JPWO2013108612A1 - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

撮像装置(100)は、外殻(1)と、前記外殻(1)内を移動可能に構成され、該外殻1外の被写体を該外殻(1)を通して撮影するカメラ本体2と、前記カメラ本体(2)による撮影画像から前記外殻(1)における障害物を検出する障害物検出部(71)と、前記障害物検出部(71)により検出された障害物を前記撮影画像から除去する障害物除去部(73)とを備えている。

Description

ここに開示される技術は、内面が球面状に形成されたケース内に配置された撮像部を備えた撮像装置に関する。
特許文献1に係る撮像装置では、内面が球面状に形成された外殻内に撮像部を配置している。外殻は、2つの部分に分割されている。該2つの部分は、撮像部をそれらの内部に収容した状態で互いに接合される。この撮像装置においては、撮像部を外殻の内面に沿って相対的に移動させることによって、撮像範囲を調整しながら撮影を行う。より具体的には、撮像部は、3つの駆動輪を有し、該駆動輪が外殻の内面に接触している。駆動輪が駆動されることによって、撮像部が外殻の内面に沿って移動する。撮像部は、外殻を通して、外殻外部の被写体を撮影する。
特開平9−254838号公報
しかしながら、特許文献1に係る撮像装置では、外殻及びその近傍に障害物が存在すると、該障害物が撮影画像に写り込む等して、撮影画像の画質が劣化する虞がある。障害物としては、外殻の接合部や外殻に付着した粉塵等が挙げられる。
ここに開示される技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外殻及びその近傍に存在する障害物に起因する画質劣化を低減することにある。
ここに開示される技術は、被写体を撮影する撮像装置が対象である。この撮像装置は、ケースと、前記ケース内を移動可能に構成され、該ケース外の被写体を該ケースを通して撮影する撮像部と、前記撮像部による撮影画像から前記ケースにおける障害物を検出する障害物検出部と、前記障害物検出部により検出された障害物を前記撮影画像から除去する画像処理部とを備えるものとする。
ここに開示される技術によれば、外殻及びその近傍に存在する障害物に起因する画質劣化を低減することができる。
図1は、撮像装置の斜視図である。 図2は、撮像装置の断面図であり、(A)は、外殻1の中心を通り且つP軸に直交する平面で切断した撮像装置の断面図であり、(B)は(A)のB−B線における、撮像装置の断面図である。 図3は、カメラ本体を示し、(A)はカメラ本体の斜視図であり、(B)はカメラ本体の正面図である。 図4は、移動枠及び第1〜第3駆動部の分解斜視図である。 図5は、撮像装置の機能ブロック図である。 図6は、外殻内におけるフォトセンサの配置図であり、(A)は、光軸方向に後側からフォトセンサを見た図であり、(B)は、光軸方向と直交する方向からフォトセンサを見た図である。 図7は、外殻の中心から反射膜の表面までの距離を示すグラフであって、(A)は接合部と一致する切断面S1におけるグラフであり、(B)は接合部から第1距離だけ離れた切断面S2におけるグラフであり、(C)は接合部から第1距離よりも長い第2距離だけ離れた切断面S3におけるグラフである。 図8は、フォトセンサの角度位置に対する出力を示すグラフである。 図9は、映像処理部のうち障害物除去処理を司る部分の機能ブロック図である。 図10は、被写体を撮影する際に、カメラ本体の撮影範囲内に接合部が入り込んだ状況を示す説明図である。 図11は、障害物除去処理の各過程における撮影画像である。 図12は、撮像装置の使用例を示す図である。 図13は、変形例に係る撮像装置の断面図である。 図14は、変形例に係るカメラ本体を示し、(A)はカメラ本体の斜視図であり、(B)はカメラ本体の右側面図であり、(C)はカメラ本体の(A)とは異なる角度から見た斜視図である。 図15は、実施形態2のレンズ鏡筒及び映像処理部の機能ブロック図である。
〈1.外観〉
図1に撮像装置100の斜視図を示す。図2は、撮像装置100の断面図であり、(A)は、外殻1の中心Oを通り且つP軸に直交する平面で切断した撮像装置100の断面図であり、(B)は(A)のB−B線における、撮像装置100の断面図である。
撮像装置100は、略球状の外殻1と、該外殻1内に配置されたカメラ本体2とを備えている。カメラ本体2は、外殻1の内面に沿って外殻1に対して相対的に移動する。カメラ本体2は、外殻1内を移動しつつ、外殻1を通して外殻1の外部の被写体を撮影する。
〈2.外殻〉
外殻1は、第1ケース11と第2ケース12とを有している。第1ケース11と第2ケース12とは、互いに接合され、全体として略球状となっている。外殻1の内面は、略球面に形成されている。外殻1は、ケースの一例であり、第1ケース11は、第1部分の一例であり、第2ケース12は、第2部分の一例である。
第1ケース11は、球冠状に形成されている。ここで、「球冠」とは、「球帯」のうち、開口を1つしか有さないものを意味する。第1ケース11の開口部11aは、外殻1の大円を構成する。すなわち、第1ケース11は、半球状に形成されている。第1ケース11の内面は、球冠状に形成されている。第1ケース11は、可視光に対し透明な材料であって且つ高い硬度の材料(例えば、ガラス又はセラミックス材料)で形成されている。高い硬度の材料を採用することにより、後述する駆動子42との接触による磨耗を低減することができる。
第2ケース12は、球冠状に形成されている。第2ケース12の開口部12aは、外殻1の大円を構成する。すなわち、第2ケース12は、半球状に形成されている。第2ケース12の内面は、球冠状に形成されている。第2ケース12の内面の曲率は、第1ケース11の内面の曲率と略等しい。第2ケース12は、可視光に対し透明な材料であって且つ高い硬度の材料(例えば、ガラス又はセラミックス材料)で形成されている。高い硬度の材料を採用することにより、後述する駆動子42との接触による磨耗を低減することができる。
第1ケース11の開口部11aと第2ケース12の開口部12aとが互いに接合される。こうして、接合部13を有する外殻1が形成される。
外殻1の内面、即ち、第1ケース11及び第2ケース12の内面には、可視光を透過し且つ波長が約900nmの赤外光を反射する反射膜14が設けられている。反射膜14の詳細な構成については、後述する。
ここで、図1に示すように、外殻1の中心点(即ち、第1ケース11の中心)をO点、O点と第1ケース11の開口部11aの中心とを通る直線をP軸、O点を通りP軸と直交する軸をQ軸と定義する。
〈3.カメラ本体〉
図3は、カメラ本体2を示し、(A)はカメラ本体2の斜視図であり、(B)はカメラ本体2の正面図である。図4は、移動枠21及び第1〜第3駆動部26A〜26Cの分解斜視図である。
カメラ本体2は、移動枠21と、レンズ鏡筒3と、移動枠21に取り付けられた第1〜第3駆動部26A〜26Cと、レンズ鏡筒3を移動枠21に取り付けるための取付板27と、カメラ本体2の制御を行う回路基板28とを有している。カメラ本体2は、静止画撮影及び動画撮影を行うことができる。ここで、レンズ鏡筒3の光軸20をZ軸とし、光軸20の被写体側を前側とする。カメラ本体2は、撮像部の一例である。
移動枠21は、正面から見たときに略正三角形状の枠体である。移動枠21は、三角形の三辺をなす第1〜第3側壁23a〜23cを含む外周壁22と、外周壁22の内側に形成された仕切壁24とを有する。仕切壁24の中央には、開口部25が形成されている。
レンズ鏡筒3は、光軸20を有する複数のレンズ31と、レンズ31を保持するレンズ枠32と、撮像素子33とを有している。レンズ枠32は、移動枠21の内部に配置され、光軸20が移動枠21の中心を通っている。レンズ鏡筒3の撮像素子33の裏側には取付板27が設けられている(図2(B)参照)。レンズ鏡筒3は、取付板27を介して移動枠21に取り付けられている。取付板27の、レンズ鏡筒3と反対側には、回路基板28が取り付けられている。
第1〜第3駆動部26A〜26Cは、移動枠21の外周面に設けられている。詳しくは、第1駆動部26Aは、第1側壁23aに設けられている。第2駆動部26Bは、第2側壁23bに設けられている。第3駆動部26Cは、第3側壁23cに設けられている。第1〜第3駆動部26A〜26Cは、Z軸回りにおいて略等間隔、即ち、略120°ごとに配置されている。ここで、図3(B)に示すように、Z軸と直交し、第3駆動部26Cを通る軸をY軸とし、Z軸及びY軸の両方に直交する軸をX軸とする。
第1駆動部26Aは、アクチュエータ本体4Aと第1支持機構5Aとを有している。第2駆動部26Bは、アクチュエータ本体4Bと第2支持機構5Bとを有している。第3駆動部26Cは、アクチュエータ本体4Cと第3支持機構5Cとを有している。
3つのアクチュエータ本体4A〜4Cは、共通の構成をしている。以下では、アクチュエータ本体4Aについてのみ説明し、アクチュエータ本体4B,4Cの説明を省略する。アクチュエータ本体4Aは、振動体41と、振動体41に取り付けられた2つの駆動子42と、振動体41を保持するホルダ43とを有している。
振動体41は、積層セラミックからなる圧電素子で形成されている。振動体41は、概ね直方体状に形成されている。振動体41の電極(図示省略)に所定の駆動電圧(交番電圧)を印加することによって、振動体41が長手方向への伸縮振動と短手方向への屈曲振動とを調和的に発生させる。
2つの駆動子42は、振動体41の一側面において、振動体41の長手方向に並んで取り付けられている。駆動子42は、セラミック製の球体であって、振動体41に接着されている。振動体41が前述の伸縮振動及び屈曲振動を行うことによって、2つの駆動子42はそれぞれ楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うことによって、振動体41の長手方向への駆動力が出力される。
ホルダ43は、ガラス入りポリカーボネイト製樹脂で形成されている。ホルダ43は、振動体41の積層方向(長手方向及び短手方向の両方に直交する方向)の両側から振動体41を挟み込んでいる。ホルダ43は、振動体41に接着されている。ホルダ43には、振動体41の積層方向に延びる回転軸44が外側に突出して設けられている。
第1支持機構5Aは、2つのL字型のブラケット51を有している。2つのブラケット51は、第1側壁23aの外面にネジ固定されている。2つのブラケット51は、アクチュエータ本体4Aを挟み込んだ状態で、ホルダ43の回転軸44を回転自在に支持している。こうして、アクチュエータ本体4Aは、Z軸に直交する平面に平行で且つ第1側壁23aに平行な軸回りに回転自在な状態で第1支持機構5Aに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Aの2つの駆動子42は、Z軸と平行に並んで配置されている。
第2支持機構5Bは、第1支持機構5Aと同様の構成であり、2つのL字型のブラケット51を有している。2つのブラケット51は、第2側壁23bの外面にネジ固定されている。2つのブラケット51は、アクチュエータ本体4Bを挟み込んだ状態で、ホルダ43の回転軸44を回転自在に支持している。こうして、アクチュエータ本体4Bは、Z軸に直交する平面に平行で且つ第2側壁23bに平行な軸回りに回転自在な状態で第2支持機構5Bに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Bの2つの駆動子42は、Z軸と平行に並んで配置されている。
