JPWO2014050467A1 - 切削工具及び切削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の全反射が回避されると共にレーザ光の出射効率も改善され、更に過剰なレーザ光加熱が不要となる硬質脆性材料の切削方法及び切削工具を提供する。【解決手段】硬質脆性材料を切削する切削工具を、レーザ光が透光する透光性材料で形成すると共にすくい角を形成し、更に切削工具の内部にレーザ光を伝搬させると共に、切削工具と硬質脆性材料を接触させ、少なくとも切削工具と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角の形成部分にレーザ光を照射させ、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光を、その接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射させて硬質脆性材料を軟化させ、軟化した硬質脆性材料を切削工具で切削する。【選択図】図1

Description

本発明は切削工具及び切削方法に関し、特に硬質脆性材料の切削に用いる切削工具と切削方法に関するものである。
炭化ケイ素,サファイア,ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge)等の単結晶や、アルミナ,ジルコニア,フェライト,窒化ケイ素等のセラミックスは、硬くて脆い硬質脆性材料の為、これまで切削加工に頼れず研削加工や研磨加工を行っていた。
硬質脆性材料の研削又は研磨加工として、ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素(CBN)の粒子を用いた加工が考案されているが、レーザ光による加熱等を用いた切削方法も試みられている。レーザ光を用いた切削方法の被切削加工材料としては、ガラス材料や難切削金属材料等が試みられているだけで、硬質脆性材料を加工可能な切削方法は定着には至らなかった。しかし近年のレーザ技術の進歩によって、硬質脆性材料をレーザ光で加熱することで、硬質脆性材料を軟化させながら切削加工を行うという切削方法が盛んになってきた。
例えば後述の非特許文献1には、図7に示すように1500Wの炭酸ガスレーザ光100でセラミックス101(窒化ケイ素と部分安定化ジルコニア)を切削加工する事例が記述されている。その文献では更に、立方晶窒化ホウ素(CBN)を切削工具102とし、切り込み速度1〜2mm/sec、切り込み深さ0.5〜1mmの加工条件による切削方法が報告されている。
また後述する特許文献1には、図8に示すように切削工具103の刃先の進行方向において、前記刃先に対して1〜10μmほど隔てた被切削加工材料表面にレーザ光104a,104bの焦点を合わせて、被切削加工材料105の上方向からレーザ光104a,104bを照射し、図9のようにレーザ光104a,104bの照射部分105aを軟化させて切削加工する切削方法が開示されている。
更に後述する特許文献2には図10に示すように、使用するレーザ光の発振波長(例えば1060nmのYAGレーザ光)に対して透光性(例えばダイヤモンド)の切削工具106をレーザ光の導波路として用いてレーザ光を伝搬させ、切削工具106の刃先から直接、被切削加工材料107の表面にレーザ光を照射する切削方法が開示されている。
Yung C. Shin, INDUSTRIAL Laser Solutions, Laser assisted machining, (2011) US7002100 US2010/0065536
しかしながら、非特許文献1の切削方法では、被切削加工材料と切削工具の刃先が90°に配置されているので、被切削加工材料におけるレーザ光照射部と被切削加工部が物理的に離れていた。従って、離れている分だけレーザ光照射部を速やかに切削加工することが出来ないので、被切削加工部で切削加工が可能とするべくレーザ光照射部において高いエネルギーのレーザ光を照射する必要があった。
被切削加工部がレーザ光照射部から離れている分だけ被切削加工片を過剰にレーザ光で加熱する必要があるので、その加熱により被切削加工材料自体の物性の変質(例えば粒成長など)や、被切削加工材料及び材料を支持しているコレットチャック等の切削加工装置自体の熱膨張も発生してしまう。よって、非特許文献1の切削方法では正確な寸法精度での切削加工が困難であった。
また、特許文献1記載の切削方法では、レーザ光の焦点を切削工具の刃先から1〜10μmほど隔ててレーザ光を被切削加工材料表面に照射するので、切削工具の刃先と被切削加工材料との接触部に直接、レーザ光の焦点を合わせてレーザ光を照射できなかった。従って実際に切削加工を行ってみると、図11に示すように矢印D方向に切削を行うと、切削工具103によって被切削加工材料105から分断された切削屑108が刃先で盛り上がり、切削屑108の盛り上がりによりレーザ光104aが遮られてしまう。よって、切削加工が進むにつれて次第に被切削加工材料105の表面を加熱することが不可能になる。
従って特許文献1記載の切削方法でも、切削屑108もろとも被切削加工材料105を加熱するために過剰なレーザ光エネルギーを照射する必要が生じる。よって非特許文献1記載の切削方法と同様に、加熱により被切削加工材料自体の物性の変質(例えば粒成長など)や、被切削加工材料及び材料を支持している切削加工装置自体の熱膨張も発生してしまい、正確な寸法精度の切削加工が困難であった。
一方、特許文献2記載の切削方法では、切削工具をレーザ光の導波路として用いるので切削屑がレーザ光を遮断する懸念は無く、直接、被切削加工材料の表面を加熱出来るという利点が得られる。しかも切削工具先端は微小なので、切削工具先端と被切削加工材料との接触面に、GPa(ギガパスカル)以上の荷重を集中させて加えることが可能となる。従って、被切削加工材料の物質構造を弾性変形させ、局所的に金属相転位を誘発し、延性モード切削が可能となる。
しかしながら例えば切削工具にダイヤモンドを使用すると、ダイヤモンドの屈折率は2.4以上もある。従って、工具先端が全反射を回避するような形状に光学的設計がなされていない場合、レーザ光が工具内部で全反射してしまい、切削工具外部へのレーザ光の出射効率が10〜15%程度まで低下し、僅かなレーザ光のエネルギーしか被切削加工材料に加えられなかった。
従って、切削工具先端の角度や、レーザ光を入射する入射面等にレーザ光の全反射を防止する光学的設計が必要となる。しかし特許文献2では、切削工具の側壁を金メッキして全反射コートを施し、切削工具内部を多重反射しながら偶然に先端から放出されるレーザ光を利用することが開示されているだけで、レーザ光の出射効率の向上が見込めないため工業用途には適用できなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザ光の全反射を回避し、レーザ光の出射効率を改善すると共に、更に過剰なレーザ光加熱が不要となる硬質脆性材料の切削方法及び切削工具を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。即ち、
本発明の切削工具は、硬質脆性材料と接触し、その接触する部分で硬質脆性材料を切削する切削工具がレーザ光を透光する透光性材料で形成されると共にすくい角が形成され、切削工具の内部にレーザ光が伝搬され、少なくとも切削工具と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角の形成部分にレーザ光が照射されて、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光がその接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射されて硬質脆性材料が軟化され、軟化した硬質脆性材料を切削することを特徴とする。
また、本発明の切削工具の一実施形態は、切削工具と接触することで金属相転位が生じる材料で硬質脆性材料が形成されると共に、
切削工具と硬質脆性材料との接触荷重が、硬質脆性材料に金属相転位が生じる荷重に設定されることが好ましい。
また、本発明の切削工具の他の実施形態は、切削工具がダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素で形成されることが好ましい。
また、本発明の切削工具の他の実施形態は、切削工具と接触する硬質脆性材料表面の面方向に対して垂直に、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光がその接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射されることが好ましい。
また、本発明の切削工具の他の実施形態は、切削工具の内部を伝搬するレーザ光が平行光であることが好ましい。
また、本発明の切削工具の他の実施形態は、切削工具を硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、端面が円弧形状に形成され、
端面の半径をR、及び切削方向に沿って見たときに切削工具の端面からのレーザ光の照射時の光束径を2r、レーザ光の波長における切削工具の屈折率をn1、切削工具外部の大気の屈折率をn2、切削工具内部から外部へ照射するときの切削工具の端面の法線方向となす角度でレーザ光が全反射を生じる臨界角をθcrt°とするとき、端面の半径Rが
Figure 2014050467

