以下、本発明の実施の形態を説明する。
《発明の適用アプリケーションの概略説明》
以下に説明する実施の形態では、本発明を、再生可能エネルギーを利用した発電システム、例えば太陽光発電システム或いは風力発電システムと共に発電ファームに、電力貯蔵装置として設置された定置用電源装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
再生可能エネルギーを利用した発電システムは、自然環境に及ぼす負荷が少ないという利点がある反面、天候などの自然環境に発電能力が左右され、電力系統に対する出力が変動する。定置用電源装置は、発電システムの上記出力変動の抑制(緩和)を図るために設けられている。発電システムから電力系統に出力される電力が所定の出力電力に対して不足状態にある場合には、定置用電源装置は電力を放電し、発電システムの不足分の電力を補う。発電システムから電力系統に出力される電力が所定の電力に対して余剰状態にある場合には、定置用電源装置は、発電システムの余剰分の電力を受けて充電する。
《発明の他の適用アプリケーションの概略説明》
以下に説明する実施形態の構成は、データセンタのサーバーシステムや通信設備などの無停電用電源(バックアップ用電源)として設置される定置用電源装置にも適用できる。
また、以下に説明する実施形態の構成は、需要家に配置され、夜間電力を貯蔵し、この貯蔵された電力を昼間に放出して電力負荷の平準化を図る電力貯蔵システムとして設置される定置用電源装置にも適用できる。
さらに、以下に説明する実施形態の構成は、送配電系統の途中に電気的に接続され、送配電系統において送配電される電力の変動対策、余剰電力対策、周波数対策、逆潮流対策などとして用いられる定置用電源装置にも適用できる。
さらにまた、以下に説明する実施形態の構成は、移動体に設置され、移動体の駆動用電源や、移動体に搭載された負荷を駆動する駆動用電源などとして用いられる移動用電源装置にも適用できる。
移動体としては、エンジン及びモータを車両の駆動源とするハイブリッド電気自動車やモータを車両の唯一の駆動源とする純粋な電気自動車などの自動車、すなわち陸上走行車両(乗用車,トラックなどの貨物自動車,バスなどの乗合自動車など)、ディーゼルエンジンの動力で発電し、この発電によって得られた電力により駆動されるモータを駆動源とするハイブリッド電車などの鉄道車両,建設機械やフォークリフトトラックなどの産業用車両などがある。
《電源装置の概略説明》
電源装置は、複数の蓄電器(二次電池又は容量性を有する受動素子)の電気化学的作用や電荷蓄積構造によって電気エネルギーを蓄積(充電)及び放出(放電)する蓄電システムを備えている。複数の蓄電器は、電源装置に要求される出力電圧、蓄電容量などの仕様に応じて、電気的に直列或いは並列若しくは直並列に接続される。
以下に説明する実施形態では、蓄電器としてリチウムイオン二次電池を用いた場合を例に挙げて説明する。蓄電器としては、鉛電池、ニッケル水素電池などの他の二次電池を用いてもよい。また、2種の蓄電器、例えばリチウムイオン二次電池とニッケル水素電池とを組み合わせて用いるようにしてもよい。容量性を有する受動素子としては、キャパシタ、例えば電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどを用いることができる。さらに、蓄電器としては、太陽電池や燃料電池などの一次電池に置き換えて用いてもよい。
最近、再生可能エネルギーを利用した発電システムは、原子力発電システムや火力発電システムの代替発電システムとして導入が急がれている。再生可能エネルギーを利用した発電システムが、原子力発電システムや火力発電システムのように、電力系統に安定して電力を供給するためには、併設された定置用電源装置による発電システムの変動抑制が必要不可欠になる。定置用電源装置が発電システムの変動抑制を十分に果たすためには、定置用電源装置の高性能化を図り、電力系統との間の電力の授受が効率的に行われることが好ましい。
このようなことから、以下に説明する実施形態では、蓄電器を有する蓄電ユニット、及び蓄電ユニットに対する電力の入出力を制御する電力制御ユニットを備えてなる電源ユニットが複数、電気的に直列に接続されてなり、複数の電源ユニットの出力電圧を合成して出力するように構成された多重化インバータ方式の定置用電源装置を採用している。多重化インバータ方式の定置用電源装置によれば、電力変換の高効率化を図ることができるので、電力系統との間の電力の授受を効率的に行うことができ、定置用電源装置の高性能化を図ることができる。
《代表的な技術課題》
再生可能エネルギーを利用した発電システムに併設される多重化インバータ方式の定置用電源装置は、再生可能エネルギーを利用した発電システムの規模(最大出力)によって数は異なるが、移動用電源装置よりもはるかに多くの蓄電ユニットと電力制御ユニットを必要とする。このため、多重化インバータ方式の定置用電源装置を導入するためには多額の投資が必要になる。再生可能エネルギーを利用した発電システムを、原子力発電システムや火力発電システムの代替発電システムとして早期に普及させるためには、多重化インバータ方式の定置用電源装置の低コスト化を図り、多重化インバータ方式の定置用電源装置の導入時の投資を少なく抑えることが必要である。
《代表的な技術課題を解決するための代表的な解決手段》
三相交流の電力系統に電気的に接続される多重化インバータ方式の定置用電源装置は、複数の電源ユニットを電気的に直列に接続した電源ストリングを各相に対応して備え、各電源ストリングにおいて、対応する相の交流電圧を、電源ストリングを構成する複数の電源ユニットで分担して生成している。三相交流は、三つの単相交流波形(正弦波)を、電気的に120度ずつ位相をずらして組み合わせた波形によって示されるように、時間とともに周期的に瞬時値が変化する(三相交流波形の振幅が時間とともに周期的に変化する)。従って、三相交流の電力系統と、各相に対応した電源ストリングとの間において授受される交流電圧も時間とともに周期的に変化する。このため、多重化インバータ方式の定置用電源装置では、各相の交流電圧の瞬時値の変化に応じて、電源ストリングを構成する複数の電源ユニットのうち、交流電圧の生成に瞬時的に加担しない電源ユニットが各電源ストリングに存在することになる。この場合、交流電圧の生成に加担しない電源ユニットは、対応する電源ストリングを構成する他の電源ユニットから電気的に切り離し、加担が必要なときだけ電気的に接続すればよい。また、交流電圧の生成に加担しない電源ユニットは、各相の交流電圧の瞬時値の変化に応じて、各電源ストリングに順に出現する。
このようなことから、以下に説明する実施形態では、各相に対応する電源ストリングの他に、各電源ストリングに共通の電源ストリングを設け、その共通の電源ストリングを或いはその共通の電源ストリングを構成する複数の電源ユニットのそれぞれを、各相に対応する電源ストリングに、加担が必要なときだけ電気的に接続し、加担が必要な電源ストリングの交流電圧の生成に必要な電圧を生成するようにする、若しくは、その共通の電源ストリングによって、加担が必要な電源ストリングの交流電圧の生成に必要な電圧を順に生成するようにしている。
具体的には、以下に説明する実施形態では、蓄電器を有する蓄電ユニット、及び蓄電ユニットに対する電力の入出力を制御する電力制御ユニットを備えてなる電源ユニットによって構成され、位相の異なる多相の交流電圧のそれぞれに対応して設けられた第1電源ストリングと、第1電源ストリングを構成する電源ユニットと同じ構成の電源ユニットによって構成され、複数の第1電源ストリングに対応して共通に設けられた第2電源ストリングとによって、位相の異なる多相の交流電圧を生成するための電圧を生成するようにし、このうち、複数の第1電源ストリングでは、対応する交流電圧を生成するための一部の電圧を生成するようにし、第2電源ストリングでは、複数の交流電圧を生成するための残りの電圧を、多相の交流電圧の位相にしたがって順に生成するようにしている。
《代表的な解決手段による作用効果》
以下に説明する実施形態によれば、共通の電源ストリングを設けることにより、各相に対応する電源ストリングを構成する電源ユニットの個数を削減することができるので、定置用電源装置の低コスト化を図ることができる。
従って、以下に説明する実施形態によれば、定置用電源装置の導入時の投資を少なく抑えることができる。
以下、図面を用いて、各実施形態を具体的に説明する。
〔実施形態1〕
図1乃至図7を用いて、第1実施形態を説明する。
まず、図1を用いて、定置用電源装置100のシステム構成を説明する。
《電力系統の構成》
図1において符号200は電力系統を示す。
電力系統200は、発電した電力を需要家の受電設備に供給するための、発電、変電、送電、配電の各システムを統合したシステムであり、発電システムによって発電された電力を、高電圧の三相交流電力(u相,v相,w相)として送電し、需要家に近くになるにしたがって低い電圧に変電し、需要家に配電されるときには、100ボルト或いは200ボルトの低い電圧で、かつ三相交流電力から単相交流電力に変換して配電する。
発電システムとしては、原子力発電システム、火力発電システム、水力発電システム、再生可能エネルギーを利用した発電システム、例えば太陽光発電システムや風力発電システムなどがある。原子力発電システム、火力発電システムなどは安定して電力を供給することが可能ではあるが、再生可能エネルギーを利用した発電システムは、発電能力が天候などの自然環境に左右されて出力が変動し、安定した電力の供給ができない場合がある。このため、再生可能エネルギーを利用した発電システムを電力系統200に設ける場合には、発電システムの出力変動分が補われ、発電システムの出力変動が抑制されるように、発電システムの出力変動を抑制するための手段を、発電システムに併設し、電力系統200と連係させることが望ましい。
そこで、本実施形態では、再生可能エネルギーを利用した発電システムの出力変動を抑制するための手段として、定置用電源装置100(以下、単に「電源装置100」と記述する)を、発電システムに併設し、電力系統200と連係させている。
《定置用電源装置の構成》
電源装置100は、後述する蓄電システムを備え、発電システムと電気的に並列な接続関係になるように、電力系統200に電気的に接続されている。
蓄電システムを備えた電源装置100においては、発電システムから出力される電力が負荷側の要求電力に対して不足状態にある場合には、電力系統200に電力を供給して発電システムの不足分の電力を補い(放電し)、発電システムから電力系統に出力される電力が負荷側の要求電力に対して余剰状態にある場合には、電力系統200から発電システムの余剰分の電力を回収して蓄積し(充電し)、というように機能する。
このように、電源装置100が機能することにより、再生可能エネルギーを利用した発電システムの出力変動を抑制することができる。さらには、発電システムの余剰電力を蓄え、この蓄えた余剰電力を発電システムの出力変動を抑制させるための電力として活用でき、発電システムにおいて発電した電力を有効に利用することができる。
電源装置100は、電力を充放電する蓄電システム、及び蓄電システムと電力系統200との間で授受される電力を変電する変電システムから構成されている。
《変電システムの構成》
変電システムは、主要な構成要素として、三相交流電力を変電する三相変圧器101を備え、蓄電システムと電力系統200との間において授受される電力を変電している。
三相変圧器101は、各相に対応した鉄心のそれぞれに、対応する相の一次巻線及び二次巻線が巻かれ、一次側及び二次側のそれぞれにおいて、各相の巻線がY(スター)結線或いは△(デルタ)結線されている変電機器であり、一次巻線が電力系統200に、二次巻線が蓄電システムに、それぞれ、電気的に接続されている。
ここで、一次側は高圧側を、二次側は低圧側を、それぞれ意味する。このため、三相変圧器101は、蓄電システムから二次巻線に三相交流電力が入力されると、入力された低電圧の三相交流電力を高電圧に変電して一次巻線から電力系統200に出力し、電力系統200から一次巻線に三相交流電力が入力されると、入力された高電圧の三相交流電力を低電圧に変電して二次巻線から蓄電システムに出力し、というように機能する。
本実施形態では、一次及び二次巻線がY(スター)結線された場合を例に挙げて説明する。
《蓄電システムの構成》
蓄電システムは、主要な構成要素として、電源ストリング110,120,130,140、切替装置150、中央制御装置160、電流計測装置161及び電圧計測装置162を備え、三相変圧器101との間で三相交流電力を授受している。
《相毎の電源ストリングの構成》
電源ストリング110,120,130,140のうち、電源ストリング110,120,130は三相交流の各相に対応して設けられた相毎の電源ストリングである。すなわち電源ストリング110はu相に対応して設けられている。電源ストリング120はv相に対応して設けられている。電源ストリング130はw相に対応して設けられている。
電源ストリング110は、三つの電源ユニット111〜113を備え、対応するu相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を電源ユニット111〜113の間で分担して生成している。三つの電源ユニット111〜113は電気的に直列に接続されている。これにより、三つの電源ユニット111〜113のそれぞれにおいて生成した矩形波状の電圧が合成される。
同様に、電源ストリング120は、三つの電源ユニット121〜123を備え、対応するv相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を電源ユニット121〜123の間で分担して生成している。三つの電源ユニット121〜123は電気的に直列に接続されている。これにより、三つの電源ユニット121〜123のそれぞれにおいて生成した矩形波状の電圧が合成される。
同様に、電源ストリング130は、三つの電源ユニット131〜133を備え、対応するw相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を電源ユニット131〜133の間で分担して生成している。三つの電源ユニット131〜133は電気的に直列に接続されている。これにより、三つの電源ユニット131〜133のそれぞれにおいて生成した矩形波状の電圧が合成される。
