JPWO2013062013A1 - 生物由来の生理活性物質の測定方法及び、それに用いられる微粒子及び抽出液 - Google Patents

生物由来の生理活性物質の測定方法及び、それに用いられる微粒子及び抽出液 Download PDF

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Abstract

生物由来の生理活性物質の濃度が極めて低い試料や、ALに対して干渉作用を有する成分を含有する試料に対しても、より精度良くまたは、より短時間で、生物由来の生理活性物質の検出または濃度の測定が可能な技術を提供する。エンドトキシンなどの所定生理活性物質を含有する試料に所定生理活性物質を吸着可能な微粒子を分散させ、所定生理活性物質を微粒子上に吸着させることで試料中の所定生理活性物質を濃縮する。その後、微粒子を分離回収してALと反応させることにより凝集反応を惹起させ、光学的手法により凝集を検出して所定生理活性物質の測定を行う。

Description

本発明は、エンドトキシンやβグルカンなど、ALとの反応によってゲル化する特性を有する生物由来の生理活性物質を含有する試料中の該生理活性物質を検出しまたはその濃度を測定するための測定方法及び、それに用いられる微粒子に関する。また、医療用具に付着する生物由来の生理活性物質を抽出し、微粒子に吸着させた後、その微粒子を該生理活性物質の測定試薬であるリムルス試薬(AL試薬)と混和させ、攪拌条件下でALの凝集を光学的手法で検出することにより該生理活性物質を測定する、医療用具における生物由来の生理活性物質の測定方法及び、それに用いられる抽出液に関する。
エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁に存在するリポ多糖であり、最も代表的な発熱性物質である。このエンドトキシンに汚染された輸液、注射薬剤、血液などが人体に入ると、発熱やショックなどの重篤な副作用を惹起するおそれがある。このため、上記の薬剤などは、エンドトキシンにより汚染されることが無いように管理することが義務付けられている。一方で、敗血症患者血液中のエンドトキシンを測定することにより、重篤なエンドトキシンショックの予防や治療に寄与することもある。
また、βグルカンは真菌に特徴的な細胞膜を構成しているポリサッカライド(多糖体)である。βグルカンを測定することによりカンジダやアスペルギルス、クリプトコッカスのような一般の臨床でよく見られる真菌のみならず、稀な真菌も含む広範囲で真菌感染症のスクリーニングなどに有効である。
ところで、カブトガニの血球抽出物(以下、「AL :Amoebocyte lysate」ともいう。)の中には、エンドトキシンやβグルカンなどによって活性化されるセリンプロテアーゼが存在する。そして、ALとエンドトキシンやβグルカンとが反応する際には、それらの量に応じて活性化されたセリンプロテアーゼによる酵素カスケードによって、AL中に存在するコアギュロゲンがコアギュリンへと加水分解されて会合し、不溶性のゲルが生成される。このALの特性を用いて、エンドトキシンやβグルカンを高感度に検出することが可能である。近年、このことを利用して、エンドトキシンなどの検出または濃度測定にALを用いる方法が考案されている。
このエンドトキシンやβグルカンなどの、ALによって検出可能な生物由来の生理活性物質(以下、「所定生理活性物質」ともいう。)の検出または濃度測定(以下、単純に「所定生理活性物質の測定」ともいう。)を行う方法としては、以下のものが知られている。例えば、所定生理活性物質がALに作用して試料が濁る反応を測定する比濁法、所定生理活性物質が作用して活性化したAL中の酵素により添加した合成基質が分解して発色する反応を測定する比色法などである。しかしながら、低濃度の所定生理活性物質が作用した際のAL自体の濁りや合成基質による発色はきわめて微弱であるので、これらの測定法における生理活性物質の測定下限は0.001EU/mL(EU:エンドトキシン単位)程度であった。
一方、透析液の中には測定感度が従来の比濁法や比色法では不足してしまう事例が発生している。例えば日本透析医学会基準2008では、超純粋透析液や置換用透析液のエンドトキシン濃度は0.001EU/mL未満とされている。そのため、更なる高感度化を図った測定法の確立が急務となっている。高感度化を図った測定法としては、比濁法を発展させて試料を攪拌する方法(攪拌比濁法)、攪拌した試料中に形成されるゲル微粒子を光散乱法によって検出する方法(光散乱法)、ALを微粒子上に結合させて凝集反応を増強した方法(AL結合ビーズ法)などが報告されている。そして、0.0001EU/mL以下の所定生理活性物質の測定を実用時間内で行う手法も近年報告されている。
ところで、ALは複数のタンパク質分解酵素(セリンプロテアーゼ)の連鎖反応によりゲル化する。従って、試料検体中にALのセリンプロテアーゼを阻害あるいは亢進する物質(干渉物質)が含まれている場合は、試料を十分に希釈するか干渉物質を除去しないと所定生理活性物質の正確な定量を行うことが出来ない場合があった。これに対して、所定生理活性物質を吸着するアミノ酸、ポリペプチド、ランダムペプチドライブラリから選別されたリピドA結合ペプチドなどをビーズ状の担体上に結合して、所定生理活性物質を含有する試料と混合させて所定生理活性物質を担体に固定させるバッチ法が提案されている。このバッチ法においては、所定生理活性物質が固定された担体とALと反応させ、ゲル化あるいは所定生理活性物質の作用によるALの濁度変化を測定する。
バッチ法の例としては、エンドトキシンを結合できるパイロセップをセルロース、あるいはアガロースビーズに結合させてカラムを形成し、これに多量のエンドトキシンを含有する試料を通過させるパイロセップ法が挙げられる(非特許文献1参照)。このパイロセップ法では、試料通過後のカラムをアルカリ側のバッファで洗浄してエンドトキシンを解離させ、その後ALと反応させ、カイネティック比濁法にてエンドトキシンを定量する。このことで、0.5EU/mLのエンドトキシンを60分程度で検出することが可能である。
バッチ法の他の例としては、ランダムペプチドライブラリ法(特許文献1)を挙げることができる。この方法では、ランダムペプチドライブラリからエンドトキシンの活性中心であるリピドAを認識するペプチド(例えば、XYSSS(X=K,R,又はH))を200−400メッシュ(50−100μm)のPropionyl chloride functionalized silica gel(シグマ・アルドリッチ)に結合させる。また、この方法では、上記結合の後のsilica gelにエンドトキシン含有試料を混合してエンドトキシンをビーズに吸着させる。そして、遠心により6回洗浄した後、エンドスペシーで測定する。
しかしながら、上記の方法で使用している結合担体がいずれも大きく、光散乱性が低く、また、脆弱な素材(アガロース、セルロース、シリカゲル)であった。一方、AL結合ビーズ法など短時間測定を可能とする測定法では、試料の攪拌を伴い、所定生理活性物質を光学的に測定するため、屈折率が高く、且つ、強度の高い結合担体が要求される。従って、上記の方法をAL結合ビーズ法などに適用することは困難であり、上記の方法により所定生理活性物質の測定時間を大幅に短縮することは困難であった。
また、上述のように、エンドトキシンが人体に入ると、発熱やショックなどの重篤な副作用を惹起するおそれがある。このため、注射薬剤や注射関連器具などの医療用具においては一定濃度、あるいは、一定量以上のエンドトキシンを含んではならない。そのため、それらに混入するエンドトキシンは厳格に管理される。ここで医療用具とは、治療において患者体内に設置する器具、シリンジや注射針などの注射器具、注射薬剤あるいは輸液と接するフィルターチューブやバッグなどを示す。
ここで、医療用具に付着するエンドトキシンは水での抽出が難しいことが知られている(特許文献5)。これに対し、アミン含有化合物やアルブミンなどを適宜含有する抽出液によりエンドトキシンを医療用具から抽出し、抽出液における抽出後のエンドトキシン濃度を測定する方法が有効とされている。しかしながら、器具に付着するエンドトキシンを抽出するには、器具の大きさにも依存するが、大量の抽出液を使用しなくてはならないため、抽出液によってエンドトキシンが希釈されてしまう。そうすると、エンドトキシンが希薄なために測定が困難になったり、検出時間が長くなる問題があった。
国際公開第WO2007/060769号パンフレット 特開2009−118854号公報 特開2009−150723号公報 国際公開第WO2008/038329号パンフレット 特開平5−255405号公報
土谷正和、「Talking of LAL 第20話 パイロセップ法」、和光純薬技報、和光純薬工業、1995年7月15日、第63巻、第3号、p.21 棚元憲一、「エンドトキシンと医薬品の品質管理」、国立医薬品食品衛生研究所報告、国立医薬品食品衛生研究所、2008年、第126号、p.19〜33 ジェイムス R.ロビンソン(James R. Robinson)他4名著, 「デピロジェネーション バイ マイクロポーラス メンブレイン フィルターズ(Depyrogenation by Microporous Membrane Filters)」,(米国),PDAテクニカルレポート(PDA technical report),1985年7月,p.54
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、生物由来の生理活性物質の濃度が極めて低い試料や、ALに対して干渉作用を有する成分を含有する試料に対しても、より精度良くまたは、より短時間で、生物由来の生理活性物質の検出または濃度の測定が可能な技術を提供することである。また、医療用具に付着する生物由来の生理活性物質を、より正確にまたはより短時間で測定することが可能な測定方法、ならびに、当該測定方法に用いられる抽出液を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、所定生理活性物質を含有する試料に所定生理活性物質と親和性のある微粒子を分散させ、所定生理活性物質を微粒子上に吸着させた後、微粒子を回収してALと反応させることにより凝集反応を惹起させ、光学的手法により凝集を検出して所定生理活性物質の測定を行うことを最大の特徴とする。
より詳細には、カブトガニの血球抽出物であるALを含むAL試薬と所定の生物由来の生理活性物質を含む試料の混和液を生成し、該混和液を攪拌しつつ、該混和液におけるALと前記生理活性物質との反応に起因する蛋白質の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定方法であって、
