JPWO2013080483A1 - 不揮発性半導体記憶装置およびその書き込み方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその書き込み方法 Download PDF

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Abstract

複数のワード線(2)と、複数のビット線(3)と、メモリセル(4)とオフセット電流検知セル(5)で構成されるセルの集合体で構成されるクロスポイントセルアレイ(1)と、ワード線選択回路(10)と、ビット線選択回路(11)と、書き込み制御回路(22)と、電流を検出し電気信号に変換する電流センス回路(21)と、を備え、書き込み制御回路(22)は、第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流をメモリセル(4)に流すように書き込み用の電気信号を調節する。

Description

本発明は、抵抗変化型記憶素子を用いたクロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置に関するものであり、特に書き込み動作の安定性を向上させるセルアレイ構成とその書き込み方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、携帯型情報機器および情報家電などの電子機器がよりいっそう高機能化している。そのため、不揮発性半導体記憶装置の大容量化、書き込み電力の低減、書き込み/書き込み時間の高速化、および長寿命化の要求が高まっている。
こうした要求に対して、例えば、いわゆる抵抗変化型記憶素子を用いて構成されたメモリ素子を有する不揮発性半導体記憶装置の研究開発が進んでいる。抵抗変化型記憶素子とは、電気信号に応じて抵抗値が変化し、電気信号を切ってもその抵抗値が保たれる(不揮発に保持される)性質を有し、この抵抗値の変化によって情報を記憶することが可能な素子のことをいう。
抵抗変化型記憶素子の代表的なものとしては、MRAM(Magnetic Random Access Memory:磁性メモリ)、PRAM(Phase Change Random Access Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistec Random Access Memory:抵抗変化メモリ;抵抗変化素子)SPRAM(Spin Transfer Torque Random Access Memory:スピン注入メモリ)など、がある。
これら抵抗変化型記憶素子を用いた不揮発性半導体記憶装置の構成方法の一例として、クロスポイント構成が知られている。クロスポイント構成では、メモリセルはアレイ状に配置される(以下クロスポイントセルアレイと呼ぶ)。具体的には、直交するように配置されたビット線とワード線との交点の位置に、ビット線とワード線とに挟まれて、各メモリセルが設置される。
クロスポイント構成では、対象とするメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変更する(書き込む)ために、対応するビット線とワード線に電圧を印加すると、書き込み対象とするメモリセルには、そのメモリセルに印加した電圧に対応する電流に加え、書き込み対象とする選択メモリセルと並列または直列に接続された他の複数の非選択メモリセルを介した電流(回り込み電流:sneak current)も流れる。この回り込み電流は、書き込み対象とするメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗を変化させるために必要な電流を変動させるため、不揮発性半導体記憶装置において、安定的な書き込み動作(抵抗変化動作)を妨げることになる。
クロスポイントセルアレイの書き込み動作を安定化するため、メモリセルの電圧降下を補償する方法が特許文献1に開示されている。
特開2009−140593号公報
しかし、特許文献1に記載の半導体記憶装置では、メモリセルを抵抗変化素子と単方向ダイオードの直列接続で構成しているため、メモリセルに流すことができる電流の方向はダイオードが順方向にバイアスされる方向のみに制限される。このため、抵抗変化素子の抵抗を低抵抗状態(LR状態)から高抵抗状態(HR状態)に変化させる場合に抵抗変化素子に流す電流の方向と、HR状態からLR状態に変化させる場合に抵抗変化素子に流す電流の方向とが異なるバイポーラ型抵抗変化素子をメモリセルに用いる場合には適用できない。
さらに、上記半導体記憶装置では、書き込み時にメモリセルに加わる電圧を一定にすることを目的としているが、後述するように、書き込み時に流れる電流値を一定にすることが抵抗変化特性の安定化に望ましい場合には、電圧を一定にすることにより電流値を一定にすることができなくなるため適用できない。
以上のような課題に鑑み、本発明は、クロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置であって、回り込み電流が存在する場合においても、その回り込み電流が書き込み動作時に及ぼす影響を低減させ、メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗変化動作を安定化させることで、信頼性の高い半導体記憶装置およびその書き込み方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明における不揮発性半導体記憶装置の一形態は、第1の平面内において互いに平行に形成された複数のワード線と、前記第1の平面に平行な第2の平面内において互いに平行にかつ前記複数のワード線と立体交差するように形成された複数のビット線と、前記複数のワード線と前記複数のビット線の立体交差点のそれぞれに対して設けられたセルの集合体で構成される、クロスポイントセルアレイと、前記複数のワード線のうちから特定のワード線を選択するワード線選択回路と、前記複数のビット線のうちから特定のビット線を選択するビット線選択回路と、前記ワード線選択回路を介して前記ワード線に接続され、または、前記ビット線選択回路を介して前記ビット線に接続され、前記ワード線選択回路で選択されたワード線または前記ビット線選択回路で選択されたビット線に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路と、前記ビット線選択回路を介して前記ビット線に接続され、または、前記ワード線選択回路を介して前記ワード線に接続され、前記ビット線選択回路で選択されたビット線または前記ワード線選択回路で選択されたワード線に流れる電流を検知して、前記電流の大きさに応じた電気信号に変換する電流センス回路と、を備え、前記セルの集合体には、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に2つ以上の状態に抵抗値が変化するメモリ動作をするメモリ素子を含むメモリセルと、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号によらず、前記メモリ素子が前記メモリ動作をする場合の高抵抗状態での前記メモリ素子の抵抗値より高い抵抗値を有するオフセット電流検知セルと、が含まれ、前記メモリセルに接続される前記ワード線及び前記ビット線間に所定の極性と振幅を有する第1の電圧を印加して前記メモリセルに所定のデータを書き込む時に流れる電流を第1の書き込み電流とし、前記オフセット電流検知セルに接続される前記ワード線及び前記ビット線間に前記第1の電圧を印加した時流れる電流を回り込み電流とする時、前記書き込み制御回路は、前記第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流を前記メモリセルに流すように前記書き込み用の電気信号を調節する。
また、本発明における不揮発性半導体記憶装置に対する書き込み方法の一形態は、前記オフセット電流検知セルに接続されたワード線と、前記オフセット電流検知セルに接続されたビット線とを選択する手順Aと、選択された前記ワード線と前記ビット線の間に一定電圧を印加し、その時の前記ワード線または前記ビット線から流出する回り込み電流を電流センス回路により検出して、検出した前記回り込み電流を書き込み制御回路により前記回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する手順Bと、前記オフセット電気信号をオフセット電流値保持回路に保持する手順Cと、前記オフセット電気信号に応じて生成される書き込み用の電気信号を書き込み制御回路に出力する手順Dと、前記回り込み電流が第1の電流であるときには第1の書き込み電流が、前記第1の電流より高い第2の電流であるときには前記第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流が前記メモリセルに流れるように、前記オフセット電気信号に応じて前記書き込み用の電気信号を調整する手順Eと、を含む。
また、本発明における不揮発性半導体記憶装置の他の一形態は、前記書き込み対象のメモリセルに接続された第1のワード線と、前記第1のワード線に設けられた第1のオフセット電流検知セルに接続された第1のビット線とを選択する手順Fと、選択された前記第1のワード線と前記第1のビット線の間に一定電圧を印加し、その時の前記第1のワード線または前記第1のビット線から流出する第1の回り込み電流を電流センス回路Aにより検出して、検出した前記第1の回り込み電流を書き込み制御回路Aにより前記第1の回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第1のオフセット電気信号に変換する手順Gと、前記第1のオフセット電気信号を第1のオフセット電流値保持回路に保持する手順Hと、前記書き込み対象のメモリセルに接続された第2のビット線と、前記第2のビット線に設けられた第2のオフセット電流検知セルに接続された第2のワード線とを選択する手順Iと、選択された前記第2のワード線と前記第2のビット線の間に、手順Gにおいて選択された前記第1のワード線と前記第1のビット線の間に印加した電圧と同じ大きさの電圧を印加し、その時の前記第2のワード線または前記第2のビット線から流出する第2の回り込み電流を電流センス回路Aにより検出して、検出した前記第2の回り込み電流を書き込み制御回路Bにより前記第2の回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第2のオフセット電気信号に変換する手順Jと、前記第2のオフセット電気信号を第2のオフセット電流値保持回路に保持する手順Kと、前記第1のオフセット電気信号、および、前記第2のオフセット電気信号を参照して、前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路に保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成する手順Lと、前記平均オフセット電気信号に応じて前記第1の書き込み用の電気信号を調整する手順Mと、を含む。
本発明の抵抗変化型記憶素子を用いたクロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置では、クロスポイント型回路で問題となる、書き込み動作の時にメモリセルを流れる電流が、回り込み電流の影響を受けて一定にならず、書き込み動作が不安定になるという問題を抑制できる。これにより、書き込み動作の安定性が向上するという効果が得られる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す模式図である。 図2の(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のクロスポイントセルアレイ、ワード線およびビット線の構成の詳細を示す平面図、図2の(b)は、(a)のX−X’の断面構成を示した断面図である。 図3は、本発明のオフセット電流検知セルの、その他の構成方法を説明するための断面図である。 図4は、本発明のメモリセルをReRAMとMSMダイオードで構成した場合におけるメモリセルの断面図である。 図5は、本発明のメモリセル単体の電圧−電流特性を示した図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の低抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の低抵抗状態の書き込み方法(続き)を説明するための図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の低抵抗状態の書き込みフローチャートである。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の高抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の高抵抗状態の書き込み方法(続き)を説明するための図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の高抵抗状態の書き込みフローチャートである。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の他の構成を示す模式図である。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す模式図である。 図14は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す模式図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法を説明するための図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法(続き)を説明するための図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法(続き)を説明するための図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込みフローチャートである。 図19は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す模式図である。 図20は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の低抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。 図21は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の低抵抗状態の書き込み方法(続き)を説明するための図である。 図22は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込みフローチャートである。
(本発明の基礎となった知見)
上記したように、クロスポイント構成では、直交するように配置されたビット線とワード線との交点の位置に、ビット線とワード線とに挟まれて、各メモリセルが設置される。メモリセルは、抵抗変化型記憶素子単体または抵抗変化型記憶素子とダイオード等のスイッチング素子との直列接続として構成され、メモリセルの一方の端子はワード線に接続され、他方の端子はビット線に接続されている。クロスポイント構成は、抵抗変化型記憶素子がアクセストランジスタを介してビット線に接続されるいわゆる1T1R構成に比べ、大規模集積化に適しているという特徴を持つ。
クロスポイント構成において、メモリセルはアレイ状に配置される(以下クロスポイントセルアレイと呼ぶ)。クロスポイント構成では、対象とするメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変更する(書き込む)ために、対応するビット線とワード線に電圧を印加する。このとき、書き込み対象とするメモリセルには、そのメモリセルに印加された電圧に対応する電流に加え、上下のビット線およびワード線によって書き込み対象とする選択メモリセルと並列または直列に接続された他の複数の非選択メモリセルを介した電流も流れる。この、書き込み対象とするメモリセル以外の他のメモリセルを介して流れる電流の総和を、本明細書では回り込み電流(sneak current)と呼ぶ。
回り込み電流は、クロスポイントセルアレイに記憶されたデータの状態(書き込みの対象とするメモリセルが所属するクロスポイントセルアレイ内の全てのメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値およびその分布)で変化する。このため、書き込み対象のメモリセルの書き込み時に書き込み対象のメモリセルに流れる電流は、常に一定値でない回り込み電流の影響により変動する。つまり、この回り込み電流は、書き込み対象とするメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗を変化させるために必要な電流を変動させるため、不揮発性半導体記憶装置において、安定的な書き込み動作(抵抗変化動作)を妨げることになる。
メモリセルを、スイッチング素子と抵抗変化型記憶素子とを直列に接続した構成とすることで、この回り込み電流をある程度少なくすることはできる。しかし、回り込み電流はクロスポイントセルアレイの規模に応じて増加するため、クロスポイントセルアレイの大規模化の妨げとなる。
クロスポイントセルアレイの安定的な書き込み動作のため、例えば、メモリセルの書き込み動作時の電流により配線部分で電圧降下を発生させ、補助回路を用いて実効的にメモリセルに印加される電圧が低下するのを補償する半導体記憶装置が知られている。
上述の半導体記憶装置では、回り込み電流抑制の方法としてメモリセルを抵抗変化素子と単方向ダイオードの直列接続で構成している。これにより、回り込み電流はほぼ抑制されるが、メモリセルに流すことができる電流の方向もダイオードが順方向にバイアスされる方向のみに制限される。このため、抵抗変化素子の抵抗を低抵抗状態(LR状態)から高抵抗状態(HR状態)に変化させる場合に抵抗変化素子に流す電流の方向と、HR状態からLR状態に変化させる場合に抵抗変化素子に流す電流の方向とが異なるような抵抗変化素子(以降、バイポーラ型抵抗変化素子と記述する)をメモリセルに用いる場合には適用できない。
さらに、上記半導体記憶装置では、書き込み時にメモリセルに加わる電圧を一定にすることを目的としているが、書き込み時に流れる電流値を一定にすることが抵抗変化特性の安定化に望ましい場合には、電圧を一定にすることにより電流値を一定にすることができなくなるため適用できない。
このような課題に鑑み、以下に、クロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置であって、回り込み電流が存在する場合においてもその回り込み電流が書き込み動作時に及ぼす影響を低減させ、メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗変化動作を安定化させることで、信頼性の高い半導体記憶装置およびその書き込み方法について説明する。
上記の目的を達成するために、本発明における不揮発性半導体記憶装置の一形態は、第1の平面内において互いに平行に形成された複数のワード線と、第1の平面に平行な第2の平面内において互いに平行にかつ複数のワード線と立体交差するように形成された複数のビット線と、複数のワード線と複数のビット線の立体交差点のそれぞれに対して設けられたセルの集合体で構成されるクロスポイントセルアレイと、複数のワード線のうちから特定のワード線を選択するワード線選択回路と、複数のビット線のうちから特定のビット線を選択するビット線選択回路と、ワード線選択回路を介してワード線に接続され、または、ビット線選択回路を介してビット線に接続され、ワード線選択回路で選択されたワード線またはビット線選択回路で選択されたビット線に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路と、ビット線選択回路を介してビット線に接続され、または、ワード線選択回路を介してワード線に接続され、ビット線選択回路で選択されたビット線またはワード線選択回路で選択されたワード線に流れる電流を検知して、電流の大きさに応じた電気信号に変換する電流センス回路とを備える。また、電流センス回路は、回り込み電流をオフセット電気信号に変換し、電流センス回路で変換されたオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路を備える。
セルの集合体には、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に2つ以上の状態に抵抗値が変化するメモリ動作をするメモリ素子を含むメモリセルと、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号によらず、メモリ素子がメモリ動作する場合の最も高抵抗な状態の抵抗値より高い抵抗値を有するオフセット電流検知セルとが含まれる。
