JPWO2013008447A1 - 分析装置、及び、分析方法 - Google Patents

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Abstract

検体の状態を分析する分析装置(1)であって、検体を冷却することで、検体の温度を低下させる調温部(1c)と、検体に光を照射することで、調温部(1c)により冷却された検体の少なくとも一部を加熱する光源(1a)と、光源(1a)の加熱による検体の温度変化を計測する第一温度計測部(1b)と、検体の温度変化に基づいて検体の状態を分析する分析部(1d)とを備える。例えば、第一温度計測部(1b)は、検体に超音波パルスを送信し、超音波パルスの検体からの反射波を受信する超音波プローブ(102a)と、超音波プローブ(102a)が受信した反射波の信号に基づいて検体の温度を計測する。

Description

本発明は、検体の状態を分析する分析装置、及び、分析方法に関する。
生体組織内部の吸光特性を計測する分光計測装置は、物質ごとに異なる吸光特性(光の波長と吸収率との関係)を利用して、様々な成分の濃度分布を計測することが可能であり、多方面において医療診断などに利用されている。例えば、分光計測装置は、体内の酸化ヘモグロビンの濃度分布と脱酸化ヘモグロビンの濃度分布とを計測し、腫瘍の成長に伴う新生血管の形成やヘモグロビンの酸素飽和度などを判定することができ、診断に利用される。また、分光計測装置は、血管内のプラークに含まれる脂肪の濃度を計測することができ、プラークの性状(脂肪度)の診断に利用される。
従来、生体組織内の局所的な吸光特性を計測装置が開発されている(例えば、特許文献1、及び、特許文献2)。
特許文献1に開示される装置は、特定の波長の光を生体組織に照射し、照射時と非照射時の生体内の音速変化を求めることで、各部の光の吸収率を求める。また、複数の波長の光の吸収率を同様の方式で求めることで、生体内の各領域の吸光スペクトル分布(吸光特性)を求めることも可能である。
また、特許文献2に開示される装置は、生体組織内にパルス光を照射して、瞬間的に生体組織を加熱することで、光エネルギーに基づいて発生する光音響効果によって発生した弾性波から局所的な領域の吸光特性を計測することが可能である。
米国特許出願公開第2010/0043557号明細書 米国特許第5840023号明細書
しかしながら、上述のように特定の波長の光で検体を加熱し、各部の吸光特性の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化や弾性波のエネルギーとして計測する分析装置において、検体内の光吸収率と、評価する物理量(音速の変化量や弾性波のエネルギー)との関係が変化するため、検体の状態の計測精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、検体の状態を高精度に分析することができる分析装置等を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る分析装置は、検体の状態を分析する分析装置であって、前記検体を冷却することで、前記検体の温度を低下させる調温部と、前記検体に光を照射することで、前記調温部により冷却された前記検体の少なくとも一部を加熱する光源と、前記光源の加熱による前記検体の温度変化を計測する第一温度計測部と、前記検体の温度変化に基づいて前記検体の状態を分析する分析部とを備える。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、光吸収率と、計測する物理情報との関係性を高めることで、より高精度に検体内の光吸収率の分布を計測し、より高精度に所望の成分の濃度分布を計測することが可能な分析装置を提供することができる。
図1Aは、実施の形態1に係る分析装置の概略構成の第1の例を示す図である。 図1Bは、実施の形態1に係る分析装置の機能ブロック図である。 図1Cは、実施の形態1に係る分析装置の動作を示すフローチャートである。 図2は、実施の形態1に係る分析装置の概略構成の第2の例を示す図である。 図3は、実施の形態1に係る分析装置の概略構成の第3の例を示す図である。 図4は、実施の形態1に係る分析装置の概略構成の第4の例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る分析装置の概略構成の第5の例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る光照射装置の概略構成の第1の例を示す図である。 図7は、実施の形態2に係る光照射装置の概略構成の第2の例を示す図である。 図8は、実施の形態3に係る分析装置の概略構成の例を示す図である。 図9は、実施の形態4に係る分析装置の概略構成の例を示す図である。 図10は、実施の形態5に係る分析装置の概略構成の例を示す図である。 図11は、検体の温度変化の課題を説明するための図である。 図12は、実施の形態5に係る分析装置における検体の温度変化の一例を示す図である。 図13は、実施の形態5に係る分析装置における検体の温度変化の別の一例を示す図である。 図14は、従来の分光計測装置の概略構成を示す図である。 図15は、従来の別の分光計測装置の概略構成を示す図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した分光計測装置等に関し、以下の問題が生じることを見出した。
生体組織内部の吸光特性を計測する分光計測装置は、物質ごとに異なる吸光特性(光の波長と吸収率との関係)を利用して、様々な成分の濃度分布を計測することが可能であり、多方面において医療診断などに利用されている。例えば、分光計測装置は、体内の酸化ヘモグロビンと脱酸化ヘモグロビンの濃度分布とを計測し、腫瘍の成長に伴う新生血管の形成やヘモグロビンの酸素飽和度などを判定することができ、診断に利用される。また、分光計測装置は、血管内のプラークに含まれる脂肪の濃度を計測することができ、プラークの性状(脂肪度)の診断に利用される。
このような装置は、生体組織に対する透過特性が高い波長600nm〜1500nm程度の近赤外光が用いられる。しかし、生体組織を透過した光は、生体を構成する数十μmサイズの細胞により強い散乱を繰り返しながら伝播するので多重散乱光(拡散光)となる。この拡散光は、光が伝播した全ての経路が特定されないため、生体組織内の局所的な吸光特性を得るのは困難である。
従来、生体組織内の局所的な吸光特性を計測装置が開発されている(例えば、特許文献1、及び、特許文献2)。
特許文献1に開示される装置は、特定の波長の光を生体組織に照射し、照射時と非照射時の生体内の音速変化を求めることで、各部の光の吸収率を求める。また、複数の波長の光の吸収率を同様の方式で求めることで、生体内の各領域の吸光スペクトル分布(吸光特性)を求めることも可能である。
図14は、特許文献1に開示される分光特性を用いた超音波計測装置(分光計測装置)の概略図である。
図14の分光計測装置は、光源101と、超音波計測装置102とを備える。以下で、その動作について説明する。
(1)[超音波音速計測工程(一回目)]:超音波計測装置102を用いて生体104の内部構造を計測する。超音波計測装置102は、超音波プローブ102aと、計測装置本体102bと、両者をつなぐケーブル102cとを備える。計測装置本体102bは、ケーブル102cを介して、超音波プローブ102aを振動させるための電気信号を送信する。超音波プローブ102aにて生成された超音波パルスは、生体104に照射され、生体104内の各部で反射した超音波パルスが、再び、超音波プローブ102a内で電気信号に変換されて計測装置本体102bに送信される。(超音波パルスの反射は、密度又は音速が異なる部分の境界において発生する。)計測装置本体102bでは、超音波プローブ102aからの電気信号を記憶する。
(2)[選択光加熱工程開始]:レーザ光源101aと、レーザ光源101aが生成したレーザ光を生体に導く光ファイバ101bとを備える光源101を用いて、選択加熱光105が生体104に向けて照射される。
(3)[超音波音速計測工程(二回目)]:再び、(1)と同様にして、超音波計測装置102を用いて生体104の内部構造を計測する。
(4)[音速変化計算工程]:(1)及び(3)で得られた生体104から反射してきた超音波パルス波形(電気信号)を比較し、(2)の工程の前後の生体104内各部の音速変化量を求める。
ここで、選択加熱光105は、用途に応じて最適な波長の光を選択する。
例えば、血管内のプラーク106に含まれる脂肪の濃度を計測したい場合は、脂肪の吸収率が高い1200nm程度の波長の選択加熱光を用いる。
脂肪の濃度が高いほど、選択加熱光の吸収率が高く、音速の変化量も大きくなるため、プラーク106の選択加熱光照射前後の音速を比較することで、脂肪の濃度分布を求めることが可能となる。
また、特許文献2に開示される装置では、生体組織内にパルス光を照射して、瞬間的に生体組織を加熱することで、光エネルギーに基づいて発生する光音響効果によって発生した弾性波から局所的な領域の吸光特性を計測することが可能である。
特許文献2の装置は、図15に概略図を示すように、パルス光源1501と超音波計測装置102とを備える。
以下で、その動作について説明する。
(1)[光音響波生成工程]:パルスレーザ光源1501aと、パルスレーザ光源1501aで生成したパルスレーザ光を生体に導く光ファイバ1501bとを備えるパルス光源1501を用いて、選択加熱パルス光1503が生体104に向けて照射される。これによって、選択加熱パルス光1503に対する光吸収率が高い部分にて瞬間的な発熱がおこり、温度上昇に伴う瞬間的な膨張が超音波(弾性波)を発生させる。
(2)[光音響波計測工程]:超音波プローブ102aを備えた超音波計測装置102にて生体104内の光音響波を受信し、その発生箇所と発生のエネルギーとを求めることで、生体内の光吸収率が高い部分が求まる。
特許文献1の場合(図14の場合)と同様に、選択加熱パルス光1502として、例えば1200nmの波長のパルス光を用いた場合、弾性波のエネルギーと発生位置から、脂肪度が高い血管内のプラーク106の位置と脂肪度を求めることが可能となる。
また、上記の分光計測装置は、生体への応用以外(ガス成分分析や食品などに混入した異物の検査)への展開も可能となる。また、特許文献1、2に示したように、超音波を用いた例のほかにも、熱電対や放射温度計などによって、光加熱による温度上昇を計測する例についても検討されている。