前記生理活性物質を表面に吸着可能な微粒子を前記試料中に分散させることで前記生理活性物質を前記微粒子の表面に吸着させた後に前記試料から前記微粒子を分離し、
前記AL試薬と前記生理活性物質が表面に吸着された前記微粒子との混和液を生成し、
前記AL試薬と前記微粒子との混和液における前記微粒子の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することを特徴とする。
上記の本発明においては、光学的に透明度が低いか屈折率が高く、機械的な外力に対して十分な強度を有する素材を含有する微粒子と、所定生理活性物質を含有する試料とを混合し、所定生理活性物質を微粒子上に吸着させる。その際の試料は、所定生理活性物質の濃度が極めて低い特性および/または、ALの反応に影響する干渉物質を含む特性を有していてもよい。その後、自然沈降あるいは、遠心分離、フィルタろ過などの操作によって所定生理活性物質が吸着した微粒子を分離回収し、必要に応じ、所定生理活性物質を含まない液体で微粒子を洗浄する。そして、微粒子とALとを反応させて凝集反応を惹起し、光透過率や光散乱光の強度・ピーク数などの光学的特性を取得することで、所定生理活性物質の測定を行う。
本発明においては、医療用具に付着する所定生理活性物質を所定生理活性物質と親和性がある微粒子上に吸着させ、その後、微粒子を分離回収してALと反応させることにより凝集反応を惹起させ、光学的手法により凝集を検出して所定生理活性物質の測定を行うこととしてもよい。
より詳細には、カブトガニの血球抽出物であるALを含むAL試薬と医療用具から抽出した所定生理活性物質を含む抽出液の混和液を生成し、該混和液を攪拌しつつ、該混和液におけるALと所定生理活性物質との反応に起因する蛋白質の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することで、前記抽出液中の所定生理活性物質を検出しまたは所定生理活性物質の濃度を測定する、医療用具における所定生理活性物質の測定方法であって、
所定生理活性物質を表面に吸着可能な微粒子を前記抽出液中に分散させることで所定生理活性物質を前記微粒子の表面に吸着させた後に前記抽出液から前記微粒子を分離し、
前記AL試薬と所定生理活性物質が表面に吸着された前記微粒子との混和液を生成し、
前記AL試薬と前記微粒子との混和液における前記微粒子の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することとしてもよい。
すなわち、医療用具に付着している所定生理活性物質を、所定生理活性物質と親和性がある微粒子が分散された抽出液に抽出し、前記微粒子上に吸着させる。前記微粒子は具体的には、光学的に透明度が低いか屈折率が高く、機械的な外力に対して十分な強度を有する素材を主成分、あるいは、成分の一つとする所定生理活性物質を吸着する微粒子である。そして、自然沈降あるいは、遠心分離、フィルタろ過などの操作によって、所定生理活性物質が吸着した微粒子を分離回収し、必要に応じ、所定生理活性物質を含まない液体で微粒子を洗浄する。その後、微粒子とALとを反応させて凝集反応を惹起し、光透過率や光散乱光の強度・ピーク数などの光学的特性を取得することで、医療用具に付着した所定生理活性物質の測定を行う。
本発明において前記微粒子は、パイロセップ、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アミノシラン、キトサン、抗エンドトキシン抗体、抗エンドトキシンアプタマー、ランダムペプチドライブラリ中の素材、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの金属酸化物質、カオリン、モンモリロナイト、酸化マンガン、雲母などの天然あるいは合成鉱物より選定された一または複数の素材からなるようにするとよい。
すなわち、所定生理活性物質を吸着する吸着素材としては、エンドトキシンなどの所定生理活性物質の吸着能力が優れた選択性の高い有機化合物、あるいは、選択性は高くないがエンドトキシンなどの所定生理活性物質の吸着能力の優れた無機物質のいずれであってもよい。有機化合物としては、パイロセップ、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アミノシラン、キトサン、抗エンドトキシン抗体、抗エンドトキシンアプタマー、ランダムペプチドライブラリより選定されたエンドトキシン吸着ペプチド(例えば特許文献2(特開2009−118854号公報)に例示されている、XYSSS(X=K、R、又はH))などが挙げられる。また、無機物質としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの金属酸化物質、カオリン、モンモリロナイト、酸化マンガン、雲母などの天然あるいは合成鉱物が挙げられる。
上記の有機化合物は可能であれば素材自体を粒状化しても良いし、有機性、あるいは、無機性の結合担体の微粒子上に静電吸着、あるいは化学結合させて粒子化しても良い。すなわち、本発明において前記微粒子は、担体微粒子の表面上に前記生理活性物質を選択的に吸着する吸着素材を結合させて形成されるようにしてもよい。
この場合の吸着素材は、パイロセップ、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アミノシラン、キトサン、抗エンドトキシン抗体、抗エンドトキシンアプタマー、ランダムペプチドライブラリ中の素材、より選定された一または複数の素材であってもよい。
また、この場合の有機性の担体微粒子としては、ポリスチレンラテックス、ポリエチレン、ナイロン、セルロース、アガロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂などの微粒子が挙げられる。また、無機性の担体微粒子としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの単体、あるいはそれらの複合素材微粒子(例えば、シリカアルミナやアルミナチタニアなど)、カオリン、モンモリロナイト、酸化マンガン、雲母などの天然あるいは合成鉱物微粒子などが挙げられる。
有機性化合物か無機性化合物か、素材自体を微粒子としたものか担体微粒子上に吸着素材を結合したものかに関わらず、少なくとも1種類以上の微粒子を選択して使用しても良く、2種類以上の違う素材を混合して使用しても良い。なお、素材を選定するに当たっては、以下の2点に留意すべきである。まずは、微粒子の検出には光透過率が低い粒子(有色粒子を含む)や光透過率が高くても屈折率が高い粒子の方が効率が高い点である。次に、攪拌下においては、脆弱な粒子では攪拌による外力に耐えられず粒子の破壊が起こるため、十分な強度を有する必要がある点である。
本発明において要求される光学的性質、粒子の機械的強度などから総合的に考えると、微粒子担体としてはアルミナやチタニアなどの高屈折性で硬いセラミックス微粒子が望ましい。セラミックス微粒子は乾熱滅菌が容易なため、エンドトキシンの混入を防ぐことが可能であり、且つ、適度な比重を有するため、遠心分離による微粒子の回収が容易である。
これらの微粒子は、自然沈降、あるいは、簡単な操作で分離回収が可能なことが望まれる。非常に小さな粒径では微粒子の回収が難しい。逆に大きな粒径では、(1)用水または抽出液への微粒子の分散性が低い。(2)微粒子の吸着有効表面積が低い。(3)粒子内部への所定生理活性物質の侵入がしづらい。という理由から所定生理活性物質の吸着能力が低くなる。(4)所定の生理活性物質が吸着した後の微粒子を洗浄しなくてはならない場合、微粒子内部の水を排出しにくいため洗浄効果が低くなる。さらに、所定生理活性物質を吸着した微粒子をALと反応させて共凝集を惹起するに当たっては、粒径をなるべく小さくすることが測定時間の短縮につながる。これらのことから、微粒子の粒径としては、5nmから50μm、さらに10nmから20μmであることが望ましい。
所定生理活性物質を吸着した微粒子を濃縮する手法としては、自然沈降、遠心分離による沈殿の他、フィルタや中空糸によるろ過などが考えられる。実際には、これらから少なくとも1種類を選択し、あるいは組み合わせることにより粒子を濃縮すればよい。濃縮時間の短縮や簡便さ、濃縮率の向上を考えると、遠心分離により微粒子を沈殿させる手法が望ましい。
また、本発明においては、前記微粒子には、界面活性剤が添加されるようにしてもよい。また、前記微粒子は、前記吸着素材によって表面全体が覆われるように形成されるようにしてもよい。
ここで、本発明において所定生理活性物質を吸着した微粒子を製造するに当たり、または、医療用具に付着している所定生理活性物質を微粒子に吸着させるに当たり、所定生理活性物質を吸着可能な素材を担体微粒子の表面に結合する場合について考える。この場合は、所定生理活性物質を吸着可能な素材が複数の担体粒子の間を架橋してしまい、微粒子が局所的に凝集してしまうことが考えられる。これに対し、微粒子が凝集し難くするための工夫や凝集してしまった微粒子を分散させるための工夫を加えても良い。前者としては、界面活性作用を持つ物質の添加や、所定生理活性物質を吸着可能な素材を担体微粒子に対して過剰量結合させて担体微粒子の表面全体を被覆することなどが例示できる。また、後者としては、機械的な衝撃や振動を与えたり、ミルやホモジナイザーにより摩砕することにより凝集してしまった微粒子を分散させることが例示できる。
また、本発明においては、前記微粒子は前記AL試薬中のコアギュロゲンと親和性を有する素材からなるようにしてもよい。あるいは、前記微粒子はコアギュロゲンと親和性を有する素材を含んで形成され、予めコアギュロゲンが結合されるようにしてもよい。
ところでAL結合ビーズ法では、微粒子の上にAL、特に、AL中のコアギュロゲンを結合して微粒子上のコアギュロゲンがコアギュリンに変化して急激な凝集を起こすことにより高速な凝集反応を可能とし、結果として、短時間の測定が可能な方法を実現している。本発明で使用する微粒子においても、必要に応じて、微粒子上に予めコアギュロゲンを固定化しておいても良い。あるいは、微粒子の一部に前もってALやコアギュロゲンと親和性がある物質を固定化しておいても良い。さらには、微粒子自体がエンドトキシンとコアギュロゲンの両者に親和性を有するものであっても良い。例えば、アルミナやチタニアはエンドトキシンと親和性が高いが同時にタンパク質との親和性も高い。そのため、これらの微粒子は本発明の目的に使用することが可能である。