書き込み制御回路は、第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流をメモリセルに流すように、書き込み用の電気信号を調節する機能を有する。また、書き込み制御回路は、ワード線選択回路で選択されたワード線に第1の書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路Aと、ビット線選択回路で選択されたビット線に第2の書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路Bとを備えていてもよい。
また、第2の書き込み電流は、第1の書き込み電流と回り込み電流の和であってもよい。
また、電流センス回路は、ビット線選択回路で選択されたビット線から流出する回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第1のオフセット電気信号に変換する電流センス回路Aと、ワード線選択回路で選択されたワード線から流出する回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第2のオフセット電気信号に変換する電流センス回路Bとを備えていてもよい。
オフセット電流値保持回路は、電流センス回路Aで変換された第1のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Aと、電流センス回路Bで変換された第2のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Bとを備えていてもよい。
ここで、電気信号とは、電流であっても電圧であってもよい。また、電流または電圧のアナログ信号をデジタル信号に変換したもの、または、デジタル信号をアナログ信号に変換したものであってもよい。また、電流または電圧に応じてパルス変調した信号であってもよい。
このような構成とすることで、オフセット電流検知セルを選択することで、書き込み対象のメモリセルに書き込みを行うときに流れる回り込み電流のおおよその大きさを検知することが可能となる。書き込み制御回路A(書き込み制御回路B)は、書き込み制御回路A(書き込み制御回路B)から出力される電流が、書き込み対象のメモリセルに書き込みを行うためにメモリ素子に流す電流ILR(IHR)に回り込み電流を加えた電流となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線(ビット線)に出力する。これにより、クロスポイントセルアレイに記憶されているデータに影響されること無く、書き込み対象のメモリセルには、書き込み対象のメモリセルに書き込みを行うためにメモリ素子に流す電流ILR(IHR)にほぼ等しい電流が流れるようになり、安定した書き込み動作を実現することが可能となる(第1の実施の形態)。
本発明における不揮発半導体記憶装置は、複数のワード線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられ、かつ、複数のビット線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられるようにクロスポイントセルアレイ内にオフセット電流検知セルが配置される構成としても良い。
このような構成とすることで、書き込み対象のメモリセルとオフセット電流検知セルでワード線もしくはビット線のどちらかが同じになるので、オフセット電流検知セルで検知される電流は、書き込み対象のメモリセルに書き込みを行うときに流れる回り込み電流により近い値となる。これにより、書き込み対象のメモリセルに流す電流をより精度良く一定の値に保つことが可能となる(第2の実施の形態)。
さらに、本発明における不揮発半導体記憶装置は、複数のワード線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられ、かつ、複数のビット線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられるようにクロスポイントセルアレイ内にオフセット電流検知セルが配置される構成においては、オフセット電流値保持回路Aは、電流センス回路Aで変換された第1のオフセット電気信号および第2のオフセット電気信号を保持するための第1のオフセット電流値保持回路および第2のオフセット電流値保持回路とを備え、オフセット電流値保持回路Bは、電流センス回路Bで変換された第1のオフセット電気信号および第2のオフセット電気信号を保持するための第1のオフセット電流値保持回路および第2のオフセット電流値保持回路とを備えていてもよい。
また、不揮発性半導体記憶装置は、さらに、第1のオフセット電流値保持回路および第2のオフセット電流値保持回路に保持された2つのオフセット電気信号を参照して、2つのオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成するオフセット電流演算回路Aと、第1のオフセット電流値保持回路および第2のオフセット電流値保持回路に保持された2つのオフセット電気信号を参照して、2つのオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成するオフセット電流演算回路Bとを備える構成としても良い。
さらに、書き込み制御回路Aおよび書き込み制御回路Bは、メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるためにメモリ素子に電流を流す場合には定電流源としても動作し、その時出力される電流の値を、クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続された第1のワード線と、第1のワード線に設けられた第1のオフセット電流検知セルに接続された第1のビット線を選択して検知される回り込み電流から生成される第1のオフセット電気信号と、クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続された第2のビット線と、第2のビット線に設けられた第2のオフセット電流検知セルに接続された第2のワード線を選択して検知される電流から生成される第2のオフセット電気信号とを用いて、調節する機能を有する。
このような構成とすることで、書き込み対象のメモリセルと同じワード線を持つ第1のオフセット電流検知セルで検知される回り込み電流と、書き込み対象のメモリセルと同じビット線を持つ第2のオフセット電流検知セルで検知される回り込み電流との平均値が、書き込み対象のメモリセルに書き込みを行うときに流れる回り込み電流により近い値となるため、書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子に流す電流をより精度良く一定の値に保つことが可能となる(第2の実施の形態の変形例)。
本発明における不揮発半導体記憶装置は、複数のビット線はメモリセルのみが接続された複数のビット線と、メモリセルとオフセット電流検知セルの両方が接続された複数のオフセット電流検知ビット線を含み、オフセット電流検知セルは、全ての複数のオフセット電流検知ビット線の各々に設けられるオフセット電流検知セルの個数が均等で、かつ、複数のワード線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられるように、クロスポイントセルアレイ内に配置される構成としても良い。
この場合、オフセット電流を検知するために選択される前記オフセット電流検知セルは、クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルの接続されたワード線に対して設けられたオフセット電流検知セルとなる。
さらに、上記のオフセット電流検知セルが特定のオフセット電流検知ビット線にのみ設けられるように配置された構成と同様に、複数のワード線はメモリセルのみが接続された複数のワード線と、メモリセルとオフセット電流検知セルの両方が設けられた複数のオフセット電流検知ワード線を含み、オフセット電流検知セルは、全ての複数のオフセット電流検知ワード線の各々に設けられるオフセット電流検知セルの個数が均等で、かつ、複数のビット線のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セルが設けられるように、クロスポイントセルアレイ内に配置される構成としても良い。
この場合、電流を検知するために選択される前記オフセット電流検知セルは、クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続されたビット線に対して設けられたオフセット電流検知セルとなる。
このような構成とすることで、オフセット電流検知セルを選択する際に、ビット線選択回路(またはワード線選択回路)で選択対象となるビット線(またはワード線)をオフセット電流検知ビット線(またはオフセット電流検知ワード線)だけに限定することができるので、ビット線選択回路(またはワード線選択回路)のスイッチ選択を行う回路の回路設計を容易にすることができるという効果が得られる(第3の実施の形態)。
なお、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、必ずしも、ワード線選択回路、ビット線選択回路を備える必要はなく、少なくとも、上述のような特徴的なクロスポイントセルアレイを備えればよい。そのクロスポイントセルアレイは、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に2つ以上の状態に抵抗値が変化するメモリ動作をするメモリ素子を含むメモリセルと、対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号によらず、メモリ素子がメモリ動作をする場合の高抵抗状態でのメモリ素子の抵抗値より高い抵抗値を有するオフセット電流検知セルとを含むので、構造上の違いがないメモリセルとダミーセルとで構成される従来のクロスポイントセルアレイと異なり、高い精度で回り込み電流を検知することができ、書き込み対象のメモリセルに流す電流をより精度良く一定の値に保つことが可能となる構造を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
本発明において、メモリ素子や配線の形状については模式的なものである。さらに、それらの個数等についても図示しやすい個数としている。
なお、本明細書では、1層のクロスポイントセルアレイについてのみ図面を用いて説明しているが、本発明は1層のクロスポイントセルアレイにのみ限定されるものではなく、2層以上のクロスポイントセルアレイについても、1層ごとのクロスポイントセルアレイに対して本発明の構成を適用すれば、同様の効果が得られる。
さらに、本明細書では、ビット線からワード線側に電流を流すことでメモリ素子の抵抗を高抵抗状態に、ワード線からビット線側に電流を流すことでメモリ素子の抵抗を低抵抗状態にする場合を例として説明しているが、本発明はこれにのみ限定されるものではない。オフセット電流検知セルを選択して電流を検知するときに電流を流す方向と、実際にメモリセルを書き込むために電流を流す方向が一致してれば、同様の効果が得られる。
(第1の実施の形態)
[装置の構成]
本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000は、図1に示されているように、第1の平面内において互いに平行に形成された複数のワード線2と、第1の平面に平行な第2の平面内において互いに平行にかつ複数のワード線2と立体交差するように形成された複数のビット線3と、複数のワード線2と複数のビット線3の立体交差点のそれぞれに対して設けられた複数のセル(メモリセル4及びオフセット電流検知セル5を含む)の集合体で構成される、クロスポイントセルアレイ1と、複数のワード線2のうちから特定のワード線2を選択するワード線選択回路10と、複数のビット線3のうちから特定のビット線3を選択するビット線選択回路11と、ワード線選択回路10を介してワード線2に接続され、ワード線選択回路10で選択されたワード線2に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路22と、ビット線選択回路11を介して選択ビット線3に接続され、ビット線選択回路11で選択されたビット線3に流れる回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する電流センス回路21と、を備え、セルの集合体には、選択されたワード線2と選択されたビット線3との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に2つ以上の状態に抵抗値が変化するメモリ動作をする抵抗変化型記憶素子(メモリ素子)を含む複数のメモリセル4と、対応するワード線2と対応するビット線3との間に印加される電気信号によらず、所定の高抵抗値を有する少なくとも1つのオフセット電流検知セル5と、が含まれ、電流センス回路21及び書き込み制御回路22は、オフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を測定して一旦記憶し、選択されたメモリセル4の所定の第1の書き込み電流に回り込み電流を加算された第2の書き込み電流を選択されたメモリセル4に流すように書き込み制御回路22を制御する。以下、各構成要素を詳細に説明する。
この不揮発性半導体記憶装置1000は、上述したように、第1の方向と平行にストライプ状に形成された複数のワード線2と、ワード線2と交差する方向(第2の方向)にストライプ状に形成された複数のビット線3と、ワード線2とビット線3の平面視における交点でかつワード線2とビット線3との間に形成されたクロスポイントセルアレイ1を備えている。さらに、クロスポイントセルアレイ1は、複数のメモリセル4と、1個以上のオフセット電流検知セル5を含んでいる。
なお、図1に示されたクロスポイントセルアレイ1では、オフセット電流検知セル5は中心に配置されているが、必ずしも中心に配置する必要はなく、オフセット電流検知セル5はクロスポイントセルアレイ1のどこに配置されていても良い。さらに、クロスポイントセルアレイ1内のオフセット電流検知セル5の数は1つに限定されるものではなく、2つ以上のオフセット電流検知セル5が同一のクロスポイントセルアレイ1内に設置されていても良い。
また、上記した図1では、ワード線2に書き込み制御回路22を接続し、ビット線3に電流センス回路21を接続した構成としているが、ワード線2に電流センス回路21を接続し、ビット線3に書き込み制御回路22を接続した構成としてもよい。また、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた回路をワード線2およびビット線3のそれぞれに接続し、一方を電流センス回路として使用するときは他方を書き込み制御回路として使用するという構成であってもよい。
図2は、図1のクロスポイントセルアレイ1、ワード線2およびビット線3の構成について、より詳細に示したものである。図2の(a)は平面図、同図の(b)は同図の(a)のX−X’の断面構成を示した図である。図2の(a)および(b)に示すとおり、本実施の形態におけるメモリセル4は、メモリ素子111と、メモリ素子111とワード線2とを電気的に接続するための第1ビア110と、メモリ素子111とビット線3とを電気的に接続するための第2ビア112で構成されている。
メモリ素子111は、抵抗変化型記憶素子、または、抵抗変化型記憶素子とスイッチング素子との直列接続で構成される。ここで用いられる抵抗変化型記憶素子は、2つの端子間の抵抗値が電気信号に応じて変化し、その抵抗値が電気信号を切っても保たれる(不揮発に保持される)性質を有し、この抵抗値の変化によって情報を記憶することが可能な素子のことである。メモリ素子111としてはバイポーラ型及びユニポーラ型の書き換え特性を有し、具体的には、MRAM(Magnetic Random Access Memory:磁性メモリ)、PRAM(Phase ChangeRandom Access Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistec Random Access Memory:抵抗変化メモリ)、SPRAM(Spin Transfer Torque Random Access Memory:スピン注入メモリ)など、を用いることが出来る。メモリ素子111は、それに含まれる抵抗変化型記憶素子が高抵抗の状態(HR状態)と低抵抗の状態(LR状態)のどちらか一方を“1”、他方を“0”に対応付けることにより、1ビットのデータを記憶する。また、HR状態およびLR状態の書き込みのうち少なくとも一方は、書き込みを行うための電気信号として電流を用い、電流を調整することによってHR状態またはLR状態の書き込みが行われる。この場合、書き込み時に流れる電流をHR状態またはLR状態の書き込みに対応する一定値にすることが、抵抗変化特性の安定化に望ましい。
また、ここで用いられるスイッチング素子には、pn接合ダイオードなどの整流素子、もしくは半導体層とこの半導体層を挟む金属電極体層(つまり、第1の金属電極および第2の金属電極)との3層の積層構成で構成されるMSM(Metal−Semiconductor−Metal)ダイオード、絶縁体層とこの絶縁体層を挟む金属電極体層との3層の積層構成で構成されるMIM(Metal−Insulator−Metal)ダイオードなど、バイアスの方向によらず、非線形のI−V特性を有する素子(以降、バイポーラ型ダイオードと記述する)を用いることが出来る。
オフセット電流検知セル5は、一例として、メモリセル4から第2ビア112を除いた構造となっている。詳しくは後述するが、オフセット電流検知セル5の役割は、クロスポイントセルアレイ1での回り込み電流のおおよその値を測定することである。ここで、回り込み電流とは、オフセット電流検知セル5以外のメモリセル4に流れる電流の総和である。なお、オフセット電流検知セル5の構成として、オフセット電流検知セル5の上下のワード線2およびビット線3との間に書き込み時にほぼ等しい電位差が加えられたときにオフセット電流検知セル5を流れる電流が、メモリ素子111に含まれる抵抗変化型記憶素子が高抵抗状態でメモリセル4の上下のワード線2およびビット線3との間に書き込みための電位差が加えられたときにメモリセル4を流れる電流よりも小さくなるような構成になっていれば良い。つまり、オフセット電流検知セル5は、対応するワード線2と対応するビット線3との間に印加される電気信号によらず、メモリセル4が有するメモリ素子111がメモリ動作をする場合の高抵抗状態でのメモリ素子111の抵抗値より高い抵抗値を有する構成を備える。
図2の(b)に示されるオフセット電流検知セル5では、メモリセル4の構造と比較して、第2ビア112を形成しないことで、オフセット電流検知セル5の上下のワード線2およびビット線3との間に書き込み時の電位差が加えられたときにオフセット電流検知セル5を流れる電流がほとんど零になるようにしている。この場合、製造上、メモリ素子111の形成およびその上の層間絶縁膜100の形成までは、メモリセル4とオフセット電流検知セル5で違いは生じないので、隣の全てにメモリセルが配置されたメモリセル4と、隣にオフセット電流検知セル5が配置されたメモリセル4とで、レイアウトの差による、メモリ素子の出来上がり寸法ならびに特性ばらつきへの影響をなくすことが可能となる。
図3の(a)〜(d)にオフセット電流検知セル5のその他の構造例を示す。メモリセル4の構成と比較して、図3の(a)に示されるオフセット電流検知セル51は、メモリ素子111とワード線2とを電気的に接続するためのビアを形成しない構造をもち、同図の(b)に示されるオフセット電流検知セル52は、メモリ素子111を形成しない構造をもち、同図の(c)に示されるオフセット電流検知セル53は、メモリ素子111と上下のワード線2およびビット線3とを電気的に接続するためのビアを両方とも形成しない構造をもち、同図の(d)に示されるオフセット電流検知セル5は、メモリ素子ならびに上下ビア両方とも形成しない構造をもつ。いずれの構造でも、オフセット電流検知セル5の上下のワード線2およびビット線3との間に書き込み時の電位差が加えられても、オフセット電流検知セル5にはほとんど電流が流れないので、図2の(b)に示されるオフセット電流検知セル5と同様の効果が得られる。
図3の(a)、(b)および(c)に示されるオフセット電流検知セル51〜53の構造では、ビット線3を銅(Cu)のダマシン配線で形成する場合に、ビット線3となる配線溝の形成時にオーバーエッチが発生しても、図2の(b)に示されるオフセット電流検知セル5の構造に比べてオフセット電流検知セル51〜53のショートが発生しにくくなるという効果がある。
