JPWO2013136413A1 - 電力蓄積システム、および、蓄電モジュールの制御方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体(206、207)と、蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置(203)と、電力変換装置の動作を制御する制御装置(202)とを備えた電力蓄積システムであって、蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールである。本発明の電力蓄積システムでは、蓄電体の交換を行った場合でも電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる。
Description
本発明は、電力を蓄える複数の蓄電体を備えた電力蓄積システム、および、電力蓄積システムに使用される蓄電体としての蓄電モジュールの制御方法に関する。
電力蓄積システムは大きな電力を蓄積できる機能を有し、電力供給システムあるいは電力負荷システムと連携して、電力供給に余裕がある場合に電力を蓄え、電力供給の要求を受けると蓄電していた電力を供給する。
電力蓄積システムは、いろいろな使用方法で使用することが可能であり、使用目的により電力蓄積システムの規模も様々である。例えば、住宅設備やサーバセンタの負荷変動抑制として用いられるものや、停電対策、電気鉄道の回生電力吸収システムとして用いられるもの、さらには、風力発電所など再生可能エネルギー発電システムや、原子力発電所などの大規模系統安定のために用いられるものなどがある。
ここで、電力蓄積システムの具体的な使用例について説明する。
電力蓄積システムが電力系統に接続され、電力蓄積システムは蓄電を行い、また電力系統から電力の供給の要求があると、蓄電された電力を電力系統に供給する。電力系統に接続されている発電システムが原子力発電のように安定した電力を供給する発電システムではなく、例えば風力発電や太陽光発電のように、頻繁に変化する自然状態に基づき発電電力が変動する発電設備の場合がある。また、負荷が必要とする負荷電力が変動する場合があり、安定した電力を供給するシステムに対して負荷電力の変動がそぐわない場合がある。このような場合に、電力蓄積システムを使用して、負荷に供給される負荷電力に対して電力系に電力を供給する発電電力に余裕がある状態で蓄電を行い、逆に、負荷に供給する負荷電力に対して発電電力に余裕が無い状態で、蓄電していた電力を供給するように制御することで、電力系統が安定して電力を供給できるようになり、あるいは電力系統の効率を向上することが可能となる。
電力蓄積システムが接続された電力系統に関する技術が、特許文献1に記載されている。また、風力発電などの発電能力が変動する場合の電力蓄積システムの制御技術について、特許文献2に開示されている。
電力蓄積システムとして、個々が充電池として機能する複数個の蓄電体としての蓄電ユニットを備え、それぞれの蓄電ユニットに電力を入出力して使用するものが知られている。このような電力蓄積システムの使用時に、蓄電ユニットの一部が故障等すると、そのユニットを新しいものに交換して電力蓄積システムを全体の使用を確保することが行われる。このような場合、交換した新たな蓄電ユニットと、交換せずに以前より使用し続けている他の蓄電ユニットとの間で、蓄電ユニットの充放電に関する電気的特性が大きく異なってしまうことがある。
例えば、廃棄物の環境汚染対策として従来の蓄電ユニットの製造が制限される場合や、性能向上等のために蓄電ユニットが改良されて新しい仕様の蓄電ユニットに置き換わってしまった場合などでは、従前から使用している蓄電ユニットの入手が困難、または、不可能となることがある。電力蓄積システムとして、複数個の蓄電ユニットを一括制御してシステム全体の電力の入出力をコントロールするにあたって、個々の蓄電ユニットの充放電に関する電気的特性が異なることは、電力蓄積ユニット全体を正しく制御する上での問題となる。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するものであり、複数の蓄電体を備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電体の交換を行った場合でも電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる電力蓄積システムを得ることを目的とする。さらに、電力蓄積システムにおいて蓄電体として用いられることで、電力蓄積システムの制御を容易なものにすることができる蓄電モジュールの制御方法を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールであることを特徴とする。
また、本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることを特徴とする。
本発明の電力蓄積システムは、所定の電力を蓄える蓄電体の少なくとも一部が蓄電モジュールであるため、蓄電体の入出力特性を揃えることができ、電力蓄積システムにおいて複数の蓄電体を一括して容易に制御することができる。
また、本発明の蓄電モジュールの制御方法は、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部が、蓄電モジュールの入出力特性を電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることができ、電力蓄積システムにおいて蓄電モジュールを他の蓄電体と同様に取り扱うことを可能とする。
本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールである。
このようにすることで、蓄電モジュールの入出力特性を他の蓄電体の入出力特性に近似させることができる。この結果、電力蓄積システムに用いられている蓄電体の入出力特性を均一化することができるので、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、一括で、かつ、簡易に行うことができる。
本発明の電力蓄積システムにおいて、前記蓄電モジュールが、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットに置き換えられて配置されたものであり、前記蓄電モジュールの前記入出力特性調整部は、置き換えられた前記蓄電ユニットの実稼働状態における入出力特性に、前記蓄電モジュールの入出力特性を近似させることが好ましい。このようにすることで、蓄電体を置き換える必要性が生じた場合でも、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、置き換えの前後で変わりなく、一括して、かつ、簡易に行うことができる。
また、前記蓄電体として、第1の蓄電素子により電力を蓄えることができる第1の蓄電モジュールと、前記第1の蓄電素子とは異なる特性を有する第2の蓄電素子により電力を蓄えることができる第2の蓄電モジュールとを有し、前記第2の蓄電モジュールの前記入出力特性調整部が、前記第2の蓄電モジュールの入出力特性を前記第1の蓄電モジュールの入出力特性に近似させることが好ましい。このようにすることで、異なる種類の蓄電素子を用いた蓄電モジュールが混在する場合であっても、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、一括して、かつ、簡易に行うことができる。請求項1に記載の電力蓄積システム。
さらに、前記第2の蓄電モジュールが、前記第1の蓄電モジュールに置き換えられて配置されたものであることが好ましい。このようにすることで、蓄電モジュールの置き換えの前後において、電力変換装置の制御を同様のものとすることができる。
また、前記入出力特性調整部は、前記蓄電モジュールの外部からの操作により、前記蓄電モジュールの入出力特性を変化させることが好ましい。このようにすることで、当初の設定状態から蓄電体の特性がずれた場合でも、高い精度での入出力特性の近似を実現することができる。
本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させる。
このようにすることで、蓄電モジュールと他の蓄電体の入出力特性が近似したものとなるため、電力蓄積システムに用いた場合に、蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を一括で、かつ、簡易なものとすることができる蓄電モジュールを実現することができる。
本発明の蓄電モジュールの制御方法において、前記蓄電モジュールが、他の蓄電体に置き換えられて前記電力蓄積システム内に配置されたものである場合に、前記蓄電モジュールの入出力特性を置き換えられた前記他の蓄電体の入出力特性に近似させることが好ましい。このようにすることで、電力蓄積システムにおいて蓄電体の置き換えが生じた場合でも、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、置き換えの前後で変わりなく、一括して、かつ、簡易に行うことができる。
また、前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットであることが好ましい。このようにすることで、蓄電ユニットの交換が必要となった場合でも、電力蓄積システムにおいて蓄電体の一括した制御を可能とすることができる。
さらに、前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、前記蓄電モジュールに使用された前記蓄電素子とは異なる入出力特性を有する他の蓄電素子と、その入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた、前記蓄電モジュールとは異なる蓄電モジュールであることが好ましい。このようにすることで、異なる特性を有する複数の蓄電モジュールを用いて、電力蓄積システムにおいて蓄電体の一括した制御を可能とすることができる。
また、前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールにおける端子電圧と残容量との間の関係に基づいて近似させることが好ましい。このようにすることで、蓄電容量の異なる蓄電モジュールの入出力特性に良好に近似させることができる。
この場合において、前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールが所定の残容量を有する場合の端子電圧値を基準として、上下に所定の幅を持たせて近似させることが好ましい。このようにすることで、簡易に、かつ、確実に、蓄電容量の異なる蓄電モジュールの入出力特性に良好に近似させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の電力蓄積システム、および、蓄電モジュールの制御方法について説明する。
なお、以下の各図において、同じ部材には同じ符号を付し適宜説明を省略する場合がある。また、ブロック構成を説明するブロック図においては、それぞれの機能を有するひとかたまりの構成をブロックとして示すものであり、ブロックの区分は、例えばそのブロック機能を有する回路基板等の部材の区分を示すものではない。すなわち、複数のブロックの機能が一つの部材により実現される場合があり、一つのブロック機能を実現するために複数の部材が必要となる場合がある。
[発電システムの説明]
図1は、本発明にかかる電力蓄積システムが配置された電力系統としての発電システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1は、本発明にかかる電力蓄積システムが配置された電力系統としての発電システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1に示す発電システムでは、発電装置101で発電された電力が送電系102へと送られ、送電系102を介してその先に接続される図示しない電力負荷へと送電される。
発電装置101の具体例としては、風力に基づいて発電する風力発電装置、水力に基づいて発電する水力発電装置、太陽光に基づいて発電する太陽光発電装置などがあり、本発明にかかる電力蓄積システムは、発電システムの発電形態が特定されなければならないという必要性は無い。また、発電システムの構成が明確になっていない場合であっても、蓄電される電力の供給を受けることが可能であれば、本発明の電力蓄積システムを適用することが可能である。
発電装置の形態として、自然環境にやさしく自然環境への負荷が少ない発電装置が近年注目されている。これらの代表例として、上述の風力発電装置、水力発電装置、さらに、太陽光発電装置などがある。これら自然界のエネルギーに基づいて発電する発電装置は、自然環境への負荷が少ない反面、発電能力が自然界の状態に左右され、必要とされる電力負荷に対して発電能力が安定して対応することが困難であるという問題がある。そこで、図1に示す発電システムのように、発電装置101が発電した電力を一旦電力蓄積システム104に蓄え、送電系102の先に接続されている電力負荷の要求に合わせて蓄えていた電力を、送電系102を介して供給することが行われる。
電力蓄積システム104は、直流電力を蓄電する蓄電ユニット105を複数有していて、この蓄電ユニット105によって電力を蓄えるものであるため、発電装置101で発電され電力は、交流直流変換装置103により直流電力に変換され、変換された直流電力が電力蓄積システム104により蓄電される。電力負荷から要求される電力は、交流の送電系102を介して送電されるため、電力蓄積システム104に蓄えられていた直流電力は、直流交流変換装置106により交流電力に変換され、送電系102を介して負荷に供給される。
(第1の実施の形態)
[電力蓄積システムの説明]
図2は、本発明にかかる電力蓄積システムの第1の実施形態としての構成例について、そのシステム全体の構成を概略的に示す図である。
[電力蓄積システムの説明]
図2は、本発明にかかる電力蓄積システムの第1の実施形態としての構成例について、そのシステム全体の構成を概略的に示す図である。
