JP2009126486A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転同期制御を行う際に電動機の出力トルクが不足することを回避できるハイブリッド車の制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の制御装置は、動力伝達経路の状態をクラッチC1又はクラッチC2を利用して切り替える車両1に適用され、動力伝達経路の状態を切り替える前にクラッチC1、C2で連結される要素の回転速度を一致させる回転同期制御を実行する。この回転同期制御の実行は、出力トルクの大きさが減少するように第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8を操作することで上記要素の回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り許可される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関と電動機とが走行用の動力源として搭載され、内燃機関から駆動輪に至る動力伝達経路の状態を切り替えできるハイブリッド車に適用される制御装置に関する。
動力伝達経路の状態を切り替えるハイブリッド車の場合、クラッチやブレーキ等の係合手段を利用することが一般的である。係合手段を利用して動力伝達経路内に設けられた回転要素を他の回転要素や固定要素に連結するには、その連結に伴う衝撃を緩和すべく連結開始前に一方の回転要素の回転速度を相手方要素の回転速度に一致させる回転同期制御が行われる。また、係合手段として噛み合い式クラッチを採用した場合などには、クラッチが噛み合うことができる位置に制約があるので、このような回転同期制御において各回転要素の回転位置を噛み合い可能な位置に一致させることがある。
例えば、このような同期制御を行う制御装置として、電動機にて回転速度が調整され得る回転要素と相手方回転要素との回転速度及び回転位置をそれぞれ一致させるため、電動機をフィードフォワード制御し、そのフィードフォワード制御中に回転要素相互の位置誤差と速度誤差とをそれぞれ演算し、それらの比がフィードバック制御可能な所定範囲内に収まっているときに電動機の最大トルクを推定し、その最大トルクが許容範囲内の場合に、フィードフォワード制御からフィードバック制御に切り替えるものが知られている(特許文献1)。
特開2005−278225号公報
特許文献1の制御装置は、互いの回転速度を一致させた後に回転位置の一致のために電動機を再加速する無駄を省くことができる。しかしながら、回転同期制御を行うにあたって電動機の出力トルクが不足することを考慮しておらず、意図した回転同期制御を行うことができないおそれがある。
そこで、本発明は、回転同期制御を行う際に電動機の出力トルクが不足することを回避できるハイブリッド車の制御装置を提供することを目的とする。
本発明のハイブリッド車の制御装置は、内燃機関と電動機とが走行用の動力源として搭載され、前記内燃機関から駆動輪に至る動力伝達経路に動力分配機構が設けられ、前記内燃機関の出力トルクが前記動力分配機構に伝達された場合にその反力を前記電動機が受けるように構成され、かつ前記電動機にて回転速度が調整され得る回転要素を係合手段を介して他要素に断続することにより前記動力伝達経路の状態を切り替え可能なハイブリッド車に適用されるとともに、前記電動機の操作によって前記回転要素の回転速度を調整して前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致させる回転同期制御を行った後に、前記係合手段を操作して前記回転要素と前記他要素とを連結するものにおいて、出力トルクが減少するように前記電動機を操作することで前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り、前記回転同期制御の実行を許可する制御実行許可手段を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
この制御装置によれば、回転要素と他要素との回転速度を一致させる回転同期制御が所定条件が成立した場合に限り実行される。この所定条件は、電動機の出力トルクを減少させる、つまり0に近づけることにより回転要素と他要素との回転速度を一致できる条件として与えられている。そのため、電動機の出力トルクを増加させなければこれらの要素の回転速度を一致させることができない場合には所定条件が成立しないから回転同期制御の実行が許可されない。従って、回転同期制御を行う際に電動機の出力トルクが不足することを確実に回避できる。
所定条件は電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致できる条件であればどのような態様でも構わない。また、所定条件の成否は種々の条件を考慮に入れて判断してよい。例えば、本発明の制御装置の一態様において、前記動力分配機構は、前記内燃機関の出力トルクが伝達される第1差動要素と前記電動機の出力トルクが伝達される第2差動要素とを含んでおり、前記制御実行許可手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて変化する前記第1差動要素に作用するトルクの方向を考慮して前記所定条件の成否を判断することができる(請求項2)。第1差動要素に作用するトルクの方向は、電動機の出力トルクを減少させた場合にその回転速度が上昇するか又は低下するかを決定付ける一要素になるから、その方向を考慮して所定条件の成否を判断することにより適切な判断が可能になる。
第1差動要素に作用するトルクの方向を考慮に入れる場合には、例えば以下の態様で所定条件の成立を判断できる。以下の態様で回転速度の大小関係は大きさ(速さ)の大小関係を意味する。
本発明の制御装置の一態様において、前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが同方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と同方向のトルクが作用する前記内燃機関の負荷運転中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致させるための目標回転速度を下回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可してもよい(請求項3)。第1差動要素と第2差動要素とが同方向に回転しかつ内燃機関が負荷運転中の状況で、電動機の出力トルクを減少させると第2差動要素に伝達されるトルクが減少するので内燃機関のトルクによって第2差動要素の回転速度は上昇する。電動機の回転速度は第2差動要素の回転速度の上昇に伴って上昇する。そして、回転要素の回転速度は電動機の回転速度に伴って変動する。従って、このような状況で電動機の回転速度が目標回転速度を下回っている場合、電動機の出力トルクを減少させることにより電動機の回転速度が上昇するので、電動機の回転速度を目標回転速度へ近づけることができる。つまり、電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致させることが可能になる。この態様によれば、こうした場合に所定条件が成立したものとして、回転同期制御の実行を許可するため、回転同期制御の際に電動機の出力トルクが不足することを確実に防止できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが同方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と逆方向のトルクが作用する前記内燃機関のモータリング中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を上回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可してもよい(請求項4)。この場合には内燃機関がモータリング中であるため、電動機の出力トルクを減少させると第2差動要素に伝達されるトルクが減少するので、そのトルクの減少に応じて第2差動要素の回転速度は低下する。従って、第1差動要素と第2差動要素とが同方向に回転しかつ内燃機関がモータリング中の状況で、電動機の回転速度が目標回転速度を上回っている場合、電動機の出力トルクを減少させることにより電動機の回転速度が低下するので、電動機の回転速度を目標回転速度へ近づけることができる。