さらに、図3の(b)に示される構造では、第1ビア110をタングステン(W)ビアおよびCuビアで形成する場合でも、オフセット電流検知セル52のディッシング量をメモリセル4と同じにできるので、メモリ素子111のリソグラフィー工程での局所的なフォーカスマージンのばらつきを少なくできるという効果がある。さらに、図3の(c)に示される構造では、メモリ素子111の上下のビアを形成しないので、ビアエッチにオーバーエッチが発生しても、オフセット電流検知セル53がショートすることがない。さらに、図3の(d)では、製造工程でのばらつきによるオフセット電流検知セル54のショート発生を、最も高い確率で防ぐことができる。
図1に示される不揮発性半導体記憶装置1000は、さらに、ワード線選択回路10およびビット線選択回路11を含む。ワード線選択回路10は、ワード線2に接続され、ワード線2のうちから1つを選択し、その選択したワード線2(つまり、選択ワード線)を書き込み制御回路22に接続させ、その他のワード線2は例えば開放状態にする。ビット線選択回路11は、ビット線3に接続され、ビット線3のうちから1つを選択し、その選択したビット線3(つまり、選択ビット線)を電流センス回路21に接続させ、その他のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
書き込み制御回路22は、必要に応じて(後述)ワード線2からビット線3に電流を流す方向に一定の電位を発生させる可変電圧源、または、ワード線2からビット線3にピーク電流が一定のパルス状の電流を流すための可変パルス電流源として動作する。
また、電流センス回路21は、ビット線3から流入した回り込み電流を、ビット線3から流入した回り込み電流の大きさに応じた電気信号に変換し、変換した電気信号(オフセット電気信号)をオフセット電流値保持回路23に出力する。ここで、電気信号とは、電流であっても電圧であってもよい。また、電流または電圧のアナログ信号をデジタル信号に変換したもの、または、デジタル信号をアナログ信号に変換したものであってもよい。また、電流または電圧に応じてパルス変調した信号であってもよい。出力されたオフセット電気信号は、オフセット電流値保持回路23で保持される。オフセット電流値保持回路23は、そのオフセット電気信号を必要に応じて書き込み制御回路22に出力する機能を有する。
[ReRAMを用いた場合の例]
図4に、メモリ素子111の抵抗変化型記憶素子として抵抗変化素子(ReRAM)を用い、スイッチング素子としてMSMダイオードを用いた場合のメモリセル4の構成の一例を示す。
図4に示されるように、抵抗変化素子570は、第1電極511、低濃度酸化層521、高濃度酸化層522および第2電極512で構成される積層構造を有している。また、ダイオード571は、第2電極512、半導体層530および第3電極513で構成される積層構造を有している。図4で示したメモリ素子572では、第2電極512が抵抗変化素子570とダイオード571の両方の電極として共有されているが、抵抗変化素子570とダイオード571で異なる材料が必要なときは、第2電極512を異なる材料の2層以上で構成される積層の構造としても良い。
第1電極511および第2電極512の材料には、TaN(窒化タンタル)、TiN(窒化チタン)またはW(タングステン)等を用いることができるが、ここでは膜厚50nmのTaNを用いた。
第3電極513の材料には、Pt(白金)、Ir(イリジウム)およびPd(パラジウム)のいずれか、またはこれらの合金を用いることができるが、ここではIrを50nmとした。
低濃度酸化層521および高濃度酸化層522は、抵抗変化素子570の抵抗変化層を構成している。抵抗変化素子570における抵抗変化は、この抵抗変化層の抵抗変化によって起こる。
低濃度酸化層521は、第1の金属の酸化物で構成され、高濃度酸化層522は、第2の金属の酸化物で構成されている。ここで、第2の金属の酸化物は、第1の金属の酸化物よりも酸素不足度が小さい。抵抗変化素子570の高濃度酸化層522中には、電気パルスの印加に応じて酸素不足度が可逆的に変化する微小な局所領域が形成されている。この局所領域は、酸素欠陥サイトから構成されるフィラメントを含むと考えられる。
低濃度酸化層521には、化学量論的組成を有する酸化物と比較して原子比である酸素の含有量が少ない酸化物である酸素不足型の膜が用いられるが、ここではタンタル酸化物を用いた場合について説明する。これは以下のようにすれば形成できる。低濃度酸化層521の好適な範囲としては、TaO(0<x<2.5)、膜厚は30nm以上100nm以下としてもよい。
高濃度酸化層522としては、TaO(x<y)、膜厚は1nm以上10nm以下としてもよい。なお、スパッタリング時のアルゴンガス流量に対する酸素ガス流量比を調整することにより、TaOの化学式のxの値を調整することができる。
具体的なスパッタリング時の工程に従って説明すると、まず、スパッタリング装置内に基板を設置し、スパッタリング装置内を7×10−4Pa程度まで真空引きする。そして、タンタルをターゲットとして、パワーを250W、アルゴンガスと酸素ガスとをあわせた全ガス圧力を3.3Pa、基板の設定温度を30℃にしてスパッタリングを行う。酸素分圧比を1%から7%に変化させた場合、タンタル酸化物層中の酸素含有率(つまり、酸素原子の総原子に対する組成比(O/(Ta+O)))は約40%(TaO0.66)から約70%(TaO2.3)へと変化する。タンタル酸化物層の組成についてはラザフォード後方散乱法を用いて測定できる。また、化学量論的組成を有する酸化物とは、タンタル酸化物の場合、絶縁体であるTaをここでは指す。酸素不足型とすることで金属酸化物は導電性を有するようになる。本実施の形態では、高濃度酸化層522としてTa膜を6nm、低濃度酸化層521としてTaO0.66を50nm堆積した。
また、高濃度酸化層522および低濃度酸化層521としては酸素不足型のタンタル酸化膜以外にも、同様に酸素不足型の鉄を含む酸化膜や、その他遷移金属酸化物であるハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)等の酸化物を用いても、同様の積層構造の抵抗変化膜が構成できる。また、アルミニウム(Al)の酸化物を用いても同様の積層構造の抵抗変化膜が構成できる。これらの膜の成膜方法にはスパッタ法やCVD法等が用いられる。
本実施の形態では、高濃度酸化層522の酸素不足度は、低濃度酸化層521の酸素不足度より小さい。ここで、酸素不足度とは、それぞれの金属において、その化学量論的組成(複数の化学量論的組成が存在する場合は、そのなかで最も抵抗値が高い化学量論的組成)の酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。化学量論的組成の金属酸化物は、他の組成の金属酸化物と比べて、より安定でかつより高い抵抗値を有している。
例えば、遷移金属であるタンタル(Ta)の場合、化学量論的な酸化物の組成はTaであって、TaO2.5と表現できる。TaO2.5の酸素不足度は0%である。例えばTaO1.5の組成の酸素不足型のタンタル酸化物の酸素不足度は、酸素不足度=(2.5−1.5)/2.5=40%となる。また、酸素過剰の金属酸化物は、酸素不足度が負の値となる。なお、本明細書中では、特に断りのない限り、酸素不足度は正の値、0、負の値も含むものとして説明する。
上記した金属は複数の酸化状態をとることができるため、異なる抵抗状態を酸化還元反応により実現することが可能である。例えば、ハフニウム酸化物を用いる場合、低濃度酸化層521の組成をHfOとした場合にxが0.9以上1.6以下であり、且つ、高濃度酸化層522の組成をHfOとした場合にyがxの値よりも大きい場合に、抵抗変化層の抵抗値を安定して高速に変化させることが確認できている。この場合、高濃度酸化層522の膜厚は、3nm以上4nm以下としてもよい。また、ジルコニウム酸化物を用いる場合、低濃度酸化層521の組成をZrOとした場合にxが0.9以上1.4以下であり、且つ、高濃度酸化層522の組成をZrOとした場合にyがxの値よりも大きい場合に、抵抗変化層の抵抗値を安定して高速に変化させることが確認できている。この場合、高濃度酸化層522の膜厚は、1nm以上5nm以下としてもよい。上記のように、抵抗が高く膜厚が薄い高濃度酸化層522と、抵抗が低い低濃度酸化層521の積層構造で抵抗変化層を構成することにより、抵抗変化素子に印加された電圧は、抵抗が高い高濃度酸化層522に、より多くの電圧が分配され、高濃度酸化層522中で発生する酸化還元反応をより起こしやすくすることができる。
さらに、低濃度酸化層521を構成する第1の金属と、高濃度酸化層522を構成する第2の金属とは、異なる材料を用いてもよい。この場合、高濃度酸化層522は、低濃度酸化層521よりも酸素不足度が小さい、つまり抵抗が高いようにしてもよい。このような構成とすることにより、抵抗変化時に抵抗変化層に印加された電圧は、高濃度酸化層522に、より多くの電圧が分配され、高濃度酸化層522中で発生する酸化還元反応をより起こしやすくすることができる。
また、第1の金属と第2の金属とが互いに異なる材料を用いる場合、第2の金属の標準電極電位は、第1の金属の標準電極電位より小さいようにしてもよい。抵抗変化現象は、抵抗が高い高濃度酸化層522中に形成された微小な局所領域中で酸化還元反応が起こってフィラメント(導電パス)が変化することにより、その抵抗値(酸素不足度)が変化し、発生すると考えられる。
例えば、低濃度酸化層521に、酸素不足型のタンタル酸化物を用い、高濃度酸化層522にチタン酸化物(TiO)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。チタン(標準電極電位=−1.63eV)はタンタル(標準電極電位=−0.6eV)より標準電極電位が低い材料である。標準電極電位は、その値が大きいほど酸化しにくい特性を表す。高濃度酸化層522に低濃度酸化層521より標準電極電位が小さい金属の酸化物を配置することにより、高濃度酸化層522中でより酸化還元反応が発生しやすくなる。なお、その他の組み合わせとして、高抵抗層となる高濃度酸化層522にアルミニウム酸化物(Al)を用いることができる。例えば、低濃度酸化層521に酸素不足型のタンタル酸化物(TaO)を用い、高濃度酸化層522にアルミニウム酸化物(Al)を用いてもよい。
MSMダイオードを構成する半導体層530の材料には、窒素不足型シリコン窒化物(SiN)が用いられる。なお、このような半導体特性を有するSiN膜は、例えばSiターゲットを用いた窒素ガス雰囲気中でのリアクティブスパッタリングにより形成することができる。例えば、室温条件で、チャンバーの圧力を0.1Pa〜1Paとし、Ar/N流量を18sccm/2sccmとして作製すればよい。
半導体特性を有するSiNを上記の条件で、かつ16nmの厚みで作製した場合には、1.6Vの電圧印加で2.5×10A/cmの電流密度が得られ、0.8Vの電圧印加では5×10A/cmの電流密度が得られた。したがって、これらの電圧を基準として用いる場合には、電流のオン/オフ比は5となり、不揮発性半導体記憶装置1000のダイオード素子として充分使用可能であることが確認できた。
第1ビア110および第2ビア112の材料には、Wを用いた。
層間絶縁膜501には、TEOS−SiO膜、シリコン窒化(SiN)膜、低誘電率材料であるシリコン炭窒化(SiCN)膜やシリコン炭酸化(SiOC)膜あるいはシリコンフッ素酸化(SiOF)膜等を用いることができる。さらに、これら材料の積層構造を用いても良い。ここでは、TEOS−SiO膜を用いた。
ワード線2およびビット線3には、一般的な半導体で用いられているCu(銅)配線またはAl−Cu(アルミ−銅合金)配線などを用いることができる。ここでは、Al−Cu配線を用いた。
上記の構成で作製した抵抗変化素子570では、製造直後の抵抗値(初期抵抗値)は、通常の抵抗変化動作時の高抵抗(HR)状態における抵抗値よりも高い抵抗値となる。製造後の未動作状態(メモリ動作をしていない状態)の素子を抵抗変化動作(メモリ動作)可能な状態にするために、初期ブレーク動作(通常の抵抗変化動作時の印加電圧より高い電圧を印加することによってメモリ動作できる状態に(一般に、低抵抗化)させる動作)が必要となる。
データを記憶させるためのメモリセル4として用いる抵抗変化素子570には初期ブレーク動作を施す必要があるが、ここで、意図的に、ある抵抗変化素子570に初期ブレーク動作を施さなければ、その抵抗変化素子570を含むメモリセル4は、通常の抵抗変化動作時の高抵抗(HR)状態における抵抗値よりも高い抵抗値の状態であるため、オフセット電流検知セル5として使用することができる。このように、図4の抵抗変化素子570を用いた場合、初期ブレーク動作の有無でメモリセル4とオフセット電流検知セル5を作り分けることが可能となる。つまり、メモリセル4は、製造された後にメモリ動作を行わせるための初期ブレーク動作が加えられたセルであり、オフセット電流検知セル5は、メモリセル4と同じ構造を有し製造された後に初期ブレーク動作が加えられていないセルである。これにより、製造後にどのセルをオフセット電流検知セル5として用いるかを選択することが可能となるため、回路設計の自由度が広がるという利点がある。さらに、メモリセル4とオフセット電流検知セル5の製造上の構造の違いは生じないので、メモリセル4とオフセット電流検知セル5とのレイアウトの差による出来上がり寸法への影響をなくすことが可能となる。
なお、上記、図4に示した抵抗変化素子570を用いた場合の効果は、本実施の形態のみに限定されるものではなく、後述する第2の実施の形態および第3の実施の形態でも有効である。
図5は、図4に示したメモリセル4単体での、初期ブレーク動作を完了した後の、抵抗変化動作における電圧−電流特性(カーブA)を示したものである。横軸の電圧は、ビット線3の電位がワード線2より高い場合を正電圧、ビット線3の電位がワード線2より低い場合を負電圧として示している。正方向の電圧印加により抵抗変化素子570の抵抗がLR状態からHR状態へ、負方向の電圧印加により抵抗変化素子570の抵抗がHR状態からLR状態に変化する。このとき、抵抗変化動作を安定的に行うためには、LR状態からHR状態に抵抗変化させる時の最大電流(IHR)と、HR状態からLR状態に抵抗変化させる時の最大電流(ILR)が常に一定になるように制御することが必要である。
以降、メモリセル4のワード線2−ビット線3間に電圧を印加してメモリセル4に含まれる抵抗変化素子の抵抗値をHR状態からLR状態に変化させることを、メモリセル4をLR状態に書き込むと記述し、同様にメモリセル4に含まれる抵抗変化素子の抵抗値をLR状態からHR状態に変化させることを、メモリセル4をHR状態に書き込むと記述する。
図5には、図4に示したメモリセル4を用いてクロスポイントセルアレイ1を形成した場合の、メモリセル4をHR状態及びLR状態に書き込むためにビット線3およびワード線2間に電圧を印加したときに流れる電流(カーブA)と、その時流れる回り込み電流(カーブB)も併せて示している。
図5の回り込み電流は一例を示したものであり、クロスポイントセルアレイ1に記憶されたデータの状態(書き込みの対象とするメモリセル4が所属するクロスポイントセルアレイ1内の全てのメモリセル4に含まれるメモリ素子111の抵抗値およびその分布)により、メモリ素子111の電圧−電流特性が変化する。このため、メモリセル4をHR状態およびLR状態に書き込むために、書き込み信号を発生させる回路の出力を一定の電流に制御しても、回り込み電流が変動するため、実際にメモリセル4に流れる電流はそれにつられて変動し、安定した書き込み動作をさせることができない。
この問題を解決するためには、あらかじめ回り込み電流(IoffsetHRおよびIoffsetLR)を検知しておき、これに書き込み対象のメモリセル4に流したい電流(IHRおよびILR)を加えた電流になるように、書き込み信号を発生させる回路の出力を制御することが必要になる。
[LR書き込み方法]
続いて、図6および図7を用いて、本実施の形態による不揮発性半導体記憶装置1000aにおいてメモリセル4にLR状態を書き込む方法について説明する。
図6および図7は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000aの低抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。
はじめに、LR書き込みに使用する不揮発性半導体記憶装置1000aの構成の一例について説明する。不揮発性半導体記憶装置1000aの構成は、図1に示した不揮発性半導体記憶装置1000の構成と同様である。
すなわち、図6に示すように、不揮発性半導体記憶装置1000aは、図1に示した不揮発性半導体記憶装置1000と同様、クロスポイントセルアレイ1と、ワード線2と、ビット線3と、ワード線選択回路10と、ビット線選択回路11とを備えている。
また、不揮発性半導体記憶装置1000aは、ワード線選択回路10を介して選択ワード線2に接続され、ワード線選択回路10で選択されたワード線2に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路A22aと、ビット線選択回路11を介してビット線3に接続され、ビット線選択回路11で選択されたビット線3に流れる回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する電流センス回路A21aと、オフセット電気信号を保持するオフセット電流値保持回路A23aとを備えている。
電流センス回路A21aは、オフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を測定して一旦記憶し、選択されたメモリセル4の所定の第1の書き込み電流に回り込み電流を加算された第2の書き込み電流を選択されたメモリセル4に流すように書き込み制御回路A22aを制御する。
すなわち、書き込み制御回路A22aは、必要に応じて(後述)ワード線2からビット線3に電流を流す方向に一定の電位を発生させる可変電圧源、または、ワード線2からビット線3にピーク電流が一定のパルス状の電流を流すための可変パルス電流源として動作する。
電流センス回路A21aは、ビット線3から流入した回り込み電流を、ビット線3から流入した回り込み電流の大きさに応じた電気信号に変換し、変換した電気信号(オフセット電気信号)をオフセット電流値保持回路A23aに出力する。出力されたオフセット電気信号は、オフセット電流値保持回路A23aで保持される。オフセット電流値保持回路A23aは、そのオフセット電気信号を必要に応じて書き込み制御回路A22aに出力する機能を有する。
以下、書き込み対象セル(書き込み対象のメモリセル)4aをLR状態に書き込む動作を例にして、そのシーケンスを示す。
まず、図6に示すように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちからオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLiを選択することで、オフセット電流検知セル5を書き込み制御回路A22aに接続し、その他のワード線2は開放状態にする。続いて、ビット線選択回路11により、複数のビット線3のうちからオフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLjを選択することで、オフセット電流検知セル5を電流センス回路A21aに接続し、その他のビット線3は開放状態にする。
次に、書き込み制御回路A22aから電圧を出力させて、ワード線WLiからオフセット電流検知セル5を介してビット線BLjの方向に電流を流し、その時のビット線BLjの電流を電流センス回路A21aで検知する。このとき、書き込み制御回路A22aから出力される電圧とビット線BLjの電圧(電流センス回路A21aの入力部の電圧であり、電流センス回路A21aの回路方式によって異なる)の差がオフセット電流検知セル5に印加される第1の電圧である。これにより、オフセット電流検知セル5に接続されたワード線の電位がオフセット電流検知セルに接続されたビット線より高い電位となる。この第1の電圧は、図5のカーブAにおいて、メモリセル4の状態がHR状態からLR状態に変化するために必要な電圧であるVLRと同じ電圧であれば、そのとき電流センス回路A21aで検知される電流は実際にメモリセル4をLR状態に書き込むときに流れる回り込み電流とほぼ一致する。第1の電圧がVLRより小さい電圧の場合には、電流センス回路A21aで検知される電流は実際にメモリセル4をLR状態に書き込むときに流れる回り込み電流より小さくなる。電流センス回路A21aで検知される電流の大小の傾向は、実際の回り込み電流の傾向を反映するため、電流センス回路A21aで検知される電流を用いて書き込み制御回路A22aの出力電流を調整することで書き込み電流の安定化することができる。また、VLRの値は、あらかじめメモリセル4の電圧−電流特性を取得しておけば、その特性から検出できる。このVLRは、メモリセルアレイ単位で設定されればよく、メモリセルごとに変える必要はない。