図2に示すように、第1の実施形態にかかる電力蓄積システムは、一例として電力蓄積システム建屋201内に設置された、制御装置202、電力変換装置203、所定の電力を蓄えることができる蓄電体としての蓄電ユニット206、同じく蓄電体としての蓄電モジュール207を有している。なお、特高遮断器などの電力関係設備において一般的に必要となる設備については、図示ならびに説明を省略する。
本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電ユニット206は、例えば多数の蓄電素子である鉛蓄電池を木枠で緊縛したものとして構成されていて、それぞれの蓄電ユニット206が、一例として72V150Ahの定格特性を有している。図2においては、電池棚205の各段に8台ずつの蓄電ユニット206が4段にわたって収納されているように図示したが、電力蓄積システムで蓄電する電力量によっては、蓄電ユニット206を数千台備える電力蓄積システムも存在する。
図2に示すように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電ユニット206の一つが蓄電モジュール207に置き換えられている。なお、本明細書において、電力を蓄えることができる蓄電素子の集合体であり、端子電圧を介しての電力の入出力時に、蓄電素子の電気特性がそのまま蓄電体の入出力特性となるものを蓄電ユニットと称する。また、蓄電素子の集合体により電力を蓄えることができる点では蓄電ユニットと共通するが、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する機能を有する入出力特性調整部を備え、蓄電体としての電力の入出力特性を変更できるものを蓄電モジュールと称することとする。
電池棚205の各段に格納された蓄電ユニット206または蓄電モジュール207は、図示しない接続線で直列に接続されており、蓄電ユニット206または蓄電モジュール207の直列接続体は、電池電力線208を介して電力変換装置203に接続されている。図2に示す状態、すなわち、各段に8個ずつ接続されている場合は、棚板一段当たりの定格が576V150Ahとなる。
電池電力線208の4つの群は、それぞれ電力変換装置203に配置した図示しない直流遮断器を経由して並列接続され、電力変換装置203内部の図示しない蓄電池群充放電回路に接続される。電力変換装置203が備える、図示しない双方向直流−交流変換回路は、電力引込線210、変成器211、電力系統引込線212を経由して電力系統線213に接続される。また電力変換装置203は、制御信号線ハーネス204を経由して制御装置202によって制御される。制御装置202は、例えば通信回線209によって、系統電力管理者の集中制御コンピュータ等の外部からの指令を受け取るとともに、通信回線209を用いて電力蓄積システムの状況を送信することができ、外部からの指示を受け、蓄電ユニット206群の状態に合わせてそれぞれの蓄電ユニットでの充放電を実行する。
[蓄電モジュールの説明]
図3は、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる、蓄電体としての蓄電モジュール207の構成例を示した図である。
図3は、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる、蓄電体としての蓄電モジュール207の構成例を示した図である。
図3に示すように、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュール207は、蓄電モジュール207の外郭を構成する筐体221内に、蓄電素子である電池群222、入出力特性調整部223が収容されている。
電池群222は、一例として、直径18ミリメートル、長さ65ミリメートルで、公称定格3.6V1.5Ahのリチウムイオン電池セル2048本から構成され、64本を直列に接続して定格230.4V1.5Ahとしたもの32群を、図示しない電流ヒューズを介して並列に接続し、入出力特性調整部223と接続されている。
入出力特性調整部223は、蓄電ユニット206とは異なる蓄電素子で構成された蓄電モジュール207の入出力特性を、他の蓄電体である蓄電ユニット206の入出力特性に近似させる。このように、入出力特性部223が、蓄電モジュールの入出力特性を蓄電ユニット206の入出力特性と近似させることで、蓄電ユニット206と蓄電モジュール207とが混在して形成された直列接続体に対して、一括して電力の入出力操作を行うことができる。ここで、本願発明における近似とは、蓄電体からの電力の入出力特性について、同じ蓄電体のものとして一括管理できる程度に近い特性となっていることを意味する。すなわち、本実施形態の場合では、蓄電ユニット206としての鉛蓄電池の集合体が有する入出力特性と、リチウムイオン電池を蓄電素子とする蓄電モジュールの電力の入出力特性が、蓄電素子の相違にかかわらず同じような電圧特性、電流特性を備えることを言う。おなじ蓄電素子を用いて、同じ仕様で複数間蓄電ユニットを製造した場合にも、蓄電素子ごとの誤差や製造誤差により、各蓄電ユニットの電力の入出力特性が厳密に一致することはない。本願発明に言う近似も、同様にこのような蓄電素子の特性誤差や製造誤差等により微妙に異なる電力の入出力特性の相違を、または、このような特性誤差や製造誤差と同等の誤差範囲での相違を許容するものであり、入出力特性の厳密な一致までを求めるものではない。
本実施形態の電力蓄積システムでは、入出力特性調整部223が、実際に蓄電を行う蓄電素子の種類にかかわらず、外部との接続端子である電力配線端子224から見た場合に、蓄電モジュール207と蓄電ユニット206とが同じ電気的挙動をする蓄電体となるように、蓄電モジュール207での電力の入出力特性を調整することで、蓄電ユニット206が蓄電モジュール207に置き換えられた場合でも、電力変換装置203が蓄電ユニット206の直列接続体と同様にコントロールすることができる。このため、例えば故障や経年劣化、その他の理由によって蓄電ユニット206の交換が必要となった場合でも、本実施形態に開示する蓄電モジュールに置き換えることで、蓄電ユニットの交換の前後において、電力蓄積システムの電力変換装置203が一括した同じ制御を行うことができる。なお、蓄電モジュール207の入出力特性調整部223の構成については、後に詳述する。
蓄電モジュール207の筐体221から突出するように、入出力特性調整部303からの電力配線端子224が設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子224を介して他の蓄電ユニット206、または他の蓄電モジュール207、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
なお上記説明では、電池群222としてリチウムイオン電池を用いる例を示したが、電池群222を形成する電池はリチウムイオン電池に限られず、他の各種蓄電素子を用いることができる。
図4は、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュール207の、入出力特性調整部223の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、入出力特性調整部223は、電力配線端子224を経由した電池電力線208における充放電電力を出し受けする電力入出力部232と、内包する電池群222を、電池配線235を経由して適切に充放電する電池充放電部233とを備えた、入出力機能部231と、電力入出力部232と電池充放電部233とを制御する制御部234とを備えている。
なお、入出力機能部231は、例えば一般的なスイッチングコンバータを用いた双方向直流−直流変換回路で構成することができる。また、電力入出力部232と電池充放電部233とは、それぞれ独立した2つのスイッチングコンバータで形成することができ、また、単一のスイッチングコンバータとして実現することもできる。なお、コンバータは、絶縁コンバータ、非絶縁コンバータのいずれでも用いることができる。
入出力特性調整部223は、制御部234によって電池群222の充放電の制御と、電力配線端子224における電力の入出力の制御とを自立的に行う。制御部234は、電池充放電部233の状態を検出線240により検出し、制御線241により制御する。また同様に、電力入出力部232の状態を検出線242により検出し、制御線243で制御する。
例えば、本実施形態のように、蓄電モジュール207での電池群222としてリチウムイオン電池を用いる場合では、電池群222における電力の充電状態を把握するために、各電池セルの端子電圧を計測する。計測された各リチウムイオン電池の端子電圧は、第1の計測線236により制御部234で把握される。また、電池群222の状態を把握するために、例えば少なくともひとつの電池セル温度を測定する第2の計測線237が配置される。
制御部234は、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどの演算回路に、プログラムを実装したものとして構成することができる。高度なプログラミングを構成することで、初期状態をセットした以降は、蓄電モジュール207を他の蓄電ユニット206と同様に振る舞わせることができる。しかし、長期間電力蓄積システムを動作させ続けることで、他の蓄電ユニット206や組み入れられた他の蓄電モジュール207との動作に、偏差が生じる懸念もある。また、他の蓄電ユニット206の環境温度に変化が生じている場合などでは、当初のプログラムでは蓄電モジュール207の入出力特性を、十分に蓄電ユニット206の入出力特性に追従させられない場合が生じうる。
このため、本実施形態の入出力特性調整部223では、同じ直列接続体を形成して電力変換装置203に接続される他の蓄電ユニット206の状態を検出し、制御部234に検出された情報を伝達している。より具体的には、蓄電ユニット206の電圧情報を取り込む第3の検出線238や、蓄電ユニット206の温度の情報を取り込む第4の検出線239を設けて、これらの第3の検出線238、第4の検出線239から得られた情報を基にして、制御部234のプログラム内部の情報を補正することにより、さらに精度を向上させている。
なお、入出力特性調整部223に関連する検出線や制御線で得られる各種情報は、アナログ値であってよく、また、デジタル値であってもよい。さらに、検出線や制御線は、パラレル回線であってよく、シリアル回線であってもよい。また、制御部234に、蓄電モジュール207の外部との信号の送受信ができるように、外部通信線245を設けることができる。この外部通信線245も必須のものではないが、外部通信線245を備えることで、他の蓄電モジュール207や電力蓄積システムの制御装置202、電力変換装置203、さらには、電力蓄積システムの外部にある系統電力管理者の集中制御コンピュータ等との通信を行うことができる。例えば、他の蓄電モジュール207と通信することで相互の協調運転が可能となり、また、制御装置202、電力変換装置203、系統電力管理者の集中制御コンピュータ等と通信する場合には、これら上位装置からの制御を受けることが可能になり、電力蓄積システムに求められる動作をより確実に実行することができるようになる。
なお、入出力特性調整部223には、管理者が直接蓄電モジュール207の動作を制御するための各種のスイッチを備えることができる。また、蓄電モジュール207自体の電圧、温度、残存容量などの各種の状態や、制御部234が検出した他の蓄電ユニット206の電圧、温度、その他の状態を表示する、ランプやメータ、LED(液晶)パネルなどの表示デバイスにより構成された、表示部を備えることができる。
図5は、図3および図4を用いて説明した内容を踏まえて、蓄電モジュール207の構成をより具体的に示した回路ブロック図である。
図5に示すように、多数のリチウムイオン電池からなる電池群222を構成する電池の直列接続体部分を除いて、入出力特性調整部223の各構成要素が配置されている。制御部234には、電池群222の温度を検出する第2の検出線237と、電池群222の出力電圧を検出する第1の検出線236が接続されている。また、蓄電ユニット206の温度や電圧を検出する第3の検出線238、第4の検出線239、さらに、外部通信線245が接続されている。外部通信線245は、図5では蓄電ユニット206のみに接続されているように示しているが、蓄電ユニット206を介して、または、蓄電ユニット206を迂回して、他の蓄電ユニット206や電力蓄積システムの制御装置202や電力変換装置203、さらには、電力蓄積システムの外部へと接続することができる。なお、251は、蓄電モジュール207からの出力電流を検出する電流センサであり、制御部234において、蓄電モジュール207の出力電流量を監視することができるようにしたものである。
上記したように、制御部234は、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどから構成され、図示しないプログラムに従って所定の手順で入出力特性調整部223を制御する。このプログラムは、蓄電モジュール207の入出力特性を蓄電ユニット206の入出力特性に近似させて、電力配線端子224を定電圧に保つことによって蓄電ユニット206の充放電を模した電力の入出力を行うが、その電圧は他の蓄電ユニット206の端子電圧を模擬して、同じように変化するようにセットされる。出力電圧を模擬する手段としては種々の方法が考えられるが、使用されている蓄電ユニット206の種類に応じた入出力電圧・電流特性をプログラムとして予め取り込み、電力入出力部232における出力電流や、蓄電モジュール207内外の温度を検出して、その検出された温度に基づいて、その時々の蓄電ユニット206の実効的な容量を算出して、端子電圧を推定する方法などが好適に用いることができる。
図6は、図2として示した、本実施形態の電力蓄積システム全体の構成を詳細に示した回路ブロック図である。
図6では、全体の構成はもちろんであるが、蓄電ユニット206に代替した蓄電モジュール207が、周囲の蓄電ユニット206の状態を検出する手段について、より詳細に示している。
具体的には、図6に示すように、代替した蓄電モジュール207は隣接する3つの蓄電ユニット206(206a、206b、206c)の出力電圧を検出する3組の第3の検出線238(238a、238b、238c)と、温度検出素子によって蓄電ユニット206(206a、206b、206c)の温度を検出する第4の検出線239(239a、239b、239c)とを備え、これらの検出線により把握された周囲の蓄電ユニット206の挙動、すなわち、入出力電圧・電流の変化を模して、入出力特性調整部223が蓄電モジュール207の出力電圧・電流を調整している。