しかしながら、上述のように特定の波長の光で検体を加熱し、各部の吸光特性の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化や弾性波のエネルギーとして計測する分析装置において、検体内の光吸収率と、評価する物理量(音速の変化量や弾性波のエネルギー)との関係が変化するため、検体の状態の計測精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、検体の状態を高精度に分析することができる分析装置等を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る分析装置は、検体の状態を分析する分析装置であって、前記検体を冷却することで、前記検体の温度を低下させる調温部と、前記検体に光を照射することで、前記調温部により冷却された前記検体の少なくとも一部を加熱する光源と、前記光源の加熱による前記検体の温度変化を計測する第一温度計測部と、前記検体の温度変化に基づいて前記検体の状態を分析する分析部とを備える。
これによれば、検体を冷却することで検体の温度分布をほぼ一様にし、その状態で検体の一部を局所的に光源により加熱することができる。そして、加熱された箇所の温度を、加熱されなかった場合の当該箇所の温度との温度差に基づいて、当該箇所の状態を分析することができる。つまり、冷却により温度分布を一様にし、加熱による温度上昇を高精度に取得することができる。また、冷却により加熱前の検体の温度を低くしたことにより、加熱による温度上昇幅を大きくすることができる。さらに、冷却により検体内の血流を抑え検体内の熱量の移動を抑制することができる。その結果、当該箇所の状態を反映する情報を詳細に得ることができる。よって、検体の状態を高精度に分析することができる。
また、例えば、前記第一温度計測部は、前記検体に超音波パルスを送信し、前記超音波パルスの前記検体からの反射波を受信する超音波プローブと、前記超音波プローブが受信した前記反射波の信号に基づいて前記検体の温度を計測する超音波分析部とを有し、前記分析装置は、さらに、前記超音波プローブが受信した前記反射波の信号を記憶部に格納する格納部を備え、前記超音波分析部は、前記記億部に格納された前記反射波の信号に基づいて前記検体の温度を計測する。
これによれば、超音波の反射波の特性を利用して検体の温度を計測することができる。また、複数回受信する超音波の反射波から検体の温度を計測することで、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記第一温度計測部は、前記光源が前記検体を加熱するときに、前記検体が発生させる超音波パルスを受信する超音波プローブを有し、前記分析部は、前記検体の温度変化と、前記超音波プローブが受信した前記超音波パルスの強度とに基づいて、前記検体の状態を分析する。
これによれば、光照射による当該箇所の加熱に伴って検体が発生させる超音波を超音波プローブが受信する。この超音波の強度は、当該箇所の状態に依存して変化する。よって、検体の温度変化に加えて、加熱に伴って検体が発生させる超音波から得られる情報を用いて、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記第一温度計測部は、放射温度計である。
これによれば、検体に非接触で検体の温度を取得することにより、検体の状態を取得することができる。
また、例えば、前記調温部は、前記検体に接する位置に配置され、前記検体から熱量を吸収する熱吸収部と、前記熱吸収部に接して配置され、ペルチエを含む熱交換部と、前記熱交換部を駆動させるための駆動電力を前記熱交換部に供給する駆動電源と、前記熱交換部に接して配置され、前記熱交換部が前記検体から吸収した熱量を放熱するフィンを含む放熱部とを有する。
これによれば、検体を効率的に冷却することができる。検体を効率的に冷却することで、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記調温部は、前記検体の前記光源に近い面に接する位置に配置され、前記光を透過する材料で構成され、前記検体から熱量を吸収する熱吸収部を有し、前記光源は、前記熱吸収部を通して前記検体に光を照射する。
これによれば、光照射により加熱される箇所から熱量を吸収することで、当該箇所から周辺へ移動する熱量を少なくすることができる。よって、当該箇所以外の温度上昇を抑え、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記分析装置は、生体を前記検体とし、前記熱吸収部の温度を計測する第二温度計測部を備え、前記調温部は、さらに、前記第二温度計測部が計測した前記熱吸収部の温度に基づいて、前記熱吸収部の温度を−4℃以上、かつ、30℃以下の温度範囲内に収めるように、前記駆動電力を調節する。
これによれば、検体として生体の状態を分析することができる。当該温度範囲で計測を行うことで、生体に与える悪影響を小さくし、かつ、正確に状態を取得することができる。
また、例えば、前記光源は、互いに異なる波長を有する複数の波長成分を含む光を前記検体に照射する。
これによれば、光の波長に対応する複数の観点で生体の状態を取得することができる。
また、例えば、前記光源は、CW(continuous wave laser)光と、0.2ナノ秒以上、かつ、330ナノ秒以下のパルス幅を有する短パルス光とを、互いに異なるタイミングで前記検体に照射する。
これによれば、光照射による温度上昇と、光照射により検体が発生させる超音波との両方から得られる情報から、検体の状態を取得することができる。よって、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記分析装置は、さらに、前記光源が生成する光を導光するマルチモードファイバを備え、前記マルチモードファイバは、前記マルチモードファイバの一部に1巻き以上の巻き部を有する。
これによれば、光源が発生させる光が均一化されたものが、検体に照射されるようになる。その結果、光が照射された箇所が均一に温度上昇するようになる。よって、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記分析装置は、さらに、前記超音波プローブと前記検体との間に配置され、音響インピーダンスが(1.0〜1.4)×10kg/ms、又は、(1.6〜2.25)×10kg/msである音速熱変化部材を備える。
これによれば、超音波パルスが音速熱変化部材を通過する時間を計測することで、検体の温度を取得することができる。
また、例えば、前記第一温度計測部は、ファイバグレーティングを含む光ファイバと、前記ファイバグレーティングのピーク反射波長と、所定波長の反射率との少なくとも一方を反射特性として計測することで、前記検体の温度を計測する反射特性計測部とを有する。
これによれば、ファイバグレーティングを備えた光ファイバを反射する光の波長をモニタすることで検体の温度を取得することができる。
また、例えば、前記分析装置は、さらに、防腐剤を含む水であって、前記検体を冷却するための水を貯留する水槽を備え、前記調温部は、さらに、前記水槽内の水の温度を調節する。
これによれば、水槽に貯留された水によって検体を一様に冷却することができる。
また、例えば、前記超音波プローブは、水晶、ニオブ酸リチウム、又は、タンタル酸リチウムを含む圧電体を備える。
これによれば、透明な圧電体材料である水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどのバルク型透明圧電材料を用いた超音波プローブを用いることで、光照射により加熱される箇所に、さらに、熱吸収部を配置することが可能になる。その結果、当該箇所から周辺へ移動する熱量を少なくすることができる。よって、当該箇所以外の温度上昇を抑え、検体の状態をより高精度に分析することができる。
また、例えば、前記分析装置は、生体を前記検体とし、前記光源は、1100nm以上、かつ、1300nm以下の波長を有する光を前記検体に照射し、前記分析部は、前記検体の状態として、前記生体内の所定の部位の脂肪濃度を計測する。
これによれば、生体の脂肪が吸収しやすい波長の光を生体に対して照射することで、検体の状態として、生体の脂肪濃度を取得することができる。
また、例えば、前記調温部は、さらに、前記検体を加熱することで、前記検体の温度を上昇させる。
これによれば、検体を一様に加熱することで検体の温度分布を均一にすることができる。
また、例えば、前記調温部は、前記検体にマイクロ波を照射することで、前記検体を加熱するマイクロ波発信源を有する。
これによれば、マイクロ波により検体を一様に加熱することで検体の温度分布を均一にすることができる。
また、例えば、前記超音波プローブは、前記光源が前記検体に前記光を照射した後に、前記検体に超音波パルスを送信し、前記反射波である第一反射波を受信し、前記光源が前記検体に前記光を照射している時に、前記検体に超音波パルスを送信し、前記反射波である第二反射波を受信し、前記超音波分析部は、前記第一反射波及び前記第二反射波の信号それぞれに基づいて、前記検体の温度を前記第一温度及び前記第二温度として計測する。
これによれば、光照射により加熱される箇所について、加熱中と加熱終了後との検体の温度に基づいて、検体の状態を取得することができる。加熱終了後には、当該箇所から周辺へ熱量が移動することで急激に温度が低下するため、温度の変化量が大きい。よって、加熱中と加熱終了後との温度差が大きいため、検体の状態をより詳細に取得することができる。
また、例えば、前記超音波プローブは、前記光源が前記検体に前記光を照射した後に、前記検体からの反射波である第一反射波及び第二反射波を受信し、前記超音波分析部は、前記第一反射波及び前記第二反射波の信号それぞれに基づいて、前記検体の温度を前記第一温度及び前記第二温度として計測する。
これによれば、光照射により加熱される箇所について、加熱終了後に少なくとも2回計測される検体の温度に基づいて、検体の状態を取得することができる。加熱終了後には、当該箇所から周辺へ熱量が移動することで急激に温度が低下するため、温度の変化量が大きい。よって、加熱中と加熱終了後との温度差が大きいため、検体の状態をより詳細に取得することができる。
また、例えば、前記超音波プローブは、前記第一反射波を受信してから20秒以内に、前記第二反射波を受信する。
これによれば、個人差なく呼吸を止めることができる時間である20秒以内に2回の検体の温度計測を行うことで、呼吸による測定誤差が発生することを抑制することが可能となる。
また、例えば、前記超音波プローブは、互いに異なる波形の2つの超音波パルスを前記検体に送信し、当該2つの超音波パルスの反射波として、前記第一反射波及び前記第二反射波を受信する。
これによれば、検体の表面から浅い部分と、深い部分との両方の温度を計測することができる。よって、検体の状態をより詳細に取得することができる。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
ここで、改めて、問題の原因について詳細に検討する。
従来、特定の波長の光で検体を加熱し、各部の吸光特性の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化や弾性波のエネルギーとして計測する分光計測装置において、検体内の光吸収率と、評価する物理量(音速の変化量や弾性波のエネルギー)との関係が、検体の状態によって変化するため計測精度が低下するという問題がある。