であることが好ましい。
また、本発明の切削工具の他の実施形態は、切削工具を硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、端面がV字形状に形成され、
レーザ光の波長における切削工具の屈折率をn1、切削工具外部の大気の屈折率をn2と設定したとき、
Figure 2014050467

の全反射条件に対してV字形状の開口角度φが
Figure 2014050467

で設定されることが好ましい。
また、本発明の切削方法は、硬質脆性材料を切削する切削工具を、レーザ光が透光する透光性材料で形成すると共にすくい角を形成し、
更に切削工具の内部にレーザ光を伝搬させると共に、切削工具と硬質脆性材料を接触させ、少なくとも切削工具と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角の形成部分にレーザ光を照射させ、
切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光を、その接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射させて硬質脆性材料を軟化させ、軟化した硬質脆性材料を切削工具で切削することを特徴とする。
また、本発明の切削方法の一実施形態は、切削工具と接触することで金属相転位が生じる材料で硬質脆性材料を形成すると共に、
切削工具と硬質脆性材料との接触荷重を、硬質脆性材料に金属相転位が生じる荷重に設定することが好ましい。
また、本発明の切削方法の他の実施形態は、切削工具をダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素で形成することが好ましい。
また、本発明の切削方法の他の実施形態は、切削工具と接触する硬質脆性材料表面の面方向に対して垂直に、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光をその接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射することが好ましい。
また、本発明の切削方法の他の実施形態は、切削工具の内部を伝搬するレーザ光を平行光とすることが好ましい。
また、本発明の切削方法の他の実施形態は、切削工具を硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、端面を円弧形状に形成し、
端面の半径をR、及び切削方向に沿って見たときに切削工具の端面からのレーザ光の照射時の光束径を2r、レーザ光の波長における切削工具の屈折率をn1、切削工具外部の大気の屈折率をn2、切削工具内部から外部への照射するときの切削工具の端面の法線方向となす角度でレーザ光が全反射を生じる臨界角をθcrt°とするとき、端面の半径Rが
Figure 2014050467

であることが好ましい。
また、本発明の切削方法の他の実施形態は、切削工具を硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、端面をV字形状に形成し、
レーザ光の波長における切削工具の屈折率をn1、切削工具外部の大気の屈折率をn2と設定したとき、
Figure 2014050467