上記したように、図6に示すような、周囲の蓄電ユニット206の実際の動作状態をリアルタイムで検出することは、本発明の電力蓄積システムにおいて必須の構成ではないが、蓄電モジュール207が、より誤差を少なくして蓄電ユニット206を模擬することができる。
[蓄電モジュールの制御方法の説明]
ここで、本実施形態として説明した電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明する。
ここで、本実施形態として説明した電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明する。
本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールに関するものである。そして、蓄電モジュールの入出力特性調整部が、蓄電モジュールの入出力特性を電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させるものである。
図7は、図6に示した、近接して配置された3つの蓄電ユニット206a、206b、206cの電圧と温度を検出して自己の振舞いに補正をかけるようにした、制御部234のプログラムの一例を示すフローチャートである。
なお、図7において、近接する第1の蓄電ユニット206aの電圧をV1、温度をT1、第2の蓄電ユニット206bの電圧をV2、温度をT2、第3の蓄電ユニット206cの電圧をV3、温度をT3としている。さらに、蓄電モジュール207の出力電流をI0、出力電圧をV0とする。
図7に示すように、プログラムは、初期化を終え動作を開始すると、まずステップS701において、蓄電ユニット206a、206b、206cの出力電圧V1、V2、V3、温度T1、T2、T3、さらに、蓄電モジュール207の出力251(図5参照)を流れる出力電流I0を測定する。なお、測定におけるノイズを除去するためには、複数回の測定や異常値の排除がなされることが望ましい。
次に、ステップS702において、検出された各蓄電ユニット206の出力電圧データV1、V2、V3から、異常な蓄電ユニット206がないか判断する。例えば、測定した蓄電ユニット206の端子電圧の最大最小値が、規定した範囲を逸脱していない場合、例えば、5%を超える偏差が見受けられない場合などの場合は、出力電圧値が正常と見做して(Y)次のステップS703に進む。
一方、検出された各蓄電ユニット206の出力電圧データV1、V2、V3に、異常が見受けられた場合(N)は、ステップS704にて最も数値が乖離したデータを除外して、次のステップS703に進む。このとき、検出された蓄電ユニット206の異常の発生について、所定の信号を送信したり表示部に異常表示を行ったりして、外部へ発報することが望ましい。
ステップS703では、ステップS701において取得された隣接する蓄電ユニット206の情報や、電力蓄積システムの運転中における蓄積データをもとに、制御部234が、蓄電モジュール207が模して振舞うべき見掛けの電池特性、例えば見掛けの残容量SOC0、見掛けの残寿命SOH0、見掛けの内部抵抗値などを算出する。
ステップS705からステップS708にかけて制御部234は、ステップS703で算出された数値群をもとに、蓄電モジュール207を流れる電流の瞬時値I0の値から、出力するべき端子電圧V0を算出し、入出力機能部231へ制御値として渡す。
ステップS705で設定されたタイマがカウントする一定時間の間、ステップS706とステップS707とを繰返したのち、ステップS708でタイマが満了したと判断された場合(Y)で、ステップS701に戻り、再び外部の蓄電ユニット206の各種状態を検出する。
このように、図7に示したプログラムにしたがって、制御部234が入出力機能部231を制御することで、入出力特性調整部223が蓄電モジュール207を制御する。その結果、高速な追従が必要な蓄電モジュール207の内部電流I0変化への対応を、蓄電モジュール207の内部処理のみで可能となり、ノイズが多いと懸念される蓄電モジュール207の筐体221外の測定を高速に行う必要がなくなる。
このようにして、制御部234は、蓄電モジュール207の内部にある電池群222の内部残容量SOCや内部残寿命SOH、許容電流などを、一般的に知られる手段によって容易かつ適切に算出することができ、電池充放電機能部233を介して電池群222を管理する。この場合に、図7のフローチャートにおいてステップS703で求めた見掛けのSOC0、SOH0は、制御部234が内部に存する電池群222に関してこれらの運用計画を導出する指針となるものである。
以上、本実施形態にかかる電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットの代替として用いられる蓄電モジュールが、代替された蓄電ユニットの入出力特性を模して動作することについて説明した。また、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明した。
本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体である蓄電ユニットの交換が余儀なくされた場合に、代替した蓄電モジュールの電気的特性が代替される蓄電ユニットの電気的特性と異なる場合でも、蓄電モジュールの入出力特性調整部が蓄電ユニットと同様の動作を模すことができるので、電力蓄積システム全体を制御する制御手段での制御内容を変更することなく、一括して蓄電ユニットと蓄電モジュールとの直列接続体を制御することができる。このため、本実施形態にかかる電力蓄積システムでは、複数の蓄電ユニットを備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットの交換を行った場合でも電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる。特に、法規制や、製品の改良などにより、従来と同じ蓄電ユニットを代替として使用できない場合、さらには、電力蓄積システムの動作時間が経過することにより、蓄電ユニットの入出力電圧特性が変化してしまっている場合でも、電池素子として幅広い選択肢の中から蓄電モジュールを用いることができ、電力蓄積システムの実用上、極めて有意義である。
ここで、本実施形態にかかる蓄電モジュールの入出力特性調整部における動作制御について、いくつかの具体的なケースを例示して説明を加える。
まず、蓄電モジュール207に予めセットされた残容量を超過して充電電流を受けた場合には、制御部234は、これを均等充電がおこなわれているものと見做して電池群222をそれ以上充電せずに充電電流をバイパスする。充電電流をバイパスする手段は、例えば、電力入出力部232を構成するコンバータにおいて、半導体スイッチの開閉デューティを調整して熱損失化するなどの方法を採ることができる。
また、蓄電モジュール207の制御部234に対し、予め定めた充放電深度における蓄電容量を蓄電ユニット206の蓄電容量を上回るように設定した状態で、かつ、初期の充電量を蓄電ユニット206と揃えて電力蓄積システム内に蓄電モジュールを装着することで、正常な運転中に残容量が予め定めた値より過小となることを効果的に防止することができる。また、もし残容量が過小となった場合でも、放電電流が流れる場合には、制御部234が電力入出力部232に対して、電圧を減じたり放電の停止を命じたりすることができる。
なお、一般に、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池などは、リチウムイオン蓄電池と比べ充放電効率が低く、また自己放電も大きい。したがって、制御部234は、この蓄電池の種類による特性の差を調整する制御を行うことが望ましい。たとえば、電力入出力部232に熱損失を発生する動作を指示することで、蓄電モジュール207の動作を、蓄電ユニット206における充放電効率を模したものとすることができる。また、この様な制御を行った場合に生じる損失電力を、例えば、電池222群や周辺回路の冷却用に設けた送風機の動力源として活用することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる電力蓄積システムの第2の実施形態として、電力蓄積システムにおける蓄電体が、異なる種類の蓄電素子を備えた複数種類の蓄電モジュールである場合について説明する。また、異なる種類の蓄電素子を備えた蓄電モジュール間における、蓄電素子である電池群の端子電圧と残容量との変動形態を補正する制御方法について説明する。
次に、本発明にかかる電力蓄積システムの第2の実施形態として、電力蓄積システムにおける蓄電体が、異なる種類の蓄電素子を備えた複数種類の蓄電モジュールである場合について説明する。また、異なる種類の蓄電素子を備えた蓄電モジュール間における、蓄電素子である電池群の端子電圧と残容量との変動形態を補正する制御方法について説明する。
[電力蓄積システムの説明]
第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、所定の電力を蓄えることができる蓄電体として、異なる2種類の蓄電モジュールを備えたものである点が、蓄電体として蓄電ユニットと蓄電モジュールとを備えた第1の実施形態として説明した電力蓄積システムと異なる。
第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、所定の電力を蓄えることができる蓄電体として、異なる2種類の蓄電モジュールを備えたものである点が、蓄電体として蓄電ユニットと蓄電モジュールとを備えた第1の実施形態として説明した電力蓄積システムと異なる。
このため、第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、蓄電体の構成は異なるものの、第1の実施形態として説明した電力蓄積システムの構成と同じである。したがって、図2で説明した電力蓄積システムの全体的な構成、すなわち、電力蓄積システム建屋201、制御装置202、電力変換装置203、電池棚205、電池電力線208等の構成例は、そのまま本実施形態の電力蓄積システムの構成例となる。また、図2に示した、電力引込線210、変成器211、電力系統引込線212、電力系統線213等の構成や接続も、そのまま第2の実施形態の電力蓄積システムの構成例となる。
[蓄電モジュールの説明]
上記のように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体として、蓄電素子が異なる2種類の蓄電モジュールが用いられている点が第1の実施形態の電力蓄積システムと異なる。以下、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールについて、図面を参照して説明する。
上記のように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体として、蓄電素子が異なる2種類の蓄電モジュールが用いられている点が第1の実施形態の電力蓄積システムと異なる。以下、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールについて、図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態において、電力蓄積システムの電池棚205(図2参照)に格納された第1の蓄電ユニット301と、同じく電池棚205に格納された第2の蓄電モジュール311との構成例を示している。ここでは、図2における蓄電ユニット206が第1の蓄電モジュール301に置き換わり、図2における蓄電モジュール207が、第2の蓄電モジュール311に置き換わったものとして説明を進める。
なお、図8(a)が第1の蓄電モジュール301の構成を示し、図8(b)が第2の蓄電モジュール311の構成を示している。
蓄電モジュール301は、蓄電素子としての多数の蓄電池を内蔵したもので100V100Ahの定格特性を有する。この第1の蓄電モジュール301は、実際には数千台規模で電池棚205に格納される。
図8(a)に示すように、第1の蓄電モジュール301は、外殻を構成する筐体302、蓄電素子である電池群303、入出力特性調整部304を備えている。第1の蓄電モジュール301の電池群303は、一例として、直径18ミリメートル、長さ65ミリメートルで公称定格3.6V1.4Ahのリチウムイオン電池セル2048本から構成されている。このリチウムイオン電池セルからなる電池群303は、それぞれ64本を直列に接続して、定格230.4V1.4Ahとしたもの32群を、図8(a)では図示しない電流ヒューズを介して、並列に接続して入出力特性調整部304と接続されている。
筐体302から突出するように、入出力特性調整部304からの電力配線端子305が設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子305を介して隣接する他の第1の蓄電モジュール301、後述する第2の蓄電モジュール311、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
第2の蓄電モジュール311は、第1の蓄電モジュール301に代替して配置されたもので、100V150Ah定格を備えている。
図8(b)に示すように、第2の蓄電モジュール311は、一例として、角形で公称定格3.8V84Ahのリチウムイオン電池が電池群313を構成している。リチウムイオン電池セル48個から構成され電池群313は、全てを直列に接続して定格182.4V84Ahとしたものを、図8(b)では図示しない電流ヒューズを介して、入出力特性調整部314と接続されている。
また、外殻を構成する筐体312には入出力特性調整部314からの電力配線端子315が突出するように設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子315を介して、他の第1の蓄電モジュールユニット301、または、他の第2の蓄電モジュール311、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
