JPWO2013015285A1 - 素子および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

本発明の素子は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられ、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、前記電極上に設けられた、フラックスを含有するはんだ層と、を有する。

Description

本発明は、素子および太陽電池に関する。
一般に太陽電池には表面電極が設けられており、この表面電極の配線抵抗や接触抵抗は変換効率に関連する電圧損失に関連し、また配線幅や形状は太陽光の入射量に影響を与える。
太陽電池の表面電極は通常以下のようにして形成される。すなわち、p型シリコン基板の受光面側にリン等を高温で熱的に拡散させることにより形成されたn型半導体層上に、導電性組成物をスクリーン印刷等により塗布し、これを800〜900℃で焼成することで表面電極が形成される。この表面電極を形成する導電性組成物には、導電性金属粉末、ガラス粒子、および種々の添加剤等が含まれる。
前記導電性金属粉末としては、銀粉末が一般的に用いられているが、種々の理由から銀粉末以外の金属粉末を用いることが検討されている。例えば、銀とアルミニウムを含む太陽電池用電極を形成可能な導電性組成物が開示されている(例えば、特開2006−313744号公報参照)。また銀を含む金属ナノ粒子と銅等の銀以外の金属粒子を含む電極形成用組成物が開示されている(例えば、特開2008−226816号公報参照)。
一般に電極形成に用いられる銀は貴金属であり、資源の問題からも、また地金自体が高価であることから銀含有導電性組成物(銀含有ペースト)に代わるペースト材料の提案が望まれている。銀に代わる有望な材料としては、半導体配線材料に適用されている銅が挙げられる。銅は資源的にも豊富で、地金コストも銀の約100分の1と安価である。しかしながら、銅は200℃以上の高温で酸化されやすい材料であり、例えば、特許文献2に記載の電極形成用組成物では、導電性金属として銅を含む場合、これを焼成して電極を形成するために、窒素等の雰囲気下で焼成するという特殊な工程が必要であった。
本発明は、焼成時における銅の酸化が抑制され、低抵抗率化が図られた電極を有する素子、及び前記素子を有する太陽電池を提供することを課題とする。
<1> シリコン基板と、
前記シリコン基板上に設けられた、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、
前記電極上に設けられた、フラックスを含有するはんだ層と、
を有する素子。
<2> 前記フラックスが、ハロゲン化物、無機酸、有機酸、およびロジンから選ばれる少なくとも1種を含む前記<1>に記載の素子。
<3> 前記ハロゲン化物が、塩化物および臭化物から選ばれる少なくとも1種である前記<2>に記載の素子。
<4> 前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸およびホウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む前記<2>に記載の素子。
<5> 前記有機酸が、カルボン酸を含む前記<2>に記載の素子。
<6> 前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸およびシュウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む前記<5>に記載の素子。
<7> 前記フラックスが、ロジンを5質量%以上含有する、前記<2>〜<6>のいずれか1項に記載の素子。
<8> 前記はんだ層が、錫を42質量%以上含有する、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の素子。
<9> 前記シリコン基板が不純物拡散層を有しpn接合されてなり、前記不純物拡散層の上に前記電極を有する太陽電池に用いる前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の素子。
<10> 前記<9>に記載の太陽電池に用いる素子と、
前記素子の電極のはんだ層に接続されたタブ線と、
を有する太陽電池。
本発明によれば、焼成時における銅の酸化が抑制され、低抵抗率化が図られた電極を有する素子、及び前記素子を有する太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池素子の断面図である。 本発明の太陽電池素子の受光面側を示す平面図である。 本発明の太陽電池素子の裏面側を示す平面図である。 本発明の太陽電池素子の一例としてのバックコンタクト型太陽電池のAA断面構成を示す斜視図である。 本発明の太陽電池素子の一例としてのバックコンタクト型太陽電池の裏面側電極構造を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の初期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<素子>
本発明の素子は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられた電極と、前記電極の上に設けられたはんだ層とを有する。そして、前記電極は、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である。また、前記はんだ層は、フラックスを含有する。
前記電極がリン含有銅合金粒子を用いて形成されることで、抵抗率の低い電極が得られる。これは、銅合金粒子に含有されるリンが銅酸化物に対して還元剤として機能し、銅の耐酸化性が高められるためと考えられる。これにより銅の酸化が抑えられ、抵抗率の低い電極が形成されるものと推測される。
また、前記電極の上に設けられた前記はんだ層がフラックスを含有することで、前記電極と前記はんだ層との密着性が向上し、更には前記電極と前記はんだ層との界面の接触抵抗が低減する。これは、フラックスを用いることにより、前記はんだ層の表面酸化膜が除去され、また表面の濡れ性が向上し、表面酸化膜の再形成が抑制されるものと考えられる。これにより前記電極と前記はんだ層との密着性が向上し、更には前記電極と前記はんだ層との界面の接触抵抗が低減するものと推測される。
前記はんだ層にフラックスを含有させる方法は特に制限されず、例えば、前記電極および前記はんだ層の少なくとも一方の表面にフラックスを塗布する方法が挙げられる。そして、前記電極と前記はんだ層とを接触させて押し付け、更に熱処理することにより前記電極と前記はんだ層とが接続される。
以下では、本発明の素子の各構成部材について説明する。
〔シリコン基板〕
本発明におけるシリコン基板は、前記電極用ペースト組成物を用いて電極を形成し、その電極の上にはんだ層を形成する形態に用いられるものであれば、種類は特に制限されるものではない。シリコン基板としては、例えば太陽電池形成用のpn接合を有するシリコン基板、太陽電池以外の半導体デバイスの製造に用いるシリコン基板等を挙げることができる。
〔電極〕
本発明に係る電極は、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である。以下、電極形成に用いる電極用ペースト組成物の詳細を説明する。
本発明に係る電極用ペースト組成物は、リン含有銅合金粒子の少なくとも1種と、ガラス粒子の少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種と、樹脂の少なくとも1種と、を含む。かかる構成であることにより、焼成時においても銅の酸化膜の生成が抑制され、銅粒子を用いるよりも抵抗率の低い電極が形成可能である。
(リン含有銅合金粒子)
本発明に係る電極用ペースト組成物は、リン含有銅合金粒子の少なくとも1種を含む。
前記リン含有銅合金粒子に含まれるリン含有率は、耐酸化性と低抵抗率の観点から、6質量%以上8質量%以下であることが好ましく、6.3質量%以上7.8質量%以下であることがより好ましく、6.5質量%以上7.5質量%以下であることが更に好ましい。リン含有銅合金粒子に含まれるリン含有率が8質量%以下であることで、形成した電極のより低い抵抗率を達成することが可能であり、また、リン含有銅合金粒子の生産性に優れる。また6質量%以上であることで、より優れた耐酸化性を達成できる。
前記リン含有銅合金粒子に用いるリン含有銅合金としては、リン銅ろう(リン濃度:通常7質量%程度以下)と呼ばれるろう付け材料が知られている。リン銅ろうは、銅と銅との接合剤としても用いられるものである。本発明に係る電極用ペースト組成物においてリン含有銅合金粒子を用いることで、リンの銅酸化物に対する還元性を利用し、耐酸化性に優れ、抵抗率の低い電極を形成することができる。さらに電極の低温焼成が可能となり、プロセスコストを削減できるという効果を得ることができる。
前記リン含有銅合金粒子は、銅とリンを含む合金で構成されるが、他の原子をさらに含んでいてもよい。他の原子としては、Ag、Mn、Sb、Si、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Be、Zn、Pb、Cd、Tl、V、Sn、Al、Zr、W、Mo、Ti、Co、Ni、及びAu等を挙げることができる。
