JPWO2013179409A1 - 大迫天井構造 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炉内温度が1650℃前後となるようなガラス溶解炉においても炉内ガスの漏出を有効に防止できるガラス溶解炉に好適な大迫天井構造を提供する。ガラス溶解炉の炉内側に、複数個の耐火ブロック2aをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層2と、耐食層2の耐火ブロック2aの上層に配置された複数個の断熱ブロック3aと、少なくとも耐火ブロック2aの目地を覆うように設けられた緻密質不定形耐火物3bと、緻密質不定形耐火物3bの上に積層され、前記断熱ブロックと前記緻密質不定形耐火物とで形成される空間を埋めるように設けられた軽量断熱不定形耐火物3cと、を有するガスリーク遮断層3と、を有する大迫天井構造1。

Description

本発明は、ガラス溶解炉等に用いる大迫天井構造に係り、特に、耐火ブロックの上層に、断熱ブロックを含むガスリーク遮断層を設けた、ヴォールト形状の大迫天井構造に関する。
ガラス溶解炉は、ガラスを溶解させるため炉内が非常に高温になり、その炉壁、天井等は内面側に炉内温度に耐性を有する耐火レンガにより構成し、さらに、その外層に断熱構造を設けることで炉内の熱を外部に放出しないようにしている。
例えば、溶解層の上部構造を、テーパー形状の緻密質なケイ石レンガで大迫形状に構築し、そのケイ石レンガの上部には、ガスリークを防止するために、機密性のシール構造として、緻密質のケイ石レンガを1層から2層に積層し、積層したレンガをシリケート質の接着剤で繋ぎ、さらのその上部に、周知の方法で施工した断熱層(例えば、断熱レンガやセラミックスファイバー等)を設けたガラス窯の大迫構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、環境負荷の低減が望まれており、さらに、溶融するガラスの特殊化により溶融温度が高温化する傾向にあり、環境負荷に優れた、酸素燃焼によるガラス溶解炉が増加した。この酸素燃焼によるガラス溶解炉では、火炎温度が上昇し、ガラス溶解室の上部構造もより高温に晒される。
ここで、酸素燃焼とは、バーナーの支燃性ガスに、酸素、あるいは酸素濃度を高めたガスを用いた燃焼のことをいい、通常の空気燃焼に比較して、燃焼効率の向上、火炎温度の上昇、排ガス量の低減、窒素酸化物の低減、二酸化炭素の低減などの多くの優れた利点がある。
この酸素燃焼のような非常に高温となるガラス溶解炉において、上記したシリカ質の断熱質不定形耐火物の積層構造を適用する場合、炉内温度が、1650℃前後もの高温となるため、シリカのクリープ変形や反応損傷が起こり、十分な寿命が得られないなどの問題があり、新規な大迫天井の断熱炉壁構造が求められていた。
そこで、このような操業の過酷化にともなって、耐熱性、耐食性などに問題があるケイ石質レンガに代えて、電鋳レンガ製のブロック(以下、電鋳レンガブロックと略す)を使用した大迫構造への変更も検討されている。ここで、電鋳レンガブロックの材質としては、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、ジルコニア質などの耐火性を有するものから適宜選定され、このような電鋳レンガブロックは、1650℃前後の高温においても安定して使用できる。さらに、電鋳レンガブロックを使用した大迫構造では、その上部に、耐火レンガ、断熱レンガ、セラミックスファイバーを積層し、断熱性を高め放散熱量を低減する必要がある。
しかし、これらの電鋳レンガブロックは、一般にケイ石レンガより比重が大きく、単にケイ石レンガを置き換えるだけでは大迫天井構造全体の質量が増えて、天井構造を支える構造を堅牢にする必要がある。そのため、原価面で不利となる課題がある。さらに、大迫天井構造の断熱性が不十分であるとガラス溶解炉全体の熱エネルギーの効率が低下し、原価面で不利となる。したがって、酸素燃焼のような高温操業にも対応できる大迫天井構造としては、耐熱性・耐食性以外に軽量性と断熱性の観点も重要となる。
国際公開第02/08128号パンフレット
一般に、大迫天井構造は、図4A及び図4Bに示した形状、いわゆるヴォールト形状に形成されている。そして、ガラス溶解炉における大迫天井構造は、その炉内面側に耐火ブロック等を組み上げた耐食層52と、その耐食層52の外表面にさらに、断熱層53と、で構成されている。ここで、図4Aは、従来の大迫天井構造を長手方向から見た正面図、図4Bは大迫天井構造を上方から見た平面図である。
しかしながら、大迫天井構造とした耐火ブロックは、冷間時に組み上げた際はきれいに整列しているが、熱上げ時の膨張により上部へ盛り上がってしまう。すなわち、図5A及び図5Bは、図4Aの大迫天井構造の頂部を拡大して示した図であるが、図5Aがガラス溶融炉の操業前(熱上げ前)、図5Bが操業後(熱上げ後)の模式図である。ここで示しているように、耐食層52及び断熱層53を構成する各ブロック52a、53aは、それぞれ操業後には、高温に加熱されるため膨張し、上部に盛り上がってしまい、耐火ブロック52aの接合部に隙間が生じる。さらに、耐火ブロック52aの盛り上がりにより、その上部に積層した断熱ブロック53a等の間には、さらに大きな隙間ができてしまう。