なお、本実施形態において、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311は、いずれも蓄電素子としての電池群としてリチウムイオン電池を用いたものを例示したが、本実施形態の電力蓄積システムにおける第1の蓄電モジュールおよび第2の蓄電モジュールに組み込まれる電池群の電池としては、リチウムイオン電池以外の他種の蓄電素子を用いることができる。
本実施形態では、第1の実施形態で用いられた蓄電ユニット206は用いずに、いずれも内部に制御部を備えた入出力特性調整部が配置され、蓄電素子からの電力の入出力特性を調整可能な2つの蓄電モジュールが用いられている。このため、第1の蓄電モジュールの入出力特性調整部と、第2の蓄電モジュールの入出力特性調整部とにおいて、2種類の蓄電モジュールが同じ入出力特性となるような制御を行うことで、電力蓄積システム全体として、2種の蓄電モジュールを直列接続体に使用しながら、一括した入出力電圧の制御を行うことができる。
なお、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311とにおいて、入出力特性調整部の構成は、第1の実施形態において図4を用いて説明した蓄電モジュール207の入出力特性調整部223と同じ構成を備えることができる。第2の実施形態の電力蓄積システムに用いられる第1の蓄電モジュール301および第2の蓄電モジュール311は、図4に示した第1の実施形態に用いられた蓄電モジュール207と、入出力特性調整部、特に、入出力機能部を制御する制御部での制御内容のみが異なる。
[蓄電モジュールの制御方法]
以下、本実施形態における、2つの蓄電モジュールでの、入出力特性の制御について説明する。
以下、本実施形態における、2つの蓄電モジュールでの、入出力特性の制御について説明する。
第1の実施形態で説明したように、蓄電モジュールの入出力特性調整部には、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどから構成され、所定のプログラムに従って所定の手順で入出力特性調整部を制御する制御部が備えられている。この制御部のプログラムは、電力配線端子305、315を定電圧に保つことによって電力の入出力を行うが、その電圧は内蔵する蓄電池の状態に応じて変化するようにセットされている。なお、端子電圧を変化させる場合に用いられる要件としては、種々のものが考えられるが、例えば、実動作中における実質的な残容量予測値などを好適に用いることができる。
すなわち、入出力特性調整部304、314を制御する制御部は、蓄電モジュール301、311の内部にある電池群303、313の残容量や残寿命、許容電流などを周知の方法を含めた各種の手法により取得・算出し、入出力特性調整部304、314内に備えられた電池充放電部を介して、電池群303、313を管理する。このとき、例えば、電池の劣化度合い、温度、出力電流、内部抵抗などを勘案して算出した残容量予想値を、公称定格容量で規格化した数値に関連する端子電圧とする。
図9は、本実施形態において蓄電モジュールにおける出力電圧値である端子電圧(V)と、残容量として推定される数値(Ah)である、公称容量下残容量換算値の関係を示したものである。
図9中、実線321で示したものが、第一の電力モジュール301における、電力配線端子305の端子電圧制御の一例である。
図9に示すように、第1の蓄電モジュールの電池群303の実残容量百分率SOC50%を、公称容量値100Ahに照らし公称容量下残容量換算値50Ahにあるものとして、このときの端子電圧を100Vに定義している。また、公称容量下残容量換算値が0Ahから100Ahの区間を、公称容量下残容量換算値5Ahあたり1Vの勾配と定義して電圧を変動させ、さらに、公称容量下残容量換算値が0Ahから−5Ahの区間、ならびに、100Ahから105Ahの区間では、1Ahあたり1Vの勾配で電圧を変動させる。
なお、安全のため、公称容量下残容量換算値−5Ah未満、ならびに、105Ah超過の部分では、入出力を遮断している。
一方、図9において、破線322として示したものが、第二の蓄電モジュール311における、電力配線端子315の端子電圧制御の一例である。
図9に示すように、第1の蓄電モジュール301と同様に、電池群313の実際の実残容量百分率SOC50%を、公称容量値150Ahに照らし公称容量下残容量換算値75Ahにあるものとして、このときの端子電圧を100Vに定義している。また、公称容量下残容量換算値0Ahから150Ahの区間を、公称容量下残容量換算値5Ahあたり1Vの勾配と定義して電圧を変動させ、さらに、公称容量下残容量換算値0Ahから−5Ahの区間、ならびに、150Ahから155Ahの区間では、1Ahあたり1Vの勾配で電圧を変動させる。
第2の蓄電モジュール311では、安全のため、公称容量下残容量換算値−5Ah未満、ならびに、155Ah超過では、入出力を遮断している。
充放電の実運用では、一般に、放電深度百分率DOD100%で用いられることは無く、長寿命高信頼を期待して、例えば、放電深度百分率DOD50%程度で用いることが多いと考えられる。第一の蓄電モジュール301において、放電深度百分率DOD50%の区間を、実残容量百分率SOC50%を中心に上下それぞれ25%とすれば、プロット線321上に示した、黒丸Aから黒丸Cの間の区間となる。つまり、通常の使用状態では、公称容量下残容量換算値が、25Ahから75Ahである幅50Ahの領域で運転される。
ここで、本実施形態の電力蓄積システムにおいて、第1の蓄電モジュール301の少なくとも一部を第2の蓄電モジュール311で置き換えた場合、第二の蓄電モジュール311においては、実残容量百分率SOC50%相当である公称容量下残容量換算値75Ahを中心に、上下25Ahの区間、つまり、公称容量下残容量換算値が、50Ahから100Ahである50Ahの幅の領域で運転することとなる。この範囲は、プロット線322上の白丸aから白丸cの間の区間となる。
図9において、プロット線321から322に向けて矢印を記したように、第一の蓄電モジュール301における、黒丸Aで示した公称容量下残容量換算値25Ahでの電圧と、第二の蓄電モジュール311における、白丸aで示した公称容量下残容量換算値50Ahでの電圧とが同じとなる。同様に、第一の蓄電モジュール301における公称容量下残容量換算値50Ahでの電圧(黒丸B)と、第二の蓄電モジュール311における公称容量下残容量換算値75Ahでの電圧(白丸b)、さらに、第一の蓄電モジュール301における公称容量下残容量換算値75Ahでの電圧(黒丸C)と、第二の蓄電モジュール311における公称容量下残容量換算値100Ahでの電圧(白丸c)とが、それぞれ等しくなっている。
以上説明したように、本実施形態の電力蓄積システムでは、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311との間で、端子電圧と残容量の関係に基づいて近似させることにより制御を行っている。このように、第一の蓄電モジュール301と、第二の蓄電モジュール311との両方に対して、実残容量百分率SOCを基準として、各蓄電モジュール群の蓄電量を揃える制御を行うことで、蓄電モジュールを構成する電池群の種類によらず、異なる種類の電池群を備えた蓄電モジュールを容易に組み合わせて、電力蓄積システムに使用することができる。特に、電力蓄積システム全体を制御する制御手段での制御内容を変更することなく、一括して異なる種類の蓄電モジュールを同一視してその直列接続体を制御することができるため、複数の蓄電ユニットを備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットとして、異なる充電特性を備えた蓄電モジュールを用いて電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる。
このため、例えば法規制や、製品の改良などにより、一部の蓄電モジュールを異なる仕様のものと交換せざるを得ない場合をはじめとして、当初から、全ての蓄電モジュールとして同じ仕様のものを利用できない場合にも高い実用性を発揮する。また、蓄電モジュールを変更する場合や、異なる仕様の蓄電モジュールを混在させる場合に限られず、同じ種類の蓄電モジュールを使用していた場合においても、例えば、電力蓄積システムの動作時間が経過することにより、それぞれの蓄電モジュールの入出力特性が変化してしまっている場合には、電力蓄積システム全体の制御を一括して行うことができるという実用性を備えるものである。
なお、本実施形態では、蓄電モジュールとして2種類のものを混在して用いる例について説明したが、本実施形態の電力蓄積システムはこれに限られず、3種以上の蓄電モジュールを同時に使用する場合にも、良好に適用することができる。
以上説明したように、本発明にかかる電力蓄積システムでは、簡易に複数の蓄電体全体を一括制御することができるという、格別の作用効果を奏するものである。特に、電力蓄積システムの蓄電体の少なくとも一部を交換しなくてはならない場合、異なる種類の蓄電体を同時に使用しなければならない場合に、その効果を発揮することができる。すなわち、本発明の電力蓄積システムにおいては、蓄電体を当初のものから一部交換しなくてはならない場合に、交換する蓄電モジュールの電力の入出力特性を、蓄電ユニットや他の蓄電モジュールの入出力特性に近似できるため、この蓄電モジュールが備える蓄電素子の特性の如何にかかわらず、電力蓄積システムが備える電力変換装置の制御に変更を加えることなく蓄電体の交換することが可能である。
また、本発明の電力蓄積システムによれば、電流のバイパス機能や熱損失機能を備えることができ、均等充電の差異の蓄電素子の保護や、充放電効率の向上の観点からも好ましいものとすることができる。
さらに本発明の蓄電モジュールの制御方法によれば、蓄電ユニットや別の蓄電素子を備えた異なる蓄電モジュールとの間において、電力の入出力特性を良好に近似させることができる。
なお、上記第1の実施形態において、電力蓄積システムに用いられる蓄電ユニットとして、複数個の鉛蓄電池を木枠で緊縛したものを例示して説明した。本発明にかかる電力蓄積システムに用いられる蓄電ユニットに使用される蓄電素子としては、鉛蓄電池に限らず、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池、電気二重層蓄電器、リチウムイオン電気二重層蓄電器、勢車蓄電装置などの各種の蓄電素子を用いることができる。
また、電力蓄積システムとして図2を用いて、全体がシステム建屋内に配置され、複数段の電池棚に蓄電体が配置されたものを例示説明した。しかし、本発明にかかる電力蓄積システムは、このような比較的大きな規模のものに限られず、例えば、バッテリボックス内に複数の蓄電体が収容され、この蓄電体からの電力の入出力を制御する、制御装置と電力変換装置を備えた家庭用の電力蓄積システムや、特定の電気機器に付随して配置される比較的小規模の電力蓄積システムに適用することができる。
さらに、蓄電モジュールにおいて、電池群を構成する蓄電素子としては、例示したリチウムイオン電池の他に、ニッケル水素蓄電池、電気二重層蓄電器、リチウムイオン電気二重層蓄電器、勢車蓄電装置などの各種二次電池を用いることができる。
また、本願発明の電力蓄積システムでは、電力蓄積システムに用いられる蓄電体に関するさまざまな問題点、すなわち、製造者の相違による入出力特性の差、採用材料や想定用途などの設計要因、製造時期などによる特性の相違、実稼動状態における様々な特性変化の結果生じた入出力特性の相違、特に、端子電圧の蓄電量や電流、温度、使用や保存による劣化などによる変化を、蓄電モジュールを用いることで効果的に解消することかできる可能性を有している。
また、化学電池で生じる、分極による影響で数ミリ秒から数日間の時定数を持った電圧変化が発生するといった問題点についても、これらの特性を踏まえて入出力特性調整部で蓄電モジュールの入出力特性を調整することで、解決に導くことができる。
なお、たとえば鉛蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などでの運用を前提とした電力蓄積システムの場合には、電力変換装置が過充電の一種である均等充電制御を行うような構成を有することが多い。このような電力蓄積システムに、リチウムイオン蓄電池のように均等充電に対応しない蓄電素子を備えた蓄電モジュールを対応させる場合には、蓄電モジュールの電力変換機能が均等充電電流をバイパスしてあたかも均等充電を受けているように振舞う機能を備えることができる。
本願は、電力の充放電が可能な電力蓄電システム、また、この電力充電システムに用いられる蓄電体としての蓄電モジュールの制御方法として、各種の発電設備や電力設備とともに有効に使用することができる。
本発明は、電力を蓄える複数の蓄電体を備えた電力蓄積システム、および、電力蓄積システムに使用される蓄電体としての蓄電モジュールの制御方法に関する。
電力蓄積システムは大きな電力を蓄積できる機能を有し、電力供給システムあるいは電力負荷システムと連携して、電力供給に余裕がある場合に電力を蓄え、電力供給の要求を受けると蓄電していた電力を供給する。
電力蓄積システムは、いろいろな使用方法で使用することが可能であり、使用目的により電力蓄積システムの規模も様々である。例えば、住宅設備やサーバセンタの負荷変動抑制として用いられるものや、停電対策、電気鉄道の回生電力吸収システムとして用いられるもの、さらには、風力発電所など再生可能エネルギー発電システムや、原子力発電所などの大規模系統安定のために用いられるものなどがある。
ここで、電力蓄積システムの具体的な使用例について説明する。
電力蓄積システムが電力系統に接続され、電力蓄積システムは蓄電を行い、また電力系統から電力の供給の要求があると、蓄電された電力を電力系統に供給する。電力系統に接続されている発電システムが原子力発電のように安定した電力を供給する発電システムではなく、例えば風力発電や太陽光発電のように、頻繁に変化する自然状態に基づき発電電力が変動する発電設備の場合がある。また、負荷が必要とする負荷電力が変動する場合があり、安定した電力を供給するシステムに対して負荷電力の変動がそぐわない場合がある。このような場合に、電力蓄積システムを使用して、負荷に供給される負荷電力に対して電力系に電力を供給する発電電力に余裕がある状態で蓄電を行い、逆に、負荷に供給する負荷電力に対して発電電力に余裕が無い状態で、蓄電していた電力を供給するように制御することで、電力系統が安定して電力を供給できるようになり、あるいは電力系統の効率を向上することが可能となる。
