JPWO2013046683A1 - ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 Download PDF

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Abstract

ガラス板の製造方法は、ガラス原料を熔解して溶融ガラスを得る熔解工程と、前記溶融ガラスを、成形炉内に設けられた成形体に供給してガラスリボンを成形し、前記ガラスリボンの流れを作る成形工程と、前記ガラスリボンを、徐冷炉内に設けられたローラで牽引して前記徐冷炉内で冷却する徐冷工程と、冷却された前記ガラスリボンをガラスリボン切断空間内で切断するガラスリボン切断工程と、切断された前記ガラスリボンの幅方向の両端部に形成された耳部を耳部切断空間で切断する耳部切断工程と、を含む。前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記耳部切断空間の気圧に対して高くなるように、前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧は調整されている。

Description

本発明は、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法及びガラス板製造装置に関する。
従来より、例えば、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板の成形方法として、ダウンドロー法が用いられる。ダウンドロー法については、例えば、下記特許文献1に記載されている。
また、下記特許文献2には、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法において、ガラス板の平面歪を低減するために、成形炉及び/又は徐冷炉の炉外部雰囲気(炉外部空間)の気圧を加圧し、徐冷炉内でガラスリボンに沿って発生する上昇気流を低減することで、徐冷炉内の温度変動を抑制する技術が開示されている。
特開2009−196879号公報 特開2009−173525号公報
ところで、製造されるガラス板は、液晶ディスプレイの高精細化の要請に応じて表面品質の向上がもとめられているため、ガラス板の製造工程において表面品質の劣化を抑制する必要がある。ガラス板の製造工程では、溶融ガラスからガラスリボンが成形された後、ガラスリボンが徐冷される。
徐冷後のガラスリボンは、一般に、徐冷炉の下方に配置されたガラスリボン切断室において所望のサイズに切断されることにより、ガラス板がつくられる。また、ガラス板の幅方向の両端部には、ガラス板の幅方向の中央部よりも大きな厚みを有する耳部が形成されている。この耳部は、ガラスリボン切断室と通気可能に隣接する耳部切断室にガラス板が搬送された後に、耳部切断室において切断される。このとき、特許文献2に記載されているように、切断室から徐冷炉内に上昇する空気流が生じる場合、当該空気流には、耳部切断室からガラスリボン切断室に流入したガラスのパーティクルが含まれているため、当該ガラスのパーティクルが徐冷炉内に流入し、徐冷炉内を流れるガラスリボンに付着することがある。ガラスのパーティクルがガラスリボンの表面に付着した状態でガラスリボンが徐冷された場合、ガラスリボンの表面には、ガラスのパーティクルによって気泡や微小突起が形成されることから、徐冷工程後に成形されるガラス板の表面品質が劣化するおそれがある。
そこで、本発明は、ダウンドロー法によりガラス板を製造する際、ガラス板の表面品質の劣化を抑制するガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して溶融ガラスを得る熔解工程と、
前記溶融ガラスを、成形炉内に設けられた成形体に供給してガラスリボンを成形する成形工程と、
前記ガラスリボンを、徐冷炉内に設けられたローラで牽引して前記徐冷炉内で冷却する徐冷工程と、
冷却された前記ガラスリボンをガラスリボン切断空間で切断するガラスリボン切断工程と、
切断された前記ガラスリボンの幅方向の両端部に形成された耳部を耳部切断空間で切断する耳部切断工程と、を含む。
前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記耳部切断空間の気圧に対して高くなるように、
前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧は調整されている。
このとき、第1の好ましい形態として、前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧は、前記ガラスリボン切断空間の気圧と前記耳部切断空間の気圧との差分が40Pa以下となるように調整されている。
また、第2の好ましい形態として、前記成形体が設けられた前記成形炉の内部空間および前記ローラが設けられた前記徐冷炉の内部空間を炉内部空間としたとき、前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記炉内部空間の気圧に対して低くなるように、前記ガラスリボン切断空間の気圧は調整されている。
さらに、第3の好ましい形態として、前記徐冷工程では、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向に張力が働くように、
少なくとも、前記ガラスリボンの幅方向の中央部の温度がガラスの徐冷点温度に150℃を足した温度からガラスの歪点温度から200℃引いた温度となる温度領域において、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度が前記幅方向の両端部の冷却速度よりも速くなるように温度制御する。
第4の好ましい形態として、前記ガラスリボンの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、前記ガラスリボンの幅方向の両端部が前記両端部に挟まれた中央部の温度より低く、且つ、前記中央部の温度が均一になるように前記ガラスリボンの温度を制御し、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向の張力が働くように前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの軟化点温度未満、ガラスの歪点温度以上の領域において、前記ガラスリボンの幅方向の温度分布の温度が前記中央部から前記両端部に向かって低くなるように前記ガラスリボンの温度を制御し、
前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部と前記中央部との温度勾配がなくなるよう前記ガラスリボンの温度を制御する。
第5の好ましい形態として、前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向の張力が働くように前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、前記ガラスリボンの温度分布の温度が前記両端部から前記中央部に向かって低くなるように前記ガラスリボンの温度を制御する。
前記第1の態様のガラス板の製造方法には、前記第1〜第5の好ましい形態のそれぞれが適用される他、第1〜第5の好ましい形態の少なくとも2つ以上を組み合わせた複合形態も適用され得る。
本発明の第2の態様は、ダウンドロー法によるガラス板の製造装置であって、