なお、耐火ブロック52aは、両端に荷重の押さえ金物(図示していない)があり、熱上げ後に耐火ブロック52aの目地が開かないように調整するが、その場合においても、耐火ブロック52a、断熱ブロック53a共に、厚さ方向の温度差が生ずるため、厚さ方向の熱膨張量の差や熱膨張率の違いにより、耐火ブロック52aの目地や、特に、断熱ブロック53aの目地が開いてしまう。
このように、各ブロック間に隙間ができてしまうと、溶解炉内は通常、正圧であるため、ガラス由来の揮発ガスがブロック間の隙間を通り、炉外へ飛散してしまう。このとき、大迫天井構造の最外層によく設けられるセラミックファイバー層は通気性を有するため、ガスの外部への飛散を防止する作用はない。
このように、炉内ガスが炉外へ漏れてしまうと、ガスとの接触により断熱レンガやセラミックスファイバーが侵食され寿命が短くなる、放散熱量が増えるため省エネ効果が得られない、環境負荷を増大させる、などの問題があった。
そこで、本発明は、従来の技術を改善し、ガラス溶解炉において、炉内ガスの漏出を有効に防止できる大迫天井構造の提供を目的とする。さらに、本発明は、炉内ガスの漏出を有効に防止しながら、軽量性と断熱性にも優れ、酸素燃焼のような高温操業にも好適な大迫天井構造の提供も目的とする。
本発明の大迫天井構造は、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個の耐火ブロックをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層と、前記耐食層の前記耐火ブロックの上層に配置された複数個の断熱ブロックと、少なくとも前記耐火ブロックの目地を覆うように設けられた緻密質不定形耐火物と、前記緻密質不定形耐火物の上に積層され、前記断熱ブロックと前記緻密質不定形耐火物とで形成される空間を埋めるように設けられた軽量断熱不定形耐火物と、を有するガスリーク遮断層と、を有することを特徴とする。
ガスリーク遮断層は、上記断熱ブロックが、耐火ブロックよりも小さい平面形状を有することが好ましい。断熱ブロックが軽量(例えば、嵩比重が1.2以下)、かつ、断熱性に優れている(例えば、熱伝導率が0.7W/(m・K)以下)ことがさらに好ましい。
本発明によれば、ガラス溶解炉において、炉内ガスの漏出を効果的に防止できる。炉内ガスの漏出を防止することによって、大迫天井構造の寿命を長く保持でき、放散熱量を抑制し省エネルギー化、天井構造の軽量化ができ、さらに、揮発ガスの炉外への流出を防止し環境負荷を増大させない。
また、本発明によれば、ガスリーク遮断層が、断熱ブロックと、断熱不定形耐火物と、直接ガスリークを遮断する機能を担う緻密質不定形耐火物と、で構成され、上記断熱ブロックと上記断熱不定形耐火物とを、軽量(例えば、嵩比重が1.2以下)で、かつ、断熱性に優れている(例えば、熱伝導率が0.7W/(m・K)以下)材料とすることにより、耐ガスリーク性以外に、軽量性、断熱性にも優れた大迫天井構造を提供でき、その大迫天井構造を採用したガラス溶解炉により、酸素燃焼のような高温操業に好適なガラス溶解炉が提供可能となる。
さらに、緻密質不定形耐火物と断熱ブロックとで形成される空間を軽量断熱不定形耐火物で埋めるため、すなわち、断熱ブロック間を軽量断熱不定形耐火物で結合して形成するため、ガスリーク遮断層を一体的に構成でき気密性に優れる。上記軽量断熱不定形耐火物を熱間で現場施工することで、気密性を更に上げることができる。
本発明の大迫天井構造を模式的に示した正面図である。 図1Aの大迫天井構造を模式的に示した平面図である。 本発明の一実施形態である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図である。 図2Aの大迫天井構造の円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図である。 本発明の他の実施形態である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図である。 図3Aの大迫天井構造の円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図である。 従来の大迫天井構造を模式的に示した正面図である。 図4Aの大迫天井構造を模式的に示した平面図である。 従来の大迫天井構造の熱上げ前の頂部を、模式的に示した部分拡大断面図である。 図5Aの大迫天井構造の熱上げ後の頂部を、模式的に示した部分拡大断面図である。
以下、本発明の大迫天井構造について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明の大迫天井構造は、上記のとおり、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個の耐火ブロックをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層と、上記耐食層の外表面に、少なくとも上記耐火ブロックの目地を覆うように設けられた緻密質不定形耐火物を有するガスリーク遮断層と、を有する。具体的には、図1A及び図1Bに示したように、ヴォールト形状に形成した耐食層2と、該耐食層2の外表面に設けられたガスリーク遮断層3と、で構成される大迫天井構造1である。