また、エンドトキシンなどの所定生理活性物質を吸着する有機性素材の中にはタンパク質との親和性が高いものがある。例えば、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニンなどは静電気的にタンパク質を吸着させる。これらの有機性素材を微粒子に結合させることにより、微粒子は所定生理活性物質とコアギュロゲンの両方と親和性を有するようになる。この微粒子を用いることにより、エンドトキシンを濃縮しつつ、且つ、微粒子を凝集反応に参加させることで測定時間を短縮することが可能である。
また、本発明においては、前記試料または抽出液に、前記ALと前記生理活性物質との反応に影響を及ぼす干渉物質が含まれている場合に、前記試料または抽出液から分離した後の前記微粒子を洗浄することで、前記干渉物質を除去するようにしてもよい。
ところで、ALは複数のタンパク質分解酵素(セリンプロテアーゼ)の連鎖反応によりゲル化する。従って、試料中または抽出液中にALのセリンプロテアーゼを阻害あるいは亢進する物質(干渉物質)が含まれている場合は、前述のように、試料または抽出液を十分に希釈するか干渉物質を除去しないと所定生理活性物質の正確な測定を行うことが出来ない場合がある。これに対して、本発明においては、前記試料または抽出液に、このような干渉物質が含まれている場合に、前記試料または抽出液から分離した後の前記微粒子を洗浄することで、前記干渉物質を除去するようにした。
これによれば、所定生理活性物質が吸着され濃縮された微粒子とAL試薬とを混和させる前の段階で、試料中または抽出液中の干渉物質を除去することができる。これによって、干渉物質の影響を排除することができ、より精度よく、所定生理活性物質の測定を行うことができる。
また、本発明においては、前記AL試薬には、カブトガニの血球の抽出物に含まれる所定の蛋白質が表面に吸着されたビーズを分散させておくようにしてもよい。
ここで、前述したAL結合ビーズ法では、AL中に含まれる蛋白質をビーズの上に結合または吸着させたAL試薬を作り、このAL試薬に所定生理活性物質を含む試料を作用させる。このことで、ビーズ同士を会合させてより大きな凝集塊を早期に生成させ、AL試薬と試料または抽出液との混和液における凝集またはゲル化を促進することとしている。従って、本発明による、所定生理活性物質が表面に吸着された微粒子と混和するAL試薬を、AL結合ビーズ法によるビーズが分散されたものとすれば、本発明とAL結合ビーズ法の相乗効果を奏することが可能となり、さらに短時間で所定生理活性物質の測定を行うことが可能となる。
また、本発明においては、前記生物由来の生理活性物質は、エンドトキシンまたはβグルカンであってもよい。
そうすれば、最も代表的な発熱性物質であるエンドトキシンの検出または濃度測定がより正確に行なえ、エンドトキシンに汚染された輸液、注射薬剤、血液などが人体に入り、副作用が惹起されることを抑制できる。同様に、βグルカンの検出または濃度測定がより正確に行なえ、カンジダやアスペルギルス、クリプトコッカスのような一般の臨床でよく見られる真菌のみならず、稀な真菌も含む広範囲で真菌感染症のスクリーニングをより正確に行なうことが可能となる。
また、本発明は、前記生理活性物質を表面に吸着可能な微粒子であって、上記のいずれかの生物由来の生理活性物質の測定方法に用いられる微粒子であってもよい。
また、本発明は、上記に記載の医療用具における生物由来の生理活性物質の測定方法において医療用具から所定生理活性物質を抽出する抽出液であって、所定生理活性物質を表面に吸着可能な前記微粒子が予め分散されたことを特徴とする、医療用具における生物由来の生理活性物質の測定方法に用いられる抽出液であってもよい。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、試料中の生物由来の生理活性物質を微粒子上に濃縮して吸着させた状態で、生物由来の生理活性物質を測定することが可能となり、従来よりも低濃度の生物由来の生理活性物質を測定することができる。また、微粒子どうしの凝集を利用することにより高速な凝集反応が惹起され、低濃度の生物由来の生理活性物質を短時間で測定することが可能となる。また、AL反応と干渉する物質が存在する場合にも、試料から分離回収した微粒子を適宜洗浄することにより当該物質を除去することができ、より高い精度で、生物由来の生理活性物質の測定を行うことができる。
また、本発明にあっては、医療用具に付着した所定生理活性物質を抽出し、凝集反応に自らが参加することができる微粒子に所定生理活性物質を濃縮して吸着することが可能となり、その結果、従来よりも低濃度まで、医療用具に付着した所定生理活性物質を測定することができる。また、特に医療用具から所定生理活性物質を抽出するには多量の抽出液が必要となるが、本発明では微粒子に吸着した所定生理活性物質は微粒子とともに遠心などにより濃縮することが可能であるため、抽出液の量により希釈され測定できないという不都合を回避できる。また、医療用具にAL反応と干渉する物質が存在する場合にも、試料から分離回収した微粒子を適宜洗浄することにより当該物質を除去することができ、より高い精度で、医療用具に付着した生物由来の生理活性物質の測定を行うことができる。
各種無機素材によるエンドトキシン除去(吸着)作用を比較した図である。 各種無機素材に吸着させたエンドトキシンの濃度と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン吸着微粒子を用いた場合の、エンドトキシン含有試料の容量と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン含有試料とエンドトキシン吸着微粒子を反応させる際の吸着反応温度及び吸着反応時間と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン吸着微粒子に予めコアギュロゲンを結合させて測定した場合の、エンドトキシン濃度と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン吸着微粒子とAL結合ビーズとを併用した場合の、エンドトキシン測定時の反応速度の変化を示したグラフである。 エンドトキシン吸着微粒子とAL結合ビーズとを併用した場合の、エンドトキシン測定時の検出時間を示したグラフである。 βグルカン吸着微粒子を用いてβグルカンの測定を行う場合の、βグルカンの濃度と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン吸着性微粒子を用いた場合と用いない場合における、試料のエンドトキシン濃度と検出時間との関係を示すグラフである。 エンドトキシン吸着性微粒子を用いた場合と用いない場合における、エンドトキシン測定の流れを説明するための図である。 エンドトキシン吸着性微粒子を用いた場合と用いない場合における、光透過率の時間的変化を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、所定生理活性物質としてエンドトキシンまたはβグルカンを例にとって説明するが、以下の説明は他の生物由来の生理活性物質にも適用可能である。
本実施の形態における微粒子として、(1)エンドトキシンに対する選択性は低いが、エンドトキシンとAL中のコアギュロゲンとを吸着可能な無機性微粒子と、(2)エンドトキシンに対する選択性及び親和性の高い有機性吸着素材を無機性の担体微粒子に結合させた微粒子が考えられる。前者の場合、エンドトキシンへの選択性が低いため、試料中に含まれる成分が無機性微粒子以上に強くエンドトキシンを結合するような場合や、試料中のエンドトキシン以外の成分が無機性微粒子に結合するような場合はエンドトキシン吸着素材としての機能が低下する。一方、後者はエンドトキシンの結合特異性が高いため、吸着素材としての能力を十分に発揮可能である。
次に、エンドトキシンを吸着する微粒子の調製に関して説明する。担体微粒子としてはエンドトキシンとAL中のコアギュロゲンの両方に親和性を持つ無機性の素材であるアルミナやチタニアなどのセラミックス微粒子を用いることが可能である。あるいは、これらのセラミックス微粒子の表面にエンドトキシンを選択的、または、高親和的に吸着可能な有機性の吸着素材を結合させてもよい。また、予めこれらのセラミックス微粒子を乾熱処理することにより、エンドトキシンを完全に除去しておくとよい。
有機性のエンドトキシン吸着素材をアルミナやチタニアの微粒子に結合させる場合には、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、抗エンドトキシン/リピドA抗体、抗エンドトキシン/リピドA核酸アプタマー、ランダムペプチドライブラリから選定されたエンドトキシン/リピドAに対するペプチドなどを使用するとよい。アルミナやチタニアは、上述のようにタンパク質や核酸との親和性が高いため、上記の吸着素材を化学結合を使用せずに結合させることが可能である。
しかしながら、上記の吸着素材の中にはアルミナやチタニアと静電的に結合しただけでは結合が解離してしまうものや、結合によってエンドトキシンやグルカンといった所定の生理活性物質との結合能力が低下してしまうものも想定される。そのような場合は、アルミナやチタニアの表面に有機化合物と化学結合が可能な官能基を導入し、それを介して吸着素材を化学結合させることも可能である。この場合に導入する官能基としては例えばシランカップリング剤を挙げることができる。
具体的には、例えばアミノ基を有し、吸着素材が有するカルボキシル基と化学結合が可能なアミノシランカップリング剤でもよい。また、エポキシ基を有し、吸着素材中のアミノ基と化学結合が可能なエポキシシランカップリング剤でもよい。さらには、イソシアナト基、あるいは、イソチオシアナト基を有し、吸着剤中のアミノ基と化学結合が可能なイソシアナトシランカップリング剤、イソチオシアナトシランカップリング剤でもよい。なお、ここで使用する化学物質としては、吸着剤の一部と化学結合が可能で、且つ、チタニアやアルミナといった無機化合物と結合が可能な物質であればよく、ここに例示したシランカップリング剤に限定されるものではない。
また、これらのエンドトキシン吸着素材を微粒子に結合させる際に、必要に応じてAL成分を少量添加させておくか、エンドトキシン吸着素材とAL成分のどちらかを先に結合させた後にもう一方を作用させて結合させておくと良い。あるいは、エンドトキシン吸着素材を結合させた微粒子とAL、あるいはコアギュロゲンを結合させた微粒子を別々に準備し、これらを適当な混合比で混合させて使用しても良い。
有機性の吸着素材が無機性の担体微粒子に結合する際、無機性の担体微粒子への有機性吸着素材の親和性が強い場合に吸着素材が橋掛け剤となったり(架橋反応)、微粒子上の電荷が中和されたりするために、微粒子の一部または全部が凝集してしまう場合がある。そのため、無機性の担体微粒子に対して有機性の吸着素材を過剰量反応させると良い。また、調製工程において、界面活性作用を有する物質を加えることも効果的である。
