JPWO2013147137A1 - 心不全の治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、心不全を効果的に治療し得る薬剤を提供することである。本発明は、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる、心不全の治療剤を提供する。

Description

本発明は、心不全の治療剤に関し、より詳細には、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる心不全の治療剤に関する。
心不全とは、一般に、心臓のポンプ機能の総合的な低下により心臓の血液拍出が不十分となり、全身が必要とするだけの循環量を維持することができない状態を言う。心不全には、心室の収縮能低下(収縮障害)が主体となる収縮性心不全と、拡張能低下(拡張障害)が主体となる拡張性心不全とがある。
収縮性心不全は、心臓が正常に収縮できなくなることによって生じる。そのため、たとえ心室に流入する血液量が正常であっても、心臓の収縮力が弱いため、心室に満たされた血液を十分に拍出することができない。その結果として、全身や肺に送られる血液量が少なくなり、心臓、特に左心室が肥大化する傾向にある。収縮性心不全において代償機構が機能する場合、心室の拡張末期容積が増加され、それにより拡張末期の圧力が増大され、1回分の拍出量を正常に保つことができるようになる。
一方、拡張性心不全は、心筋の硬化及び心臓壁の肥厚等により心室が伸展しにくく(弛緩しにくく)なることによって生じ、心室に血液を十分に満たすことができず、それにより心室からの拍出量も減少する。拡張性心不全において代償機構が機能する場合は、心室の拡張末期容積を正常な状態まで伸展させ、拡張末期の圧力を増大させて、1回分の拍出量を正常に保つことができるようになる。
心不全患者の全体においては、収縮性心不全の方が多く見られており、女性では全体の約55%の患者が、男性では約78%の患者が心室の収縮機能障害を有している(非特許文献1)。拡張性心不全は高血圧性心疾患患者に多く見られ、高齢者において頻度が高いと言われている。拡張性心不全はまた、頻脈、特に心房細動が誘引となる場合が多いため、その予防や適切な心拍数コントロールが重要であるとされている。
心不全の治療では、従前より、体液貯留を改善するための利尿薬、血流量を改善するためのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、心臓機能を高めて運動能力を向上させるジゴキシン製剤等の強心薬、心臓機能を休息させて心臓を保護するためのβ遮断薬等の様々な薬剤が用いられている。しかしながら、その有効性及び安全性は必ずしも十分であるというわけではない。
また、上記の通り多くの薬剤が心不全の治療に利用可能であることが知られている中で、シルニジピンのようなカルシウム拮抗薬が単剤として使用されることは開示されている(特許文献1)。しかしながら、多岐にわたる薬剤が存在する中で、とりわけカルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせて心不全の治療に適用することは知られていない。バルサルタンも単剤として心不全患者に使用されることは開示されているが、その目的は当該患者における心房細動の予防又は処置であり、心不全というよりもむしろ不整脈の治療に用いられている(特許文献2)。
特許文献3及び4には、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとが併用されている事例が開示されている。しかしながら、両薬剤は、一方では虚血性心疾患を対象に降圧剤として用いられており(特許文献3)、もう一方では腎機能障害の予防又は治療のために用いられており(特許文献4)、いずれも心不全の治療に有用であることは示されていない。
特開2000−309535号公報 特許第4783733号公報 特開2008−44871号公報 国際公開第2008/016171号パンフレット
Cleland JG, et al. Eur Heart J. 2003; 24: 442-63
本発明は、心不全を効果的に治療し得る薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせて使用することにより、それぞれを単剤で用いる場合よりも優れた心不全治療効果を示すことを見出し、さらに研究を重ねることにより、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関する。
〔1〕カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる、心不全の治療剤。
〔2〕カルシウム拮抗薬とバルサルタンとの比が、重量比として、1:0.1〜1:100である、上記〔1〕に記載の治療剤。
〔3〕カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを有効成分として含有する配合剤である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の治療剤。
〔4〕カルシウム拮抗薬とバルサルタンとが別個の製剤として組み合わされる、上記〔1〕又は〔2〕に記載の治療剤。
〔5〕カルシウム拮抗薬がジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の治療剤。
〔6〕ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬がシルニジピン又はアムロジピンである、上記〔5〕に記載の治療剤。