電源ストリング110,120,130は、Y(スター)結線されるように、それぞれの一端(u相の三つの電源ユニット111〜113の電気的な直列接続の一端,v相の三つの電源ユニット121〜123の電気的な直列接続の一端,w相の三つの電源ユニット131〜133の電気的な直列接続の一端)同士が、切替装置150を介して、三相結線103によって電気的に接続されている。三相結線103の三相の接続点は中性点102となる。
電源ストリング110,120,130のそれぞれの他端(u相の三つの電源ユニット111〜113の電気的な直列接続の他端,v相の三つの電源ユニット121〜123の電気的な直列接続の他端,w相の三つの電源ユニット131〜133の電気的な直列接続の他端)は、変圧器101の対応する相の二次巻線に電気的に接続されている。
尚、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133の具体的な構成は図2を用いて後述する。
《相共通の電源ストリングの構成》
電源ストリング140は、電源ストリング110,120,130(三相交流の各相)に共通に設けられた相共通の電源ストリングである。電源ストリング140は、一つの電源ユニット141を備え、電源ストリング110,120,130のそれぞれに対応する相の交流電圧の残りを生成するための矩形波状の電圧を各相の位相に応じて順次生成している。
尚、電源ユニット141の具体的な構成は図2を用いて後述する。
《切替装置の概略構成》
切替装置150は、電源ストリング140が、どの相の交流電圧を生成するための電圧を生成するかに応じて、電源ストリング110,120,130に対する電源ストリング140の電気的な接続を切り替えている。
電源ストリング110,120,130に対する電源ストリング140の電気的な接続が切替装置150によって切り替えられることにより、電源ストリング140(電源ユニット141)において生成された矩形波状の電圧は、電気的に接続された相毎の電源ストリングにおいて生成された矩形波状の電圧の合成電圧に合成される。これにより、三相変圧器101の二次側(低圧側)には、目標電圧(正弦波)に対応する、矩形波状の電圧の合成電圧が発生する。
尚、切替装置150の具体的な構成は図3を用いて後述する。
《中央制御装置の機能》
中央制御装置160は、電力系統200と電源装置100とが連系して電力の授受ができるように、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141のそれぞれ及び切替装置150の作動を制御する電子回路装置であり、回路基板に実装された、演算処理装置(マイクロプロセッサ)、記憶装置を含む複数の電子部品によって構成されている。
中央制御装置160には、入力情報として、蓄電システムと変圧器101との間に発生する三相交流電圧に関する情報(電力系統200の三相交流電圧に関する情報)、及び蓄電システムと変圧器101との間において流れる三相交流電流に関する情報が、インターフェース回路を介して入力されている。
中央制御装置160は、記憶装置に格納された制御プログラムにしたがって動作し、インターフェース回路を介して入力された入力情報、及び記憶装置に格納された記憶情報を含む複数の情報に基づいて、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141のそれぞれ及び切替装置150の作動を制御するための制御指令を演算する。そして、中央制御装置160は、その制御指令に関する信号を、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141及び切替装置150のそれぞれに出力する。
中央制御装置160によって演算された制御指令に関する信号は、無線通信或いは有線通信によって、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141及び切替装置150のそれぞれに信号伝送される。
このように、制御指令に関する信号が中央制御装置160から無線通信或いは有線通信によって信号伝送されると、電源ユニット111〜113は、それぞれ、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に基づいて、u相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を生成する。電源ユニット121〜123は、それぞれ、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に基づいて、v相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を生成する。電源ユニット131〜133は、それぞれ、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に基づいて、w相の交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を生成する。また、電源ユニット141は、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に基づいて、各相の交流電圧の残りを生成するための矩形波状の電圧を、各相の位相に応じて順次、生成する。さらに、切替装置150は、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に基づいて、電源ストリング110,120,130に対する電源ストリング140の電気的な接続を切り替える。
電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141のそれぞれに対して信号伝送される制御指令は、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれにおいて生成する目標交流電圧を示す指令と、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141のそれぞれが、対応する目標電圧に対して生成する矩形波状の電圧パターンを決めるためのパターン生成電圧を示す指令である。目標電圧を示す指令は変調波(基本波)として生成され、パターン生成電圧を示す指令は搬送波(キャリア)として生成され、それぞれ信号伝送される。
変調波は、基本的には正弦波によって構成される。しかし、本実施形態では、各相の交流電圧を相毎の電源ストリングと相共通の電源ストリングとによって分担して生成しているので、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれに信号伝送される変調波は、目標交流電圧を示す正弦波のうちの一部(分担分の目標電圧)を示す波形になる。
このため、電源ユニット111〜113のそれぞれには、三相変圧器101の二次側(低圧側)に発生させるu相の目標交流電圧を示す変調波(正弦波)のうちの一部、すなわち電源ストリング110において発生させる目標電圧分を示す変調波が信号伝送されている。電源ユニット121〜123のそれぞれには、三相変圧器101の二次側(低圧側)に発生させるv相の目標交流電圧を示す変調波(正弦波)のうちの一部、すなわち電源ストリング120において発生させる目標電圧分を示す変調波が信号伝送されている。電源ユニット131〜133のそれぞれには、三相変圧器101の二次側(低圧側)に発生させるw相の目標交流電圧を示す変調波(正弦波)のうちの一部、すなわち電源ストリング130において発生させる目標電圧分を示す変調波が信号伝送されている。電源ストリング140(電源ユニット141)には、三相変圧器101の二次側(低圧側)に発生させる各相の目標交流電圧を示す変調波(正弦波)のうちの残り、すなわち電圧ストリング140において発生させる目標電圧分を示す変調波(正弦波で示される各相の変調波のそれぞれから、対応する相の電源ストリングにおいて発生させる目標電圧分を示す変調波を差し引いて残った三相分の変調波を合成した合成変調波)が信号伝送されている。
搬送波は、変調波よりも周波数が大きい三角波によって構成され、目標交流電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために、変調波と比較される。
本実施形態では、電源ストリング110,120,130のそれぞれにおいて、対応する複数の電源ユニットによって、目標交流電圧の一部を生成するための矩形波状の電圧を分担して生成している。このため、電源ストリング110の電源ユニット111〜113のそれぞれには、電位レベルの異なる三角波が信号伝送されている。電源ストリング120の電源ユニット121〜123のそれぞれには、電位レベルの異なる三角波が信号伝送されている。電源ストリング130の電源ユニット131〜133のそれぞれには、電位レベルの異なる三角波が信号伝送されている。
また、本実施形態では、電源ストリング140の電源ユニット141において、各相の目標交流電圧の残りを生成するための矩形波状の電圧を、各相の位相に応じて順に生成している。このため、電源ストリング140の電源ユニット141には、所定の電位レベルの一つの三角波が信号伝送されている。
尚、本実施形態では、中央制御装置160から制御指令として変調波及び搬送波を信号伝送する場合を例に挙げて説明するが、搬送波は、電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133及び電源ユニット141のそれぞれにおいて生成し、この生成に必要な情報、例えば電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133及び電源ユニット141のそれぞれにおいて、どの電位レベルの搬送波を生成するか、また、生成する搬送波の振幅の高さなどの情報を中央制御装置160から信号伝送するようにしてもよい。
《計測装置の構成》
蓄電システムと三相変圧器101の二次側(低圧側)との間には電流計測装置161が設置されている。電流計測装置161は、蓄電システムと三相変圧器101との間で授受される三相交流電流を計測するためのセンサユニットであり、三相交流電流の計測値を示す信号を中央制御装置160に出力している。
蓄電システムと三相変圧器101の二次側(低圧側)との間には電圧計測装置162が設置されている。電圧計測装置162は、蓄電システムと三相変圧器101との間で授受される三相交流電圧を計測するためのセンサユニットであり、三相交流電圧の計測値を示す信号を中央制御装置160に出力している。
中央制御装置160は、入力された各計測値を示す信号から三相交流電流及び三相交流電圧を検出する。
尚、本実施形態では、三相変圧器101の二次側(低圧側)に電流計測装置161及び電圧計測装置162を設置し、三相交流電流及び三相交流電圧を計測する場合を例に挙げて説明するが、電流計測装置161及び電圧計測装置162を三相変圧器101の一次側(高圧側)に設置して三相交流電流及び三相交流電圧を計測するようにしてもよい。
三相交流電圧及び三相交流電流を三相変圧器101の二次側(低圧側)において計測する場合には、三相交流電圧及び三相交流電流を三相変圧器101の一次側(高圧側)において計測する場合に比べて、電流計測装置161及び電圧計測装置162の耐圧や電気絶縁を低くでき、電流計測装置161及び電圧計測装置162の低コスト化を図ることができる。
《電源ユニットの構成》
次に、図2を用いて、電源ユニット111の構成を説明する。
図1に示す電源ユニット111〜113,121〜123,131〜133,141はいずれも同じ構成である。このようなことから、本実施形態では、代表として、電源ユニット111の構成を図2に示し、その構成を説明する。
図2に示すように、電源ユニット111は、主要な構成要素として、蓄電ユニット10及び電力変換ユニット20を備え、変調波と搬送波との比較によって得られたオンオフ信号(ノッチ波)に基づいて、交流電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。
蓄電ユニット10と電力変換ユニット20との間は、蓄電ユニット10の正極側と電力変換ユニット20の直流正極側とが直流正極側電路によって電気的に接続されることにより、さらには、蓄電ユニット10の負極側と電力変換ユニット20の直流負極側とが直流負極側電路によって電気的に接続されることにより、電気的に接続されている。
《蓄電ユニットの構成》
蓄電ユニット10は、主要な構成要素として、複数のリチウムイオン二次電池11(以下、単に「二次電池11」という)を備え、直流電力を充放電している。
複数の二次電池11は電気的に直列に接続されている。
尚、本実施形態では、複数の二次電池11を電気的に直列に接続して蓄電ユニット10を構成する場合を例に挙げて説明する。蓄電ユニット10の構成としては、複数の二次電池11を電気的に直列に接続した二次電池群を複数、電気的に並列に接続するようにしてもよい。二次電池11の数や複数の二次電池11をどのように電気的に接続するかは、電源装置100に要求される定格出力電圧や定格蓄電容量などに応じて適宜設定すればよい。
《電力変換ユニットの構成》
電力変換ユニット20は、主要な構成要素として、スイッチング回路30、スイッチング回路30の差動を制御する制御ユニット40及び負荷側接続端50を備え、蓄電ユニット10から直流電力を放電する場合には、蓄電ユニット10から出力された直流電圧から交流電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成して出力し、蓄電ユニット10に直流電力を充電する場合には、入力された交流電圧から直流電圧を生成して蓄電ユニット10に出力している。
《スイッチング回路の構成》
スイッチング回路30は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるスイッチング素子31,33,35,37を備えている。
尚、本実施形態では、スイッチング素子31,33,35,37としてMOFETを用いた場合を例に挙げて説明するが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他の半導体スイッチング素子を用いても構わない。
