JPWO2013073637A1 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

発電性能を低下させずに、太陽電池モジュール内部に配置されている少なくとも配線部材または電極の錆の発生を低減することによって、耐久性がさらに向上された太陽電池モジュールを提供するために、受光面である第1面および該第1面に対して反対側に位置する第2面を有する太陽電池(例えば太陽電池素子10)と、この太陽電池の第1面側に配置されている透光性の第1保護材11と、太陽電池の第2面側に配置されている第2保護材14と、太陽電池の第1面と第1保護材11との間に配置されている第1封止材12と、太陽電池の第2面と第2保護材14との間に配置されている第2封止材13とを備えているとともに、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方が、エチレン酢酸ビニル共重合体と、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物とを含んでいる太陽電池モジュールとする。

Description

本発明はエチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという)を主成分とする封止材を用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、資源の有効利用および環境問題の対策等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接、変換する太陽電池モジュールが世界中で広く使用されており、この太陽電池モジュールのさらなる開発が進められている。
一般に、太陽電池モジュールは、透光性の受光面側保護材と裏面側保護材(バックカバー)との間に、受光面側に配置される封止材および裏面側に配置される封止材で挟まれた複数個の太陽電池素子を封止した構成とされている。
受光面側および裏面側のそれぞれの側に用いられる封止材としては、安価であり高い透明性および接着性を有するEVAが好ましく用いられている(例えば特許第3473605号公報を参照)。
太陽電池モジュールが高温高湿の環境下または風雨に曝される室外等の環境下で長期に亘って使用されると、太陽電池モジュール内部に湿気または水等が浸入する場合がある。例えば、EVAからなる封止材を用いた場合には、EVAがその成分として酢酸ビニルを含むため、高温時における湿気または水等の浸入によって、EVAは経時的に加水分解して酢酸を生じ易い。そして、このようにして生じた酢酸が太陽電池モジュール内部に配置されている少なくとも配線部材または太陽電池素子の電極と接触して、これらの部材において錆の発生を促進させることが明らかになっている。
そこで、太陽電池モジュールの封止材に用いられる透明フィルムとして、平均粒径5μm以下である無機粉体の受酸剤を0.5質量%以下含むEVAフィルムを用いることが提案されている(例えば特開2005−29588号公報を参照)。この受酸剤を含むEVAフィルムによれば、酢酸の発生を抑制して、太陽電池モジュールの耐久性を向上させることが可能になる。
上述した通り、太陽電池モジュール内部に配置されている少なくとも配線部材または電極における錆の発生を低減して、太陽電池モジュールの耐久性を向上させるためには、受光面側および裏面側に用いられる封止材に受酸剤を添加するのが有効な手段である。
しかしながら、無機粉体の受酸剤の添加は封止材の透明性の低下を招く場合があるので、耐久性を向上させるために受酸剤を単に添加しただけでは太陽電池モジュールの発電性能を低下させる虞がある。
そこで、本発明は発電性能を低下させずに、太陽電池モジュール内部の少なくとも配線部材または電極における錆の発生を低減することによって、耐久性がさらに向上された太陽電池モジュールを提供することを目的の1つとする。
本発明に係る太陽電池モジュールは、受光面である第1面および該第1面に対して反対側に位置する第2面を有する太陽電池と、該太陽電池の前記第1面側に配置されている透光性の第1保護材と、前記太陽電池の前記第2面側に配置されている第2保護材と、前記太陽電池の前記第1面と前記第1保護材との間に配置されている第1封止材と、前記太陽電池の前記第2面と前記第2保護材との間に配置されている第2封止材とを備えているとともに、前記第1封止材および前記第2封止材のうち少なくとも一方が、EVAと、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物とを含んでいる。
上記構成の太陽電池モジュールによれば、前記第1封止材および前記第2封止材のうち少なくとも一方が、EVAと、受酸剤として機能する有機化合物とを含んでいることから、封止材の透明性を維持して発電性能が低下することなく、太陽電池モジュールの内部に配置されている少なくとも配線部材または電極における錆の発生を低減することができて、長期間に亘って高い発電性能を発揮することが可能であり、耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供できる。