ここで、ヴォールト形状とは、アーチ形状を水平方向に押出して形成したもので、いわゆるかまぼこ型の形状である。本明細書では、このヴォールト形状における、アーチ(円弧)を形成している方向を円周方向と呼び、アーチ形状を水平方向に伸ばした方向を長手方向と呼ぶ。
ここで、耐食層2は、耐火ブロック2aをヴォールト形状に形成して構成する。使用する耐火ブロック2aは、耐火性およびガラス蒸気に対する耐食性を有する公知の耐火ブロックが挙げられ、例えば、シリカ質、ムライト質、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、ジルコニア質などの材質からなる耐火ブロックが挙げられる。なお、本明細書では、シリカ質とはSiOを主成分とする意味で使用し、ムライト質等も同様の意味で使用する。ただし、主成分とは成分を内掛け表示としたときに、含有量(アルミナ・ジルコニア・シリカ質のような場合にはAl、ZrO、及びSiOの合計)が50質量%以上のものをいう。なお、本明細書において、耐火物中の化学成分の含有量は全て内掛け表示で示す。
ここで用いられる耐火ブロック2aは、適用するガラス溶解炉の操業条件により適宜選択すればよく、背景技術で記載したような酸素燃焼によるガラス溶解炉の場合には、耐火温度、耐食性の高い電鋳レンガブロックが好ましく、特に、アルミナ・ジルコニア質の電鋳レンガブロックが好ましい。
耐食層2は、ヴォールト形状であるため、重力により自立して一体的に構成される。このとき、ブロック間は特に何も設けなくてもよいが、隙間が大きく開かないようにブロック同士の接触部分は滑らかに、そして、隣接したブロック同士が対応した形状に形成しておく。
また、ガスリーク遮断層3は、耐食層2の外表面に設けられ、少なくとも耐火ブロック2aの目地を覆うように設けられた緻密質不定形耐火物を有する。ここで、緻密質不定形耐火物は、耐火ブロックの目地部分を覆うように設けられているため、炉内ガスの目地の隙間からのリークを抑制できる。また、この緻密質不定形耐火物によりガスリーク遮断層を、耐食層2の外表面に一体的に、かつ、気密に形成すれば、耐火ブロックの膨張による上方への盛り上がりによっても、従来の断熱層のように、断熱ブロック間の隙間が大きく空いてしまうようなことがない。したがって、ガスリークを有効に防止でき、また、炉内の熱や、ガス成分が外部に漏出するのを防止できる。そのため、エネルギーコストを低減でき、かつ、環境負荷の増大も抑制できる。
本発明の特徴の一つは、ガスリーク遮断層の機能をガスリーク遮断機能と断熱機能とに分け、基本的に、目地部分でガスリーク遮断機能を担い、それ以外の部分で断熱機能を担う構成にした点にある。すなわち、上記緻密質不定形耐火物の部分は、ガスリーク遮断機能を担う部分であり、上記耐熱ブロック等の断熱材料で構成される部分は断熱機能を担う部分である。以下では、この点を具体的な態様でさらに説明していく。
ガスリーク遮断層3の具体的な構成の一例を、図2A及び図2Bに示した。図2A及び図2Bは、共に、図1の大迫天井構造1の頂部を部分的に拡大して示した断面図である。ここで、図2Aは長手方向から見た断面図であり、図2Bは円周方向から見た断面図である。
このガスリーク遮断層3は、耐火ブロック2aの各外表面に配置された、耐火ブロック2aよりも小さい平面形状を有する断熱ブロック3aと、断熱ブロック3a間の間隙に設けられた緻密質不定形耐火物3bと、断熱ブロック3a間の間隙に設けられ、緻密質不定形耐火物3bの上部に積層された軽量断熱不定形耐火物3cと、から構成されている。ここで、断熱ブロック3aは、緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cとが、断熱ブロック3a同士を結合するように設けられガスリーク遮断層3を形成する。このように形成されたガスリーク遮断層3は、その全体が一体的に形成されるため気密性に優れる。
ここで使用する断熱ブロック3aは、軽量断熱不定形耐火物から形成される。この軽量断熱不定形耐火物は、110℃における嵩比重が1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。また、この軽量断熱不定形耐火物は、1000℃における熱伝導率が0.7W/(m・K)以下であると好ましく、0.6W/(m・K)以下がより好ましい。なお、本明細書において、不定形耐火物とは、不定形耐火物用粉体組成物を施工して得られたものをいう。不定形耐火物用粉体組成物としては、特に制限されないが、骨材と、結合材と、耐火性微粉とを含むものが基本的なものとして挙げられる。
このような軽量断熱不定形耐火物としては、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質などが使用できるが、耐熱性と、ガラスへの耐食性の点で、アルミナ・ジルコニア質が好ましく、アルミナ・ジルコニア質としては、AlとZrOを合わせた含有量が内掛表示で、80質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上含有する耐火物であるとより好ましい。
