JPWO2013129426A1 - 研磨パッド - Google Patents

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智之 本田
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Abstract

研磨レートと面内均一性とを向上しつつ、PCRの上昇を抑え、良好な段差解消性を実現することができる研磨パッドを提供する。略格子状に形成された溝で区画され、その表面が研磨面をなす平面状の複数のタイルを有する研磨パッドであって、研磨面上で直交する二つの軸をX軸、Y軸としたとき、X軸方向のタイルの幅が2.4mm以上13.0mm未満であり、Y軸方向のタイルの幅が13.0mm以上であり、かつ、研磨面の外縁がなす面積に対する複数のタイルの総面積の割合であるタイル面積率が34%以上90%以下である。

Description

本発明は、研磨パッドに関する。より詳しくは、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等において平坦面を形成するために好ましく使用される研磨パッドに関する。
半導体デバイスが高密度化するにつれ、多層配線と、これに伴う層間絶縁膜形成や、プラグ、ダマシンなどの電極形成等の技術が重要度を増している。これに伴い、これら層間絶縁膜や電極の金属膜の平坦化プロセスの重要度は増しており、この平坦化プロセスのための効率的な技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる研磨技術が普及している。
一般にCMPを行うための装置は、被処理物である半導体ウェハーを保持する研磨ヘッド、被処理物の研磨処理を行うための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェハーの研磨処理は、スラリーを用いて、半導体ウェハーと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェハー表面の層の突出した部分を除去し、ウェハー表面の層を平坦化するものである。
CMPの研磨特性については、ウェハーの局所平坦性およびグローバル平坦性(面内均一性)の確保、スクラッチの防止、高い研磨レートの確保等に代表されるような様々な要求特性がある。そのため、これらの要求特性を満たすため、研磨特性に影響を与える因子のうち、大きなものの一つである研磨パッドの表面構成(タイル幅や溝幅)には様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1は、研磨時に発生する研磨布の研削部分とシリコンウェハーとの接触衝撃力を緩和させ、キズやスクラッチの発生を抑制するために、溝と研磨面との境界部の形状とその深さを工夫したものである。そして特許文献1では、段落0016〜0017に記載されるように、溝が多数の細かいパターンとなるようにピッチや幅が設計されている。これはいわゆるエンボス加工と推定され、パッド剛性が低下するため、接触衝撃力を和らげ、キズやスクラッチの発生を抑える効果がある。また、パッドが柔らかくなる事によって応答性が良くなり、ウェハー全面を効率よく、且つ研磨後の表面にむらが無く、均一に研磨が行えるようになると考えられる。
また、特許文献2には、溝を傾斜溝とし、その幅、深さ、ピッチおよび傾斜角度を調節することにより、半導体基板等の表面を高度でかつ安定した研磨精度と研磨効率をもって加工することが可能になることが記載されている。
特開2004−186392号公報 特開2005−118996号公報
ここで、研磨レートと、面内均一性(研磨プロファイル)とを向上させるために、研磨パッドの主面に設けられ、格子状の溝により区画され、その表面がパッドの研磨面をなす複数のタイルに対し、このタイルの幅を小さくする加工が行われてきた。しかしながら、タイルの幅を小さくする加工により、パッドカットレート(PCR;パッドの摩耗スピード)が大幅に上昇したり、被研磨物の段差解消性が悪化したりするという課題が生じていた。一方、タイルの幅を大きくする加工を行うと、パッドカットレートを抑制でき、被研磨物の段差解消性を良好にできるものの、研磨レートが低下するトレードオフが存在していた。このトレードオフをなくし、研磨特性を全て網羅することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、研磨レートと面内均一性とを向上しつつ、PCRの上昇を抑え、良好な段差解消性を実現することができる研磨パッドを提供することをその課題とする。
上記目的を達成するための検討の結果、本発明者らは、溝の格子パターンを設計することで、研磨面において溝以外の部分が占める割合(タイル面積率)とタイル形状を所定の範囲とすることが重要であることを見出した。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる研磨パッドは、略格子状に形成された溝で区画され、その表面が研磨面をなす平面状の複数のタイルを有する研磨パッドであって、前記研磨面上で直交する二つの軸をX軸、Y軸としたとき、X軸方向の前記タイルの幅が2.4mm以上13.0mm未満であり、Y軸方向の前記タイルの幅が13.0mm以上であり、かつ、前記研磨面の外縁がなす面積に対する前記複数のタイルの総面積の割合であるタイル面積率が34%以上90%以下であることを特徴とする。
本発明により、今までの技術にて課題とされていたトレードオフの現状を緩和し、高研磨レート、良好な面内均一性(研磨プロファイル)を実現しつつ、パッドカットレートを抑え、且つ、良好な段差解消性を保つことができる研磨パッドを得ることが可能となった。
図1は、本発明の実施の形態にかかる研磨パッドを模式的に示す図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかる研磨パッドにおけるタイル面積率の算出方法を説明する図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる研磨パッドの要部の構成を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態の変形例1にかかる研磨パッドの要部の構成を示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態の変形例2にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態の変形例3にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態の変形例4にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図8は、本発明の実施の形態の変形例5にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態の変形例6にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図10は、本発明の実施の形態の変形例7にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図11Aは、本発明の実施の形態の変形例8にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図11Bは、本発明の実施の形態の変形例9にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。 図11Cは、本発明の実施の形態の変形例10にかかる研磨パッドの要部の構成を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