〔7〕カルシウム拮抗薬がL/N型カルシウム拮抗薬又はL型カルシウム拮抗薬である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の治療剤。
〔8〕L/N型カルシウム拮抗薬がシルニジピンである、上記〔7〕に記載の治療剤。
〔9〕L型カルシウム拮抗薬がアムロジピンである、上記〔7〕に記載の治療剤。
〔10〕心不全が収縮性心不全である、上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の治療剤。
〔11〕カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせて、投与対象に投与することを含む、心不全の治療方法。
〔12〕心不全の治療に使用するための、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる医薬組成物。
〔13〕バルサルタンを有効成分として含有する、カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果の増強剤。
〔14〕カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果が、左室拍出量の改善効果、左室駆出率の改善効果、または左室内径短縮率の改善効果である、上記〔13〕に記載の増強剤。
〔15〕バルサルタンを投与対象に投与することを含む、カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果を増強する方法。
本発明によれば、心不全の治療において、左室拍出量、左室駆出率、及び左室内径短縮率等を効果的に改善することができる。本発明の治療剤は、単剤で用いる場合よりも有意に病態を改善できることから従来の心不全治療剤よりも低用量で使用できる可能性があり、副作用の軽減を図ることができる。
図1は、薬剤投与4週目におけるラット心臓の左室拍出量(SV)の測定結果を示すグラフである。グラフの縦軸は、アドリアマイシン(ADR)非投与群の測定値を100%としたときの割合を示す。 図2は、薬剤投与4週目におけるラット心臓の左室駆出率(EF)の測定結果を示すグラフである。グラフの縦軸は、アドリアマイシン(ADR)非投与群の測定値を100%としたときの割合を示す。 図3は、薬剤投与4週目におけるラット心臓の左室内径短縮率(FS)の測定結果を示すグラフである。グラフの縦軸は、アドリアマイシン(ADR)非投与群の測定値を100%としたときの割合を示す。 図4は、薬剤投与4週目におけるラットの血圧測定結果を示すグラフである。グラフの縦軸は、測定された血圧の数値(mmHg)を示す。
本発明は、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる心不全の治療剤を提供する。
本発明において、カルシウム拮抗薬とは、生体内におけるカルシウムチャネルの機能を阻害する作用を有する薬剤を意味する。カルシウム拮抗薬は、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、カルシウムチャネル拮抗薬、又はカルシウムチャネル阻害剤とも称される。
本発明において用いられるカルシウム拮抗薬としては、特に限定されないが、例えばジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、ベンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬、及びフェニルアルキルアミン系カルシウム拮抗薬等が挙げられる。本発明では、好ましくはジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬が用いられる。
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬としては、例えば、シルニジピン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベニジピン、バルニジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、アゼルニジピン、マニジピン、エフォニジピン、アラニジピン、フェロジピン、ニモジピン、クレビジピン、ラシジピン、レルカニジピン等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明では、これらのうちシルニジピン及びアムロジピンが好ましく、シルニジピンがより好ましい。
ベンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬としては、特に限定されないが、例えば、ジルチアゼム、レンチアゼム、ヘルベッサー等が挙げられる。
フェニルアルキルアミン系カルシウム拮抗薬としては、特に限定されないが、例えば、ベラパミル、ワソラン等が挙げられる。
上記の通り例示されたカルシウム拮抗薬は、必要に応じて、その薬学的に許容される塩(金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性アミノ酸との塩、酸性アミノ酸との塩等)、水和物、又は溶媒和物とすることができる。また、本発明におけるカルシウム拮抗薬は、いずれも公知の製造方法又はこれに準じた方法を用いて製造してもよく、或いは市販品を利用してもよい。本発明では、好適には市販品が利用される。