電力蓄積システムが接続された電力系統に関する技術が、特許文献1に記載されている。また、風力発電などの発電能力が変動する場合の電力蓄積システムの制御技術について、特許文献2に開示されている。
電力蓄積システムとして、個々が充電池として機能する複数個の蓄電体としての蓄電ユニットを備え、それぞれの蓄電ユニットに電力を入出力して使用するものが知られている。このような電力蓄積システムの使用時に、蓄電ユニットの一部が故障等すると、そのユニットを新しいものに交換して電力蓄積システムを全体の使用を確保することが行われる。このような場合、交換した新たな蓄電ユニットと、交換せずに以前より使用し続けている他の蓄電ユニットとの間で、蓄電ユニットの充放電に関する電気的特性が大きく異なってしまうことがある。
例えば、廃棄物の環境汚染対策として従来の蓄電ユニットの製造が制限される場合や、性能向上等のために蓄電ユニットが改良されて新しい仕様の蓄電ユニットに置き換わってしまった場合などでは、従前から使用している蓄電ユニットの入手が困難、または、不可能となることがある。電力蓄積システムとして、複数個の蓄電ユニットを一括制御してシステム全体の電力の入出力をコントロールするにあたって、個々の蓄電ユニットの充放電に関する電気的特性が異なることは、電力蓄積ユニット全体を正しく制御する上での問題となる。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するものであり、複数の蓄電体を備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電体の交換を行った場合でも電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる電力蓄積システムを得ることを目的とする。さらに、電力蓄積システムにおいて蓄電体として用いられることで、電力蓄積システムの制御を容易なものにすることができる蓄電モジュールの制御方法を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールであることを特徴とする。
また、本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることを特徴とする。
本発明の電力蓄積システムは、所定の電力を蓄える蓄電体の少なくとも一部が蓄電モジュールであるため、蓄電体の入出力特性を揃えることができ、電力蓄積システムにおいて複数の蓄電体を一括して容易に制御することができる。
また、本発明の蓄電モジュールの制御方法は、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部が、蓄電モジュールの入出力特性を電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることができ、電力蓄積システムにおいて蓄電モジュールを他の蓄電体と同様に取り扱うことを可能とする。
本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールである。
このようにすることで、蓄電モジュールの入出力特性を他の蓄電体の入出力特性に近似させることができる。この結果、電力蓄積システムに用いられている蓄電体の入出力特性を均一化することができるので、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、一括で、かつ、簡易に行うことができる。
本発明の電力蓄積システムにおいて、前記蓄電モジュールが、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットに置き換えられて配置されたものであり、前記蓄電モジュールの前記入出力特性調整部は、置き換えられた前記蓄電ユニットの実稼働状態における入出力特性に、前記蓄電モジュールの入出力特性を近似させることが好ましい。このようにすることで、蓄電体を置き換える必要性が生じた場合でも、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、置き換えの前後で変わりなく、一括して、かつ、簡易に行うことができる。
また、前記蓄電体として、第1の蓄電素子により電力を蓄えることができる第1の蓄電モジュールと、前記第1の蓄電素子とは異なる特性を有する第2の蓄電素子により電力を蓄えることができる第2の蓄電モジュールとを有し、前記第2の蓄電モジュールの前記入出力特性調整部が、前記第2の蓄電モジュールの入出力特性を前記第1の蓄電モジュールの入出力特性に近似させることが好ましい。このようにすることで、異なる種類の蓄電素子を用いた蓄電モジュールが混在する場合であっても、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、一括して、かつ、簡易に行うことができる。請求項1に記載の電力蓄積システム。
さらに、前記第2の蓄電モジュールが、前記第1の蓄電モジュールに置き換えられて配置されたものであることが好ましい。このようにすることで、蓄電モジュールの置き換えの前後において、電力変換装置の制御を同様のものとすることができる。
また、前記入出力特性調整部は、前記蓄電モジュールの外部からの操作により、前記蓄電モジュールの入出力特性を変化させることが好ましい。このようにすることで、当初の設定状態から蓄電体の特性がずれた場合でも、高い精度での入出力特性の近似を実現することができる。
本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させる。
このようにすることで、蓄電モジュールと他の蓄電体の入出力特性が近似したものとなるため、電力蓄積システムに用いた場合に、蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を一括で、かつ、簡易なものとすることができる蓄電モジュールを実現することができる。
本発明の蓄電モジュールの制御方法において、前記蓄電モジュールが、他の蓄電体に置き換えられて前記電力蓄積システム内に配置されたものである場合に、前記蓄電モジュールの入出力特性を置き換えられた前記他の蓄電体の入出力特性に近似させることが好ましい。このようにすることで、電力蓄積システムにおいて蓄電体の置き換えが生じた場合でも、電力蓄積システムにおける蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置の制御を、置き換えの前後で変わりなく、一括して、かつ、簡易に行うことができる。
また、前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットであることが好ましい。このようにすることで、蓄電ユニットの交換が必要となった場合でも、電力蓄積システムにおいて蓄電体の一括した制御を可能とすることができる。
さらに、前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、前記蓄電モジュールに使用された前記蓄電素子とは異なる入出力特性を有する他の蓄電素子と、その入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた、前記蓄電モジュールとは異なる蓄電モジュールであることが好ましい。このようにすることで、異なる特性を有する複数の蓄電モジュールを用いて、電力蓄積システムにおいて蓄電体の一括した制御を可能とすることができる。
また、前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールにおける端子電圧と残容量との間の関係に基づいて近似させることが好ましい。このようにすることで、蓄電容量の異なる蓄電モジュールの入出力特性に良好に近似させることができる。
この場合において、前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールが所定の残容量を有する場合の端子電圧値を基準として、上下に所定の幅を持たせて近似させることが好ましい。このようにすることで、簡易に、かつ、確実に、蓄電容量の異なる蓄電モジュールの入出力特性に良好に近似させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の電力蓄積システム、および、蓄電モジュールの制御方法について説明する。
なお、以下の各図において、同じ部材には同じ符号を付し適宜説明を省略する場合がある。また、ブロック構成を説明するブロック図においては、それぞれの機能を有するひとかたまりの構成をブロックとして示すものであり、ブロックの区分は、例えばそのブロック機能を有する回路基板等の部材の区分を示すものではない。すなわち、複数のブロックの機能が一つの部材により実現される場合があり、一つのブロック機能を実現するために複数の部材が必要となる場合がある。
[発電システムの説明]
図1は、本発明にかかる電力蓄積システムが配置された電力系統としての発電システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1は、本発明にかかる電力蓄積システムが配置された電力系統としての発電システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1に示す発電システムでは、発電装置101で発電された電力が送電系102へと送られ、送電系102を介してその先に接続される図示しない電力負荷へと送電される。
発電装置101の具体例としては、風力に基づいて発電する風力発電装置、水力に基づいて発電する水力発電装置、太陽光に基づいて発電する太陽光発電装置などがあり、本発明にかかる電力蓄積システムは、発電システムの発電形態が特定されなければならないという必要性は無い。また、発電システムの構成が明確になっていない場合であっても、蓄電される電力の供給を受けることが可能であれば、本発明の電力蓄積システムを適用することが可能である。
発電装置の形態として、自然環境にやさしく自然環境への負荷が少ない発電装置が近年注目されている。これらの代表例として、上述の風力発電装置、水力発電装置、さらに、太陽光発電装置などがある。これら自然界のエネルギーに基づいて発電する発電装置は、自然環境への負荷が少ない反面、発電能力が自然界の状態に左右され、必要とされる電力負荷に対して発電能力が安定して対応することが困難であるという問題がある。そこで、図1に示す発電システムのように、発電装置101が発電した電力を一旦電力蓄積システム104に蓄え、送電系102の先に接続されている電力負荷の要求に合わせて蓄えていた電力を、送電系102を介して供給することが行われる。
電力蓄積システム104は、直流電力を蓄電する蓄電ユニット105を複数有していて、この蓄電ユニット105によって電力を蓄えるものであるため、発電装置101で発電され電力は、交流直流変換装置103により直流電力に変換され、変換された直流電力が電力蓄積システム104により蓄電される。電力負荷から要求される電力は、交流の送電系102を介して送電されるため、電力蓄積システム104に蓄えられていた直流電力は、直流交流変換装置106により交流電力に変換され、送電系102を介して負荷に供給される。
(第1の実施の形態)
[電力蓄積システムの説明]
図2は、本発明にかかる電力蓄積システムの第1の実施形態としての構成例について、そのシステム全体の構成を概略的に示す図である。
[電力蓄積システムの説明]
図2は、本発明にかかる電力蓄積システムの第1の実施形態としての構成例について、そのシステム全体の構成を概略的に示す図である。
図2に示すように、第1の実施形態にかかる電力蓄積システムは、一例として電力蓄積システム建屋201内に設置された、制御装置202、電力変換装置203、所定の電力を蓄えることができる蓄電体としての蓄電ユニット206、同じく蓄電体としての蓄電モジュール207を有している。なお、特高遮断器などの電力関係設備において一般的に必要となる設備については、図示ならびに説明を省略する。
本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電ユニット206は、例えば多数の蓄電素子である鉛蓄電池を木枠で緊縛したものとして構成されていて、それぞれの蓄電ユニット206が、一例として72V150Ahの定格特性を有している。図2においては、電池棚205の各段に8台ずつの蓄電ユニット206が4段にわたって収納されているように図示したが、電力蓄積システムで蓄電する電力量によっては、蓄電ユニット206を数千台備える電力蓄積システムも存在する。
図2に示すように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電ユニット206の一つが蓄電モジュール207に置き換えられている。なお、本明細書において、電力を蓄えることができる蓄電素子の集合体であり、端子電圧を介しての電力の入出力時に、蓄電素子の電気特性がそのまま蓄電体の入出力特性となるものを蓄電ユニットと称する。また、蓄電素子の集合体により電力を蓄えることができる点では蓄電ユニットと共通するが、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する機能を有する入出力特性調整部を備え、蓄電体としての電力の入出力特性を変更できるものを蓄電モジュールと称することとする。
電池棚205の各段に格納された蓄電ユニット206または蓄電モジュール207は、図示しない接続線で直列に接続されており、蓄電ユニット206または蓄電モジュール207の直列接続体は、電池電力線208を介して電力変換装置203に接続されている。図2に示す状態、すなわち、各段に8個ずつ接続されている場合は、棚板一段当たりの定格が576V150Ahとなる。
電池電力線208の4つの群は、それぞれ電力変換装置203に配置した図示しない直流遮断器を経由して並列接続され、電力変換装置203内部の図示しない蓄電池群充放電回路に接続される。電力変換装置203が備える、図示しない双方向直流−交流変換回路は、電力引込線210、変成器211、電力系統引込線212を経由して電力系統線213に接続される。また電力変換装置203は、制御信号線ハーネス204を経由して制御装置202によって制御される。制御装置202は、例えば通信回線209によって、系統電力管理者の集中制御コンピュータ等の外部からの指令を受け取るとともに、通信回線209を用いて電力蓄積システムの状況を送信することができ、外部からの指示を受け、蓄電ユニット206群の状態に合わせてそれぞれの蓄電ユニットでの充放電を実行する。