例えば、各部の吸光特性(光吸収率)と発熱量は比例するが、光吸収率と温度上昇量は必ずしも一意に決まらない。検体の構造や材料組成によって、熱容量や熱伝導率が異なるため、発熱が多い部分から発熱が少ない部分への熱の移動量が異なる。つまり、発熱量が特に多い(光吸収率が高い)部分があっても、周囲への熱の移動が大きければ、周囲との温度差は軽減されてしまう。
また、検体の材料組成によって音速の温度変化率が異なるため、特許文献1のように音速の変化量から光吸収率を求める分光計測装置において、計測精度が低下する。
さらには、検体の材料組成によって体積膨張率、熱容量又は音速が異なるため、弾性波のエネルギーと温度上昇量との関係性も一意には決まらない。
そこで、本発明では、下記のような方法によって、高精度な分析装置を実現する。
(1)分析装置が、計測精度の低下を引き起こす上述の関係性のうち少なくとも一つの関係性を求める機能をそなえることで、分析結果の高精度化を図る。
(2)分析装置が、計測精度の低下を引き起こす上述の関係性のうち少なくとも一つの関係性のばらつき(例えば、サンプル間ばらつき、又は、位置ばらつきなど)を抑制することで、分析結果の高精度化を図る。
以下、本発明の一態様に係る分析装置について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態は、人体や動物などの生体を検体とし、血流による熱の移動を抑制することにより光吸収率と温度上昇量との関係性を高め、より高精度に検体内の光吸収率の分布を求める分析装置の例である。
図1Aは、本実施の形態に係る分析装置1の概略構成の第1の例を示す図である。図1Bは、実施の形態1に係る分析装置の機能ブロック図である。
図1Aに示すように、分析装置1は、光源101と、超音波計測装置102と、検体接触部103とを備える。
図1Bに示すように、分析装置1は、機能ブロックとして、光源1aと、第一温度計測部1bと、調温部1cと、分析部1dと、格納部1eとを備える。
光源1aは、検体に光を照射することで、調温部1cにより冷却された検体の少なくとも一部を加熱する。光源1aは、図1Aの光源101に相当する。
第一温度計測部1bは、光源1aの加熱による検体の温度変化を計測する。第一温度計測部1bは、図1Aの超音波計測装置102に相当する。
調温部1cは、検体を冷却することで、検体の温度を低下させる。調温部1cは、図1Aの検体接触部103に相当する。
分析部1dは、検体の温度変化に基づいて検体の状態を分析する。
格納部1eは、超音波計測装置102が受信した信号を記億部(不図示)に格納する。
図1Cは、本実施の形態に係る分析装置1の動作を示すフローチャートである。
(1)[生体冷却工程開始(S101)]:分析装置1は、生体より低温の状態にした検体接触部103を生体104に接触させることで、生体104の温度を低下させる。
(2)[超音波音速計測工程(一回目)(S102)]
(3)[選択光加熱工程(開始)(S103)]
(4)[超音波音速計測工程(二回目)(S104)]
(5)[音速変化計算工程(S)105]
生体冷却工程について詳細に説明する。本実施の形態に係る分析装置1は、まず、検体である生体を冷却し、血流による熱の移動を抑制する。
分析装置1は、生体が十分冷却された後、選択加熱光照射時と非照射時との検体内の音速を計測する。次に、分析装置1は、計測された音速を比較し、光照射による音速変化から、各部の光吸収率を求めることで、成分濃度の分布計測が可能となる。
また、ここでは、従来例と同様に、1100nm以上、1300nm以下の波長、より好ましくは、1200nm程度の波長の選択加熱光105を生体104に照射し、血管内のプラーク(血管内プラーク)106の脂肪度(脂肪濃度)を計測する分析装置1について説明する。
脂肪組織は、1200nm程度の波長の光吸収率が高い。生体104内の脂肪濃度が高い部分は、1200nm程度の波長の光を大きく吸収し、脂肪濃度が低い部分よりも大きな温度上昇を示す。超音波を含む音波は、媒質の温度変化に応じてその伝搬速度が変化する。よって、分析装置1は、上述に示したように、選択加熱光照射時と非照射時との超音波プローブ102aにて受信する超音波パルス信号を比較することで、生体104内部の音速変化から光吸収率の高さを求めることが可能となり、脂肪濃度を求めることが可能となる。
図14に示すような従来の分光計測装置14では、特に選択加熱光105の光吸収率が高い血管内プラーク106における発熱が、血流によって周囲に伝搬していた。このため、血流の大小によって、プラーク106の温度上昇量(音速変化量)が変化し、正確な光吸収率を求めることが難しかった。
これに対し、本実施の形態に係る分析装置1では、生体を冷やすことによって、血流量を抑え、血流による熱の伝搬を抑えることで、光吸収率と温度上昇量の関係性(比例係数)のばらつきを抑制することが可能となる。
つまり、従来の構成より高精度に光吸収率の分布を計測することが可能であり、より高精度に成分の濃度を計測することが可能な分析装置を提供することができる。
以下では、本実施の形態の分析装置1の構成について、より詳細に説明する。
まず、レーザ光源101aから出射したレーザ光を生体に導光する手段として、光ファイバを用いたが、その代わりにレンズ又はミラーによる光学系を用いてもよい。特に、光ファイバを用いることで、より小型で軽量な導光手段となるため望ましい。
また、光源101としては、レーザ光源のほかにLEDや波長フィルター付きランプなど、特定の波長の光を生成する光源を用いることが可能であるが、導光手段として光ファイバを用いる場合は、光源としてレーザ光源を用いることが望ましい。光源としてレーザ光源を用いることで、より低消費電力な分析装置を実現することが可能となる。
また、光ファイバはマルチモードファイバを用いることが望ましい。また、光ファイバは少なくとも1周以上の巻き部101cを備えていることが望ましい。これによって、より均一な光照射が可能となるため、さらに高精度に生体内の成分分布計測が可能な分析装置となる。
また、検体接触部103は、鉄、アルミ又は銅などの金属からなる材料、並びに、ダイヤモンド又はグラファイトなどの熱伝導率が高い材料であることが望ましい。これにより、生体104の温度をより高速に低下させることが可能となる。このため、分析装置として、計測速度を向上させることが可能となるため望ましい。
また、検体接触部103は、生体104との接触面積を拡大するため、生体にあわせた凹凸形状を備えることが望ましい。これにより、さらに高速な計測が可能となる。
また、調温部は、検体接触部103の他にも、検体接触部103から熱を吸収するペルチエやコンプレッサなどの熱交換部107と、熱交換部107を駆動させる駆動電源108と、熱交換部107にて検体接触部103から吸収した熱を放熱する放熱部109とを備えてもよい。
一方、調温部が熱交換部107を備えず、熱容量が大きな検体接触部103が用いられる構成の場合、熱交換部、駆動電源、放熱部などの部材を備えずに、より大きな冷却効果が得られる。そのため、より安価な分析装置を実現することが可能となる点で望ましい構成である。
一方、駆動電源108によって駆動される熱交換部107によって、検体接触部103の熱をフィン、又は、ファンとフィンを組み合わせた放熱部109に移動させることで、より軽量で、より高精度な分析装置を実現することが可能となるため望ましい。
また、サーミスタなどの温度計測部110(第一温度計測部ともいう)を検体接触部に設置し、温度計測部110によって計測した検体接触部の温度に関する情報を用いて、駆動電源108を制御することが望ましい。生体104を、より計測に適した温度とし、且つ、生体104の温度の計測ごとのばらつきを抑制することが可能となるため、より再現性の高い計測が可能となる。
また、図2に示すように、光透過率が高い検体接触部201を用いて、検体接触部201を通して生体104に選択加熱光105を照射する分析装置2としてもよい。
図1Aの分析装置1では、検体接触部103に、高い光透過性は求められなかったため、銅やアルミニウムのように安価で熱伝導率が高い材料を選択することが可能となり、安価な装置が可能となる点で望ましい構成である。
一方、図2の分析装置2では、光強度が高いために温度が上がりやすく、その結果、血流が増加しやすい部分である選択加熱光105照射面から、生体の熱を奪うため、生体内の温度をより均一に低下させることが可能となる。このため、光照射面付近から生体深部まで、検体全域の血流量を均一に低下させることが可能となる。つまり、より広範囲で高精度な成分濃度計測が可能となる。
図2の分析装置2では、検体接触部201は熱抵抗が高く、且つ、選択加熱光105の透過率が高い石英やダイヤモンドなどの材料が望ましい。特に、ダイヤモンドは熱伝導率も高く、本実施の形態における検体接触部として望ましい材料である。
また、図2の分析装置2でも分析装置1と同様に、温度計測部110を備えることで、再現性の高い計測が可能となる。
また、選択加熱光照射面から冷却する場合は、透明な温度計測部がより望ましく、放射温度計を用いることがより望ましい。これによって、生体と検体接触部の接触(接触熱抵抗)に関係なく、生体の表面温度を計測することが可能である。さらに、応答速度も速いという利点がある。
この構成によって、より均一に選択加熱光105を生体に照射することが可能となるため、より高精度な成分濃度の分布計測が可能となる。
また、図3に示すように、超音波プローブ102aと生体104との間に検体接触部301を挿入した分析装置3とすることで、図2の分析装置2より、生体104内を均一に冷却することが可能となる。よって、全域をより均一に冷却することで、高精度な計測が可能な分析装置となるため望ましい。
また、図3の分析装置3は、図1Aの分析装置1と同様に、サーミスタなどの温度計測部を備えることで、再現性の高い計測が可能となる。
しかし、図3の分析装置3では、温度変化によって音速が変化する音速熱変化部材302を、超音波プローブ102aから放射される超音波パルスが通過する箇所に設置しておくことがより望ましい。
これによって、超音波計測装置102で音速熱変化部材302を超音波パルスが通過する時間を計測するだけで、検体接触部301の温度を求めることが可能となる。
音速熱変化部材302としては、温度変化による音速変化が大きい材料が望ましい。音速熱変化部材302の材料として、例えば、ゴムや樹脂などの材料を用いることができる。このような材料は、安価で軽量な超音波プローブが可能となるため望ましい。
また、音速熱変化部材302の材料として、ガラス転移点が常温に近い材料を用いることで、温度変化による音速変化が大きく、より高精度な計測が可能となるため望ましい。
ただし、生体と超音波プローブの間に音速熱変化部材を備える場合、生体や超音波プローブと異なる音響インピーダンスの材料であることが望ましい。特に、1.4×10kg/ms以下、もしくは1.6×10kg/ms以上の材料であることが望ましい。
