JPH05157458A - 蓄熱室 - Google Patents

蓄熱室

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JPH05157458A
JPH05157458A JP3350812A JP35081291A JPH05157458A JP H05157458 A JPH05157458 A JP H05157458A JP 3350812 A JP3350812 A JP 3350812A JP 35081291 A JP35081291 A JP 35081291A JP H05157458 A JPH05157458 A JP H05157458A
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JP
Japan
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brick
heat storage
bricks
storage chamber
arch
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Withdrawn
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JP3350812A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kitahara
正寛 北原
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蓄熱室の笄迫り煉瓦の施工を機械力で行えるよ
うにし、かつならし積み煉瓦をなくすことで、大幅な省
力化と工期の短縮が可能な蓄熱室を提供する。 【構成】ガラス窯の蓄熱室の笄迫り煉瓦1を熱膨張係数
が小さく気孔率の小さいアーチ状の一体物煉瓦2また
は、3〜7個に分割された迫り煉瓦6で構成し、かつ一
体物煉瓦2または迫り煉瓦6が組みつけられた状態でそ
の上面が概ね水平とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス窯の蓄熱室や製鉄
用の熱風炉等、蓄熱煉瓦がその上に積まれるる笄迫り
(こうがいぜり)を備えている蓄熱室に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス窯を例にとって説明すると、現在
蓄熱室を除いた部分の耐火物は溶融鋳造された煉瓦を含
めてほとんど人手で持ち上げることができないような大
型の煉瓦が使用されるようになっており、これらの煉瓦
を施工する場合は動力を備えたクレーンやホイストを使
って機械力で積み上げている。
【0003】また、他の例では不定形耐火物を現場で流
し込み施工する方法が採用されており、相対的に人手を
多く要しない築炉工事が行われるようになっている。
【0004】蓄熱室の部分については、省エネルギーを
追求するための大容量化と断熱構造化が進められている
が、従来の蓄熱室の全体の構造は依然として複雑であ
り、例えば図5に斜視図で示したような笄迫り部分の構
造が採用されている。図5において、1は笄迫り煉瓦で
あり、この笄迫り煉瓦1は小割の迫り煉瓦3とならし積
み煉瓦4とから構成されている。また5は蓄熱室の外壁
であり、図示されていない蓄熱煉瓦はこの笄迫り煉瓦の
上に積まれる。
【0005】図5から分かるように、従来の蓄熱室で
は、大部分の人手で持ち上げられる程度の小さい定形煉
瓦を組み合わせた構造になっており、蓄熱室の煉瓦の施
工は依然として人手に頼る方法が採用されている。この
ため蓄熱室の部分の施工には相対的に多数の人手を必要
としており、さらに蓄熱室の内部が狭いことにより蓄熱
室の内部で作業できる作業員の数が制限されていて、そ
の結果ガラス窯の蓄熱室部分の築炉や補修には多くの人
手と同時に長い工期を必要としている。
【0006】一方、比較的人手を必要としない不定形耐
火物による築炉方法がこの問題点を解決する一つの可能
性として存在するが、一般的に不定形耐火物は加熱時に
収縮を示す他、耐クリープ性が劣るとされていて、いま
だ蓄熱室の構築に利用されるようになっていない。
【0007】蓄熱室ではないが施工の省力化と工期の短
縮を目指した築炉に関しては、特開昭53-72707に電気炉