本発明において用いられるカルシウム拮抗薬は、上記の通り薬剤の化学構造に基づいて分類される他、阻害されるカルシウムチャネルのサブタイプに基づいても分類され得る。当該サブタイプとしては、L型、N型、T型、P型等が挙げられる。これらのサブタイプに対応するカルシウム拮抗薬は、それぞれ、L型カルシウム拮抗薬、N型カルシウム拮抗薬、T型カルシウム拮抗薬、P型カルシウム拮抗薬等と称される。また、複数のサブタイプを阻害するカルシウム拮抗薬も使用可能である。例えば、L型及びN型の両方のサブタイプを阻害するカルシウム拮抗薬はL/N型カルシウム拮抗薬と称される。本発明では、L型カルシウム拮抗薬及びL/N型カルシウム拮抗薬が好ましく、L/N型カルシウム拮抗薬がより好ましい。L/N型カルシウム拮抗薬の好適な例としては、シルニジピンが挙げられる。L型カルシウム拮抗薬の好適な例としては、アムロジピンが挙げられる。
上述した通り、本発明では、カルシウム拮抗薬としてシルニジピンが好適に用いられる。本発明において用いられるシルニジピンは、具体的には、以下の構造式:
で示される、(±)-2-メトキシエチル 3-フェニル-2-(E)プロペニル1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボキシレートである。本発明におけるシルニジピンには、上記構造式に基づく光学異性体及び当該光学異性体との混合物も含まれる。
シルニジピンは、必要に応じて、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物とすることができる。薬学的に許容される塩としては、特に限定されないが、例えば無機酸との塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等)、又は有機酸との塩(酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フタル酸塩、シュウ酸塩等)等が挙げられる。
別の好ましい態様として、本発明においてカルシウム拮抗薬はアムロジピンである。本発明において用いられるアムロジピンは、具体的には、以下の構造式:
で示される、(RS)-3-エチル5-メチル2-[(2-アミノエトキシ)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-3,5-ジカルボキシレートである。本発明におけるアムロジピンには、上記構造式に基づく光学異性体及び当該光学異性体との混合物も含まれる。
アムロジピンは、必要に応じて、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物とすることができる。薬学的に許容される塩としては、特に限定されないが、例えば、有機酸又は無機酸との塩が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。また有機酸としては、例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、コハク酸、サリチル酸、ピログルタミン酸、エタンスルホン酸(エシル酸)、メタンスルホン酸(メシル酸)、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸)、p−トルエンスルホン酸(トシル酸)等が挙げられる。本発明では、これらの中でも特にベンゼンスルホン酸(ベシル酸)との塩(ベシル酸アムロジピンとも称する)が好ましい。
本発明において用いられるバルサルタンは、アンジオテンシンIIと拮抗し、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合を阻害するアンジオテンシンII受容体拮抗薬として公知の化合物であり、具体的には、以下の構造式:
で示される、(-)-N-{4-[2-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]ベンジル}-N-バレリル-L-バリンである。本発明におけるバルサルタンには、上記構造式に基づく光学異性体及び当該光学異性体との混合物も含まれる。また、バルサルタンは公知の製造方法を用いて製造することができ(特許第4787498号公報等を参照)、商業的にも入手可能である。
バルサルタンは、必要に応じて、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物とすることができる。薬学的に許容される塩としては、特に限定されないが、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性アミノ酸との塩、酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
カルシウム拮抗薬及びバルサルタンを有効成分として組み合わせてなる本発明の治療剤は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対し、心不全(特に、左室拍出量、左室駆出率、左室内径短縮率)を改善する作用を有する。従って、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンを組み合わせてなる本発明の治療剤は、心不全の治療用として有用であり、医薬品として提供され得る。