これにより、電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致させることが可能になる。この態様によれば、こうした場合に所定条件が成立したものとして、回転同期制御の実行を許可するため、回転同期制御の際に電動機の出力トルクが不足することを確実に防止できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが逆方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と同方向のトルクが作用する前記内燃機関の負荷運転中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を上回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可してもよい(請求項5)。第1差動要素と第2差動要素とが逆方向に回転しかつ内燃機関が負荷運転中の状況で、電動機の出力トルクを減少させると第2差動要素に伝達されるトルクが減少するので内燃機関のトルクによって第2差動要素の回転速度は低下する。電動機の回転速度は第2差動要素の回転速度の低下に伴って低下する。そして、回転要素の回転速度は電動機の回転速度に伴って変動する。従って、このような状況で電動機の回転速度が目標回転速度を上回っている場合、電動機の出力トルクを減少させることにより電動機の回転速度が低下するので、電動機の回転速度を目標回転速度へ近づけることができる。つまり、電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致させることが可能になる。この態様によれば、こうした場合に所定条件が成立したものとして、回転同期制御の実行を許可するため、回転同期制御の際に電動機の出力トルクが不足することを確実に防止できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが逆方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と逆方向のトルクが作用する前記内燃機関のモータリング中で、かつ前記回転要素の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を下回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可してもよい(請求項6)。この場合には内燃機関がモータリング中であるため、電動機の出力トルクを減少させると第2差動要素に伝達されるトルクが減少するので、そのトルクの減少に応じて第2差動要素の回転速度は上昇する。従って、第1差動要素と第2差動要素とが逆方向に回転しかつ内燃機関がモータリング中の状況で、電動機の回転速度が目標回転速度を下回っている場合、電動機の出力トルクを減少させることにより電動機の回転速度が上昇するので、電動機の回転速度を目標回転速度へ近づけることができる。これにより、電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致させることが可能になる。この態様によれば、こうした場合に所定条件が成立したものとして、回転同期制御の実行を許可するため、回転同期制御の際に電動機の出力トルクが不足することを確実に防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、電動機の出力トルクを減少させることにより回転要素と他要素との回転速度を一致できる条件として与えられた所定条件が成立した場合に限り回転同期制御が実行されることになるので、回転同期制御を行う際に電動機の出力トルクが不足することを確実に回避できる。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る制御装置が適用された車両の概略を示している。この図に示すように、車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。周知のように、ハイブリッド車両は内燃機関を走行用の駆動力源として備えるとともに、モータ・ジェネレータ等の電動機を他の走行用の駆動力源として備えた車両であり、内燃機関をできるだけ効率の良い状態で運転する一方で、駆動力やエンジンブレーキ力の過不足を他の駆動力源にて補い、かつ車両減速時等にエネルギの回生を行うことにより、内燃機関のエミッション悪化の防止と燃費性能の向上とを実現できるように構成されている。車両1にはその走行のために駆動装置2Aが設けられている。
駆動装置2Aは、内燃機関3から出力されたトルクを伝達する伝達軸4と、その伝達軸4と同一軸線上に配置されて駆動輪13に差動装置5を介してトルクを出力する出力軸6とを有しており、伝達軸4から出力軸6までの動力伝達経路には第1モータ・ジェネレータ7、第2モータ・ジェネレータ8及び動力分配機構9がそれぞれ配置されている。内燃機関3は火花点火型の多気筒内燃機関として構成されている。内燃機関3のトルクは不図示のクランク軸を介して伝達軸4に出力される。第1モータ・ジェネレータ7は電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。第1モータ・ジェネレータ7には不図示のインバータを介して不図示のバッテリが電気的に接続されていて、そのインバータを制御することにより第1モータ・ジェネレータ7の出力トルク又は回生トルクが適宜設定される。第1モータ・ジェネレータ7は伝達軸4及び出力軸6と同一軸線上に位置する外側中間軸11と一体回転するロータ7aと、そのロータ7aの外周側に位置するステータ7bとを有している。ステータ7bはケーシング10に対して回転不能に固定されている。第2モータ・ジェネレータ8も第1モータ・ジェネレータ7と同様の構成を有している。即ち、第2モータ・ジェネレータ8は、伝達軸4及び出力軸6と同軸上に回転可能に設けられたロータ8aと、ロータ8aの外周側に位置するようにしてケーシング10に回転不能に固定されたステータ8bとを有している。また、第2モータ・ジェネレータ8は不図示のインバータを介して不図示のバッテリが電気的に接続されている。
動力分配機構9は相互に差動回転可能な3つの回転要素を持つダブルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。動力分配機構9は、これらの3つの回転要素として、伝達軸4及び出力軸6と同一軸線上に位置する内側中間軸12と同軸上に設けられた外歯歯車であるサンギアSaと、そのサンギアSaに対して同軸上に配置された内歯歯車であるリングギアRaと、サンギアSaに噛み合う第1ピニオン15及びリングギアに噛み合う第2ピニオン16を相互に噛み合わせた状態で、これらのピニオン15、16を自転かつ公転自在に保持するキャリアCaとを有している。サンギアSaにはクラッチCevを介在させた状態で第1モータ・ジェネレータ7のロータ7aが連結されていて、第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクが伝達される。リングギアRaには伝達軸4が連結されていて、内燃機関3の出力トルクが伝達される。キャリアCaには減速機構18を介在させた状態で第2モータ・ジェネレータ8が連結されていて、第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクが伝達される。これにより、動力分配機構9に内燃機関3の出力トルクが伝達された場合に、その反力を第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8が受けることになる。