[蓄電モジュールの説明]
図3は、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる、蓄電体としての蓄電モジュール207の構成例を示した図である。
図3は、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる、蓄電体としての蓄電モジュール207の構成例を示した図である。
図3に示すように、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュール207は、蓄電モジュール207の外郭を構成する筐体221内に、蓄電素子である電池群222、入出力特性調整部223が収容されている。
電池群222は、一例として、直径18ミリメートル、長さ65ミリメートルで、公称定格3.6V1.5Ahのリチウムイオン電池セル2048本から構成され、64本を直列に接続して定格230.4V1.5Ahとしたもの32群を、図示しない電流ヒューズを介して並列に接続し、入出力特性調整部223と接続されている。
入出力特性調整部223は、蓄電ユニット206とは異なる蓄電素子で構成された蓄電モジュール207の入出力特性を、他の蓄電体である蓄電ユニット206の入出力特性に近似させる。このように、入出力特性部223が、蓄電モジュールの入出力特性を蓄電ユニット206の入出力特性と近似させることで、蓄電ユニット206と蓄電モジュール207とが混在して形成された直列接続体に対して、一括して電力の入出力操作を行うことができる。ここで、本願発明における近似とは、蓄電体からの電力の入出力特性について、同じ蓄電体のものとして一括管理できる程度に近い特性となっていることを意味する。すなわち、本実施形態の場合では、蓄電ユニット206としての鉛蓄電池の集合体が有する入出力特性と、リチウムイオン電池を蓄電素子とする蓄電モジュールの電力の入出力特性が、蓄電素子の相違にかかわらず同じような電圧特性、電流特性を備えることを言う。おなじ蓄電素子を用いて、同じ仕様で複数間蓄電ユニットを製造した場合にも、蓄電素子ごとの誤差や製造誤差により、各蓄電ユニットの電力の入出力特性が厳密に一致することはない。本願発明に言う近似も、同様にこのような蓄電素子の特性誤差や製造誤差等により微妙に異なる電力の入出力特性の相違を、または、このような特性誤差や製造誤差と同等の誤差範囲での相違を許容するものであり、入出力特性の厳密な一致までを求めるものではない。
本実施形態の電力蓄積システムでは、入出力特性調整部223が、実際に蓄電を行う蓄電素子の種類にかかわらず、外部との接続端子である電力配線端子224から見た場合に、蓄電モジュール207と蓄電ユニット206とが同じ電気的挙動をする蓄電体となるように、蓄電モジュール207での電力の入出力特性を調整することで、蓄電ユニット206が蓄電モジュール207に置き換えられた場合でも、電力変換装置203が蓄電ユニット206の直列接続体と同様にコントロールすることができる。このため、例えば故障や経年劣化、その他の理由によって蓄電ユニット206の交換が必要となった場合でも、本実施形態に開示する蓄電モジュールに置き換えることで、蓄電ユニットの交換の前後において、電力蓄積システムの電力変換装置203が一括した同じ制御を行うことができる。なお、蓄電モジュール207の入出力特性調整部223の構成については、後に詳述する。
蓄電モジュール207の筐体221から突出するように、入出力特性調整部303からの電力配線端子224が設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子224を介して他の蓄電ユニット206、または他の蓄電モジュール207、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
なお上記説明では、電池群222としてリチウムイオン電池を用いる例を示したが、電池群222を形成する電池はリチウムイオン電池に限られず、他の各種蓄電素子を用いることができる。
図4は、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュール207の、入出力特性調整部223の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、入出力特性調整部223は、電力配線端子224を経由した電池電力線208における充放電電力を出し受けする電力入出力部232と、内包する電池群222を、電池配線235を経由して適切に充放電する電池充放電部233とを備えた、入出力機能部231と、電力入出力部232と電池充放電部233とを制御する制御部234とを備えている。
なお、入出力機能部231は、例えば一般的なスイッチングコンバータを用いた双方向直流−直流変換回路で構成することができる。また、電力入出力部232と電池充放電部233とは、それぞれ独立した2つのスイッチングコンバータで形成することができ、また、単一のスイッチングコンバータとして実現することもできる。なお、コンバータは、絶縁コンバータ、非絶縁コンバータのいずれでも用いることができる。
入出力特性調整部223は、制御部234によって電池群222の充放電の制御と、電力配線端子224における電力の入出力の制御とを自立的に行う。制御部234は、電池充放電部233の状態を検出線240により検出し、制御線241により制御する。また同様に、電力入出力部232の状態を検出線242により検出し、制御線243で制御する。
例えば、本実施形態のように、蓄電モジュール207での電池群222としてリチウムイオン電池を用いる場合では、電池群222における電力の充電状態を把握するために、各電池セルの端子電圧を計測する。計測された各リチウムイオン電池の端子電圧は、第1の計測線236により制御部234で把握される。また、電池群222の状態を把握するために、例えば少なくともひとつの電池セル温度を測定する第2の計測線237が配置される。
制御部234は、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどの演算回路に、プログラムを実装したものとして構成することができる。高度なプログラミングを構成することで、初期状態をセットした以降は、蓄電モジュール207を他の蓄電ユニット206と同様に振る舞わせることができる。しかし、長期間電力蓄積システムを動作させ続けることで、他の蓄電ユニット206や組み入れられた他の蓄電モジュール207との動作に、偏差が生じる懸念もある。また、他の蓄電ユニット206の環境温度に変化が生じている場合などでは、当初のプログラムでは蓄電モジュール207の入出力特性を、十分に蓄電ユニット206の入出力特性に追従させられない場合が生じうる。
このため、本実施形態の入出力特性調整部223では、同じ直列接続体を形成して電力変換装置203に接続される他の蓄電ユニット206の状態を検出し、制御部234に検出された情報を伝達している。より具体的には、蓄電ユニット206の電圧情報を取り込む第3の検出線238や、蓄電ユニット206の温度の情報を取り込む第4の検出線239を設けて、これらの第3の検出線238、第4の検出線239から得られた情報を基にして、制御部234のプログラム内部の情報を補正することにより、さらに精度を向上させている。
なお、入出力特性調整部223に関連する検出線や制御線で得られる各種情報は、アナログ値であってよく、また、デジタル値であってもよい。さらに、検出線や制御線は、パラレル回線であってよく、シリアル回線であってもよい。また、制御部234に、蓄電モジュール207の外部との信号の送受信ができるように、外部通信線245を設けることができる。この外部通信線245も必須のものではないが、外部通信線245を備えることで、他の蓄電モジュール207や電力蓄積システムの制御装置202、電力変換装置203、さらには、電力蓄積システムの外部にある系統電力管理者の集中制御コンピュータ等との通信を行うことができる。例えば、他の蓄電モジュール207と通信することで相互の協調運転が可能となり、また、制御装置202、電力変換装置203、系統電力管理者の集中制御コンピュータ等と通信する場合には、これら上位装置からの制御を受けることが可能になり、電力蓄積システムに求められる動作をより確実に実行することができるようになる。
なお、入出力特性調整部223には、管理者が直接蓄電モジュール207の動作を制御するための各種のスイッチを備えることができる。また、蓄電モジュール207自体の電圧、温度、残存容量などの各種の状態や、制御部234が検出した他の蓄電ユニット206の電圧、温度、その他の状態を表示する、ランプやメータ、LED(液晶)パネルなどの表示デバイスにより構成された、表示部を備えることができる。
図5は、図3および図4を用いて説明した内容を踏まえて、蓄電モジュール207の構成をより具体的に示した回路ブロック図である。
図5に示すように、多数のリチウムイオン電池からなる電池群222を構成する電池の直列接続体部分を除いて、入出力特性調整部223の各構成要素が配置されている。制御部234には、電池群222の温度を検出する第2の検出線237と、電池群222の出力電圧を検出する第1の検出線236が接続されている。また、蓄電ユニット206の温度や電圧を検出する第3の検出線238、第4の検出線239、さらに、外部通信線245が接続されている。外部通信線245は、図5では蓄電ユニット206のみに接続されているように示しているが、蓄電ユニット206を介して、または、蓄電ユニット206を迂回して、他の蓄電ユニット206や電力蓄積システムの制御装置202や電力変換装置203、さらには、電力蓄積システムの外部へと接続することができる。なお、251は、蓄電モジュール207からの出力電流を検出する電流センサであり、制御部234において、蓄電モジュール207の出力電流量を監視することができるようにしたものである。
上記したように、制御部234は、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどから構成され、図示しないプログラムに従って所定の手順で入出力特性調整部223を制御する。このプログラムは、蓄電モジュール207の入出力特性を蓄電ユニット206の入出力特性に近似させて、電力配線端子224を定電圧に保つことによって蓄電ユニット206の充放電を模した電力の入出力を行うが、その電圧は他の蓄電ユニット206の端子電圧を模擬して、同じように変化するようにセットされる。出力電圧を模擬する手段としては種々の方法が考えられるが、使用されている蓄電ユニット206の種類に応じた入出力電圧・電流特性をプログラムとして予め取り込み、電力入出力部232における出力電流や、蓄電モジュール207内外の温度を検出して、その検出された温度に基づいて、その時々の蓄電ユニット206の実効的な容量を算出して、端子電圧を推定する方法などが好適に用いることができる。
図6は、図2として示した、本実施形態の電力蓄積システム全体の構成を詳細に示した回路ブロック図である。
図6では、全体の構成はもちろんであるが、蓄電ユニット206に代替した蓄電モジュール207が、周囲の蓄電ユニット206の状態を検出する手段について、より詳細に示している。
具体的には、図6に示すように、代替した蓄電モジュール207は隣接する3つの蓄電ユニット206(206a、206b、206c)の出力電圧を検出する3組の第3の検出線238(238a、238b、238c)と、温度検出素子によって蓄電ユニット206(206a、206b、206c)の温度を検出する第4の検出線239(239a、239b、239c)とを備え、これらの検出線により把握された周囲の蓄電ユニット206の挙動、すなわち、入出力電圧・電流の変化を模して、入出力特性調整部223が蓄電モジュール207の出力電圧・電流を調整している。
上記したように、図6に示すような、周囲の蓄電ユニット206の実際の動作状態をリアルタイムで検出することは、本発明の電力蓄積システムにおいて必須の構成ではないが、蓄電モジュール207が、より誤差を少なくして蓄電ユニット206を模擬することができる。
[蓄電モジュールの制御方法の説明]
ここで、本実施形態として説明した電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明する。
ここで、本実施形態として説明した電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明する。
本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と、蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールに関するものである。そして、蓄電モジュールの入出力特性調整部が、蓄電モジュールの入出力特性を電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させるものである。
図7は、図6に示した、近接して配置された3つの蓄電ユニット206a、206b、206cの電圧と温度を検出して自己の振舞いに補正をかけるようにした、制御部234のプログラムの一例を示すフローチャートである。
なお、図7において、近接する第1の蓄電ユニット206aの電圧をV1、温度をT1、第2の蓄電ユニット206bの電圧をV2、温度をT2、第3の蓄電ユニット206cの電圧をV3、温度をT3としている。さらに、蓄電モジュール207の出力電流をI0、出力電圧をV0とする。
図7に示すように、プログラムは、初期化を終え動作を開始すると、まずステップS701において、蓄電ユニット206a、206b、206cの出力電圧V1、V2、V3、温度T1、T2、T3、さらに、蓄電モジュール207の出力251(図5参照)を流れる出力電流I0を測定する。なお、測定におけるノイズを除去するためには、複数回の測定や異常値の排除がなされることが望ましい。
