JPWO2013005278A1 - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、を備え、画像形成素子の中心から光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する画像形成素子の角度である第1角度が、光学素子によって表示される虚像の歪みが小さくなるように、当該光の進行方向に対する光学素子の角度である第2角度に応じて設定されている。

Description

本発明は、虚像として画像を視認させる表示装置に関する。
従来から、ユーザの目の位置(アイポイント)から虚像として画像を視認させるヘッドアップディスプレイなどの表示装置が知られている。例えば、特許文献1には、画像表示装置から観察者に至る光の経路に、画像を拡大するための凹面鏡を2枚設け、画像表示装置の画像を2回反射させて虚像を形成することで、虚像の拡大率や虚像の形状歪などを改善することを図った技術が提案されている。また、例えば特許文献2には、映像表示素子の表示面と投影光学系の投影面がY−Z断面内で偏心し、投影面はX−Z断面で投影光学系側に弦を向けた円弧状の曲面で構成され、像歪みを補正する少なくとも一つの回転非対称な補正光学面を有する投影光学系が提案されている。
その他にも、本発明に関連する技術が、例えば特許文献3乃至5に提案されている。
特開平8−29723号公報 特開2010−164944号公報 特許第3912234号公報 特許第3855461号公報 特開平6−270716号公報
ところで、上記したようなヘッドアップディスプレイでは、例えば大きな画角を得るために曲率半径の小さな凹面ミラーをチルトして使用すると、虚像に歪みが生じる傾向にある。また、左右の眼で観察した虚像に、形状の異なる歪みが生じる傾向にある。この場合には、ユーザに疲労を与えてしまう可能性がある。上記の特許文献1に記載された反射面を2面使用する構成では、虚像の歪みを軽減することができるが、この構成ではヘッドアップディスプレイ全体が大きくなり、車室内への取り付けに不利となる場合がある。また、特許文献2のように非球面や自由曲面の光学素子を用いると、虚像の歪を微小にする事が可能であるが安価な製造が難しい事が知られている。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、簡便な構成にて虚像の歪みを適切に抑制することが可能な表示装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明では、表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、を備え、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度である第1角度が、前記光学素子によって表示される前記虚像の歪みが小さくなるように、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度である第2角度に応じて設定されている。
請求項18に記載の発明では、表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記光学素子の角度を変化させる第1角度変更手段と、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の変化に起因する前記虚像の歪みを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる第2角度変更手段と、を備える。
第1実施例に係る表示装置の全体構成を示す。 レーザプロジェクタの構成を示す。 EPE及びコンバイナのチルト角を説明するための図を示す。 EPE及びコンバイナのチルト角を規定する軸を、より具体的に説明するための図を示す。 シミュレーションにおいてEPEに形成される画像を示す。 アイボックスセンターでのシミュレーション条件を説明するための図を示す。 第1実施例における、アイボックスセンターでのシミュレーション結果例を示す。 両眼でのシミュレーション条件を説明するための図を示す。 第1実施例における、両眼でのシミュレーション結果例を示す。 第1実施例により虚像の歪みを抑制できる理由を説明するための図を示す。 コンバイナの曲率半径ごとに、EPEのチルト角度と虚像の歪み量の関係を示す。 EPEのチルト角がコンバイナのチルト角と等しい場合のシミュレーション結果例を示す。 レーザプロジェクタとEPEとの配置状態の具体例を示す。 EPE上に形成される像の歪みを補正する方法を説明するための図を示す。 第3実施例に係る表示装置の全体構成を示す。 第3実施例における、アイボックスセンターでのシミュレーション結果例を示す。 第3実施例における、両眼でのシミュレーション結果例を示す。 変形例1に係る表示装置の全体構成を示す。 変形例2に係る表示装置の全体構成を示す。 変形例3に係る表示装置の全体構成を示す。 変形例4に係るフィールドレンズを用いた場合の、シミュレーション結果例を示す。
本発明の1つの観点では、表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、を備え、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度である第1角度が、前記光学素子によって表示される前記虚像の歪みが小さくなるように、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度である第2角度に応じて設定されている。
上記の表示装置は、虚像として画像を視認させる装置である。画像形成素子は、表示すべき画像を形成し、光学素子は、画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる。「第1角度」は、画像形成素子の中心から光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する画像形成素子の角度と定義され、「第2角度」は、画像形成素子の中心から光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する光学素子の角度と定義される。この場合、画像形成素子の第1角度は、光学素子によって表示される虚像の歪みが小さくなるように、光学素子の第2角度に応じて設定される。つまり、虚像の歪みが小さくなるように、光学素子の第2角度に応じて、画像形成素子を第1角度だけ傾けて配置する。上記の表示装置によれば、虚像の歪みを適切に抑制することができる。
上記の表示装置の一態様では、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の変化に起因する前記虚像の歪みを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる角度変更手段を更に備える。これにより、光学素子のチルト角が変化された場合に、画像形成素子のチルト角を適切に変化させることで、光学素子のチルト角の変化によって生じる虚像の歪みを適切に抑制することができる。
好適には、上記の表示装置は、前記光学素子の角度を変化させる手段を更に備える。
上記の表示装置において好適には、前記第1角度は、前記第2角度よりも大きな角度となるように設定される。これにより、虚像の歪みを効果的に抑制することができる。
上記の表示装置において更に好適には、前記第1角度は、前記第2角度の略2倍の角度となるように設定される。これにより、虚像の歪みをより効果的に抑制することができる。具体的には、虚像の台形歪みや画像形成素子上に形成された画像と虚像とのアスペクト比の違い、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いを適切に抑制することができる。また、両眼で観察される虚像の形状の違いを抑制することにより、画像処理によって虚像の歪を補正する事が容易になる。
好適な例では、前記光学素子は、前記画像形成素子から出射された光の進行方向に向かって凹形状を有しており、前記画像形成素子は、平面形状である。
上記の表示装置において好適には、前記角度変更手段は、前記虚像の台形歪み及び/又は前記画像形成素子上に形成された画像と前記虚像とのアスペクト比の違いを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させることができる。