また前記リン含有銅合金粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば、前記リン含有銅合金粒子中に3質量%以下とすることができ、耐酸化性と低抵抗率の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また本発明において、前記リン含有銅合金粒子は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記リン含有銅合金粒子の粒子径としては特に制限はないが、積算した重量が50%の場合における粒子径(以下、「D50%」と略記することがある)として、0.4μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜7μmであることがより好ましい。リン含有銅合金粒子の粒子径を0.4μm以上とすることで耐酸化性がより効果的に向上する。またリン含有銅合金粒子の粒子径を10μm以下とすることで電極中におけるリン含有銅合金粒子どうしの接触面積が大きくなり、形成した電極の抵抗率がより効果的に低下する。尚、リン含有銅合金粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装社製、MT3300型)によって測定される。
また前記リン含有銅合金粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよい。前記リン含有銅合金粒子の形状は、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
本発明に係る電極用ペースト組成物に含まれる前記リン含有銅合金粒子の含有率、また後述する銀粒子を含む場合のリン含有銅合金粒子と銀粒子の総含有率としては、例えば、70質量%〜94質量%とすることができ、耐酸化性と低抵抗率の観点から、72質量%〜90質量%であることが好ましく、74質量%〜88質量%であることがより好ましい。
前記リン含有銅合金粒子に用いるリン含有銅合金は、通常用いられる方法で製造することができる。また、リン含有銅合金粒子は、所望のリン含有率となるように調製したリン含有銅合金を用いて、金属粉末を調製する通常の方法を用いて調製することができ、例えば、水アトマイズ法を用いて定法により製造することができる。尚、水アトマイズ法の詳細は金属便覧(丸善(株)出版事業部)等に記載されている。
具体的には例えば、リン含有銅合金を溶解し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥、分級することで、所望のリン含有銅合金粒子を製造することができる。また、分級条件を適宜選択することで所望の粒子径を有するリン含有銅合金粒子を製造することができる。
(ガラス粒子)
本発明に係る電極用ペースト組成物は、ガラス粒子の少なくとも1種を含む。電極用ペースト組成物がガラス粒子を含むことにより、焼成時に電極部と基板との密着性が向上する。また、電極形成温度において、いわゆるファイヤースルーによって反射防止膜である窒化ケイ素膜が取り除かれ、電極とシリコン基板とのオーミックコンタクトが形成される。
前記ガラス粒子は、電極形成温度で軟化・溶融し、接触した窒化ケイ素膜を酸化し、酸化された二酸化ケイ素を取り込むことで、反射防止膜を除去可能なものであれば、当該技術分野において通常用いられるガラス粒子を特に制限なく用いることができる。
本発明においては、耐酸化性と電極の低抵抗率化の観点から、ガラス軟化点が600℃以下であって、結晶化開始温度が600℃を超えるガラスを含むガラス粒子であることが好ましい。尚、前記ガラス軟化点は、熱機械分析装置(TMA)を用いて通常の方法によって測定され、また前記結晶化開始温度は、示差熱−熱重量分析装置(TG/DTA)を用いて通常の方法によって測定される。
一般に電極用ペースト組成物に含まれるガラス粒子は、二酸化ケイ素を効率よく取り込むことが可能であることから鉛を含むガラスから構成されていてもよい。このような鉛を含むガラスとしては、例えば、特許第03050064号公報等に記載のものを挙げることができ、本発明においてもこれらを好適に使用することができる。
また本発明においては、環境に対する影響を考慮すると、鉛を実質的に含まない鉛フリーガラスを用いることが好ましい。鉛フリーガラスとしては、例えば、特開2006−313744号公報の段落番号0024〜0025に記載の鉛フリーガラスや、特開2009−188281号公報等に記載の鉛フリーガラスを挙げることができ、これらの鉛フリーガラスから適宜選択して本発明に適用することもまた好ましい。
本発明に係る電極用ペースト組成物に用いられるガラス粒子を構成するガラス成分としては、二酸化ケイ素(SiO)、酸化リン(P)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化バナジウム(V)、酸化カリウム(KO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化スズ(SnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化ランタン(La)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化ゲルマニウム(GeO)、酸化テルル(TeO)、酸化ルテチウム(Lu)、酸化アンチモン(Sb)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(FeO)、酸化銀(AgO)及び酸化マンガン(MnO)が挙げられる。
中でも、SiO、P、Al、B、V、Bi、ZnO、及びPbOから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。具体的には、ガラス成分として、SiO、PbO、B、Bi及びAlを含むものが挙げられる。このようなガラス粒子の場合には、軟化点が効果的に低下し,さらにリン含有銅合金粒子及び必要に応じて添加された銀粒子との濡れ性が向上するため,焼成過程での前記粒子間の焼結が進み,抵抗率の低い電極を形成することができる。
他方、形成した電極の低接触抵抗率化の観点からは、五酸化二リンを含むガラス粒子(リン酸ガラス、P系ガラス粒子)であることが好ましく、五酸化二リンに加えて五酸化二バナジウムを更に含むガラス粒子(P−V系ガラス粒子)であることがより好ましい。五酸化二バナジウムを更に含むことで、耐酸化性がより向上し、電極の抵抗率がより低下する。これは、例えば、五酸化二バナジウムを更に含むことでガラスの軟化点が低下することに起因すると考えることができる。五酸化二リン−五酸化二バナジウム系ガラス粒子(P−V系ガラス粒子)を用いる場合、五酸化二バナジウムの含有率としては、ガラスの全質量中に1質量%以上であることが好ましく、1質量%〜70質量%であることがより好ましい。
前記ガラス粒子の粒子径としては特に制限はないが、積算した重量が50%の場合における粒子径(以下、「D50%」と略記することがある)として、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、0.8μm以上8μm以下であることがより好ましい。ガラス粒子の粒子径を0.5μm以上とすることで電極用ペースト組成物作製時の作業性が向上する。またガラス粒子の粒子径を10μm以下とすることで、電極用ペースト組成物中にガラス粒子が均一に分散しやすく、焼成工程で効率よくファイヤースルーを生じることができ、さらに形成した電極はシリコン基板との密着性も向上する。
前記ガラス粒子の含有率としては電極用ペースト組成物の全質量中に0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜8質量%であることがより好ましく、1質量%〜7質量%であることがさらに好ましい。かかる範囲の含有率でガラス粒子を含むことにより、より効果的に耐酸化性、電極の低抵抗率化、及び低接触抵抗化が達成される。
(溶剤および樹脂)
本発明に係る電極用ペースト組成物は、溶剤の少なくとも1種と樹脂の少なくとも1種とを含む。これにより本発明に係る電極用ペースト組成物の液物性(例えば、粘度、表面張力等)を、シリコン基板に付与する際の付与方法に応じて必要とされる液物性に調整することができる。
前記溶剤としては特に制限はない。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなどの炭化水素系溶剤;ジクロロエチレン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリオキサンなどの環状エーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系化合物;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノプロピオレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリエチル−1,3−ペンタンジオールモノアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのエステル系溶剤;ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなとの多価アルコールのエーテル系溶剤;α−テルピネン、α−テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレンなどのテルペン系溶剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明における前記溶剤としては、電極用ペースト組成物をシリコン基板に形成する際の塗布性、印刷性の観点から、多価アルコールのエステル系溶剤、テルペン系溶剤、及び多価アルコールのエーテル系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、多価アルコールのエステル系溶剤およびテルペン系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明において前記溶剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また前記樹脂としては焼成によって熱分解され得る樹脂であれば、当該技術分野において通常用いられる樹脂を特に制限なく用いることができる。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;アクリル樹脂;酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体;ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂;フェノール変性アルキド樹脂、ひまし油脂肪酸変性アルキド樹脂のようなアルキド樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ロジンエステル樹脂等を挙げることができる。
