以下、本発明を適用する実施形態について説明する。
本発明の磁気共鳴イメージング装置は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系および表示装置を備える磁気共鳴イメージング装置であって、前記制御処理系は、検査を実行するための設定を受け付ける撮像条件設定部と、撮像位置を設定する撮像位置設定部と、前記撮像位置設定部が設定した撮像位置の撮像を行う撮像部と、を備え、前記撮像位置設定部は、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記撮像条件設定部が受け付けた検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決め部と、前記表示装置に、前記スキャノグラム画像を表示するとともに、前記自動位置決め部が検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置に設定し、当該スキャノグラム画像上の当該撮像位置にスタックを表示する検出結果表示部と、を備えることを特徴とする。
また、前記撮像位置設定部は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部をさらに備え、前記予め定めた1以上の位置は、前記自動位置決め部が検出した位置の中の、前記出力パターンとして設定された検査断面の位置であることを特徴とする。
また、前記出力パターン設定部は、前記受け付けた検査部位に応じた出力パターン設定画面を生成して前記表示装置に表示し、当該出力パターン設定画面を介して前記出力する検査断面の設定を受け付けることを特徴とする。
また、検査部位毎に選択可能な検査断面を予め出力パターンとして保持するデータ保持部をさらに備え、前記出力パターン設定部は、前記データ保持部に保持される出力パターンから選択を受け付けることにより、前記出力する検査断面の設定を受け付けることを特徴とする。
また、各検査断面は1以上のスライスで構成され、前記検出結果表示部は、前記スタックとして、各前記出力する検査断面の全スライスで特定される範囲の外枠を表示することを特徴とする。
また、前記検出結果表示部は、前記スタックを点滅表示することを特徴とする。
また、前記検出結果表示部は、操作者からの指示に従って、または、予め定めた時間間隔で、前記スタックの表示と非表示とを切り替えることを特徴とする。
また、前記出力パターンとして設定される検査断面は複数あり、前記検出結果表示部は、検査断面毎に異なる表示態様で、前記スタックを表示することを特徴とする。
また、前記検出結果表示部は、前記撮像位置として設定する位置の選択を受け付ける選択受付部を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
また、操作者からの入力を受け付ける入力装置をさらに備え、前記検出結果表示部は、前記スキャノグラム画像上の、前記自動位置決め部が検出した位置に簡易表示を行い、前記選択受付部は、前記入力装置を介して、前記簡易表示の選択を受け付けることにより、前記位置の選択を受け付け、前記簡易表示は、前記スキャノグラム画像の視認性を損なわず、かつ、前記検出した検査断面の位置と傾きとを把握可能な表示とすることを特徴とする。
また、前記撮像位置設定部は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部をさらに備え、前記検出結果表示部は、前記スキャノグラム画像上の、前記自動位置決め部が検出した位置の中の、前記出力パターンとして設定された検査断面の位置に簡易表示を行い、前記選択受付部は、前記入力装置を介して、前記簡易表示の選択を受け付けることにより、前記位置の選択を受け付け、前記簡易表示は、前記スキャノグラム画像の視認性を損なわず、かつ、前記検出した検査断面の位置と傾きとを把握可能な表示とすることを特徴とする。
また、操作者からの入力を受け付ける入力装置をさらに備え、前記選択受付部は、前記入力装置を介して、前記スキャノグラム画像上の領域の選択を受け付け、前記自動位置決め部が検出した位置の中の前記選択された領域内の位置を、前記選択された位置とすることを特徴とする。
また、前記撮像位置設定部は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部をさらに備え、前記選択受付部は、前記入力装置を介して、前記スキャノグラム画像上の領域の選択を受け付け、前記自動位置決め部が検出した位置の中の前記出力パターンとして設定された検査断面の位置であって、前記選択された領域内の位置を、前記選択された位置とすることを特徴とする。
また、前記撮像位置設定部は、前記検出結果表示部が設定した撮像位置の調整を行う調整部をさらに備え、前記撮像部は、前記調整後の撮像位置の撮像を行うことを特徴とする。
また、前記調整部は、前記検出結果表示部が表示するスタックとともに、前記表示装置に前記撮像位置の調整に用いる調整指示ボタンを表示し、当該調整指示ボタンを介して前記撮像位置の調整を受け付けることを特徴とする。
また、操作者からの指示を受け付ける入力装置をさらに備え、前記調整部は、前記入力装置を介した前記スタックに対する操作者からの指示に従って、前記スタックの表示位置および数の少なくとも1つを更新することにより、調整を行うことを特徴とする。
また、前記各検査断面は1以上のスライスで構成され、前記調整部は、前記スタックに対する操作者による指示に従って、前記検査断面のスライス数の変更を受け付けることを特徴とする。