本発明において、「心不全」とは、心臓のポンプ機能の低下により心臓の血液拍出が不十分となり、全身が必要とするだけの循環量を維持することができない状態を意味する。心不全の種類としては、分類方法によって異なるが、例えば上述したように収縮性心不全と拡張性心不全とがある。収縮性心不全は、心臓が正常に収縮できなくなることによって生じる心不全である。拡張性心不全は、心室が伸展しにくくなることによって生じる心不全である。また、別観点での分類として、心臓機能が徐々に低下することにより生じる慢性心不全と、急激に心臓機能が低下することにより生じる急性心不全とがある。また、左心室の異常により生じる左心不全、右心室の異常により生じる右心不全、及び両方の心室の異常により生じる両心不全がある。本発明の治療剤は、特に限定されないが、収縮性心不全に対して好適である。収縮性心不全は、心筋の収縮機能低下が原因となり得ることから、本発明の治療剤は、心筋の機能(特に、心筋の収縮機能)の改善に有用であり得る。
心不全の症状としては、例えば、うっ血、肺水腫、体力低下、疲労感、腫れ、むくみ、吐き気、食欲不振、体重減少(心臓性悪疫質)、息切れ、呼吸困難(発作性夜間呼吸困難)、心臓喘息、及びチェーン−ストークス呼吸等が挙げられる。本発明の治療剤は、心不全の状態改善に有用であることから、上記に例示される心不全の症状に対しても有用であり得る。
本明細書で用いられる場合、用語「治療」は、治療のみならず予防をも含む概念である。心不全の「治療」とは、心不全を示す対象(被験体)において、心不全の状態及びその症状を軽減すること、或いは心不全の状態及びその症状の悪化を防ぐこと又は遅延させることを意味する。また、心不全の「予防」とは、心不全を示さない対象(被験体)において、心不全及びその症状が顕在化するのを防ぐことを意味する(再発防止も含む)。
本発明の治療剤はまた、他の薬剤によって副作用として引き起こされる心不全に対しても有用である。当該他の薬剤としては、特に限定されないが、抗癌剤(アドリアマイシン等)等が例示される。従って、本発明の治療剤は、抗癌剤の副作用を軽減するための剤としても有用である。
本発明では、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせて使用することを特徴とする。そのため、本発明の治療剤は、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとの併用剤と称することもできる。尚、本発明において「併用」とは、2種類以上の化合物が組み合わされて対象に投与されることを意味する。
本発明の治療剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
(1)カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを同時に製剤化して得られる単一の製剤としての投与、
(2)カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与(例えば、カルシウム拮抗薬→バルサルタンの順序での投与、あるいは逆の順序での投与)、
(4)カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、カルシウム拮抗薬→バルサルタンの順序での投与、あるいは逆の順序での投与)
等が挙げられる。
簡便性の観点から、上記(1)の単一の製剤としての投与、又は上記(2)の2種の製剤の同一経路での同時投与が好ましい。
以下、本発明において、「製剤」と称する場合は、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを同時に製剤化して得られる単一の製剤、及びカルシウム拮抗薬とバルサルタンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の各々、のいずれをも包含する。
本発明の治療剤におけるカルシウム拮抗薬とバルサルタンとの含有量及び配合比は、投与対象の種類及び投与ルート等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の治療剤におけるカルシウム拮抗薬の含有量は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、通常0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%である。本発明の治療剤におけるバルサルタンの含有量は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、通常1〜90重量%、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%である。カルシウム拮抗薬及びバルサルタンをそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
また、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとの配合比は、重量比として、通常、1:0.1〜1:100、好ましくは1:0.5〜1:70、より好ましくは1:1〜1:50である。カルシウム拮抗薬がシルニジピンである場合、その配合比は、通常、1:0.5〜1:70、好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:32、さらにより好ましくは1:1〜1:16、特に好ましくは1:2〜1:8である。カルシウム拮抗薬がアムロジピンである場合、その配合比は、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:70、より好ましくは1:2〜1:64、さらにより好ましくは1:4〜1:32である。尚、本明細書においては、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンが塩、水和物又は溶媒和物を形成する場合、特に遊離体に換算する必要はなく、それらの重量をそのまま上記の含有量及び配合比に適用するものとして取り扱う。
