JPWO2014034148A1 - 超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器 - Google Patents

超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器 Download PDF

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Abstract

頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置であって、超音波探触子から被検体に超音波を送信するための送信信号を生成する送信部と、超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得する受信部と、深さ方向の各位置における受信信号の信号強度に基づき、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定する血管候補位置選定部と、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置における信号強度に基づき、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と深さ方向における頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、いずれか一方を頚動脈の位置と決定する血管位置決定部と、決定した頚動脈の位置に基づき所定の計測を行う測定領域を設定する測定領域決定部とを備える。

Description

本願は、超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器に関する。
近年、動脈硬化を患う人が増加しており、動脈硬化を診断するために、超音波診断装置を用いた頚動脈エコー検査が行われている。動脈硬化が進行すると動脈血管壁が厚くなって血管内腔が狭窄するため、動脈血管壁の厚さを計測することによって動脈硬化を診断することが可能である。血管壁は、血管内腔側から順に内膜、中膜、外膜の3層を有する構造を備えていることが知られており、頚動脈エコー検査では、この内膜と中膜をあわせた内中膜複合体厚(Intima−Media Thickness:以下、IMTと略する。)を計測し、その値を動脈硬化の進行度合いの指標としている。
頚動脈に照射された超音波は、血管内腔と内膜との境界(以下、内腔内膜境界とする。)および中膜と外膜との境界(以下、中膜外膜境界とする。)で強く反射する。例えば、血管の伸長方向(以下、長軸方向とする。)に切断した頚動脈の断面(以下、長軸断面とする。)の断層画像では、図12(a)に示すように、頚動脈の前壁201および後壁202に相当する部分が強い白線で表示される。そして、その後壁202(あるいは、前壁201)を拡大観察すると(図12(a)の破線部分)、図12(b)に示すようにさらに2本の白線が表示される。これが、内腔内膜境界203、中膜外膜境界204である。頚動脈エコー検査では、この内腔内膜境界203と中膜外膜境界204との間の距離を内中膜複合体厚(IMT)205として計測する。
従来、IMT測定は、一般的な超音波診断装置に搭載されている距離計測機能を用いて、内腔内膜境界203および中膜外膜境界204の位置を手動で設定することにより計測されていた。これに対し、近年ではこのIMT計測を自動で行う超音波診断装置が開発されている。このような装置は、一般的に頚動脈の血管壁の概略の位置を測定領域として設定し、その測定領域内のIMT計測が行われるように構成されている。特許文献1は、この測定領域(すなわち、血管壁の概略の位置)を自動で設定する方法を開示している。
特開2010−119842号公報
上述した従来の技術では、正しく測定をしたり、測定の精度を高めるため、測定領域をより精度よく設定したりすることが求められていた。本願の限定的ではない例示的な実施形態は、測定領域を自動で精度良く設定することができる超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器を提供する。
本願の一実施形態に係る超音波診断装置は、圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置であって、前記超音波探触子から前記頚動脈を含む被検体に超音波を送信するための送信信号を生成するように構成された送信部と、前記超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得するように構成された受信部と、前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定するように構成された血管候補位置選定部と、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を頚動脈の位置と決定するように構成された血管位置決定部と、決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定するように構成された測定領域決定部とを備える。
本願の一実施形態に係る超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器によれば、頚動脈に精度よく測定領域を設定することができる。
本発明の実施の形態1による超音波診断装置の概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置のハードウエアの構成図である。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置の測定領域設定部のブロック図である。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置の動作フローチャートである。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置の第1の特性値の算出方法の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置の第1の特性値の算出方法の一例を用いて頚動脈の血管中心を説明する図である。 本発明の実施の形態1による超音波診断装置の第1の特性値の算出方法の一例を用いて頚動脈の血管中心を説明する図である。 本発明の実施の形態2による超音波診断装置の測定領域設定部のブロック図である。 本発明の実施の形態2による超音波診断装置の動作フローチャートである。 本発明の実施の形態2による第2の特性値の算出方法を説明するための血管の断層画像である。 本発明の実施の形態2による超音波診断装置の第1の特性値の算出方法の一例を用いて頚動脈の血管中心を説明する図である。 本発明の実施の形態2による超音波診断装置の第1の特性値の算出方法の一例を用いて頚動脈の血管中心を説明する図である。 頚動脈の長軸断面の断層画像である。 本発明の実施の形態3による超音波診断装置の血管候補位置選定部および血管位置決定部の処理を説明する図である。 本発明の実施の形態4による超音波診断装置の測定領域設定部のブロック図である。 本発明の実施の形態4による超音波診断装置の血管候補位置選定部72および血管位置決定部73の処理を説明する図である。
本願発明者らは、特許文献1に開示された方法の特性を詳細に検討した。その結果、従来の超音波診断装置では、頚動脈と頚動脈に類似したパターンを有する頚動脈以外の組織が断層画像上に描出される受信信号が得られると、頚動脈以外の組織を頚動脈として誤検出し、誤った位置に測定領域が設定され、頚動脈の適切な位置には測定領域を精度良く設定できない場合があることが分かった。
本発明者は、上記のような場合でも、誤った位置に測定領域を設定することなく、測定領域を自動で精度良く設定することができる技術について鋭意検討を行い、新規な超音波診断装置を想到するに至った。本発明の一態様の概要は以下の通りである。
本発明の一態様に係る超音波診断装置は、圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置であって、前記超音波探触子から前記頚動脈を含む被検体に超音波を送信するための送信信号を生成するように構成された送信部と、前記超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得するように構成された受信部と、前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定するように構成された血管候補位置選定部と、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定するように構成された血管位置決定部と、決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定するように構成された測定領域決定部とを備える。
前記血管位置決定部は、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であると判定すれば、前記第2の血管候補位置を前記頚動脈の位置と決定し、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管ではないと判定すれば、前記第1の血管候補位置を前記頚動脈の位置と決定してもよい。
超音波診断装置は、前記深さ方向における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を、予め備えた所定の基準パターンを用いてパターンマッチング処理を行うことで前記深さ方向の各位置における第1の特性値を算出するように構成された第1の特性値算出部を備え、前記血管候補位置選定部は、前記第1の特性値に基づき前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置を選定してもよい。
前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値および前記第2の血管候補位置における第1の特性値に基づき、前記第2の血管候補位置における組織が血管であるか否かを判定してもよい。
前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値に対する前記第2の血管位置候補位置における第1の特性値の比率または差分が、予め備えた所定の第1の条件を満たすか否かを判定し、前記比率または前記差分が、前記所定の第1の条件を満たせば、前記第2の血管候補位置における組織が血管であると判定し、前記所定の第1の条件を満たさなければ、前記第2の血管候補位置における組織が血管ではないと判定してもよい。
前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値に対する前記第2の血管位置候補位置における第1の特性値の比率または差分が、予め備えた所定の第2の条件および第3の条件を満たすか否かを判定し、前記比率または前記差分が、前記所定の第2の条件を満たせば前記第2の血管候補位置における組織が血管であると判定し、前記所定の第3の条件を満たせば、前記第2の血管候補位置における組織が血管ではないと判定してもよい。