本発明の研磨パッドは、略格子状に形成された溝で区分され、その表面が研磨面をなす平面状の複数のタイルを有する研磨パッドであって、研磨面を上で直交する二つの軸をX軸、Y軸としたとき、X軸方向のタイル幅が2.4mm以上13.0mm未満であり、Y軸方向のタイル幅が13.0mm以上、かつ、研磨面の外縁がなす面積に対する複数のタイルの総面積の割合であるタイル面積率が34%以上90%以下である研磨パッドである。X軸方向のタイル幅は5.5mm以上がより好ましく、7.5mm以上が更に好ましい。Y軸方向のタイル幅は40mm未満がより好ましく、30mm以下が更に好ましい。また、上記記載のX軸とY軸はタイル毎に独立するものとし、各タイルの加工方向や形状は問わない。
ここで、タイル面積率が34%を下回ると、溝の比率が多くなりすぎ、ピッチが小さくなってしまうため、PCRが大幅に加速する懸念や、スラリーが入り込みすぎてハイドロプレイン現象が起こり、研磨レートが下がる懸念がある。また、90%を上回ってしまうと、スラリーがパッド全体へ供給ができなくなり、研磨レートの低下や面内均一性が悪化する。スラリーの供給と排出が悪化することから、ディフェクトなども増量する傾向となる。
本発明は、タイル面積率やタイル幅を所定の範囲とすることで、上記課題を一挙に解決できたものであり、特に驚くべきことに、格子状のタイル幅のうち一方(Y軸方向)が大きくても、研磨レート変動を大幅に抑制することができたものである。なお、タイル幅およびタイル面積率が上記範囲であるとき、タイルの形状は長方形となる。
ここで、「タイル面積率」とは研磨面において溝以外の部分が占める研磨面の面積をいう。また、以下の説明では前記格子状の溝で区画された領域のことを「タイル」と呼ぶことがある。
図1は、本発明の実施の形態にかかる研磨パッドを模式的に示す図である。図1に示す研磨パッド1は、主面の外縁形状が略円の板状をなす本体部10からなる。また、研磨パッド1には、本体部10の研磨面側となる一方の主面に格子状の溝2が設けられている。本体部10の主面には、格子状の溝2によって主面が区画されてなる各区画面である複数のタイルTが形成されている。この平面状をなす複数のタイルが、研磨面をなす。Tまた、本明細書における「タイル幅」とは、溝2で区画されて形成されたタイルの幅であり、格子状の溝の場合、タイルTは矩形をなし、このタイルの一辺の長さを意味する。なお、図中のX軸およびY軸は、研磨パッド1の主面を平面とし、この平面上で直交する軸をさす。
タイル幅、溝幅、ピッチの関係を図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態にかかる研磨パッドにおけるタイル面積率の算出方法を説明する図である。X方向のタイルTの幅Wtxが20mm、Y方向のタイルTの幅Wtyが20mm、溝2の溝幅Wgx,Wgyが3mmである場合、タイルTの一端から次のタイルTの一端までのピッチ幅Px,Pyは、タイルTの幅(WtxまたはWty)に溝幅(WgxまたはWgy)を足した値(Wtx+WgxまたはWty+Wgy)であり、23mmとなる。
タイルTは研磨パッド1の主面上に均一に存在する必要はなく、研磨パッド1の主面上で被研磨物が接触する部分(研磨有効部分)に存在すれば良く、それ以外の研磨ヘッドのリテーナーリングのみが接触する部分には存在しなくても良い。研磨有効部分の割合は、研磨機や被研磨物の面積によって異なるが、一般的にパッド面積に対して60%〜95%である。
例えば、アプライドマテリアルズ社製の300mmウェハー用研磨装置(Reflexion 3 Zone Profiler Head)の場合、研磨パッド1(本体部10)の主面の外縁形状は直径775mmφ(面積4714.9cm)であるのに対し、研磨パッド1を貼り付ける定盤(プラテン)の直径は762mmφ(面積4558.1cm)とやや小さく、更に研磨ヘッドのリテーナーリングの直径が24mmφとなっている。研磨ヘッドが定盤の中心に接する位置から定盤周縁部に接する位置にわたって揺動するので、例えばパッド中心から24mmと357mmを通る2本の同心円で囲まれたドーナツ状部の面積である場合、ウェハーが接触する研磨有効部分の面積は、(357×357−24×24)×3.14=3983.8(cm)となる。パッド面積に対する割合は、3983.8/4714.9=84.5(%)となる。
また、タイルTの効果を有効に発現するためには、研磨有効部分にある全てのタイルTの面積に対し、タイルTの面積の割合は70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
ここで、溝2の形状について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態にかかる研磨パッドの要部の構成を模式的に示す断面図である。図3に示すように、溝2は、本体部10の研磨面となる側の主面11に連なり、本体部10の主面11とによってなす傾斜角度が角度θである二つの傾斜面21と、二つの傾斜面21の主面11と連なる側と異なる側の端部に連なり、主面11と平行(X方向と平行)な平面をなす底部22と、を有する。これにより、溝2は、図3におけるXY平面と平行な平面を切断面とする断面が、開口に向かって拡径する略Y形状をなしている。
格子状の溝2に単位ユニット(例えば図2において領域R1に形成されるパターン)が存在する場合、研磨面(主面11)の外縁がなす面積に対する全てのタイルTの総面積の割合であるタイル面積率は、略近似的に単位格子ユニットにおけるタイル面積の割合として算出することができる。又、上記タイルTの幅とは、単純にピッチ幅から溝幅を引いた値とする。
図2を参照して、タイルTの幅とのタイル面積を計算する。上述したように、格子状の溝2がX軸方向にピッチ幅Px、溝幅Wgxで設けられ、Y軸方向にピッチ幅Py、溝幅Wgyで設けられている場合、X軸方向のタイルTの幅Wtxは、Wtx=Px−Wgx、Y軸方向のタイルTの幅Wtyは、Wty=Py−Wgyとなる。このとき、タイル面積率は、(Wtx×Wty)/(Px×Py)として算出される。
また、単位ユニット(領域R1)内にタイルは一つとは限らず、異なる大きさのタイルが複数存在する場合もある。図4は、本実施の形態の変形例1にかかる研磨パッドの要部の構成を示す模式図である。図4に示す単位ユニット(領域R2に形成されるパターン)は、研磨パッド1の本体部10の主面に形成され、X軸方向に延びる溝201,202と、Y軸方向に延びる溝211,212とによって形成されるタイルT1〜T4からなる。前記算出方法と同様に、単位ユニット内に4個のタイルT1〜T4が存在する場合、X軸方向のタイルT1,T3の幅をWtx、X軸方向のタイルT2,T4の幅をWtx、Y軸方向のタイルT1,T2の幅をWty、Y軸方向のタイルT3,T4の幅をWty、溝201の溝幅をWgx、溝202の溝幅をWgx、溝211の溝幅をWgy、溝212の溝幅をWgy、タイルT1にかかるX軸方向のピッチ幅をPx、タイルT2にかかるX軸方向のピッチ幅をPx、タイルT1にかかるY軸方向のピッチ幅をPy、タイルT3にかかるY軸方向のピッチ幅をPyとしたとき、((Wtx+Wtx)×(Wty+Wty))/((Px+Px)×(Py+Py))として算出される。