スイッチング回路30は、具体的には、上アームのスイッチング素子31のソースと下アームのスイッチング素子33のドレインとが電気的に直列に接続されて構成された第1のアームと、上アームのスイッチング素子35のソースと下アームのスイッチング素子37のドレインとが電気的に直列に接続されて構成された第2のアームとを備え、上アームのスイッチング素子31,35のドレイン同士及び下アームのスイッチング素子33,37のソース同士が電気的に接続されて、第1のアームと第2のアームとが電気的に並列に接続された単相フルブリッジインバータ回路である。
スイッチング素子31,33,35,37のドレインとソースとの間には、それぞれ、MOSFETの構造上、寄生ダイオードが設けられている。具体的には、スイッチング素子31のドレインとソースとの間にはダイオード32が、スイッチング素子33のドレインとソースとの間にはダイオード34が、スイッチング素子35のドレインとソースとの間にはダイオード36が、スイッチング素子37のドレインとソースとの間にダイオード38が、それぞれ、設けられている。
このように、スイッチング素子としてMOSFETを用いた場合には、別途、ダイオードを、スイッチング素子のドレインとソースとの間に設ける必要がない。
一方、スイッチング素子としてIGBTを用いた場合には、別途、ダイオードを、スイッチング素子のドレインとソースとの間に設ける必要がある。
上アームのスイッチング素子31,35のドレインは直流正極側接続端として、蓄電ユニット20の正極側に電気的に接続されている。下アームのスイッチング素子33,37のソースは直流負極側接続端として、蓄電ユニット20の負極側に電気的に接続されている。
第1のアームの中点、すなわち上アームのスイッチング素子31のソースと下アームのスイッチング素子33のドレインとの電気的な接続点、及び第2のアームの中点、すなわち上アームのスイッチング素子35のソースと下アームのスイッチング素子37のドレインとの電気的な接続点は、それぞれ、交流側(負荷側)接続端として引き出されている。交流側(負荷側)接続端の先端部には交流(負荷)端子50が設けられている。
《制御ユニットの機能》
制御ユニット40は、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に対応した矩形波状の電圧が、交流側接続端50に発生するように、スイッチング素子31,33,35,37の駆動を制御する電子回路装置であり、回路基板に実装された、演算処理装置(マイクロプロセッサ)、記憶装置を含む複数の電子部品によって構成されている。
制御ユニット40には、入力情報として、中央制御装置160から信号伝送された制御指令が、インターフェース回路を介して入力されている。
制御指令は、前述した変調波及び搬送波である。
制御ユニット40は、記憶装置に格納された制御プログラムにしたがって動作し、インターフェース回路を介して入力された入力情報、及び記憶装置に格納された記憶情報を含む複数の情報に基づいて、矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算する。矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算すると、制御ユニット40は、演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、スイッチング素子31,33,35,37をスイッチング(オン,オフ)させるための駆動パターンに関する情報を演算する。そして、制御ユニット40は、演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、スイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。ノッチ波は矩形波状のパルス信号であり、駆動信号或いはゲート信号と呼ばれる場合もある。
制御ユニット40から出力されたノッチ波がスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、スイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、スイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
《切替装置の具体的な構成》
次に、図3を用いて、切替装置150の構成を説明する。
図3に示すように、切替装置150は、切替回路70、切替制御装置90及び接続端子80〜86を備え、接続端子80側と、接続端子81,82,83側と、接続端84,85,86側との三者間の電気的な接続を切り替えている。
図3において、接続端子81,84の間の線路はu相の第1電路を示す。接続端子82,85の間の線路はv相の第1電路を示す。接続端子83,86の間の線路はw相の第1電路を示す。接続端子80とu相の第1電路の接続端子81側との間の線路はu相の第2電路を示す。接続端子80とv相の第1電路の接続端子82側との間の線路はv相の第2電路を示す。接続端子80とw相の第1電路の接続端子83側との間の線路はw相の第2電路を示す。接続端子80とu相の第1電路の接続端子84側との間の線路はu相の第3電路を示す。接続端子80とv相の第1電路の接続端子85側との間の線路はv相の第3電路を示す。接続端子80とw相の第1電路の接続端子86側との間の線路はw相の第3電路を示す。
接続端子80には、図1に示す電源ストリング140(電源ユニット141)が電気的に接続される。接続端子81には、図1に示すu相の電源ストリング110が電気的に接続される。接続端子82には、図1に示すv相の電源ストリング120が電気的に接続される。接続端子83には、図1に示すw相の電源ストリング130が電気的に接続される。接続端子84,85,86には、図1に示す三相結線102が電気的に接続される。
《切替回路の構成》
切替回路70はスイッチング回路であり、u相の第1電路上に設けられたスイッチ71、v相の第1電路上に設けられたスイッチ72、w相の第1電路上に設けられたスイッチ73、u相の第2電路上に設けられたスイッチ74、v相の第2電路上に設けられたスイッチ75及びw相の第2電路上に設けられたスイッチ76を備え、各相の電流が流れる経路を、第1電路の一端から他端に、他の電路を経由せずに流れる経路から、第1電路の一端から他端に第2及び第3電路を介して流れる経路に、或いは第1電路の一端から他端に第2及び第3電路を介して流れる経路から、第1電路の一端から他端に、他の電路を経由せずに流れる経路に切り替えている。
スイッチ71,72,73は、電源ストリング110〜130のうち、対応する相の電源ストリングと三相結線102とを電気的に接続する場合に閉じられ、電源ストリング110〜130のうち、対応する相の電源ストリングと三相結線102との間に電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続する場合に開かれる。一方、スイッチ74,75,76は、電源ストリング110〜130のうち、対応する相の電源ストリングと三相結線102とを電気的に接続する場合に開かれ、電源ストリング110〜130のうち、対応する相の電源ストリングと三相結線102との間に電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続する場合に閉じられる。
スイッチ71,72,73,74,75,76は半導体スイッチング半導体素子、例えばMOSFETによって構成されている。
尚、スイッチ71,72,73,74,75,76としては、他の半導体スイッチング半導体素子を用いてもよい。また、スイッチ71,72,73,74,75,76としては、機械式或いは電磁式の機構によって可動する接点を有する機械的スイッチを用いてもよい。
《切替制御装置の機能》
切替制御装置90は、中央制御装置160から信号伝送された制御指令に対応した切り替え、すなわち電源ストリング110,120,130と、電源ストリング140と、三相結線102との間の電気的な接続の切り替えが行われるように、スイッチ71,72,73,74,75,76の駆動を制御する電子回路装置であり、回路基板に実装された、演算処理装置(マイクロプロセッサ)及び記憶装置を含む複数の電子部品によって構成されている。
切替制御装置90には、入力情報として、中央制御装置160から信号伝送された制御指令が、インターフェース回路を介して入力されている。
制御指令は、電源ストリング110,120,13のうち、どの相の電源ストリングに電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続するかを示す切替指令である。
切替制御装置90は、記憶装置に格納された制御プログラムにしたがって動作し、インターフェース回路を介して入力された入力情報に基づいて、スイッチ71,72,73,74,75,76をスイッチング(オン,オフ)させるための駆動パターンに関する情報を演算する。そして、切替制御装置90は、そのスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、スイッチ71,72,73,74,75,76のそれぞれをスイッチング駆動するための駆動指令を生成し、その駆動指令をスイッチ71,72,73,74,75,76のそれぞれに出力する。
ここで、スイッチ71,72,73,74,75,76は、半導体スイッチング半導体素子であるMOSFETであるので、切替制御装置90から出力される駆動指令は、MOSFETのゲートに入力されるノッチ波(矩形波状のパルス信号)である。
切替制御装置90から出力された駆動指令がスイッチ71,72,73,74,75,76のそれぞれに入力されると、スイッチ71,72,73,74,75,76は、それぞれ、切替制御装置90から出力された駆動指令に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、切替回路70は、切替指令に応じて電源ストリング110,120,130と、電源ストリング140と、三相結線102との間の電気的な接続を切り替える。
《切替装置の動作》
次に、図4を用いて、切替装置150の動作を、図3の構成を参酌しながら説明する。
図4は、切替装置150に対する切替指令と、スイッチ71,72,73,74,75,76に対する駆動指令との対応関係の時間変化を示す。
図4において、横軸は時間を示す。
図4において、縦軸は切替指令及び駆動指令を示す。具体的には、図4の(4A)は切替装置150に対する切替指令を示す。図4の(4B)はスイッチ74に対する駆動指令を示す。図4の(4C)はスイッチ75に対する駆動指令を示す。図4の(4D)はスイッチ76に対する駆動指令を示す。図4の(4E)はスイッチ71に対する駆動指令を示す。図4の(4F)はスイッチ72に対する駆動指令を示す。図4の(4G)はスイッチ73に対する駆動指令を示す。
また、図4の(4A)の切替装置150に対する切替指令は、電源ストリング140(電源ユニット141)を、電源ストリング110,120,130のうち、どの電源ストリングに対して電気的に接続するかを示す。ここで、切替指令がu相(81−84)の位置にある場合は、電源ストリング110に対して電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続することを意味する。切替指令がv相(82−85)の位置にある場合は、電源ストリング120に対して電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続することを意味する。切替指令がw相(83−86)の位置にある場合は、電源ストリング130に対して電源ストリング140(電源ユニット141)を電気的に接続することを意味する。
さらに、スイッチ71とスイッチ74との間、スイッチ72とスイッチ75との間、スイッチ73とスイッチ76との間は、それぞれ、対の関係にあり、一方がオン状態になった場合には他方がオフ状態になり、一方がオフ状態になった場合には他方がオン状態になる。
図4に示すように、時間0から時間T03の期間において、切替装置150に対する切替指令は、三相の交流電圧の位相にしたがって、v相,u相,w相の順に切り替わる。
時間0から時間T01の期間では、図4の(4A)に示すように、切替指令がv相(82−85)の位置にあるので、電源ストリング140(電源ユニット141)は電源ストリング120に電気的に接続されることになる。このため、v相の第2電路に設けられたスイッチ75は、図4の(4C)に示すように、オン状態になり、v相の第1電路に設けられたスイッチ72は、図4の(4F)に示すように、オフ状態になる。これにより、電源ストリング120と三相結線103との間には電源ストリング140(電源ユニット141)が電気的に接続される。これに対して、u相,w相の第2電路に設けられたスイッチ74,76は、図4の(4B)(4D)に示すように、通常のオフ状態に、u相,w相の第2電路に設けられたスイッチ71,73は、図4の(4E)(4G)に示すように、通常のオン状態にある。これにより、電源ストリング110,130は電源ストリング140(電源ユニット141)が介在しない状態で直接、三相結線103に電気的に接続される。
時間T01から時間T02の期間では、図4の(4A)に示すように、切替指令がu相(81−84)の位置にあるので、電源ストリング140(電源ユニット141)は電源ストリング110に電気的に接続されることになる。このため、u相の第2電路に設けられたスイッチ74は、図4の(4B)に示すように、オン状態になり、u相の第1電路に設けられたスイッチ71は、図4の(4E)に示すように、オフ状態になる。これにより、電源ストリング110と三相結線103との間には電源ストリング140(電源ユニット141)が電気的に接続される。これに対して、v相,w相の第2電路に設けられたスイッチ75,76は、図4の(4C)(4D)に示すように、通常のオフ状態にあり、v相,w相の第1電路に設けられたスイッチ72,73は、図4の(4F)(4G)に示すように、通常のオン状態にある。これにより、電源ストリング120,130は電源ストリング140(電源ユニット141)が介在しない状態で直接、三相結線103に電気的に接続される。