ガラス原料を熔解して溶融ガラスを得る熔解槽と、
前記溶融ガラスを、成形炉内に設けられた成形体に供給してガラスリボンを成形する成形炉と、
前記ガラスリボンを、徐冷炉内に設けられたローラで牽引して前記徐冷炉内で冷却する徐冷炉と、
冷却された前記ガラスリボンをガラスリボン切断空間で切断するガラスリボン切断装置と、
切断された前記ガラスリボンの幅方向の両端部に形成された耳部を耳部切断空間で切断する耳部切断装置と、
前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記耳部切断空間の気圧に対して高くなるように、前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧を調整する調整手段と、を備える。
第6の好ましい形態として、
前記調整手段は、
前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間には、気圧の圧力を計測する圧力センサと、大気から前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間内に空気を送り込む送風機及び前記ガスリボン切断空間及び耳部切断空間内の空気を吸引して集塵する集塵装置の少なくともいずれか一方の機器と、前記圧力センサの計測結果に応じて、前記機器の調整をする制御装置と、を含む。
第7の好ましい形態として、前記成形体が設けられた前記成形炉の内部空間および前記ローラが設けられた前記徐冷炉の内部空間を炉内部空間としたとき、前記ガラスリボン切断空間に設けられる前記送風機及び集塵装置の少なくとも何れか一方は、大気からの空気の取り込み及び前記切断空間の空気吸引を調整することにより、前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記炉内部空間の気圧に対して低くなるように、前記ガラスリボン切断空間の気圧を調整する。
第8の好ましい形態として、前記徐冷炉の内部空間には、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向に張力が働くように、
少なくとも、前記ガラスリボンの幅方向の中央部の温度がガラスの徐冷点温度に150℃を足した温度からガラスの歪点温度から200℃引いた温度となる温度領域において、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度が前記幅方向の両端部の冷却速度よりも速くなるように温度制御する温度調整ユニットが設けられている。
第9の好ましい形態として、前記成形炉の内部空間には、冷却ユニットが設けられ、前記徐冷炉の内部空間には、温度調整ユニットが設けられ、
前記冷却ユニット及び前記温度調整ユニットの少なくともいずれか一方が、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、前記ガラスリボンの幅方向の両端部が前記両端部に挟まれた中央部の温度より低く、且つ、前記中央部の温度が均一になるように前記ガラスリボンの温度を制御し、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向の張力が働くように前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの軟化点温度未満、ガラスの歪点温度以上の領域において、前記ガラスリボンの幅方向の温度分布が前記中央部から前記両端部に向かって低くなるように前記ガラスリボンの温度を制御し、
前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部と前記中央部との温度勾配がなくなるよう前記ガラスリボンの温度を制御する。
第10の好ましい形態として、前記徐冷炉の内部空間には、温度調整ユニットが設けられ、
前記温度調整ユニットが、
前記ガラスリボンの幅方向の中央部において、ガラスリボンの流れ方向の張力が働くように前記ガラスリボンの前記中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、前記ガラスリボンの温度分布の温度が前記両端部から前記中央部に向かって低くなるように前記ガラスリボンの温度を制御する。
前記第2の態様のガラス板の製造装置には、前記第6〜第10の好ましい形態のそれぞれが適用される他、第6〜第10の好ましい形態の少なくとも2つ以上を組み合わせた複合形態も適用され得る。
上記態様のガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置によれば、ガラス板の表面品質の劣化を抑制することができる。
本実施形態であるガラス板の製造方法のフローを示す図である。 本実施形態の熔解工程〜耳部切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態におけるガラス板の成形装置の概略の側面図である。 本実施形態におけるガラス板の成形装置の概略の正面図である。 本実施形態で用いる送風機が送り込む空気の量を制御する制御システムの概略図である。
以下、本発明のガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置について説明する。図1は、本実施形態であるガラス板の製造方法のフローを示す図である。
以下本明細書で説明する各語句は、以下のように定める。
シートガラスの中央部とは、シートガラスの幅方向の幅のうちシートガラスの幅方向の中心をいう。
シートガラスの端部とは、シートガラスの幅方向の縁から100mm以内の範囲をいう。
歪点温度とは、ガラス粘度をηとしたとき、logηが14.5であるガラス板の温度をいう。
徐冷点温度とは、logηが13のガラスの温度をいう。
軟化点温度とは、logηが7.6のガラスの温度をいう。
ガラス転移点温度は、過冷却液体がガラス状態に変わるときのガラスの温度をいう。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、ガラスリボン切断工程(ST7)と、耳部切断工程(ST8)とを主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、熔解工程(ST1)〜耳部切断工程(ST8)を行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置200と、成形装置300と、ガラスリボン切断装置400と、耳部切断装置500とを有する。熔解装置200は、熔解槽201と、清澄槽202と、攪拌槽203と、第1配管204と、第2配管205と、を有する。成形装置300については後述する。
熔解工程(ST1)では、熔解槽201内に供給されたガラス原料を加熱して熔解することで溶融ガラスを得る。清澄工程(ST2)は、主に清澄槽202において行われ、溶融ガラス中に含まれる気泡を減少させる。均質化工程(ST3)では、第1配管204を通って供給された攪拌槽203内の溶融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。供給工程(ST4)では、第2配管205を通して溶融ガラスが成形装置300に供給される。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、溶融ガラスをガラスリボンG(図3参照)に成形し、ガラスリボンGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体310を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、平面歪が生じないように、さらに、熱収縮率が大きくならないように、冷却される。