この算出方法から分かるように、タイル面積率は溝幅Wgx,Wgyおよびピッチ幅Px,Pyとの関わりが大きい。ピッチ幅が大きいほど、あるいは溝幅が狭いほど、タイル面積率は大きくなる。ピッチ幅が大きすぎるか、あるいは溝幅が狭すぎることにより、タイル面積率が90%を超える場合には、スラリーをパッド全面に均一供給することが困難となる。そのため、ウェハーと研磨パッドの間にスラリー不足となる部分が発生し、スクラッチやディフェクトの増加と面内分布研磨プロファイルの悪化の問題が発生する。また研磨が進むにつれて研磨レート変動が発生する。逆に、ピッチ幅が小さすぎるか、あるいは溝幅が広すぎることにより、タイル面積率が34%未満となる場合には、半導体ウェハーと研磨パッド1との接触面積(接触するのは研磨パッド1のタイルの表面部分)が極端に小さくなり、接触部分の押し圧力が大きくなるため、結果として研磨パッド1のパッド研削速度が増大し、PCRが大幅に上昇する。また、同時に半導体ウェハーと研磨パッド1との接触面積も小さくなって押し圧力が大きくなると、段差解消性の悪化を引き起こす。
従って、好ましいタイル面積率範囲は34%以上90%以下である。より好ましいタイル面積率範囲は、下限としては45%以上、さらに好ましくは60%以上であり、上限としては80%以下、さらに好ましくは70%以下である。
ピッチ幅は、タイルの幅やタイル面積率を満たす溝仕様においては特に限定されるものではないが、X軸方向の溝ピッチは7mm以上13mm以下、Y軸方向の溝ピッチは20mm以上が好ましく用いられる。より好ましくは、Y軸方向の溝ピッチが40mm以下である。
溝幅は、タイルの幅やタイル面積率を満たす溝仕様においては特に限定されるものではないが、スラリーの供給や排出の観点から、0.1mm以上5mm以下が好ましく用いられ、0.5mm以上4mm以下がより好ましく用いられる。
溝は研磨面に対し一定の傾斜を有することが好ましい。つまり、研磨面と、溝の研磨面と連続する側面とのなす角度θ(以下「傾斜角度」という場合がある。)の少なくとも片方が90度より大きいことにより、高い研磨レートを保ちながら研磨レートの変動を抑制できる。溝が傾斜を有することにより、ウェハーと研磨パッドの間で吸引力が働き、またスラリー流れが改善し、スラリーが効率的にタイル上に運ばれることから、研磨レートが上昇すると考えられる。また、吸引力が働くことでウェハー面内に均一に研磨パッドが接触する効果も伴い、ウェハーの研磨レートに高い面内均一性を与えると考えられる。
角度θは、大きすぎると研磨パッドの表面積が低減し、また、溝の断面積が大きくなりすぎるため、スラリーが排出過多となり、研磨レートの低下を招く。一方、溝の断面積が小さすぎると吸引効果やスラリー流れ改善が発現しないため、角度θは、105度以上150度以下であることが好ましく、スラリーの保持性と流動性の観点から下限としては115度以上がより好ましく、120度以上がさらに好ましい。また、上限としては140度以下がより好ましい。遠心力によりスラリーが流動することから、溝を形成している向かい合う側面のうち、少なくとも円周側にある側面に傾斜があるほうがより効果的である。
溝の片方の傾斜角度が前記範囲であるとき、もう片方の傾斜角度に特に制限はないが、同様に90度より大きいことが好ましく、105度以上、150度以下であることがより好ましい。このとき、下限としては115度以上がより好ましい。また、上限としては140度以下がより好ましく、135度以下がさらに好ましく、130度以下が特に好ましい。両方の傾斜角度が略同一であることはより好ましい溝形状の一態様である。ただし必ずしも略同一である必要はない。
また、研磨層表面から見た溝の形状としては、格子状溝が好ましく溝底の形状は特に限定されるものではなく、溝の断面形状がV字、U字、台形、Y字などであってもよい。
以上のような本発明における溝の具体的な形状について、図面により説明する。図5乃至図10は研磨パッド1の本体部10に設けられた溝形成部分を拡大した断面図である。図5に示す溝2aは、本体部10aの研磨面(主面11)と連続する二つの傾斜面23を有する。この傾斜面23は、一端で主面11に連なるとともに、他端で互いに連結し、図3に示すXY平面と平行な平面を切断面とする断面が、V字形状をなしている。主面11と傾斜面23とがなす角度θは、その少なくとも片方が105度以上、150度以下であることが好ましい。
また、図5に示す変形例2にかかる溝2aでは両側の傾斜角度θは略同一であり、より好ましい形態であるが、これに限られるわけではない。例えば図6に示す変形例3にかかる溝2bでは、本体部10bの研磨面(主面11)に連なる二つの傾斜面24,25がそれぞれ主面11となす傾斜角度(角度θ,θ)は異なっており、いずれの形態であってもよい。また、図7に示す変形例4にかかる溝2cのように、本体部10cの研磨面(主面11)と連続する側の端部が弧状(R形状)をなす二つの傾斜面23aを有する場合は、主面11および傾斜面23aをそれぞれを通過する平面が交差する点における交差角を傾斜角度(ここでは角度θ)とする。
また、図8に示す変形例5にかかる溝2dは、本体部10dの研磨面(主面11)と連続する二つの傾斜面23bを有する。この傾斜面23bは、一端で主面11に連なるとともに、他端で弧状をなして互いに連結し、図3に示すXY平面と平行な平面を切断面とする断面が、略V字形状をなしている。
また、図9に示す変形例6にかかる溝2eは、本体部10eの研磨面(主面11)と連続する二つの傾斜面23と、傾斜面23の主面11と連結する側と異なる側の端部に連なり、主面11と平行な平面をなす底部26と、を有する。溝2eは、図3に示すXY平面と平行な平面を切断面とする断面が、略U字形状をなしている。
また、図10に示す変形例7にかかる溝2fは、本体部10fの研磨面(主面11)と連続するとともに、主面11と直交して延びる平面をなす二つの側面27と、側面27の主面11と連結する側と異なる側の端部に連なり、主面11と平行な平面をなす底部28と、を有する。溝2fは、図3に示すXY平面と平行な平面を切断面とする断面が、略U字形状をなしている。
なお、溝が傾斜面を有する場合のピッチ幅や溝幅は、研磨面(主面11)におけるピッチ幅や溝幅であるものとする。例えば、溝幅は図2,4に示される通りである。
ここで、図4に示す単位ユニット(領域R2に形成されるパターン)以外にも、図11A〜11Cに示す変形例8〜10の単位ユニットが挙げられる。図11Aに示す単位ユニット(領域R3に形成されるパターン)のように、上述した本体部10の主面11の一端から他端まで延びない略格子状の溝の形成により、単位ユニットの内部に部分的に複数のタイルが形成されるものであってもよい。また、図11Bに示す単位ユニット(領域R4に形成されるパターン)のように、溝の形成間隔が異なるものであってもよいし、図11Cに示す単位ユニット(領域R5に形成されるパターン)のように、溝幅が、X軸方向とY軸方向とで異なるものであってもよい。