本発明における前記樹脂としては、焼成時における消失性の観点から、セルロース系樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、セルロース系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明において前記樹脂は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明における前記樹脂の重量平均分子量は特に制限されない。中でも樹脂の重量平均分子量は5000以上500000以上が好ましく、10000以上300000以下であることがより好ましい。前記樹脂の重量平均分子量が5000以上の場合には、電極用ペースト組成物の粘度の増加を抑えることができる。これは例えばリン含有銅合金粒子に吸着させたときに効果的に立体的な反発作用が発揮されて粒子同士の凝集が抑制されるためと考えることができる。一方樹脂の重量平均分子量が500000以下の場合には、樹脂同士の溶剤中での凝集が抑えられ、結果として電極用ペースト組成物の粘度が増加するという現象が抑えられる。これに加え樹脂の重量平均分子量を適度な大きさに抑えると、樹脂の燃焼温度が高くなるのが抑えられ、電極用ペースト組成物を焼成する際に樹脂が完全に燃焼されず異物として残存することが抑えられ、電極の低抵抗化が図られる。
本発明に係る電極用ペースト組成物において、前記溶剤と前記樹脂の含有量は、所望の液物性と使用する溶剤および樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、樹脂の含有率は、電極用ペースト組成物の全質量中に、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、0.05質量%〜4質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましく、0.15質量%〜2.5質量%であることが更に好ましい。
また、溶剤と樹脂の総含有量が、電極用ペースト組成物の全質量中に3質量%〜29.8質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、7質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。
溶剤と樹脂の含有量が前記範囲内であることにより、電極用ペースト組成物をシリコン基板に付与する際の付与適性が良好になり、所望の幅および高さを有する電極をより容易に形成することができる。
(銀粒子)
本発明に係る電極用ペースト組成物は、銀粒子の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。銀粒子を含むことで耐酸化性がより向上し、電極としての抵抗率がより低下する。さらに太陽電池モジュールとした場合のはんだ接続性が向上するという効果も得られる。このことは例えば、以下のように考えることができる。
一般に電極形成温度領域である600℃から900℃の温度領域では、銅中への銀の少量の固溶、および銀中への銅の少量の固溶が生じ、銅と銀との界面に銅−銀固溶体の層(固溶領域)が形成される。リン含有銅合金粒子と銀粒子の混合物を高温に加熱後、室温へゆっくりと冷却した場合、固溶領域は生じないと考えられるが、電極形成時には高温域から常温に数秒で冷却されることから、高温での固溶体の層は、非平衡な固溶体相または銅と銀の共晶組織として銀粒子およびリン含有銅合金粒子の表面を覆うと考えられる。このような銅−銀固溶体層は、電極形成温度におけるリン含有銅合金粒子の耐酸化性に寄与すると考えることができる。
銅−銀固溶体層は、300℃から500℃以上の温度で形成され始める。従って、示差熱−熱質量同時測定において最大面積を示す発熱ピークのピーク温度が280℃以上であるリン含有銅含有粒子に、銀粒子を併用することで、より効果的にリン含有銅含有粒子の耐酸化性を向上することができ、形成される電極の抵抗率がより低下すると考えることができる。
前記銀粒子を構成する銀は、不可避的に混入する他の原子を含んでいてもよい。不可避的に混入する他の原子としては、Sb、Si、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Be、Zn、Pb、Cd、Tl、V、Sn、Al、Zr、W、Mo、Ti、Co、Ni、Au等を挙げることができる。
また前記銀粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば銀粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及び電極の低抵抗率化の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
本発明における銀粒子の粒子径としては特に制限はないが、積算した質量が50%である場合における粒子径(D50%)が、0.4μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜7μmであることがより好ましい。銀粒子の粒子径を0.4μm以上とすることでより効果的に耐酸化性が向上する。また銀粒子の粒子径を10μm以下とすることで電極中における銀粒子およびリン含有銅含有粒子等の金属粒子どうしの接触面積が大きくなり、形成した電極の抵抗率がより効果的に低下する。
本発明に係る電極用ペースト組成物において、前記リン含有銅含有粒子の粒子径(D50%)と前記銀粒子の粒子径(D50%)の関係としては特に制限はないが、いずれか一方の粒子径(D50%)が他方の粒子径(D50%)よりも小さいことが好ましく、いずれか一方の粒子径に対する他方の粒子径の比が1〜10であることがより好ましい。これにより、電極の抵抗率がより効果的に低下する。これは例えば、電極内におけるリン含有銅含有粒子および銀粒子等の金属粒子どうしの接触面積が大きくなることに起因すると考えることができる。
また本発明に係る電極用ペースト組成物における銀粒子の含有率としては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、電極用ペースト組成物中に8.4質量%〜85.5質量%であることが好ましく、8.9質量%〜80.1質量%であることがより好ましい。
さらに本発明においては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、前記リン含有銅含有粒子と前記銀粒子の総量を100質量%としたときのリン含有銅含有粒子の含有率が9質量%〜88質量%であることが好ましく、17質量%〜77質量%であることがより好ましい。前記リン含有銅含有粒子と銀粒子との総量に対する前記リン含有銅含有粒子の含有率が9質量%以上であることで、例えば、前記ガラス粒子が五酸化二バナジウムを含む場合に銀とバナジウムとの反応が抑制され、電極の体積抵抗がより低下する。また、太陽電池としたときのエネルギー変換効率向上を目的とした電極形成シリコン基板のフッ酸水溶液処理において、電極材の耐フッ酸水溶液性(フッ酸水溶液によって電極材がシリコン基板から剥離しない性質)が向上する。また前記リン含有銅含有粒子の含有率が88質量%以下であることで、リン含有銅含有粒子に含まれる銅がシリコン基板と接触することがより抑制され、電極の接触抵抗がより低下する。
また本発明に係る電極用ペースト組成物においては、耐酸化性、電極の低抵抗率、シリコン基板への塗布性の観点から、前記リン含有銅含有粒子および前記銀粒子の総含有量が70質量%〜94質量%であることが好ましく、72質量%〜92質量%であることがより好ましく、72質量%〜90質量%であることが更に好ましく、74質量%〜88質量%であることが更に好ましい。
前記リン含有銅含有粒子および前記銀粒子の総含有量が70質量%以上であることで、電極用ペースト組成物を付与する際に好適な粘度を容易に達成することができる。また前記リン含有銅含有粒子および前記銀粒子の総含有量が94質量%以下であることで、電極用ペースト組成物を付与する際のかすれの発生をより効果的に抑制することができる。
さらに本発明に係る電極用ペースト組成物においては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、前記リン含有銅含有粒子および前記銀粒子の総含有率が70質量%〜94質量%であって、前記ガラス粒子の含有率が0.1質量%〜10質量%であって、前記溶剤および前記樹脂の総含有率が3質量%〜29.8質量%であることが好ましく、前記リン含有銅含有粒子および前記銀粒子の総含有率が74質量%〜88質量%であって、前記ガラス粒子の含有率が1〜7質量%であって、前記溶剤および前記樹脂の総含有率が7質量%〜20質量%であることがより好ましい。
(リン含有化合物)
前記電極用ペースト組成物は、リン含有化合物の少なくとも1種を更に含んでもよい。これにより、より効果的に耐酸化性が向上し、電極の抵抗率がより低下する。さらにシリコン基板において、リン含有化合物中の元素がn型ドーパントとして拡散し、太陽電池としたときに発電効率が向上するという効果も得られる。
前記リン含有化合物としては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、分子内におけるリン原子の含有率が大きい化合物であって、200℃程度の温度条件で蒸発や分解を起こさない化合物であることが好ましい。