また、前記調整指示ボタンは、操作者により選択された前記スタックの移動方向を指示するボタンと、操作者により選択された前記スタックの配置を指示するボタンと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像位置設定支援方法は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系を備える磁気共鳴イメージング装置における、検査断面を複数有する検査部位の撮像位置の設定を支援する撮像位置設定支援方法であって、前記制御処理系が、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決めステップと、前記制御処理系が、前記検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置として設定し、前記スキャノグラム画像の当該撮像位置に、視認性を確保してスタックを表示する検出結果表示ステップと、を備えることを特徴とする。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第一の実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本実施形態のMRI装置の一例の全体概要を説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生系120と、傾斜磁場発生系130と、送信系150と、受信系160と、制御処理系170と、シーケンサ140と、とを備える。
静磁場発生系120は、垂直磁場方式であれば、被検体101の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に、均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源を備える。
傾斜磁場発生系130は、MRI装置100の座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル131と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源132とを備え、後述のシ-ケンサ140からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル131の傾斜磁場電源132を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzを印加する。
送信系150は、被検体101の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体101に高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」と呼ぶ。)を照射するもので、高周波発振器(シンセサイザ)152と変調器153と高周波増幅器154と送信側の高周波コイル(送信コイル)151とを備える。高周波発振器152はRFパルスを生成し、シーケンサ140からの指令によるタイミングで出力する。変調器153は、出力されたRFパルスを振幅変調し、高周波増幅器154は、この振幅変調されたRFパルスを増幅し、被検体101に近接して配置された送信コイル151に供給する。送信コイル151は供給されたRFパルスを被検体101に照射する。
受信系160は、被検体101の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出される核磁気共鳴信号(エコー信号、NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)161と信号増幅器162と直交位相検波器163と、A/D変換器164とを備える。受信コイル161は、被検体101に近接して配置され、送信コイル151から照射された電磁波によって誘起された被検体101の応答のNMR信号を検出する。検出されたNMR信号は、信号増幅器162で増幅された後、シーケンサ140からの指令によるタイミングで直交位相検波器163により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器164でディジタル量に変換されて、制御処理系170に送られる。
シーケンサ140は、RFパルスと傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスに従って繰り返し印加する。なお、パルスシーケンスは、高周波磁場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述したもので、予め制御処理系170に保持される。シーケンサ140は、制御処理系170からの指示に従って動作し、被検体101の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系150、傾斜磁場発生系130、および受信系160に送信する。
制御処理系170は、MRI装置100全体の制御、各種データ処理等の演算、処理結果の表示及び保存等を行うもので、CPU171と記憶装置172と表示装置173と入力装置174とを備える。記憶装置172は、ハードディスクと、光ディスク、磁気ディスクなどの外部記憶装置とにより構成される。表示装置173は、CRT、液晶などのディスプレイ装置である。入力装置174は、MRI装置100の各種制御情報や制御処理系170で行う処理の制御情報の入力のインタフェースであり、例えば、トラックボールまたはマウスとキーボードとを備える。入力装置174は、表示装置173に近接して配置される。操作者は、表示装置173を見ながら入力装置174を通してインタラクティブにMRI装置100の各種処理に必要な指示、データを入力する。
CPU171は、操作者が入力した指示に従って、記憶装置172に予め保持されるプログラムを実行することにより、MRI装置100の動作の制御、各種データ処理等の制御処理系170の各処理を実現する。例えば、受信系160からのデータが制御処理系170に入力されると、CPU171は、信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の断層像を表示装置173に表示するとともに、記憶装置172に記憶する。
