JPWO2013073496A1 - 電磁コイル及びその製造方法、並びに絶縁テープ - Google Patents
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Abstract
本発明は、コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルであって、前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする電磁コイルである。この電磁コイルは、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を備えている。また、本発明は、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含み且つ前記マイカ層に積層された補強層とを有する絶縁テープであって、前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする絶縁テープである。この絶縁テープは、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える。
Description
本発明は、電磁機器(例えば、回転機等)に用いられる電磁コイル及びその製造方法、並びに絶縁テープに関し、特に、熱伝導性及び耐電圧特性に優れた電磁コイル及びその製造方法、並びに当該電磁コイルの製造に用いられる絶縁テープに関するものである。
電磁機器(例えば、回転機等)に用いられる電磁コイルの絶縁被覆体には、マイカ(雲母)、無機粒子及び熱硬化性樹脂を含む複合材料が一般に用いられている。このような電磁コイルの絶縁被覆体は、電磁機器の運転中において、電磁コイルの温度上昇によって熱劣化していくため、効率良く冷却することによって劣化を抑制する必要がある。
そこで、従来から電磁コイルの絶縁被覆体の高熱伝導化が求められており、絶縁被覆体に配合する無機粒子として熱伝導性が高い無機粒子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、電磁コイルは、コイル導体に絶縁テープを巻き付けた後、絶縁テープに液状の樹脂組成物を含浸させて所定の厚さに型締めし、最後に樹脂組成物を硬化させることによって製造されるところ、従来の電磁コイルでは、型締めの際に、含浸させた樹脂組成物と共に絶縁テープに含まれる無機粒子が絶縁テープの外部に流失してしまうという問題がある。そのため、無機粒子として熱伝導性が高い無機粒子を用いても、熱伝導性の向上効果が十分に得られない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を備えた電磁コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える絶縁テープを提供することを目的とする。
また、本発明は、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える絶縁テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究した結果、無機粒子として六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を用いることにより、無機粒子の外部流失を抑制し、絶縁被覆体中に無機粒子を高充填化させ得ることを見出した。
すなわち、本発明は、コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルであって、前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする電磁コイルである。
また、本発明は、コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルの製造方法であって、前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含み、前記マイカ、前記繊維強化材及び前記無機粒子を含む絶縁テープを、前記コイル導体に巻き付ける工程と、前記コイル導体に巻き付けた前記絶縁テープに液状の樹脂組成物を含浸させて硬化させる工程とを含む電磁コイルの製造方法である。
また、本発明は、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含み且つ前記マイカ層に積層された補強層とを有する絶縁テープであって、前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする絶縁テープである。
さらに、本発明は、コイル導体と、前記コイル導体の外周部に巻き付けた上記の絶縁テープを有し、前記絶縁テープが樹脂によって前記コイル導体と一体化された絶縁被覆体とを備えていることを特徴とする電磁コイルである。
さらに、本発明は、コイル導体と、前記コイル導体の外周部に巻き付けた上記の絶縁テープを有し、前記絶縁テープが樹脂によって前記コイル導体と一体化された絶縁被覆体とを備えていることを特徴とする電磁コイルである。
本発明によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を備えた電磁コイル及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える絶縁テープを提供することができる。
また、本発明によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える絶縁テープを提供することができる。
実施の形態1
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による電磁コイルの断面図である。
図1において、電磁コイル1は、コイル導体2と、コイル導体2上に積層された絶縁被覆体6とから構成される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による電磁コイルの断面図である。
図1において、電磁コイル1は、コイル導体2と、コイル導体2上に積層された絶縁被覆体6とから構成される。
絶縁被覆体6は、複数の絶縁層5を積層して形成され、各絶縁層5は、マイカ層3及び補強層4の積層物から形成される。すなわち、絶縁被覆体6は、マイカ層3と補強層4とが交互に積層された絶縁物である。
図2は、図1中の1つの絶縁層5(マイカ層3及び補強層4)を部分的に拡大して示す断面図である。
図2において、マイカ層3は、マイカ(雲母)を含む層である。また、マイカ層3は、互いに重ねられた複数枚のマイカの形態で含むことができる。マイカとしては、特に限定されないが、集成マイカ、フレークマイカ、集成マイカ等を用いることができる。また、マイカ層3は、マイカの他に、樹脂を含むことができる。
マイカ層3に使用される樹脂は、マイカを結合させる成分である。マイカ層3に使用可能な樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。
図2において、マイカ層3は、マイカ(雲母)を含む層である。また、マイカ層3は、互いに重ねられた複数枚のマイカの形態で含むことができる。マイカとしては、特に限定されないが、集成マイカ、フレークマイカ、集成マイカ等を用いることができる。また、マイカ層3は、マイカの他に、樹脂を含むことができる。
マイカ層3に使用される樹脂は、マイカを結合させる成分である。マイカ層3に使用可能な樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。
マイカ層3の厚さt3は、電磁コイル1の耐久年数に応じて適宜調整可能であり、特に限定されない。マイカ層3の好ましい厚さt3は、60μm≦t3≦150μmの範囲内である。ただし、マイカ自体の熱伝導性が低いので、耐電圧特性と熱伝導性とのバランスを考慮すると、マイカ層3の厚さt3は、80μm≦t3≦120μmの範囲内にすることがより好ましい。
補強層4は、繊維強化材7、無機粒子8及び樹脂9を含む層である。
また、無機粒子8は、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含む。
また、無機粒子8は、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含む。
二次凝集粒子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて製造したものを用いることができる。
ここで、六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、黒鉛と同様の層状の結晶構造を有しており、その粒子形状は、図3に示すように鱗片状である。また、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10は、長径方向の熱伝導率が高く、短径方向の熱伝導率が低いという異方的な熱伝導性を有しており、長径方向と短径方向との間の熱伝導率の差は、数倍から数十倍と言われている。