前記リン含有化合物として具体的には、リン酸などのリン系無機酸、リン酸アンモニウムなどのリン酸塩、リン酸アルキルエステルおよびリン酸アリールエステル等のリン酸エステル、ヘキサフェノキシホスファゼン等の環状ホスファゼン、ならびにこれらの誘導体を挙げることができる。
本発明におけるリン含有化合物は、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸エステル、および環状ホスファゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、リン酸エステル、および環状ホスファゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明における前記リン含有化合物の含有量としては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、電極用ペースト組成物の全質量中に0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜7質量%であることがより好ましい。
さらに本発明においては、リン含有化合物としてリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸エステル、および環状ホスファゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種を、電極用ペースト組成物の全質量中に0.5質量%〜10質量%含むことが好ましく、リン酸エステルおよび環状ホスファゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種を、電極用ペースト組成物の全質量中に1質量%〜7質量%含むことがより好ましい。
(その他の成分)
さらに本発明に係る電極用ペースト組成物は、上述した成分に加え、必要に応じて、当該技術分野で通常用いられるその他の成分をさらに含むことができる。その他の成分としては、可塑剤、分散剤、界面活性剤、無機結合剤、金属酸化物、セラミック、有機金属化合物等を挙げることができる。
本発明に係る電極用ペースト組成物の製造方法としては特に制限はない。前記リン含有銅含有粒子、ガラス粒子、溶剤、樹脂、および必要に応じて含まれる銀粒子等を、通常用いられる分散・混合方法を用いて、分散・混合することで製造することができる。
また、本発明では、フラックスは電極表面に塗布されていることが好ましい。電極に用いるフラックスは、後述するはんだ層に用いるフラックスと同様であり好適な範囲も同様である。また、電極へのフラックスの塗布方法についてもはんだ層に塗布する場合と同様である。
(電極の製造方法)
本発明に係る電極用ペースト組成物を用いて電極を製造する方法としては、前記電極用ペースト組成物を、電極を形成する領域に付与し、乾燥後に、焼成することで所望の領域に電極を形成することができる。前記電極用ペースト組成物を用いることで、酸素の存在下(例えば、大気中)で焼成処理を行っても、抵抗率の低い電極を形成することができる。
具体的には例えば、前記電極用ペースト組成物を用いて太陽電池用電極を形成する場合、電極用ペースト組成物はシリコン基板上に所望の形状となるように付与され、乾燥後に、焼成されることで、抵抗率の低い太陽電池電極を所望の形状に形成することができる。また前記電極用ペースト組成物を用いることで、酸素の存在下(例えば、大気中)で焼成処理を行っても、抵抗率の低い電極を形成することができる。
電極用ペースト組成物をシリコン基板上に付与する方法としては、スクリーン印刷、インクジェット法、ディスペンサー法等を挙げることができるが、生産性の観点から、スクリーン印刷による塗布であることが好ましい。
本発明に係る電極用ペースト組成物をスクリーン印刷によって塗布する場合、80Pa・s〜1000Pa・sの範囲の粘度を有することが好ましい。尚、電極用ペースト組成物の粘度は、ブルックフィールドHBT粘度計を用いて25℃で測定される。
前記電極用ペースト組成物の付与量は、形成する電極の大きさに応じて適宜選択することができる。例えば、電極用ペースト組成物付与量として2g/m〜10g/mとすることができ、4g/m〜8g/mであることが好ましい。
また本発明に係る電極用ペースト組成物を用いて電極を形成する際の熱処理条件(焼成条件)としては、当該技術分野で通常用いられる熱処理条件を適用することができる。
一般に、熱処理温度(焼成温度)としては800℃〜900℃であるが、本発明に係る電極用ペースト組成物を用いる場合には、より低温での熱処理条件を適用することができ、例えば、600℃〜850℃の熱処理温度で良好な特性を有する電極を形成することができる。
また熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1秒〜20秒とすることができる。
〔はんだ層〕
本発明に係るはんだ層は、前記電極の上に設けられるものであり、前記電極とタブ線などとを接続する。そして、本発明に係るはんだ層はフラックスを含有する。前記はんだ層がフラックスを含有することで、前記電極と前記はんだ層との密着性が向上し、更には前記電極と前記はんだ層との界面の接触抵抗が低減する効果が得られる。
前記はんだ層を構成するはんだ材料の種類は特に限定されず、鉛含有はんだ材料、鉛フリーはんだ材料を挙げることができる。具体的には、鉛含有はんだ材料としては、Sn−Pb、Sn−Pb−Bi、Sn−Pb−Agなどを挙げることができる。鉛フリーはんだ材料としては、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Sb、Sn−Cu、Bi−Sn、In−Snなどを挙げることができる。
これらの中でも、環境への配慮の観点から、鉛フリーはんだ材料を用いることが好ましく、更に前記鉛フリーはんだ材料は錫を32質量%以上含有する鉛フリーはんだ材料を用いることがより好ましく、錫を42質量%以上含有する鉛フリーはんだ材料を用いることが更に好ましい。
本発明におけるフラックスとしては、電極とはんだ層の表面酸化膜が除去でき、また表面の濡れ性向上、表面酸化膜の再形成を抑制できる等の効果により、電極とはんだ層が接続可能となるようなものであれば特に制限はない。具体的には例えば、無機酸、ハロゲン化物、有機酸およびロジンから選ばれる少なくとも1種のフラックス成分を含むことが好ましい。
前記無機酸としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸などが挙げられ、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸およびホウ酸から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記ハロゲン化物としては、塩化物および臭化物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。前記塩化物としては、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、塩化メチレン、塩化マグネシウム、塩化ビスマス、塩化バリウム、塩化スズ、塩化銀、塩化カリウム、塩化インジウム、塩化アンチモン、塩化アルミニウムなどが挙げられ、塩化亜鉛および塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。前記臭化物としては、臭化リン、臭化ヨウ素、臭化メチレン、臭化ゲルマニウム、臭化イオウ、臭化アンモニウム、臭化亜鉛などが挙げられ、臭化アンモニウムおよび臭化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記有機酸としては、カルボン酸化合物、フェノール誘導体、スルホン酸化合物が挙げられ、カルボン酸化合物であることが電極とはんだ層の表面酸化膜を容易に除去できるという観点から好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば、蟻酸、酢酸、シュウ酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ソルビン酸、ステアロール酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ピルビン酸、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸などが挙げられ、蟻酸、酢酸およびシュウ酸から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。前記フェノール誘導体としては、フェノール樹脂、サリチル酸、ピクリン酸などが挙げられ、フェノール樹脂を含むことが好ましい。
本発明においてこれらのフラックス成分は、それぞれ1種単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。2種類以上を組み合わせて用いる場合には、ロジンと有機酸との組み合わせ、ロジンと無機酸との組み合わせ、ロジンとハロゲン化物との組み合わせ、無機酸とハロゲン化物との組み合わせ、ハロゲン化物とハロゲン化物との組み合わせ、などが好適な組み合わせとして挙げられ、ロジンと有機酸との組み合わせ、ロジンと無機酸との組み合わせ、ロジンとハロゲン化物との組み合わせがより好適な組み合わせとして挙げられる。このようにロジンと他のフラックス成分とを組み合わせる場合には、全フラックス成分中、ロジンを5質量%〜40質量%含有することが好ましく、10質量%〜30質量%含有することがより好ましく、12質量%〜20質量%含有することが更に好ましい。
前記フラックスは電極及びはんだ層に塗布する際の作業性の観点から溶剤を含んでいてもよい。前記溶剤は、無機酸、ハロゲン化物、有機酸、ロジンなどのフラックス成分の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