第1モータ・ジェネレータ7とサンギアSaとの間に介在するクラッチCevはこれらの間のトルク伝達を断続させることにより後述の走行モードを切り替える。クラッチCevは噛み合い式クラッチとして構成されているが、摩擦式クラッチとして構成してもよい。第2モータ・ジェネレータ8とキャリアCaとの間に介在する減速機構18はシングルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。減速機構18は、第2モータ・ジェネレータ8のロータ8aに連結される外歯歯車であるサンギアSbと、そのサンギアSbと同軸上に配置され、動力分割機構9のキャリアCaと一体回転する内歯歯車であるリングギアRbと、これらのギアSb、Rbのそれぞれに噛み合うピニオン20を自転かつ公転自在に保持できるキャリアCbとを有している。キャリアCbはケーシング10に回転不能に固定されている。これにより、第2モータ・ジェネレータ8の回転速度は減速機構18の減速比に従って減速されるとともに、第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクはその減速比に従って増幅される。なお、リングギアRb(キャリアCa)の回転はブレーキBにて選択的に制動され、これにより、第2モータ・ジェネレータ8がロックできるようになっている。
出力軸6へのトルクの伝達は出力機構25を介して行われる。出力機構25はシングルピニオン型の遊星歯車機構として構成された減速部26と、その減速部26に対して第1モータ・ジェネレータ7及び第2モータ・ジェネレータ8のそれぞれから出力されたトルクを断続させるための切替部27とを備えている。減速部26は出力軸6と同軸上に配置された外歯歯車であるサンギアScと、そのサンギアScと同軸上に配置された内歯歯車であるリングギアRcと、これらのギアSc、Rcのそれぞれに噛み合うピニオン30を自転かつ公転自在に保持するキャリアCcとを有している。サンギアScはケーシング10に対して回転不能に固定されている。リングギアRcは切替部27に一体回転可能に連結されている。キャリアCcは出力軸6と一体回転可能に連結されている。
切替部27は内側中間軸12とリングギアRcとをトルク伝達可能に連結する係合状態と、内側中間軸12とリングギアRcとのトルク伝達を開放する開放状態とを切り替える第1クラッチC1と、外側中間軸11とリングギアRcとをトルク伝達可能に連結する係合状態と、外側中間軸11とリングギアRcとのトルク伝達を開放する開放状態とを切り替える第2クラッチC2とを備えている。これらのクラッチC1、C2は噛み合い式クラッチとして構成されているが、摩擦式クラッチとして構成してもよい。
上述した第1モータ・ジェネレータ7、第2モータ・ジェネレータ8、クラッチCev、ブレーキB、第1クラッチC1及び第2クラッチC2のそれぞれの動作は制御装置40にて制御される。制御装置40はマイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、車速等の車両1の各種運転パラメータや予め保持している各種データを参照して車両1の各部に対して種々の制御を実行する。駆動装置2Aは制御装置40からの指令を受けて各種の走行モード及び変速モードを設定することができる。
図2は駆動装置2Aが設定可能な走行モード及び変速モードを示した作動状態図であり、各種走行モード及び変速モードに対応するクラッチCev、ブレーキB、第1クラッチC1及び第2クラッチC2のそれぞれの作動状態を示している。この図において、「ENG走行モード」は内燃機関3が出力するトルクを利用した車両1の走行モードを示し、「EV走行モード」は内燃機関3からトルクが出力されない状態で、かつ第1モータ・ジェネレータ7及び第2モータ・ジェネレータ8が出力するトルクを利用した車両1の走行モードを示している。また、図2の「ON」は各クラッチCev、C1、C2及びブレーキBの係合状態を、「OFF」はこれらの開放状態をそれぞれ示している。
更に、これらの走行モードのそれぞれにおいて複数の変速モードが設定されている。ENG走行モードにおいて、「1速CVTモード」は動力分配機構9のキャリアCaと一体回転する内側中間軸12から出力機構25にトルクが入力され、かつ第1モータ・ジェネレータ7によって内燃機関3の回転速度を制御する変速モードであり、トータルの変速比が無段階に変化する。「固定変速比モード」は、内燃機関3、第1モータ・ジェネレータ7及び第2モータ・ジェネレータ8の相互の回転速度比が一定に保持される変速モードである。つまり固定変速比モードでは動力分配機構9の各回転要素が同一速度で回転する。「2速CVTモード」は動力分配機構9のサンギアSaと一体回転する外側中間軸11から出力機構25にトルクが入力され、かつ第2モータ・ジェネレータ8によって内燃機関3の回転速度を制御する変速モードであり、トータルの変速比が無段階に変化する。また、「ロックモード」は、動力分配機構9のキャリアCaを固定して第2モータ・ジェネレータ8をロックし、かつサンギアSaから出力されたトルクに第1モータ・ジェネレータ7のトルクを加減してそのトルクを出力機構25に入力する変速モードである。
一方、EV走行モードにおいて、「1速モード」は第2モータ・ジェネレータ8を減速機構18を介して出力機構25に連結して、その第2モータ・ジェネレータ8によって走行する変速モードであり、「2速モード」は第1モータ・ジェネレータ7を出力機構25に連結して、その第1モータ・ジェネレータ7によって走行する変速モードである。「固定変速比モード」は、第1モータ・ジェネレータ7及び第2モータ・ジェネレータ8の回転速度比が一定に保持されて動力分割機構9の各回転要素が同一速度で回転する変速モードである。この場合、内燃機関3は第1モータ・ジェネレータ7及び第2モータ・ジェネレータ8にて連れ回されるモータリング状態となる。
これらの走行モード及び変速モードは、車両1の走行状態や内燃機関3の運転状態に見あった適切なモードが選ばれるように制御装置40にて切り替えられる。なお、走行モードや変速モードを選択するために実行する制御としては公知の方法が利用されており、本発明の要旨と関連性が低いので詳細な説明は省略する。
走行モード及び変速モードの切り替えは、図2から明らかなように動力伝達経路の状態の切り替えを伴う。その切り替えを原因とした衝撃を緩和するため、制御装置40は各クラッチCev、C1、C2等の係合手段を操作して走行モードや変速モードを切り替える前に、係合手段にて連結される一対の回転要素の回転速度を一致させる回転同期制御を実行する。ここで、本形態に係る回転同期制御の概要を図3〜図10を参照しながら説明する。なお、これらの図において、「ENG」は内燃機関3を、「MG1」は第1モータ・ジェネレータ7を、「MG2」は第2モータ・ジェネレータ8を、「OUT」は出力軸6を、「So」は外側中間軸11を、「Si」は内側中間軸12を、それぞれ示している。
(ENG走行モードにおける回転同期制御)
図3は1速CVTモードの共線図を、図4は2速CVTモードの共線図を、図5は固定変速比モードの共線図をそれぞれ示している。本形態の駆動装置2Aは、図3の1速CVTモードから図4の2速CVTモードへ、又はこれとは反対に2速CVTモードから1速CVTモードへ変速モードを切り替える場合に図5の固定変速比モードを経由する。
まず、図3の1速CVTモードから図4の2速CVTモードへ切り替える場合について説明する。1速CVTモードは第1クラッチC1が係合状態に、第2クラッチC2が開放状態にそれぞれ設定されている。この1速CVTモードから2速CVTモードへ切り替えるためには第2クラッチC2を開放状態から係合状態へ切り替えて固定変速比モードとし、更に第1クラッチC1を係合状態から開放状態へ切り替えることが必要である(図2も参照)。そこで、制御装置40は、第2クラッチC2を開放状態から係合状態へ切り替える前に、第2クラッチC2にて連結される出力機構25のリングギアRcと、第1モータ・ジェネレータ7と一体回転する外側中間軸11との互いの回転速度を一致させる回転同期制御を行う。このとき、制御装置40は第1モータ・ジェネレータ7の操作によって外側中間軸11の回転速度を調整して外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致させる。制御装置40は第1モータ・ジェネレータ7の操作において出力トルクが不足することを回避するため、出力トルクが減少するように第1モータ・ジェネレータ7を操作することで外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り回転同期制御を実行することとしている。出力トルクを減少させるには第1モータ・ジェネレータ7への供給電力を遮断又は低下させればよいので、回転同期制御の際に第1モータ・ジェネレータ7のトルクが不足することを確実に防止できる。
