JPWO2013146330A1 - 光学素子およびその製造方法、光学系、撮像装置、光学機器および原盤 - Google Patents

光学素子およびその製造方法、光学系、撮像装置、光学機器および原盤 Download PDF

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Abstract

光学素子は、素子本体と、素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体とを備える。サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、素子本体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有している。複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、散乱した光の強度分布が、異方性を有する。

Description

本技術は、光学素子およびその製造方法、光学系、撮像装置、光学機器および原盤に関する。詳しくは、サブ波長構造体が表面に設けられた光学素子に関する。
従来より、光学素子の技術分野においては、光の表面反射を抑えるための技術が種々用いられている。それらの技術の1つとして、光学素子表面にサブ波長構造体を形成するものがある(例えば非特許文献1参照)。
一般に、光学素子表面に周期的な凹凸形状を設けた場合、ここを光が透過するときには回折が発生し、透過光の直進成分が大幅に減少する。しかし、凹凸形状のピッチが透過する光の波長よりも短い場合には回折は発生せず、有効な反射防止効果を得ることができる。
上述の反射防止技術は、優れた反射防止特性を有するために様々な光学素子表面に適用することが検討されている。例えば、レンズ表面にサブ波長構造体を形成する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−002853号公報
近年では、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)やデジタルビデオカメラなどの急速な普及に伴って、優れた光学調整機能を光学素子表面に付与することができる技術が望まれている。
また、サブ波長構造体が表面に形成されたレンズ、ミラーおよびフィルタなどの光学素子を撮像装置の光学系に用いた場合、この撮像装置を用いて輝点などを撮影すると、撮影した画像に線状の輝線や散乱ノイズが発生することがある。
したがって、本技術の第1の目的は、優れた光学調整機能を有する光学素子およびその製造方法、光学系、撮像装置、光学機器および原盤を提供することにある。
また、本技術の第2の目的は、輝点などを撮影した場合にも、線状の輝線や散乱ノイズの発生を抑制できる光学素子およびその製造方法、光学系、撮像装置、光学機器および原盤を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
素子本体と、
素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
素子本体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子である。
第2の技術は、
素子本体の表面にエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、
素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して回転原盤の回転面を回転密着させながら、回転原盤内に設けられたエネルギー線源から放射されたエネルギー線を回転面を介して照射し、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、素子本体の表面に複数のサブ波長構造体を形成する
ことを含み、
複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子の製造方法である。
第3の技術は、
光学素子と、
光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子と
を備え、
光学素子は、
素子本体と、
素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
素子本体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学系である。
第4の技術は、
光学素子と、光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
光学素子は、
素子本体と、
素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
素子本体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する撮像装置である。
第5の技術は、
光学素子と、光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
光学素子は、
素子本体と、
素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
素子本体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学装置である。
第6の技術は、
複数のサブ波長構造体が設けられた回転面を有し、
回転面はエネルギー線を透過可能に構成され、
複数のサブ波長構造体が設けられた回転面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
散乱した光の強度分布が、異方性を有する原盤である。
本技術において、エネルギー線硬化性樹脂組成物とは、エネルギー線硬化性樹脂組成物を主成分として含む組成物のことをいう。エネルギー線硬化性樹脂組成物以外の配合成分としては、例えば、熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、有機微粒子、無機微粒子、導電性高分子、金属粉、顔料などの種々の材料を用いることがきるが、これらに限定されるものではなく、所望とする積層体の特性に応じて種々の材料を用いることができる。
また、エネルギー線に対して不透過性とは、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることが困難となる程度の不透過性を意味する。
単位領域は、回転原盤の回転面を1回転することにより形成される転写領域であることが好ましい。回転原盤としては、ロール原盤またはベルト原盤を用いることが好ましいが、凹凸形状が設けられた回転面を有していればよく、これらに限定されるものではない。
構造体の配列は、規則配列、不規則配列、およびそれらの組み合わせであることが好ましい。構造体の配列は、1次元配列または2次元配列であることが好ましい。素子本体の形状としては、2つの主面を有するフィルム状または板状などの形状、3つ以上の主面を有する多面体形状、球面および自由曲面などの曲面を有する曲面形状、平面および球面を有する多面体形状を用いることが好ましい。これらの素子本体の有する複数の主面のうちの少なくとも1つに形状層を形成することが好ましい。素子本体が、少なくとも1つの平面または曲面を有し、平面または曲面に形状層が形成されることが好ましい。
本技術では、単位領域間において不整合を生じることなく、形状層の凹凸形状を繋げているので、単位領域間の不整合に起因する積層体の特性劣化や形状乱れなどがない。したがって、優れた特性や外観を有する積層体を得ることができる。凹凸形状がレンズやサブ波長構造体のパターンなどである場合には、単位領域間においても優れた光学特性を得ることができる。凹凸形状が所定の模様などが繰り替えされるデザインである場合には、不整合部分のない、模様などのデザインを得ることができる。また、素子本体として、エネルギー線に対して不透過性を有するものを用いることができるので、素子本体として様々なものを用いることができる。
本技術では、光学素子は、被写体からの光が入射する入射面と、この入射面から入射した光を出射する出射面とを有し、サブ波長構造体は、入射面および出射面の少なくとも一方に形成されることが好ましい。
本技術は、光学装置に適用して好適なものである。より具体的には、サブ波長構造体が表面に形成された光学素子、その光学素子を備える光学系、およびその光学素子または光学系を備える撮像装置や光学機器などに適用して好適なものである。光学素子としては、例えば、レンズ、フィルタ(例えばNDフィルタなど)、半透過型ミラー、調光素子、プリズム、偏光素子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。撮像装置としては、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。光学機器としては、例えば、望遠鏡、顕微鏡、露光装置、測定装置、検査装置、分析機器などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本技術では、素子本体の表面に複数のサブ波長構造体を設けているので、不透過性を有する光学素子の表面に対して、波長依存性の少ない、優れた光学調整機能を付与することができる。
本技術では、散乱した光の強度分布が異方性を有するので、光学素子を用いる方向を選ぶことにより、散乱光の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本技術によれば、優れた光学調整機能を有し、かつ、散乱の少ない光学素子を実現できる。
図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す平面図である。図1Bは、図1Aに示した積層体の一部を拡大して表す斜視図である。図1Cは、図1Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。図1Dは、図1Cに示した積層体のトラック延在方向の断面図である。
図2A〜図2Eはそれぞれ、本技術の第1の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第1〜第5の例を示す断面図である。
図3は、本技術の第1の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。
図4は、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図4Bは、図4Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。
図5は、ロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。
図6A〜図6Dは、本技術の第1の実施形態に係る積層体の製造方法の一例を説明するための工程図である。
図7A〜図7Eは、本技術の第1の実施形態に係る積層体の製造方法の一例を説明するための工程図である。
図8は、本技術の第2の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。
図9は、本技術の第3の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。
図10Aは、本技術の第4の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す平面図である。図10Bは、図10Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。
図11Aは、本技術の第5の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す断面図である。図11Bは、図11Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。図11Cは、図11Bに示した積層体の断面図である。
図12は、本技術の第6の実施形態に係る積層体の構成の一例示す斜視図である。
図13A〜図13Eはそれぞれ、本技術の第7の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第1〜第5の例を示す断面図である。
図14A、図14Bはそれぞれ、本技術の第8の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第1、第2の例を示す断面図である。
図15A、図15Bは、輝線ノイズの発生の原因について説明するための概略図である。
図16は、本技術の第9の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。
図17Aは、本技術の第9の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図17Bは、図17Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図17Cは、図17BのトラックTにおける断面図である。
図18A〜図18Dは、反射防止機能付光学素子の構造体の形状例を示す斜視図である。
図19Aは、図16に示した撮像光学系の一部を拡大して示す略線図である。図19Bは、図19Aに示した撮像光学系の開口数NAの定義を説明するための略線図である。
図20Aは、図19Aに示した撮像光学系を光線Lが入射する側から見た略線図である。図20Bは、図20Aに示した撮像光学系が有する反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す拡大図である。
図21Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図21Bは、図21Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図21Cは、図21BのトラックTにおける断面図である。
図22Aは、本技術の第10の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図22Bは、図22Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図22Cは、図22BのトラックTにおける断面図である。
図23Aは、本技術の第11の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図23Bは、図23Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図23Cは、図23BのトラックTにおける断面図である。
図24Aは、本技術の第12の実施形態に係る反射防止機能付光学素子表面の一部を拡大して表す平面図である。図24Bは、仮想トラックTiの定義を説明するための概略図である。
図25Aは、構造体の中心位置の変動幅を説明するための概略図である。図25Bは、構造体の変動割合を説明するための概略図である。
図26Aおよび図26Bは、構造体の配置形態の第1の例を示す模式図である。図26Cは、構造体の配置形態の第2の例を示す模式図である。
図27Aは、本技術の第13の実施形態に係る反射防止機能付光学素子表面の一部を拡大して表す平面図である。図27Bは、構造体の配置ピッチの変動幅を説明するための概略図である。
図28は、本技術の第14の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。
図29は、本技術の第15の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。
図30A〜図30Dは、NDフィルタの構成例を示す断面図である。
図31Aは、実施例1、比較例1のNDフィルタの透過スペクトルを示す図である。図31Bは、実施例1、比較例1のNDフィルタの反射スペクトルを示す図である。
図32Aは、試験例1−1のシミュレーション結果を示す図である。図32Bは、試験例1−2のシミュレーション結果を示す図である。
図33Aは、試験例2−1のシミュレーション結果を示す図である。図33Bは、試験例2−1のシミュレーション結果である強度分布を示すグラフである。
図34Aは、試験例2−2のシミュレーション結果を示す図である。図34Bは、試験例2−2のシミュレーション結果である強度分布を示すグラフである。
図35Aは、試験例2−3のシミュレーション結果を示す図である。図35Bは、試験例2−3のシミュレーション結果である強度分布を示すグラフである。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(基体の一主面に複数の構造体が2次元配列された積層体の例)
2.第2の実施形態(積層体をステージにより搬送する転写装置の例)
3.第3の実施形態(円環状のベルト原盤を備えた転写装置の例)
4.第4の実施形態(基体の一主面に複数の構造体が蛇行配列された積層体の例)
5.第5の実施形態(基体の一主面に複数の構造体がランダム配列させた積層体の例)
6.第6の実施形態(基体の一主面に複数の構造体が1次元配列させた積層体の例)
7.第7の実施形態(基体の両主面に複数の構造体が2次元配列させた例)
8.第8の実施形態(不透過性を有する複数の構造体が2次元配列された積層体の例)
9.第9の実施形態(撮像領域に到達する散乱光を低減させた光学系およびそれを備える撮像装置の例)
10.第10の実施形態(構造体を四方格子状または準四方格子状に配列した例)
11.第11の実施形態(構造体を凹状とした例)
12.第12の実施形態(構造体を列間方向に変動させた例)
13.第13の実施形態(構造体を列方向に変動させた例)
14.第14の実施形態(構造体をデジタルビデオカメラの光学系に適用した例)
15.第15の実施形態(撮像領域に到達する散乱光を低減させた光学系およびそれを備える撮像装置の例)
<1.第1の実施形態>
[積層体の構成]
図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す平面図である。図1Bは、図1Aに示した積層体の一部を拡大して表す斜視図である。図1Cは、図1Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。図1Dは、図1Cに示した積層体のトラック延在方向の断面図である。積層体は、第1の主面および第2の主面を有する基体1と、これらの主面の一方に形成された、凹凸形状を有する形状層2とを備える。以下では、形状層2が形成される第1の面を表面と適宜称し、それとは反対側の第2の面を裏面と適宜称する。
積層体は、シボ表面加工体、デザイン体、機械素子および医療素子などの成型素子、反射防止素子、偏光素子、周期光学素子、回折素子、結像素子および導波素子などの光学素子に対して適用して好適なものである。具体的には、積層体は、ND(Neutral Density)フィルタ、シャープカットフィルタおよび干渉フィルタなどの各種光量調整フィルタ、偏光板、携帯電話および自動車のインストルメントパネルの前面板、携帯電話などのシボ加工、樹脂成形品、ガラス成形品に適用して好適なものである。