また、上記の表示装置において好適には、前記角度変更手段は、前記画像形成素子と前記光学素子との相対的な角度関係を所定の条件に維持したまま、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる。より好ましくは、前記角度変更手段は、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の略2倍に変化させる。
上記の表示装置の他の一態様では、前記画像形成素子と前記光学素子との間に、虚像歪補正素子が配置されている。この場合、好適には、前記虚像歪補正素子は、前記光学素子が曲率を有することに起因する、前記虚像の弓なりの歪みを補正する。このような虚像歪補正素子を用いることで、虚像の弓なりの歪みを適切に補正することができる。
上記の表示装置の他の一態様では、前記画像形成素子は、光源から照射された光の射出瞳を拡大する射出瞳拡大素子である。例えば、射出瞳拡大素子は、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。
上記の表示装置の他の一態様では、前記光源から照射された光によって前記画像形成素子上に形成される像の歪みを補正する補正手段を更に備える。好適には、前記補正手段は、前記光源より照射された光の前記画像形成素子に対する角度に起因する、前記像の歪みを補正する。これにより、例えば光源より照射された光が画像形成素子に垂直に入射しないことに起因する像の歪みを、適切に補正することができる。
上記の表示装置の他の一態様では、前記画像形成素子として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを用いることができる。
好適な例では、前記第1角度は、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に直行し、且つ前記画像形成素子の中心を通る軸に対して、前記画像形成素子がなす角度であり、前記第2角度は、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に直行し、且つ前記光学素子の中心を通る軸に対して、前記光学素子がなす角度である。
本発明の他の観点では、表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記光学素子の角度を変化させる第1角度変更手段と、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の変化に起因する前記虚像の歪みを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる第2角度変更手段と、を備える。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例について説明する。
(装置構成)
図1は、第1実施例に係る表示装置100の全体構成を概略的に示したブロック図である。ここでは、表示装置100の各構成要素の概要について説明する。
図1に示すように、第1実施例に係る表示装置100は、主に、レーザプロジェクタ1と、射出瞳拡大素子(以下、適宜「EPE(Exit-Pupil Expander)」と表記する)11と、フィールドレンズ12と、コンバイナ13と、を有する。表示装置100は、画像をユーザの目の位置(アイポイント)から虚像として視認させる装置である。表示装置100は、例えばヘッドアップディスプレイとして利用される。
レーザプロジェクタ1は、赤色、緑色、青色のレーザ光源や、レーザ光源から出射されたレーザ光を走査するスキャン機構(走査機構)や、これらを制御する制御部などを有する。レーザプロジェクタ1から照射された光は、EPE11に入射する。なお、レーザプロジェクタ1の詳細は後述する。
EPE11は、レーザプロジェクタ1から照射された光の射出瞳を拡大し、ユーザに提示する画像の中間像を形成する。例えば、EPE11は、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。EPE11から出射された光は、フィールドレンズ12に入射する。なお、EPE11は、本発明における「画像形成素子」の一例に相当する。なお、EPE11には、中間像として歪みの無い画像が形成される。
フィールドレンズ12は、EPE11の射出側に配置されたレンズである。フィールドレンズ12は、EPE11からの光が入射する面(つまり入射面)が平面形状に構成されていると共に、EPE11からの光が入射する面と反対側の面(つまり出射面)が球面の凸面形状に構成されている。フィールドレンズ12は、平面形状の面がEPE11の面と平行になるように、EPE11と離間して配置されている。また、フィールドレンズ12は、その中心とEPE11の中心とを結んだ軸が、EPE11の鉛直方向に延びる軸と平行になるように配置されている。フィールドレンズ12から出射された光は、コンバイナ13に入射する。なお、フィールドレンズ12は、本発明における「虚像歪補正素子」の一例に相当する。
コンバイナ13は、フィールドレンズ12からの光を反射することで、入射光に対応する像を拡大した虚像として表示させるハーフミラーである。具体的には、コンバイナ13は、フィールドレンズ12からの光が入射する面(つまり入射面)が球面の凹面形状に構成されている。このようにコンバイナ13によって反射された光により、ユーザは、コンバイナ13から所定距離離れたアイポイントから虚像を観察する。なお、コンバイナ13は、本発明における「光学素子」の一例に相当する。
なお、例えば、EPE11及びフィールドレンズ12は、レーザプロジェクタ1と一体に構成される。つまり、表示装置100では、レーザプロジェクタ1とEPE11及びフィールドレンズ12とが別体にて構成されているわけではなく、レーザプロジェクタ1とEPE11及びフィールドレンズ12とが一体の装置として構成されている。
次に、図2を参照して、レーザプロジェクタ1の構成について説明する。図2に示すように、レーザプロジェクタ1は、画像信号入力部2と、ビデオASIC3と、フレームメモリ4と、ROM5と、RAM6と、レーザドライバASIC7と、MEMS制御部8と、レーザ光源ユニット9と、MEMSミラー10とを備える。
画像信号入力部2は、外部から入力される画像信号を受信してビデオASIC3に出力する。ビデオASIC3は、画像信号入力部2から入力される画像信号及びMEMSミラー10から入力される走査位置情報Scに基づいてレーザドライバASIC7やMEMS制御部8を制御するブロックであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されている。
ビデオASIC3は、同期/画像分離部31と、ビットデータ変換部32と、発光パターン変換部33と、タイミングコントローラ34と、を備える。同期/画像分離部31は、画像信号入力部2から入力された画像信号から、画像表示部であるEPE11に表示される画像データと同期信号とを分離し、画像データをフレームメモリ4へ書き込む。ビットデータ変換部32は、フレームメモリ4に書き込まれた画像データを読み出してビットデータに変換する。発光パターン変換部33は、ビットデータ変換部32で変換されたビットデータを、各レーザの発光パターンを表す信号に変換する。タイミングコントローラ34は、同期/画像分離部31、ビットデータ変換部32の動作タイミングを制御する。また、タイミングコントローラ34は、後述するMEMS制御部8の動作タイミングも制御する。
フレームメモリ4には、同期/画像分離部31により分離された画像データが書き込まれる。ROM5は、ビデオASIC3が動作するための制御プログラムやデータなどを記憶している。RAM6には、ビデオASIC3が動作する際のワークメモリとして、各種データが逐次読み書きされる。
レーザドライバASIC7は、後述するレーザ光源ユニット9に設けられるレーザダイオードを駆動する信号を生成するブロックであり、ASICとして構成されている。レーザドライバASIC7は、赤色レーザ駆動回路71と、青色レーザ駆動回路72と、緑色レーザ駆動回路73と、を備える。赤色レーザ駆動回路71は、発光パターン変換部33が出力する信号に基づき、赤色レーザLD1を駆動する。青色レーザ駆動回路72は、発光パターン変換部33が出力する信号に基づき、青色レーザLD2を駆動する。緑色レーザ駆動回路73は、発光パターン変換部33が出力する信号に基づき、緑色レーザLD3を駆動する。
MEMS制御部8は、タイミングコントローラ34が出力する信号に基づきMEMSミラー10を制御する。MEMS制御部8は、サーボ回路81と、ドライバ回路82と、を備える。サーボ回路81は、タイミングコントローラからの信号に基づき、MEMSミラー10の動作を制御する。ドライバ回路82は、サーボ回路81が出力するMEMSミラー10の制御信号を所定レベルに増幅して出力する。
