JPWO2013140542A1 - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

電動機のフェール時における好適な退避走行を実現するハイブリッド車両の駆動制御装置を提供する。第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との間を断接するクラッチCL、及びそのキャリアC2をハウジング26に対して断接するブレーキBKとを備え、第1電動機MG1のフェール時には、エンジン12により駆動力を出力させると共に第2電動機MG2によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御を行うものであることから、第2電動機MG2の受ける反力の範囲でエンジン12の直達トルクによる退避走行が可能となる。

Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置の改良に関する。
内燃機関等のエンジンに加えて、駆動源として機能する少なくとも1つの電動機を備えたハイブリッド車両が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両がそれである。この技術によれば、内燃機関、第1電動機、及び第2電動機を備えたハイブリッド車両において、前記内燃機関の出力軸を非回転部材に対して固定するブレーキを備え、車両の走行状態に応じてそのブレーキの係合状態を制御することで、車両のエネルギ効率を向上させると共に運転者の要求に応じた走行を実現できる。
特開2008−265600号公報 特許第4038183号公報
しかし、前記従来の技術において、前記第1電動機にフェールが発生した場合には、前記エンジンにより走行用の駆動力を出力させることができない。従って、専ら前記第2電動機を駆動源とするEV走行により退避走行を実現していたが、斯かる形態では駆動用バッテリの容量分しか退避走行を継続することができず、航続距離が短くなるという弊害があった。このような課題は、ハイブリッド車両の性能向上を意図して本発明者等が鋭意研究を続ける過程において新たに見出したものである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現するハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、全体として4つの回転要素を有する第1差動機構及び第2差動機構と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、及び出力回転部材とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、そのクラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記第1電動機のフェール時には、前記エンジンにより駆動力を出力させると共に前記第2電動機によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置である。
このように、前記第1発明によれば、全体として4つの回転要素を有する第1差動機構及び第2差動機構と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、及び出力回転部材とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、そのクラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記第1電動機のフェール時には、前記エンジンにより駆動力を出力させると共に前記第2電動機によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御を行うものであることから、前記第2電動機の受ける反力の範囲で前記エンジンの直達トルクによる退避走行が可能となる。すなわち、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現するハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することができる。
前記第1発明に従属する本第2発明の要旨とするところは、前記退避走行制御時には、前記クラッチを係合させると共に前記ブレーキを解放させるものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール時において、前記第2電動機により実用的な態様で前記エンジンにより出力される駆動力の反力を受けることができる。
前記第1発明乃至第2発明に従属する本第3発明の要旨とするところは、前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
前記第1発明、第2発明、第1発明に従属する第3発明、乃至第2発明に従属する第3発明に従属する本第4発明の要旨とするところは、駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値未満であると推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における前記駆動用バッテリへの過度の入力を好適に抑制することができる。
前記第1発明、第2発明、第1発明に従属する第3発明、第2発明に従属する第3発明、第1発明に従属する第4発明、第2発明に従属する第4発明、第1発明に従属する第3発明に従属する第4発明、乃至第2発明に従属する第3発明に従属する第4発明に従属する本第5発明の要旨とするところは、前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合において、駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値以上であると推定される場合には、前記過回転を抑制するように前記第2電動機のトルクを制御するものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
前記第1発明、第2発明、第1発明に従属する第3発明、第2発明に従属する第3発明、第1発明に従属する第4発明、第2発明に従属する第4発明、第1発明に従属する第3発明に従属する第4発明、2発明に従属する第3発明に従属する第4発明、第1発明に従属する第5発明、第2発明に従属する第5発明、第1発明に従属する第3発明に従属する第5発明、第2発明に従属する第3発明に従属する第5発明、第1発明に従属する第4発明に従属する第5発明、第2発明に従属する第4発明に従属する第5発明、第1発明に従属する第3発明に従属する第4発明に従属する第5発明、乃至2発明に従属する第3発明に従属する第4発明に従属する第5発明に従属する本第6発明の要旨とするところは、前記第1差動機構は、前記第1電動機に連結された第1回転要素、前記エンジンに連結された第2回転要素、及び前記出力回転部材に連結された第3回転要素を備えたものであり、前記第2差動機構は、前記第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結されたものであり、前記クラッチは、前記第1差動機構における第2回転要素と、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、前記ブレーキは、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素を、前記非回転部材に対して選択的に係合させるものである。このようにすれば、実用的なハイブリッド車両の駆動装置において、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現することができる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の駆動装置の駆動を制御するために備えられた制御系統の要部を説明する図である。 図1の駆動装置において成立させられる5種類の走行モードそれぞれにおけるクラッチ及びブレーキの係合状態を示す係合表である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のモード1、3に対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のモード2に対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のモード4に対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のモード5に対応する図である。 図2の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図2の電子制御装置による、第1電動機フェール時の退避走行制御について説明する共線図である。 図2の電子制御装置による、第1電動機フェール時の退避走行制御における過回転抑制制御ついて説明する共線図である。 図2の電子制御装置による、第1電動機フェール時の退避走行制御における過回転抑制制御ついて説明する共線図である。 図2の電子制御装置による退避走行制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成及び作動をそれぞれ説明する共線図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成及び作動をそれぞれ説明する共線図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成及び作動をそれぞれ説明する共線図である。
本発明において、前記第1差動機構及び第2差動機構は、前記クラッチが係合された状態において全体として4つの回転要素を有するものである。また、好適には、前記第1差動機構及び第2差動機構の要素相互間に前記クラッチに加え他のクラッチを備えた構成において、前記第1差動機構及び第2差動機構は、それら複数のクラッチが係合された状態において全体として4つの回転要素を有するものである。換言すれば、本発明は、共線図上において4つの回転要素として表される第1差動機構及び第2差動機構と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、及び出力回転部材とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、そのクラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置に好適に適用されるものである。