積層体は、例えば、帯状の形状を有し、ロール状に巻回されて、いわゆる原反とされる。積層体は、可撓性を有していることが好ましい。これにより、帯状の積層体をロール状に巻回して原反とすることができ、搬送性や取り扱い性などが向上するからである。
図1Aに示すように、積層体は、例えば、少なくとも1周期以上の転写領域(単位領域)Tを有している。ここで、1周期の転写領域Tは、後述するロール原盤を1回転することにより転写される領域である。すなわち、1周期の転写領域Tの長さは、ロール原盤の周面の長さに相当する。隣接する2つの転写領域Tの境界部において、形状層2の凹凸形状に不整合性が存在しなく、2つの転写領域Tがシームレスに接続されていることが好ましい。これにより、優れた特性や外観を有する積層体が得られるからである。ここで、不整合性とは、構造体21による凹凸形状等の物理的な構成が不連続であることを意味する。不整合性の具体例としては、例えば、転写領域Tが有する所定の凹凸パターンの周期性の乱れ、または隣接する単位領域間の重なり、隙間、もしくは未転写部などが挙げられる。
(基体)
基体1の材料は特に限定はされものではなく用途によって適宜選択可能であり、例えば、プラスチック材料、ガラス材料、金属材料、金属化合物材料(例えば、セラミックス、磁性体、半導体など)を用いることができる。プラスチック材料としては、例えば、トリアセチルセルロース、ポリビニールアルコール、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、メタクリル樹脂、ナイロン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、メチルメタクリレート(共)重合体などが挙げられる。ガラス材料としては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなどが挙げられる。金属材料および金属化合物材料としては、例えば、シリコン、酸化ケイ素、サファイヤ、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、セレン化亜鉛、臭化カリウムなどが挙げられる。
基体1の形状としては、例えば、シート状、プレート状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、シートにはフィルムが含まれるものと定義する。基体1は、全体として帯状の形状を有し、基体1の長手方向に向かって、単位領域としての転写領域Tが連続して形成されていることが好ましい。基体1の表面および裏面の形状としては、例えば平面および曲面のいずれも用いることができ、表面および裏面をいずれも平面または曲面とすることも、表面および裏面のうち一方を平面とし、他方を曲面とすることも可能である。
基体1は、形状層2を形成するためのエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化するためのエネルギー線に対して不透過性を有している。本明細書中にて、エネルギー線とは、形状層2を形成するためのエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化するためエネルギー線を示すものとする。基体1の表面に対して、例えば、印刷、塗布、真空成膜などにより装飾層または機能層を形成するようにしてもよい。
基体1は、単層構造または積層構造を有している。ここで、積層構造は、2以上の層を積層してなる積層構造であり、積層構造中の少なくとも1層は、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層である。積層体を形成する方法としては、例えば、融着や表面処理などにより層間を直接的に貼合する方法、接着層や粘着層などの貼合層を介して層間を貼合する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。貼合層が、エネルギー線を吸収する顔料などの材料を含むようにしてもよい。また、基体1を積層構造とする場合、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層と、エネルギー線に対して透過性を有する透過層とを組み合わせるようにしてもよい。また、基体1が2以上の不透過層を備える場合には、それらが互いに異なる吸収特性を有していてもよい。基体1は、光学素子などの素子本体であってもよい。
透過層の材料としては、例えば、アクリル樹脂コーティング材等の透明な有機膜や、透明な金属膜、無機膜、金属化合物膜またはそれらの積層体を用いることができるが、特に限定されるものではない。不透過層の材料としては、例えば、顔料を含んだアクリル樹脂コーティング材等の有機膜や、金属膜、金属化合物膜またはそれらの積層体を用いることができるが、特に限定されるものではない。顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの光吸収性を有する材料を用いることができる。
図2A〜図2Eはそれぞれ、基体の第1〜第5の例を示す断面図である。
(第1の例)
図2Aに示すように、基体1は、単層の構造を有し、基体全体がエネルギー線に対して不透過性を有する不透過層である。
(第2の例)
図2Bに示すように、基体1は、2層構造を有し、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層11aと、エネルギー線に対して透過性を有する透過層11bとを備える。不透過層11aが裏面側に配置され、透過層11bが表面側に配置される。
(第3の例)
図2Cに示すように、基体1は、2層構造を有し、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層11aと、エネルギー線に対して透過性を有する透過層11bとを備える。不透過層11aが表面側に配置され、透過層11bが裏面側に配置される。
(第4の例)
図2Dに示すように、基体1は、3層構造を有し、エネルギー線に対して透過性を有する透過層11bと、この透過層11bの両主面に形成された、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層11a、11aとを備える。一方の不透過層11aが裏面側に配置され、他方の不透過層11aが表面側に配置される。
(第5の例)
図2Eに示すように、基体1は、3層構造を有し、エネルギー線に対して不透過性を有する不透過層11aと、この不透過層11aの両主面に形成された、エネルギー線に対して透過性を有する透過層11b、11bとを備える。一方の透過層11bが裏面側に配置され、他方の透過層11bが表面側に配置される。
(形状層)
形状層2は、所定の凹凸パターンを有する転写領域Tが連続して形成された表面を有する。形状層2は、例えば、複数の構造体21が2次元配列されてなる層であり、必要に応じて複数の構造体21と基体1との間に基底層22を備えるようにしてもよい。基底層22は、構造体21の底面側に構造体21と一体成形された層であり、構造体21と同様のエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなる。基底層22の厚さは、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択することができる。複数の構造体21が、例えば、基体1の表面において複数列のトラックTをなすように配列されている。複数例のトラックをなすように配列された複数の構造体21が、例えば、規則的な所定の配置パターンをなすようにしてもよい。配置パターンとしては、例えば、格子パターンを用いることができる。格子パターンは、例えば、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンの少なくとも1種である。構造体21の高さが基体1の表面において規則的または不規則的に変化するようにしてもよい。
構造体21は、基体1の表面に対して凸状または凹状の形状を有し、基体1の表面に凸状および凹状の構造体21が両方存在していてもよい。構造体21の具体的な形状としては、例えば、錐体状、柱状、針状、半球状、半楕円球状、多角形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、他の形状を採用するようにしてもよい。錐体状としては、例えば、頂部が尖った錐体形状、頂部が平坦な錐体形状、頂部に凸状または凹状の曲面を有する錐体形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。また、錐体状の錐面を凹状または凸状に湾曲させるようにしてもよい。後述するロール原盤露光装置(図5参照)を用いてロール原盤を作製する場合には、構造体21の形状として、頂部に凸状の曲面を有する楕円錐形状、または頂部が平坦な楕円錐台形状を採用し、それらの底面を形成する楕円形の長軸方向をトラックの延在方向と一致させることが好ましい。
構造体21のピッチは、積層体の種類によって適宜選択される。例えば、積層体が、光の反射防止を目的とするサブ波長構造体などの光学素子である場合には、構造体21は、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の短い配置ピッチ、例えば可視光の波長と同程度の配置ピッチで周期的に2次元配置される。反射の低減を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜400nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは400nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
形状層2は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化することにより形成される。形状層2は、基体1上に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物を、基体1とは反対の側から重合などの硬化反応を進行させることにより形成されていることが好ましい。これにより、基体1としてエネルギー線に対して不透過性を有するものを用いることができるからである。転写領域T間は、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度に不整合を生じることなく繋がっていることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度の不整合は、例えば、重合度の差である。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線を照射することによって硬化させることができる樹脂組成物である。エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、高周波などのラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示す。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、他の樹脂と混合して用いるようにしてもよく、例えば熱硬化性樹脂などの他の硬化性樹脂と混合して用いてもよい。また、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、有機無機ハイブリッド材料であってもよい。また、2種以上のエネルギー線硬化性樹脂組成物を混合して用いるようにしてもよい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。
紫外線硬化樹脂は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー、開始剤などからなり、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
また、形状層2の材料としては、上述したエネルギー線硬化性樹脂組成物以外に、耐熱性のあるパーヒドロポリシラザンなどの焼成後に無機膜が得られる材料、シリコン系樹脂材料などを用いることも可能である。
また、エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必要に応じてフィラー、機能性添加剤、溶剤、無機材料、顔料、帯電防止剤、増感色素などを含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば、無機微粒子および有機微粒子のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、SiO、TiO、ZrO、SnO、Alなどの金属酸化物微粒子を挙げることができる。機能性添加剤としては、例えば、レベリング剤、表面調整剤、吸収剤、消泡剤などを挙げることができる。
[転写装置の構成]
図3は、本技術の第1の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。この転写装置は、ロール原盤101と、基体供給ロール111と、巻き取りロール112と、ガイドロール113、114と、ニップロール115、剥離ロール116と、塗布装置117と、エネルギー線源110とを備える。
基体供給ロール111には、シート状などの基体1がロール状に巻かれ、ガイドロール113を介して基体1を連続的に送出できるように配置されている。巻き取りロール112は、この転写装置により凹凸形状が転写された形状層2を有する積層体を巻き取りできるように配置されている。ガイドロール113、114は、帯状の基体1および帯状の積層体を搬送できるように、この転写置内の搬送路に配置されている。ニップロール115は、基体供給ロール111から送出され、エネルギー線硬化性樹脂組成物が塗布された基体1を、ロール原盤101とニップできるように配置されている。ロール原盤101は、形状層2を形成するための転写面を有し、その内部には1個または複数個のエネルギー線源110を備える。ロール原盤101の詳細について後述する。剥離ロール116は、エネルギー線硬化性樹脂組成物118を硬化することにより得られた形状層2を、ロール原盤101の転写面から剥離可能に配置されている。
基体供給ロール111、巻き取りロール112、ガイドロール113、114、ニップロール115、および剥離ロール116の材質は特に限定されるものではなく、所望とするロール特性に応じてステンレスなどの金属、ゴム、シリコーンなどを適宜選択して用いることができる。塗布装置117としては、例えば、コーターなどの塗布手段を備える装置を用いることができる。コーターとしては、例えば、塗布するエネルギー線硬化性樹脂組成物の物性などを考慮して、グラビア、ワイヤバー、およびダイなどのコーターを適宜使用することができる。
[ロール原盤の構成]
図4Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図4Bは、図4Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。ロール原盤101は、例えば、円筒状の形状を有する原盤であり、その表面に形成された転写面Spと、それとは反対の内側に形成された内周面である裏面Siとを有する。ロール原盤101の内部には、例えば、裏面Siにより形成される円柱状の空洞部が形成されており、この空洞部に1個または複数個のエネルギー線源110が備えられる。転写面Spには、例えば、凹状または凸状の複数の構造体102が形成され、これらの構造体102の形状を基体1上に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して転写することにより、積層体の形状層2が形成される。すなわち、転写面Spには、積層体の形状層2の有する凹凸形状を反転したパターンが形成されている。
ロール原盤101は、エネルギー線源110から放射されたエネルギー線に対して透過性を有し、エネルギー線源110から放射されて裏面Siに入射したエネルギー線を転写面Spから放出可能に構成されている。この転写面Spから放出されたエネルギー線により、基体1上に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物118が硬化される。ロール原盤101の材料は、エネルギー線に対して透過性を有するものであればよく特に限定されるものではない。紫外線に対して透過性を有する材料としては、ガラス、石英、透明樹脂、有機無機ハイブリッド材料などを用いることが好ましい。透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などが挙げられる。有機無機ハイブリッド材料としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などが挙げられる。ロール原盤101の転写面Spおよび裏面Siの少なくとも一方に、透明性を有する金属膜、金属化合物膜または有機膜を形成するようにしてもよい。
1個または複数個のエネルギー線源110は、基体1上に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物118に向けてエネルギー線を照射可能にロール原盤101の空洞部内に支持されている。ロール原盤101が複数個のエネルギー線源110を備える場合には、これらのエネルギー線源110は、1列または2列以上の列をなすように配置されることが好ましい。エネルギー線源としては、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、または高周波などエネルギー線を放出可能なものであればよく、特に限定されるものではない。エネルギー線源の形態としては、例えば、点状光源、線状光源を用いることができるが、特に限定されるものではなく、点状光源と線状光源とを組み合わせて用いるようにしてもよい。エネルギー線源として点状光源を用いる場合には、複数の点状光源を直線状に配列するなどして線状光源を構成することが好ましい。線状光源は、ロール原盤101の回転軸と平行に配置することが好ましい。紫外線を放出するエネルギー線源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオード、半導体レーザー、蛍光灯、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンス、発光ダイオード、光ファイバなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、ロール原盤101の内部にスリットをさらに設け、このスリットを介してエネルギー線源110から放射されたエネルギー線がエネルギー線硬化性樹脂組成物118に対して照射されるようにしてもよい。このとき、エネルギー線硬化性樹脂組成物118はエネルギー線を吸収することにより発生する熱によって硬化させても良い。
[ロール原盤露光装置の構成]
図5は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。このロール原盤露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