ガラスリボン切断工程(ST7)では、ガラスリボン切断装置400において、成形装置300から供給されたガラスリボンGを所定の長さに切断することで、板状のガラス板G1(図3参照)を得る。
耳部切断工程(ST8)では、耳部切断装置500において、ガラス板G1の幅方向の両端に形成された耳部G2(図3参照)を切断する。ここで、耳部G2は、成形工程(ST5)および徐冷工程(ST6)においてガラスリボンGの幅方向の両端部に形成され、後述する冷却ローラ330,搬送ローラ350a〜350hと接触する部分を含む。また、耳部G2の厚さは、ガラスリボンGの幅方向の中央部の厚さよりも大きい。
さらに、耳部切断工程後のガラス板G1が所定のサイズに切断されることにより、目標サイズのガラス板G1が作製される。
(成形装置の説明)
図3及び図4は、ガラス板の成形装置300の構成を主に示す図であり、図3は主に成形装置300の概略の側面図を示し、図4は成形装置300の概略の正面図を示す。
成形装置300で成形されるガラス板は、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、有機ELディスプレイ用ガラス基板、カバーガラスに好適に用いられる。成形装置300で成形されるガラス板は、その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、LTPS(Low Temperature Poly Silicon)・TFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
成形工程(ST5)を行う成形炉40および徐冷工程(ST6)を行う徐冷炉50は、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、あるいはファイバー系断熱材等の耐火物で構成された炉壁に囲まれて構成されている。成形炉40は、徐冷炉50に対して鉛直上方に設けられている。なお、成形炉40および徐冷炉50をあわせて炉30という。炉30の炉壁で囲まれた炉内部空間には、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却ユニット340と、搬送ローラ350a〜350hと、圧力センサ355,360a〜360c(図4参照)が設けられている。
成形体310は、図2に示すように、第2配管205を通して熔解装置200から流れてくる溶融ガラス(図3、4では符号MGで表す)を、ガラスリボンGに成形する。これにより、成形装置300内で、鉛直下方のガラスリボンGの流れが作られる。成形体310は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図3に示すように断面が楔形状を成している。成形体310の頂部には、溶融ガラスを導く流路となる溝312が設けられている。溝312から溢れ出た溶融ガラスは、成形体310の両側の側壁を伝わって鉛直下方に流下する。側壁を流れた溶融ガラスは、図3に示す成形体310の下方端部313で合流し、1つのガラスリボンGが成形される。これによって、ガラスリボンGは、徐冷炉50に向かって流下する。
成形体310の下方端部313の下方近傍には、雰囲気仕切り部材320が設けられている。雰囲気仕切り部材320は、一対の板状の断熱部材であって、ガラスリボンGを厚さ方向の両側から挟むように構成されている。すなわち、雰囲気仕切り部材320には、ガラスリボンGと接触しない程度に隙間があけられている。雰囲気仕切り部材320は、成形炉内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材320の上方の炉内部空間と下方の炉内部空間との間の熱の移動を遮断する。
雰囲気仕切り部材320の下方には冷却ローラ330が設けられている。冷却ローラ330は、ガラスリボンGの幅方向の両端近傍のガラスリボンG表面と接触して、ガラスリボンGを下方に引き下げることにより、所望の厚さを有するガラスリボンGを形成するとともに、ガラスリボンGの両端近傍を冷却する。冷却ローラ330の下方には冷却ユニット340が設けられている。冷却ユニット340は、冷却ローラ330を通過したガラスリボンGを冷却する。冷却ユニット340は、例えば、空気量調整部を有し、後述する制御装置600によりガラスリボンの両端部を空冷するための空気量は調整可能になっている。また、冷却ローラ330の駆動は図示されないモータを介して調整可能になっている。
冷却ユニット340の下方には、搬送ローラ350a〜350hが所定の間隔で設けられ、ガラスリボンGを下方向に牽引する。冷却ユニット340の下方の空間は、徐冷炉50の炉内部空間となっている。搬送ローラ350a〜350hは、いずれも図示されないモータを介して駆動は調整可能になっている。
成形炉40の炉内部空間には、炉内部空間の気圧を計測する圧力センサ355が設けられている。圧力センサ355は、成形体310と高さ方向(鉛直上方向)の同じ位置に設けられている。高さ方向とは、図3において紙面の左方向、図4において紙面の上方向である。ガラスリボンGは成形体310から鉛直下方に流れるので、ガラスリボンGの流れ方向は高さ方向と反対の向きである。徐冷炉50の炉内部空間には、圧力センサ360a〜360cが設けられている。
さらに、成形炉40の炉内部空間には、ガラスリボンGの幅方向に沿って複数の加熱源を配置した温度調整ユニット370a〜370cがガラスリボンGに沿って設けられている。温度調整ユニット370a〜370cの各加熱源の加熱温度は調整可能になっている。
一方、成形炉40の炉壁の外側には、隔壁により大気圧雰囲気に対して建物Bの隔壁で区切られた空間、すなわち炉外部空間S1,S2,S3a〜S3cが設けられている。これらの空間のそれぞれは、高さ方向に関して、床面411,412,413a〜413cによって区切られている。すなわち、成形装置300は、複数のフロアを有する建物Bに設けられ、床面によって複数に区切られた炉外部空間(部分空間)S1,S2,S3a〜S3cが各フロアに設けられている。さらに、炉外部空間S3cの下方には、フロア414上に壁で区切られた空間S4(ガラスリボン切断空間)が設けられている。さらにまた、空間S4の側方には、フロア414上に壁で区切られた空間S5(耳部切断空間)が、空間S4に隣接して設けられている。空間S4,S5には、炉壁は設けられない。これらの空間の気圧はそれぞれ後述する送風機421,422,423a,423b,423c,424,425により調整されている。
炉外部空間S1は、成形体310の高さ方向の位置よりも鉛直上方にある空間であり、炉外部空間S1には、炉外部空間の気圧を計測する圧力センサ415が設けられている。
炉外部空間S2は、床面412上に設けられた空間であり、この空間に対応する炉内部空間には成形体310が配置されている。また、炉外部空間S2には、炉外部空間S2の気圧を計測する圧力センサ416が設けられている。炉壁で囲まれた炉内部空間には、圧力センサ416の高さ方向の同じ位置に、炉内部空間の気圧を計測する圧力センサ355が設けられている。