本発明において、研磨パッド1の本体部10は、少なくとも研磨層とクッション層を有することが好ましい。例えば、クッション層が発泡体ではなく、エラストマーであることで、パッド本体の硬度を高め、一般的な発泡体クッションにて発生する段差解消性の悪化を抑制できる。
また、研磨層(主面11)の吸水等による歪みを緩衝できないため、被研磨材の研磨レートや面内均一性が不安定に変動する。クッション層の歪定数は、7.3×10−6μm/Pa以上、4.4×10−4μm/Pa以下の範囲が好ましい。被研磨材の研磨レート変動および局所平坦性の観点から3.0×10−4μm/Pa以下が好ましく、1.5×10−4μm/Pa以下がより好ましい。研磨レート変動が大きい場合、非研磨材の研磨量が変動して不安定な平坦性となることから、研磨レート変動は、40.0nm/分以下が好ましく、20.0nm/分以下がより好ましい。
なお、本発明における歪定数は、先端が直径5mm圧子を用いて、ダイヤルゲージで27kPaの圧力を60秒間加えたときの厚みをT1(μm)とし、続いて177kPaでの圧力を60秒間加えたときの厚みをT2(μm)として、以下の式に従って算出する値である。
歪定数(μm/Pa)=(T1−T2)/(177−27)/1000
この様なクッション層としては、天然ゴム、ニトリルゴム、“ネオプレン(登録商標)”ゴム、ポリブタジエンゴム、熱硬化ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの無発泡のエラストマーを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
クッション層の厚みは、0.1mm〜2mmの範囲が好ましい。半導体基板全面の面内均一性の観点からは、0.3mm以上が好ましい。また、局所平坦性の観点からは2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。
研磨パッドを構成する研磨層としては、独立気泡を有する構造のものが、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等において平坦面を形成するので好ましい。また、研磨層の硬度は、アスカーD硬度計にて、45度〜65度であることが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
特に限定されないが、かかる構造体を形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、“ネオプレン(登録商標)”ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらを主成分とした樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。このような樹脂においても、独立気泡径が比較的容易にコントロールできる点でポリウレタンを主成分とする素材がより好ましい。
ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応により合成される高分子である。ポリイソシアネートの対称として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらを2種以上用いてもよい。
ポリヒドロキシ基含有化合物としてはポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。硬度、気泡径および発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオール、および触媒、発泡剤、整泡剤の組み合わせや最適量を決めることが好ましい。
これらのポリウレタン中への独立気泡の形成方法としては、ポリウレタン製造時における樹脂中への各種発泡剤の配合による化学発泡法が一般的であるが、機械的な撹拌により樹脂を発泡させたのち硬化させる方法も好ましく使用することができる。
独立気泡の平均気泡径は、スクラッチを低減する観点から30μm以上が好ましい。一方、被研磨材の局所的凹凸の平坦性の観点から150μm以下が好ましく、140μm以下がより好ましく、130μm以下がより好ましい。なお、平均気泡径は、サンプル断面をキーエンス製VK−8500の超深度顕微鏡にて倍率400倍で観察したときに一視野内に観察される気泡のうち、視野端部に欠損した円状に観察される気泡を除く円状気泡を画像処理装置にて断面面積から円相当径を測定し、数平均値を算出することにより求められる。
本発明における研磨パッドの一実施態様として好ましいものは、ビニル化合物の重合体およびポリウレタンを含有し、独立気泡を有するパッドである。ビニル化合物からの重合体だけでは靭性と硬度を高めることはできるが、独立気泡を有する均質な研磨パッドを得ることが困難であり、またポリウレタンは、硬度を高くすると脆くなる。ポリウレタン中にビニル化合物を含浸させることにより、独立気泡を含み、靭性と硬度の高い研磨パッドとすることができる。
ビニル化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上述したビニル化合物の中で、CH=CRCOOR(R:メチル基またはエチル基、R:メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)が好ましい。中でもメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートは、ポリウレタンへの独立気泡の形成が容易な点、モノマーの含浸性が良好な点、重合硬化が容易な点、重合硬化されたビニル化合物の重合体とポリウレタンを含有している発泡構造体の硬度が高く平坦化特性が良好な点で好ましい。
これらのビニル化合物の重合体を得るために好ましく用いられる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類との組合せを使用することもできる。
ビニル化合物のポリウレタン中への含浸方法としては、ビニル化合物が入った容器中にポリウレタンを浸漬する方法が挙げられる。なお、その際、含浸速度を速める目的で、加熱、加圧、減圧、撹拌、振盪、超音波振動等の処理を施すことも好ましい。
ビニル化合物のポリウレタン中への含浸量は、使用するビニル化合物およびポリウレタンの種類や、製造される研磨パッドの特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えば、重合硬化した発泡構造体中のビニル化合物から得られる重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で30/70〜80/20であることが好ましい。ビニル化合物から得られる重合体の含有比率が重量比で30/70以上であれば、研磨パッドの硬度を十分高くすることができる。また、含有比率が80/20以下であれば、研磨層の弾力性を十分高くすることができる。