レーザー光源31は、記録媒体としてのロール原盤101の表面に着膜されたレジストを露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザー光104を発振するものである。レーザー光源31から出射されたレーザー光104は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)32へ入射する。電気光学素子32を透過したレーザー光104は、ミラー33で反射され、変調光学系35に導かれる。
ミラー33は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー33を透過した偏光成分はフォトダイオード34で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子32を制御してレーザー光104の位相変調を行う。
変調光学系35において、レーザー光104は、集光レンズ36により、ガラス(SiO)などからなる音響光学素子(AOM:Acousto−Optic Modulator)37に集光される。レーザー光104は、音響光学素子37により強度変調され発散した後、レンズ38によって平行ビーム化される。変調光学系35から出射されたレーザー光104は、ミラー41によって反射され、移動光学テーブル42上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル42は、ビームエキスパンダ43、および対物レンズ44を備えている。移動光学テーブル42に導かれたレーザー光104は、ビームエキスパンダ43により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ44を介して、ロール原盤101上のレジスト層へ照射される。ロール原盤101は、スピンドルモータ45に接続されたターンテーブル46の上に載置されている。そして、ロール原盤101を回転させるとともに、レーザー光104をロール原盤101の高さ方向に移動させながら、レジスト層へレーザー光104を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。形成された潜像は、円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザー光104の移動は、移動光学テーブル42の矢印R方向への移動によって行われる。
露光装置は、例えば、図1Cに示した六方格子または準六方格子などの2次元パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構47を備えている。制御機構47は、フォマッター39とドライバ40とを備える。フォマッター39は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザー光104の照射タイミングを制御する。ドライバ40は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子37を制御する。
このロール原盤露光装置では、2次元パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォマッター信号と記録装置の回転コントロラーを同期させ信号を発生し、音響光学素子37により強度変調している。角速度一定(CAV)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチでパターニングすることにより、六方格子または準六方格子パターンを記録することができる。例えば、円周方向の周期を315nm、円周方向に対して約60度方向(約−60度方向)の周期を300nmにするには、送りピッチを251nmにすればよい(ピタゴラスの法則)。極性反転フォマッター信号の周波数はロールの回転数(例えば1800rpm、900rpm、450rpm、225rpm)により変化させる。例えば、ロールの回転数1800rpm、900rpm、450rpm、225rpmそれぞれに対向する極性反転フォマッター信号の周波数は、37.70MHz、18.85MHz、9.34MHz、4.71MHzとなる。所望の記録領域に空間周波数(円周315nm周期、円周方向約60度方向(約−60度方向)300nm周期)が一様な準六方格子パターンは、遠紫外線レーザー光を移動光学テーブル42上のビームエキスパンダ(BEX)33により5倍のビーム径に拡大し、開口数(NA)0.9の対物レンズ44を介してロール原盤101上のレジスト層に照射し、微細な潜像を形成することにより得られる。
[積層体の製造方法]
図6A〜図7Eは、本技術の第1の実施形態に係る積層体の製造方法の一例を説明するための工程図である。
(レジスト成膜工程)
まず、図6Aに示すように、円筒状のロール原盤101を準備する。次に、図6Bに示すように、ロール原盤101の表面にレジスト層103を形成する。レジスト層103の材料としては、例えば、有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えば、ノボラック系レジスト、化学増幅型レジストなどを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、1種または2種以上の遷移金属からなる金属化合物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図6Cに示すように、ロール原盤101の表面に形成されたレジスト層103に、レーザー光(露光ビーム)104を照射する。具体的には、図5に示したロール原盤露光装置のターンテーブル46上に載置し、ロール原盤101を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)104をレジスト層103に照射する。このとき、レーザー光104をロール原盤101の高さ方向(円柱状または円筒状のロール原盤101の中心軸に平行な方向)に移動させながら、レーザー光104を間欠的に照射することで、レジスト層103を全面にわたって露光する。これにより、レーザー光104の軌跡に応じた潜像105が、可視光波長と同程度のピッチでレジスト層103の全面にわたって形成される。
潜像105は、例えば、原盤表面において複数列のトラックをなすように配置されるとともに、六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成する。潜像105は、例えば、トラックの延在方向に長軸方向を有する楕円形状である。
(現像工程)
次に、ロール原盤101を回転させながら、レジスト層103上に現像液を滴下して、図6Dに示すように、レジスト層103を現像処理する。図示するように、レジスト層103をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光104で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、潜像(露光部)105に応じたパターンがレジスト層103に形成される。
(エッチング工程)
次に、ロール原盤101の上に形成されたレジスト層103のパターン(レジストパターン)をマスクとして、ロール原盤101の表面をエッチング処理する。これにより、図7Aに示すように、トラックの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状の凹部、すなわち構造体102を得ることができる。エッチングとしては、例えばドライエッチングやウエットエッチングを用いることができる。
(線源配置工程)
次に、図7Bに示すように、ロール原盤101内の収容空間(空洞部)に、1または複数のエネルギー線源110を配置する。エネルギー線源110は、ロール原盤101の幅方向Dwまたは回転軸1の軸方向と平行に配置することが好ましい。
(転写工程)
次に、必要に応じて、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が塗布される基体1の表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、UV処理、オゾン処理、ブラスト処理などの表面処理を施す。次に、図7Cに示すように、長尺の基体1またはロール原盤101上にエネルギー線硬化性樹脂組成物118を塗布または印刷する。塗布方法は特に限定されるものではないが、例えば、基体上または原盤上へのポッティング、スピンコート法、グラビアコート法、ダイコート法、バーコート法などを用いることができる。印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。次に、必要に応じて、溶剤除去やプリベークなどの加熱処理を行う。
次に、図7Dに示すように、ロール原盤101を回転させながら、その転写面Spをエネルギー線硬化性樹脂組成物118に密着させるとともに、ロール原盤101内のエネルギー線源110から出射されたエネルギー線を、ロール原盤101の転写面Spの側からエネルギー線硬化性樹脂組成物118に対して照射する。これにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が硬化し、形状層2が形成される。具体的には、エネルギー線硬化性樹脂組成物118の硬化反応が、ロール原盤101の転写面Sp側から基体1の表面側に向けて順次進行し、塗布または印刷されたエネルギー線硬化性樹脂組成物118の全体が硬化することで、形状層2が形成される。基底層22の有無、または基底層22の厚さは、例えば、基体1の表面に対するロール原盤101の圧力を調整することにより選択可能である。次に、基体1上に形成された形状層2をロール原盤101の転写面Spから剥離する。これにより、図7Eに示すように、基体1の表面に形状層2が形成された積層体が得られる。この転写工程では、上述のようにして、帯状を有する基体1の長手方向をロール原盤101の回転進行方向として凹凸形状が転写される。
ここで、図3に示す転写装置を用いた転写工程について具体的に説明する。
まず、基体供給ロール111から長尺の基体1を送出し、送出された基体1は、塗布装置117の下を通過する。次に、塗布装置117の下を通過する基体1上に、塗布装置117によりエネルギー線硬化性樹脂組成物118を塗布する。次に、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が塗布された基体1をガイドロール113を経てロール原盤101に向けて搬送する。
次に、基体1とエネルギー線硬化性樹脂組成物118との間に気泡が入らないように、搬入された基体1をロール原盤101とニップロール115とにより挟み合わる。その後、エネルギー線硬化性樹脂組成物118をロール原盤101の転写面Spに密着させながら、基体1をロール原盤101の転写面Spに沿わせて搬送するとともに、1または複数のエネルギー線源110から放射されたエネルギー線を、ロール原盤101の転写面Spを介してエネルギー線硬化性樹脂組成物118に対して照射する。これにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が硬化し、形状層2が形成さる。次に、剥離ロール116により、ロール原盤101の転写面Spから形状層2が剥離されて、長尺の積層体が得られる。次に、得られた積層体を、ガイドロール114を介して巻き取りロール112に向けて搬送し、長尺の積層体を巻き取りロール112により巻き取る。これにより、長尺の積層体が巻回された原反が得られる。
<2.第2の実施形態>
図8は、本技術の第2の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。この転写装置は、ロール原盤101と、塗布装置117と、搬送ステージ121とを備える。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。搬送ステージ121は、この搬送ステージ121上に載置された基体1を矢印aの方向に向けて搬送可能に構成されている。
次に、上述の構成を有する転写装置の動作の一例について説明する。
まず、塗布装置117の下を通過する基体1上に、塗布装置117によりエネルギー線硬化性樹脂組成物118を塗布する。次に、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が塗布された基体1をロール原盤101に向けて搬送する。次に、エネルギー線硬化性樹脂組成物118をロール原盤101の転写面Spに密着させながら搬送するとともに、ロール原盤101内に設けられた1または複数のエネルギー線源110から放射されたエネルギー線を、ロール原盤101の転写面Spを介してエネルギー線硬化性樹脂組成物118に対して照射する。これにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が硬化し、形状層2が形成さる。次に、搬送ステージを矢印aの方向に搬送することにより、ロール原盤101の転写面Spから形状層2を剥離する。これにより、長尺の積層体が得られる。次に、必要に応じて、得られた積層体を所定の大きさまたは形状に裁断する。以上により、目的とする積層体が得られる。
<3.第3の実施形態>
図9は、本技術の第3の実施形態に係る転写装置の構成の一例を示す概略図である。この転写装置は、ロール131、132、134、135と、ベルト原盤であるエンボスベルト133と、平坦ベルト136と、1個または複数個のエネルギー線源110と、塗布装置117とを備える。第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
エンボスベルト133は、ベルト原盤の一例であり、環状の形状を有し、その外周面には複数の構造体102が、例えば2次元配列されている。エンボスベルト133は、エネルギー線に対して透過性を有している。平坦ベルト136は、環状の形状を有し、その外周面は平坦面とされている。エンボスベルト133と平坦ベルト136との間には、基体1の厚さ程度の間隙が形成され、これらのベルトの間を、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が塗布された基体1が走行可能となっている。
ロール131とロール132とは離間して配置され、これらのロール131とロール132とにより、エンボスベルト133がその内周面により支持されて、エンボスベルト133が細長い長円形状などに形状保持されている。エンボスベルト133の内側に配置されたロール131とロール132とを回転駆動させることにより、エンボスベルト133が回転走行されるようになっている。
ロール134およびロール135はそれぞれ、ロール131およびロール132に対向して配置されている。これらのロール134とロール135とにより、平坦ベルト136がその内周面により支持されて、平坦ベルト136が細長い長円形状などに形状保持されている。平坦ベルト136の内側に配置されたロール134とロール135とを回転駆動させることにより、平坦ベルト136が回転走行されるようになっている。
エンボスベルト133の内側には、1または複数のエネルギー線源110が配置されている。1または複数のエネルギー線源110は、エンボスベルト133と平坦ベルト136との間を走行する基体1に対して、エネルギー線を照射可能に保持されている。線状光源などのエネルギー線源110は、エンボスベルト133の幅方向と平行に配置することが好ましい。エネルギー線源110の配置位置はエンボスベルト133の内周面により形成される空間内であればよく特に限定されるものではない。例えば、ロール131およびロール132の少なくとも一方の内部に配置するようにしてもよい。この場合、ロール131およびロール132をエネルギー線に対して透過性を有する材料により形成することが好ましい。
次に、上述の構成を有する転写装置の動作の一例について説明する。
まず、塗布装置117の下を通過する基体1上に、塗布装置117によりエネルギー線硬化性樹脂組成物118を塗布する。次に、回転するエンボスベルト133と平坦ベルト136との間の間隙に、ロール131、134の側からエネルギー線硬化性樹脂組成物118が塗布された基体1を搬入する。これにより、エンボスベルト133の転写面とエネルギー線硬化性樹脂組成物118とが密着する。次に、この密着状態を維持しながら、エネルギー線源110から放射されたエネルギー線を、エンボスベルト133を介してエネルギー線硬化性樹脂組成物118に対して照射する。これにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物118が硬化され、基体1上に形状層2が形成される。次に、エンボスベルト133を形状層2から剥離する。これにより、目的とする積層体が得られる。
<4.第4の実施形態>
図10Aは、本技術の第4の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す平面図である。図10Bは、図10Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。第4の実施形態に係る積層体は、構造体21を蛇行するトラック(以下ウォブルトラックと称する。)上に配列している点において、第1の実施形態に係る積層体とは異なっている。基体1上における各トラックのウォブルは、同期していることが好ましい。すなわち、ウォブルは、シンクロナイズドウォブルであることが好ましい。このようにウォブルを同期させることで、六方格子または準六方格子などの単位格子形状を保持し、充填率を高く保つことができる。ウォブルトラックの波形としては、例えば、サイン波、三角波などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。ウォブルトラックの波形は、周期的な波形に限定されるものではなく、非周期的な波形としてもよい。
この第4の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<5.第5の実施形態>
図11Aは、本技術の第5の実施形態に係る積層体の構成の一例を示す断面図である。図11Bは、図11Aに示した積層体の一部を拡大して表す平面図である。図11Cは、図11Bに示した積層体の断面図である。第4の実施形態に係る積層体は、複数の構造体21がランダム(不規則)に2次元配列されている点において、第1の実施形態とは異なっている。また、構造体21の大きさおよび/または高さもランダムに変化させるようにしてもよい。
この第5の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<6.第6の実施形態>
図12は、本技術の第6の実施形態に係る積層体の構成の一例示す斜視図である。図12に示すように、第6の実施形態に係る積層体は、基体表面にて一方向に延在された柱状の構造体21を有し、この構造体21が基体1上に1次元配列されている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。
構造体21の断面形状は、例えば三角形状、頂部に曲率Rが付された三角形状、多角形状、半円形状、半楕円形状、放物線状、トロイダル形状などを挙げることができるが、特に限定されるものではない。また、構造体21をウォブルさせながら一方向に延在させるようにしてもよい。