本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す図であり、受光面側から見た平面図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す図であり、図1におけるA−A’線で切断した断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面において、同様な構成要素については同一符号を付すものとし、重複した説明を省略する。また、図面は模式的に示したものであるので、各図における構成要素のサイズおよび位置関係等は適宜変更できる。
図1および図2に示すように、太陽電池モジュール20は光が照射される側である受光面20aおよびこの受光面20aに対して反対側に位置する裏面20bを有している。また、太陽電池モジュール20の受光面20aおよび裏面20bのそれぞれに面した主面に電極(表面電極16,裏面電極17)が配置されている太陽電池である太陽電池素子10と、この太陽電池素子10の受光面(おもて面)である第1面10a側に配置されている透光性の第1保護材11と、太陽電池素子10の第1面10aに対して反対側に位置している裏面である第2面10b側に配置されている第2保護材14と、太陽電池素子10の第1面10aと第1保護材11との間に配置されている第1封止材12と、太陽電池素子10の第2面10bと第2保護材14との間に配置されている第2封止材13とを備えている。
そして、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方が、EVAと、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物とを含んでいる。以下、窒素を有する官能基を持つ有機化合物を「有機窒素化合物」と称する。例えば、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方が、有機窒素化合物が含有されたEVAから構成されていてもよい。また、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方が、配線部材または電極が配置されている部位の近傍に設けられた有機窒素化合物を含む第1領域と、その他の領域であるEVAから成る第2領域とで構成されていてもよい。
上記太陽電池は、1枚の太陽電池素子10でもよいし、図1および図2に示すように、複数個の太陽電池素子10が互いに配線部材15を介して直列または直並列に電気的に接続されている太陽電池素子ストリング等でもよい。太陽電池モジュール20において、複数個の太陽電池素子10同士は、隣接する一方の太陽電池素子10の受光面側に配置されている電極と、他方の太陽電池素子10の裏面側に配置されている電極とが、配線部材15を介して電気的に接続されている。
なお、太陽電池モジュール20は、第2保護材14の外側に、太陽電池素子10で発電された電力を外部に取り出すための端子ボックス(不図示)を備えていてもよい。
第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方に、EVAを含ませることによって、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方と、第1保護材11または第2保護材14との間の接着性を良好にすることができる。そして、太陽電池モジュール20の内部への水分等の浸入を低減できる簡便な封止が実現される。
また、本実施形態では、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方に、酢酸等の酸を吸収したり、酢酸等の酸を中和する機能が高い、受酸剤として機能する有機窒素化合物を含ませている。
これにより、従来の無機粉体からなる受酸剤に比べて、有機窒素化合物は同じく有機物であるEVAに対して均一に分散しやすい。
さらに、EVAの有機窒素化合物の含有率を多くしても、封止材の透明性を確保することができる。
これらのことから、太陽電池モジュール20の発電性能を低下させずに、太陽電池モジュール20の内部に配置されている少なくも配線部材15または電極において錆の発生が低減された耐久性等に優れた太陽電池モジュール20を提供できる。
具体的には、太陽電池素子10の第1面10a側に配置されている第1封止材12がEVAと有機窒素化合物とを含む場合には、100質量部のEVAに対して0.01〜0.5質量部の有機窒素化合物を含有させることによって、第1封止材12の透明性を確保することができて、発電性能を低下させずに、太陽電池モジュール20の内部に配置されている少なくとも配線部材15または電極において錆の発生が低減された耐久性等に優れた太陽電池モジュール20を提供できる。
特に、第1封止材12において、100質量部のEVAに対して0.075〜0.3質量部の有機窒素化合物を含有させることによって、第1面10a側に配置される第1封止材12の高い透明度を確保しつつ、太陽電池モジュール20の内部に配置されている少なくとも配線部材15または電極において錆の発生を低減することができて、発電性能をさらに向上させることができる。
また、太陽電池素子10の第2面10b側に配置される第2封止材13がEVAと有機窒素化合物とを含む場合には、100質量部のEVAに対して0.01質量部以上の有機窒素化合物を含ませることによって、発電性能を低下させずに、太陽電池モジュール20の内部に配置されている少なくとも配線部材15または電極において錆の発生が低減された太陽電池モジュール20を提供できる。