レーザ光源ユニット9は、レーザドライバASIC7から出力される駆動信号に基づいて、レーザ光をMEMSミラー10へ出射する。走査手段としてのMEMSミラー10は、レーザ光源ユニット9から出射されたレーザ光をEPE11に向けて反射する。こうすることで、MEMSミラー10は、EPE11上に表示すべき画像を形成する。また、MEMSミラー10は、画像信号入力部2に入力された画像を表示するためにMEMS制御部8の制御によりEPE11上を走査(スキャン)するように移動し、その際の走査位置情報(例えばミラーの角度などの情報)をビデオASIC3へ出力する。
次に、レーザ光源ユニット9の詳細な構成を説明する。レーザ光源ユニット9は、ケース91と、波長選択性素子92と、コリメータレンズ93と、赤色レーザLD1と、青色レーザLD2と、緑色レーザLD3と、モニタ用受光素子(以下、単に「受光素子」と呼ぶ。)50と、を備える。以下では、赤色レーザLD1、青色レーザLD2及び緑色レーザLD3を区別しない場合には、単に「レーザLD」と表記する。
ケース91は、樹脂などにより略箱状に形成される。ケース91には、緑色レーザLD3を取り付けるために、ケース91内へ貫通する孔が設けられているとともに断面が凹状のCAN取付部91aと、CAN取付部91aと直交する面に設けられ、ケース91内へ貫通する孔が設けられているとともに断面が凹状のコリメータ取付部91bと、が形成されている。
合成素子としての波長選択性素子92は、例えばトリクロイックプリズムにより構成され、反射面92aと反射面92bが設けられている。反射面92aは、赤色レーザLD1から出射されたレーザ光をコリメータレンズ93へ向かって透過させ、青色レーザLD2から出射されたレーザ光をコリメータレンズ93へ向かって反射させる。反射面92bは、赤色レーザLD1および青色レーザLD2から出射されたレーザ光の大部分をコリメータレンズ93へ向かって透過させ、その一部を受光素子50へ向かって反射させる。また、反射面92bは、緑色レーザLD3から出射されたレーザ光の大部分をコリメータレンズ93へ向かって反射させ、その一部を受光素子50へ向かって透過させる。こうして、各レーザからの出射光が重ね合わされて、コリメータレンズ93および受光素子50に入射される。なお、波長選択性素子92は、ケース91内のコリメータ取付部91bの近傍に設けられている。コリメータレンズ93は、波長選択性素子92から入射したレーザ光を平行光にしてMEMSミラー10へ出射する。コリメータレンズ93は、ケース91のコリメータ取付部91bに、UV系接着剤などで固定される。即ち、合成素子の後段にコリメータレンズ93が設けられている。
レーザ光源としての赤色レーザLD1は、赤色のレーザ光を出射する。赤色レーザLD1は、半導体レーザ光源がチップ状態のまま、又は、チップがサブマウントなどに載置された状態で、ケース91内の波長選択性素子92及びコリメータレンズ93と同軸となる位置に固定されている。レーザ光源としての青色レーザLD2は、青色のレーザ光を出射する。青色レーザLD2は、半導体レーザ光源がチップ状態のまま、又は、チップがサブマウントなどに載置された状態で、出射したレーザ光が反射面92aによってコリメータレンズ93へ向かって反射できる位置に固定されている。この赤色レーザLD1と青色レーザLD2の位置は入れ替わってもよい。レーザ光源としての緑色レーザLD3は、CANパッケージに取り付けられた状態又はフレームパッケージに取り付けられた状態であり、緑色のレーザ光を出射する。緑色レーザLD3は、CANパッケージ内に緑色のレーザ光を発生する半導体レーザ光源チップBが取り付けられており、ケース91のCAN取付部91aに固定されている。受光素子50は、各レーザ光源から出射されたレーザ光の一部を受光する。受光素子50は、フォトディテクタなどの光電変換素子であり、入射したレーザ光の光量に応じた電気信号である検出信号SdをレーザドライバASIC7へ供給する。
(EPE及びコンバイナのチルト角)
次に、図3を参照して、EPE11のチルト角β及びコンバイナ13のチルト角αについて説明する。なお、チルト角βは本発明における「第1角度」に相当し、チルト角αは本発明における「第2角度」に相当する。
図3(a)に示すように、EPE11の中心C1とコンバイナ13の中心C2とを結んだ線に対応する軸aを定義する。そして、軸aと軸aに垂直に交差する軸dに直行すると共にEPE11の中心C1を通る軸bに対して(図3(b)参照)、EPE11が傾いている角度を、EPE11のチルト角βとして定義する。同様に、軸aと軸aに交差し軸dに平行な軸eに直行すると共にコンバイナ13の中心C2を通る軸cに対して(図3(b)参照)、コンバイナ13が傾いている角度を、コンバイナ13のチルト角αとして定義する。また、チルト角α、βは、それぞれの軸c、bに対して反時計回りの方向を「正」と定義する。なお、上記したようにフィールドレンズ12は平面形状の面がEPE11の面と平行になるように配置されているため、フィールドレンズ12も、EPE11と同様に、軸aに直行する軸に対してチルト角βで傾いている。
ここで、図4を参照して、上記した軸aについて補足する。図4に示すように、フィールドレンズ12が無い光学系において、EPE11における「中心C1」は、EPE11上に形成される画像の中心と定義され、コンバイナ13における「中心C2」は、アイポイントから虚像の中心C3を見つめる視線方向と、コンバイナ13の反射面との交点と定義される。そして、軸aは、このような中心C1と中心C2とを結んだ線と定義される。なお、フィールドレンズ12を用いる場合でも、軸aの定義は中心C1と中心C2とを結んだ線であることに変わりはない。
本実施例では、コンバイナ13によって表示される虚像の歪みを抑制するといった観点より(例えば左右の眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いを抑制するといった観点より)、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αに基づいて設定する。具体的には、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13のチルト角αの略2倍(β≒2α)に設定する。言い換えると、軸cに対してコンバイナ13が傾いている角度の略2倍の角度だけ、軸bに対してEPE11を傾けて設置する。
(シミュレーション結果)
次に、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定した場合のシミュレーション結果について説明する。
以下では、下記のようなパラメータを用いてシミュレーションを行った場合について例示する。なお、「Y1」及び「Y2」については図3(a)を参照されたい。
・コンバイナ13のチルト角α:12度
・EPE11とフィールドレンズ12の平面との間隔:2mm
・EPE11の中心C1とコンバイナ13の中心C2との間隔Y1:170mm
・コンバイナ13の中心C2とアイポイントとの間隔Y2:500mm
・EPE11上に形成された中間像のサイズ:水平方向の長さ75mm×垂直方向の長さ25mm(なお、中間像の形状は、図5に示すように、歪みの無い正方形が並べられた格子像である)
・コンバイナ13の凹面の曲率半径:400mm
・フィールドレンズ12の凸面の曲率半径:150mm
・フィールドレンズ12の中心厚み:8mm
・フィールドレンズ12の屈折率:1.526
まず、図6及び図7を参照して、アイボックスセンターでのシミュレーション結果について説明する。ここでは、図6に示すように、アイボックスセンターから「Y3=1500mm」だけ前方の位置に虚像が形成される場合について例示する。ここで、アイボックスセンターとは両眼のほぼ中央であり、虚像をほぼ真正面から観測できる理想的な観測点を指す。
図7は、アイボックスセンターでのシミュレーション結果の一例を示している。図7(a)〜(c)では、シミュレーションより得られた虚像を実線で示しており、虚像サイズや形状の比較を行うための参照スクリーンの形状を一点鎖線の枠で示している。ここで参照スクリーンのサイズは「水平方向の長さ450(mm)×垂直方向の長さ150(mm)」である。