この界面活性作用を有する物質は、AL反応に干渉しないか、干渉作用が小さい物質であることが望ましい。例えば、Triton系、Tween系、Nonidet系、あるいは、Pluronic系などに代表される非イオン性界面活性剤やエンドトキシン測定の際にALの安定化剤やエンドトキシン抽出剤として頻用されるアルブミンなどの利用が望ましい。しかしながら、界面活性作用を有する物質は上記の具体例に限定される趣旨ではない。
また、このような工夫をしても粒子が凝集してしまう場合は、粒子を沈殿させた後に強い衝撃を与えてほぐしたり、ミルやホモジナイザーを利用して微粒子化すると良い。例えば、製造例3のように、過剰のポリリジンをアルミナ微粒子と混合して結合させ、その後、洗浄及び遠心分離操作による除去を行って調製したエンドトキシン吸着性の微粒子は、光屈折性に優れ、粒径も小さいので、本発明に係るエンドトキシン測定法に利用可能である。
本発明の微粒子を用いてエンドトキシン濃度を測定するにあたっては、調製した微粒子を含む分散液を試料と混合して、適当な時間吸着反応をさせた後、遠心分離などの方法により、微粒子を沈殿させる。試料の成分がAL反応に対して干渉作用を有する場合はこの時点でエンドトキシンを含有しない適当な用水(注射用水など)で微粒子を洗浄する。洗浄においては、用水と微粒子の混和液中の微粒子を遠心分離などの方法により沈殿させ、上清を除去する。そして、残留した微粒子を用水で再懸濁させ、再び遠心分離により沈殿させ、上清を除去する。この作業を適宜繰り返すことにより、微粒子の洗浄が可能である。
また、試料に混合させる微粒子の分散液に界面活性効果がある成分を添加しておくことにより、エンドトキシンの吸着反応の際に微粒子を安定化させることができる。また、界面活性作用によりエンドトキシンが分散されるので、効率よくエンドトキシンを微粒子に吸着させることができる。同様に、エンドトキシンが吸着した微粒子をALと混合する際にも、界面活性作用を有する成分を添加することが好ましい。微粒子自体または、微粒子上に結合させたエンドトキシン吸着素材がAL中のコアギュロゲンと急激に結合するとエンドトキシンによる凝集反応とは無関係の凝集反応が生じる虞があるからである。
測定の具体的手順は実施例1にあるように、製造例3で製造した微粒子分散液100μLを試料1mLと混和させて室温で反応させる。そして、遠心分離によって混和液から微粒子を分離回収して分散液50μLで分散させる。分散させた微粒子とAL試薬50μLとを製造例1で製造したガラス容器に入れて反応させ、その際の凝集反応を光学的に測定することによりエンドトキシンの測定を行う。微粒子とAL試薬の混和液における凝集反応は攪拌機構を有する光透過率の測定装置、例えば攪拌比濁法装置EX−100(興和株式会社製)や、レーザー光散乱を利用した時間分解粒度分布解析装置EX−300(興和株式会社製)などにより測定することができる。また、試料の攪拌機能を有し、光透過率あるいは散乱光を測定することが可能なマイクロプレートリーダーを使用しても良い。
<製造例1>(エンドトキシンフリーガラス容器)
光透過率測定法ではφ6mm、長さ50mmのガラス製で、試料を攪拌するためのステンレス製の攪拌子(φ0.75mm、長さ3.5mm)を内在した専用の容器を使用した。一方、レーザー散乱粒子計測法では、φ7mm、長さ50mmmのガラス製で、試料を攪拌するためのステンレス製の攪拌子(φ1mm、長さ5mmを)を内在した専用の容器を使用した。これらのガラス容器の開口部をアルミ箔で覆い、さらに、20本ずつアルミ箔で小分けに梱包したものを鉄製の乾熱処理缶に入れ、250℃で3時間加熱処理して、エンドトキシンを熱分解した。
<製造例2>(エンドトキシン吸着能力を有する無機性微粒子)
電気化学工業株式会社製のシリカ微粒子SFP−20M(一次粒径:20nm)、電気化学工業株式会社製のアルミナ微粒子ASFP−20(同20nm)、住友化学株式会社製のアルミナ微粒子AA03(同400nm)、ならびに、日本アエロジル株式会社製のチタニア微粒子AEROXIDE P25(同20nm)はガラスチューブに小分けにしてガラスチューブの開口部をアルミ箔で覆い、さらに、数本をまとめてガラスビーカーに入れて、その開口部をさらにアルミ箔で覆い、250℃で30分間乾熱処理をして、混入の恐れがあるエンドトキシンを完全に失活させた。これを規定の濃度になるように分散液に分散させてエンドトキシン選択性はないが吸着能力を持つ微粒子を調製した。
<製造例3>(エンドトキシン吸着能力を有する有機素材を結合したアルミナ微粒子)
製造例2で調製した電気化学工業株式会社製のアルミナ微粒子ASFP−20を微粒子の濃度が10mg/mLになるように、0.1%ポリ−L−リジン(Poly−L−K(以降、短縮してPLKと表記することもある))水溶液(シグマ・アルドリッチ製)に分散させた。室温で2時間ゆっくりと攪拌してポリ−L−リジンをアルミナ微粒子上に吸着させた。その後、遠心して上清を除去し、エンドトキシンを含まない注射用蒸留水で3回洗浄して、最後に非イオン性界面活性剤のPluronic F68水溶液(30%)に素材のビーズの濃度換算で0.25mg/mLになるように分散させて選択的なエンドトキシン吸着能力を有する微粒子(PLK−ASFP)を調製した。
<製造例4>(エンドトキシン吸着能力を有する有機素材を結合したシリカ微粒子)
製造例2で調製した電気化学工業株式会社製のシリカ微粒子SFP−20Mを微粒子の濃度が10mg/mLになるように、0.1%ポリ−L−リジン水溶液(シグマ・アルドリッチ製)に分散させた。室温で2時間ゆっくりと攪拌してポリ−L−リジンをシリカ微粒子上に吸着させた。その後、遠心分離して上清を除去し、エンドトキシンを含まない注射用蒸留水で3回洗浄して、最後に注射用蒸留水に素材の微粒子の濃度換算で1.0mg/mLになるように分散させて選択的なエンドトキシン吸着能を有する微粒子(PLK−SFP)を調製した。
<製造例5>(エンドトキシン吸着能力を有する有機素材とコアギュロゲンを結合したアルミナ微粒子)
製造例3の方法で調製したポリ−L−リジンを結合させたアルミナ微粒子(PLK−ASFP、濃度:10mg/mL)0.5mLに対して、AL試薬(和光純薬製ES−IIマルチ試薬)50μLを加え、60℃で10分間加熱処理した。その後、エンドトキシンを含まない注射用蒸留水で1回洗浄してエンドトキシン吸着素材及びALと結合した微粒子(PLK=LAL−ASFP)を調製した。
<製造例6>(エンドトキシン吸着能力を有する有機素材を結合したチタニア微粒子)
製造例2で調製した日本アエロジル株式会社製のチタニア微粒子AEROXIDE P25の濃度が10mg/mLになるように、0.1%ポリ−L−リジン水溶液(シグマ・アルドリッチ製)に分散させた。室温で2時間ゆっくりと攪拌してポリ−L−リジンをチタニア微粒子上に結合させた。その後、遠心分離して上清を除去し、エンドトキシンを含まない注射用蒸留水で3回洗浄して、最後に非イオン性界面活性剤のTriton X−100(0.2%)に素材の微粒子の濃度換算で0.25mg/mLになるように分散させて選択的なエンドトキシン吸着能を持つ微粒子(PLK−P25)を調製した。
<製造例7>(コアギュロゲンを結合したアルミナ微粒子)
製造例2で調製した電気化学工業製のアルミナ微粒子ASFP−20Mの濃度が30mg/mLになるように、注射用蒸留水に分散させた。AL試薬(和光純薬製ES−IIマルチ試薬)500μLに対してP25の分散液を500μL加えてよく混合させ、80℃で20分加熱処理をした。その後、1回注射用水で洗浄して注射用水1mLに分散させてALを結合したアルミナ微粒子(AL−ASFP)を得た。
なお、上記の製造例においては、エンドトキシン吸着素材としてポリ−L−リジンを用いたが、ポリリジンにはα位アミノ基とカルボキシル基がアミド結合(=ペプチド結合)した本来のポリペプチドであるαポリ−D/L−リジンと、ε位アミノ基とカルボキシル基がアミド結合(狭義のペプチド結合ではない)をしたεポリ−L−リジンが存在する。L体では細胞が持つ酵素によって分解されやすいため、分解されにくいD体を必要に応じて使用する場合がある。本実施の形態においてポリ−L−リジンを用いて説明している場合についても、吸着素材としては、ポリ−L−リジンとポリ−D−リジンのいずれを用いても構わない。
次に上記のエンドトキシン吸着能を有する微粒子による、希薄なエンドトキシン含有試料及び、エンドトキシン干渉作用を有する試料に対する、エンドトキシン測定について説明する。
<実施例1>(無機性の微粒子によるエンドトキシン濃縮作用と凝集反応による定量)
製造例2で調製した微粒子を用いてエンドトキシン吸着作用を評価した。高濃度のエンドトキシン(100EU/mL)、あるいは、低濃度のエンドトキシン(0.01EU/mL)の水溶液1mLに、SFP−20M(シリカ)、AA03(アルミナ)、AEROXIDE P25(チタニア)のいずれかを1mg分散させて、微粒子の濃度を1mg/mLとした。これを室温で30分攪拌し、その後、遠心分離(15,000xg、5分)により微粒子を沈殿させ、上清50μLとAL50μLを混合させて凝集反応を惹起し、攪拌比濁法(興和EX−100)により測定した。結果を図1に示す。図1が示すようにアルミナとチタニアはエンドトキシンを吸着し、高低いずれの濃度においても初期濃度の100分の1以下になるまでエンドトキシンを吸着除去した。しかしながら、シリカはエンドトキシンを吸着せず、対照の結果(初期濃度)と変わらなかった。
次に、エンドトキシン吸着能があるアルミナとチタニアに関しては、エンドトキシン希釈系列(1mL)にこれらの微粒子を加え(AA03:1mg/mL、P25:0.25mg/mL、界面活性剤としてTriton X−100を0.2%含有)、20分間室温で吸着反応をさせた。遠心分離によりビーズを分離回収した後にTritonX−100水溶液(0.02%、50μL)に再懸濁させ、これをAL(和光純薬製、ES−IIマルチ試薬、50μL)と混合して反応させた。凝集の測定は攪拌比濁法(EX−100)により行った。図2に示すように、いずれの素材の微粒子も吸着したエンドトキシンとALとが反応して凝集反応を惹起し、作用させたエンドトキシンの濃度が高いほど検出時間が短縮した。
このように、無機性の微粒子のいくつかは種々の有機物質を効率良く吸着することが可能であり、エンドトキシンとAL中のコアギュロゲンも結合されることから、まず、最初にエンドトキシンを作用させて微粒子上にエンドトキシンを濃縮し、その後、ALと作用させることにより、エンドトキシンが吸着していない微粒子上の表面にAL(コアギュロゲン)が速やかに結合して、その後、微粒子上のエンドトキシンがAL中のC因子に結合して、ALの活性が上昇し、コアギュロゲンがコアギュリンに変化して微粒子を巻き込んだ凝集反応が生じると考えられる。