超音波診断装置は、第2の特性値算出部をさらに備え、前記第2の特性値算出部は、前記比率または前記差分が、前記第2の条件および前記第3の条件のいずれも満たさなかった場合、前記第1の血管候補位置において、血管内腔に相当する位置の受信信号または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度と、血管壁の前壁または後壁の少なくとも一方に相当する受信信号の信号強度または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度とに基づき第2の特性値を算出してもよい。
前記血管位置決定部は、前記第2の特性値が予め備えた所定の第4の条件を満たすか否かを判定し、前記第2の特性値が前記第4の条件を満たせば、前記第1の血管候補位置に対応する組織は血管であると判定し、前記第4の条件を満たさなければ、前記第1の血管候補位置に対応する組織は血管ではないと判定してもよい。
前記所定の基準パターンは、前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度の前記深さ方向に沿って前記血管が示す信号強度パターンに基づき設定されていてもよい。
前記信号強度パターンは、前記深さ方向に沿って前記血管の前壁、血管内腔および後壁が示す信号強度パターンであってもよい。
前記血管候補位置選定部は、第5の条件として血管壁の前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき設定された所定の第5の閾値を備え、前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を前記第5の閾値で閾値処理を行い、前記深さ方向において前記閾値処理により前記第5の閾値を超えた各々の位置に対し、第1の位置と前記第1の位置に隣接する第2の位置との距離を計測し、前記計測した距離のうち、最も距離が長い前記第1の位置および前記第2の位置間を第1の血管候補位置として選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も距離が長い前記第1の位置および前記第2の位置間を第2の血管候補位置として選定してもよい。
血管位置決定部は、第6の条件として血管内腔の前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき設定された所定の第6の閾値を備え、前記第2の血管候補位置に相当する前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を前記第6の閾値で閾値処理を行い、前記第6の閾値を下回った前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度の深さ方向の距離に基づき前記第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定してもよい。
前記受信信号から所定の処理が行われた信号は、前記受信信号の信号強度に対応した信号強度を示す信号であってもよい。
前記受信信号から所定の処理が行われた信号は、前記受信信号の信号強度に基づき変換された輝度信号または、前記受信信号から前記輝度信号を生成する過程の信号であってもよい。
超音波診断装置は、前記所定の計測として、前記測定範囲内の受信信号に基づきIMT計測を行うように構成されたIMT計測部をさらに備えていてもよい。
本発明の一態様に係る超音波診断装置の制御方法は、圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置の制御方法であって、超音波を送信するための送信信号を生成する工程Aと、前記超音波探触子が受信した、前記頚動脈を含む被検体からの前記超音波のエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得する工程Bと、前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定する工程Cと、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定する工程Dと、決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定する工程Eとを含む。
本発明の一態様に係る超音波診断装置の制御器は、圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置の制御器であって、前記超音波探触子から前記頚動脈を含む被検体に超音波を送信するための送信信号を生成するように構成された送信部と、前記超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得するように構成された受信部と、前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定するように構成された血管候補位置選定部と、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定するように構成された血管位置決定部と、決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定するように構成された測定領域決定部とを備える。
以下に、本発明の実施の形態の一態様に係る超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器について、図面とともに説明する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1による超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器について、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1における超音波診断装置の構成を示す概略ブロック図である。
実施の形態1の超音波診断装置100は、制御器1とユーザインターフェース2とを備え、超音波探触子101および表示器102と電気的に接続可能に構成されている。この制御器1は、送信部3、受信部4、断層画像処理部5、心拍情報取得部6、測定領域設定部7、IMT計測部8、表示処理部9および制御部10を含んでいる。
図1Bに超音波診断装置100のハードウエア構成の一例を示す。ハードウエアの観点では、超音波診断装置100は、例えば、パルサー53、ADコンバーター55、増幅器54、送信ビームフォーマー56、受信ビームフォーマー57、画像処理器58、断層画像処理器59、心電計60、メモリ61および演算処理器62によって構成される。超音波探触子101は超音波を送受信する複数の圧電変換素子51を含み、パルサー53、ADコンバーター55および増幅器54は、圧電変換素子51の数に対応して複数用意される。メモリ61には、図1Aに示す各構成要素の機能を実現するため手順を規定したプログラム、および、各構成要素を所定の手順で動作させることにより、超音波診断装置100、超音波探触子101および表示器102を制御し、IMT測定を行うための手順を規定したプログラムが記憶されている。これらのプログラムがメモリ61から逐次読みだされ、演算処理器62により実行される。
図1Aに示す各構成要素は、図1Bに示すハードウエアを用いて構成される。送信部3は、パルサー53および送信ビームフォーマー56によって構成される。受信部4は、増幅器54、ADコンバーター55および受信ビームフォーマー57によって構成される。断層画像処理部5、心拍情報取得部6および表示処理部9はそれぞれ、断層画像処理器59、心電計60および画像処理器58によって構成される。制御部10は、演算処理器62およびメモリ61によって構成される。測定領域設定部7およびIMT計測部8の機能はソフトウエアによって実現される。具体的には、メモリ61に記憶されたプログラムを演算処理器62が実行することにより、測定領域設定部7およびIMT計測部8の機能が実現される。つまり、測定領域設定部7およびIMT計測部8は、演算処理器62およびプログラムによって構成されているともいえる。
上述したハードウエアの構成は一例であって種々の改変が可能である。たとえば、断層画像処理部5および心拍情報取得部6の機能は、ソフトウエアにより実現してもよい。また、送信ビームフォーマー56および受信ビームフォーマー57の機能をソフトウエアにより実現してもよい。演算処理器62、メモリ61および画像処理器58を含むパソコンをこれらのハードウエアの換わりに用いてもよい。
また、制御器1の各機能ブロックについて、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能を典型的には集積回路であるLSIとして実現することもできる。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(ReConfigurablle Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
上述したように超音波探触子101は、複数の圧電変換素子51を有し、この圧電変換素子51それぞれが後述する送信部3からの送信電気信号を超音波へと変換し、超音波ビームを生成する。したがって、操作者は、被計測物である被検体表面に超音波探触子101を配置することで、被検体内部に超音波ビームを照射することができる。そして、超音波探触子101は、被検体内部からの反射超音波であるエコー信号を受信し、複数の圧電変換素子でそのエコー信号を受信電気信号へと変換して受信部4に供給する。
なお、実施の形態1においては、超音波探触子101は、複数の圧電変換素子51が一次元方向に配列された超音波探触子101を例に説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の圧電変換素子が2次元に配列された超音波探触子101や一次元方向に配列された複数の圧電変換素子が揺動する超音波探触子101などを用いることも可能である。また、超音波探触子101は、制御部10の制御に基づき、送信部3は、超音波探触子101が使用する圧電変換素子の選択、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や照射方向を制御することができる。
また、超音波探触子101は、後述する送信部3や受信部4の一部の機能を含んでいてもよい。例えば、超音波探触子101は、送信部3から出力された送信電気信号を生成するための制御信号(以下、「送信信号」とする。)に基づき、超音波探触子101内で送信電気信号を生成し、この送信信号を圧電変換素子により超音波に変換するとともに、受信したエコー信号を受信電気信号に変換し、超音波探触子101内で受信電気信号に基づき後述する受信信号を生成するように構成されていてもよい。