従って、絶縁層5の所望とする伝熱方向に六方晶窒化ホウ素の一次粒子10の長径方向を配向させることが、最も効率の良い熱伝導性の向上手法であるが、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10の配向を制御することは、電磁コイル1の製法上難しい。実際、図4に示すように、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10を無機粒子8として用いた絶縁層5では、一次粒子10の長径方向が絶縁層5の厚み方向と垂直に配向してしまうため、絶縁層5の厚み方向の熱伝導性が十分に向上しない。なお、図4では、理解し易くするために、補強層4中に含まれる繊維強化材7については図示していない。また、図4中の矢印は、熱伝導が良好な方向を表す。
従って、絶縁層5の所望とする伝熱方向に六方晶窒化ホウ素の一次粒子10の長径方向を配向させることが、最も効率の良い熱伝導性の向上手法であるが、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10の配向を制御することは、電磁コイル1の製法上難しい。実際、図4に示すように、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10を無機粒子8として用いた絶縁層5では、一次粒子10の長径方向が絶縁層5の厚み方向と垂直に配向してしまうため、絶縁層5の厚み方向の熱伝導性が十分に向上しない。なお、図4では、理解し易くするために、補強層4中に含まれる繊維強化材7については図示していない。また、図4中の矢印は、熱伝導が良好な方向を表す。
そこで、図5に示すような、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10が様々な方向を向いた凝集粉(一次粒子10を凝集させて形成した二次凝集粒子11)を作製し、この二次凝集粒子11を無機粒子8として配合することにより、図6に示すように、六方晶窒化ホウ素の一次粒子10の形状に起因する異方的な熱伝導性を低減し、絶縁層5の厚み方向の熱伝導性を向上させることできる。なお、図6では、理解し易くするために、補強層4中に含まれる繊維強化材7については図示していない。また、図6中の矢印は、熱伝導が良好な方向を表す。その結果、絶縁被覆体6の熱伝導性が向上するので、コイル導体2を効率良く冷却することが可能になる。
また、一般に、電磁コイル1は、コイル導体2に絶縁テープを巻き付けた後、絶縁テープに液状の樹脂組成物を含浸させて所定の厚さに型締めし、最後に樹脂組成物を硬化させることによって製造される。このとき、絶縁テープに無機粒子8を担持させるために接着剤(樹脂9)が必要であると共に、絶縁テープと絶縁テープに含浸させる樹脂組成物とを一体化させるために、その接着剤(樹脂9)には、絶縁テープに含浸させる樹脂組成物との相溶性が良いことが要求される。そのため、絶縁テープに樹脂組成物を含浸させた際に、絶縁テープに含浸させた樹脂組成物に接着剤(樹脂9)が溶解し、型締めの際に、無機粒子8が、コイル導体2に巻き付けた絶縁テープの隙間から、含浸させた樹脂組成物と共に外部に流失してしまう。この流失現象は、無機粒子8の粒径に主に起因しており、無機粒径7が小さいと外部流失が多くなる傾向にある。
しかし、二次凝集粒子11を無機粒子8として用いた場合、二次凝集粒子11の粒径が比較的大きいため、絶縁テープから二次凝集粒子11の物理的な移動が起こり難い。その結果、型締めの際の二次凝集粒子11の外部流失を抑制し、補強層4中に二次凝集粒子11を高充填化させることが可能となる。
しかし、二次凝集粒子11を無機粒子8として用いた場合、二次凝集粒子11の粒径が比較的大きいため、絶縁テープから二次凝集粒子11の物理的な移動が起こり難い。その結果、型締めの際の二次凝集粒子11の外部流失を抑制し、補強層4中に二次凝集粒子11を高充填化させることが可能となる。
また、二次凝集粒子11と樹脂9との間の接触面積は、一次粒子10と樹脂9との間の接触面積に比べて小さいため、無機粒子8として二次凝集粒子11を用いることにより、無機粒子8と樹脂9との間の接着強度を向上させることもできる。
無機粒子8は、上記の二次凝集粒子11に加えて、当該技術分野において公知のものをさらに含むことができる。上記の二次凝集粒子11以外に使用可能な無機粒子8としては、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、炭化珪素等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機粒子8の最大粒径Dmaxについては、特に限定されないが、絶縁層5の厚み制御及び熱伝導性の観点から、Dmax≦50μmであることが好ましい。無機粒子8の最大粒径Dmax>50μmとなると、無機粒子8の最大粒径Dmaxの増加に伴って樹脂9との間の接着性が低下し易くなる。その結果、樹脂9と無機粒子8との界面にクラックが発生し易くなり、耐電圧性が低下することがある。
また、無機粒子8の平均粒径Daveは、絶縁層5の熱伝導性等の観点から、補強層4の厚みt4に対し、0.5×t4≦Dave≦1.2×t4の範囲内であることが好ましい。無機粒子8の平均粒径Dave<0.5×t4であると、マイカ層3との間に熱伝導の経路が形成され難くなる。また、絶縁被覆体6の製造時に、繊維強化材7の隙間から無機粒子8が流出し易くなるため、所望の熱伝導率が得られ難くなる。一方、無機粒子8の平均粒径Dave>1.2×t4であって、絶縁被覆体6のマイカ含有量を一定とした場合には、平均粒径Daveに応じて補強層4の厚みt4が増大する傾向にあり、結果的に絶縁被覆体6の厚みが増加してしまう。また、絶縁被覆体6の厚みを一定とした場合には、マイカ含有量が減少するので、長期耐電圧性が低下してしまう。
なお、無機粒子8の平均粒径Daveが、補強層4の厚みt4の1.2倍(>1倍)になり得るのは、横長の無機粒子8が横たわる形で補強層4内に配置されるからである。すなわち、無機粒子8、特に二次凝集粒子11は、絶縁被覆体6の形成時に、その凝集構造が適宜崩れた状態で配置され得る。
平均粒径Dave及び最大粒径Dmaxの測定方法については、後述する。
平均粒径Dave及び最大粒径Dmaxの測定方法については、後述する。
補強層4中の無機粒子8の割合は、特に限定されないが、熱伝導性の観点から、40〜65質量%であることが好ましい。無機粒子8の割合が40質量%未満であると、所望の熱伝導性が得られ難い。一方、無機粒子8の割合が65質量%を超えると、補強層4中の樹脂9の割合が少なくなるため、マイカ層3と補強層4との間で剥離が起こり易くなる。その結果、絶縁被覆体6の耐電圧性が低下し易くなる。
なお、補強層4中の無機粒子8の割合は、以下の手順(1)〜(8)により求めることができる。
(1)1cm角に切断した絶縁層5を500℃で灰化し、樹脂9の質量を測定する。
(2)上記(1)の灰化試料を比重液によって、マイカ、繊維強化材7、無機粒子8(二次凝集粒子、及びそれ例外の無機粒子)に分離し、各質量を計測する。各分離物の組成については、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)によって含有元素を特定する。
(3)絶縁層5の断面を観察し、マイカ層3の厚みt3及び補強層4の厚みt4を測定する。
(4)上記(2)で求めたマイカ質量/マイカ比重(=2.7)により、マイカ層3の厚みt3におけるマイカ厚みを求める。
(2)上記(1)の灰化試料を比重液によって、マイカ、繊維強化材7、無機粒子8(二次凝集粒子、及びそれ例外の無機粒子)に分離し、各質量を計測する。各分離物の組成については、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)によって含有元素を特定する。
(3)絶縁層5の断面を観察し、マイカ層3の厚みt3及び補強層4の厚みt4を測定する。
(4)上記(2)で求めたマイカ質量/マイカ比重(=2.7)により、マイカ層3の厚みt3におけるマイカ厚みを求める。
(5)マイカ層3の厚みt3から、上記(4)で求めたマイカ厚みを差し引き、マイカ層3の樹脂厚みを求める。
(6)上記(5)で求めた樹脂厚み/樹脂比重から、マイカ層3における樹脂質量を算出する。
(7)上記(1)で求めた絶縁層5の樹脂質量から、上記(5)で求めたマイカ層3における樹脂質量を差し引き、補強層4における樹脂質量とする。
(8)上記(2)で求めた繊維強化材7、無機粒子8(二次凝集粒子、及びそれ以外の無機粒子)の合計質量と、上記(7)で求めた補強層4における樹脂質量とから、補強層4中の無機粒子8の質量比率を算出する。
(6)上記(5)で求めた樹脂厚み/樹脂比重から、マイカ層3における樹脂質量を算出する。
(7)上記(1)で求めた絶縁層5の樹脂質量から、上記(5)で求めたマイカ層3における樹脂質量を差し引き、補強層4における樹脂質量とする。
