JPWO2013012064A1 - フィードバック回路及び電力調整装置 - Google Patents

フィードバック回路及び電力調整装置 Download PDF

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Abstract

フィードバック回路31は、充電装置20から二次電池39への充電電力及び二次電池39から負荷装置40への放電電力が伝送される共通の電力伝送経路1に充電電力が伝送されるときは充電用電力上限値Plim1で充電電力値P1を制限し、放電電力が伝送されるときは放電用電力上限値Plim2で放電電力値P2を制限する制限回路36を備える。

Description

本発明は、電力調整装置に用いられるフィードバック回路及びそれを用いる電力調整装置に関する。
近年、二次電池を利用することで、エネルギの有効活用を行うことが考えられている。例えば、環境に優しいクリーンエネルギとして太陽電池モジュールの開発が盛んに行なわれているが、太陽光を電力に変換する太陽電池モジュールは蓄電機能を備えていないため、二次電池と組み合わせて使用されることがある。
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、太陽電池と、この太陽電池で充電される複数の二次電池と、各々の二次電池と太陽電池との間に接続されて二次電池の充電を制御する充電スイッチと、各々の二次電池と負荷との間に接続してなる放電スイッチと、充電スイッチと放電スイッチとを制御する制御回路とを備える太陽電池の電源装置が開示されている。ここでは、制御回路が、複数の充電スイッチを制御して充電する二次電池の優先順位を特定し、優先順位の高い二次電池を優先順位の低い二次電池よりも先に充電し、優先順位の高い二次電池が所定容量充電されると、優先順位の低い二次電池を充電するようにしてなることが開示されている。
特開2003−111301号公報
ところで、一般的に、二次電池に対する充電電力の上限電力値及び放電電力の上限電力値は異なる。そこで、充電電力経路と放電電力経路を単純に共通の伝送経路にした場合には、充電電力と放電電力の低い方の電力上限値を充電電力の上限電力値及び放電電力の電力上限値と設定することとなる。このため、充電電力と放電電力の高い方の電力上限値を最大限に活用することができない可能性がある。これに対し、二次電池に対する充電電力経路と放電電力経路とを別々の経路に分ければ、それぞれに上限電力値の設定が可能であるが、経路数が増えると周辺回路の構成等が複雑になる可能性もあり、また、コスト増大にも繋がる可能性もある。
本発明の目的は、二次電池の能力を最大限に活用しつつ、二次電池に対する充電電力及び放電電力の伝送経路を共通とすることを可能とするフィードバック回路、及び、これを用いる電力調整装置を提供することである。
本発明に係るフィードバック回路は、充電装置から二次電池への充電電力及び二次電池から負荷装置への放電電力が伝送される共通の電力伝送経路に充電電力が伝送されるときは充電用電力上限値で充電電力値を制限し、共通の電力伝送経路に放電電力が伝送されるときは放電用電力上限値で放電電力値を制限する制限回路を備える。
また、本発明に係る電力調整装置は、上記フィードバック回路と、充電用電力上限値及び放電用電力上限値をそれぞれ設定する設定回路と、を備える。
本発明によれば、充電電力及び放電電力の共通の伝送経路において、充電電力及び放電電力についてそれぞれ異なる電力上限値で制限することができる。これにより、充電電力及び放電電力についてのそれぞれの電力上限値を最大限に活用しつつ、二次電池に対する充電電力及び放電電力の伝送経路を共通とすることができる。
本発明に係る実施の形態において、電力調整装置の蓄電システムを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、フィードバック回路の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、制御部の動作手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、設定回路の動作手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、スイッチ回路の双方向性を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、蓄電システムの変形例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、蓄電システムの変形例のフィードバック回路の構成を示す図である。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。また、以下では、全ての図面において、同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、電力調整装置30を含む蓄電システム10を示す図である。蓄電システム10は、充電装置20と、制御装置25と、電力調整装置30を含む蓄電装置28と、負荷装置40とを備える。蓄電システム10は、充電装置20から負荷装置40に供給される電力値を調整する。なお、電力調整装置30は、電力伝送経路1を流れる充電電力値P1、放電電力値P2の充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を設定するが、詳細な説明については後述する。