図7(a)は、EPE11のチルト角βを「0度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の略2倍に設定しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。また、図7(a)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図7(a)より、虚像に歪みが生じていることがわかる。具体的には、虚像の台形歪みや、虚像の弓なりの歪みなどが生じていることがわかる。
図7(b)は、EPE11のチルト角βを「24度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の2倍に設定した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図7(b)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図7(b)より、図7(a)と比較すると、虚像の台形歪みが適切に除去されていることがわかる。
図7(c)は、EPE11のチルト角βを「24度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の2倍に設定した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図7(c)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図7(c)より、図7(b)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが適切に除去されていることがわかる。
次に、図8及び図9を参照して、両眼でのシミュレーション結果について説明する。ここでは、図8に示すように、両眼の間隔Wが「70mm」であり、左眼と右眼との間の中心に位置する点から「Y4=1500mm」だけ前方の位置に虚像が形成される場合について例示する。
図9は、両眼でのシミュレーション結果の一例を示している。図9(a)〜(c)では、シミュレーションより得られた虚像を実線及び破線で示しており、参照スクリーンの形状を一点鎖線の枠で示している。具体的には、左眼で観察される虚像を実線で示しており、右眼で観察される虚像を破線で示している。
図9(a)は、EPE11のチルト角βを「0度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の略2倍に設定しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。また、図9(a)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図9(a)より、台形歪みや弓なりの歪みなどの虚像の歪みが生じていることがわかる。また、左眼で観察される虚像の歪みの形状と、右眼で観察される虚像の歪みの形状とが、異なることがわかる。
図9(b)は、EPE11のチルト角βを「24度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の2倍に設定した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図9(b)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図9(b)より、図9(a)と比較すると、虚像の台形歪みが適切に除去されていることがわかる。また、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いが適切に抑制されていることがわかる。
図9(c)は、EPE11のチルト角βを「24度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角α(=12度)の2倍に設定した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図9(c)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図9(c)より、図9(b)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが適切に除去されていることがわかる。また、図9(b)に示したような両眼での虚像の形状の違いが抑制された状態が、適切に維持されていることがわかる。
以上のことから、第1実施例によれば、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定することで、虚像の歪みを適切に抑制することができる。具体的には、虚像の台形歪みや、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いを適切に抑制することができる。また、第1実施例によれば、EPE11の射出側にフィールドレンズ12を挿入することで、虚像の弓なりの歪みを適切に抑制することができる。
ここで、図10を参照して、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定することで虚像の歪みを抑制することができる理由について考察する。
図10(a)は、EPE11及びコンバイナ13の側面図を示す。図10(b)は、図10(a)中の矢印A1で示す方向から観察した、EPE11及びコンバイナ13の上面図を示す。図10(a)及び図10(b)は、EPE11のチルト角βを「0度」に設定した場合、つまりEPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定しなかった場合の状態を示している。この場合、図10(b)に示すように、EPE11の上部より射出された光線1が到達するコンバイナ13の面の位置は符号13aで示すような位置となり、EPE11の下部より射出された光線2が到達するコンバイナ13の面の位置は符号13bで示すような位置となる。これより、光線2がコンバイナ13の面に到達するまでの距離が、光線1がコンバイナ13の面に到達するまでの距離よりも長いことがわかる。このような距離の差により、コンバイナ13の面に当たる水平方向の光線高さが大きくなることで、下に広がった虚像歪みが生じるものと推測される。
図10(c)は、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定した場合の、EPE11及びコンバイナ13の側面図を示す。この場合には、EPE11の上部より射出された光線1がコンバイナ13の面に到達するまでの距離と、EPE11の下部より射出された光線2がコンバイナ13の面に到達するまでの距離とが、概ね等しくなる。そのため、上記したような虚像の歪みが軽減されるものと考えられる。
なお、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍に設定することに限定はされない。上記したように、EPE11の種々の箇所から射出された光線がコンバイナ13の面に到達するまでの距離が概ね等しくなれば、虚像の歪みを軽減することができるので、1つの例では、EPE11の種々の箇所から射出された光線がコンバイナ13の面に到達するまでの距離が概ね等しくなるように、コンバイナ13のチルト角αに応じてEPE11のチルト角βを設定することができる。例えば、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13のチルト角αよりも少なくとも大きな角度に設定することができる。但し、上記したようなシミュレーション結果より、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍に設定することが好適であると言える。しかしながら、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍に厳密に設定しなくても良く、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍付近の角度に設定しても良い。EPE11のチルト角βがコンバイナ13のチルト角αの2倍付近の角度であれば、EPE11の種々の箇所から射出された光線がコンバイナ13の面に到達するまでの距離が概ね等しくなるものと想定されるからである。
上記ではコンバイナ13の曲率半径が400mmである場合の結果を示したが、以下では、EPE11の最適なチルト角βが、コンバイナ13の曲率半径に依らないことを説明する。
ここでは、コンバイナ13の曲率半径が400mmである場合の結果と、コンバイナ13の曲率半径が500mmである場合の結果とを比較する。シミュレーションは、下記のようなパラメータを用いて行ったものとする。なお、コンバイナ13の曲率半径が400mmである場合を適宜「R400」と表記し、コンバイナ13の曲率半径が500mmである場合を適宜「R500」と表記する。