具体的には、(1)内燃機関3の出力トルクが伝達される動力分配機構9のリングギアRaと、第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクが外側中間軸11を介して伝達される動力分配機構9のサンギアSaとの互いの回転方向、(2)動力分配機構9のリングギアRaに作用するトルクの方向に影響を与える内燃機関3の運転状態、並びに、(3)第1モータ・ジェネレータ7の現在の回転速度の各事項が図3に示した状態になっている場合に制御装置40は上述した所定条件が成立したものと判断する。即ち、リングギアRaとサンギアSaとの回転方向が同方向で、リングギアRaにその回転方向と同方向のトルクが作用する内燃機関3の負荷運転中で、かつ第1モータ・ジェネレータ7の現在の回転速度が外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致させるための破線で示された目標回転速度を下回っている場合に、所定条件が成立したものと判断する。
図6は1速CVTモードにおいて、第1モータ・ジェネレータ7の現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図3の状態に比べて逆転している場合の共線図を示している。図6の状態から外側中間軸11(サンギアSa)の回転速度とリングギアRc(キャリアCa)との回転速度とを一致させるためには、第1モータ・ジェネレータ7の回転速度を目標回転速度まで低下させる必要がある。そのためには、図6から明らかなように、サンギアSaに作用するトルクTgを、リングギアRaに作用するトルクTeに抗して、その大きさを増加させなければ目標回転速度へ近づけることができない。トルクTgの最大値は第1モータ・ジェネレータ7の仕様によって決ってくるので、仮に、図6の状態で回転同期制御を行った場合には出力トルクが不足して意図通りの同期制御ができなくなる可能性がある。
一方、図3に示す状態の場合、外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致させるには第1モータ・ジェネレータ7の回転速度を目標回転速度まで上昇させる必要がある。そのためには、図3から明らかなように、サンギアSaに作用するトルクTgを0に近づける、つまりトルクTgを減少させることにより、リングギアRaに作用するトルクTeを利用して外側中間軸11の回転速度を上昇させることができる。図3の状態であれば、トルクTgを減少させる、即ち第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクを減少させるだけで、外側中間軸11とリングギアRcの回転速度を一致させることができる。従って、図3の状態から回転同期制御を実行すれば、回転同期制御中に第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクが不足する心配がないため、制御装置40は図3の状態のときに上述した所定条件が成立したものと判断して回転同期制御を実行する。そして、その後に、制御装置40は第2クラッチC2が開放状態から係合状態へ切り替えられるように第2クラッチC2を操作して、外側中間軸11とリングギアRcとを連結し、図5の固定変速比モードへ切り替える。
以上から明らかなように、制御装置40が1速CVTモードから固定変速比モードへ切り替える際には、第1モータ・ジェネレータ7が本発明に係る電動機に、外側中間軸11が本発明に係る回転要素に、出力機構25のリングギアRcが本発明に係る他要素に、動力分配機構9のリングギアRaが本発明に係る第1差動要素に、動力分配機構9のサンギアSaが本発明に係る第2差動要素にそれぞれ相当する。
次に、図4の2速CVTモードから図3の1速CVTモードへ変速モードを切り替える場合について説明する。2速CVTモードから1速CVTモードへ切り替える際にも、2速CVTモードから固定変速比モードへ切り替えてから1速CVTモードへ切り替える必要がある。この場合も基本的な考え方は以上の説明と同様であるので説明を簡略化する。図4の2速CVTモードから図5の固定変速比モードへ切り替えるために、制御装置40は第1クラッチC1を開放状態から係合状態へ切り替える前に、第1クラッチC1にて連結される出力機構25のリングギアRcと、第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクが伝達される内側中間軸12との互いの回転速度を一致させる回転同期制御を行う。このとき、制御装置40は第2モータ・ジェネレータ8の操作によって内側中間軸12の回転速度を調整して内側中間軸12及びリングギアRcの回転速度を一致させる。
この場合も同様に、制御装置40は、第2モータ・ジェネレータ8の操作において出力トルクが不足することを回避するため、出力トルクが減少するように第2モータ・ジェネレータ8を操作することで内側中間軸12及びリングギアRcの回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り回転同期制御を実行することとしている。その所定条件は、(1)動力分配機構9のリングギアRaと、第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクが減速機構18を介して伝達される動力分配機構9のキャリアCaとの互いの回転方向、(2)動力分配機構9のリングギアRaに作用するトルクの方向に影響を与える内燃機関3の運転状態、並びに、(3)第2モータ・ジェネレータ8の現在の回転速度の各事項が図4の状態になっている場合に成立したものと判断される。即ち、リングギアRaと、キャリアCaとの回転方向が同方向で、リングギアRaにその回転方向と同方向のトルクが作用する内燃機関3の負荷運転中で、かつ第2モータ・ジェネレータ8の現在の回転速度が目標回転速度を下回っている場合に、所定条件が成立したものと判断される。図4の状態で回転同期制御を行うことにより、キャリアCaに作用するトルクTmを図4の状態から減少させる、即ち第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクを減少させるだけで、リングギアRaに作用するトルクTeを利用して内側中間軸12とリングギアRcの回転速度を一致させることができる。そして、その後に、制御装置40は第1クラッチC1を開放状態から係合状態へ切り替えられるように操作して、内側中間軸12とリングギアRcとを連結し、固定変速比モードへ切り替える。なお、図示の便宜上、第2モータ・ジェネレータ8の目標回転速度を破線で示したが、実際には第2モータ・ジェネレータ8とキャリアCaとの間に減速機構18が介在するので、その目標回転速度は破線に一致せず、破線で示される回転速度よりも大きい。
このようにして、制御装置40が2速CVTモードから固定変速比モードへ切り替える際には、第2モータ・ジェネレータ8が本発明に係る電動機に、内側中間軸12が本発明に係る回転要素に、出力機構25のリングギアRcが本発明に係る他要素に、動力分配機構9のリングギアRaが本発明に係る第1差動要素に、動力分配機構9のキャリアCaが本発明に係る第2差動要素にそれぞれ相当する。
(EV走行モードにおける回転同期制御)
次に、EV走行モードにおける回転同期制御の概要を説明する。上述したように、EV走行モードは内燃機関3からトルクが出力されないため、動力分配機構9のリングギアRaに作用するトルクの向きがENG走行モードの場合に比べて反対向きになる。図7は1速モードの共線図を、図8は2速モードの共線図を、図9は固定変速比モードの共線図をそれぞれ示している。本形態の駆動装置2Aは、図7の1速モードから図8の2速モードへ、又はこれとは反対に2速モードから1速モードへ変速モードを切り替える場合にENG走行モードと同様に図9の固定変速比モードを経由する。
1速モード及び2速モード間の切り替え時の各操作及び回転同期制御の開始条件である所定条件の基本的考えはENG走行モードの場合と同様である。即ち、制御装置40は、回転同期制御の実行中に第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクの不足を回避するため、出力トルクが減少するように第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8を操作して回転同期が実現できる所定条件が成立した場合に限り回転同期制御を実行する。しかしEV走行モードの際にはリングギアRaに作用するトルクの向きがENG走行モードの場合に対して反転する結果、回転同期制御の開始条件である所定条件の具体的内容がENG走行モードの場合と比べて対照的になる。