これによって、音速熱変化部材の生体との境界面、超音波プローブとの境界面において、より大きな超音波パルスの反射が発生するため、高精度に温度を計測することが可能となる。
また、反射をある程度以下に抑えることが望ましい。そのため、音速熱変化部材の音響インピーダンスは、(1.0〜1.4)×10kg/ms、又は、(1.6〜2.25)×10kg/msであることがより望ましく、より高感度な超音波プローブが可能となる。
例えば、ポリエチレンや、シリカ及びアクリルの混合物などを音速熱変化材料として用いることが可能である。サーミスタや放射温度計を用いる場合より、安価な温度計測手段が実現可能であり、安価な分光計測装置を提供することが可能となるため望ましい。
また、より望ましくは、図4に示すように、選択加熱光105を照射する領域内に、ファイバグレーティング401を備えた光ファイバを備えることが望ましい。
ファイバグレーティング401は、グレーティング周期によって、任意の波長の光の反射率が高くなるように設計することができる。また、ファイバグレーティング401の温度が変化することで、グレーティング部分の屈折率が変化するため、反射する光の波長が変わる。
つまり、反射する光の波長をモニタすることで温度計測手段として用いることが可能である。
また、ファイバグレーティング401を温度計測手段として用いることによって、光や超音波が通る部分に温度計測部を設置することが可能となるため、より高精度に温度の調整が可能となる。つまり、計測ごとの温度のばらつきによる計測バラつきが発生することをさらに軽減することが可能となる。
図2〜4の構成においても、駆動電源108によって駆動される熱交換部107によって、検体接触部の熱をフィン、又は、ファンとフィンを組み合わせた放熱部109に移動させることで、より軽量な分析装置を実現することが可能となるため望ましい。
また、特にペルチエからなる熱交換部とフィンのみの放熱部とを備えた構成が望ましい。その場合、より振動が少なく、高精度に計測することが可能な分析装置を実現することが可能となる。
さらに、サーミスタなどの温度計測部を検体接触部に設置し、温度計測部によって計測した検体接触部の温度に関する情報を用いて、駆動電源108を制御することが望ましい。その場合、生体104を、より計測に適した温度とし、且つ、生体104の温度の計測ごとのばらつきを抑制することが可能となるため、より再現性の高い計測が可能となる。
また、本実施の形態の分析装置は、レーザ光源101aの駆動電流や、選択加熱光105の出力をモニタリングする手段を備えることがより望ましく、生体への光加熱を開始した後、熱交換部107への駆動電流を増やし、冷却効果を増大させることが望ましい。これによって、より大きな出力の選択加熱光105を生体104に照射することが可能となるため、さらに高精度な分析装置を実現することが可能となる。
また、超音波計測装置による生体内部構造計測時の検体接触部の温度が−4℃以上となるように制御されることが望ましい。これによって、検体の皮膚の凍傷を防ぐことが可能である。
また、検体接触部の温度が15℃以上となるように制御されることがより望ましい。その場合、細胞に必要な酸素を供給することが可能となるため、長時間の計測を実施しても、体温低下による疲れを感じにくくなる。
また、検体接触部の温度が25℃以下となるように制御されることが望ましい。その場合、体温の個人差の影響を受けず、生体の冷却が可能となる。
また、図2に示すように、検体接触部201を通して選択加熱光105を照射する場合、検体接触部の温度が室温以上となるように制御されることが望ましい。検体接触部に結露が発生することを防ぐことが可能となり、結露による生体104への選択加熱光105照射不均一性を抑制することが可能となる。つまり、再現性の高い光照射が可能となり、計測ごとの精度のばらつきを抑制することが可能となる。
また、図2に示すように、検体接触部201を通して選択加熱光105を照射する場合、検体接触部の温度を30℃以下とすることが望ましい。皮膚表面の発汗による、生体104への選択加熱光105照射不均一性を抑制することが可能となるため、再現性の高い光照射が可能となり、計測ごとの精度のばらつきを抑制することが可能となる。
また、人種、性別、湿度などによる発汗温度の個体差による影響を防ぐため、被検体となる生体の発汗温度を計測した後、その温度を上回ることがないように、検体接触部201の温度を調節することが望ましい。
また、透明な圧電材料を用いた超音波プローブを用いることで、光及び超音波の両方を同一箇所から生体に照射することが可能となる。透明な圧電体材料である水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどのバルク型透明圧電材料を用いた超音波プローブを用いることで、安価に、超音波プローブと生体の接触面での光照射との両方が同時に可能となる。これによって、生体の超音波プローブ付近の光強度が、より均一で強力となり、より高精度で高感度な計測が可能となるため望ましい。
また、ZnO(酸化亜鉛)やAlN(窒化アルミニウム)などの単結晶薄膜技術を用いた透明圧電材料を用いることで、より小型な分析装置が実現可能となるため望ましい。
また、光透過特性に優れたITO(Indium tin oxide、酸化インジウムスズ)などの透明電極を用いて圧電材料に電圧を印加する超音波プローブを用いることがさらに望ましく、さらに高感度で高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、酸化亜鉛系やマグネシウムからなる透明電極を用いることがさらに望ましく、安価で、且つ高感度で高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、図5に示すように、水槽501内に水502を入れて、その中に設置した生体104に対して、選択加熱光105及び超音波プローブ102aからの超音波を照射し、生体104内で反射した超音波を再び超音波プローブ102aで計測する分析装置としてもよい。
図5の構成では、水502の温度を調節することで、生体104を冷却することが可能となる。
また、水502の温度を調節するため、図1Aに示したような調温部を備えることが望ましい。より自由な温度に調節することが可能となり、計測のバラつきを抑制することが可能となる。
また、水502の温度を15℃以上とすることがより望ましく、生体内の細胞に必要な酸素を供給することが可能な血流量が維持されるため、長時間の計測を実施しても、体温低下による疲れを感じにくくなる。
また、水502の温度を25℃以下とすることが望ましく、体温の個人差の影響を受けず、生体の冷却が可能となる。
また、ここでは、水槽501内に水を入れるとしたが、必ずしも水である必要はない。しかし、粘性の比較的低い液体であることが望ましい。粘性の比較的低い液体中では、対流による熱の移動により効果的な生体の冷却が可能となるため、高精度な成分濃度計測が可能となる。
水のほかには、例えば、エタノールであってもよい。エタノールは殺菌効果も高いため防腐剤を混ぜる必要がなく、さらに、気化熱によって大気中に放出される熱が大きいため、分析装置は、より少ないエネルギーで検体を低温に調節することが可能となる。
また、水を用いる場合は、安価な分析装置が実現できる。また、水は、屈折率、音響インピーダンス、共に、生体と同程度であり、光と超音波とを共に高効率に照射することが可能となるため望ましい。超音波プローブ102aを直接生体に押し当てることなく計測することも可能であり、超音波プローブを押し当てることによって生体の形状が変形することもない。過去の計測結果との比較においても、より高精度に比較することが可能となるため望ましい。
ただし、水を用いる場合は、防腐剤を混ぜた水とすることが望ましく、再現性の高い成分濃度計測が可能となる。
また、界面活性剤を混入させた水を用いることがより望ましく、生体表面に気泡が発生することを抑制し、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、本実施の形態の分析装置にて、生体内の成分濃度計測を行う場合、下記の条件で計測を行うことがより望ましい。
例えば、ニコチンを摂取することで、さらに、血流量を低下させることが可能である。そのため、ニコチンを摂取した状態で分光計測を行うことがより望ましく、これによって、さらに、高精度な計測が可能となる。
また、より望ましくは、喫煙や受動喫煙によってニコチンを摂取する場合、ニコチンを摂取してから一時間半以内に、分析装置が分光計測を行うことが望ましい。ニコチンによる血流量が低下した状態で計測が可能となるため、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、ニコチンパッチを用いてニコチンを摂取することによって、より局所的に血流を低下させることが可能となる。よって、より少量のニコチン摂取で高精度な成分濃度計測が可能となるため、未成年などの若年者への適用において、より望ましい方法となる。
また、消炎鎮痛剤や電気刺激などによって、血流量を低下させる方法を用いてもよい。
喫煙や受動喫煙による血流量低下は、より安価な実現手段であるが、血流低下量の調整が必要である。鎮痛剤や電気刺激による方法を用いることで、より高精度な成分濃度計測が可能となるため望ましく、さらに、高精度な計測が可能となる。
一方、カフェインは、血流を増加させる働きがあるため、カフェインの摂取後15分以内、または、カフェイン摂取後30分以上後に成分濃度計測を行うことがより望ましく、これによって、さらに高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、成分濃度計測を行う部分やその周辺部を加圧した状態で成分濃度計測を実施することが望ましい。加圧することで血流を抑制することが可能となるため、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
以上、本実施の形態では、音速の温度変化量から光の吸収率を求める分析装置について示したが、図15に従来例を示したような弾性波のエネルギーから光の吸収率を求める分析装置においても同様に、検体である生体を冷却した状態で成分濃度を計測することによって、血流による熱の移動を抑制することができ、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、図1A、図2、図3及び図4に示した分析装置のレーザ光源101aをパルスレーザ光源301aに置き換えることで、弾性波のエネルギーから光の吸収率を求める分析装置が可能であり、同様の構成で同様の効果が得られる。
また、図示しないが、パルス光とCW(continuous wave laser)光の両方の駆動が可能な光源を備えた分析装置や、パルス光源及びCW光源の2つの光源を備えた分析装置では、光加熱による温度上昇量を音速変化と弾性波エネルギーとの両方を計測することが可能であり、さらに高精度の成分濃度計測が可能となるため望ましい。