最初に、蓄電システム10の各電力伝送経路について説明する。
電力伝送経路1は、充電装置20から蓄電装置28の二次電池39に充電電力を供給するための経路であり、二次電池39から負荷装置40に放電電力を供給するための経路でもある。すなわち、電力伝送経路1は、充電電力及び放電電力を伝送する共通の伝送経路である。電力伝送経路1は、蓄電装置28の端子5と、蓄電装置28の端子7とを接続する。
電力伝送経路2は、充電装置20の太陽電池モジュール11から蓄電装置28及び負荷装置40側に電力を供給するための経路である。電力伝送経路2は、充電装置20の経路切替回路13と、接続点6とを接続する。
電力伝送経路3は、充電装置20の系統電力源14から蓄電装置28及び負荷装置40側へ電力を供給するための経路である。電力伝送経路3は、充電装置20のAC/DC変換回路16と、接続点6とを接続する。
電力伝送経路4は、充電装置20及び蓄電装置28から負荷装置40への電力を供給するための経路である。電力伝送経路4は、スイッチ回路42を介して負荷44と接続点6とを接続する。
続いて、蓄電システム10の各構成について説明する。充電装置20は、太陽電池モジュール11と、直並列切替回路12と、経路切替回路13と、系統電力源14と、DC/AC変換回路15と、AC/DC変換回路16と、スイッチ回路17と、スイッチ回路18とを備える。充電装置20は、太陽電池モジュール11、系統電力源14の電力を蓄電装置28及び負荷装置40側に供給する。
太陽電池モジュール11は、入射された太陽光を電力に変換する電力機器である。太陽電池モジュール11は、太陽光を直流電力に変換する2つの光電変換部111,112を含む。
直並列切替回路12は、2つの光電変換部111,112についての接続関係を直列接続または並列接続に切り替える回路である。
経路切替回路13は、太陽電池モジュール11の直流電力を蓄電装置28及び負荷装置40側へ供給するか、系統電力源14側へ供給するか、を切り替える回路である。
系統電力源14は、電力会社等が保有する商用の配電線網を用いて電力を供給するための電力設備である。
DC/AC変換回路15は、経路切替回路13と系統電力源14との間に配置される電力変換回路である。DC/AC変換回路15によって、太陽電池モジュール11の直流電力を交流電力に変換して系統電力源14に逆潮流させることができる。
AC/DC変換回路16は、スイッチ回路18と系統電力源14との間に配置される電力変換回路である。AC/DC変換回路16によって、系統電力源14から供給された交流電力を直流電力に変換し、蓄電装置28及び負荷装置40側に供給することができる。
スイッチ回路17は、制御装置25の制御によって電力伝送経路2を遮断または接続する回路である。スイッチ回路18は、制御装置25の制御によって電力伝送経路3を遮断または接続する回路である。
負荷装置40は、スイッチ回路42と、負荷44とを備える。スイッチ回路42は、制御装置25の制御によって電力伝送経路4を遮断または接続する回路である。負荷44は、直流電力で動作する照明機器等である。
制御装置25は、蓄電システム10を構成する各要素の動作を制御する。制御装置25は、外部からの設定情報等に基づいて、光電変換部111,112について、直列接続または並列接続のいずれかに切り替えるための切替信号を、直並列切替回路12に出力する。また、制御装置25は、外部からの設定情報等に基づいて、直並列切替回路12の出力をDC/AC変換回路15またはスイッチ回路17のいずれか一方に供給されるように切り替えるための切替信号を、経路切替回路13に出力する。
また、制御装置25は、外部からの設定情報等に基づいて、スイッチ回路17,18,42のスイッチング制御を行う。例えば、制御装置25は、太陽電池モジュール11からの電力を蓄電装置28及び負荷装置40側に供給させる場合には、スイッチ回路17、スイッチ回路42をオンし、スイッチ回路18をオフするように、制御信号を出力する。また、制御装置25は、例えば、系統電力源14からの電力を蓄電装置28及び負荷装置40側に供給させる場合には、スイッチ回路18、スイッチ回路42をオンし、スイッチ回路17をオフするように、制御信号を出力する。また、制御装置25は、充電装置20の状態及び負荷装置40の状態に応じて電力調整装置30の機能を制御する。
蓄電装置28は、電力調整装置30と二次電池39とを備える。ここで、二次電池39は、太陽電池モジュール11または系統電力源14からの充電電力によって充電される蓄電池である。そして、二次電池39から放電された放電電力は、負荷装置40の負荷44に供給される。