特に、第2封止材13において、100質量部のEVAに対して0.15〜1.0質量部の有機窒素化合物を含ませることによって、太陽電池モジュール20の内部に配置されている少なくとも配線部材15または電極において錆の発生をさらに好適に低減することができる。
また、第1封止材12および第2封止材13の双方に対して、EVAと有機窒素化合物とを含ませてもよい。この場合、特に、第2封止材13中のEVAに対する有機窒素化合物の含有率が、第1封止材12中のEVAに対する有機窒素化合物の含有率よりも大きくするとよい。なぜなら、一般に第1保護部材11よりも薄い第2保護材14保護されている第2面10b側に配置された第2封止材13側から水分が浸入しやすいからである。
有機窒素化合物としては、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンからなるアミン類、または、イミン類、アミド類、イミド類および>C=N?OHで表される構造を有するオキシム等を挙げることができる。その他の有機窒素化合物としては、尿素に代表されるウレア結合を有する化合物、ピリジン、イミダゾールおよびカルバゾール等に代表される、窒素原子を有する、単環式、複素環式化合物もしくはそれらの誘導体、または、水酸化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩を挙げることができる。
第1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミンおよびプロピルアミン等の、メチル基、エチル基およびプロピル基等のアルキル基、
または、エテニル基およびプロペニル基等のアルケニル基、
または、エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基等を有する、炭素数1〜18の飽和、不飽和脂肪族アミン、
または、メチレンジアミンおよびエチレンジアミン等のアミノ基を複数個有する、炭素数1〜18の飽和、不飽和脂肪族アミン、
または、トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよびエタノールアミン等のヒドロキシル基を含む置換基を有する、炭素数1〜18の飽和、不飽和脂肪族アミン、
または、グリシン、アラニンおよびヒスチジン等が含まれるアミノ酸類、
または、グルコースおよびセルロース等の単糖類、多糖類のアミン誘導体、
または、アニリンおよびトルイジン等の芳香族アミン等が挙げられる。
第2級アミンとしては、ジエチルアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジエタノールアミン等の炭素数1〜18の飽和脂肪族第2級アミンもしくは不飽和脂肪族第2級アミン、
または、ジフェニルアミン等の芳香族第2級アミン等が挙げられる。
第3級アミンとしてはトリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン等の炭素数1〜18の飽和脂肪族第3級アミンもしくは不飽和脂肪族第3級アミン、
または、トリフェニルアミン等の芳香族第3級アミン等が挙げられる。
イミン類としては、一般式(CHNHで示されるエチレンイミン、ピペラジン等の環状第二級アミン、
または、C=N二重結合を有するN−メチルエタンイミン、プロパン−2−イミン等が挙げられる。
アミド類またはイミド類としては、炭素原子数が4〜30である飽和脂肪酸であるラウリル酸等、
または、不飽和脂肪酸であるリノール酸もしくはリノレン酸等、
または、芳香族である安息香酸、サリチル酸もしくはフタル酸等から合成される、アミドまたはイミドが挙げられる。
また、有機窒素化合物としては、上述した物質の縮合体、重合体または共重合体を挙げることができる。
第2封止材13は着色剤をさらに含むものが好ましい。例えば、白色系の着色剤を用いることによって、太陽電池モジュール20内部における第1封止材12と第2封止材13との界面における光の反射、または、着色剤による光の乱反射等によって、太陽電池素子10同士の間に入射した光、または、太陽電池素子10を通過した光等を乱反射させて、再度、太陽電池素子10に入射させることができる。これにより、太陽電池モジュール20に入射した光の利用効率が高まるので、太陽電池モジュール20の発電性能を向上させることができる。また、暗色系の着色剤を用いることによって、太陽電池モジュール20の受光面側から確認できる第2封止材13が太陽電池素子10と同系色となるため、太陽電池モジュール20の外観上の美観を向上させることができる。
着色剤としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、亜鉛華(酸化亜鉛)、鉛白(塩基性炭酸鉛)、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウムもしくは石膏等の白色着色剤、
または、ウルトラマリン等の青色着色剤、
または、カーボンブラック等の黒色着色剤、
または、ガラスビーズおよび光拡散剤等の乳白色着色剤等を使用することができる。これらの中でも、特に白色着色剤を使用するのが発電性能を向上させる点で好ましい。