回り込み電流は、書き込み対象セル4aに記憶されているデータにはほとんど影響を受けず、クロスポイントセルアレイ1内に含まれる書き込み対象セル4aを除く全ての他のメモリセル4に記憶されているデータによって変化する。また、回り込み電流は、書き込み対象セル4aを除く全ての他のメモリセル4がLR状態のときに最も大きく、逆に、書き込み対象セル4aを除く全ての他のメモリセル4がHR状態のときに最も小さくなる。また、クロスポイントセルアレイ1の規模が大きくなれば、それに伴って、回り込み電流成分(ISNEAK)も増加する。つまり、回り込み電流は、クロスポイントセルアレイ1の規模で変化するだけでなく、クロスポイントセルアレイ1に記憶されたデータによって動的に変化する。
オフセット電流検知セル5の接続されたビット線BLjとワード線WLi間にVLRの電圧を印加したときに、ビット線BLjから電流センス回路A21aに流入する電流(IoffsetLR)は、(オフセット電流検知セル5自身を流れる電流+回り込み電流)となるが、オフセット電流検知セル5が図2および図3に示した構造である場合は、オフセット電流検知セル5自身を流れる電流はほぼ零となる。したがって、IoffsetLRは回り込み電流のみとなる。このオフセット電流検知セル5で検知された回り込み電流と、書き込み対象セル4aにLR状態を書き込むときに流れる回り込み電流とは完全には一致しないが、クロスポイントセルアレイ1の規模が大きくなるほど、その差は小さくなる。つまり、IoffsetLRは、動的に変化するクロスポイントセルアレイ1における、書き込み対象セル4aにLR状態を書き込むときに発生する回り込み電流とおおよそ等しくなる。したがって、オフセット電流検知セル5を用いることで、この動的に変化する回り込み電流を逐次検知することが可能となる。
次に、電流センス回路A21aからは、電流IoffsetLRの大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetLRが出力され、そのオフセット電気信号SoffsetLRはオフセット電流値保持回路A23aで保持される。この電流センス回路A21aから出力されるオフセット電気信号SoffsetLRは、電流センス回路A21aに入力される電流の大きさに応じ変化する電気信号であれば良く、オフセット電流値保持回路A23aにどのような方式の回路を用いるかに合わせて自由に選択できる。例えば、電流もしくは電圧の振幅や、パルス状の電流もしくは電圧のパルス幅・パルス密度などを用いることができる。
続いて、書き込み制御回路A22aの電圧出力を停止させる。次に、図7に示すように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちから書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLmを選択することで、書き込み対象セル4aを書き込み制御回路A22aに接続し、その他のワード線2は例えば開放状態にする。続いて、ビット線選択回路11により、複数のビット線3のうちから書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLnを選択することで、書き込み対象セル4aを電流センス回路A21aに接続し、その他のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、オフセット電流値保持回路A23aに保持されたオフセット電気信号SoffsetLRを、オフセット電流値保持回路A23aから書き込み制御回路A22aに出力する。書き込み制御回路A22aは、書き込み制御回路A22aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号SoffsetLRから計算される回り込み電流IoffsetLRの和に等しい電流(ILR+IoffsetLR)となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLmに出力する。このとき、書き込み制御回路A22aは定電流源として動作する。
具体的には、電流センス回路A21aで検出される回り込み電流の大きさが小さい場合、例えば、検出される回り込み電流が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRの1/10未満(第1の電流)の大きさである場合には、回り込み電流は無視できるものとして書き込み電流ILR(第1の書き込み電流)をワード線WLmに出力する。また、電流センス回路A21aで検出される回り込み電流の大きさが大きい場合、例えば、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRの1/10以上(第2の電流)の大きさである場合には、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号SoffsetLRから計算される回り込み電流IoffsetLRの和に等しい電流(ILR+IoffsetLR)(第2の書き込み電流)をワード線WLmに出力する。また、実際の各メモリセルに書き込む時に流れる回り込み電流と、オフセット検知セルで検知される回り込み電流との誤差を補正するために、IoffsetLRを所定の定数(例えば、0.9〜1.1)倍してILRに加えても良い。
本実施の形態で示したように、書き込み制御回路A22aの出力電流を(ILR+IoffsetLR)に制御することで、クロスポイントセルアレイ1に記憶されているデータに影響されること無く、書き込み対象セル4aには、ほぼILRに等しい電流が流れるようになり、安定した書き込み動作を実現することが可能となる。
[LR状態に書き込む動作のフローチャート]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000aの、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むシーケンスを示すフローチャートである。
上述したように、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むためには、あらかじめオフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を検知し、オフセット電気信号SoffsetLRをオフセット電流値保持回路A23aに保持しておく必要がある。このオフセット電気信号SoffsetLRは、クロスポイントセルアレイ1に記憶されたデータによって動的に変化するため、書き込み動作ごとに検知されることが望ましい。しかし、クロスポイントセルアレイ1の規模が十分大きく1回の書き込み動作による回り込み電流の変動が無視できるほどに小さい場合には、複数のLR状態の書き込み動作において同じオフセット電気信号SoffsetLRを用いることで、オフセット電気信号SoffsetLRの検知ステップを省いても良い。
まず、メモリセル(書き込み対象セル)4aに対するLR状態への書き込み動作が要求されると、オフセット電気信号SoffsetLRを検知するためにオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLiがワード線選択回路10により選択される(F111L:手順A)。
次に、オフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLjがビット線選択回路11により選択される(F112L:手順A)。ここで、F111LとF112Lの順番は逆でも良い。次に、書き込み制御回路A22aからビット線BLjの電圧より電圧VLR分だけ高い電圧(オフセット電流検知電圧)がワード線WLiに出力され、このときビット線BLjを流れる電流の大きさを電流センス回路A21aで検知する(F113L:手順Bの前半)。
次に、電流センス回路A21aにより、この検知した電流の大きさをオフセット電気信号SoffsetLRに変換して(F114L:手順Bの後半)、オフセット電流値保持回路A23aにて保持する(F114L:手順C)。さらに、書き込み制御回路A22aの電圧出力をオフにした後(F115L)、ワード線選択回路10により書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLmが選択される(F116L)。次に、ビット線選択回路11によりビット線BLnが選択される(F117L)。ここで、F116LとF117Lの順番は逆でも良い。
続いて、オフセット電流値保持回路A23aからオフセット電気信号SoffsetLRを書き込み制御回路A22aに転送する(F118L:手順D)。書き込み制御回路A22aは、書き込み制御回路A22aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号SoffsetLRから計算される回り込み電流IoffsetLRとの和に等しい電流(ILR+IoffsetLR)となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLmに出力する(F118L:手順E)。
以上で、LR状態の書き込み動作は完了する。
[HR書き込み方法]
続いて、図9および図10を用いて、本実施の形態による不揮発性半導体記憶装置1000aにおいてメモリセル4にHR状態を書き込む方法について説明する。
図9および図10は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000aの高抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。
はじめに、HR書き込みに使用する不揮発性半導体記憶装置1000aの構成の一例について説明する。
図9に示すように、不揮発性半導体記憶装置1000aは、図1に示した不揮発性半導体記憶装置1000と同様、クロスポイントセルアレイ1と、ワード線2と、ビット線3と、ワード線選択回路10と、ビット線選択回路11とを備えている。
また、不揮発性半導体記憶装置1000aは、ワード線選択回路10を介してワード線2に接続され、ワード線選択回路10で選択されたワード線2に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路A22aと、ビット線選択回路11を介して選択ビット線3に接続され、ビット線選択回路11で選択されたビット線3に流れる回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する電流センス回路A21aと、オフセット電気信号を保持するオフセット電流値保持回路A23aを備えている。
電流センス回路A21aは、オフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を測定して一旦記憶し、選択されたメモリセル4の所定の第1の書き込み電流に回り込み電流を加算された第2の書き込み電流を選択されたメモリセル4に流すように書き込み制御回路A22aを制御する。
すなわち、書き込み制御回路A22aは、必要に応じて(後述)ビット線3からワード線2に電流を流す方向に一定の電位を発生させる可変電圧源、または、ビット線3からワード線2にピーク電流が一定のパルス状の電流を流すための可変パルス電流源として動作する。
電流センス回路A21aは、ワード線2に流出した回り込み電流を、ワード線2に流出した回り込み電流の大きさに応じた電気信号に変換し、変換した電気信号(オフセット電気信号)をオフセット電流値保持回路A23aに出力する。出力されたオフセット電気信号は、オフセット電流値保持回路A23aで保持される。オフセット電流値保持回路A23aは、そのオフセット電気信号を必要に応じて書き込み制御回路A22aに出力する機能を有する。
以下、書き込み対象セル(書き込み対象のメモリセル)4aをHR状態に書き込む動作を例にして、そのシーケンスを示す。
まず、図9に示すように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちからオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLiを選択することで、オフセット電流検知セル5を書き込み制御回路A22aに接続し、その他の非選択のワード線2は例えば開放状態にする。続いて、ビット線選択回路11により、複数のビット線3のうちからオフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLjを選択することで、オフセット電流検知セル5を電流センス回路A21aに接続し、その他の非選択のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、書き込み制御回路A22aから電圧を出力させて、ビット線BLjからオフセット電流検知セル5を介してワード線WLiの方向に電流を流し、その時のワード線WLiの電流を電流センス回路A21aで検知する。このとき、書き込み制御回路A22aから出力される電圧とワード線WLiの電圧(電流センス回路A21aの入力部の電圧であり、電流センス回路A21aの回路方式によって異なる)の差がオフセット電流検知セル5に印加される第2の電圧である。これにより、オフセット電流検知セル5に接続されたビット線の電位がオフセット電流検知セル5に接続されたワード線より高い電位となる。
この第2の電圧は、図5のカーブAにおいて、メモリセル4の状態がLR状態からHR状態に変化するために必要な電圧であるVHRと同じ電圧であれば、そのとき電流センス回路A21aで検知される電流は実際にメモリセル4をHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流とほぼ一致する。第2の電圧がVHRより小さい電圧の場合には、電流センス回路A21aで検知される電流は実際にメモリセル4をHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流より小さくなる。電流センス回路A21aで検知される電流の大小の傾向は実際の回り込み電流の傾向を反映するため、電流センス回路A21aで検知される電流を用いて書き込み制御回路A22aの出力電流を調整することで書き込み電流を安定化することができる。また、VHRの値は、あらかじめメモリセル4の電圧−電流特性を取得しておけば、その特性から検出できる。このVLRは、メモリセルアレイ単位で設定されればよく、メモリセルごとに変える必要はない。
オフセット電流検知セル5の接続されたビット線BLjとワード線WLi間にVHRの電圧を印加したときに、ワード線WLiから電流センス回路A21aに流入する電流(IoffsetHR)は、HR状態を書き込むときの回り込み電流にほぼ等しくなる。
次に、電流センス回路A21aからは、電流IoffsetHRの大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetHRが出力され、そのオフセット電気信号SoffsetHRはオフセット電流値保持回路A23aで保持される。この電流センス回路A21aから出力されるオフセット電気信号SoffsetHRは、電流センス回路A21aに入力される電流の大きさに応じ変化する電気信号であれば良く、オフセット電流値保持回路A23aにどのような方式の回路を用いるかに合わせて自由に選択できる。例えば、電流もしくは電圧の振幅や、パルス状の電流もしくは電圧のパルス幅・パルス密度などを用いることができる。
続いて、書き込み制御回路A22aの電圧出力を停止させる。次に、図10に示すように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちから書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLmを選択することで、書き込み対象セル4aを書き込み制御回路A22aに接続し、その他の非選択のワード線は例えば開放状態にする。続いて、ビット線選択回路11により、複数のビット線3のうちから書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLnを選択することで、書き込み対象セル4aを電流センス回路A21aに接続し、その他の非選択のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、オフセット電流値保持回路A23aに保持されたオフセット電気信号SoffsetHRを、オフセット電流値保持回路A23aから書き込み制御回路A22aに出力する。書き込み制御回路A22aは、書き込み制御回路A22aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むために必要な電流IHRと、オフセット電気信号SoffsetHRから計算される回り込み電流IoffsetHRの和に等しい電流(IHR+IoffsetHR)となるように、書き込み用の電気信号を調整してビット線BLnに出力する。このとき、書き込み制御回路A22aは定電流源として動作する。
具体的には、電流センス回路A21aで検出される回り込み電流の大きさが小さい場合、例えば、検出される回り込み電流が、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むために必要な電流IHRの1/10未満(第1の電流)の大きさである場合には、回り込み電流は無視できるものとして書き込み電流IHR(第1の書き込み電流)をビット線BLnに出力する。また、電流センス回路A21aで検出される回り込み電流の大きさが大きい場合、例えば、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むために必要な電流IHRの1/10以上(第2の電流)の大きさである場合には、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むために必要な電流IHRと、オフセット電気信号SoffsetHRから計算される回り込み電流IoffsetHRの和に等しい電流(IHR+IoffsetHR)(第2の書き込み電流)をビット線BLnに出力する。
本実施の形態で示したように、書き込み制御回路A22aの出力電流を(IHR+IoffsetHR)に制御することで、クロスポイントセルアレイ1に記憶されているデータに影響されること無く、書き込み対象セル4aには、ほぼIHRに等しい電流が流れるようになり、安定した書き込み動作を実現することが可能となる。
[HR状態に書き込む動作のフローチャート]
図11は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000aの、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むシーケンスを示すフローチャートである。
上述したように、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むためには、あらかじめオフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を検知し、オフセット電気信号SoffsetHRをオフセット電流値保持回路A23aに保持しておく必要がある。このオフセット電気信号SoffsetHRは、クロスポイントセルアレイ1に記憶されたデータによって動的に変化するため、書き込み動作ごとに検知されることが望ましい。しかし、クロスポイントセルアレイ1の規模が十分大きく1回の書き込み動作による回り込み電流の変動が無視できるほどに小さい場合には、複数のHR状態の書き込み動作において同じオフセット電気信号SoffsetHRを用いることで、オフセット電気信号SoffsetHRの検知ステップを省いても良い。
まず、メモリセル(書き込み対象セル)4aに対するHR状態への書き込み動作が要求されると、オフセット電気信号SoffsetHRを検知するためにオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLiがワード線選択回路10により選択される(F111H:手順A)。
次に、オフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLnがビット線選択回路11により選択される(F112H:手順A)。ここで、F111HとF112Hの順番は逆でもよい。
次に、書き込み制御回路A22aからビット線BLjの電圧より電圧VHR分だけ低い電圧(オフセット電流検知電圧)がワード線WLiに出力され、このときビット線BLjを流れる電流の大きさを電流センス回路A21aで検知する(F113H:手順Bの前半)。