前記溶剤としては、水;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート系溶剤;α−テルピネン、α−テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記フラックス中のフラックス成分としてロジンを用いる場合には、溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、イソプロパノールなどを用いることが好ましく、フラックス成分として前記無機酸を用いる場合には、水、ブチルカルビトールアセテートなどを用いることが好ましく、フラックス成分として前記ハロゲン化物を用いる場合には、水、テルピネオールなどを用いることが好ましく、フラックス成分として有機酸を用いる場合には、グリセリン、エチレングリコール、イソプロパノールなどを用いることが好ましい。
前記フラックスは、更にその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、上記カルボン酸化合物のエステルが挙げられる。前記カルボン酸化合物のエステルとしては、具体的には、酢酸エチル、ホウ酸トリメチル、酪酸メチル、サリチル酸メチル、蟻酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸エチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、吉草酸ペンシル、酪酸ペンチル、酢酸オクチルなどが挙げられ、酢酸エチルおよびホウ酸トリメチルから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記フラックス中のフラックス成分の含有率は、適宜調整することが好ましい。例えば、フラックス成分がロジンの場合には、フラックス中ロジンを5質量%以上含有することが電極とはんだ層の表面酸化膜を容易に除去できるという観点から好ましく、10質量%以上含有することが更に好ましい。上限値は特に制限されないが、塗布性の観点から40質量%以下でロジンを含有することが好ましく、30質量%以下で含有することがより好ましい。
また、フラックス成分が無機酸、ハロゲン化物または有機酸の場合には、フラックス中のフラックス成分を1質量%〜15質量%含有することが電極とはんだ層の表面酸化膜を容易に除去できるという観点から好ましく、2質量%〜10質量%で含有することがより好ましい。
前記はんだ層に前記フラックスを含有させる方法は特に制限されない。前記電極と前記はんだ層との密着性を向上させる観点から、少なくともはんだ層の表面にフラックスが存在していることが好ましい。このようなはんだ層の製造方法としては、例えば、前記電極および前記はんだ層の少なくとも一方の表面にフラックスを塗布する方法が挙げられる。
前記はんだ層にフラックスを含有させる方法は特に制限されず、例えば、前記電極および前記はんだ層の少なくとも一方の表面にフラックスを塗布する方法が挙げられる。フラックスを塗布する際に、前記フラックス成分および前記溶剤を含有する液体を塗布してもよいし、まずは溶剤を塗布してから引き続いてフラックス成分および溶剤を含有する液体を塗布してもよい。電極が吸水性を有する場合は、フラックス成分が電極内に染み込むことなく電極表面の酸化膜を効果的に除去できるという観点から、溶剤を塗布した後にフラックス成分および溶剤を含有する液体を塗布することも好適である。
なお、フラックスを電極表面に塗布し、はんだ層の表面には塗布しない場合でも、その後に電極とはんだ層を接触させて熱処理することで、はんだ層がフラックスを含有することになる。電極表面に塗布するフラックス塗布量が少ない場合は、はんだ層の表面にもフラックスを塗布しておくことが好ましい。
またフラックスの塗布方法および塗布量については特に制限はなく、脱脂綿等を用いた手作業による塗布や、また後述するような接合装置に付属の塗布装置等による自動塗布を適用することができる。
上記のようにして準備した前記電極と前記はんだ層とを接触させて押し付け、更に熱処理することにより前記電極と前記はんだ層とが接続される。
電極と概電極を接続するはんだを熱処理する際の押し付け圧力は、一般に2MPa程度とされているが、本発明においては、電極とはんだ層との濡れ性が向上するため1.5MPa以下とすることができる。電極とはんだ層を熱処理する際の押し付け圧力を低減することにより、押し付けた際にシリコン基板が破損し歩留まりが低下することを防ぐことができる。
また接続の際の熱処理温度は、フラックス、はんだ材料に応じて適宜選択することができ、例えば、電極およびはんだ層の温度として125℃〜350℃とすることができる。
更に押し付け時間は、フラックスの種類、はんだ材料、熱処理温度に応じて適宜選択することができ、例えば、2秒〜120秒とすることができる。
熱処理手段としては、ホットプレート、ヒートブロー、はんだごて、オーブン等を用いた手作業による熱処理や、パルスヒート接合装置、加熱圧着装置、超音波接合装置等の装置を利用した自動熱処理機を適用することができる。
電極と概電極を接続するはんだを熱処理した後処理として、フラックスを除去するための洗浄を行うことができる。特に、ハロゲン化物を多量に含み、残渣による腐食の進行が懸念されるフラックスを用いた場合には、超音波洗浄等を用いて入念に除去することが望ましい。
<用途>
本発明の素子の用途は特に限定されず、太陽電池素子、エレクトロルミネッセンス発光素子などとして用いることができる。
<太陽電池素子>
本発明の太陽電池素子は、前記素子における前記基板が不純物拡散層を有し、この不純物拡散層の上に前記電極が形成され、そして前記電極上にフラックスを含有するはんだ層が形成されている。これにより、良好な特性を有する太陽電池素子が得られ、該太陽電池の生産性に優れる。
尚、本明細書において太陽電池素子とは、pn接合が形成されたシリコン基板と、シリコン基板上に形成された電極とを有するものを意味する。また太陽電池とは、太陽電池素子の電極上にタブ線が設けられ、必要に応じて複数の太陽電池素子がタブ線を介して接続されて構成されたものを意味する。
以下、本発明の太陽電池の具体例を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
代表的な太陽電池素子の一例の断面図、受光面の概要図及び裏面の概要図を、それぞれ図1、図2及び図3に示す。
通常、太陽電池素子の半導体基板130には、単結晶または多結晶Siなどが使用される。この半導体基板130には、ホウ素などが含有され、p型半導体を構成している。受光面側は、太陽光の反射を抑制するために、エッチングにより凹凸(テクスチャー、図示せず)が形成されている。図1に示されるように、その受光面側にはリンなどがドーピングされ、n型半導体の拡散層131がサブミクロンオーダーの厚みで設けられているとともに、p型バルク部分との境界にpn接合部が形成されている。さらに受光面側には、拡散層131上に窒化シリコンなどの反射防止層132が蒸着法などによって膜厚100nm前後で設けられている。
次に受光面側に設けられた受光面電極133と、裏面に形成される集電電極134及び出力取出し電極135について説明する。受光面電極133と出力取出し電極135は、前記電極用ペースト組成物から形成されている。また集電電極134はガラス粉末を含むアルミニウム電極ペースト組成物から形成されている。これらの電極は、前記ペースト組成物をスクリーン印刷等にて所望のパターンに塗布した後、乾燥後に、大気中600℃〜850℃程度で焼成されて形成される。
その際に、受光面側では、受光面電極133を形成する前記電極用ペースト組成物に含まれるガラス粒子と、反射防止層132とが反応して(ファイヤースルー)、受光面電極133と拡散層131が電気的に接続(オーミックコンタクト)される。
本発明においては、前記電極用ペースト組成物を用いて受光面電極133が形成されることで、導電性金属として銅を含みながら、銅の酸化が抑制され、低抵抗率の受光面電極133が優れた生産性で形成される。
また、受光面電極133の外側表面に、フラックスを含有するはんだ層(不図示)を設けると、受光面電極133とはんだ層との密着性が向上し、更には受光面電極133とはんだ層との界面の接触抵抗が低減する。
また、裏面側では、焼成の際に集電電極134を形成するアルミニウム電極ペースト組成物中のアルミニウムが半導体基板130の裏面に拡散して、電極成分拡散層136を形成することによって、半導体基板130と、集電電極134及び出力取出し電極135との間にオーミックコンタクトを得ることができる。
また図4は、本発明の別の態様である太陽電池素子の一例であるバックコンタクト型太陽電池素子を示す図であり、図4Aは、受光面及びAA断面構造の斜視図、図4Bは、裏面側電極構造の平面図である。
図4Aに示すようにp型半導体のシリコン基板からなるセルウェハ1には、レーザドリル、エッチング等によって、受光面側および裏面側の両面を貫通したスルーホールが形成されている。また受光面側には光入射効率を向上させるテクスチャ(図示せず)が形成されている。さらに受光面側にはn型化拡散処理によるn型半導体層3と、n型半導体層3上に反射防止膜(図示せず)が形成されている。これらは従来の結晶Si型太陽電池素子と同一の工程により製造される。
次に、先に形成されたスルーホール内部に、本発明に係る電極用ペースト組成物が印刷法やインクジェット法により充填され、さらに受光面側には同じく本発明に係る電極用ペースト組成物がグリッド状に印刷され、スルーホール電極4および集電用グリッド電極2を形成する組成物層が形成される。
ここで、充填用と印刷用に用いるペーストでは、粘度を始めとして、それぞれのプロセスに最適な組成のペーストを使用するのが望ましいが、同じ組成のペーストで充填、印刷を一括で行ってもよい。