前記クラッチ及びブレーキは、好適には、何れも油圧に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)油圧式係合装置であり、例えば、湿式多板型の摩擦係合装置等が好適に用いられるが、噛合式の係合装置すなわち所謂ドグクラッチ(噛合クラッチ)であってもよい。或いは、電磁式クラッチや磁粉式クラッチ等、電気的な指令に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)ものであってもよい。
本発明が適用される駆動装置においては、前記クラッチ及びブレーキの係合状態等に応じて、複数の走行モードの何れかが選択的に成立させられる。好適には、前記エンジンの運転が停止させられると共に、前記第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モードにおいて、前記ブレーキが係合されると共に前記クラッチが解放されることでモード1が、前記ブレーキ及びクラッチが共に係合されることでモード2がそれぞれ成立させられる。前記エンジンを駆動させると共に、前記第1電動機及び第2電動機により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モードにおいて、前記ブレーキが係合されると共に前記クラッチが解放されることでモード3が、前記ブレーキが解放されると共に前記クラッチが係合されることでモード4が、前記ブレーキ及びクラッチが共に解放されることでモード5がそれぞれ成立させられる。
本発明において、好適には、前記クラッチが係合させられ、且つ、前記ブレーキが解放させられている場合における前記第1差動機構及び第2差動機構それぞれにおける各回転要素の共線図における並び順は、前記第1差動機構及び第2差動機構それぞれにおける第2回転要素及び第3回転要素に対応する回転速度を重ねて表した場合に、前記第1差動機構における第1回転要素、前記第2差動機構における第1回転要素、前記第1差動機構における第2回転要素及び第2差動機構における第2回転要素、前記第1差動機構における第3回転要素及び第2差動機構における第3回転要素の順である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面において、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用されるハイブリッド車両用駆動装置10(以下、単に駆動装置10という)の構成を説明する骨子図である。この図1に示すように、本実施例の駆動装置10は、例えばFF(前置エンジン前輪駆動)型車両等に好適に用いられる横置き用の装置であり、主動力源であるエンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、第1差動機構としての第1遊星歯車装置14、及び第2差動機構としての第2遊星歯車装置16を共通の中心軸CE上に備えて構成されている。前記駆動装置10は、中心軸CEに対して略対称的に構成されており、図1においては中心線の下半分を省略して図示している。以下の各実施例についても同様である。
前記エンジン12は、例えば、気筒内噴射されるガソリン等の燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン等の内燃機関である。前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、好適には、何れも駆動力を発生させるモータ(発動機)及び反力を発生させるジェネレータ(発電機)としての機能を有する所謂モータジェネレータであり、それぞれのステータ(固定子)18、22が非回転部材であるハウジング(ケース)26に固設されると共に、各ステータ18、22の内周側にロータ(回転子)20、24を備えて構成されている。
前記第1遊星歯車装置14は、ギヤ比がρ1であるシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1回転要素としてのサンギヤS1、ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC1、及びピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。前記第2遊星歯車装置16は、ギヤ比がρ2であるシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1回転要素としてのサンギヤS2、ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC2、及びピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR2を回転要素(要素)として備えている。
前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1は、前記第1電動機MG1のロータ20に連結されている。前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1は、前記エンジン12のクランク軸と一体的に回転させられる入力軸28に連結されている。この入力軸28は、前記中心軸CEを軸心とするものであり、以下の実施例において、特に区別しない場合には、この中心軸CEの軸心の方向を軸方向(軸心方向)という。前記第1遊星歯車装置14のリングギヤR1は、出力回転部材である出力歯車30に連結されると共に、前記第2遊星歯車装置16のリングギヤR2と相互に連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2は、前記第2電動機MG2のロータ24に連結されている。
前記出力歯車30から出力された駆動力は、図示しない差動歯車装置及び車軸等を介して図示しない左右一対の駆動輪へ伝達される。一方、車両の走行路面から駆動輪に対して入力されるトルクは、前記差動歯車装置及び車軸等を介して前記出力歯車30から前記駆動装置10へ伝達(入力)される。前記入力軸28における前記エンジン12と反対側の端部には、例えばベーンポンプ等の機械式オイルポンプ32が連結されており、前記エンジン12の駆動に伴い後述する油圧制御回路60等の元圧とされる油圧が出力されるようになっている。このオイルポンプ32に加えて、電気エネルギにより駆動される電動式オイルポンプが設けられたものであってもよい。
前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との間には、それらキャリアC1とC2との間を選択的に係合させる(キャリアC1とC2との間を断接する)クラッチCLが設けられている。前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2と非回転部材である前記ハウジング26との間には、そのハウジング26に対して前記キャリアC2を選択的に係合(固定)させるブレーキBKが設けられている。これらのクラッチCL及びブレーキBKは、好適には、何れも油圧制御回路60から供給される油圧に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)油圧式係合装置であり、例えば、湿式多板型の摩擦係合装置等が好適に用いられるが、噛合式の係合装置すなわち所謂ドグクラッチ(噛合クラッチ)であってもよい。更には、電磁式クラッチや磁粉式クラッチ等、電子制御装置40から供給される電気的な指令に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)ものであってもよい。
図1に示すように、前記駆動装置10において、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16は、それぞれ前記入力軸28と同軸上(中心軸CE上)に配置されており、且つ、前記中心軸CEの軸方向において対向する位置に配置されている。すなわち、前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1遊星歯車装置14は、前記第2遊星歯車装置16に対して前記エンジン12側に配置されている。前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1電動機MG1は、前記第1遊星歯車装置14に対して前記エンジン12側に配置されている。前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第2電動機MG1は、前記第2遊星歯車装置16に対して前記エンジン12の反対側に配置されている。すなわち、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2は、前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16を間に挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、前記駆動装置10においては、前記中心軸CEの軸方向において、前記エンジン12側から前記第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、クラッチCL、第2遊星歯車装置16、ブレーキBK、第2電動機MG2の順でそれらの構成が同軸上に配置されている。
図2は、前記駆動装置10の駆動を制御するためにその駆動装置10に備えられた制御系統の要部を説明する図である。この図2に示す電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、前記エンジン12の駆動制御や、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2に関するハイブリッド駆動制御をはじめとする前記駆動装置10の駆動に係る各種制御を実行する。すなわち、本実施例においては、前記電子制御装置40が前記駆動装置10の適用されたハイブリッド車両の駆動制御装置に相当する。この電子制御装置40は、前記エンジン12の出力制御用や前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の作動制御用といったように、必要に応じて各制御毎に個別の制御装置として構成される。