次に、ステップS702において、検出された各蓄電ユニット206の出力電圧データV1、V2、V3から、異常な蓄電ユニット206がないか判断する。例えば、測定した蓄電ユニット206の端子電圧の最大最小値が、規定した範囲を逸脱していない場合、例えば、5%を超える偏差が見受けられない場合などの場合は、出力電圧値が正常と見做して(Y)次のステップS703に進む。
一方、検出された各蓄電ユニット206の出力電圧データV1、V2、V3に、異常が見受けられた場合(N)は、ステップS704にて最も数値が乖離したデータを除外して、次のステップS703に進む。このとき、検出された蓄電ユニット206の異常の発生について、所定の信号を送信したり表示部に異常表示を行ったりして、外部へ発報することが望ましい。
ステップS703では、ステップS701において取得された隣接する蓄電ユニット206の情報や、電力蓄積システムの運転中における蓄積データをもとに、制御部234が、蓄電モジュール207が模して振舞うべき見掛けの電池特性、例えば見掛けの残容量SOC0、見掛けの残寿命SOH0、見掛けの内部抵抗値などを算出する。
ステップS705からステップS708にかけて制御部234は、ステップS703で算出された数値群をもとに、蓄電モジュール207を流れる電流の瞬時値I0の値から、出力するべき端子電圧V0を算出し、入出力機能部231へ制御値として渡す。
ステップS705で設定されたタイマがカウントする一定時間の間、ステップS706とステップS707とを繰返したのち、ステップS708でタイマが満了したと判断された場合(Y)で、ステップS701に戻り、再び外部の蓄電ユニット206の各種状態を検出する。
このように、図7に示したプログラムにしたがって、制御部234が入出力機能部231を制御することで、入出力特性調整部223が蓄電モジュール207を制御する。その結果、高速な追従が必要な蓄電モジュール207の内部電流I0変化への対応を、蓄電モジュール207の内部処理のみで可能となり、ノイズが多いと懸念される蓄電モジュール207の筐体221外の測定を高速に行う必要がなくなる。
このようにして、制御部234は、蓄電モジュール207の内部にある電池群222の内部残容量SOCや内部残寿命SOH、許容電流などを、一般的に知られる手段によって容易かつ適切に算出することができ、電池充放電機能部233を介して電池群222を管理する。この場合に、図7のフローチャートにおいてステップS703で求めた見掛けのSOC0、SOH0は、制御部234が内部に存する電池群222に関してこれらの運用計画を導出する指針となるものである。
以上、本実施形態にかかる電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットの代替として用いられる蓄電モジュールが、代替された蓄電ユニットの入出力特性を模して動作することについて説明した。また、本実施形態にかかる電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールの制御方法について説明した。
本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体である蓄電ユニットの交換が余儀なくされた場合に、代替した蓄電モジュールの電気的特性が代替される蓄電ユニットの電気的特性と異なる場合でも、蓄電モジュールの入出力特性調整部が蓄電ユニットと同様の動作を模すことができるので、電力蓄積システム全体を制御する制御手段での制御内容を変更することなく、一括して蓄電ユニットと蓄電モジュールとの直列接続体を制御することができる。このため、本実施形態にかかる電力蓄積システムでは、複数の蓄電ユニットを備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットの交換を行った場合でも電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる。特に、法規制や、製品の改良などにより、従来と同じ蓄電ユニットを代替として使用できない場合、さらには、電力蓄積システムの動作時間が経過することにより、蓄電ユニットの入出力電圧特性が変化してしまっている場合でも、電池素子として幅広い選択肢の中から蓄電モジュールを用いることができ、電力蓄積システムの実用上、極めて有意義である。
ここで、本実施形態にかかる蓄電モジュールの入出力特性調整部における動作制御について、いくつかの具体的なケースを例示して説明を加える。
まず、蓄電モジュール207に予めセットされた残容量を超過して充電電流を受けた場合には、制御部234は、これを均等充電がおこなわれているものと見做して電池群222をそれ以上充電せずに充電電流をバイパスする。充電電流をバイパスする手段は、例えば、電力入出力部232を構成するコンバータにおいて、半導体スイッチの開閉デューティを調整して熱損失化するなどの方法を採ることができる。
また、蓄電モジュール207の制御部234に対し、予め定めた充放電深度における蓄電容量を蓄電ユニット206の蓄電容量を上回るように設定した状態で、かつ、初期の充電量を蓄電ユニット206と揃えて電力蓄積システム内に蓄電モジュールを装着することで、正常な運転中に残容量が予め定めた値より過小となることを効果的に防止することができる。また、もし残容量が過小となった場合でも、放電電流が流れる場合には、制御部234が電力入出力部232に対して、電圧を減じたり放電の停止を命じたりすることができる。
なお、一般に、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池などは、リチウムイオン蓄電池と比べ充放電効率が低く、また自己放電も大きい。したがって、制御部234は、この蓄電池の種類による特性の差を調整する制御を行うことが望ましい。たとえば、電力入出力部232に熱損失を発生する動作を指示することで、蓄電モジュール207の動作を、蓄電ユニット206における充放電効率を模したものとすることができる。また、この様な制御を行った場合に生じる損失電力を、例えば、電池222群や周辺回路の冷却用に設けた送風機の動力源として活用することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる電力蓄積システムの第2の実施形態として、電力蓄積システムにおける蓄電体が、異なる種類の蓄電素子を備えた複数種類の蓄電モジュールである場合について説明する。また、異なる種類の蓄電素子を備えた蓄電モジュール間における、蓄電素子である電池群の端子電圧と残容量との変動形態を補正する制御方法について説明する。
次に、本発明にかかる電力蓄積システムの第2の実施形態として、電力蓄積システムにおける蓄電体が、異なる種類の蓄電素子を備えた複数種類の蓄電モジュールである場合について説明する。また、異なる種類の蓄電素子を備えた蓄電モジュール間における、蓄電素子である電池群の端子電圧と残容量との変動形態を補正する制御方法について説明する。
[電力蓄積システムの説明]
第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、所定の電力を蓄えることができる蓄電体として、異なる2種類の蓄電モジュールを備えたものである点が、蓄電体として蓄電ユニットと蓄電モジュールとを備えた第1の実施形態として説明した電力蓄積システムと異なる。
第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、所定の電力を蓄えることができる蓄電体として、異なる2種類の蓄電モジュールを備えたものである点が、蓄電体として蓄電ユニットと蓄電モジュールとを備えた第1の実施形態として説明した電力蓄積システムと異なる。
このため、第2の実施形態で説明する電力蓄積システムは、蓄電体の構成は異なるものの、第1の実施形態として説明した電力蓄積システムの構成と同じである。したがって、図2で説明した電力蓄積システムの全体的な構成、すなわち、電力蓄積システム建屋201、制御装置202、電力変換装置203、電池棚205、電池電力線208等の構成例は、そのまま本実施形態の電力蓄積システムの構成例となる。また、図2に示した、電力引込線210、変成器211、電力系統引込線212、電力系統線213等の構成や接続も、そのまま第2の実施形態の電力蓄積システムの構成例となる。
[蓄電モジュールの説明]
上記のように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体として、蓄電素子が異なる2種類の蓄電モジュールが用いられている点が第1の実施形態の電力蓄積システムと異なる。以下、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールについて、図面を参照して説明する。
上記のように、本実施形態の電力蓄積システムでは、蓄電体として、蓄電素子が異なる2種類の蓄電モジュールが用いられている点が第1の実施形態の電力蓄積システムと異なる。以下、本実施形態の電力蓄積システムに用いられる蓄電モジュールについて、図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態において、電力蓄積システムの電池棚205(図2参照)に格納された第1の蓄電ユニット301と、同じく電池棚205に格納された第2の蓄電モジュール311との構成例を示している。ここでは、図2における蓄電ユニット206が第1の蓄電モジュール301に置き換わり、図2における蓄電モジュール207が、第2の蓄電モジュール311に置き換わったものとして説明を進める。
なお、図8(a)が第1の蓄電モジュール301の構成を示し、図8(b)が第2の蓄電モジュール311の構成を示している。
蓄電モジュール301は、蓄電素子としての多数の蓄電池を内蔵したもので100V100Ahの定格特性を有する。この第1の蓄電モジュール301は、実際には数千台規模で電池棚205に格納される。
図8(a)に示すように、第1の蓄電モジュール301は、外殻を構成する筐体302、蓄電素子である電池群303、入出力特性調整部304を備えている。第1の蓄電モジュール301の電池群303は、一例として、直径18ミリメートル、長さ65ミリメートルで公称定格3.6V1.4Ahのリチウムイオン電池セル2048本から構成されている。このリチウムイオン電池セルからなる電池群303は、それぞれ64本を直列に接続して、定格230.4V1.4Ahとしたもの32群を、図8(a)では図示しない電流ヒューズを介して、並列に接続して入出力特性調整部304と接続されている。
筐体302から突出するように、入出力特性調整部304からの電力配線端子305が設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子305を介して隣接する他の第1の蓄電モジュール301、後述する第2の蓄電モジュール311、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
第2の蓄電モジュール311は、第1の蓄電モジュール301に代替して配置されたもので、100V150Ah定格を備えている。
図8(b)に示すように、第2の蓄電モジュール311は、一例として、角形で公称定格3.8V84Ahのリチウムイオン電池が電池群313を構成している。リチウムイオン電池セル48個から構成され電池群313は、全てを直列に接続して定格182.4V84Ahとしたものを、図8(b)では図示しない電流ヒューズを介して、入出力特性調整部314と接続されている。
また、外殻を構成する筐体312には入出力特性調整部314からの電力配線端子315が突出するように設けられており、図2に示した電池棚205に格納された状態で、この電力配線端子315を介して、他の第1の蓄電モジュールユニット301、または、他の第2の蓄電モジュール311、あるいは電池電力線208との間で電力配線が緊締される。
なお、本実施形態において、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311は、いずれも蓄電素子としての電池群としてリチウムイオン電池を用いたものを例示したが、本実施形態の電力蓄積システムにおける第1の蓄電モジュールおよび第2の蓄電モジュールに組み込まれる電池群の電池としては、リチウムイオン電池以外の他種の蓄電素子を用いることができる。
本実施形態では、第1の実施形態で用いられた蓄電ユニット206は用いずに、いずれも内部に制御部を備えた入出力特性調整部が配置され、蓄電素子からの電力の入出力特性を調整可能な2つの蓄電モジュールが用いられている。このため、第1の蓄電モジュールの入出力特性調整部と、第2の蓄電モジュールの入出力特性調整部とにおいて、2種類の蓄電モジュールが同じ入出力特性となるような制御を行うことで、電力蓄積システム全体として、2種の蓄電モジュールを直列接続体に使用しながら、一括した入出力電圧の制御を行うことができる。
なお、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311とにおいて、入出力特性調整部の構成は、第1の実施形態において図4を用いて説明した蓄電モジュール207の入出力特性調整部223と同じ構成を備えることができる。第2の実施形態の電力蓄積システムに用いられる第1の蓄電モジュール301および第2の蓄電モジュール311は、図4に示した第1の実施形態に用いられた蓄電モジュール207と、入出力特性調整部、特に、入出力機能部を制御する制御部での制御内容のみが異なる。
[蓄電モジュールの制御方法]
以下、本実施形態における、2つの蓄電モジュールでの、入出力特性の制御について説明する。
以下、本実施形態における、2つの蓄電モジュールでの、入出力特性の制御について説明する。
第1の実施形態で説明したように、蓄電モジュールの入出力特性調整部には、一般にマイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサなどから構成され、所定のプログラムに従って所定の手順で入出力特性調整部を制御する制御部が備えられている。この制御部のプログラムは、電力配線端子305、315を定電圧に保つことによって電力の入出力を行うが、その電圧は内蔵する蓄電池の状態に応じて変化するようにセットされている。なお、端子電圧を変化させる場合に用いられる要件としては、種々のものが考えられるが、例えば、実動作中における実質的な残容量予測値などを好適に用いることができる。