着色剤は、第2封止材13に含まれる100質量部のEVAに対して、好ましくは2〜10質量部、より好ましくは3〜6質量部含まれることとする。そして、着色剤の平均粒子径は0.01〜10μmとして、特に0.1〜5μmとするのが好ましい。これにより入射光の利用効率を高くすることができる。なお、着色剤の平均粒子径は第2封止材13の断面を透過型電子顕微鏡を用いて倍率100万倍程度で観測することによって、少なくとも100個の着色剤の投影面積円相当径を求めた平均値とする。
第2封止材13はさらに滑剤を含むのが好ましい。これにより、封止材の接着性が向上して、太陽電池モジュール20内部へ水分等が浸入するのを低減することが可能となる。
滑剤としてはホスファイト系化合物を用いることが好ましい。ホスファイト系化合物としては、デシルホスファイト等のアルキルホスファイト、デシルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート等のアルキルもしくはアリールアシッドホスフェート、
トリヘキシルホスフェート、トリクレシルホスフェート等のトリアルキルもしくはトリアリールホスフェート、または、ジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
滑剤の含有量は、第2封止材13に含まれる100質量部のEVAに対して、0.01〜5.0質量部、特に0.1〜0.4質量部であるのが好ましい。
第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方はEVAを含んでいる。EVAにおける酢酸ビニルの含有量は、100質量部のEVAに対して、20〜35質量部、さらには22〜30質量部、特に24〜28質量部とするのが好ましい。酢酸ビニルの含有量を上記範囲とすることによって、高温で架橋硬化させた場合に得られる封止材の透明性を確保することできる。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は架橋剤をさらに含むのが好ましい。これによりEVAを架橋硬化させることができて、耐久性を向上することができる。
架橋剤としては接着力、透明性、耐湿性および耐貫通性の温度依存性が改善された封止材が得られることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してフリーラジカルを発生するものであれば使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性および貯蔵安定性等を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3−ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド等が好ましく挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いられてもよい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方における架橋剤の含有量は、100質量部のEVAに対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜2質量部であることとする。架橋剤の含有量を上記範囲とすることによって、封止材の透明性を維持しつつ、共重合体との相溶性を良くすることができる。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は、必要に応じて、さらに架橋助剤を含んでいてもよい。架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させて、耐久性を向上させることができる。
架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例えば、NKエステル等)の単官能または2官能の架橋助剤等を挙げることができる。これらの内、特にトリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方における架橋助剤の含有量は、100質量部のEVAに対して、0.1〜3質量部、特に0.1〜2.5質量部とするのが好ましい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は、太陽電池モジュール20の内部の封止性能を考慮すると、優れた接着力を有するのが好ましい。したがって、第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は接着向上剤をさらに含んでいるのがよい。