の全反射条件に対してV字形状の開口角度φを
Figure 2014050467

に設定することが好ましい。
本発明に依れば、クラックを生じることなく硬質脆性材料の切削加工が可能になると共に、レーザ光の全反射が回避されてレーザ光の出射効率も改善される。
更に、切削加工時に発生する被切削加工材料の切削屑に起因する切削加工阻害の発生が防止されるので、直接、レーザ光の照射により被切削加工材料を加熱することが出来、過剰なレーザ光加熱を不要とすることが可能となる。従って、正確な寸法精度で硬質脆性材料の切削加工が可能となる。
更に本発明に依れば、切削工具内部にレーザ光を伝搬させることにより、レーザ光の照射方向と、被切削加工材料への切削工具の接近方向を同一方向に設定することが可能となる。従って、被切削加工材料が非透光性材料であっても切削加工を行うことができ、円筒型のように内部形状を有する立体構造物も切削加工により作製することが可能になる。
本発明の実施形態の一例に係る、切削工具及び切削方法を模式的に示す説明図である。 反射及び屈折の法則を説明するための概念図である。 ダイヤモンド製の切削工具の全反射が生じる臨界角θmaxを示すグラフである。 図1中の円部分Aを拡大した説明図である。 端面が円弧形状に形成された切削工具、及び光ファイバと収束レンズを示す説明図である。 端面がV字形状に形成された切削工具、及び光ファイバと収束レンズを示す説明図である。 従来のセラミックスの切削加工例を示す斜視図である。 レーザ光を使用した従来の切削加工例を示す説明図である。 図9の切削加工例を更に説明するための説明図である。 レーザ光を使用した従来のその他の切削加工例を示す説明図である。 図8及び図9に示す切削加工例の課題を示す説明図である。
以下、本発明に係る切削工具及び切削方法を詳細に説明する。図1は本実施形態に係る切削工具及び切削方法を模式的に示す説明図である。本実施形態に係る切削加工装置1は、図1に示すように光ファイバ2、収束レンズ3、切削工具4、及びこれら各部品を支持する筐体5から構成される。その切削工具4の端面の一部が被切削加工材料6と接触し、その接触する部分で被切削加工材料6が切削される。
更に本発明では切削工具4を、レーザ光を透光する透光性材料で形成すると共に、光ファイバ2内部にレーザ光を伝搬し、収束レンズ3で収束させた上で切削工具4の内部にレーザ光を伝搬させ、切削工具4を介してレーザ光を被切削加工材料6に照射する。このようなレーザ光の照射により被切削加工材料6を軟化させ、その軟化した部分を矢印D方向で示す切削方向に沿って切削することで、被切削加工材料6を切削する。
レーザ光は図示しないレーザ光源から出射され、光ファイバ2内部を伝搬後、収束レンズ3で収束されて切削工具4の内部に入射される。レーザ光としては波長800nm〜1600nm、出力が200mW以上100W以下のレーザ光が用いられ、具体的にはYAGレーザ光が好適であるが、加工材質によって例えば炭酸ガスレーザや、可視光レーザも適用できる。但し、レーザ光に対して切削工具4が透光性となる波長でなければならない。
レーザ光を伝搬する光ファイバ2は、コア、及びコアの屈折率より低い屈折率を有するクラッドが前記コアの周囲を囲むことで構成され、等方的な屈折率分布を有するシングルモード型の光ファイバであり、例えば石英系光ファイバを用いることが出来る。汎用的な光ファイバとしてはコア径8μm以上100μm以下、大出力レーザ光ガイドとしては1000μm超のコア径光ファイバにkW(キロワット)級のレーザ光を伝搬させても良い。
光ファイバ2の端部には収束レンズ3と切削工具4が順に配置される。収束レンズ3は、光ファイバ2と切削工具4の間に配置され、入射したレーザ光を収束し集光する。収束レンズ3としては、非球面レンズ、ボールレンズ、或いは、屈折率分布レンズ等を用いることが出来る。又、収束レンズ3の材料としては、例えば石英ガラス等を用いる。
光ファイバ2と収束レンズ3は別々の光部品として用意しても良い。しかし、図1に示すように光ファイバ2と収束レンズ3を予め調芯し、光ファイバ2の端部と収束レンズ3の光学面を接合して一体化させた収束レンズ3付き光ファイバ2を用いることが、切削加工時に調芯作業を無調整化出来るとの点からより好ましい。
切削工具4は透光性材料で形成され、具体的にはダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素で形成される。ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素は、伝搬するレーザ光の波長800nm〜1600nmに対して高い透過率を有し、レーザ光の減衰が抑制されるという点から、切削工具4の形成材料として好適である。特に、単結晶ダイヤモンド又は焼結多結晶ダイヤモンドは透光性材料としてより好ましい。
図1では収束レンズ3の焦点距離は、レーザ光が切削工具4を介して被切削加工材料6表面に達する必要性と、レーザ光の加熱により被切削加工材料6を軟化させ、延性モード切削が可能となる被切削加工材料6部分をどれほどの面積に設定するか、と云う技術用件から決定される。更に、切削効率、切削速度の要求値からも決定される。なおレーザ光の焦点を絞り過ぎると、レーザ光のエネルギー密度が高くなり過ぎて、被切削加工材料6を加熱する前に切削工具4が発熱してしまい、ダイヤモンドを切削工具4の材料に用いると切削工具4の著しい消耗を誘発してしまう。