この軽量断熱不定形耐火物の骨材として、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア質の中空粒子を添加することで、さらなる軽量性を得ることができ、特に、アルミナ・ジルコニア質であって、ZrOを耐火物中に35質量%以下含んだ中空粒子が好適に使用できる。なお、軽量断熱不定形耐火物の結合材としては、周知の、アルミナセメントなどが好適に使用できる。
断熱ブロック3aは、大迫天井構造の断熱効果を高め、それによって炉内の熱を外部に逃がさないようにしているため、エネルギーロスを低減できる。また、この断熱ブロック3aの質量は、断熱材のなかでも比較的軽量で、耐火ブロックの目地以外の部分(ガスリークの発生する可能性が低い部分)は、その大部分をこの断熱ブロック3aとできる。ガスリーク遮断層3のうち、この断熱ブロック3aのように嵩密度が小さく、熱伝導率の低い素材とすれば、天井自体の質量を軽量化でき、炉を構築する際に、支える質量が軽くなるため、炉の製造コストを低減できる。
この実施形態において、断熱ブロック3aは上記のとおり、耐火ブロックの目地以外の部分に設ければよく、その配置関係を満たせば、製造方法や配置方法は特に限定されるものではない。すなわち、断熱ブロック3aは不定形耐火物により形成されることが好ましく、予めブロック状に成形(プレキャスト)および乾燥しておき、それをヴォールト形状にした耐火ブロックの上に載置、固定してもよいし、ヴォールト形状にした耐火ブロックの上に、吹付け、流し込み、小手塗り、スタンピング等で所望の位置、形状となるように後から形成してもよい。
ここで使用する断熱ブロック3aは、使用する耐火ブロックの大きさやその外表面にどのように断熱ブロック3aを配置させるか等の条件に応じて、適宜所望の大きさとできる。また、図2A及び図2Bでは、断熱ブロック3aを1つのものとして記載しているが、これを複数に分割して配置し、全体としてひと固まりの断熱ブロック3aとしてもよい。
また、緻密質不定形耐火物3bは、緻密な組織を構築し、ガスリークを確実に遮断する不定形耐火物で形成される。この緻密質不定形高物3bは、その嵩比重が110℃で3.0以上であると好ましく、3.1以上がより好ましい。
このような緻密質不定形耐火物としては、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質などが使用できる。この耐火物としては、ガスリークを完全に遮断するために、より緻密とするのが望ましく、アルミナ質や、アルミナ・ジルコニア質であって、周知のローセメントキャスタブルとし、添加水量が、ローセメントキャスタブルに対して外掛で6質量%以下が好ましく、より好ましくは5.5質量%以下とすることで、高い比重と、緻密なガスリーク遮断層が形成できる。さらに、ガラス蒸気との反応にも強い成分が好ましく、その場合には、アルミナ質とし、Al含有量を耐火物中に、85質量%以上、より好ましくは、90質量%以上含有する耐火物とする。
また、軽量断熱不定形耐火物3cとしては、110℃における嵩比重が1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。また、この軽量断熱不定形耐火物は、1000℃における熱伝導率が0.7W/(m・K)以下であると好ましく、0.6W/(m・K)以下がより好ましい。
軽量断熱不定形耐火物としては、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質などが使用できるが、耐熱性と、ガラスへの耐食性の点で、アルミナ・ジルコニア質が好ましく、アルミナ・ジルコニア質としては、AlとZrOを合わせた含有量が内掛表示で、80質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上含有する耐火物であるとより好ましい。
この軽量断熱不定形耐火物の骨材として、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア質の中空粒子を添加することで、さらなる軽量性を得ることができ、特に、アルミナ・ジルコニア質であって、ZrOを耐火物中に35質量%以下含んだ中空粒子が好適に使用できる。なお、軽量断熱不定形耐火物の結合材としては、周知の、アルミナセメントなどが好適に使用できる。
軽量断熱不定形耐火物3cと上記断熱ブロック3aを構成する軽量断熱不定形耐火物とは、異なった組成でもよいが、同一組成であると熱特性が一致する、製造しやすくなる、等の点でより好ましい。
ここでは、緻密質不定形耐火物3bとそれで固定化された断熱ブロック3a間で形成される空間を埋めるように軽量断熱不定形耐火物で、断熱ブロック3a同士をさらに結合して、ガスリーク遮断層3の気密化、一体化を確保する。なお、軽量断熱不定形耐火物3cは、現地の施工条件により、特に熱間及び冷間のパッチング、小手塗り施工で水量を低めにすると、断熱ブロック3aよりも、わずかに比重や熱伝導率が上昇するが、問題ない
ここで形成される緻密質不定形耐火物3bの厚さは、3〜8cmが好ましい。厚さが3cm以上あると十分なガスリーク遮断性能を確保でき、8cm以下であると、天井構造自体の質量を不必要に重くせず、軽量化が図れる。