この第6の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<7.第7の実施形態>
図13A〜図13Eはそれぞれ、本技術の第7の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第1〜第5の例を示す断面図である。第7の実施形態に係る積層体は、基体1の両主面に複数の構造体21が2次元配列されている点において、第1の実施形態に係る積層体とは異なっている。具体的には、第1〜第5の例の積層体はそれぞれ、基体1の両主面に複数の構造体21が2次元配列されている点以外のことは、上述の第1の実施形態に係る積層体の第1〜第5の例と同様である(図2参照)。
第7の実施形態に係る積層体は、例えば、次のようにして作製することができる。まず、帯状を有する基体1を搬送しながら、その両面にエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布する。次に、基体1の両面の側に配置された回転原盤(例えばロール原盤またはベルト原盤)の転写面をエネルギー線硬化性樹脂組成物に密着させるとともに、回転原盤内のエネルギー線源からエネルギー線をエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して照射する。これにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化し、構造体21が形成される。なお、2つの回転原盤を基体1を介して対向するように配置して、両原盤にて基体1をニップしながら、エネルギー線硬化性樹脂組成物に形状を転写するようにしてもよい。
この第7の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<8.第8の実施形態>
図14Aは、本技術の第8の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第1の例を示す断面図である。図14Bは、本技術の第8の実施形態に係る積層体に備えられた基体の第2の例を示す断面図である。第8の実施形態に係る積層体は、構造体21がエネルギー線に対して不透過性を有している点において、第1の実施形態または第7の実施形態に係る積層体とは異なっている。このような不透過性を有する構造体21は、例えば、エネルギー線を吸収する顔料などの材料をエネルギー線硬化性樹脂組成物に添加することにより形成することが可能である。
この第8の実施形態において、上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<9.第9の実施形態>
(第9の実施形態の概要)
第9の実施形態は、以下の検討の結果により案出されたものである。
本技術者らは、図15Aに示すように、サブ波長構造体が入射面に形成された半透過型ミラー(光学素子)601と、撮像素子602とを備える撮像光学系について、線状の輝線ノイズの発生を抑制すべく鋭意検討を行った。その結果、輝点などの光源からの光Lが半透過型ミラー601の入射面に入射すると、散乱光Lsが発生し、発生した散乱光Lsが撮像素子602の撮像領域(受光領域)に到達すると、撮像素子602により撮影した画像には白色的な散乱光Lsが輝線ノイズとして現れることを見出すに行った。
そこで、本技術者らは、半透過型ミラー601による散乱光Lsの発生の原因について鋭意検討を行った。その結果、サブ波長構造体の配置ピッチTpの変動が散乱光Lsの発生の原因であることを見出すに至った。すなわち、フォトリソグラフィ技術を用いて原盤を作製した場合には、露光時の送りピッチの精度上の問題により、図15Bに示すように、サブ波長構造体603の配置ピッチTpが変動してしまう。このように配置ピッチTpが変動すると、配置ピッチTpが理想とする配置ピッチTpに比較して大きくなる区画が発生する。このような配置ピッチTpが大きくなった区画に、輝点などの光源からの光Lが照射されると、散乱光Lsが発生する。
そこで、本技術者らは、上述した輝線ノイズ発生の原因を考慮して、輝線ノイズの発生を抑制すべく鋭意検討を行った。その結果、サブ波長構造体603の形状などを調整して、撮像領域に到達する散乱光Lsの成分を、撮像領域外に到達する散乱光Lsの成分より小さくすることにより、輝線ノイズの発生を抑制できることを見出すに至った。
(撮像装置の構成)
図16は、本技術の第9の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図16に示すように、第9の実施形態に係る撮像装置300は、いわゆるデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)であって、筐体301と、レンズ境筒303と、筐体301およびレンズ境筒303内に設けられた撮像光学系302とを備える。撮像光学系302は、レンズ311と、反射防止機能付光学素子201と、撮像素子312と、オートフォーカスセンサ313とを備える。筐体301とレンズ境筒303とが着脱自在に構成されていてもよい。
レンズ311は、被写体からの光Lを撮像素子312に向けて集光する。反射防止機能付光学素子201は、レンズ311により集光された光Lの一部をオートフォーカスセンサ313に向けて反射するのに対して、光Lの残りを撮像素子312に向けて透過する。撮像素子312は、反射防止機能付光学素子201を透過した光を受光する矩形状の撮像領域Aを有し、この撮像領域Aにて受光した光を電気信号に変換し、信号処理回路に出力する。オートフォーカスセンサ313は、反射防止機能付光学素子201により反射された光を受光し、受光した光を電気信号に変換し、制御回路に出力する。
(反射防止機能付光学素子)
以下、第9の実施形態に係る反射防止機能付光学素子201の構成について具体的に説明する。
図17Aは、本技術の第9の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図17Bは、図17Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図17Cは、図17BのトラックTにおける断面図である。
反射防止機能付光学素子201は、入射面および出射面を有する半透過型ミラー(素子本体)202と、この半透過型ミラー202の入射面に形成された複数の構造体203とを備える。構造体203と半透過型ミラー202とは、別成形または一体成形されている。構造体203と半透過型ミラー202とが別成形されている場合には、必要に応じて構造体203と半透過型ミラー202との間に基底層204をさらに備えるようにしてもよい。基底層204は、構造体203の底面側に構造体203と一体成形される層であり、構造体203と同様のエネルギー線硬化性樹脂組成物などを硬化してなる。凹凸形状を有する形状層210が、構造体203により半透過型ミラー202の入射面に形成されている。形状層210が、必要に応じて基底層204をさらに含んでいてもよい。
以下、反射防止機能付光学素子201に備えられる半透過型ミラー202、および構造体203について順次説明する。
(半透過型ミラー)
半透過型ミラー202は、例えば、構造体203を構成するエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線(例えば紫外線など)に対して不透過性を有している。半透過型ミラー202は、入射する光の一部を透過し、残りを反射するミラーである。半透過型ミラー202の形状としては、例えば、シート状、プレート状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、シートにはフィルムが含まれるものと定義する。
(構造体)
構造体203は、いわゆるサブ波長構造体であり、例えば、半透過型ミラー202の入射面に対して凸状を有し、半透過型ミラー202の入射面に対して2次元配列されている。構造体203は、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の短い配置ピッチで周期的に2次元配列されていることが好ましい。
複数の構造体203は、半透過型ミラー202の表面において複数列のトラックTをなすような配置形態を有する。原盤作成工程における露光時の問題から、トラックTのトラックピッチTpが、図17Bに示すように、トラック間で変動している。本技術において、トラックとは、構造体203が列をなして連なった部分のことをいう。トラックTの形状としては、直線状、円弧状などを用いることができ、これらの形状のトラックTをウォブル(蛇行)させるようにしてもよい。このようにトラックTをウォブルさせることで、外観上のムラの発生を抑制できる。
トラックTをウォブルさせる場合には、半透過型ミラー202上における各トラックTのウォブルは、同期していることが好ましい。すなわち、ウォブルは、シンクロナイズドウォブルであることが好ましい。このようにウォブルを同期させることで、六方格子または準六方格子の単位格子形状を保持し、充填率を高く保つことができる。ウォブルしたトラックTの波形としては、例えば、サイン波、三角波などを挙げることができる。ウォブルしたトラックTの波形は、周期的な波形に限定されるものではなく、非周期的な波形としてもよい。ウォブルしたトラックTのウォブル振幅は、例えば±10μm程度に選択される。
半透過型ミラー202の表面は、輝点などの光源からの入射光を散乱し、散乱光を発生させる1または2以上の区画を有している。この区画では、例えばトラックピッチTpが基準となるトラックピッチTpに対して変化し、大きくなっている。このような区画は、原盤作成工程における露光時の問題により発生するものであり、この区画の発生を輝線ノイズの発生が無くなる程度、または気にならない程度に抑えることは困難である。
構造体203は、例えば、隣接する2つのトラックT間において、半ピッチずれた位置に配置されている。具体的には、隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された構造体203の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の構造体203が配置されている。その結果、図17Bに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a7の各点に構造体203の中心が位置する六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成するように構造体203が配置されている。以下では、構造体の列が延在される方向(トラックの延在方向)をトラック方向(列方向)a、半透過型ミラー202の面内においてトラック方向aと垂直な方向をトラック間方向(列間方向)bという。
ここで、六方格子とは、正六角形状の格子のことをいう。準六方格子とは、正六角形状の格子とは異なり、歪んだ正六角形状の格子のことをいう。例えば、構造体203が直線状に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた六方格子のことをいう。構造体203が蛇行して配列されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を構造体203の蛇行配列により歪ませた六方格子、または正六角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、構造体203の蛇行配列により歪ませた六方格子のことをいう。
構造体203が準六方格子パターンを形成するように配置されている場合には、図17Bに示すように、同一トラック内における構造体203の配置ピッチP1(例えばa1〜a2間距離)は、隣接する2つのトラック間における構造体203の配置ピッチ、すなわちトラックの延在方向に対して±θ方向における構造体203の配置ピッチP2(例えばa1〜a7、a2〜a7間距離)よりも長くなっていることが好ましい。このように構造体203を配置することで、構造体203の充填密度の更なる向上を図れるようになる。
構造体203の具体的な形状としては、例えば、錐体状、柱状、針状、半球体状、半楕円体状、多角形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、他の形状を採用するようにしてもよい。錐体状としては、例えば、頂部が尖った錐体形状、頂部が平坦な錐体形状、頂部に凸状または凹状の曲面を有する錐体形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。頂部に凸状の曲面を有する錐体形状としては、放物面状などの2次曲面状などが挙げられる。また、錐体状の錐面を凹状または凸状に湾曲させるようにしてもよい。上述のロール原盤露光装置(図5参照)を用いてロール原盤を作製する場合には、構造体203の形状として、頂部に凸状の曲面を有する楕円錐形状、または頂部が平坦な楕円錐台形状を採用し、それらの底面を形成する楕円形の長軸方向をトラックTの延在方向と一致させることが好ましい。
反射特性の向上の観点からすると、図18Aに示すように、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きの錐体形状が好ましい。また、反射特性および透過特性の向上の観点からすると、図18Bに示すように、中央部の傾きが底部および頂部より急峻な錐形形状、または、図18Cに示すように、頂部が平坦な錐体形状であることが好ましい。構造体203が楕円錐形状または楕円錐台形状を有する場合、その底面の長軸方向が、トラックの延在方向と平行となることが好ましい。
構造体203は、図18Aおよび図18Cに示すように、その底部の周縁部に、頂部から下部の方向に向かってなだらかに高さが低下する曲面部203aを有することが好ましい。反射防止機能付光学素子201の製造工程において反射防止機能付光学素子201を原盤などから容易に剥離することが可能になるからである。なお、曲面部203aは、構造体203の周縁部の一部にのみ設けてもよいが、上記剥離特性の向上の観点からすると、構造体203の周縁部の全部に設けることが好ましい。
構造体203の周囲の一部または全部に突出部205を設けることが好ましい。このようにすると、構造体203の充填率が低い場合でも、反射率を低く抑えることができるからである。突出部205は、成形の容易さの観点からすると、図18A〜図18Cに示すように、隣り合う構造体203の間に設けることが好ましい。また、図18Dに示すように、細長い突出部205が、構造体203の周囲の全体またはその一部に設けるようにしてもよい。この細長い突出部205は、例えば、構造体203の頂部から下部の方向に向かって延びるものとすることができるが、特にこれに限られるものではない。突出部205の形状としては、断面三角形状および断面四角形状などを挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではなく、成形の容易さなどを考慮して選択することができる。また、構造体203の周囲の一部または全部の表面を荒らし、微細の凹凸を形成するようにしてもよい。具体的には例えば、隣り合う構造体203の間の表面を荒らし、微細な凹凸を形成するようにしてもよい。また、構造体203の表面、例えば頂部に微小な穴を形成するようにしてもよい。
なお、図17A〜図18Dでは、各構造体203がそれぞれ同一の大きさ、形状および高さを有しているが、構造体203の形状はこれに限定されるものではなく、基体表面に2種以上の大きさ、形状および高さを有する構造体203が形成されていてもよい。
構造体203は、例えば、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の短い配置ピッチで規則的(周期的)に2次元配置されている。このように複数の構造体203を2次元配列することで、2次元的な波面を半透過型ミラー202の表面に形成するようにしてもよい。ここで、配置ピッチとは、配置ピッチP1および配置ピッチP2を意味する。反射の低減を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。具体的には、配置ピッチは、175nm以上350nm以下であることが好ましい。配置ピッチが175nm未満であると、構造体203の作製が困難となる傾向がある。一方、配置ピッチが350nmを超えると、可視光の回折が生じる傾向がある。
トラックの延在方向における構造体203の高さH1は、列方向における構造体203の高さH2よりも小さいことが好ましい。すなわち、構造体203の高さH1、H2がH1<H2の関係を満たすことが好ましい。H1≧H2の関係を満たすように構造体203を配列すると、トラックの延在方向の配置ピッチP1を長くする必要が生じるため、トラックの延在方向における構造体203の充填率が低下するためである。このように充填率が低下すると、反射特性の低下を招くことになる。
構造体203の高さは特に限定されず、透過させる光の波長領域に応じて適宜設定され、例えば236nm以上450nm以下、好ましくは415nm以上421nm以下の範囲内に設定される。
構造体203のアスペクト比(高さ/配置ピッチ)は、0.81以上1.46以下の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.94以上1.28以下の範囲である。0.81未満であると反射特性および透過特性が低下する傾向にあり、1.46を超えると構造体203の形成時において剥離特性が低下し、レプリカの複製が綺麗に取れなくなる傾向があるからである。また、構造体203のアスペクト比は、反射特性をより向上させる観点からすると、0.94以上1.46以下の範囲に設定することが好ましい。また、構造体203のアスペクト比は、透過特性をより向上させる観点からすると、0.81以上1.28以下の範囲に設定することが好ましい。
ここで、高さ分布とは、2種以上の高さを有する構造体203が半透過型ミラー202の表面に設けられていることを意味する。例えば、基準となる高さを有する構造体203と、この構造体203とは異なる高さを有する構造体203とが半透過型ミラー202の表面に設けるようにしてもよい。この場合、基準とは異なる高さを有する構造体203は、例えば半透過型ミラー202の表面に周期的または非周期的(ランダム)に設けられる。その周期性の方向としては、例えばトラックの延在方向、列方向などが挙げられる。
なお、本技術においてアスペクト比は、以下の式(1)により定義される。
アスペクト比=H/Pm・・・(1)
但し、H:構造体の高さ、Pm:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPmは以下の式(2)により定義される。
平均配置ピッチPm=(P1+P2+P2)/3 ・・・(2)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=60°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
また、構造体203の高さHは、構造体203の列方向の高さとする。構造体203のトラック延在方向(X方向)の高さは、列方向(Y方向)の高さよりも小さく、また、構造体203のトラック延在方向以外の部分における高さは列方向の高さとほぼ同一であるため、サブ波長構造体の高さを列方向の高さで代表する。但し、構造体203が凹部である場合、上記式(1)における構造体の高さHは、構造体の深さHとする。