・EPE11上の中間像サイズ:水平方向の長さ75mm×垂直方向の長さ25mm
・目から虚像までの距離:1500mm
・コンバイナ13のチルト角α:12度
・R400のコンバイナ13の曲率半径:400mm
・R400のコンバイナ13とEPE11との間隔:170mm
・R400のコンバイナ13に用いた参照スクリーンサイズ:水平方向の長さ450mm×垂直方向の長さ150mm
・R500のコンバイナ13の曲率半径:500mm
・R500のコンバイナ13とEPE11との間隔:200mm
・R500のコンバイナ13に用いた参照スクリーンサイズ:水平方向の長さ360mm×垂直方向の長さ120mm
図11は、R400及びR500のシミュレーション結果の一例を示す。ここでは、フィールドレンズ12を用いなかった場合の結果を示す。図11(a)は、EPE11のチルト角を種々の値に設定した場合の、R400及びR500での虚像の歪量を示している。「虚像の歪量」は、図11(b)及び(c)中の一点鎖線X1で示すような枠の縦線に対する、図11(b)及び(c)中の実線矢印X2で示すような虚像端部の縦線の角度の絶対値にて定義される。図11(b)は、R400を用いた場合の、EPE11のチルト角βを0度に設定した際のアイボックスセンターで観察される虚像歪みを示し、図11(c)は、R400を用いた場合の、EPE11のチルト角βを32度に設定した際のアイボックスセンターで観察される虚像歪みを示している。
図11(a)より、コンバイナ13の曲率半径が400mmでも500mmでも、虚像の歪量が最も小さくなるEPE11のチルト角度βが24度(コンバイナ13のチルト角αの2倍)であることがわかる。つまり、コンバイナ13の曲率半径が400mmでも500mmでも、EPE11のチルト角度βに関する最適な設定値が変わらないと言える。
また、図11(a)より、EPE11のチルト角度βが24度(β=2α)であるときに虚像の歪量が最も小さくなるが、チルト角度βが24度でなくても、チルト角度βが24度付近の角度であれば、虚像の歪量が小さいことがわかる。この結果より、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍に設定しなくても、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの2倍付近の角度に設定すれば、虚像の歪みを軽減できるといった本実施例による効果が得られることが実証された。
他方で、図11(a)より、EPE11のチルト角度βが24度よりも小さいと下に広がった台形形状の虚像歪みが生じ、EPE11のチルト角度βが24度よりも大きいと上に広がった台形形状の虚像歪みが生じることがわかる。また、図11(b)及び(c)より、EPE11のチルト角度βが24度から大きく異なる値になった場合、アスペクト比の理想状態とのずれも大きくなってしまうことがわかる。
図12は、EPE11のチルト角βをコンバイナのチルト角αと同程度にした場合でも、虚像の歪みが低減されることを説明するための図である。図12(a)は、R400のシミュレーション結果の一例を示し、図12(b)は、R500のシミュレーション結果の一例を示している。具体的には、図12(a)は、R400を用いた場合の、EPE11のチルト角βを12度に設定した際のアイボックスセンターで観察される虚像歪みを示し、図12(b)は、R500を用いた場合の、EPE11のチルト角βを12度に設定した際のアイボックスセンターで観察される虚像歪みを示している。なお、シミュレーションのパラメータは、図11に示したシミュレーションと同様のものを用いたものとする。
図12(a)及び(b)より、EPE11のチルト角βをコンバイナのチルト角αと同程度にした場合でも、虚像の歪みがある程度低減できていることがわかる。この状態からEPE11のチルト角βを更に大きくしていくと、虚像の歪みが更に低減するものと推測される。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、レーザプロジェクタ1から照射される光によってEPE11上に形成される像の歪みを補正する点で、第1実施例と異なる。具体的には、第2実施例では、レーザプロジェクタ1より照射された光がEPE11に垂直に入射しないような配置状態である場合に、レーザプロジェクタ1より照射された光がEPE11に垂直に入射しないことにより生じ得る、EPE11上に形成される像の歪みを補正する。
なお、以下では、上記した第1実施例と同様の構成については、適宜説明を省略する。また、ここで特に説明しない構成については、第1実施例と同様であるものとする。例えば、EPE11のチルト角βをコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定するといった構成は、第2実施例にも適用される。
図13は、レーザプロジェクタ1とEPE11との配置状態の具体例を示す。図13(a)は、レーザプロジェクタ1からの光がEPE11に垂直に入射するような配置状態を示している。この配置状態では、画像中心を描画するための光が、レーザプロジェクタ1からEPE11に対して垂直に投射される。図13(b)は、レーザプロジェクタ1からの光がEPE11に垂直に入射しないような配置状態を示している。この配置状態では、画像中心を描画するための光が、所定の入射角度(≠0度)にて、レーザプロジェクタ1からEPE11に対して斜めに投射される。
図13(b)に示した配置状態を適用した場合には、EPE11上に形成される像(実像を意味する。以下同様とする。)に台形歪みが発生する場合がある。第2実施例では、このような台形歪みを補正するための処理を行う。なお、図13(a)に示した配置状態を適用した場合には、基本的には、EPE11上に形成される像に台形歪みは発生しない。しかしながら、図13(a)の配置状態では、表示装置100を車室内の上部に設置した場合に、ヘッドクリアランスを確保しにくくなる。よって、表示装置100を車室内の上部に設置する場合のヘッドクリアランスを確保するといった観点では、図13(a)の配置状態よりも図13(b)の配置状態のほうが有利であると言える。
図14は、EPE11上に形成される像の台形歪みを補正する方法を説明するための図である。図14(a)は、図13(b)に示した配置状態を適用した場合に生じ得る、EPE11上に形成される像の台形歪みの具体例を示している。第2実施例では、このような台形歪みをキャンセルするような画像を、レーザプロジェクタ1によってEPE11上に描画させる処理を行う。具体的には、図14(b)に示すような上辺から下辺にかけて長さが徐々に変化するような画像を、入力された画像の縦の幅を圧縮して描画することで、EPE11上には図5に示すような歪の無い格子像が形成される。
1つの例では、レーザプロジェクタ1内のレーザドライバASIC7(図2参照)が、レーザ光源ユニット9内のレーザLDの発光周期を変える制御(つまりレーザLDを発光させるタイミングを変える制御)を行うことで、EPE11上に形成される像のどの横のラインでも画素の数が変わらないように、図14(b)に示すような画像をレーザプロジェクタ1で描画する。この例では、レーザドライバASIC7は、EPE11上に形成される画像の上部から下部にかけて、レーザLDの発光周期が徐々に短くなるように制御を行う(言い換えると、EPE11上に形成される画像の下部から上部にかけて、レーザLDの発光周期が徐々に長くなるように制御を行う)。同時に、MEMS制御部8は、入力された画像に対して描画する横のラインの間隔を狭める、言い換えると線密度を上げるようにMEMSミラー10を制御する。他の例では、レーザプロジェクタ1内のビデオASIC3(図2参照)が、画像信号入力部2から入力された画像に対して画像処理を行うことで、図14(b)に示すような画像をEPE11上に描画させる。この例では、ビデオASIC3は、画像信号入力部2から入力された元画像を、図14(b)に示すような画像に変形する画像処理を行う。このように、レーザプロジェクタ1内のレーザドライバASIC7やビデオASIC3は、本発明における「補正手段」の一例に相当する。
以上説明した第2実施例によれば、レーザプロジェクタ1より照射された光がEPE11に垂直に入射しないことに起因する、EPE11上に形成される像の歪みを適切に補正することができる。そのため、表示装置100を車室内に設置する場合に、EPE11上に形成される像の歪みといった不具合の発生を抑制しつつ、ヘッドクリアランスが確保されるような適切な配置を採用することが可能となる。