(8)上記(2)で求めた繊維強化材7、無機粒子8(二次凝集粒子、及びそれ以外の無機粒子)の合計質量と、上記(7)で求めた補強層4における樹脂質量とから、補強層4中の無機粒子8の質量比率を算出する。
補強層4に用いられる樹脂9は、無機粒子8を担持させる成分である。補強層4に使用可能な樹脂9としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。なお、補強層4に用いられる樹脂9は、マイカ層3に用いられる樹脂と同じ成分であることができる。
補強層4に用いられる繊維強化材7としては、特に限定されないが、強度的及びコスト的に最良の材料であるガラスクロスを用いることが好ましい。ガラスクロスは、ガラス繊維が縦横に編込まれた布状材料であり、マイカ層3を支持して機械的に補強することができる。
繊維強化材7は、無機粒子8を捕捉可能な隙間(例えば、ガラスクロスの場合、ガラス繊維の交叉部に形成される開口部)を有する。
繊維強化材7は、無機粒子8を捕捉可能な隙間(例えば、ガラスクロスの場合、ガラス繊維の交叉部に形成される開口部)を有する。
繊維強化材7の開口率K7は、35%≦K7≦90%の範囲内であることが好ましい。繊維強化材7の開口率K7<35%であると、無機粒子8を繊維強化材7の開口部に捕捉し難くなる。また、繊維強化材7上に無機粒子8が存在することになるため、補強層4が厚くなり、熱伝導性が低下し易くなる。一方、繊維強化材7のK7>90%であると、繊維強化材7の開口部が多くなり、繊維強化材7の開口部に無機粒子8を捕捉し易いことから、絶縁層5の厚み制御が容易になる。その反面、電磁コイル1の製造時に、繊維強化材7の隙間から無機粒子8が流出し易くなるため、熱伝導性が低下し易い。
繊維強化材7の開口部の一辺の長さは、無機粒子8の大きさとの関係性があることから、50μm以上に設定することが好ましい。また、開口部のピッチが大きくなると機械的強度が低下し易いため、機械的強度の観点から、開口部の一辺の長さは2mm以下であることが好ましい。
また、繊維強化材7の厚さt7は、通常、10μm≦t7≦40μmの範囲内であることが好ましい。特に、繊維強化材7の厚さt7は、無機粒子8の径D8に対し、0.8×D8≦t7≦2×D8の範囲内であることがより好ましい。これは、繊維強化材7の厚さt7が無機粒子8の径D8に近い方が、絶縁層5の厚み制御が容易になる上、繊維強化材7の隙間からの無機粒子8の流出を抑制することができるからである。
各絶縁層5において、マイカ層3と補強層4との厚み比R(マイカ層3の厚みt3/補強層4の厚みt4)は、1.6≦R≦2.2の範囲内であることが好ましい。当該比R<1.6であると、マイカ層3(マイカ含有量)が少なくなるため、絶縁層5の長期耐電圧性が低下することがある。一方、当該比R>2.2であると、高熱伝導化に有効な補強層4が少なくなるため、絶縁層5(絶縁被覆体6)の高熱伝導化が得られ難い。
以上、マイカ層3及び補強層4に関する構成について述べたが、これらの層(絶縁被覆体6)における各成分の体積割合は、熱伝導性及び耐電特性の観点から、マイカが45〜55vol%、繊維強化材7が5〜7vol%、無機粒子8が3〜12vol%、樹脂9が30〜45vol%の範囲内であることが好ましい。この体積割合は、バランス的に良好であり、熱伝導性及び耐電特性を安定して向上させることができる。
コイル導体2としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
次に、本発明の実施の形態1による電磁コイル1の製造方法について説明する。
まず、マイカ、繊維強化材7及び無機粒子8を含む絶縁テープをコイル導体2に複数回、半重ね巻にて巻き付ける。
次に、絶縁テープを巻き付けたコイル導体2に液状の樹脂9(未硬化の樹脂:例えば、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物)を含浸させて、所定の厚さに型締めし、最後に樹脂9を硬化させることによって電磁コイルを得ることができる。
この方法によれば、絶縁被覆体6の厚さを必要以上に厚くすることなく、耐電圧特性及び熱伝導性に優れた電磁コイル1を得ることができる。
まず、マイカ、繊維強化材7及び無機粒子8を含む絶縁テープをコイル導体2に複数回、半重ね巻にて巻き付ける。
次に、絶縁テープを巻き付けたコイル導体2に液状の樹脂9(未硬化の樹脂:例えば、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物)を含浸させて、所定の厚さに型締めし、最後に樹脂9を硬化させることによって電磁コイルを得ることができる。
この方法によれば、絶縁被覆体6の厚さを必要以上に厚くすることなく、耐電圧特性及び熱伝導性に優れた電磁コイル1を得ることができる。
ここで、硬化方法としては特に限定されず、使用する樹脂9の種類に応じて適宜選択すればよい。好ましい硬化方法は加熱硬化である。
絶縁テープとしては、マイカと繊維強化材7とを接着剤(バインダ樹脂:例えば、熱硬化性樹脂)で接着したテープ基材の繊維強化材7側に、無機粒子8、樹脂9及び溶剤を含有するスラリを塗布して乾燥することにより得ることができる。接着剤及び溶剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
絶縁テープとしては、マイカと繊維強化材7とを接着剤(バインダ樹脂:例えば、熱硬化性樹脂)で接着したテープ基材の繊維強化材7側に、無機粒子8、樹脂9及び溶剤を含有するスラリを塗布して乾燥することにより得ることができる。接着剤及び溶剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
絶縁テープにおける二次凝集粒子11の目付け量(単位面積(1m2)当たりの質量)は、絶縁テープの柔軟性や絶縁層5の熱電導性を向上させる観点から、10g/m2〜40g/m2であることが好ましい。
本発明の実施の形態1によれば、無機粒子8として六方晶窒化ホウ素の一次粒子10を凝集して形成された二次凝集粒子11を用いているため、無機粒子8の外部流失を抑制し、絶縁被覆体6中に無機粒子8を高充填化させることができ、その結果として良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体6を備えた電磁コイル1を得ることができる。また、従来の電磁コイルでは、絶縁被覆体の熱伝導率を高めるために無機粒子の含有量を増加させた場合、絶縁被覆体が厚くなって樹脂の含有率が低下するため、樹脂と無機粒子との界面から絶縁破壊が起こり易い(つまり、機械的及び熱的ストレスを受けた際に内部でクラックが発生し易くなり、耐電圧性が低下してしまう)という問題があったのに対し、本発明の実施の形態1によれば、絶縁被覆体6の厚さを必要以上に厚くすることなく、優れた耐電圧特性及び熱伝導性を確保することも可能になる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2による絶縁テープの断面図である。また、図8は、図7の絶縁テープの斜視図である。図において、絶縁テープ20は、マイカ層3と、マイカ層3に積層された補強層4とを有している。
図7は、本発明の実施の形態2による絶縁テープの断面図である。また、図8は、図7の絶縁テープの斜視図である。図において、絶縁テープ20は、マイカ層3と、マイカ層3に積層された補強層4とを有している。
マイカ層3はマイカ21を含む。マイカ層3としては、実施の形態1と同じものを用いることができる。
補強層4は、繊維強化材7、無機粒子8及び樹脂9を含む。無機粒子8は、繊維強化材7を避けて配置されており、繊維強化材7及び無機粒子8は、樹脂9によってマイカ層3と一体化されている。
補強層4は、繊維強化材7、無機粒子8及び樹脂9を含む。無機粒子8は、繊維強化材7を避けて配置されており、繊維強化材7及び無機粒子8は、樹脂9によってマイカ層3と一体化されている。
無機粒子8は、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の一次粒子10を凝集して形成された二次凝集粒子11を含む。
この二次凝集粒子11は、当該技術分野において公知の方法を用いて作製することができる。好ましい二次凝集粒子11は、無機バインダ等を用いて一次粒子10を凝集させることによって作製することができる。
無機バインダの成分としては、特に限定されないが、ホウ酸や、アルカリ土類金属のホウ酸塩を用いることが好ましい。これは、ケイ酸ソーダやリン酸アルミ等の成分に比べて、一次粒子10の結着力や絶縁性、h−BNとの馴染みやすさの点で優れているためである。特に、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムは、樹脂9との結着力に優れることから、無機バインダの成分として好適である。
この二次凝集粒子11は、当該技術分野において公知の方法を用いて作製することができる。好ましい二次凝集粒子11は、無機バインダ等を用いて一次粒子10を凝集させることによって作製することができる。