送信コイル151と傾斜磁場コイル131とは、被検体101が挿入される静磁場発生系120の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体101に対向して、水平磁場方式であれば被検体101を取り囲むようにして設置される。また、受信コイル161は、被検体101に対向して、或いは取り囲むように設置される。
現在、MRI装置の撮像対象核種で、臨床で普及しているものは、被検体101の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。MRI装置100では、プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を、二次元もしくは三次元的に撮像する。
MRI装置100による撮像手順は以下のとおりである。まず、パルスシーケンスに従って送信系150に指示を出し、送信コイル151から被検体101にRFパルスを照射する。RFパルスの照射により被検体101から発生するエコー信号に、傾斜磁場により異なる位相エンコードを与える。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれる。各エコー信号を、受信コイル161で検出する。エコー信号は、通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として検出される。これらのデータを受信系160から制御処理系170に送信する。そして、制御処理系170において、2次元フーリエ変換等の画像処理が施され、1枚の再構成画像が生成される。
上記撮像は、撮像スライスとして設定された撮像位置毎に行われる。撮像位置は、例えば、MRI装置100に予め設定される座標系(装置座標と呼ぶ。)を用いて特定される。MRI装置100では、スライス選択傾斜磁場とRFパルスの照射周波数とを調整することにより、特定された撮像位置の断面の撮像を実現する。
本実施形態では、検査断面が複数ある検査部位を対象とする検査において、自動位置決め機能を用い、所望の検査断面の撮像位置を決定し、撮像を行う。このとき、検査断面が複数あることにより生じる調整作業を容易にする。
これを実現するため、本実施形態の制御処理系170は、図2に示すように、撮像パラメータ(スキャンパラメータ)など検査を実行するための各種の設定を受け付ける撮像条件設定部210と、撮像位置を設定する撮像位置設定部220と、撮像位置設定部220が設定した撮像位置の本撮像を実行する撮像部230と、これらの処理に用いるデータ、処理途中に得られる各種のデータ、および処理結果を保持するデータ保持部240と、を備える。なお、撮像条件設定部210が受け付ける撮像パラメータには、検査部位、スタック数が含まれる。
撮像位置設定部220は、指定された検査部位の全検査断面の撮像位置を自動で検出する自動位置決め部221と、指定された検査部位に応じた出力パターン設定画面を生成し、当該出力パターン設定画面を介して操作者から、自動位置決め出力として所望する検査断面の指示を受け付け、出力パターンとして設定する出力パターン設定部222と、自動位置決め部221が検出した撮像位置の中の出力パターン設定部222で設定した検査断面に相当する位置を出力撮像位置とし、当該出力撮像位置に、視認性を確保してスタックを表示する検出結果表示部223と、出力撮像位置の調整を支援する調整部224と、を備える。
データ保持部240は、記憶装置172に構築され、制御処理系170の他の機能は、CPU171が記憶装置172に保持されるプログラムをメモリにロードして実行することにより実現される。
自動位置決め部221は、非特許文献1または非特許文献2に開示の公知の手法等を用い、操作者から指定された検査部位の、各検査断面に相当する撮像スライスの位置(撮像位置)を自動的に算出する。自動位置決め部221は、開始の指示を受けると、スキャノグラム撮像を行い、得られたスキャノグラム画像上で当該検査部位の撮像位置を検出する。検出した撮像位置の位置情報は、撮像位置毎に、上述のようにデータ保持部240に保持される。
本実施形態では、自動位置決め部221が検出した撮像位置の中から、本撮像に用いる撮像位置にのみスタックを表示する。スタックを表示する撮像位置は、出力パターン設定部222により出力パターンとして設定される。指定は、検査断面を特定することにより、受け付ける。上述のように、自動位置決め部221は、検査部位が有する全ての検査断面の撮像位置を検出する。なお、検査断面として指定されている断面のみを自動位置決め部221が検出するよう構成してもよい。
出力パターン設定部222は、検査部位に応じた出力パターン設定画面を生成し、表示装置173に表示し、操作者からの指示を受け付ける。図3に、検査部位が脊椎領域の場合に表示される出力パターン設定画面300の例を示す。本図に示すように、出力パターン設定画面300は、出力パターン設定領域310と、出力パターン名設定領域320と、保存ボタン330とを備える。
出力パターン設定領域310は、自動位置決め部221が検出する撮像位置の中から、検査断面の選択を受け付ける。このため、出力パターン設定領域310は、検査断面の設定を受け付ける検査断面設定領域311を備える。なお、検査断面によっては、複数の撮像位置を有するものがある。この場合、その検出個数の設定も受け付ける。従って、検出個数の設定を受け付ける検出個数設定領域312をさらに備える。
操作者は、検査断面設定領域311を介して、検査断面を選択する。検査断面設定領域311には、例えば、ラジオボタン、プルダウンメニューなどの表示態様で、検査部位の検査断面を特定するための情報(検査断面情報)が選択可能に表示される。検査断面設定領域311に表示される検査断面情報および検出個数設定領域312に表示される画像は、予め、検査部位に対応付けてデータ保持部240に保持される。検出個数設定領域312に表示される画像は、当該部位の標準画像とする。