電力調整装置30は、フィードバック回路31と、設定回路32とを備える。ここでは、まずフィードバック回路31について説明した後で、設定回路32について説明する。
フィードバック回路31は、二次電池39に対する充電電力及び放電電力についての電力センサ33と、制限回路34と、スイッチ回路35とを備える。フィードバック回路31は、二次電池39に対する充電電力の電力値を示す充電電力値P1及び放電電力の電力値を示す放電電力値P2が、それぞれ対応する充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を超えないようにフィードバック制御を行う。
図2は、フィードバック回路31の構成を示す図である。
電力センサ33は、二次電池39と、スイッチ回路35と、制限回路34の増幅回路342との間に配置され、電力伝送経路1における充電電力値P1及び充電電力値P2を常時検出する検出部である。また、電力センサ33によって検出された電力値は、制限回路34の増幅回路342に供給される。
スイッチ回路35は、電力伝送経路1を遮断または接続する回路である。すなわち、スイッチ回路35がオンのときは電力伝送経路1を接続し、スイッチ回路35がオフのときは電力伝送経路1を遮断する。スイッチ回路35の具体的な構成等については後述する。
制限回路34は、増幅回路342と、A/D変換回路344と、制御部346と、レベルシフト回路348とを備える。
増幅回路342は、電力センサ33とA/D変換回路344との間に配置される回路である。また、増幅回路342は、電力センサ33によって検出された電力値を増幅し、A/D変換回路344へと供給する。
A/D変換回路344は、増幅回路342と制御部346との間に配置される回路である。また、A/D変換回路344は、増幅回路342によって増幅された電力値を、アナログ値からデジタル値へと変換して制御部346へ供給する。なお、A/D変換回路344のビット数は、例えば、12ビットであり、後述するA/D変換回路363に比べて分解能が高く、より高精度なA/D変換を行うことができる。
レベルシフト回路348は、制御部346とスイッチ回路35との間に配置される回路である。また、レベルシフト回路348は、制御部346から供給された出力信号のレベル変換を行い、スイッチ回路35のオンまたはオフのための制御信号としてスイッチ回路35へ供給する。
制御部346は、A/D変換回路344の出力と設定回路32から入力される充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を入力信号とする。そして、制御部346は、スイッチ回路35の制御信号の元となる信号をレベルシフト回路348に出力する。制御部346は、電力センサ33、増幅回路342、A/D変換回路344、制御部346、レベルシフト回路348及びスイッチ回路35を接続するフィードバック経路を用い、充電電力値P1及び放電電力値P2が、設定回路32によって設定された充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を超えないようにスイッチ回路35のスイッチング制御を行う制御回路である。なお、制御部346は、例えば、CPUを用いて構成することができるが、もちろん、その他の回路を用いて構成してもよい。例えば、組み合わせ回路を用いて構成することもできる。
ここで、制御部346の動作について、図3を用いて説明する。図3は、制御部346の動作手順を示すフローチャートである。
制御部346は、電力センサ33から取得する検出信号に基づいて、電力伝送経路1を流れる電力値が、充電電力値P1であるか否かを判断する(S2)。なお、制御部346は、S2の処理を行う前に、スイッチ回路35をオンさせるための信号を出力する。ここで、例えば、充電電力が流れる方向が正の値となるように電力センサ33を設定すると、充電電力とは反対方向に流れる放電電力が負の値として検出されるため、充電電力値P1と放電電力値P2の区別を行うことができる。
S2の工程において、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1であると判断したときは、充電用電力上限値Plim1>充電電力値P1であるか否かを判断する(S4)。
そして、S4の工程において、充電用電力上限値Plim1>充電電力値P1であると判断した場合には、スイッチ回路35を常時オンさせるための信号を出力する(S8)。
また、S4の工程において、充電用電力上限値Plim1>充電電力値P1でないと判断した場合には、Plim1/P1のDuty比でスイッチ回路35のオンまたはオフを繰り返させるための信号を出力する(S10)。
S2の工程において、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1でないと判断したときは、電力伝送経路1を流れる電力値は放電電力値P2であるので、放電用電力上限値Plim2>放電電力値P2であるか否かを判断する(S6)。