炉壁の築炉解体方法が開示されており、そこにはブロッ
ク体を利用する工法が示されている。即ち、複数の煉瓦
を積み上げた状態のものをブロック体と称して、このブ
ロック体を金具を用いて吊り上げ、ブロック体において
炉の外側になる箇所に取り付けられた金具はそのまま解
体時に利用できるように取り外すことなく残し、炉の内
側になる箇所に取りつけられた金具はブロック体を積み
上げた後取り去るようになっており、この工法により目
的を達成したとしている。
【0008】蓄熱室の構成部分を大きく分けると、炉
壁、蓄熱煉瓦が載せられる笄迫り、蓄熱煉瓦および天井
の4つの部分があり、炉壁は蓄熱室の周囲を囲む外壁と
蓄熱室の内部を仕切っている仕切り壁の部分に分けるこ
とができる。これらの各部分の煉瓦にはそれぞれ異なっ
た使用特性が要求されるので、省力化と工期の短縮を図
るには、それぞれの部分について異なった対応策が必要
になる。
【0009】ガラス窯の蓄熱室の場合には蓄熱煉瓦を加
熱する燃焼ガスは、ガラスの溶解槽から出て上部から蓄
熱室中へ流入し、蓄熱室の下方から排出される。一方蓄
熱室で予熱される空気の方は下方、すなわち笄迫りの下
側から蓄熱室に入り上方へ流れ、ガラス窯の溶解槽の燃
焼部へと送られるようになっている。従って、蓄熱室の
笄迫りはその配置場所の関係上、使用温度はやや低いが
相当な熱衝撃と圧縮応力を受ける。このため笄迫り煉瓦
においては、ある程度の耐熱衝撃性と使用温度における
耐クリープ性を確保することが必要である。
【0010】また、従来の笄迫りでは、小割の迫り煉瓦
を組みあげた上面は円筒面となるので、上面に煉瓦を積
んで水平な平面にするならし積み作業をしないとその上
に蓄熱煉瓦を積み上げることができず、数多くの煉瓦を
積む必要性からその作業には多くの手間を必要としてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蓄熱室の各
部分の内、蓄熱室の笄迫り部分について、必要とされて
いる条件をみたし、かつその施工にホイストなどの機械
力を使えるようにし、さらに手間のかかる笄迫り上面の
ならし積み作業を不要として、省力化と工期の短縮を同
時に達成し得る蓄熱室を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を達
成すべくなされたものであり、本発明の蓄熱室は、複数
の笄迫り煉瓦とその上に積み上げられた多数の蓄熱煉瓦
を収納してなる蓄熱室であって、各笄迫り煉瓦がそれぞ
れ一体物のアーチ状煉瓦で構成され、かつ該アーチ状煉
瓦の上面が概ね水平になるように形成されていることを
特徴とする。
【0013】本発明の蓄熱室の好ましい態様では、各ア
ーチ状煉瓦の熱膨張係数が室温〜1000℃の温度範囲にお
いて(この温度範囲の平均値で)、5×10-6/ ℃以下で
ある。本発明の蓄熱室の他の好ましい態様では、各アー
チ状煉瓦が不定形耐火物を鋳込んで形成されたもので、
CaO の含有量が2重量%以下、かつ気孔率が20%以下の
ものである。
【0014】本発明の蓄熱室では、笄迫り煉瓦が一体物
のアーチ状煉瓦で構成されていることにより、施工時に
笄迫り煉瓦を下から支える迫り枠を使用する必要がない
という長所がある。また、一体のアーチ状煉瓦は従来の
小さい迫り煉瓦のように人手では持ち上げることはでき
ないが、ホイストなどの機械力を利用して吊りあげるこ
とにより施工時に迫り煉瓦を人手で持ち上げるような重
労働を排除できる。これらの作業は蓄熱室の天井を取り
つける前に行うのが好ましく、その場合天井に走行機構
を設けた使い勝手の良いホイストを使用できる。
【0015】さらに、アーチ状煉瓦の上面が概ね水平に
なるように形成されていることによって手間のかかるな
らし積み煉瓦を積む作業が不要となっている。このよう
な構成を有していることによって、本発明の蓄熱室では
その施工作業を短時間に行うことができるとともに、従
来熟練工が必要であった施工作業を、熟練工なしで行え
るようになる。
【0016】本発明の蓄熱室の好ましい態様では、この
アーチ状煉瓦の熱膨張係数が、その通常の使用温度範囲
である室温から1000℃の温度範囲において5 ×10-6/ ℃
以下である。このようにアーチ状煉瓦として熱膨張係数
が小さい煉瓦を使用することによって、加熱冷却に伴っ
て煉瓦に発生する熱応力により、煉瓦に亀裂が入るよう
な損傷受けるのを避けることができ、蓄熱室の耐久性と