検査部位が脊椎領域でアキシャル(AX)断面を撮像する場合、検査対象は椎体または椎間板である。自動位置決め部221は、検査部位として脊椎領域が設定されると、検査断面として自動的に、椎体を含む椎体に平行な面(椎体面)および椎間板を含む椎間板に平行な面(椎間板面)の両方の撮像位置を検出する。操作者は、この中から、検査断面として、椎体面、椎間板面、および、椎体面と椎間板面との両方、のいずれかを選択する。
さらに、椎体および椎間板は複数あるため、撮像範囲をさらに絞る場合、操作者は、検出個数設定領域で検査断面の検出個数を設定することにより、撮像範囲を選択する。
出力パターン名設定領域320は、出力パターン設定領域310で設定した出力パターンを特定する情報を入力し、設定する領域である。保存ボタン330を押下することにより、出力パターン設定領域310で設定された出力パターンが、出力パターン名設定領域320で設定された出力パターン名に対応づけてデータ保持部240に登録される。
検出結果表示部223は、自動位置決め部221が位置決め処理を行うと、その結果を、後述する検出結果表示画面に表示される位置決め画像上に表示する。検出結果表示画面400の例を図4に示す。検出結果表示画面400は、撮像位置設定部220により、データ保持部240に保持されるデータを用いて生成され、表示装置173に表示される。
検出結果表示画面400は、図4に示すように、位置決め画像410を表示する表示領域401と、出力撮像位置の調整に用いる種々のボタンを表示する調整指示領域430と、出力撮像位置の決定の意思と撮像開始の指示とを受け付ける撮像開始ボタン440とを備える。
検出結果表示部223は、位置決め画像410上の出力撮像位置にスタック420を表示する。スタック420は、位置決め画像410の視認性を確保可能な表示形態で表示される。すなわち、スタック420は、位置決め画像410の、検査部位の構造、組織の状態が把握可能なような表示態様で表示される。なお、検出結果表示画面400は、位置決め処理の結果を受けて、検出結果表示部223が生成し、表示装置173に表示するよう構成してもよい。
図5(a)〜(c)に、位置決め画像410上に検出結果表示部223により表示されるスタック420の具体例を示す。ここでも、検査部位が脊椎領域である場合を例示する。
図5(a)は、検査断面毎に、当該検査断面を構成する複数のスライスからなる出力撮像位置を撮像範囲とし、その矩形の外枠421のみスタック420として表示する例である。撮像範囲を示す矩形領域は、出力撮像位置と、撮像パラメータで設定されるスライス枚数およびスライス間隔と、から算出される。
図5(b)は、出力撮像位置にスタック420を点滅表示する例である。検査断面を構成する複数のスライス全てを点滅表示する。また、図5(c)は、操作者からの指示に従って、スタック420の表示/非表示を制御する例である。ここでは、操作者が、例えば、マウス等の入力装置174により、表示/非表示を変更したい出力撮像位置のスタック420を指示することにより、表示/非表示を制御する。操作者からの指示により、全出力撮像位置のスタック420の表示/非表示を一度に制御するよう構成してもよい。また、操作者の指示により、あるいは、予め定めた時間間隔で、スタック420の表示/非表示を、自動的に交互に行うよう構成してもよい。
なお、図5(a)〜(c)に示すような複数の表示態様を用意し、操作者がスタック420の表示態様を選択可能なように構成してもよい。例えば、出力パターン設定画面300が表示態様を選択する領域を備え、操作者は、出力パターン設定画面300を介して、表示態様を選択する。検出結果表示部223は、操作者の選択に従って、スタック420を表示する。なお、出力パターンとして設定される検査断面が複数有る場合、検出結果表示部223は、検査断面毎に表示態様を変えてもよい。
なお、撮像パラメータとして指定される撮像位置の数(指定スタック数)と、出力撮像位置の数とが異なる場合がある。このような場合の検出結果表示部223によるスタック420の表示について説明する。
図6(a)〜図6(c)は、指定スタック数と出力撮像位置数との関係毎の、スタック420の表示手法を説明するための図である。
図6(a)は、指定スタック数と出力撮像位置数とが一致する場合である。この場合は、各出力撮像位置に、スタック420を表示する。すなわち、指定スタック数だけ、スタック420が表示される。
図6(b)は、指定スタック数が出力撮像位置数より少ない場合(指定スタック数<出力撮像位置数)である。例えば、椎体の場合、上下方向(体軸方向)の中心の出力撮像位置から交互に端部の出力撮像位置に向かってセントリックオーダで、指定スタック数分、各出力撮像位置にスタック420を表示する。そして、残りの出力撮像位置には、スタック420とは異なる表示態様の表示を行う。この表示を余剰スタック422と呼ぶ。余剰スタック422は、例えば、破線、スタック420とは異なる色、などで表示する。
図6(c)は、指定スタック数が出力撮像位置より多い場合(指定スタック数>出力撮像位置数)である。例えば、椎体の場合、上下方向(体軸方向)の中心の出力撮像位置からセントリックに、出力撮像位置数分、各出力撮像位置にスタック420を表示する。そして、残りの指定スタック数分、端部のスタック420に平行に、スタック420とは異なる表示態様の表示を行う。この表示を不足スタック423と呼ぶ。不足スタック423は、例えば、破線、スタック420とは異なる色、などで表示する。また、不足スタック423は、スタック420に引き続き、セントリックに、各撮像位置間隔の平均間隔を空けた位置に表示する。
調整部224は、操作者による出力撮像位置の調整を支援する。支援は、検出結果表示画面400上で行う。調整部224は、検出結果表示画面400および入力装置174を介して操作者からスタック420の選択、移動、削除、出力撮像位置の再設定などの指示を受け付け、支援を行う。スタック420の選択は、例えば、選択したいスタック420にマウスポインタを重ねた状態でクリックする、選択したいスタック420を含む所定形状の領域を指定する、等の操作により行う。また、移動、削除、再設定などの操作が行われる毎に、データ保持部240に登録される各撮像位置の位置情報は更新される。指定スタック数と出力撮像位置数とが異なる場合の支援の例を示す。