なお、ポリウレタン中の重合硬化したビニル化合物から得られる重合体およびポリウレタンの含有率は、熱分解ガスクロマトグラフィ/質量分析手法により測定することができる。本手法で使用できる装置としては、熱分解装置としてダブルショットパイロライザー“PY−2010D”(フロンティア・ラボ社製)を、ガスクロマトグラフ・質量分析装置として、“TRIO−1”(VG社製)を挙げることができる。
本発明において、半導体基板の局所的凹凸の平坦性の観点から、ビニル化合物から得られる重合体の相とポリウレタンの相とが分離されずに含有されていることが好ましい。定量的に表現すると、研磨パッドをスポットの大きさが50μmの顕微赤外分光装置で観察した赤外スペクトルがビニル化合物から重合される重合体の赤外吸収ピークとポリウレタンの赤外吸収ピークとを有しており、色々な箇所の赤外スペクトルがほぼ同一であることである。ここで使用される顕微赤外分光装置として、SPECTRA−TECH社製のIRμsを挙げることができる。
研磨パッドは、特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤を含有してもよい。
本発明において、研磨層の密度は、局所的な平坦性不良やグローバル段差を低減する観点から、0.3g/cm以上が好ましく、0.6g/cm以上がより好ましく、0.65g/cm以上がより好ましい。一方、スクラッチを低減する観点から、1.1g/cm以下が好ましく、0.9g/cm以下がより好ましく、0.85g/cm以下がより好ましい。なお、本発明における研磨層の密度は、ハーバード型ピクノメーター(JIS R−3503基準)を用い、水を媒体に測定した値である。
本発明において研磨される被研磨材としては、例えば半導体ウェハーの上に形成された絶縁層または金属配線の表面が挙げられる。絶縁層としては、金属配線の層間絶縁膜や金属配線の下層絶縁膜や素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーションを挙げることができる。金属配線としては、アルミニウム、タングステン、銅、およびそれらの合金等を挙げることができ、構造的にはダマシン、デュアルダマシン、プラグなどがある。銅を金属配線とした場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。絶縁膜は、現在酸化シリコンが主流であるが、低誘電率絶縁膜も用いられる。半導体ウェハー以外に磁気ヘッド、ハードディスク、サファイヤ、SiC、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の研磨に用いることもできる。
上述した実施の形態によれば、研磨面上で直交する二つの軸をX軸、Y軸としたとき、X軸方向のタイル幅が2.4mm以上13mm未満であり、Y軸方向のタイル幅が13mm以上であり、かつ、研磨面の外縁がなす面積に対するタイルの面積の割合であるタイル面積率が34%以上90%以下であるようにしたので、研磨レートと面内均一性とを向上しつつ、PCRの上昇を抑え、良好な段差解消性を実現することができる。
また、上述した実施の形態によれば、研磨レートや面内均一性の不安定性の原因となるタイル端の局所的吸水膨潤変形を抑制し、パッドカットレートや段差解性の悪化の原因となるタイル面積率の低下を抑制することで、トレードオフ関係の両者を両立し解決するものである。
本発明の研磨方法は、ガラス、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等に平坦面を形成するために好適に使用される。
以下、実施例によって、さらに本発明の詳細を説明する。しかし、本実施例により本発明が限定して解釈される訳ではない。なお、測定は以下のとおりに行った。
(気泡径測定)
平均気泡径はサンプル断面をキーエンス(株)製VK−8500の超深度顕微鏡にて倍率400倍で観察したときに一視野内に観察される気泡のうち、視野端部に欠損した円状に観察される気泡を除く円状気泡を画像処理装置にて断面面積から円相当径を測定し、算出した数平均値を平均気泡径とした。
(硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン樹脂を2cm
×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±
2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚
み6mm以上とした。硬度計(高分子計器(株)製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(傾斜角度測定)
研磨層表面に溝を形成したパッドを、剃刀刃が溝方向に対して垂直となるように配置して溝深さ方向にスライスし、溝の断面をキーエンス(株)製VK−8500の超深度顕微鏡にて観察して、研磨面と前記溝の研磨面と連続する側面の成す角度を測定した。パッドの中心から50mm、250mm、450mmの位置から最も近い溝を測定し、この3点の平均を傾斜角度とした。
(歪定数算出)
先端が直径5mm圧子を用いて、ダイヤルゲージで27kPaの圧力を60秒間加えたときの厚みを(Th1)μmとし、続いて177kPaでの圧力を60秒間加えたときの厚みを(Th2)μmとして、歪定数は以下の式に従って算出した。
歪定数(μm/Pa)=(Th1−Th2)/(177−27)/1000
(平均研磨レートの算出方法)
アプライドマテリアルズ(株)製の300mmウェハー用研磨装置(Reflexion 3 Zone Profiler Head)を用いて、所定の研磨条件で研磨を行った。研磨特性は、300mmウェハーの両最外周1mmまで、直径方向に測定した。ウェハー中心部を0mm地点として、±方向へ5mm、25mm、45mm、65mm、85mm、105mm、125mm、130mm、135mm、140mmの21点、±141mm〜145mmは1mm間隔で10点、±145.5mm〜149mmまで0.5mm間隔で16点、合計47点の測定を行う。2mmエクスクルージョンの場合は、149mmを省き、以下記載の方式で面内均一性を算出し、10mmエクスクルージョンの場合は±141mm〜149mmの値を省き面内均一性を算出する。中心から半径140mm以内の面内を5mm毎に37点、中心から半径141mm以上の面内を1mm毎に18点を測定して平均研磨レート(nm/分)を算出した。
(研磨レートの面内均一性の算出方法)
200枚目に研磨したウェハーを上述した平均研磨レートの算出方法と同様に研磨特性を測定し、以下の式に従って算出した。
研磨レートの面内均一性(%)={(面内の最大研磨レート)−(面内の最小研磨レート)}/(平均研磨レート)×100。
(レート変動の算出方法)
以下の式に従って算出した。
初期レート変動=(パッドを立ち上げてから、1枚目に研磨したウェハーの平均研磨レート)−(25枚目に研磨したウェハーの平均研磨レート)
中期レート変動=(25枚目に研磨したウェハーの平均研磨レート)−(200枚目に研磨したウェハーの平均研磨レート)。
(PCR測定)
株式会社ミツトヨのデプスゲージを用いて、平坦な場所にてデプスゲージのゼロ点を決めたパッドのエッジ部から中心部に達するまでの全ての溝の深さをデプスゲージで測定した。測定は各溝について2回行い、その平均深さを算出した。各実施例および比較例において200枚連続研磨後に再度同じように平均深さを算出し研磨前の平均深さとの差を時間で割り返し、PCRを算出した。
