JP2008248178A - 繊維強化複合材料及び電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の繊維強化複合材料に比べて、耐熱性、機械的強度、耐放電特性が向上する繊維強化複合材料及び電気機器を提供する。
【解決手段】繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加した繊維強化複合材料である。
【選択図】 図1
【解決手段】繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加した繊維強化複合材料である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転電機、変圧器等に用いられる絶縁材料ならびに半導電性材料にかかわり、特に、耐熱性、機械特性、耐放電特性向上を目的とした繊維強化複合材料及び電気機器に関する。
発電機や電動機などの回転電機、あるいは変圧器などの変電機器は、種々の樹脂複合材料が用いられている。これら機器は、一般産業用途の機器と異なり高電圧、大電流下のもとで使用される。
その使用形態の一例を、図3を用いて示す。図3は、回転電機固定子コイルの代表的な断面の図である。電磁鋼板を積層して成る固定子鉄心1には、コイルが収納されるスロット1aが設けられ、固定子コイル2が収められている。固定子コイルは、上下方向についてはスペーサ3を介して配置され、固定子楔4によって固定されている。また、固定子2は、主に導体部5と、主絶縁層6から成っている。コイル運転時においては、導体部5には大電流が流れる結果ジュール損による発熱が生じ、温度が上昇する。
そこで、このような構成の中で使用される絶縁材料、半導電材料は、この温度に耐え、かつコイルに働く電磁力に耐える機械的特性が必要となる。さらに、使用環境や機器の経年劣化により、高電圧による放電が生じるため、耐放電性が求められる。また、本例で述べる回転電機に限らず、変圧器、特に冷却媒体として空気を用いるものについては、その絶縁材料ないし半導電材料に高耐熱性、機械的特性、耐放電特性が必要とされる場合がある。
従来の機器においては、耐熱性の観点から熱硬化性のエポキシ樹脂を、耐熱性を持つ繊維で機械的に強化した繊維強化複合材料が用いられている。
特許文献1には、エポキシ樹脂組成物として、層状粘土化合物を層剥離した状態でエポキシ樹脂に分散してなるものが記載されており、これは機械的特性及び耐熱性が優れることも記載されている。
特許文献2には、低誘電型絶縁材料として、高分子化合物と無機化合物を組み合わせた有機及び無機複合材料において、層間に金属イオンを有する層状粘土化合物を熱硬化性樹脂中に均一分散させたものが記載されており、これによれば優れた誘電特性が得られる。
特許文献3には、注型用樹脂組成物として、1分子当たり2個以上のエポキシ化合物と、エポキシ樹脂用硬化剤と、樹脂の絶縁性を保持するシリカ充填剤と、耐六弗化硫黄分解ガス性及びガスバリア性を有する層状粘土化合とを成分として構成したものであり、これによれば機械的強度が高く、しかも誘電率が低いという効果が得られる。
特開2005−179568
特開2003−22710
特開2003−238771
従来の技術のうち、前述の繊維強化複合材料のマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を例とする熱硬化性材料を用いた場合、そのリサイクル性に問題があった。即ち、本来エポキシ樹脂は3次元の架橋反応によってなる強固な網目構造を有するために、使用中における耐熱性、機械的強度について良好な特性が得られるが、使用した後に樹脂材料を加熱溶融等させることができずリサイクルして使用することができない。よってこのように使用された材料については、その殆どが廃棄処理されることになっている。
また、繊維強化複合材料は、絶縁特性や比強度が優れているために大量に用いられる。現在市販されている樹脂については、その殆ど全てが石油由来の成分で構成されているために、その使用量を削減することが環境上求められている。
以上のような環境上の課題から、次の二つの観点から環境負荷低減に貢献する技術が求められている。即ち、前者としては従来の熱硬化性樹脂を特性的に代替できる熱可塑性材料であり、後者としては熱硬化性樹脂よりも優れた特性を持つことによって、機器内に組み込んで使用する際の使用量を削減する技術である。
本発明は、従来の繊維強化複合材料に比べて、耐熱性、機械的強度、耐放電特性が向上する繊維強化複合材料及び電気機器を提供することを目的とする。
特許文献1に記載されている、エポキシ樹脂組成物として、層状粘土化合物を層剥離した状態でエポキシ樹脂に分散してなるものは、機械的特性及び耐熱性が優れると表現されているが、本発明者らは、マトリックス樹脂に予めナノメートルオーダの粒子を付加することによって、耐熱性、機械的特性、放電特性を改善できることを見出し、この知見に基づきさらに検討した結果、本発明が完成した。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料である。
前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料である。
前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とするプリプレグである。