また、パルス光の光強度を調節することが可能なパルス光源を用いることがより望ましい。その場合、非線形吸光特性を求めることも可能となるため、さらに高精度の成分濃度計測が可能となる。
また、本実施の形態では脂肪の濃度を計測する分析装置の例について示したが、それだけでなく、光加熱現象を応用したすべての成分濃度計測に適用することが可能である。例えば、波長650nm〜800nmの波長の光を用いて、ヘモグロビンの酸素飽和度(酸化ヘモグロビンの濃度と脱酸化ヘモグロビンの濃度との比)を計測する分析装置も実現可能である。また、癌と良性腫瘍との判断や、火傷の深さ診断に適用することも可能となる。
また、脂肪の濃度を計測する場合、ヘモグロビンの濃度や酸素飽和度を計測する場合など、いずれの場合においても、複数の波長の光を生成する光源を用いて、複数の波長の光の吸収率を求めることが望ましく、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、弾性波エネルギーから癌の性状診断のためのヘモグロビン酸素飽和度を計測する用途では、パルス光のパルス幅(出力全半値幅)が0.33μs以下であることが望ましく、癌の性状診断に必要な解像度が得られる。
また、弾性波エネルギーから血管内プラークの脂肪度を計測する用途では、パルス光のパルス幅が、0.07μs未満であることが望ましく、血管内プラークの性状診断に必要な解像度が得られる。
また、パルス光のパルス幅が0.2ns以上であることが望ましい。その場合、より生体の透過率が高い超音波を発生させることが可能となるため、より深い部分の成分濃度計測が可能となる。
また、本実施の形態は生体以外を対象にした分析装置に適用してもよい。例えば、食品に混入する異物の計測などにも応用することが可能となる。
また、本実施の形態では、光による加熱を超音波で計測する分析装置について示したが、本発明の分析装置は、必ずしも超音波を用いる必要はない。例えば、光加熱による温度変化を熱電対による温度計測や、放射温度計を用いて計測する分析装置においても同様の構成で、同様の効果が得られる。
また、熱電対を用いることでより安価な成分濃度計測が可能となるため望ましい。
また、放射温度計を用いることで非接触での成分濃度計測が可能となるため望ましい。
また、本実施の形態にて示したように温度上昇による音速変化を利用した分析装置は、光による加熱を、生体内の直進性に優れた安価な手段である超音波を用いて計測する。そのため、生体内部においても位置分解能に優れた安価な成分濃度(分布)計測が可能となるため望ましい。
また、温度上昇による膨張を弾性波エネルギーとして計測する分析装置は、光吸収率の差(膨張率の差)をより顕著に検出することが可能であり、安価で高コントラストな成分濃度(分布)計測が可能となるため望ましい。
また、本実施の形態では、図3及び図4において、超音波プローブと検体(生体)との間に検体接触部を備えた構成について示したが、超音波プローブの生体との接触面自体が検体接触部として、生体の熱を吸収する構成としてもよい。
(実施の形態2)
本発明は、実施の形態1に示したように、光加熱現象を利用した分析装置において有効であるが、光加熱を利用した別の装置においても効果を発揮する。
ここでは、癌組織を加熱して死滅させる癌治療を目的とした光照射装置(ハイパーサーミア)の例について説明する。
まず、ハイパーサーミアについて説明する。
癌組織は正常組織に比べて熱に弱く、例えば46℃に加熱することで、数分で死滅することが知られている。しかし、46℃では正常組織の一部も死滅してしまう。
このため、より望ましくは癌組織のみを選択的に加熱することが望まれる。例えば、仮に正常組織を42℃に抑えて、癌組織のみを46℃に加熱することができれば、正常組織を傷つけることなく癌組織のみを死滅させることが可能となる。
以下で、癌組織のみの温度をより選択的に上昇させる光照射装置2について説明する。
図6は、本実施の形態に係る光照射装置6の概略構成の第1の例を示す図である。
図6の光照射装置6は、実施の形態1の分析装置1と同様に、光源101と、検体接触部103とを備える。実施の形態1と同様に、検体接触部103で、生体603の熱を吸収し、生体603の温度を低下させた状態で、光源101にて生成された選択加熱光602を生体603に照射する。ここで、本実施の形態において、生体603は乳房や前立腺など、癌組織601を備えた部位である。
光源101は、癌組織の光吸収率が正常組織の光吸収率より高い光を生成する。例えば、波長が600nmから800nmの選択加熱光602を生成するレーザ光源やLEDを用いる。
これにより、選択加熱光602は生体603内の癌組織601を選択的に加熱することが可能となる。
通常、癌組織601から、その周辺部に向かって流れる血流によって多くの熱が運ばれるため、周辺部の温度も上昇してしまう。しかし、本実施の形態に係る光照射装置6では、生体の温度を低下させることで血流量を抑える効果を有しており、より選択的に癌組織601のみの温度を上昇させることが可能となる。これによって、癌組織601を死滅させる際に、同時に死滅させる正常組織の数を減らすことが可能となる。
図7は、本実施の形態に係る光照射装置の概略構成の第2の例(光照射装置7)を示す図である。
図7の光照射装置7は、図6の光照射装置6と同様に、癌治療を目的とした光照射装置である。
図7の光照射装置7は、光源101と、検体接触部201とを備える。光照射装置7は、検体接触部201で生体603の熱を吸収し、生体603の温度を低下させた状態で、光源101にて生成された選択加熱光602を生体603に照射する。
ここで、図6の光照射装置6と異なり、図7の光照射装置7では、選択加熱光602は検体接触部201を通して生体603に照射される。そのため、光照射装置7では検体接触部201は、選択加熱光602を透過する部材で構成されていることが望ましい。例えば、検体接触部201として、アクリル系の樹脂や石英基盤のように光透過率が高い材料を用いることで、効率よく選択加熱光602を生体603に照射することが可能となるため、より低消費電力となる。
また、検体接触部201として、ダイヤモンドのように、透明で且つ、熱伝導率が高い材料を用いることで、より生体603への冷却効果を高めることが可能となるため、より、死滅させる正常組織を減らすことが可能となる。
また、図6と同様に、検体接触部201は、熱交換部107と、駆動電源108と、放熱部109とを備えることが望ましい。これによって、さらに死滅させる正常組織を減らすことが可能となる。
図6の光照射装置6では、検体接触部103には光透過性の高さは求められなかったため、アルミや銅など安価で熱伝導率が高い材料の選択性が可能であり、安価な光照射装置が可能となる点で望ましい構成であった。
一方、図7の光照射装置7は、生体内で光強度が高く温度が上がりやすい光照射面から、生体の熱を奪うため、生体内の温度をより均一にすることが可能となる。このため、光照射面付近から検体深部まで、全域の血流量を低下させることが可能となる。特に、光照射面付近の癌組織を死滅させる場合に望ましい構成となる。また、光照射する面と検体接触部201で冷却する面が同一方向であることから、検体として厚い(大きな)生体部分にも適用することが可能となるため望ましい。
また、その他、生体内の血流量を制御するための実施の形態1の分析装置1の構成と同様の構成によって、本実施の形態の光照射装置7においては、より選択的に癌組織を死滅させることが可能となるため望ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、特定の波長の光で検体を加熱し、各部の吸光特性の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化として計測する分析装置において、各部の材料組成や構成比によって、温度変化と音速変化の間の比例係数が異なることによる計測精度の低下を抑制することを目的とする。
例えば、音速や、温度変化と音速変化との間の比例係数(音速温度変化係数)は、物質によって異なる。
水中を伝搬する音速は、24℃で1483m/s、37℃で1530m/sである。これらより、音速温度変化係数は、3.6m/s/℃である。これに対して、例えば、脂肪組織内を伝搬する音速は、24℃で1476m/s、37℃で1412m/sである。これらより、音速温度変化係数は、−4.9m/s/℃である。
また、生体内の様々な臓器については、水分や脂肪分などの濃度に応じて、それぞれ音速や音速温度変化係数が異なる。
そのため、例えば、生体内の脂肪濃度分布を計測することを目的とし、実施の形態1と同様に1200nm程度の波長の光を生体に照射し、各部の音速の変化を超音波プローブで計測する分析装置において、温度変化が脂肪濃度分布に比例したとしても、音速変化が温度変化に比例しない。つまり、脂肪以外の成分の構成割合に応じて、音速温度変化係数が場所によって異なる影響を受けてしまう。
このため、本実施の形態では、検体内の音速温度変化係数を求めることで、より高精度に光吸収率を求めることにより、より高精度に所望の成分濃度分布を計測することが可能な分析装置の例について示す。
図8は、本実施の形態に係る分析装置8の概略構成の例を示す図である。
図8に示される分析装置8は、光源101と、超音波計測装置102と、検体接触部801と、熱交換部107と、駆動電源108とを備える。
ただし、本実施の形態に係る分析装置8は、実施の形態1と異なる計測方法を用いる。
本実施の形態に係る分析装置8は、予め、生体104に超音波プローブ102aと、検体接触部801とを接触させた状態で下記の順で計測を行う。
(1)[超音波音速計測工程(一回目)]
(2)[均一加熱・冷却開始]:駆動電源108を用いて、熱交換部107による生体104の加熱(又は、冷却)を開始する。
(3)[超音波音速計測工程(二回目)]
(4)[選択光加熱開始]
(5)[超音波音速計測工程(三回目)]
(6)[音速変化計算(一回目)]:(1)と(3)で得られた生体104から反射してきた超音波パルス波形(電気信号)を比較し、(2)の工程の前後の生体104内各部の音速変化量を求める。
(7)[音速変化計算(二回目)]:(3)と(5)で得られた生体104から反射してきた超音波パルス波形(電気信号)を比較し、(2)の工程の前後の生体104内各部の音速変化量を求める。
(8)[温度上昇量計算]:(6)の結果から、生体104内の各位置の音速温度変化係数を求めて、(7)の結果と、音速温度変化係数から生体104内の各位置の温度上昇量を求める。
本実施の形態に係る分析装置8では、以上で示したように、少なくとも三回の超音波音速計測を実施する。
まず、(1)〜(3)、(6)に示すように、検体接触部801と、駆動電源108と、熱交換部107とを用いた生体104の加熱時及び非加熱時(又は、冷却時及び非冷却時)における、生体104内から反射した超音波パルス信号を比較する。上記加熱(冷却)方法を用いた生体104の温度変化は、生体104内の各部分の組成やその濃度に無関係であるので、生体104内の各部分の温度を均一に加熱(冷却)することが可能となる。
