JPWO2013057773A1 - プログラム、情報処理装置、および経路設定方法 - Google Patents

プログラム、情報処理装置、および経路設定方法 Download PDF

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Abstract

中継装置に対する経路設定の作業負担を軽減する。
情報処理装置(1)は、決定手段(1a)、特定手段(1b)、設定手段(1c)などを有する。決定手段(1a)は、ネットワーク(3)を介して接続された装置(3a)に送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定する。特定手段(1b)は、装置(3a)から情報処理装置(1)までの通信経路上の中継装置(3b,3c,3e,3g)を特定する。設定手段(1c)は、特定された中継装置(3b,3c,3e,3g)の少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを通信経路に沿って情報処理装置(1)側に転送するように、パケットの転送先を設定する。

Description

本発明は、中継装置に対する設定を行う情報処理装置に関する。
コンピュータシステムでは、様々な場面で動作テストが行われる。例えば、サーバのプログラムを更新した場合には、リグレッションテスト(regression test)などの動作テストが行われる。
運用中のシステム(実動系)に実装するプログラムの動作テストを行う場合、例えば実動系と同じ構成の検証用のシステム(検証系)が用意される。検証系に検証データを送信することで、検証系の動作テストが行われる。
なお、検証データの生成技術に関しては、例えば、伝送路を監視する監視装置から検証データを受け取り、伝送路に接続される実際の装置もしくは実際の装置を擬似的に表す擬似装置に検証データを送信する擬似試験装置が考えられている。この擬似試験装置では、検証データの実際の装置に宛てられた宛先アドレスを擬似装置のアドレスに変換し、擬似装置からの返信データの発信元アドレスを変換前の宛先アドレスに変換する。
特開平11−220487号公報
検証系のシステム構成に、パケットを中継する中継装置が含まれる場合、検証データを含むパケットに対する応答が、動作検証を行う装置(検証装置)に転送されるように、中継装置に対する経路設定が行われる。
しかし、中継装置へのパケット転送先の設定は、システムの管理者などによる操作に基づいて行われており、作業負担が生じる。例えば検証装置がパケット転送の際に送信元として使用するアドレスを、予め用意されているアドレスブロック(プールアドレスブロック)から選択する場合がある。アドレスブロックとは、複数のアドレスを1つの纏まりとしたアドレス群である。この場合、検証装置がパケットの送信元として使用したアドレス宛のパケットが、検証装置に転送されるように、中継装置に対して管理者が設定することとなり、管理者に対する作業負担が生じる。しかも、検証系のネットワークの規模が大きくなるほど、ネットワーク内の中継装置の数が増加し、経路設定の作業負担も増大する。
1つの側面では、本発明は、中継装置に対する経路設定の作業負担を軽減できるプログラム、情報処理装置、および経路設定方法を提供することを目的とする。
1つの案では、コンピュータに、ネットワークを介して接続された装置に送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定し、装置からコンピュータまでの通信経路上の中継装置を特定し、特定された中継装置の少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿ってコンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、処理を実行させるプログラムが提供される。
1態様によれば、中継装置に対する経路設定の作業負担が軽減する。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態に係るシステムの機能構成例を示す図である。 第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。 本実施の形態に用いる検証装置のハードウェアの一構成例を示す図である。 検証手順の概要を示す図である。 第2の実施の形態の検証装置の機能を示すブロック図である。 アドレスブロック情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 実動系パケット情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 サーバ固有情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 アドレス対応情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 中継装置情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 検証系パケット情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 評価情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 動作検証処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による経路設定例を示す図である。 第3の実施の形態における中継装置情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 第3の実施の形態の動作検証処理の手順の一例を示すフローチャートである。 動的経路制御利用の経路設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 機器管理情報利用の経路設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 動的経路制御による経路設定例を示す図である。 障害発生時の通信状況の一例を示す図である。 経路情報配信停止状況の一例を示す図である。
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るシステムの機能構成例を示す図である。情報処理装置1は、例えばネットワーク2とネットワーク3との間に設けられる。ネットワーク3には、装置3aと複数の中継装置3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3iが含まれる。図1の例では、装置3aのアドレスは「20.20.20.80」である。中継装置3bと装置3aとの間のサブネットワークのアドレスは、「20.20.20.0/24」である。中継装置3bと中継装置3cとの間のサブネットワークのアドレスは、「10.1.0.0/16」である。中継装置3cと中継装置3eとの間のサブネットワークのアドレスは、「10.200.0.0/17」である。中継装置3eと中継装置3gとの間のサブネットワークのアドレスは、「10.10.16.0/20」である。なお各中継装置3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3iには、装置3aのアドレス「20.20.20.80」を宛先とするパケットの通信経路が予め設定されている。
第1の実施の形態では、情報処理装置1は、装置3aから情報処理装置1への通信経路候補上の中継装置が特定する。次に情報処理装置1は、装置3aに対して送信したパケットに対する装置3aからの応答パケットを通信経路に沿って情報処理装置1に転送するように、応答パケットの宛先アドレスについての転送先設定を中継装置に対して行う。このような処理を実現するため、情報処理装置1は、決定手段1a、特定手段1b、設定手段1c、変換手段1d、送信手段1e、受信手段1f、および評価手段1gを有する。
決定手段1aは、ネットワーク3を介して接続された装置3aに送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定する。例えば決定手段1aは、アドレスブロックとして纏められた複数のアドレスを、送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスとして決定する。
特定手段1bは、ネットワーク3内の、装置3aから情報処理装置1までの通信経路上の中継装置3b,3c,3e,3gを特定する。なお、特定される通信経路は、装置3aと情報処理装置1との間の通信に利用可能な経路のうちの、実際に通信に利用する候補となる通信経路である。特定された通信経路に障害等があれば、他の通信経路を介して通信することも可能である。特定手段1bは、例えばトレースルートコマンドなどを使用して、装置3aとの間の経路上の中継装置3b,3c,3e,3gそれぞれのアドレスを特定する。
設定手段1cは、特定された中継装置3b,3c,3e,3gの少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿ってコンピュータ側に転送するように、そのパケットの転送先を設定する。例えば設定手段1cは、特定された中継装置3b,3c,3e,3gのすべてに対して、パケットの転送先の設定を行う。なおアドレスブロックとして纏められた複数のアドレスが、パケットの送信元に設定可能なアドレスとして決定される場合もある。この場合、設定手段1cは、アドレスブロックに含まれるいずれかのアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿って情報処理装置1側に転送するように、パケットの転送先を設定する。
変換手段1dは、ネットワーク2から取得したパケット4aの宛先を装置3aのアドレスに変換し、パケット4aの送信元を決定されたアドレスに変換する。
送信手段1eは、アドレス変換後のパケット4bを、ネットワーク3を介して装置3aへ送信する。
受信手段1fは、装置に送信したパケット4bに対して装置3aから応答されたパケット4cを受信する。
評価手段1gは、受信したパケット4cに基づいて、装置の動作を評価する。
なお図1では、パケット4a,4b,4cの送信元アドレスを「SA(Source Address)」と表記し、宛先アドレスとを「DA(Destination Address)」と表記している。
なお、図1に示した決定手段1a、特定手段1b、設定手段1c、変換手段1d、送信手段1e、受信手段1f、および評価手段1gは、情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)により実現することができる。また、図1に示した各要素間を接続する線は通信関経の一部を示すものであり、図示した通信関係以外の通信関係も設定可能である。
図1に示したシステムによれば、まず決定手段1aにより、ネットワーク3を介して接続された装置3aに送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定する。図1の例では、「10.10.20.0/24」で示されるアドレスブロック内のアドレスが、設定可能なアドレスに決定されている。「10.10.20.0」は、サブネットワークのアドレスであり、「/24」は、ネットワークアドレス部のビット数である。この場合、「10.10.20.1〜10.10.20.224」の範囲内のアドレスが、装置3aに送信するパケットの送信元に設定可能となる。なお「10.10.20.0」は、サブネットワークを示すアドレスであるため、装置3aに送信するパケットの送信元に設定することはできない。また「10.10.20.255」は、ブロードキャストアドレスであるため、装置3aに送信するパケットの送信元に設定することはできない。
次に特定手段1bにより、装置3aから情報処理装置1までの通信経路上の中継装置3b,3c,3e,3gが特定される。そして設定手段1cにより、特定された中継装置3b,3c,3e,3gの少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿ってコンピュータ1側に転送するように、パケットの転送先が設定される。