<実施例1>
ポリプロピレングリコール30重量部と、ジフェニルメタンジイソシアネート40重量部と、水0.5重量部と、トリエチルアミン0.3重量部と、シリコーン整泡剤1.7重量部と、オクチル酸スズ0.09重量部とをRIM成型機で混合して、金型に吐出して加圧成型を行い、独立気泡の発泡ポリウレタンシートを作製した。
前記発泡ポリウレタンシートを、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を添加したメチルメタクリレートに60分間浸漬した。次に浸漬後の発泡ポリウレタンシートを、ポリビニルアルコール“CP”(重合度:約500、ナカライテスク(株)製)15重量部、エチルアルコール(試薬特級、片山化学(株)製)35重量部および水50重量部からなる溶液中に浸漬した後、乾燥させることにより、前記発泡ポリウレタンシート表層をポリビニルアルコールで被覆した。
次に表面がポリビニルアルコールによって被覆された発泡ポリウレタンシートを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、65℃で6時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。ガラス板間から離型し水洗した後、50℃で真空乾燥を行った。このようにして得られた硬質発泡シートを厚み2mmにスライス加工することにより研磨層を作製した。研磨層中のメチルメタクリレート含有率は66重量%であった。また研磨層のD硬度は54度、密度は0.81g/cm、独立気泡の平均気泡径は45μmであった。得られた硬質発泡シートを両面研削して、厚みが2.00mmの研磨層を作製した。
上記方法により得られた研磨層に、クッション層として歪定数0.15×10−4μm/Paの日本マタイ(株)製の熱可塑性ポリウレタン(クッション層厚み:0.3μm)を、ロールコーターを用いて三井化学ポリウレタン(株)製MA−6203接着層を介して積層し、さらに裏面に裏面テープとして積水化学工業(株)両面テープ5604TDMを貼り合わせた。この積層体を775mmの直径の円に打ち抜いて、研磨層表面にXピッチ(例えば、図2のPx)が10.0mm、Yピッチ(例えば、図2のPy)が30.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅(例えば、図2のWgx,Wgy)が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅(例えば図2のWtx)は7.0mm、Yピッチにおけるタイル幅(例えば図2のWty)は27.0mmであった。ここで、溝には傾斜が加工されていて(例えば図5参照)、その角度θが135度、断面形状がV字の溝を格子状に研磨層全面に施した。タイル面積率は63%であった。得られた形状および特性について、表1に示す。
Figure 2013129426
研磨工程では、まず、得られた研磨パッドを、アプライドマテリアルズ(株)製ウェハー用研磨装置(Reflexion 3 Zone Profiler Head)の定盤に貼り付けた。その後、12インチのシリコン基板上に酸化膜を形成したウェハー(酸化膜ウェハー)を研磨ヘッドに取り付け、リテーナーリング圧力=77kPa(11psi)、Z1圧力=49kPa(4psi)、Z2圧力=28kPa(4psi)、Z3圧力=28kPa(4psi)、プラテン回転数=60rpm、研磨ヘッド回転数=61rpm、スラリー(キャボット社製、SS−4500、1:1)を300mL/分の流量で流し、Seasol製ドレッサーで荷重17.8N(4lbf)、研磨時間1分、インサイチュードレッシングをして200枚を研磨した。200枚目に研磨した酸化膜ウェハーの研磨レートを2mmエクスクルージョンで算出した(全面の膜厚測定後、ウェハエッジ2mmを省くウェハーの研磨レートや面内分布を算出)。その結果、研磨レートは299nm/分で、面内均一性は22.8%であった。初期レート変動率は−1.9%と良好な値であり、中期レート変動率は−3.1%と全体的に変動が無い事が明確となった。PCRは0.60μm/分となった。
<実施例2>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが10.0mm、Yピッチが20.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は7.0mm、Yピッチにおけるタイル幅は17.0mmであった。ここで、溝の断面形状は、角度θが135度のV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に形成した。このときのタイル面積率が60%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例2の研磨パッドにおいて、研磨レートは286nm/分で、研磨レートの面内均一性は24.3%、初期レート変動率は−2.3%と良好な値であり、中期レート変動率は3%と全体的に変動が無い事が明確となった。PCRは0.66μm/分であった。
<実施例3>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが11.5mm、Yピッチが23.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が2.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は9.5mm、Yピッチにおけるタイル幅は21.0mmであった。ここで、溝は垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した(図10参照)。このときのタイル面積率が75%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例3の研磨パッドにおいて、研磨レートは269nm/分で、研磨レートの面内均一性は36.8%となり、又、初期レート変動率は7.7%、中期レート変動率は10.0%となり、PCRは0.56μm/分であった。
<実施例4>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが20.0mm、Yピッチが23.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が2.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は18.0mm、Yピッチにおけるタイル幅は21.0mmであった。ここで、溝は垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した(図10参照)。このときのタイル面積率が82%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例4の研磨パッドにおいて、研磨レートは275nm/分で、研磨レートの面内均一性は26.8%となり、又、初期レート変動率は9.4%、中期レート変動率は12.5%となり、PCRは0.52μm/分であった。