炉外部空間S3a〜S3cは、炉外部空間S2の下方に、高さ方向の高い方から炉外部空間S3a〜3cの順に設けられた空間である。炉外部空間S3a〜3cは、床面413a〜413c上に設けられている。また、炉外部空間S3a〜S3cのそれぞれには、炉外部空間3a〜3cの気圧を計測する圧力センサ417a〜417cが設けられている。炉壁で囲まれた炉内部空間には、圧力センサ417a〜417cの高さ方向の同じ位置に、炉内部空間の気圧を計測する圧力センサ360a〜360cが設けられている。
なお、本実施形態では、圧力センサ355,360a〜360cが炉内部空間の各位置に設けられているが、炉内部空間の各位置に圧力センサが挿入されて圧力の測定が行われてもよい。また、炉外部空間と炉内部空間の間の差圧の測定方法は特に限定されないが、差圧の測定方法の一例として、差圧計を用いて測定することができる。さらに、炉外部空間S2、S3a〜S3c、S4、S5のそれぞれの間の差圧についても、差圧計を用いて測定することが可能である。
また、空間S4,S5のそれぞれには、空間S4,S5の気圧を計測する圧力センサ418,419が設けられている。さらに、空間S4,S5を区切る壁420には、空間S4内のガラス板G1を空間S5に搬送するために空間S4,S5を連通する連通孔(図示省略)が形成されている。すなわち、空間S4,S5は、連通孔を介して通気可能となっている。
この連通孔のサイズは、空間S5において耳部G2の切断時に生じるガラスのパーティクル(切粉や埃等)の空間S4への流入量を低減するために、可能な限り小さく、例えば、ガラス板G1の主表面が空間S4から空間S5への搬送方向に沿った状態でガラス板G1を空間S5に搬送できる程度のサイズに形成されることが好ましい。
なお、ガラス板G1が搬送装置(図示省略)によって固定された状態で空間S4から空間S5に搬送される際、ガラス板G1のうち製品に含まれない部分、例えばガラス板G1の上端部分、下端部分あるいは主表面の四辺部分等においてガラス板G1の厚さ方向の両側が保持されることによりガラス板G1が搬送されてもよい。この場合、ガラス板G1のうち製品に含まれる部分、例えばガラス板G1の主表面の中央部分等が搬送装置に保持されないことから、空間S5から空間S4への空気の流入量が多い場合には、ガラス板G1の搬送時に、空間S5から空間S4に流入する空気によって当該部分が撓むおそれがある。これに対し、本実施形態では、後述するように、空間S4と空間S5の気圧を調整しているので、空間S5の空気が空間S4の空気に流入することを防止できる。このため、ガラス板G1のうち製品に含まれない部分のみが保持された状態でガラス板G1が搬送される場合であっても、ガラス板G1の撓みの発生を抑制することができる。また、上記の搬送方法を用いることにより、搬送装置の構造を簡易にすることができるとともに、ガラス板G1の搬送効率を向上させることができる。
また、炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c、空間S4及び空間S5それぞれを区切る隔壁の外側には、炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c、空間S4及び空間S5のそれぞれに対して、送風機421,422,423a,423b,423c,424,425が設けられている。各送風機により大気圧から送り込まれる空気は、管を通して炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c、空間S4及び空間S5のそれぞれに供給される。各送風機が送り込む空気の量は、それぞれ、後述する駆動ユニット510からの駆動信号によって定められている。
図5は、送風機421,422,423a,423b,423c,424,425が送り込む空気の量を制御する制御システムの概略図である。
制御システムは、炉内部空間に設けられた圧力センサ355,360a〜360cと、それぞれの炉外部空間に設けられた圧力センサ415,416,417a〜417c,418,419と、制御装置600と、駆動ユニット610と、送風機421,422,423a,423b,423c,424,425と、を有する。
制御装置600は、炉内部空間に設けられた各圧力センサから送られる炉内部空間における気圧の計測結果と、炉外部空間に設けられた各圧力センサから送られる炉外部空間における気圧の計測結果とを用いて、炉内部空間及び炉外部空間における高さ方向の同じ位置における気圧の差分が設定された範囲に調整されるように、各送風機が送り込む空気の量を調整するための制御信号を生成する。生成された制御信号は、駆動ユニット610に送られる。また、各送風機によって送り込む空気の量は、例えば、各炉外部空間のそれぞれについて気圧の基準値の範囲を予め設定しておき、各炉外部空間の気圧が当該基準値の範囲に含まれるように調整されてもよい。
駆動ユニット610は、制御信号に基づいて、送風機によって送り込む空気の量を個別に調整するための駆動信号を生成する。駆動ユニット610は、駆動信号を、送風機ごとに送る。
さらに、制御装置600は、駆動ユニット610を介して、冷却ユニット340、温度調整ユニット370a〜370c、冷却ローラ330、及び搬送ローラ350a〜350hと電気的に接続されている。制御装置600は、駆動ユニット610を介して、冷却ユニット340の加熱温度を制御し、温度調整ユニット370a〜cの加熱源の加熱温度を調整し、冷却ローラ330の駆動と温度を調整し、さらに、搬送ローラ350a〜hの駆動を調整することができる。
本実施形態では、制御装置600及び駆動ユニット610が空気の送り込み量を自動制御するが、オペレータがマニュアルで空気の送り込み量を調整してもよい。なお、本実施形態では、気圧の制御方法の一例として送風機を用いて気圧制御を行う場合について説明したが、気圧の制御方法は当該方法のみに限定されない。例えば、ガラスの切断時に発生するガラスのパーティクル等を吸引することにより集塵する集塵装置(図示省略)を用いて気圧制御を行ってもよい。集塵装置は、空間S4内のガラスリボン切断装置400及び空間S5内の耳部切断装置500のそれぞれの近傍に設けられており、空間S4及び空間S5内の空気を吸引することにより当該空気に含まれるガラスのパーティクル等を集塵可能に構成されている。ここで、空間S4及び空間S5のそれぞれにおいて集塵装置による空気の吸引量を制御することにより、空間S4及び空間S5の気圧を制御することができる。また、空間S4及び空間S5の気圧制御は、送風機と集塵装置とを組み合わせて行ってもよい。
なお、ガラス板の表面品質を劣化させる要因としては、ガラス板の製造工程においてガラス板に付着するガラスのパーティクル(ガラスの切粉や埃等)が挙げられる。徐冷工程後のガラスリボンは、徐冷炉の下方に配置されたガラスリボン切断室において所望のサイズに切断されることにより、ガラス板が形成される。また、ガラス板の幅方向の両端部には、ガラス板の幅方向の中央部よりも大きな厚みを有する耳部が形成されている。この耳部は、ガラスリボン切断室と通気可能に隣接する耳部切断室にガラス板が搬送された後に、耳部切断室において切断される。ここで、耳部切断室内には、耳部が切断されたときに生じるガラスのパーティクルが飛散しており、このガラスのパーティクルが、耳部切断室に隣接するガラスリボン切断室に流入してしまう場合がある。