図1の例では、特定された中継装置3b,3c,3e,3gのすべてに対して、パケットの転送先の設定が行われている。例えば中継装置3bに対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、中継装置3cに接続されたインタフェース側に転送することが設定される。中継装置3cに対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、中継装置3eに接続されたインタフェース側に転送することが設定される。中継装置3eに対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、中継装置3gに接続されたインタフェース側に転送することが設定される。中継装置3gに対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、情報処理装置1が接続されたインタフェース側に転送することが設定される。
その後、変換手段1dが、ネットワーク2から取得したパケット4aのアドレスを変換する。例えば変換手段1dは、パケット4aの宛先アドレスを、装置3aのアドレス「20.20.20.80」に変換する。また変換手段1dは、パケット4aの送信元アドレスを、決定手段1aで決定されたアドレスのうちの1つのアドレス「10.10.20.10」に変換する。アドレス変換後のパケット4bは、送信手段1eによりネットワーク3を介して装置3aに送信される。するとパケット4bは、ネットワーク3上の各中継装置3b,3c,3e,3gで中継され、装置3aに送られる。
装置3aは、例えば、受信したパケット4bの内容に応じて処理を実行し、実行結果を示すパケット4cを応答する。応答されるパケット4cの宛先アドレスは、「10.10.20.10」である。パケット4cは、設定手段1cによる設定内容に従って、中継装置3b,3c,3e,3gで中継され、情報処理装置1に送られる。
情報処理装置1では、受信手段1fによりパケット4cが受信される。そして評価手段1gにより、パケット4cに基づいて、例えば装置3aが正しく動作しているか否かが検証される。
以上のようにして、決定手段1aで決定したアドレスを宛先とするパケットが、装置3aから情報処理装置1に転送されるように、装置3aと情報処理装置1との通信経路上の中継装置に自動で設定される。その結果、中継装置に対する経路設定の作業負担が軽減される。
また、決定手段1aで決定したアドレスを送信元とするパケットを装置3aに送信し、装置3aの動作を評価することで、装置3aの動作検証の際に行う中継装置への経路設定作業が削減され、装置3aの動作検証に要する作業負荷が軽減される。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、実働系ネットワークからキャプチャしたパケットを利用して、検証系ネットワークに設置された検証サーバの動作を検証するものである。第2の実施の形態では、適切なアドレスブロックを適宜選択し、選択したアドレスブロック内のアドレスを用いて検証データを送信することで、検証サーバの動作検証を行う。その際、第2の実施の形態では、検証サーバと検証装置との間の通信経路上の中継装置に対して静的(スタティック)に経路設定を行うことで、検証サーバから検証装置へのパケットの転送を可能とする。
図2は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。検証装置100は、実動系ネットワーク20と検証系ネットワーク30との間に接続されている。
実動系ネットワーク20には、実動サーバ21が設けられている。実動サーバ21は、端末装置24〜26からの要求に応じて処理を実行し、処理結果を端末装置24〜26に応答する。実動サーバ21は、ネットワークタップ22を介して中継装置23に接続されている。中継装置23は、ネットワーク層(レイヤ3)データの転送処理を行うパケットの中継装置である。中継装置23としては、例えば、L3スイッチやルータがある。ネットワークタップ22は、中継装置23と実動サーバ21との間の双方向の信号を分岐させる装置である。ネットワークタップ22には、検証装置100が接続されており、ネットワークタップ22は、分岐させた信号を検証装置100に送信する。検証装置100は、ネットワークタップ22から送られた信号に基づいて、実動系ネットワーク20を伝搬するパケットを取得する。なおネットワークタップ22で分岐させた信号に基づいて、パケットを取得することを、パケットをキャプチャするという。
また実動系ネットワーク20には、複数の端末装置24〜26が設けられている。端末装置24〜26それぞれと実動サーバ21との間の通信は、中継装置23によって中継される。
検証系ネットワーク30には、検証サーバ31が設けられている。検証サーバ31は、検証装置100からの検証データで示される要求に応じて処理を実行し、処理結果を検証装置100に応答する。検証系ネットワーク30には、複数の中継装置32〜39が設けられている。中継装置32〜39は、ネットワーク層(レイヤ3)データの転送処理を行うパケットの中継装置である。中継装置32〜39としては、例えば、L3スイッチやルータがある。検証系ネットワーク30内を伝送するパケットは、中継装置32〜39で中継される。図2の例では、検証装置100は中継装置37に接続され、検証サーバ31は中継装置32に接続されている。
図3は、本実施の形態に用いる検証装置のハードウェアの一構成例を示す図である。検証装置100は、CPU101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス109を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、検証装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
バス109に接続されている周辺機器としては、HDD103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、複数の通信インタフェース107a,107b,107c,・・・、およびシリアルインタフェース108がある。
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、検証装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
通信インタフェース107aは、ネットワークタップ22に接続されている。通信インタフェース107aは、ネットワークタップ22から、実動サーバ21に入力されたパケットを取得する。
通信インタフェース107bは、ネットワークタップ22に接続されている。通信インタフェース107bは、ネットワークタップ22から、実動サーバ21から出力されたパケットを取得する。
通信インタフェース107cは、中継装置37に接続されている。通信インタフェース107cから中継装置37へは、検証データを含む検証サーバ31宛のパケットが送信される。中継装置37から通信インタフェース107cへは、検証データに応じた処理の結果を示すパケットが送信される。
なお通信インタフェース107a,107b,107c以外の4つ目の通信インタフェースがある場合、例えばその通信インタフェースを中継装置37に接続する。その場合、4つ目の通信インタフェースは、検証装置100から検証サーバ31までの通信経路の探索に利用される。例えば4つ目の通信インタフェースから中継装置37へは、経路探索などの制御パケットが送信される。中継装置37から4つ目の通信インタフェースへは、経路探索の結果が送信される。
シリアルインタフェース108は、RS−232Cなどのシリアル通信を行うインタフェースである。シリアルインタフェース108は、例えば中継装置37のコンソールポートに接続される。検証装置100は、シリアルインタフェース108を介して中継装置37のコンソールポートに入出力を行い、中継装置37のコンソール端末として機能することができる。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置1も、図3に示した検証装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。また図3には検証装置100のハードウェア構成を示したが、実動サーバ21、端末装置24〜26、および検証サーバ31も検証装置100と同様のハードウェアで実現することができる。
第2の実施の形態では、実動系ネットワーク20から収集したパケットを利用して検証データを生成し、検証系ネットワーク30を用いた検証サーバ31の動作検証を行う。この際、検証装置100は、実動系ネットワーク20から取得した実動サーバ21宛のパケットの送信元アドレスと宛先アドレスとを変更する。この際、宛先アドレスは、検証サーバ31のIP(Internet Protocol)アドレスに変更される。また送信元アドレスは、予めプールアドレスブロックとしてプールされているアドレスブロック内のアドレスに変更される。プールアドレスブロックは、検証装置100に隣接する中継装置37に接続されるネットワークで検証できるように、予め用意されているアドレスブロックである。
図4は、検証手順の概要を示す図である。例えば管理者は、プールアドレスブロックに関する情報を、検証装置100に入力する。その後、検証装置100は、実動サーバ21に入出力されるパケットを収集する。例えば端末装置24から実動サーバ21宛に送信されたパケット41は、ネットワークタップ22で分岐され、実動サーバ21と検証装置100との両方に送信される。また実動サーバ21から端末装置24宛に送信されたパケット42は、ネットワークタップ22で分岐され、端末装置24と検証装置100との両方に送信される。検証装置100は、ネットワークタップ22を介してキャプチャしたパケットを解析して、そのパケットに示される情報を記憶する。
次に検証装置100は、実動系ネットワークから採取したパケットに基づいて、予め用意されたプールアドレスブロックの中から、検証に利用するのに適切なアドレスブロックを選択する。例えば検証装置100は、収集したパケットに基づいて、実動系ネットワーク20上で利用されている端末装置の数を計数し、端末装置の数に応じた適切なサイズのアドレスブロックを選択する。
ところで、プールアドレスブロックに含まれるアドレスブロック内のアドレスは、試験用で、通常は使わないアドレスブロックである。そのため、誤動作を防ぐためにも、検証系ネットワーク30内の各中継装置には、プールアドレスブロックの経路が設定されていない。そこで検証装置100は、選択したアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットが検証装置100に転送されるように、検証系ネットワーク30内の中継装置に対する経路設定を行う。
その後、検証装置100は、キャプチャしたパケットのヘッダやペイロードを適切に書替える。例えば検証装置100は、実動サーバ21宛のパケット41の送信元アドレスを、選択したアドレスブロック内のアドレスに変更する。そして検証装置100は、変換後のパケット43を、検証系ネットワーク30を介して検証サーバ31に送信する。この際、検証装置100は、連続するパケットの送信時間間隔を調整して、パケットを検証サーバ31に送信することができる。
パケット43を受信した検証サーバ31は、パケット43の内容に応じた処理を行い、応答用のパケット44を出力する。パケット44の宛先アドレスは、検証装置100がパケット43の送信元アドレスに設定したアドレスである。検証サーバ31が出力したパケット44は、検証系ネットワーク30内の中継装置で中継され、検証装置100に送られる。
検証装置100は、パケット43の送出時刻、パケット44の受信時刻などの情報に基づいて、検証サーバ31の動作を評価する。例えば検証装置100は、実動サーバ21から送出されたパケットのキャプチャ時間間隔と、検証サーバ31から送出されたパケットの取得時間間隔の比較を行い、実動サーバ21と検証サーバ31の性能比較を行う。また検証装置100は、パケットの内容やレスポンス時間の長さなどの比較を行う。そして検証装置100は、比較結果を基に検証装置は実動系と検証系のサーバの機能および性能を評価する。
なお、検証サーバ31宛のパケットの送信前に、選択したアドレスブロック内のパケットを宛先とするパケットが検証装置100に届くように経路設定を行わない場合、検証系サーバの応答が検証装置に届かず、検証試験を行えない。例えば、経路設定が行われていないと、選択したアドレスブロック内のパケットを宛先とするパケットは、予め設定された経路(デフォルトルート)を次々に辿っていく。そのパケットは、最終的に、経路設定がされていないパケットを破棄する設定がなされた中継装置で破棄される。