つまり、均一非加熱(均一非冷却)時で、且つ、非選択加熱時である超音波音速計測(一回目)と、均一加熱(均一冷却)時で、且つ、非選択加熱時である超音波音速計測(二回目)との生体104内の各部分の音速を比較することで、音速温度変化係数を求める。
次に、(3)〜(5)、(7)に示すように、均一加熱(均一冷却)時で、且つ、選択加熱光照射時の超音波音速計測(二回目)と、均一加熱(均一冷却)時で、且つ、選択加熱光非照射時の超音波音速計測(三回目)との生体104内から反射した超音波パルス信号を比較する。特定波長の光を照射し、所望の材料濃度に応じた発熱(温度上昇)分布を発生させて、各部の温度変化による音速変化を求める。
このように、本実施の形態に係る分析装置8は、音速温度変化係数を求める手段(工程)を備えることで、選択加熱光照射時又は非照射時の音速変化から、より実態に近い温度上昇量分布を算出することができるため、より高精度な成分濃度検出が可能となる。
ここで、サーミスタや熱電対などの温度計測部110のように、生体104の温度を計測する手段を備えることが望ましい。その場合、より高精度に音速変化係数を求めることが可能となるため、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、実施の形態1にて示したような、温度計測手段や加熱冷却手段を生体に接触させる箇所、それぞれの構成材料などの改良構成を用いることで、本実施の形態においても同様の効果を奏する。
また、本実施の形態においても、1100nm以上、1300nm以下の波長、より好ましくは、1200nm程度の波長の選択加熱光105を生体104に照射し、血管内プラーク106の脂肪度を計測することが可能となる。
また、均一加熱及び均一冷却共に、本実施の形態の効果を奏するが、均一冷却であることによって、血流を抑制することによる実施の形態1で示した効果も奏するため、均一冷却を実施することがより望ましい。
以下では、本実施の形態に係る分析装置8の構成について、より詳細に説明する。
実施の形態1と同様に、レーザ光源101aから出射したレーザ光を生体に導光する手段として、光ファイバを用いたが、その代わりにレンズ又はミラーによる光学系を用いてよい。特に、光ファイバを用いることで、より小型で軽量な導光手段となるため望ましい。
また、光源101としては、レーザ光源のほかにLEDや波長フィルター付きランプなど、特定の波長の光を生成する光源を用いることが可能である。導光手段として光ファイバを用いる場合は、光源としてレーザ光源を用いることが望ましい。より低消費電力な分析装置を実現することが可能となる。
また、光ファイバはマルチモードファイバを用いることが望ましく、光ファイバは少なくとも1周以上の巻き部101cを備えていることが望ましい。これによって、より均一な光照射が可能となるため、さらに、高精度に生体内の成分濃度計測が可能な分析装置となる。
また、検体接触部801は、鉄、アルミ又は銅などの金属からなる材料、並びに、ダイヤモンド又はグラファイトなどの熱伝導率が高い材料であることが望ましい。これにより、生体104の温度をより高速に低下させることが可能となる。このため、分析装置として、計測速度を向上させることが可能となるため望ましい。
また、検体接触部801は、生体104との接触面積を拡大するため、生体にあわせた凹凸形状を備えることが望ましく、さらに、高速な計測が可能となる。
また、実施の形態1にて図2を用いて説明したように、光透過率が高い検体接触部を用いて、検体接触部を通して生体104に選択加熱光105を照射する構成としてもよい。
これによって、光強度が高いために温度が上がりやすく、その結果、血流が増加しやすい部分である選択加熱光105照射面から、生体の熱を奪うため、生体内の温度をより均一に低下させることが可能となる。このため、光照射面付近から生体深部まで、検体全域の血流量を均一に低下させることが可能となる。つまり、より広範囲で高精度な成分濃度計測が可能となる。
ただし、図8の分析装置8では、検体接触部801に、高い光透過性は求められなかったため、銅やアルミニウムのように安価で熱伝導率が高い材料を選択することが可能となり、安価な装置が可能となる点で望ましい構成であった。
光透過率が高い検体接触部としては熱抵抗が高く、且つ、選択加熱光105の透過率が高い石英やダイヤモンドなどの材料が望ましい。特に、ダイヤモンドは熱伝導率も高く、本実施の形態における検体接触部として望ましい材料となる。
また、図8の構成と同様に、温度計測部を備えることで、さらに、再現性の高い計測が可能となる。また、選択加熱光照射面から冷却する場合は、透明な温度計測部がより望ましく、放射温度計を用いることがより望ましい。これによって、生体と検体接触部の接触(接触熱抵抗)に関係なく、生体の表面温度を計測することが可能であり、さらに、応答速度も速いため望ましい。
より均一に選択加熱光105を生体に照射することが可能となるため、より高精度な成分濃度の分布計測が可能となる。
また、実施の形態1にて図3を用いて示したように、超音波プローブ102aと生体104との間に検体接触部を挿入した構成とすることで、さらに、生体104内を均一に加熱又は冷却することが可能となるため、より高精度な計測が可能な分析装置となるためさらに望ましい。
また、図8の構成と同様に、サーミスタなどの温度計測部を備えることで、再現性の高い計測が可能となるため望ましい。
また、実施の形態1にて図3を用いて示したように、温度変化によって音速が変化する音速熱変化部材を、超音波プローブ102aから放射される超音波パルスが通過する箇所に設置しておくことがより望ましい。
これによって、超音波計測装置102で音速熱変化部材を超音波パルスが通過する時間を計測するだけで、検体接触部の温度を求めることが可能となる。
音速熱変化部材の例としては、実施の形態1と同様に、温度変化による音速変化が大きい材料が望ましい。音速熱変化部材の材料として、例えば、ゴムや樹脂などの材料を用いることで安価で、軽量な超音波プローブが可能となるため望ましい。
また、音速熱変化部材の材料として、ガラス転移点が常温に近い材料を用いることで、温度変化による音速変化が大きく、より高精度な計測が可能となるため望ましい。
ただし、生体と超音波プローブとの間に音速熱変化部材を備える場合、生体や超音波プローブと異なる音響インピーダンスの材料であることが望ましく、特に、1.4×10kg/ms以下、もしくは1.6×10kg/ms以上の材料であることが望ましい。
これによって、音速熱変化部材の生体との境界面、及び、超音波プローブとの境界面において、より大きな超音波パルスの反射が発生するため、高精度に温度を計測することが可能となる。
また、反射をある程度以下に抑えることが望ましく、音速熱変化部材の音響インピーダンスは(1.0〜1.4)×10kg/ms、又は、(1.6〜2.25)×10kg/msであることがより望ましく、より高感度な超音波プローブが可能となる。
例えば、ポリエチレンや、シリカ及びアクリルの混合物などを音速熱変化材料として用いることが可能である。
サーミスタや放射温度計を用いる場合より、安価な温度計測手段が実現可能であり、安価な分析装置を提供することが可能となるため望ましい。
また、より望ましくは、実施の形態1において図4を用いて示したように、選択加熱光を照射する領域内に、ファイバグレーティングを備えた光ファイバを備えることが望ましい。反射する光の波長をモニタすることで温度計測手段として用いることが可能となる。
また、ファイバグレーティングを温度計測手段として用いることによって、光や超音波が通る部分に温度計測手段を設置することが可能となるため、より高精度に温度の調整が可能となる。つまり、計測ごとの温度のばらつきによる計測のばらつきが発生することをさらに軽減することが可能となる。
また、超音波計測装置による生体内部構造計測時の検体接触部の温度が−4℃以上となるように制御されることが望ましい。これによって、皮膚の凍傷を防ぐことが可能である。
また、検体接触部の温度が15℃以上となるように制御されることがより望ましい。その場合、細胞に必要な酸素を供給することが可能となるため、長時間の計測を実施しても、体温低下による疲れを感じにくくなる。
また、検体接触部の温度が25℃以下となるように制御されることが望ましい。その場合、体温の個人差の影響を受けず、生体の冷却が可能となる。
また、検体接触部を通して選択加熱光を照射する場合、検体接触部の温度が室温以上となるように制御されることが望ましい。検体接触部に結露が発生することを防ぐことが可能となり、結露による生体への選択加熱光照射不均一性を抑制することが可能となる。つまり、再現性の高い光照射が可能となり、計測ごとの精度のばらつきを抑制することが可能となる。また、この場合、検体接触部の温度が30℃以下となるように制御されることが望ましい。皮膚表面の発汗による、生体への選択加熱光照射不均一性を抑制することが可能となるため、再現性の高い光照射が可能となり、計測ごとの精度のばらつきを抑制することが可能となる。
また、人種、性別、湿度などによる発汗温度の個体差による影響を防ぐため、被検体となる生体の発汗温度を計測した後、その温度を上回ることがないように、検体接触部の温度を調節することが望ましい。
また、透明な圧電材料を用いた超音波プローブを用いることで、光及び超音波の両方を同一箇所から生体に照射することが可能となる。透明な圧電体材料である水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどのバルク型透明圧電材料を用いた超音波プローブを用いることで、安価に、超音波プローブと生体の接触面での光照射との両方が同時に可能となる。これによって、生体の超音波プローブ付近の光強度が、より均一で強力となり、より高精度で高感度な計測が可能となるため望ましい。
また、ZnOやAINなどの単結晶薄膜技術を用いた透明圧電材料を用いることで、より小型な分析装置が実現可能となるため望ましい。
また、光透過特性に優れたITOなどの透明電極を用いて圧電材料に電圧を印加する超音波プローブを用いることがさらに望ましいく、さらに高感度で高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、酸化亜鉛系やマグネシウムからなる透明電極を用いることがさらに望ましく、安価で、且つ高感度で高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、実施の形態1にて図5を用いて示したように、水槽内の温度制御された水の中に設置した生体に対して、選択加熱光を照射し、超音波プローブを用いた超音波パルスの送受信を行うことが望ましく、より生体全体を均一な温度に保つことが可能となり、音速温度変化係数をさらに高精度に計測することが可能となり、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、水の温度を15℃以上とすることがより望ましく、生体内の細胞に必要な酸素を供給することが可能な血流量が維持されるため、長時間の計測を実施しても、体温低下による疲れを感じにくくなる。