そして、S6の工程において、放電用電力上限値Plim2>放電電力値P2であると判断した場合には、S8の工程へと進む。
また、S6の工程において、放電電力上限値Plim2>放電電力値P2でないと判断した場合には、Plim2/P2のDuty比でスイッチ回路35のオンまたはオフを繰り返させるための信号を出力する(S12)。
S8の工程とS10の工程とS12の工程の後は、それぞれリターン処理を介してS2へ戻る。このように、制御部346によれば、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1、放電電力値P2のいずれであるかを判断することができる。そして、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1と判断し、充電電力値P1が充電用電力上限値Plim1を超えた場合には、充電用電力上限値Plim1となるまでDuty比を適宜変更するフィードバック制御を行うことで、充電電力値P1が充電用電力上限値Plim1以下となるように制限する。また、電力伝送経路1を流れる電力値が放電電力値P2と判断し、放電電力値P2が放電用電力上限値Plim2を超えた場合には、放電用電力上限値Plim2となるまでDuty比を適宜変更するフィードバック制御を行うことで、放電電力値P2が放電用電力上限値Plim2以下となるように制限する。なお、設定回路32によって充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2が変更された場合には、変更後の電力上限値Plim1,Plim2によって上記各工程を実行する。
次に、設定回路32について説明する。設定回路32は、二次電池39の能力を超えないように充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を設定する。また、設定回路32は、二次電池39の蓄電状態を示すSOC(State of Charge)、二次電池39の温度、二次電池39の劣化程度等を取得する。そして、設定回路32は、二次電池39から取得したSOC等に基づいて、二次電池39に対する充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を変更する。設定回路32によって設定された充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2は、制限回路34の制御部346に伝送される。
ここで、設定回路32の動作について、図4を用いて説明する。図4は、設定回路32の動作手順を示すフローチャートである。
最初に、設定回路32は、Plim2>Plim1の関係を満たすように充電用電力上限値Plim1と放電用電力上限値Plim2を初期設定する(S20)。
次に、二次電池39のSOCが予め定められた基準値Aよりも大きいか否かを判断する(S22)。基準値Aは、二次電池39の過充電限度等に基づいて設定される。S22の工程において、二次電池39のSOCが基準値Aよりも大きくないと判断すれば、S24の工程へと進む。
S22の工程において、二次電池39のSOCが基準値Aよりも大きいと判断すれば、過充電となることを防止するために、充電用電力上限値Plim1を小さくし、放電用電力上限値Plim2を大きくする(S26)。S26の工程の後は、リターン処理を介してS22の工程へと戻る。S26の工程により、二次電池39が過充電状態となることを防止することができる。
S24の工程では、二次電池39のSOCが基準値Bよりも小さいか否かを判断する(S24)。基準値Bは、二次電池39の過放電限度等に基づいて定められる。S24の工程において、二次電池39のSOCが基準値Bよりも小さくないと判断すれば、リターン処理を介してS22の工程へと戻る。
S24の工程において、二次電池39のSOCが基準値Bよりも小さいと判断すれば、過放電となることを防止するために、Plim2>Plim1の関係を満たしつつ、充電用電力上限値Plim1を大きくし、放電用電力上限値Plim2を小さくする(S28)。S28の工程の後は、リターン処理を介してS22の工程へと戻る。S28の工程により、二次電池39が過放電状態となることを防止することができる。
上記のように、設定回路32によれば、充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を異なる値に設定できるとともに、二次電池39のSOCの値に応じて、充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を変更することもできる。
次に、スイッチ回路35について説明する。スイッチ回路35は、電力センサ33と、端子7とを接続し、電力伝送経路1を遮断または接続する。すなわち、スイッチ回路35がオンのときは電力伝送経路1を接続し、スイッチ回路35がオフのときは電力伝送経路1を遮断する。