<実施例2>(吸着条件の検討)
本発明のエンドトキシン吸着微粒子がエンドトキシン含有試料からエンドトキシンを濃縮し、且つ、AL試薬と混和した際に凝集に参加する(巻き込まれる)ことが可能かどうかを調べるため、エンドトキシン吸着微粒子を用い、種々の容量のエンドトキシン水溶液と反応させて、エンドトキシン濃縮作用を評価した。種々の容量のエンドトキシン水溶液に対して製造例1に記載のアルミナ微粒子(ASFP−20、1mg/mLを20μL)ならびに、製造例4に記載の、エンドトキシン吸着素材としてポリ−L−リジンを結合(吸着固定)させたシリカ微粒子(PLK−SFP、10mg/mLを20μL)を0.01EU/mLのエンドトキシン含有溶液に混和させ、室温で20分間反応させた。
遠心分離により微粒子を沈殿させた後に、非イオン性界面活性剤TritonX−100水溶液(0.02%、50μL)に再懸濁させ、これをAL試薬(和光純薬製、ES−IIマルチ試薬、50μL)と混和して反応させた。図3にはその結果を示す。図からは、いずれのエンドトキシン吸着微粒子も作用させたエンドトキシン水溶液の液量が多いほどエンドトキシンの検出時間が短縮することが分かる。これにより、これらの微粒子によってエンドトキシンを多量の液量からも濃縮することが可能であることが示された。
また、これらの微粒子はALが凝集するごく初期に微粒子上にAL中のコアギュロゲンが結合し、微粒子上に吸着(捕捉)されたエンドトキシンがALを活性化させた結果として生成されるコアギュリンを介して微粒子の間が架橋されて急峻な凝集反応を惹起できることが明らかとなった。この凝集反応は特許文献(特開2009−150723号公報)と類似しており、エンドトキシンによりAL自体が凝集する反応よりも早期に微粒子を主とする凝集反応が発生し、これによって測定時間が大幅に短縮し、より低濃度のエンドトキシンの測定が可能になっている。
次に、吸着反応に最適な反応温度を検討するため、エンドトキシンの吸着反応を種々の温度で行い、その後エンドトキシンを吸着した微粒子を分離回収して分散液(50μL)に分散させた。そして、これをAL試薬(和光純薬製、ES−IIマルチ試薬、50μL)と反応させてEX−100にて凝集反応を測定し、エンドトキシンの検出時間を比較した。使用した微粒子は製造例3に記載のポリ−L−リジンを結合させたアルミナ微粒子(PLK−ASFP)である。作用させたエンドトキシンは0.01EU/mLの濃度で1mLである。反応時間は30分とした。結果を図4(a)に示す。図に示すように、低温であるほど検出時間が短くなった。このことから、エンドトキシンと微粒子との吸着反応が、エンドトキシンに対して選択性が高い吸着素材による物理的吸着反応(低温であるほど反応が早い、通常吸着反応は吸着熱を発生させるため)であることが分かる。
さらに、吸着反応に必要な最低限の反応時間を調べた。上記の反応温度条件の検討と同じ実験を、反応温度を室温(25℃)に固定するとともに作用させるエンドトキシンの条件は同一にして、種々の反応時間で作用させ、その後同様に微粒子を分離回収してALと反応させた。結果を図4(b)に示す。図から分かるように、1時間ほどの反応時間でほぼ最大の吸着度合いに達した。吸着反応時間は長いに越したことはないが、測定の利便性を考慮し、図4(b)の結果から、吸着反応は室温で20〜30分行えばよいと考えられる。
<実施例3>(エンドトキシン吸着素材にエンドトキシンを予め吸着させたものを微粒子と結合させる例)
実施例2における図3の説明では、製造例4に記載の、エンドトキシン吸着素材としてポリ−L−リジンを結合させたシリカ微粒子をエンドトキシン含有溶液に混和させ、遠心により微粒子を沈殿させた後に、非イオン性界面活性剤TritonX−100水溶液に再懸濁させ、これをAL試薬と混和して反応させた。それに対し、本実施例では、まず、水溶性のエンドトキシン吸着素剤とエンドトキシンを含む試料とを混和し、エンドトキシン吸着素材にエンドトキシンを吸着させる。そして、その後に、混和液に担体微粒子であるシリカ微粒子を添加することにより、エンドトキシンが吸着した状態のエンドトキシン吸着素材をシリカ微粒子と結合させる。これによれば、エンドトキシン吸着微粒子をより容易に作成することが可能である。
<実施例4>(コアギュロゲン前処置型微粒子による吸着用量反応の検討)
上記の実施例では、微粒子自体(微粒子がエンドトキシンとコアギュロゲンの両方を吸着(両方と結合)できる場合)と、微粒子上にエンドトキシンを吸着する吸着素材を結合したもの(吸着素材がエンドトキシンとコアギュロゲンに親和性を持つ場合)をエンドトキシンを含有する試料に作用させた。そして、エンドトキシンの測定時には、エンドトキシンを吸着した微粒子とALとを反応させた。それに対し、本実施例では、エンドトキシン吸着素材と結合した微粒子に、さらにコアギュロゲンを予め結合させておくこととした。これにより、微粒子がALと反応する時点で初めてAL(コアギュロゲン)と結合(吸着)する場合と比較して、短時間でエンドトキシンを測定することが可能になることが期待できる。
すなわち、エンドトキシンが吸着された微粒子とALとを反応させた場合は、上述のように、先ずエンドトキシンが吸着していない微粒子上の表面にコアギュロゲンが速やかに結合する。その後、微粒子上のエンドトキシンがAL中のC因子に結合して、ALの活性が上昇し、コアギュロゲンがコアギュリンに変化して微粒子を巻き込んだ凝集反応が生じる。そうすると、エンドトキシンが吸着された微粒子とALとを反応させた場合には2段階の作用が生じることとなり、微粒子の凝集もなだらかに進行するので、凝集の開始時点を精度よく検出することが困難となる可能性がある。
これに対し、エンドトキシン吸着素材と結合した微粒子に、さらにコアギュロゲンを予め結合させた状態で、微粒子とALとを反応させると、既に微粒子上に結合されたコアギュロゲンが速やかにコアギュリンに変化して微粒子を巻き込んだ凝集反応が生じる。従って、微粒子に予めコアギュロゲンが結合していない場合と比較して、微粒子の凝集も明確かつ急峻に進行するので、短時間でより正確にエンドトキシンを測定することが可能になる。
ここでは、製造例5により調製した微粒子を用いて、従来測定が極めて困難であった、または、測定法が提供されていなかったような極めて低濃度のエンドトキシンの測定が可能か否か検討した。実施例2で検討した結果を元に反応温度を室温、反応時間を30分、試料の液量を1mLとし、製造例3に記載した微粒子を用いて、0.0001EU/mLという極めて低濃度から10EU/mLまでの広範な範囲のエンドトキシンの測定を行った。そうすると、図5に示すように、広範囲のエンドトキシンを非常に高い直線性をもって測定することができた。0.0001EU/mLのエンドトキシンは50分以内に測定可能であった。このように、本実施例においては、エンドトキシンを吸着した微粒子が予めコアギュロゲンをも粒子上に保持しているため、凝集の初期にALの凝集物に組み込まれ、より短時間で凝集反応を惹起できることが分かった。
<実施例5>(コアギュロゲン結合微粒子の併用)
ところで、特許文献(特開2009−150723号公報)に記載されている、LAL結合ビーズ(以下、AL結合ビーズという。)により、エンドトキシンの短時間での測定が可能になることは先述のとおりである。このAL結合ビーズと、本発明におけるエンドトキシン吸着微粒子とを併用して使用することで、さらに短時間でエンドトキシンを測定できる可能性がある。これを確認するため、製造例6のポリ−L−リジンを固定化したチタニア微粒子(PLK−P25)100μLをエンドトキシンを含有する試料(1mL)と反応させた。その後、混和液を遠心して微粒子を回収し、Triton X−100(0.02%、50μL)に分散させた。そして、製造例7に記載のコアギュロゲンを固定化したアルミナ微粒子(AL−ASFP)を予め10分の1量添加させておいたAL試薬(和光純薬製ES−IIマルチ試薬)50μLと反応させた。
図6に反応曲線を示す。図6(a)には通常の凝集(PLK−P25を直接各濃度のエンドトキシン水溶液に分散させた液50μLと、AL50μLを反応)の結果を示す。図6(b)には、本実施例における結果を示す。図6から分かるように、AL結合ビーズと、本発明におけるエンドトキシン吸着微粒子とを併用して使用することで、検出時間の大幅な短縮が図れた。また、図7に示すように、エンドトキシンの各濃度において、エンドトキシン吸着微粒子と、ALにAL−ASFPを加えた試薬の両者を併用することで、単独で使用した場合と比較して検出時間が短縮することが確認できた。このように、エンドトキシン吸着微粒子とAL結合ビーズとを併用することで、より短時間で高感度な測定が可能になる。
<実施例6>(AL干渉物質を用いた測定)
エンドトキシンの測定を行う試料の中に、AL反応を阻害または亢進する干渉物質を含んでいる場合がある。例えば、血液にはALと非常に類似したセリンプロテアーゼカスケードが含まれている。特に血液中のトロンビンやアンチトロンビンIIIはALのプロテアーゼ活性に直接作用してAL反応に干渉する。従って、血液中のエンドトキシンを測定する場合には、血漿を界面活性剤入りのバッファで10倍程度に希釈し加熱して干渉物質の作用を抑える加熱希釈法が利用される。一方、上記したアンチトロンビンIIIは抗血栓の注射薬剤として使用される。この場合、トロンビンのセリンプロテアーゼ活性中心にアンチトロンビンIIIが結合してトロンビンの機能を中和し、凝固系が亢進するのを妨げる。
この中和作用はALのセリンプロテアーゼに対しても強く働き、AL反応はアンチトロンビンが存在すると完全に抑制される。そのため、アンチトロンビンIIIが含まれている試料はエンドトキシンの測定が最も困難な試料の一つである。上述のようにALに対する干渉作用を有する試料のエンドトキシンを測定するには試料を十分に希釈するなどして干渉作用を抑える必要がある。しかしながら、アンチトロンビンは高度に希釈しないと干渉作用を抑制できない。その結果、エンドトキシン自体も測定可能範囲以下まで希釈されてしまい、通常の測定法では測定が困難であった。本発明においてはエンドトキシンを試料から吸着して濃縮すると同時に、反応後の微粒子を必要に応じて洗浄することによって干渉物質を除去することが可能である。本実施例では、最も測定が困難な試料の一つであるアンチトロンビンIIIを含む試料のエンドトキシンの測定が可能であれば、本発明により、殆どの種類の試料の測定が可能であると考えた。