<実施例5>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが11.5mm、Yピッチが23.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は8.5mm、Yピッチにおけるタイル幅は20.0mmであった。ここで、溝の断面形状は、角度θが135度のV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に形成した。このときのタイル面積率が64%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例5の研磨パッドにおいて、研磨レートは327nm/分で、研磨レートの面内均一性は11.7%となり、又、初期レート変動率は7.6%、中期レート変動率は5.2%となり、PCRは0.59μm/分であった。
<実施例6>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが20.0mm、Yピッチが23.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は17.0mm、Yピッチにおけるタイル幅は20.0mmであった。ここで、溝の断面形状は、角度θが135度のV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に形成した。このときのタイル面積率が74%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例6の研磨パッドにおいて、研磨レートは335nm/分で、研磨レートの面内均一性は17.4%となり、又、初期レート変動率は3.8%、中期レート変動率は11.5%となり、PCRは0.52μm/分となった。
<実施例7>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが11.5mm、Yピッチが15.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は8.5mm、Yピッチにおけるタイル幅は12.0mmであった。ここで、溝の断面形状は、角度θが135度のV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に形成した。このときのタイル面積率が59%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例7の研磨パッドにおいて、研磨レートは333nm/分で、研磨レートの面内均一性は27.2%となり、又、初期レート変動率は6.1%、中期レート変動率は3.5%となり、PCRは0.66μm/分であった。
<実施例8>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが20.0mm、Yピッチが15.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は17.0mm、Yピッチにおけるタイル幅は12.0mmであった。ここで、溝の断面形状は、角度θが135度のV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に形成した。このときのタイル面積率が68%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。実施例8の研磨パッドにおいて、研磨レートは327nm/分で、研磨レートの面内均一性は10.8%となり、又、初期レート変動率は6.0%、中期レート変動率は7.2%となり、PCRは0.58μm/分であった。
<比較例1>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に15.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は12.0mmであった。ここで、溝は傾斜面を有し、研磨面と傾斜面とのなす角度が135度、断面形状がV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に施した。このときのタイル面積率が64%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例1の研磨パッドにおいて、研磨レートは295nm/分で、面内均一性は29.4%となり、又、初期レート変動率は3.9%、中期レート変動率は−6.7%となり、PCRは0.69μm/分となった。実施例1と比較すると、両パッド共にほぼ同じタイル面積率であることにも関わらず、比較例1のパッドでは、面内均一性、レート安定性、PCRにて特性が悪化した。
<比較例2>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に11.5mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は8.5mmであった。ここで、溝は傾斜面を有し、研磨面と傾斜面とのなす角度が135度、断面形状がV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に施した。このときのタイル面積率が55%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例2の研磨パッドにおいて、研磨レートは301nm/分で、研磨レートの面内均一性は26.4%となり、又、初期レート変動率は1.7%、中期レート変動率は−3.7%となり、PCRは0.71μm/分となった。比較例1と比較すると、タイル面積率が低くなったことにより、レート変動率は良好であったが、PCRは悪化した。又、研磨レートと面内均一性は改善されたが、実施例1より劣っていた。
<比較例3>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に20mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が3.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は17.0mmであった。ここで、溝は傾斜面を有し、研磨面と傾斜面とのなす角度が135度、断面形状がV字状をなすものを採用し、この溝を格子状に研磨層全面に施した。このときのタイル面積率が72%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例3の研磨パッドにおいて、研磨レートは280nm/分で、研磨レートの面内均一性は31.3%となり、又、初期レート変動率は4.2%、中期レート変動率は−7.1%となり、PCRは0.62μm/分となった。比較例1と比較すると、タイル面積率が大きくなったことにより、PCRは良好になったが、レート安定性や研磨レートおよび面内均一性が、更に悪化した。