これらを考慮した場合、被切削加工材料6の表面における焦点直径が10μm以上200μm以下となるように光学的な設計を行うことが好ましい。勿論、焦点直径の最適値は、レーザ光の単位面積当たりのエネルギー密度に依存し、本発明の場合、切削工具4が消耗による自己破壊を生じない範囲の焦点直径とする。
収束レンズ3の曲率半径と、収束レンズ3の光学面から被切削加工材料6の表面までの距離は、レーザ光が切削工具4を伝搬後、切削工具4端面の刃先に接触している被切削加工材料6の表面で焦点を形成するように設定される。
更に、切削工具4の内部を伝搬するレーザ光は収束光でも構わないが、平行光がより好ましい。平行なレーザ光を切削工具4の内部に伝搬させることにより、切削工具4端面の刃先においてレーザ光のエネルギー密度が過剰になることが防止され、切削工具4の損傷が防止出来る為である。
なお被切削加工材料6の表面で発散するレーザ光では、被切削加工材料6を十分に加熱することが困難であり、軟化部分を形成しにくくなると同時に、被切削加工材料6表面のレーザ光照射部分に均一にレーザ光を照射することが難しくなるので、対象外とする。
被切削加工材料6は硬質脆性材料とする。硬質脆性材料であれば何を用いても良いが、切削工具4と接触することで金属相転位が生じる材料で形成された硬質脆性材料が、より好ましい。その理由として、金属相転位した被切削加工材料6部分は光学的に透明体であっても金属的な振る舞いを生じ、金属相転位した部分が選択的によりレーザ光を吸収し、加熱昇温する効果を示して延性モードの切削加工が可能となる為である。よって破壊痕を発生させることなく、被切削加工材料6の切削が出来る。
また、切削工具4と硬質脆性材料との接触荷重は、硬質脆性材料に金属相転位が生じる荷重に設定される。切削工具4端部の刃先に加圧される荷重により、硬質脆性材料が局部的に20GPa以上で押圧変形されると構造変化を生じ、金属相転位が誘起されて金属のように延性モードの切削加工が可能となる。接触荷重による金属相転位と同時に、レーザ光により硬質脆性材料を直接、加熱することで、延性モードの切削加工が可能となる被切削加工材料6部分が拡大される。なお、接触荷重が及ぶ範囲は幅で数μm、深さで100nm程とする。
このような金属相転位を示す硬質脆性材料の具体的な例としては、炭化ケイ素,サファイア,ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge)等の単結晶や、アルミナ,ジルコニア,フェライト,窒化ケイ素等のセラミックス等が挙げられる。このような硬質脆性材料を被切削加工材料6として用いることにより、安定した軟化による延性モード切削加工を行うことが可能となる。なお上記硬質脆性材料のうち、炭化ケイ素,アルミナ,ジルコニアの破断強度(抗折力)と硬度は次の通りである。炭化ケイ素(破断強度0.3GPa以上0.8GPa以下、硬度25GPa以下),アルミナ(破断強度0.3GPa以上0.5GPa以下、硬度18GPa以下),ジルコニア(破断強度1.0GPa以上1.2GPa以下、硬度13GPa以下)。一方、切削工具4の材料の一例である単結晶ダイヤモンドの破断強度は2GPa以下であり、硬度は120GPa以下である。
次に、切削工具4端部の構成について図4を参照しながら更に説明を続ける。図4は図1中の円部分Aを拡大した説明図である。図4より、炭化ケイ素,サファイア,ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge)等の単結晶や、アルミナ,ジルコニア,フェライト,窒化ケイ素等のセラミックスを延性モードで切削するときは、切削工具4のすくい角θsは大凡3.2°以上60°以下、逃げ角θnは0°以上5°以下に設定することが好ましく、その角度の範囲内でもすくい角θsは45°、逃げ角θnは0°以上5°以下が最も加工効率が良い。なお、すくい角θsとは図4に示すように、被切削加工材料6の面方向に対して斜めとなるように切削工具4に形成されたすくい面7と、前記面方向とのなす角度である。一方、逃げ角θnとは図4に示すように、被切削加工材料6の面方向に対して斜めとなるように切削工具4に形成された逃げ面8と、前記面方向とのなす角度である。なお説明の都合上、すくい角θs及び逃げ角θnの角度は絶対値で表記することとし、角度形成方向のプラスマイナスは省略して記述する。
図1では、市販の幅1mm ×奥行1mm×長さ5mmのダイヤモンド四角柱を被切削加工材料6の面方向に対して45°に傾斜させてすくい角θsとし、四角柱の片端一辺をそのまま工具刃先としている。更に、逃げ角θnが5°になるように逃げ面8を成形している。図1の切削加工装置の構造上の利点は、例えばダイヤモンドを切削工具4に用いるとき、市販のダイヤモンド四角柱の片端に刃先と逃げ面8を形成するだけで切削工具4として利用でき、特殊な工具形状に加工する負担が軽減出来ることである。勿論、四角柱だけでなく、特殊な形状でも、本発明の技術思想に基づいた構造ならば活用できる。