第3支持機構5Cは、ホルダ43に取り付けられた保持板52と、アクチュエータ本体4Cの回転軸44を支持する2つの支持部53と、2つの付勢バネ54と、回転軸44の移動を規制するストッパ55とを有している。保持板52は、ホルダ43にネジ固定されている。保持板52は、振動体41の長手方向に延びる板状の部材であって、両端部に開口52aが設けられている。これら開口52aには、後述するピン23dの先端が挿通される。2つの支持部53は、第3側壁23cにおいて、Z軸方向と平行に並んで配置されている。支持部53の先端には、回転軸44が係合するガイド溝53aが形成されている。ガイド溝53aは、Z軸に直交する方向に延びている。ガイド溝53aには、ホルダ43の回転軸44が、ガイド溝53aの長手方向に進退自在で且つ該回転軸44回りに回転自在に嵌め込まれる。回転軸44の先端部は、支持部53からZ軸方向にはみ出している。第3側壁23cの外面には、2つのピン23dが設けられている。付勢バネ54は、該ピン23dに嵌められている。ストッパ55は、回転軸44の、ガイド溝53aの長手方向(即ち、ガイド溝53aが延びる方向)への移動を規制する第1規制部55aと、回転軸44の、Z軸と平行な方向への移動を規制する第2規制部55bとを有している。ストッパ55は、第3側壁23cにネジ固定される。第1規制部55aは、ストッパ55が第3側壁23cに取り付けられたときに、ガイド溝53aの先端に嵌り込むようになっている(図3(A)参照)。第2規制部55bは、ストッパ55が第3側壁23cに取り付けられたときに、ガイド溝53aに係合している回転軸44の先端と対向する位置に配置されるようになっている。
このように構成された第3支持機構5Cにおいて、アクチュエータ本体4Cは、ホルダ43の回転軸44をガイド溝53aに嵌めるようにして支持部53に設置される。このとき、保持板52と第3側壁23cとは、付勢バネ54を挟み込んで、付勢バネ54を圧縮変形させる。この状態で、ストッパ55が第3側壁23cにネジ固定される。アクチュエータ本体4Cは、付勢バネ54の弾性力により、Z軸に直交する方向であってZ軸から離れる側に付勢される。このとき、ガイド溝53aの先端は、ストッパ55の第1規制部55aにより塞がれてるので、回転軸44がガイド溝53aから抜け出ることが防止されている。また、回転軸44の先端と対向する位置にはストッパ55の第2規制部55bが位置しているので、アクチュエータ本体4CのZ軸方向への移動が第2規制部55bにより規制されている。つまり、アクチュエータ本体4Cは、ガイド溝53aの長手方向に移動可能であると共に、回転軸44を中心に回転可能に第3支持機構5Cによって支持されている。こうして、アクチュエータ本体4Cは、Z軸に平行な軸回りに回転自在な状態で第3支持機構5Cに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Cの2つの駆動子42は、Z軸周りの周方向に並んで配置されている。
図5に、撮像装置100の機能ブロック図を示す。回路基板28は、撮像素子33からの出力信号に基づいて映像信号処理を行う映像処理部61と、第1〜第3駆動部26A〜26Cの駆動制御を行う駆動制御部62と、無線信号の送受信を行うアンテナ63と、映像処理部61からの信号を送信信号に変換して、該送信信号をアンテナ63を介して送信する送信部64と、アンテナ63を介して無線信号を受信し、該無線信号を変換して駆動制御部62へ出力する受信部65と、回路基板28の各部に電力を供給するバッテリ66と、カメラ本体2の角速度を検出するジャイロセンサ67と、カメラ本体2の位置を検出するための3つのフォトセンサ68と、フォトセンサ68の出力に対するカメラ本体2の位置の対応関係を記憶する位置メモリ部69と、フォトセンサ68の出力及び位置メモリ部69に記憶された対応関係に基づいてカメラ本体2の位置を検出する位置検出部60とを有している。
ジャイロセンサ67は、3軸の検出軸を有している。つまり、ジャイロセンサ67は、X軸周りの回転角速度を検出するX軸ジャイロセンサと、Y軸周りの回転角速度を検出するY軸ジャイロセンサと、Z軸周りの角速度を検出するZ軸ジャイロセンサが1つのパッケージに収納されたセンサである。ジャイロセンサ67は、各検出軸回りの角速度に応じた信号を出力する。ジャイロセンサ67の出力信号に基づいて、カメラ本体2の回転移動を検出することができる。
フォトセンサ68は、赤外光を出力する発光部(図示省略)と、赤外光を受光する受光部(図示省略)とを有している。フォトセンサ68は、波長900nmの赤外光の受発光を行う。撮像素子33の前側にはIRカットフィルタが設けられているので、フォトセンサ68の光を赤外光とすることによって、撮影画像に不要な光が写り込むことを防止することができる。3つのフォトセンサ68は、回路基板28の移動枠21とは反対側の面において、それぞれ異なる位置に配置されている。各フォトセンサ68は、外殻1の内面に向かって赤外光を出力し、該内面の反射膜14からの反射光を受光するように配置されている。
映像処理部61は、撮像素子33からの出力信号の増幅及びA/D変換、さらには撮影画像の画像処理などを行う。駆動制御部62は、第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに駆動電圧(制御信号)を出力する。駆動制御部62は、アンテナ63及び受信部65を介して入力される外部からの信号(指令)、ジャイロセンサ67からの出力信号、及びフォトセンサ68からの出力信号に基づいて駆動電圧を生成する。位置検出部60は、フォトセンサ68からの出力及び位置メモリ部69に記憶された情報に基づいてカメラ本体2の位置を検出し、その位置情報を映像処理部61及び駆動制御部62へ出力する。
〈4.カメラ本体の外殻内における配置〉
カメラ本体2は、図2に示すように、外殻1内に配置される。カメラ本体2のZ軸が外殻1のP軸と一致しているときを基準状態とする。すなわち、図2(A),(B)は、撮像装置100の基準状態を示す。第1〜第3駆動部26A〜26Cそれぞれの駆動子42は、外殻1の内面と接触している。基準状態においては、レンズ鏡筒3は、第1ケース11の方を向いている。回路基板28は、基準状態においては、第2ケース12内に位置している。第3駆動部26Cは、Z軸を中心とする半径方向に移動可能であって且つ付勢バネ54によって該半径方向外側に付勢されている。そのため、第3駆動部26Cの駆動子42は、付勢バネ54の弾性力によって外殻1の内面に押圧された状態で接触しており、第1及び第2駆動部26A,26Bの駆動子42は、付勢バネ54の反力によって外殻1の内面に押圧された状態で接触している。また、基準状態においては、第1駆動部26Aの駆動子42は、P軸と平行に並んでいる。第2駆動部26Bの駆動子42は、P軸と平行に並んでいる。一方、第3駆動部26Cの駆動子42は、外殻1の大円の円周方向、即ち、P軸を中心とする周方向に並んでいる。ここで、第3駆動部26Cのアクチュエータ本体4CがZ軸を中心とする半径方向に移動可能であることに加えて、第1〜第3駆動部26A〜26Cのアクチュエータ本体4A〜4Cがそれぞれの回転軸44回りに回転自在に支持されているので、外殻1の内面の形状誤差及び各駆動部の組立誤差などが吸収される。
〈5.カメラ本体の動作〉
第1〜第3駆動部26A〜26Cに駆動電圧が印加されると、それぞれの駆動子42が楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うと、第1駆動部26Aは、Z軸と平行な方向に駆動力を出力する。第2駆動部26Bは、Z軸と平行な方向に駆動力を出力する。第3駆動部26Cは、Z軸回りの周方向に駆動力を出力する。そのため、第1駆動部26Aの駆動力と第2駆動部26Bの駆動力とを組み合わせることによって、外殻1のP軸に対するカメラ本体2のZ軸を任意に調整することができる。さらに、第3駆動部26Cの駆動力によって、カメラ本体2をZ軸回りに回転させることができる。このように、第1〜第3駆動部26A〜26Cの駆動力を調整することによって、カメラ本体2を外殻1に対して回転移動させ、外殻1に対するカメラ本体2の姿勢を任意に調整することができる。
以下、カメラ本体2の基本的な駆動制御について説明する。
カメラ本体2は、外部からのマニュアル指令とジャイロセンサ67からの出力に基づく補正指令とによって駆動される。
詳しくは、駆動制御部62は、マニュアル指令が外部から無線通信により入力されたときには、マニュアル指令に基づいてマニュアル駆動指令値を生成する。マニュアル指令は、例えば、特定の被写体の追尾指令、カメラ本体2の所定の角度でのパンニング(Y軸回りの回転)、チルティング(X軸回りの回転)、ローリング(Z軸回りの回転)等である。マニュアル駆動指令値は、第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに対する指令値である。駆動制御部62は、マニュアル駆動指令値に応じた駆動電圧を第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに印加する。その結果、第1〜第3駆動部26A〜26Cが作動し、カメラ本体2がマニュアル指令に応じた動きをする。
また、カメラ本体2に外乱が作用する場合には、ジャイロセンサ67が外乱の検出信号を駆動制御部62に出力する。駆動制御部62は、ジャイロセンサ67の出力に基づいて、外乱にようカメラ本体2の回転を打ち消すための指令値を生成する。詳しくは、駆動制御部62は、ジャイロセンサ67の検出信号に基づいて求められる、カメラ本体2のX軸、Y軸及びZ軸回りの回転を打ち消すように、X軸回りの回転指令値(以下、「X軸ジャイロ指令値」という)、Y軸回りの回転指令値(以下、「Y軸ジャイロ指令値」という)及びZ軸回りの回転指令値(以下、「Z軸ジャイロ指令値」という)を生成する。そして、X軸ジャイロ指令値とY軸ジャイロ指令値とが所定の比率で合成され、第1駆動部26Aへのジャイロ駆動指令値が生成される。また、X軸ジャイロ指令値とY軸ジャイロ指令値とが所定の比率で合成され、第2駆動部26Bへのジャイロ駆動指令値が生成される。第3駆動部26Cについては、Z軸ジャイロ指令値がジャイロ駆動指令値となる。駆動制御部62は、ジャイロ駆動指令値に応じた駆動電圧を第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに印加する。その結果、第1〜第3駆動部26A〜26Cが作動し、カメラ本体2に作用する外乱を打ち消すようにカメラ本体2が移動する。その結果、カメラ本体2の姿勢、即ち、光軸20の向きが一定に維持される。
尚、マニュアル指令があるときにカメラ本体2に外乱が作用する場合には、マニュアル駆動指令値とジャイロ駆動指令値が同時に生成され、両者が合成されて、最終的な駆動指令値が生成される。
このように、マニュアル指令の有無にかかわらず、ジャイロセンサ67の出力に基づいてカメラ本体2の回転ブレが抑制されるので、撮影画像における像ブレが抑制される。さらに、映像処理部61は、撮影される映像の動きベクトルを検出し、該動きベクトルに基づいて画像処理により像ブレを電子補正している。つまり、撮像装置100は、比較的大きく且つ低い周波数の像ブレをカメラ本体2の姿勢制御で抑制し、比較的小さく且つ高い周波数の像ブレを映像処理部61による電子補正により補正している。
〈6.フォトセンサの配置〉
図6に、外殻1内におけるフォトセンサ68の配置図を示す。(A)は、光軸方向に後側からフォトセンサ68を見た図であり、(B)は、光軸方向と直交する方向からフォトセンサ68を見た図である。3つのフォトセンサ68は、回路基板28の、移動枠21とは反対側(すなわち、後側)の面に設けられている。3つのフォトセンサ68は、Z軸回りに略120°ごとに配置され、Z軸回りの周方向位置が第1〜第3駆動部26A〜26Cと略一致している。ここでは、説明の便宜上、第1駆動部26Aに対応するフォトセンサ68を第1フォトセンサ68aと称し、第2駆動部26Bに対応するフォトセンサ68を第2フォトセンサ68bと称し、第3駆動部26Cに対応するフォトセンサ68を第3フォトセンサ68cと称する。尚、特に区別しないときには、単にフォトセンサ68と称する。第3フォトセンサ68cのZ軸周りの角度位置を0°とすると、第1フォトセンサ68aの角度位置は120°であり、第2フォトセンサ68bの角度位置は−120°である。
〈7.反射膜の構成〉