<比較例4>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に15.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が1.5mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は13.5mmであった。ここで、溝は傾斜が加工されない垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した。このときのタイル面積率が81%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例4の研磨パッドにおいて、研磨レートは265nm/分で、研磨レートの面内均一性は43.8%となり、又、初期レート変動率は14.6%、中期レート変動率は−11.8%となり、PCRは0.39μm/分となった。比較例1〜3と比較すると、傾斜溝の加工がされていない分、PCRは良好となったが、研磨レート、面内均一性およびレート安定性は悪化した。
<比較例5>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に10.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が1.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は9.0mmであった。ここで、溝は傾斜が加工されない垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した。このときのタイル面積率が81%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例5の研磨パッドにおいて、研磨レートは262nm/分で、研磨レートの面内均一性は19.8%となり、又、初期レート変動率は10.2%、中期レート変動率は−7.7%となり、PCRは0.45μm/分となった。比較例4と比較すると、タイル面積率は同じだが、タイル幅が小さくなった分、研磨レート、面内均一性およびレート安定性は良好だったが、PCRは悪化した。
<比較例6>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ、Yピッチ共に20.0mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が1.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチおよびYピッチにおけるタイル幅は19.0mmであった。ここで、溝は傾斜が加工されない垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した。このときのタイル面積率が90%である正方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例6の研磨パッドにおいて、研磨レートは248nm/分で、研磨レートの面内均一性は40.2%となり、又、初期レート変動率は18.2%、中期レート変動率は−17.0%となり、PCRは0.33μm/分となった。比較例4と比較すると、タイル面積率が大きくなったことにより、PCRは改善したが、研磨レート、面内均一性およびレート安定性は大きく悪化した。
<比較例7>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチが8.0mm、Yピッチが20.0mm、Xピッチにおける溝幅が3.0mm、Yピッチにおける溝幅が10.0mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は5.0mm、Yピッチにおけるタイル幅は10.0mmであった。ここで、溝は垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した。このときのタイル面積率が31%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例7の研磨パッドにおいて、研磨レートは350nm/分で、研磨レートの面内均一性は35.3%となり、又、初期レート変動率は7.3%、中期レート変動率は15.3%となり、PCRは0.73μm/分となった。比較例2と比較すると、タイル面積率が下がったことで、研磨レートは良好であったが、面内均一性とレート安定性は悪化した。タイル面積率が低いが、垂直溝であった為、PCRは同等であった。
<比較例8>
溝形成前の工程までは実施例1と同様にして得られた研磨層表面にXピッチ12.0、Yピッチ50mm、X軸方向およびY軸方向の溝幅が0.7mmである格子状の溝を形成し、研磨パッドを作製した。また、このときのXピッチにおけるタイル幅は11.3mm、Yピッチにおけるタイル幅は49.3mmであった。ここで、溝は垂直溝(研磨面と溝側面とのなす角度が90度)を採用した。このときのタイル面積率が93%である長方形ピッチの研磨パッドにて、実施例1と同じ環境、研磨レシピで研磨を行った。得られた形状および特性について、表1に示す。比較例8の研磨パッドにおいて、研磨レートは239nm/分で、研磨レートの面内均一性は45.0%となり、又、初期レート変動率19.3%、中期レート変動率19.6%となり、PCRは0.29μm/分となった。比較例6と比較すると、タイル面積率が更に高くなったため、研磨レート、面内均一性とレート安定性は悪化した。一方で、タイル面積率が高いためPCRは良好であった。
以上のように、本発明にかかる研磨パッドは、研磨レートと面内均一性とを向上しつつ、PCRの上昇を抑え、良好な段差解消性を実現するのに有用である。
1 研磨パッド
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f 溝
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f 本体部
11 主面
21,23,23a,23b,24,25 傾斜面
22,26 底部
27 側面

Claims (4)

  1. 略格子状に形成された溝で区画され、その表面が研磨面をなす平面状の複数のタイルを有する研磨パッドであって、
    前記研磨面上で直交する二つの軸をX軸、Y軸としたとき、
    X軸方向の前記タイルの幅が2.4mm以上13.0mm未満であり、Y軸方向の前記タイルの幅が13.0mm以上であり、かつ、前記研磨面の外縁がなす面積に対する前記複数のタイルの総面積の割合であるタイル面積率が34%以上90%以下であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記Y軸方向の前記タイルの幅が40.0mm未満であることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨面と、前記溝の側面であって、前記研磨面に連続する二つの側面とがそれぞれなす角度のうち、少なくとも一方の角度が90度より大きいことを特徴とする請求項1または2記載の研磨パッド。
  4. 前記一方の角度が105度以上150度以下であることを特徴とする請求項3記載の研磨パッド。
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