無機バインダの成分としては、特に限定されないが、ホウ酸や、アルカリ土類金属のホウ酸塩を用いることが好ましい。これは、ケイ酸ソーダやリン酸アルミ等の成分に比べて、一次粒子10の結着力や絶縁性、h−BNとの馴染みやすさの点で優れているためである。特に、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムは、樹脂9との結着力に優れることから、無機バインダの成分として好適である。
二次凝集粒子11の配向指数Pは、15以下であることが好ましい。ここで、二次凝集粒子11の配向指数Pは、X線回折装置を用いて、二次凝集粒子11の単体(h−BNの粒子単体)にX線を照射して得られるX線回折図に基づいて求められる。具体的には、h−BNの粒子単体についてのX線回折図における<100>面に対する<002>面の回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)が、h−BNの配向指数(二次凝集粒子11の配向指数)Pである。
二次凝集粒子11の配向指数Pは、h−BNの長径方向が水平方向(即ち、マイカ層3と補強層4との境界面に沿った方向)に配向している割合が多い場合に大きくなり、h−BNの長径方向が垂直方向(即ち、マイカ層3と補強層4との境界面に垂直な方向)に配向している割合が多い場合に小さくなる。二次凝集粒子11の配向指数Pが15を超えると、h−BNの長径方向が水平方向に配向している割合が多くなり、補強層4の熱伝導率の異方性が大きくなる。
二次凝集粒子11は、複数の一次粒子10がランダムな配向となるように凝集(一体化)させることにより、二次凝集粒子11の配向指数Pが15以下となり、補強層4の熱伝導率の異方性を低減することができる。
また、無機粒子8は、上記の二次凝集粒子11の他に、当該技術分野において公知のものを含むことができる。
繊維強化材7としては、特に限定されないが、複数のガラス繊維を束ねて作製した複数本の縦糸22と、複数のガラス繊維を束ねて作製した複数本の横糸23とを格子状に編んで構成されたガラスクロスであることが好ましい。
繊維強化材7は、マイカ層3と補強層4との境界面に沿って配置される。
繊維強化材7は、図8に示すように、縦糸22と横糸23とによって囲まれた複数の開口部24を有する。開口部24内には、複数の無機粒子8が配置される。
繊維強化材7は、マイカ層3と補強層4との境界面に沿って配置される。
繊維強化材7は、図8に示すように、縦糸22と横糸23とによって囲まれた複数の開口部24を有する。開口部24内には、複数の無機粒子8が配置される。
縦糸22及び横糸23のそれぞれの断面形状は、略円形状である。従って、縦糸22及び横糸23は、補強層4の厚さ方向に沿って見たときの幅と、マイカ層3と補強層4との境界面に沿って側方から見たときの幅とがほぼ同じになっている。
樹脂9としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。補強層4に使用可能な樹脂9としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。なお、補強層4に用いられる樹脂9は、マイカ層3に用いられる樹脂と同じ成分であることができる。
図9は、図7の絶縁テープ20を用いた電磁コイルの断面図である。
電磁コイル1は、例えば大型の回転機(モータや発電機)等の電磁機器に設けられる。電磁コイル1は、絶縁被覆された複数の素線導体を束ねて構成されたコイル導体(素線束)2と、コイル導体2の外周部を囲む絶縁被覆体6とを有する。
電磁コイル1は、例えば大型の回転機(モータや発電機)等の電磁機器に設けられる。電磁コイル1は、絶縁被覆された複数の素線導体を束ねて構成されたコイル導体(素線束)2と、コイル導体2の外周部を囲む絶縁被覆体6とを有する。
絶縁被覆体6は、コイル導体2の外周部に巻かれた絶縁テープ20を有している。また、絶縁被覆体6は、樹脂組成物(例えば、熱硬化性樹脂成分及び硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物)を用いて絶縁テープ20をコイル導体2と一体化することによって成形される。絶縁テープ20は、互いに一部を重ねながらコイル導体2の外周部に複数回巻き付けられる。従って、絶縁被覆体6では、図9に示すように、絶縁テープ20が複数の層として重なった状態になっている。コイル導体2からの熱は、絶縁テープ20の積層方向(即ち、絶縁テープ20の厚さ方向)に沿って伝わって外部へ放散される。
次に、絶縁テープ20の製造方法について説明する。
まず、マイカ21と繊維強化材7とを熱硬化性樹脂で貼り合わせてテープ基材とする。
まず、マイカ21と繊維強化材7とを熱硬化性樹脂で貼り合わせてテープ基材とする。
また、無機粒子8を液状の樹脂9に添加し、有機溶剤で希釈してスラリを調製する。
次に、テープ基材の繊維強化材7側の面にスラリを塗布し、スラリ中の有機溶剤を揮発させる。これにより、絶縁シートが完成する。
次に、絶縁シートを所定の幅に切断することにより、絶縁テープ20(マイカテープ)を作製する。
次に、テープ基材の繊維強化材7側の面にスラリを塗布し、スラリ中の有機溶剤を揮発させる。これにより、絶縁シートが完成する。
次に、絶縁シートを所定の幅に切断することにより、絶縁テープ20(マイカテープ)を作製する。
次に、電磁コイル30の製造方法について説明する。
まず、絶縁被覆された複数の素線導体を束ねて構成されたコイル導体2の外周部に、絶縁テープ20を一部(例えば絶縁テープ20の幅の半分の部分)が互いに重なるように複数回巻き付ける。
まず、絶縁被覆された複数の素線導体を束ねて構成されたコイル導体2の外周部に、絶縁テープ20を一部(例えば絶縁テープ20の幅の半分の部分)が互いに重なるように複数回巻き付ける。
次に、コイル導体2に巻き付けた絶縁テープ20に液状の樹脂9(例えば、樹脂成分と硬化剤を含む樹脂組成物)を含浸させる。この後、コイル導体2を絶縁テープ20の外側から型締めすることにより、絶縁テープ20に圧力を加える。
ここで、図10は、液状の樹脂9が含浸された図7の絶縁テープ20に圧力が加わっている状態を表す説明図である。
図10に示すように、液状の樹脂9が含浸された絶縁テープ20に、絶縁テープ20の厚さ方向に沿った矢印Aの方向へ圧力が加わると、絶縁テープ20内の樹脂9がマイカ層3と補強層4との境界面に沿った矢印Bの方向へ移動し、絶縁テープ20内の余剰の樹脂9が絶縁テープ20間の隙間から絶縁テープ20外へ押し出される。
図10に示すように、液状の樹脂9が含浸された絶縁テープ20に、絶縁テープ20の厚さ方向に沿った矢印Aの方向へ圧力が加わると、絶縁テープ20内の樹脂9がマイカ層3と補強層4との境界面に沿った矢印Bの方向へ移動し、絶縁テープ20内の余剰の樹脂9が絶縁テープ20間の隙間から絶縁テープ20外へ押し出される。
従って、コイル導体2を絶縁テープ20の外側から型締めすると、絶縁テープ20内の余剰の樹脂9が絶縁テープ20外へ押し出される。このとき、無機粒子8が樹脂9と共に移動しようとするが、無機粒子8(特に、二次凝集粒子11)が繊維強化材7の開口部24内に保持されていることから、無機粒子8の移動が繊維強化材7によって抑制され、無機粒子8の絶縁テープ20外への流出が抑制される。
次に、絶縁テープ20を加熱等することにより、絶縁テープ20に含浸されている樹脂9を硬化させる。これにより、電磁コイル41が完成する。
上記のような絶縁テープ20では、補強層4に無機粒子8として二次凝集粒子11を含んでいるので、無機粒子8の外部流失を抑制し、補強層4中に無機粒子8を高充填化させることができ、その結果として良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体6を与えるものとなる。また、二次凝集粒子11の配向指数Pを15以下とすることにより、複数の一次粒子10をランダムな配向とすることができ、絶縁テープ20の熱伝導率の異方性を低減させることができる。これにより、絶縁テープ20に圧力が加わっても、補強層4の厚さ方向についての熱伝導率が極端に低下することを防止することができ、絶縁テープ20の厚さ方向についての熱伝導性能をより確実に確保することができる。
ここで、絶縁テープ20を有する絶縁被覆体6では、上記したように、h−BNの長径方向が絶縁被覆体6の厚さ方向に近づくほど、絶縁被覆体6の熱伝導性能を向上させることができるが、絶縁被覆体6の成形時に絶縁テープ20に圧力が加わることから、絶縁テープ20に含浸された液状の樹脂9の流動や圧力等によって、h−BNがマイカ層3と補強層4との境界面に沿って配向され易い傾向がある。
