシルガーニッシュによって構成され、
    前記車体は、前記サイドシルの前に位置しているフロントフェンダの裏面から車幅方向内側へ且つ下方へ延びた延長部を有し、
    該延長部には、前端面に壁板を有したブラケットが設けられ、
    前記可動端部は、前記サイドシルガーニッシュの熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に、前記ブラケットに取り付けられている、請求項1又は請求項2記載の車両用外装部品の取付構造。
  12. 前記サイドシルガーニッシュは、前記固定端部と前記可動端部との間に複数の中間固定部を有し、
    前記複数の中間固定部は、前記サイドシルの外面に対して、前記サイドシルガーニッシュの熱膨張に従って長手方向へ相対移動を可能に取り付けられ、
    前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記サイドシルガーニッシュの長手方向に千鳥状に配置されている、請求項11記載の車両用外装部品の取付構造。
  13. 前記複数の中間固定部は、前記サイドシルガーニッシュの断面形状に従って形成された稜線に位置する部位を、該サイドシルガーニッシュの裏面に接合されることにより、車体後方から見て閉断面に形成され、
    前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記閉断面を構成する壁面に位置している、請求項11又は請求項12記載の車両用外装部品の取付構造。
  14. 前記複数の中間固定部は、前記サイドシルガーニッシュの裏面に対し略垂直な壁部を有し、
    前記車体の使用状態において、前記サイドシルの前記外面に対する前記複数の中間固定部の各々の取り付け箇所は、前記壁部の近傍に位置している、請求項11乃至13のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
  15. 前記サイドシルガーニッシュは、後端部から上方へ延びて、前記車体のなかのリヤピラーのリヤアウタパネルの外面の下部を覆う後部延長部を有している、請求項11乃至14のいずれか1項記載の車両用外装部品の取付構造。
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