次に、電流センス回路A21aにより、この検知した電流の大きさをオフセット電気信号SoffsetHRに変換して(F114H:手順Bの後半)、オフセット電流値保持回路A23aにて保持する(F114H:手順C)。さらに、書き込み制御回路A22aの電圧出力をオフにした後(F115H)、ワード線選択回路10により書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLmが選択される(F116H)。
次に、ビット線選択回路11によりビット線BLnが選択される(F117H)。ここで、F116HとF117Hの順番は逆でもよい。続いて、オフセット電流値保持回路A23aからオフセット電気信号SoffsetHRを書き込み制御回路A22aに転送する(F118H:手順D)。書き込み制御回路A22aは、書き込み制御回路A22aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをHR状態に書き込むために必要な電流IHRと、オフセット電気信号SoffsetHRから計算される回り込み電流IoffsetHRの和に等しい電流(IHR+IoffsetHR)となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLmに出力する(F118H:手順E)。
以上で、HR状態の書き込み動作は完了する。
本実施の形態によれば、書き込み動作の際にクロスポイントセルアレイに発生する回り込み電流を検出して、回り込み電流分の電気信号を補償してメモリセルへの書き込み動作を行うので、クロスポイントセルアレイに記憶されているデータに影響されること無く、書き込み対象セル4aには、書き込み対象セル4aに書き込みを行うためにメモリ素子に流す電流にほぼ等しい電流が流れるようになり、安定した書き込み動作を実現することが可能となる。
図12は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の他の構成を示す模式図である。例えば、図12に示すように、不揮発性半導体記憶装置1000cは、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路A/書き込み制御回路B25をビット線3に接続し、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路B/書き込み制御回路A26をワード線2に接続し、電流センス回路A/書き込み制御回路B25と電流センス回路B/書き込み制御回路A26のうちの一方を電流センス回路として使用するときは他方を書き込み制御回路として使用するという構成であってもよい。
電流センス回路A/書き込み制御回路B25は、ワード線2に流出した回り込み電流を、ワード線2に流出した回り込み電流の大きさに応じた電気信号に変換し、変換した電気信号(オフセット電気信号)をオフセット電流値保持回路A23aに出力する。出力されたオフセット電気信号は、オフセット電流値保持回路A23aで保持される。オフセット電流値保持回路A23aは、そのオフセット電気信号を必要に応じて電流センス回路B/書き込み制御回路A26に出力する機能を有する。
同様に、電流センス回路B/書き込み制御回路A26は、ビット線3に流出した回り込み電流を、ビット線3に流出した回り込み電流の大きさに応じた電気信号に変換し、変換した電気信号(オフセット電気信号)をオフセット電流値保持回路B23bに出力する。出力されたオフセット電気信号は、オフセット電流値保持回路B23bで保持される。オフセット電流値保持回路B23bは、そのオフセット電気信号を必要に応じて電流センス回路A/書き込み制御回路B25に出力する機能を有する。
以上は、クロスポイントセルアレイ1に含まれるオフセット電流検知セル5が1個の場合について、メモリセル4への書き込み方法を説明したものであるが、本発明はオフセット電流検知セル5が1個の場合に限定されるものではない。クロスポイントセルアレイ1の規模が非常に大きく、かつ、ワード線2もしくはビット線3の配線抵抗での電圧降下によって発生するワード線2およびビット線3での電位分布が回り込み電流に与える影響が無視できなくなる場合には、クロスポイントセルアレイ1をさらにいくつかのサブ領域に分割し、そのサブ領域に1個ずつオフセット電流検知セル5を配置し、サブ領域ごとのオフセット電気信号を検知して、書き込み制御回路から出力される電流値の調整に用いることができる。
(第2の実施の形態)
[装置の構成]
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000の構成の一例を示す図である。
本実施の形態と、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000との違いは、複数のワード線2と複数のビット線3の各々に1個ずつオフセット電流検知セル5が接続されるように、クロスポイントセルアレイ201内にオフセット電流検知セル5が複数個配置されていることである。つまり、本実施の形態では、クロスポイントセルアレイ201には、複数のワード線2のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セル5が設けられ、かつ、複数のビット線3のそれぞれに対して各々1個ずつのオフセット電流検知セル5が設けられるようにオフセット電流検知セル5が配置されている。
メモリセル4およびオフセット電流検知セル5の構造は、いずれも、第1の実施の形態の図1に示した不揮発性半導体記憶装置1000と同じ構造を用いることができる。
このようにオフセット電流検知セル5を配置することによって、書き込み対象セル4aをLR状態もしくはHR状態に書き込む時に流れる回り込み電流を、書き込み対象セル(書き込み対象のメモリセル)4aと同じビット線3またはワード線2に設けられたオフセット電流検知セル5で検知される電流とみなして検知することができるようになる。これにより、第1の実施の形態で示した場合に比べ、書き込み対象セル(書き込み対象のメモリセル)4aの回り込み電流を精度良く検知することができるようになるという効果が得られる。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000は、図13に示されるように、第1の方向と平行にストライプ状に形成された複数のワード線2と、ワード線2と交差する方向(第2の方向)にストライプ状に形成された複数のビット線3と、ワード線2とビット線3の平面視における交点でかつワード線2とビット線3との間に形成されたクロスポイントセルアレイ201を備えている。さらに、クロスポイントセルアレイ201は、複数のメモリセル4と、複数のオフセット電流検知セル5を含んでいる。さらに、オフセット電流検知セル5は、複数のワード線2と複数のビット線3の各々に1個ずつオフセット電流検知セル5が接続されるように、クロスポイントセルアレイ201内に配置されている。図13のクロスポイントセルアレイ201では、オフセット電流検知セル5は、複数のワード線2と複数のビット線3との交点として、ここでは、クロスポイントセルアレイ201の対角線上に規則正しく配置されているが、配置方法はこれに限定されるものではなく、ワード線2とビット線3の各々に1個ずつオフセット電流検知セルが接続されるように配置されていればクロスポイントセルアレイ201の対角線上に限られない。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000に含まれるワード線選択回路10、ビット線選択回路11、電流センス回路A21a、書き込み制御回路A22a、オフセット電流値保持回路A23aは、いずれも、第1の実施の形態と同じものを用いることができる。
[書き込み方法]
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000の書き込み方法は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000の書き込み方法と、ほぼ同じであるため、以下では、LR書き込みを行う場合を例として、本実施の形態と第1の実施の形態で異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000と第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1000の書き込み方法で異なる点は、オフセット電気信号SoffsetLRを検知する際に、ワード線選択回路10およびビット線選択回路11を用いて選択されるワード線およびビット線が異なることである。
第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置1000では、書き込み対象セル4aのクロスポイントセルアレイ1内での位置に関わらず、オフセット電気信号を検知する際には常に同じワード線およびビット線が選択される。これに対して、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置2000では、オフセット電気信号を検知する際には、例えば書き込み対象セル4aが接続されたワード線が選択される。さらに、選択されたワード線に設けられたオフセット電流検知セル5に接続されるビット線が選択される。なお、書き込み対象セル4aが接続されたビット線を選択し、さらに、選択されたビット線に設けられたオフセット電流検知セル5に接続されるワード線を選択しても同様の効果が得られる。
つまり、本実施の形態では、電流センス回路A21aは、次のいずれかの方法でメモリセル4からの回り込み電流の検知を行う。
ビット線選択回路11は、電流センス回路A21aで回り込み電流を検知するときに選択するビット線として、書き込み対象のメモリセルとオフセット電流検知セル5の両方が設けられたビット線を選択する。これにより、選択されたビット線と、選択されたビット線3に接続されたオフセット電流検知セル5が接続されたワード線との間に電圧が印加されることによって、電流センス回路A21aにより回り込み電流IoffsetLRが検知される。この回り込み電流IoffsetLRは、書き込み対象セルをLR状態に書き込むときに流れる回り込み電流により近い値となる。
書き込み対象セルをLR状態もしくはHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流は、クロスポイントセルアレイ201に含まれるメモリセル4に記憶されているデータによって変化するが、書き込み対象セル4aに接続されたビット線3およびワード線2に設けられたメモリセル4に記憶されているデータと、それ以外のメモリセル4に記憶されているデータとでは、前者により大きな影響を受ける。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000では、書き込み対象セル4aとオフセット電流検知セル5でワード線2もしくはビット線3のどちらかが同じになるので、オフセット電流検知セル5で検知されるIoffsetLRは、書き込み対象セルをLR状態もしくはHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流により近い値となる。したがって、書き込み対象セルに流す電流をより精度良く一定の値に保つことが可能となる。
なお、上記した本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000では、LR書き込みの場合には、図13に示したように、ワード線2に書き込み制御回路A22aが接続され、ビット線3に電流センス回路A21aが接続された不揮発性半導体記憶装置2000の構成としたが、不揮発性半導体記憶装置2000の構成は、これらに限られるものではない。
例えば、HR書き込みの場合には、オフセット電気信号SoffsetHRを検知する際の不揮発性半導体記憶装置2000の構成を、ビット線3に書き込み制御回路B(図示せず)が接続され、ワード線2に電流センス回路B(図示せず)が接続され、オフセット電流値保持回路B(図示せず)を備えた構成としてもよい。この場合、ワード線選択回路10は、電流センス回路Bで回り込み電流を検知するときに選択するワード線として、書き込み対象のメモリセルとオフセット電流検知セル5の両方が設けられたワード線を選択する。これにより、選択されたワード線と、選択されたワード線に接続されたオフセット電流検知セル5が接続されたビット線との間に電圧が印加されることによって、電流センス回路Bにより回り込み電流IoffsetHRが検知される。この回り込み電流IoffsetHRは、書き込み対象セルをHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流により近い値となる。
また、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路A/書き込み制御回路B(図示せず)をビット線3に接続し、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路B/書き込み制御回路A(図示せず)をワード線2に接続し、一方を電流センス回路として使用するときは他方を書き込み制御回路として使用するという構成であってもよい。
(第2の実施の形態の変形例)
[装置の構成]
図14は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る不揮発性半導体記憶装置2000aの構成の一例を示す図である。
本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置2000aと、第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000との違いは、2つの電流、つまり、書き込み対象セル(書き込み対象のメモリセル)4aが接続されたワード線2に設けられたオフセット電流検知セル5で検知される電流と、書き込み対象セル4aが接続されたビット線3に設けられたオフセット電流検知セル5で検知される電流とを参照して、回り込み電流を検知することである。これにより、第2の実施の形態で示した場合に比べ、書き込み対象セル4aをLR状態もしくはHR状態に書き込むときに流れる回り込み電流をさらに精度良く検知することができるようになるという効果が得られる。
クロスポイントセルアレイ201、ワード線選択回路10、ビット線選択回路11、電流センス回路A121、書き込み制御回路A122は、いずれも第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置2000におけるものと同じものを用いることができる。
図14の不揮発性半導体記憶装置2000aは、さらに、オフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A2)123bで構成されるオフセット電流値保持回路A123と、オフセット電流演算回路A125とを備える。なお、オフセット電流値保持回路(A1)123aは本発明の第1のオフセット電流保持回路に相当し、オフセット電流値保持回路(A2)123bは本発明の第2のオフセット電流保持回路に相当する。
電流センス回路A121は、ビット線3から流入した電流の大きさに応じて変換されたオフセット電気信号をオフセット電流値保持回路(A1)123aまたはオフセット電流値保持回路(A2)123bのどちらかに出力し、そのオフセット電気信号はオフセット電流値保持回路(A1)123aまたはオフセット電流値保持回路(A2)123bで保持される。オフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A2)123bは、その保持しているオフセット電気信号を必要に応じてオフセット電流演算回路A125に出力する機能を有する。オフセット電流演算回路A125は、オフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A2)123bから出力された2つのオフセット電気信号の平均値の演算を行い、その演算結果(平均オフセット電気信号)を書き込み制御回路A122に出力する機能を有する。
[LR書き込み方法]
続いて、図15から図17を用いて、本変形例による不揮発性半導体記憶装置2000aにおいてメモリセル4にLR状態を書き込む方法について説明する。
図15から図17は、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置2000aの書き込み方法を説明するための図である。以下、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込む動作を例にして、そのシーケンスを示す。
まず、図15に示されるように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちから書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiを選択することで、書き込み対象セル4aを書き込み制御回路A122に接続し、その他の非選択のワード線2は例えば開放状態にする。続いて、ビット線選択回路11により、ワード線WLiに設けられたオフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLjを選択することで電流センス回路A121に接続し、その他の非選択のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、書き込み制御回路A122から電圧を出力させて、ワード線WLiからオフセット電流検知セル5を介してビット線BLjの方向に電流を流し、その時のビット線BLjの電流IoffsetLR1を電流センス回路A121で検知する。このとき、書き込み制御回路A122から出力される電圧(第1の電圧)は、ビット線BLjの電位がワード線WLiの電位より電圧VLR分だけ高くなるように設定される。この電圧VLRは、メモリセルアレイ単位で設定されればよく、メモリセルごとに変える必要はない。
次に、電流センス回路A121からは、電流IoffsetLR1の大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetLR1が出力され、そのオフセット電気信号SoffsetLR1はオフセット電流値保持回路(A1)123aで保持される。この電流センス回路A121から出力されるオフセット電気信号は、電流センス回路A121に入力される電流の大きさに応じ変化する電気信号であれば良く、オフセット電流値保持回路A123にどのような方式の回路を用いるかに合わせて自由に選択できる。例えば、電流もしくは電圧の振幅や、パルス状の電流もしくは電圧のパルス幅・パルス密度などを用いることができる。
続いて、書き込み制御回路A122の電圧出力を停止させる。次に、図16に示されるように、ビット線選択回路11により、複数のビット線3のうちから書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLnを選択することで、書き込み対象セル4aを電流センス回路A121に接続し、その他のビット線3は例えば開放状態にする。続いて、ワード線選択回路10により、ビット線BLnに設けられたオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLmを選択することで書き込み制御回路A122に接続し、その他のワード線2は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、書き込み制御回路A122から電圧を出力させて、ワード線WLmからビット線BLnの方向に電流を流し、その時のビット線BLnの電流IoffsetLR2を電流センス回路A121で検知する。このとき、書き込み制御回路A122から出力される電圧は、ビット線BLnの電位がワード線WLmの電位より電圧VLR分だけ高くなるように設定される。このVLRは、メモリセルアレイ単位で設定されればよく、メモリセルごとに変える必要はない。
次に、電流センス回路A121からは、電流IoffsetLR2の大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetLR2が出力され、そのオフセット電気信号SoffsetLR2はオフセット電流値保持回路(A2)123bで保持される。
続いて、書き込み制御回路A122の電圧出力を停止させる。次に、図17に示されるように、ワード線選択回路10により、複数のワード線2のうちから書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiを選択することで、書き込み対象セル4aを書き込み制御回路A122に接続し、その他のワード線2は開放状態にする。