前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記加熱硬化性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とするプリプレグである。
前記目的を達成するため、請求項5に対応する発明は、繊維性の基材に熱可塑性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記熱可塑性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記熱可塑性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料である。
前記目的を達成するため、請求項6に対応する発明は、繊維性の基材に熱可塑性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、前記熱可塑性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記熱可塑性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料である。
本発明によれば、従来の繊維強化複合材料に比べて、耐熱性、機械的強度、耐放電特性が向上する繊維強化複合材料及び電気機器を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。第1の実施形態は、概略繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加した繊維強化複合材料である。
以下、本発明の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。第1の実施形態は、概略繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加した繊維強化複合材料である。
これ以外に、第1の実施形態として前述の球状粒子の代りに、厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を用いる場合もある。また、第1の実施形態として以上述べた繊維強化複合材料は、硬化状態(Cステージ状態)のものを指したが、これを半硬化状態(Bステージ状態)とする場合も含まれる。
図1に示す繊維強化複合材料は、ガラス布8とマトリックス樹脂9からなる。また、マトリックス樹脂としては、接着性の樹脂(例えば、油化シェル社製エピコート828や1001)に、長辺方向が1000nm以下、厚さ方向が10nm以下の偏平状粒子、詳しくは層状珪酸塩を用いた。また、ガラス布8にかえて、他の材質の繊維を基材とした織物でもよい。例えば、アルミナ繊維からなる織物である。また、別の粒子として、平均粒径が100nm以下の球状粒子、詳しくはシリコンの酸化化合物粒子を用いた。
これら粒子は絶縁性を持ち、かつ請求項に記される粒径を満たしていればよいが、偏平状粒子の長辺が1000nm以上になると、マトリックス樹脂の粘度が極端に上昇して成型加工性を損なうため、繊維強化複合材料を製造する上でよくない。
これら粒子は絶縁性を持ち、かつ請求項に記される粒径を満たしていればよいが、偏平状粒子の長辺が1000nm以上になると、マトリックス樹脂の粘度が極端に上昇して成型加工性を損なうため、繊維強化複合材料を製造する上でよくない。
表1は、球状粒子を用いた場合の繊維強化複合材料の曲げ強度(微粒子無しを1とした場合での比較)である。表2は、板状粒子を用いた場合の繊維強化複合材料の曲げ強度(微粒子無しを1とした場合での比較)である。いずれの場合も測定温度が100℃であるときの値である。この表の結果から、粒子直径が100(球状)nm、(平板状)1000nmを超える粒子については、強度向上の効果が認められなかった。また、樹脂に対する重量割合を0.5〜15まで変えて測定したところ、粒子直径が100(球状)nm、1000nm(平板状)から外れたところでは、重量割合と強度の相関性があまり認められなかった。さらに、平板状粒子については重量割合が12、15(wt%)では、樹脂の粘度が高すぎて著しく成形加工性が悪く試料が製造できなかった。 このようなことから、加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加することが条件であり、また球状粒子の代りに、厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を用いる場合も同じである。
さらに、マトリックス樹脂に対する重量割合を10%以上付与すると、マトリックス樹脂の粘度が極端に上昇して成形加工性を損ねてしまった。重量割合を1%以下の付与量にした場合、特性の向上は認められなかった。よって、樹脂に対する重量割合は多くとも10%以下にし、少なくとも1%以上にして成形することが適当である。
マトリックス樹脂の主剤として油化シェル製エピコート828を用意し、層状珪酸塩粒子を所定量付与し、攪拌混合した。次に硬化剤であるジェファーミンD230を、エピコート828が100部に対して30部付与した。この時、層状珪酸塩の付与量が、6重量%付与した。この混合物を、ガラス布に含浸させた後、10層程度重ねて60℃で24時間硬化処理を施した。
このようにして製作した繊維強化複合材料について、3点曲げ試験による機械的特性試験を行ったところ、層状珪酸塩粒子を付与していないものに比較して、曲げ強度および弾性率が向上した。