接着向上剤としてはシランカップリング剤を用いることができる。これにより優れた接着力を有する封止材を形成することが可能となる。シランカップリング剤としてはγ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は単独または2種以上組み合わせて使用することができる。これらの内、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく用いることができる。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方におけるシランカップリング剤の含有量は、100質量部のEVAに対して、0.1〜0.7質量部、特に0.15〜0.65質量部であることが好ましい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良または調整のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物およびエポキシ基含有化合物等から選択される1種以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は上記のうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。第1封止材12または第2封止材13のそれぞれにおける可塑剤の含有量は、100質量部のEVAに対して5質量部以下の範囲が好ましい。
アクリロキシ基含有化合物およびメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体であり、例えばアクリル酸またはメタクリル酸のエステルを挙げることができる。エステル残基の例としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。
また、エステルとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレートまたはブチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方におけるアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物、またはエポキシ基含有化合物の含有量は、それぞれ100質量部のEVAに対して、0.5〜5質量部、特に1〜4質量部であるのが好ましい。
さらに、第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方は、紫外線吸収剤、光安定剤および劣化抑制剤を含んでいてもよい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方が紫外線吸収剤を含むことによって、照射された光等の影響によってEVAが劣化し、封止材が黄変するのを抑制することができる。紫外線吸収剤としては特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方のそれぞれにおけるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、100質量部のEVAに対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方が光安定剤を含むことによっても、照射された光等の影響によってEVAが劣化して、封止材が黄変するのを抑制することができる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(これらはいずれも株式会社ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(これらはいずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよい。第1封止材12または第2封止材13のそれぞれにおける光安定剤の配合量は、100質量部のEVAに対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
劣化抑制剤としては、例えば、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤またはイオウ系熱安定剤等が挙げられる。
第1封止材12の厚さは第2封止材13の厚さよりも厚いことが好ましい。これにより太陽電池モジュール20に加わった応力を第1封止材12が第2封止材13よりも多く吸収できる。このため、第1封止材12と第1保護材11との界面における剥離によって、太陽電池モジュール20の内部に水分等が浸入するのを抑制することができて、錆の発生を好適に低減することが可能となる。第1封止材12の厚さは、0.4mm〜1.2mm、特に0.6mm〜1.0mmとするのが好ましい。一方、第2封止材13の厚さは、第1封止材12よりも薄くて、且つ0.2mm〜0.8mm、特に0.4mm〜0.6mmとするのが好ましい。
上述した第1封止材12および第2封止材13を形成するには、公知の方法に準じて行なえばよい。例えば、上述した各種成分を含む組成物を、通常の押出成形またはカレンダ成形(カレンダリング)等の成形方法によってシート状体を製造することができる。特に、押出成形等の成形方法を用いて加熱圧延することによって成形する場合、このときの加熱は一般に50〜90℃の範囲である。
着色剤を含む第2封止材13を作製する場合には、予め高濃度の着色剤をEVAと混合してマスターバッチを作製して、このマスターバッチに上述した他の成分をさらに混合して組成物を得るのが着色剤を高く分散する上で好ましい。
また、前記組成物を溶剤に溶解させて、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布して、その後、乾燥させて塗膜を形成することによってシート状体を得ることもできる。