反射膜14は、起伏を有している。具体的には、外殻1を平面で切断したときの断面形状は、実質的に円となる。外殻1を接合部13に平行な平面で切断して形成される円において、外殻1の中心Oから反射膜14の表面までの距離(以下、単に「反射膜14までの距離」という)は、円に沿って正弦波状に変化する。そして、正弦波状に変化するときの振幅は、接合部13と切断面との距離に応じて変化する。図7にその一例を示す。図7は、外殻1の中心Oから反射膜14の表面までの距離を示すグラフであって、(A)は接合部13と一致する切断面S1におけるグラフであり、(B)は接合部13から第1距離だけ離れた切断面S2におけるグラフであり、(C)は接合部13から第1距離よりも長い第2距離だけ離れた切断面S3におけるグラフである。尚、第2切断面Sは、カメラ本体2が基準状態のときにおける3つのフォトセンサ68を含む面である。
接合部13に平行な何れの切断面においても、反射膜14までの距離は、基準半径Rを基準として、円の一周を一周期として正弦波状に変化している。例えば、基準半径Rは、反射膜14までの距離の平均値である。また、何れの切断面においても、正弦波の位相は一致している。ただし、接合部13から離れるほど、円周の長さは短くなるので、周期そのものは短くなる。また、接合部13から離れるほど、正弦波の振幅が小さくなっている。すなわち、切断面S1における振幅A1、切断面S2における振幅A2、及び切断面S3における振幅A3は、A1>A2>A3の関係になっている。
尚、反射膜14は、第1ケース11の内周面と第2ケース12の内周面とで接合部13を基準に対称な形状をしている。
フォトセンサ68は、反射膜14との距離が長いほど大きな電圧の信号を出力し、反射膜14との距離が短いほど小さな電圧の信号を出力する。例えば、フォトセンサ68は、反射膜14までの距離が基準半径Rのときに0Vの電圧を出力するように設定されていたとする。そして、第3フォトセンサ68cが第2切断面S2において、反射膜14までの距離が基準半径Rとなる部分に対向している場合、図8に示すように、第3フォトセンサ68cの出力は、0[V]となり、第1フォトセンサ68aの出力は、−V[V]となり、第2フォトセンサ68bの出力は、V[V]となる。例えば、この状態からカメラ本体2が外殻1のP軸周りに回転すると、3つのフォトセンサ68は、それぞれ位相を120°ずつずらして、最大振幅Vmax[V]の正弦波状の電圧を出力する。
位置検出部60は、3つのフォトセンサ68の出力に基づいて、外殻1内のカメラ本体2の位置、即ち、外殻1のP軸に対するカメラ本体2の光軸20の傾斜角度(「カメラ本体2の光軸20の向き」ともいう)を検出する。
尚、位置メモリ部69には、カメラ本体2の光軸20が外殻1のP軸の正方向(第1ケース11の側)を向く状態を初期状態として、3つのフォトセンサ68の出力が逐次記憶されている。つまり、位置メモリ部69に記憶されたフォトセンサ68の出力に基づいて、カメラ本体2の光軸20の向きを検出することができる。第1ケース11の反射膜14と第2ケース12の反射膜14とは対称な形状をしているが、フォトセンサ68の出力を逐次記憶していくことによって、カメラ本体2の光軸20が第1ケース11の方を向いているか、第2ケース12の方を向いているかを判別することができる。
〈8.障害物除去処理〉
図9に、映像処理部61のうち障害物除去処理を司る部分の機能ブロック図を示す。図10に、被写体Aを撮影する際に、カメラ本体2の撮影範囲S内に接合部13が入り込んだ状況を示す説明図を示す。図11に、障害物除去処理の各過程における撮影画像を示す。例えば、図10に示す状況で撮影を行った場合、図11(A)のような撮影画像が取得される。
映像処理部61は、撮影画像から障害物を検出する障害物検出部71と、レンズ鏡筒3の光学情報及び接合部13に関する情報を記憶しておくレンズ情報メモリ部72と、撮影画像から障害物を除去する障害物除去部73と、障害物を除去した撮影画像を補正する画像補正部74とを有する。
レンズ情報メモリ部72には、撮像素子33から外殻1の内面までの距離、レンズ鏡筒3の画角、焦点距離及びF値、並びに、接合部13の色及び透明度が記憶されている。障害物検出部71には、位置検出部60が求めたカメラ本体2の光軸20の向きと、レンズ情報メモリ部72に記憶された情報と、撮像素子33からの出力信号(即ち、撮影画像)とが入力される。障害物検出部71は、カメラ本体2の光軸20の向き及びレンズ情報メモリ部72の情報に基づいて、撮影画像中における接合部13の画像の位置及び形状を特定する。つまり、外殻1とカメラ本体2との位置関係に基づいて、撮影画像中における接合部13の画像の位置及び形状を特定することができる。
それに加えて、障害物検出部71は、撮影画像中における接合部13の画像をさらに正確に特定する。具体的には、障害物検出部71は、撮影画像中のうち、特定した接合部13の画像が含まれる領域において、輝度が所定値以下の部分を抽出し、その部分を接合部13の画像として特定する。つまり、接合部13を介して撮影された被写体は輝度が低下する。こうして、障害物検出部71は、外殻1とカメラ本体2との位置関係だけでなく、実際の撮影画像に基づいて、接合部13の画像を具体的に特定する。実際の撮影画像から接合部13の画像を特定するので、接合部13と反射膜14との位置関係に誤差がある場合や、フォトセンサ68の検出結果に誤差がある場合であっても、接合部13の画像をより正確に特定することができる。
尚、障害物検出部71は、輝度に基づく接合部13の画像の特定を省略し、外殻1とカメラ本体2との位置関係に基づいて接合部13の画像を特定してもよい。
続いて、障害物除去部73は、図11(B)に示すように、撮像素子33の撮影画像から接合部13の画像を除去する。
その後、画像補正部74は、接合部13の画像を除去した部分の画像を、その周辺の画像から補間して、図11(C)に示すように、撮影画像を補正する。
こうして、映像処理部61は、撮影画像から接合部13の画像を特定し、該画像の影響を低減した撮影画像を得ることができる。
〈9.撮像装置の使用例〉
図12に撮像装置100の使用例を示す。
第1ケース11の外面にピン81が設けられている。ピン81には、ストラップ82が取り付けられている。第2ケース12の外面には面ファスナ(図示省略)が設けられている。
ユーザは、ストラップ82を首に掛け、撮像装置100を首からぶら下げた状態で使用する。このとき、面ファスナを衣服などに貼り付けることによって、歩行時などでも撮像装置100の大きな揺れを防止することができる。
パン、チルト、ロール方向へのカメラ本体2の操作は、例えば、スマートフォンなどの無線通信機器を介して行うことができる。さらに、ジャイロセンサ67により、歩行時の像ブレを抑制することができる。
〈10.効果〉
したがって、撮像装置100は、外殻1と、前記外殻1内を移動可能に構成され、該外殻1外の被写体を該外殻1を通して撮影するカメラ本体2と、前記カメラ本体2による撮影画像から前記外殻1における障害物を検出する障害物検出部71と、前記障害物検出部71により検出された障害物を前記撮影画像から除去する障害物除去部73とを備えている。
この構成によれば、撮像装置100は、外殻1及びその近傍に存在する障害物を検出し、障害物の画像を撮影画像から除去することができる。その結果、外殻1及びその近傍に存在する障害物に起因する撮影画像の画質劣化を低減することができる。
また、前記外殻1内における前記カメラ本体2の位置を検出する位置検出部60をさらに備え、前記外殻1は、複数の部分が接合部13において接合されて形成されており、前記障害物検出部71は、前記位置検出部60により検出された前記カメラ本体2の位置に基づいて、前記撮影画像から前記接合部13を前記障害物として検出する。
この構成によれば、位置検出部60が外殻1内におけるカメラ本体2の位置を検出することによって、撮影画像における接合部13の画像の位置及び形状を特定することができる。
〈11.変形例〉
続いて、変形例について説明する。カメラ本体2は、前記の構成に限られるものではなく、任意の構成とすることができる。図13は、変形例に係る撮像装置200の断面図である。図14は、変形例に係るカメラ本体202を示し、(A)はカメラ本体202の斜視図であり、(B)はカメラ本体202の右側面図であり、(C)はカメラ本体202の(A)とは異なる角度から見た斜視図である。
詳しくは、外殻201は、第1ケース211と第2ケース212とを有している。外殻201の内面は、略球面に形成されている。外殻201は、ケースの一例である。
第1ケース211は、外殻201の大円を含む球冠状に形成されている。第2ケース212は、外殻201の大円を含まない球冠状に形成されている。第1ケース211の開口部211aと第2ケース212の開口部212aとが互いに接合される。こうして、外殻201は、接合部213を有している。外殻201の内面には、反射膜14が設けられている。
カメラ本体202は、移動枠221と、レンズ鏡筒3と、移動枠221に取り付けられた第1〜第3駆動部226A〜226Cと、レンズ鏡筒3を移動枠221に取り付けるための取付板227と、カメラ本体202の制御を行う回路基板28とを有している。カメラ本体202は、静止画撮影及び動画撮影を行うことができる。ここで、レンズ鏡筒3の光軸20をZ軸とし、光軸20の被写体側を前側とする。カメラ本体202は、撮像部の一例である。
移動枠221は、第1枠221aと、第2枠221bとを有している。第1枠221aと第2枠221bとは、ネジで固定される。第1枠221aは、第1駆動部226Aが取り付けられる第1側壁223aと、第3駆動部226Cが取り付けられる第2側壁223bと、レンズ鏡筒3が配置される円筒部225とを有している。円筒部225の軸線は、Z軸と一致している。第1側壁223a及び第2側壁223bは、Z軸に直交するX軸と平行であって且つZ軸に対して傾斜している。詳しくは、Z軸は、第1側壁223aの外面の法線と第2側壁223bの外面の法線とのなす角の二等分線になっている。第2枠221bは、第2駆動部226Bが取り付けられる第3側壁223cを有している。第3側壁223cは、Z軸と直交している。
尚、Z軸及びX軸の両方に直交する軸をY軸とする。
レンズ鏡筒3は、前記の構成と同じ構成である。レンズ枠32は、移動枠221の円筒部225内に配置され、光軸20が円筒部225の軸線と一致している。レンズ鏡筒3の撮像素子33の裏側には取付板227が設けられている。レンズ鏡筒3は、取付板227を介して移動枠221に取り付けられている。
第1〜第3駆動部226A〜226Cは、移動枠221の外周面に設けられている。詳しくは、第1駆動部226Aは、第1側壁223aに設けられている。第2駆動部226Bは、第3側壁223cに設けられている。第3駆動部226Cは、第2側壁223bに設けられている。第1〜第3駆動部226A〜226Cは、X軸回りにおいて略等間隔、即ち、略120°ごとに配置されている。
第1駆動部226Aは、アクチュエータ本体4Aと第1支持機構205Aとを有している。第2駆動部226Bは、アクチュエータ本体4Bと第2支持機構205Bとを有している。第3駆動部226Cは、アクチュエータ本体4Cと第3支持機構205Cとを有している。
3つのアクチュエータ本体4A〜4Cは、共通の構成をしている。アクチュエータ本体4A〜4Cは、前記の構成と同じ構成をしている。
第1支持機構205Aの基本的な構成は、前記第1支持機構5Aと同じである。第1支持機構205Aと第1支持機構5Aとでは、アクチュエータ本体4Aの姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Aは、Y軸及びZ軸を含む平面に含まれ且つZ軸に対して傾斜する軸回りに回転自在な状態で第1支持機構205Aに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Aの2つの駆動子42は、X軸と平行に並んで配置されている。
第3支持機構205Cの基本的な構成は、前記第2支持機構5Bと同じである。第3支持機構205Cと第2支持機構5Bとでは、アクチュエータ本体4C(アクチュエータ本体4B)の姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Cは、Y軸及びZ軸を含む平面に含まれ且つZ軸に対して傾斜する軸回りに回転自在な状態で第3支持機構205Cに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Cの2つの駆動子42は、X軸と平行に並んで配置されている。