また、プールアドレスブロックに関する経路設定を考慮しなくて済むように、実動系ネットワーク20上の端末装置のアドレスを流用して試験を実施すると、検証サーバ31の応答が実動系ネットワーク20上の端末装置に届いてしまう。実動系のクライアントにとって、検証系サーバが送信する下り方向のパケット(検証サーバの応答)は受信することを想定していないパケットであり、このようなクライアントが予期せぬパケットを受信するような状況は不適切である。
結局、検証サーバ31からの応答を検証装置100で取得するためには、プールアドレスブロックに関する経路設定を中継装置に行うこととなる。一般的に、ネットワークの規模が大きくなるほど、ネットワーク内の中継装置の台数は増えるため、経路設定の作業負担も増大する。そのため、ネットワーク上のすべての中継装置に対し、選択したアドレスブロックの経路情報を加える設定を行ったのでは、経路設定作業の負担が大きすぎる。
そこで第2の実施の形態では、検証装置100と検証サーバとの間の通信経路上に位置する中継装置を特定し、特定した中継装置に対して、検証装置100が、検証試験で使用するアドレスブロックに関する経路設定を加える。これにより、手作業により経路設定作業を行わずに済み、管理者の作業負担が軽減する。以下、経路設定の作用負担を軽減した検証装置100の機能について説明する。
図5は、第2の実施の形態の検証装置の機能を示すブロック図である。検証装置100は、アドレスブロック情報記憶部111、実動系パケット情報記憶部112、サーバ固有情報記憶部113、アドレス対応情報記憶部114、中継装置情報記憶部115、検証系パケット情報記憶部116、および評価情報記憶部117を有する。
アドレスブロック情報記憶部111は、プールされているアドレスブロック(プールアドレスブロック)の情報を記憶する。例えば管理者は、プールアドレスブロックの情報を例えば情報システム部門から取得し、アドレスブロック情報記憶部111に登録する。
実動系パケット情報記憶部112は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットの情報を記憶する。
サーバ固有情報記憶部113は、実動サーバ21および検証サーバ31の固有情報を記憶する。例えば実動サーバ21が出力したクッキーなどの情報がサーバ固有情報記憶部113に記憶される。
アドレス対応情報記憶部114は、実動系ネットワーク20からキャプチャした、実動サーバ21へ転送されたパケットの送信元のアドレスと、そのパケットを検証サーバ31に送信する際に設定された送信元アドレスとの対応関係を記憶する。
中継装置情報記憶部115は、検証装置100と検証サーバ31との間の経路上の中継装置に関する情報を記憶する。
検証系パケット情報記憶部116は、検証装置100から検証サーバ31へ送信したパケットと、検証装置100が検証サーバ31から受信したパケットとに関する情報を記憶する。
評価情報記憶部117は、検証サーバ31の動作の評価に用いる情報を記憶する。例えば評価情報記憶部117には、検証サーバ31に対してリクエストメッセージを送信した場合の、レスポンスメッセージを受信するまでの応答時間などの情報が記憶される。
なお上記各記憶機能としては、例えばRAM102またはHDD103の記憶領域の一部が使用される。
検証装置100は、情報処理機能として、パケット取得部120、検証部130、および表示部140を有する。
パケット取得部120は、ネットワークタップ22を介してパケットをキャプチャする。パケット取得部120は、キャプチャしたパケットを検証部130に送信する。
検証部130は、パケット取得部120から受け取ったパケットを用いて、検証サーバ31の動作検証を行い、検証サーバ31の性能を評価する。検証部130は、評価結果を表示部140に送信する。
表示部140は、検証部130から受け取った検証サーバ31の評価結果を、モニタ11などに表示する。
なお検証部130の機能は、複数の機能に細分化することができる。すなわち検証部130は、パケット解析部131、アドレスブロック選択部132、構成探索部133、設定変更部134、アドレス対応情報管理部135、パケット変換部136、パケット送信部137、および性能評価部138を有する。
パケット解析部131は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットを解析する。パケット解析部131は、解析したパケットに示される情報を、実動系パケット情報記憶部112に格納する。
アドレスブロック選択部132は、プールアドレスブロックの中から、検証サーバ31に対するパケットの送信に使用するアドレスブロックを選択する。例えばアドレスブロック選択部132は、複数のプールアドレスブロックの中から適切なサイズのプールアドレスブロックを選択する。この場合、アドレスブロック選択部132は、実動系ネットワーク20上のすべての端末装置のアドレスを1対1で対応付けるのに十分なアドレスブロックサイズのアドレスブロックを選択する。
構成探索部133は、検証装置100から検証サーバ31までのパケットの通信経路上の中継装置を探索する。例えば構成探索部133は、トレースルートコマンドなどの経路探索のアルゴリズムを用いて、通信経路上の中継装置を探索する。トレースルートを利用する場合、例えば構成探索部133は、OSに対して検証サーバ31のアドレスを指定したトレースルートコマンドの実行を指示する。すると検証装置100のOSが、検証サーバ31までの通信経路上に所定の制御パケットを送信し、中継装置のアドレスと、その中継装置までのホップ数を取得する。ホップ数とは、検証装置100から検出された中継装置までの経路上に存在する中継装置の数である。検証装置100に隣接する中継装置のホップ数は「1」となる。構成探索部133は、OSからトレースルートコマンドの実行結果を受け取る。また構成探索部133は、ネットワーク構成図の情報から、検証サーバ31までの経路上の中継装置を調べることもできる。さらに構成探索部133は、中継装置からMIB(Management Information Base)情報などの機器管理情報を取得して、検証サーバ31までの経路上の中継装置を調べることもできる。なおMIB情報は、SNMP(Simple Network Management Protocol)で管理される中継装置が有する情報である。構成探索部133は、探索によって検出された中継装置の情報を、中継装置情報記憶部115に格納する。
設定変更部134は、構成探索部133で検出された中継装置に対して、アドレスブロック選択部132で選択されたアドレスブロック内のアドレス宛のパケットが検証装置100に転送されるように設定する。
アドレス対応情報管理部135は、アドレスブロック選択部132で選択されたアドレスブロック内のアドレスから、検証サーバ31に送信するパケットの送信元アドレスとして使用するアドレスを決定する。そしてアドレス対応情報管理部135は、実動サーバ21へ送信されたパケットの送信元のアドレスと、そのパケットの検証サーバ31への送信時に送信元に設定するアドレスとの対応関係を、アドレス対応情報記憶部114に格納する。
パケット変換部136は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットの宛先と送信元とを変更し、検証系ネットワーク30に出力する。例えばパケット変換部136は、キャプチャしたパケットの送信元アドレスのフィールドに、アドレス対応情報管理部135で対応付けられたアドレスを設定する。またパケット変換部136は、キャプチャしたパケットの宛先アドレスのフィールドに、検証サーバ31のアドレスを設定する。またパケット変換部136は、キャプチャしたパケットのヘッダのアドレス部以外またはペイロードなどの内容を変換することもできる。例えばパケット変換部136は、キャプチャしたパケットのペイロードに、実動サーバ21のアプリケーションソフトウェアに固有の情報が含まれる場合、その情報を、検証サーバ31のアプリケーションソフトウェアに固有の情報に変換する。
パケット送信部137は、パケット変換部136によって宛先や送信元などの変換が行われたパケットを、検証サーバ31に対して送信する。
性能評価部138は、パケット送信部137が検証サーバ31に対して送信したパケットと、そのパケットに対して検証サーバ31から応答されたパケットに基づいて、検証サーバ31の動作を検証する。
なお、図5に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。なお図5に示すアドレスブロック選択部132は、図1に示した第1の実施の形態の決定手段1aの一例である。図5に示す構成探索部133は、図1に示した第1の実施の形態の特定手段1bの一例である。図5に示す設定変更部134は、図1に示した第1の実施の形態の設定手段1cの一例である。図5に示すパケット変換部136は、図1に示した第1の実施の形態の変換手段1dの一例である。図5に示したパケット送信部137は、図1に示した第1の実施の形態の送信手段1eの一例である。図5に示した性能評価部138は、図1に示した第1の実施の形態の受信手段1fと評価手段1gとを合わせた機能の一例である。
次に、図6〜図12を参照し、検証装置100の各記憶部に格納されるデータのデータ構造について説明する。
図6は、アドレスブロック情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。アドレスブロック情報記憶部111には、アドレスブロックテーブル111aが格納されている。アドレスブロックテーブル111aは、各アドレスブロックに関する情報が設定されたデータテーブルである。アドレスブロックテーブル111aには、アドレスブロックサイズ、アドレスブロック、プールフラグ、および管理情報へのポインタの欄が設けられている。
アドレスブロックサイズの欄には、アドレスブロックのサイズを表す数値が設定される。アドレスブロックのサイズとは、アドレスブロックに含まれるアドレスの数である。図6の例では、ネットマスクのビット数によってアドレスブロックのサイズが示されている。ネットマスクは、IPアドレスのうちのネットワーク部を示す情報である。ネットマスクをビット数で表した場合、IPアドレスの先頭から指定されたビット数の部分が、ネットワーク部である。ネットワーク部のビット数が少ないほど、IPアドレスのホスト部のビット数が多くなり、該当するアドレスブロックに含まれるアドレスの数も多くなる。なお、ホスト部をすべて「0」にしたIPアドレスは、ネットワーク自身を示すネットワークアドレスであり、検証用のパケットの送信元のアドレスには使用できない。またホスト部をすべて「1」にしたIPアドレスは、ブロードキャストであり、検証用のパケットの送信元のアドレスには使用できない。例えばアドレスブロックサイズの欄に「24」と設定されたアドレスブロックは、「254」個のアドレスを使用可能である。またアドレスブロックサイズの欄に「27」と設定されたアドレスブロックは、「30」個のアドレスを使用可能である。
アドレスブロックの欄には、アドレスブロックのネットワークアドレスが設定される。
プールフラグの欄には、対応するアドレスブロックがプールされているか否かを示すフラグ(プールフラグ)が設定される。図6の例では、プールされているアドレスブロックのプールフラグは「1」であり、プールされていないアドレスブロックのプールフラグは「0」である。
管理情報へのポインタの欄には、アドレスブロック内の各アドレスの管理情報の、アドレス対応情報記憶部114での位置を示す情報が設定される。図6の例では、IPアドレスの範囲によって、アドレス対応情報記憶部114内の管理情報の位置が示されている。
図7は、実動系パケット情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。実動系パケット情報記憶部112には、実動系パケット管理テーブル112aが格納されている。実動系パケット管理テーブル112aは、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットに示された情報が登録されたデータテーブルである。実動系パケット管理テーブル112aには、セッションID、時刻、SA、DA、SP、DP、シーケンス番号、ACK番号、SYN、ACK、PSH、FIN、RST、ヘッダ、およびメッセージボディの欄が設けられている。