ユーザインターフェース2は、操作者から入力を受け取り、操作者の入力に基づく指令を超音波診断装置100、具体的には、制御器1の制御部10に出力する。
送信部3は、少なくとも送信部3で送信信号を生成し、超音波探触子101に超音波ビームを送信させる送信処理を行う。一例として、送信部3は、圧電変換素子51を有する超音波探触子101から超音波ビームを送信するための送信信号を生成する送信処理を行い、この送信信号に基づき超音波探触子101に対して所定のタイミングで発生する高圧の送信電気信号を供給することで、超音波探触子101の圧電変換素子を駆動させる。これにより、超音波探触子101は、送信電気信号を超音波へと変換することで、被計測物である被検体に超音波ビームを照射することができる。
受信部4は、少なくとも受信部4がエコー信号に基づく受信信号を取得する処理を行う。一例として、受信部4は、超音波探触子101で変換された受信電気信号を増幅してA/D変換を行うことで受信信号を生成するとともに、各圧電変換素子で受信されたエコー信号に適切な遅延を与えて加算することで定められた位置または方向からの超音波のみを検出する。そして、送信部3による送信処理及び受信部4による受信処理を行うことで1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得し、これを繰り返し連続して行うことで複数の画像フレームに対応する複数の受信信号で取得する。そして、これら受信信号は、断層画像処理部5、測定領域設定部7およびIMT計測部8へ供給される。
なお、この受信信号は、例えば、超音波探触子101の振動子が配列された一次元方向(以下、配列方向とする。)と超音波の送信方向(以下、深さ方向とする。)からなる複数の信号からなり、各信号はエコー信号の振幅から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号を意味する。
断層画像処理部5は、一般的な超音波診断装置と同様の構造を備える。図示はしていないが、断層画像処理部5は、例えば各種フィルタ、検波器、対数増幅器、走査変換器、およびその他の信号/画像処理器などを含み、主に受信信号の振幅を解析して、被検体の内部構造が画像化されたデータ(以下、Bモード画像データとする。)を生成する。このBモード画像データは、表示器102に表示するためのデータであって、主に受信信号の信号強度に応じた輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に対応するように座標変換を施した画像信号である。受信信号はデジタル化されているため、受信信号の信号強度に応じた輝度信号への変換は、上述したハードウエアによらず、ソフトウエアによって実現してもよい。
心拍情報取得部6は、被検体から心拍同期信号を取得する。心拍情報取得部6は、例えば、心拡張末期を示すタイミングを取得する。心拍情報取得部6は、具体的には、心電計であって、R波のタイミングを心拍同期信号として測定領域設定部7およびIMT計測部8に出力する。なお、心拍情報取得部6は、心電計に限定されるものではなく、心音計を用いることも可能である。また、心拍情報取得部6は、例えば特許第4189405号に示すように、エコー信号、受信信号または超音波画像から取得する構成であってもよい。この場合、心拍情報取得部6の機能は、ソフトウエアによって構成され得る。なお、心時相は、1心拍中における所定のタイミングであればよく、心拡張末期に限定されるものでもない。
心拍情報取得部6に心電計あるいは心音計を用いる場合、心拍情報取得部6は必ずしも超音波診断装置100に内蔵されている必要はない。この場合、超音波診断装置100は心拍情報取得部6を含んでおらず、分離された別の機器として心電計あるいは心音計を超音波診断装置100に接続し、被検体からの心拍同期信号を取得するように構成されていてもよい。
測定領域設定部7は、図2に示すように第1の特性値算出部71、血管候補位置選定部72、血管位置決定部73および測定領域決定部74を含み、受信部4の出力である受信信号を解析して、IMTを求める血管壁を含む領域に測定領域を設定する。なお、実施の形態1においては、測定領域を設定するための受信信号は、心拍情報取得部6の出力である心拍同期信号のタイミングで取得する例で説明する。
第1の特性値算出部71は、心拍同期信号のタイミングで取得した深さ方向における各位置の受信信号の信号強度に基づき第1の特性値を算出する。この第1の特性値は、後述の血管候補位置選定部72が血管候補となる位置を選定するために用いる指標である。
第1の特性値は、受信信号そのものの信号強度に基づき算出してもよいし、受信信号に基づき所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき算出してもよい。この受信信号に基づき所定の処理が行われた信号とは、受信信号の信号強度に対応した信号強度を示す信号のことである。この受信信号に基づき所定の処理が行われた信号の具体的例としては、輝度信号や輝度信号を生成する過程で所定の処理が行われた信号である。この輝度信号や輝度信号を生成する過程で所定の処理が行われた信号は、受信信号の信号強度に対応する。実施の形態1においては、理解を容易にするために第1の特性値を、受信信号に基づき所定の処理が行われた信号で説明を行い、その具体例として輝度信号に基づき算出された第1の特性値で説明を行う。
なお、図1に示す超音波診断装置100は、受信部4から測定領域設定部7(第1の特性値算出部71)が受信信号を受け取るように示している。しかし、第1の特性値算出部71が、受信信号に基づき所定の処理が行われた信号を用いて第1の特性値を算出する場合、第1の特性値算出部71は、その受信信号に基づき所定の処理が行われた信号が生成された機能ブロックから供給された信号に基づき第1の特性値を算出するように構成される。したがって、輝度信号に基づき第1の特性値を算出する構成である場合、図示していないが、第1の特性値算出部71は、断層画像処理部5で生成された輝度信号を用いて第1の特性値を算出することとなる。
第1の特性値算出部71は、予め所定の基準パターンを有し、深さ方向における輝度信号の信号強度に対し、基準パターンを用いた一般的なパターンマッチング処理を行うことで第1の特性値を算出する。この基準パターンは、深さ方向において浅い位置から深い位置に沿って現れる血管の前壁、血管内腔および後壁の順に現れる特徴的な輝度信号の信号強度パターンに基づき設定されたものである。
血管候補位置選定部72は、第1の特性値算出部71で算出した第1の特性値に基づき第1の血管候補位置と第2の血管候補位置とを選定する。なお、ここでいう血管位置とは、深さ方向における前壁、血管内腔および後壁を含む範囲の一部または全部のことをいい、血管候補位置とはその血管位置の候補となり得る位置のことである。実施の形態1では、血管位置における特定の位置である基準位置に基づき血管候補位置を選定している。
血管候補位置選定部72の詳細な説明を次に行う。血管候補位置選定部72は、取得した深さ方向における輝度信号から、深さ方向において、もっとも血管らしさを示す位置を第1の血管候補位置として選定する。また、血管候補位置選定部72は、第1の血管候補位置よりも深い位置における輝度信号から、深さ方向の第1の血管候補位置よりも深い領域において、最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定する。
より詳細には、血管候補位置選定部72は、深さ方向における輝度信号の信号強度に基づくパターンマッチング処理で、最も基準パターンにマッチした位置を基準位置として第1の血管候補位置を選定する。そして、血管候補位置選定部72は、第1の血管候補位置よりも深い位置における輝度信号の信号強度の中から最も基準パターンにマッチした位置を基準位置として第2の血管候補位置を選定する。すなわち、血管候補位置選定部72で選定される血管候補位置は、基準位置を基準として深さ方向に血管の前壁、血管内腔および後壁を含む範囲の一部または全部における所定の範囲を血管位置として選定する。
血管位置決定部73は、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置に基づき、頚動脈の位置を決定する。具体的には、血管位置決定部73は、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置の輝度信号の信号強度に基づき、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定する。そして、血管位置決定部73は、その判定結果と深さ方向における頚動脈と頚静脈の位置関係に基づき、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置から頚動脈の位置を決定する。より詳細な説明は、以下において行う。
測定領域決定部74は、血管位置決定部73において頚動脈の位置として出力された位置を基準に、IMT測定を行う範囲を規定する測定範囲を決定する。具体的には、測定領域決定部74は、例えば、被検体表面に配置された超音波探触子101の圧電変換素子の配列方向(音響線方向)および深さ方向において、それぞれの所定の長さを有する矩形の領域を画定するための情報、つまり所定の形状および大きさの領域に関する情報を格納している。所定の長さは、ユーザインターフェース2による操作者からの入力によって変更可能であってもよい。測定領域決定部74は、血管位置決定部73で決定された頚動脈の血管位置を基準として、矩形の領域を観測領域内に配置し、測定領域を決定する。したがって、頚動脈の後壁をIMT測定の対象とする場合には、所定の測定領域の深さ方向の長さは、頚動脈の後壁を含む値であることが好ましい。測定領域決定部74は、決定した測定領域の情報をIMT計測部8へ出力する。
IMT計測部8は、測定領域設定部7から出力される測定領域の情報に基づき、測定領域内にある受信信号を解析して、頚動脈の血管壁の内腔内膜境界および中膜外膜境界を検出し、その間の距離を計測することでIMTを算出する。そして、IMT計測部8は、算出された測定領域内の境界間の距離のうち、例えば、最大値(maxIMT)、または平均値(meanIMT)をIMT値として算出する。なお、具体的なIMTの算出手順は、例えば、特許第4829960号などに記述された一般的な方法を用いることができる。なお、本実施形態では、IMT計測を行うタイミングは、心拍情報取得部6の出力である心拍同期信号のタイミングとしている。
表示処理部9は、断層画像処理部5からのBモード画像データを断層画像として表示する処理を行う。また、表示処理部9は、IMT計測部8からのIMT測定結果を表示器102に表示する処理を行う。なお、表示処理部9は、表示器102に表示する断層画像の測定領域内の血流内膜境界および中膜外膜境界を強調表示する処理を行ってもよく、また、断層画像上に測定領域を示す画像を重畳表示する処理を行ってもよい。これらの処理に基づき、表示器102には、断層画像、IMT測定結果等が表示される。
制御部10は、ユーザインターフェース2の指令に応じて、超音波診断装置100全体(制御器1内の各ブロック)を制御する。