時間T02から時間T03の期間では、図4の(4A)に示すように、切替指令がw相(83−86)の位置にあるので、電源ストリング140(電源ユニット141)は電源ストリング130に電気的に接続されることになる。このため、w相の第2電路に設けられたスイッチ76は、図4の(4D)に示すように、オン状態になり、w相の第1電路に設けられたスイッチ73は、図4の(4G)に示すように、オフ状態になる。これにより、電源ストリング130と三相結線103との間には電源ストリング140(電源ユニット141)が電気的に接続される。これに対して、u相,v相の第2電路に設けられたスイッチ74,75は、図4の(4B)(4C)に示すように、通常のオフ状態になり、u相,v相の第1電路に設けられたスイッチ71,72は、図4の(4E)(4F)に示すように、通常のオン状態にある。これにより、電源ストリング110,120は電源ストリング140(電源ユニット141)が介在しない状態で直接、三相結線103に電気的に接続される。
これ以降は、目標三相交流電圧が大きく変化しない場合には、時間0から時間T01の期間の動作、時間T01から時間T02の期間の動作、時間T02から時間T03の期間の動作が、その順に繰り返し繰り返される。
このように、本実施形態では、切替装置150によって、電源ストリング110,120,130と電源ストリング140(電源ユニット141)との電気的な接続を切り替えるので、各相の交流電圧の発生に寄与する電源ユニットの数が、三相交流電圧の位相にしたがって、3個から4個、4個から3個、というように切り替わる。
尚、本実施形態では、各相の交流電圧の発生に寄与する電源ユニットの数が、三相交流電圧の位相にしたがって、3個から4個、4個から3個、というように切り替わる場合を前提に説明したが、目標三相交流電圧が低くなり、電源ストリング110,120,130のみで、目標三相交流電圧に対応した三相交流電圧を出力することができる場合もある。この状態では、電源ストリング140(電源ユニット141)は電源ストリング110,120,130のそれぞれに対して順次、電気的には接続されず、休止状態になる。すなわちその状態では、各相の交流電圧の発生に寄与する電源ユニットの数が3個から4個に切り替わらない。
《電源ストリングの動作原理》
次に、図1の電源装置100の動作を説明する前に、図5を用いて、電源ストリングの動作原理を、図2の構成を参酌しながら説明する。
ここでは、図2に示す電源ユニット111と同じ構成の電源ユニットA,B,C,Dの電気的な直列接続によって、一つの電源ストリングSを構成したときの、交流電圧を発生させるための動作原理について説明する。
図5は、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて生成する矩形波状の出力電圧パターンを生成するための制御指令と、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて生成された矩形波状の出力電圧と、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの矩形波状の出力電圧を合成して生成した一相分の交流電圧との対応関係の時間変化を示す。
制御指令は、電源ストリングSに対する目標交流電圧を示す変調波(正弦波)と、電源ストリングSを構成する電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれに対応するキャリア(三角波である搬送波)であり、図5では1/2サイクル分を示す。
図5において、横軸は時間を示す。
図5において、縦軸は波形の電位レベル及び出力電圧を示す。具体的には、図5の(5A)は電源ストリングS(電源ユニットA,B,C,D)に対する変調波(実線)及び電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれに対するキャリア(破線)の電位レベルを示す。図5の(5B)は電源ユニットAの矩形波状の出力電圧を示す。図5の(5C)は電源ユニットBの矩形波状の出力電圧を示す。図5の(5D)は電源ユニットCの矩形波状の出力電圧を示す。図5の(5E)は電源ユニットDの矩形波状の出力電圧を示す。図5の(5F)は電源ストリングSの出力電圧を示す。
電源ストリングSは、図5の(5B)〜(5E)に示すように、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて、矩形波状の出力電圧を分担して生成する。矩形波状の出力電圧は、電源ユニットA,B,C,Dが電気的に直列に接続されていることから、図5の(5F)に示すように合成され、目標交流電圧を示す変調波(正弦波)に近い正弦波の交流電圧として、電源ストリングSから出力される。
電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて、矩形波状の出力電圧を生成するにあたっては、図5の(5A)に示すように、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの制御ユニット40において、目標交流電圧を示す正弦波状の変調波と、対応する三角波状のキャリア(搬送波)とを比較し、キャリアに対して変調波が大きい場合に矩形波状の電圧が生成されるようにする。ここで、図5の(5A)に示すように、キャリアは電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて電位レベルが異なっている。これにより、電源ストリングSは、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて、異なる出力電圧を分担して生成することができる。
電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの制御ユニット40は、前述の比較基づいて、電源ユニットA,B,C,Dのうちの対応する電源ユニットにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算する。矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算すると、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの制御ユニット40は、演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニットA,B,C,Dのうちの対応する電源ユニットのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算する。そして、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの制御ユニット40は、演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニットA,B,C,Dのうちの対応する電源ユニットのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニットA,B,C,Dのうちの対応する電源ユニットのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれのスイッチング回路30は、図5の(5B)〜(5E)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
電源ユニットA,B,C,Dのそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は、図5の(5F)に示すように合成され、図5の(5A)に示す目標交流電圧(変調波)に対する電源ストリングSの出力電圧として出力される。
以上のように、図5では、四つの電源ユニットによって一つの電源ストリングを構成し、電源ストリングの出力電圧を、四つの電源ユニットによって分担して生成するときの動作原理について説明したが、複数の電源ユニットによる出力電圧の分担は、複数の電源ストリングに跨ってもよい。
《電源装置の動作》
次に、図6,図7を用いて、図1に示す電源装置100の動作について説明する。
図6は、電源装置110の三相分の変調波と、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれに対応した変調波と、切替装置150に対する切替指令との対応関係の時間変化を示す。図7は、電源装置100の三相分の出力電圧と、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれの出力電圧と、切替装置150に対する切替指令との対応関係の時間変化を示す。
図6,図7において、横軸は時間を示す。
図6において、縦軸は変調波及び切替指令を示す。具体的には、図6の(6A)は電源装置100に対する三相分の変調波を示す。ここで、実線はu相の変調波を示す。点線はv相の変調波を示す。破線はw相の変調波を示す。u相の変調波を基準とすると、v相の変調波はu相の変調波に対して電気的に120度、位相差があり、w相の変調波はv相の変調波に対して電気的に120度、位相差がある。すなわち三相の変調波は対称三相交流であり、電源装置100には対称三相交流電圧の出力が要求されている。尚、後述する図6の(6B)〜(6E)の変調波を合成すると、図6の(6A)の変調波になる。図6の(6B)は電源ストリング110に対する変調波を示す。図6の(6C)は電源ストリング120に対する変調波を示す。図6の(6D)は電源ストリング130に対する変調波を示す。図6の(6E)は電源ストリング140に対する変調波を示す。図6の(6F)は切替装置150に対する切替指令を示す。尚、図6の(6E)と(6F)とを対比することにより、電源ストリング140に対する変調波が各時間区間毎にどの相の出力電圧を生成するための変調波であるかが判る。
図7において、縦軸は出力電圧及び切替指令を示す。具体的には、図7の(7A)は電源装置100の出力電圧を示す。ここで、実線はu相の出力電圧を示す。点線はv相の出力電圧を示す。破線はw相の出力電圧を示す。尚、後述する図7の(7B)〜(7E)の出力電圧を合成すると、図7の(7A)の出力電圧になる。図7の(7B)は電源ストリング110の出力電圧を示す。図7の(7C)は電源ストリング120の出力電圧を示す。図7の(7D)は電源ストリング130の出力電圧を示す。ここで、図7の(7B)〜(7E)の出力電圧は、それぞれ、対応する電源ストリングを構成する複数の電源ユニットの矩形波状の出力電圧の合成により得られた出力電圧である。図7の(7E)は電源ストリング140の出力電圧を示す。図7の(7F)は切替装置150に対する切替指令を示す。尚、図7の(7E)と(7F)とを対比することにより、電源ストリング140の出力電圧が時間区間毎にどの相の出力電圧を生成しているかが判る。
本実施形態では、基本的には図5に示す動作と同じ原理に基づいて、各相の出力電圧を複数の電源ユニットによって分担して出力している。
しかし、本実施形態では、各相の出力電圧を、二つの電源ストリング間に跨り、二つの電源ストリングの複数の電源ユニットによって分担して出力している。具体的には、u相の出力電圧は、電源ストリング110,140に跨り、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113及び電源ストリング140の電源ユニット141によって分担して出力している。v相の出力電圧は、電源ストリング130,140に跨り、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123及び電源ストリング140の電源ユニット141によって分担して出力している。w相の出力電圧は、電源ストリング130,140に跨り、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133及び電源ストリング140の電源ユニット141によって分担して出力している。
図6の(6B)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング110の電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40には、図6の(6A)に示す電源装置100のu相の変調波のうち、レベル+hとレベル−hとの間の部分の波形が、電源ストリング110に対する変調波(目標出力電圧)として設定され、出力されている。具体的には、レベル0より大きくレベル+hより小さい時間である時間0から時間T11までの期間及び時間T12から時間T13までの期間、レベル0より小さくレベル−hよりも大きい時間である時間T13から時間T14までの期間及び時間T15から次の時間までの期間は正弦波状になるように設定されるとともに、時間T11から時間T12までの期間は時間T11のレベル(+h)を保持するように設定され、さらには時間T14から時間T15までの期間は時間T14のレベル(−h)を保持するように設定された変調波が出力されている。
図6の(6C)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング120の電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40には、図6の(6A)に示す電源装置100のv相の変調波のうち、レベル+hとレベル−hとの間の部分の波形が、電源ストリング120に対する変調波(目標出力電圧)として設定され、出力されている。具体的には、レベル0より大きくレベル+hより小さい時間である時間T12から時間T13までの期間及び時間T14から時間T15までの期間、レベル0より小さくレベル−hよりも大きい時間である時間T11から時間T12までの期間及び時間T15から次の時間までの期間は正弦波状になるように設定されるとともに、時間0から時間T11までの期間は時間0のレベル(−h)を保持するように設定され、さらには時間T13から時間T14までの期間は時間T13のレベル(+h)を保持するように設定された変調波が出力されている。
図6の(6D)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング130の電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40には、図6の(6A)に示す電源装置100のw相の変調波のうち、レベル+hとレベル−hとの間の部分の波形が、電源ストリング130に対する変調波(目標出力電圧)として設定され、出力されている。具体的には、レベル0より大きくレベル+hより小さい時間である時間0から時間T11までの期間及び時間T14から時間T15までの期間、レベル0より小さくレベル−hよりも大きい時間である時間T11から時間T12までの期間及び時間T13から時間T14までの期間は正弦波状になるように設定されるとともに、時間T12から時間T13までの期間は時間T12のレベル(−h)を保持するように設定され、さらには時間T15から次の時間までの期間は時間T15のレベル(−h)を保持するように設定された変調波が出力されている。