なお、大迫天井構造1は、耐火ブロック2aが重力による迫構造で自立させてなる基本構造を有し、図示していないが、大迫天井構造1の端部に設けられたブロック受け構造により大迫天井構造の全体を支えて構成される。
次に、第1の実施形態の大迫天井構造について、その製造方法を説明する。まず、図1Aに示しているように耐火ブロック2aをヴォールト形状に組み上げて大迫天井構造の基礎となる耐食層2を構築する。
次に、断熱ブロック3aを耐火ブロック2aの目地にかからないように、外表面に配置する。このとき、断熱ブロック3aはモルタル等により耐火ブロック2aの表面に固定してもよいし、図示しないが、断熱ブロック3a間の間隙分の大きさを有する耐火レンガ等からなるスペーサーブロックを使って、傾斜部分においても配置位置を決定できるようにして、下方から上方に向かって、順番に積み上げてもよい。
また、断熱ブロック3aを、吹付け、流し込み、小手塗り、スタンピング等により形成する場合には、所望の位置に断熱ブロック3aが配置されるように、耐火ブロック2aの表面に形成すればよい。
次に、断熱ブロック3a間の間隙に、緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cとを、この順番に積層して、断熱ブロック3a同士を結合させる。このとき、いずれの不定形耐火物も、その不定形耐火物を形成する粉体組成物を、吹付け、流し込み、小手塗り、スタンピング等により、断熱ブロック3a間の間隙を埋めて形成すればよい。これら不定形耐火物はまずは下層である緻密質不定形耐火物3bを施工し、3bが固化してから、次の軽量断熱不定形耐火物3cを形成する。
ここで、緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cの形成は、冷間施工でも熱間施工でもいずれでも可能であるが、耐火ブロック等の加熱による膨張の影響を少なくするために熱間施工とするのが好ましい。熱間施工は、耐火ブロック2aが十分に熱膨張し、断熱ブロック3aの隙間が開いた状態で施工するので、ガラス溶解炉の運転中は、ガスリーク遮断層3に熱応力や亀裂が発生しにくく好ましい。なお、熱間施工をする場合は、冷間施工よりも比重や熱伝導率が変化するので十分に特性変化を考慮して設計を行う。
ただし、実際には、緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cの形成は、人間の手によって行われるため、全てを熱間で行うと作業効率や安全性の点で劣るため、一部を冷間施工とし、残部を熱間施工としてもよい。
例えば、(図2Aで示している)円周方向の間隙に形成する緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cは、冷間でそれぞれの不定形耐火物を、流し込み施工又は小手塗り施工をし、(図2Bで示している)長手方向の間隙に形成する緻密質不定形耐火物3bと軽量断熱不定形耐火物3cは、ガラス溶解炉を熱上げ後に施工する。
熱上げ後の施工は、炉壁が高温で、耐食層の外表面が約500℃にもなり、高熱作業になるので流し込み施工が好ましく、頂部より充填すると傾斜により自重で速やかに広がり充填され、所定厚さとなるように形成するのが好ましい。所定厚さとした後は、熱上げしているため、温度上昇による硬化が自然に進んでいく。
なお、円周方向では、ガラス溶解炉を熱上げしたとき、耐火ブロック2aの膨張による影響が大きいので、緻密質不定形耐火物3bおよび軽量断熱不定形耐火物3cのうち、特に、頂部付近の断熱ブロック3a、例えば、円周方向の最上部の断熱ブロックの両端の間隙については熱上げ後の施工が好ましい。この部分を熱上げ後に流し込み施工、小手塗り施工、パッチング施工等により施工すると、耐火ブロック2aの膨張を効率よく緩和できる。
また、長手方向においては、ガラス溶解炉を熱上げしたとき、耐火ブロック2aの膨張による影響を緩和するため、断熱ブロック3aの間隙全てを熱上げ後に施工するのがより好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。全体的な構成は図1A及び図1Bで説明したものと同様である。ここでは、図2A及び図2Bで示したガスリーク遮断層3とは異なる構成のガスリーク遮断層13を有する実施形態について、図3A及び図3Bを参照しながら説明する。ここで、図3A及び図3Bは、共に、図1A及び図1Bの大迫天井構造1の頂部を部分的に拡大して示した断面図である。ここで、図3Aは長手方向から見た断面図であり、図3Bは円周方向から見た断面図である。
この実施形態では、耐火ブロック2aの外表面全体に、緻密質不定形耐火物13bからなる層を形成している点が第1の実施形態とは異なる。このように、緻密質不定形耐火物13bで全面を覆ってしまえば、この緻密質不定形耐火物13b層自体が一体的なものとして形成され、ガスリークを防止する機能を簡便な操作で、確実に得られる。ここで形成される緻密質不定形耐火物13b、軽量断熱不定形耐火物13cの施工は、第1の実施形態と同様に、冷間施工でも熱間施工でも可能である。
特に(図3Aで示している)円周方向の間隙を形成する場合は、頂部付近の断熱ブロック13aの間隙については、熱上げ後の施工が好ましい。さらに、断熱ブロック13aの熱間施工部分の下部の緻密質不定形耐火物13bも熱間施工することにより膨張を効率良く緩和できる。