二次凝集粒子11の配向指数Pを変えながら、絶縁被覆体6の熱伝導性能を比較した結果、特に、二次凝集粒子11の配向指数Pが15以下であれば、樹脂9を含浸させた絶縁テープ20に圧力を加える製法で絶縁被覆体6を成形した場合であっても、絶縁被覆体6の厚さ方向についての熱伝導性能が確保されることが分かった。即ち、二次凝集粒子11の配向指数Pが15以下であれば、電磁コイル1の許容上限温度以下に電磁コイル1の温度を維持することが可能な熱伝導性能を絶縁被覆体6が有することが分かった。逆に、二次凝集粒子11の配向指数Pが15を超えると、絶縁被覆体6の熱伝導性能が確保され難くなる場合がある。
このことから、絶縁テープ20だけでなく、絶縁テープ20を用いて作製した絶縁被覆体6においても、熱伝導性能をより確実に確保することができる。
このことから、絶縁テープ20だけでなく、絶縁テープ20を用いて作製した絶縁被覆体6においても、熱伝導性能をより確実に確保することができる。
また、二次凝集粒子11は、無機バインダの成分を、ホウ酸、又はアルカリ土類金属のホウ酸塩とすることにより、耐圧縮性及び耐樹脂溶解性に優れたものとなるため、例えば絶縁テープ20に液状の樹脂9を含浸させたり絶縁テープ20に圧力を加えたりする場合であっても、二次凝集粒子11の状態をより確実に維持することができる。従って、絶縁テープ20を有する絶縁被覆体6の熱伝導性能の向上をより確実に図ることができる。
なお、上記の例では、複数の一次粒子10を無機バインダによって凝集(一体化)させているが、凝集させる方法はこれに限定されない。例えば、複数の一次粒子10を物理圧縮して一体化する方法、接着性能を持つ樹脂で複数の一次粒子10を一体化する方法、複数の一次粒子10を焼結により固相−固相間で結着して一体化する方法等により、複数の一次粒子10を凝集させてもよい。
また、二次凝集粒子11の平均粒径は、10μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。二次凝集粒子11の平均粒径が当該範囲内であれば、絶縁テープ20の熱伝導性能の低下をさらに確実に抑制することができるとともに、絶縁テープ20の耐電圧性能の低下も抑制することができる。
即ち、二次凝集粒子11の平均粒径が40μmを超えると、二次凝集粒子11と樹脂9との接着性が低下し易くなるので、二次凝集粒子11と樹脂9との界面にクラックが発生し易くなる。また、二次凝集粒子11の平均粒径の増加に伴って補強層4の厚さが厚くなるので、絶縁被覆体6の厚さを変えない場合には、絶縁性を担うマイカ層3の含有比が小さくなる。このようなことから、二次凝集粒子11の平均粒径が40μmを超えると、絶縁テープ20の耐電圧性能が低下し易くなる。また、二次凝集粒子11の平均粒径が40μmを超えると、補強層4の厚さが厚くなるので、絶縁テープ20において熱伝導率の低い樹脂9の比率が大きくなり易く、絶縁テープ20の熱伝導率も低下してしまう。
一方、二次凝集粒子11の平均粒径が10μm未満になると、樹脂9を含浸させた絶縁テープ20に圧力を加えて絶縁テープ20の端部から余剰の樹脂9を押し出す際に、余剰の樹脂9とともに、絶縁テープ20内の二次凝集粒子11が流出し易くなる。そのため、出来上がった絶縁被覆体6内の二次凝集粒子11の含有率が低下し、絶縁被覆体6の熱伝導性能が低下してしまう。
従って、二次凝集粒子11の平均粒径を10μm〜40μmの範囲内とすることにより、絶縁テープ20の熱伝導性能及び耐電圧性能のそれぞれの低下を抑制することができる。
また、二次凝集粒子11の空隙率(二次凝集粒子11の全体に対する一次粒子10間に形成された空隙の割合)は、40%以下にすることが好ましい。二次凝集粒子11の空隙率が40%を超えると、凝集された複数の一次粒子10同士が接触する頻度が低くなり、二次凝集粒子11の熱伝導性能を確保することが難しくなってしまう。従って、二次凝集粒子11の空隙率を40%以下とすることにより、二次凝集粒子11自体の熱伝導性能の向上を図ることができ、絶縁テープ20の熱伝導性能の向上を図ることができる。
また、繊維強化材7の開口率R(即ち、絶縁テープ20の厚さ方向に沿って繊維強化材7を見たときの繊維強化材7全体の面積S0に対する開口部24の合計面積S1の割合:R=S1/S0)が40%以上、繊維強化材7の厚さt1(図10)が無機粒子8(二次凝集粒子11)の平均粒径t2(図10)に対して0.6倍以上とすることが好ましい。このようにすれば、繊維強化材7の開口部24内に無機粒子8をより確実に保持させることができ、絶縁テープ20の耐電圧性能及び熱伝導性能のそれぞれの低下を抑制することができる。
即ち、繊維強化材7の開口率Rが40%未満であると、無機粒子8が開口部24内に入り難くなるので、補強層4の厚さが厚くなってしまう。これにより、上記と同様に、絶縁テープ20におけるマイカ層3の含有比が低くなり、絶縁テープ20の耐電圧性能が低下してしまう。また、絶縁テープ20において熱伝導率の低い樹脂9の比率が高くなり易く、絶縁テープ20の熱伝導率も低下してしまう。
また、絶縁被覆体6の成形時には、図10に示すように、絶縁テープ20に圧力が加わることから、絶縁テープ20に含浸された液状の樹脂9の流動によって無機粒子8も移動しようとする。しかし、繊維強化材7の厚さが無機粒子8(二次凝集粒子11)の平均粒径に対して0.6倍以上であれば、無機粒子8の移動を繊維強化材7で効果的に阻止することができ、無機粒子8の絶縁テープ20外への流出を抑制することができる。これにより、無機粒子8の流出による絶縁テープ20の熱伝導性能の低下を抑制することができる。これに対して、繊維強化材7の厚さが無機粒子8の平均粒径に対して0.6倍未満であると、無機粒子8が繊維強化材7を通過し易くなり、繊維強化材7によって無機粒子8の移動を阻止する効果が低下してしまう。
従って、繊維強化材7の開口率Rを40%以上とし、繊維強化材7の厚さを無機粒子8の平均粒径に対して0.6倍以上とすることにより、絶縁テープ20の耐電圧性能及び熱伝導性能のそれぞれの低下を抑制することができる。
ただし、繊維強化材7の厚さが無機粒子8の平均粒径に対して2.0倍を超えると、繊維強化材7の厚さの増加に伴って補強層4の厚さが厚くなるので、上記と同様の理由によって絶縁テープ20の耐電圧性能及び熱伝導性能が低下してしまう。従って、繊維強化材7の厚さは、無機粒子8の平均粒径に対して2.0倍以下であることがさらに好ましい。
以下、本発明の実施の形態1及び2に係る電磁コイルについて、実施例及び比較例を挙げて、さらに具体的に説明する。
<実施の形態1の実施例及び比較例>
まず、集成マイカと、ガラスクロス(ユニチカ H25、目付け量=25g/m2)とを、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)834(ジャパンエポキシレジン(株))}の100重量部とナフテン酸亜鉛の10重量部とを混合した樹脂組成物を用いて貼り合わせ、テープ基材を作製した。
次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)834(ジャパンエポキシレジン(株))}とナフテン酸亜鉛とを混合し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を無機粒子として添加し、メチルエチルケトンを用いて希釈することによってスラリを調製した。
次に、このスラリを、スプレー法により上記テープ基材に塗布した後、有機溶剤を揮発させ、さらに幅30mmに切断することにより、絶縁テープを得た。
まず、集成マイカと、ガラスクロス(ユニチカ H25、目付け量=25g/m2)とを、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)834(ジャパンエポキシレジン(株))}の100重量部とナフテン酸亜鉛の10重量部とを混合した樹脂組成物を用いて貼り合わせ、テープ基材を作製した。
次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)834(ジャパンエポキシレジン(株))}とナフテン酸亜鉛とを混合し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を無機粒子として添加し、メチルエチルケトンを用いて希釈することによってスラリを調製した。
次に、このスラリを、スプレー法により上記テープ基材に塗布した後、有機溶剤を揮発させ、さらに幅30mmに切断することにより、絶縁テープを得た。
次に、この絶縁テープを、50mm×12mm×1140mmのコイル導体に、半重ね巻きすることにより、3.2mmの厚さになるまで巻き付けた。
次に、コイル導体に巻き付けられた絶縁テープに、真空加圧含浸方式によって液状の樹脂組成物を含浸させた。このとき使用される樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)828(ジャパンエポキシレジン(株))}とメチルテトラヒドロ無水フタル酸硬化剤{商品名:HN−2200(登録商標)(日立化成工業(株))}とからなる。
最後に、樹脂組成物を含浸させた絶縁テープからなる層の厚みが、3mmの厚さになるように、治具を用いて型締めし、乾燥炉で加熱して、樹脂組成物を硬化させることにより電磁コイルを作製した。