以上の構成からなる超音波診断装置100の具体的な動作を、操作者の操作も踏まえて、図3の動作フローチャートを用いて説明する。なお、断層画像処理部5での処理は、一般的な超音波診断装置と同様であるため説明を省略し、頚動脈の血管壁に測定領域を設定し、その測定領域内のIMTを計測する動作について説明する。
ステップ1(S01)では、超音波探触子101を被検体の頸部表面に配置し、送信部3および受信部4の処理により、頚動脈の長軸断面を含む受信信号を逐次取得する。そして、送信部3の送信処理および受信部4の受信処理により、1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得する。これを繰り返すことによって1心拍期間中における複数の画像フレームに対応する受信信号を取得する。
ステップ2(S02)では、心拍情報取得部6が、被検体からの所定のタイミングの心拍同期信号を取得し、測定領域設定部7およびIMT計測部8に出力する。なお、ここでは、前述の通り、心拍情報取得部6は、心拍同期信号としてR波のタイミングを取得する。
ステップ3(S03)では、第1の特性値算出部71が、心拍同期信号のタイミングで取得した深さ方向における各位置の受信信号の信号強度または受信信号に基づき所定の処理が行われた信号に基づき、一般的なパターンマッチング処理により第1の特性値を算出する。なお、ここでは、上述の通り、第1の特性値算出部71は、断層画像処理部5から出力された輝度信号をパターンマッチング処理することで第1の特性値を算出する。
第1の特性値の算出方法の一例を、図4を用いて以下に説明する。
図4(a)は頚動脈の長軸断面を含む断層画像であって、図4(a)中の縦方向が超音波を送信する方向である深さ方向、横方向が音響線方向(音響線の配列方向)を示している。また、図4(b)は、図4(a)で示した断層画像の深さ方向のそれぞれの位置において、所定の範囲の音響線方向の輝度信号を平均化した平均輝度信号を示す図である。第1の特性値算出部71は、この平均輝度信号を用いて第1の特性値を算出する。
図4(c)は、血管位置を検出するための基準パターンである。頚動脈の長軸断面の断層画像は、図4(a)から理解されるように、深さ方向に沿って浅い位置から深い位置にかけて順に前壁201、血管内腔206、後壁202の順に表示される。この場合、図4(b)から理解されるように、前壁201に対応する平均輝度信号は、他の深さ位置における平均輝度信号よりも相対的に強く現れる。そして、血管内腔206の平均輝度信号は、他の深さ位置における平均輝度信号よりも相対的に弱くなる。後壁202に対応する平均輝度信号は、前壁201と同様に他の深さ位置における平均輝度信号よりも相対的に強くなる。これは、深さ方向における血管の特徴的な輝度信号の強度パターンである。
この基準パターンは、図4(c)に示すように、上記のように深さ方向における浅い位置から深い位置にかけて現れる前壁201、血管内腔206、後壁202の頚動脈の特徴的な頚動脈の平均輝度信号の強度パターンに対応している。なお、頚動脈の平均輝度信号の強度パターンに対応するため、図4(c)で示すような基準パターンを用いているが、この基準パターンは、第1の特性値の算出に用いる信号(すなわち、受信信号や受信信号に基づき所定野処理が行われた信号)の頚動脈特有の強度パターンに応じて、適宜変更してもよい。
そして、図4(b)に示す平均輝度信号のそれぞれの深さ位置に対して、図4(c)の基準パターンを用いたパターンマッチングを行うと、図4(d)に示すマッチング係数が求められる。このマッチング係数が、第1の特性値である。パターンマッチングは、基準パターンの深さ方向の中心を平均輝度信号の深さ方向に設定された複数の計測点のそれぞれに一致させ、マッチング係数を求める。求めたマッチング係数を移動加重平均することによって、深さ方向の第1の特性値曲線を作成してもよい。
ステップ4(S04)は、血管候補位置選定部72が、第1の特性値に基づき、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置を選定する。
ステップ3(S03)で求めた第1の特性値(マッチング係数)は、基準パターンにマッチした部分ほど大きな値を示す。すなわち、基準パターンにマッチするほど、その位置が血管らしさを示している位置と評価されるため、血管候補位置選定部72は、そのマッチした位置を血管候補位置として選定することができる。なお、実施の形態1では、血管候補位置選定部72が、最も基準パターンにマッチした位置を基準位置として第1の血管候補位置を選定し、第1の血管候補位置よりも深い位置において最も基準パターンにマッチした位置を基準候補として第2の血管候補位置を選定する構成で説明する。従って、図4(c)で示した基準パターンを用いた場合、血管候補位置選定部72が選定する基準位置は、血管内腔に相当する特定の位置である。
一方、例えば、図4(c)の基準パターンの正負を逆にした基準パターンを用いた場合、上記の説明とは逆に、第1の特性値が最小となる深さを血管候補位置として求めることができる。すなわち、この場合、最も基準パターンにマッチしなかった深さ位置が、頚動脈の血管位置となる。本願においては、血管の前壁、血管内腔および後壁の前記信号強度に対応した基準パターンの正負を逆にした基準パターンを用いた場合にも、第一の特性値が小さい値を示す部分ほど、「マッチした」と言うこととする。
ステップ4(S04)を詳述する。血管候補位置選定部72は、まず、図4(d)の第1の特性値の極大点の中から最も大きい値を示す極大点に対応する深さ位置を基準位置として第1の血管候補位置を選定する。そして、第1の血管候補位置より深い位置に現れる極大点の中で最も大きい値を示す極大点に対応する深さ位置を、基準位置として第2の血管候補位置を選定する。
このように血管候補位置選定部72が、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置とを選定する理由を以下に説明する。
本来であれば、上述の通り基準パターンにマッチした部分は、血管らしさを示す位置と評価される。それゆえ、最も基準パターンにマッチした位置を基準として、一般的な深さ方向における血管の太さ(すなわち、深さ方向における前壁から後壁までの距離)を含む範囲を頚動脈の位置として決定することができる。しかしながら、断層画像上に頚動脈と頚静脈とが表示される画像フレームの受信信号が得られた場合、頚静脈も頚動脈と同じ血管であるがゆえに、同じような血管の特徴的な輝度信号の強度パターンを示してしまう。その結果、頚静脈を頚動脈の位置として誤検出してしまう場合がある。それゆえ、血管候補位置選定部72が第1の血管候補位置と第2の血管候補位置とを選定し、後述するステップの処理により、頚動脈の位置を決定する。
ステップ5(S05)では、血管位置決定部73が、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置とから頚動脈の位置を決定する。具体的には、図5および図6を用いて説明する。
図5(a)は、頚動脈および頚静脈が表示された断層画像であり、この断層画像の平均輝度信号に基づき(図5(b))、所定の基準パターン(図5(c))を用いてパターンマッチングを行うことにより、図5(d)に示す第1の特性値を取得している。一方、図6(a)は、断層画像上に頚動脈のみが表示された画像であり、この断層画像の平均輝度信号に基づき(図6(b))、図5(c)と同じ所定の基準パターン(図6(c))を用いてパターンマッチングをすることにより、図6(d)に示す第1の特性値を取得している。
図5(d)から理解されるように、第1の特性値の極大点の中から最も大きい値を示す極大点が第1の血管候補位置301の基準位置であり、第1の血管候補位置301より深い位置において、最も大きい値を示す極大点が第2の血管候補位置302の基準位置となる。
血管位置決定部73は、第1の血管候補位置301および第2の血管候補位置302のいずれが頚動脈の位置であるかを、第1の血管候補位置301における基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302における基準位置の第1の特性値の比率に基づいて決定する。
具体的には、血管位置決定部73は、第1の条件として所定の第1の閾値を保持している。第1の閾値はたとえば0.9である。血管位置決定部73は、第1の血管候補位置301における基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302における基準位置の第1の特性値の比率を求め、この比率が第1の閾値以上(図5(d)中には「僅差」と表示している。)であれば、第2の血管候補位置に対応する組織は、血管であると判定する。そして、血管位置決定部73は、その判定結果に基づき第1の血管候補位置は頚静脈の位置であり、第2の血管候補位置は頚動脈の位置であると決定する。一方、比率が、第1の閾値より小さければ、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する組織は、血管以外の組織と判定し、第1の血管候補位置が頚動脈の位置であると決定する。
このように頚動脈の位置を決定する理由は以下の通りである。生体における頚動脈および頚静脈の位置の関係上、断層画像上には、必ず深さ方向において、相対的に浅い位置に頸静脈が現れ、相対的に深い位置に頚動脈が現れる。また、頚動脈も頚静脈も同じ血管であるので、算出した第1の特性値は、ほぼ近似した値を示す。したがって、上述のとおり、第1の血管候補位置301における基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302における基準位置の第1の特性値の比率が1に近ければ(2つの第1の特性値が「僅差」)両者は血管であるといる。また、生体の頚動脈と頚静脈の位置関係を考慮すると第2の血管候補位置を頚動脈の位置と決定することができる。
図5(d)では、頚動脈の位置に対応する第1の特性値が、頚静脈の位置に対応する第1の特性値より小さい場合で示した。しかし、断層画像上に頚動脈と頚静脈とが表示される画像フレームの受信信号が得られた場合には、頚動脈の位置に対応する第1の特性値が、頚静脈の位置に対応する第1の特性値より大きい場合もある。この場合においても、上記方法によると、取得した第1の特性値の中で最も大きい値を示す極大点に対応する深さ位置を基準位置として第1の血管候補位置を選定し、第1の血管候補位置よりも深い位置に現れる極大点の中で最も大きい値を示す極大点に対応する深さ位置を基準位置として第2の血管候補位置として選定するので、頚動脈より上にある頚静脈の位置が第1および第2の血管位置の候補となることはない。その結果、血管候補位置選定部72は、筋肉層等の血管以外の他の組織を第2の血管候補位置として選定することとなる。この場合、第2の血管候補位置の第1の特性値は第1の血管候補位置の第1の特性値と比べて小さくなり、2つの第1の特性値の比率は第1の閾値よりも小さくなる。よって、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する組織は、血管以外の組織と判定し、第1の血管候補位置が頚動脈の位置であると決定する。よって、血管候補位置選定部72は、適切に頚動脈の位置を決定することができる。