セッションIDの欄には、メッセージの通信に使用されたセッションの識別情報(セッションID)が設定される。時刻の欄には、パケットのキャプチャ時刻が設定される。SAの欄には、パケットの送信元のIPアドレスが設定される。DAの欄は、パケットの宛先のIPアドレスが設定される。SPの欄には、パケットの送信元のIPポート番号が設定される。DPの欄には、パケットの宛先のIPポート番号が設定される。シーケンス番号の欄には、パケットのシーケンス番号が設定される。ACK番号の欄には、パケットの確認応答番号が設定される。SYNの欄には、TCPコネクションの確立を要求する最初のパケットであることを示す「SYN」フラグの値が設定される。ACKの欄には、応答確認のためのACKフラグの値が設定される。PSHの欄には、受信したデータをバッファリングせず、直ちにアプリケーションに渡すことを要求するPSHフラグの値が設定される。FINの欄には、コネクションの切断を要求するFINフラグの値が設定される。RSTの欄には、コネクションの強制切断を示すRSTフラグの値が設定される。ヘッダの欄には、リクエストメッセージのメソッド、またはレスポンスメッセージのステータス番号が設定される。メソッドは、リクエストに応じた処理の種別を示しており、GETメソッドやPOSTメソッドなどがある。ステータス番号は、リクエストメッセージに応じた処理の状態を示す番号である。例えば処理が成功した場合のステータス番号は「200」である。なおヘッダの欄には、ステータス番号に付与された「OK」などの補足のメッセージも設定される。メッセージボディの欄には、パケットに含まれているメッセージの内容が設定される。
なお、図7に示した項目以外の情報を実動系パケット情報記憶部112に格納することもできる。例えばキャプチャしたパケットからリクエスト送信時刻またはレスポンス受信時刻が取得できる場合、リクエスト送信時刻またはレスポンス受信時刻を実動系パケット情報記憶部112に格納してもよい。
図8は、サーバ固有情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。サーバ固有情報記憶部113には、実動サーバ固有情報113aと検証サーバ固有情報113bとが格納されている。
実動サーバ固有情報113aには、実動サーバ21の固有情報が登録される。実動サーバ固有情報113aには、例えば実動サーバ21の固有情報として、IPアドレス、3ウェイハンドシェイクのサーバのシーケンス番号の初期値、HTTP(HyperText Transfer Protocol)ヘッダに設定されるクッキー情報などが登録される。
検証サーバ固有情報113bには、検証サーバ31の固有情報が登録される。検証サーバ固有情報113bには、例えば検証サーバ31の固有情報として、IPアドレス、3ウェイハンドシェイクのサーバのシーケンス番号の初期値や、HTTPヘッダに設定されるクッキー情報などが登録される。なお検証サーバ31のIPアドレスは、管理者によって予め登録されているが、クッキー情報やシーケンス番号初期値は、アプリケーションやオペレーティングシステム(OS)によってランダムに付与される。
図9は、アドレス対応情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。アドレス対応情報記憶部114には、アドレス対応関係テーブル114aが格納されている。アドレス対応関係テーブル114aには、IPアドレス、使用フラグ、および実動系端末装置IPアドレスの欄が設けられている。
IPアドレスの欄には、ブールアドレスブロック内のIPアドレスが設定される。
使用フラグの欄には、対応するIPアドレスが使用済みか否かを示すフラグ(使用フラグ)か設定されている。例えば使用されているIPアドレスには、使用フラグ「1」が設定される。未使用のIPアドレスには、使用フラグ「0」が設定される。なお、ホスト部がすべての「0」のネットワークアドレスについては、予め使用フラグが「1」に設定されている。また検証系ネットワーク30内の中継装置で使用されているアドレスについても、予め使用フラグが「1」に設定されている。
実動系端末装置IPアドレスの欄には、キャプチャ時に送信元アドレスとして設定されていた実動系ネットワーク20上の端末装置のIPアドレスが設定される。
図10は、中継装置情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。中継装置情報記憶部115には、中継装置管理テーブル115aが格納されている。中継装置管理テーブル115aには、ホップ数と中継装置との欄が設けられている。ホップ数の欄には、対応付けられたIPアドレスで示される中継装置までのホップ数が設定される。中継装置の欄には、検証装置100と検証サーバ31との間の経路上の中継装置のIPアドレスが設定される。
図11は、検証系パケット情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。検証系パケット情報記憶部116には、検証系パケット管理テーブル116aが格納されている。検証系パケット管理テーブル116aは、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットに示された情報が登録されたデータテーブルである。検証系パケット管理テーブル116aには、セッションID、時間、SA、DA、SP、DP、シーケンス番号、ACK番号、SYN、ACK、PSH、FIN、RST、ヘッダ、およびメッセージボディの欄が設けられている。検証系パケット管理テーブル116aの各欄に設定される情報は、図8に示した実動系パケット管理テーブル112aの同名の欄に設定される情報と同種の情報である。
図12は、評価情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。評価情報記憶部117には、検証サーバ31の評価に用いられる情報が格納される。例えば、実動サーバ21の平均アプリケーション遅延(レスポンス時間とも呼ぶ)や検証サーバ31の平均アプリケーション遅延が格納される。アプリケーション遅延とは、リクエストメッセージを送信してからレスポンスメッセージが返されるまでの経過時間である。
以上のようなデータを用いて検証系ネットワーク30を介した検証サーバ31の動作検証が行われる。以下、動作検証処理について詳細に説明する。
図13は、動作検証処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]パケット解析部131は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットをパケット取得部120経由で受け取り、そのパケットを解析する。そしてパケット解析部131は、キャプチャしたパケットに示される情報を、実動系パケット情報記憶部112に格納する。例えばパケット解析部131は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットのキャプチャ時刻、ヘッダ情報、ペイロード情報などを、実動系パケット情報記憶部112に格納する。またパケット解析部131は、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットを解析して得られる3ウェイハンドシェイクのサーバのシーケンス番号の初期値やクッキー情報などを、サーバ固有情報記憶部113に格納する。
[ステップS102]アドレスブロック選択部132は、プールアドレスブロックの中から、使用するアドレスブロックを選択する。例えばアドレスブロック選択部132は、アドレスブロック情報記憶部111内のアドレスブロックテーブル111aを参照し、プールフラグに「1」が設定されているアドレスブロックの中から、アドレスブロックを選択する。例えばアドレスブロック選択部132は、実動系パケット情報記憶部112に格納されたパケット情報に基づいて、実動系ネットワーク20に接続されている端末装置24〜26の数を計数する。そしてアドレスブロック選択部132は、端末装置24〜26の数以上のアドレスを有するアドレスブロックのうち、サイズができるだけ小さいアドレスブロックを選択する。このようなアドレスブロックを選択することで、アドレスブロックの効率的な利用が可能となる。
アドレスブロック選択部132は、アドレスブロックを選択すると、実動系ネットワーク20内の端末装置24〜26それぞれのIPアドレスと、選択したアドレスブロック内のIPアドレスとを対応付ける。そしてアドレスブロック選択部132は、IPアドレスの対応関係をアドレス対応情報記憶部114内のアドレス対応関係テーブル114aに設定する。
[ステップS103]構成探索部133は、検証系ネットワーク30の構成情報の読み込みを試行する。例えば、情報システム部門などから試験実施の際に組織内のネットワーク構成図(ネットワークトポロジ情報とも呼ばれる)を入手できる場合がある。ネットワーク構成図には、例えば図2に示す検証系ネットワーク30の検証サーバ31、中継装置32〜39、および検証装置100の接続関係が示される。そこで、構成探索部133には、検証系ネットワーク30のネットワーク構成図の保存場所を予め設定しておく。構成探索部133は、ネットワーク構成図の保存場所からのネットワーク構成図の読み込みを行う。ネットワーク構成図が用意されていれば、構成探索部133は、ネットワーク構成図を読み込むことができる。ネットワーク構成図が用意されていなければ、構成探索部133によるネットワーク構成図の読み込み処理は、エラー終了する。
[ステップS104]構成探索部133は、ネットワーク構成図を取得できたか否かを判断する。構成探索部133は、ネットワーク構成図を取得できた場合、処理をステップS105に進める。また構成探索部133は、ネットワーク構成図を取得できなかった場合、処理をステップS106に進める。
[ステップS105]構成探索部133は、ネットワーク構成図が取得できた場合は、ネットワーク構成図から検証装置−検証サーバ間の中継装置を特定する。例えば構成探索部133は、ネットワーク構成図に基づいて、検証装置100と検証サーバ31との間の最短の通信経路を検出する。最短の通信経路とは、例えば中継する中継装置の数が最も少なくなる通信経路である。そして構成探索部133は、検出した通信経路上の中継装置を特定する。図2に示した検証系ネットワーク30であれば、中継装置32,33,35,37を経由する通信経路が、検証サーバ31と検証装置100との間の最短の通信経路である。そのため中継装置32,33,35,37が特定される。その後、構成探索部133は処理をステップS109に進める。
[ステップS106]構成探索部133は、ネットワーク構成図が取得できない場合は、経路探索に使用可能な通信インタフェースがあるか否かを判断する。例えば検証サーバ31との間の通信に使用する通信インタフェースは、プールアドレスブロック内のIPアドレスを送信元とする通信にしか使用できず、経路探索には使用できない場合がある。この場合、検証装置100において、隣接する中継装置37と接続する通信インタフェースが複数あれば、一方の通信インタフェースを検証サーバ31との通信に使用し、他方を経路探索に使用することができる。経路探索に使用する通信インタフェースには、検証サーバ31との通信に使用する通信インタフェースとは別のIPアドレスが設定される。構成探索部133は、経路探索に使用可能な通信インタフェースがあれば、処理をステップS107に進める。また構成探索部133は、経路探索に使用可能な通信インタフェースがなければ、処理をステップS108に進める。
[ステップS107]構成探索部133は、経路探索に使用可能な通信インタフェースで隣接する中継装置37に接続されている場合、その通信インタフェースを介して経路探索を行う。そして構成探索部133は、検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上の中継装置を特定する。例えば構成探索部133は、検証サーバ31のIPアドレスを指定したトレースルート(tracerouteまたはtracert)コマンドなどを送信する。すると検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上の各中継装置32,33,35,37から、それぞれのIPアドレスを示す応答が返される。また経路探索の方法として、pingコマンドを使用するとこもできる。pingコマンドでは、「−r」オプションを付けて実行することで、指定したIPアドレスに対応する通信相手との間の通信経路上の中継装置の情報を取得することができる。その後、構成探索部133は、処理をステップS109に進める。