図5は、スイッチ回路35の双方向性を示す図である。スイッチ回路35は、トランジスタ351と、スイッチ部352と、電力源353と、トランジスタ354と、スイッチ部355と、電力源356とを備える。
トランジスタ351は、電力センサ33と端子7との間においてトランジスタ354と直列に接続されて設けられる。トランジスタ351は、パワーMOSFETを用いて構成されるnチャネルトランジスタである。ここで、トランジスタ351のボディーダイオード351aのカソード端子は、トランジスタ354のボディーダイオード354aのカソード端子と接続される。
スイッチ部352は、電力源353とトランジスタ351の間に配置される。スイッチ部352は、レベルシフト回路348からの制御信号によってオンまたはオフされる制御がなされる。そして、スイッチ部352がオンされたときに、電力源353の電力値がトランジスタ351のゲート−ソース間に与えられる。
なお、トランジスタ354と、スイッチ部355と、電力源356は、それぞれトランジスタ351と、スイッチ部352と、電力源353と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、スイッチ回路35の動作について述べると、レベルシフト回路348からのオンオフ制御信号によってスイッチ部352及びスイッチ部355はオンオフする。
具体的には、充電装置20から二次電池39へ充電電力が流れる場合には、トランジスタ354がオフしトランジスタ351がオンするように制御される。これにより、トランジスタ354のボディーダイオード354aとトランジスタ351のドレイン−ソースを介して充電電力が流れることとなる。一方、二次電池39から負荷44に放電電力が流れる場合には、トランジスタ351がオフしトランジスタ354は、オンするように制御される。これにより、トランジスタ351のボディーダイオード351aとトランジスタ354のドレイン−ソースを介して放電電力が流れることとなる。このように、スイッチ回路35では双方向に電力が流れる。
また、レベルシフト回路348からスイッチ部352及びスイッチ部355に対してそれぞれオフ制御信号が出力されると、スイッチ部352及びスイッチ部355はオフする。これにより、電力源353、電力源356の出力電力がそれぞれトランジスタ351、トランジスタ354のゲート−ソース間が与えられないためトランジスタ351、トランジスタ354がオフする。すなわち、スイッチ回路35がオフすることにより、二次電池39に対する放電電力及び充電電力が流れる共通の電力伝送経路1が遮断される。
続いて、上記構成の蓄電システム10の作用について説明する。
一般的に、二次電池39に対する充電電力値、放電電力値についての充電電力の上限電力値及び放電電力の上限電力値は異なる。ここで、従来技術では、二次電池39に対する充電電力経路と放電電力経路とを別々の経路に分けて、充電電力の上限電力値及び放電電力の上限電力値が設定することが考えられるが、経路数が増えると周辺回路の構成等が複雑になる可能性もあり、また、コスト増大にも繋がる可能性もあるが、従来技術がこのような構成であったのには、次のような理由がある。例えば、充電電力経路と放電電力経路を単純に共通の電力伝送経路にした場合には、二次電池39の特性に悪影響を及ぼさないようにするために、充電電力と放電電力の低い方の電力上限値を蓄電システム10の電力上限値と設定することとなる。これにより、充電電力と放電電力の高い方の電力上限値を最大限に活用することができない可能性があるためであった。
しかしながら、図1の構成の蓄電システム10によれば、共通の電力伝送経路1に充電電力及び放電電力が伝送され、充電電力値P1、放電電力値P2のそれぞれに対して充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を異なる値で設定することができる。そして、図3を用いた制御部346の動作説明の際に述べたように、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1と判断した場合には、充電電力値P1が充電用電力上限値Plim1を超えないように制限する。また、電力伝送経路1を流れる電力値が放電電力値P2と判断した場合には、放電電力値P2が放電用電力上限値Plim2を超えないように制限する。このように、充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2はそれぞれ異なる値が設定でき、さらに、充電電力値P1、放電電力値P2がそれぞれ充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を超えないようにスイッチ回路35のスイッチング制御が行われる。これにより、充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2のそれぞれを最大限に活用しつつ、充電電力及び放電電力を共通の電力伝送経路1に伝送させることができる。したがって、経路数を削減することができ、周辺回路の構成等も単純なものにすることができる。