また、水の温度を25℃以下とすることが望ましく、体温の個人差の影響を受けず、生体の冷却が可能となる。
また、ここでは、水を用いたが、必ずしも水である必要はない。しかし、粘性の比較的低い液体であることが望ましい。粘性の比較的低い液体中では、対流による熱の移動により効果的な生体の冷却が可能となるため、高精度な成分濃度計測が可能となる。
水のほかには、例えば、エタノールであってもよい。エタノールは殺菌効果も高いため防腐剤を混ぜる必要がない。
また、水を用いる場合は、安価な分析装置が実現できる。また、水は、屈折率、音響インピーダンス、共に、生体と同程度であり、光と超音波とを共に高効率に照射することが可能となるため望ましい。超音波プローブ102aを直接生体に押し当てることなく計測することも可能であり、超音波プローブを押し当てることによって生体の形状が変形することもない。過去の計測結果との比較においても、より高精度に比較することが可能となるため望ましい。
ただし、水を用いる場合は、防腐剤を混ぜた水とすることが望ましく、再現性の高い成分濃度計測が可能となる。
また、界面活性剤を混入させた水を用いることがより望ましく、生体表面に気泡が発生することを抑制し、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、本実施の形態では脂肪の濃度を計測する分析装置の例について示したが、それだけでなく、光加熱現象を応用したすべての成分濃度計測に適用することが可能である。例えば、波長650nm〜800nmの波長の光を用いて、ヘモグロビンの酸素飽和度(酸化ヘモグロビンの濃度と脱酸化ヘモグロビンの濃度との比)を計測する分析装置も実現可能である。また、癌と良性腫瘍との判断や、火傷の深さ診断に適用することも可能となる。
また、脂肪の濃度を計測する場合、ヘモグロビンの濃度や酸素飽和度を計測する場合など、いずれの場合においても、複数の波長の光を生成する光源を用いて、複数の波長の光の吸収率を求めることが望ましく、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、本実施の形態は生体以外を対象にした分析装置に適用してもよい。例えば、食品に混入する異物の計測や、ガスに含まれる成分濃度検出などの例にも応用することが可能となる。
また、本実施の形態では、光による加熱を超音波で計測する分析装置について示したが、本発明の分析装置は、必ずしも超音波を用いる必要はない。例えば、光加熱による温度変化を放射温度計を用いて計測する分析装置においても、放射温度計で計測する輻射スペクトルが材料組成によって異なることによる計測誤差を抑制する効果が得られる。放射温度計を用いることで非接触での成分濃度計測が可能となるため望ましい。
また、本実施の形態にて示したように温度上昇による音速変化を利用した分析装置は、光による加熱を、生体内の直進性に優れた安価な手段である超音波を用いて計測していることにより、生体内部においても位置分解能に優れた安価な成分濃度計測が可能となるため望ましい。
また、本実施の形態では、超音波プローブと検体(生体)の間に検体接触部を備えた構成について示したが、超音波プローブの生体との接触面自体が検体接触部として、生体を加熱(冷却)する機能を備え多構成としてもよい。
また、本実施の形態において、実施の形態1に示すように血流を抑制する手段を備えた構成とすることで、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、特定の波長の光で検体を加熱し、各部の光吸収率の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化として計測する分析装置において、各部の材料組成や構成比によって、温度変化と音速変化の間の比例係数が異なることによる計測精度の低下を抑制する例について示す。
また、実施の形態3と同様に、均一加熱実施中と非実施中との超音波音速計測結果を比較し、音速温度変化係数を求めることで、選択加熱光照射時と非照射時との音速変化から、より実態に近い温度上昇量分布(成分濃度分布)計測を可能とする(本実施の形態では均一冷却はできない。)。
ただし、本実施の形態では、実施の形態3と均一加熱手段が異なる。
図9に示すように、本実施の形態の分析装置では、マイクロ波発信源901にて発生させるマイクロ波を生体104に照射することで均一加熱を行う。
マイクロ波は、選択加熱光として用いられる近赤外光(波長600nm〜1500nm)に比べて、生体104内の各部分の材料組成による吸収率の差異が少なく均一加熱手段とすることが可能となる。
例えば、生体を検体とする場合は、水の吸収率が高い2.45GHz周辺のマイクロ波、具体的には、2〜3GHzのマイクロ波を生体に照射することで、均一加熱が可能となるため望ましい。
また、3〜7GHzや1〜2GHzのマイクロ波を生体に照射することで、2〜3GHzのマイクロ波を照射する場合より深部まで生体の均一加熱が可能となるため望ましい。
本実施の形態の分析装置は、実施の形態3と同様の操作で高精度な成分濃度計測を可能とする。
また、本実施の形態のようにマイクロ波を用いた均一加熱手段は、図15に示したような弾性波のエネルギーから成分濃度計測を行う分光計測装置においても、高精度化を可能とする。
図9の分析装置において、光源とマイクロ波源とを共にパルス駆動することにより、選択加熱パルス光照射による弾性波と、パルスマイクロ波照射による弾性波のエネルギーとの発生箇所を比較することで、各部の材料組成や構成比によって、発熱による温度上昇率や膨張率が異なることによる弾性波と光吸収率の比例係数のばらつき(計測精度の低下)を抑制することにも応用することが可能となる。
また、本実施の形態において、実施の形態1に示すように血流を抑制する手段を備えた構成とすることで、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、特に、実施の形態1の検体を冷却する手段を備えた分析装置とすることによって、生体に対して、より高出力なマイクロ波を照射することが可能となり、さらに高精度な成分濃度計測が可能となる。
(実施の形態5)
図14に示すような分光計測装置では、図11に示すように、超音波音速計測(一回目)1101の後、選択加熱光照射による選択光加熱1102を開始する。その後、生体104内のプラーク106の温度1105が十分上昇し、発熱と放熱が均衡することで、温度の時間変化が小さくなるタイミングで、超音波音速計測(二回目)1103を実施していた。
しかし、発熱と放熱とが均衡するまでの時間が長く、超音波音速計測(一回目)1101から超音波音速計測(二回目)1103までの間に生体104と超音波プローブ102aの位置ずれなどが発生し、計測精度を低下させていた。
本実施の形態では、特定の波長の光で検体を加熱し、各部の光吸収率の違いによる温度上昇量の違いを音速の変化として計測する分析装置において、計測時間の短縮を可能とする。
図10に、本実施の形態の分析装置10の概略構成の例を示す。
図10に示すように、本実施の形態に係る分析装置10は、光源101と、超音波計測装置102と、信号伝送線1001とを備える。
また、図10の分析装置10についても、従来例と同様に、1100nm以上、1300nm以下の波長、より好ましくは、1200nm程度の波長の選択加熱光1202を生体104に照射し、血管内プラーク106の脂肪度(脂肪濃度)を計測する分析装置とする。
光源101による選択加熱光1002の照射時と非照射時との生体104内の各部の音速を超音波計測装置102にて計測及び比較することで、生体104内の音速変化(温度変化)を求めることが可能となる。これにより、生体104内の所望の成分濃度分布を求めることが可能となる。
特に、本実施の形態の分析装置10では、信号伝送線1001で光源101と超音波計測装置102とが接続されており、選択加熱光1002を生体104に照射するタイミングと、生体104への超音波パルス送受信によって生体104内の音速を計測するタイミングとを、より正確に調節することが可能となる。
本実施の形態に係る分析装置10としては、例えば、図12に示すように、超音波音速計測(一回目)1201(や選択光加熱1102の開始)から超音波音速計測(二回目)1202までの時間を短縮することが望ましい。これによって、生体と超音波プローブとの位置ずれ等による計測精度の低下を抑制し、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、より望ましくは、図13に示すように、選択光加熱1102の終了直前に超音波音速計測(一回目)1301を実施し、選択光加熱1102の終了直後に超音波音速計測(二回目)1302を実施することが、より望ましい。選択光加熱1102の開始直後は、プラーク106以外の部分(周辺部)の温度1304も同様に上昇するが、選択光加熱1102の終了直後は、プラーク106の温度1305の低下に比べて、周辺部の温度1304の低下は小さいため、図13に示すタイミングでの超音波音速計測によって、より高コントラストな成分濃度計測が可能となる。
また、図12又は図13のように、プラーク106の温度1205(又は1305)の時間変化が大きいタイミングで超音波音速計測を行う場合、超音波プローブ102aとしては、コンベックス型、電子セクタ型、電子リニア型、又は、2次元に振動子を配列した超音波プローブを用いることが望ましい。その場合、高速な超音波音速計測によって、より高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、コンベックス型又は電子セクタ型の場合は、非連続的に超音波ビーム方向を変えて、超音波パルスを放射することが望ましく、より高速な超音波音速計測によって、さらに高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、図12や図13のように、選択光加熱1102の開始直後や終了直後に超音波音速計測を行う場合、プラーク106のサイズやプラーク106周辺の血流量によって、温度1205(又は1305)の変化の時定数が異なる。このため、超音波音速計測(二回目)1202又は1302から10秒以内に超音波音速計測(三回目)1203、1303を実施することが望ましい。これによって、各プラークごとの時定数を求めることが可能であり、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、超音波音速計測(二回目)と超音波音速計測(三回目)とで、超音波ビームスキャン方向を逆にすることが望ましく、さらに、高精度な成分濃度計測が可能となる。
また、超音波音速計測(二回目)と超音波音速計測(三回目)とで、異なる波形の超音波パルスを発振することが望ましく、より、浅い部分から深い部分まで高解像度な成分濃度計測が可能となる。