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例では、コンバイナ13のチルト角αが変化された場合に、変化後のチルト角αに応じてEPE11のチルト角βを自動で変化させる点で、上記した第1及び第2実施例と異なる。具体的には、第3実施例では、EPE11とコンバイナ13との相対的な角度関係を所定の条件に維持したまま、EPE11のチルト角βを変化させる制御を行う。詳しくは、「β≒2α」といった条件が満たされるように、コンバイナ13のチルト角αの変化に応じて、EPE11のチルト角βを変化させる制御を行う。
ここで、表示装置を車室内に設置して利用する場合、ユーザとしての運転者のアイポイントは、運転者の座高やシートポジションなどによって変わるため、運転者はコンバイナ13のチルト角αを調整する傾向にある。したがって、第3実施例では、運転者がコンバイナ13のチルト角αを変化させることを想定して、チルト角αが変化された場合に、それに伴ってEPE11のチルト角βを自動で変化させることとした。
図15は、第3実施例に係る表示装置101の全体構成を概略的に示したブロック図である。なお、第1実施例に係る表示装置100(図1及び図3参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3実施例に係る表示装置101は、レーザプロジェクタ1の代わりにレーザプロジェクタ1aを有すると共に、角度センサ15及びアクチュエータ16を有する点で、第1実施例に係る表示装置100と異なる。角度センサ15は、コンバイナ13のチルト角αを検出する。アクチュエータ16は、EPE11のチルト角βを変化させる制御を行う。レーザプロジェクタ1aは、レーザプロジェクタ1と同様の構成要素(図2参照)を有すると共に、アクチュエータ16を制御する制御部1aaを有する。
レーザプロジェクタ1内の制御部1aaは、角度センサ15が検出したチルト角αに対応する検出信号S15を取得し、検出信号S15に基づいて、EPE11のチルト角βを変化させるための制御信号S16をアクチュエータ16に供給する。具体的には、制御部1aaは、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定する制御を行う。つまり、制御部1aaは、コンバイナ13のチルト角αが変化された場合に、変化後のチルト角αの略2倍の角度に、EPE11のチルト角βを変化させる制御を行う。なお、制御部1aa及びアクチュエータ16は、本発明における「角度変更手段」の一例に相当する。
次に、図16及び図17を参照して、上記のようにコンバイナ13のチルト角αに応じてEPE11のチルト角βを変化させた場合のシミュレーション結果について説明する。なお、シミュレーションは、コンバイナのチルト角αを除いて第一実施例の図7、図9と同じパラメータを使用して行ったものとする。図16及び図17では、初期状態において、コンバイナ13のチルト角αが第1実施例と同様に「12度」に設定されており、この状態から「16度」にチルト角αが変化された場合について例示する。また、EPE11のチルト角βは、初期状態において、第1実施例と同様に「24度」に設定されているものとする(つまり初期状態においては「β=2α」に設定されているものとする)。その他のパラメータは、第1実施例と同様の値であるものとする。
図16は、アイボックスセンターでのシミュレーション結果の一例を示している。図16(a)〜(d)では、シミュレーションより得られた虚像を実線で示しており、参照スクリーンの形状を一点鎖線の枠で示している。
図16(a)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させなかった場合、つまりEPE11のチルト角βを「24度」に維持した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図16(a)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図16(a)より、虚像の歪みが生じていることがわかる。具体的には、図7(b)に示した、コンバイナ13のチルト角αを変化させる前の初期状態での結果と比較すると、新たな虚像の歪みが生じていることがわかる。
図16(b)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させなかった場合、つまりEPE11のチルト角βを「24度」に維持した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図16(b)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図16(b)より、図16(a)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが抑制されているが、図7(c)に示した、コンバイナ13のチルト角αを変化させる前の初期状態での結果と比較すると、新たな虚像の歪みが生じていることがわかる。
図16(c)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させた場合、つまりEPE11のチルト角βを「32度」に変化させた場合のシミュレーション結果例を示している。また、図16(c)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図16(c)より、図16(a)と比較すると、虚像の歪みが適切に軽減されていることがわかる。
図16(d)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させた場合、つまりEPE11のチルト角βを「32度」に変化させた場合のシミュレーション結果例を示している。また、図16(d)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図16(d)より、図16(b)と比較すると、虚像の歪みが適切に除去されていることがわかる。また、図16(c)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが適切に除去されていることがわかる。
図17は、両眼でのシミュレーション結果の一例を示している。図17(a)〜(d)では、シミュレーションより得られた虚像を実線及び破線で示しており、参照スクリーンの形状を一点鎖線の枠で示している。具体的には、左眼で観察される虚像を実線で示しており、右眼で観察される虚像を破線で示している。
図17(a)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させなかった場合、つまりEPE11のチルト角βを「24度」に維持した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図17(a)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図17(a)より、虚像の歪みが生じていることがわかる。具体的には、図9(b)に示した、コンバイナ13のチルト角αを変化させる前の初期状態での結果と比較すると、新たな虚像の歪みが生じていると共に、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いが大きくなっていることがわかる。
図17(b)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させなかった場合、つまりEPE11のチルト角βを「24度」に維持した場合のシミュレーション結果例を示している。また、図17(b)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図17(b)より、図17(a)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが抑制されているが、図9(c)に示した、コンバイナ13のチルト角αを変化させる前の初期状態での結果と比較すると、新たな虚像の歪みが生じていると共に、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いが大きくなっていることがわかる。