本発明の治療剤は、有効成分であるカルシウム拮抗薬及びバルサルタン以外に、製剤上の必要に応じて任意の添加物、例えば薬学的に許容され得る担体を含むことができる。薬学的に許容され得る担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、溶剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、着色剤等が挙げられる。
賦形剤としては、乳糖、ショ糖、グルコース、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、デンプン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルクなどが、結合剤としては、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マンニトール、トレハロース、α化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどが、滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、エアロジル、珪酸塩などが、溶剤としては、精製水、生理的食塩水などが、崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどが、溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが、懸濁化剤あるいは乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが、等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、グリセリン、尿素などが、安定化剤としては、ポリエチレングリコール、デキストラン硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸などが、無痛化剤としては、ブドウ糖、グルコン酸カルシウム、塩酸プロカインなどが、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが、抗酸化剤としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが、矯味矯臭剤としては、医薬分野において通常に使用される甘味料、香料などが、着色剤としては、医薬分野において通常に使用される着色料などが挙げられる。
一つの実施態様において、本発明の治療剤は経口投与に好適な製剤として処方され得る。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量の物質を溶解させた液剤、有効量の物質を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、顆粒剤、散剤又は錠剤、適当な分散媒中に有効量の物質を懸濁させた懸濁液剤、有効量の物質を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。
別の実施態様において、本発明の治療剤は非経口的な投与に好適な製剤として処方され得る。非経口的な投与(例、静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、局所注入など)に好適な製剤としては、水性および非水性の等張無菌の注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤等が含まれていてもよい。当該製剤は、アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回投与量ずつ容器に封入することができる。また、有効成分および薬学的に許容され得る担体を凍結乾燥し、使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解又は懸濁すればよい状態で保存することもできる。
患者への負担を軽減する観点から、本発明の治療剤は、対象に対して経口投与することが好ましい。経口投与する場合の剤形は、錠剤が特に好ましい。
本発明において、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンの投与量は、それぞれ、上述した本発明の治療剤の投与形態、病気の重篤度、投与対象の種類、投与対象の薬物受容性、投与ルート、投与期間、体重、年齢等によって異なる。カルシウム拮抗薬の投与量は、通常、患者(成人、体重約60kg)1日あたり、2.5〜40mg、好ましくは2.5〜20mgである。カルシウム拮抗薬がシルニジピンである場合、その投与量は、通常、患者(成人、体重約60kg)1日あたり、5〜40mg、好ましくは10〜40mg、より好ましくは10〜20mgである。カルシウム拮抗薬がアムロジピンである場合、その投与量は、通常、患者(成人、体重約60kg)1日あたり、2.5〜20mg、好ましくは2.5〜10mg、より好ましくは2.5〜5mgである。
バルサルタンの投与量は、通常、患者(成人、体重約60kg)1日あたり、10〜320mg、好ましくは20〜160mg、より好ましくは40〜160mgである。
カルシウム拮抗薬及びバルサルタンは併用することにより、それぞれを単独で用いた場合より、より少ない投与量とすることができる。これらの投薬量は、1日1〜3回に分けて投与できる。もちろん、上述したように投与量は種々の条件で変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