また、(図3Bで示している)長手方向の間隙を形成する場合は、断熱ブロック13aの間隙全てを熱上げ後の施工とするのが好ましい。さらに、13aの熱間施工部分の下部の緻密質不定形耐火物13bも熱間施工することにより膨張を効率良く緩和できる。
ここで、緻密質不定形耐火物13b層の厚さは、通常、3cm〜8cm程度がガスリークを確実に遮断でき、かつ、天井構造の質量を不必要に増大させずに済む観点から好ましい。
そして、この実施形態では、緻密質不定形耐火物13bの外表面に第1の実施形態と同様に、断熱ブロック13aを、それぞれ間をあけて配置する。さらに、断熱ブロック13a間の間隙は、軽量断熱不定形耐火物13cによって埋め、断熱ブロック13aを一体的になるように形成する。
このとき、断熱ブロック13aは、第1の実施形態に比べて薄くしてもよい。これは、ガスリーク遮断層13として、既に緻密質不定形耐火物13b層を設けているため、ガスリーク遮断層13を必要以上に厚くさせないためである。
上記の第1の実施形態及び第2の実施形態に示したように、ガスリーク遮断層3,13として、耐火ブロック2aの目地部分を緻密質不定形耐火物3b及び13bで封止しているため、ガスリークを効果的に、確実に防止しつつ、その他の部分では、できるだけ軽量断熱不定形耐火物3c及び13cで形成することで、断熱性を確保しながら、天井構造の質量を従来に比べて軽量化できる。このような構成によって、エネルギーロスを減らし、環境負荷も増大させず、軽量化によるプラント建設コストも低減できる。
なお、上記のように形成したガスリーク遮断層3及び13の外周、すなわち、ガスリーク遮断層の上に、さらに、軽量断熱不定形耐火物を用いて断熱層を形成してもよい。ここで断熱層を軽量断熱不定形耐火物により形成すれば、断熱効果をさらに向上させるだけでなく、ガスリークをより確実に防止できる。
この断熱層を形成する軽量断熱不定形耐火物としては、第1及び第2の実施形態で使用した軽量断熱不定形耐火物3c及び13cを使用してもよいが、ガスリーク遮断層3により、断熱効果が得られているため、より耐熱性や熱伝導率が低い軽量断熱不定形耐火物で形成してもよい。ここで使用する軽量断熱不定形耐火物としては、例えば、アルミナ・シリカ質であって、110℃における嵩比重が0.6以下が好ましく、より好ましくは0.45以下で、かつ、500℃における熱伝導率が0.2W/(m・K)以下が好ましく、より好ましくは0.16W/(m・K)以下の軽量断熱不定形耐火物等が挙げられる。また、この軽量断熱不定形耐火物は、110℃乾燥の圧縮強度が0.2MPa以上が好ましく、より好ましくは0.3MPa以上である。
なお、断熱層は、従来の大迫天井構造で構成されていた、断熱レンガやセラミックファイバー等によって構成してもよい。
以下、本発明の大迫天井構造について、実施例(例1、例3)及び比較例(例2)によって説明する。なお、本願発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(例1)
まず、ガラス溶解炉の炉形状、大迫天井構造については以下の大きさで実施した。
炉長さ 約10m
炉幅 約6m
大迫 半径約6m
大迫 角度60度
図1A及び図1Bに示したように、まず、炉内面側に耐火ブロック2aとしてアルミナ質の電鋳レンガブロック(Al95質量%)を円周方向に21個、長手方向に16個となるように、上記条件のヴォールト形状に耐食層2を構築した。ここで電鋳レンガブロックは、その外表面を上方から見た平面形状が、長手方向長さ約600mm、円周方向長さ約320mmの長方形であって、厚さが250mmのブロックを使用した。なお、この電鋳レンガブロックは、ヴォールト形状を構築するものであるため、炉内面側の形状(底面形状)は、上記説明した平面形状よりもその円周方向長さが短くなっている。
次に、電鋳レンガブロックより一回り小さな平面形状を有する断熱ブロック3aとなるように軽量断熱不定形耐火物を流し込み成形し、110℃で乾燥して、長手方向長さ約450mm、円周方向長さ約206mm、高さ163mmの断熱ブロック3aを得た。なお、ここで使用した軽量断熱不定形耐火物は、アルミナ・ジルコニア質(Al83質量%、ZrO6質量%)であって、嵩比重が、110℃で1.0、かつ、1000℃の熱伝導率が0.54W/(m・K)のものである。
得られた断熱ブロック3aを、室温の状態で、電鋳レンガブロックの外表面に、電鋳レンガブロックの目地にかからないように配置した。すなわち、長手方向及び円周方向のそれぞれに約150mm及び約114mmの間隙が形成されるように配置したものである。
このとき、上記配置とするために、ヴォールト形状の電鋳レンガブロックの円周方向において、下方から上方へ断熱ブロック3aを、間にスぺーサーブロックを挟みながら積み上げた。最下部の断熱ブロック3aは、炉外の構造より支持した。なお、スぺーサーブロックは、熱上げ前までに除去した。
次に、断熱ブロック3a間の間隙に対して、次の操作により間隙を埋め、ガスリーク遮断層3を形成した。なお、ここで使用する材料は次のとおりである。
軽量断熱不定形耐火物3cとしては、アルミナ・ジルコニア質(Al83質量%、ZrO6質量%)であって、嵩比重が、110℃で1.0、かつ、1000℃の熱伝導率が0.54W/(m・K)のものを使用した。