図6の(6E)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング140の電源ユニット140の制御ユニット40には、図6の(6A)に示す電源装置100の各相の変調波のうち、レベル+hよりも大きい部分の波形とレベル−hよりも小さい部分の波形とを合成した波形が、電源ストリング140に対する変調波(目標出力電圧)として設定され、出力されている。具体的には、時間0から時間T11までの期間は、図6の(6A)に示すv相の変調波のレベル−hより小さい波形(図6の(6A)に示すv相の変調波にレベル+hの波形を加算(レベル−hの波形を減算)して得られる波形)となるように、時間T11から時間T12までの期間は、図6の(6A)に示すu相の変調波のレベル+hより大きい波形(図6の(6A)に示すu相の変調波にレベル+hの波形を減算(レベル−hの波形を加算)して得られる波形)となるように、時間T12から時間T13までの期間は、図6の(6A)に示すw相の変調波のレベル−hより小さい波形(図6の(6A)に示すw相の変調波にレベル+hの波形を加算(レベル−hの波形を減算)して得られる波形)となるように、時間T13から時間T14までの期間は、図6の(6A)に示すv相の変調波のレベル+hより大きい波形(図6の(6A)に示すv相の変調波にレベル+hの波形を減算(レベル−hの波形を加算)して得られる波形)となるように、時間T14から時間T15までの期間は、図6の(6A)に示すu相の変調波のレベル+hより大きい波形(図6の(6A)に示すu相の変調波にレベル+hの波形を加算(レベル−hの波形を減算)して得られる波形)となるように、時間T15から次の時間までの期間は、図6の(6A)に示すw相の変調波のレベル+hより大きい波形(図6の(6A)に示すw相の変調波にレベル+hの波形を減算(レベル−hの波形を加算)して得られる波形)となるように、それらの波形を合成した、3次高調波のような形状の変調波が出力されている。
図6の(6F)に示すように、中央制御装置160から切替装置150の切替制御装置90には、図6の(6F)に示す電源ストリング140の変調波にあわせて、電源ストリング140の電気的な接続先を示す切替指令が設定され、出力されている。具体的には、時間0から時間T11までの期間は、v相に対応する電源ストリング120に電気的に接続されるように設定され、時間T11から時間T12までの期間は、u相に対応する電源ストリング110に電気的に接続されるように設定され、時間T12から時間T13までの期間は、w相に対応する電源ストリング130に電気的に接続されるように設定され、時間T13から時間T14までの期間は、v相に対応する電源ストリング120に電気的に接続されるように設定され、時間T14から時間T15までの期間は、u相に対応する電源ストリング110に電気的に接続されるように設定され、時間T15から次の時間までの期間は、w相に対応する電源ストリング120に電気的に接続されるように設定された切替指令が出力されている。
また、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング140の電源ユニット141の制御ユニット40には、対応する電位レベルの搬送波(三角波)が中央制御装置160から出力される。尚、搬送波は、中央制御装置160からの情報に基づいて、各制御ユニット40において生成してもよい。
電源ストリング110では、電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40において、図6の(6B)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット111,112,113のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図7の(7B)に示すように、電源ユニット111,112,113のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、図6の(6B)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング120では、電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40において、図6の(6C)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット121,122,123のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図7の(7C)に示すように、電源ユニット121,122,123のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、図6の(6C)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング130では、電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40において、図6の(6D)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット131,132,133のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図7の(7D)に示すように、電源ユニット131,132,133のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、図6の(6D)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング140では、電源ユニット141の制御ユニット40において、図6の(6E)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット141において生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット141の制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット141のスイッチング回路30は、図7の(7E)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図7の(7F)に示すように、時間0から時間T11までの期間及び時間T13から時間T14までの期間では、切替装置150に対する切替指令が、v相に対応する電源ストリング120を示している。このため、電源ストリング140は電源ストリング120に電気的に接続されている。これにより、図7の(7E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング120の出力電圧に合成される。すなわち時間0から時間T11までの期間及び時間T13から時間T14までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123,141の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133の出力電圧の合成によって生成される。
時間T11から時間T12までの期間及び時間T14から時間T15までの期間では、切替装置150に対する切替指令が、u相に対応する電源ストリング110を示している。このため、電源ストリング140は電源ストリング110に電気的に接続されている。これにより、図7の(7E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング110の出力電圧に合成される。すなわち時間T11から時間T12までの期間及び時間T14から時間T15までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113,141の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133の出力電圧の合成によって生成される。
時間T12から時間T13までの期間及び時間T15から次の時間までの期間では、切替装置150に対する切替指令が、w相に対応する電源ストリング130を示している。このため、電源ストリング140は電源ストリング130に電気的に接続されている。これにより、図7の(7E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング130の出力電圧に合成される。すなわち時間T12から時間T13までの期間及び時間T13から次の時間までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133,141の出力電圧の合成によって生成される。
以上のように、電源ストリング110,120,130,140及び切替装置150が動作することにより、電源装置100は、図7の(7A)に示すように、図6の(6A)に示す変調波(電力系統200の要求電圧を示す目標三相交流電圧)に対応した三相交流電圧を生成し、この生成した三相交流電圧を、三相変圧器101によって高圧に変圧して、電力系統200に出力することができる。これにより、電源装置100は、電力系統200と連係することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから出力される電力が負荷側の要求電力に対して不足状態にある場合には、電力系統200に電源装置100から電力を供給(放電)して発電システムの不足分の電力を補うことができる。
電力系統200から三相交流電圧が入力された場合には、電源装置100は、入力されて三相変圧器101によって低圧に変圧された三相交流電圧に基づいて、中央制御装置160から制御指令を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133、電源ストリング140の電源ユニット141のそれぞれに出力して、それらの動作を、図6,図7を用いて説明した場合と同様に制御する。これにより、電顕装置100は、変圧された三相交流電圧を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133、電源ストリング140の電源ユニット141のそれぞれにおいて整流して直流電圧に変換し、対応する蓄電ユニット10に出力することができる。各蓄電ユニット10は、直流電圧によって二次電池11を充電することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから電力系統に出力される電力が負荷側の要求電力に対して余剰状態にある場合には、電力系統200から発電システムの余剰分の電力を回収して電源装置100に蓄積(充電)することができる。
また、本実施形態では、図6の(6E)及び図7の(7E)に示すように、電源ストリング140の出力電圧を、図6の(6A)に示す三相分の変調波の最大及び最小振幅付近(変曲点前後)に対応する電圧としているので、その電圧を出力する期間を、電源ストリング110,120,130よりも短くでき、電源ストリング140の電源ユニット141に入出力される電圧(電力)を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133よりも小さくできる。これにより、本実施形態では、切替装置150の頻繁なスイッチング動作による電源ユニット141の電気的な接続の切り替えに基づく電源ユニット141の過充電や過放電を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、電源ストリング140を相共通の電源ストリングとして、切替装置150によって、その電気的な接続先を、電源ストリング120から電源ストリング110、電源ストリング110から電源ストリング130、電源ストリング130から電源ストリング120、というように、三相交流の位相にしたがって順次、切り替えて使用しているので、電源ストリング110,120,130のそれぞれの電源ユニットの個数を4個(全体で12個)とするよりも、電源ユニットの個数を2個減らす(全体で10個にする)ことができ、電源装置100のコストを低減することができる。
従って、本実施形態によれば、電源装置100の導入コストを低減でき、電源装置100を導入し易くすることができる。
尚、図6及び図7に示した変調波及び出力電圧は一例であり、電源装置100の運転状態や電力系統200の状態が変化すれば、それらの態様も変更される。例えば電力系統200が必要とする三相交流電圧が低下すれば、目標三相交流電圧を示す変調波の振幅が小さくなり、これに伴って、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133、電源ストリング140の電源ユニット141のそれぞれの電圧生成パターンが変更され、電源装置100の蓄電システムにおいて生成される出力電圧が低下する。
ここで、目標三相交流電圧に対する出力電圧が、電源ストリング110,120,130によって生成可能である場合には、電源ストリング140において、電源ストリング110,120,130のそれぞれに対する出力電圧の生成は行われず、切替装置150の切り替えによる、電源ストリング110,120,130に対する電源ストリング140の電気的な接続の切り替えも行われない。
また、本実施形態では、電源ストリング140の電源ユニット141に入出力される電圧(電力)を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133よりも小さくしたが、これを大きくするようにしてもよい。この場合、切替装置150の頻繁なスイッチング動作による電源ユニット141の電気的な接続の切り替えに基づく電源ユニット141の過充電や過放電を抑制するために、抵抗などの保護装置設けることが好ましい。