次に、切削工具4内部を伝搬したレーザ光が、切削工具4の端面で全反射しないための条件を、図2を参照して考察する。図2は反射及び屈折の法則を説明するための概念図である。なお、切削工具4の端面とは、被切削加工材料6に面する側の端面を指すものとする。図2において、レーザ光が全反射しないための条件として、数9に表すような臨界角θmaxが決定される。θmaxはスネルの法則から得られる数7、数8から導出される。なお数9において、θの最大値ということなのでsinφは1としている。
Figure 2014050467
Figure 2014050467
Figure 2014050467
屈折率n1の媒質と屈折率n2の媒質の界面における反射と屈折の関係は、レーザ光の偏光成分s波、p波とも考慮した時、対応する反射をRsと、Rp、及びその平均値をRとすると、各反射率は以下の数10、数11、及び数12となる。
Figure 2014050467
Figure 2014050467
Figure 2014050467
図3より、一例としてダイヤモンド製の切削工具4に波長1550nmのレーザ光を伝搬させ、被切削加工材料6を加熱するとき、全反射が生じる臨界角θmax は24.4°と導出される。但し、ダイヤモンド屈折率n1を2.417,切削工具4外部の大気の屈折率n2を1として導出している。このように導出された臨界角θmaxを起点にして切削工具4の配置や形状を設計する必要がある。
次に、切削工具4の端部において、レーザ光の出射位置をどの位置に設定することが好ましいかについて説明する。切削工具4の材料をダイヤモンドとし、すくい角θsを45°と設定した場合、ダイヤモンド四角柱を被切削加工材料6の面方向に対して45°傾斜させると、入射面では波長1550nmのレーザ光を用いた時、数8よりθ=θsとしθs=45°でn1=1、n2=2.417とすると、
Figure 2014050467
従って、φ=17.01°で24.4°よりも小さくなり切削工具4の端部で全反射は生ぜず、フレネル反射分を除いたレーザ光が切削工具4内部に伝搬される。
逆に臨界角度まで設定した時、入射角度θは86.8°が、ほぼ限界となる(φ=24.4°と設定した場合)。ダイヤモンド製切削工具4の場合、その端面で全反射を生じない最大角、即ち最小のすくい角θsは86.8−90=−3.2°(絶対値で3.2°)となり、光学的限界としてすくい角θsは3.2°と限定される。更にθsが60°程度までならば延性モード切削が可能である。従って、すくい角θsが3.2°以上60°以下であれば、切削工具4端面での全反射を回避することが可能となり、レーザ光の出射効率も改善可能となる。
実際には硬質脆性材料の切削加工効率を考慮すると、すくい角θsは30°以上60°以下が好ましく、更に45°以上60°以下とすることにより、切削工具4端面での全反射が解消出来ると共に最も切削加工効率が良いので、最適である。
切削工具4内部を伝搬してきたレーザ光は、すくい面7側の面では、同じように、45°に配置した工具ではレーザ光は出射側界面を透過でき、加工片を照射・加熱することに寄与する。問題は逃げ角θn側に放射されるレーザ光の振る舞いである。
入射角が45°の場合、ダイヤモンドから大気へ出射するときの出射面に対するレーザ光角度は、先に記述した数7、数8、数9の関係から、逃げ角θn=0°でも全反射して、外部に照射されない。つまり、逃げ面8に照射されるレーザ光は、切削工具4端面の接触物質が大気の場合、その端面から外部に透過することができないので、被切削加工材料6の加熱に寄与しないことになる。
但し、硬質脆性材料の屈折率が、切削工具4の屈折率よりも高い場合(例えば、切削工具4がダイヤモンド製に対し、硬質脆性材料が炭化ケイ素:2.6やケイ素:3.4の場合)や、切削加工時に切削工具4の刃先から高圧の接触荷重が硬質脆性材料に加わり、刃先接触部近傍に金属相転位を引き起こして実効屈折率(金属相転位が生じた硬質脆性材料の屈折率)が切削工具4の屈折率よりも高くなる場合は、切削工具4端面での全反射が回避されるので、切削工具4端面から出射されたレーザ光は、被切削加工材料6の表面で吸収される。なお硬質脆性材料の屈折率が、切削工具4の屈折率よりも高いとは、(硬質脆性材料の屈折率)>(切削工具4の屈折率)であり、硬質脆性材料の実効屈折率が切削工具4の屈折率よりも高いとは、(硬質脆性材料の実効屈折率)>(切削工具4の屈折率)である。
図4に示すように、レーザ光が被切削加工材料6を加熱、昇温できる範囲10は、端部刃先の曲面を中心として、すくい面7側の照射範囲(すくい角θsの形成部分)10aと、切削工具4が被切削加工材料6と直接接触している部分(以下、必要に応じて「接触部分」と表記)、及び切削工具4と接触することで金属相転位が生じる硬質脆性材料部分10bに限定される。前記10bには切削工具4が被切削加工材料6と直接接触している部分が含まれる。本発明では、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光を、その接触部分及びすくい角θsの形成部分から硬質脆性材料に照射するので、レーザ光は全反射されない。
なお、切削工具4の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光は、切削工具4と接触する硬質脆性材料表面の面方向に対して垂直に、少なくともその接触部分及びすくい角の形成部分10aから硬質脆性材料に照射されることが好ましい。切削工具4に対して、適当な角度を付けて入射した場合は、全反射による制限は緩和されるが、各部品2,3,4,6間の調芯の容易化と、被切削加工材料6に照射されるレーザ光の焦点ずれの防止、レーザ光のエネルギー密度の分散防止との点からレーザ光は被切削加工材料6に対して垂直な配置がより好ましい。なお、前記硬質脆性材料表面の面方向とは、図1中の矢印D方向に平行な方向である。