例えば、指定スタック数が出力撮像位置数より多い場合、図6(c)に示すように、不足スタック423が表示される。明らかに不要なものがある場合、操作者は、不要な不足スタック423を選択し、削除の指示を行う。調整部224は、操作者から削除の指示を受け付けた不足スタック423を削除する。このとき、調整部224は、撮像パラメータで設定された指定スタック数も、削除された指定スタック数だけ減じる。また、検出漏れで実際は撮像すべき位置がある場合は、操作者は、当該位置に不足スタック423を移動させる。このような操作を操作者から受け付けた場合、調整部224は、指定された位置を新たな出力撮像位置と設定し、当該位置にスタック420を表示する。
例えば、指定スタック数が出力撮像位置数より少ない場合、図6(b)に示すように、余剰スタック422が表示される。操作者は、指定スタック数を変えずに撮像する位置を変えたい場合、撮像を行わなくても良い位置に表示されているスタック420を選択し、所望の撮像位置に移動させる。このような指示を受け付けると、調整部224は、移動後の出力撮像位置にスタック420を表示し、移動前の位置に、余剰スタック422を表示する。
指定スタック数が出力撮像位置数より少ない場合の具体的な操作手法を、図7を用いて説明する。調整前のスタック420および余剰スタック422が表示される様子を図7(a)に示す。調整部224は、検出結果表示画面400の調整指示領域430に配される、移動方向指示ボタン(上下ボタン)431、配置指示ボタン(上から順にボタン、下から順にボタン、1つおきボタン)432、等の位置調整指示ボタンを用いた調整の指示を受け付け、出力撮像位置の調整を支援する。
例えば、スタック420全体を上下させる場合の処理を図7(b)に示す。操作者は、全スタック420を選択状態とし、移動方向指示ボタン(上下ボタン)431を押下する。これを受け、調整部224は、両端部の出力撮像位置を上限、下限とし、その間で、全スタック420を、各出力撮像位置に合わせて上下させる。
例えば、選択したスタック420を上下させる場合の処理を図7(c)に示す。操作者は、移動させたい任意のスタック420を選択状態とし、移動方向指示ボタン(上下ボタン)431を押下する。これを受け、調整部224は、両端部の出力撮像位置を上限、下限とし、その間で、選択されたスタック420を、各出力撮像位置に合わせて上下させる。このとき、移動先の出力撮像位置に既にスタック420が配置されている場合は、当該出力撮像位置を飛ばして移動させる。
例えば、選択スタック420を所望の出力撮像位置に移動させる場合の処理を図7(d)に示す。操作者は、移動させたい任意のスタック420を選択状態とし、スタック420未配置の出力撮像位置に移動させる。選択および移動は、例えば、マウス等の入力装置174のクリックとドラッグ操作などにより行う。調整部224は、選択されたスタック420を、移動先の出力撮像位置に移動させる。
例えば、検出された各撮像位置に対し、スタック420をいずれかの端部の撮像位置から順に配置する場合の処理を、図7(e)、(f)に示す。操作者は、配置指示ボタン432の中の上から順にボタンまたは下から順にボタンを押下することにより指示を行う。これらのボタンによる指示を受け付けた場合、調整部224は、指示に従って、出力撮像位置にスタック420を表示する。
例えば、スタック420を、検出された複数の撮像位置に1つおきに配置する場合の処理を、図7(g)に示す。操作者は、配置指示ボタン432の中の1つおきボタンを押下することにより指示を行う。このボタンによる指示を受け付けた場合、調整部224は、指示に従って、出力撮像位置にスタック420を表示させる。例えば、上下方向の中心の出力撮像位置からセントリックに1つおきに、各出力撮像位置にスタック420を表示する。
以上例示した手法等を用い、調整部224は、操作者によるスタック配置の調整を支援する。操作者は、検出結果表示画面400上で、予め用意されたボタンの押下、通常の操作インタフェースであるマウスの利用等により、容易に各スタック420を、出力撮像位置に移動させることができる。
指定スタック数と出力撮像位置数とが同数の場合も、操作者は、位置決め画像上での位置を確認後、スタック420の位置を調整する、指定スタック数を削減する、増加する、スタック420を整列させる、といった調整を行う場合がある。このような調整も、調整部224は支援する。
例えば、スタック420の位置、角度を調整したい場合、操作者は、調整したいスタック420をマウスドラッグで所望の位置に移動させる。このような指示を受け付けると、調整部224は、移動後の位置(出力撮像位置)にスタック420を表示する。なお、移動後の位置から、マウスドラッグによる移動前の位置に、スタック420の表示位置を戻す指示を受け付けるボタン、特別なクリック操作などを用意してもよい。
また、指定スタック数を削減したい場合、操作者は、撮像パラメータの指定スタック数を減らし、減らした数だけ所望のスタック420をマウスクリックなどで指定する。このような指示を受け付けると、調整部224は、マウスクリックで指定された出力撮像位置のスタック420の表示を消去する。また、選択されたスタック420の表示を削除する指示を受け付けるボタンを用意してもよい。なお、撮像パラメータの指定スタック数を減らす処理は、自動化してもよい。すなわち、表示されるスタック420の数に連動させ、操作者が消去したスタック420の数だけ、撮像パラメータの指定スタック数を低減するよう構成してもよい。