[ステップS108]構成探索部133は、経路探索に使用可能な通信インタフェースで隣接する中継装置37に接続されていない場合、隣接する中継装置37から検証サーバ31までの経路を探索し、経路上の中継装置を特定する。例えば構成探索部133は、中継装置37に接続されたシリアルインタフェース108経由で、中継装置37にコンソール端末としてアクセスする。そして構成探索部133は、中継装置37にログインし、中継装置37から検証サーバ31までの経路を探索する。
また構成探索部133は、中継装置37にリモートログインし、中継装置37から検証サーバ31までの通信経路を探索することもできる。例えば、図2に示した検証系ネットワーク30とは別に、管理用のネットワークによって、検証装置100と中継装置32〜39とが接続されている場合も考えられる。管理用のネットワーク上では、検証装置100と中継装置37とが隣接していない場合もある。このような場合、検証装置100から中継装置37にリモートログインして、中継装置37から検証サーバ31までの通信経路を探索することで、検証系ネットワーク30上での検証装置100から検証サーバ31までの通信経路を把握することができる。
[ステップS109]設定変更部134は、検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上の中継装置に対する設定変更処理を行う。設定変更処理では、ステップS102で選択したアドレスブロック内のIPアドレス宛のパケットが、検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上を、検証サーバ31方向に転送されるように設定される。例えば設定変更部134は、通信経路上の中継装置それぞれにリモートログインをする。次に設定変更部134は、ログインした中継装置に対して、選択したアドレスブロックの経路を設定する。そして設定変更部134は、経路設定を行った中継装置に対して設定変更の保存指示を行った後、ログアウトする。このような設定変更に係る一連の処理をスクリプトなどのプログラムに記述しておけば、そのプログラムを実行することにより、設定変更処理の自動化が可能である。
また設定変更部134が中継装置に設定する情報としては、まず、選択したアドレスブロックのIPアドレス(ネットワークアドレス)がある。また選択したアドレスブロックのIPアドレス以外の設定項目としては、選択したアドレスブロックのサイズ(サブネットマスク)、ネクストホップのIPアドレスもしくはインタフェースなどがある。
例えば中継装置で静的経路設定を行う方法は、次の通りである。
# ip route <アドレスブロックのIPアドレス> <サブネットマスク> <ネクストホップORインタフェース>
「#」はコマンドプロンプトであり、#以降の文字列が中継装置への命令である。
[ステップS110]パケット変換部136は、実動系ネットワーク20からキャプチャした実動サーバ21宛のパケットを、検証サーバ31宛のパケットに変換する。例えばパケット変換部136は、実動系パケット情報記憶部112から、実動サーバ21宛のパケットを、キャプチャ時刻が早い順に抽出する。パケット変換部136は、抽出したパケットの宛先アドレスを、検証サーバ31のIPアドレスに変更する。なお検証サーバ31のIPアドレスは、サーバ固有情報記憶部113内の検証サーバ固有情報113bから取得できる。
またパケット変換部136は、アドレス対応情報管理部135に、抽出したパケットの送信元アドレス(端末装置のアドレス)に対応する、選択したアドレスブロック内のアドレスを問い合わせる。アドレス対応情報管理部135は、アドレス対応情報記憶部114内のアドレス対応関係テーブル114aを参照し、指定された端末装置のIPアドレスに対応する、選択したアドレスブロック内のIPアドレスがあるか否かを判断する。すでに対応するIPアドレスがあれば、アドレス対応情報管理部135は、すでに対応付けられているIPアドレスをパケット変換部136に通知する。指定された端末装置のIPアドレスに対応する、選択したアドレスブロック内のIPアドレスがなければ、アドレス対応情報管理部135は、選択したアドレスブロック内の使用フラグが「0」のIPアドレスを1つ選択する。そしてアドレス対応情報管理部135は、選択したIPアドレスをパケット変換部136に通知する。この際、アドレス対応情報管理部135は、アドレス対応関係テーブル114aにおける、選択したIPアドレスの使用フラグを「1」に変更する。パケット変換部136は、抽出したパケットの送信元アドレスを、アドレス対応情報管理部135から通知されたIPアドレスに変換する。
またパケット変換部136は、サーバ固有情報記憶部113に格納されている情報を参照し、パケットのセッションID、シーケンス番号、クッキー情報などに所定の変更を加えることもできる。
[ステップS111]パケット送信部137は、パケット変換部136で変換されたパケットを、検証サーバ31に順次送信する。この際、パケット送信部137は、パケットの送信時間間隔を調整することができる。例えばパケット送信部137は、連続してキャプチャしたパケットの取得間隔と同じ時間間隔で、それらのパケットから変換したパケットを送信する。これにより、同一負荷試験を実施することができる。またパケット送信部137は、連続してキャプチャしたパケットの取得間隔よりも、時間間隔を詰めて、それらのパケットから変換したパケットを送信することもできる。これにより、加速試験(負荷を増加した試験)を実施することができる。
なお、パケット送信部137は、送信したパケットの情報を検証系パケット情報記憶部116内の検証系パケット管理テーブル116aに登録する。
[ステップS112]性能評価部138は、実動サーバ21と検証サーバ31との性能を比較する。例えば性能評価部138は、検証サーバ31から応答されたパケットを取得し、取得したパケットの情報を、検証系パケット情報記憶部116内の検証系パケット管理テーブル116aに登録する。そして、性能評価部138は、実動系パケット情報記憶部112に登録された情報に基づいて、実動サーバ21の性能を計算する。また性能評価部138は、検証系パケット情報記憶部116に登録された情報に基づいて、検証サーバ31の性能を計算する。例えば性能評価部138は、実動サーバ21、検証サーバ31それぞれの平均アプリケーション遅延を計算する。性能評価部138は、計算した性能に関する情報を、評価情報記憶部117に格納する。
そして性能評価部138は、実動サーバ21の性能に関する情報と検証サーバ31の性能に関する情報とを比較し、検証サーバ31の性能を評価する。検証サーバ31の方が高性能であれば、性能評価部138は、検証サーバ31への運用の移行を推奨する評価結果を出力する。また性能評価部138は、検証サーバ31と実動サーバ21との性能が同等であれば、検証サーバ31への運用の移行が可能であるとする評価結果を出力する。また性能評価部138は、実動サーバ21の方が高性能であれば、検証サーバ31への運用の移行の再検討を推奨する評価結果を出力する。
性能評価部138から出力された評価結果は、例えば、表示部140によってモニタ11に表示される。
図14は、第2の実施の形態による経路設定例を示す図である。第2の実施の形態では、各中継装置32〜39は、スタティック(静的)に経路情報を管理している。そのため、検証装置100は、検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置32,33,35,37それぞれに対して、プールアドレスブロックの内の選択したアドレスブロックに関する経路設定を行う。
図14の例では、検証サーバ31のアドレスは「20.20.20.80」である。検証サーバ31と中継装置32との間のサブネットワークのアドレスは、「20.20.20.0/24」である。中継装置32と中継装置33との間のサブネットワークのアドレスは、「10.1.0.0/16」である。中継装置33と中継装置35との間のサブネットワークのアドレスは、「10.200.0.0/17」である。中継装置35と中継装置37との間のサブネットワークのアドレスは、「10.10.16.0/20」である。
ここで、プールアドレスブロックの中から、「10.10.20.0/24」のアドレスブロックが選択されたものとする。この場合、中継装置32に対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、アドレスが「10.1.0.0/16」のサブネットワークに接続された通信インタフェースを介して、中継装置33に転送することが設定される。中継装置33に対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、アドレスが「10.200.0.0/17」のサブネットワークに接続された通信インタフェースを介して、中継装置35に転送することが設定される。中継装置35に対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、アドレスが「10.10.16.0/20」のサブネットワークに接続された通信インタフェースを介して、中継装置37に転送することが設定される。中継装置37に対しては、「10.10.20.0/24」のアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを、検証装置100が接続されたサブネットワークに接続された通信インタフェースを介して、検証装置100に転送することが設定される。すなわち中継装置37に対しては、検証装置100との間のサブネットワークのアドレスが、「10.10.20.0/24」であると設定される。
なお中継装置への経路設定では、サブネットワークのアドレス「10.10.20.0/24」に対応付けて、そのアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットを送出する通信インタフェースの識別情報、または通信経路上で隣接する中継装置のIPアドレスが設定される。
これにより、以後、選択したアドレスブロック内のIPアドレスを宛先として検証サーバ31から送信されるパケットが、検証装置100に転送されるようになる。
このように、第2の実施の形態では、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置に対してのみ、動作検証処理で使用するアドレスブロックに関する経路設定を行うため、経路設定の処理の手間が少なくなる。その結果、検証サーバ31の動作検証を効率的に行うことができる。
また第2の実施の形態では、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックのアドレスのみを、通信経路上の中継装置に登録することで経路設定を行える。そのため、試験実施に係る工数を大幅に削減することができる。すなわち、実動系ネットワーク20上の各端末装置のアドレスに対し、プールアドレスブロックから選択されたアドレスブロック内のアドレスが1対1で対応付けられる。対応付けられたアドレスブロックの内の各アドレスに関する経路設定を、中継装置に個別に行うと、1つの中継装置に対して、端末装置数分の経路設定処理を行うこととなる。第2の実施の形態では、アドレスブロックのアドレスに関しする経路設定を行うことで、1つの中継装置に対して1回の経路設定を行えば済む。このように、経路設定処理の効率化が図られている。
以上のように、第2の実施の形態では、検証試験用プールアドレスブロックに関するネットワーク経路設定を中継装置に設定する工数を大幅に削減することが可能である。その結果、実動系ネットワーク20から遠距離にある検証サーバ31に対し、性能評価試験を、迅速かつ正確、さらに確実かつ手軽に実施することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、中継装置が動的(ダイナミック)に経路情報を管理可能な場合の例である。動的な経路情報の管理とは、パケットの転送先を示す経路情報を中継装置管で互いに受け渡して、自身の経路情報を更新する機能である。