図2に示すように、前記電子制御装置40には、前記駆動装置10の各部に設けられたセンサやスイッチ等から各種信号が供給されるように構成されている。すなわち、アクセル開度センサ42により運転者の出力要求量に対応する図示しないアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表す信号、エンジン回転速度センサ44により前記エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、MG1回転速度センサ46により前記第1電動機MG1の回転速度NMG1を表す信号、MG2回転速度センサ48により前記第2電動機MG2の回転速度NMG2を表す信号、出力回転速度センサ50により車速Vに対応する前記出力歯車30の回転速度NOUTを表す信号、車輪速センサ52により前記駆動装置10における各車輪それぞれの速度NWを表す信号、及びバッテリSOCセンサ54によりバッテリ55の充電容量(充電状態)SOCを表す信号等が、それぞれ上記電子制御装置40に供給される。
前記電子制御装置40からは、前記駆動装置10の各部に作動指令が出力されるように構成されている。すなわち、前記エンジン12の出力を制御するエンジン出力制御指令として、燃料噴射装置による吸気配管等への燃料供給量を制御する燃料噴射量信号、点火装置による前記エンジン12の点火時期(点火タイミング)を指令する点火信号、及び電子スロットル弁のスロットル弁開度θTHを操作するためにスロットルアクチュエータへ供給される電子スロットル弁駆動信号等が、そのエンジン12の出力を制御するエンジン制御装置56へ出力される。前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の作動を指令する指令信号がインバータ58へ出力され、そのインバータ58を介して前記バッテリ55からその指令信号に応じた電気エネルギが前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2に供給されてそれら第1電動機MG1及び第2電動機MG2の出力(トルク)が制御される。前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2により発電された電気エネルギが前記インバータ58を介して前記バッテリ55に供給され、そのバッテリ55に蓄積されるようになっている。すなわち、前記駆動装置10においては、前記バッテリ55が駆動用バッテリに対応する。前記クラッチCL、ブレーキBKの係合状態を制御する指令信号が油圧制御回路60に備えられたリニアソレノイド弁等の電磁制御弁へ供給され、それら電磁制御弁から出力される油圧が制御されることで前記クラッチCL、ブレーキBKの係合状態が制御されるようになっている。
前記駆動装置10は、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2を介して運転状態が制御されることにより、入力回転速度と出力回転速度の差動状態が制御される電気式差動部として機能する。例えば、前記第1電動機MG1により発電された電気エネルギを前記インバータ58を介して前記バッテリ55や第2電動機MG2へ供給する。これにより、前記エンジン12の動力の主要部は機械的に前記出力歯車30へ伝達される一方、その動力の一部は前記第1電動機MG1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、前記インバータ58を通してその電気エネルギが前記第2電動機MG2へ供給される。そして、その第2電動機MG2が駆動されて第2電動機MG2から出力された動力が前記出力歯車30へ伝達される。この電気エネルギの発生から第2電動機MG2で消費されるまでに関連する機器により、前記エンジン12の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。
以上のように構成された駆動装置10が適用されたハイブリッド車両においては、前記エンジン12、第1電動機MG1、及び第2電動機MG2の駆動状態、及び前記クラッチCL、ブレーキBKの係合状態等に応じて、複数の走行モードの何れかが選択的に成立させられる。図3は、前記駆動装置10において成立させられる5種類の走行モードそれぞれにおける前記クラッチCL、ブレーキBKの係合状態を示す係合表であり、係合を「○」で、解放を空欄でそれぞれ示している。この図3に示す走行モード「EV−1」、「EV−2」は、何れも前記エンジン12の運転が停止させられると共に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モードである。「HV−1」、「HV−2」、「HV−3」は、何れも前記エンジン12を例えば走行用の駆動源として駆動させると共に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モードである。このハイブリッド走行モードにおいて、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により反力を発生させるものであってもよく、無負荷の状態で空転させるものであってもよい。
図3に示すように、前記駆動装置10においては、前記エンジン12の運転が停止させられると共に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モードにおいて、前記ブレーキBKが係合されると共に前記クラッチCLが解放されることでモード1(走行モード1)である「EV−1」が、前記ブレーキBK及びクラッチCLが共に係合されることでモード2(走行モード2)である「EV−2」がそれぞれ成立させられる。前記エンジン12を例えば走行用の駆動源として駆動させると共に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モードにおいて、前記ブレーキBKが係合されると共に前記クラッチCLが解放されることでモード3(走行モード3)である「HV−1」が、前記ブレーキBKが解放されると共に前記クラッチCLが係合されることでモード4(走行モード4)である「HV−2」が、前記ブレーキBK及びクラッチCLが共に解放されることでモード5(走行モード5)である「HV−3」がそれぞれ成立させられる。
図4〜図7は、前記駆動装置10(第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16)において、前記クラッチCL及びブレーキBKそれぞれの係合状態に応じて連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示しており、横軸方向において前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16のギヤ比ρの相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標である。車両前進時における前記出力歯車30の回転方向を正の方向(正回転)として各回転速度を表している。横線X1は回転速度零を示している。縦線Y1〜Y4は、左から順に実線Y1が前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1(第1電動機MG1)、破線Y2が前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2(第2電動機MG2)、実線Y3が前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1(エンジン12)、破線Y3′が前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2、実線Y4が前記第1遊星歯車装置14のリングギヤR1(出力歯車30)、破線Y4′が前記第2遊星歯車装置16のリングギヤR2それぞれの相対回転速度を示している。図4〜図7においては、縦線Y3及びY3′、縦線Y4及びY4′をそれぞれ重ねて表している。ここで、前記リングギヤR1及びR2は相互に連結されているため、縦線Y4、Y4′にそれぞれ示すリングギヤR1及びR2の相対回転速度は等しい。
図4〜図7においては、前記第1遊星歯車装置14における3つの回転要素の相対的な回転速度を実線L1で、前記第2遊星歯車装置16における3つの回転要素の相対的な回転速度を破線L2でそれぞれ示している。前記縦線Y1〜Y4(Y2〜Y4′)の間隔は、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16の各ギヤ比ρ1、ρ2に応じて定められている。すなわち、前記第1遊星歯車装置14における3つの回転要素に対応する縦線Y1、Y3、Y4に関して、サンギヤS1とキャリアC1との間が1に対応するものとされ、キャリアC1とリングギヤR1との間がρ1に対応するものとされる。前記第2遊星歯車装置16における3つの回転要素に対応する縦線Y2、Y3′、Y4′に関して、サンギヤS2とキャリアC2との間が1に対応するものとされ、キャリアC2とリングギヤR2との間がρ2に対応するものとされる。すなわち、前記駆動装置10において、好適には、前記第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1よりも前記第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2の方が大きい(ρ2>ρ1)。以下、図4〜図7を用いて前記駆動装置10における各走行モードについて説明する。
図3に示す「EV−1」は、前記駆動装置10におけるモード1(走行モード1)に相当するものであり、好適には、前記エンジン12の運転が停止させられると共に、前記第2電動機MG2が走行用の駆動源として用いられるEV走行モードである。図4は、このモード1に対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、前記クラッチCLが解放されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。前記ブレーキBKが係合されることで前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材である前記ハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このモード1においては、前記第2遊星歯車装置16において、前記サンギヤS2の回転方向と前記リングギヤR2の回転方向とが逆方向となり、前記第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクにより前記リングギヤR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。すなわち、前記第2電動機MG2により負のトルクを出力させることにより、前記駆動装置10の適用されたハイブリッド車両を前進走行させることができる。この場合において、好適には、前記第1電動機MG1は空転させられる。このモード1では、前記キャリアC1及びC2の相対回転が許容されると共に、そのキャリアC2が非回転部材に連結された所謂THS(Toyota Hybrid System)を搭載した車両におけるEV走行と同様のEV走行制御を行うことができる。