〔実施形態2〕
図8乃至図10を用いて、第2実施形態を説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例である。
以下では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同じ部分については、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
まず、図8を用いて、電源装置100のシステム構成の異なる部分について説明する。
《蓄電システムの構成》
本実施形態では、電源ストリングを構成する電源ユニットの個数が、第1実施形態とは異なっている。具体的には、電源ストリング110は一つの電源ユニット111によって構成されている。電源ストリング120は一つの電源ユニット121によって構成されている。電源ストリング130は一つの電源ユニット131によって構成されている。電源ストリング140は六つの電源ユニット141〜146によって構成されている。このように、本実施形態では、相毎の電源ストリング110,120,130のそれぞれを構成する電源ユニットの個数が一つとなり、三相共通の電源ストリング140を構成する電源ユニットの個数が複数(六つ)になっている。
電源ユニット142〜146は、電源ユニット121,131,141と同様に、図2に示す電源ユニット111と同じ構成になっている。
電源ストリング140は、六つの電源ユニット141〜146のそれぞれが、三相交流の位相にしたがって順次、電気的な接続先が切り替わる。このため、六つの電源ユニット141〜146のそれぞれには切替装置が設けられている。具体的には、電源ユニット141には切替装置150が対応して設けられている。電源ユニット142には切替装置151が対応して設けられている。電源ユニット143には切替装置152が対応して設けられている。電源ユニット144には切替装置153が対応して設けられている。電源ユニット145には切替装置154が対応して設けられている。電源ユニット146には切替装置155が対応して設けられている。
切替装置151〜155は、図3に示す切替装置150と同じ構成になっている。
《電源装置の動作》
次に、図9,図10を用いて、図8に示す電源装置100の動作について説明する。
図9は、電源装置110の三相分の変調波と、切替装置150〜155のそれぞれに対する切替指令との対応関係の時間変化を示す。図10は、電源装置100の三相分の出力電圧と、電源ユニット111,121,131,141〜146のそれぞれの出力電圧との対応関係の時間変化を示す。
図9,図10において、横軸は時間を示す。
図9において、縦軸は変調波及び切替指令を示す。具体的には、図9の(9A)は電源装置100に対する三相分の変調波を示す。ここで、実線はu相の変調波を示す。点線はv相の変調波を示す。破線はw相の変調波を示す。u相の変調波を基準とすると、v相の変調波はu相の変調波に対して電気的に120度、位相差があり、w相の変調波はv相の変調波に対して電気的に120度、位相差がある。すなわち三相の変調波は対称三相交流であり、電源装置100には対称三相交流電圧の出力が要求されている。図9の(9B)は切替装置150に対する切替指令を示す。図9の(9C)は切替装置151に対する切替指令を示す。図9の(9D)は切替装置152に対する切替指令を示す。図9の(9E)は切替装置153に対する切替指令を示す。図9の(9F)は切替装置154に対する切替指令を示す。図9の(9G)は切替装置155に対する切替指令を示す。
図10において、縦軸は出力電圧を示す。具体的には、図10の(10A)は電源装置100の出力電圧を示す。ここで、実線はu相の出力電圧を示す。点線はv相の出力電圧を示す。破線はw相の出力電圧を示す。尚、後述する図10の(10B)〜(10J)の出力電圧を合成すると、図10の(10A)の出力電圧になる。図10の(10B)は電源ユニット141の出力電圧を示す。図10の(10C)は電源ユニット142の出力電圧を示す。図10の(10D)は電源ユニット143の出力電圧を示す。図10の(10E)は電源ユニット144の出力電圧を示す。図10の(10F)は電源ユニット145の出力電圧を示す。図10の(10G)は電源ユニット146の出力電圧を示す。図10の(10H)は電源ユニット111の出力電圧を示す。図10の(10I)は電源ユニット121の出力電圧を示す。図10の(10J)は電源ユニット131の出力電圧を示す。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、各相の出力電圧を、二つの電源ストリング間に跨って、二つの電源ストリングの複数の電源ユニットによって分担して出力している。しかし、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれを構成する電源ユニットの個数が第1実施形態とは異なっている。このため、本実施形態では、電源装置100から出力される最終的な三相交流電圧は同じであるが、電源ユニット間での分担の仕方、各電源ユニットの分担する電圧が第1実施形態とは異なっている。
電源ユニット111,121,131は、それぞれ、対応する相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧のうち、図9の(9A)に示す、対応する相の変調波の最大及び最小振幅付近(変曲点前後)に対応する矩形波状の電圧を生成している。
電源ユニット111,121,131のそれぞれの制御ユニット40には、中央制御装置160から、対応する相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために必要な制御指令(変調波及び搬送波)が出力されている。
電源ユニット111,121,131のそれぞれの制御ユニット40では、中央制御装置160から出力された、対応する変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット111,121,131のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,121,131のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,121,131のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット111,121,131のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット111,121,131のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット111,121,131のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット111,121,131のそれぞれのスイッチング回路30は、図10の(10H)〜(10J)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図10の(10H)〜(10J)に示す出力電圧は、時間0から時間T22までの期間の周期をTとすると、3Tの周期で正負が切り替わっている。
電源ユニット141〜146は、三相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧のうち、電源ユニット111,121,131のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧を除く残りの矩形波状の電圧(図9の(9A)に示す三相の変調波のうち、電源ユニット111,121,131のそれぞれに対応した波形部分を除いた残りの波形部分に対応する矩形波状の電圧)を、各相の位相に応じて順次、分担して生成している。
そのうち、電源ユニット141〜143は、時間0を基準とすると、v相,u相,w相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成している。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成し、時間T22から時間T24までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成し、時間T24から時間T26までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成し、時間T26から時間T28までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成し、時間T28から時間T30までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成し、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の同じ電圧を生成している。
電源ユニット141〜143のそれぞれの制御ユニット40には、中央制御装置160から、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために必要な制御指令(変調波及び搬送波)が出力されている。
切替装置150〜152のそれぞれの切替制御装置90には、電源ユニット141〜143のそれぞれの制御ユニット40に出力される変調波に合わせて、図9の(9B)〜(9D)に示すように、電源ユニット141〜143の電気的な接続先を示す切替指令が中央制御装置160から出力されている。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T22から時間T24までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T24から時間T26までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T26から時間T28までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T28から時間T30までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定された切替指令が出力されている。
電源ユニット141〜143のそれぞれの制御ユニット40では、中央制御装置160から出力された、対応する変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット141〜143のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141〜143のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141〜143のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット141〜143のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット141〜143のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット141〜143のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット141〜143のそれぞれのスイッチング回路30は、図10の(10B)〜(10D)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図10の(10B)〜(10D)に示す出力電圧は、時間0から時間T22までの期間の周期をTとすると、Tの周期で正負が切り替わっている。
電源ユニット144は、時間0を基準とすると、u相,w相,v相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T22から時間T24までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T24から時間T26までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T26から時間T28までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T28から時間T30までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。このように、電源ユニット144は、時間0から時間T21までの期間の時間をtとすると、電源ユニット141〜1434に対して時間的に2t分ずれて、u相からw相,v相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。
電源ユニット144の制御ユニット40には、中央制御装置160から、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために必要な制御指令(変調波及び搬送波)が出力されている。
切替装置153の切替制御装置90には、電源ユニット144の制御ユニット40に出力される変調波に合わせて、図9の(9E)に示すように、電源ユニット144の電気的な接続先を示す切替指令が中央制御装置160から出力されている。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T22から時間T24までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T24から時間T26までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T26から時間T28までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T28から時間T30までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定された切替指令が出力されている。