緻密質不定形耐火物としては、アルミナ・シリカ質(Al91質量%、SiO7質量%)のセメント含有量の低い不定形耐火物(ローセメントキャスタブル)を使用した。このローセメントキャスタブル用粉体組成物に対して水量を外掛で5質量%前後添加して、嵩比重3.19の緻密な耐火物とできる。
まず、冷間(25℃)で、(図2Aに示されている)円周方向の目地部の施工を次のとおり行った。円周方向における断熱ブロック3a間の間隙に、緻密質不定形耐火物を高さ40mmとなるように流し込み施工した。さらに、緻密質不定形耐火物が保形性を得たのち、軽量断熱不定形耐火物を、高さ123mmとなるように流し込成形して、円周方向の断熱ブロック間の間隙に不定形耐火物を施工し、断熱ブロック3aを円周方向において一体化させた。なお、最上部の断熱ブロック3aの両端の間隙は、炉の熱上げ後に施工した。
このようにして、耐食層2の上部に、厚さ163mmのガスリーク遮断層を成形して大迫天井の断熱炉壁構造が得られるが、さらに、上部に断熱レンガ(耐熱温度:1400℃)を厚さ65mm、およびセラミックスファイバー(耐熱温度:1260℃)を厚さ100mm、をこの順に積層し合計で厚さ165mmとして断熱施工した。
次に、長手方向の断熱ブロック間の間隙を、断熱ファイバー等で保護しながら、炉内温度1600℃に熱上げし、耐食層の電鋳レンガブロックを熱膨張変位させた。電鋳レンガブロックが十分に熱膨張したのちに、そのままの温度で(図2Bに示されている)長手方向の断熱ブロック間の間隙の熱間施工を行った。
緻密質不定形耐火物を、約500℃の高温に加熱されている耐食層2の外表面に、厚さ約40mmとなるように熱間での流し込み施工した。緻密質不定形耐火物は、水蒸気をバブリングしながら、長手方向の間隙において上部から下部方向(円周方向)へゆっくりと流れ、緻密な不定形耐火物3bの厚さを精度よく成形できた。
次いで、熱間で形成した、緻密質不定形耐火物3bの上に、軽量断熱不定形耐火物を厚さ123mmとなるように熱間でスタンピング施工した。この軽量断熱不定形耐火物も上記した緻密質不定形耐火物3bと同様に、軽量で断熱性の優れた不定形耐火物3cの厚さを精度よく成形できた。
このようにして、耐食層2の上部に、厚さ163mmのガスリーク遮断層を成形して、大迫天井の断熱炉壁構造が得られるが、最後に、この上に、断熱レンガ(耐熱温度:1400℃)を厚さ65mm、およびセラミックスファイバー(耐熱温度:1260℃)を厚さ100mm、をこの順に積層し合計で厚さ165mmとして断熱施工した。
上記のように断熱ブロック3a間の不定形耐火物3b、3cの層を後から形成し、断熱ブロック3a同士を結合することで、気密に、かつ、一体化されたガスリーク遮断層3を形成できた。
(例2)
従来の同厚さの炉壁構造として、厚さ250mmの電鋳レンガブロックの上に、耐熱温度1580℃のアルミナ・シリカ質レンガ(Al77質量%、SiO218質量%)を厚さ114mm、耐熱温度1500℃のJIS−A7断熱レンガを厚さ114mm、1260℃耐熱のセラミックスファイバーブランケットを厚さ100mmとして、この順に積層した炉壁を形成した。
[特性評価]
例1の断熱性能を、一次元の定常熱計算により求めた(炉内温度、炉外温度は、それぞれ1600℃、25℃として、表面の放射率を0.9として計算した。)。放散熱量は、断熱ブロック部、断熱ブロック間隙部で、それぞれ1167、1256W/m、表面温度で約94℃、98℃となり、同様に計算して得られた従来の同厚さの炉壁構造(例2)の放散熱量1418W/m、表面温度105℃と比較して、大幅に省エネ効果が得られた。
例1のガスリーク遮断層の質量は、単位面積で比較すると、断熱ブロック部、断熱ブロック間隙部で、それぞれ218kg/m、306kg/mで、従来の同厚さの炉壁構造(例2の対応する断熱層)の質量374kg/mと比較して大幅に軽量化が図られた。
さらに、例2の炉壁では、従来の耐火レンガ、断熱レンガ、セラミックスファイバーを積層した炉壁構造において、レンガは、並形レンガ形状(65mm×114mm×230mm)サイズをモルタルを使用せずに積んで築炉するので、溶解炉が高温の状態で膨張したとき、ある程度動くことで熱膨張を緩和できるが、一方で、図5Bに一層の状態を示した様な隙間が、多層で起こるため、この隙間が、ガスリークの通路を形成することとなる。一方、本発明の、例1のガスリーク遮断層は、電融レンガブロックの目地からのガスリークを、耐食性に優れる緻密質不定形耐火物と、断熱性に優れる軽量断熱不定形耐火物とで一体化し、炉内のガスリークを遮断でき、優れた省エネ性能と、ガスリークによる腐食対策に優れる。
(例3)
例1において、ガスリーク遮断層3の上に設けた、他の断熱レンガおよびセラミックスファイバーの代わりに、1200℃耐熱の軽量断熱不定形耐火物を形成した大迫天井構造を製造した。具体的には以下の手順で製造した。
電鋳レンガブロックの組み上げ、断熱ブロック3aの配置、および冷間で(図2Aに示されている)円周方向の間隙の緻密質不定形耐火物3bおよび軽量断熱不定形耐火物3cの施工まで例1と同一の操作で実施した。ただし、断熱ブロック高さを195mmとし、緻密質不定形耐火物を厚さ40mm、軽量断熱不定形耐火物を厚さ155mmに変更した。