次に、オフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A1)123aに各々保持されたオフセット電気信号SoffsetLR1および電気信号SoffsetLR2を、オフセット電流演算回路A125に出力する。オフセット電流演算回路A125は、入力された2つの電気信号(SoffsetLR1,SoffsetLR2)を参照してオフセット電気信号SnetLRを生成する機能を有する。
netLRと、SoffsetLR1,SoffsetLR2の関係としては、
netLR=(SoffsetLR1+SoffsetLR2)/2
が望ましい。オフセット電流演算回路A125は、電気信号SnetLRを書き込み制御回路A122に出力する。書き込み制御回路A122は、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号SnetLRから計算される回り込み電流((IoffsetLR1+IoffsetLR2)/2)の和に等しい電流(ILR+(IoffsetLR1+IoffsetLR2)/2)となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLiに出力する。このとき、書き込み制御回路A122は定電流源として動作する。
本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置2000aでは、書き込み対象セル4aと同じワード線2に設けられたオフセット電流検知セル5で検知されるIoffsetLR1と、書き込み対象セル4aと同じビット線3に設けられたオフセット電流検知セル5で検知されるIoffsetLR2との平均値が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むときに流れる回り込み電流により近い値となるため、書き込み対象セルに含まれるメモリ素子111に流す電流をより精度良く一定の値に保つことが可能となる。
[LR状態に書き込む動作のフローチャート]
図18は、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置2000aの、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むシーケンスを示すフローチャートである。
上述したように、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むためには、あらかじめオフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を検知し、オフセット電気信号SoffsetLR1をオフセット電流値保持回路(A1)123aに、オフセット電気信号SoffsetLR2をオフセット電流値保持回路(A2)123bに保持しておく必要がある。このオフセット電気信号SoffsetLR1およびSoffsetLR2は、クロスポイントセルアレイ201に記憶されたデータによって動的に変化するため、書き込み動作ごとに検知されることが望ましい。しかし、クロスポイントセルアレイ201の規模が十分大きく1回の書き込み動作による回り込み電流の変動が無視できるほどに小さい場合には、複数のLR状態の書き込み動作において同じオフセット電気信号を用いることで、オフセット電気信号SoffsetLR1およびSoffsetLR2の検知ステップを省いても良い。
まず、メモリセル(書き込み対象セル)4aに対するLR状態への書き込み動作が要求されると、まず、書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiがワード線選択回路10により選択され(F211L:手順F)、次に、ワード線WLiに設けられたオフセット電流検知セル5に接続されたビット線BLjがビット線選択回路11により選択される(F212L:手順F)。
次に、書き込み制御回路A122からビット線BLjの電圧より電圧VLR分だけ高い電圧(オフセット電流検知電圧)がワード線WLiに出力され、このときビット線BLjを流れる電流の大きさを電流センス回路A121で検知する(F213L:手順Gの前半)。
次に、電流センス回路A121により、この検知した電流の大きさをオフセット電気信号SoffsetLR1に変換して(F214L:手順Gの後半)、オフセット電流値保持回路(A1)123aにて保持する(F214L:手順H)。さらに、書き込み制御回路A122の電圧出力をオフにする(F215L)。
次に、書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLnがビット線選択回路11により選択され(F216L:手順I)、次に、ビット線BLnに設けられたオフセット電流検知セル5に接続されたワード線WLmがワード線選択回路10により選択される(F217L:手順I)。
次に、書き込み制御回路A122からビット線BLnの電圧より電圧VLR分だけ高い電圧(オフセット電流検知電圧)がワード線WLmに出力され、このときビット線BLnを流れる電流の大きさを電流センス回路A121で検知する(F218L:手順Jの前半)。この検知した電流の大きさをオフセット電気信号SoffsetLR2に変換して(F219L:手順Jの後半)オフセット電流値保持回路(A2)123bにて保持する(F219L:手順K)。さらに、書き込み制御回路A122の電圧出力をオフにする(F220L)。
次に、書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiを、ワード線選択回路10により選択し(F221L)、書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLnを、ビット線選択回路11により選択する(F222L)。続いて、オフセット電気信号SoffsetLR1およびオフセット電気信号SoffsetLR2をオフセット電流演算回路A125に出力して、オフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A2)123bに保持されたオフセット電気信号の平均のオフセット電気信号を生成して、書き込み制御回路A122に転送する(F223L)。書き込み制御回路A122は、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号SoffsetLR1およびSoffsetLR2から計算される回り込み電流((SoffsetLR1+SoffsetLR2)/2)の和に等しい電流となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLmに出力する(F224L:手順L、M)。
以上で、LR状態の書き込み動作は完了する。
[HR書き込み方法]
本変形例においてメモリセルをHR状態に書き込む方法は、メモリセルをLR状態に書き込む方法において、電流を流す方向がワード線2からビット線3であったのを、逆方向に、すなわち、ビット線3からワード線2に流れるように置き換え、VLRをVHRに、ILRをIHRに置き換えることで実現できる。
本変形例によれば、2つのオフセット電流値保持回路(A1)123aおよびオフセット電流値保持回路(A2)123bにより、書き込み対象セル5が接続されたビット線3およびワード線2と同一のビット線3およびワード線2に接続されたオフセット電流検知セル5により2つの回り込み電流を検出することができる。そして、検出された2つの回り込み電流を平均し電気信号に変換した平均オフセット電気信号から、回り込み電流分の電気信号を補償してメモリセル4への書き込み動作を行うので、書き込み動作が不安定になるという問題を抑制できる。これにより、書き込み動作の安定性が向上するという効果が得られる。
なお、本実施の形態においても、不揮発性半導体記憶装置2000aの構成は、例えば、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路A/書き込み制御回路B(図示せず)をビット線3に接続し、電流センス回路の機能と書き込み制御回路の機能を兼ね備えた電流センス回路B/書き込み制御回路A(図示せず)をワード線2に接続し、一方を電流センス回路として使用するときは他方を書き込み制御回路として使用するという構成であってもよい。
(第3の実施の形態)
[装置の構成]
図19は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000の構成の一例を示す図である。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000では、特定の複数のビット線をオフセット電流検知ビット線303として設定し、オフセット電流検知セル5aはそれらオフセット電流検知ビット線303に設けられた構成となっている。それぞれのオフセット電流検知ビット線303には、オフセット電流検知セル5aとメモリセル4の両方が設けられるが、それぞれのワード線2に対しては1個のオフセット電流検知セル5aが設けられたように、それぞれのオフセット電流検知ビット線303に設けられるオフセット電流検知セル5aとメモリセル4が配置されている。さらに、オフセット電流検知ビット線303に設けられるオフセット電流検知セル5aの個数は、全てのオフセット電流検知ビット線303で等しくなっている。
メモリセル4およびオフセット電流検知セル5aの構造は、いずれも、第1の実施の形態で示したメモリセル4およびオフセット電流検知セル5と同じ構造を用いることができる。さらに、オフセット電流検知ビット線303の構造は、他のビット線3と同じ構造を用いる。
このように、オフセット電流検知セル5aが決まったオフセット電流検知ビット線303にまとめて設けられることによって、電流IoffsetLRおよびIoffsetHRを検知するために用いられるビット線(オフセット電流検知ビット線303)と、メモリセル4を実際にLR状態及びHR状態に書き込むために用いられるビット線3とを明確に分けることが可能となるため、ビット線選択回路311で選択されるスイッチも、電流IoffsetLRおよびIoffsetHRを検知する時と、実際にメモリセル4に書き込みを実施する時で完全に区別することができる。
第2の実施の形態で示したようなオフセット電流検知セル5がクロスポイントセルアレイ1全体に渡って配置されている場合は、全てのビット線3の中から、書き込み対象セル4aにあわせて1本のビット線を選択するようにビット線選択回路311を設計する必要がある。
これに対して、本実施の形態の構成では、少ない本数のオフセット電流検知ビット線303の中から1本のビット線を選択すればよいので、ビット線選択回路311のスイッチ選択を行う回路(図示せず)の回路設計を容易にすることができるという効果が得られる。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000は、図19に示すように、第1の方向と平行にストライプ状に形成された複数のワード線2と、ワード線2と交差する方向(第2の方向)にストライプ状に形成された複数のビット線3および複数のオフセット電流検知ビット線303と、ワード線2とビット線3およびオフセット電流検知ビット線303の平面視における交点でかつワード線2とビット線3、および、ワード線2とオフセット電流検知ビット線303との間に形成されたクロスポイントセルアレイ301を備えている。
さらに、クロスポイントセルアレイ301は、複数のメモリセル4と、複数のオフセット電流検知セル5aを含んでいる。さらに、オフセット電流検知セル5aは、(1)全てのオフセット電流検知セル5aが複数のオフセット電流検知ビット線303のうちのどれかに設けられ、かつ、(2)それぞれのワード線2には1個ずつ設けられるように、クロスポイントセルアレイ301内に配置されている。
図19に示される不揮発性半導体記憶装置3000では、オフセット電流検知ビット線303は、ビット線3の隣にまとまって設置されているが、オフセット電流検知ビット線303の設置方法はこれに限定されるものではなく、ビット線3とビット線3の間にそれぞれのオフセット電流検知ビット線303を分散させて設置しても良い。さらに、オフセット電流検知セル5aは、オフセット電流検知ビット線303に沿って、メモリセル4と交互になるように配置されているが、オフセット電流検知セル5aの配置方法はこれに限定されるものではなく、上記(1)および(2)の条件を満たせば良い。さらに、オフセット電流検知ビット線303が2本の場合について図示されている。これは、クロスポイントセルアレイ301に占めるメモリセル4の比率が最も大きくなる点で望ましいが、後述するように回り込み電流の検知感度をより高くしたい場合には、オフセット電流検知ビット線303の本数は2本以上であっても良い。
図19に示される不揮発性半導体記憶装置3000は、さらに、ワード線選択回路310およびビット線選択回路311を含む。ワード線選択回路310は、ワード線2に接続され、ワード線2のうちから1つを選択し、その選択したワード線を書き込み制御回路322に接続させ、その他のワード線2は例えば開放状態にする。ビット線選択回路311は、ビット線3に接続され、ビット線3のうちから1つを選択し、その選択したビット線を電流センス回路321に接続させ、その他のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
書き込み制御回路322は、必要に応じて(後述)ワード線2からビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)に電流を流す方向に一定の電位を発生させる可変電圧源もしくは、ワード線2からビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)にピーク電流が一定のパルス状の電流を流すための可変パルス電流源として動作する。
電流センス回路321は、ビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)から流入した電流の大きさに応じた電気信号をオフセット電流値保持回路323に出力し、その信号はオフセット電流値保持回路323で保持される。オフセット電流値保持回路323は、保持した信号の2倍に相当する信号を生成し書き込み制御回路322に出力する機能を有する。
[LR書き込み方法]
続いて、図20および図21を用いて、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置においてメモリセル4にLR状態を書き込む方法について説明する。
図20および図21は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000aの低抵抗状態の書き込み方法を説明するための図である。
はじめに、LR書き込みに使用する不揮発性半導体記憶装置3000aの構成の一例について説明する。不揮発性半導体記憶装置3000aの構成は、図19に示した不揮発性半導体記憶装置3000の構成と同様である。
すなわち、図20および図21に示されるように、不揮発性半導体記憶装置3000aは、図19に示した不揮発性半導体記憶装置3000と同様、クロスポイントセルアレイ301と、ワード線2と、ビット線3と、オフセット電流検知ビット線303と、ワード線選択回路310と、ビット線選択回路311とを備えている。
また、不揮発性半導体記憶装置3000aは、ワード線選択回路310を介して選択ワード線2に接続され、ワード線選択回路310で選択されたワード線2に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路A322aと、ビット線選択回路311を介してビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)に接続され、ビット線選択回路311で選択されたビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)に流れる回り込み電流を検知して、回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する電流センス回路A321aと、オフセット電気信号を保持するオフセット電流値保持回路A323aを備えている。
書き込み制御回路A322aは、必要に応じて(後述)ワード線2からビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)に電流を流す方向に一定の電位を発生させる可変電圧源もしくは、ワード線2からビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)にピーク電流が一定であるパルス状の電流を流すための可変パルス電流源として動作する。
電流センス回路A321aは、ビット線3(またはオフセット電流検知ビット線303)から流入した電流の大きさに応じた電気信号をオフセット電流値保持回路A323aに出力し、その信号はオフセット電流値保持回路A323aで保持される。オフセット電流値保持回路A323aは、保持した信号の2倍に相当する信号を生成し書き込み制御回路A322aに出力する機能を有する。
以下、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込む動作を例にして、そのシーケンスを示す。
まず、図20に示すように、ワード線選択回路310により、複数のワード線2のうちから書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiを選択することで、書き込み対象セル4aを書き込み制御回路A322aに接続し、その他のワード線2は例えば開放状態にする。続いて、ビット線選択回路311により、複数のオフセット電流検知ビット線303のうちからワード線WLiに設けられたオフセット電流検知セル5aに接続されたビット線BLjを選択することで、オフセット電流検知セル5を電流センス回路A321aに接続し、その他のビット線3は例えば開放状態にする。非選択のワード線2及びビット線3は、スイッチング素子をオフさせるような電圧が与えられていても良い。
次に、書き込み制御回路A322aから電圧を出力させて、ワード線WLiからオフセット電流検知セル5を介してビット線BLjの方向に電流を流し、その時のビット線BLjの電流IoffsetLRを電流センス回路A321aで検知する。このとき、書き込み制御回路A322aから出力される電圧は、ビット線BLjの電位がワード線WLiの電位より電圧VLR分だけ高くなるように設定される。このVLRは、メモリセルアレイ単位で設定されればよく、メモリセルごとに変える必要はない。
次に、電流センス回路A321aからは、電流IoffsetLRの大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetLRが出力され、そのオフセット電気信号SoffsetLRはオフセット電流値保持回路A323aで保持される。この電流センス回路A321aから出力されるオフセット電気信号SoffsetLRは、電流センス回路A321aに入力される電流の大きさに応じ変化する電気信号であれば良く、オフセット電流値保持回路A323aにどのような方式の回路を用いるかに合わせて自由に選択できる。例えば、電流もしくは電圧の振幅や、パルス状の電流もしくは電圧のパルス幅・パルス密度など、を用いることができる。
続いて、書き込み制御回路A322aの電圧出力を停止させる。次に、図21に示すように、ビット線選択回路311により、複数のビット線3のうちから書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLkを選択することで、書き込み対象セル4aを電流センス回路A321aに接続し、その他のビット線3は例えば開放状態にする。この時、書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiは、すでに選択され、書き込み制御回路A322aに接続されている。
次に、オフセット電流値保持回路A323aは、オフセット電流値保持回路A323aに保持されている電気信号の2倍に相当する信号(SoffsetLR×2)を生成し、書き込み制御回路A322aに出力する。書き込み制御回路A322aは、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号(SoffsetLR×2)から計算される回り込み電流(IoffsetLR×2)の和に等しい電流(ILR+IoffsetLR×2)をワード線WLiに出力する。このとき、書き込み制御回路A322aは定電流源として動作する。