以上のようにして、第1封止材12および第2封止材13の間に太陽電池素子10等の被封止部材を介在させて、この被封止部材を封止することができる。
太陽電池素子10は、光を受けて発電するものであり、一般的な太陽電池モジュール20では高い起電力を得るために、複数の太陽電池素子10を直列または直並列に接続されて、第1封止材12および第2封止材13の間に封止される。
第1封止材12および第2封止材13を用いた太陽電池モジュール20の構造は、特に制限されないが、図1および図2に示すように、第2保護材14、第2封止材13、太陽電池素子10、第1封止材12、および透光性の第1保護材11が、これらの順に配置された構造である。換言すれば、上記太陽電池モジュール20の構造は、透光性の第1保護材11を被覆する第1封止材12と、第2保護材14を被覆する第2封止材13とを有しており、第1封止材12および第2封止材13の双方に接触するように、第1封止材12および第2封止材13の間に太陽電池素子10が配置されている。
第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方に含まれるEVAを架橋硬化させることによって、これらの第1封止材12および第の封止材13の間に太陽電池素子10を好適に封止することができる。なお、太陽電池素子10は、シリコン発電素子のような単結晶または多結晶シリコン基板からなる太陽電池素子だけでなく、アモルファスシリコン等の薄膜太陽電池素子または銅−インジウム−ガリウム−セレンの化合物からなるCIGSもしくはCdTc等の材料で形成された太陽電池素子でもよい。また、太陽電池素子10は裏面のみに電極を有するバックコンタクト構造を採用したものであっても構わない。
太陽電池モジュール20において、太陽電池素子10を十分に封止するには、透光性の第1保護材11、第1封止材12、太陽電池素子10、第2封止材13および第2保護材14をこの順で積層して、得られた積層体を加熱加圧等の常法に従って、第1封止材12および第2封止材13を硬化させればよい。
加熱加圧するには、例えば、積層体を真空ラミネータで温度135〜180℃、好適には140〜180℃、さらに好適には155〜180℃において、脱気時間0.1〜5分間、プレス圧力11〜147kPa、プレス時間5〜15分間の条件で圧着すればよい。
透光性の第1保護材11は、例えば、珪酸塩ガラス等のガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は一般に、化学的に或いは熱的に強化させたものであってもよい。
第2保護材14は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチックフィルムであるが、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムが好ましい。
なお、太陽電池モジュール20は透光性の第1保護材11、第2保護材14、および太陽電池素子10等の封止材以外の部材については、従来公知の太陽電池モジュール20と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以上、本発明に係る実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
例えば、第1封止材12が受酸剤として機能する有機窒素化合物を含むEVAからなり、第2封止材13はEVAを用いず、非エステル系の熱可塑性樹脂からなる太陽電池モジュールであっても構わない。この非エステル系の熱可塑性樹脂とは、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体を主成分とし、ポリエチレン化合物を重合した熱可塑性樹脂である。また、加水分解によって酢酸等の腐食生成物を生じず、太陽電池素子10に加わる衝撃を緩和する柔軟性を持つものであればよく、重合する化合物はポリエチレン化合物に代えて、環状オレフィン化合物またはビニル芳香族化合物、ポリエン化合物、プロピレン化合物、ブテン化合物、ヘキセン化合物もしくはオクテン化合物を用いてもよく、または、これらのうち1種以上を重合して用いてもよい。なお、プロピレン化合物とはエチレン−α−オレフィン共重合体と重合したプロピレンであり、同様にブテン化合物はエチレン−α−オレフィン共重合体と重合したブテンであり、ヘキセン化合物とはエチレン−α−オレフィン共重合体と重合した1−ヘキセンであり、オクテン化合物とはエチレン−α−オレフィン共重合体と重合した1−オクテンである。
このような第2封止材13は、第1封止材12との相違点として、エステル系の酢酸ビニルを含まないことから、吸湿による加水分解に伴って、腐食性生成物である酢酸を生じることがない。なお、第1封止材12に非エステル系の熱可塑性樹脂を、第2封止材13に受酸剤として機能する有機窒素化合物を含むEVAを用いても構わないが、透明性を考慮すれば、第1封止材12にEVAを用いることが好ましい。
また、有機窒素化合物は、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方において、封止材中に均一に分散させるのではなく、太陽電池素子10側、特に太陽電池素子10に配置されている電極および配線部材15側に、その含有量が他の領域よりも多くなるように偏在させるようにしてもよい。