図3に示す「EV−2」は、前記駆動装置10におけるモード2(走行モード2)に相当するものであり、好適には、前記エンジン12の運転が停止させられると共に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方が走行用の駆動源として用いられるEV走行モードである。図5は、このモード2に対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、前記クラッチCLが係合されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が不能とされている。更に、前記ブレーキBKが係合されることで前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2及びそのキャリアC2に係合された前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1が非回転部材である前記ハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このモード2においては、前記第1遊星歯車装置14において、前記サンギヤS1の回転方向と前記リングギヤR1の回転方向とが逆方向となると共に、前記第2遊星歯車装置16において、前記サンギヤS2の回転方向と前記リングギヤR2の回転方向とが逆方向となる。すなわち、前記第1電動機MG1乃至前記第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクにより前記リングギヤR1及びR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。すなわち、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により負のトルクを出力させることにより、前記駆動装置10の適用されたハイブリッド車両を前進走行させることができる。
前記モード2においては、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により発電を行う形態を成立させることもできる。この形態においては、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方或いは両方により走行用の駆動力(トルク)を分担して発生させることが可能となり、各電動機を効率の良い動作点で動作させたり、熱によるトルク制限等の制約を緩和する走行等が可能となる。更に、前記バッテリ55の充電状態が満充電の場合等、回生による発電が許容されない場合に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方或いは両方を空転させることも可能である。すなわち、前記モード2においては、幅広い走行条件においてEV走行を行うことや、長時間継続してEV走行を行うことが可能となる。従って、前記モード2は、プラグインハイブリッド車両等、EV走行を行う割合が高いハイブリッド車両において好適に採用される。
図3に示す「HV−1」は、前記駆動装置10におけるモード3(走行モード3)に相当するものであり、好適には、前記エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行モードである。図4の共線図は、このモード3に対応するものでもあり、この共線図を用いて説明すれば、前記クラッチCLが解放されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。前記ブレーキBKが係合されることで前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材である前記ハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このモード3においては、前記エンジン12が駆動させられ、その出力トルクにより前記出力歯車30が回転させられる。この際、前記第1遊星歯車装置14において、前記第1電動機MG1により反力トルクを出力させることで、前記エンジン12からの出力の前記出力歯車30への伝達が可能とされる。前記第2遊星歯車装置16においては、前記ブレーキBKが係合されていることで、前記サンギヤS2の回転方向と前記リングギヤR2の回転方向とが逆方向となる。すなわち、前記第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクにより前記リングギヤR1及びR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。
図3に示す「HV−2」は、前記駆動装置10におけるモード4(走行モード4)に相当するものであり、好適には、前記エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行モードである。図6は、このモード4に対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、前記クラッチCLが係合されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が不能とされており、前記キャリアC1及びC2が一体的に回転させられる1つの回転要素として動作する。前記リングギヤR1及びR2は相互に連結されていることで、それらリングギヤR1及びR2は一体的に回転させられる1つの回転要素として動作する。すなわち、前記モード4において、前記駆動装置10における前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16における回転要素は、全体として4つの回転要素を備えた差動機構として機能する。すなわち、図6において紙面向かって左から順に示す4つの回転要素であるサンギヤS1(第1電動機MG1)、サンギヤS2(第2電動機MG2)、相互に連結されたキャリアC1及びC2(エンジン12)、相互に連結されたリングギヤR1及びR2(出力歯車30)の順に結合した複合スプリットモードとなる。
図6に示すように、前記モード4において、好適には、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16における各回転要素の共線図における並び順が、縦線Y1で示すサンギヤS1、縦線Y2で示すサンギヤS2、縦線Y3(Y3′)で示すキャリアC1及びC2、縦線Y4(Y4′)で示すリングギヤR1及びR2の順となる。前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16それぞれのギヤ比ρ1、ρ2は、共線図において図6に示すように前記サンギヤS1に対応する縦線Y1と前記サンギヤS2に対応する縦線Y2とが上記の並び順となるように、すなわち縦線Y1と縦線Y3との間隔が、縦線Y2と縦線Y3′との間隔よりも広くなるように定められている。換言すれば、サンギヤS1、S2とキャリアC1、C2との間が1に対応するものとされ、キャリアC1、C2とリングギヤR1、R2との間がρ1、ρ2に対応することから、前記駆動装置10においては、前記第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1よりも前記第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2の方が大きい。
前記モード4においては、前記クラッチCLが係合されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2とが連結されており、それらキャリアC1及びC2が一体的に回転させられる。このため、前記エンジン12の出力に対して、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の何れによっても反力を受けることができる。すなわち、前記エンジン12の駆動に際して、その反力を前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方乃至両方で分担して受けることが可能となり、効率の良い動作点で動作させたり、熱によるトルク制限等の制約を緩和する走行等が可能となる。例えば、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2のうち、効率良く動作できる方の電動機により優先的に反力を受けるように制御することで、効率の向上を図ることができる。更に、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の何れかにおいて熱によるトルク制限がなされた場合に、トルク制限がなされていない電動機の回生乃至出力によって駆動力をアシストすることで、前記エンジン12の駆動に必要な反力を確保すること等が可能とされる。
図3に示す「HV−3」は、前記駆動装置10におけるモード5(走行モード5)に相当するものであり、好適には、前記エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて前記第1電動機MG1による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行モードである。このモード5においては、前記第2電動機MG2を駆動系から切り離して前記エンジン12及び第1電動機MG1により駆動を行う等の形態を実現することができる。図7は、このモード5に対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、前記クラッチCLが解放されることで前記第1遊星歯車装置14のキャリアC1と前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。前記ブレーキBKが解放されることで前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材である前記ハウジング26に対して相対回転可能とされている。斯かる構成においては、前記第2電動機MG2を駆動系(動力伝達経路)から切り離して停止させておくことが可能である。