第2支持機構205Bの基本的な構成は、前記第3支持機構5Cと同じである。第2支持機構205Bと第3支持機構5Cとでは、アクチュエータ本体4B(アクチュエエータ本体4C)の姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Bは、Z軸方向に移動可能であると共に、回転軸44を中心に回転可能に第2支持機構205Bによって支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Bの2つの駆動子42は、Y軸と平行に並んで配置されている。
第1〜第3駆動部226A〜226Cに駆動電圧が印加されると、それぞれの駆動子42が楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うと、第1駆動部226Aは、Z軸周りの周方向に駆動力を出力する。第3駆動部226Cは、Z軸周りの周方向に駆動力を出力する。第2駆動部226Bは、X軸回りの周方向に駆動力を出力する。そのため、第1駆動部226Aの駆動力と第3駆動部226Cの駆動力とを組み合わせることによって、カメラ本体202をY軸又はZ軸周りに回転させることができる。さらに、第2駆動部226Bの駆動力によって、カメラ本体202をX軸回りに回転させることができる。このように、第1〜第3駆動部226A〜226Cの駆動力を調整することによって、カメラ本体202を外殻201に対して回転移動させ、外殻201に対するカメラ本体202の姿勢を任意に調整することができる。
回路基板28は、第1基板28aと第2基板28bとに分かれている。映像処理部61、駆動制御部62、アンテナ63、送信部64、受信部65、バッテリ66及びジャイロセンサ67は、第1基板28aに設けられている。フォトセンサ68は、第2基板28bに設けられている。第2基板28bのうち第1基板28aと反対側の面にフォトセンサ68が設けられている。第1基板28aと第2基板28bとは、第3側壁23cを挟持するようにして第2枠21bに取り付けられている。第1基板28aは、移動枠21の内側に位置し、第2基板28bは、移動枠21の外側に位置する。
このように構成された撮像装置200においても、フォトセンサ68の出力に基づいて、外殻201に対するカメラ本体202の位置を検出することができる。その結果、撮像画像から接合部213の画像を除去し、撮影画像を補正することができる
《実施形態2》
続いて、実施形態2について説明する。
実施形態2の撮像装置は、撮影画像中の障害物の検出方法が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。図15に、実施形態2のレンズ鏡筒3及び映像処理部261の機能ブロック図を示す。
映像処理部261の基本的な機能な、前記映像処理部61と同じである。映像処理部261は、撮影画像から障害物を検出する障害物検出部271と、障害物検出部271により検出した障害物の情報を記憶しておく障害物画像メモリ部275と、デフォーカス量を演算するデフォーカス量演算部276と、演算したデフォーカス量に基づいて障害物画像を変換する画像変換部277と、障害物を撮影画像から除去する障害物除去部73と、障害物を除去した撮影画像を補正する画像補正部74とを有する。
障害物検出部271は、撮像素子から外殻1(例えば、接合部13)までの距離が既知であることを利用して障害物を検出する。障害物検出部271は、フォーカスレンズの位置を記憶しておくレンズ位置メモリ部91と、フォーカスレンズの駆動を制御するレンズ制御部92と、撮影画像のコントラスト値を検出するコントラスト検出部93とを有している。
レンズ鏡筒3は、被写体の合焦状態を調整するフォーカスレンズ31aと、レンズ鏡筒3内のフォーカスレンズ31aの位置を検出するレンズ位置検出部34と、フォーカスレンズ31aを駆動するステッピングモータ35とをさらに有する。レンズ位置検出部34は、例えば、透過型フォトインタラプタ(図示せず)で構成され、原点位置に位置するフォーカスレンズ31aを検出する原点検出手段を有している。レンズ位置検出部34は、フォーカスレンズ31aが原点位置に位置する状態からのステッピングモータ35の駆動量に基づいてフォーカスレンズ31aの位置を検出する。
レンズ位置メモリ部91には、例えば、外殻1が撮像素子33に結像されるときのレンズ鏡筒3内におけるフォーカスレンズ31aの位置に関する情報が記憶されている。
レンズ制御部92は、レンズ位置検出部34からのフォーカスレンズ31aの位置情報及びレンズ位置メモリ部91の位置情報に基づいて、外殻1が撮像素子33に結像される位置にフォーカスレンズ31aが移動するようにステッピングモータ35を作動させる。こうして、外殻1に焦点を合わせた状態で撮影を行う。この撮影で取得された画像を参照画像とする。コントラスト検出部93は、参照画像内のコントラストの最も高い画像情報を抽出し、この抽出された画像情報を障害物(接合部13)と判定する。尚、コントラストが所定値以上の画像情報を障害物と判定するようにしてもよい。あるいは、参照画像内でコントラストが最も高く且つコントラストが所定値以上の画像情報を障害物と判定してもよい。つまり、コントラストが参照画像中で最も高くても、コントラストが小さい場合には、その情報を障害物とは判定しない。
障害物検出部271は、障害物として抽出した画像情報を障害物画像メモリ部275に記録する。
次いで、レンズ制御部92は、撮影したい被写体に合焦する位置にフォーカスレンズ31aを移動させる。デフォーカス量演算部276は、レンズ位置検出部34からのフォーカスレンズ31aの位置情報及びレンズ位置メモリ部91の位置情報に基づいて、撮影したい被写体に合焦するときのフォーカスレンズ31aの位置と外殻1(即ち、障害物)に合焦するときのフォーカスレンズ31aの位置との差を演算する。この差は、撮影したい被写体に合焦する位置にフォーカスレンズ31aを位置させたときの障害物のデフォーカス量に相当する。画像変換部277は、障害物画像メモリ部275に記憶された障害物の画像を、デフォーカス量演算部276で演算したデフォーカス量だけぼかした画像に変換する。
障害物除去部73及び画像補正部74は、実施形態1と同様の処理を行う。すなわち、障害物除去部73は、画像変換部277で変換した障害物の画像を撮影画像から除去し、画像補正部74は、接合部13の画像を除去した部分の画像を、その周辺の画像から補間する。こうして、映像処理部261は、撮影画像から接合部13の画像を特定し、該画像の影響を低減した撮影画像を得ることができる。
したがって、実施形態2の撮像装置100においては、前記カメラ本体2は、前記外殻1に焦点を合わせて撮影することにより参照画像を取得するように構成されており、前記障害物検出部271は、前記参照画像に基づいて前記障害物を検出する。つまり、撮像装置100は、外殻1に合焦させた状態で撮影を行い、そのときの撮影画像中にコントラストが高い画像が含まれている場合には、そのコントラストが高い画像を障害物と判定し、撮影対象に合焦させた場合の撮影画像から障害物を除去する。
これにより、接合部13のような位置及び形状が既知の障害物でなくても、外殻1及びその近傍に存在する障害物を検出し、撮影画像から該障害物を除去することができる。
尚、障害物の画像の除去は、以上の説明の方法に限られるものではない。例えば、外殻1に合焦させて撮影した障害物の画像を、ぼかし変換することなく、撮影画像から除去してもよい。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記撮像装置100,200は、静止画撮影及び動画撮影を行うが、撮像装置100,200は、静止画撮影のみを行うものであってもよいし、動画撮影のみを行うものであってもよい。
また、外殻1,201は、第1ケース11と第2ケース12とを有する2分割構造であるが、これに限られるものではない。例えば、外殻1は、3分割以上に分割されていてもよい。
また、前記第1〜第3駆動部26A〜26C,226A〜226Cは、圧電素子を含む振動型アクチュエータであるが、これに限られるものではない。例えば、駆動部は、ステッピングモータと駆動輪とを有し、駆動輪が外殻1の内面に接触する構成であってもよい。
さらに、第1〜第3駆動部26A〜26Cは、Z軸周りに等間隔に配置されているが、等間隔でなくてもよい。また、第1〜第3駆動部226A〜226Cは、X軸周りに等間隔に配置されているが、等間隔でなくてもよい。さらに、駆動部の個数は、3つに限定されるものではなく、2つ以下であっても、4つ以上であってもよい。例えば、撮像装置100が4つの駆動部を備える場合、4つの駆動部を等間隔(90°ごとに)配置としてもよい。
前記実施形態では、カメラ本体2,202の位置をフォトセンサ68により検出しているが、これに限られるものではない。例えば、マグネットとホールセンサによってカメラ本体2の位置を検出してもよいし、第2ケース12,212を金属製として、渦電流損失や静電容量変化を検出することによってカメラ本体2,202の位置を求めてもよい。カメラ本体2,202による第1ケース11,211の画像検出を利用してもよい。
また、実施形態1の反射膜14の形状を一例である。反射膜14の形状は、外殻1,201に対するカメラ本体2の位置を検出することができる限り、任意の形状とすることができる。例えば、前記反射膜14は、接合部13に平行な切断面で切断した切り口において、外殻1の中心Oからの距離が正弦波状に変化している。しかし、外殻1の中心Oからの距離が正弦波状に変化するように反射膜14を切断する切断面は、接合部13に平行でなくてもよい。また、第1ケース11の反射膜14の形状と第2ケース12の反射膜14の形状とを非対称としてもよい。
また、外殻1,201及びその近傍に存在する障害物の検出方法は、実施形態1,2の方法に限られるものではない。障害物を検出することができる限り、任意の方法を採用することができる。
また、撮影画像から障害物を除去して補正する方法は、実施形態1,2の方法に限られるものではない。撮影画像中における障害物の影響を低減できる限り、任意の補正方法を採用することができる。例えば、実施形態1,2は、障害物に相当する画像情報を除去した上で、その周辺の画像から除去した部分の画像を補間しているが、障害物に相当する画像情報を用い、該画像情報を修正してもよい。
以上説明したように、ここに開示された技術は、内面が球面状に形成されたケース内に配置された撮像部を備えた撮像装置について有用である。
100,200 撮像装置
1,201 外殻(ケース)
11,211 第1ケース
12,212 第2ケース
13,213 接合部
14 反射膜
2,202 カメラ本体(撮像部)
20 光軸
21,221 移動枠
22 外周壁
23a 第1側壁
23b 第2側壁
23c 第3側壁
24 仕切壁
25 開口部
26A,226A 第1駆動部
26B,226B 第2駆動部
26C,226C 第3駆動部
27 取付板
28 回路基板
3 レンズ鏡筒
32 レンズ枠
33 撮像素子
4A アクチュエータ本体
4B アクチュエータ本体
4C アクチュエータ本体
41 振動体
42 駆動子
43 ホルダ
44 回転軸
5A 第1支持機構
5B 第2支持機構
5C 第3支持機構
51 ブラケット
52 保持板
52a 開口
53 支持部
53a ガイド溝
54 付勢バネ
55 ストッパ
55a 第1規制部
55b 第2規制部
61 映像処理部
62 駆動制御部
63 アンテナ
64 送信部
65 受信部
66 バッテリ
67 ジャイロセンサ
68 フォトセンサ
71 障害物検出部
72 レンズ情報メモリ部
73 障害物除去部
74 画像補正部
81 ピン
82 ストラップ
91 レンズ位置メモリ部
92 レンズ制御部
93 コントラスト検出部
S 撮影範囲
ここに開示される技術は、内面が球面状に形成されたケース内に配置された撮像部を備えた撮像装置に関する。