即ち、1速モードから固定変速比モードへ切り替える前に行われる回転同期制御では、動力分配機構9のリングギアRaと、動力分配機構9のサンギアSaとの互いの回転方向等の上記各事項が図7に示した状態になっている場合に所定条件が成立したものと判断する。即ち、リングギアRaとサンギアSaとの回転方向が同方向で、リングギアRaにその回転方向と逆方向のトルクが作用する内燃機関3のモータリング中で、かつ第1モータ・ジェネレータ7の現在の回転速度が目標回転速度を上回っている場合に所定条件が成立したものと判断する。
図10は1速モードにおいて第1モータ・ジェネレータ7の現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図7の状態に比べて逆転している場合の共線図を示している。図10の状態から外側中間軸11の回転速度とリングギアRcとの回転速度とを一致させるためには、第1モータ・ジェネレータ7の回転速度を破線の目標回転速度まで上昇させる必要がある。そのためには、図10から明らかなように、サンギアSaに作用するトルクTgを、リングギアRaに作用するトルクTeに抗して、その大きさを増加させなければ外側中間軸11の回転速度を上昇させることができない。上述のように、トルクTgの最大値は第1モータ・ジェネレータ7の仕様によって決ってくるので、仮に、図10の状態で回転同期制御を行った場合には出力トルクが不足して意図通りの同期制御ができなくなる可能性がある。
一方、図7に示す状態の場合、外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致させるためには第1モータ・ジェネレータ7の回転速度を目標回転速度まで低下させる必要がある。そのためには、図7から明らかなように、サンギアSaに作用するトルクTgを0に近づける、つまりトルクTgを減少させることにより、リングギアRaに作用するトルクTeを利用して外側中間軸11の回転速度を低下させることができる。図7の状態であれば、トルクTgを図7の状態から減少させる、即ち第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクを減少させるだけで、外側中間軸11とリングギアRcの回転速度を一致させることができる。従って、図7の状態から回転同期制御を実行すれば、回転同期制御中に第1モータ・ジェネレータ7の出力トルクが不足する心配がないため、制御装置40は図7の状態のときに所定条件が成立したものと判断して回転同期制御を実行する。そして、その後に、制御装置40は第2クラッチC2が開放状態から係合状態へ切り替えられるように第2クラッチC2を操作して、外側中間軸11とリングギアRcとを連結し、図9の固定変速比モードへ切り替える。
以上から明らかなように、EV走行モードにおいて、制御装置40が1速モードから固定変速比モードへ切り替える際には、第1モータ・ジェネレータ7が本発明に係る電動機に、外側中間軸11が本発明に係る回転要素に、出力機構25のリングギアRcが本発明に係る他要素に、動力分配機構9のリングギアRaが本発明に係る第1差動要素に、動力分配機構9のサンギアSaが本発明に係る第2差動要素にそれぞれ相当する。
他方、2速モードから1速モードへ切り替える際にも、2速モードから固定変速比モードへ切り替えてから1速モードへ切り替える必要がある。2速モードから固定変速比モードへ切り替えるために、制御装置40は第1クラッチC1を開放状態から係合状態へ切り替える前に、第1クラッチC1にて連結される出力機構25のリングギアRcと、第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクが伝達される内側中間軸12との互いの回転速度を一致させる回転同期制御を行う。このとき、第2モータ・ジェネレータ8の操作によって内側中間軸12の回転速度を調整して内側中間軸12及びリングギアRcの回転速度を一致させる。この場合も同様に、上述した各事項が図8に示した状態、即ちリングギアRaと、キャリアCaとの回転方向が同方向で、リングギアRaにその回転方向と逆方向のトルクが作用する内燃機関3のモータリング中で、かつ第2モータ・ジェネレータ8の現在の回転速度が目標回転速度を上回っている場合に所定条件が成立したものと判断される。このようにして、制御装置40が2速モードから固定変速比モードへ切り替える際には、第2モータ・ジェネレータ8が本発明に係る電動機に、内側中間軸12が本発明に係る回転要素に、出力機構25のリングギアRcが本発明に係る他要素に、動力分配機構9のリングギアRaが本発明に係る第1差動要素に、動力分配機構9のキャリアCaが本発明に係る第2差動要素にそれぞれ相当する。
以上に説明した制御を実現するため、制御装置40は例えば図11及び図12に示す制御ルーチンを実行する。図11は回転同期制御を実行するための同期実行制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図12は回転同期制御の実行可否を判断するための実行可否判断制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらの制御ルーチンのプログラムは制御装置40に記憶されており、適時に読み出されて所定間隔で繰り返し実行される。
(同期実行制御)
図11に示すように、制御装置40はステップS1において変速比モードの切替要求があるか否かを判定する。この切替要求の有無は、図11と並行して制御装置40にて実行されるモード切替制御の制御ルーチンの処理結果に基づいて判断される。切替要求がある場合はステップS2に進み、そうでない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終える。
ステップS2では、回転同期制御の実行の許可及び不許可を管理する許可フラグがセットされているか否かを判定する。この許可フラグは制御装置40が内蔵する記憶装置の所定領域に割り当てられた変数である。その変数の値を1にすることをセット、0にすることをクリアという。許可フラグは、後述する図12の可否判断制御において、回転同期制御の実行開始条件である所定条件の成否に応じてセットとクリアとの間で操作される。
ステップS2で許可フラグがセットされている場合はその所定条件が成立していることになるから、ステップS3に処理を進めて回転同期制御を実行する。一方、許可フラグがセットされていない場合はステップS3をスキップして今回のルーチンを終了する。
(実行可否判断制御)
制御装置40は図11の同期実行制御と並行して図12の実行可否判断制御を行っている。図12に示すように、制御装置40は、まずステップS11にて回転同期制御で操作対象となるモータ・ジェネレータを特定し、そのモータ・ジェネレータの現在の回転速度Nmgを回転センサ41(図1)の出力信号に基づいて取得する。
次に、ステップS12において、目標回転速度Nmgtagを演算する。目標回転速度Nmgtagとしては、操作対象が第1モータ・ジェネレータ7のときには、外側中間軸11及びリングギアRcの回転速度を一致させるために必要な第1モータ・ジェネレータ7の回転速度であり、他方、操作対象が第2モータ・ジェネレータ8のときには、内側中間軸12及びリングギアRcの回転速度を一致させるために必要な第2モータ・ジェネレータ8の回転速度である。目標回転速度Nmgtagは、リングギアRcの現在の回転速度を取得し、その回転速度に基づいてモータ・ジェネレータの回転速度に換算することによって演算される。リングギアRcの回転速度はリングギアRcの回転速度に応じた信号を出力する回転センサ42(図2)からの信号に基づいて取得される。
次に、ステップS13において、内燃機関3がモータリング中か否か、換言すれば車両1がEV走行モードで走行中であるか否かを判定する。モータリング中の場合はステップS14に進み、そうでない場合はステップS15に進む。
ステップS14では、現在の回転速度Nmgが、同期制御が可能な範囲内に収まり、かつ目標回転速度Nmgtagを上回っているか否かを判定する。即ち、次の式1が成立するか否かを判定する。
0≦Nmg−Nmgtag<α ……1
ここで、αは同期制御が可能な範囲内に対応する0よりも大きい所定値である。ステップS14の判定処理を行うことによって上述した所定条件の成否が判定される。