このため、本実施形態では、送風機424,425の送り込む空気の量は、空間S4の気圧が、空間S5の気圧に対して高くなるように、各空間において調整される。空間S4の気圧が空間S5の気圧よりも低くなると、空間S5から空間S4に向かって連通孔から空気が流入する場合がある。このとき、空間S4に流入する空気には空間S5内を飛散するガラスのパーティクルが含まれることから、空間S4の空気が、上昇気流によってさらに上方に位置する炉内部空間に向けて移動した場合、ガラスのパーティクルがガラスリボンGに付着するおそれがある。空間S4の気圧を空間S5の気圧に対して高くすることにより、ガラスのパーティクルを含む空間S5の空気が空間S4の空気に流入することを防止できるので、空間S4の空気が上昇気流で上方に移動した場合であっても、ガラスのパーティクルがガラスリボンGに付着するのを防ぐことができる。このため、ガラス板G1の表面品質の劣化を抑制することができる。
空間S4と空間S5との間の気圧の差分は、0超〜40Paであり、1〜35Paであることが好ましく、2〜30Paであることがより好ましく、3〜25Paであることがさらに好ましく、4〜15Paであることがさらに好ましい。上記気圧の差分が、上記範囲を上回ると、空間S4から空間S5に向かって連通孔から大量の空気が流出する場合がある。この場合、空間S4から空間S5に搬送されるガラス板G1には、当該空気によって振動あるいは撓みが発生することにより、ガラス板G1が搬送中に破損するおそれがある。気圧の差分を上記の範囲に調整することで、搬送中のガラス板G1に生じる振動あるいは撓みを抑制することができる。したがって、搬送中に破損するガラス板G1の数を低減することができることから、ガラス板G1の製造効率を向上させることができる。
また、各送風機の送り込む空気の量は、炉外部空間S2,S3a〜S3cの気圧が、高さ方向の同じ位置における炉内部空間の気圧に対して低くなるように、各炉外部空間の気圧は調整される。
成形炉40の炉内部空間と炉外部空間S2との間の気圧の差分は、0超〜40Paであり、4〜35Paであることが好ましく、8〜30Paであることがより好ましく、10〜27Paであることがさらに好ましく、10〜25Paであることがさらに好ましい。上記気圧の差分が、上記範囲を上回ると、炉内部空間から炉外部空間S2に向かって炉壁の隙間から大量の空気が流出する場合があり、炉内部空間における空気の上昇を増大させる。一方、上記気圧の差分が、上記範囲を下回ると、炉外部空間S2から炉内部空間に向かって炉壁の隙間から空気が流入する場合があり、炉内部空間の温度変動が生じる虞がある。気圧の差分を上記の範囲に調整することで、成形炉40の炉内部空間に炉外部空間S2から低温の空気が流入することを防止できる。このため、炉内部空間の温度変動を抑制できる。つまり、溶融ガラスやガラスリボンGのうち、成形炉40に流入した空気に接した部分のみが急冷されることを防ぐことができる。例えば、成形炉40において溶融ガラスやガラスリボンGが局部的に急冷された場合には、急冷された部分の粘度が高くなり、搬送経路の下流側においてガラスリボンGがローラで引き伸ばされる際に、粘度が高くなった部分を十分に引き伸ばすことができないことから、ガラス板の板厚の偏差を引き起こしてしまうという問題が生じる。この問題に対し、気圧の範囲を上記の範囲に調整することで、冷却速度のばらつき、ひいてはガラスリボンGの板厚のばらつきを抑制できる。
一方、徐冷炉50の炉内部空間と炉外部空間S3a〜S3cとの間の気圧の差分は、0超〜40Paであり、2〜35Paであることが好ましく、2〜25Paであることがより好ましく、3〜23Paであることがさらに好ましく、5〜20Paであることがさらに好ましい。上記気圧の差分が、上記範囲を上回ると、炉内部空間から炉外部空間S3a〜S3cに向かって炉壁の隙間から大量の空気が流出する場合があり、炉内部空間における空気の上昇を増大させる。一方、上記気圧の差分が、上記範囲を下回ると、炉外部空間S3a〜S3cから炉内部空間に向かって炉壁の隙間から空気が流入する場合があり、炉内部空間の温度分布がばらつく。気圧の差分を上記の範囲に調整することで、徐冷炉50の炉内部空間に炉外部空間S3a〜S3cから低温空気が流入することを防止できるので、炉内部空間の温度のばらつきを抑制できる。これにより、ガラスリボンGの変形、反り及び熱収縮のばらつきを抑制することができる。
以下、炉内部空間の温度のばらつきにより生じる問題について詳細に説明する。徐冷炉50内では、ガラスリボンGの反り等を抑制するために、ガラスリボンGの幅方向の温度プロファイルを制御している。具体的には、ガラスリボンGの搬送領域のうち、ガラスリボンGの幅方向の中央部の温度が(徐冷点温度+5℃)以上となる搬送領域では、ガラスリボンGの幅方向の両端部から幅方向の中央部に向かって温度が高くなるようにガラスリボンGの温度が制御されている。また、ガラスリボンGの幅方向の中央部の温度が(徐冷点温度+5℃)以上となる搬送領域では、ガラスリボンGが下流に搬送されるのに伴って、ガラスリボンGの幅方向の中央部と幅方向の両端部との温度差が小さくなるようにガラスリボンGの温度が制御されている。このように温度プロファイルを制御することにより、ガラスリボンGの幅方向の中央部に常に引張応力(テンション)をかけることができるので、ガラスリボンGの反りの発生を抑制することができる。しかしながら、ガラスリボンGの搬送領域のうち、ガラスリボンGの幅方向の中央部の温度が(徐冷点温度+5℃)以上となる搬送領域において、例えば低温空気の流入等によってガラスリボンGが局部的に急冷されると、上記温度プロファイルを実現することができず、ガラスリボンGに反りが発生してしまうという問題が生じる。
また、ガラスリボンGの搬送領域のうち、ガラスリボンGの温度が(徐冷点温度+5℃)から(歪点温度−50℃)となる搬送領域では、ガラスリボンGの幅方向の両端部と幅方向の中央部との間で温度が略均一になるようにガラスリボンGの温度が制御されている。これにより、ガラスリボンGの残留応力を低減することができ、ガラス板の平面歪を低減することができる。また、ガラスリボンGの温度が(徐冷点温度+5℃)から(歪点温度−50℃)の範囲内に含まれている状態を長く維持するほど、ガラス板の熱収縮を低減することができる。しかしながら、ガラスリボンGの温度が(徐冷点温度+5℃)から(歪点温度−50℃)となる搬送領域において、例えば低温空気の流入等によってガラスリボンGが局部的に急冷されると、急冷された部分に平面歪が生じたり、当該部分の熱収縮率が大きくなってしまうので、平面歪の増大や熱収縮のばらつきが生じてしまうという問題が生じる。
上述した問題は、気圧の差分を上記の範囲に調整して、徐冷炉50の炉内部空間に炉外部空間S3a〜S3cから低温空気が流入することを防止することで、炉内部空間の温度のばらつきを抑制することにより、低減することができる。
なお、本実施形態では、全ての炉外部空間の気圧が、高さ方向の同じ位置における炉内部空間の気圧に対して低くなるように、炉外部空間の気圧は調整されるが、炉外部空間の少なくとも一部分における気圧が、高さ方向の同じ位置における炉内部空間の気圧に対して低くなるように、炉外部空間の気圧は調整されてもよい。この場合、ガラスリボンGの徐冷点温度に対応する徐冷炉内の位置と、ガラスリボンGの歪点温度に対応する徐冷炉内の位置との間の領域において、炉外部空間の気圧は、高さ方向の同じ位置における炉内部空間の気圧に対して低くなるように調整されることが好ましい。徐冷点温度に対応する位置は、例えば炉外部空間S3aの高さ方向の位置にあり、また、歪点温度に対応する位置は、例えば炉外部空間S3bの高さ方向の位置にある。上記領域では、ガラスリボンGが固化する段階であり、最もガラスの平面歪や熱収縮に影響を与えることから、上記領域において効率よく気圧を調整して、炉外部空間からの空気の流れ込みを抑制することにより、炉内部空間における温度のばらつきを抑えることが好ましい。