この場合、まず、例えば太陽電池素子10を十分に封止する前に、電極および配線部材15の上に予め有機窒素化合物の濃度が高い封止材を配置しておき、少なくとも第1封止材11または第2封止材12の一部を形成しておく。その後、第1保護材11、(残りの)第1封止材12となる部材、太陽電池素子10、(残りの)第2封止材13となる部材および第2保護材14をこの順で積層して積層体を形成する。そして、上述したように、得られた積層体を加熱加圧等常法に従って、第1封止材12および第2封止材13を硬化させればよい。
このようにして、第1封止材12および第2封止材13のうち少なくとも一方において、有機窒素化合物が太陽電池素子10側に偏在させることによって、有機窒素化合物の全体の含有量を少なくすることができて、少なくとも配線部材15または電極における錆の発生を確実に効果的に低減することができる。ひいては、発電性能を低下させずに耐久性等を向上させた優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
次に、上述した実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
まず、以下に述べる製造方法によって、1個の太陽電池素子10を備えた太陽電池モジュール20である試料No.1−15を作製した。
太陽電池素子10に用いる半導体基板として、平面視した場合に正方形であり、その正方形の1辺が約156mm、厚さが約200μmの多結晶シリコン基板を各試料につき5個を用意した。これらの多結晶シリコン基板は、ボロンをドープすることによって、比抵抗1.5Ω・cm程度のp型の導電型を呈するようにした。
また、この多結晶シリコン基板における第1面10a側に、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いて凹凸構造(テクスチャ)を形成した。次に、オキシ塩化リン(POCl)を拡散源とした気相熱拡散法によってリンを拡散させて、シート抵抗が90Ω/□程度のn型層を各多結晶シリコン基板の第1面10a側に形成した。
太陽電池素子10の第1面10aに形成した表面電極16は、銀からなる導電性ペーストを、図1に示すような直線状パターンにスクリーン印刷法で塗布した後に乾燥させて焼成して作製した。
また、太陽電池素子10の第2面10bに形成した裏面電極17は、まず、アルミニウムからなる導電性ペーストを所定領域にスクリーン印刷法で塗布した後に乾燥させて表面電極16と同時に焼成して形成した。その後、銀からなる導電性ペーストを、表面電極16と同様な形状の直線状パターンにスクリーン印刷法で塗布した後に乾燥させて焼成して裏面電極17を形成した。その後、太陽電池素子10の表面電極16および裏面電極17に、所定長さの銅箔からなるリード線をハンダ付けした。
次に、大きさ約180mm角、厚さ約3.2mmの白板強化ガラスの第1保護材11、後述する第1封止材12、上記太陽電池素子10、後述する第2封止材13および厚さ約0.3mmのPETからなるフィルム状の第2保護材14を、この順で積層して、得られた積層体を下記の加熱加圧法によって、第1封止材12および第2封止材13を軟化させて、その後一体化して太陽電池モジュール20を作製した。なお、太陽電池素子10の表面電極16および裏面電極17にハンダ付けしたリード線は、太陽電池モジュール20が完成した後、その出力特性を測定できるように、この積層体の外側に導出した。
ここで、第1封止材12および第2封止材13はいずれもEVAからなるものであり、EVA中に受酸剤を添加した場合、表1に示すように、100質量部のEVAに対する有機窒素化合物(ジエタノールアミン)の含有率(質量部)を設定した。また、第1封止材12の厚さは0.7mmとし、第2封止材13の厚さは0.5mmとした。
上記積層体の加熱加圧は、積層体を真空ラミネータで、温度約170℃において、脱気時間約3分間、プレス圧力約108kPa、プレス時間約7分間の条件で圧着を行った。
次に、試料No.1−15(各試料5個)の太陽電池モジュールを、温度125℃、相対湿度95%の恒温恒湿試験機に投入して、表1に示すように、初期出力(0時間)、200時間後および400時間後における出力を測定して各試料の平均値を求めた。さらに、各試料を上記恒温恒湿試験機に投入してから400時間後の出力の維持率について、400時間後の出力を初期出力で除した値(以下、出力維持率という)を表1に示す。なお、出力の測定はJISC 8913に準拠して、AM(Air Mass)1.5および100mW/cmの照射の条件下にて行った。
また、試料No.1−15について、太陽電池素子10の表裏に設けた電極の劣化について目視により観察した。
Figure 2013073637
表1に示すように、第1封止材12および第2封止材13の双方に上記有機窒素化合物を添加しなかった太陽電池モジュール20の試料No.15では、出力維持率が0.650と低い値であり、さらに太陽電池素子10の電極の劣化を目視で確認した。この結果に対して、第1封止材12および第2封止材13の少なくとも一方に、上記有機窒素化合物を添加した太陽電池モジュールの試料No.1−14では、いずれも出力維持率が0.700以上であり、太陽電池素子10の電極の劣化も確認されず、太陽電池モジュール20の耐久性が向上したことを確認した。