次に、一体に形成された円周方向の断熱ブロック3aの上に、1200℃耐熱の軽量断熱不定形耐火物を厚さ133mmの層となるように小手塗り施工した。ここで、軽量断熱不定形耐火物は、アルミナ・シリカ質(Al34質量%、SiO45質量%)であって、嵩比重が約0.4、500℃の熱伝導率が0.15W/(m・K)のものを使用した。
さらに、炉内温度を1600℃に熱上げ後、例1の手順で、熱間により長手方向の間隙の緻密質不定形耐火物3bおよび軽量断熱不定形耐火物3cを成形したのち、最後に、長手方向に形成した軽量断熱不定形耐火物3cの上に1200℃耐熱の超軽量断熱材を133mm小手塗り施工した。
この例では、超断熱材によるガスリーク遮断層を形成し、さらにその上に、1200℃耐熱の超軽量断熱材を一体化した断熱層を形成した。このような一体化した層を複数形成することで、さらなる、断熱性能とガスリーク遮断性能を得ることができた。
ここで、超軽量断熱材の熱伝導率は、例1のセラミックスファイバーに匹敵する低さがあり、優れた断熱性能が得られるばかりか、セラミックスファイバーを含まないので、昨今、非晶質セラミックファイバーによる発がん性の懸念を解消でき、大迫天井の断熱炉壁構造全体をノンファイバーで構築できる優れた特徴を有する。
この例3で得られた大迫天井構造の断熱性能は、放散熱量が、断熱ブロック部で1337W/m、表面温度が約101.5℃となり、優れた、断熱性能を得ることができた。
本発明の大迫天井構造は、ガラス溶解炉のように高温処理を行う際の上部炉壁構造として好適である。また、ガラス溶解炉に限定されず、比較的低温処理である炉の上部炉壁構造にも広く適用できる。
1…大迫天井構造、2…耐食層、3…ガスリーク遮断層、2a…耐火ブロック、3a…断熱ブロック、3b…緻密質不定形耐火物、3c…軽量断熱不定形耐火物。

Claims (11)

  1. ガラス溶解炉の炉内側に、複数個の耐火ブロックをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層と、
    前記耐食層の前記耐火ブロックの上層に配置された複数個の断熱ブロックと、少なくとも前記耐火ブロックの目地を覆うように設けられた緻密質不定形耐火物と、前記緻密質不定形耐火物の上に積層され、前記断熱ブロックと前記緻密質不定形耐火物とで形成される空間を埋めるように設けられた軽量断熱不定形耐火物と、を有するガスリーク遮断層と、
    を有することを特徴とする大迫天井構造。
  2. 前記断熱ブロックが、前記耐火ブロックよりも小さい平面形状を有し、前記耐火ブロックの各外表面に配置され、前記緻密質耐火物が、該断熱ブロック間を結合して形成されている請求項1記載の大迫天井構造。
  3. 前記緻密質不定形耐火物が、前記耐火ブロックの外表面全面に形成され、前記複数の断熱ブロックが、前記緻密質不定形耐火物層の上に互いに間隙を設けて配置されている請求項1記載の大迫天井構造。
  4. 前記耐火ブロックが、電鋳レンガブロックである請求項1〜3のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  5. 前記断熱ブロックが、前記軽量断熱不定形耐火物を予め成形して得られた断熱ブロックである請求項1〜4のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  6. 前記断熱ブロックが、前記耐火ブロック又は前記緻密質不定形耐火物層の表面に、前記軽量断熱不定形耐火物を小手塗りして形成された断熱ブロックである請求項1〜4のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  7. 前記断熱ブロックが、アルミナ・ジルコニア質の軽量断熱不定形耐火物で形成されている請求項1〜6のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  8. 前記断熱ブロックの110℃における嵩密度が1.2以下で、かつ、1000℃における熱伝導率が0.7W/(m・K)以下である請求項7記載の大迫天井構造。
  9. 前記緻密質不定形耐火物が、Alを85質量%以上含有するアルミナ質であって、110℃における嵩密度が3.0以上である請求項1〜8のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  10. 前記ガスリーク遮断層の上層に、アルミナ・シリカ質であって、110℃における嵩比重が0.6以下で、かつ、500℃における熱伝導率が0.2W/(m・K)以下である軽量断熱不定形耐火物で形成された断熱層を有する請求項1〜9のいずれか1項記載の大迫天井構造。
  11. 前記軽量断熱不定形耐火物のうち、前記断熱ブロックの長手方向の間隙部及び/又は円周方向の最上部の断熱ブロックの両端の間隙部においては、前記耐火ブロック又は前記緻密質不定形耐火物の表面に前記断熱ブロックを配置し、ガラス溶解炉を加熱して、大迫天井構造を熱膨張させたのち、前記軽量断熱不定形耐火物を施工(熱間施工)する請求項1〜10のいずれか1項記載の大迫天井構造。
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