また、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとの摂取比は、重量比として、通常、1:0.1〜1:100、好ましくは1:0.5〜1:70、より好ましくは1:1〜1:50である。カルシウム拮抗薬がシルニジピンである場合、その摂取比は、通常、1:0.5〜1:70、好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:32、さらにより好ましくは1:1〜1:16、特に好ましくは1:2〜1:8である。カルシウム拮抗薬がアムロジピンである場合、その摂取比は、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:70、より好ましくは1:2〜1:64、さらにより好ましくは1:4〜1:32である。尚、本明細書においては、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンが塩、水和物又は溶媒和物を形成する場合、特に遊離体に換算する必要はなく、それらの重量をそのまま上記の投与量及び摂取比に適用するものとして取り扱う。
本発明の治療剤を投与するに際しては、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンを同時期に投与してもよいが、カルシウム拮抗薬を先に投与した後、バルサルタンを投与してもよいし、バルサルタンを先に投与し、その後でカルシウム拮抗薬を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、その時間差は剤形及び投与方法等により異なるが、例えば、カルシウム拮抗薬を先に投与する場合、カルシウム拮抗薬を投与した後、0分〜3日以内、好ましくは0分〜1日以内、より好ましくは0分〜0.5日以内にバルサルタンを投与する方法が挙げられる。バルサルタンを先に投与する場合、バルサルタンを投与した後、0分〜3日以内、好ましくは0分〜1日以内、より好ましくは0分〜0.5日以内にカルシウム拮抗薬を投与する方法が挙げられる。
本発明の治療剤は、該治療剤の単位摂取量又はその分割量が個別に包装又は充填されたもの、あるいは多数の単位摂取量又はその分割量が包括的に包装又は充填されたものであり得る。
本発明の治療剤が、単一の製剤として提供される場合には、該治療剤の単位摂取量又はその分割量は、カルシウム拮抗薬及びバルサルタンの両方の単位摂取量又はその分割量である。本発明の治療剤が、2種の製剤の併用として提供される場合には、該治療剤の単位摂取量又はその分割量は、カルシウム拮抗薬の単位摂取量又はその分割量と、バルサルタンの単位摂取量又はその分割量との組み合わせである。
単位摂取量又はその分割量が個別に包装又は充填された医薬品の態様としては、例えば、単位摂取量又はその分割量を、通常の包装物(例えば、PTP(press through packing)シート、紙容器、フィルム(例、プラスチックフィルム)容器、ガラス容器、プラスチック容器)中に別々に包装又は充填したものが挙げられる。このように個別に包装又は充填された医薬品は、さらに組み合わされて、1つの容器(例えば、紙容器、フィルム(例、プラスチックフィルム)容器、ガラス容器、プラスチック容器)中に一緒に包装又は充填されていてもよい。多数の単位摂取量又はその分割量が包括的に包装又は充填された医薬品の態様としては、例えば、多数の錠剤又はカプセル剤が区分されることなく1つの容器(例えば、紙容器、フィルム(例、プラスチックフィルム)容器、ガラス容器、プラスチック容器)中に包装又は充填されたものが挙げられる。本発明の治療剤はまた、該治療剤の単位摂取量又はその分割量を、長期間の摂取に十分な数で医薬品として含まれ得るが、例えば、3日以上、好ましくは7日、10日、14日若しくは21日以上、又は1ヶ月、2ヶ月若しくは3ヶ月以上の摂取に十分な数で含まれ得る。
本発明の治療剤には、必須の有効成分であるカルシウム拮抗薬及びバルサルタンに加え、他の心不全治療剤の1種類以上を含めてもよい。或いは、本発明の治療剤は、1種類以上の他の心不全治療剤と併用してもよい。
他の心不全治療剤の例としては、利尿薬(ループ利尿薬、カリウム保持性の利尿薬等)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、バルサルタン以外のアンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、強心薬(カテコールアミン薬、PDEIII阻害剤、ジキタリス製剤等)、抗血栓薬、アルドステロン拮抗薬等が挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実験方法:
12週齢の雄のSHR/Izm(高血圧自然発症ラット、三協ラボサービス社より購入)に、アドリアマイシン(ADR)1.5mg/kgを1週間ごとに3回、尾静脈投与した。なお、ADR非投与群にはADRの代わりに生理食塩水を投与した。
3回目のADR投与後、ヒプロメロース(無治療群)、シルニジピン(20 mg/kg:Cil群)、アムロジピン(3 mg/kg:Aml群)、バルサルタン(60 mg/kg:Val群)、シルニジピン(20 mg/kg)+バルサルタン(60 mg/kg)(Cil + Val群)、アムロジピン(3 mg/kg)+バルサルタン(60 mg/kg)(Aml + Val群)に群分けし、各薬剤を4週間連日経口投与した。ADR非投与群については、生理食塩水を3回投与した後、ヒプロメロースを4週間連日経口投与した。アムロジピンとしては、アムロジピンベシル酸塩を用いた。