一方、受光面の反対側(裏面側)には、キャリア再結合を防止するための高濃度ドープ層5が形成される。ここで高濃度ドープ層5を形成する不純物元素として、ボロン(B)やアルミニウム(Al)が用いられ、p層が形成されている。この高濃度ドープ層5は、例えばBを拡散源とした熱拡散処理が、前記反射防止膜形成前の素子製造工程において実施されることで形成されていてもよく、あるいは、Alを用いる場合には、前記印刷工程において、反対面側にAlペーストを印刷することで形成されていてもよい。
その後、650℃から850℃において焼成され、前記スルーホール内部と受光面側に形成された反射防止膜上に充填、印刷された前記電極用ペースト組成物は、ファイヤースルー効果により、下部n型層とのオーミックコンタクトが達成される。
また反対面側には、図4Bの平面図で示すように、本発明による電極用ペースト組成物をそれぞれn側、p側共にストライプ状に印刷、焼成することによって、裏面電極6、7が形成されている。
本発明においては、前記電極用ペースト組成物を用いて、裏面電極6および裏面電極7が形成されることで、導電性金属として銅を含みながら、銅の酸化が抑制され、低抵抗率の裏面電極6および裏面電極7が優れた生産性で形成される。また、裏面電極6および裏面電極7の外側表面に、フラックスを含有するはんだ層(不図示)を設けると、裏面電極6および裏面電極7とはんだ層との密着性が向上し、更には裏面電極6および裏面電極7とはんだ層との界面の接触抵抗が低減する。
なお、本発明の太陽電池用電極ペースト組成物は、上記したような太陽電池電極の用途に限定されるものではなく、例えば、プラズマディスプレイの電極配線及びシールド配線、セラミックスコンデンサ、アンテナ回路、各種センサー回路、半導体デバイスの放熱材料等の用途にも好適に使用することができる。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、前記太陽電池素子の少なくとも1つを含み、太陽電池素子の電極上にタブ線が配置されて構成される。電極表面にはフラックスを含有するはんだ層が設けられているため、電極とはんだ層との密着性が向上し、更には電極とはんだ層との界面の接触抵抗が低減し、結果として、電池性能に優れた太陽電池が得られる。
太陽電池はさらに必要に応じて、タブ線を介して複数の太陽電池素子が連結され、さらに封止材で封止されて構成されていてもよい。前記タブ線及び封止材としては特に制限されず、当業界で通常用いられているものから適宜選択することができる。
本発明に含まれる実施形態の例を以下に示す。
(1)シリコン基板と、
前記シリコン基板上に設けられた、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、
前記電極上に設けられた、フラックスを含有するはんだ層と、
を有する素子。
(2) 前記フラックスが、ハロゲン化物、無機酸、有機酸、およびロジンから選ばれる少なくとも1種を含む前記(1)に記載の素子。
(3) 前記ハロゲン化物が、塩化物および臭化物から選ばれる少なくとも1種である前記(2)に記載の素子。
(4) 前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸およびホウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む前記(2)に記載の素子。
(5) 前記有機酸が、カルボン酸を含む前記(2)に記載の素子。
(6) 前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸およびシュウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む前記(5)に記載の素子。
(7) 前記フラックスが、ロジンを5質量%以上含有する、前記(2)〜(6)のいずれか1項に記載の素子。
(8) 前記はんだ層が、錫を42質量%以上含有する、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の素子。
(9) 前記フラックスが、ロジンと有機酸との組み合わせ、ロジンと無機酸との組み合わせ、ロジンとハロゲン化物との組み合わせ、無機酸とハロゲン化物との組み合わせ、又はハロゲン化物とハロゲン化物との組み合わせで含有される、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の素子。
(10) 前記フラックスが、ロジンと、グリセリン、エチレングリコールおよびイソプロパノールから選択される少なくとも1種と、を含有する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の素子。
(11) 前記フラックスが、無機酸と、水およびブチルカルビトールアセテートから選択される少なくとも1種と、を含有する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の素子。
(12) 前記フラックスが、ハロゲン化物と、水およびテルピネオールから選択される少なくとも1種とを含有する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の素子。
(13) 前記フラックスが、有機酸と、グリセリン、エチレングリコールおよびイソプロパノールから選択される少なくとも1種とを含有する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の素子。
(14) 前記フラックスが、更に、カルボン酸エステルを含有する、前記(2)〜(13)のいずれか1項に記載の素子。
(15) 前記カルボン酸エステルが、酢酸エチル、ホウ酸トリメチル、酪酸メチル、サリチル酸メチル、蟻酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸エチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、吉草酸ペンシル、酪酸ペンチルおよび酢酸オクチルから選択される少なくとも1種である、前記(14)に記載の素子。
(16) 前記リン含有銅合金粒子に含まれるリン含有率が、6質量%以上8質量%以下である、前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の素子。
(17) 前記樹脂の重量平均分子量が、5000以上500000以上である、前記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の素子。
(18) 前記電極用ペースト組成物が、更に銀粒子を含有する、前記(1)〜(17)のいずれか1項に記載の素子。
(19) 前記電極用ペースト組成物中の前記銀粒子の含有率が、8.4質量%〜85.5質量%である、前記(18)に記載の素子。
(20) 前記リン含有銅含有粒子の粒子径(D50%)と前記銀粒子の粒子径(D50%)との関係は、いずれか一方の粒子径に対する他方の粒子径の比が1〜10を満たす、前記(18)または(19)に記載の素子。
(21) 前記リン含有銅含有粒子と前記銀粒子の総量を100質量%としたときのリン含有銅含有粒子の含有率が9質量%〜88質量%である、前記(18)〜(20)のいずれか1項に記載の素子。
(22) 前記シリコン基板が不純物拡散層を有しpn接合されてなり、前記不純物拡散層の上に前記電極を有する太陽電池に用いる前記(1)〜(21)のいずれか1項に記載の素子。
(23) 前記(22)に記載の太陽電池に用いる素子と、
前記素子の電極のはんだ層に接続されたタブ線と、
を有する太陽電池。
(24) 前記電極および前記はんだ層の少なくとも一方の表面に、前記フラックスを塗布する工程と、
前記電極と前記はんだ層とを、前記フラックスを塗布した面で接触させて加熱処理する工程と、
を有する、前記(1)〜(23)のいずれか1項に記載の素子の製造方法。
(25) 前記電極と前記はんだ層とを接触させて加熱処理するときの押し付け圧力が、1.5MPa以下である、前記(24)に記載の素子の製造方法。
(26) 前記フラックスを塗布する前に、溶剤を塗布する、前記(24)または(25)に記載の素子の製造方法。
(27) ハロゲン化物、無機酸、有機酸、およびロジンから選ばれる少なくとも1種のフラックス成分と、
水、エーテルアセテート系溶剤、テルペン系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、非プロトン性極性溶剤およびグリコールモノエーテル系溶剤から選ばれる少なくとも1種の溶剤と、
を含有する、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、はんだ層との間に付与するフラックス。
(28) 前記フラックス成分が、ロジンと有機酸との組み合わせ、ロジンと無機酸との組み合わせ、ロジンとハロゲン化物との組み合わせ、無機酸とハロゲン化物との組み合わせ、又はハロゲン化物とハロゲン化物との組み合わせで含有される、前記(27)に記載のフラックス。
(29) 前記フラックス成分がロジンを含み、前記溶剤がグリセリン、エチレングリコールおよびイソプロパノールから選択される少なくとも1種を含む、前記(27)または(28)のいずれか1項に記載のフラックス。
(30) 前記フラックス成分が無機酸を含み、前記溶剤が水およびブチルカルビトールアセテートから選択される少なくとも1種を含む、前記(27)または(28)に記載のフラックス。
(31) 前記フラックス成分がハロゲン化物を含み、前記溶剤が水およびテルピネオールから選択される少なくとも1種を含む、前記(27)または(28)に記載の素子。
(32) 前記フラックス成分が有機酸を含み、前記溶剤がグリセリン、エチレングリコールおよびイソプロパノールから選択される少なくとも1種を含む、前記(27)または(28)に記載の素子。
(33) 更に、カルボン酸エステルを含有する、前記(27)〜(32)のいずれか1項に記載のフラックス。