ステップS14で、肯定的判定がなされた場合は、上述した各事項が図7又は図8の状態にあることになるので、所定条件が成立したものと判断し、ステップS17に進んで許可フラグをセットして回転同期制御の実行を許可する。一方、ステップS14で、否定的判定がなされた場合は、上述した各事項が図7又は図8の状態にないので、ステップS18に進んで許可フラグをクリアする。
ステップS15では、内燃機関3が負荷運転中か否か、換言すれば車両1がENG走行モードで走行中であるか否かを判定する。負荷運転中の場合はステップS16に進み、そうでない場合はステップS18に進んで許可フラグをクリアする。
ステップS16では、現在の回転速度Nmgが、同期制御が可能な範囲内に収まり、かつ目標回転速度Nmgtagを下回っているか否かを判定する。即ち、次の式2が成立するか否かを判定する。
−α<Nmg−Nmgtag≦0 ……2
ここで、αは式1と同様に0よりも大きい所定値であり、ステップS16の判定処理を行うことによって上述した所定条件の成否が判定される。
ステップS16で、肯定的判定がなされた場合は、上述した各事項が図3又は図4の状態にあることになるので、所定条件が成立したものと判断し、ステップS17に進んで許可フラグをセットして回転同期制御の実行を許可する。一方、ステップS16で、否定的判定がなされた場合は、上述した各事項が図3又は図4の状態にないので、ステップS18に進んで許可フラグをクリアする。
以上の各制御ルーチンを実行することにより、第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8を、その出力トルクが減少するように操作して回転同期できる場合に限って回転同期制御が行われることになるから、回転同期制御中に第1モータ・ジェネレータ7又は第2モータ・ジェネレータ8の出力トルクの不足を確実に回避することができる。制御装置40は図12の制御ルーチンを実行することにより、本発明に係る制御実行許可手段として機能する。
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態を図13〜図18を参照しながら説明する。なお、これらの図において第1の形態と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。図13は第2の形態に係る制御装置が適用された車両の概略を示している。本形態に係る車両1には第1の形態と構成が相違する駆動装置2Bが搭載されている。
駆動装置2Bは内燃機関3から出力されたトルクを伝達する伝達軸54と、その伝達軸54と同一軸線上に配置されて駆動輪13に差動装置5を介してトルクを出力する出力軸56とを有しており、伝達軸54から出力軸56までの動力伝達経路には第1モータ・ジェネレータ57、第2モータ・ジェネレータ58及び動力分配機構59がそれぞれ配置されている。第1モータ・ジェネレータ57は電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。第1モータ・ジェネレータ57には不図示のインバータを介して不図示のバッテリが電気的に接続されていて、そのインバータを制御することにより第1モータ・ジェネレータ57の出力トルク又は回生トルクが適宜設定される。第1モータ・ジェネレータ57は伝達軸54及び出力軸56と同一軸線の回りを回転可能に設けられたロータ57aと、そのロータ57aの外周側に位置するステータ57bとを有している。ステータ57bはケーシング60に対して回転不能に固定されている。第2モータ・ジェネレータ58も第1モータ・ジェネレータ57と同様の構成を有している。即ち、第2モータ・ジェネレータ58は、伝達軸54及び出力軸56と同軸上に回転可能に設けられたロータ58aと、ロータ58aの外周側に位置するようにしてケーシング60に回転不能に固定されたステータ58bとを有している。また、第2モータ・ジェネレータ58は不図示のインバータを介して不図示のバッテリが電気的に接続されている。
動力分配機構59は相互に差動回転可能な3つの回転要素を持つシングルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。動力分配機構59は、これらの3つの回転要素として、伝達軸54及び出力軸6と同軸上に設けられた外歯歯車であるサンギアSdと、そのサンギアSdに対して同軸上に配置された内歯歯車であるリングギアRdと、これらのギアSd、Rdに噛み合うピニオン65を自転かつ公転自在に保持するキャリアCdとを有している。サンギアSdには第1モータ・ジェネレータ57のロータ57aが連結されていて、第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクが伝達される。リングギアRdには出力軸56が連結されている。キャリアCdには伝達軸54が連結されていて、内燃機関3の出力トルクが伝達される。これにより、動力分配機構59に内燃機関3の出力トルクが伝達された場合に、その反力を第1モータ・ジェネレータ57が受けることになる。
第2モータ・ジェネレータ58は、そのロータ58aが変速機構66を介して出力軸56に連結されている。変速機構66はダブルピニオン型の遊星歯車機構67とシングルピニオン型の遊星歯車機構68とが組み合わされることにより構成されている。遊星歯車機構67は出力軸56と同軸上に設けられた外歯歯車であるサンギアSeと、そのサンギアSeに対して同軸上に配置された内歯歯車であるリングギアReと、サンギアSeに噛み合う第1ピニオン71及びリングギアReに噛み合う第2ピニオン72を相互に噛み合わせた状態で自転かつ公転自在に保持するキャリアCeとを有している。一方、遊星歯車機構68は回転要素の一つとして出力軸56と同軸上に設けられた外歯歯車であるサンギアSfを有しており、残りの要素は遊星歯車機構67のリングギアRe及びキャリアCeが共用されている。即ち、第2ピニオン72はサンギアSfとリングギアReとのそれぞれに噛み合うようになっており、キャリアCeはその第2ピニオン72を自転かつ公転自在に保持する。変速機構66のサンギアSfは第2モータ・ジェネレータ58のロータ58aに、キャリアCeは出力軸56にそれぞれ連結されている。変速機構66は第2モータ・ジェネレータ58から出力軸56に至る変速比を変更するため、サンギアSeを選択的に固定できる第1ブレーキB1と、リングギアReを選択的に固定できる第2ブレーキB2とを更に備えている。変速機構66はこれらのブレーキB1、B2の各操作状態を切り替えることにより、複数種類の変速段を実現できるように構成されている。
動力分配機構59と出力軸56との間にはギア固定機構75が介在している。ギア固定機構75はダブルピニオン型の遊星歯車機構として構成されており、出力軸56と同軸上に設けられた外歯歯車であるサンギアSgと、そのサンギアSgと同軸上に設けられた内歯歯車であるリングギアRgと、サンギアSgに噛み合う第1ピニオン77及びリングギアRgに噛み合う第2ピニオン78を相互に噛み合わせた状態で自転かつ公転自在に保持するキャリアCgとを有している。ギア固定機構75はサンギアSgを選択的に固定するため、サンギアSgとケーシング60との間に介在するクラッチCfiを更に備えている。クラッチCfiは、噛み合い式クラッチとして構成されていて、サンギアSgに一体に設けられたハブ80と、そのハブ80の外周に設けられた歯列と噛み合うことが可能な歯列を内周に持ち、かつケーシング60に対して軸線方向に移動可能な状態でスプライン結合されたスリーブ81とを備えている。クラッチCfiは、ハブ80とスリーブ81とが噛み合う係合状態と、ハブ80からスリーブ81が離れる開放状態とを切り替えることができる。スリーブ81の移動は不図示のアクチュエータにて行われ、クラッチCfiはそのアクチュエータを介して制御装置40にて操作される。駆動装置2BはクラッチCfiを係合状態に切り替えることによりギア固定モードを設定でき、クラッチ79を開放状態に切り替えることによりギア非固定モードを設定できる。
ギア固定モードへの切り替えは図13に示された動力伝達経路の状態の切り替えを伴う。その切り替えを原因とした衝撃を緩和するため、制御装置40は係合手段としてのクラッチCfiを操作してギア固定モードへ切り替える前に、クラッチCfiにて連結される一対の要素の回転速度を一致させる回転同期制御を実行する。この形態では、ギア固定機構75のサンギアSgをケーシング60に対して停止させる回転同期制御、即ちサンギアSgの回転速度を0にする回転同期制御が行われる。サンギアSgの回転速度は制御装置40が第1モータ・ジェネレータ57を操作することにより調整される。