信頼性を確保することができる。このような小さい熱膨
張係数を有する煉瓦の材質例としては、ムライト質、シ
ャモット質、ジルコン質、コージライト質などを挙げる
ことができる。そして、本発明の蓄熱室の笄迫り煉瓦と
して好ましい耐火物は、これらの材質からなる骨材の一
種以上を70重量%以上含むものである。
【0017】一体物のアーチ状煉瓦はその形状は単純で
ないが、不定形耐火物を鋳込み成形して形成すると容易
に得ることができて好ましい。不定形耐火物は通常定形
煉瓦より気孔率が大きいが、最近の不定形耐火物の技術
では、鋳込み成形によって緻密に形成することが可能と
なっている。しかし鋳込み成形した後高温で焼成されて
いない煉瓦では、たとえ焼成収縮を示さない骨材を原料
に使用し、緻密にできる調合のものを使用しても、結合
剤としてアルミナセメントなど煉瓦の耐火度を下げる成
分を含んでいるので、若干の加熱収縮を避けることはで
きない。
【0018】このため、不定形耐火物を鋳込み成形して
形成したアーチ状煉瓦がたとえ加熱収縮するとしても僅
かであるように、緻密な骨材を使用して気孔率の小さい
煉瓦にするとともに、結合剤として配合するアルミナセ
メントの主要成分であるCaOの含有量を2重量%以下と
するのが好ましい。
【0019】従って本発明の蓄熱室の他の好ましい態様
では、この緻密化でき、かつCaO の含有量の少ない不定
形耐火物を使用し、これによってクリープ現象をより小
さく抑えるようにしている。この場合のアーチ状煉瓦の
好ましい気孔率の範囲は20%以下であり、気孔率を20%
以下、より好ましくは18%以下と小さくすることによっ
て、煉瓦中へのアルカリの浸透を抑止することができ、
笄迫り煉瓦に十分な耐クリープ性を付与することができ
る。
【0020】本発明の他の蓄熱室では、蓄熱煉瓦をその
上に積み上げる笄迫り煉瓦がそれぞれ3〜7個に分割さ
れた迫り煉瓦で構成され、かつ各迫り煉瓦の上面が組み
上げられた状態で概ね水平になるように形成されている
ことを特徴とする。
【0021】本発明の他の蓄熱室の好ましい態様では、
各迫り煉瓦の熱膨張係数が室温〜1000℃の温度範囲にお
いて7 ×10-6/ ℃以下である。本発明の他の蓄熱室の他
の好ましい態様では、各迫り煉瓦が不定形耐火物を鋳込
んで形成されたものであり、CaO の含有量が2重量%以
下で、かつ気孔率が20%以下、より好ましくは18%以下
のものである。
【0022】本発明の他の蓄熱室では、各笄迫り煉瓦を
3〜7個に分割された迫り煉瓦で構成されているので、
施工の際に迫り枠の使用をなくすことはできないが、分
割の単位が従来の迫り煉瓦より大きく、迫り枠は必要な
箇所のみを支持する簡単な構造のものとすることができ
る。また、迫り煉瓦の上面が組み上げられた状態で概ね
水平になるように形成されているので、従来の笄迫り煉
瓦の場合のように傾斜している上面のならし積み作業を
行う必要はない。
【0023】各笄迫り煉瓦が3〜7個に分割された迫り
煉瓦で構成されていることによって煉瓦中に生じる温度
分布によって生じる熱応力が一体物のアーチ状煉瓦の場
合より小さくなっているので、笄迫り部分の通常の使用
温度範囲である室温〜1000℃における迫り煉瓦の熱膨張
係数を7 ×10-6/ ℃以下とすることによって、蓄熱室の
加熱冷却に伴う迫り煉瓦の熱衝撃による損傷をより確実
に避けることができ、蓄熱室の耐久性と信頼性を確保す
ることができる。
【0024】各笄迫り煉瓦を構成する分割された個々の
迫り煉瓦の形状は必ずしも単純ではないが、不定形耐火
物を鋳込み成形して形成すると、この種の形状の煉瓦も
容易に得ることができて好ましい。しかし不定形耐火物
を鋳込み成形して形成した高温で焼成されていない煉瓦
では、たとえ焼成収縮を示さない緻密な骨材を原料に選
んで気孔率を小さくできる調合のものを選んでも若干の
クリープ現象を避け得ない。不定形耐火物を鋳込み成形
した高温で焼成されていない迫り煉瓦を使用する場合に
は、たとえ加熱収縮するとしても僅かであるように、結
合剤であるアルミナセメントの含有量に比例するCaO の
含有量を2重量%以下、より好ましくは1.2重量%以下
とし、かつ気孔率を20%以下、より好ましくは18%以下
とするのが好ましい。
【0025】本発明の蓄熱室の一体物のアーチ状煉瓦あ
るいは分割された迫り煉瓦としては、例えば旭硝子社製