次に、コイル導体に巻き付けられた絶縁テープに、真空加圧含浸方式によって液状の樹脂組成物を含浸させた。このとき使用される樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:エピコート(登録商標)828(ジャパンエポキシレジン(株))}とメチルテトラヒドロ無水フタル酸硬化剤{商品名:HN−2200(登録商標)(日立化成工業(株))}とからなる。
最後に、樹脂組成物を含浸させた絶縁テープからなる層の厚みが、3mmの厚さになるように、治具を用いて型締めし、乾燥炉で加熱して、樹脂組成物を硬化させることにより電磁コイルを作製した。
他の様々な無機粒子を用いたこと以外は上記の手順に従って電磁コイルを作製した。使用した無機粒子の特性及び作製した電磁コイル中の絶縁被覆体の特性を表1に示す。
表1において、無機粒子の特性として無機粒子の種類(六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、溶融シリカ)、二次凝集粒子の有無、及び最大粒径(μm)を示す。また、絶縁被覆体の特性として、マイカ層と補強層との比(t3/t4)、ガラスクロスの開口率K7、フィラー層中の無機粒子の平均粒径Daveと補強層の厚みt4との比(Dave/t4)、耐電圧(V)の相対値、及び熱伝導率(W/m・K)の相対値を示す。
表1において、無機粒子の特性として無機粒子の種類(六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、溶融シリカ)、二次凝集粒子の有無、及び最大粒径(μm)を示す。また、絶縁被覆体の特性として、マイカ層と補強層との比(t3/t4)、ガラスクロスの開口率K7、フィラー層中の無機粒子の平均粒径Daveと補強層の厚みt4との比(Dave/t4)、耐電圧(V)の相対値、及び熱伝導率(W/m・K)の相対値を示す。
以下、各特性の測定方法を説明する。
1.無機粒子の特性
(1−1)二次凝集粒子の有無
無機粒子における二次凝集粒子の有無は、電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、一次粒子が凝集している状態(二次凝集粒子)が存在しているか否かを判定した。
(1−2)Dmax
無機粒子の最大粒径Dmaxは、電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、最も大きな無機粒子の長片を測定した。
(1−3)Dave/t4
無機粒子の平均粒径Daveと補強層の厚みt4との比(Dave/t4)の算出に関し、(a)無機粒子の平均粒径Dave、及び(b)補強層4の厚みt4の測定を以下の方法にて行なった。
1.無機粒子の特性
(1−1)二次凝集粒子の有無
無機粒子における二次凝集粒子の有無は、電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、一次粒子が凝集している状態(二次凝集粒子)が存在しているか否かを判定した。
(1−2)Dmax
無機粒子の最大粒径Dmaxは、電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、最も大きな無機粒子の長片を測定した。
(1−3)Dave/t4
無機粒子の平均粒径Daveと補強層の厚みt4との比(Dave/t4)の算出に関し、(a)無機粒子の平均粒径Dave、及び(b)補強層4の厚みt4の測定を以下の方法にて行なった。
(a)無機粒子の平均粒径Dave
1cm角に切断した絶縁被覆体を500℃で灰化し、比重液を用いて無機粒子を分離する。続いて、分離した無機粒子を、粒度分布計(日機装 マイックロトラックMT3000)を用いて平均粒径(体積標準)を求めた。
(b)補強層の厚みt4
電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、ランダムに50箇所の補強層4の厚みt4を計測し、その平均値を平均粒径Daveとして求めた。
補強層4中の無機粒子の質量比率は、前述の手順(1)〜(8)により求めた。
1cm角に切断した絶縁被覆体を500℃で灰化し、比重液を用いて無機粒子を分離する。続いて、分離した無機粒子を、粒度分布計(日機装 マイックロトラックMT3000)を用いて平均粒径(体積標準)を求めた。
(b)補強層の厚みt4
電子顕微鏡で絶縁被覆体の断面を観察し、ランダムに50箇所の補強層4の厚みt4を計測し、その平均値を平均粒径Daveとして求めた。
補強層4中の無機粒子の質量比率は、前述の手順(1)〜(8)により求めた。
2.電磁コイル中の絶縁被覆体の特性
(2−1)熱伝導率
絶縁被覆体の熱伝導率は、電磁コイルの絶縁層から切り出した試験片について、熱伝導率測定装置(NETZSCH社キセノンフラッシュアナライザー.LFA447 NanoFlash(登録商標))を用いて測定した。
(2−2)耐電圧特性
耐電圧特性は、電磁コイルの絶縁被覆体から切り出した試験片について、200℃で4日劣化後、25℃において、ステップバイステップ法により電圧を印加し、絶縁破壊が生じる電圧により求めた。
(2−1)熱伝導率
絶縁被覆体の熱伝導率は、電磁コイルの絶縁層から切り出した試験片について、熱伝導率測定装置(NETZSCH社キセノンフラッシュアナライザー.LFA447 NanoFlash(登録商標))を用いて測定した。
(2−2)耐電圧特性
耐電圧特性は、電磁コイルの絶縁被覆体から切り出した試験片について、200℃で4日劣化後、25℃において、ステップバイステップ法により電圧を印加し、絶縁破壊が生じる電圧により求めた。
表1に示されているように、無機粒子として二次凝集粒子を用いた場合、絶縁被覆体の熱伝導率が相対的に高くなることが分かった。
また、無機粒子の最大粒径が50μm以下であれば、耐電圧は相対的に高く、最大粒径が50μm以上の場合には、絶縁テープの巻回数が少なくなるため、耐電圧性が相対的に低くなることも分かった。なお、巻き回数を一致させた場合には、電磁コイル中の樹脂量が少なくなるので、マイカ層3と補強層4との間で剥離が発生し、耐電圧性が低下してしまう。
また、無機粒子の平均粒径Daveが補強層4の厚みt4の0.5倍〜1.2倍であって、補強層4中の無機粒子の質量比率が40%〜65%であれば、絶縁被覆体の熱伝導率及び耐電圧が相対的に高くなった。
また、無機粒子の最大粒径が50μm以下であれば、耐電圧は相対的に高く、最大粒径が50μm以上の場合には、絶縁テープの巻回数が少なくなるため、耐電圧性が相対的に低くなることも分かった。なお、巻き回数を一致させた場合には、電磁コイル中の樹脂量が少なくなるので、マイカ層3と補強層4との間で剥離が発生し、耐電圧性が低下してしまう。
また、無機粒子の平均粒径Daveが補強層4の厚みt4の0.5倍〜1.2倍であって、補強層4中の無機粒子の質量比率が40%〜65%であれば、絶縁被覆体の熱伝導率及び耐電圧が相対的に高くなった。
上記の結果からわかるように、本発明の実施の形態1によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を備えた電磁コイル及びその製造方法を提供することができる。特に、マイカ層の厚みt3と補強層の厚みt4との比(t3/t4)を1.6〜2.2の範囲内とすることにより、絶縁被覆体の厚さを必要以上に厚くすることなく、耐電圧特性及び熱伝導性に優れた電磁コイル及びその製造方法を提供することができる。
<実施の形態2の実施例>
まず、集成マイカと、繊維強化材としてのガラスクロス(目付け量=25g/m2)とを、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート(登録商標)834、ジャパンエポキシレジン(株)製)の100重量部とナフテン酸亜鉛の10重量部とを混合した樹脂組成物を用いて貼り合わせ、テープ基材とした。
次に、上記と同様のビスフェノールA型エポキシ樹脂とナフテン酸亜鉛とを混合し、無機粒子として二次凝集粒子を添加した後、有機溶剤であるメチルエチルケトンを用いて希釈することによってスラリを調製した。
次に、調製したスラリをスプレー法によってテープ基材に塗布した後、有機溶剤を揮発させて絶縁シートとし、さらに絶縁シートを30mmの幅に切断することにより絶縁テープを作製した。
まず、集成マイカと、繊維強化材としてのガラスクロス(目付け量=25g/m2)とを、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート(登録商標)834、ジャパンエポキシレジン(株)製)の100重量部とナフテン酸亜鉛の10重量部とを混合した樹脂組成物を用いて貼り合わせ、テープ基材とした。
次に、上記と同様のビスフェノールA型エポキシ樹脂とナフテン酸亜鉛とを混合し、無機粒子として二次凝集粒子を添加した後、有機溶剤であるメチルエチルケトンを用いて希釈することによってスラリを調製した。
次に、調製したスラリをスプレー法によってテープ基材に塗布した後、有機溶剤を揮発させて絶縁シートとし、さらに絶縁シートを30mmの幅に切断することにより絶縁テープを作製した。