ここで、本形態に係る回転同期制御の概要を図14〜図17を参照しながら説明する。なお、これらの図において、「ENG」は内燃機関3を、「MG1」は第1モータ・ジェネレータ57を、「MG2」は第2モータ・ジェネレータ58を、「OUT」は出力軸56をそれぞれ示している。
制御装置40はギア固定モードへ切り替える前に、第1モータ・ジェネレータ57の操作によってギア固定機構75のサンギアSgの回転速度を0に調整してサンギアSg及びケーシング60の回転速度を0に一致させる回転同期制御を行う。このとき、制御装置40は第1モータ・ジェネレータ57の操作において出力トルクが不足することを回避するため、出力トルクが減少するように第1モータ・ジェネレータ57を操作することでサンギアSg及びケーシング60の回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り回転同期制御を実行することとしている。出力トルクを減少させるには第1モータ・ジェネレータ7への供給電力を遮断又は低下させればよいので、回転同期制御の際に第1モータ・ジェネレータ7のトルクが不足することを確実に防止できる。
この所定条件の成否に関する基本的な考え方は第1の形態と同様である。即ち、制御装置40は、(1)内燃機関3の出力トルクが伝達される動力分配機構59のキャリアCdと、第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクが伝達される動力分配機構59のサンギアSdとの互いの回転方向、(2)動力分配機構59のキャリアCdに作用するトルクの方向に影響を与える内燃機関3の運転状態、並びに、(3)第1モータ・ジェネレータ57の現在の回転速度の各事項を考慮して所定条件の成否を判断する。
(負荷運転中の回転同期制御)
まず、内燃機関3が負荷運転中の場合の所定条件の成否について説明する。図14は負荷運転中でギア非固定モードに設定された駆動装置2Bの共線図を示している。内燃機関が負荷運転中の場合、上述した各事項が図14の状態になっている場合に制御装置40は上述した所定条件が成立したものと判断して回転同期制御を実行する。即ち、キャリアCdとサンギアSdとの回転方向が互いに逆方向で、キャリアCdにその回転方向と同方向のトルクが作用している状態で、かつ第1モータ・ジェネレータ57の現在の回転速度が破線で示す目標回転速度を上回っている場合に所定条件が成立したものと判断する。
図15は、負荷運転中において、第1モータ・ジェネレータ57の現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図14の状態に比べて逆転している場合の共線図を示している。図15の状態からサンギアSgの回転速度を0にするには第1モータ・ジェネレータ57の回転速度を目標回転速度まで上昇させる必要がある。そのためには、図15から明らかなように、サンギアSdに作用するトルクTgをキャリアCdに作用するトルクTeに抗して、その大きさを増加させなければサンギアSgの回転速度を0にすることができない。トルクTgの最大値は第1モータ・ジェネレータ57の仕様によって決ってくるので、仮に、図15の状態で回転同期制御を行った場合には出力トルクが不足して意図通りの同期制御ができなくなる可能性がある。
一方、図14に示す状態の場合、サンギアSgの回転速度を0にするためには第1モータ・ジェネレータ57の回転速度を目標回転速度まで低下させる必要がある。そのためには図14から明らかなように、サンギアSdに作用するトルクTgを0に近づける、つまりトルクTgを減少させることにより、キャリアCdに作用するトルクTeを利用してサンギアSgの回転速度を0まで低下させることができる。図14の状態であれば、トルクTgを図14の状態から減少させる、即ち第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクを減少させるだけでサンギアSgの回転速度を0にすることができる。従って、図14の状態から回転同期制御を実行すれば、回転同期制御中に第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクが不足する心配がないため、制御装置40は図14の状態のときに所定条件が成立したものと判断して回転同期制御を実行する。そして、その後に制御装置40はクラッチCfiを操作して、サンギアSgとケーシング60とを連結してギア固定モードへ切り替える。
(モータリング中の回転同期制御)
次に、内燃機関3がモータリング中の場合の所定条件の成否について説明する。モータリング中の場合には内燃機関3からトルクが出力されないため、動力分配機構59のキャリアCdに作用するトルクの向きが負荷運転中の場合に比べて反対向きになる。図16はモータリング中でギア非固定モードに設定された駆動装置2Bの共線図を示している。この場合においても、回転同期制御の開始条件である所定条件の基本的な考えは負荷運転中の場合と同様である。即ち、制御装置40は、回転同期制御の実行中に第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクの不足を回避するため、出力トルクが減少するように第1モータ・ジェネレータ57を操作して回転同期が実現できる所定条件が成立した場合に限り回転同期制御を実行する。しかしモータリング中の場合、キャリアCdに作用するトルクの向きが負荷運転中の場合に対して反転する結果、所定条件の具体的内容が対照的になる。
モータリング中においては、上述した各事項が図16の状態になっている場合、つまり、キャリアCdとサンギアSdとの回転方向が互いに逆方向で、キャリアCdにその回転方向と逆方向のトルクが作用している状態で、かつ第1モータ・ジェネレータ57の現在の回転速度が破線で示す目標回転速度を下回っている場合に所定条件が成立したものと判断する。
図17はモータリング中において、第1モータ・ジェネレータ57の現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図17の状態に比べて逆転している場合の共線図を示している。図17の状態からサンギアSgの回転速度を0にするには第1モータ・ジェネレータ57の回転速度を目標回転速度まで低下させる必要がある。そのためには、図17から明らかなように、サンギアSdに作用するトルクTgをキャリアCdに作用するトルクTeに抗して、その大きさを増加させなければサンギアSgの回転速度を0にすることができない。上述のように、トルクTgの最大値は第1モータ・ジェネレータ57の仕様によって決ってくるので、仮に、図17の状態で回転同期制御を行った場合には出力トルクが不足して意図通りの同期制御ができなくなる可能性がある。
一方、図16に示す状態の場合、サンギアSgの回転速度を0にするためには第1モータ・ジェネレータ57の回転速度を目標回転速度まで上昇させる必要がある。そのためには図16から明らかなように、サンギアSdに作用するトルクTgを0に近づける、つまりトルクTgを減少させることにより、キャリアCdに作用するトルクTeを利用してサンギアSgの回転速度を0まで低下させることができる。図16の状態であれば、トルクTgを図16の状態から減少させる、即ち第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクを減少させるだけでサンギアSgの回転速度を0にすることができる。従って、図16の状態から回転同期制御を実行すれば、回転同期制御中に第1モータ・ジェネレータ57の出力トルクが不足する心配がないため、制御装置40は図16の状態のときに所定条件が成立したものと判断して回転同期制御を実行する。そして、その後に制御装置40はクラッチCfiを操作して、サンギアSgとケーシング60とを連結してギア固定モードへ切り替える。
以上から明らかなように、第2の形態では、第1モータ・ジェネレータ57が本発明に係る電動機に、ギア固定機構75のサンギアSgが本発明に係る回転要素に、ケーシング60が本発明に係る他要素に、動力分配機構59のキャリアCdが本発明に係る第1差動要素に、動力分配機構59のサンギアSdが本発明に係る第2差動要素にそれぞれ相当する。