図1及び図4の切削工具4端面の刃先には、好ましくは硬質脆性材料に金属相転位を生じる荷重を与えるため、切削工具4の自重を制御する技術構造を加味することがより好ましい。一例として、切削工具4を硬質脆性材料の切削方向(図1又は図4の矢印D方向)に沿って見たときに、切削工具4端面の断面形状が図5に示すように円弧形状に形成されることが、より好ましい。なお、切削工具4端面の断面形状とは、矢印D方向に対して垂直な方向の断面形状を云う。
ここで切削工具4の端面の半径をR、切削工具4の内部を伝搬するレーザ光が平行光、及び切削方向に沿って見たときに切削工具4の端面からのレーザ光の照射時の光束径を2r、レーザ光の波長における切削工具4の屈折率をn1、切削工具4外部の大気の屈折率をn2、切削工具4内部から外部へレーザ光を照射するときの切削工具4の端面の法線方向となす角度でレーザ光が全反射を生じる臨界角をθcrt°とするとき、端面の半径Rは以下の数14のように制限される。
Figure 2014050467
被切削加工材料6と接触する切削工具4の端面は、切削方向には凡そ1μmで常時接触し、幅は例えば図5に示す円弧状(ラウンド・ノーズ型)の場合は凡そ50μm幅で加工している。この場合、切削工具4に100gの荷重を加えると、下記数15より被切削加工材料6には約20GPa荷重が加わることになり、硬質脆性材料が金属相転位をするには十分な荷重が加えられることが分かる。
Figure 2014050467
従って、切削工具4として図5に示す切削工具4端面形状の切削工具4を用いる場合は、数14より最少曲率半径は、以下の数16で定義される曲率半径でなければならない。
Figure 2014050467
例えば、切削工具4をダイヤモンドで形成し、光束径2rが直径100μmの場合、以下の数17で示すように、半径Rを121μmより大きく設定(R>121μm)するならば、全反射を起こさず、レーザ光を被切削加工材料6表面へ伝搬できる。
Figure 2014050467
更に、切削工具4の端面を図5のような形状に成形することにより、切削加工面の表面粗さを低く形成することが可能となり、切削加工の速度を速めることも可能となる。
なお、硬質脆性材料の切削方向(図1又は図4の矢印D方向)に沿って見たときの切削工具4の端面の断面形状は、被切削加工材料6、切削加工目的により、切削工具4の刃先形状は異なる。例えば切削工具4端面の刃先の断面形状が、硬質脆性材料の切削方向(図1又は図4の矢印D方向)に沿って見たときに、図6で示すようにV字形状に形成しても良い。なお、ここでも切削工具4端面の断面形状とは、矢印D方向に対して垂直な方向の断面形状を云う。
図6において、V字形状におけるV字開口角φの最少開口角φminは、数9においてn1からn2へ出射するときの全反射条件である臨界角θmaxで規定される。なお、レーザ光の波長における切削工具4の屈折率をn1、切削工具4外部の大気の屈折率をn2と設定する。従って、最少開口角φminは、
Figure 2014050467
即ち、切削工具4端面の形状がV字形状の場合、V字開口角度φは、以下の数19で設定される範囲において、硬質脆性材料の延性モード切削に対して、最大切削効率が得られる。
Figure 2014050467
切削工具4の端面を図6のような形状に成形することにより、被切削加工材料6の表面にV溝を加工することが可能となり、更にそのV溝加工を速やかに行うことが可能となる。
特に、切削工具4がダイヤモンド製の場合、図5又は図6の切削工具4端面形状が最適である。
以上、本発明に依れば、クラックを生じることなく硬質脆性材料の切削加工が可能になると共に、レーザ光の全反射が回避されてレーザ光の出射効率も改善される。
更に、切削工具4の内部にレーザ光を伝搬させ、少なくとも切削工具4と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角θsの形成部分にレーザ光を照射するので、切削加工時に被切削加工材料6の切削屑が発生しても、その切削屑でレーザ光の照射が遮られることが無い。よって切削加工阻害の発生が防止されるので、直接、レーザ光の照射により被切削加工材料6を加熱することが出来、過剰なレーザ光加熱を不要とすることが可能となる。従って、正確な寸法精度で硬質脆性材料の切削加工が可能となる。
更に本発明に依れば、切削工具4内部にレーザ光を伝搬させることにより、レーザ光の照射方向と、被切削加工材料6への切削工具の接近方向を同一方向に設定することが可能となる。従って、被切削加工材料6が非透光性材料であっても切削加工を行うことができ、円筒型のように内部形状を有する立体構造物も切削加工により作製することが可能になる。
1 切削加工装置
2 光ファイバ
3 収束レンズ
4 切削工具
5 筐体
6 被切削加工材料
7 切削工具のすくい面
8 切削工具の逃げ面
9a、9b 切削工具の端面
10 レーザ光が被切削加工材料を加熱、昇温できる範囲
10a すくい角θsの形成部分
10b 金属相転位が生じる硬質脆性材料部分