同一トラック内における構造体203の配置ピッチをP1、隣接する2つのトラック間における構造体203の配置ピッチをP2としたとき、比率P1/P2が、1.00≦P1/P2≦1.1、または1.00<P1/P2≦1.1の関係を満たすことが好ましい。このような数値範囲にすることで、楕円錐または楕円錐台形状を有する構造体203の充填率を向上することができるので、反射防止特性を向上することができる。
基体表面における構造体203の充填率は、100%を上限として、65%以上、好ましくは73%以上、より好ましくは86%以上の範囲内である。充填率をこのような範囲にすることで、反射防止特性を向上することができる。充填率を向上させるためには、隣接する構造体203の下部同士を接合もしくは重ね合わせる、または構造体底面の楕円率を調整などして構造体203に歪みを付与することが好ましい。
ここで、構造体203の充填率(平均充填率)は以下のようにして求めた値である。
まず、反射防止機能付光学素子201の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に単位格子Ucを選び出し、その単位格子Ucの配置ピッチP1、およびトラックピッチTpを測定する(図17B参照)。また、その単位格子Ucの中央に位置する構造体203の底面の面積Sを画像処理により測定する。次に、測定した配置ピッチP1、トラックピッチTp、および底面の面積Sを用いて、以下の式(3)より充填率を求める。
充填率=(S(hex.)/S(unit))×100 ・・・(3)
単位格子面積:S(unit)=P1×2Tp
単位格子内に存在する構造体の底面の面積:S(hex.)=2S
上述した充填率算出の処理を、撮影したSEM写真から無作為に選び出された10箇所の単位格子について行う。そして、測定値を単純に平均(算術平均)して充填率の平均率を求め、これを基体表面における構造体203の充填率とする。
構造体203が重なっているときや、構造体203の間に突出部205などの副構造体があるときの充填率は、構造体203の高さに対して5%の高さに対応する部分を閾値として面積比を判定する方法で充填率を求めることができる。
構造体203が、その下部同士を重ね合うようにして繋がっていることが好ましい。具体的には、隣接関係にある構造体203の一部または全部の下部同士が重なり合っていることが好ましく、トラック方向、θ方向、またはそれら両方向において重なり合っていることが好ましい。このように構造体203の下部同士を重なり合わせることで、構造体203の充填率を向上することができる。構造体同士は、屈折率を考慮した光路長で使用環境下の光の波長帯域の最大値の1/4以下の部分で重なり合っていることが好ましい。これにより、優れた反射防止特性を得ることができるからである。
配置ピッチP1に対する径2rの比率((2r/P1)×100)が、85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。このような範囲にすることで、構造体203の充填率を向上し、反射防止特性を向上できるからである。比率((2r/P1)×100)が大きくなり、構造体203の重なりが大きくなりすぎると反射防止特性が低減する傾向にある。したがって、屈折率を考慮した光路長で使用環境下の光の波長帯域の最大値の1/4以下の部分で構造体同士が接合されるように、比率((2r/P1)×100)の上限値を設定することが好ましい。ここで、配置ピッチP1は、図17Bに示すように、構造体203のトラック方向の配置ピッチであり、径2rは、図17Bに示すように、構造体底面のトラック方向の径である。なお、構造体底面が円形である場合、径2rは直径となり、構造体底面が楕円形である場合、径2rは長径となる。
(撮像光学系)
図19Aは、図16に示した撮像光学系の一部を拡大して示す略線図である。図20Aは、図19Aに示した撮像光学系を光線Lが入射する側から見た略線図である。図20Bは、図20Aに示した撮像光学系が有する反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す拡大図である。図19A中、光線Lは被写体からの主光線を表し、光線Lminは反射防止機能付光学素子201に対する入射角が最も小さい光線を表し、光線Lmaxは、反射防止機能付光学素子201に対する入射角が最も大きい光線を表している。また、矩形状の撮像領域Aの長辺に平行な方向をX軸方向、短辺に平行な方向をY軸方向と定義する。また、撮像素子312の撮像面に垂直な方向にZ軸方向と定義する。
反射防止機能付光学素子201の入射面は、入射光を散乱し、散乱光Lsを発生させる1または2以上の区画を有する。散乱光Lsのうち撮像領域Aに到達する成分の総和が、撮像領域の外側の領域Aに到達する成分の総和より小さいことが好ましい。これにより、撮像画像に対する輝線ノイズの発生を抑制することができる。
輝線ノイズの発生を抑制する観点からすると、撮像領域Aにおける散乱光Lsの強度分布の最大値が、撮像領域Aの外側の領域Aにおける散乱光Lsの強度分布の最大値より小さいことが好ましい。
散乱光Lsは、図19Aに示すように、X軸方向にはほとんど広がらず、撮像素子312の撮像面を含む平面に到達する。したがって、散乱光Lsの強度分布は、主としてY軸方向にのみ変化する。すなわち、散乱光Lsの強度分布は、X軸方向とY軸方向で異なり、異方性を有している。本明細書において、強度分布とは、Y軸方向の強度分布を意味するものとする。
反射防止機能付光学素子201の表面に入射する入射光の強度の合計Iaに対する、反射防止機能付光学素子201の表面により散乱される散乱光Lsの強度Ibの合計の割合(Ib/Ia)が、好ましくは1/500未満、より好ましくは1/5000以下、さらに好ましくは1/10以下の範囲内である。割合(Ib/Ia)を1/500未満とすることで、線状の輝線ノイズの発生を抑制することができる。
図19Bは、図19Aに示した撮像光学系の開口数NAの定義を説明するための略線図である。ここでは、図19Bに示すように、反射防止機能付光学素子201および撮像素子312の光軸を光軸l、反射防止機能付光学素子201の入射面にて散乱した散乱光Lsの方向を散乱方向s、光軸lの方向と散乱光Lsの方向とがなす角を角度δ、開口数NAをnsinδ(n:反射防止機能付光学素子201と撮像素子312との間の媒質(例えば空気)の屈折率)と定義する。
異方性を有する散乱光Lsの強度分布は、開口数NAによって異なっている。この場合、散乱光の強度分布の単位立体角当たりの強度が、開口数NA>0.8の範囲よりも開口数NA≦0.8の範囲にて小さいことが好ましい。撮像素子312の撮像領域Aに到達する散乱光Lsの光量を低減することができるからである。
図20Aに示すように、撮像領域Aが、例えば、対向する二組の辺、すなわち一組の短辺と一組の長辺とを有する矩形状を有している。この場合、構造体203のトラック方向aと、2組の辺のうちの一方の組の辺である長辺の延在方向(X軸方向)とが平行であることが好ましい。これにより、撮像領域Aの幅の狭い短辺の延在方向(Y軸方向)に向かって、光軸lから遠ざかるように散乱光Lsを散乱することができるので、撮像素子312の撮像領域Aに到達する散乱光Lsの光量を低減することができる。
上述したように、構造体203のトラック方向aと、撮像領域Aの長辺の延在方向(X軸方向)とが平行の関係を有する場合、図20Bに示すように、(a)構造体203を長軸と短軸とを持つ楕円形状の底面を有する錐体とし、(b)その底面の長軸の方向をトラック方向aと一致させることが好ましい。(a)構造体203を長軸と短軸とを持つ楕円形状の底面を有する錐体とすることで、構造体203の底面を円形状などの底面とした場合に比して、トラックピッチTpを狭くすることができる。これにより、構造体203の底面を円形状などの底面とした場合に比して、輝点などの光源からの光線Lを光軸lから、より遠ざかるように散乱させることができる。(b)構造体203の底面の長軸の方向をトラック方向aと一致させることで、輝点などの光源からの光線Lを撮像領域Aの幅の狭い短辺の延在方向(Y軸方向)に向かって散乱させることができる。したがって、上述の構成(a)と構成(b)との組合せにより、輝点などの光源からの光線Lを、光軸lからY軸方向に向かって、構造体203の底面を円形状などの底面とした場合に比して遠ざかるように散乱させることができる。したがって、撮像素子312の撮像領域Aに到達する散乱光Lsの光量をさらに低減することができる。
[ロール原盤の構成]
図21Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図21Bは、図21Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図21Cは、図21BのトラックTにおける断面図である。ロール原盤211は、上述した基体表面に複数の構造体203を成形するための原盤である。ロール原盤211は、例えば、円柱状または円筒状の形状を有し、その円柱面または円筒面が基体表面に複数の構造体203を成形するための成形面(回転面)とされる。この成形面には複数の構造体212が2次元配列されている。構造体212は、例えば、成形面に対して凹状を有している。ロール原盤211の材料としては、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
ロール原盤211の成形面に配置された複数の構造体212と、上述の半透過型ミラー202の表面に配置された複数の構造体203とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、ロール原盤211の構造体212の形状、配列、配置ピッチなどは、半透過型ミラー202の構造体203と同様である。
半透過ミラー(素子本体)202の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対してロール原盤211の成形面を回転密着させながら、成形面の内側に設けられたエネルギー線源から放射されたエネルギー線を成形面を介して照射し、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、複数の構造体203が表面に設けられた反射防止機能付光学素子201が得られる。
ロール原盤211は、エネルギー線を透過可能に構成されている。複数の構造体(例えばサブ波長構造体)212が設けられた成形面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有している。この散乱した光の強度分布が、異方性を有していることが好ましい。
[露光装置の構成]
図21Aに示したロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成は、上述の第1の実施形態と同様である。
[反射防止機能付光学素子の製造方法]
本技術の第9の実施形態に係る反射防止機能付光学素子201の製造方法は、半透過型ミラー202の表面に複数の構造体203を形成する以外のことは上述の第1の実施形態と同様である。
なお、上述のトラックピッチTpの変動は、露光工程においてレーザー光の照射上の問題により発生する。露光条件の調整により、このトラックピッチTpの変動を輝線ノイズの発生が無くなる程度、または気にならない程度に低減することは困難である。このため、本実施形態では、上述の技術を採用して輝線ノイズの発生を抑制している。
<10.第10の実施形態>
[反射防止機能付光学素子の構成]
図22Aは、本技術の第10の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図22Bは、図22Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図22Cは、図22BのトラックTにおける断面図である。
第10の実施形態に係る反射防止機能付光学素子201は、複数の構造体203が、隣接する3列のトラックT間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなしている点において、第9の実施形態のものとは異なっている。
ここで、四方格子とは、正四角形状の格子のことをいう。準四方格子とは、正四角形状の格子とは異なり、歪んだ正四角形状の格子のことをいう。例えば、構造体203が直線上に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた四方格子のことをいう。構造体203が蛇行して配列されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を構造体203の蛇行配列により歪ませた四方格子をいう。または、正四角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、構造体203の蛇行配列により歪ませた四方格子のことをいう。
同一トラック内における構造体203の配置ピッチP1は、隣接する2つのトラック間における構造体203の配置ピッチP2よりも長いことが好ましい。また、同一トラック内における構造体203の配置ピッチをP1、隣接する2つのトラック間における構造体203の配置ピッチをP2としたとき、P1/P2が1.4<P1/P2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。このような数値範囲にすることで、楕円錐または楕円錐台形状を有する構造体203の充填率を向上することができるので、反射防止特性を向上することができる。また、トラックに対して45度方向または約45度方向における構造体203の高さまたは深さは、トラックの延在方向における構造体203の高さまたは深さよりも小さいことが好ましい。
トラックの延在方向に対して斜となる構造体203の配列方向(θ方向)の高さH2は、トラックの延在方向における構造体203の高さH1よりも小さいことが好ましい。すなわち、構造体203の高さH1、H2がH1>H2の関係を満たすことが好ましい。
構造体203が四方格子または準四方格子パターンを形成する場合には、構造体底面の楕円率eは、140%≦e≦180%であることが好ましい。この範囲にすることで、構造体203の充填率を向上し、優れた反射防止特性を得ることができるからである。
基体表面における構造体203の充填率は、100%を上限として、65%以上、好ましくは73%以上、より好ましくは86%以上の範囲内である。充填率をこのような範囲にすることで、反射防止特性を向上することができる。
ここで、構造体203の充填率(平均充填率)は以下のようにして求めた値である。
まず、反射防止機能付光学素子201の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に単位格子Ucを選び出し、その単位格子Ucの配置ピッチP1、およびトラックピッチTpを測定する(図22B参照)。また、その単位格子Ucに含まれる4つの構造体203のいずれかの底面の面積Sを画像処理により測定する。次に、測定した配置ピッチP1、トラックピッチTp、および底面の面積Sを用いて、以下の式(4)より充填率を求める。
充填率=(S(tetra)/S(unit))×100 ・・・(4)
単位格子面積:S(unit)=2×((P1×Tp)×(1/2))=P1×Tp
単位格子内に存在する構造体の底面の面積:S(tetra)=S
上述した充填率算出の処理を、撮影したSEM写真から無作為に選び出された10箇所の単位格子について行う。そして、測定値を単純に平均(算術平均)して充填率の平均率を求め、これを基体表面における構造体203の充填率とする。
配置ピッチP1に対する径2rの比率((2r/P1)×100)が、64%以上、好ましくは69%以上、より好ましくは73%以上である。このような範囲にすることで、構造体203の充填率を向上し、反射防止特性を向上できるからである。ここで、配置ピッチP1は、構造体203のトラック方向の配置ピッチ、径2rは、構造体底面のトラック方向の径である。なお、構造体底面が円形である場合、径2rは直径となり、構造体底面が楕円形である場合、径2rは長径となる。
この第10の実施形態において、上記以外のことは、第9の実施形態と同様である。
<11.第11の実施形態>
図23Aは、本技術の第11の実施形態に係る反射防止機能付光学素子の構成の一例を示す平面図である。図23Bは、図23Aに示した反射防止機能付光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図23Cは、図23BのトラックTにおける断面図である。
第11の実施形態に係る反射防止機能付光学素子201は、凹部である構造体203が基体表面に多数配列されている点において、第9の実施形態のものとは異なっている。この構造体203の形状は、第9の実施形態における構造体203の凸形状を反転して凹状としたものである。なお、上述のように構造体203を凹状とした場合、凹状である構造体203の開口部(凹部の入り口部分)を下部、半透過型ミラー202の深さ方向の最下部(凹部の最も深い部分)を頂部と定義する。すなわち、非実体的な空間である構造体203により頂部、および下部を定義する。また、第12の実施形態では、構造体203が凹状であるため、式(1)などにおける構造体203の高さHは、構造体203の深さHとなる。
この第11の実施形態において、上記以外のことは、第9の実施形態と同様である。
<12.第12の実施形態>
(第12の実施形態の概要)
第12の実施形態は、以下の検討の結果により案出されたものである。
第9の実施形態において説明したように、本技術者らは、鋭意検討の結果、撮像画像に対する輝線ノイズの発生は、サブ波長構造体の配置ピッチTpの変動に起因するものであることを見出すに至った。そこで、本技術者らは、上述の第9の実施形態とは異なる技術により、線状の輝線ノイズの発生を抑制することを検討した。その結果、サブ波長構造体の列に対して垂直な方向に、サブ波長構造体の配置位置を変動させて、輝点などの光源からの光を2次元的に広げて拡散することにより、輝線ノイズの発生を抑制できることを見出すに至った。
(撮像装置の構成)
本技術の第12の実施形態に係る撮像装置は、反射防止機能付光学素子表面に形成された構造体203の配置形態以外の点では第9の実施形態と同様である。したがって、以下では、構造体203の配置形態について説明する。
(構造体の配置形態)
図24Aは、本技術の第12の実施形態に係る反射防止機能付光学素子表面の一部を拡大して表す平面図である。図24Aに示すように、複数の構造体203の中心位置αは、仮想トラックTiを基準としてトラック間方向(列間方向)bに向けて変動している。このように構造体203の中心位置αを変動させることで、輝点などの光源からの光を2次元的に広げて拡散することができる。したがって、撮像画に対する輝線ノイズの発生を抑制することができる。構造体203の中心位置αの変動は、例えば、規則的または不規則的であり、撮像画に対する輝線ノイズの発生を低減する観点からすると、不規則的であることが好ましい。また、構造体203の充填率を向上させる観点からすると、図24Aに示した区画Dのように、各仮想トラックTi間において変動の方向を同期させることが好ましい。
(仮想トラック)