一方、図6のように断層画像上に頚動脈のみが表示される場合、図6(d)から理解されるように、第1の特性値の極大点の中から最も大きい値を示す極大点が第1の血管候補位置303の基準位置であり、第1の血管候補位置303より深い位置において、最も大きい値を示す極大点が第2の血管候補位置304の基準位置となる。この場合、頚動脈より深い位置にさらに血管は存在しないため、第2の血管候補位置は、筋肉層等の血管以外の他の組織に設定される。
血管位置決定部73は、第1の血管候補位置303の第1の特性値に対する第2の血管候補位置304の第1の特性値の比率を求め、第1の閾値と比較する。図6(d)に示すように、第1の血管候補位置301における基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302における基準位置の第1の特性値の比率が、第1の閾値未満(図6(d)中には「僅差ではない」と表示している。)であるため、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する組織は、血管以外の組織と判定し、第1の血管候補位置を頚動脈の位置として決定する。
このように、断層画像上に頚動脈のみが表示される場合には、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に大きな乖離が生じるため、第2の血管候補位置は、血管の位置ではないと判定され、第1の血管候補位置を頚動脈の位置と決定できる。
なお、血管位置決定部73が保持する第1の閾値は、第1の特性値を算出する受信信号または受信信号に基づく信号、パターンの形状、振幅の大きさ、パターン長といった基準パターンの種類に応じて、適宜設定することができる。
また、実施の形態1においては、血管位置決定部73は、第1の血管候補位置301における基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302における基準位置の第1の特性値の比率に基づき、頚動脈の血管候補を決定するように構成されていた。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、第1の血管候補位置の基準位置の第1の特性値と第2の血管候補位置の基準位置の第1の特性値との差分を求め、差分が第1の閾値よりも大きいか否か基づいて頚動脈の血管候補を決定するように構成されていてもよい。
ステップ6(S06)では、測定領域決定部74が、血管位置決定部73で決定した頚動脈の位置を基準に、あらかじめ格納されていた所定の形状および大きさの領域に関する情報を用い、観測領域内に所定の範囲の測定領域を配置することで血管壁を跨ぐように測定領域を設定する。
具体的には、頚動脈の太さは4〜10mm程度、IMTは最大5mm程度であるから、上端を決定した頚動脈の基準位置とし、あらかじめ決められた縦方向の長さを、例えば10mm程度として、測定領域を設定すればよい。または、決定した頚動脈の位置から深さ方向に向けて閾値処理やパターンマッチングなどを用いて血管壁を検出し、その位置からあらかじめ決められた距離、例えば1mm程度だけ浅い方向を上端とし、あらかじめ決められた高さ、例えば6mm程度の測定領域を設定すればよい。
ステップ7(S07)では、IMT計測部8が、設定した測定領域に基づき、測定領域内のIMT計測を行う。例えば、測定領域内のIMTの最大厚(maxIMT)や平均厚(meanIMT)をIMT値として確定する。
以上のように、実施の形態1で示した本発明の超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法は、断層画像に頚動脈および頚静脈の両方が含まれる場合であっても、頚動脈を含む測定領域をより精度よく決定することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2による超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器について、図面を参照しながら説明する。実施の形態2の超音波診断装置は、頚動脈のIMTを測定するためにより精度良く測定領域が設定可能である。
本実施の形態の超音波診断装置は、実施の形態1とは異なる構成を有する測定領域設定部7を備えている。その他の構成要素は実施の形態1と同一であるため、主として測定領域設定部7を説明する。測定領域設定部7は、図7に示すように第1の特性値算出部71、血管候補位置選定部72、血管位置決定部76、測定領域決定部74および第2の特性値算出部75を含む。
第1の特性値算出部71、血管候補位置選定部72および測定領域決定部74は、実施の形態1の超音波診断装置と同様に構成されている。
第2の特性値算出部75は、第1の血管候補位置の血管内腔に相当する位置の受信信号の信号強度または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度と、血管壁に相当する位置の受信信号の信号強度または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度とに基づき、第2の特性値を算出する。具体的には、第1の血管候補位置の基準位置と、深さ方向において第1の血管候補位置の基準位置から所定の距離だけ離れた位置とにおける、受信信号の信号強度または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度の比あるいは差を第2の特性値として算出する。なお、ここでは実施の形態1同様、第2の特性値算出部75は、輝度信号を用い、第1の血管候補位置の基準位置の輝度と、深さ方向において第1の血管候補位置の基準位置から所定の距離だけ離れた位置の輝度とのコントラスト比を第2の特性値として算出する。第2の特性値算出部75は、2つの位置におけるコントラストの差を第2の特性値として算出してもよい。
また、ここでいう深さ方向において第1の血管候補位置の基準位置から所定の距離離れた位置とは、深さ方向において、第1の血管候補位置を血管内腔の中心とした場合における血管壁に相当する位置である。この所定の距離は、頚動脈の太さが一般的4mm〜10mm程度、IMTが最大5mm程度であるため、これを基準に設定することができる。
血管位置決定部76は、実施の形態1と同様、第1の血管候補位置301の基準位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置302の基準位置の第1の特性値の比率に基づき、頚動脈の位置を決定する。血管位置決定部76は、第1の閾値に代えて、第2、第3及び第4の閾値を保持している。実施の形態1では、求めた比率を所定の第1の閾値と比較することによって頚動脈の位置を決定していたが、実施の形態2は、求めた比率と、第2および第3の条件である第2および第3の閾値を用いて、頚動脈の位置を決定する。
また、血管位置決定部76は、求めた比率と、所定の第2の閾値および所定の第3の閾値を用いて、頚動脈の血管位置を決定できなかった場合、第2の特性値と第4の条件である第4の閾値とを用いて頚動脈の位置を決定する。
以上の構成からなる超音波診断装置100の具体的な動作を、操作者の操作も踏まえて、図8の動作フローチャートを用いて説明する。なお、実施の形態1と同様、断層画像処理部5での処理は、一般的な超音波診断装置と同様であるため説明を省略し、頚動脈の血管壁に測定領域を設定し、その測定領域内のIMTを計測する動作を説明する。
また、本実施の形態における、ステップ1(S101)〜ステップ4(S104)、ステップ6(106)およびステップ7(107)は、それぞれ実施の形態1で説明した図3のステップ1(S01)〜ステップ4(S04)、ステップ6(06)およびステップ7(07)に対応し、これらステップと同様であるので説明を省略する。
ステップ5(S105)では、血管位置決定部76が、第2の閾値と第3の閾値を用いて、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置から頚動脈の位置を決定する。ここで、第2の閾値は、実施の形態1の第1の閾値より大きな値であって、第1の血管候補位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置の第1の特性値の比率が、第2の閾値以上であれば、実験的にほぼ確実に第2の血管候補位置に対応する組織が血管であると決定できる値に設定されている。また、第3の閾値は、実施の形態1の第1の閾値よりも小さい値であって、第1の血管候補位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置の第1の特性値の比率が、第3の閾値以下であれば、実験的にほぼ確実に第2の血管候補位置に対応する組織が血管でないと決定できる値に設定されている。
まず、実施の形態1と同様、血管位置決定部76は、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置のいずれが頚動脈の位置であるかを、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率により決定する。すなわち、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率を求める。比率が、第2の閾値以上であれば、第2の血管候補位置に相当する組織は血管であるので、頚動脈と頚静脈の位置関係により、血管位置決定部76は第2の血管候補位置が頚動脈の位置と決定する。
この場合(図8の「Yes」の場合)、ステップ6(S106)に移行し、実施の形態1と同様、ステップ6(S106)で測定領域を設定し、ステップ7(S107)で測定領域内のIMT計測が行われる。
また、第1の血管候補位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置の第1の特性値の比率が、第3の閾値以下であれば、血管位置決定部76は第1の血管候補位置を頚動脈の位置として決定する。求めた比率が第3の閾値以下であれば、第2の血管候補位置に対応する組織が血管ではないため、頚動脈と頚静脈の位置関係から、第1の血管候補位置を頚動脈の位置として決定することができるからである。
この場合も(図8の「Yes」の場合)、ステップ6(S106)に移行し、実施の形態1と同様、ステップ6(S106)で測定領域を設定し、ステップ7(S107)で測定領域内のIMT計測が行われる。
一方、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率が、第3の閾値より大きく、第2の閾値未満であれば、第1の特性値だけでは第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否か判定できず、頚動脈の位置を正しく決定することができない。よって、この場合(図8の「No」の場合)、ステップ9(S109)に進む。