また、人体を検体とする分析装置においては、20秒以内に複数回の超音波音速計測を実施し、その内、少なくとも2つの超音波音速計測の結果を比較して音速変化分布を求めることが望ましい。20秒は、個人差によらず、呼吸を止めておける時間であり、呼吸による測定誤差が発生することを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態についても、プラークの脂肪度を計測する分析装置の例について示したが、他の成分濃度計測や成分濃度分布計測を目的とした分析装置においても同様の構成で同様の効果が得られる。
また、実施の形態1、3、4、5に記載した構成を組み合わせることで、より効果の高い構成となるため望ましい。
以上、本発明の分析装置及び光照射装置について示したが、本明細書にて示した構成は一例であって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の分析装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、検体の状態を分析する分析方法であって、前記検体を冷却することで、前記検体の温度を低下させる調温ステップと、前記検体に光を照射することで、前記調温ステップにおいて冷却された前記検体の少なくとも一部を加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップにおける加熱による前記検体の温度変化を計測する第一温度計測ステップと、前記検体の温度変化に基づいて前記検体の状態を分析する分析ステップとを実行させる。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る分析装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本発明にかかる分析装置は、肝臓の脂肪濃度計測、血管内プラークの性状診断、腫瘍の性状診断、又は、ガスの成分分布計測などに応用することが可能である。これらの計測の精度を向上させる有用な手段となる。
1、2、3、4、5、8、9、10 分析装置
1a、101 光源
1b、110 第一温度計測部
1c 調温部
1d 分析部
1e 格納部
6、7 光照射装置
101a レーザ光源
101b、1501b 光ファイバ
101c 光ファイバの巻き部
102、1502 超音波計測装置
102a 超音波プローブ
102b 計測装置本体
102c ケーブル
103、201、301、801 検体接触部
104、603 生体
105、602、1002 選択加熱光
106 プラーク
107 熱交換部
108 駆動電源
109 放熱部
302 音速熱変化部材
401 ファイバグレーティング
501 水槽
502 水
601 癌組織
901 マイクロ波発信源
1001 信号伝送線
1101 超音波音速計測(一回目)
1102 選択光加熱
1103 超音波音速計測(二回目)
1104、1204、1304 周辺部の温度
1105、1205、1305 プラークの温度
1201 超音波音速計測(一回目)
1202 超音波音速計測(二回目)
1203 超音波音速計測(三回目)
1301 超音波音速計測(一回目)
1302 超音波音速計測(二回目)
1303 超音波音速計測(三回目)
1501 パルス光源
1501a パルスレーザ光源
1502 選択加熱パルス光

Claims (22)

  1. 検体の状態を分析する分析装置であって、
    前記検体を冷却することで、前記検体の温度を低下させる調温部と、
    前記検体に光を照射することで、前記調温部により冷却された前記検体の少なくとも一部を加熱する光源と、
    前記光源の加熱による前記検体の温度変化を計測する第一温度計測部と、
    前記検体の温度変化に基づいて前記検体の状態を分析する分析部とを備える
    分析装置。
  2. 前記第一温度計測部は、
    前記検体に超音波パルスを送信し、前記超音波パルスの前記検体からの反射波を受信する超音波プローブと、
    前記超音波プローブが受信した前記反射波の信号に基づいて前記検体の温度を計測する超音波分析部とを有し、
    前記分析装置は、さらに、
    前記超音波プローブが受信した前記反射波の信号を記憶部に格納する格納部を備え、
    前記超音波分析部は、前記記億部に格納された前記反射波の信号に基づいて前記検体の温度を計測する
    請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記第一温度計測部は、
    前記光源が前記検体を加熱するときに、前記検体が発生させる超音波パルスを受信する超音波プローブを有し、
    前記分析部は、
    前記検体の温度変化と、前記超音波プローブが受信した前記超音波パルスの強度とに基づいて、前記検体の状態を分析する
    請求項1に記載の分析装置。
  4. 前記第一温度計測部は、放射温度計である
    請求項1に記載の分析装置。
  5. 前記調温部は、
    前記検体に接する位置に配置され、前記検体から熱量を吸収する熱吸収部と、
    前記熱吸収部に接して配置され、ペルチエを含む熱交換部と、
    前記熱交換部を駆動させるための駆動電力を前記熱交換部に供給する駆動電源と、
    前記熱交換部に接して配置され、前記熱交換部が前記検体から吸収した熱量を放熱するフィンを含む放熱部とを有する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
  6. 前記調温部は、
    前記検体の前記光源に近い面に接する位置に配置され、前記光を透過する材料で構成され、前記検体から熱量を吸収する熱吸収部を有し、
    前記光源は、前記熱吸収部を通して前記検体に光を照射する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
  7. 前記分析装置は、
    生体を前記検体とし、
    前記熱吸収部の温度を計測する第二温度計測部を備え、
    前記調温部は、さらに、
    前記第二温度計測部が計測した前記熱吸収部の温度に基づいて、前記熱吸収部の温度を−4℃以上、かつ、30℃以下の温度範囲内に収めるように、前記駆動電力を調節する
    請求項5に記載の分析装置。
  8. 前記光源は、互いに異なる波長を有する複数の波長成分を含む光を前記検体に照射する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析装置。
  9. 前記光源は、
    CW(continuous wave laser)光と、0.2ナノ秒以上、かつ、330ナノ秒以下のパルス幅を有する短パルス光とを、互いに異なるタイミングで前記検体に照射する
    請求項3に記載の分析装置。
  10. 前記分析装置は、さらに、
    前記光源が生成する光を導光するマルチモードファイバを備え、
    前記マルチモードファイバは、前記マルチモードファイバの一部に1巻き以上の巻き部を有する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析装置。
  11. 前記分析装置は、さらに、
    前記超音波プローブと前記検体との間に配置され、音響インピーダンスが(1.0〜1.4)×10kg/ms、又は、(1.6〜2.25)×10kg/msである音速熱変化部材を備える
    請求項2又は3に記載の分析装置。
  12. 前記第一温度計測部は、
    ファイバグレーティングを含む光ファイバと、
    前記ファイバグレーティングのピーク反射波長と、所定波長の反射率との少なくとも一方を反射特性として計測することで、前記検体の温度を計測する反射特性計測部とを有する
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の分析装置。
  13. 前記分析装置は、さらに、
    防腐剤を含む水であって、前記検体を冷却するための水を貯留する水槽を備え、
    前記調温部は、さらに、
    前記水槽内の水の温度を調節する
    請求項1に記載の分析装置。
  14. 前記超音波プローブは、
    水晶、ニオブ酸リチウム、又は、タンタル酸リチウムを含む圧電体を備える
    請求項2又は3に記載の分析装置。
  15. 前記分析装置は、
    生体を前記検体とし、
    前記光源は、1100nm以上、かつ、1300nm以下の波長を有する光を前記検体に照射し、
    前記分析部は、
    前記検体の状態として、前記生体内の所定の部位の脂肪濃度を計測する
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の分析装置。
  16. 前記調温部は、さらに、
    前記検体を加熱することで、前記検体の温度を上昇させる
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の分析装置。
  17. 前記調温部は、
    前記検体にマイクロ波を照射することで、前記検体を加熱するマイクロ波発信源を有する
    請求項16に記載の分析装置。
  18. 前記超音波プローブは、
    前記光源が前記検体に前記光を照射した後に、前記検体に超音波パルスを送信し、前記反射波である第一反射波を受信し、
    前記光源が前記検体に前記光を照射している時に、前記検体に超音波パルスを送信し、前記反射波である第二反射波を受信し、
    前記超音波分析部は、
    前記第一反射波及び前記第二反射波の信号それぞれに基づいて、前記検体の温度を前記第一温度及び前記第二温度として計測する
    請求項2に記載の分析装置。
  19. 前記超音波プローブは、
    前記光源が前記検体に前記光を照射した後に、前記検体からの反射波である第一反射波及び第二反射波を受信し、
    前記超音波分析部は、
    前記第一反射波及び前記第二反射波の信号それぞれに基づいて、前記検体の温度を前記第一温度及び前記第二温度として計測する
    請求項2に記載の分析装置。
  20. 前記超音波プローブは、
    前記第一反射波を受信してから20秒以内に、前記第二反射波を受信する
    請求項18又は19に記載の分析装置。
  21. 前記超音波プローブは、
    互いに異なる波形の2つの超音波パルスを前記検体に送信し、当該2つの超音波パルスの反射波として、前記第一反射波及び前記第二反射波を受信する
    請求項18又は19に記載の分析装置。
  22. 検体の状態を分析する分析方法であって、
    前記検体を冷却することで、前記検体の温度を低下させる調温ステップと、
    前記検体に光を照射することで、前記調温ステップにおいて冷却された前記検体の少なくとも一部を加熱する加熱ステップと、
    前記加熱ステップにおける加熱による前記検体の温度変化を計測する第一温度計測ステップと、
    前記検体の温度変化に基づいて前記検体の状態を分析する分析ステップとを含む
    分析方法。

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