図24Bは、仮想トラックTiの定義を説明するための概略図である。仮想トラックTiは、構造体203の中心位置αの平均位置から求められる仮想的なトラックであり、具体的には以下のようにして求めることができる。
まず、反射防止機能付光学素子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から、仮想トラックTiを求める構造体203の列を1つ選び出す。次に、選び出した列から10個の構造体203を無作為に選び出す。次に、構造体203の変動方向bに対して垂直な直線Lを設定し、この直線Lを基準として、選び出した各構造体203の中心位置(C、C、・・・、C10)を求める。次に、求めた10個の構造体203の中心位置を単純に平均(算術平均)して、構造体203の平均中心位置Cm(=(C+C+・・・・+C10)/10)を求める。次に、求めた平均中心位置Cmを通り、かつ、直線Lと平行な直線を求め、この直線を仮想トラックTiとする。なお、原盤作成工程における露光時の問題から、仮想トラックTiのトラックピッチTpは、図24Aに示すように、トラック間で変動している。
(変動幅)
図25Aは、構造体の中心位置の変動幅を説明するための概略図である。トラックピッチTpの変動幅ΔTpの最大値をΔTpmaxとした場合、構造体203の中心位置αの変動幅ΔAは、ΔTpmaxよりも大きいことが好ましい。これにより、線状の輝線ノイズの発生を低減することができる。ここで、構造体203の中心位置αの変動幅ΔAは、仮想トラックTiを基準とした変動幅である。
(トラックピッチTpの最大変動幅ΔTpmax
トラックピッチTpの最大変動幅ΔTpmaxは、以下のようにして求めることができる。
まず、反射防止機能付光学素子の表面をSEMを用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から隣接する構造体203の列を1組選び出す。次に、選び出した一組の構造体203の列それぞれについて仮想トラックTiを求める。次に、求めた仮想トラックTi間のトラックピッチTpを求める。上述したトラックピッチTpを求める処理を、撮影したSEM写真から無作為に選び出された10箇所で行う。そして、10箇所で求めたトラックピッチTpを単純に平均(算術平均)して平均トラックピッチTpmを求める。
次に、上述のようにして求めた平均トラックピッチTpmと、トラックピッチTpとの差の絶対値(|Tp−Tpm|)を求め、トラックピッチTpの変動幅ΔTpとする。上述のようにした多数のトラックピッチTpの変動幅ΔTpを求め、そのうちから最大値を選び出し、最大変動幅ΔTpmaxとする。
(変動割合)
図25Bは、構造体の変動割合を説明するための概略図である。トラック方向aにおける構造体203の配置ピッチを配置ピッチPとした場合、構造体203の中心位置αは、線状の輝線ノイズの発生を抑制できるような頻度でトラック間方向bに変動していることが好ましい。具体的には、構造体203の中心位置αは、トラック方向aに対して所定距離(所定周期)nP(n:自然数、例えばn=5)以下の距離でトラック間方向bに変動していることが好ましい。より具体的には、構造体203の中心位置αは、トラック方向aに対して所定個数n個(n:自然数、例えばn=5)に1個以上の割合でトラック間方向bに変動していることが好ましい。
(構造体の配置形態の例)
図26Aは、構造体の配置形態の第1の例を示す模式図である。図26Aに示すように、第1の例では、構造体203の中心位置αを蛇行するように変動させている。具体的には、構造体203の中心位置αを、ウォブル(蛇行)したトラック(以下ウォブルトラックという。)Tw上に配置している。
各ウォブルトラックTwは同期していることが好ましい。このようにウォブルトラックTwを同期させることで、(準)四方格子形状または(準)六方格子形状などの単位格子形状を保持し、充填率を高く保つことができる。ウォブルトラックTwの波形としては、例えば、サイン波、三角波などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
ウォブルトラックTwの周期Tおよび振幅Aは、規則的または不規則的とすることができ、線状の輝線ノイズの発生の低減の観点からすると、図26Bに示すように、周期Tおよび振幅Aの少なくとも一方を不規則とすることが好ましく、両者を不規則とすることがより好ましい。なお、ウォブルトラックTwの振幅Aの変動は周期単位に限定されるものではなく、一周期内で振幅Aが変動するようにしてもよい。
図26Cは、構造体の配置形態の第2の例を示す模式図である。図26Cの区画S1に示すように、第2の例では、個々の構造体203の中心位置αを独立に、仮想トラックTiを基準としてトラック間方向bに向けて変動させている。また、図26Cの区画S2に示すように、トラック方向aに隣接する所定個数の構造体203によりブロック(構造体群)Bを構成し、このブロックBを1つの変動単位として構造体203の中心位置αを変動させるようにしてもよい。ここで、構造体203の中心位置αの変動は、規則的または不規則的とすることができ、線状の輝線ノイズ発生の低減の観点からすると、不規則的とすることが好ましい。なお、図26Cでは、1つの列内に区画S1および区画S2で示す2つの配置形態が混在する例を示しているが、これらの配置形態は必ずしも混在して使用する必要はなく、いずれか一方の配置形態を用いて反射防止機能付光学素子表面を形成するようにしてもよい。
(入射光の強度Iaに対する散乱光の強度Ibの割合)
反射防止機能付光学素子の表面に入射する入射光の強度Iaの合計に対する、反射防止機能付光学素子の表面により散乱される散乱光Lsの強度Ibの合計の割合(Ib/Ia)が、好ましくは1/500未満、より好ましくは1/5000以下、さらに好ましくは1/10以下の範囲内である。割合(Ib/Ia)を1/500未満とすることで、線状の輝線ノイズの発生を抑制することができる。
<13.第13の実施形態>
(構造体の配置形態)
図27Aは、本技術の第13の実施形態に係る反射防止機能付光学素子表面の一部を拡大して表す平面図である。図27Aに示すように、第13の実施形態は、同一トラック内における構造体203の配置ピッチPが、平均配置ピッチPmに対して変動している点において、第12の実施形態とは異なっている。
(変動幅)
図27Bは、構造体の配置ピッチPの変動幅を説明するための概略図である。トラックピッチTpの変動幅ΔTpの最大値をΔTpmaxとした場合、配置ピッチPの変動幅ΔPは、ΔTpmaxよりも大きいことが好ましい。これにより、線状の輝線ノイズの発生を低減することができる。ここで、配置ピッチPの変動幅ΔPは、平均配置ピッチPmを基準とした変動幅である。
(平均配置ピッチPm)
平均配置ピッチPmは、以下のようにして求めることができる。
まず、反射防止機能付光学素子の表面をSEMを用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真からトラックTを無作為に1つ選び出す。次に、選び出したトラックT上に配置された複数の構造体203から隣接する2つの構造体203を無作為に1組選び出し、トラック方向aの配置ピッチPを求める。上述した配置ピッチPを求める処理を、撮影したSEM写真から無作為に選び出された10箇所で行う。そして、10箇所で求めた配置ピッチPを単純に平均(算術平均)して平均配置ピッチPmを求める。
<14.第14の実施形態>
上述の第9の実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)に本技術を適用する場合を例として説明したが、本技術の適用例はこれに限定されるものではない。本技術の第14の実施形態では、デジタルビデオカメラに本技術を適用した例について説明する。
図28は、本技術の第14の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図28に示すように、第14の実施形態に係る撮像装置401は、いわゆるデジタルビデオカメラであって、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、固体撮像素子402、ローパスフィルタ403、フィルタ404、モータ405、アイリス羽根406および電気調光素子407を備える。この撮像装置401では、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、固体撮像素子402、ローパスフィルタ403、フィルタ404、アイリス羽根406および電気調光素子407により撮像光学系が構成される。アイリス羽根406および電気調光素子407により光学調整装置が構成される。
レンズ第1群L1およびレンズ第3群L3は、固定レンズである。レンズ第2群L2は、ズーム用レンズである。レンズ第4群は、フォーカス用レンズである。
固体撮像素子402は、入射された光を電気信号に変換し、図示を省略した信号処理部に供給する。この固体撮像素子402は、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などである。
ローパスフィルタ403は、例えば、固体撮像素子402の前面に設けられる。ローパスフィルタ403は、画素ピッチに近い縞模様の像などを撮影した場合に生じる偽信号(モワレ)を抑制するためのものであり、例えば、人工水晶から構成される。
フィルタ404は、例えば、固体撮像素子402に入射する光の赤外域をカットするとともに、近赤外域(630nm〜700nm)の分光の浮きを抑え、可視域帯(400nm〜700nm)の光強度を一様にするためのものである。このフィルタ404は、例えば、赤外光カットフィルタ(以下、IRカットフィルタ)404aと、このIRカットフィルタ404a上にIRカットコートを積層させて形成されたIRカットコート層404bとから構成される。ここで、IRカットコート層404bは、例えば、IRカットフィルタ404aの被写体側の面およびIRカットフィルタ404aの固体撮像素子402側の面の少なくとも一方に形成される。図28では、IRカットフィルタ404aの被写体側の面にIRカットコート層404bが形成される例が示されている。
モータ405は、図示を省略した制御部から供給された制御信号に基づき、レンズ第4群L4を移動する。アイリス羽根406は、固体撮像素子402に入射する光量を調整するためのものであり、図示を省略したモータにより駆動される。
電気調光素子407は、固体撮像素子402に入射する光量を調整するためのものである。この電気調光素子407は、少なくとも染料系色素を含んだ液晶からなる電気調光素子であり、例えば、2色性GH液晶からなる電気調光素子である。
撮像光学系を構成するレンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、ローパスフィルタ403、フィルタ404、および電気調光素子407のうちの少なくとも1つの光学素子または光学素子群(以下光学部という。)の表面には、複数の構造体が形成されている。それらの構造体の構成、形状および配置形態などは、例えば、上述の第1〜第13のいずれかのものと同様とすることができる。
具体的には、撮像光学系を構成する光学部のうち、固体撮像素子402の手前側(被写体側)に離間して設けられたフィルタ404またはレンズ第3群L3の表面に複数の構造体を形成する場合には、それらの構造体の構成、形状および配置形態などは、上述の第1〜第13のいずれかのものと同様とすることが好ましい。固体撮像素子402の手前に離間して設けられたフィルタ404およびレンズ第3群L3以外の光学部の表面に複数の構造体を形成する場合には、それらの構造体の構成、形状および配置形態などは、上述の第4または第13のものと同様とすることが好ましい。特に固体撮像素子402の手前に隣接して設けられたローパスフィルタ403の表面に複数の構造体を形成する場合には、それらの構造体の構成、形状および配置形態などは、上述の第4または第13のものと同様とすることが好ましい。
<15.第15の実施形態>
図29は、本技術の第15の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。
図29に示すように、第15の実施形態に係る撮像装置300は、光量調整装置314をさらに備えている点において、第9の実施形態とは異なっている。図29では、光量調整装置314がレンズ境筒303に設けられる例が示されているが、光量調整装置314が設けられる位置はこの例に限定されるものではなく、撮像装置本体である筐体301に光量調整装置314が設けられるようにしてもよい。
光量調整装置314は、撮像光学系302の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置である。光量調整装置314は、例えば、一対の絞り羽根と、光の透過光量を減少させるNDフィルタとを備えている。光量調整装置314の駆動方式としては、例えば、一対の絞り羽根とNDフィルタとを1つのアクチュエータで駆動する方式、一対の絞り羽根とNDフィルタとをそれぞれ独立した2つのアクチュエータで駆動する方式を用いることができるが、これらの方式に特に限定されるものではない。NDフィルタとしては、透過率もしくは濃度が単一のフィルタ、または透過率もしくは濃度がグラデーション状に変化するフィルタを用いることができる。また、NDフィルタの数は1枚に限定されるものではなく、複数枚のNDフィルタを積層して用いるようにしてもよい。
(NDフィルタ)
図30Aは、NDフィルタの構成の一例を示す断面図である。図30Aに示すように、NDフィルタ501は、反射防止機能付NDフィルタ(反射防止機能付光学素子)であって、入射面および出射面を有するNDフィルタ本体(素子本体)502と、NDフィルタ本体502の入射面に設けられた複数のサブ波長構造体503とを備える。NDフィルタ本体502の透過特性を向上する観点からすると、入射面および出射面の両方に複数のサブ波長構造体503を設けることが好ましい。NDフィルタ501は、例えばフィルム状を有している。サブ波長構造体503とNDフィルタ本体502とは、別成形または一体成形されている。サブ波長構造体503とNDフィルタ本体502とが別成形されている場合には、必要に応じてサブ波長構造体503とNDフィルタ本体502との間に基底層504をさらに備えるようにしてもよい。基底層504は、サブ波長構造体503の底面側にサブ波長構造体503と一体成形される層であり、サブ波長構造体503と同様のエネルギー線硬化性樹脂組成物などを硬化してなる。
以下、NDフィルタ501に備えられるNDフィルタ本体502、およびサブ波長構造体503について順次説明する。
(NDフィルタ本体)
NDフィルタ本体502としては、色素および/または顔料を含有するフィルムなどの基体を用いることができる。このような構成を有するNDフィルタ本体502は、例えば、樹脂材料に色素および/または顔料を練り込むことにより形成することができる。色素は、可視光領域に吸収をもつ染料であれば特に制限はないが、例示するならば、フタロシアニン系、チオール金属錯体系、アゾ系、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、アントラキノン系又はジイモニウム塩系などが挙げられる。顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属窒化物、および金属窒酸化物から選ばれる少なくとも1種の無機粒子が挙げられる。このような無機粒子としては、具体的には例えば、カーボン粒子、ブラック酸化チタン、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、ビチューム、アニリン黒など黒色顔料が挙げられる。
図30Bに示すように、NDフィルタ本体502の構成として、基体511と、この基体511の表面に設けられた、色素および/または顔料を含有するND層512とを備えるものを採用してもよい。ND層512は、単層構造のみならず、複数のND層を積層した積層構造とすることも可能である。基体511としては、透明基体を用いることができるが、これに限定されるものではなく、色素および/または顔料を含有する基体を用いてもよい。
図30Cに示すように、ND層512として、基体511の表面に複数の無機膜513、513、・・・、513が積層された積層膜を用いてもよい。積層膜としては、例えば、金属膜、金属酸化物、誘電体膜などを用いることができる。
図30Dに示すように、NDフィルタ本体502の構成として、色素および/または顔料を含有する層514を複数膜のフィルム515、516で挟み込んだ構成を採用してもよい。
(サブ波長構造体)
サブ波長構造体503は、上述の第9の実施形態における構造体203と同様である。
この第15の実施形態において、上記以外のことは、第9の実施形態と同様である。なお、第14の実施形態に係る撮像装置の光量調整装置として、上述の第15の実施形態にて説明した光量調整装置を用いるようにしてもよい。
<変形例>
図29に示すように、レンズ境筒303の光入射側の面、すなわち被写体側の面にフィルタ315を備えるようにしてもよい。フィルタ315は、レンズ境筒303に対して着脱自在の構成を有している。フィルタ315は、入射面および出射面を有するフィルタ本体と、フィルタ本体の入射面に設けられた複数のサブ波長構造体とを備える。フィルタ本体の透過特性を向上する観点からすると、入射面および出射面の両方に複数のサブ波長構造体を設けることが好ましい。サブ波長構造体は、上述の第15の実施形態におけるサブ波長構造体503と同様である。フィルタ315はレンズ境筒303の光入射側の面に装着されるものであれば特に限定されるものではないが、例示するならば、偏光(PL)フィルタ、シャープカット(SC)フィルタ、色彩強調および効果用フィルタ、減光(ND)フィルタ、色温度変換(LB)フィルタ、色補正(CC)フィルタ、ホワイトバランス取得用フィルタ、レンズ保護用フィルタなどが挙げられる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例、比較例および試験例について以下の順序で説明する。
1.NDフィルタの光学特性
2.トラックピッチと散乱光との関係
3.トラックピッチの変動量と散乱光との関係
[1.NDフィルタの光学特性]
(実施例1)
まず、外径126mmのガラスロール原盤を準備し、このガラスロール原盤の表面に以下のようにしてレジスト層を着膜した。すなわち、シンナーでフォトレジストを1/10に希釈し、この希釈レジストをディッピング法によりガラスロール原盤の円柱面上に厚さ70nm程度に塗布することにより、レジスト層を着膜した。次に、記録媒体としてのガラスロール原盤を、図7に示したロール原盤露光装置に搬送し、レジスト層を露光することにより、1つの螺旋状に連なるとともに、隣接する3列のトラック間において六方格子パターンをなす潜像がレジスト層にパターニングされた。
具体的には、六方格子状の露光パターンが形成されるべき領域に対して、前記ガラスロール原盤表面まで露光するパワー0.50mWのレーザー光を照射し六方格子状の露光パターンを形成した。なお、トラック列の列方向のレジスト層の厚さは60nm程度、トラックの延在方向のレジスト厚さは50nm程度であった。