なお第3の実施の形態におけるシステム構成および各装置の内部構成は、図2〜図5に示した第2の実施の形態の構成と同様である。そこで以下の説明では、図2〜図5に示した各要素の符号を用いて、第3の実施の形態について説明する。
なお第3の実施の形態では、中継装置情報記憶部115のデータ構造については、第2の実施の形態と異なる。
図15は、第3の実施の形態における中継装置情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。第3の実施の形態の中継装置管理テーブル115bには、ホップ数、中継装置、および動的経路制御稼働状況の欄が設けられている。ホップ数と中継装置との欄には、図10に示した第2の実施の形態における中継装置管理テーブル115aの同名の欄と同種の情報が設定される。
動的経路制御稼働状況の欄には、対応する中継装置において、動的経路制御が稼働しているか否かを示すフラグが設定される。例えば動的経路制御が稼働している場合、動的経路制御稼働状況の欄に「1」が設定される。また動的経路制御が稼働していない場合、動的経路制御稼働状況の欄に「0」が設定される。
このように動的経路制御の稼働状況を管理することで、検証装置100と検証サーバ31との通信経路上の中継装置を、動的経路制御が稼働している中継装置と動的経路制御設定が稼働していない中継装置とに分類できる。一般的に、動的経路制御設定が稼働していない中継装置が、動的経路制御設定が稼働している中継装置に挟まれたネットワーク構成は少ない。動的経路制御設定が稼働していない中継装置があるとすれば、通信経路の端の方にある場合が多い。すなわち、動的経路制御設定が稼働している中継装置に経路設定を行う場合、動的経路制御設定が稼働している中継装置の中の1つを選んで経路設定を追加すればよい。一方、動的経路制御設定が稼働していない中継装置が複数あれば、それぞれに対して経路設定が追加される。
図16は、第3の実施の形態の動作検証処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお図16に示すステップS201〜S206の処理は、それぞれ図13のステップS101〜S105,S109の処理と同様である。さらにステップS210〜S212の処理は、それぞれ図13のステップS110〜S112の処理と同様である。そこで図16に示す処理のうち、図13に示した第2の実施の形態の処理と異なる処理について、ステップ番号に沿って説明する。
[ステップS207]構成探索部133は、ステップS204の処理でネットワーク構成図を取得できないと判断された場合、静的に設定した経路の伝搬に、動的経路制御機能を使用可能か否かを判断する。例えば管理者は、検証装置100内の所定の記憶領域に、動的経路制御機能を使用可能か否かを示すフラグを予め設定しておく。構成探索部133は、予め設定されたフラグを参照し、動的経路制御を使用可能か否かを判断する。構成探索部133は、動的経路制御を使用可能であれば、処理をステップS208に進める。また構成探索部133は、動的経路制御を使用不可能であれば、処理をステップS209に進める。
[ステップS208]構成探索部133は、動的経路制御を利用した経路設定処理を実行する。なおこの処理の詳細は後述する(図17参照)。その後、構成探索部133は、処理をステップS210に進める。
[ステップS209]構成探索部133は、機器管理情報を利用した経路設定処理を行う。この処理の詳細は後述する(図18参照)。その後、構成探索部133は、処理をステップS210に進める。
次に、動的経路制御を利用した経路設定処理について説明する。
図17は、動的経路制御利用の経路設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS221]構成探索部133は、すべての中継装置で動的経路制御が稼働しているか否かを判断する。例えば管理者は、検証装置100内の所定の記憶領域に、すべての中継装置で動的経路制御が稼働しているか否かを示すフラグを予め設定しておく。構成探索部133は、予め設定されたフラグを参照し、すべての中継装置で動的経路制御が稼働しているか否かを判断する。構成探索部133は、すべての中継装置で動的経路制御が稼働している場合、処理をステップS222に進める。また構成探索部133は、少なくとも1つの中継装置で動的経路制御が稼働していない場合、処理をステップS223に進める。
[ステップS222]設定変更部134は、検証装置100に隣接する中継装置37に、プールアドレスブロックから選択されたアドレスブロックに関する経路設定を行う。この経路設定の内容は、中継装置37から他の中継装置32〜36,38,39に送信される。その後、動的経路制御利用の経路設定処理は終了し、処理が図16のステップS210に進められる。
[ステップS223]構成探索部133は、検証装置100と検証サーバ31との間にある、動的経路制御が稼働している中継装置を探索する。例えば構成探索部133は、シリアルインタフェース108経由で中継装置37にログインし、中継装置37を介して各中継装置の設定内容を調査し、動的経路制御が稼働しているか否かを判断する。
[ステップS224]設定変更部134は、動的経路制御が稼働している1台の中継装置(例えば隣接する中継装置37)に対して、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路設定を行う。例えば設定変更部134は、シリアルインタフェース108経由で中継装置37にログインし、経路設定処理を行う。これにより、動的経路制御が稼働している中継装置に対して設定した経路情報が伝えられ、それらの中継装置において選択したアドレスブロックの経路設定が自動で行われる。
[ステップS225]設定変更部134は、検証装置100と検証サーバ31との間にある、動的経路制御が稼働していない中継装置に対して、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路設定を行う。例えば設定変更部134は、シリアルインタフェース108経由で中継装置37にログインし、中継装置37を介して動的経路制御が稼働していない中継装置にアクセスし、経路設定処理を行う。その後、動的経路制御利用の経路設定処理は終了し、処理が図16のステップS210に進められる。
次に、機器管理情報を利用した経路設定処理について説明する。
図18は、機器管理情報利用の経路設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお図18に示すステップS324〜S326,S328の処理は、それぞれ図13のステップS106〜S109の処理と同様である。そこで図18に示す処理のうち、図13に示した第2の実施の形態の処理と異なる処理について、ステップ番号に沿って説明する。
[ステップS321]構成探索部133は、機器管理情報を収集可能か否かを判断する。例えば管理者は、検証装置100内の所定の記憶領域に、機器管理情報を収集可能か否かを示すフラグを予め設定しておく。構成探索部133は、予め設定されたフラグを参照し、機器管理情報を収集可能か否かを判断する。構成探索部133は、機器管理情報を収集可能であれば、処理をステップS322に進める。また構成探索部133は、機器管理情報を収集不可能であれば、処理をステップS324に進める。
[ステップS322]構成探索部133は、各中継装置32〜39から機器管理情報を収集する。例えば構成探索部133は、シリアルインタフェース108経由で中継装置37にログインし、SNMPを利用して機器管理情報を収集することができる。
検証装置100に接続された中継装置37の機器管理情報としてMIB情報を、SNMPコマンドを用いて取得する例は次の通りである。
# snmpwalk -c public 中継装置のIPアドレス -v2c ipCidrRouteIfIndex
IP-FORWARD-MIB::ipCidrRouteIfIndex.10.10.16.0.255.255.0.0.0.0.0.0.0=INTEGER:1
IP-FORWARD-MIB::ipCidrRouteIfIndex.10.10.20.0.255.255.255.0.0.0.0.0.0=INTEGER:2
IP-FORWARD-MIB::ipCidrRouteIfIndex.10.10.21.0.255.255.255.0.0.0.0.0.0=INTEGER:3
上記の「#」に続く文字がSNMPコマンドであり、その下の3行が、SNMPコマンドの実行結果である。実行結果によれば、宛先IPアドレスが10.10.16.0のパケットはインデックが1のインタフェースから送信される。また、宛先IPアドレスが10.10.20.0のパケットはインデックスが2のインタフェースから送信される。さらに、宛先IPアドレスが10.10.21.0のパケットはインデックスが3のインタフェースから送信される。
例えばアドレスブロック内のアドレスのうち、ホスト部の最後の1ビットのみが「1」で、他のビットが「0」となるアドレスを、中継装置のアドレスに使用するものと規定しておく。その場合、構成探索部133は、隣接する中継装置37から上記SNMPコマンドで取得したアドレスが示すアドレスブロック内の、最後の1ビットのみが「1」のホスト部を有するIPアドレス宛に、同様のSNMPコマンドを送信する。これにより、すべての中継装置32〜39から機器管理情報を取得できる。すべての中継装置32〜39から機器管理情報を取得することで、検証系ネットワーク30の構成を把握できる。
[ステップS323]構成探索部133は、機器管理情報に基づいて把握した検証系ネットワーク30の構成により、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路と、その通信経路上の中継装置とを特定する。構成探索部133は、その後、処理をステップS328に進める。
[ステップS327]機器管理情報が収集できない場合、ステップS324〜S326の処理後、構成探索部133は、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置のうち、動的経路制御が稼働中の中継装置を特定する。例えば構成探索部133は、検証系ネットワーク30内で伝搬するパケットをキャプチャし、動的経路制御により通信された経路情報を検出する。そして構成探索部133は、その経路情報を送信した中継装置を、動的制御経路が稼働中の中継装置として特定する。構成探索部133は、その後、処理をステップS328に進める。
ステップS328では、図13のステップS109と同様に、通信経路上の中継装置に対して静的な経路設定が行われ、処理がステップS329に進められる。
[ステップS329]設定変更部134は、動的経路制御が動作している中継装置に対して、動的経路制御による経路情報の配信を停止させる設定を行う。例えば設定変更部134は、機器管理情報を収集可能な場合、機器管理情報に基づいて、各中継装置について、動的経路制御が稼働しているかどうかを判断する。また設定変更部134は、機器管理情報が収集できない場合は、ステップS327で特定された中継装置について、動的経路制御が稼働しているものと認識する。そして設定変更部134は、動的経路制御が稼働している中継装置に対して、経路情報の配送を停止させる設定(フラッディング停止設定)を行う。その後、機器管理情報を利用した経路設定処理が終了し、処理が図16のステップS210に進められる。
なお動的経路制御が稼働している中継装置を特定できない場合には、すべての中継装置に対して、経路情報の配送を停止させる設定を行ってもよい。
以上のようにして、検証系ネットワーク30内に動的な経路制御を行う中継装置が含まれる場合において、効率的に経路設定を行うことができる。
図19は、動的経路制御による経路設定例を示す図である。図19の例は、すべての中継装置32〜39において動的経路制御が稼働している場合である。この場合、例えば検証装置100は、中継装置37に、シリアルインタフェース108経由でログインし、中継装置37に対して、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路設定を行う。中継装置37に対して行った経路設定は、動的な経路情報として他の中継装置32〜36,38,39に伝搬する。そして他の中継装置32〜36,38,39においても、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路設定が行われる。