さらに、徐冷炉50の炉内部空間においてガラスリボンGの温度が(歪点温度−50℃)未満となる領域に対応する高さ方向の同じ位置における炉外部空間における気圧を調整することにより、空気の炉外部空間からの流れ込みを抑制でき、この領域の温度のばらつきを抑制することができ、この抑制によりガラスリボンGの反りを防止することができる。ここで、ガラスリボンGは、成形炉40から切断されるまで一枚の連続した板である。そのため、ガラスリボンGの温度が(歪点温度−50℃)未満となる領域においてガラスリボンGの反り形状が変化すると、(歪点温度−50℃)以上となる領域のガラスリボンにも影響を与え、熱収縮のばらつきが発生してしまう。上述のように、つまり、ガラスリボンGの温度が(歪点温度−50℃)未満となる領域の温度のばらつきを抑制することで、反り、平面歪および熱収縮のばらつきを抑制することができる。
また、炉内部空間がない高さ方向の位置にある圧力センサ415は、炉内部空間に炉外部空間S1から空気が流入しないように送風機421による炉外部空間S1を調整するために炉外部空間S1の気圧を計測する。圧力センサ418は、空間S4の気圧を送風機424により調整して、空間S4における気圧の計測のために用いられる。例えば、空間S4は、炉内部空間の最も低い気圧に対してさらに低くなるように、空間S4の気圧は調整されることが好ましい。空間S4の気圧を上記のように調整することにより、空間S4から炉内部空間に流れる空気を減少させることができる。
なお、送風機421,422,423a,423b,423c,424,425は炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c,空間S4及び空間S5に空気を送り込むことにより、いずれの空間の気圧も大気圧に対して高く調整されるが、これらの空間の気圧を大気圧に対して高くするのは、炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c,空間S4及び空間S5内に大量の空気及び当該空気に含まれるパーティクルが建物Bの外部から流入するのを防ぎ、さらには、炉外部空間S1,S2,S3a〜S3c,空間S4,空間S5の気圧を効率よく調整するためである。
また、炉内部空間における気圧は、高さ方向の位置が高いほど気圧が高くなるように制御されていることが好ましい。このように炉内部空間に温度分布が生じ、気圧に分布が生じても、この気圧分布に応じて、炉外部空間における気圧が調整される。これは、炉外部空間それぞれの気圧と炉内部空間の気圧との差分によって空気が炉内部空間に流れ込んだり、炉外部空間に空気が漏れて空気の対流が発生しないようにするためである。このため、炉内部空間には、炉外部空間のそれぞれに設けられた圧力センサと高さ方向の同じ位置に、圧力センサが設けられる。このように、炉内部空間に圧力分布が生じる場合、炉外部空間のそれぞれの気圧と、この炉外部空間の高さ方向の同じ位置における炉内部空間の気圧との差分を、高さ方向の位置によって変化するように調整されることが好ましい。例えば、高さ方向の同じ位置に炉内部空間が存在する炉外部空間S2,S3a〜S3cのうち最上部の炉外部空間S2と最下部の炉外部空間S3cとの間で比較したとき、最上部における気圧の差分は、最下部における気圧の差分に比べて大きくなるように調整されることが好ましい。例えば、気圧の上記差分が高さ方向の位置が高くなるにつれて大きくなるように設定されるとよい。これは、徐冷炉における炉内部空間では、高さ方向の位置が高いほど温度が高いため、冷たい空気が流入した際のガラスリボンGとの温度差が大きくなり、高さ方向の位置が高いほど、ガラスリボンGの温度のばらつきが大きくなることを防止するためである。
また、炉外部空間の気圧は、高さ方向の位置が高いほど高くなるのが好ましい。これにより、炉外部空間において、炉壁に沿って発生する上昇気流の大きさを低減できるので、炉内部空間のうち炉壁側の温度が、当該上昇気流により局部的に低下するのを抑制できる。このため、炉内部空間の温度変動を抑制することができる。言い換えると、炉外部空間の気圧がガラスリボンGの流れ方向の上流側ほど大きくなるように、炉外部空間の気圧を制御することで、炉内部空間の温度変動を抑制することができる。
さらに、空間S4の気圧は、炉内部空間の気圧に対して低くなるように調整されていることが好ましい。これにより、ガラスリボンGの切断時に生じたガラスのパーティクルを含む空間S4の空気が上昇気流で上方に移動することを防止することができる。つまり、万が一、空間S5から空間S4に空気が流入した場合であっても、流入した空気に含まれるガラスのパーティクルが上昇気流によって炉内部空間に移動することを防ぐことができる。このため、ガラスリボンGにガラスのパーティクルが付着するのを防ぐことができることから、ガラスリボンGから成形されるガラス板G1の表面品質が劣化するのを抑制することができる。
本実施形態では、図3に示す成形空間S6及び徐冷空間S7においてガラスリボンGの冷却の制御を、以下に説明する各形態について行うこともできる。具体的には、冷却ユニット340、温度調整ユニット370a〜370c及び冷却ローラ330を制御装置600の指示に従って温度制御をして、以下のようなガラスリボンGの冷却を行うことができる。
例えば、徐冷空間S7内を、冷却ローラ330や搬送ローラ350a〜350hを用いて下流側にガラスリボンGを流すとき、ガラスリボンGの流れ方向に効果的に張力を働かせることにより、ガラスリボンGの反りを抑制することができる。また、ガラスリボンGの各ローラに狭持されて流れる部分に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのも抑えることができる。
ガラスリボンGの流れ方向に効果的に張力を働かせるために、例えば、成形空間S6及び徐冷空間S7内において、ガラスリボンSの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、ガラスリボンGの幅方向の両端部(耳部)が中央部の温度より低く、且つ、中央部の温度が均一になるようにガラスリボンGの温度を制御する。さらに、ガラスリボンGの幅方向の中央部に搬送方向の引っ張り応力が働くようにガラスリボンGの幅方向の中央部の温度が軟化点温度未満、歪点温度以上の領域において、ガラスリボンGの幅方向の温度分布(温度プロファイル)の温度が中央部から両端部に向かって低くなるようにガラスリボンGの温度を制御する。さらに、ガラスリボンGの幅方向の中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、ガラスリボンGの幅方向の両端部(耳部)と中央部との温度勾配がなくなるようにガラスリボンGの温度を制御する。これにより、ガラスリボンGの幅方向の中央部には、搬送方向の引っ張り応力がかかり、ガラスリボンGの反りや、ラスリボンGの各ローラに狭持されて流れる部分に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑えることができる。
また、徐冷空間S7内において、ガラスリボンGの幅方向の中央部に搬送方向の張力が働くようにガラスリボンGの幅方向の中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、ガラスリボンGの温度分布(温度プロファイル)の温度が幅方向の両端部(耳部)からガラスリボンGの幅方向の中央部に向かって低くなるようにガラスリボンGの温度を制御することもできる。これにより、ガラスリボンGの幅方向の中央部の歪点温度近傍未満の領域では、ガラスリボンGの幅方向の中央部で、常に搬送方向に引っ張り応力をかけることができ、ガラスリボンGの反りを抑えることができる。
本実施形態では、成形されたガラスリボンGの冷却速度を調整することにより、ガラス板の変形を抑制し、反りを抑制し、熱収縮率の絶対値をよりいっそう低減することができる。
具体的には、徐冷空間S7内において、搬送ローラ350a〜350hを用いてガラスリボンGを搬送しながら徐冷するとき、ガラスリボンGの徐冷点温度に150℃を足した温度から、ガラスリボンGの歪点温度から200℃引いた温度までの温度領域を定める。このとき、少なくとも上記温度領域において、ガラスリボンGの幅方向の中央部の冷却速度はガラスリボンGの両端部の冷却速度よりも速く、ガラスリボンGの幅方向の中央部の温度がガラスリボンGの両端部よりも高い状態から中央部の温度が両端部よりも低い状態へガラスリボンGを変化させることが好ましい。これにより、ガラスリボンGの幅方向の中央部に、ガラスリボンGの流れ方向に引っ張り応力が働くようにすることができる。ガラスリボンGの流れ方向に引っ張り応力が働くことで、ガラスリボンG、ひいてはガラス板の反りをより一層抑制することができる。
本実施形態で用いるガラス板のガラス組成は例えば以下のものを挙げることができる。
以下示す組成の含有率表示は、質量%である。
SiO:50〜70%、
:5〜18%、
Al:0〜25%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜20%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板が含有するものである)、
を含有する無アルカリガラスであることが好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス板はアルカリ金属を微量含んでいてもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.20%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板が含有するものである)含むことが好ましい。また、ガラスの熔解を容易にするために、比抵抗を低下させるという観点から、ガラス中の酸化鉄の含有量が0.01〜0.2%であることがさらに好ましい。
ここで、LiO,NaO,K2Oは、ガラスから溶出してTFTの特性を劣化させるおそれがある成分であることから、液晶ディスプレイ用ガラス基板や有機ELディスプレイ用ガラス基板として適用する場合には、実質的に含まないことが好ましい。しかし、ガラス中に上記成分を敢えて特定量含有させることによって、TFTの特性の劣化を抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を発揮させることが可能である。そこで、LiO,NaO,KOの合量は0〜2.0%であり、0.1〜1.0%がより好ましく、0.2〜0.5%がさらに好ましい。
なお、LiO,NaOは実質的に含有させずに、上記成分中でも、最もガラスから溶出してTFTの特性を劣化させ難いKOを含有させることが好ましい。KOの含有量は、0〜2.0%であり、0.1〜1.0%がより好ましく、0.2〜0.5%がさらに好ましい。
本実施形態は、ガラス板の厚みが0.05mm〜1.5mmのガラス板の製造に好適である。ここで、薄いガラス板ほど、気圧差によって生じる空気の流れによって撓みやすくなるため、安定して搬送することが難しくなる。そのため、厚さ0.05〜0.5mmのガラス板は、空間S4と空間S5との間に気圧差を所定範囲内に設定した本実施形態の方法を適用することで、搬送中に破損するガラス板の数を低減するといった効果が大きい。
本実施形態のガラス板の幅方向の長さは、例えば500mm〜3500mmであり、ガラス板の縦方向の長さも、例えば500mm〜3500mmである。
なお、ガラス板が大型化すると、気圧差によって生じる空気の流れによってガラス板が撓みやすくなるため、ガラス板を安定して搬送することが難しくなる。そのため、空間S4と空間S5との間の気圧差を所定範囲内に設定した本実施形態の方法を適用することで、搬送中に破損するガラス板の数を低減するといった効果が大きい。さらに、ガラス板の幅方向の長さが2000mm以上となるほど、本実施形態の効果は顕著となる。具体的には、幅方向の長さ2000mm〜3500mm、且つ長手方向の長さ2000mm〜3500mmのガラス板の製造に本実施形態は好適である。
本実施形態の効果を確認するために、ガラス板の製造方法を種々変更してガラス板を製造し、さらに、ガラス板の表面品質の劣化評価及びガラス板の搬送時の破損評価を行った。
ここで、ガラス板の表面品質の劣化評価は、ガラスリボン切断空間において成形されたガラス板のうち表面に気泡や微小突起を含む傷が発生したガラス板の割合をもとめ、比較例の値を「1.0」としたときに比較例に対する比率として得られた数値である。評価したガラス板のサンプル数はそれぞれ1000枚である。評価においては、通常の検査を行い、1箇所でも傷がある場合、不合格品とし、不合格品のガラス板の数をカウントすることにより、傷が発生したガラス板の割合をもとめた。すなわち、ガラス板の表面品質の劣化評価が1.0未満の値であれば、表面に傷が発生するガラス板の数が比較例よりも低減することがわかる。
また、ガラス板の搬送時の破損評価については、ガラスリボン切断空間から耳部切断空間に搬送されるガラス板のうち、ガラスリボン切断空間と耳部切断空間との気圧差により生じた振動や撓みに起因して破損したガラス板の割合が所定値未満の場合に“良好”と評価し、当該所定値以上の場合に“可”と評価した。
1.実施例1
ガラス原料を溶解、清澄、攪拌した後、オーバーフローダウンドロー法を用いてガラスリボンを成形し、徐冷を行った。そして、ガラスリボンは、ガラスリボン切断空間で切断された後、耳部切断空間において耳部が切断された。このとき、ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が5Paとなるように、ガラスリボン切断空間及び耳部切断空間の気圧を調整した。
製造したガラス板は液晶ディスプレイ用ガラス基板であり、大きさは2200mm×2500mm、厚さは0.7mmである。ガラス板のガラス組成は以下のとおりであった。
含有率は質量%表示である。
SiO 60%
Al 19.5%
10%
CaO 5.3%
SrO 5%
SnO 0.2%
2.実施例2
ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が25Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造を行った。
3.実施例3
ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が35Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造を行った。
4.実施例4
ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が40Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造を行った。
5.実施例5
ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が45Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造を行った。
6.比較例
ガラスリボン切断空間と耳部切断空間との気圧差が−5Pa(つまり、ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも低い)である以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造を行った。
下記表1は、実施例1〜5と比較例についてガラス板の表面品質の劣化評価をもとめたときの評価結果である。なお、実施例1〜5及び比較例において、ガラスリボンに沿ってガラスリボン切断空間から炉内部空間に向かう上昇気流が発生するのを防ぐために、ガラスリボン切断空間と炉内部空間との間の気圧差が一定となるように制御を行った。
Figure 2013046683
下記表2は、実施例1〜5についての、ガラス板の搬送時の破損評価の結果である。
Figure 2013046683
上記表1より、ガラスリボン切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高い場合には、実施例1〜5のガラス板の表面品質の劣化評価の値が比較例の劣化評価の値よりも低減することから、ガラス板の表面品質が向上することが明らかである。さらに、上記表2より、切断空間の気圧が耳部切断空間の気圧よりも高く、かつ、その気圧差が40Pa以下の場合には、搬送中に破損するガラス板の数を低減できることが明らかである。以上より、本実施形態の方法の効果は明らかである。
なお、アルカリ金属を微量に含む下記に示すガラス組成(質量%表示)を有するガラス板の製造においても、上記と同様の結果が得られた。
SiO:61%、
Al:19.5%、
:10%、
CaO:9%、
SnO:0.3%、
O(Rは、Li,Na,Kの中の、ガラス板に含有する全成分):0.2%、
以上、本発明のガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
30 炉
40 成形炉
50 徐冷炉
200 熔解装置
201 熔解槽
202 清澄槽
203 攪拌槽
204 第1配管
205 第2配管
300 成形装置
310 成形体
311 供給口
312 溝
313 下方端部
320 雰囲気仕切り部材
330 冷却ローラ
340 冷却ユニット
350a〜350h 搬送ローラ
355,360a,360b,360c,415,416,417a,417b,417
c,418,419 圧力センサ
400 切断装置
411,412,413a,413b,413c,414 床面
421,422,423a,423b,423c,424,425 送風機
500 耳部切断装置
600 制御装置
610 駆動ユニット
第6の好ましい形態として、
前記調整手段は、
前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間に設けられる、気圧の圧力を計測する圧力センサと、大気から前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間内に空気を送り込む送風機及び前記ガスリボン切断空間及び耳部切断空間内の空気を吸引して集塵する集塵装置の少なくともいずれか一方の機器と、前記圧力センサの計測結果に応じて、前記機器の調整をする制御装置と、を含む。

Claims (5)

  1. ダウンドロー法によるガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して溶融ガラスを得る熔解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉内に設けられた成形体に供給してガラスリボンを成形する成形工程と、
    前記ガラスリボンを、徐冷炉内に設けられたローラで牽引して前記徐冷炉内で冷却する徐冷工程と、
    冷却された前記ガラスリボンをガラスリボン切断空間で切断するガラスリボン切断工程と、
    切断された前記ガラスリボンの幅方向の両端部に形成された耳部を耳部切断空間で切断する耳部切断工程と、を含み、
    前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記耳部切断空間の気圧に対して高くなるように、
    前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧は調整されている、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧は、前記ガラスリボン切断空間の気圧と前記耳部切断空間の気圧との差分が40Pa以下となるように調整されている、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記成形体が設けられた前記成形炉の内部空間および前記ローラが設けられた前記徐冷炉の内部空間を炉内部空間としたとき、前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記炉内部空間の気圧に対して低くなるように、前記ガラスリボン切断空間の気圧は調整されている、
    請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. ダウンドロー法によるガラス板の製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して溶融ガラスを得る熔解槽と、
    前記溶融ガラスを、成形炉内に設けられた成形体に供給してガラスリボンを成形する成形炉と、
    前記ガラスリボンを、徐冷炉内に設けられたローラで牽引して前記徐冷炉内で冷却する徐冷炉と、
    冷却された前記ガラスリボンをガラスリボン切断空間で切断するガラスリボン切断装置と、
    切断された前記ガラスリボンの幅方向の両端部に形成された耳部を耳部切断空間で切断する耳部切断装置と、
    前記ガラスリボン切断空間の気圧が前記耳部切断空間の気圧に対して高くなるように、
    前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間の少なくとも一方の気圧を調整する調整手段と、を備える、ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  5. 前記調整手段は、
    前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間には、気圧の圧力を計測する圧力センサと、大気から前記ガラスリボン切断空間及び前記耳部切断空間内に空気を送り込む送風機及び前記ガスリボン切断空間及び耳部切断空間内の空気を吸引して集塵する集塵装置の少なくともいずれか一方の機器と、前記圧力センサの計測結果に応じて、前記機器の調整をする制御装置と、を含む請求項4に記載のガラス板の製造装置。
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