次に、ガラスロール原盤上のレジスト層に現像処理を施して、露光した部分のレジスト層を溶解させて現像を行った。具体的には、図示しない現像機のターンテーブル上に未現像のガラスロール原盤を載置し、ターンテーブルごと回転させつつガラスロール原盤の表面に現像液を滴下してその表面のレジスト層を現像した。これにより、レジスト層が六方格子パターンに開口しているレジストガラス原盤が得られた。
次に、ロールエッチング装置を用い、CHFガス雰囲気中でのプラズマエッチングを行った。これにより、ガラスロール原盤の表面において、レジスト層から露出している六方格子パターンの部分のみエッチングが進行し、その他の領域はレジスト層がマスクとなりエッチングはされず、楕円錐形状の凹部がガラスロール原盤に形成された。この際、エッチング量(深さ)は、エッチング時間によって調整した。最後に、Oアッシングにより完全にレジスト層を除去することにより、凹形状の六方格子パターンを有するモスアイガラスロールマスタが得られた。列方向における凹部の深さは、トラックの延在方向における凹部の深さより深かった。
次に、上述のようにして得られたモスアイガラスロールマスタの空洞部に複数のUV光源を配置した。次に、このモスアイガラスロールマスタを用いて、UVインプリントにより複数の構造体をフィルム状のNDフィルタの両面に作製した。具体的には、上記モスアイガラスロールマスタを回転させながら、その転写面を紫外線硬化樹脂が塗布されたNDフィルタに密着させるとともに、パワー100mJ/cmの紫外線をモスアイガラスロールマスタの転写面の側から紫外線硬化樹脂に対して照射し硬化させながら剥離した。これにより、以下の構造体が両面に複数配列されたNDフィルタが得られた。
構造体の配列:六方格子
構造体の形状:釣鐘型(ほぼ回転放物面状)
構造体の平均配置ピッチP:250nm
構造体の平均高さH:200nm
構造体のアスペクト比(H/P):0.8
以上により、反射防止機能を有するNDフィルタが得られた。
(比較例1)
NDフィルタの両面に複数の構造体を形成せずに、NDフィルタ自体をサンプルとした。
(評価)
上述のようにして得られた実施例1および比較例1のNDフィルタについて、透過特性および反射特性を以下のようにして評価した。
(透過特性)
NDフィルタの可視周辺の波長域(350nm〜750nm)での透過スペクトルを、分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V−550)により測定した。その結果を図31Aに示す。
(反射特性)
NDフィルタの一方の面に黒色テープを貼り合わせることにより、測定試料を作製した。次に、この測定試料の可視周辺の波長域(350nm〜850nm)での反射スペクトルを、分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V−550)により測定した。その結果を図31Bに示す。
図31Aから、構造体をNDフィルムの両表面に設けることで、可視周辺の波長域(350nm〜700nm)のほぼ全体で、透過率を約1%向上できることがわかる。
図31Bから、構造体をNDフィルムの表面に設けることで、可視周辺の波長域(350nm〜850nm)のほぼ全体で、反射率を約4%低減できることがわかる。
[2.トラックピッチと散乱光との関係]
RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)シミュレーションにより、トラックピッチと散乱光との関係について検討を行った。
(試験例1−1)
表面に複数のサブ波長構造体が形成された光学素子を想定し、この光学素子に対して点光源からの光が照射された場合における散乱光の強度分布をシミュレーションにより求めた。
以下に、シミュレーションの条件を示す。
サブ波長構造体の配列:四方格子
トラック方向の配置ピッチP1:250nm
トラックピッチTp:200nm
サブ波長構造体の底面形状:楕円形状
サブ波長構造体の高さ:200nm
構造体形状:放物面形状(釣鐘型)
偏光:無偏光
屈折率:1.5
(試験例1−2)
トラックピッチTpを250nmとしたこと以外は、試験例1−1の場合と同様にして、散乱光の強度分布をシミュレーションにより求めた。
図32Aは、試験例1−1のシミュレーション結果を示す図である。図32Bは、試験例1−2のシミュレーション結果を示す図である。図32Aおよび図32Bでは、縦横軸(XY軸):NA=±1.5の範囲内における散乱光の強度分布を示しており、強度が大きい位置ほど明るく(白く)表示されている。なお、図32Aおよび図32Bの中心(光軸部分)にそれぞれ現れている散乱光の強度が高い部分は、入射光(0次光)の強度を示している。
上述のシミュレーションの結果から以下のことがわかった。
試験例1−1では、散乱光が光軸から遠ざかっており、試験例1−1で想定した光学素子では、試験例1−2で想定した光学素子と比較して、NA<0.8の範囲内において散乱光の強度が小さくなる傾向がある。したがって、試験例1−1の光学素子では、撮像画に画像ノイズ(輝線ノイズ)を低減することができる。
試験例1−2では、散乱光が光軸近傍に存在しており、NA<0.8の範囲において散乱光の強度が大きくなる傾向がある。したがって、試験例1−2の光学素子では、撮像画に画像ノイズ(輝線ノイズ)が発生する。
以上により、画像ノイズの発生を低減する観点からすると、トラックピッチ(トラック間方向の配置ピッチ)Tpを狭くすることが好ましい。
[3.トラックピッチの変動量と散乱光との関係]
RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)シミュレーションにより、トラックピッチの変動量およびサブ波長構造体の配列形態と散乱光との関係について検討を行った。
(試験例2−1)
表面に複数のサブ波長構造体が形成された光学素子を想定し、この光学素子に対して点光源からの光が照射された場合における散乱光の強度分布をシミュレーションにより求めた。
以下に、シミュレーションの条件を示す。
サブ波長構造体の配列:四方格子
トラック方向の配置ピッチP1:250nm
トラックピッチTpの中心値:250nm
トラックピッチTpの変動量の最大値:32nm
サブ波長構造体の底面形状:楕円形状
サブ波長構造体の高さ:200nm
構造体形状:放物面形状(釣鐘型)
偏光:無偏光
屈折率:1.5
(試験例2−2)
トラックピッチTpの変動量の最大値を△Tp=8nmとしたこと以外は、試験例2−1の場合と同様にして、散乱光の強度分布をシミュレーションにより求めた。
(試験例2−3)
トラックピッチTpの変動量の最大値を△Tp=8nmとするとともに、トラックをウォブルさせたこと以外は、試験例2−1の場合と同様にして、散乱光の強度分布をシミュレーションにより求めた。
図33Aおよび図33Bは、試験例2−1のシミュレーション結果を示す図である。図34Aおよび図34Bは、試験例2−2のシミュレーション結果を示す図である。図35Aおよび図35Bは、試験例2−3のシミュレーション結果を示す図である。図33A、図34Aおよび図35Aでは、縦横軸(XY軸):NA=±1.5の範囲内における散乱光の強度分布を示している。なお、図33A、図34Aおよび図35Aの中心(光軸部分)にそれぞれ現れている散乱光の強度が高い部分は、入射光(0次光)の強度を示している。なお、試験例2−1のヘイズ値は、実測により得られるヘイズ値(モスアイ分のヘイズ値)に近いため、試験例2−1〜試験例2−3のシミュレーションで想定したモデルは、妥当なものであると判断できる。
試験例2−1〜2−3について、入射光の光量の合計ILaに対する帯状散乱光の光量の合計ILbの比率((ILb/ILa)×100[%])を以下に示す。
試験例2−1:0.2%(入射光の強度の合計Iaに対する散乱光の強度の合計Ibの割合(Ib/Ia):1/500)
試験例2−2:0.02%(入射光の強度の合計Iaに対する散乱光の強度の合計Ibの割合(Ib/Ia):1/5000)
試験例2−3:0.001%(入射光の強度の合計Iaに対する散乱光の強度の合計Ibの割合(Ib/Ia):1/10
上述のシミュレーションの結果から以下のことがわかった。
試験例2−1のシミュレーション結果から、トラックピッチTpの変動量ΔTpの最大値が大きいと、輝線ノイズが発生することがわかった。
試験例2−2のシミュレーション結果から、トラックピッチTpの変動量ΔTpの最大値を小さくすることにより、輝線ノイズの発生を抑制することができ、トラックピッチの変動量を高精度化することによって、輝線ノイズの発生を抑制する効果があることがわかった。
試験例2−3のシミュレーション結果から、トラックピッチTpの変動量ΔTpの最大値を小さくするとともに、トラックを非周期的周波数でウォブルさせて変動させることで、輝線ノイズの発生をさらに抑制できることがわかった。
以上により、輝線ノイズの発生を抑制する観点からすると、入射光の強度に対する散乱光の強度の割合は、好ましくは1/500未満、より好ましくは1/5000以下、さらに好ましくは1/10以下の範囲内である。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、本技術の実施形態に係る光学素子は、撮像装置だけではなく、顕微鏡や露光装置などにも適用が可能である。
また、例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の各実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、撮像装置に本技術を適用する例について説明したが、本技術はこの例に限定されるものではなく、複数のサブ波長構造体が表面(入射面および出射面の少なくとも一方)に形成された光学素子を有する光学系またはそれを備えた光学装置に対して本技術は適用可能である。例えば、本技術は顕微鏡や露光装置などにも適用が可能である。
また、上述の実施形態では、デジタル式の撮像装置に本技術を適用する場合を例として説明したが、アナログ式の撮像装置に対しても本技術は適用可能である。
(本技術の構成)
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1−1)
素子本体と、
上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子。
(1−2)
上記素子本体の表面に設けられた、凹凸形状の表面を有する形状層をさらに備え、
上記凹凸形状は、上記複数のサブ波長構造体を含み、
上記形状層の表面には、所定のサブ波長構造体パターンを有する単位領域が上記凹凸形状の不整合を生じることなく連続して設けられている(1−1)に記載の光学素子。
(1−3)
上記素子本体は、帯状の形状を有し、
上記素子本体の長手方向に向かって、上記単位領域が連続して設けられている(1−2)に記載の光学素子。
(1−4)
上記凹凸形状の不整合が、上記所定のサブ波長構造体パターンの周期性の乱れである(1−2)〜(1−3)のいずれかに記載の光学素子。
(1−5)
上記凹凸形状の不整合が、隣接する単位領域間の重なり、隙間、または、未転写部である(1−2)〜(1−3)のいずれかに記載の光学素子。
(1−6)
上記単位領域間は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度に不整合を生じることなく繋がっている(1−2)〜(1−3)のいずれかに記載の光学素子。
(1−7)
上記エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度の不整合が、重合度の差である(1−6)に記載の光学素子。
(1−8)
上記サブ波長構造体は、上記素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物を、上記素子本体とは反対の側から硬化反応を進行させることにより形成されている(1−1)〜(1−7)のいずれかに記載の光学素子。
(1−9)
上記単位領域は、回転原盤の回転面を1回転することにより形成される転写領域である(1−2)〜(1−7)のいずれかに記載の光学素子。
(1−10)
上記サブ波長構造体が格子パターンを形成し、
上記サブ波長構造体が上記表面において複数列のトラックをなすように配置され、
上記格子パターンが、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンの少なくとも1種であり、
上記表面は、入射光の一部を散乱し、
上記散乱した光の強度が、上記入射光の強度に対して1/500未満である(1−1)に記載の光学素子。
(1−11)
上記サブ波長構造体パターンは、凸状または凹状の複数のサブ波長構造体を1次元配列または2次元配列することにより形成されている(1−2)〜(1−9)のいずれかに記載の光学素子。
(1−12)
上記複数のサブ波長構造体は、規則的または不規則的に配置されている(1−1)〜(1−11)のいずれかに記載の光学素子。
(1−13)
上記素子本体が、少なくとも1つの平面または曲面を有し、
上記平面または曲面に上記形状層が形成されている(1−2)〜(1−7)のいずれかに記載の光学素子。
(1−14)
上記サブ波長構造体が上記表面において複数列のトラックをなすように配置され、
上記トラックのピッチTpが、上記トラック間で変動している(1−1)〜(1−13)のいずれかに記載の光学素子。
(1−15)
上記サブ波長構造体が格子パターンを形成し、
上記サブ波長構造体が上記表面において複数列のトラックをなすように配置され、
上記格子パターンが、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンの少なくとも1種である(1−1)〜(1−14)のいずれかに記載の光学素子。
(1−16)
素子本体の表面にエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、
上記素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して回転原盤の回転面を回転密着させながら、上記回転原盤内に設けられたエネルギー線源から放射されたエネルギー線を上記回転面を介して照射し、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、上記素子本体の表面に複数のサブ波長構造体を形成する
ことを含み、
上記複数のサブ波長構造体が形成された表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子の製造方法。
(1−17)
上記素子本体は、上記エネルギー線に対して不透過性を有する(1−16)記載の光学素子の製造方法。
(1−18)
上記回転面の凹凸形状は、凸状または凹状の複数のサブ波長構造体を1次元配列または2次元配列することにより形成される(1−16)または(1−17)に記載の光学素子の製造方法。
(1−19)
上記複数のサブ波長構造体は、規則的または不規則的に配置されている(1−18)記載の光学素子の製造方法。
(1−20)
上記回転原盤は、ロール原盤またはベルト原盤である(1−16)〜(1−19)のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
(1−21)
上記エネルギー線源は、上記回転原盤の幅方向に配置されている(1−16)〜(1−20)のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
(1−22)
上記素子本体は、帯状の形状を有し、
上記サブ波長構造体形成の際には、上記素子本体の長手方向を回転進行方向として上記凹凸形状が転写される(1−16)〜(1−21)のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
(1−23)
上記素子本体が、少なくとも1つの平面または曲面を有し、
上記平面または曲面に上記形状層が形成される(1−16)〜(1−22)のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
(1−24)
光学素子と、
上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子と
を備え、
上記光学素子は、
素子本体と、
上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学系。
(1−25)
上記散乱光のうち上記撮像領域に到達する成分の総和が、上記撮像領域外に到達する成分の総和より小さい(1−24)に記載の光学系。
(1−26)
上記散乱光の強度分布が、異方性を有する(1−24)または(1−25)に記載の光学系。
(1−27)
上記散乱光の強度分布が、開口数NAによって異なる(1−24)〜(1−26)のいずれかに記載の光学系。
(1−28)
上記散乱光の強度分布の単位立体角当たりの強度が、開口数NA>0.8の範囲よりも開口数NA≦0.8の範囲にて小さい(1−24)〜(1−27)のいずれかに記載の光学系。
(1−29)
上記撮像領域における上記散乱光の強度分布の最大値が、上記撮像領域の外側の領域における上記散乱光の強度分布の最大値より小さい(1−24)〜(1−28)のいずれかに記載の光学系。
(1−30)
上記複数のサブ波長構造体が、上記光学素子の表面において複数の列をなすように配列され、
上記区画では、上記列のピッチPが基準ピッチPに比して変化している(1−24)〜(1−29)のいずれかに記載の光学系。
(1−31)
上記列の形状が、直線状または円弧状である(1−30)に記載の光学系。
(1−32)
上記複数のサブ波長構造体が、格子パターンを形成し、
上記格子パターンが、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンの少なくとも1種である(1−24)〜(1−31)のいずれかに記載の光学系。
(1−33)
上記撮像領域が、対向する2組の辺を有する矩形状を有し、
上記列の方向と、上記2組の辺のうちの一方の組の辺の延在方向とが平行である(1−30)に記載の光学系。
(1−34)
上記2組の辺が、対向する1組の短辺と、対向する1組の長辺とからなり、
上記列の方向と、上記長辺の延在方向とが平行である(1−33)に記載の光学系。
(1−35)
光学素子と、上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
上記光学素子は、
素子本体と、
上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する撮像装置。
(1−36)
光学素子と、上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
上記光学素子は、
素子本体と、
上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学装置。
(1−37)
複数のサブ波長構造体を形成するための回転面を有し、
素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して上記回転面を回転密着させながら、上記回転面の内側に設けられたエネルギー線源から放射されたエネルギー線を上記回転面を介して照射し、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、サブ波長構造体が表面に設けられた光学素子が得られ、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた光学素子表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する原盤。