なお、検証装置100は、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路を含む、動的経路制御において中継装置間で交換される経路情報を生成し、その経路情報を中継装置37に送信することもできる。この場合、中継装置37は、受信した経路情報に基づいて自身の経路情報を更新し、他の中継装置32〜36,38,39に更新内容を伝搬させる。そして他の中継装置32〜36,38,39においても、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックの経路設定が行われる。
このように、検証系ネットワーク30内で中継装置に静的に設定した経路情報を動的経路制御のアルゴリズムで伝送を行うことが許されている場合は、検証装置100と検証サーバ31との通信経路上の一部の中継装置に対し静的経路制御設定を追加するだけで済む。
検証系ネットワーク30内のすべての中継装置で動的経路制御が稼働していれば、中継装置37に対し、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックのアドレスに関する経路情報が、静的経路設定により追加される。これにより、追加された情報が動的経路制御のアルゴリズムによってネットワーク内のすべての中継装置に伝搬する。
検証系ネットワーク30内のすべての中継装置で動的経路制御が稼働しているわけではない場合、まず検証装置100と検証サーバ31との通信経路上の中継装置が特定される。次に、特定された中継装置が、動的経路制御が稼働する中継装置と、動的経路制御が稼働していない中継装置とに分類される。動的経路制御が稼働していない中継装置すべてと、動的経路制御が稼働している中継装置のうちの1台とに対して、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックのアドレスに関する経路情報が、静的経路設定により追加される。これにより、通信経路上の中継装置に対して経路設定を行う処理負荷を、軽減することができる。
なお、動的経路制御設定が稼働している場合は、動作検証試験中にネットワーク障害が発生しても、迂回経路が計算され、障害箇所を迂回する経路で通信が行われる。そのためため、検証試験を続行することが可能である。
図20は、障害発生時の通信状況の一例を示す図である。図20の例では、中継装置32と中継装置33との間の経路で障害が発生している。動的経路制御による経路設定を使うことが許されている場合、障害により経路が途絶えたことを示す情報は、例えば中継装置33から他のすべての中継装置に動的に伝えられる。その結果、例えば、検証サーバ31と検証装置100との通信経路が、中継装置32,34,35,37を経由する経路に変更される。
なお、経路が変わった場合に試験のやり直しを希望する場合は、障害発生前の経路を記憶し、検証試験を中断、ネットワーク障害の原因調査・復旧を行ってから試験をやり直すこともできる。
また第3の実施の形態では、静的に設定された経路情報の動的経路制御による伝搬が許容されない場合、静的に設定した経路情報が伝搬しないように、経路情報配信停止処理(フラッディング停止処理)が行われる。
図21は、経路情報配信停止状況の一例を示す図である。検証系ネットワーク30内で中継装置に静的経路制御情報を行った情報を動的経路制御のアルゴリズムで伝送を行うことが許されていない場合がある。この場合は、検証装置100が、静的経路制御で追加した情報が動的経路制御によるフラッディング処理で伝送されないようにする。
例えばまず検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置から、機器管理情報を取得可能かが調べられる。機器管理情報を取得可能であれば、機器管理情報に基づいて、通信経路上の中継装置が、動的経路制御が稼働している中継装置と、動的経路制御が稼働していない中継装置とに分類される。
図21の例では、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置32,33,35,37のうち、中継装置33,35,37において、動的経路制御が稼働している。中継装置32では、動的経路制御が稼働していない。
この場合、動的経路制御が稼働している中継装置33,35,37に対してはプールアドレスブロックの静的な経路設定が行われるとともに、動的経路制御による静的に設定された経路情報の伝送防止の設定が行われる。また動的経路制御が稼働していない中継装置に対しては、プールアドレスブロックの静的な経路設定が行われる。
このようにして、静的な経路設定を行った中継装置において動的経路制御が稼働していたとしても、静的な経路設定の内容が動的に中継装置間で伝搬することを抑止できる。その結果、不要な経路情報の伝搬により、通信が不安定となることを抑止できる。
なお、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上の中継装置32,33,35,37から機器管理情報を取得できない場合も考えられる。この場合は、第2の実施の形態と同様の方法で中継装置32,33,35,37に、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックのアドレスに関する経路情報が、静的な経路設定により追加される。また追加された経路情報が、動的経路制御により他の中継装置に伝送されないように設定される。なお、中継装置から機器管理情報を取得できない場合、パケットキャプチャなどにより、動的経路制御が稼働している中継装置が特定される。
以上により、通信経路上の中継装置32,33,35,37に対し、少ない処理で経路設定を追加することができ、かつ動的経路制御によって静的に設定された経路情報が、動的経路制御が稼働する他の中継装置に伝送されるのを抑止することができる。
〔その他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、実動系ネットワーク20からのパケットのキャプチャにネットワークタップを用いているが、他の機器を利用することもできる。例えば、ネットワーク上を流れるパケットを直接転送する機能を有するネットワーク機器としては、ネットワークタップ以外にも、L1スイッチ、L2スイッチなどがある。また、それ以外にも検証装置100を実動系ネットワーク20に接続し、パケットキャプチャソフトウェアを利用してキャプチャする方法もある。なおL1スイッチは、物理層(レイヤ1)で信号の切り替えを行うことができるネットワーク機器である。L2スイッチは、データリンク層(レイヤ2)でパケットの中継を行うネットワーク機器である。L2スイッチでは、ポートミラーリング機能により、L2スイッチを経由して転送されるパケットのコピーを所定のポートから出力することができる。
また第2の実施の形態では、検証装置100においてキャプチャしたパケットを取得しているが、別の装置が取得によってキャプチャされたパケットを検証装置100に入力してもよい。例えば、実動系ネットワーク20からキャプチャしたパケットを、検証装置100以外の装置において、ファイルなどに保存しておく。そして動作試験実行時に、ファイルに保存していたパケットの情報を検証装置100に入力する。
上記の各実施の形態に示した処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、情報処理装置1または検証装置100が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
1 情報処理装置
1a 決定手段
1b 特定手段
1c 設定手段
1d 変換手段
1e 送信手段
1f 受信手段
1g 評価手段
2,3 ネットワーク
3a 装置
3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i 中継装置
4a,4b,4c パケット
第1の実施の形態では、情報処理装置1は、装置3aから情報処理装置1への通信経路候補上の中継装置特定する。次に情報処理装置1は、装置3aに対して送信したパケットに対する装置3aからの応答パケットを通信経路に沿って情報処理装置1に転送するように、応答パケットの宛先アドレスについての転送先設定を中継装置に対して行う。このような処理を実現するため、情報処理装置1は、決定手段1a、特定手段1b、設定手段1c、変換手段1d、送信手段1e、受信手段1f、および評価手段1gを有する。
設定手段1cは、特定された中継装置3b,3c,3e,3gの少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿って情報処理装置1側に転送するように、そのパケットの転送先を設定する。例えば設定手段1cは、特定された中継装置3b,3c,3e,3gのすべてに対して、パケットの転送先の設定を行う。なおアドレスブロックとして纏められた複数のアドレスが、パケットの送信元に設定可能なアドレスとして決定される場合もある。この場合、設定手段1cは、アドレスブロックに含まれるいずれかのアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿って情報処理装置1側に転送するように、パケットの転送先を設定する。
受信手段1fは、装置3aに送信したパケット4bに対して装置3aから応答されたパケット4cを受信する。
評価手段1gは、受信したパケット4cに基づいて、装置3aの動作を評価する。
なお図1では、パケット4a,4b,4cの送信元アドレスを「SA(Source Address)」と表記し、宛先アドレスとを「DA(Destination Address)」と表記している。
なお、図1に示した決定手段1a、特定手段1b、設定手段1c、変換手段1d、送信手段1e、受信手段1f、および評価手段1gは、情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)により実現することができる。また、図1に示した各要素間を接続する線は通信関の一部を示すものであり、図示した通信関係以外の通信関係も設定可能である。
次に特定手段1bにより、装置3aから情報処理装置1までの通信経路上の中継装置3b,3c,3e,3gが特定される。そして設定手段1cにより、特定された中継装置3b,3c,3e,3gの少なくとも1つに対し、決定されたアドレスを宛先とするパケットを、通信経路に沿って情報処理装置1側に転送するように、パケットの転送先が設定される。
次に検証装置100は、実動系ネットワーク20から採取したパケットに基づいて、予め用意されたプールアドレスブロックの中から、検証に利用するのに適切なアドレスブロックを選択する。例えば検証装置100は、収集したパケットに基づいて、実動系ネットワーク20上で利用されている端末装置の数を計数し、端末装置の数に応じた適切なサイズのアドレスブロックを選択する。
ところで、プールアドレスブロックに含まれるアドレス内のアドレスは、試験用で、通常は使わないアドレスブロックである。そのため、誤動作を防ぐためにも、検証系ネットワーク30内の各中継装置には、プールアドレスブロックの経路が設定されていない。そこで検証装置100は、選択したアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットが検証装置100に転送されるように、検証系ネットワーク30内の中継装置に対する経路設定を行う。
検証装置100は、パケット43の送出時刻、パケット44の受信時刻などの情報に基づいて、検証サーバ31の動作を評価する。例えば検証装置100は、実動サーバ21から送出されたパケットのキャプチャ時間間隔と、検証サーバ31から送出されたパケットの取得時間間隔の比較を行い、実動サーバ21と検証サーバ31の性能比較を行う。また検証装置100は、パケットの内容やレスポンス時間の長さなどの比較を行う。そして検証装置100は、比較結果を基に実動系と検証系のサーバの機能および性能を評価する。
なお、検証サーバ31宛のパケットの送信前に、選択したアドレスブロック内のアドレスを宛先とするパケットが検証装置100に届くように経路設定を行わない場合、検証系サーバ31の応答が検証装置100に届かず、検証試験を行えない。例えば、経路設定が行われていないと、選択したアドレスブロック内のパケットを宛先とするパケットは、予め設定された経路(デフォルトルート)を次々に辿っていく。そのパケットは、最終的に、経路設定がされていないパケットを破棄する設定がなされた中継装置で破棄される。