すなわち、入出力特性調整部304、314を制御する制御部は、蓄電モジュール301、311の内部にある電池群303、313の残容量や残寿命、許容電流などを周知の方法を含めた各種の手法により取得・算出し、入出力特性調整部304、314内に備えられた電池充放電部を介して、電池群303、313を管理する。このとき、例えば、電池の劣化度合い、温度、出力電流、内部抵抗などを勘案して算出した残容量予想値を、公称定格容量で規格化した数値に関連する端子電圧とする。
図9は、本実施形態において蓄電モジュールにおける出力電圧値である端子電圧(V)と、残容量として推定される数値(Ah)である、公称容量下残容量換算値の関係を示したものである。
図9中、実線321で示したものが、第一の電力モジュール301における、電力配線端子305の端子電圧制御の一例である。
図9に示すように、第1の蓄電モジュールの電池群303の実残容量百分率SOC50%を、公称容量値100Ahに照らし公称容量下残容量換算値50Ahにあるものとして、このときの端子電圧を100Vに定義している。また、公称容量下残容量換算値が0Ahから100Ahの区間を、公称容量下残容量換算値5Ahあたり1Vの勾配と定義して電圧を変動させ、さらに、公称容量下残容量換算値が0Ahから−5Ahの区間、ならびに、100Ahから105Ahの区間では、1Ahあたり1Vの勾配で電圧を変動させる。
なお、安全のため、公称容量下残容量換算値−5Ah未満、ならびに、105Ah超過の部分では、入出力を遮断している。
一方、図9において、破線322として示したものが、第二の蓄電モジュール311における、電力配線端子315の端子電圧制御の一例である。
図9に示すように、第1の蓄電モジュール301と同様に、電池群313の実際の実残容量百分率SOC50%を、公称容量値150Ahに照らし公称容量下残容量換算値75Ahにあるものとして、このときの端子電圧を100Vに定義している。また、公称容量下残容量換算値0Ahから150Ahの区間を、公称容量下残容量換算値5Ahあたり1Vの勾配と定義して電圧を変動させ、さらに、公称容量下残容量換算値0Ahから−5Ahの区間、ならびに、150Ahから155Ahの区間では、1Ahあたり1Vの勾配で電圧を変動させる。
第2の蓄電モジュール311では、安全のため、公称容量下残容量換算値−5Ah未満、ならびに、155Ah超過では、入出力を遮断している。
充放電の実運用では、一般に、放電深度百分率DOD100%で用いられることは無く、長寿命高信頼を期待して、例えば、放電深度百分率DOD50%程度で用いることが多いと考えられる。第一の蓄電モジュール301において、放電深度百分率DOD50%の区間を、実残容量百分率SOC50%を中心に上下それぞれ25%とすれば、プロット線321上に示した、黒丸Aから黒丸Cの間の区間となる。つまり、通常の使用状態では、公称容量下残容量換算値が、25Ahから75Ahである幅50Ahの領域で運転される。
ここで、本実施形態の電力蓄積システムにおいて、第1の蓄電モジュール301の少なくとも一部を第2の蓄電モジュール311で置き換えた場合、第二の蓄電モジュール311においては、実残容量百分率SOC50%相当である公称容量下残容量換算値75Ahを中心に、上下25Ahの区間、つまり、公称容量下残容量換算値が、50Ahから100Ahである50Ahの幅の領域で運転することとなる。この範囲は、プロット線322上の白丸aから白丸cの間の区間となる。
図9において、プロット線321から322に向けて矢印を記したように、第一の蓄電モジュール301における、黒丸Aで示した公称容量下残容量換算値25Ahでの電圧と、第二の蓄電モジュール311における、白丸aで示した公称容量下残容量換算値50Ahでの電圧とが同じとなる。同様に、第一の蓄電モジュール301における公称容量下残容量換算値50Ahでの電圧(黒丸B)と、第二の蓄電モジュール311における公称容量下残容量換算値75Ahでの電圧(白丸b)、さらに、第一の蓄電モジュール301における公称容量下残容量換算値75Ahでの電圧(黒丸C)と、第二の蓄電モジュール311における公称容量下残容量換算値100Ahでの電圧(白丸c)とが、それぞれ等しくなっている。
以上説明したように、本実施形態の電力蓄積システムでは、第1の蓄電モジュール301と、第2の蓄電モジュール311との間で、端子電圧と残容量の関係に基づいて近似させることにより制御を行っている。このように、第一の蓄電モジュール301と、第二の蓄電モジュール311との両方に対して、実残容量百分率SOCを基準として、各蓄電モジュール群の蓄電量を揃える制御を行うことで、蓄電モジュールを構成する電池群の種類によらず、異なる種類の電池群を備えた蓄電モジュールを容易に組み合わせて、電力蓄積システムに使用することができる。特に、電力蓄積システム全体を制御する制御手段での制御内容を変更することなく、一括して異なる種類の蓄電モジュールを同一視してその直列接続体を制御することができるため、複数の蓄電ユニットを備えた電力蓄積システムにおいて、蓄電ユニットとして、異なる充電特性を備えた蓄電モジュールを用いて電力蓄積システム全体の制御を容易に行うことができる。
このため、例えば法規制や、製品の改良などにより、一部の蓄電モジュールを異なる仕様のものと交換せざるを得ない場合をはじめとして、当初から、全ての蓄電モジュールとして同じ仕様のものを利用できない場合にも高い実用性を発揮する。また、蓄電モジュールを変更する場合や、異なる仕様の蓄電モジュールを混在させる場合に限られず、同じ種類の蓄電モジュールを使用していた場合においても、例えば、電力蓄積システムの動作時間が経過することにより、それぞれの蓄電モジュールの入出力特性が変化してしまっている場合には、電力蓄積システム全体の制御を一括して行うことができるという実用性を備えるものである。
なお、本実施形態では、蓄電モジュールとして2種類のものを混在して用いる例について説明したが、本実施形態の電力蓄積システムはこれに限られず、3種以上の蓄電モジュールを同時に使用する場合にも、良好に適用することができる。
以上説明したように、本発明にかかる電力蓄積システムでは、簡易に複数の蓄電体全体を一括制御することができるという、格別の作用効果を奏するものである。特に、電力蓄積システムの蓄電体の少なくとも一部を交換しなくてはならない場合、異なる種類の蓄電体を同時に使用しなければならない場合に、その効果を発揮することができる。すなわち、本発明の電力蓄積システムにおいては、蓄電体を当初のものから一部交換しなくてはならない場合に、交換する蓄電モジュールの電力の入出力特性を、蓄電ユニットや他の蓄電モジュールの入出力特性に近似できるため、この蓄電モジュールが備える蓄電素子の特性の如何にかかわらず、電力蓄積システムが備える電力変換装置の制御に変更を加えることなく蓄電体の交換することが可能である。
また、本発明の電力蓄積システムによれば、電流のバイパス機能や熱損失機能を備えることができ、均等充電の差異の蓄電素子の保護や、充放電効率の向上の観点からも好ましいものとすることができる。
さらに本発明の蓄電モジュールの制御方法によれば、蓄電ユニットや別の蓄電素子を備えた異なる蓄電モジュールとの間において、電力の入出力特性を良好に近似させることができる。
なお、上記第1の実施形態において、電力蓄積システムに用いられる蓄電ユニットとして、複数個の鉛蓄電池を木枠で緊縛したものを例示して説明した。本発明にかかる電力蓄積システムに用いられる蓄電ユニットに使用される蓄電素子としては、鉛蓄電池に限らず、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池、電気二重層蓄電器、リチウムイオン電気二重層蓄電器、勢車蓄電装置などの各種の蓄電素子を用いることができる。
また、電力蓄積システムとして図2を用いて、全体がシステム建屋内に配置され、複数段の電池棚に蓄電体が配置されたものを例示説明した。しかし、本発明にかかる電力蓄積システムは、このような比較的大きな規模のものに限られず、例えば、バッテリボックス内に複数の蓄電体が収容され、この蓄電体からの電力の入出力を制御する、制御装置と電力変換装置を備えた家庭用の電力蓄積システムや、特定の電気機器に付随して配置される比較的小規模の電力蓄積システムに適用することができる。
さらに、蓄電モジュールにおいて、電池群を構成する蓄電素子としては、例示したリチウムイオン電池の他に、ニッケル水素蓄電池、電気二重層蓄電器、リチウムイオン電気二重層蓄電器、勢車蓄電装置などの各種二次電池を用いることができる。
また、本願発明の電力蓄積システムでは、電力蓄積システムに用いられる蓄電体に関するさまざまな問題点、すなわち、製造者の相違による入出力特性の差、採用材料や想定用途などの設計要因、製造時期などによる特性の相違、実稼動状態における様々な特性変化の結果生じた入出力特性の相違、特に、端子電圧の蓄電量や電流、温度、使用や保存による劣化などによる変化を、蓄電モジュールを用いることで効果的に解消することかできる可能性を有している。
また、化学電池で生じる、分極による影響で数ミリ秒から数日間の時定数を持った電圧変化が発生するといった問題点についても、これらの特性を踏まえて入出力特性調整部で蓄電モジュールの入出力特性を調整することで、解決に導くことができる。
なお、たとえば鉛蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などでの運用を前提とした電力蓄積システムの場合には、電力変換装置が過充電の一種である均等充電制御を行うような構成を有することが多い。このような電力蓄積システムに、リチウムイオン蓄電池のように均等充電に対応しない蓄電素子を備えた蓄電モジュールを対応させる場合には、蓄電モジュールの電力変換機能が均等充電電流をバイパスしてあたかも均等充電を受けているように振舞う機能を備えることができる。
本願は、電力の充放電が可能な電力蓄電システム、また、この電力充電システムに用いられる蓄電体としての蓄電モジュールの制御方法として、各種の発電設備や電力設備とともに有効に使用することができる。
上記課題を解決するために、本発明の電力蓄積システムは、それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールであり、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることを特徴とする。
また、本発明の蓄電モジュールの制御方法は、電力を蓄えることができる蓄電素子と前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、電力変換装置により電力の入出力が行われる複数の蓄電体を備えた電力蓄積システムにおいて前記蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることを特徴とする。
Claims (11)
- それぞれが所定の電力を蓄えることができる複数の蓄電体と、
前記蓄電体に対して電力の入出力を行う電力変換装置と、
前記電力変換装置の動作を制御する制御装置とを備えた電力蓄積システムであって、
前記蓄電体の少なくとも一部が、電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた蓄電モジュールであることを特徴とする電力蓄積システム。 - 前記蓄電モジュールが、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットに置き換えられて配置されたものであり、前記蓄電モジュールの前記入出力特性調整部は、置き換えられた前記蓄電ユニットの実稼働状態における入出力特性に、前記蓄電モジュールの入出力特性を近似させる請求項1に記載の電力蓄積システム。
- 前記蓄電体として、第1の蓄電素子により電力を蓄えることができる第1の蓄電モジュールと、前記第1の蓄電素子とは異なる特性を有する第2の蓄電素子により電力を蓄えることができる第2の蓄電モジュールとを有し、前記第2の蓄電モジュールの前記入出力特性調整部が、前記第2の蓄電モジュールの入出力特性を前記第1の蓄電モジュールの入出力特性に近似させる請求項1に記載の電力蓄積システム。
- 前記第2の蓄電モジュールが、前記第1の蓄電モジュールに置き換えられて配置されたものである請求項3に記載の電力蓄積システム。
- 前記入出力特性調整部は、前記蓄電モジュールの外部からの操作により、前記蓄電モジュールの入出力特性を変化させる請求項1〜4のいずれかに記載の電力蓄積システム。
- 電力を蓄えることができる蓄電素子と、前記蓄電素子による電力の入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備え、
電力蓄積システムにおいて、電力変換装置により電力の入出力が行われる蓄電体として用いられる蓄電モジュールの制御方法であって、
前記入出力特性調整部が、前記蓄電モジュールの入出力特性を前記電力蓄積システムに用いられる他の蓄電体の入出力特性に近似させることを特徴とする蓄電モジュールの制御方法。 - 前記蓄電モジュールが、他の蓄電体に置き換えられて前記電力蓄積システム内に配置されたものである場合に、前記蓄電モジュールの入出力特性を置き換えられた前記他の蓄電体の入出力特性に近似させる請求項6に記載の蓄電モジュールの制御方法。
- 前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、蓄電素子が組み合わされて形成された蓄電ユニットである請求項7に記載の蓄電モジュールの制御方法。
- 前記蓄電モジュールにより置き換えられた前記他の蓄電体が、前記蓄電モジュールに使用された前記蓄電素子とは異なる入出力特性を有する他の蓄電素子と、その入出力特性を制御する入出力特性調整部とを備えた、前記蓄電モジュールとは異なる蓄電モジュールである請求項7に記載の蓄電モジュールの制御方法。
- 前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールにおける端子電圧と残容量との間の関係に基づいて近似させる請求項9に記載の蓄電モジュールの制御方法。
- 前記蓄電モジュールの端子電圧を、置き換えられた前記異なる蓄電モジュールが所定の残容量を有する場合の端子電圧値を基準として、上下に所定の幅を持たせて近似させる請求項10に記載の蓄電モジュールの制御方法。
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