Claims (14)

  1. 硬質脆性材料と接触し、その接触する部分で硬質脆性材料を切削する切削工具がレーザ光を透光する透光性材料で形成されると共にすくい角が形成され、切削工具の内部にレーザ光が伝搬され、少なくとも切削工具と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角の形成部分にレーザ光が照射されて、切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光がその接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射されて硬質脆性材料が軟化され、軟化した硬質脆性材料を切削することを特徴とする切削工具。
  2. 前記切削工具と接触することで金属相転位が生じる材料で前記硬質脆性材料が形成されると共に、
    前記切削工具と前記硬質脆性材料との接触荷重が、前記硬質脆性材料に金属相転位が生じる荷重に設定されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記切削工具がダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具。
  4. 前記切削工具と接触する前記硬質脆性材料表面の面方向に対して垂直に、前記切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光がその接触部分及びすくい角の形成部分から前記硬質脆性材料に照射されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の切削工具。
  5. 前記切削工具の内部を伝搬するレーザ光が平行光であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の切削工具。
  6. 前記切削工具を前記硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、前記端面が円弧形状に形成され、
    前記端面の半径をR、及び切削方向に沿って見たときに前記切削工具の前記端面からの前記レーザ光の照射時の光束径を2r、前記レーザ光の波長における前記切削工具の屈折率をn1、前記切削工具外部の大気の屈折率をn2、前記切削工具内部から外部へ照射するときの前記切削工具の前記端面の法線方向となす角度で前記レーザ光が全反射を生じる臨界角をθcrt°とするとき、前記端面の半径Rが
    Figure 2014050467

    であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の切削工具。
  7. 前記切削工具を前記硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、前記端面がV字形状に形成され、
    前記レーザ光の波長における前記切削工具の屈折率をn1、前記切削工具外部の大気の屈折率をn2と設定したとき、
    Figure 2014050467

    の全反射条件に対してV字形状の開口角度φが
    Figure 2014050467

    で設定されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の切削工具。
  8. 硬質脆性材料を切削する切削工具を、レーザ光が透光する透光性材料で形成すると共にすくい角を形成し、
    更に切削工具の内部にレーザ光を伝搬させると共に、切削工具と硬質脆性材料を接触させ、少なくとも切削工具と硬質脆性材料とが接触する部分及びすくい角の形成部分にレーザ光を照射させ、
    切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光を、その接触部分及びすくい角の形成部分から硬質脆性材料に照射させて硬質脆性材料を軟化させ、軟化した硬質脆性材料を切削工具で切削することを特徴とする切削方法。
  9. 前記切削工具と接触することで金属相転位が生じる材料で前記硬質脆性材料を形成すると共に、
    前記切削工具と前記硬質脆性材料との接触荷重を、前記硬質脆性材料に金属相転位が生じる荷重に設定することを特徴とする請求項8に記載の切削方法。
  10. 前記切削工具をダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素で形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の切削方法。
  11. 前記切削工具と接触する前記硬質脆性材料表面の面方向に対して垂直に、前記切削工具の端面でのフレネル反射分を除いたレーザ光をその接触部分及びすくい角の形成部分から前記硬質脆性材料に照射することを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の切削方法。
  12. 前記切削工具の内部を伝搬するレーザ光を平行光とすることを特徴とする請求項8乃至11の何れかに記載の切削方法。
  13. 前記切削工具を前記硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、前記端面を円弧形状に形成し、
    前記端面の半径をR、及び切削方向に沿って見たときに前記切削工具の前記端面からの前記レーザ光の照射時の光束径を2r、前記レーザ光の波長における前記切削工具の屈折率をn1、前記切削工具外部の大気の屈折率をn2、前記切削工具内部から外部への照射するときの前記切削工具の前記端面の法線方向となす角度で前記レーザ光が全反射を生じる臨界角をθcrt°とするとき、前記端面の半径Rが
    Figure 2014050467

    であることを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載の切削方法。
  14. 前記切削工具を前記硬質脆性材料の切削方向に沿って見たときに、前記端面をV字形状に形成し、前記レーザ光の波長における前記切削工具の屈折率をn1、前記切削工具外部の大気の屈折率をn2と設定したとき、
    Figure 2014050467

    の全反射条件に対してV字形状の開口角度φを
    Figure 2014050467

    に設定することを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載の切削方法。
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