図17(c)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させた場合、つまりEPE11のチルト角βを「32度」に変化させた場合のシミュレーション結果例を示している。また、図17(c)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置しなかった場合のシミュレーション結果例を示している。図17(c)より、図17(a)と比較すると、虚像の歪みが適切に軽減されていると共に、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いが適切に軽減されていることがわかる。
図17(d)は、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角α(=16度)の略2倍に変化させた場合、つまりEPE11のチルト角βを「32度」に変化させた場合のシミュレーション結果例を示している。また、図17(d)は、EPE11とコンバイナ13との間にフィールドレンズ12を設置した場合のシミュレーション結果例を示している。図17(d)より、図17(b)と比較すると、虚像の歪みが適切に軽減されていると共に、両眼のそれぞれで観察される虚像の形状の違いが適切に軽減されていることがわかる。また、図17(c)と比較すると、虚像の弓なりの歪みが適切に除去されていることがわかる。
以上説明した第3実施例によれば、コンバイナ13のチルト角αが変化された場合に、EPE11のチルト角βを適切に変化させることで(具体的には変化後のチルト角αの略2倍にEPE11のチルト角βを変化させることで)、コンバイナ13のチルト角αの変化によって生じる虚像の歪みを適切に抑制することができる。
なお、上記の第1実施例で述べた理由より、EPE11のチルト角βを変化後のチルト角αの2倍に厳密に変化させなくても良い。つまり、EPE11のチルト角βを、コンバイナ13における変化後のチルト角αの2倍付近の角度に変化させても良い。
また、第3実施例は、上記した第2実施例と組み合わせて実施することができる。つまり、コンバイナ13のチルト角αが変化された場合に、変化後のチルト角αの略2倍にEPE11のチルト角βを変化させる制御を行うと共に、レーザプロジェクタ1から照射される光によってEPE11上に形成される像の歪みを補正する処理を行うことができる。
[変形例]
次に、上記した実施例の変形例について説明する。なお、以下で提示する変形例は、上記した第1乃至第3実施例に適宜組み合わせて実施することができると共に、それぞれを適宜組み合わせて実施することができる。
(変形例1)
上記した実施例では、ユーザが虚像を見上げるように構成された表示装置100、101を示したが、変形例1は、ユーザが虚像を見下ろすように構成された表示装置に関する。
図18は、変形例1に係る表示装置102の全体構成を概略的に示したブロック図である。なお、第1実施例に係る表示装置100(図1及び図3参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図18に示すように、変形例1に係る表示装置102は、ユーザが見下ろすことで虚像を観察可能に構成されている点で、第1実施例に係る表示装置100などと異なる。具体的には、第1実施例に係る表示装置100では、ユーザが見上げることで虚像が観察できるように、EPE11及びコンバイナ13を、それぞれ軸b、cに対して反時計回りの方向にチルト角β、αで傾けていたが、変形例1に係る表示装置102では、ユーザが見下ろすことで虚像が観察できるように、EPE11及びコンバイナ13を、それぞれ軸b、cに対して時計回りの方向にチルト角β、αで傾ける。このような変形例1に係る構成でも、第1実施例などと同様に、EPE11のチルト角βがコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定される(変形例1では、軸b、cに対して時計回りの方向を「正」と定義する)。
(変形例2)
変形例2は、EPE11とコンバイナ13との間にミラーが設けられている点で、上記した実施例と異なる。
図19は、変形例2に係る表示装置103の全体構成を概略的に示したブロック図である。なお、第1実施例に係る表示装置100(図1及び図3参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図19に示すように、変形例2に係る表示装置103では、EPE11とコンバイナ13との間に平面ミラー19が設けられている。具体的には、平面ミラー19は、フィールドレンズ12とコンバイナ13との間に配置されている。平面ミラー19は、フィールドレンズ12からの光を反射してコンバイナ13に入射させる。例えば、平面ミラー19は、EPE11の中心を通過した光が45度の入射角にて入射し、当該光を45度の反射角で反射することでコンバイナ13の中心に入射させる。このような平面ミラー19は、例えば表示装置103の全長を短くさせるといった観点より設けられる。
ここで、EPE11の中心C1から平面ミラー19に入射する光の進行方向に対応する軸を「a1」と定義し、平面ミラー19からコンバイナ13の中心C2に入射する光の進行方向に対応する軸を「a2」と定義する。軸a1及び軸a2は、上記したEPE11の中心C1とコンバイナ13の中心C2とを結んだ軸a(図3参照)を折り曲げた軸に相当する。この場合、軸a1に直行すると共にEPE11の中心C1を通る軸b1に対して、EPE11が傾いている角度を、EPE11のチルト角βとして定義する。同様に、軸a2に直行すると共にコンバイナ13の中心C2を通る軸c1に対して、コンバイナ13が傾いている角度を、コンバイナ13のチルト角αとして定義する。また、EPE11のチルト角βについては、軸b1に対して反時計回りの方向を「正」と定義し、コンバイナ13のチルト角αについては、軸c1に対して時計回りの方向を「正」と定義する。
このようにチルト角α、βを定義した場合、虚像の歪みを適切に抑制することができるチルト角α、βは、第1実施例などと同様に「β≒2α」となる。よって、変形例2でも、EPE11のチルト角βがコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定される。
なお、上記では、EPE11とコンバイナ13との間に1つのミラー(平面ミラー19)のみを設ける構成を示したが、EPE11とコンバイナ13との間に2つ以上のミラーを設けても良い。この場合にも、EPE11のチルト角βがコンバイナ13のチルト角αの略2倍に設定される(但し、ミラーを設ける態様などによって、EPE11及びコンバイナ13をチルトさせる方向(時計回り又は反時計回り)が変わってくる)。
(変形例3)
変形例3は、レーザプロジェクタ1及びEPE11の代わりに、液晶ディスプレイを用いる点で、上記した実施例と異なる。
図20は、変形例3に係る表示装置104の全体構成を概略的に示したブロック図である。なお、第1実施例に係る表示装置100(図1及び図3参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図20に示すように、変形例3に係る表示装置104は、レーザプロジェクタ1及びEPE11の代わりに、液晶ディスプレイ200を有する点で、第1実施例に係る表示装置100などと異なる。液晶ディスプレイ200は、本発明の「画像形成素子」の一例に相当する。液晶ディスプレイ200も、上記した第1実施例などと同様に、コンバイナ13のチルト角αの略2倍のチルト角βにて配置される。
なお、レーザプロジェクタ1及びEPE11の代わりに、液晶ディスプレイ200を用いることに限定はされない。他の例では、レーザプロジェクタ1及びEPE11の代わりに、有機ELディスプレイを用いることができる。この場合、有機ELディスプレイは、本発明の「画像形成素子」の一例に相当する。
(変形例4)
変形例4は、EPE11の射出側に配置されたフィールドレンズの構成が、上記した実施例と異なる。具体的には、変形例4に係るフィールドレンズは、EPE11からの光が入射する面(つまり入射面)が凸面形状に構成されていると共に、EPE11からの光が入射する面と反対側の面(つまり出射面)が凸面形状に構成されている。即ち、変形例4に係るフィールドレンズは、両凸球面の形状を有している。また、変形例4に係るフィールドレンズは、その中心とEPE11の中心とを結んだ軸が、EPE11の鉛直方向に延びる軸と平行になるように配置されている。フィールドレンズから出射された光は、コンバイナ13に入射する。なお、変形例4に係るフィールドレンズも、本発明における「虚像歪補正素子」の一例に相当する。
図21は、変形例4に係るフィールドレンズを用いた場合のシミュレーション結果の一例を示す。なお、シミュレーションは、下記のようなパラメータを用いて行ったものとする。