のシャモット質不定形耐火物であるKAORAMのプレキャス
ト品(Al2O3 45重量%、SiO251重量%、CaO 1.0 重量%
のもので、室温〜1000℃における熱膨張係数が約4.5 ×
10-6/ ℃、気孔率が約16%のもの)、同じくシャモット
質不定形耐火物であるNORRAMのプレキャスト品(Al2O3
42重量%、SiO252重量%、CaO 1.0 重量%のもので、熱
膨張係数が同じく約4.5×10-6/ ℃、気孔率が約14%の
もの)を加熱処理したもの、LOTEC-MC(緻密なコージラ
イト質骨材からなる原料を鋳込み成形した焼成品で熱膨
張係数が同じく約1.4 ×10-6/ ℃、気孔率20%のもの)
などが好ましく使用できる。
【0026】また、同じく旭硝子社製のムライト質不定
形耐火物CLC-A64-7 のプレキャスト品(Al2O3 63重量
%、SiO231重量%のもので、室温〜1000℃における熱膨
張係数が約4.5 ×10-6/ ℃、気孔率約18%、CaO 含有量
1重量%のもの)、アルミナ質の不定形耐火物GIBRAMの
プレキャスト品(Al2O3 84重量%、SiO210重量%、CaO
約1.0 重量%のもので、熱膨張係数が同じく約7 ×10-6
/ ℃、気孔率約18%)などを鋳込み成形し、約600 ℃で
24時間加熱処理したものが好ましく使用できる。この、
加熱処理温度は鋳込まれた煉瓦中に含まれる水分を予め
ほとんど追い出し、急加熱されても煉瓦が内部に生じる
水蒸気の圧力で破損しないようにするための温度で、高
温で焼成された通常の煉瓦とは異なるものである。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例の図面に基いてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定されるものではない。図1は本発明の蓄熱室の構
成例を示す部分断面図であり、図2は従来の蓄熱室の構
成例を示す部分断面図である。
【0028】両図において、1は笄迫り煉瓦、5は蓄熱
室の外壁、9は迫り枠であり、図1では、笄迫り煉瓦1
は一体物のアーチ状煉瓦2で構成されており、図2で
は、笄迫り煉瓦1は多数の迫り煉瓦3とその上に積まれ
た多数のならし積み煉瓦4とから構成されている。
【0029】いずれの場合にも笄迫り煉瓦1は図5の斜
視図に示されているように、蓄熱室中に多数配置されて
おり、笄迫り煉瓦の厚さはたとえば150mmあり、360 〜4
50mmのピッチで間に隙間を置いて等間隔で多数並べられ
たものを笄迫りと呼んでいる。笄迫り煉瓦を嵌め込んで
ある外壁の間隔は、たとえば2.5 〜3.0 mである。蓄熱
室ではこの笄迫りの上に蓄熱煉瓦が積み上げられるが、
両図には蓄熱煉瓦は省略されている。
【0030】蓄熱煉瓦は、例えばガラス窯の例では、マ
グネシア質の結合煉瓦からなる外形寸法が220mm ×220m
m 高さ150mm で肉厚が40mmである一個の重量が約11kgの
8角筒状体であり、多くの場合高さ6.5 〜7.5 m に積み
上げられる。笄迫りの上に積み重ねられたこれらの蓄熱
煉瓦は笄迫り煉瓦上に7 〜10kg/cm2の荷重を加えること
になる。
【0031】また、外壁についても、図1では大型のブ
ロック煉瓦を積んだ施工性の良い構成となっており、こ
れに対して図2では、多数の小さい定形煉瓦を積みあげ
た構成とされている。この大型のブロックは、たとえば
不定形耐火物を鋳込み成形して形成したものである。図
2には笄迫り煉瓦を組みあげる際に使用される迫り枠9
が示されているが、一体のアーチ状煉瓦からなる図1の
例を施工する場合にはこの迫り枠は不要である。
【0032】笄迫り煉瓦はアーチ構造の原理によって支
持部である外壁に外方向への力を与えるが、この力は蓄
熱室の外側に設けられている鉄骨枠(図示されていな
い)によって支持され、外壁5が外側へずれたり倒れた
りするのを防ぐようになっている。図3は本発明によ
る、笄迫り煉瓦1を3分割した迫り煉瓦6により構成し
た蓄熱室の部分断面図を示す例であり、施工の際に迫り
枠を省略することはできないが、ならし積み煉瓦がない
ので、ならし積み煉瓦を積む作業は不要である。図4は
本発明による蓄熱室であり、蓄熱室中に仕切り壁7が設
けられている場合の部分断面図である。この場合の笄迫
り煉瓦1は3分割された迫り煉瓦6で構成されている。