また、指定スタック数を増加させたい場合、操作者は、撮像パラメータの指定スタック数を増やすとともに、位置決め画像上で、スタック420を配置したい位置にライン描画を行う。このような指示を受け付けると、調整部224は、ライン描画を受け付けた位置を出力撮像位置として、そこにスタック420を表示する。なお、撮像パラメータの指定スタック数を増やす処理は、自動化してもよい。すなわち、表示されるスタック420の数に連動させ、操作者が増やしたスタック420の数だけ、撮像パラメータの指定スタック数を増加するよう構成してもよい。
また、スタック420を整列させたい場合、操作者は、位置決め画像上で各スタック420の中心を通るラインを指定する。指定するラインは、例えば、脊柱に沿ったラインなどである。このような指示を受け付けると、調整部224は、操作者から指定されたラインに中心がくるよう、各スタック420の表示位置を変更し、再表示を行う。また、特定のスタック420のみ移動させて整列させたい場合、操作者は、位置決め画像上で、移動させたいスタック420上で、当該スタック420の中心となるべき位置をマウスクリックなどで指定する。このような指示を受け付けると、調整部224は、操作者が指定した位置に、その中心が来るようスタック420を移動させて再表示する。
なお、撮像位置設定部220は、検出結果表示画面400上の撮像開始ボタン440により撮像開始の指示を受け付けると、その時点でスタック420が表示されている出力撮像位置を、本撮像の撮像位置とする。そして、データ保持部240に保持される各出力撮像位置の情報を用いて当該撮像位置で撮像が行われるよう撮像パラメータを算出する。
撮像部230は、操作者が設定した撮像パラメータおよび撮像位置設定部220が算出した撮像パラメータを用い、パルスシーケンスに従って、シーケンサ140に指令を出し、撮像を行う。
次に、上記各機能による、本実施形態の検査の流れを説明する。図8(a)は、本実施形態の検査時の処理フローである。
まず、撮像条件設定部210は、検査部位を受け付ける(ステップS1001)。次に、出力パターン設定部222は、受け付けた検査部位の出力パターンの設定を受け付ける出力パターン設定画面300を表示装置173に表示し、操作者から出力パターンの設定を受け付ける(ステップS1002)。そして、出力パターン名の設定を受け付け、出力パターン名に対応づけて出力パターンをデータ保持部240に保存する(ステップS1003)。
そして、撮像条件設定部210は、検査プロトコルを作成し、保存する(ステップS1004)。ここで、検査プロトコルとは、検査手順に従って、検査を構成する複数の撮像をひとまとめにしたものである。一般的な検査プロトコルは、位置決め画像を取得するスキャノグラム撮像と、診断用の画像を取得する本撮像とを備える。自動位置決め部221は、このスキャノグラム撮像で取得した位置決め画像を用い、撮像位置を検出する。なお、撮像位置が1箇所である場合は、自動位置決め部221が決定した撮像位置で本撮像を行う。
検査プロトコルを作成する際、撮像条件設定部210は、プロトコル設定画面500を表示装置173に表示し、このプロトコル設定画面500を介して、検査プロトコル作成に必要な設定を受け付ける。
プロトコル設定画面500の例を図9に示す。プロトコル設定画面500は、本図に示すように、スキャノグラム撮像、本撮像、といった検査で実行する撮像毎に、撮像パラメータの設定を受け付ける。実行する撮像の設定を受け付ける撮像種設定領域510と、設定した撮像毎に撮像パラメータの設定を受け付けるパラメータ設定領域520と、保存ボタン530と、を備える。本実施形態では、スキャノグラム撮像において、その撮像パラメータに加え、自動位置決めを行うか否かの設定を受け付ける。自動位置決めを行う設定を受け付けた場合、出力パターンとして、ステップS1003で保存した名称を表示する。
撮像条件設定部210は、保存ボタン530の押下を受け付け、プロトコル設定画面500を介して設定を受け付けた内容を検査プロトコルとしてデータ保持部240に保存する。保存に当たっては、検査プロトコル名の設定を受け付ける。
次に、撮像条件設定部210は、図10に示す検査画面600を表示装置173に表示し、ステップS1004で保存されたプロトコルをロードする(ステップS1005)。検査画面600は、図10に示すように、検査で実行される撮像種を表示する撮像種表示領域610と、撮像種毎の撮像パラメータを表示するパラメータ表示領域620と、検査開始の指示を受け付ける検査開始ボタン630とが表示される。操作者は、表示内容を確認し、検査開始ボタン630を押下する。
操作者の検査開始ボタン630の押下を受け(ステップS1006)、撮像部230は検査を構成する撮像を開始する。本実施形態では、まず、スキャノグラム撮像を開始する(ステップS1007)。そして、スキャノグラム撮像を終え、スキャノグラム画像を得ると、自動位置決め部221は、自動位置決めを行う(ステップS1008)。自動位置決め処理を終えると、検出結果表示部223は、検出結果表示画面400にスタック420を表示するスタック表示処理を行う(ステップS1009)。
ここで、本実施形態の検出結果表示部223によるスタック表示処理について説明する。図8(b)に、本実施形態のスタック表示処理の流れを示す。図6(a)〜(c)で説明したように、まず、指定スタック数Sと出力撮像位置数Lとを比較する(ステップS1101、S1103)。指定スタック数Sと出力撮像位置数Lとが一致する場合、各出力撮像位置に、スタック420を表示する(ステップS1102)。このとき、S個のスタック420が表示される。
一方、指定スタック数Sが出力撮像位置数Lより少ない場合、図6(b)に示すように、所定の出力撮像位置に指定スタック数S個のスタック420を表示するとともに、残りの出力撮像位置に、(L-S)個の余剰スタック422を表示する(ステップS1104)。
また、指定スタック数Sが出力撮像位置数より多い場合、図6(c)に示すように、各出力撮像位置に、出力撮像位置数Lだけスタック420を表示し、残りの(S-L)個、不足スタック423を所定の位置に表示する(ステップS1105)。