また、マトリックス樹脂の耐電圧特性を評価するために、針平板電極系において、一定の電圧で、長期の課電寿命測定をおこなったところ、層状珪酸塩粒子を付与することで寿命が大幅に向上した。また、別の実施例として球状のケイ素酸化物粒子を付与することでも同様に寿命が向上した。
以上述べた、本発明の第1の実施形態の繊維強化複合材料によれば、従来の繊維強化複合材料に比較して、耐熱性、機械的強度、耐放電特性を向上させることができ、産業上きわめて有効である。この粒子の粒子直径は、強化材料と用いられる粒子やガラス繊維の大きさに比べれば遥かに小さいため、粘性などの物性が変わることを除けば、従来のマトリックス樹脂と同様に扱うことができ、繊維強化複合材料の製造工程において目詰まりなどの問題を起こすことが少ない。
第1の実施形態のように製作される繊維強化複合材料について、完全に加熱硬化処理を行わずにプリプレグ状にして使用してもよい。この場合、前述の微粒子がマトリックス樹脂の反応性を弱めることがなく、プリプレグ状のシートを任意の形状に切り出して積層した後に加熱、加圧させることで機械的強度や弾性率を損なわずに所定の繊維強化複合材料を得ることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、前述の第1の実施形態で用いた加熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に代えた点を除けば、第1の実施形態と同一である。この場合、層状珪酸塩粒子を付与することにより、耐熱性、耐放電特性を付与することができる上、前述の加熱硬化性樹脂と異なり、使用後に溶融させて形状を変えたりさせることで別の機器などの絶縁材料、半導電材料として再使用することができる。
第2の実施形態は、前述の第1の実施形態で用いた加熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に代えた点を除けば、第1の実施形態と同一である。この場合、層状珪酸塩粒子を付与することにより、耐熱性、耐放電特性を付与することができる上、前述の加熱硬化性樹脂と異なり、使用後に溶融させて形状を変えたりさせることで別の機器などの絶縁材料、半導電材料として再使用することができる。
本発明の繊維強化複合材料に係る第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に耐熱性に優れるばかりでなく、耐部分放電性に優れ、従来の熱可塑性樹脂を用いる繊維強化複合材料に比較して、リサイクル性を備えている。
[第3の実施形態]
第3の実施形態を、図2を参照して説明する。図2に示す繊維強化材料は、短繊維10と、微粒子とマトリックス樹脂の複合物11からなる。この場合、基材が短繊維であるために、マトリックス樹脂、短繊維、微粒子を一度に混合して攪拌させた後に加熱硬化して得ることができる。また、短繊維を集積させてなる板を形成した後に微粒子とマトリックス樹脂の混合物11を染み込ませて、加熱硬化させて得てもよい。さらには、上述のいずれかの製造方法について、半硬化状態にしてプリプレグ状態としてもよい。
第3の実施形態を、図2を参照して説明する。図2に示す繊維強化材料は、短繊維10と、微粒子とマトリックス樹脂の複合物11からなる。この場合、基材が短繊維であるために、マトリックス樹脂、短繊維、微粒子を一度に混合して攪拌させた後に加熱硬化して得ることができる。また、短繊維を集積させてなる板を形成した後に微粒子とマトリックス樹脂の混合物11を染み込ませて、加熱硬化させて得てもよい。さらには、上述のいずれかの製造方法について、半硬化状態にしてプリプレグ状態としてもよい。
本発明の繊維強化複合材料に係る第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、耐熱性、機械的強度に優れ、かつ成形加工性に優れ、耐部分放電特性を向上させることができ、産業上、きわめて有効である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、前述した各実施形態の繊維強化複合材料について、その繊維の径が大きくとも500nm以下の導電性の短繊維を付与してなるものである。
第4の実施形態は、前述した各実施形態の繊維強化複合材料について、その繊維の径が大きくとも500nm以下の導電性の短繊維を付与してなるものである。
具体的には、例えば、昭和電工製カーボンナノファイバー(製品名:VGCF)である。このようにして得られた繊維強化樹脂複合材料は、好適な半導電性を持つ上、マトリックス樹脂に微粒子を付与したことにより良好な機械的特性、耐熱性を併せ持つ材料としてなる。しかしながら繊維直径が500nmを超える場合、前述の樹脂中における粒子の分散度合いを低下させ、ひいては機械的特性、耐熱性を低下させる。
本発明の繊維強化複合材料に係る第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、耐熱性、機械的強度、耐放電特性に優れた半導電材料となるので、産業上きわめて有効である。 [本発明の用途]
以上述べた各実施形態により得られた繊維強化複合材料は、次のような電気機器の構造部材に用いられる。すなわち、高電圧変圧器の冷却気道確保用ダクト材料、高電圧変圧器の構造支持材料、高電圧回転電機の導体接続部の絶縁材料、高電圧回転電機のコイルの支持固定材料、高電圧回転電機の絶縁管路の何れかを形成するために用いられる。
以上述べた各実施形態により得られた繊維強化複合材料は、次のような電気機器の構造部材に用いられる。すなわち、高電圧変圧器の冷却気道確保用ダクト材料、高電圧変圧器の構造支持材料、高電圧回転電機の導体接続部の絶縁材料、高電圧回転電機のコイルの支持固定材料、高電圧回転電機の絶縁管路の何れかを形成するために用いられる。