アンチトロンビンIII(ノイアート、田辺三菱製薬製、50U/mL)を注射用蒸留水で10倍に希釈し、これに対してエンドトキシンを、濃度が0.01EU/mLになるように加えた。この溶液(1mL)に対して、製造例2記載のチタニア微粒子の分散液(P25、0.3mg/mL、0.2% Triton X−100)、あるいは、製造例6のポリ−L−リジンを結合させたチタニア微粒子の分散液(PLK−P25、0.3mg/mL、0.2% Triton X−100)を100μL加えた。そして、室温で30分間反応させてエンドトキシンをそれぞれの微粒子に吸着させた。
吸着後、それぞれの微粒子を遠心分離にて分離回収した。そして、まず、各々の沈殿物を0.02%のTriton X−100水溶液(50μL)に分散させたもの(ATIII−P25−非洗浄、ならびに、ATIII−PLK−P25−非洗浄)を調整した。また、各々の沈殿物を0.02%のTriton X−100水溶液(1mL)に分散させたものを再び遠心して沈殿させ、上清を除去後に再び同水溶液で分散させるという作業を3回繰り返して微粒子を洗浄したもの(ATIII−P25−洗浄、ならびに、ATIII−PLK−P25−洗浄)を調製した。
また、ATIIIを含まない0.01EU/mLのエンドトキシン水溶液にそれぞれ製造例2記載のチタニア微粒子の分散液(P25、0.3mg/mL、0.2% Triton X−100)、あるいは、製造例6のポリ−L−リジンを結合させたチタニア微粒子の分散液(PLK−P25、0.3mg/mL、0.2% Triton X−100)を100μL加えて、室温で30分間反応させてエンドトキシンをそれぞれの微粒子に吸着させた。その後、微粒子を遠心分離にて分離回収し、各々の沈殿物を0.02%のTriton X−100水溶液(50μL)に分散させたもの(P25−Control、ならびに、PLK−P25−Control)を調製した。これらの微粒子をAL(和光純薬製ES−IIマルチ試薬)50μLと混合して凝集反応を惹起した。
その結果を表1に示す。対照であるP25−Control、あるいは、PLK−P25−Controlでの測定濃度を100%とすると、ATIIIの非洗浄試料であるATIII−P25−非洗浄、及びATIII−PLK−P25−非洗浄では、100分の測定時間中に凝集は起こらなかった。一方、ATIII含有試料と反応させた後に洗浄した試料であるATIII−P25−洗浄及び、ATIII−PLK−P25−洗浄は凝集を惹起したが、吸着素材としてセラミックス微粒子そのもの(P25)を用いたATIII−P25−洗浄では回収率が低下した。一方、ポリ−L−リジンを結合させた微粒子(PLK−P25)を用いたATIII−PLK−P25−洗浄では回収率に変化が無かった。
Figure 2013062013
このことから、本発明におけるエンドトキシン吸着性の凝集微粒子を用いると、最も測定が困難なアンチトロンビンIIIを含む試料においても、エンドトキシンを吸着させた後に微粒子を洗浄することにより干渉作用を排除できることが分かった。また、使用する微粒子はエンドトキシン選択性が高い吸着素材を微粒子上に結合させたもの(本実施例で例示されるPLK−P25に限定すべきではない)が良いことが分かった。選択吸着性が低いP25を使用した場合に回収率が低下したのは、アンチトロンビンIIIが高濃度に含まれるためにP25にアンチトロンビンが非特異的に吸着し、これにより、エンドトキシンの吸着が競合阻害を受けたためと考えられる。
本発明のエンドトキシン吸着性の凝集微粒子を洗浄操作と組み合わせることにより、干渉物質の影響を受けずにエンドトキシンの測定を行うことができた。この場合においては、微粒子は容易に沈殿可能である範囲でなるべく微小であることが望ましい。それは、微粒子が大きい場合は比表面積が少なくエンドトキシンの吸着サイトが少ないので、エンドトキシンの吸着効率が低下するからである。また、特許文献1にあるような粒径が50μm程度のシリカゲルの場合は、粒径が大きいために粒子内部に液を保持してしまい、洗浄操作をしても粒子内部に保持されたアンチトロンビンIIIなどの干渉物質が容易には除去できないからである。本発明の微粒子は最大でも10μm程度の1次粒径であるため、粒子内部での液の保持が少なく洗浄が容易になっている。
一方、血液中のエンドトキシンの測定はアンチトロンビンIII中のエンドトキシンを測定するよりは容易であると考えられる。と言うのも、アンチトロンビンIII製剤は血中のアンチトロンビンIIIを濃縮して製造するため、アンチトロンビンIIIのALへの阻害作用は血液の持つ阻害作用に比べて桁違いに大きいためである。ここでは実施例を示さなかったが、血液中のエンドトキシンを測定する場合においても本発明のエンドトキシン吸着性凝集微粒子を洗浄操作と組み合わせることにより、血液中の干渉物質の影響を受けずに、容易にエンドトキシンの測定が可能であることが推察される。
<実施例7>(種々のエンドトキシン吸着素材によるエンドトキシン濃縮作用)
エンドトキシンの吸着素材としては、側鎖に1級、あるいは、2級アミンを含むポリマーを用いることが多い。また、ランダムペプチドライブラリから選択されたペプチドも、最初のアミノ酸はアルギニン、リジン、ヒスチジンのいずれかの側鎖にアミンを有するアミノ酸から始まるものである。アミノ酸のアミノ基はペプチド結合をする際に1つは使用されてしまうので、側鎖にアミノ基が残存するポリアミノ酸ホモポリマーとして、ポリ-L-リジンのほかに、ポリ-L-アルギニン、ポリ-L-ヒスチジン、ポリ-L-オルニチンについて吸着濃縮効果があるかを調べた。また、アミノ基の含有量が高いことが知られているポリエチレンイミンについても同様に調べた。
それぞれの物質はアミノ酸ホモポリマーはシグマアルドリッチ製を、ポリエチレンイミンは和光純薬製を用いた。0.1%(ポリエチレンイミンは1%)になるように注射用蒸留水で希釈し、10mg/mLのチタニアナノ粒子(AEROXIDE P−25)分散液と9:1の容量比で混合し、1時間室温で反応させた。次に、反応液を遠心分離して上清を除去し、注射用蒸留水に再懸濁させる方法による洗浄を合計3回行い、未反応の吸着素材を除去した。
初期のチタニアナノ粒子換算で0.2mg/mLになるように0.02%のTriton X−100水溶液に分散させた。エンドトキシン0.01EU/mL水溶液1mLに対して、上記の微粒子を0.1mL加えて室温で20分反応させ、その後、遠心により上清を除去し、0.02%のTriton X−100水溶液50μLに分散させた。これを、AL50μLと混和し、凝集反応を攪拌比濁法装置(EX−100)で調べた。その結果、いずれのアミノ基含有吸着剤においてもエンドトキシンが微粒子上に吸着して濃縮し、同じ濃度のエンドトキシン試料をそのまま作用させた場合に比べて測定時間が大幅に短縮することを確認した。
<実施例8>(βグルカンの測定)
実施例7までは微粒子によるエンドトキシンの濃縮と微粒子の凝集について説明した。実施例8ではβグルカンによる凝集反応について説明する。直鎖β−1,3グルカンの一つであるカードラン(和光純薬製)を使用して評価を行なった。AL試薬は本来エンドトキシンとβグルカンに反応することが知られている。エンドトキシン特異的試薬はβグルカンのアナログを大量に試薬に加えてグルカンが作用するのを阻害する機序を有するもの、あるいは、βグルカンが結合するタンパク質を除去したものが知られている。本実施例ではエンドトキシン特異的ではないAL試薬であるリムルスHS−T(和光純薬)を用いた。
カードランを注射用蒸留水に溶解し10ng/mLから1pg/mLの濃度までの10倍希釈系列を作成した。これらの希釈系列(50μL)とHS−T(50μL)を製造例1で製造したガラス製容器に入れて混合させ、EX−100により凝集反応を計測した(通常法)。一方、製造例6で製造したポリリジンを結合させたチタニア微粒子でカードランを吸着濃縮後ALと反応させる方法は以下のように行なった。即ち、カードランの1mL水溶液に対し、製造例6の微粒子分散液を100μL加え、ボルテックスミキサーで10分間震盪攪拌して微粒子上にカードランを吸着させた。
その後、遠心分離して微粒子を沈殿させ、これを0.02%のTriton X−100が入った注射用蒸留水(50μL)で分散させた。微粒子の分散液はHS−T(50μL)と製造例1で製造したガラス容器内で混合させて反応させ、EX−100により凝集反応を計測した(吸着法:本発明)。横軸をカードランの濃度、縦軸にカードランの検出時間をとり、いずれも対数でプロットした結果を図8に示した。図のようにいずれの方法でも広いカードランの濃度においても高い直線性を示したが、通常の方法で測定した場合は検出に非常に長い時間を要した。一方、本発明では大幅に検出時間を短縮し、低い濃度(0.001ng/mL)であっても実用的な30分弱の時間で検出することができた。
ここで吸着剤として使用したポリリジンはグルカンの選択的な吸着剤としては報告されていないが、ポリリジンによりグルカンが微粒子に吸着される機構について以下に考察する。グルカンは通常、隣り合う鎖のアルコール間に高度な水素結合を形成するので水への溶解性が低い。しかしながら、この際にアルカリ処理することにより水素結合が切断されることが知られている。従って、非常に高いアミノ基密度を持つポリリジンのアミノ基がアルカリとして働き、グルカンの水素結合を切断し、グルカンのアルコールとの間に水素結合を形成してグルカンを吸着する機構が考えられる。また、ポリリジンとグルカンのいずれもが高分子であるために攪拌によって微粒子上のポリリジンがグルカンを絡め取るなどして粒子上に吸着固定される機構などが考えられる。しかしながら今のところ詳細は不明である。いずれにしても、ポリリジンにより、エンドトキシンだけでなくグルカンも微粒子に吸着することが可能であることは、いずれの物質を測定するにおいても同一つの吸着素材を利用できると言う観点から望ましいことである。
次に、本発明を医療用具に対して実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態における微粒子としても、先述したように、(1)エンドトキシンに対する選択性は低いが、エンドトキシンとAL中のコアギュロゲンとを吸着可能な無機性微粒子と、(2)エンドトキシンに対する選択性及び親和性の高い有機性吸着素材を無機性の担体微粒子に結合させた微粒子が考えられる。前者の場合、エンドトキシンへの選択性が低いため、医療用具の素材にもよるが、医療用具の素材に含まれる成分が無機性微粒子以上に強くエンドトキシンを結合するような場合や、医療用具の素材の成分が無機性微粒子に結合するような場合はエンドトキシン吸着素材としての機能が低下する。一方、後者はエンドトキシンの結合特異性が高いため、吸着素材としての能力を十分に発揮して、医療用具からエンドトキシンを抽出して微粒子上に吸着することが可能であり高い能力が期待できる。