また、試料No.1−14の内、第1封止材のEVAにのみ受酸剤を含有させる場合、特に上記有機窒素化合物の含有率が0.075質量部以上0.3質量部以下では初期出力が4.104W以上であり、かつ出力維持率が0.965以上であり、太陽電池モジュール20の良好な初期特性および耐久性を確認した。
また、試料No.8−13の内、第2封止材のEVAにのみ受酸剤を含有させる場合、特に上記有機窒素化合物の含有率が0.15質量部以上1質量部以下では初期出力が4.123W以上で、かつ出力維持率が0.950以上であり、太陽電池モジュール20の良好な耐久性を確認することができた。また有機窒素化合物の含有率が0.01質量部以下および1.5質量部のものでは、出力維持率が0.893以下の低い値であった。これは有機窒素化合物の含有率が小さすぎたためか、含有率が大きすぎてEVAの重合が不十分となり太陽電池モジュール20の耐久性が低下したと思われる。
さらに、試料No.14からわかるように、上記有機窒素化合物は第1封止材12および第2封止材13の双方に含有させてもよく、その傾向は第1封止材12および第2封止材13の一方に有機窒素化合物を含有させた試料と同様であることを確認した。
10 :太陽電池素子
11 :第1保護材
12 :第1封止材
13 :第2封止材
14 :第2保護材
15 :配線部材
20 :太陽電池モジュール
本発明に係る太陽電池モジュールは、受光面である第1面および該第1面に対して反対側に位置する第2面を有する太陽電池と、該太陽電池の前記第1面側に配置されている透光性の第1保護材と、前記太陽電池の前記第2面側に配置されている第2保護材と、前記太陽電池の前記第1面と前記第1保護材との間に配置されている第1封止材と、前記太陽電池の前記第2面と前記第2保護材との間に配置されている第2封止材とを備えているとともに、前記第1封止材および前記第2封止材のうち少なくとも一方が、EVAと、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物であるジエタノールアミンとを含んでいる。

Claims (10)

  1. 受光面である第1面および該第1面に対して反対側に位置する第2面を有する太陽電池と、
    該太陽電池の前記第1面側に配置されている透光性の第1保護材と、
    前記太陽電池の前記第2面側に配置されている第2保護材と、
    前記太陽電池の前記第1面と前記第1保護材との間に配置されている第1封止材と、
    前記太陽電池の前記第2面と前記第2保護材との間に配置されている第2封止材とを備えているとともに、
    前記第1封止材および前記第2封止材のうち少なくとも一方が、エチレン酢酸ビニル共重合体と、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物とを含んでいる太陽電池モジュール。
  2. 前記有機化合物がジエタノールアミンである請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第1封止材が、前記エチレン酢酸ビニル共重合体と前記有機化合物とを含んでおり、100質量部の前記エチレン酢酸ビニル共重合体に対して0.075〜0.3質量部の前記有機化合物を含んでいる請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第2封止材が、前記エチレン酢酸ビニル共重合体と前記有機化合物とを含んでおり、100質量部の前記エチレン酢酸ビニル共重合体に対して0.15〜1.0質量部の前記有機化合物を含んでいる請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第1封止材および前記第2封止材が、エチレン酢酸ビニル共重合体と、窒素を有する官能基を持ち受酸剤として機能する有機化合物とを含んでおり、前記第2封止材中の前記エチレン酢酸ビニル共重合体に対する前記有機化合物の含有率が、前記第1封止材中の前記エチレン酢酸ビニル共重合体に対する前記有機化合物の含有率よりも大きい請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記第2封止材が着色剤をさらに含んでいる請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記第2封止材が滑剤をさらに含んでいる請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記滑剤がホスファイト系化合物である請求項7に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記第1封止材の厚さが前記第2封止材の厚さよりも厚い請求項1乃至8のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記第1封止材および前記第2封止材のうち少なくとも一方において、前記有機化合物が前記太陽電池側に偏在している請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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