特許文献1に係る撮像装置では、内面が球面状に形成された外殻内に撮像部を配置している。外殻は、2つの部分に分割されている。該2つの部分は、撮像部をそれらの内部に収容した状態で互いに接合される。この撮像装置においては、撮像部を外殻の内面に沿って相対的に移動させることによって、撮像範囲を調整しながら撮影を行う。より具体的には、撮像部は、3つの駆動輪を有し、該駆動輪が外殻の内面に接触している。駆動輪が駆動されることによって、撮像部が外殻の内面に沿って移動する。撮像部は、外殻を通して、外殻外部の被写体を撮影する。
特開平9−254838号公報
しかしながら、特許文献1に係る撮像装置では、外殻及びその近傍に障害物が存在すると、該障害物が撮影画像に写り込む等して、撮影画像の画質が劣化する虞がある。障害物としては、外殻の接合部や外殻に付着した粉塵等が挙げられる。
ここに開示される技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外殻及びその近傍に存在する障害物に起因する画質劣化を低減することにある。
ここに開示される技術は、被写体を撮影する撮像装置が対象である。この撮像装置は、ケースと、前記ケース内を移動可能に構成され、該ケース外の被写体を該ケースを通して撮影する撮像部と、前記撮像部による撮影画像から前記ケースにおける障害物を検出する障害物検出部と、前記障害物検出部により検出された障害物を前記撮影画像から除去する画像処理部とを備えるものとする。
ここに開示される技術によれば、外殻及びその近傍に存在する障害物に起因する画質劣化を低減することができる。
図1は、撮像装置の斜視図である。 図2は、撮像装置の断面図であり、(A)は、外殻1の中心を通り且つP軸に直交する平面で切断した撮像装置の断面図であり、(B)は(A)のB−B線における、撮像装置の断面図である。 図3は、カメラ本体を示し、(A)はカメラ本体の斜視図であり、(B)はカメラ本体の正面図である。 図4は、移動枠及び第1〜第3駆動部の分解斜視図である。 図5は、撮像装置の機能ブロック図である。 図6は、外殻内におけるフォトセンサの配置図であり、(A)は、光軸方向に後側からフォトセンサを見た図であり、(B)は、光軸方向と直交する方向からフォトセンサを見た図である。 図7は、外殻の中心から反射膜の表面までの距離を示すグラフであって、(A)は接合部と一致する切断面S1におけるグラフであり、(B)は接合部から第1距離だけ離れた切断面S2におけるグラフであり、(C)は接合部から第1距離よりも長い第2距離だけ離れた切断面S3におけるグラフである。 図8は、フォトセンサの角度位置に対する出力を示すグラフである。 図9は、映像処理部のうち障害物除去処理を司る部分の機能ブロック図である。 図10は、被写体を撮影する際に、カメラ本体の撮影範囲内に接合部が入り込んだ状況を示す説明図である。 図11は、障害物除去処理の各過程における撮影画像である。 図12は、撮像装置の使用例を示す図である。 図13は、変形例に係る撮像装置の断面図である。 図14は、変形例に係るカメラ本体を示し、(A)はカメラ本体の斜視図であり、(B)はカメラ本体の右側面図であり、(C)はカメラ本体の(A)とは異なる角度から見た斜視図である。 図15は、実施形態2のレンズ鏡筒及び映像処理部の機能ブロック図である。
〈1.外観〉
図1に撮像装置100の斜視図を示す。図2は、撮像装置100の断面図であり、(A)は、外殻1の中心Oを通り且つP軸に直交する平面で切断した撮像装置100の断面図であり、(B)は(A)のB−B線における、撮像装置100の断面図である。
撮像装置100は、略球状の外殻1と、該外殻1内に配置されたカメラ本体2とを備えている。カメラ本体2は、外殻1の内面に沿って外殻1に対して相対的に移動する。カメラ本体2は、外殻1内を移動しつつ、外殻1を通して外殻1の外部の被写体を撮影する。
〈2.外殻〉
外殻1は、第1ケース11と第2ケース12とを有している。第1ケース11と第2ケース12とは、互いに接合され、全体として略球状となっている。外殻1の内面は、略球面に形成されている。外殻1は、ケースの一例であり、第1ケース11は、第1部分の一例であり、第2ケース12は、第2部分の一例である。
第1ケース11は、球冠状に形成されている。ここで、「球冠」とは、「球帯」のうち、開口を1つしか有さないものを意味する。第1ケース11の開口部11aは、外殻1の大円を構成する。すなわち、第1ケース11は、半球状に形成されている。第1ケース11の内面は、球冠状に形成されている。第1ケース11は、可視光に対し透明な材料であって且つ高い硬度の材料(例えば、ガラス又はセラミックス材料)で形成されている。高い硬度の材料を採用することにより、後述する駆動子42との接触による磨耗を低減することができる。
第2ケース12は、球冠状に形成されている。第2ケース12の開口部12aは、外殻1の大円を構成する。すなわち、第2ケース12は、半球状に形成されている。第2ケース12の内面は、球冠状に形成されている。第2ケース12の内面の曲率は、第1ケース11の内面の曲率と略等しい。第2ケース12は、可視光に対し透明な材料であって且つ高い硬度の材料(例えば、ガラス又はセラミックス材料)で形成されている。高い硬度の材料を採用することにより、後述する駆動子42との接触による磨耗を低減することができる。
第1ケース11の開口部11aと第2ケース12の開口部12aとが互いに接合される。こうして、接合部13を有する外殻1が形成される。
外殻1の内面、即ち、第1ケース11及び第2ケース12の内面には、可視光を透過し且つ波長が約900nmの赤外光を反射する反射膜14が設けられている。反射膜14の詳細な構成については、後述する。
ここで、図1に示すように、外殻1の中心点(即ち、第1ケース11の中心)をO点、O点と第1ケース11の開口部11aの中心とを通る直線をP軸、O点を通りP軸と直交する軸をQ軸と定義する。
〈3.カメラ本体〉
図3は、カメラ本体2を示し、(A)はカメラ本体2の斜視図であり、(B)はカメラ本体2の正面図である。図4は、移動枠21及び第1〜第3駆動部26A〜26Cの分解斜視図である。
カメラ本体2は、移動枠21と、レンズ鏡筒3と、移動枠21に取り付けられた第1〜第3駆動部26A〜26Cと、レンズ鏡筒3を移動枠21に取り付けるための取付板27と、カメラ本体2の制御を行う回路基板28とを有している。カメラ本体2は、静止画撮影及び動画撮影を行うことができる。ここで、レンズ鏡筒3の光軸20をZ軸とし、光軸20の被写体側を前側とする。カメラ本体2は、撮像部の一例である。
移動枠21は、正面から見たときに略正三角形状の枠体である。移動枠21は、三角形の三辺をなす第1〜第3側壁23a〜23cを含む外周壁22と、外周壁22の内側に形成された仕切壁24とを有する。仕切壁24の中央には、開口部25が形成されている。
レンズ鏡筒3は、光軸20を有する複数のレンズ31と、レンズ31を保持するレンズ枠32と、撮像素子33とを有している。レンズ枠32は、移動枠21の内部に配置され、光軸20が移動枠21の中心を通っている。レンズ鏡筒3の撮像素子33の裏側には取付板27が設けられている(図2(B)参照)。レンズ鏡筒3は、取付板27を介して移動枠21に取り付けられている。取付板27の、レンズ鏡筒3と反対側には、回路基板28が取り付けられている。
第1〜第3駆動部26A〜26Cは、移動枠21の外周面に設けられている。詳しくは、第1駆動部26Aは、第1側壁23aに設けられている。第2駆動部26Bは、第2側壁23bに設けられている。第3駆動部26Cは、第3側壁23cに設けられている。第1〜第3駆動部26A〜26Cは、Z軸回りにおいて略等間隔、即ち、略120°ごとに配置されている。ここで、図3(B)に示すように、Z軸と直交し、第3駆動部26Cを通る軸をY軸とし、Z軸及びY軸の両方に直交する軸をX軸とする。
第1駆動部26Aは、アクチュエータ本体4Aと第1支持機構5Aとを有している。第2駆動部26Bは、アクチュエータ本体4Bと第2支持機構5Bとを有している。第3駆動部26Cは、アクチュエータ本体4Cと第3支持機構5Cとを有している。
3つのアクチュエータ本体4A〜4Cは、共通の構成をしている。以下では、アクチュエータ本体4Aについてのみ説明し、アクチュエータ本体4B,4Cの説明を省略する。アクチュエータ本体4Aは、振動体41と、振動体41に取り付けられた2つの駆動子42と、振動体41を保持するホルダ43とを有している。
振動体41は、積層セラミックからなる圧電素子で形成されている。振動体41は、概ね直方体状に形成されている。振動体41の電極(図示省略)に所定の駆動電圧(交番電圧)を印加することによって、振動体41が長手方向への伸縮振動と短手方向への屈曲振動とを調和的に発生させる。
2つの駆動子42は、振動体41の一側面において、振動体41の長手方向に並んで取り付けられている。駆動子42は、セラミック製の球体であって、振動体41に接着されている。振動体41が前述の伸縮振動及び屈曲振動を行うことによって、2つの駆動子42はそれぞれ楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うことによって、振動体41の長手方向への駆動力が出力される。
ホルダ43は、ガラス入りポリカーボネイト製樹脂で形成されている。ホルダ43は、振動体41の積層方向(長手方向及び短手方向の両方に直交する方向)の両側から振動体41を挟み込んでいる。ホルダ43は、振動体41に接着されている。ホルダ43には、振動体41の積層方向に延びる回転軸44が外側に突出して設けられている。
第1支持機構5Aは、2つのL字型のブラケット51を有している。2つのブラケット51は、第1側壁23aの外面にネジ固定されている。2つのブラケット51は、アクチュエータ本体4Aを挟み込んだ状態で、ホルダ43の回転軸44を回転自在に支持している。こうして、アクチュエータ本体4Aは、Z軸に直交する平面に平行で且つ第1側壁23aに平行な軸回りに回転自在な状態で第1支持機構5Aに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Aの2つの駆動子42は、Z軸と平行に並んで配置されている。
第2支持機構5Bは、第1支持機構5Aと同様の構成であり、2つのL字型のブラケット51を有している。2つのブラケット51は、第2側壁23bの外面にネジ固定されている。2つのブラケット51は、アクチュエータ本体4Bを挟み込んだ状態で、ホルダ43の回転軸44を回転自在に支持している。こうして、アクチュエータ本体4Bは、Z軸に直交する平面に平行で且つ第2側壁23bに平行な軸回りに回転自在な状態で第2支持機構5Bに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Bの2つの駆動子42は、Z軸と平行に並んで配置されている。
第3支持機構5Cは、ホルダ43に取り付けられた保持板52と、アクチュエータ本体4Cの回転軸44を支持する2つの支持部53と、2つの付勢バネ54と、回転軸44の移動を規制するストッパ55とを有している。保持板52は、ホルダ43にネジ固定されている。保持板52は、振動体41の長手方向に延びる板状の部材であって、両端部に開口52aが設けられている。これら開口52aには、後述するピン23dの先端が挿通される。2つの支持部53は、第3側壁23cにおいて、Z軸方向と平行に並んで配置されている。支持部53の先端には、回転軸44が係合するガイド溝53aが形成されている。ガイド溝53aは、Z軸に直交する方向に延びている。ガイド溝53aには、ホルダ43の回転軸44が、ガイド溝53aの長手方向に進退自在で且つ該回転軸44回りに回転自在に嵌め込まれる。回転軸44の先端部は、支持部53からZ軸方向にはみ出している。第3側壁23cの外面には、2つのピン23dが設けられている。付勢バネ54は、該ピン23dに嵌められている。ストッパ55は、回転軸44の、ガイド溝53aの長手方向(即ち、ガイド溝53aが延びる方向)への移動を規制する第1規制部55aと、回転軸44の、Z軸と平行な方向への移動を規制する第2規制部55bとを有している。ストッパ55は、第3側壁23cにネジ固定される。第1規制部55aは、ストッパ55が第3側壁23cに取り付けられたときに、ガイド溝53aの先端に嵌り込むようになっている(図3(A)参照)。第2規制部55bは、ストッパ55が第3側壁23cに取り付けられたときに、ガイド溝53aに係合している回転軸44の先端と対向する位置に配置されるようになっている。