前記モード3においては、前記ブレーキBKが係合されているため、車両走行時において前記第2電動機MG2は前記出力歯車30(リングギヤR2)の回転に伴い常時回転させられる。斯かる形態において、比較的高回転となる領域では前記第2電動機MG2の回転速度が限界値(上限値)に達することや、前記リングギヤR2の回転速度が増速されて前記サンギヤS2に伝達されること等から、効率向上の観点からは比較的高車速時に前記第2電動機MG2を常時回転させておくことは必ずしも好ましくない。一方、前記モード5においては、比較的高車速時に前記第2電動機MG2を駆動系から切り離して前記エンジン12及び第1電動機MG1により駆動を行う形態を実現することで、その第2電動機MG2の駆動が不要な場合における引き摺り損失を低減できることに加え、その第2電動機MG2に許容される最高回転速度(上限値)に起因する最高車速への制約を解消すること等が可能とされる。
以上の説明から明らかなように、前記駆動装置10においては、前記エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられるハイブリッド走行に関して、前記クラッチCL及びブレーキBKの係合乃至解放の組み合わせにより、HV−1(モード3)、HV−2(モード4)、及びHV−3(モード5)の3つのモードを選択的に成立させることができる。これにより、例えば車両の車速や変速比等に応じてそれら3つのモードのうち最も伝達効率の高いモードを選択的に成立させることで、伝達効率の向上延いては燃費の向上を実現することができる。
図8は、前記電子制御装置40に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図8に示す電動機作動制御部70は、前記インバータ58を介して前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2の作動を制御する。具体的には、前記インバータ58を介して前記バッテリ55から前記第1電動機MG1、第2電動機MG2へ供給される電気エネルギを制御することによりそれら第1電動機MG1、第2電動機MG2により必要な出力すなわち目標トルク(目標電動機出力)が得られるように制御する。前記第1電動機MG1、第2電動機MG2により発電が行われる際には、それら第1電動機MG1、第2電動機MG2により発電された電気エネルギを前記インバータ58を介して前記バッテリ55に蓄積する。
クラッチ係合制御部72は、前記油圧制御回路60を介して前記クラッチCLの係合状態を制御する。例えば、前記油圧制御回路60に備えられた、前記クラッチCLに対応する電磁制御弁からの出力圧を制御することで、そのクラッチCLの係合状態を係合乃至解放の間で切り替える制御を行う。ブレーキ係合制御部74は、前記油圧制御回路60を介して前記ブレーキBKの係合状態を制御する。例えば、前記油圧制御回路60に備えられた、前記ブレーキBKに対応する電磁制御弁からの出力圧を制御することで、そのブレーキBKの係合状態を係合乃至解放の間で切り替える制御を行う。前記クラッチ係合制御部72及びブレーキ係合制御部74は、基本的には、前述のように車両の走行状態に応じて判定された走行モードが成立させられるように前記クラッチCL及びブレーキBKの係合状態を制御する。すなわち、前記モード1〜5それぞれに関して、前述した図3に示す組み合わせで前記クラッチCL及びブレーキBKが係合乃至解放されるようにそれらの係合状態を制御する。
MG1フェール判定部76は、前記第1電動機MG1のフェールを判定する。すなわち、前記第1電動機MG1の正常の作動を不可能とする故障の発生の有無を判定する。例えば、前記電動機作動制御部70による前記第1電動機MG1の出力を定める指令値と、前記MG1回転速度センサ46により検出される第1電動機回転速度NMG1との乖離に基づいて前記第1電動機MG1における故障の有無を判定する。具体的には、前記電動機作動制御部70による前記第1電動機MG1の出力を定める指令値と、前記MG1回転速度センサ46により検出される第1電動機回転速度NMG1との乖離が規定値以上となった場合に前記第1電動機MG1におけるフェールの発生を判定する。前記MG1フェール判定部76は、好適には、前記第1遊星歯車装置14の異常を判定する。好適には、前記第1遊星歯車装置14において、前記エンジン12からの出力が前記出力歯車30へ正常に伝達することを不可能とする故障の発生の有無を判定する。例えば、前記第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1等から、前記エンジン回転速度センサ44により検出されるエンジン回転速度NE及び出力回転速度センサ50により検出される出力回転速度NOUT等に基づいて、前記第1遊星歯車装置14における故障の有無を判定する。
過回転推定部78は、前記エンジン12の回転速度NE、前記第1電動機MG1の回転速度NMG1、及び前記第1遊星歯車装置14のピニオンギヤP1の回転速度NP1の過回転を推定する。例えば、各回転速度NE、NMG1、NP1(以下、特に区別しない場合には単に回転速度Nという)及びその回転速度の時間変化率である回転変化率dNE/dt、dNMG1/dt、dNP1/dt(以下、特に区別しない場合には単に回転変化率dN/dtという)等に基づいて、前記各回転速度Nが予め定められた閾値Nlimよりも大きいか否か、或いはその閾値Nlimよりも大きくなるおそれがあるか否かを判定する。好適には、各回転速度N及び回転変化率dN/dtに基づいて、前記第1電動機MG1等のフェールに起因して各回転速度が一時的に取り得る上限値としての過回転推定値Nmax(N,dN/dt)を算出し、その過回転推定値Nmaxが予め定められた閾値Nlimより大きいか否かを判定する。換言すれば、前記過回転推定部78は、前記各回転速度Nが予め定められた過回転範囲内であるか否か、或いはその過回転範囲に含まれるおそれがあるか否かを判定する。この判定は、好適には、前記MG1フェール判定部76により前記第1電動機MG1乃至第1遊星歯車装置14のフェールが判定された直後に実行される。ここで、判定の対象となる前記エンジン12の回転速度NE、前記第1電動機MG1の回転速度NMG1は、好適には、それぞれ前記エンジン回転速度センサ44、MG1回転速度センサ46により検出される値である。前記ピニオンギヤP1の回転速度NP1は、好適には、前記第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1等から、前記エンジン回転速度センサ44により検出されるエンジン回転速度NE、MG1回転速度センサ46により検出される第1電動機回転速度NMG1、出力回転速度センサ50により検出される出力回転速度NOUT等に基づいて算出される値である。
バッテリ充電量判定部80は、前記バッテリ55の充電量が予め定められた範囲内であるか否かを判定する。好適には、前記バッテリSOCセンサ54により検出されるバッテリSOCが、予め定められた閾値SOClim以上であるか否かを判定する。この閾値SOClimは、例えば、前記バッテリ55の充電制限量に相当する値である。換言すれば、前記バッテリ充電量判定部80は、前記バッテリ55の許容入力すなわちそのバッテリ55に対して入力が許容される電力に相当する入力制限値Winが規定の閾値未満である(バッテリ55の許容入力が比較的低い)か否かを判定する。
退避走行制御部82は、前記第1電動機MG1のフェール時における退避走行制御を行う。具体的には、前記MG1フェール判定部76により前記第1電動機MG1乃至第1遊星歯車装置14のフェールが判定された場合において、前記エンジン12により駆動力を出力させると共に前記第2電動機MG2によりその駆動力の反力を受ける(反力トルクを発生させる)退避走行制御を実行する。好適には、前記クラッチ係合制御部72により前記クラッチCLを係合させると共に前記ブレーキ係合制御部74により前記ブレーキBKを解放させ、前記エンジン制御装置56を介して前記エンジン12により駆動力を出力させると共に、前記電動機作動制御部70を介して前記第2電動機MG2によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御を実行する。以下、斯かる退避走行制御部82による退避走行制御の具体例について詳述する。
図9は、前記第1電動機MG1フェール時の退避走行制御について説明する共線図である。この図9に示すように、前記第1電動機MG1がフェール(故障)した場合、その第1電動機MG1によりトルク(反力トルク)を出力させることができなくなり、前記エンジン12の駆動に際して、その反力を前記第1電動機MG1により受けることが不可能となる。本実施例においては、前記第1電動機MG1のフェール時に、前記クラッチCLを係合させることで前記エンジン12から前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2への動力伝達可能とし、前記第2電動機MG2により前記エンジン12の駆動に係る反力を取ることで、そのエンジン12から出力される駆動力が前記出力歯車30へ伝達される。すなわち、エンジン直達トルクによる退避走行が可能となる。前記駆動装置10においては、前記第1電動機MG1のフェール時に、前記クラッチCLを解放させると共に前記ブレーキBKを係合させ、専ら前記第2電動機MG2により走行用の駆動力を発生させるEV走行による退避走行を行うこともできる。すなわち、例えば前記バッテリ55が過充電となるおそれがある場合等には、前記EV走行による退避走行へ移行させることで走行を継続させることができ、航続距離(走行可能距離)はバッテリ容量による制限を受けない。