次に、蓄電システム10の変形例である蓄電システム10aについて説明する。図6は、蓄電システム10aを示す図である。蓄電システム10aと蓄電システム10との相違は、制限回路36であるため、以下では、制限回路36を中心に説明する。
図7は、制限回路36の構成を示す図である。制限回路36は、増幅回路361と、ローパスフィルタ362と、A/D変換回路363と、比較回路364と、D/A変換回路365と、制御部366と、レベルシフト回路367とを備える。ここで、増幅回路361と、レベルシフト回路367は、蓄電システム10の増幅回路342と、レベルシフト回路348と同じものであるため、詳細な説明は省略する。
ローパスフィルタ362は、増幅回路361とA/D変換回路363の間に配置される。ローパスフィルタ362は、増幅回路361によって増幅された電力値であるアナログ値のうち低周波数の帯域成分を通過(フィルタリング)させて、A/D変換回路363へ供給する。
A/D変換回路363は、ローパスフィルタ362と制御部366との間に配置される。A/D変換回路363は、ローパスフィルタ362によってフィルタリングされた電力値をアナログ値からデジタル値へと変換して制御部366へ供給する。なお、A/D変換回路363のビット数は10ビットであるため、上述のA/D変換回路344に比べて分解能が低くなる。このため、A/D変換精度も多少劣るので変換後の電力値がA/D変換回路344による変換後の電力値よりも粗い値となる。換言すれば、A/D変換回路363から出力される電力値は平滑電力値となる。しかし、A/D変換回路363は、A/D変換回路344に比べて分解能が低い分、安価であるためコスト的なメリットがある。
D/A変換回路365は、制御部366と比較回路364の間に配置される。制御部366から出力された基準電力値をデジタル値からアナログ値に変換して比較回路364に供給する。
比較回路364は、増幅回路361から入力される電力値と、D/A変換回路365から入力される基準電力値と、を比較する。具体的には、比較回路364は、増幅回路361から入力される電力値が、D/A変換回路365から入力される基準電力値を超える場合にはHighを出力し、当該電力値が基準電力値を超えない場合にはLowを出力する。
制御部366は、A/D変換回路363の出力と、比較回路364の出力と、設定回路32から入力される充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2と、を入力信号とする。そして、制御部366は、スイッチ回路35の制御信号の元となる信号をレベルシフト回路367に出力する。制御部366は、電力センサ33、増幅回路361、ローパスフィルタ362、A/D変換回路363、制御部366、レベルシフト回路367及びスイッチ回路35を接続するフィードバック経路を用い、充電電力値P1及び放電電力値P2が設定回路32によって設定された充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を超えないようにスイッチ回路35のスイッチング制御を行う制御回路である。なお、A/D変換回路363から出力される値は上記のように平滑電力値であるが、電力値に基づいて制御部366がフィードバック制御を行う点については、制御部346と同様であるため、具体的な制御の詳細な説明は省略する。
また、制御部366は、比較回路364の出力がHighの期間中はスイッチ回路35を強制的にオフするための停止信号を出力する。なお、制御部366は、上記D/A変換回路365へ供給するための基準電力値を出力する。ここで、当該基準電力値は、二次電池39に対する充電電力値P1、放電電力値P2が急峻に変化して充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を超えるような場合、換言すれば、A/D変換回路363では検出できないような急峻な電力変化があったことを検出するために予め求められた電力値である。
続いて、上記構成の蓄電システム10aの作用について説明する。
蓄電システム10aにおいても、蓄電システム10と同様に、制御部366の制御により、電力伝送経路1を流れる電力値が充電電力値P1と判断した場合には、充電電力値P1が充電用電力上限値Plim1を超えないように制限する。また、電力伝送経路1を流れる電力値が放電電力値P2と判断した場合には、放電電力値P2が放電用電力上限値Plim2を超えないように制限する。これにより、蓄電システム10と同様に、経路数を削減することができ、周辺回路の構成等も単純なものにすることができる。