本発明の微粒子を用いてエンドトキシン濃度を測定するにあたっては、調製した微粒子を含む分散液を抽出液として使用し、これを医療用具と適宜接触させる。そして、適当な時間エンドトキシンを医療用具から抽出して同時に微粒子上に吸着させた後、遠心分離などの方法により、微粒子を沈殿させる。抽出操作については、評価する医療用具の構造や素材によって大きく異なるので、最適な抽出法を予め検討して適宜決定すればよい。例えば、対象がろ過フィルタ(目の粗いもの)の場合は、エンドトキシンを吸着する微粒子を含んだ抽出液をそれらの器具に必要に応じて何度か通過させて付着するエンドトキシンを抽出して微粒子に吸着させればよい。
また、ろ過フィルタで目が細かく、微粒子が通過できない場合や構造が複雑で抽出液の通過が困難な場合は、エンドトキシンを吸着する微粒子を用具の内部に入れるか用具を抽出液に浸漬するなどの措置を行ってもよい。そして、必要に応じて震盪や超音波処理などの処理によって用具からのエンドトキシンの抽出効率を高めてもよい。また、医療用具からのエンドトキシンの抽出を、エンドトキシンを吸着する微粒子を分散させた抽出液によって行なうのでなく、エンドトキシンと親和性の高いエンドトキシン吸着性有機素材の水溶液を抽出液として用いてもよい。この場合には、エンドトキシンを抽出した後に、これらのエンドトキシン吸着性有機素材を結合可能な担体微粒子と混合して担体微粒子上にエンドトキシンが吸着した有機素材を結合させても良い。
また、医療用具から溶出する成分が存在し、これがALに干渉作用を有する場合も想定される。その場合、エンドトキシンが吸着した微粒子をエンドトキシンを含有しない適当な用水(注射用水など)で洗浄する。具体的にはそれらの用水でエンドトキシンが吸着した微粒子を再懸濁させ、再び遠心分離などにより沈殿させ、上清を除去する、という工程を行うことにより洗浄を行える。必要に応じて前記工程を、複数回繰り返すことで洗浄効果が向上することは当然である。
また、試料に混合させる微粒子分散液に界面活性効果がある成分を加えることで、エンドトキシンの吸着反応の際に微粒子が安定化され、且つ、界面活性作用によりエンドトキシンが分散されて微粒子に効率よく吸着させることが可能となる。また、エンドトキシンが吸着した微粒子をAL試薬と混和させる際に、微粒子自体、あるいは、微粒子上に結合させたエンドトキシン吸着素材がAL中のコアギュロゲンと急激に結合すると、エンドトキシンによる凝集反応とは無関係の凝集反応が生じる場合がある。このような急激な結合を抑制する意味でも、沈殿した微粒子を再懸濁させる分散液に界面活性作用を有する成分を添加することが望ましい。
以下に示す実施例では、凝集反応を攪拌比濁計測装置(興和製EX−100)で測定することによりエンドトキシンの測定を行う方法を例示した。しかしながら、微粒子とALの混合物の凝集反応を測定できれば良いので、攪拌機構を有するレーザー光散乱を利用した時間分解粒度分布解析装置EX−300(興和株式会社製)を用いても良い。また、試料の攪拌の目的は凝集を惹起することであるので攪拌を定常的に行なう必要はなく、試料の攪拌機能を持つマイクロプレートリーダーを使用して、光透過率や光散乱を計測しても良い。また、微量の試料を攪拌する場合には超音波を用いてもよい。
<製造例8>(エンドトキシンフリーガラス容器)
本発明を医療用具に対して実施する場合についても、光透過率測定法ではφ6mm、長さ50mmのガラス製で、試料を攪拌するためのステンレス製の攪拌子(φ0.75mm、長さ3.5mm)を内在した専用の容器を使用した。一方、レーザー散乱粒子計測法では、φ7mm、長さ50mmmのガラス製で、試料を攪拌するためのステンレス製の攪拌子(φ1mm、長さ5mmを)を内在した専用の容器を使用した。これらのガラス容器の開口部をアルミ箔で覆い、さらに、20本ずつアルミ箔で小分けに梱包したものを鉄製の乾熱処理缶に入れ、250℃で3時間加熱処理して、エンドトキシンを熱分解した。
<製造例9>(エンドトキシン吸着能力を持つ無機性微粒子)
日本アエロジル株式会社製のチタニア微粒子AEROXIDE P25(同20nm)はガラスチューブに小分けにした。そして、ガラスチューブの開口部をアルミ箔で覆い、さらに、数本をまとめてガラスビーカーに入れて、その開口部をさらにアルミ箔で覆い、250℃で30分間乾熱処理をして、混入の恐れがあるエンドトキシンを完全に失活させた。これを規定の濃度になるように分散液に分散させてエンドトキシン選択性はないが吸着能力を持つ凝集微粒子を調製した。
<製造例10>(エンドトキシン吸着能力を持つ有機素材を固定化したチタニア微粒子)
製造例9で調製した日本アエロジル株式会社製のチタニア微粒子AEROXIDE P25の濃度が10mg/mLになるように、0.1%ポリ−L−リジン水溶液(シグマ・アルドリッチ製)に分散させた。室温で2時間ゆっくりと攪拌してポリ−L−リジンをチタニア微粒子上に吸着させた。その後、遠心して上清を除去し、エンドトキシンを含まない注射用蒸留水で3回洗浄した。最後に非イオン性界面活性剤のTriton X−100(0.2%)に素材のビーズの濃度換算で0.2mg/mLになるように分散させて選択的なエンドトキシン吸着能を持つ凝集性微粒子(PLK−P25)を調製した。
<製造例11>(エンドトキシンを吸着させた樹脂製チューブの調製)
エンドトキシン水溶液(10EU/mL、1mL)をオートクレーブ処理をした1.5mL容量のエッペンドルフチューブに入れ、1昼夜静置し、溶液中のエンドトキシンの一部をチューブの内壁に吸着結合させた。チューブ内の溶液を全て排水し、注射用蒸留水を1mL入れてボルテックスミキサー(アズワン製 TUBE MIXER TRIO HM−1F)で最大回転速度にて10秒間攪拌を行った。その後チューブ内の溶液を全て排出した。この操作を合計2回行い、チューブ内でチューブ内壁に吸着せずに残存するエンドトキシンの溶液を除去した。これにより、エンドトキシンが物理的に内壁に吸着したエッペンドルフチューブを調製した。なお、エッペンドルフチューブはポリプロピレン製であり、ポリプロピレンやポリエチレンは素材が疎水性であるがゆえにエンドトキシンを吸着することが知られている(例えば、非特許文献2、3参照。)。
なお、上記の製造例においても、エンドトキシン吸着素材としてポリ−L−リジンを用いたが、ポリリジンにはα位アミノ基とカルボキシル基がアミド結合(=ペプチド結合)した本来のポリペプチドであるαポリ−D/L−リジンと、ε位アミノ基とカルボキシル基がアミド結合(狭義のペプチド結合ではない)をしたεポリ−L−リジンが存在する。L体では細胞が持つ酵素によって分解されやすいため、分解されにくいD体を必要に応じて使用する場合がある。本実施の形態においてポリ−L−リジンを用いて説明している場合についても、吸着素材としては、ポリ−L−リジンとポリ−D−リジンのいずれを用いても構わない。
次に上記のエンドトキシン吸着能を有する微粒子による、希薄なエンドトキシン含有試料及び、エンドトキシン干渉作用を有する試料に対する、エンドトキシン測定について説明する。
<実施例9>(エンドトキシン吸着性微粒子によるエンドトキシン抽出濃縮作用と凝集反応による測定)
ALを使用したエンドトキシンの測定法は、既知濃度のエンドトキシン希釈系列の測定に基づく検量線を作成する検量線法である。従って、エンドトキシン吸着性微粒子を用いない場合と用いる場合の各々の検量線を作成する必要がある。微粒子を用いない場合はエンドトキシン希釈系列(0.1、0.01、0.001EU/mL)水溶液50μLとAL試薬50μLを製造例8のチューブ内に投入して攪拌比濁計測装置(興和製EX−100)で凝集反応を測定した。
また、微粒子を用いる場合は、同上の製造例8のチューブ内のエンドトキシン希釈系列水溶液1mLに対して製造例10のエンドトキシン吸着性微粒子の分散液を100μL投入した。その後、複数のエッペンドルフチューブを保持して攪拌できる専用アタッチメントにチューブを固定した。そして、攪拌回転数目盛りを3.25にして10分間攪拌して希釈系列中のエンドトキシンをエンドトキシン吸着性微粒子に吸着させた。
続いて遠心加速度11,000xgにて2分間の遠心分離により微粒子を沈殿させ、沈殿を吸い込まないように注意深く上清をマイクロピペッターで除去した。沈殿した微粒子は0.02%のTriton X−100水溶液60μLを加えてピペッティングによって分散させ、そのうちの50μLをAL50μLとともに製造例8のガラス容器内で混合してEX−100で測定を行なった。それぞれのエンドトキシン濃度の希釈系列試料の凝集の検出は初期の光透過率を100%として、微粒子のない場合は光透過率が95%に到達した時点、微粒子を含む場合は光透過率が105%に到達した時点をエンドトキシン検出時間とした。測定結果を表2及び図9に示す。
Figure 2013062013
表2から分かるように、吸着微粒子ありの場合には、吸着微粒子なしの場合と比較して検出時間が大幅に短縮した。これは、微粒子法を用いることによりエンドトキシンを濃縮できることと、微粒子上に吸着されたエンドトキシンとALとを反応させることで測定可能な凝集塊の発生を早められることとの相乗効果による。そして、エンドトキシンの濃度が既知のこれらの検量線用の希釈系列試料のエンドトキシン濃度の対数値(横軸)と検出時間の2回対数値(縦軸)をプロットすると、図9に示すように直線に乗った。
次に、本発明のエンドトキシンの吸着微粒子による医療用具からのエンドトキシン抽出効果と測定短縮効果を評価した。製造例11で調製したエッペンドルフチューブ内に新たに注射用水を1mL入れ、続いて製造例9、あるいは、製造例10で調製した微粒子分散液を0(分散液を入れない場合)または100μL加えた。ボルテックスミキサーにエッペンドルフチューブを固定して、上記同様の条件、すなわち、回転速度を目盛りで3.25になるようにして10分間攪拌した。
製造例9の微粒子分散液100μLを入れた条件ではその後チューブを遠心機にかけて11,000xgで2分間遠心分離して微粒子を沈殿させた。上記同様に上清を除去し、0.02%のTriton X−100水溶液60μLに分散させた微粒子の分散液50μLとAL試薬50μLを製造例8のガラス容器に入れてEX−100で凝集反応を測定した。微粒子を入れなかった場合は抽出反応後の抽出水を50μL取り、これとAL試薬50μLを上記同様に製造例8のガラス容器に入れて上記EX−100にて凝集反応を測定した。