このように構成された第3支持機構5Cにおいて、アクチュエータ本体4Cは、ホルダ43の回転軸44をガイド溝53aに嵌めるようにして支持部53に設置される。このとき、保持板52と第3側壁23cとは、付勢バネ54を挟み込んで、付勢バネ54を圧縮変形させる。この状態で、ストッパ55が第3側壁23cにネジ固定される。アクチュエータ本体4Cは、付勢バネ54の弾性力により、Z軸に直交する方向であってZ軸から離れる側に付勢される。このとき、ガイド溝53aの先端は、ストッパ55の第1規制部55aにより塞がれてるので、回転軸44がガイド溝53aから抜け出ることが防止されている。また、回転軸44の先端と対向する位置にはストッパ55の第2規制部55bが位置しているので、アクチュエータ本体4CのZ軸方向への移動が第2規制部55bにより規制されている。つまり、アクチュエータ本体4Cは、ガイド溝53aの長手方向に移動可能であると共に、回転軸44を中心に回転可能に第3支持機構5Cによって支持されている。こうして、アクチュエータ本体4Cは、Z軸に平行な軸回りに回転自在な状態で第3支持機構5Cに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Cの2つの駆動子42は、Z軸周りの周方向に並んで配置されている。
図5に、撮像装置100の機能ブロック図を示す。回路基板28は、撮像素子33からの出力信号に基づいて映像信号処理を行う映像処理部61と、第1〜第3駆動部26A〜26Cの駆動制御を行う駆動制御部62と、無線信号の送受信を行うアンテナ63と、映像処理部61からの信号を送信信号に変換して、該送信信号をアンテナ63を介して送信する送信部64と、アンテナ63を介して無線信号を受信し、該無線信号を変換して駆動制御部62へ出力する受信部65と、回路基板28の各部に電力を供給するバッテリ66と、カメラ本体2の角速度を検出するジャイロセンサ67と、カメラ本体2の位置を検出するための3つのフォトセンサ68と、フォトセンサ68の出力に対するカメラ本体2の位置の対応関係を記憶する位置メモリ部69と、フォトセンサ68の出力及び位置メモリ部69に記憶された対応関係に基づいてカメラ本体2の位置を検出する位置検出部60とを有している。
ジャイロセンサ67は、3軸の検出軸を有している。つまり、ジャイロセンサ67は、X軸周りの回転角速度を検出するX軸ジャイロセンサと、Y軸周りの回転角速度を検出するY軸ジャイロセンサと、Z軸周りの角速度を検出するZ軸ジャイロセンサが1つのパッケージに収納されたセンサである。ジャイロセンサ67は、各検出軸回りの角速度に応じた信号を出力する。ジャイロセンサ67の出力信号に基づいて、カメラ本体2の回転移動を検出することができる。
フォトセンサ68は、赤外光を出力する発光部(図示省略)と、赤外光を受光する受光部(図示省略)とを有している。フォトセンサ68は、波長900nmの赤外光の受発光を行う。撮像素子33の前側にはIRカットフィルタが設けられているので、フォトセンサ68の光を赤外光とすることによって、撮影画像に不要な光が写り込むことを防止することができる。3つのフォトセンサ68は、回路基板28の移動枠21とは反対側の面において、それぞれ異なる位置に配置されている。各フォトセンサ68は、外殻1の内面に向かって赤外光を出力し、該内面の反射膜14からの反射光を受光するように配置されている。
映像処理部61は、撮像素子33からの出力信号の増幅及びA/D変換、さらには撮影画像の画像処理などを行う。駆動制御部62は、第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに駆動電圧(制御信号)を出力する。駆動制御部62は、アンテナ63及び受信部65を介して入力される外部からの信号(指令)、ジャイロセンサ67からの出力信号、及びフォトセンサ68からの出力信号に基づいて駆動電圧を生成する。位置検出部60は、フォトセンサ68からの出力及び位置メモリ部69に記憶された情報に基づいてカメラ本体2の位置を検出し、その位置情報を映像処理部61及び駆動制御部62へ出力する。
〈4.カメラ本体の外殻内における配置〉
カメラ本体2は、図2に示すように、外殻1内に配置される。カメラ本体2のZ軸が外殻1のP軸と一致しているときを基準状態とする。すなわち、図2(A),(B)は、撮像装置100の基準状態を示す。第1〜第3駆動部26A〜26Cそれぞれの駆動子42は、外殻1の内面と接触している。基準状態においては、レンズ鏡筒3は、第1ケース11の方を向いている。回路基板28は、基準状態においては、第2ケース12内に位置している。第3駆動部26Cは、Z軸を中心とする半径方向に移動可能であって且つ付勢バネ54によって該半径方向外側に付勢されている。そのため、第3駆動部26Cの駆動子42は、付勢バネ54の弾性力によって外殻1の内面に押圧された状態で接触しており、第1及び第2駆動部26A,26Bの駆動子42は、付勢バネ54の反力によって外殻1の内面に押圧された状態で接触している。また、基準状態においては、第1駆動部26Aの駆動子42は、P軸と平行に並んでいる。第2駆動部26Bの駆動子42は、P軸と平行に並んでいる。一方、第3駆動部26Cの駆動子42は、外殻1の大円の円周方向、即ち、P軸を中心とする周方向に並んでいる。ここで、第3駆動部26Cのアクチュエータ本体4CがZ軸を中心とする半径方向に移動可能であることに加えて、第1〜第3駆動部26A〜26Cのアクチュエータ本体4A〜4Cがそれぞれの回転軸44回りに回転自在に支持されているので、外殻1の内面の形状誤差及び各駆動部の組立誤差などが吸収される。
〈5.カメラ本体の動作〉
第1〜第3駆動部26A〜26Cに駆動電圧が印加されると、それぞれの駆動子42が楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うと、第1駆動部26Aは、Z軸と平行な方向に駆動力を出力する。第2駆動部26Bは、Z軸と平行な方向に駆動力を出力する。第3駆動部26Cは、Z軸回りの周方向に駆動力を出力する。そのため、第1駆動部26Aの駆動力と第2駆動部26Bの駆動力とを組み合わせることによって、外殻1のP軸に対するカメラ本体2のZ軸を任意に調整することができる。さらに、第3駆動部26Cの駆動力によって、カメラ本体2をZ軸回りに回転させることができる。このように、第1〜第3駆動部26A〜26Cの駆動力を調整することによって、カメラ本体2を外殻1に対して回転移動させ、外殻1に対するカメラ本体2の姿勢を任意に調整することができる。
以下、カメラ本体2の基本的な駆動制御について説明する。
カメラ本体2は、外部からのマニュアル指令とジャイロセンサ67からの出力に基づく補正指令とによって駆動される。
詳しくは、駆動制御部62は、マニュアル指令が外部から無線通信により入力されたときには、マニュアル指令に基づいてマニュアル駆動指令値を生成する。マニュアル指令は、例えば、特定の被写体の追尾指令、カメラ本体2の所定の角度でのパンニング(Y軸回りの回転)、チルティング(X軸回りの回転)、ローリング(Z軸回りの回転)等である。マニュアル駆動指令値は、第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに対する指令値である。駆動制御部62は、マニュアル駆動指令値に応じた駆動電圧を第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに印加する。その結果、第1〜第3駆動部26A〜26Cが作動し、カメラ本体2がマニュアル指令に応じた動きをする。
また、カメラ本体2に外乱が作用する場合には、ジャイロセンサ67が外乱の検出信号を駆動制御部62に出力する。駆動制御部62は、ジャイロセンサ67の出力に基づいて、外乱によカメラ本体2の回転を打ち消すための指令値を生成する。詳しくは、駆動制御部62は、ジャイロセンサ67の検出信号に基づいて求められる、カメラ本体2のX軸、Y軸及びZ軸回りの回転を打ち消すように、X軸回りの回転指令値(以下、「X軸ジャイロ指令値」という)、Y軸回りの回転指令値(以下、「Y軸ジャイロ指令値」という)及びZ軸回りの回転指令値(以下、「Z軸ジャイロ指令値」という)を生成する。そして、X軸ジャイロ指令値とY軸ジャイロ指令値とが所定の比率で合成され、第1駆動部26Aへのジャイロ駆動指令値が生成される。また、X軸ジャイロ指令値とY軸ジャイロ指令値とが所定の比率で合成され、第2駆動部26Bへのジャイロ駆動指令値が生成される。第3駆動部26Cについては、Z軸ジャイロ指令値がジャイロ駆動指令値となる。駆動制御部62は、ジャイロ駆動指令値に応じた駆動電圧を第1〜第3駆動部26A〜26Cのそれぞれに印加する。その結果、第1〜第3駆動部26A〜26Cが作動し、カメラ本体2に作用する外乱を打ち消すようにカメラ本体2が移動する。その結果、カメラ本体2の姿勢、即ち、光軸20の向きが一定に維持される。
尚、マニュアル指令があるときにカメラ本体2に外乱が作用する場合には、マニュアル駆動指令値とジャイロ駆動指令値が同時に生成され、両者が合成されて、最終的な駆動指令値が生成される。
このように、マニュアル指令の有無にかかわらず、ジャイロセンサ67の出力に基づいてカメラ本体2の回転ブレが抑制されるので、撮影画像における像ブレが抑制される。さらに、映像処理部61は、撮影される映像の動きベクトルを検出し、該動きベクトルに基づいて画像処理により像ブレを電子補正している。つまり、撮像装置100は、比較的大きく且つ低い周波数の像ブレをカメラ本体2の姿勢制御で抑制し、比較的小さく且つ高い周波数の像ブレを映像処理部61による電子補正により補正している。
〈6.フォトセンサの配置〉
図6に、外殻1内におけるフォトセンサ68の配置図を示す。(A)は、光軸方向に後側からフォトセンサ68を見た図であり、(B)は、光軸方向と直交する方向からフォトセンサ68を見た図である。3つのフォトセンサ68は、回路基板28の、移動枠21とは反対側(すなわち、後側)の面に設けられている。3つのフォトセンサ68は、Z軸回りに略120°ごとに配置され、Z軸回りの周方向位置が第1〜第3駆動部26A〜26Cと略一致している。ここでは、説明の便宜上、第1駆動部26Aに対応するフォトセンサ68を第1フォトセンサ68aと称し、第2駆動部26Bに対応するフォトセンサ68を第2フォトセンサ68bと称し、第3駆動部26Cに対応するフォトセンサ68を第3フォトセンサ68cと称する。尚、特に区別しないときには、単にフォトセンサ68と称する。第3フォトセンサ68cのZ軸周りの角度位置を0°とすると、第1フォトセンサ68aの角度位置は120°であり、第2フォトセンサ68bの角度位置は−120°である。
〈7.反射膜の構成〉
反射膜14は、起伏を有している。具体的には、外殻1を平面で切断したときの断面形状は、実質的に円となる。外殻1を接合部13に平行な平面で切断して形成される円において、外殻1の中心Oから反射膜14の表面までの距離(以下、単に「反射膜14までの距離」という)は、円に沿って正弦波状に変化する。そして、正弦波状に変化するときの振幅は、接合部13と切断面との距離に応じて変化する。図7にその一例を示す。図7は、外殻1の中心Oから反射膜14の表面までの距離を示すグラフであって、(A)は接合部13と一致する切断面S1におけるグラフであり、(B)は接合部13から第1距離だけ離れた切断面S2におけるグラフであり、(C)は接合部13から第1距離よりも長い第2距離だけ離れた切断面S3におけるグラフである。尚、第2切断面Sは、カメラ本体2が基準状態のときにおける3つのフォトセンサ68を含む面である。