このような構造部材を用いることで、次のような作用効果が得られる。
前述の繊維強化複合材料を変圧器の冷却気道用確保用ダクトとして用いた場合の効果について説明する。従来の繊維強化複合材料に比して耐熱性、機械的特性、および耐放電特性が向上しているので、同じ容量、同電圧の変圧器で比較して、機械強度を確保するために必要な材料厚みを減ずることができる。これにより、ダクト内の気道断面積を増すことができるため、冷却効率が向上する。また、本発明によるダクト材料は耐熱性にすぐれているので、通電電流による発熱がもたらす温度上昇に耐える範囲でより通電電流を増すことができる。これにより、従来の変圧器に比較して本発明では、より大電流を流す設計が可能となり、大容量化が可能になる。また、同容量で比較した場合は、変圧器の大きさを減じることができるので、機器重量の低減、据付面積の抑制が可能になる。
また、前述の繊維強化複合材料を変圧器の構造支持材料として用いた場合の効果について説明する。変圧器における構造支持材料では、高温度下で大荷重に耐えるために、ステンレス等金属を用いる場合がある。従来のステンレス等金属性の材料に代えて、本発明の繊維強化複合材料を用いることで、機器の重量を低減させることができる。
さらに、前述の繊維強化複合材料を導体接続部の絶縁材料として用いた場合の効果について説明する。導体接続部においては、大電流による導体発熱からの温度上昇があり、吸湿や放電による劣化が起こる。本発明の繊維強化複合材料は、高温下においても吸湿や放電が抑制され、機器の信頼性が向上する。また、従来の材料に比較して機械的特性に優れているので、接続部の絶縁施工厚さを減じることができ、ひいては導体接続部からの熱放散を向上させることができる。
また、前述の繊維強化複合材料をコイルの支持固定材料として用いた実施形態について図3を用いて説明する。コイル2の支持固定材料としては、固定子楔4、スペーサ3、コイルの横方向固定材7について、その何れか、もしくは全てを、本発明の繊維強化複合材料を用いてなる。このような構成とした場合、従来材料に比較して優れた機械的特性を持つために、各材料の厚みを減ずることができる。その結果固定子の導体5に通電されて生じた発熱を効率よくコイル鉄心1あるいはその周囲の空間へ放散させる。このように冷却効率を向上させることが可能となる。
1…固定子鉄心、1a…固定子スロット、2……固定子コイル、3…スペーサ、4…固定子楔、5…導体部、6…主絶縁層、7…横方向固定材、8…ガラス布、9…微粒子を分散したマトリックス樹脂、10…短繊維、11…微粒子を分散したマトリックス樹脂。
Claims (9)
- 繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料。 - 繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記加熱硬化性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料。 - 繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記加熱硬化性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とするプリプレグ。 - 繊維性の基材に加熱硬化性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記加熱硬化性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記加熱硬化性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とするプリプレグ。 - 繊維性の基材に熱可塑性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記熱可塑性樹脂に平均粒径が100nm以下の球状粒子を、前記熱可塑性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料。 - 繊維性の基材に熱可塑性樹脂を付与してなる繊維強化複合材料において、
前記熱可塑性樹脂に厚さが10nm以下で直径が1000nm以下の平板状粒子を、前記熱可塑性樹脂に対する重量割合を1%以上10%以下の範囲で添加したことを特徴とする繊維強化複合材料。 - 前記基材を短繊維としたことを特徴とする請求項1、2、5、6のいずれか一つに記載の繊維強化複合材料。
- 前記繊維径が大きくとも500nmの導電性短繊維をあらかじめ前記加熱硬化性樹脂又は前記熱可塑性樹脂に付与したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の繊維強化複合材料。
- 請求項1、2、5、6、7、8のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料を構造部材の一部として用いたことを特徴とする電気機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007093642A JP2008248178A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 繊維強化複合材料及び電気機器 |
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