微粒子を入れない場合のエンドトキシン検出時間は118.5分であった。これは、表2の希釈系列の最低濃度の0.001EU/mLにおける検出時間を越えてしまったため、厳密には0.001EU/mL以下の測定感度以下で定量できず(検量線の外挿で算出すると0.00074EU/mL)となった。一方、製造例9の微粒子を使用した場合は検出時間が13.9分、製造例10の微粒子を使用した場合は検出時間が14.3分であった。これは、それぞれ希釈系列の濃度の濃い2試料の間に位置する検出時間であり、検量線に当てはめて濃度を算出すると製造例9の微粒子を使用した場合が0.0110EU/mL、製造例10の微粒子を使用した場合が0.0099EU/mLとなった。
本実施例においては製造例9で調製されるような微粒子上にエンドトキシン吸着性の有機化合物を結合させない場合であっても、製造例10で調製されるような微粒子上にエンドトキシン吸着性の有機化合物を結合させた場合であっても、効果の程度は同等であった。しかしながら、用具の素材によってはエンドトキシン選択性が高い有機化合物を結合させない微粒子では器具から微粒子へのエンドトキシンの抽出・吸着が不十分となってしまう場合も想定される。用具の素材に応じてエンドトキシン吸着性の有機化合物の有無を使い分けることで、いずれの素材の用具に対しても良好な結果を得ることが可能である。このように用具に微量に付着したエンドトキシンを抽出して微粒子上に吸着し、且つ、遠心分離などにより微粒子を濃縮してエンドトキシン濃度を測定することが可能な本発明は、用具に付着したエンドトキシンの濃度を簡便に短時間で測定することが可能である。
本発明の概要は図10のように図示することが可能である。図10(a)に示す測定の流れはエンドトキシン吸着性微粒子を用いない場合、図10(b)に示す測定の流れはエンドトキシン吸着性微粒子を用いる場合について説明している。図10(a)においては、エンドトキシンが付着した状態のエッペンドルフチューブ1に注射用水1mLを加える。そうすると、エッペンドルフチューブ1に付着したエンドトキシン1aが注射用水100中に分散する。しかしながら、この場合は注射用水100中に分散したエンドトキシン100aを濃縮することはできないので、エッペンドルフチューブ1に付着したエンドトキシン1aのうち、注射用水中に分散されるものの割合は限られる。また、エンドトキシンが分散した注射用水100におけるエンドトキシン濃度も低いものとなる。
次に、エンドトキシン100aが分散した注射用水100のうち50μLとAL試薬50μLとをマイクロピペッター3,4を用いてガラス容器5内で混和し、凝集反応を測定する。その結果得られた光透過率の変化が、図11に示すグラフの曲線Aで示される。
次に、図10(b)の流れにおいては、エンドトキシンが吸着した状態のエッペンドルフチューブ1に注射用水1mLを入れ、さらにエンドトキシン吸着性微粒子が分散した微粒子分散液を100μL加えて抽出液10とする。そうすると、エッペンドルフチューブ管1に付着したエンドトキシン1aがエンドトキシン吸着性微粒子に吸着され抽出液10中に分散する。その際に、抽出液10中に分散したエンドトキシンはエンドトキシン吸着性微粒子上に優先的に吸着されるため、エッペンドルフチューブ1に付着したエンドトキシンのうち、より多くの部分がエッペンドルフチューブ1からエンドトキシン吸着性微粒子10aの表面に移る。
次に、エンドトキシンが吸着した微粒子10aが分散した抽出液10を遠心分離し、上清を除去することで、エンドトキシンが吸着した微粒子10aを分離する。これにより、抽出液10内のエンドトキシンが分離された微粒子10a上に濃縮された形となる。これに0.02%のTriton X−100水溶液60μLに再分散させる。そして、その分散液12のうち50μLとAL試薬50μLとをマイクロピペッター3,4を用いてガラス容器5中で混和し、凝集反応を測定する。その結果得られた光透過率の変化が、図11における曲線Bで示される。
図11における曲線Aでは、エンドトキシンとALとの反応に基づく凝集反応によりエンドトキシンが分散した注射用水100とAL試薬の混和液の光透過率(%)が緩やかに下降しているのが分かる。一方、曲線Bにおいては、初期状態で、エンドトキシンが吸着した微粒子10aが分散液12とAL試薬の混和液中に分散しており、混和液が濁った状態であるところ、微粒子10aが、互いに凝集することによって急激に光透過率(%)が上昇している。その結果、検出時間(グラフにおいて初期状態から5%変化した時間)は、曲線Aと比較して曲線Bにおいて大幅に短縮していることが分かる。
なお、本発明におけるカブトガニの血球抽出物(以下、「AL :Amoebocyte lysate」ともいう。)は、その由来(アメリカ産カブトガニに由来するLAL(Limulus Amebocyte Lysate)かアジア産カブトガニに由来するTAL(Tachypleus Amebocyte Lysate)か等)については問わない。
1・・・エッペンドルフチューブ
1a・・・エンドトキシン
3・・・マイクロピペッター
4・・・マイクロピペッター
5・・・ガラス容器
10・・・抽出液
10a・・・エンドトキシンが吸着した微粒子
12・・・分散液
100・・・注射用水
100a・・・エンドトキシン

Claims (16)

  1. カブトガニの血球抽出物であるALを含むAL試薬と所定の生物由来の生理活性物質を含む試料の混和液を生成し、該混和液を攪拌しつつ、該混和液におけるALと前記生理活性物質との反応に起因する蛋白質の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定方法であって、
    前記生理活性物質を表面に吸着可能な微粒子を前記試料中に分散させることで前記生理活性物質を前記微粒子の表面に吸着させた後に前記試料から前記微粒子を分離し、
    前記AL試薬と前記生理活性物質が表面に吸着された前記微粒子との混和液を生成し、
    前記AL試薬と前記微粒子との混和液における前記微粒子の凝集またはゲル化を光学的手法により検出することを特徴とする、生物由来の生理活性物質の測定方法。
  2. 前記所定の生物由来の生理活性物質を含む試料は、医療用具から抽出した生物由来の生理活性物質を含む抽出液であることを特徴とする、請求項1に記載の、生物由来の生理活性物質の測定方法。
  3. 前記微粒子は、パイロセップ、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アミノシラン、キトサン、抗エンドトキシン抗体、抗エンドトキシンアプタマー、ランダムペプチドライブラリ中の素材、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの金属酸化物質、カオリン、モンモリロナイト、酸化マンガン、雲母などの天然あるいは合成鉱物より選定された一または複数の素材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  4. 前記微粒子は、担体微粒子の表面上に前記生理活性物質を選択的に吸着する吸着素材を結合させて形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  5. 前記吸着素材は、パイロセップ、ポリミキシンB、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アミノシラン、キトサン、抗エンドトキシン抗体、抗エンドトキシンアプタマー、ランダムペプチドライブラリ中の素材、より選定された一または複数の素材であることを特徴とする請求項4に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  6. 前記担体微粒子は、ポリスチレンラテックス、ポリエチレン、ナイロン、セルロース、アガロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイトなどの金属酸化物質、カオリン、モンモリロナイト、酸化マンガン、雲母などの天然あるいは合成鉱物より選定された一または複数の素材からなることを特徴とする請求項4または5に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  7. 前記微粒子の径は5nm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  8. 前記微粒子には、界面活性剤が添加されたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  9. 前記微粒子は、前記吸着素材によって表面全体が覆われるように形成されたことを特徴とする請求項4に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  10. 前記微粒子は前記AL試薬中のコアギュロゲンと親和性を有する素材からなることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  11. 前記微粒子はコアギュロゲンと親和性を有する素材を含んで形成され、予めコアギュロゲンが結合されたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  12. 前記試料に、前記ALと前記生理活性物質との反応に影響を及ぼす干渉物質が含まれている場合に、前記試料から分離した後の前記微粒子を洗浄することで、前記干渉物質を除去することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  13. 前記AL試薬には、カブトガニの血球の抽出物に含まれる所定の蛋白質が表面に吸着されたビーズを分散させたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  14. 前記生物由来の生理活性物質は、エンドトキシンまたはβグルカンであることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  15. 前記生理活性物質を表面に吸着可能な微粒子であって、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法に用いられる微粒子。
  16. 請求項2に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法において医療用具から前記生理活性物質を抽出する抽出液であって、前記生理活性物質を表面に吸着可能な前記微粒子が予め分散されたことを特徴とする、医療用具における生物由来の生理活性物質の測定方法に用いられる抽出液。
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