次に、複数の素線導体を束ねたコイル導体の外周部に、一部を互いに重ねながら絶縁テープを3.2mmの厚さになるまで複数回巻き付けた。ここで、コイル導体としては、断面が縦50mm、横12mmの矩形状で、長さが1140mmの素線束を用いた。
次に、コイル導体の外周部に巻き付けられた絶縁テープに、真空加圧含浸方式によって液状の樹脂組成物を含浸させた。このとき使用した樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート(登録商標)838、ジャパンエポキシレジン(株)製)と、メチルテトラヒドロ無水フタル酸硬化剤(商品名:HN−2200(登録商標)、日立化成工業(株)製)とからなる。
次に、コイル導体の外周部に巻き付けられた絶縁テープに、真空加圧含浸方式によって液状の樹脂組成物を含浸させた。このとき使用した樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート(登録商標)838、ジャパンエポキシレジン(株)製)と、メチルテトラヒドロ無水フタル酸硬化剤(商品名:HN−2200(登録商標)、日立化成工業(株)製)とからなる。
次に、コイル導体の外周部で絶縁テープが重なる部分の厚さが3.0mmの厚さになるように、治具を用いて型締めし、乾燥炉で加熱して樹脂組成物を硬化することにより電磁コイルを作製した。
特性の異なる様々な無機粒子を用いたこと以外は上記の手順に従って絶縁テープ及び電磁コイルを作製した。使用した無機粒子の特性(平均粒径、配向指数P、空隙率、無機バインダ)及び繊維強化材の特性(開口率R、厚さ)を表2に示す。
評価は、電磁コイルの絶縁被覆体の熱伝導率、及び絶縁テープの接着強度について行った。
評価は、電磁コイルの絶縁被覆体の熱伝導率、及び絶縁テープの接着強度について行った。
また、無機粒子の特性(即ち、無機粒子の種類、配向指数P、平均粒径、空隙率、無機バインダの組成)についての測定は、以下の方法により行った。
無機粒子の種類(特に、二次凝集粒子の有無)については、電子顕微鏡で観察し、窒化ホウ素の一次粒子が凝集して一体化しているか否かを判定した。
無機粒子(二次凝集粒子)の配向指数Pについては、X線回折装置を用い、CuKα線で30KV、15mAの条件で、2θ、0〜60°をスキャニングし、26.9°<002>面と、41.6°<100>面との回折ピークを求め、回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)を求めた。
無機粒子の種類(特に、二次凝集粒子の有無)については、電子顕微鏡で観察し、窒化ホウ素の一次粒子が凝集して一体化しているか否かを判定した。
無機粒子(二次凝集粒子)の配向指数Pについては、X線回折装置を用い、CuKα線で30KV、15mAの条件で、2θ、0〜60°をスキャニングし、26.9°<002>面と、41.6°<100>面との回折ピークを求め、回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)を求めた。
無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径については、粒度分布計(マイクロトラック(登録商標)MT3000、日機装(株)製)により、平均粒径(体積標準)を測定した。
無機粒子(二次凝集粒子)の空隙率については、水銀圧入式細孔分析法によって測定した。
無機粒子(二次凝集粒子)に用いた無機バインダの組成については、X線による元素分析等で確認した。
無機粒子(二次凝集粒子)の空隙率については、水銀圧入式細孔分析法によって測定した。
無機粒子(二次凝集粒子)に用いた無機バインダの組成については、X線による元素分析等で確認した。
また、繊維強化材の特性であるガラスクロスの開口率Rは、ガラスクロスの上方から撮影した画像を解析し、ガラス繊維(縦糸及び横糸)の占有面積と、開口部の面積S1とに基づいて算出した。
なお、無機粒子(二次凝集粒子)又は繊維強化材の特性は、絶縁被覆体を灰化し、無機粒子(二次凝集粒子)及び繊維強化材を取り出して測定することもてきる。
なお、無機粒子(二次凝集粒子)又は繊維強化材の特性は、絶縁被覆体を灰化し、無機粒子(二次凝集粒子)及び繊維強化材を取り出して測定することもてきる。
また、電磁コイルの絶縁被覆体の熱伝導率の測定は、電磁コイルから絶縁被覆体の試験片を切り出し、切り出した絶縁被覆体の試験片に対して、熱伝導率測定装置(キセノンフラッシュアナライザ、LFA447NanoFlash(登録商標)、NETZSCH社製)を用いることにより行った。
絶縁テープの接着強度の測定は、絶縁テープを5枚重ね、電磁コイルの作製に使用した液体の樹脂組成物を含浸させて硬化させることによって得られた試験片に対して、せん断接着強度を測定することにより行った。試験片のせん断接着強度の測定は、JIS K6850に従って、絶縁テープ間の接合面に平行に引っ張り力を加えることにより行った。
各実施例における無機粒子(二次凝集粒子)及び繊維強化材の各特性、絶縁被覆体の熱伝導率の相対値、並びに絶縁テープの接着強度の相対値の結果を表2に示す。絶縁被覆体の熱伝導率、及び絶縁テープの接着強度のそれぞれの相対値は、実施例1の熱伝導率及び接着強度をそれぞれ1とした場合の相対値である。
評価の結果、無機粒子として二次凝集粒子を用いた場合、絶縁被覆体の熱伝導率が相対的に高くなることが分かった。特に、表2に示すように、絶縁被覆体の熱伝導率は、無機粒子(二次凝集粒子)の配向指数Pが15以下である実施例C−1〜C−9の方が、無機粒子(二次凝集粒子)の配向指数Pが16以上である実施例D−1及びD−2よりも高くなった。従って、無機粒子(二次凝集粒子)の配向指数Pが15以下である実施例C−1〜C−9の絶縁被覆体では、熱伝導性能が確保されていることが確認された。
また、絶縁テープ間の接着強度は、一次粒子を無機バインダ(ホウ酸カルシウム)で凝集させた二次凝集粒子を用いた実施例C−2の方が、一次粒子の焼結体を用いた実施例C−1よりも高くなった。従って、絶縁テープの無機粒子として、無機バインダで一体化した二次凝集粒子を用いることにより、絶縁被覆体の熱伝導性能が確保されるだけでなく、絶縁テープ間の接着強度が向上することも確認された。
また、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度のそれぞれについて、無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径が40μm、10μmである実施例C−2、C−5と、無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径が50μm、5μmである実施例C−6、C−7とを比較すると、実施例C−2及びC−5の方が実施例C−6及びC−7よりも、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度がいずれも高くなった。従って、無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径を10〜40μmの範囲内とすることにより、絶縁被覆体の熱伝導性能が確保されるだけでなく、絶縁テープ間の接着強度が向上することも確認された。
また、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度のそれぞれについて、無機粒子(二次凝集粒子)の空隙率が40%又は20%である実施例C−3、C−4及びC−9と、無機粒子(二次凝集粒子)の空隙率が50%である実施例C−1及びC−2とを比較すると、実施例C−3、C−4及びC−9の方が実施例C−1及びC−2よりも、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度がいずれも高くなった。従って、無機粒子(二次凝集粒子)の空隙率を40%以下とすることにより、絶縁被覆体の熱伝導性能が確保されるだけでなく、絶縁テープ間の接着強度が向上することも確認された。
また、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度のそれぞれについて、ガラスクロスの開口率Rが40%で、ガラスクロスの厚さが無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径に対して0.6倍である実施例C−8と、ガラスクロスの開口率Rが30%で、ガラスクロスの厚さが無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径に対して0.5倍である実施例C−1とを比較すると、実施例C−8の方が実施例C−1よりも、絶縁被覆体の熱伝導性率及び絶縁テープ間の接着強度がいずれも高くなった。従って、ガラスクロスの開口率Rを40%以上とし、ガラスクロスの厚さを無機粒子(二次凝集粒子)の平均粒径に対して0.6倍以上とすることにより、絶縁被覆体の熱伝導性能が確保されるだけでなく、絶縁テープ間の接着強度が向上することも確認された。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を備えた電磁コイル及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、無機粒子の外部流失を抑制して良好な熱伝導性を確保した絶縁被覆体を与える絶縁テープを提供することができる。