以上に説明した第2の形態に係る制御を実現するためには、例えば第1の形態の図11の制御ルーチンと並行して、図12のステップS14とステップS16とを入れ替えた図18の制御ルーチンを制御装置40に実行させればよい。図18は第2の形態に係る実行可否判断制御の制御ルーチンを示しており、図示された各処理の詳細は第1の形態と同様であるので説明を省略する。制御装置40は図18の制御ルーチンを実行することにより、本発明に係る制御実行許可手段として機能する。
本発明は以上の各形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施できる。上述した動力分配機構等の差動機構は一例にすぎず、これらを機構学上等価な別形態に変更することも可能である。また、動力分配機構の各回転要素に対する接続関係も別形態に変更することも可能である。更に、動力分配機構等の差動機構を遊星歯車機構で構成することは一例にすぎず、例えばこれらを歯車ではない摩擦車(ローラ)を回転要素として持つ遊星ローラ機構に置き換えて実施することも可能である。
本発明の一形態に係る制御装置が適用された車両の概略を示した図。 図1に示した駆動装置が設定可能な走行モード及び変速モードを示した作動状態図。 1速CVTモードの共線図を示した図。 2速CVTモードの共線図を示した図。 固定変速比モードの共線図を示した図。 第1モータ・ジェネレータの現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図3の状態に比べて逆転している場合の共線図を示した図。 1速モードの共線図を示した図。 2速モードの共線図を示した図。 固定変速比モードの共線図を示した図。 第1モータ・ジェネレータの現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図7の状態に比べて逆転している場合の共線図を示した図。 同期実行制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 実行可否判断制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 第2の形態に係る制御装置が適用された車両の概略を示した図。 負荷運転中でギア非固定モードに設定された駆動装置の共線図を示した図。 第1モータ・ジェネレータの現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図14の状態に比べて逆転している場合の共線図を示した図。 モータリング中でギア非固定モードに設定された駆動装置の共線図を示した図。 第1モータ・ジェネレータの現在の回転速度と目標回転速度との大小関係が図17の状態に比べて逆転している場合の共線図を示した図。 第2の形態に係る実行可否判断制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
1 車両(ハイブリッド車)
3 内燃機関
7 第1モータ・ジェネレータ(電動機)
8 第2モータ・ジェネレータ(電動機)
9 動力分配機構
11 外側中間軸(回転要素)
12 内側中間軸(回転要素)
13 駆動輪
40 制御装置(制御実行許可手段)
57 第1モータ・ジェネレータ(電動機)
59 動力分配機構
60 ケーシング(他要素)
Cd キャリア(第1差動要素)
Ra リングギア(第1差動要素)
Rc リングギア(他要素)
Sa サンギア(第2差動要素)
Sd サンギア(第2差動要素)
Sg サンギア(回転要素)
C1 クラッチ(係合手段)
C2 クラッチ(係合手段)
Cfi クラッチ(係合手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関と電動機とが走行用の動力源として搭載され、前記内燃機関から駆動輪に至る動力伝達経路に動力分配機構が設けられ、前記内燃機関の出力トルクが前記動力分配機構に伝達された場合にその反力を前記電動機が受けるように構成され、かつ前記電動機にて回転速度が調整され得る回転要素を係合手段を介して他要素に断続することにより前記動力伝達経路の状態を切り替え可能なハイブリッド車に適用されるとともに、前記電動機の操作によって前記回転要素の回転速度を調整して前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致させる回転同期制御を行った後に、前記係合手段を操作して前記回転要素と前記他要素とを連結するハイブリッド車の制御装置において、
    出力トルクの大きさが減少するように前記電動機を操作することで前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致できる所定条件が成立した場合に限り、前記回転同期制御の実行を許可する制御実行許可手段を備える、ことを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記動力分配機構は、前記内燃機関の出力トルクが伝達される第1差動要素と前記電動機の出力トルクが伝達される第2差動要素とを含んでおり、
    前記制御実行許可手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて変化する前記第1差動要素に作用するトルクの方向を考慮して前記所定条件の成否を判断する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが同方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と同方向のトルクが作用する前記内燃機関の負荷運転中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素の回転速度を一致させるための目標回転速度を下回っている場合に、前記所定条件が成立したものと判断して前記回転同期制御の実行を許可する請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが同方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と逆方向のトルクが作用する前記内燃機関のモータリング中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を上回っている場合に、前記所定条件が成立したものと判断して前記回転同期制御の実行を許可する請求項2又は3に記載の制御装置。
  5. 前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが逆方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と同方向のトルクが作用する前記内燃機関の負荷運転中で、かつ前記電動機の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を上回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可する請求項2に記載の制御装置。
  6. 前記制御実行許可手段は、前記第1差動要素及び前記第2差動要素のそれぞれが逆方向に回転し、前記第1差動要素に対してその回転方向と逆方向のトルクが作用する前記内燃機関のモータリング中で、かつ前記回転要素の現在の回転速度が前記回転要素及び前記他要素のそれぞれの回転速度を一致させるための目標回転速度を下回っている場合に、前記所定条件が成立したものとして前記回転同期制御の実行を許可する請求項2又は5に記載の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013140542A1 (ja) * 2012-03-21 2015-08-03 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動制御装置
US9610941B2 (en) 2012-03-21 2017-04-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Drive control device for hybrid vehicle
DE112012006122B4 (de) 2012-03-28 2024-04-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Antriebsvorrichtung für ein Hybridfahrzeug

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