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000aでは、オフセット電流検知ビット線303には、ビット線に沿った方向のメモリセル数の半分のオフセット電流検知セル5aが設けられており、残りにはメモリセル4と同じ構造のメモリセルが設けられている。このオフセット電流検知ビット線303に設けられたメモリセル4にはデータの書き込みは行われず、“0”もしくは“1”が書き込まれていれば良い。つまり、本実施の形態において、オフセット電流検知セル5aが選択されたときに電流センス回路A321aで検知される電流IoffsetLRは、書き込み対象セル4aにLR状態を書き込む場合に流れる回り込み電流のおおよそ半分(IoffsetLR≒回り込み電流/2)になる。オフセット電流値保持回路A323aでは、電流IoffsetLRの大きさに応じたオフセット電気信号SoffsetLRを2倍した大きさの信号を書き込み制御回路A322aに出力するため、書き込み制御回路A322aの出力電流は(ILR+IoffsetLR×2)に制御される。この出力電流のうち(IoffsetLR×2)は、実際に書き込み対象セル4aに書き込みを行う場合に流れる回り込み電流とほぼ等しいので、クロスポイントセルアレイ301に記憶されているデータに影響されること無く、書き込み対象セル4aには、ほぼILRに等しい電流が流れるようになり、安定した書き込み動作を実現することが可能となる。
[LR状態に書き込む動作のフローチャート]
図22は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置3000aの、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むシーケンスを示すフローチャートである。
上述したように、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むためには、あらかじめオフセット電流検知セル5を選択して回り込み電流を検知し、オフセット電気信号SoffsetLRをオフセット電流値保持回路A323aに保持しておく必要がある。このオフセット電気信号SoffsetLRは、クロスポイントセルアレイ301に記憶されたデータによって動的に変化するため、書き込み動作ごとに検知されることが望ましい。しかし、クロスポイントセルアレイ301の規模が十分大きく1回の書き込み動作による回り込み電流の変動が無視できるほどに小さい場合には、複数のLR状態の書き込み動作において同じオフセット電気信号SoffsetLRを用いることで、オフセット電気信号SoffsetLRの検知ステップを省いても良い。
まず、メモリセル(書き込み対象セル)4aに対するLR状態への書き込み動作が要求されると、オフセット電気信号SoffsetLRを検知するために書き込み対象セル4aに接続されたワード線WLiがワード線選択回路310により選択される(F311L:手順A)。
次に、ワード線WLiに設けられたオフセット電流検知セル5aに接続されたビット線BLjがビット線選択回路311により選択される(F312L:手順A)。ここで、F311LとF312Lの順番は逆でも良い。
次に、書き込み制御回路A322aからビット線BLjの電圧より電圧VLR分だけ高い電圧がワード線WLiに出力され、このときビット線BLjを流れる電流の大きさを電流センス回路A321aで検知する(F313L:手順Bの前半)。
次に、電流センス回路A321aにより、この検知した電流の大きさをオフセット電気信号SoffsetLRに変換して(F314L:手順Bの後半)、オフセット電流値保持回路A323aにて保持する(F314L:手順C)。さらに、書き込み制御回路A322aの電圧出力をオフした後(F315L)、ビット線選択回路311により書き込み対象セル4aに接続されたビット線BLkが選択される(F316L)。
続いて、オフセット電流値保持回路A323aからオフセット電気信号SoffsetLRを2倍した信号(SoffsetLR×2)を書き込み制御回路A322aに出力する(F318L:手順D)。書き込み制御回路A322aは、書き込み制御回路A322aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号(SoffsetLR×2)から計算される回り込み電流(IoffsetLR×2)の和に等しい電流(ILR+IoffsetLR×2)となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLiに出力する(F317L:手順L)。
以上で、LR状態の書き込み動作は完了する。
[HR書き込み方法]
本実施の形態においてメモリセルをHR状態に書き込む方法は、メモリセルをLR状態に書き込む方法において、電流を流す方向がワード線2からビット線3であったのを、逆方向に、すなわち、ビット線3からワード線2に流れるように置き換え、VLRをVHRに、ILRをIHRに置き換えることで実現できる。
また、上記した本実施の形態では、不揮発性半導体記憶装置3000、3000aに含まれるオフセット電流検知ビット線303は2本で、かつそれぞれのオフセット電流検知ビット線303には、ビット線に沿った方向のメモリセル数の半分のオフセット電流検知セル5aが設けられている場合について、その動作を説明したものであるが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
より拡張した表現では、オフセット電流検知ビット線303をN本、クロスポイントセルアレイ301に含まれるワード線2の本数をM本とした場合、それぞれのオフセット電流検知ビット線303に設けられるオフセット電流検知セル5aの数を(M/N)とすれば良い。この場合、図20に示した不揮発性半導体記憶装置3000aでは、オフセット電流値保持回路A323aから書き込み制御回路A322aに出力される信号はオフセット電流値保持回路A323aに保持されているオフセット電気信号の(M/(M−(M/N)))倍となる。これにより、書き込み制御回路A322aは、書き込み制御回路A322aから出力される電流が、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号(SoffsetLR×(M/(M−(M/N))))から計算される回り込み電流(IoffsetLR×(M/(M−(M/N))))の和に等しい電流(ILR+IoffsetLR×(M/(M−(M/N))))となるように、書き込み用の電気信号を調整してワード線WLiに出力する。
なお、上記した第3の実施の形態における図20の例では、ワード線の本数はM=6、オフセット電流検知ビット線の本数はN=2であるため、オフセット電流検知セル5aの数は(M/N)=3であり、オフセット電流値保持回路A323aから書き込み制御回路A322aに出力される信号はオフセット電流値保持回路A323aに保持されているオフセット電気信号の(M/(M−(M/N)))=2倍となる。これにより、書き込み制御回路A322aは、書き込み対象セル4aをLR状態に書き込むために必要な電流ILRと、オフセット電気信号(SoffsetLR×(M/(M−(M/N))))=(SoffsetLR×2)から計算される回り込み電流(IoffsetLR×(M/(M−(M/N))))=(IoffsetLR×2)の和に等しい電流(ILR+IoffsetLR×(M/(M−(M/N))))=(ILR+IoffsetLR×2)をワード線WLiに出力している。
オフセット電流検知ビット線303の本数が増え、1本のオフセット電流検知ビット線303に設けられるオフセット電流検知セル5aの個数が少なくなるほど、オフセット電流検知セル5aで検知された電流を(M/(M−(M/N)))倍した電流と、実際にHR状態及びLR状態に書き込む際に流れる回り込み電流との差は小さくなるので、より安定した書き込み動作をさせることができる。
オフセット電流検知ビット線の本数が増え、1本のオフセット電流検知ビット線に設けられるオフセット電流検知セル5aの個数が少なくなるほど、オフセット電流検知セル5aで検知された電流を(M/(M−(M/N)))倍した電流と、実際にHR状態及びLR状態に書き込む際に流れる回り込み電流との差は小さくなるので、より安定した書き込み動作をさせることができる。
さらに、上記した第3の実施の形態では、オフセット電流検知セル5aが特定のオフセット電流検知ビット線303にのみ設けられるように配置された例について説明したが、特定の複数のワード線2をオフセット電流検知ワード線として設定し、オフセット電流検知セル5aは、(1)全てのオフセット電流検知セル5aが複数のオフセット電流検知ワード線のうちのどれかに設けられ、かつ、(2)それぞれのビット線3には1個ずつ設けられるように、クロスポイントセルアレイ301内に配置した場合でも、同様の効果が得られる。
本実施の形態によれば、オフセット電流検知セルを選択する際に、ビット線選択回路(またはワード線選択回路)で選択対象となるビット線(またはワード線)をオフセット電流検知ビット線(またはオフセット電流検知ワード線)だけに限定することができるので、ビット線選択回路(またはワード線選択回路)のスイッチ選択を行う回路の回路設計を容易にすることができるという効果が得られる。
以上、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置およびその書き込み方法について、第1から第3の実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、各実施の形態および変形例における構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も、本発明に含まれる。
例えば、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、必ずしも、ワード線選択回路およびビット線選択回路を備える必要はなく、少なくとも、クロスポイントセルアレイを備えればよい。そのクロスポイントセルアレイは、メモリ動作をするメモリ素子を含むメモリセルと、メモリ素子がメモリ動作をする場合の高抵抗状態でのメモリ素子の抵抗値より高い抵抗値を有するオフセット電流検知セルとを含む構成であればよい。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、電流センス回路と書き込み制御回路を必ずしも別々に設ける必要はなく、電流センス回路と書き込み制御回路を兼用する構成であってもよい。つまり、電流センス回路および書き込み制御回路は、上記した実施の形態ではビット線に対応して使用する電流センス回路および書き込み制御回路、ワード線に対応して使用する電流センス回路および書き込み制御回路を設けた構成について説明したが、ワード線とビット線に共通して使用する電流センス回路および書き込み制御回路を備えてもよい。
また、上記実施の形態および変形例における不揮発性半導体記憶装置には、メモリセルへの書き込み回路および初期ブレーク動作を施す回路が明示されていなかったが、このような回路が備えられてもよいのは言うまでもない。
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、微細化かつ大容量化が可能なクロスポイント構造を実現する上での問題であった、書き込み動作の時にメモリセルを流れる電流が回り込み電流の影響を受けて一定にならず、書き込み動作が不安定になるという、従来の装置構成では対策が困難であった問題を解決できる。デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機およびパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いられる不揮発性半導体記憶装置として有用である。
1,201,301 クロスポイントセルアレイ
2 ワード線
3 ビット線
4 メモリセル
4a 書き込み対象セル
5,5a,51,52,53,54 オフセット電流検知セル
10,310 ワード線選択回路
11,311 ビット線選択回路
21,321 電流センス回路
21a,121,321a 電流センス回路A
22,322 書き込み制御回路
22a,122,322a 書き込み制御回路A
23,323 オフセット電流値保持回路
23a,123,323a オフセット電流値保持回路A
23b オフセット電流値保持回路B
25 電流センス回路A/書き込み制御回路B
26 電流センス回路B/書き込み制御回路A
100,501 層間絶縁膜
110 第1ビア
111 メモリ素子
112 第2ビア
123a オフセット電流値保持回路A1
123b オフセット電流値保持回路A2
125 オフセット電流演算回路A
303 オフセット電流検知ビット線
511 第1電極
512 第2電極
513 第3電極
521 低濃度酸化層
522 高濃度酸化層
530 半導体層
570 抵抗変化素子
571 ダイオード
572 メモリ素子
1000,1000a,1000c,2000,2000a,3000,3000a 不揮発性半導体記憶装置

Claims (27)

  1. 第1の平面内において互いに平行に形成された複数のワード線と、
    前記第1の平面に平行な第2の平面内において互いに平行にかつ前記複数のワード線と立体交差するように形成された複数のビット線と、
    前記複数のワード線と前記複数のビット線の立体交差点のそれぞれに対して設けられたセルの集合体で構成される、クロスポイントセルアレイと、
    前記複数のワード線のうちから特定のワード線を選択するワード線選択回路と、
    前記複数のビット線のうちから特定のビット線を選択するビット線選択回路と、
    前記ワード線選択回路を介して前記ワード線に接続され、または、前記ビット線選択回路を介して前記ビット線に接続され、前記ワード線選択回路で選択されたワード線または前記ビット線選択回路で選択されたビット線に書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路と、
    前記ビット線選択回路を介して前記ビット線に接続され、または、前記ワード線選択回路を介して前記ワード線に接続され、前記ビット線選択回路で選択されたビット線または前記ワード線選択回路で選択されたワード線に流れる電流を検知して、前記電流の大きさに応じた電気信号に変換する電流センス回路と、
    を備え、
    前記セルの集合体には、
    対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に2つ以上の状態に抵抗値が変化するメモリ動作をするメモリ素子を含むメモリセルと、
    対応するワード線と対応するビット線との間に印加される電気信号によらず、前記メモリ素子が前記メモリ動作をする場合の高抵抗状態での前記メモリ素子の抵抗値より高い抵抗値を有するオフセット電流検知セルと、
    が含まれ、
    前記メモリセルに接続される前記ワード線及び前記ビット線間に所定の極性と振幅を有する第1の電圧を印加して前記メモリセルに所定のデータを書き込む時に流れる電流を第1の書き込み電流とし、前記オフセット電流検知セルに接続される前記ワード線及び前記ビット線間に前記第1の電圧を印加した時に流れる電流を回り込み電流とする時、
    前記書き込み制御回路は、
    前記第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流を前記メモリセルに流すように前記書き込み用の電気信号を調節する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  2. 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記回り込み電流は、前記オフセット電流検知セル以外のメモリセルに流れる電流の総和である、
    不揮発性半導体記憶装置。
  3. 請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記第2の書き込み電流は、前記第1の書き込み電流と前記回り込み電流の和である、
    不揮発性半導体記憶装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、さらに、
    前記電流センス回路は、前記回り込み電流をオフセット電気信号に変換し、
    前記電流センス回路で変換された前記オフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路を備える、
    不揮発性半導体記憶装置。
  5. 請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記書き込み制御回路は、
    前記ワード線選択回路で選択された前記ワード線に前記書き込み用の電気信号として第1の書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路Aと、
    前記ビット線選択回路で選択されたビット線に前記書き込み用の電気信号として第2の書き込み用の電気信号を出力するための書き込み制御回路Bと、で構成される、
    不揮発性半導体記憶装置。
  6. 請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記電流センス回路は、
    前記ビット線選択回路で選択されたビット線から流出する回り込み電流を検知して、前記オフセット電気信号として前記回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第1のオフセット電気信号に変換する電流センス回路Aと、
    前記ワード線選択回路で選択されたワード線から流出する回り込み電流を検知して、前記オフセット電気信号として前記回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第2のオフセット電気信号に変換する電流センス回路Bと、
    で構成される、
    不揮発性半導体記憶装置。
  7. 請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流値保持回路は、
    前記電流センス回路Aで変換された前記第1のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Aと、
    前記電流センス回路Bで変換された前記第2のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Bと、
    で構成される、
    不揮発性半導体記憶装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記複数のワード線および前記複数のビット線のそれぞれに対して各々1個ずつの前記オフセット電流検知セルが設けられるように前記クロスポイントセルアレイ内に前記オフセット電流検知セルが配置され、
    前記電流を検知するために選択される前記オフセット電流検知セルは、前記クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続されたワード線またはビット線に対して設けられた前記オフセット電流検知セルである、
    不揮発性半導体記憶装置。
  9. 請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流値保持回路は、
    前記電流センス回路で変換された異なる前記オフセット電気信号を保持するための第1のオフセット電流値保持回路および第2のオフセット電流値保持回路とで構成され、
    前記不揮発性半導体記憶装置は、さらに、
    前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路にそれぞれ保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号を参照して、前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路に保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成するオフセット電流演算回路と、
    を備え、
    前記書き込み制御回路は、
    前記回り込み電流が第1の電流であるときには第1の書き込み電流が、前記第1の電流より高い第2の電流であるときには前記第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流が前記メモリセルに流れるように、前記平均オフセット電気信号に応じて前記書き込み用の電気信号を調節する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  10. 請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流値保持回路は、
    前記電流センス回路Aで変換された前記第1のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Aと、
    前記電流センス回路Bで変換された前記第2のオフセット電気信号を保持するためのオフセット電流値保持回路Bと、