(34) 前記カルボン酸エステルが、酢酸エチル、ホウ酸トリメチル、酪酸メチル、サリチル酸メチル、蟻酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸エチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、吉草酸ペンシル、酪酸ペンチルおよび酢酸オクチルから選択される少なくとも1種である、前記(33)に記載のフラックス。
なお、日本出願2011−162598の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<実施例1>
(a)電極用ペースト組成物の調製
7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を定法により調製し、これを溶解して水アトマイズ法により粉末化した後、乾燥、分級した。分級した粉末をブレンドして、脱酸素・脱水分処理し、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子(以下、「Cu7P」と略記することがある)を調整した。尚、リン含有銅合金粒子の粒子径(D50%)は5μmであった。
二酸化ケイ素(SiO)3部、酸化鉛(PbO)60部、酸化ホウ素(B)18部、酸化ビスマス(Bi)5部、酸化アルミニウム(Al)5部、酸化亜鉛(ZnO)9部からなるガラス(以下、「G1」と略記することがある)を調製した。得られたガラスG1の軟化点は、420℃、結晶化温度は600℃を超えていた。
得られたガラスG1を用いて、粒子径(D50%)が1.1μmであるガラス粒子を
得た。
上記で得られたリン含有銅合金粒子Cu7Pを85.1部、ガラス粒子G1を1.7部、及び3質量%のエチルセルロース(EC、重量平均分子量190000)を含むテルピネオール(異性混合体)溶液13.2部を混ぜ合わせ、メノウ乳鉢の中で20分間かき混ぜ、電極用ペースト組成物Cu7PG1を調製した。
(b)太陽電池素子の作製
受光面にn型半導体層、テクスチャーおよび反射防止膜(窒化珪素膜)が形成された膜厚さ190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに切り出した。その受光面にスクリーン印刷法を用い、銀電極用ペースト組成物(デュポン株式会社製、導体ペーストSolamet159A)を図2に示すような電極パターンとなるように印刷した。電極のパターンは150μm幅のフィンガーラインと1.1mm幅のバスバーで構成され、焼成後の膜厚が約5μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いて、裏面にアルミニウム電極ペースト(PVG Solutions Inc.
社製、Solar Cell Paste(Al) HyperBSF Al Paste)を同様にスクリーン印刷で、図3に示すように出力取出し電極を形成する部分以外の全面に印刷した。焼成後の膜厚が40μmとなるよう印刷条件は適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
更に、赤外線急速加熱炉内で大気雰囲気下、850℃で2秒間の加熱処理(焼成)を行い、受光面電極および集電電極を得た。
次いで、裏面にスクリーン印刷法を用い、上記で得られた電極用ペースト組成物Cu7PG1を図3の出力取出し電極に示すような電極パターンとなるように印刷した。電極のパターンは4mm幅のバスバーで構成され、焼成後の膜厚が15μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いて、赤外線急速加熱炉内で大気雰囲気下、600℃で10秒間の熱処理(焼成)を行い、出力取出し電極を得た。
次に、上記で得られた出力取出し電極の上に、塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液(塩酸濃度2%)をフラックスとして刷毛で適量塗布し、その上からはんだSn96.5Ag3Cu0.5(以下、はんだはJISZ3282による記号を用いて表記する)にてはんだコーティングされた銅線(通常、タブ線と呼ぶ)を乗せた。はんだには、特にフラックスを塗布していないが、出力取り出し電極の上に乗せると同時にフラックスに濡れることになる。
続いて、上記はんだコーティングしたタブ線を乗せたままの半導体基板をホットプレートに乗せ、タブ線に押し付け荷重を掛けたまま、250℃になるまで加熱した。タブ線への押し付け荷重は、単位面積換算で約1.0MPaに調整した。
その後冷却し、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子1を作製した。
<実施例2>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から臭化水素酸10%を含むブチルカルビトールアセテート(以下、「BCA」と略記することがある)に変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子2を作製した。
<実施例3>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から塩酸5%を含む水溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子3を作製した。
<実施例4>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から塩化亜鉛5%および塩酸5%を含む水溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子4を作製した。
<実施例5>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム2%を含むテルピネオールに変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子5を作製した。
<実施例6>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液からシュウ酸3%およびフェノール樹脂6%を含むイソプロパノール(以下、IPAと略記することがある)に変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子6を作製した。
<実施例7>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から酢酸2%を含むグリセリンに変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子7を作製した。
<実施例8>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液からロジン30%および酢酸エチル5%を含むIPAに変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子8を作製した。
<実施例9>
実施例8において、フラックスとしてロジン30%および酢酸エチル5%を含むIPAからロジン12%およびシュウ酸3%を含むIPAに変更した以外は実施例8と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子9を作製した。
<実施例10>
実施例8において、フラックスとしてロジン30%および酢酸エチル5%を含むIPAからロジン25%および蟻酸1%を含むエチレングリコールに変更した以外は実施例8と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子10を作製した。
<実施例11>
実施例8において、フラックスとしてロジン30%および酢酸エチル5%を含むIPAからロジン20%および酢酸2%を含むIPAに変更した以外は実施例8と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子11を作製した。
<実施例12>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム5%を含む塩酸水溶液から塩化亜鉛5%および塩化アンモニウム2%を含む塩酸のグリセリン溶液(塩酸濃度2%)に変更した以外は実施例1と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子12を作製した。
<実施例13>
実施例11において、電極用ペースト組成物Cu7PG1の熱処理温度を600℃から550℃に変更し、且つフラックスとしてロジン20%および酢酸2%を含むIPAからロジン20%および酢酸2%を含むグリセリンに変更した以外は実施例11と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子13を作製した。
<実施例14>
実施例13において、電極用ペースと組成物Cu7PG1の熱処理温度を550℃から650℃に変更した以外は実施例13と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子14を作製した。
<実施例15>
実施例13において、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子Cu7PG1の代わりに6質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子(Cu6P)を用い、且つ電極用ペースト組成物の熱処理温度を550℃から580℃に変更した以外は実施例13と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子15を作製した。
<実施例16>
実施例13において、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子Cu7PG1の代わりに8質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子(Cu8P)を用い、且つ電極用ペースと組成物の熱処理温度を550℃から620℃に変更した以外は実施例13と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子16を作製した。