心機能の評価:
ADR非投与群、無治療群及び各種薬剤投与群のラットに対して、投与4週目の心機能を評価した。心機能の評価は、超音波画像診断装置(Xario SSA-660、東芝医療用品社製)を用い、麻酔下で心エコーにより左室拍出量(SV)、左室内径短縮率(FS)及び左室駆出率(EF)を測定することにより行った。
血圧の測定:
ADR非投与群、無治療群及び各種薬剤投与群のラットに対して、実験動物ラット・マウス非観血血圧測定装置(SOFTRON BP98A)を用いて、収縮期血圧を測定した。各個体で血圧を3回測定し、その測定結果についてそれぞれ平均値を算出した。
結果:
心機能評価の結果を図1〜3に示す。心機能評価に関して、無治療群のSV、FS及びEFはADR非投与群と比較して有意に低値であったのに対し、シルニジピン群及びアムロジピンとバルサルタンとの併用群ではFS及びEFはいずれも無治療群よりも有意に高値であり、ADR非投与群と比較して、その低下はほとんど認められなかった。しかしながら、SV、FS及びEFの全てを有意に改善したのは、シルニジピンとバルサルタンとの併用群のみであった。これにより、シルニジピンは心機能の改善に効果を有し、さらにバルサルタンと併用することによって相加的な改善効果を示すことが示唆された。また、アムロジピンとバルサルタンとの併用も心機能の改善に有用であることが示唆された。
心機能の評価において、EF及びFSは、シルニジピンの単剤としての投与でもコントロールに対して有意に改善されることが示された。これに対し、バルサルタンをシルニジピンと組み合わせて投与すると、さらに改善効果が向上することが示された。その一方で、バルサルタンを単剤で投与しても何ら有意な効果は見られなかった。よって、これらの結果から、バルサルタンは単独では顕著な効果を示さないが、シルニジピンの心不全治療効果(特に、EF及びFSの改善効果)を増強する作用を有することが示唆された。
また、収縮期の血圧を測定した結果を図4に示す。当該結果では、アムロジピンとバルサルタンとを併用した場合の血圧低下作用は、シルニジピンとバルサルタンとを併用した場合と同程度であることがわかった。それにもかかわらず、図1〜3に示されるようにSV、EF及びFSのいずれもシルニジピンとバルサルタンとの併用群の方が優れていたことから、心不全の治療には血圧低下作用が寄与しているわけではないことが考えられた。
本発明の治療剤を用いることにより、心不全において、左室拍出量、左室駆出率、及び左室内径短縮率等を効果的に改善することができる。本発明の治療剤は、心不全を効果的に治療できることから、特に医薬分野において有用である。
本出願は、日本で出願された特願2012−079916を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。

Claims (15)

  1. カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる、心不全の治療剤。
  2. カルシウム拮抗薬とバルサルタンとの比が、重量比として、1:0.1〜1:100である、請求項1に記載の治療剤。
  3. カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを有効成分として含有する配合剤である、請求項1又は2に記載の治療剤。
  4. カルシウム拮抗薬とバルサルタンとが別個の製剤として組み合わされる、請求項1又は2に記載の治療剤。
  5. カルシウム拮抗薬がジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  6. ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬がシルニジピン又はアムロジピンである、請求項5に記載の治療剤。
  7. カルシウム拮抗薬がL/N型カルシウム拮抗薬又はL型カルシウム拮抗薬である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  8. L/N型カルシウム拮抗薬がシルニジピンである、請求項7に記載の治療剤。
  9. L型カルシウム拮抗薬がアムロジピンである、請求項7に記載の治療剤。
  10. 心不全が収縮性心不全である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の治療剤。
  11. カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせて、投与対象に投与することを含む、心不全の治療方法。
  12. 心不全の治療に使用するための、カルシウム拮抗薬とバルサルタンとを組み合わせてなる医薬組成物。
  13. バルサルタンを有効成分として含有する、カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果の増強剤。
  14. カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果が、左室拍出量の改善効果、左室駆出率の改善効果、または左室内径短縮率の改善効果である、請求項13に記載の増強剤。
  15. バルサルタンを投与対象に投与することを含む、カルシウム拮抗薬の心不全の治療効果を増強する方法。
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