接合部13に平行な何れの切断面においても、反射膜14までの距離は、基準半径Rを基準として、円の一周を一周期として正弦波状に変化している。例えば、基準半径Rは、反射膜14までの距離の平均値である。また、何れの切断面においても、正弦波の位相は一致している。ただし、接合部13から離れるほど、円周の長さは短くなるので、周期そのものは短くなる。また、接合部13から離れるほど、正弦波の振幅が小さくなっている。すなわち、切断面S1における振幅A1、切断面S2における振幅A2、及び切断面S3における振幅A3は、A1>A2>A3の関係になっている。
尚、反射膜14は、第1ケース11の内周面と第2ケース12の内周面とで接合部13を基準に対称な形状をしている。
フォトセンサ68は、反射膜14との距離が長いほど大きな電圧の信号を出力し、反射膜14との距離が短いほど小さな電圧の信号を出力する。例えば、フォトセンサ68は、反射膜14までの距離が基準半径Rのときに0Vの電圧を出力するように設定されていたとする。そして、第3フォトセンサ68cが第2切断面S2において、反射膜14までの距離が基準半径Rとなる部分に対向している場合、図8に示すように、第3フォトセンサ68cの出力は、0[V]となり、第1フォトセンサ68aの出力は、−V[V]となり、第2フォトセンサ68bの出力は、V[V]となる。例えば、この状態からカメラ本体2が外殻1のP軸周りに回転すると、3つのフォトセンサ68は、それぞれ位相を120°ずつずらして、最大振幅Vmax[V]の正弦波状の電圧を出力する。
位置検出部60は、3つのフォトセンサ68の出力に基づいて、外殻1内のカメラ本体2の位置、即ち、外殻1のP軸に対するカメラ本体2の光軸20の傾斜角度(「カメラ本体2の光軸20の向き」ともいう)を検出する。
尚、位置メモリ部69には、カメラ本体2の光軸20が外殻1のP軸の正方向(第1ケース11の側)を向く状態を初期状態として、3つのフォトセンサ68の出力が逐次記憶されている。つまり、位置メモリ部69に記憶されたフォトセンサ68の出力に基づいて、カメラ本体2の光軸20の向きを検出することができる。第1ケース11の反射膜14と第2ケース12の反射膜14とは対称な形状をしているが、フォトセンサ68の出力を逐次記憶していくことによって、カメラ本体2の光軸20が第1ケース11の方を向いているか、第2ケース12の方を向いているかを判別することができる。
〈8.障害物除去処理〉
図9に、映像処理部61のうち障害物除去処理を司る部分の機能ブロック図を示す。図10に、被写体Aを撮影する際に、カメラ本体2の撮影範囲S内に接合部13が入り込んだ状況を示す説明図を示す。図11に、障害物除去処理の各過程における撮影画像を示す。例えば、図10に示す状況で撮影を行った場合、図11(A)のような撮影画像が取得される。
映像処理部61は、撮影画像から障害物を検出する障害物検出部71と、レンズ鏡筒3の光学情報及び接合部13に関する情報を記憶しておくレンズ情報メモリ部72と、撮影画像から障害物を除去する障害物除去部73と、障害物を除去した撮影画像を補正する画像補正部74とを有する。
レンズ情報メモリ部72には、撮像素子33から外殻1の内面までの距離、レンズ鏡筒3の画角、焦点距離及びF値、並びに、接合部13の色及び透明度が記憶されている。障害物検出部71には、位置検出部60が求めたカメラ本体2の光軸20の向きと、レンズ情報メモリ部72に記憶された情報と、撮像素子33からの出力信号(即ち、撮影画像)とが入力される。障害物検出部71は、カメラ本体2の光軸20の向き及びレンズ情報メモリ部72の情報に基づいて、撮影画像中における接合部13の画像の位置及び形状を特定する。つまり、外殻1とカメラ本体2との位置関係に基づいて、撮影画像中における接合部13の画像の位置及び形状を特定することができる。
それに加えて、障害物検出部71は、撮影画像中における接合部13の画像をさらに正確に特定する。具体的には、障害物検出部71は、撮影画像中のうち、特定した接合部13の画像が含まれる領域において、輝度が所定値以下の部分を抽出し、その部分を接合部13の画像として特定する。つまり、接合部13を介して撮影された被写体は輝度が低下する。こうして、障害物検出部71は、外殻1とカメラ本体2との位置関係だけでなく、実際の撮影画像に基づいて、接合部13の画像を具体的に特定する。実際の撮影画像から接合部13の画像を特定するので、接合部13と反射膜14との位置関係に誤差がある場合や、フォトセンサ68の検出結果に誤差がある場合であっても、接合部13の画像をより正確に特定することができる。
尚、障害物検出部71は、輝度に基づく接合部13の画像の特定を省略し、外殻1とカメラ本体2との位置関係に基づいて接合部13の画像を特定してもよい。
続いて、障害物除去部73は、図11(B)に示すように、撮像素子33の撮影画像から接合部13の画像を除去する。
その後、画像補正部74は、接合部13の画像を除去した部分の画像を、その周辺の画像から補間して、図11(C)に示すように、撮影画像を補正する。
こうして、映像処理部61は、撮影画像から接合部13の画像を特定し、該画像の影響を低減した撮影画像を得ることができる。
〈9.撮像装置の使用例〉
図12に撮像装置100の使用例を示す。
第1ケース11の外面にピン81が設けられている。ピン81には、ストラップ82が取り付けられている。第2ケース12の外面には面ファスナ(図示省略)が設けられている。
ユーザは、ストラップ82を首に掛け、撮像装置100を首からぶら下げた状態で使用する。このとき、面ファスナを衣服などに貼り付けることによって、歩行時などでも撮像装置100の大きな揺れを防止することができる。
パン、チルト、ロール方向へのカメラ本体2の操作は、例えば、スマートフォンなどの無線通信機器を介して行うことができる。さらに、ジャイロセンサ67により、歩行時の像ブレを抑制することができる。
〈10.効果〉
したがって、撮像装置100は、外殻1と、前記外殻1内を移動可能に構成され、該外殻1外の被写体を該外殻1を通して撮影するカメラ本体2と、前記カメラ本体2による撮影画像から前記外殻1における障害物を検出する障害物検出部71と、前記障害物検出部71により検出された障害物を前記撮影画像から除去する障害物除去部73とを備えている。
この構成によれば、撮像装置100は、外殻1及びその近傍に存在する障害物を検出し、障害物の画像を撮影画像から除去することができる。その結果、外殻1及びその近傍に存在する障害物に起因する撮影画像の画質劣化を低減することができる。
また、前記外殻1内における前記カメラ本体2の位置を検出する位置検出部60をさらに備え、前記外殻1は、複数の部分が接合部13において接合されて形成されており、前記障害物検出部71は、前記位置検出部60により検出された前記カメラ本体2の位置に基づいて、前記撮影画像から前記接合部13を前記障害物として検出する。
この構成によれば、位置検出部60が外殻1内におけるカメラ本体2の位置を検出することによって、撮影画像における接合部13の画像の位置及び形状を特定することができる。
〈11.変形例〉
続いて、変形例について説明する。カメラ本体2は、前記の構成に限られるものではなく、任意の構成とすることができる。図13は、変形例に係る撮像装置200の断面図である。図14は、変形例に係るカメラ本体202を示し、(A)はカメラ本体202の斜視図であり、(B)はカメラ本体202の右側面図であり、(C)はカメラ本体202の(A)とは異なる角度から見た斜視図である。
詳しくは、外殻201は、第1ケース211と第2ケース212とを有している。外殻201の内面は、略球面に形成されている。外殻201は、ケースの一例である。
第1ケース211は、外殻201の大円を含む球冠状に形成されている。第2ケース212は、外殻201の大円を含まない球冠状に形成されている。第1ケース211の開口部211aと第2ケース212の開口部212aとが互いに接合される。こうして、外殻201は、接合部213を有している。外殻201の内面には、反射膜14が設けられている。
カメラ本体202は、移動枠221と、レンズ鏡筒3と、移動枠221に取り付けられた第1〜第3駆動部226A〜226Cと、レンズ鏡筒3を移動枠221に取り付けるための取付板227と、カメラ本体202の制御を行う回路基板28とを有している。カメラ本体202は、静止画撮影及び動画撮影を行うことができる。ここで、レンズ鏡筒3の光軸20をZ軸とし、光軸20の被写体側を前側とする。カメラ本体202は、撮像部の一例である。
移動枠221は、第1枠221aと、第2枠221bとを有している。第1枠221aと第2枠221bとは、ネジで固定される。第1枠221aは、第1駆動部226Aが取り付けられる第1側壁223aと、第3駆動部226Cが取り付けられる第2側壁223bと、レンズ鏡筒3が配置される円筒部225とを有している。円筒部225の軸線は、Z軸と一致している。第1側壁223a及び第2側壁223bは、Z軸に直交するX軸と平行であって且つZ軸に対して傾斜している。詳しくは、Z軸は、第1側壁223aの外面の法線と第2側壁223bの外面の法線とのなす角の二等分線になっている。第2枠221bは、第2駆動部226Bが取り付けられる第3側壁223cを有している。第3側壁223cは、Z軸と直交している。
尚、Z軸及びX軸の両方に直交する軸をY軸とする。
レンズ鏡筒3は、前記の構成と同じ構成である。レンズ枠32は、移動枠221の円筒部225内に配置され、光軸20が円筒部225の軸線と一致している。レンズ鏡筒3の撮像素子33の裏側には取付板227が設けられている。レンズ鏡筒3は、取付板227を介して移動枠221に取り付けられている。
第1〜第3駆動部226A〜226Cは、移動枠221の外周面に設けられている。詳しくは、第1駆動部226Aは、第1側壁223aに設けられている。第2駆動部226Bは、第3側壁223cに設けられている。第3駆動部226Cは、第2側壁223bに設けられている。第1〜第3駆動部226A〜226Cは、X軸回りにおいて略等間隔、即ち、略120°ごとに配置されている。
第1駆動部226Aは、アクチュエータ本体4Aと第1支持機構205Aとを有している。第2駆動部226Bは、アクチュエータ本体4Bと第2支持機構205Bとを有している。第3駆動部226Cは、アクチュエータ本体4Cと第3支持機構205Cとを有している。
3つのアクチュエータ本体4A〜4Cは、共通の構成をしている。アクチュエータ本体4A〜4Cは、前記の構成と同じ構成をしている。
第1支持機構205Aの基本的な構成は、前記第1支持機構5Aと同じである。第1支持機構205Aと第1支持機構5Aとでは、アクチュエータ本体4Aの姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Aは、Y軸及びZ軸を含む平面に含まれ且つZ軸に対して傾斜する軸回りに回転自在な状態で第1支持機構205Aに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Aの2つの駆動子42は、X軸と平行に並んで配置されている。
第3支持機構205Cの基本的な構成は、前記第2支持機構5Bと同じである。第3支持機構205Cと第2支持機構5Bとでは、アクチュエータ本体4C(アクチュエータ本体4B)の姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Cは、Y軸及びZ軸を含む平面に含まれ且つZ軸に対して傾斜する軸回りに回転自在な状態で第3支持機構205Cに支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Cの2つの駆動子42は、X軸と平行に並んで配置されている。
第2支持機構205Bの基本的な構成は、前記第3支持機構5Cと同じである。第2支持機構205Bと第3支持機構5Cとでは、アクチュエータ本体4B(アクチュエエータ本体4C)の姿勢が異なる。詳しくは、アクチュエータ本体4Bは、Z軸方向に移動可能であると共に、回転軸44を中心に回転可能に第2支持機構205Bによって支持されている。このとき、アクチュエータ本体4Bの2つの駆動子42は、Y軸と平行に並んで配置されている。