なお、本国際出願は、2011年11月14日に出願した日本国特許出願第2011−248706号及び2012年5月18日に出願した日本国特許出願第2012−114639号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本国際出願に援用する。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究した結果、無機粒子として六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された特定の二次凝集粒子を用いることにより、無機粒子の外部流失を抑制し、絶縁被覆体中に無機粒子を高充填化させ得ることを見出した。
すなわち、本発明は、コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルであって、前記マイカ層の厚みt3は、60μm≦t3≦150μmの範囲内であり、前記繊維強化材は、一辺の長さが50μm以上の開口部を有し、且つ前記二次凝集粒子は、平均粒径が10μm〜40μm及び配向指数が15以下であることを特徴とする電磁コイルである。
また、本発明は、コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルの製造方法であって、前記マイカ層の厚みt3は、60μm≦t3≦150μmの範囲内であり、前記繊維強化材は、一辺の長さが50μm以上の開口部を有し、且つ前記二次凝集粒子は、平均粒径が10μm〜40μm及び配向指数が15以下であり、前記マイカ、前記繊維強化材及び前記二次凝集粒子を含む絶縁テープを、前記コイル導体に巻き付ける工程と、前記コイル導体に巻き付けた前記絶縁テープに液状の樹脂組成物を含浸させて硬化させる工程とを含む電磁コイルの製造方法である。
また、本発明は、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子及び樹脂を含み且つ前記マイカ層に積層された補強層とを有する絶縁テープであって、前記マイカ層の厚みt3は、60μm≦t3≦150μmの範囲内であり、前記繊維強化材は、一辺の長さが50μm以上の開口部を有し、且つ前記二次凝集粒子は、平均粒径が10μm〜40μm及び配向指数が15以下であることを特徴とする絶縁テープである。
さらに、本発明は、コイル導体と、前記コイル導体の外周部に巻き付けた上記の絶縁テープを有し、前記絶縁テープが樹脂によって前記コイル導体と一体化された絶縁被覆体とを備えていることを特徴とする電磁コイルである。
さらに、本発明は、コイル導体と、前記コイル導体の外周部に巻き付けた上記の絶縁テープを有し、前記絶縁テープが樹脂によって前記コイル導体と一体化された絶縁被覆体とを備えていることを特徴とする電磁コイルである。
図2は、図1中の1つの絶縁層5(マイカ層3及び補強層4)を部分的に拡大して示す断面図である。
図2において、マイカ層3は、マイカ(雲母)を含む層である。また、マイカ層3は、互いに重ねられた複数枚のマイカの形態で含むことができる。マイカとしては、特に限定されないが、集成マイカ、フレークマイカ等を用いることができる。また、マイカ層3は、マイカの他に、樹脂を含むことができる。
マイカ層3に使用される樹脂は、マイカを結合させる成分である。マイカ層3に使用可能な樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。
図2において、マイカ層3は、マイカ(雲母)を含む層である。また、マイカ層3は、互いに重ねられた複数枚のマイカの形態で含むことができる。マイカとしては、特に限定されないが、集成マイカ、フレークマイカ等を用いることができる。また、マイカ層3は、マイカの他に、樹脂を含むことができる。
マイカ層3に使用される樹脂は、マイカを結合させる成分である。マイカ層3に使用可能な樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられる。
Claims (17)
- コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルであって、
前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする電磁コイル。 - 前記マイカ層の厚みt3と前記補強層の厚みt4との比(t3/t4)が、1.6〜2.2の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電磁コイル。
- 前記繊維強化材がガラスクロスからなり、且つ前記ガラスクロスの開口率が35%〜90%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁コイル。
- 前記二次凝集粒子の平均粒径が、前記補強層の厚みt4に対して0.5×t4〜1.2×t4の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁コイル。
- 前記二次凝集粒子の最大粒径が、50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁コイル。
- 前記絶縁被覆体において、
前記マイカが45〜55vol%、
前記繊維強化材が5〜7vol%、
前記無機粒子が3〜12vol%、
前記樹脂が30〜45vol%
の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁コイル。 - 前記繊維強化材の厚みが、10μm〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁コイル。
- コイル導体上に、マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含む補強層とが交互に積層された絶縁被覆体を有する電磁コイルの製造方法であって、
前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含み、
前記マイカ、前記繊維強化材及び前記無機粒子を含む絶縁テープを、前記コイル導体に巻き付ける工程と、
前記コイル導体に巻き付けた前記絶縁テープに液状の樹脂組成物を含浸させて硬化させる工程と
を含む電磁コイルの製造方法。 - 前記絶縁テープにおける前記二次凝集粒子の目付け量が、10g/m2〜40g/m2の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の電磁コイルの製造方法。
- マイカを含むマイカ層と、繊維強化材、無機粒子及び樹脂を含み且つ前記マイカ層に積層された補強層とを有する絶縁テープであって、
前記無機粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集して形成された二次凝集粒子を含むことを特徴とする絶縁テープ。 - 前記無機粒子が前記繊維強化材を避けて配置されており、前記繊維強化材及び前記無機粒子が前記樹脂によって前記マイカ層と一体化されていることを特徴とする請求項10に記載の絶縁テープ。
- 前記二次凝集粒子の配向指数が15以下であることを特徴とする請求項10又は11に記載の絶縁テープ。
- 前記二次凝集粒子の平均粒径が、10μm〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の絶縁テープ。
- 前記二次凝集粒子が、無機バインダによって凝集されており、前記無機バインダが、ホウ酸及びアルカリ土類金属のホウ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の絶縁テープ。
- 前記二次凝集粒子の空隙率が40%以下であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の絶縁テープ。
- 上記繊維強化材は、開口率が40%以上のガラスクロスであり、且つ前記ガラスクロスの厚さが、前記二次凝集粒子の平均粒径に対して0.6倍以上であることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の絶縁テープ。
- コイル導体と、
前記コイル導体の外周部に巻き付けた請求項10〜16のいずれか1項に記載の絶縁テープを有し、前記絶縁テープが樹脂によって前記コイル導体と一体化された絶縁被覆体と
を備えていることを特徴とする電磁コイル。
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