【0033】迫り煉瓦6の上側面は、より好ましい例と
して、合わせ目の部分に段差が生じないように迫り煉瓦
を形成してあるが、概ね水平になってさえいれば段差が
あっても差し支えなく、段差がある場合には段差をなく
すように上に煉瓦を並べれば良い。この場合、迫り煉瓦
の上面は概ね水平にしてあるので、段差をなくすように
煉瓦を積む作業は容易である。仕切り壁7は、不定形耐
火物を鋳込み成形して形成されたブロックとしてある
が、その中央部に耐クリープ性に優れた焼成煉瓦8が全
体の耐クリープ性を大きくするように内蔵された状態で
鋳込まれた構成となっている。
【0034】図6は本発明の蓄熱室を施工する際に、笄
迫り煉瓦として使用する一体物のアーチ状煉瓦2を吊り
あげる方法の一例を示す斜視図である。図において10は
ホイストのフックであり、11は吊り金具、12は煉瓦挟み
である。
【0035】試験例 試験として、図1および図3に示された構造からなる笄
迫り煉瓦、すなわち厚さ150mm で支持距離2700mmの一体
物のアーチ状煉瓦と、3分割された迫り煉瓦からなる同
寸法の笄迫り煉瓦をそれぞれ4個(組)分試作し、外壁
として65mm×114 mm×230 mmの定形煉瓦を目地にモルタ
ルを使用して積みあげ、厚さ約450mm の外壁の部分モデ
ルを一組向かい合わせに2700mmの間隔を置いて構築し、
これらを外側から鉄骨枠で囲み、この間に試作した笄迫
り煉瓦を合計8個(組)ピッチが360 mmとなるように組
みつけた。
【0036】また、笄迫り煉瓦の上に荷重をかけるため
定形煉瓦を積み上げて笄迫り煉瓦のそれぞれに約1000Kg
の荷重がかかるようにし、積みあげた定形煉瓦の間には
適宜透き間を設け、この透き間から燃焼ガスが上方へ抜
け出せるように構成した。さらにこの外壁の部分モデル
の両側部を塞ぐように、ありあわせの定形煉瓦を積んで
壁とし、定形煉瓦の隙間にはモルタルを塗りつけて塞
ぎ、試験炉を構築した。この試験炉に2個のガスバーナ
を、内部で燃焼ガスが回転するように互い違いに取りつ
けた。
【0037】次に、温度を1000℃までゆっくり上げ、次
いで700 〜1000℃の間で温度を1時間に3回の早さで約
200 回上下させる実験を行った。なお、試験炉の冷却時
にはバーナを取りつけた箇所から送風機で空気を吹き込
んで冷却するようにした。
【0038】試験に供した4個の笄迫り煉瓦は一体物の
アーチ状煉瓦であり、そのうちの2個は旭硝子社が製造
販売している前述の不定形耐火物KAORAMをプレキャスト
したもので、外掛けで5.5 重量%の水を加えて混練し、
型枠に振動を加えながら流し込んだもの(実験例1)で
あり、成形後600℃において24時間加熱乾燥せしめてか
ら試験炉に組み込まれた。もう一方の一体物のアーチ状
煉瓦は同じく旭硝子社が製造販売している前述のLOTEC-
MC(実験例2)である。
【0039】実験例1と実験例2で試用した煉瓦につい
て、同時に作製した試験片で物性を調べたところそれぞ
れ、見掛け気孔率が18%と20%、1000℃における圧縮強
度が800 kg/cm2と700 kg/cm2、熱膨張係数が4.5 ×10-6
/ ℃と1.3 ×10-6/ ℃、荷重軟化温度(T2 )は1100℃
と1380℃であった。
【0040】残りの4組の笄迫り煉瓦は、図3のように
3分割されたもので、内2組の笄迫り煉瓦は前述の旭硝
子社製の不定形耐火物KAORAMを鋳込み成形して試作した
もの(実験例3)であり、他の2組は同じく旭硝子社製
の不定形耐火物GIBRAMを鋳込み成形して試作したもの
(実験例4)である。この迫り煉瓦の施工の際には、3
か所を支持する簡単な構造の迫り枠を使用し、各迫り煉
瓦の合わせ目にはモルタルを塗りつけた。
【0041】実験例3と実験例4で試用した煉瓦につい
て、同時に作製した試験片で物性を調べたところ、見掛
け気孔率がいずれも18%、1000℃における圧縮強度がそ
れぞれ800 kg/cm2と1100kg/cm2、熱膨張係数がそれぞれ
4.5 ×10-6 /℃と7 ×10-6 /℃、荷重軟化温度がいずい
れも1100℃であった。
【0042】温度を上下する加熱サイクル試験を行った
後、試験炉を分解して笄迫り煉瓦の状態を観察したが、
実用上許容できる程度のわずかな沈み込みがあった点を
除けば、いずれの笄迫り煉瓦にも異常は全く認められな
かった。
【0043】以上の結果から、従来の常識からすれば、