前記退避走行制御部82は、好適には、前記エンジン12及び前記第1電動機MG1の少なくとも一方の過回転が推定される場合には、前記ブレーキBKの係合状態(トルク容量)を制御することでその過回転を抑制する。好適には、前記過回転推定部78により前記エンジン12の回転速度NE、前記第1電動機MG1の回転速度NMG1、及び前記第1遊星歯車装置14のピニオンギヤP1の回転速度NP1のうち少なくとも1つの過回転が推定される場合には、その過回転を抑制するように前記ブレーキ係合制御部74を介して前記ブレーキBKをスリップ係合(半係合)させる。ここで、斯かるブレーキBKのスリップ係合制御において、そのブレーキBKの係合状態は、好適には、予め定められた関係から前記回転速度N、回転変化率dN/dt等に基づいて、その回転速度Nに係る過回転を抑制するように制御される。すなわち、前記回転速度Nに係る過回転を抑制し得る前記ブレーキBKのトルク容量(係合力)が算出され、そのトルク容量となるように前記ブレーキ係合制御部74により前記ブレーキBKの係合状態が制御される。或いは、前記ブレーキBKのスリップ係合制御において、前記回転速度N、回転変化率dN/dt等によらず、前記ブレーキBKのトルク容量が規定値(一定値)となるようにそのスリップ係合制御を行うものであってもよい。この規定値は、好適には、予め実験的に求められた、前記回転速度Nに係る過回転を抑制し得る前記ブレーキBKのトルク容量に対応する値である。
前記退避走行制御部82は、好適には、前記バッテリ55の入力許容量が規定の閾値未満であると推定される場合には、前記ブレーキBKをスリップ係合させる。例えば、前記バッテリSOCセンサ54により検出されるバッテリSOCが、予め定められた閾値SOClim以上であることが前記バッテリ充電量判定部80により判定された場合、すなわち前記バッテリ55に対して入力が許容される電力に相当する入力制限値Winが規定の閾値Pmode未満であると判定された場合には、その過回転を抑制するように前記ブレーキ係合制御部74を介して前記ブレーキBKをスリップ係合(半係合)させる。ここで、斯かるブレーキBKのスリップ係合制御において、そのブレーキBKの係合状態は、好適には、予め定められた関係から前記バッテリ55の入力制限値Win等に基づいて、前記第2電動機MG2等による発電量がその入力制限値Winを上回らないように制御される。すなわち、前記第2電動機MG2による発電量が前記入力制限値Winを上回らないように抑制し得る前記ブレーキBKのトルク容量(係合力)が算出され、そのトルク容量となるように前記ブレーキ係合制御部74により前記ブレーキBKの係合状態が制御される。或いは、前記ブレーキBKのスリップ係合制御において、前記バッテリ55の入力制限値Win等によらず、前記ブレーキBKのトルク容量が規定値(一定値)となるようにそのスリップ係合制御を行うものであってもよい。この規定値は、好適には、予め実験的に求められた、前記バッテリ55の過充電を抑制し得る前記ブレーキBKのトルク容量に対応する値である。
図10及び図11は、前記第1電動機MG1フェール時の退避走行制御において、各回転要素の過回転或いは過充電を抑制する制御ついて説明する共線図である。例えば、前記エンジン12の駆動力に対して前記第1電動機MG1により反力を持っていた(少なくとも反力の一部を分担していた)状態からその第1電動機MG1がフェール(故障)した場合、斯かる第1電動機MG1により反力を取ることができなくなるため、前記出力歯車30から入力される路面抵抗車両慣性に基づくトルクと、前記エンジン12のトルク及び前記第2電動機MG2のトルク等のバランスが崩れ、前記エンジン12に過回転が生じて吹き上がったり、前記第1電動機MG1や第2電動機MG2の過回転により前記バッテリ55が過充電となる等のおそれが生じる。図10に示すように、前記第1電動機MG1の反力が出力不可となった場合、前記クラッチCLが係合された状態では、前記第2電動機MG2の反力を増加させることによりその第1電動機MG1の反力消滅分を補償できる。すなわち、前記第2電動機MG2の出力トルクを制御することによっても前記過回転の抑制は可能である。しかし、前記第2電動機MG2の過熱時等、その第2電動機MG2の出力トルクが制限される場合には斯かる制御を行うことが困難であることに加え、前記バッテリ55の入力制限値Winが比較的小さい場合には、過充電が発生するおそれがある。一方、図11に示すように、前記第1電動機MG1の反力が出力不可となった場合、前記ブレーキBKをスリップ係合させる等してそのトルク容量を増加させる制御を行うことで、前記第1電動機MG1の反力消滅分を補償できる。斯かる制御においては、前記バッテリ55の過充電等の新たな問題を生じさせることなく、前記エンジン12の回転速度NE、前記第1電動機MG1の回転速度NMG1、及び前記第1遊星歯車装置14のピニオンギヤP1の回転速度NP1等の過回転、更には前記バッテリ55の過充電を好適に抑制することができる。
図12は、前記電子制御装置40による退避走行制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記第1電動機MG1が正常であるか否か、すなわちその第1電動機MG1におけるフェールの有無が判断される。このS1の判断が否定される場合、すなわち前記第1電動機MG1においてフェールが発生していると判断される場合には、S7以下の処理が実行されるが、S1の判断が肯定される場合、すなわち前記第1電動機MG1においてフェールが発生していないと判断される場合には、S2において、前記第1差動機構としての第1遊星歯車装置14は正常であるか否か、すなわちその第1遊星歯車装置14におけるフェールの有無が判断される。このS2の判断が否定される場合、すなわち前記第1遊星歯車装置14においてフェールが発生していると判断される場合には、S7以下の処理が実行されるが、S2の判断が肯定される場合、すなわち前記第1遊星歯車装置14においてフェールが発生していないと判断される場合には、S3以下の処理が実行される。
S3においては、車両の走行条件として、前記アクセル開度センサ42により検出されるアクセル開度ACC、前記エンジン回転速度センサ44により検出されるエンジン回転速度NE、前記出力回転速度センサ50により検出される出力回転速度NOUT、及び前記バッテリSOCセンサ54により検出されるバッテリSOC等が取得される。次に、S4において、車両の走行モード(退避走行に係る走行モードではない通常の走行モード)が選択される。例えば、S3にて取得された車両の走行条件に応じて、前述した図3に示すモード1〜5のうち、要求駆動力を実現しつつ最も燃費を抑制する走行モードが選択される。次に、S5において、S4にて選択された走行モードに対応して、前記クラッチCL及びブレーキBKの係合状態が制御される。次に、S6において、退避走行ではない通常の走行制御(非退避走行制御)が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
S7においては、前記エンジン12の回転速度NE、前記第1電動機MG1の回転速度NMG1、前記第1遊星歯車装置14のピニオンギヤP1の回転速度NP1が取得乃至算出されると共に、それらの回転変化率dNE/dt、dNMG1/dt、dNP1/dtが推定(算出)される。次に、S8において、S7にて取得乃至算出された回転速度N及び回転変化率dN/dtに基づいて、各回転速度の過回転推定値Nmax(N,dN/dt)すなわち各回転速度Nの上限値(第1電動機MG1等のフェールに起因して一時的に取り得る上限値)が算出される。次に、S9において、過回転が発生する可能性があるか否か、すなわちS8にて算出された過回転推定値Nmaxが予め定められた閾値Nlimより大きいか否かが判断される。このS9の判断が否定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S9の判断が肯定される場合には、S14以下の処理が実行される。
S10においては、車両の走行条件として、前記アクセル開度センサ42により検出されるアクセル開度ACC、前記エンジン回転速度センサ44により検出されるエンジン回転速度NE、前記出力回転速度センサ50により検出される出力回転速度NOUT、及び前記バッテリSOCセンサ54により検出されるバッテリSOC等が取得される。次に、S11において、退避走行モードすなわち前記第1電動機MG1乃至第1遊星歯車装置14のフェール時における走行モードが選択される。次に、S12において、S11にて選択された退避走行モードに対応して、前記クラッチCL及びブレーキBKの係合状態が制御される。好適には、前記クラッチCLが係合されると共に前記ブレーキBKが解放される。次に、S13において、退避走行制御として、例えば前記エンジン12により駆動力を出力させると共に前記第2電動機MG2によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
S14においては、S8にて算出された過回転推定値Nmaxが予め定められた閾値Nmode(Nmode>Nlim)より小さいか否かが判断される。このS14の判断が肯定される場合には、S15以下の処理が実行されるが、S14の判断が否定される場合には、S18において、過回転防止制御2として、前記過回転を抑制するように前記ブレーキBKがスリップ係合させられる。例えば、予め定められた関係からS8にて算出された過回転推定値Nmax等に基づいて、過回転を抑制し得る前記ブレーキBKのトルク容量(係合力)が算出され、そのトルク容量となるように前記ブレーキBKのスリップ係合制御が行われた後、S7以下の処理が再び実行される。S15においては、前記バッテリSOCセンサ54により検出されるバッテリSOC等に基づいて、前記バッテリ55の入力制限値Winが推定される。次に、S16において、S15にて算出された前記バッテリ55の入力制限値Winが予め定められた閾値Pmodeより大きいか否かが判断される。このS16の判断が否定される場合には、S18以下の処理が実行されるが、S16の判断が肯定される場合には、S17において、過回転防止制御1として、前記過回転を抑制するように前記第2電動機MG2のトルク(反力トルク)が制御された後、S7以下の処理が再び実行される。