ステップ9(S109)では、第2の特性値算出部75が、第2の特性値を算出する。第2の特性値の算出方法の一例を、図9を用いて具体的に説明する。
図9は、第1の血管候補位置に対応する組織の断層画像である。図9は、第1の血管候補位置が血管である場合を示している。
まず、第1の血管候補位置において基準位置の輝度を求めるために、第2の特性値算出部75は、深さ方向において血管内腔に収まるように所定の範囲(以下、血管候補位置の所定の範囲305という。)を設定する。そして、音響線方向の輝度信号を平均化した平均輝度信号を、第1の血管候補位置の所定の範囲305内において平均することによって、第1の血管候補位置における基準位置の輝度(平均輝度信号の深さ方向の平均輝度信号)を算出する。頚動脈は一般的に太さが4mm〜10mm程度、IMTが最大5mm程度であるため、これに基づいて血管候補位置の所定の範囲305を適宜設定することができる。
一方、第1の血管候補位置に対応する血管壁の輝度を求めるために、深さ方向において、血管壁(前壁201、後壁202の少なくともいずれか一方)内に収まるように所定の範囲(以下、血管壁の所定の範囲306という。)を設定する。そして、音響線方向の輝度信号を平均化した平均輝度信号を、血管壁の所定の範囲306内において平均することによって、第1の血管候補位置に対応する血管壁の輝度(平均輝度信号の深さ方向の平均輝度信号)を算出する。この場合も、上述の一般的な頚動脈の太さ、IMTの情報と、血管候補位置に基づき、血管壁の所定の範囲306を適宜設定することができる。
次に、算出した第1の血管候補位置の輝度およびその位置に対応する血管壁の輝度からその比率であるコントラスト比を第2の特性値として算出し、その結果を血管位置決定部76に出力する。なお、ここではコントラスト比を算出する構成を示したが、算出した第1の血管候補位置の輝度とその血管に対応する血管壁の輝度との差分であるコントラストを算出する構成であってもよい。
ステップ10(S110)は、血管位置決定部76が、第4の閾値を用いて、第2の特性値に基づき、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置とから頚動脈の位置を決定する。この第4の閾値は、血管内腔と血管壁の輝度のコントラスト比は、血管以外の他の組織と比較して大きいことを利用して適宜設定されるものであって、第1の血管候補位置における第2の特性値が、第4の閾値以上であれば、第1の血管候補位置を実験的にほぼ確実に血管と判定することができる値に設定する。
血管位置決定部76は、算出した第2の特性値が、第4の閾値以上であれば、血管内腔と血管壁の輝度のコントラスト比は、血管以外の他の組織と比較して大きいことから、第1の血管候補位置に対応する組織は血管(すなわち、頚静脈)であると判定し、頚動脈と頚静脈の位置関係から、第2の血管候補位置を頚動脈の位置として決定する。一方、血管位置決定部76は、算出した第2の特性値が、第4の閾値未満であれば、第1の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否か判定できないため、この場合最も第1の特性値が大きい第1の血管候補位置を頚動脈の位置として決定し、ステップ6(106)へ移行する。
その後、実施の形態1と同様、ステップ6(S106)で測定領域を設定し、ステップ7(S107)で測定領域内のIMT計測が行われる。
次に、本実施の形態による超音波診断装置の制御方法において、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率が、第3の閾値より大きく、第2の閾値未満の場合、上述の手順によって、頚動脈に対してより精度良く測定領域が設定できる理由を図10および図11を用いて説明する。
図10および図11は、それぞれ、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率が、第3の閾値より大きく、第2の閾値未満である場合の一例である。この場合、血管位置決定部76は、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否か判定できないので、頚動脈の位置が、第1の血管候補位置か第2の血管候補位置かを決定できない。そのため、血管位置決定部76は、第2の特性値を用いて頚動脈の位置を決定する。
まず、図10の例について説明する。図10(a)は断層画像上に頚動脈および頚静脈が表示された画像であり、図10(b)はこの断層画像の深さ方向における平均輝度信号に基づく強度分布であり、図10(c)は前述同様の基準パターンを用いて移動平均加算することにより得た第1の特性値であり、図10(d)は第2の特性値を示している。上述したように、第2の特性値は、の第1の血管候補位置の基準位置においてのみ求めればよいが、図10(d)には、深さ方向の各位置で求めた値(分布)を示している。
図10(c)に示すように、第1の血管候補位置の第1の特性値に対する第2の血管候補位置の第1の特性値の比率が、実施の形態1で用いた第1の閾値未満ではあるが、その第1の閾値に近い値であった場合(図10(c)には「やや僅差」と表示している)を考える。断層画像上に頚動脈および頚静脈が表示されているため、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置はそれぞれ頚動脈および頚静脈にある。
本来であれば、頚動脈、頚静脈ともに同じ血管であるため、第1の特性値は、僅差でなければならない。しかし、図10の示す例のように、頚静脈の血管壁と血管内腔の輝度のコントラスト比が、頚動脈の血管壁と血管内腔の輝度のコントラスト比より顕著に良かった場合、第1の血管候補位置の第1の特性値が、相対的に高くなってしまう。これにより、第1の血管候補位置の第1の特性値と第2の血管候補位置の第1の特性値とに大きな差がでてしまう。よって、断層画像中(図10(a))に頚動脈と頚静脈とが表示されていたとしても、頚静脈の位置である第1の血管候補位置を頚動脈の位置と誤検出してしまう可能性がある。
しかし、断層画像に表示される血管の血管内腔と血管壁の輝度のコントラスト比は、血管以外の他の組織と比較して大きい。このため、第2の特性値が第4の閾値以上であれば、第1の血管候補位置は血管であり、第1の血管候補位置も第2の血管候補位置も共に血管の位置を検出していると判断でき、頚動脈と頚静脈の位置関係から、第2の血管候補位置を頚動脈の位置として決定することができる。
次に、図11の例について説明する。図11(a)は断層画像上に頚動脈のみが表示され、全体的に多重エコーによるものと思われるノイズの多い画像である。図11(b)はこの断層画像の深さ方向における平均輝度信号に基づく強度分布であり、図10(c)は前述同様の基準パターンを用いて移動平均加算することにより得た第1の特性値であり、図10(d)は第2の特性値を示している。
図11(c)に示すように、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値に対する第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値の比率が、実施の形態1で用いた第1の閾値以上ではあるが、その第1の閾値に近い値であった場合(図11(c)には「やや僅差」と表示している)を考える。断層画像上に頚動脈のみが表示されているため、第1の血管候補位置は頚動脈にあり、第2の血管候補位置は頚動脈以外の組織にある。
本来であれば、頚動脈と筋肉組織等の頚動脈以外の組織とは、組織が異なることから、第1の血管候補位置と第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値は、僅差ではない。しかし、図11に示す例のように、頚動脈全体あるいは内腔にノイズがのることにより、本来、頚動脈の位置である第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値が、相対的に低くなってしまう。これにより、第1の血管候補位置の基準位置における第1の特性値と第2の血管候補位置の基準位置における第1の特性値とが、僅差となってしまう。よって、断層画像中(図11(a))に頚静脈が表示されていなかったとしても、第2の血管候補位置を頚動脈の位置と誤検出してしまう可能性がある。
しかし、算出した第2の特性値が第4の閾値未満であれば、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否か判定できないため、最も第1の特性値が大きい第1の血管候補位置はノイズののった血管であると判定し、第1の血候補補位置を頚動脈の位置として決定する。
このように、実施の形態2で示した本発明の超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法によれば、断層画像に頚動脈および頚静脈の両方が含まれる場合であっても、頚動脈に対し、より精度よく測定領域を設定することができる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3による超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1の超音波診断装置では、血管候補位置選定部72が、第1の特性値算出部71の基準パターンに最もマッチした基準位置に基づき第1の血管候補位置を選定し、第1の血管候補位置よりも深い位置において基準パターンに最もマッチした基準位置に基づき第2の血管候補位置を選定していた。
実施の形態3の超音波装置は、実施の形態1の超音波診断装置と異なる構成を有する血管候補位置選定部72および血管位置決定部73を備える。血管候補位置選定部72および血管位置決定部73以外の構成は、実施の形態1および2と同様であるため、以下では、主として、血管候補位置選定部72および血管位置決定部73の説明を行う。
図13において、図13(a)は図5(a)と同じ断層画像であって、断層画像上に頚動脈および頚静脈が表示された断層画像である。また、図13(b)は図5(b)と同じ平均輝度信号であって、図13(a)の断層画像の平均輝度信号を示している。また、図13(c)は図5(c)と同じ所定の基準パターンであり、図13(d)は図5(d)と同じ第1の特性値であって、図13(c)に示す基準パターンを用いて図13(b)に示す平均輝度信号をパターンマッチング処理することで取得した第1の特性値を示している。
血管候補位置選定部72は、図13(d)中に示しているように予め第1の特性値に対する所定の閾値を有する。そして、血管候補位置選定部72は、第1の特性値算出部71で算出された第1の特性値のうち、所定の閾値を超えた領域において、それぞれ第1の特性値の積分値を算出する。図13(d)では、第1の特性値が、所定の閾値により(i)〜(v)の5つの領域で区切られている例を示している。そして、血管候補位置選定部72は、図13(d)の5つの領域のうち、最も積分値が高い領域に対応する位置を第1の血管候補位置と選定し(図13(d)においては領域(ii))、第1の血管候補位置より深い位置において最も積分値が高い領域を第2の血管候補位置と選定する(図13(d)においては領域(iii))。たとえば、最も積分値が高い領域における深さ方向の中心の位置を第1の血管候補位置と決定し、第1の血管候補位置より深い位置において、最も積分値が高い領域における深さ方向の中心の位置を第2の血管候補位置と決定する。