電源ユニット144の制御ユニット40では、中央制御装置160から出力された、対応する変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット144において生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット144のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット144のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット144の制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット144のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット144のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット144のスイッチング回路30は、図10の(10E)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図10の(10E)に示す出力電圧は、時間0から時間T22までの期間の周期をTとすると、Tの周期で正負が切り替わっているが、図10の(10B)〜(10D)に示す出力電圧に比べて、位相がTの1/2だけずれている。
電源ユニット145は、時間0を基準とすると、w相,v相,u相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T22から時間T24までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T24から時間T26までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T26から時間T28までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T28から時間T30までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。このように、電源ユニット145は、時間0から時間T21までの期間の時間をtとすると、電源ユニット144に対して時間的に2t分ずれて、w相からv相,u相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。
電源ユニット145の制御ユニット40には、中央制御装置160から、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために必要な制御指令(変調波及び搬送波)が出力されている。
切替装置154の切替制御装置90には、電源ユニット145の制御ユニット40に出力される変調波に合わせて、図9の(9F)に示すように、電源ユニット145の電気的な接続先を示す切替指令が中央制御装置160から出力されている。具体的には、時間0から時間T22までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T22から時間T24までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T24から時間T26までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T26から時間T28までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T28から時間T30までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T30から時間T31の次の時間までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定された切替指令が出力されている。
電源ユニット145の制御ユニット40では、中央制御装置160から出力された、対応する変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット145において生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット145のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット145のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット145の制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット145のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット145のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット145のスイッチング回路30は、図10の(10F)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図10の(10F)に示す出力電圧は、時間0から時間T22までの期間の周期をTとすると、Tの周期で正負が切り替わっているが、図10の(10B)〜(10D)に示す出力電圧に比べて、位相がTの1/2だけずれている。
電源ユニット146は、時間0を基準とすると、u相,w相,v相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。具体的には、時間0から時間T21までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T21から時間T23までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T23から時間T25までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T25から時間T27までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T27から時間T29までの期間では、w相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T29から時間T31までの期間では、v相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成し、時間T31から次の時間までの期間では、u相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成している。このように、電源ユニット146は、時間0から時間T21までの期間の時間をtとすると、電源ユニット144に対して時間的に1t分ずれて、u相からw相,v相の順に、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧から生成している。
電源ユニット146の制御ユニット40には、中央制御装置160から、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を生成するために必要な制御指令(変調波及び搬送波)が出力されている。
切替装置155の切替制御装置90には、電源ユニット146の制御ユニット40に出力される変調波に合わせて、図9の(9G)に示すように、電源ユニット146の電気的な接続先を示す切替指令が中央制御装置160から出力されている。具体的には、時間0から時間T21までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T21から時間T23までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T23から時間T25までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T25から時間T27までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定され、時間T27から時間T29までの期間では、w相の電源ユニット131に電気的に接続されるように設定され、時間T29から時間T31までの期間では、v相の電源ユニット121に電気的に接続されるように設定され、時間T31から次の時間までの期間では、u相の電源ユニット111に電気的に接続されるように設定された切替指令が出力されている。
電源ユニット146の制御ユニット40では、中央制御装置160から出力された、対応する変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット146において生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット146のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット146のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット146の制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット146のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット146のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット146のスイッチング回路30は、図10の(10G)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図10の(10G)に示す出力電圧は、時間0から時間T22までの期間の周期をTとすると、Tの周期で正負が切り替わっているが、図10の(10B)〜(10G)に示す出力電圧に比べて、正又は負の電圧を出力する期間が短い。
図10の(10B)〜(10J)に示す電源ユニット111,121,131,141〜146のそれぞれの出力電圧は相毎に合成される。この結果、電源装置100からは、図10の(10A)に示す出力電圧が出力される。
以上のように、電源ストリング110,120,130,140及び切替装置150が動作することにより、電源装置100は、図10の(10A)に示すように、図9の(9A)に示す変調波(電力系統200の要求電圧を示す目標三相交流電圧)に対応した三相交流電圧を生成し、この生成した三相交流電圧を、三相変圧器101によって高圧に変圧して、電力系統200に出力することができる。これにより、電源装置100は、電力系統200と連係することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから出力される電力が負荷側の要求電力に対して不足状態にある場合には、電力系統200に電源装置100から電力を供給(放電)して発電システムの不足分の電力を補うことができる。
電力系統200から三相交流電圧が入力された場合には、電源装置100は、入力されて三相変圧器101によって低圧に変圧された三相交流電圧に基づいて、中央制御装置160から制御指令を、電源ストリング110の電源ユニット111、電源ストリング120の電源ユニット121、電源ストリング130の電源ユニット131、電源ストリング140の電源ユニット141〜146のそれぞれに出力して、それらの動作を、図9,図10を用いて説明した場合と同様に制御する。これにより、電顕装置100は、変圧された三相交流電圧を、電源ストリング110の電源ユニット111、電源ストリング120の電源ユニット121、電源ストリング130の電源ユニット131、電源ストリング140の電源ユニット141〜146のそれぞれにおいて整流して直流電圧に変換し、対応する蓄電ユニット10に出力することができる。各蓄電ユニット10は、直流電圧によって二次電池11を充電することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから電力系統に出力される電力が負荷側の要求電力に対して余剰状態にある場合には、電力系統200から発電システムの余剰分の電力を回収して電源装置100に蓄積(充電)することができる。
また、本実施形態では、電源ストリング140を各相共通の電源ストリングとして、切替装置150〜155によって、電源ユニット141〜146のそれぞれの電気的な接続先を、三相交流の位相にしたがって順次、切り替えて使用しているので、電源ストリング110,120,130のそれぞれの電源ユニットの個数を4個(全体で12個)とするよりも、電源ユニットの個数を3個減らす(全体で9個にする)ことができ、電源装置100のコストを低減することができる。
従って、本実施形態によれば、電源装置100の導入コストを低減でき、電源装置100を導入し易くすることができる。
〔実施形態3〕
図11乃至図13を用いて、第3実施形態を説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例である。
以下では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同じ部分については、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
まず、図11を用いて、電源装置100のシステム構成の異なる部分について説明する。
《蓄電システムの構成》
本実施形態では、電源ストリング110,120,130に対する電源ストリング140の電気的な接続の仕方が、第1実施形態とは異なっている。具体的には、第1実施形態では、電源ストリング110,120,130に対して電源ストリング140が切替装置を介して電気的に接続されるのに対して、本実施形態では、電源ストリング140の一端側が三相結線103の中性点102に電気的に接続されている。これにより、電源ストリング110,120,130のそれぞれの一端側は直接、三相結線103に電気的に接続されている。
変圧器101の一次巻線はΔ(デルタ)結線されている。変圧器101の二次巻線はY(スター)結線されている。これにより、変圧器101の二次巻線には中性点が形成される。二次巻線の中性には電源ストリング140の他端側が電気的に接続されている。