以上の制御において、S6、S13、及びS17が前記電動機作動制御部70の動作に、S5及びS12が前記クラッチ係合制御部72の動作に、S5、S12、及びS18が前記ブレーキ係合制御部74の動作に、S1及びS2が前記MG1フェール判定部76の動作に、S7〜S9が前記過回転推定部78の動作に、S14が前記バッテリ充電量判定部80の動作に、S1〜S18が前記退避走行制御部82の動作に、それぞれ対応する。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13〜図18は、本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置100、110、120、130、140、150の構成をそれぞれ説明する骨子図である。本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置は、図13に示す駆動装置100や図14に示す駆動装置110のように、中心軸CE方向の前記第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、第2電動機MG2、第2遊星歯車装置16、クラッチCL及びブレーキBKの配置(配列)を変更した構成にも好適に適用される。図15に示す駆動装置120のように、前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2と非回転部材である前記ハウジング26との間に、そのキャリアC2のハウジング26に対する一方向の回転を許容し且つ逆方向の回転を阻止する一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)OWCを、前記ブレーキBKと並列に備えた構成にも好適に適用される。図16に示す駆動装置130、図17に示す駆動装置140、図18に示す駆動装置150のように、前記シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16の代替として、第2差動機構としてのダブルピニオン型の第2遊星歯車装置16′を備えた構成にも好適に適用される。この第2遊星歯車装置16′は、第1回転要素としてのサンギヤS2′、相互に噛み合わされた複数のピニオンギヤP2′を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC2′、及びピニオンギヤP2′を介してサンギヤS2′と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR2′を回転要素(要素)として備えたものである。
図19〜図21は、前記駆動装置10の代替として、本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置160、170、180の構成及び作動をそれぞれ説明する共線図である。図19〜図21では、前述した図4〜7等の共線図と同様に、前記第1遊星歯車装置14におけるサンギヤS1、キャリアC1、リングギヤR1の相対的な回転速度を実線L1で、前記第2遊星歯車装置16におけるサンギヤS2、キャリアC2、リングギヤR2の相対的な回転速度を破線L2でそれぞれ示している。図19に示すハイブリッド車両用駆動装置160では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記エンジン12、及び前記第2電動機MG2にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記出力歯車30、及び前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26にそれぞれ連結されている。前記サンギヤS1とリングギヤR2とが前記クラッチCLを介して選択的に連結されている。前記リングギヤR1とサンギヤS2とが相互に連結されている。図20に示すハイブリッド車両用駆動装置170では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記出力歯車30、及び前記エンジン12にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記出力歯車30、及び前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26にそれぞれ連結されている。前記サンギヤS1と前記リングギヤR2とが前記クラッチCLを介して選択的に連結されている。前記クラッチC1及びC2が相互に連結されている。図21に示すハイブリッド車両用駆動装置180では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記出力歯車30、及び前記エンジン12にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26、及び前記出力歯車30にそれぞれ連結されている。前記リングギヤR1とキャリアC2とがクラッチCLを介して選択的に連結されている。前記キャリアC1とリングギヤR2とが相互に連結されている。
図19〜図21に示す実施例では、前述した図4〜7等に示す実施例と同様に、共線図上において4つの回転要素を有する(4つの回転要素として表現される)第1差動機構としての第1遊星歯車装置14及び第2差動機構としての第2遊星歯車装置16、16′と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結された第1電動機MG1、第2電動機MG2、エンジン12、及び出力回転部材(出力歯車30)とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1遊星歯車装置14の回転要素と前記第2遊星歯車装置16、16′の回転要素とがクラッチCLを介して選択的に連結され、そのクラッチCLによる係合対象となる前記第2遊星歯車装置16、16′の回転要素が、非回転部材であるハウジング26に対してブレーキBKを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置である点で、共通している。すなわち、図8等を用いて前述した本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置は、図19〜図21に示す構成にも好適に適用される。
このように、本実施例によれば、クラッチCLが係合された状態において全体として4つの回転要素を有する(図4〜図7等に示す共線図上において4つの回転要素として表される)第1差動機構である第1遊星歯車装置14及び第2差動機構である第2遊星歯車装置16、16′と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び出力回転部材である出力歯車30とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチCLを介して選択的に連結され、そのクラッチCLによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材であるハウジング26に対してブレーキBKを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記第1電動機MG1のフェール時には、前記エンジン12により駆動力を出力させると共に前記第2電動機MG2によりその駆動力の反力を受ける退避走行制御を行うものであることから、前記第2電動機MG2の受ける反力の範囲で前記エンジン12の直達トルクによる退避走行が可能となる。すなわち、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現するハイブリッド車両の駆動制御装置である前記電子制御装置40を提供することができる。
前記退避走行制御時には、前記クラッチCLを係合させると共に前記ブレーキBKを解放させるものであるため、前記第1電動機MG1のフェール時において、前記第2電動機MG2により実用的な態様で前記エンジン12により出力される駆動力の反力を受けることができる。
前記エンジン12及び前記第1電動機MG1の少なくとも一方の過回転が推定される場合には、前記ブレーキBKをスリップ係合させるものであるため、前記第1電動機MG1のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
駆動用バッテリである前記バッテリ55の入力許容量Winが規定の閾値Pmode未満であると推定される場合には、前記ブレーキBKをスリップ係合させるものであるため、前記第1電動機MG1のフェール判定直後における前記バッテリ55への過度の入力を好適に抑制することができる。
前記エンジン12及び前記第1電動機MG1の少なくとも一方の過回転が推定される場合において、前記バッテリ55の入力許容量Winが規定の閾値Pmode以上であると推定される場合には、前記過回転を抑制するように前記第2電動機MG2のトルクを制御するものであるため、前記第1電動機MG1のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
前記第1遊星歯車装置14は、前記第1電動機MG1に連結された第1回転要素としてのサンギヤS1、前記エンジン12に連結された第2回転要素としてのキャリアC1、及び前記出力歯車30に連結された第3回転要素としてのリングギヤR1を備え、前記第2遊星歯車装置16(16′)は、前記第2電動機MG2に連結された第1回転要素としてのサンギヤS2(S2′)、第2回転要素としてのキャリアC2(C2′)、及び第3回転要素としてのリングギヤR2(R2′)を備え、それらキャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)の何れか一方が前記第1遊星歯車装置14のリングギヤR1に連結されたものであり、前記クラッチCLは、前記第1遊星歯車装置14におけるキャリアC1と、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、前記ブレーキBKは、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素を、非回転部材であるハウジング26に対して選択的に係合させるものであることから、実用的なハイブリッド車両の駆動装置10等において、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10、100、110、120、130、140、150、160、170、180:ハイブリッド車両用駆動装置、12:エンジン、14:第1遊星歯車装置(第1差動機構)、16、16′:第2遊星歯車装置(第2差動機構)、18、22:ステータ、20、24:ロータ、26:ハウジング(非回転部材)、28:入力軸、30:出力歯車(出力回転部材)、32:オイルポンプ、40:電子制御装置(駆動制御装置)、42:アクセル開度センサ、44:エンジン回転速度センサ、46:MG1回転速度センサ、48:MG2回転速度センサ、50:出力回転速度センサ、52:車輪速センサ、54:バッテリSOCセンサ、55:バッテリ(駆動用バッテリ)、56:エンジン制御装置、58:インバータ、60:油圧制御回路、70:電動機作動制御部、72:クラッチ係合制御部、74:ブレーキ係合制御部、76:MG1フェール判定部、78:過回転推定部、80:バッテリ充電量判定部、82:退避走行制御部、BK:ブレーキ、CL:クラッチ、C1、C2、C2′:キャリア(第2回転要素)、MG1:第1電動機、MG2:第2電動機、OWC:一方向クラッチ、P1、P2、P2′:ピニオンギヤ、R1、R2、R2′:リングギヤ(第3回転要素)、S1、S2、S2′:サンギヤ(第1回転要素)