血管位置決定部73は、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置に基づき、頚動脈の位置を決定する。具体的には、血管位置決定部73は、血管候補位置選定部72で算出した第1の特性値が所定の閾値によって区切られた第1の血管候補位置に対応する積分値および、第2の血管候補位置に対応する積分値(第1の血管候補位置を含む図13(d)の領域(ii)の積分値および第2の血管候補位置を含む図13(d)の領域(iii)の積分値)に基づき、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定する。血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する積分値が、第1の血管候補位置に対応する積分値と比較して、僅差であるか否かかによって、第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する。たとえば、実施の形態1と同様、2つの積分値の比率を求め、その比率が、所定の閾値以上であるか所定の閾値未満であるによって、第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する。そして、血管位置決定部73は、その判定結果と深さ方向における頚動脈と頚静脈の位置関係に基づき、第1の血管候補位置および第2の血管候補位置から頚動脈の位置を決定する。
以上のように、第1の特性値を用いて実施の形態1に係る方法で第1および第2の血管候補位置を選定し、頚動脈の位置を決定する方法だけではなく、本実施の形態で示したように第1の特性値から求められた他の数値を用いることでも第1および第2の血管候補位置を選定し、頚動脈の位置を決定することもできる。
すなわち、本発明は、第1の特性値を用いて選定された血管らしい位置に相当する組織が血管であるか否かを判定し、それに基づき頚動脈の位置を決定することを、実施の形態1および3の例で示しただけであって、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、血管位置決定部73が、第1の血管候補位置に対応する積分値(図13(d)の領域(ii))、第2の血管候補位置に対応する積分値(図13(d)の領域(iii))に基づき、第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定する構成を示したが本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、血管位置決定部73は、第1の特性値の積分値が最も大きい領域(図13(d)の領域(ii))内において、最も第1の特性値が高い位置(すなわち、最も基準パターンにマッチした位置)を第1の血管候補位置と決定し、第1の血管候補位置より深い位置において、最も積分値が高い領域(図13(d)の領域(iii))内の最も第1の特性値が高い位置を第2の血管候補位置と決定してもよい。また、実施の形態1と同様、このように決定した2つの血管候補位置における第1の特性値に基づき第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定し、その判定結果をもって頚動脈の位置を決定する構成としてもよい。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4による超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1〜3では、第1の特性値を用いて頚動脈の位置を決定する構成を示した。
実施の形態4の超音波診断装置は、第1の特性値を用いず、受信信号または輝度信号といった受信信号に基づき所定の処理が行われた信号に対して、所定の閾値を用いて血管候補位置を選定し、頚動脈位置を決定する。なお、実施の形態4においても、受信信号に基づき所定の処理が行われた信号である輝度信号を例で説明する。
実施の形態4の超音波診断装置の測定領域設定部7の構成を図14に示す。図2で示した実施の形態1の測定領域設定部7とは、第1の特性値算出部71を備えていない点が相違する。なお、測定領域決定部74については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
血管候補位置選定部72は、第5の条件として予め輝度信号の信号強度に対する所定の第5の閾値を保持している。この第5の閾値は、適宜定められるものであるが、一般的に血管壁の輝度信号の信号強度は、他の組織の輝度信号の信号強度よりも相対的に大きいため、血管壁の輝度信号の信号強度に基づき相対的に大きい値を設定することが望ましい。
血管候補位置選定部72の血管候補位置の選定方法について、図15を用いて具体的に説明する。図15のうち、図15(a)は図5(a)と同じ断層画像であり、図15(b)は図5(b)と同じ平均輝度信号の分布である。
血管候補位置選定部72は、平均輝度信号の信号強度に対し、第5の閾値を用いて閾値処理を行う。図15(b)示す(A)〜(E)は、血管候補位置選定部72の閾値処理によって、輝度信号の信号強度が、第5の閾値を超えた位置である。なお、実際には、その他にも輝度信号の信号強度が第5の閾値を超えた位置があるが、説明の兼ね合いから(A)〜(E)の5箇所で説明することにする。また、5の閾値を超えた位置が連続する領域である場合には、その連続する領域の深さ方向における中心を「第5の閾値を超えた位置」と定義する。 血管候補位置選定部72は、第5の閾値を超えた(A)〜(E)の位置のうち、深さ方向において、それぞれ隣接する位置間の距離を計測する。すなわち、図15(b)の深さ方向における(A)−(B)間、(B)−(C)間、(C)−(D)間および(D)−(E)間の距離を計測する。
そして、血管候補位置選定部72は、計測した(A)−(B)間、(B)−(C)間、(C)−(D)間および(D)−(E)間の距離のうち、最も距離が長い(C)−(D)間の距離に相当する位置を第1の血管候補位置として選定する。たとえば、深さ方向における位置(C)および位置(D)の中心を第1の血管候補位置と決定する。そして、血管候補位置選定部72は、第1の血管候補位置よりも深さ方向において深い位置において、最も距離が長い(D)−(E)間を第2の血管候補位置として選定する。たとえば、同様に、深さ方向における位置(D)および位置(E)の中心を第2の血管候補位置と決定する。
血管の輝度信号には、深さ方向に沿って前壁、血管内腔、後壁が順に現れ、前壁と後壁に相当する輝度信号の信号強度は、他の組織よりも相対的に大きく、血管内腔は他の組織よりも相対的に小さい。したがって、平均輝度信号の深さ方向の分布において、2つの輝度の高い位置が離れている部分は血管であると判断できる。
血管位置決定部73は、第6の条件として予め輝度信号の信号強度に対する所定の第6の閾値を保持している。この第6の閾値は、適宜定められるものであるが、一般的に血管内腔の輝度信号の信号強度は、他の組織の輝度信号の信号強度よりも小さいため、血管内腔の輝度信号の信号強度に基づき相対的に小さい値を設定することが望ましい。
血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する平均輝度信号の信号強度に対し、第6の閾値を用いて閾値処理を行い、予め備えた所定の第7の閾値を用いて頚動脈の位置を決定する。
具体的に図15(b)を用いて説明すると、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置の血管口腔に相当する位置である(D)−(E)間平均輝度信号の信号強度のうち、第6の閾値を下回った範囲(距離)について、予め備えた第7の閾値を用いて、第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する。なお、ここでは血管位置決定部73が、第7の閾値を用いて、第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する構成を示しているが、第1の血管候補位置も血管であるか否かを判定する構成であってもよい。すなわち、血管位置決定部73は、第7の閾値を用いて少なくとも第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する構成であればよい。
たとえば、第7の閾値は、血管候補位置選定部72で選定された血管候補位置のうち、第6の閾値を下回った箇所(1乃至複数存在する。)に相当する距離が、一般的な頚動脈の血管内腔の深さ方向における距離として許容できる値に設定される。したがって、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置の第6の閾値を下回った箇所に相当する距離が、第7の閾値よりも大きければ、第2の血管候補位置は血管であると判定する。
図15(b)の例においては、第2の血管候補位置のうち、第6の閾値を下回った箇所(1乃至複数存在する。)に相当する距離が、第7の閾値を上回った例であって、この場合、血管位置決定部73は、頚動脈と頚静脈の位置関係により、第2の血管候補位置を頚動脈と決定する。
一方、第2の血管候補位置が血管ではなく、他の組織である場合については、第2の血管候補位置の血管内腔に相当する平均輝度信号の信号強度が、そもそも第6の閾値を下回ることがない、または、第6の閾値を下回ったとしても、血管内腔のように深さ方向において一定の距離で相対的に輝度信号が低い部分が存在しないため第7の閾値を上回ることはない。したがって、血管位置決定部73は、第2の血管候補位置に対応する組織は血管ではないと判定し、第1の血管候補位置を頚動脈と決定する。
以上のように、実施の形態4の超音波診断装置では、いわゆる閾値処理を用いて第1の血管候補位置および第2の血管候補位置を選定し、第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定することにより、頚動脈の位置を決定する。この点からも理解されるように、本発明は、受信信号または受信信号に基づき所定の処理が行われた信号の信号強度から、血管らしい信号強度を示す少なくとも2つの血管候補位置を選定し、その2つの血管候補位置から頚動脈(あるいは頚静脈でも可能)の位置を決定することを要旨とするものである。したがって、実施の形態1〜4で示した実施例に限定されるものではない。
本願に開示された超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置の制御器によれば、頚動脈に適切に測定領域を設定することができる。その結果、正確なIMT計測を実現することができる。
1 制御器
2 ユーザインターフェース
3 送信部
4 受信部
5 断層画像処理部
6 心拍情報取得部
7 測定領域設定部
8 IMT計測部
9 表示処理部
10 制御部
71 第1の特性値算出部