    で構成され、
    前記オフセット電流演算回路は、
    前記オフセット電流値保持回路Aの前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路にそれぞれ保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号を参照して、前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路にそれぞれ保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成するオフセット電流演算回路Aと、
    前記オフセット電流値保持回路Bの前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路にそれぞれ保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号を参照して、前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路にそれぞれ保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成するオフセット電流演算回路Bと、
    で構成される、
    不揮発性半導体記憶装置。
  11. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記複数のビット線は、前記メモリセルのみが設けられた複数のビット線と、前記メモリセルと前記オフセット電流検知セルの両方が設けられた複数のオフセット電流検知ビット線とで構成され、
    前記オフセット電流検知セルは、全ての前記複数のオフセット電流検知ビット線の各々に設けられる前記オフセット電流検知セルの個数が均等で、かつ、前記複数のワード線のそれぞれに対して各々1個ずつの前記オフセット電流検知セルが設けられるように、前記クロスポイントセルアレイ内に配置され、
    前記電流を検知するために選択される前記オフセット電流検知セルは、前記クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続されたワード線に対して設けられたオフセット電流検知セルである、
    不揮発性半導体記憶装置。
  12. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記複数のワード線は、前記メモリセルのみが設けられた複数のワード線と、前記メモリセルと前記オフセット電流検知セルの両方が設けられた複数のオフセット電流検知ワード線とで構成され、
    前記オフセット電流検知セルは、全ての前記複数のオフセット電流検知ワード線の各々に設けられる前記オフセット電流検知セルの個数が均等で、かつ、前記複数のビット線のそれぞれに対して各々1個ずつの前記オフセット電流検知セルが設けられるように、前記クロスポイントセルアレイ内に配置され、
    前記電流を検知するために選択される前記オフセット電流検知セルは、前記クロスポイントセルアレイから選択された書き込み対象のメモリセルに接続されたビット線に対して設けられたオフセット電流検知セルである、
    不揮発性半導体記憶装置。
  13. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Aから第1の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルの接続されたワード線の電位が前記オフセット電流検知セルの接続されたビット線より高い電位になるようにし、かつ、
    前記オフセット電流検知セルの接続されたビット線に流れる電流をIoffsetLRとし、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にワード線からビット線の方向に流す必要のある電流をILRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Aから出力される電流が
    (ILR+IoffsetLR
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  14. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Bから第2の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルに接続されたビット線の電位が前記オフセット電流検知セルの接続されたワード線より高い電位になるようにし、かつ、
    前記オフセット電流検知セルに接続されたワード線から流出する電流をIoffsetHRとし、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にビット線からワード線の方向に流す必要のある電流をIHRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Bから出力される電流が
    (IHR+IoffsetHR
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  15. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記書き込み制御回路Aは、
    第1のビット線に接続されたオフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Aから第1の電圧を出力することで、前記第1のビット線に接続されたオフセット電流検知セルに接続された第1のワード線の電位が前記第1のビット線より高い電位になるようにし、
    前記第1のビット線から流出する電流をIoffsetLR1とし、
    第2のビット線に接続されたオフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Aから第1の電圧を出力することで、前記第2のビット線に接続されたオフセット電流検知セルに接続された第2のワード線の電位が前記第2のビット線より高い電位になるようにし、
    前記第2のビット線から流出する電流をIoffsetLR2とし、かつ、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にワード線からビット線方向に流す必要のある電流をILRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Aから出力される電流が
    (ILR+(+IoffsetLR1+IoffsetLR2)/2)
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  16. 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記書き込み制御回路Bは、
    第1のワード線に接続されたオフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Bから第2の電圧を出力することで、前記第1のワード線に接続されたオフセット電流検知セルに接続された第1のビット線の電位が前記第1のワード線より高い電位になるようにし、
    前記第1のワード線から流出する電流をIoffsetHR1とし、
    第2のワード線に接続されたオフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Bから第2の電圧を出力することで、前記第2のワード線に接続されたオフセット電流検知セルに接続された第2のビット線の電位が前記第2のワード線より高い電位になるようにし、
    前記第2のワード線から流出する電流をIoffsetHR2とし、かつ、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にビット線からワード線方向に流す必要のある電流をIHRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記書き込み対象のメモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Bから出力される電流が
    (IHR+(+IoffsetHR1+IoffsetHR2)/2)
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  17. 請求項11に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流検知ビット線1本に接続された前記オフセット電流検知セルの数をN、
    前記オフセット電流検知ビット線1本に接続されたセル数をMとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Aから第1の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルに接続されたワード線の電位がオフセット電流検知セルの接続された前記オフセット電流検知ビット線より高い電位になるようにし、かつ、
    前記オフセット電流検知セルに接続された前記オフセット電流検知ビット線から流出する電流をIoffsetLRとし、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にワード線からビット線方向に流す必要のある電流をILRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Aから出力される電流が
    (ILR+IoffsetLR×M/(M−(M/N)))
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  18. 請求項11に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流検知ビット線1本に設けられた前記オフセット電流検知セルの数をN、
    前記オフセット電流検知ビット線1本に設けられたセル数をMとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Bから第2の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルに接続されたオフセット電流検知ビット線の電位が前記オフセット電流検知セルに接続されたワード線より高い電位になるようにし、かつ、
    前記オフセット電流検知セルに接続された前記ワード線から流出する電流をIoffsetHRとし、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にビット線からワード線方向に流す必要のある電流をIHRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Bから出力される電流が
    (IHR+IoffsetHR×M/(M−(M/N)))
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  19. 請求項12に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流検知ワード線1本に設けられた前記オフセット電流検知セルの数をN、
    前記オフセット電流検知ワード線1本に設けられたセル数をMとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Aから第1の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルに接続された前記オフセット電流検知ワード線の電位がオフセット電流検知セルに接続されたビット線より高い電位になるようにし、かつ、
    前記オフセット電流検知セルに接続された前記オフセット電流検知ビット線から流出する電流をIoffsetLRとし、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にワード線からビット線方向に流す必要のある電流をILRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Aは、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Aから出力される電流が
    (ILR+IoffsetLR×M/(M−(M/N)))
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  20. 請求項12に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記オフセット電流検知ワード線1本に設けられた前記オフセット電流検知セルの数をN、
    前記オフセット電流検知ワード線1本に設けられたセル数をMとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記オフセット電流検知セルを選択して、前記書き込み制御回路Bから第2の電圧を出力することで、前記オフセット電流検知セルに接続されたビット線の電位が前記オフセット電流検知セルに接続されたオフセット電流検知ワード線より高い電位になるようにし、前記オフセット電流検知セルに接続された前記ワード線から流出する電流をIoffsetHRとし、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記メモリ素子にビット線からワード線方向に流す必要のある電流をIHRとしたとき、
    前記書き込み制御回路Bは、
    前記メモリセルに含まれるメモリ素子の抵抗値を変化させるために、前記書き込み制御回路Bから出力される電流が
    (IHR+IoffsetHR×M/(M−(M/N)))
    となるように、前記書き込み用の電気信号を調整する、
    不揮発性半導体記憶装置。
  21. 請求項13、請求項15、請求項17および請求項19のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記選択されたビット線と前記選択されたワード線の間の電圧は、前記メモリ素子の電流−電圧特性において前記メモリ素子を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるために必要な電圧以下の電圧である、
    不揮発性半導体記憶装置。
  22. 請求項14、請求項16、請求項18および請求項20のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記選択されたワード線と前記選択されたビット線の間の電圧は、前記メモリ素子の電流−電圧特性において前記メモリ素子を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させるために必要な電圧以上の電圧である、
    不揮発性半導体記憶装置。
  23. 請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルは、
    前記メモリ素子と、前記メモリ素子と前記ワード線とを電気的に接続するための第1のビアと、前記メモリ素子と前記ビット線とを電気的に接続するための第2のビアとで構成され、
    前記オフセット電流検知セルは、
    前記メモリセルから、前記第1のビアおよび前記第2のビアの少なくともいずれかを除いた構造を持つ、
    不揮発性半導体記憶装置。
  24. 請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルは、
    前記メモリ素子と、前記メモリ素子と前記ワード線とを電気的に接続するための第1のビアと、前記メモリ素子と前記ビット線とを電気的に接続するための第2のビアとで構成され、
    前記オフセット電流検知セルは、
    前記メモリセルから、前記メモリ素子を除いた構造、または、
    前記メモリセルから、前記第1のビアおよび前記第2のビアの少なくともいずれかと、前記メモリ素子とを除いた構造を持つ、
    不揮発性半導体記憶装置。
  25. 請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリ素子は、
    第1の電極、抵抗変化層および第2の電極で構成される積層構造を有する抵抗変化型記憶素子を有し、
    前記第1の電極は、TaN(窒化タンタル)、TiN(窒化チタン)およびW(タングステン)のいずれかで構成され、
    前記第2の電極は、Pt(白金)、Ir(イリジウム)およびPd(パラジウム)のいずれか、または、これらの合金で構成され、
    前記抵抗変化層は、酸素不足型のタンタル酸化膜、酸素不足型の鉄酸化膜、酸素不足型のハフニウム酸化膜および酸素不足型のジルコニウム酸化物の少なくともいずれかで構成される高濃度酸化層および低濃度酸化層を含み、
    前記高濃度酸化層の酸素不足度は、前記低濃度酸化層の酸素不足度より小さく、
    前記メモリセルは、製造された後に、前記メモリ素子に前記メモリ動作を行わせるための初期ブレーク動作が加えられたセルであり、
    前記オフセット電流検知セルは、前記メモリセルと同じ構造を有し、製造された後に、初期ブレーク動作が加えられていないセルである、
    不揮発性半導体記憶装置。
  26. 不揮発性半導体記憶装置に対する書き込み方法であって、
    前記オフセット電流検知セルに接続されたワード線と、前記オフセット電流検知セルに接続されたビット線とを選択する手順Aと、
    選択された前記ワード線と前記ビット線の間に一定電圧を印加し、その時の前記ワード線または前記ビット線から流出する回り込み電流を電流センス回路により検出して、検出した前記回り込み電流を書き込み制御回路により前記回り込み電流の大きさに応じた電気信号であるオフセット電気信号に変換する手順Bと、
    前記オフセット電気信号をオフセット電流値保持回路に保持する手順Cと、
    前記オフセット電気信号に応じて生成される書き込み用の電気信号を書き込み制御回路に出力する手順Dと、
    前記回り込み電流が第1の電流であるときには第1の書き込み電流が、前記第1の電流より高い第2の電流であるときには前記第1の書き込み電流より高い第2の書き込み電流が前記メモリセルに流れるように、前記オフセット電気信号に応じて前記書き込み用の電気信号を調整する手順Eと、
    を含む、
    書き込み方法。
  27. 不揮発性半導体記憶装置に対する書き込み方法であって、
    書き込み対象のメモリセルに接続された第1のワード線と、前記第1のワード線に設けられた第1のオフセット電流検知セルに接続された第1のビット線とを選択する手順Fと、
    選択された前記第1のワード線と前記第1のビット線の間に一定電圧を印加し、その時の前記第1のワード線または前記第1のビット線から流出する第1の回り込み電流を電流センス回路Aにより検出して、検出した前記第1の回り込み電流を書き込み制御回路Aにより前記第1の回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第1のオフセット電気信号に変換する手順Gと、
    前記第1のオフセット電気信号を第1のオフセット電流値保持回路に保持する手順Hと、
    前記書き込み対象のメモリセルに接続された第2のビット線と、前記第2のビット線に設けられた第2のオフセット電流検知セルに接続された第2のワード線とを選択する手順Iと、
    選択された前記第2のワード線と前記第2のビット線の間に、手順Gにおいて選択された前記第1のワード線と前記第1のビット線の間に印加した電圧と同じ大きさの電圧を印加し、その時の前記第2のワード線または前記第2のビット線から流出する第2の回り込み電流を電流センス回路Aにより検出して、検出した前記第2の回り込み電流を書き込み制御回路Bにより前記第2の回り込み電流の大きさに応じた電気信号である第2のオフセット電気信号に変換する手順Jと、
    前記第2のオフセット電気信号を第2のオフセット電流値保持回路に保持する手順Kと、
    前記第1のオフセット電気信号、および、前記第2のオフセット電気信号を参照して、前記第1のオフセット電流値保持回路および前記第2のオフセット電流値保持回路に保持された前記第1のオフセット電気信号および前記第2のオフセット電気信号の平均値に相当する平均オフセット電気信号を生成する手順Lと、
    前記平均オフセット電気信号に応じて前記第1の書き込み用の電気信号を調整する手順Mと、
    を含む、
    書き込み方法。
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