また、蓄電システム10aにおいても、蓄電システム10と同様に、設定回路32の動作により、二次電池39のSOCが基準値Aよりも大きいと判断すれば、過充電となることを防止するために、充電用電力上限値Plim1を小さくし、放電用電力上限値Plim2を大きくする。また、二次電池39のSOCが基準値Bよりも小さいと判断すれば、過放電となることを防止するために、充電用電力上限値Plim1を大きくし、放電用電力上限値Plim2を小さくする。これにより、蓄電システム10と同様に、二次電池39に対する負担が軽減されるため二次電池39の特性の劣化を防止することができる。
蓄電システム10aでは、A/D変換回路344に比べて安価なA/D変換回路363によって変換された平滑電力値を用いて、二次電池39に対する充電電力値P1、放電電力値P2が充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を超えないようにスイッチ回路35のスイッチング制御を行っている。そして、仮に、二次電池39に対する充電電力値P1、放電電力値P2が急峻に変化して、充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を超えるような場合、換言すれば、A/D変換回路363では検出できないような急峻な電力変化があったとする。このような場合には、電力値の比較を行なう比較回路364によって充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を超えたことが検出される。これにより、比較回路364がHighへと変化してスイッチ回路35が強制的にオフされて、二次電池39への充放電が停止されるため二次電池39への負担を軽減することができる。これにより、A/D変換回路363がA/D変換回路344に比べて精度が劣る点を補うことができる。したがって、蓄電システム10aでは、コスト的なメリットを確保しつつ、二次電池39の特性の劣化を防止することができる。また、蓄電システム10aでは、比較回路364によって充電電力値P1、放電電力値P2の急峻な変化を検出するのでA/D変換回路363の時間的な分解能を下げることができ、制御部366の処理の負担を軽減することができる。なお、ここでは、D/A変換回路365と比較回路364とをあわせた一組の回路を用いてスイッチ回路35を制御するものとして説明したが、複数組の回路を用意してそれぞれ異なる閾値を検出するものとしてもよい。
なお、上記蓄電システム10,10aでは、設定回路32は、二次電池39から取得したSOCに基づいて、充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を変更するものとして説明したが、もちろん、その他の情報を用いて変更してもよい。例えば、一般的に、新品の二次電池と使用中の二次電池とを比較すると、使用中の二次電池の方が新品の二次電池に比べると充電量が小さく、充電しにくい状態となる。したがって、二次電池39の劣化状態に応じて充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を変更するものとしてもよい。また、一般的に、二次電池39の温度が低い状態では高い状態に比べて充電しにくい状態となる。したがって、二次電池39の温度に応じて充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を変更するものとしてもよい。なお、二次電池39のSOCが低い場合には、予備充電が必要な場合があり、この場合には充電用電力上限値Plim1及び放電用電力上限値Plim2を下げる必要がある。
上記以外にも、例えば、設定回路32は、蓄電システム10,10aが設置される施設の時間帯に基づいて、充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2を変更することができる。例えば、太陽電池モジュール11の発電電力が期待できる昼間は、発電電力を最大限に充電できるように充電用電力上限値Plim1を大きく設定する。また、安価な深夜電力にて充電する場合には深夜時間帯を通して、充電が完了すればよく、充電電流値P1を下げるように充電用電力上限値Plim1を設定する。なお、充電電力が小さいほど、二次電池39の特性劣化を抑制することができる。
さらに、上記蓄電システム10,10aにおいて、充電用電力上限値Plim1,放電用電力上限値Plim2の設定は設定回路32が行うものとして説明したが、制限回路34の制御部346において設定してもよく、制御装置25において設定してもよい。
そして、上記蓄電システム10,10aにおいて、電力調整装置30による調整対象は電力であるものとして説明したが、電流であってもよく、電圧であってもよい。
また、上記蓄電システム10,10aでは、充電装置20及び蓄電装置28から電力が供給される負荷は、負荷44の1つであるとして説明したが、もちろん、それ以上の負荷が接続されてもよい。また、負荷の種類はDC負荷、AC負荷のいずれであってもよい。