72 血管候補位置選定部
73、76 血管位置決定部
74 測定領域決定部
75 第2の特性値算出部
100 超音波診断装置
101 超音波探触子
102 表示器
201 前壁
202 後壁
203 内腔内膜境界
204 中膜外膜境界
205 内中膜複合体厚
206 血管内腔
301、303 第1の血管候補位置
302 304 第2の血管候補位置
305 血管候補位置の所定の範囲
306 血管壁の所定の範囲

Claims (17)

  1. 圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置であって、
    前記超音波探触子から前記頚動脈を含む被検体に超音波を送信するための送信信号を生成するように構成された送信部と、
    前記超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得するように構成された受信部と、
    前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定するように構成された血管候補位置選定部と、
    前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定するように構成された血管位置決定部と、
    決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定するように構成された測定領域決定部と、
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記血管位置決定部は、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であると判定すれば、前記第2の血管候補位置を前記頚動脈の位置と決定し、前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管ではないと判定すれば、前記第1の血管候補位置を前記頚動脈の位置と決定する、請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記深さ方向における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を、予め備えた所定の基準パターンを用いてパターンマッチング処理を行うことで前記深さ方向の各位置における第1の特性値を算出するように構成された第1の特性値算出部を備え、
    前記血管候補位置選定部は、前記第1の特性値に基づき前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置を選定する、請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値および前記第2の血管候補位置における第1の特性値に基づき、前記第2の血管候補位置における組織が血管であるか否かを判定する、請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値に対する前記第2の血管位置候補位置における第1の特性値の比率または差分が、予め備えた所定の第1の条件を満たすか否かを判定し、
    前記比率または前記差分が、前記所定の第1の条件を満たせば、前記第2の血管候補位置における組織が血管であると判定し、前記所定の第1の条件を満たさなければ、前記第2の血管候補位置における組織が血管ではないと判定する、請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記血管位置決定部は、前記第1の血管候補位置における第1の特性値に対する前記第2の血管位置候補位置における第1の特性値の比率または差分が、予め備えた所定の第2の条件および第3の条件を満たすか否かを判定し、
    前記比率または前記差分が、前記所定の第2の条件を満たせば前記第2の血管候補位置における組織が血管であると判定し、前記所定の第3の条件を満たせば、前記第2の血管候補位置における組織が血管ではないと判定する、請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 第2の特性値算出部をさらに備え、
    前記第2の特性値算出部は、前記比率または前記差分が、前記第2の条件および前記第3の条件のいずれも満たさなかった場合、前記第1の血管候補位置において、血管内腔に相当する位置の受信信号または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度と、血管壁の前壁または後壁の少なくとも一方に相当する受信信号の信号強度または受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度とに基づき第2の特性値を算出する、請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記血管位置決定部は、前記第2の特性値が予め備えた所定の第4の条件を満たすか否かを判定し、前記第2の特性値が前記第4の条件を満たせば、前記第1の血管候補位置に対応する組織は血管であると判定し、前記第4の条件を満たさなければ、前記第1の血管候補位置に対応する組織は血管ではないと判定する、請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記所定の基準パターンは、前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度の前記深さ方向に沿って前記血管が示す信号強度パターンに基づき設定されたものである、請求項3から8のいずれかに記載の超音波診断装置。
  10. 前記信号強度パターンは、前記深さ方向に沿って前記血管の前壁、血管内腔および後壁が示す信号強度パターンである、請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記血管候補位置選定部は、第5の条件として血管壁の前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき設定された所定の第5の閾値を備え、
    前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を前記第5の閾値で閾値処理を行い、
    前記深さ方向において前記閾値処理により前記第5の閾値を超えた各々の位置に対し、第1の位置と前記第1の位置に隣接する第2の位置との距離を計測し、
    前記計測した距離のうち、最も距離が長い前記第1の位置および前記第2の位置間を第1の血管候補位置として選定し、
    前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も距離が長い前記第1の位置および前記第2の位置間を第2の血管候補位置として選定する、請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  12. 血管位置決定部は、第6の条件として血管内腔の前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき設定された所定の第6の閾値を備え、
    前記第2の血管候補位置に相当する前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度を前記第6の閾値で閾値処理を行い、
    前記第6の閾値を下回った前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度の深さ方向の距離に基づき前記第2の血管候補位置が血管であるか否かを判定する、請求項11に記載の超音波診断装置。
  13. 前記受信信号から所定の処理が行われた信号は、前記受信信号の信号強度に対応した信号強度を示す信号である、請求項1から12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  14. 前記受信信号から所定の処理が行われた信号は、前記受信信号の信号強度に基づき変換された輝度信号または、前記受信信号から前記輝度信号を生成する過程の信号である、請求項13に記載の超音波診断装置。
  15. 前記所定の計測として、前記測定範囲内の受信信号に基づきIMT計測を行うように構成されたIMT計測部をさらに備えた、請求項1から14のいずれかに記載の超音波診断装置。
  16. 圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置の制御方法であって、
    超音波を送信するための送信信号を生成する工程Aと、
    前記超音波探触子が受信した、前記頚動脈を含む被検体からの前記超音波のエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得する工程Bと、
    前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定する工程Cと、
    前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定する工程Dと、
    決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定する工程Eと、を含む超音波診断装置の制御方法。
  17. 圧電変換素子を有する超音波探触子と接続可能に構成され、頚動脈に対して所定の計測を行う超音波診断装置の制御器であって、
    前記超音波探触子から前記頚動脈を含む被検体に超音波を送信するための送信信号を生成するように構成された送信部と、
    前記超音波探触子が受信したエコー信号に基づき1枚の画像フレームに対応する複数の受信信号を取得するように構成された受信部と、
    前記超音波の送信方向である深さ方向の各位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき、前記深さ方向において、最も血管らしさを示した位置を第1の血管候補位置と選定し、前記第1の血管候補位置よりも深い位置で最も血管らしさを示した位置を第2の血管候補位置として選定するように構成された血管候補位置選定部と、
    前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置における前記受信信号の信号強度または前記受信信号から所定の処理が行われた信号の信号強度に基づき前記第2の血管候補位置に対応する組織が血管であるか否かを判定し、その判定結果と前記深さ方向における前記頚動脈と頚静脈の位置関係に係る情報に基づき、前記第1の血管候補位置および前記第2の血管候補位置のいずれか一方を前記頚動脈の位置と決定するように構成された血管位置決定部と、
    決定した前記頚動脈の位置に基づき前記頚動脈に対して前記所定の計測を行う測定領域を設定するように構成された測定領域決定部と、
    を備えた超音波診断装置の制御器。
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