このような蓄熱室の構造は可能とは考えられなかったも
のであるが、熱膨張係数が比較的小さく、さらには耐熱
クリープ性や高温の圧縮強度についても考慮した煉瓦材
質を使用することによって、笄迫り煉瓦を大型の煉瓦に
するという目的を達成できることが確かめられた。
【0044】また、一体物の試作煉瓦を用い、動力を備
えたホイストによる吊り上げ試験を図6に示した吊り金
具を利用して実施した。このホイストには特別に微動機
構を設け、煉瓦を最初に吊り上げるときと、煉瓦を吊り
降して据えつけるときに微動機構によりゆっくり上下に
動かすことができるようにし、煉瓦に衝撃が加わるのを
避けられるようにした。
【0045】以上の試験の結果、いずれも熟練工ではな
い1人の玉掛け工と1人の補助者の合計2人の作業員
で、笄迫り煉瓦を吊りあげて所要の位置に組みつける蓄
熱室の施工作業が、重い煉瓦を手で持ち上げるきつい作
業をしなくても容易に行えることが確かめられ、ならし
積み煉瓦の施工をしなくても良いことによって、蓄熱煉
室の施工工期を大幅に短縮できることが分かった。
【0046】
【発明の効果】本発明の蓄熱室では、各笄迫り煉瓦が大
きな一体物のアーチ状煉瓦または、それぞれ3〜7個に
分割された比較的大きな迫り煉瓦を組み合わせたものと
して構築されており、かつ各アーチ状煉瓦または迫り煉
瓦の上面が組み上げられた状態で概ね水平になるように
形成されているので、その構築作業では機械力を使用し
て能率良く施工することが可能になるとともに、積むの
に熟練と手間のかかるならし積み煉瓦がなく、施工には
熟練工が不用であり、その施工時の際には、従来の蓄熱
室と比べて大幅な工期の短縮が可能になるという顕著な
効果が得られることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱室の構造の一例を示す部分断面
図。
【図2】従来の蓄熱室の構造と施工方法の例を示す部分
断面図。
【図3】本発明の蓄熱室の構造の一例を示す部分断面
図。
【図4】本発明の蓄熱室の構造の一例を示す部分断面
図。
【図5】従来の蓄熱室の構造例を示す部分斜視図。
【図6】本発明の蓄熱室の施工において使用されるアー
チ状煉瓦の吊り上げ方法の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 :笄迫り煉瓦 2 :アーチ状煉瓦 3 :迫り煉瓦 4 :ならし積み煉瓦 5 :外壁 6 :迫り煉瓦 7 :仕切り壁 8 :焼成煉瓦 10 :ホイストのフック 11 :吊り金具 12 :煉瓦挟み

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の笄迫り煉瓦とその上に積み上げられ
    た多数の蓄熱煉瓦を収納してなる蓄熱室であって、各笄
    迫り煉瓦がそれぞれ一体物のアーチ状煉瓦で構成され、
    かつ該アーチ状煉瓦の上面が概ね水平になるように形成
    されていることを特徴とする蓄熱室。
  2. 【請求項2】請求項1において、各アーチ状煉瓦の熱膨
    張係数が室温〜1000℃の温度範囲において5 ×10-6/ ℃
    以下である蓄熱室。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、各アーチ状煉
    瓦が不定形耐火物を鋳込んで形成されたものであり、Ca
    O の含有量が2重量%以下、かつ気孔率が20%以下のも
    のである蓄熱室。
  4. 【請求項4】複数の笄迫り煉瓦とその上に積み上げられ
    た多数の蓄熱煉瓦を収納してなる蓄熱室であって、各笄
    迫り煉瓦がそれぞれ3〜7個に分割された迫り煉瓦で構
    成され、かつ各迫り煉瓦の上面が組み上げられた状態で
    概ね水平になるように形成されていることを特徴とする
    蓄熱室。
  5. 【請求項5】請求項4において、各迫り煉瓦の熱膨張係
    数が室温〜1000℃の温度範囲において7 ×10-6/ ℃以下
    である蓄熱室。
  6. 【請求項6】請求項4または5において、各迫り煉瓦が
    不定形耐火物を鋳込んで形成されたものであり、CaO の
    含有量が2重量%以下、かつ気孔率が20%以下のもので
    ある蓄熱室。
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