スタック表示処理を終えると、撮像位置設定部220は、検出結果表示画面400を介して、操作者から本撮像開始の指示を待つ(ステップS1010)。本撮像開始の指示を受け付けると、撮像位置設定部220は、その時点でスタック420が表示されている出力撮像位置を、本撮像の撮像位置とするよう撮像パラメータを算出する(ステップS1011)。そして、撮像部230は、算出した撮像パラメータを用いて本撮像を開始する(ステップS1012)。
一方、ステップS1010において、本撮像開始の指示の前に、選択指示、移動指示等の調整の指示を受け付けると、調整部224は、受け付けた指示に従って、スタック420の表示位置を上述の手法で調整する(ステップS1013)。そして、撮像位置設定部220は、ステップS1010へ移行し、本撮像開始の指示を待つ。
なお、ステップS1013の、調整部224による調整は、先に説明したように、操作者からの指示に従って行う。また、指定スタック数が出力撮像位置数より少ない場合、図7(a)〜(g)に示す手法等により調整を支援する。
本実施形態の制御処理系170は、以上の手順で検査を実行する。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系170および表示装置173を備えるMRI装置100であって、前記制御処理系170は、検査を実行するための設定を受け付ける撮像条件設定部210と、撮像位置を設定する撮像位置設定部220と、前記撮像位置設定部220が設定した撮像位置の撮像を行う撮像部230と、を備え、前記撮像位置設定部220は、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記撮像条件設定部220が受け付けた検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決め部221と、前記表示装置173に、前記スキャノグラム画像を表示するとともに、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置に設定し、当該スキャノグラム画像上の当該撮像位置に、視認性を確保してスタック420を表示する検出結果表示部223と、を備える。
また、前記撮像位置設定部221は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部222をさらに備え、前記予め定めた1以上の位置は、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の、前記出力パターンとして設定された検査断面の位置としてもよい。また、前記出力パターン設定部222は、前記受け付けた検査部位に応じた出力パターン設定画面300を生成して前記表示装置173に表示し、当該出力パターン設定画面300を介して前記出力する検査断面の設定を受け付けてもよい。
このとき、各検査断面は1以上のスライスで構成され、前記検出結果表示部223が前記スタック420として、各前記出力する検査断面の全スライスで特定される範囲の外枠を表示するよう構成してもよい。また、前記検出結果表示部223が、前記スタック420を点滅表示するよう構成してもよい。また、前記検出結果表示部223は、操作者からの指示に従って、または、予め定めた時間間隔で、前記スタック420の表示と非表示とを切り替えるよう構成してもよい。さらに、前記出力パターンとして設定される検査断面が複数ある場合、前記検出結果表示部223は、検査断面毎に異なる表示態様で、前記スタック420を表示するよう構成してもよい。
また、前記撮像位置設定部220は、前記検出結果表示部が設定した撮像位置の調整を行う調整部224をさらに備え、前記撮像部230が、前記調整後の撮像位置の撮像を行うよう構成してもよい。このとき、前記調整部224は、前記検出結果表示部223が表示するスタック420とともに、前記表示装置173に前記撮像位置の調整に用いる調整指示ボタンを表示し、当該調整指示ボタンを介して前記撮像位置の調整を受け付けるよう構成してもよい。また、前記調整指示ボタンは、操作者により選択された前記スタックの移動方向を指示するボタンと、操作者により選択された前記スタックの配置を指示するボタンと、を備えてもよい。
また、MRI装置100は、操作者からの指示を受け付ける入力装置174をさらに備え、前記調整部224は、前記入力装置174を介した前記スタック420に対する操作者からの指示に従って、前記スタック420の表示位置および数の少なくとも1つを更新することにより、調整を行うよう構成してもよい。
このように、本実施形態によれば、自動位置決め部221が検出した撮像位置の中の所望の撮像位置に、背後の位置決め画像の構造、組織の状態の視認性を妨げることなくスタック420が表示される。従って、撮像位置の位置決め画像上の位置が把握し易く、背後の位置決め画像との関係で、その正当性の判断がし易い。
また、撮像パラメータで設定された指定スタック数と出力パターンとして設定される出力撮像位置数とが異なる場合、不一致箇所は、その表示態様を変えて表示される。従って、操作者は、自動位置決め部221が検出した撮像位置の中で、実際に本撮像に用いられる位置を容易に把握することができる。操作者はこのような表示をみながら調整を行うことができるため、調整作業が容易になる。従って、本実施形態によれば、検査断面が複数ある部位が検査対象の場合であっても、位置決めの時間短縮という、自動位置決め機能の利点を損なうことがない。
また、本実施形態によれば、検査部位に応じた検査断面および検査断面数からなる出力パターンの設定を専用のインタフェースで行う。従って、検査断面が複数ある部位が検査対象であっても、操作者は容易に出力パターンを設定することができる。
さらに、本実施形態によれば、撮像パラメータで指定される指定スタック数と出力パターンとして設定される出力撮像位置数とが異なる場合、スタック420を割り当てる出力撮像位置の調整、あるいは、出力撮像位置数の増減、といった調整を専用のインタフェースを用いて行う。このように、本実施形態は、操作性の良い簡単な調整手段を備えているため、調整作業も直感的に簡便にでき、容易になるだけでなく、操作者によらず高い精度で調整できる。