また、プールアドレスブロックに関する経路設定を考慮しなくて済むように、実動系ネットワーク20上の端末装置のアドレスを流用して試験を実施すると、検証サーバ31の応答が実動系ネットワーク20上の端末装置に届いてしまう。実動系のクライアントにとって、検証系サーバ31が送信する下り方向のパケット(検証サーバ31の応答)は受信することを想定していないパケットであり、このようなクライアントが予期せぬパケットを受信するような状況は不適切である。
そこで第2の実施の形態では、検証装置100と検証サーバ31との間の通信経路上に位置する中継装置を特定し、特定した中継装置に対して、検証装置100が、検証試験で使用するアドレスブロックに関する経路設定を加える。これにより、手作業により経路設定作業を行わずに済み、管理者の作業負担が軽減する。以下、経路設定の作業負担を軽減した検証装置100の機能について説明する。
アドレス対応情報記憶部114は、実動系ネットワーク20からキャプチャした、実動サーバ21へ送信されたパケットの送信元のアドレスと、そのパケットを検証サーバ31に転送する際に設定された送信元アドレスとの対応関係を記憶する。
アドレスブロックサイズの欄には、アドレスブロックのサイズを表す数値が設定される。アドレスブロックのサイズとは、アドレスブロックに含まれるアドレスの数である。図6の例では、ネットマスクのビット数によってアドレスブロックのサイズが示されている。ネットマスクは、IPアドレスのうちのネットワーク部を示す情報である。ネットマスクをビット数で表した場合、IPアドレスの先頭から指定されたビット数の部分が、ネットワーク部である。ネットワーク部のビット数が少ないほど、IPアドレスのホスト部のビット数が多くなり、該当するアドレスブロックに含まれるアドレスの数も多くなる。なお、ホスト部をすべて「0」にしたIPアドレスは、ネットワーク自身を示すネットワークアドレスであり、検証用のパケットの送信元のアドレスには使用できない。またホスト部をすべて「1」にしたIPアドレスは、ブロードキャストアドレスであり、検証用のパケットの送信元のアドレスには使用できない。例えばアドレスブロックサイズの欄に「24」と設定されたアドレスブロックは、「254」個のアドレスを使用可能である。またアドレスブロックサイズの欄に「27」と設定されたアドレスブロックは、「30」個のアドレスを使用可能である。
IPアドレスの欄には、ールアドレスブロック内のIPアドレスが設定される。
使用フラグの欄には、対応するIPアドレスが使用済みか否かを示すフラグ(使用フラグ)か設定されている。例えば使用されているIPアドレスには、使用フラグ「1」が設定される。未使用のIPアドレスには、使用フラグ「0」が設定される。なお、ホスト部がすべての「0」のネットワークアドレスについては、予め使用フラグが「1」に設定されている。また検証系ネットワーク30内の中継装置で使用されているアドレスについても、予め使用フラグが「1」に設定されている。
図11は、検証系パケット情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。検証系パケット情報記憶部116には、検証系パケット管理テーブル116aが格納されている。検証系パケット管理テーブル116aは、検証系ネットワーク30で遣り取りされたパケットに示された情報が登録されたデータテーブルである。検証系パケット管理テーブル116aには、セッションID、時間、SA、DA、SP、DP、シーケンス番号、ACK番号、SYN、ACK、PSH、FIN、RST、ヘッダ、およびメッセージボディの欄が設けられている。検証系パケット管理テーブル116aの各欄に設定される情報は、図に示した実動系パケット管理テーブル112aの同名の欄に設定される情報と同種の情報である。
[ステップS103]構成探索部133は、検証系ネットワーク30の構成情報の読み込みを試行する。例えば、情報システム部門などから試験実施の際に組織内のネットワーク構成図(ネットワークトポロジ情報とも呼ばれる)を入手できる場合がある。ネットワーク構成図には、例えば図2に示す検証系ネットワーク30の検証サーバ31、中継装置32〜39、および検証装置100の接続関係が示される。そこで、構成探索部133は、検証系ネットワーク30のネットワーク構成図の保存場所を予め設定しておく。構成探索部133は、ネットワーク構成図の保存場所からのネットワーク構成図の読み込みを行う。ネットワーク構成図が用意されていれば、構成探索部133は、ネットワーク構成図を読み込むことができる。ネットワーク構成図が用意されていなければ、構成探索部133によるネットワーク構成図の読み込み処理は、エラー終了する。
[ステップS109]設定変更部134は、検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上の中継装置に対する設定変更処理を行う。設定変更処理では、ステップS102で選択したアドレスブロック内のIPアドレス宛のパケットが、検証サーバ31と検証装置100との間の通信経路上を、検証装置100方向に転送されるように設定される。例えば設定変更部134は、通信経路上の中継装置それぞれにリモートログインをする。次に設定変更部134は、ログインした中継装置に対して、選択したアドレスブロックの経路を設定する。そして設定変更部134は、経路設定を行った中継装置に対して設定変更の保存指示を行った後、ログアウトする。このような設定変更に係る一連の処理をスクリプトなどのプログラムに記述しておけば、そのプログラムを実行することにより、設定変更処理の自動化が可能である。
また第2の実施の形態では、プールアドレスブロックから選択したアドレスブロックのアドレスのみを、通信経路上の中継装置に登録することで経路設定を行える。そのため、試験実施に係る工数を大幅に削減することができる。すなわち、実動系ネットワーク20上の各端末装置のアドレスに対し、プールアドレスブロックから選択されたアドレスブロック内のアドレスが1対1で対応付けられる。対応付けられたアドレスブロックの内の各アドレスに関する経路設定を、中継装置に個別に行うと、1つの中継装置に対して、端末装置数分の経路設定処理を行うこととなる。第2の実施の形態では、アドレスブロックのアドレスに関する経路設定を行うことで、1つの中継装置に対して1回の経路設定を行えば済む。このように、経路設定処理の効率化が図られている。
〔第3の実施の形態〕
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、中継装置が動的(ダイナミック)に経路情報を管理可能な場合の例である。動的な経路情報の管理とは、パケットの転送先を示す経路情報を中継装置で互いに受け渡して、自身の経路情報を更新する機能である。
この場合、動的経路制御が稼働している中継装置33,35,37に対してはプールアドレスブロックの静的な経路設定が行われるとともに、動的経路制御による静的に設定された経路情報の伝送防止の設定が行われる。また動的経路制御が稼働していない中継装置32に対しては、プールアドレスブロックの静的な経路設定が行われる。

Claims (10)

  1. コンピュータに、
    ネットワークを介して接続された装置に送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定し、
    前記装置から前記コンピュータまでの通信経路上の中継装置を特定し、
    前記特定された中継装置の少なくとも1つに対し、前記決定されたアドレスを宛先とするパケットを、前記通信経路に沿って前記コンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、
    処理を実行させるプログラム。
  2. アドレスの決定の際に、
    アドレスブロックとして纏められた複数のアドレスを、パケットの送信元に設定可能なアドレスとして決定し、
    転送先の設定の際に、前記アドレスブロックに含まれるアドレスを宛先とするパケットを、前記通信経路に沿って前記コンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、
    ことを特徴とする請求の範囲第1項記載のプログラム。
  3. 転送先の設定の際に、
    パケットの転送先を示す経路情報を互いに受け渡して自身の経路情報を更新する機能が、前記特定された中継装置それぞれで稼働しているかどうかを判断し、
    前記特定された中継装置のすべてにおいて前記機能が稼働している場合、前記特定された中継装置のうちの1台に対して、前記決定されたアドレスを宛先とするパケットを前記通信経路に沿って前記コンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、
    処理を前記コンピュータに実行させる請求の範囲第1項または第2項のいずれかに記載のプログラム。
  4. 転送先の設定の際に、
    パケットの転送先を示す経路情報を互いに受け渡して自身の経路情報を更新する機能が、前記特定された中継装置それぞれで稼働しているかどうかを判断し、
    前記特定された中継装置の一部において前記機能が稼働している場合、前記機能が稼働している中継装置のうちの1台と、前記機能が稼働していないすべての中継装置とに対して、前記決定されたアドレスを宛先とするパケットを前記通信経路に沿って前記コンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、
    処理を前記コンピュータに実行させる請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載のプログラム。
  5. 転送先の設定の際に、
    パケットの転送先を設定した中継装置に対し、パケットの転送先を示す経路情報を互いに受け渡して自身の経路情報を更新する機能を停止させる、
    処理を前記コンピュータに実行させる請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載のプログラム。
  6. 前記コンピュータに、さらに、
    他のネットワークから取得したパケットの宛先を前記装置のアドレスに変換し、
    該パケットの送信元を前記決定されたアドレスに変換し、
    アドレス変換後のパケットを、前記ネットワークを介して前記装置へ送信する、
    処理を実行させることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載のプログラム。
  7. 前記コンピュータに、さらに、
    前記装置に送信したパケットに対して前記装置から応答されたパケットを受信し、
    前記受信したパケットに基づいて、前記装置の動作を評価する、
    処理を実行させることを特徴とする請求の範囲第6項記載のプログラム。
  8. 情報処理装置において、
    ネットワークを介して接続された装置に送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定する決定手段と、
    前記装置から前記情報処理装置までの通信経路上の中継装置を特定する特定手段と、
    前記特定された中継装置の少なくとも1つに対し、前記決定されたアドレスを宛先とするパケットを前記通信経路に沿って前記情報処理装置側に転送するように、該パケットの転送先を設定する設定手段と、
    を有する情報処理装置。
  9. コンピュータが、
    ネットワークを介して接続された装置に送信するパケットの送信元に設定可能なアドレスを決定し、
    前記装置から前記コンピュータまでの通信経路上の中継装置を特定し、
    前記特定された中継装置の少なくとも1つに対し、前記決定されたアドレスを宛先とするパケットを前記通信経路に沿って前記コンピュータ側に転送するように、該パケットの転送先を設定する、
    ことを特徴とする経路設定方法。
  10. コンピュータに、
    第1の装置から前記コンピュータへの通信経路候補上の中継装置を特定し、
    前記コンピュータが前記第1の装置に対して送信したパケットに対する前記第1の装置からの応答パケットを前記中継装置が受信した場合に、受信した該応答パケットを前記通信経路に沿って前記コンピュータに転送するように、前記応答パケットの宛先アドレスについての転送先設定を前記中継装置に対して行う、
    処理を実行させるプログラム。
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