電源ストリング140は一つの電源ユニット141を備え、三相結線103の中性点102と変圧器101の二次巻線の中性点との間に、三相の位相に応じて順次変更して、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を注入している。
《電源装置の動作》
次に、図12,図13を用いて、図11に示す電源装置100の動作について説明する。
図12は、電源装置110の三相分の変調波と、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれに対応した変調波との対応関係の時間変化を示す。図13は、電源装置100の三相分の出力電圧と、電源ストリング110,120,130,140のそれぞれの出力電圧との対応関係の時間変化を示す。
図12,図13において、横軸は時間を示す。
図12において、縦軸は変調波を示す。具体的には、図12の(12A)は電源装置100に対する三相分の変調波を示す。ここで、実線はu相の変調波を示す。点線はv相の変調波を示す。破線はw相の変調波を示す。u相の変調波を基準とすると、v相の変調波はu相の変調波に対して電気的に120度、位相差があり、w相の変調波はv相の変調波に対して電気的に120度、位相差がある。すなわち三相の変調波は対称三相交流であり、電源装置100には対称三相交流電圧の出力が要求されている。尚、後述する図12の(12B)〜(12E)の変調波を合成すると、図12の(12A)の変調波になる。図12の(12B)は電源ストリング110に対する変調波を示す。図12の(12C)は電源ストリング120に対する変調波を示す。図12の(12D)は電源ストリング130に対する変調波を示す。図12の(12E)は電源ストリング140に対する変調波を示す。
図13において、縦軸は出力電圧を示す。具体的には、図13の(13A)は電源装置100の出力電圧を示す。ここで、実線はu相の出力電圧を示す。点線はv相の出力電圧を示す。破線はw相の出力電圧を示す。尚、後述する図13の(13B)〜(13E)の出力電圧を合成すると、図13の(13A)の出力電圧になる。図13の(13B)は電源ストリング110の出力電圧を示す。図13の(13C)は電源ストリング120の出力電圧を示す。図13の(13D)は電源ストリング130の出力電圧を示す。ここで、図13の(13B)〜(13E)の出力電圧は、それぞれ、対応する電源ストリングを構成する複数の電源ユニットの矩形波状の出力電圧の合成により得られた出力電圧である。図13の(13E)は電源ストリング140の出力電圧を示す。
図12の(12A)に示す電源装置100の各相の変調波を数式によって定義すると、次に示す式(1)〜(3)の通りになる。ここで、Vuはu相の変調波を、Vvはv相の変調波を、Vwはw相の変調波を、θはu相の位相角を、V0は各変調波の振幅を、それぞれ示す。
また、図12の(12B)〜(12E)に示す電源ストリング110,120,130,140のそれぞれの変調波を数式によって定義すると、次に示す式(4)〜(7)の通りになる。ここで、V140は電源ストリング140の変調波を、V110は電源ストリング110の変調波を、V120は電源ストリング120の変調波を、V130は電源ストリング130の変調波を、3θはV0_140は電源ストリング140の変調波の位相角を、V0_140は電源ストリング140の変調波の振幅を、それぞれ示す。
図12の(12B)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング110の電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40には、式(5)に示す変調波(目標出力電圧)が出力されている。
図12の(12C)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング120の電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40には、式(6)に示す変調波(目標出力電圧)が出力されている。
図12の(12D)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング130の電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40には、式(7)に示す変調波(目標出力電圧)が出力されている。
図12の(12E)に示すように、中央制御装置160から電源ストリング140の電源ユニット140の制御ユニット40には、式(4)に示す変調波(目標出力電圧)が出力されている。
また、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40、電源ストリング140の電源ユニット141の制御ユニット40には、対応する電位レベルの搬送波(三角波)が中央制御装置160から出力されている。尚、搬送波は、中央制御装置160からの情報に基づいて、各制御ユニット40において生成してもよい。
電源ストリング110では、電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40において、式(5)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット111,112,113のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット111,112,113のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット111,112,113のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図13の(13B)に示すように、電源ユニット111,112,113のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、式(5)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング120では、電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40において、式(6)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット121,122,123のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット121,122,123のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット121,122,123のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図13の(13C)に示すように、電源ユニット121,122,123のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、式(6)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング130では、電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40において、式(7)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット131,132,133のそれぞれにおいて生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット131,132,133のそれぞれの制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット131,132,133のそれぞれのスイッチング回路30は、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図13の(13D)に示すように、電源ユニット131,132,133のそれぞれにおいて生成された矩形波状の電圧は合成され、式(7)に示す変調波に対応した出力電圧として出力される。
電源ストリング140では、電源ユニット141の制御ユニット40において、式(5)に示す変調波と、対応する搬送波とを比較し、電源ユニット141において生成する矩形波状の電圧生成パターンに関する情報を演算し、この演算された電圧生成パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのスイッチング駆動パターンに関する情報を演算し、この演算されたスイッチング駆動パターンに関する情報に基づいて、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力するためのノッチ波を生成し、そのノッチ波をスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに出力する。
電源ユニット141の制御ユニット40から出力されたノッチ波が、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37のそれぞれのゲートに入力されると、電源ユニット141のスイッチング回路30を構成するスイッチング素子31,33,35,37は、それぞれ、対応する制御ユニット40から信号伝送されたノッチ波に基づいて、スイッチング(オン,オフ)する。この結果、電源ユニット141のスイッチング回路30は、図13の(13E)に示すように、矩形波状の電圧生成パターンに応じた矩形波状の電圧を生成する。
図13の(13A)に示すように、時間0から時間T31までの期間及び時間T33から時間T34までの期間では、図7の(7E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング120の出力電圧に合成される。すなわち時間0から時間T31までの期間及び時間T33から時間T34までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123,141の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133の出力電圧の合成によって生成される。
時間T31から時間T32までの期間及び時間T34から時間T35までの期間では、図13の(13E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング110の出力電圧に合成される。すなわち時間T31から時間T32までの期間及び時間T34から時間T35までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113,141の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133の出力電圧の合成によって生成される。
時間T32から時間T33までの期間及び時間T35から次の時間までの期間では、図13の(13E)に示す電源ストリング140の出力電圧は、電源ストリング130の出力電圧に合成される。すなわち時間T32から時間T33までの期間及び時間T35から次の時間までの期間では、u相の出力電圧は、電源ユニット111,112,113の出力電圧の合成によって生成され、v相の出力電圧は、電源ユニット121,122,123の出力電圧の合成によって生成され、w相の出力電圧は、電源ユニット131,132,133,141の出力電圧の合成によって生成される。
以上のように、電源ストリング110,120,130,140が動作することにより、電源装置100は、図13の(13A)に示すように、図12の(12A)の変調波(式(1)〜(3)に示す変調波であり、電力系統200の要求電圧を示す目標三相交流電圧)に対応した三相交流電圧を生成し、この生成した三相交流電圧を、三相変圧器101によって高圧に変圧して、電力系統200に出力することができる。これにより、電源装置100は、電力系統200と連係することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから出力される電力が負荷側の要求電力に対して不足状態にある場合には、電力系統200に電源装置100から電力を供給(放電)して発電システムの不足分の電力を補うことができる。
電力系統200から三相交流電圧が入力された場合には、電源装置100は、入力されて三相変圧器101によって低圧に変圧された三相交流電圧に基づいて、中央制御装置160から制御指令を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133、電源ストリング140の電源ユニット141のそれぞれに出力して、それらの動作を、図12,図13を用いて説明した場合と同様に制御する。これにより、電顕装置100は、変圧された三相交流電圧を、電源ストリング110の電源ユニット111,112,113、電源ストリング120の電源ユニット121,122,123、電源ストリング130の電源ユニット131,132,133、電源ストリング140の電源ユニット141のそれぞれにおいて整流して直流電圧に変換し、対応する蓄電ユニット10に出力することができる。各蓄電ユニット10は、直流電圧によって二次電池11を充電することができる。
従って、本実施形態によれば、発電システムから電力系統に出力される電力が負荷側の要求電力に対して余剰状態にある場合には、電力系統200から発電システムの余剰分の電力を回収して電源装置100に蓄積(充電)することができる。
また、本実施形態では、電源ストリング140を各相共通の電源ストリングとして、三相結線103の中性点102と変圧器101の二次巻線の中性点との間に、三相の位相に応じて順次変更して、各相の出力電圧を生成するための矩形波状の電圧を注入しているので、電源ストリング110,120,130のそれぞれの電源ユニットの個数を4個(全体で12個)とするよりも、電源ユニットの個数を2個減らす(全体で10個にする)ことができ、さらには、切替装置を省略することがきで、電源装置100のコストを低減することができる。
従って、本実施形態によれば、電源装置100の導入コストを低減でき、電源装置100を導入し易くすることができる。
尚、式(4)に示した変調波は一例である。本実施形態では、正弦波の合成によって連続的に変化する場合を例に挙げて説明したが、不連続に変化する変調波であってもよい。