(1−38)
複数のサブ波長構造体が設けられた回転面を有し、
上記回転面はエネルギー線を透過可能に構成され、
上記複数のサブ波長構造体が設けられた回転面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する原盤。
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(2−1)凹凸形状を有する回転面と、
上記回転面の内側に設けられたエネルギー線源と
を有する回転原盤を備え、
上記回転原盤は、上記エネルギー線源から放射されたエネルギー線に対して透過性を有し、
素子本体上に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して上記回転原盤の回転面を回転密着させながら、上記エネルギー線源から放射されたエネルギー線を上記回転面を介して照射し、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、上記回転面の凹凸形状が転写された形状層を上記素子本体上に形成する転写装置。
(2−2)
凹凸形状を有する回転面を備え、
エネルギー線源から放射されたエネルギー線に対して透過性を有し、
上記エネルギー線源から放射されたエネルギー線を、上記回転面を介してエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して照射し硬化可能とし得る原盤。
さらに、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(3−1)表面を有する素子本体と、
前記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなり、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
前記複数のサブ波長構造体は、前記表面において複数の列を形成し、
前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けて変動している光学素子。
ここで、光学素子は、反射防止機能を有する光学素子である。素子本体は、サブ波長構造体により反射防止機能を付与する光学素子本体である。光学素子本体としては、例えば、レンズ、フィルタ(例えばNDフィルタ)、半透過型ミラー、調光素子、プリズム、偏光素子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(3−2)前記変動が不規則的な変動である前記(3−1)記載の光学素子。
(3−3)列間ピッチの変動幅ΔTpの最大値をΔTpmaxとした場合、前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けてΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−1)または(3−2)に記載の光学素子。
(3−4)前記列が蛇行している前記(3−1)または(3−2)に記載の光学素子。
(3−5)前記列の蛇行の周期および振幅の少なくとも一方が、不規則である前記(3−4)に記載の光学素子。
(3−6)前記サブ波長構造体の個々の中心位置が独立に、列間方向に向けて変動している前記(3−1)または(3−2)に記載の光学素子。
(3−7)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の中心位置が列間方向に向けて変動している前記(3−1)または(3−2)に記載の光学素子。
(3−8)表面を有する素子本体と、
前記素子本体の表面に形成された複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなり、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
前記複数のサブ波長構造体は、前記表面において複数の例を形成し、
同一列内における前記サブ波長構造体の配置ピッチPが、平均配置ピッチPmに対して変動している光学素子。
(3−9)前記変動が、不規則的な変動である前記(3−8)記載の光学素子。
(3−10)前記列間ピッチの変動幅の最大値をΔTpmaxとした場合、前記平均配置ピッチPmに対する前記配置ピッチPの変動幅ΔPが、ΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−8)または(3−9)に記載の光学素子。
(3−11)前記サブ波長構造体の個々の配置ピッチPが独立に、列方向に向けて変動している前記(3−8)または(3−9)に記載の光学素子。
(3−12)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の配置ピッチPが列方向に向けて変動している前記(3−8)または(3−9)に記載の光学素子。
(3−13)複数のサブ波長構造体が形成された表面を有する1または2以上の光学素子を備え、
前記光学素子は、
表面を有する素子本体と、
前記素子本体の表面に形成された複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなり、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
前記複数のサブ波長構造体は、前記表面において複数の例を形成し、
前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けて変動している光学系。
(3−14)前記変動が不規則的な変動である(3−13)記載の光学系。
(3−15)前記列間ピッチの変動幅ΔTpの最大値をΔTpmaxとした場合、前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けてΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−13)または(3−14)に記載の光学系。
(3−16)前記列が蛇行している前記(3−13)または(3−14)に記載の光学系。
(3−17)前記列の蛇行の周期および振幅の少なくとも一方が、不規則である前記(3−16)に記載の光学系。
(3−18)前記サブ波長構造体の個々の中心位置が独立に、列間方向に向けて変動している前記(3−13)または(3−14)に記載の光学系。
(3−19)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の中心位置が列間方向に向けて変動している前記(3−13)または(3−14)に記載の光学系。
(3−20)前記光学素子を介して光を受光する撮像素子をさらに備える前記(3−13)〜(3−19)のいずれか1項に記載の光学系。
(3−21)複数のサブ波長構造体が形成された表面を有する1または2以上の光学素子を備え、
前記光学素子は、
表面を有する素子本体と、
前記素子本体の表面に形成された複数のサブ波長構造体と
を備え、
上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなり、
上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
同一列内における前記サブ波長構造体の配置ピッチPが、平均配置ピッチPmに対して変動している光学系。
(3−22)前記変動が、不規則的な変動である前記(3−21)記載の光学系。
(3−23)前記列間ピッチの変動幅の最大値をΔTpmaxとした場合、前記平均配置ピッチPmに対する前記配置ピッチPの変動幅ΔPが、ΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−21)または(3−22)に記載の光学系。
(3−24)前記サブ波長構造体の個々の配置ピッチPが独立に、列方向に向けて変動している前記(3−21)または(3−22)に記載の光学系。
(3−25)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の配置ピッチPが列方向に向けて変動している前記(3−21)または(3−22)に記載の光学系。
(3−26)前記光学素子を介して光を受光する撮像素子をさらに備える前記(3−21)〜(3−25)のいずれか1項に記載の光学系。
(3−27)前記(3−13)〜(3−26)のいずれか1項に記載された光学系を備える撮像装置。
(3−28)前記(3−13)〜(3−26)のいずれか1項に記載された光学系を備える光学機器。
(3−29)複数のサブ波長構造体が形成された表面を有し、
前記複数のサブ波長構造体は、前記表面において複数の例を形成し、
前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けて変動している原盤。
(3−30)前記変動が不規則的な変動である(3−29)記載の原盤。
(3−31)前記列間ピッチの変動幅ΔTpの最大値をΔTpmaxとした場合、前記サブ波長構造体の中心位置が、列間方向に向けてΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−29)または(3−30)に記載の原盤。
(3−32)前記列が蛇行している前記(3−29)または(3−30)に記載の原盤。
(3−33)前記列の蛇行の周期および振幅の少なくとも一方が、不規則である前記(3−32)に記載の原盤。
(3−34)前記サブ波長構造体の個々の中心位置が独立に、列間方向に向けて変動している前記(3−29)または(3−30)に記載の原盤。
(3−35)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の中心位置が列間方向に向けて変動している前記(3−29)または(3−30)に記載の原盤。
(3−36)複数のサブ波長構造体が形成された表面を有し、
前記複数のサブ波長構造体は、前記表面において複数の例を形成し、
同一列内における前記サブ波長構造体の配置ピッチPが、平均配置ピッチPmに対して変動している原盤。
(3−37)前記変動が、不規則的な変動である前記(3−36)記載の原盤。
(3−38)前記列間ピッチの変動幅の最大値をΔTpmaxとした場合、前記平均配置ピッチPmに対する前記配置ピッチPの変動幅ΔPが、ΔTpmaxよりも大きな大きさで変動している前記(3−36)または(3−37)に記載の原盤。
(3−39)前記サブ波長構造体の個々の配置ピッチPが独立に、列方向に向けて変動している前記(3−36)または(3−37)に記載の原盤。
(3−40)前記列方向に隣接する前記サブ波長構造体がブロックを形成し、該ブロックを単位として前記サブ波長構造体の配置ピッチPが列方向に向けて変動している前記(3−36)または(3−37)に記載の原盤。
1 基体
2 構造体
11a 不透過層
11b 透過層
21 構造体
22 基底層
101 ロール原盤
102 構造体
110 エネルギー線源
118 エネルギー線硬化性樹脂組成物
133 エンボスベルト
136 平坦ベルト
201 反射防止機能付光学素子
202 半透過型ミラー
203、212 構造体
204 基底層
211 ロール原盤
213 レジスト層
214 レーザー光
216 潜像
300 撮像装置
301 筐体
302 撮像光学系
311 レンズ
312 撮像素子
Sp 成形面
Si 裏面
撮像領域

Claims (21)

  1. 素子本体と、
    上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
    を備え、
    上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
    上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
    上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子。
  2. 上記素子本体の表面に設けられた、凹凸形状の表面を有する形状層をさらに備え、
    上記凹凸形状は、上記複数のサブ波長構造体を含み、
    上記形状層の表面には、所定のサブ波長構造体パターンを有する単位領域が上記凹凸形状の不整合を生じることなく連続して設けられている請求項1に記載の光学素子。
  3. 上記素子本体は、帯状の形状を有し、
    上記素子本体の長手方向に向かって、上記単位領域が連続して設けられている請求項2に記載の光学素子。
  4. 上記凹凸形状の不整合が、上記所定のサブ波長構造体パターンの周期性の乱れである請求項2に記載の光学素子。
  5. 上記凹凸形状の不整合が、隣接する単位領域間の重なり、隙間、または、未転写部である請求項2に記載の光学素子。
  6. 上記単位領域間は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度に不整合を生じることなく繋がっており、
    上記エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化度の不整合が、重合度の差である請求項2に記載の光学素子。
  7. 上記サブ波長構造体は、上記素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物を、上記素子本体とは反対の側から硬化反応を進行させることにより形成されている請求項1に記載の光学素子。
  8. 上記サブ波長構造体が上記表面において複数列のトラックをなすように配置され、
    上記トラックのピッチTpが、上記トラック間で変動している請求項1に記載の光学素子。
  9. 上記サブ波長構造体が格子パターンを形成し、
    上記サブ波長構造体が上記表面において複数列のトラックをなすように配置され、
    上記格子パターンが、六方格子パターン、準六方格子パターン、四方格子パターンおよび準四方格子パターンの少なくとも1種であり、
    上記表面は、入射光の一部を散乱し、
    上記散乱した光の強度が、上記入射光の強度に対して1/500未満である請求項1に記載の光学素子。
  10. 素子本体の表面にエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、
    上記素子本体の表面に塗布されたエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して回転原盤の回転面を回転密着させながら、上記回転原盤内に設けられたエネルギー線源から放射されたエネルギー線を上記回転面を介して照射し、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、上記素子本体の表面に複数のサブ波長構造体を形成する
    ことを含み、
    上記複数のサブ波長構造体が形成された表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学素子の製造方法。
  11. 光学素子と、
    上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子と
    を備え、
    上記光学素子は、
    素子本体と、
    上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
    を備え、
    上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
    上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
    上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学系。
  12. 上記散乱光のうち上記撮像領域に到達する成分の総和が、上記撮像領域外に到達する成分の総和より小さい請求項11に記載の光学系。
  13. 上記散乱光の強度分布が、開口数NAによって異なる請求項11に記載の光学系。
  14. 上記散乱光の強度分布の単位立体角当たりの強度が、開口数NA>0.8の範囲よりも開口数NA≦0.8の範囲にて小さい請求項13に記載の光学系。
  15. 上記撮像領域における上記散乱光の強度分布の最大値が、上記撮像領域の外側の領域における上記散乱光の強度分布の最大値より小さい請求項11に記載の光学系。
  16. 上記複数のサブ波長構造体が、上記光学素子の表面において複数の列をなすように配列され、
    上記区画では、上記列のピッチPが基準ピッチPに比して変化している請求項11に記載の光学系。
  17. 上記撮像領域が、対向する2組の辺を有する矩形状を有し、
    上記列の方向と、上記2組の辺のうちの一方の組の辺の延在方向とが平行である請求項16に記載の光学系。
  18. 上記2組の辺が、対向する1組の短辺と、対向する1組の長辺とからなり、
    上記列の方向と、上記長辺の延在方向とが平行である請求項17に記載の光学系。
  19. 光学素子と、上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
    上記光学素子は、
    素子本体と、
    上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
    を備え、
    上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
    上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
    上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する撮像装置。
  20. 光学素子と、上記光学素子を介して光を受光する撮像領域を有する撮像素子とを含む光学系を備え、
    上記光学素子は、
    素子本体と、
    上記素子本体の表面に設けられた複数のサブ波長構造体と
    を備え、
    上記サブ波長構造体は、エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
    上記素子本体は、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線に対して不透過性を有し、
    上記複数のサブ波長構造体が設けられた表面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する光学装置。
  21. 複数のサブ波長構造体が設けられた回転面を有し、
    上記回転面はエネルギー線を透過可能に構成され、
    上記複数のサブ波長構造体が設けられた回転面は、入射光を散乱し、散乱光を発生させる区画を有し、
    上記散乱した光の強度分布が、異方性を有する原盤。
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