前記第1発明に従属する本第3発明の要旨とするところは、前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
前記第1発明又は前記第3発明に従属する本第4発明の要旨とするところは、駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値未満であると推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における前記駆動用バッテリへの過度の入力を好適に抑制することができる。
前記第1発明、第2発明、第3発明、第1発明に従属する第4発明、又は第3発明に従属する第4発明に従属する本第5発明の要旨とするところは、前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合において、駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値以上であると推定される場合には、前記過回転を抑制するように前記第2電動機のトルクを制御するものである。このようにすれば、前記第1電動機のフェール判定直後における過回転の発生を好適に抑制することができる。
前記第1発明、第2発明、第3発明、第1発明に従属する第4発明、第3発明に従属する第4発明、第1発明に従属する第5発明、第2発明に従属する第5発明、第3発明に従属する第5発明、第1発明に従属する第4発明に従属する第5発明、又は第3発明に従属する第4発明に従属する第5発明に従属する本第6発明の要旨とするところは、前記第1差動機構は、前記第1電動機に連結された第1回転要素、前記エンジンに連結された第2回転要素、及び前記出力回転部材に連結された第3回転要素を備えたものであり、前記第2差動機構は、前記第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結されたものであり、前記クラッチは、前記第1差動機構における第2回転要素と、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、前記ブレーキは、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素を、前記非回転部材に対して選択的に係合させるものである。このようにすれば、実用的なハイブリッド車両の駆動装置において、電動機のフェール時における好適な退避走行を実現することができる。
図1に示すように、前記駆動装置10において、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16は、それぞれ前記入力軸28と同軸上(中心軸CE上)に配置されており、且つ、前記中心軸CEの軸方向において対向する位置に配置されている。すなわち、前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1遊星歯車装置14は、前記第2遊星歯車装置16に対して前記エンジン12側に配置されている。前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1電動機MG1は、前記第1遊星歯車装置14に対して前記エンジン12側に配置されている。前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第2電動機MG2は、前記第2遊星歯車装置16に対して前記エンジン12の反対側に配置されている。すなわち、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2は、前記中心軸CEの軸方向に関して、前記第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16を間に挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、前記駆動装置10においては、前記中心軸CEの軸方向において、前記エンジン12側から前記第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、クラッチCL、第2遊星歯車装置16、ブレーキBK、第2電動機MG2の順でそれらの構成が同軸上に配置されている。
図19〜図21は、前記駆動装置10の代替として、本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置160、170、180の構成及び作動をそれぞれ説明する共線図である。図19〜図21では、前述した図4〜7等の共線図と同様に、前記第1遊星歯車装置14におけるサンギヤS1、キャリアC1、リングギヤR1の相対的な回転速度を実線L1で、前記第2遊星歯車装置16におけるサンギヤS2、キャリアC2、リングギヤR2の相対的な回転速度を破線L2でそれぞれ示している。図19に示すハイブリッド車両用駆動装置160では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記エンジン12、及び前記第2電動機MG2にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記出力歯車30、及び前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26にそれぞれ連結されている。前記サンギヤS1とリングギヤR2とが前記クラッチCLを介して選択的に連結されている。前記リングギヤR1とサンギヤS2とが相互に連結されている。図20に示すハイブリッド車両用駆動装置170では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記出力歯車30、及び前記エンジン12にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記出力歯車30、及び前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26にそれぞれ連結されている。前記サンギヤS1と前記リングギヤR2とが前記クラッチCLを介して選択的に連結されている。前記キャリアC1及びC2が相互に連結されている。図21に示すハイブリッド車両用駆動装置180では、前記第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリアC1、及びリングギヤR1は、前記第1電動機MG1、前記出力歯車30、及び前記エンジン12にそれぞれ連結されている。前記第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリアC2、及びリングギヤR2は、前記第2電動機MG2、前記ブレーキBKを介して前記ハウジング26、及び前記出力歯車30にそれぞれ連結されている。前記リングギヤR1とキャリアC2とがクラッチCLを介して選択的に連結されている。前記キャリアC1とリングギヤR2とが相互に連結されている。

Claims (6)

  1. 全体として4つの回転要素を有する第1差動機構及び第2差動機構と、該4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、及び出力回転部材とを、備え、
    前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、
    該クラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結される
    ハイブリッド車両の駆動制御装置であって、
    前記第1電動機のフェール時には、前記エンジンにより駆動力を出力させると共に前記第2電動機により該駆動力の反力を受ける退避走行制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
  2. 前記退避走行制御時には、前記クラッチを係合させると共に前記ブレーキを解放させるものである請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  3. 前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  4. 駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値未満であると推定される場合には、前記ブレーキをスリップ係合させるものである請求項1から3の何れか1項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  5. 前記エンジン及び前記第1電動機の少なくとも一方の過回転が推定される場合において、駆動用バッテリの入力許容量が規定の閾値以上であると推定される場合には、前記過回転を抑制するように前記第2電動機のトルクを制御するものである請求項1から4の何れか1項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  6. 前記第1差動機構は、前記第1電動機に連結された第1回転要素、前記エンジンに連結された第2回転要素、及び前記出力回転部材に連結された第3回転要素を備えたものであり、
    前記第2差動機構は、前記第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結されたものであり、
    前記クラッチは、前記第1差動機構における第2回転要素と、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、
    前記ブレーキは、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素を、前記非回転部材に対して選択的に係合させるものである
    請求項1から5の何れか1項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
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