・EPE11とフィールドレンズ入射面との間隔:2mm(EPE11とフィールドレンズの中心は一致するものとする)
・EPE11の中心C1とコンバイナ13の中心C2との間隔Y1:170mm
・コンバイナ13の中心C2とアイポイントとの間隔Y2:500mm
・コンバイナ13の曲率半径:400mm(コンバイナ13の形状は球面)
・コンバイナ13のチルトα:12度
・EPE11のチルトβ:24度
・EPE11上の中間像サイズ:水平方向の長さ75mm×垂直方向の長さ25mm
・フィールドレンズの入射側の曲率半径:800mm
・フィールドレンズの射出側の曲率半径:170mm
・フィールドレンズの中心厚み:8mm
・フィールドレンズの屈折率:1.526
図21(a)は、変形例4に係るフィールドレンズを用いた場合のアイボックスセンターでのシミュレーション結果の一例を示し、図21(b)は、変形例4に係るフィールドレンズを用いた場合の両眼でのシミュレーション結果の一例を示している。図21(a)及び(b)より、両凸球面に構成されたフィールドレンズを用いた場合にも、虚像の歪み(弓なりの歪みなど)を適切に抑制できていることがわかる。
(変形例5)
上記した実施例では、本発明をレーザプロジェクタ1に適用する例を示したが、本発明は、レーザプロジェクタ1以外にも、液晶プロジェクタなどの種々のプロジェクタに適用することができる。
(変形例6)
上記した実施例では、球面形状に構成されたフィールドレンズ12及びコンバイナ13に本発明を適用する例を示したが、本発明は、非球面形状に構成されたフィールドレンズ及び/又はコンバイナにも適用することができる。また、上記した実施例では、平面形状に構成されたEPE11に本発明を適用する例を示したが、EPE11を平面形状に構成することに限定はされない。
以上に述べたように、実施例は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、ヘッドアップディスプレイなどの、虚像として画像を視認させる表示装置に利用することができる。
1 レーザプロジェクタ
11 射出瞳拡大素子(EPE)
12 フィールドレンズ
13 コンバイナ
15 角度センサ
16 アクチュエータ
19 平面ミラー
100 表示装置
請求項1に記載の発明では、表示装置は、表示すべき画像を形成する画像形成素子と、前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、を備え、前記光学素子は、前記画像形成素子から出射された光の進行方向に向かって凹形状を有しており、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に垂直な軸に対する前記画像形成素子の面の角度である第1角度が、前記光の進行方向に垂直な軸に対する前記光学素子の面の角度である第2角度より大きな角度となるよう設定され、前記画像形成素子は、光源から照射された光の射出瞳拡大素子である。

Claims (18)

  1. 表示すべき画像を形成する画像形成素子と、
    前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、を備え、
    前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度である第1角度が、前記光学素子によって表示される前記虚像の歪みが小さくなるように、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度である第2角度に応じて設定されていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の変化に起因する前記虚像の歪みを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる角度変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記光学素子の角度を変化させる手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記第1角度は、前記第2角度よりも大きな角度となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
  5. 前記第1角度は、前記第2角度の略2倍の角度となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置。
  6. 前記光学素子は、前記画像形成素子から出射された光の進行方向に向かって凹形状を有しており、
    前記画像形成素子は、平面形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 前記角度変更手段は、前記虚像の台形歪み及び/又は前記画像形成素子上に形成された画像と前記虚像とのアスペクト比の違いを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  8. 前記角度変更手段は、前記画像形成素子と前記光学素子との相対的な角度関係を所定の条件に維持したまま、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  9. 前記角度変更手段は、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を、前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の略2倍に変化させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  10. 前記画像形成素子と前記光学素子との間に、虚像歪補正素子が配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表示装置。
  11. 前記虚像歪補正素子は、前記光学素子が曲率を有することに起因する、前記虚像の弓なりの歪みを補正することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
  12. 前記画像形成素子は、光源から照射された光の射出瞳を拡大する射出瞳拡大素子であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の表示装置。
  13. 前記光源から照射された光によって前記画像形成素子上に形成される像の歪みを補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記補正手段は、前記光源より照射された光の前記画像形成素子に対する角度に起因する、前記像の歪みを補正することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
  15. 前記画像形成素子は、液晶ディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の表示装置。
  16. 前記画像形成素子は、有機ELディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の表示装置。
  17. 前記第1角度は、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に直行し、且つ前記画像形成素子の中心を通る軸に対して、前記画像形成素子がなす角度であり、
    前記第2角度は、前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に直行し、且つ前記光学素子の中心を通る軸に対して、前記光学素子がなす角度であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の表示装置。
  18. 表示すべき画像を形成する画像形成素子と、
    前記画像形成素子から出射された光を反射することで虚像を表示させる光学素子と、
    前記画像形成素子の中心から前記光学素子の中心へと進む光の進行方向に対する前記光学素子の角度を変化させる第1角度変更手段と、
    前記光の進行方向に対する前記光学素子の角度の変化に起因する前記虚像の歪みを小さくするように、前記光の進行方向に対する前記画像形成素子の角度を変化させる第2角度変更手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
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