<実施例17>
実施例13において、ガラス粒子G1に代えて、下記調整したガラス粒子(G2)を用いた電極用ペースト組成物Cu7PG2とし、且つ電極用ペースと組成物の熱処理温度を550℃から600℃に変更した以外は実施例13と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子17を作製した。
ガラス粒子G2は、酸化バナジウム(V)45部、酸化リン(P)24.2部、酸化バリウム(BaO)20.8部、酸化アンチモン(Sb)5部、酸化タングステン(WO)5部からなり、粒子径(D50%)が1.7μmであった。また、このガラスの軟化点は492℃、結晶化温度は600℃以上であった。
<実施例18>
実施例17において、ガラス粒子G2に代えて、下記調整したガラス粒子(G11)を用いた電極用ペースト組成物Cu7PG11とした以外は実施例17と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子18を作製した。
ガラス粒子G11は、二酸化ケイ素(SiO)3部、酸化鉛(PbO)60部、酸化ホウ素(B)18部、酸化ビスマス(Bi)5部、酸化アルミニウム(Al)5部、酸化亜鉛(ZnO)9部からなり、粒子径(D50%)は1.7μmであった。また、このガラスの軟化点は420℃、結晶化温度は600℃以上であった。
<実施例19>
実施例13において、電極用ペースト組成物の熱処理温度を550℃から600℃に変更した以外は実施例13と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子19を作製した。
<実施例20>
実施例19において、フラックスを塗布する際の電極の温度を常温から150℃に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子20を作製した。
<実施例21>
実施例19において、フラックスを塗布する際、最初にグリセリンのみを塗布し、次いでロジン20部および酢酸2部を含むグリセリンを塗布した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子21を作製した。
<実施例22>
実施例19において、はんだコーティングしたタブ線を乗せたままの半導体基板をホットプレートに乗せ、タブ線に押し付け荷重を掛けたまま250℃になるまで加熱する際、150℃で10分間の定温処理時間を追加した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子22を作製した。
<実施例23>
実施例19において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn95Ag5に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子23を作製した。
<実施例24>
実施例19において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn95Sb5に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子24を作製した。
<実施例25>
実施例19において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn97Cu3に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子25を作製した。
<実施例26>
実施例19において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からBi58Sn42に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子26を作製した。
<実施例27>
実施例19において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からIn52Sn48に変更した以外は実施例19と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子27を作製した。
<実施例28>
実施例2において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn63Pb37に変更した以外は実施例2と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子28を作製した。
<実施例29>
実施例2において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn50Pb50に変更した以外は実施例2と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子29を作製した。
<実施例30>
実施例2において、銅線をコーティングしているはんだをSn96.5Ag3Cu0.5からSn62Pb36Ag2に変更した以外は実施例2と同様にして、所望のはんだに接続された電極が形成された太陽電池素子30を作製した。
<比較例1>
実施例1において、出力取出し電極135を形成するための組成物においてリン含有銅合金粒子Cu7Pから銀粒子(Ag)に変更し、且つフラックスとして塩化亜鉛5部および塩化アンモニウム5部を含む塩酸水溶液からロジン20部を含むIPAに変更し、電極用ペースト組成物の熱処理温度を600℃から800℃に変更した以外は実施例1と同様にして、太陽電池素子C1を作製した。
<比較例2>
実施例1において、フラックスとして塩化亜鉛5部および塩化アンモニウム5部を含む塩酸水溶液からグリセリンに変更した以外は実施例1と同様にして、太陽電池素子C32を作製した。
<評価>
作製した太陽電池素子の評価は、擬似太陽光として(株)ワコム電創製WXS−155S−10、電流−電圧(I−V)評価測定器としてI−V CURVE TRACER MP−160(EKO INSTRUMENT社製)の測定装置を組み合わせて行った。太陽電池としての発電性能についての各測定値を、比較例1Cの測定値を100.0とした相対値として表2に示した。なお、太陽電池としての発電性能を示すEff(変換効率)、FF(フィルファクター)、Voc(開放電圧)およびJsc(短絡電流)は、それぞれJIS−C−8912、JIS−C−8913およびJIS−C−8914に準拠して測定を行なうことで得られたものである。
尚、比較例2においては、出力取出し電極をタブ線に接続することができず、したがって評価不能であった。

実施例1〜30で作製した太陽電池素子の性能は、比較例1で作製した太陽電池素子の性能と比べほぼ同等またはそれ以上であった。
<実施例31>
上記で得られた電極用ペースト組成物Cu7PG1を用いて、実施例1と同様にして図4A及び図4Bに示したような構造を有する太陽電池素子31を作製した。
得られた太陽電池素子について上記と同様にして評価したところ、上記と同様に良好な特性を示すことが分かった。
1 p型シリコン基板からなるセルウェハ
2 集電用グリッド電極
3 n型半導体層
4 スルーホール電極
5 高濃度ドープ層
6 裏面電極
7 裏面電極
130 半導体基板
131 拡散層
132 反射防止層
133 受光面電極
134 集電電極
135 出力取出し電極
136 電極成分拡散層

Claims (10)

  1. シリコン基板と、
    前記シリコン基板上に設けられた、リン含有銅合金粒子とガラス粒子と溶剤と樹脂とを含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、
    前記電極上に設けられた、フラックスを含有するはんだ層と、
    を有する素子。
  2. 前記フラックスが、ハロゲン化物、無機酸、有機酸、およびロジンから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の素子。
  3. 前記ハロゲン化物が、塩化物および臭化物から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の素子。
  4. 前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸およびホウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む請求項2に記載の素子。
  5. 前記有機酸が、カルボン酸を含む請求項2に記載の素子。
  6. 前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸およびシュウ酸から選ばれる少なくとも1種を含む請求項5に記載の素子。
  7. 前記フラックスが、ロジンを5質量%以上含有する、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の素子。
  8. 前記はんだ層が、錫を42質量%以上含有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の素子。
  9. 前記シリコン基板が不純物拡散層を有しpn接合されてなり、前記不純物拡散層の上に前記電極を有する太陽電池に用いる請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の素子。
  10. 請求項9に記載の太陽電池に用いる素子と、
    前記素子の電極のはんだ層に接続されたタブ線と、
    を有する太陽電池。
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