第1〜第3駆動部226A〜226Cに駆動電圧が印加されると、それぞれの駆動子42が楕円運動を行う。駆動子42が楕円運動を行うと、第1駆動部226Aは、Z軸周りの周方向に駆動力を出力する。第3駆動部226Cは、Z軸周りの周方向に駆動力を出力する。第2駆動部226Bは、X軸回りの周方向に駆動力を出力する。そのため、第1駆動部226Aの駆動力と第3駆動部226Cの駆動力とを組み合わせることによって、カメラ本体202をY軸又はZ軸周りに回転させることができる。さらに、第2駆動部226Bの駆動力によって、カメラ本体202をX軸回りに回転させることができる。このように、第1〜第3駆動部226A〜226Cの駆動力を調整することによって、カメラ本体202を外殻201に対して回転移動させ、外殻201に対するカメラ本体202の姿勢を任意に調整することができる。
回路基板28は、第1基板28aと第2基板28bとに分かれている。映像処理部61、駆動制御部62、アンテナ63、送信部64、受信部65、バッテリ66及びジャイロセンサ67は、第1基板28aに設けられている。フォトセンサ68は、第2基板28bに設けられている。第2基板28bのうち第1基板28aと反対側の面にフォトセンサ68が設けられている。第1基板28aと第2基板28bとは、第3側壁23cを挟持するようにして第2枠21bに取り付けられている。第1基板28aは、移動枠21の内側に位置し、第2基板28bは、移動枠21の外側に位置する。
このように構成された撮像装置200においても、フォトセンサ68の出力に基づいて、外殻201に対するカメラ本体202の位置を検出することができる。その結果、撮像画像から接合部213の画像を除去し、撮影画像を補正することができる。
《実施形態2》
続いて、実施形態2について説明する。
実施形態2の撮像装置は、撮影画像中の障害物の検出方法が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。図15に、実施形態2のレンズ鏡筒3及び映像処理部261の機能ブロック図を示す。
映像処理部261の基本的な機能な、前記映像処理部61と同じである。映像処理部261は、撮影画像から障害物を検出する障害物検出部271と、障害物検出部271により検出した障害物の情報を記憶しておく障害物画像メモリ部275と、デフォーカス量を演算するデフォーカス量演算部276と、演算したデフォーカス量に基づいて障害物画像を変換する画像変換部277と、障害物を撮影画像から除去する障害物除去部73と、障害物を除去した撮影画像を補正する画像補正部74とを有する。
障害物検出部271は、撮像素子から外殻1(例えば、接合部13)までの距離が既知であることを利用して障害物を検出する。障害物検出部271は、フォーカスレンズの位置を記憶しておくレンズ位置メモリ部91と、フォーカスレンズの駆動を制御するレンズ制御部92と、撮影画像のコントラスト値を検出するコントラスト検出部93とを有している。
レンズ鏡筒3は、被写体の合焦状態を調整するフォーカスレンズ31aと、レンズ鏡筒3内のフォーカスレンズ31aの位置を検出するレンズ位置検出部34と、フォーカスレンズ31aを駆動するステッピングモータ35とをさらに有する。レンズ位置検出部34は、例えば、透過型フォトインタラプタ(図示せず)で構成され、原点位置に位置するフォーカスレンズ31aを検出する原点検出手段を有している。レンズ位置検出部34は、フォーカスレンズ31aが原点位置に位置する状態からのステッピングモータ35の駆動量に基づいてフォーカスレンズ31aの位置を検出する。
レンズ位置メモリ部91には、例えば、外殻1が撮像素子33に結像されるときのレンズ鏡筒3内におけるフォーカスレンズ31aの位置に関する情報が記憶されている。
レンズ制御部92は、レンズ位置検出部34からのフォーカスレンズ31aの位置情報及びレンズ位置メモリ部91の位置情報に基づいて、外殻1が撮像素子33に結像される位置にフォーカスレンズ31aが移動するようにステッピングモータ35を作動させる。こうして、外殻1に焦点を合わせた状態で撮影を行う。この撮影で取得された画像を参照画像とする。コントラスト検出部93は、参照画像内のコントラストの最も高い画像情報を抽出し、この抽出された画像情報を障害物(接合部13)と判定する。尚、コントラストが所定値以上の画像情報を障害物と判定するようにしてもよい。あるいは、参照画像内でコントラストが最も高く且つコントラストが所定値以上の画像情報を障害物と判定してもよい。つまり、コントラストが参照画像中で最も高くても、コントラストが小さい場合には、その情報を障害物とは判定しない。
障害物検出部271は、障害物として抽出した画像情報を障害物画像メモリ部275に記録する。
次いで、レンズ制御部92は、撮影したい被写体に合焦する位置にフォーカスレンズ31aを移動させる。デフォーカス量演算部276は、レンズ位置検出部34からのフォーカスレンズ31aの位置情報及びレンズ位置メモリ部91の位置情報に基づいて、撮影したい被写体に合焦するときのフォーカスレンズ31aの位置と外殻1(即ち、障害物)に合焦するときのフォーカスレンズ31aの位置との差を演算する。この差は、撮影したい被写体に合焦する位置にフォーカスレンズ31aを位置させたときの障害物のデフォーカス量に相当する。画像変換部277は、障害物画像メモリ部275に記憶された障害物の画像を、デフォーカス量演算部276で演算したデフォーカス量だけぼかした画像に変換する。
障害物除去部73及び画像補正部74は、実施形態1と同様の処理を行う。すなわち、障害物除去部73は、画像変換部277で変換した障害物の画像を撮影画像から除去し、画像補正部74は、接合部13の画像を除去した部分の画像を、その周辺の画像から補間する。こうして、映像処理部261は、撮影画像から接合部13の画像を特定し、該画像の影響を低減した撮影画像を得ることができる。
したがって、実施形態2の撮像装置100においては、前記カメラ本体2は、前記外殻1に焦点を合わせて撮影することにより参照画像を取得するように構成されており、前記障害物検出部271は、前記参照画像に基づいて前記障害物を検出する。つまり、撮像装置100は、外殻1に合焦させた状態で撮影を行い、そのときの撮影画像中にコントラストが高い画像が含まれている場合には、そのコントラストが高い画像を障害物と判定し、撮影対象に合焦させた場合の撮影画像から障害物を除去する。
これにより、接合部13のような位置及び形状が既知の障害物でなくても、外殻1及びその近傍に存在する障害物を検出し、撮影画像から該障害物を除去することができる。
尚、障害物の画像の除去は、以上の説明の方法に限られるものではない。例えば、外殻1に合焦させて撮影した障害物の画像を、ぼかし変換することなく、撮影画像から除去してもよい。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記撮像装置100,200は、静止画撮影及び動画撮影を行うが、撮像装置100,200は、静止画撮影のみを行うものであってもよいし、動画撮影のみを行うものであってもよい。
また、外殻1,201は、第1ケース11と第2ケース12とを有する2分割構造であるが、これに限られるものではない。例えば、外殻1は、3分割以上に分割されていてもよい。
また、前記第1〜第3駆動部26A〜26C,226A〜226Cは、圧電素子を含む振動型アクチュエータであるが、これに限られるものではない。例えば、駆動部は、ステッピングモータと駆動輪とを有し、駆動輪が外殻1の内面に接触する構成であってもよい。
さらに、第1〜第3駆動部26A〜26Cは、Z軸周りに等間隔に配置されているが、等間隔でなくてもよい。また、第1〜第3駆動部226A〜226Cは、X軸周りに等間隔に配置されているが、等間隔でなくてもよい。さらに、駆動部の個数は、3つに限定されるものではなく、2つ以下であっても、4つ以上であってもよい。例えば、撮像装置100が4つの駆動部を備える場合、4つの駆動部を等間隔(90°ごとに)配置としてもよい。
前記実施形態では、カメラ本体2,202の位置をフォトセンサ68により検出しているが、これに限られるものではない。例えば、マグネットとホールセンサによってカメラ本体2の位置を検出してもよいし、第2ケース12,212を金属製として、渦電流損失や静電容量変化を検出することによってカメラ本体2,202の位置を求めてもよい。カメラ本体2,202による第1ケース11,211の画像検出を利用してもよい。
また、実施形態1の反射膜14の形状を一例である。反射膜14の形状は、外殻1,201に対するカメラ本体2の位置を検出することができる限り、任意の形状とすることができる。例えば、前記反射膜14は、接合部13に平行な切断面で切断した切り口において、外殻1の中心Oからの距離が正弦波状に変化している。しかし、外殻1の中心Oからの距離が正弦波状に変化するように反射膜14を切断する切断面は、接合部13に平行でなくてもよい。また、第1ケース11の反射膜14の形状と第2ケース12の反射膜14の形状とを非対称としてもよい。
また、外殻1,201及びその近傍に存在する障害物の検出方法は、実施形態1,2の方法に限られるものではない。障害物を検出することができる限り、任意の方法を採用することができる。
また、撮影画像から障害物を除去して補正する方法は、実施形態1,2の方法に限られるものではない。撮影画像中における障害物の影響を低減できる限り、任意の補正方法を採用することができる。例えば、実施形態1,2は、障害物に相当する画像情報を除去した上で、その周辺の画像から除去した部分の画像を補間しているが、障害物に相当する画像情報を用い、該画像情報を修正してもよい。
以上説明したように、ここに開示された技術は、内面が球面状に形成されたケース内に配置された撮像部を備えた撮像装置について有用である。
100,200 撮像装置
1,201 外殻(ケース)
11,211 第1ケース
12,212 第2ケース
13,213 接合部
14 反射膜
2,202 カメラ本体(撮像部)
20 光軸
21,221 移動枠
22 外周壁
23a 第1側壁
23b 第2側壁
23c 第3側壁
24 仕切壁
25 開口部
26A,226A 第1駆動部
26B,226B 第2駆動部
26C,226C 第3駆動部
27 取付板
28 回路基板
3 レンズ鏡筒
32 レンズ枠
33 撮像素子
4A アクチュエータ本体
4B アクチュエータ本体
4C アクチュエータ本体
41 振動体
42 駆動子
43 ホルダ
44 回転軸
5A 第1支持機構
5B 第2支持機構
5C 第3支持機構
51 ブラケット
52 保持板
52a 開口
53 支持部
53a ガイド溝
54 付勢バネ
55 ストッパ
55a 第1規制部
55b 第2規制部
61 映像処理部
62 駆動制御部
63 アンテナ
64 送信部
65 受信部
66 バッテリ
67 ジャイロセンサ
68 フォトセンサ
71 障害物検出部
72 レンズ情報メモリ部
73 障害物除去部
74 画像補正部
81 ピン
82 ストラップ
91 レンズ位置メモリ部
92 レンズ制御部
93 コントラスト検出部
S 撮影範囲

Claims (3)

  1. 被写体を撮影する撮像装置であって、
    ケースと、
    前記ケース内を移動可能に構成され、該ケース外の被写体を該ケースを通して撮影する撮像部と、
    前記撮像部による撮影画像から前記ケースにおける障害物を検出する障害物検出部と、
    前記障害物検出部により検出された障害物を前記撮影画像から除去する画像処理部とを備えた撮像装置。
  2. 前記ケース内における前記撮像部の位置を検出する位置検出部をさらに備え、
    前記ケースは、複数の部分が接合部において接合されて形成されており、
    前記障害物検出部は、前記位置検出部により検出された前記撮像部の位置に基づいて、前記撮影画像から前記接合部を前記障害物として検出する、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像部は、前記ケースに焦点を合わせて撮影することにより参照画像を取得するように構成されており、
    前記障害物検出部は、前記参照画像に基づいて前記障害物を検出する、請求項1に記載の撮像装置。
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