1,2,3,4 電力伝送経路、5 端子、6 接続点、7 端子、10,10a 蓄電システム、11 太陽電池モジュール、12 直並列切替回路、13 経路切替回路、14 系統電力源、15 DC/AC変換回路、16 AC/DC変換回路、17,18 スイッチ回路、20 充電装置、25 制御装置、26 制御回路、28 蓄電装置、30 電力調整装置、31 フィードバック回路、32 設定回路、33 電力センサ、34 制限回路、35 スイッチ回路、36 制限回路、39 二次電池、40 負荷装置、42 スイッチ回路、44 負荷、111,112 光電変換部、342 増幅回路、344 A/D変換回路、346 制御部、348 レベルシフト回路、351 トランジスタ、351a ボディーダイオード、352 スイッチ部、353 電力源、354 トランジスタ、354a ボディーダイオード、355 スイッチ部、356 電力源、361 増幅回路、362 ローパスフィルタ、363 A/D変換回路、364 比較回路、365 D/A変換回路、366 制御部、367 レベルシフト回路。

Claims (8)

  1. 充電装置から二次電池への充電電力及び前記二次電池から負荷装置への放電電力が伝送される共通の電力伝送経路に前記充電電力が伝送されるときは充電用電力上限値で充電電力値を制限し、
    前記共通の電力伝送経路に前記放電電力が伝送されるときは放電用電力上限値で放電電力値を制限する制限回路
    を備えるフィードバック回路。
  2. 請求項1に記載のフィードバック回路において、
    前記共通の電力伝送経路を遮断または接続するスイッチ回路と、
    前記共通の電力伝送経路に伝送される電力値を検出する検出部と、を備え、
    前記制限回路は、
    前記検出部によって検出された電力値が前記充電電力値の場合には、前記充電用電力上限値を超えないように前記スイッチ回路のスイッチング制御を行い、
    前記検出部によって検出された電力値が前記放電電力値の場合には、前記放電用電力上限値を超えないように前記スイッチ回路のスイッチング制御を行うフィードバック回路。
  3. 請求項2に記載のフィードバック回路において、
    前記スイッチ回路は、
    前記共通の電力伝送経路に設けられる第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタと直列接続され、ボディーダイオードの一方側端子が前記第1トランジスタのボディーダイオードの一方側端子と接続される第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタをオンまたはオフするための第1スイッチ部と、
    前記第2トランジスタをオンまたはオフするための第2スイッチ部と、
    を含むフィードバック回路。
  4. 請求項2または請求項3に記載のフィードバック回路において、
    前記制限回路は、
    前記検出部によって検出された電力値を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の出力であるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換回路と、
    前記A/D変換回路の出力に基づいて前記スイッチング制御を行う制御回路と、
    を備えるフィードバック回路。
  5. 請求項2または請求項3に記載のフィードバック回路において、
    前記制限回路は、
    前記検出部によって検出された電力値を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の出力であるアナログ値の低周波数領域を通過させるローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力であるアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換回路と、
    前記増幅回路の出力と予め定められた基準電力値とを比較する比較回路と、
    前記A/D変換回路の出力に基づいて前記スイッチング制御を行うとともに、前記比較回路の出力に基づいて前記スイッチ回路を強制的にオフさせる制御を行う制御回路と、
    を備えるフィードバック回路。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1に記載のフィードバック回路において、
    前記放電用電力上限値は、前記充電用電力上限値よりも大きいフィードバック回路。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1に記載のフィードバック回路において、
    前記放電用電力上限値及び前記充電用電力上限値は、前記二次電池の蓄電状態に応じて設定されるフィードバック回路。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1に記載のフィードバック回路と、
    前記充電用電力上限値及び前記放電用電力上限値をそれぞれ設定する設定回路と、
    を備える電力調整装置。
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