従って、本実施形態によれば、撮像位置として設定可能な位置が複数あるような部位の撮像であっても、検査目的に合った位置決め位置の自動出力が可能となる。出力位置の調整が必要でなければ、そのまま本撮像を行うことができる。一方、出力位置の調整が必要な場合であっても、直感的に簡便に調整が可能となる。従って、検査全体として操作数が削減され、操作者の負担が軽減する。
なお、上記実施形態では、検査毎に、検査部位に応じてステップS1002で検査断面を設定し、ステップS1003で名前をつけて保存しているが、これに限られない。予め、検査部位に応じて、選択可能な検査断面、検査断面数毎に、それぞれ出力パターンを予め作成し、名前を付けてデータ保持部240に登録するよう構成してもよい。すなわち、MRI装置100は、検査部位毎に選択可能な検査断面を予め出力パターンとして保持するデータ保持部をさらに備え、前記出力パターン設定部222は、前記データ保持部に保持される出力パターンから選択を受け付けることにより、前記出力する検査断面の設定を受け付けてもよい。
この場合は、上記ステップS1002およびS1003の処理は行わなくてよい。すなわち、ステップS1001において、検査部位が設定されると、撮像条件設定部210は、ステップS1004へ行き、プロトコル設定画面500を表示装置173に表示する。このとき、プロトコル設定画面500は、パラメータ設定領域520において、自動位置決めを行う設定を受け付けた場合、出力パターンの選択も受け付けるよう構成する。そして、撮像条件設定部210は、予め作成した出力パターンの出力パターン名をメニュー表示等で表示し、操作者の選択を受け付け、受け付けた選択に従って、検査プロトコルを作成し、保存する。
また、予め複数の出力パターンを作成し、データ保持部240に保持する場合、用いる出力パターンは、任意のタイミングで変更可能なよう構成してもよい。例えば、上記ステップS1005において表示される検査画面600上で変更可能なよう構成してもよい。この場合も、出力パターン名をメニュー表示等で選択可能なよう構成する。
このように構成することで、例えば、上記例において、プロトコル設定画面500では、椎体が選択されていたところ、検査画面600上で椎間板に変更することができる。この場合、自動位置決め処理後、変更後の出力パターンでスタック420が表示される。
さらに、予め複数の出力パターンを作成し、データ保持部240に保持する場合、ステップS1009においてスタック420が表示された後に、出力パターンを変更可能なよう構成してもよい。この場合、出力パターンが変更される毎に、ステップS1008へ戻り、自動位置決め部221は、自動位置決めを行い、検出結果表示部223は、出力パターンに沿ったスタック420を表示する。なお、自動位置決め部221により、検査対象部位の全ての撮像位置を検出可能な場合は、出力パターンを変更する毎に、改めて自動位置決めを行うことなくステップS1009へ戻り、検出結果表示部223が出力する撮像位置を出力パターンに沿ったものに変更すればよい。
なお、上記実施形態では、1軸方向の断面の出力パターンを設定し、当該方向の撮像位置を設定する場合を例にあげて説明しているが、これに限られない。サジタル、コロナルおよびアキシャルの各断面について、複数の検査断面の選択肢があるものについては、それぞれ、出力パターン設定部222は、出力パターンを設定し、名前を付けて保存する。そして、プロトコル設定画面500、あるいは、検査画面600において選択するよう構成してもよい。
また、部位によっては、検査断面の選択肢が少ない場合がある。この場合は、出力パターン設定画面300を用意しなくてもよい。そして、例えば、検査画面600またはプロトコル設定画面500に検査断面を選択するメニューを配置し、そこで選択可能なように構成してもよい。図11に、検査画面600が検査断面を選択するメニュー621を備える場合を例示する。この場合、操作者は、それぞれの撮像パラメータ選択時に検査断面を選択する。検出結果表示部223は、選択に従ってスタック420を表示する。
なお、この場合、検出個数を選択できない。従って、撮像位置が複数ある検査断面の場合、撮像パラメータで設定される指定スタック数を検出個数としてもよい。また、全ての撮像位置にスタック420を表示し、その中から操作者による選択を受け付けるよう構成してもよい。
さらに、出力パターン設定のタイミングは、上記に限られない。例えば、スキャノグラム画像取得後、各本撮像による画像取得後、等であってもよい。すなわち、得られた画像を見て、次の検査断面を決定する。
この場合の検査画面600を図12に例示する。ここでは、各撮像後に得られた画像を表示する検査画面600の撮像パラメータ設定部分に、出力パターン設定画面300を呼び出す起動ボタン622を配する。撮像条件設定部210は、起動ボタン622の押下を受け付け、出力パターン設定画面300を表示する。
上記実施形態では、検査部位が脊椎領域である場合を例にあげて出力パターン設定画面300等の表示装置173に表示される画面例を説明したが、以下に、他の検査部位の例を説明する。
検査部位が膝関節の場合の出力パターン設定画面300例を図13に示す。膝関節には、半月板、十字靱帯などの検査断面がある。ここでは、一例として、検査断面名で出力撮像位置を指定するのではなく、事前に設定した基本的な位置決め位置の中から、検査の目的に応じて、自動位置決め出力として所望するものを選択する場合を例にあげて説明する。基本的な位置決め位置は、検査の目的に応じて、装置毎に、事前にデフォルト検査断面として設定され、データ保持部240に登録される。そして、出力パターン設定部222は、このデフォルト検査断面に基づいて被検体毎の出力パターンを設定する。
検査断面設定領域311にはデフォルト検査断面毎に付与された名称が表示される。ここでは、デフォルト1、デフォルト2とする。名称が選択されると、出力パターン設定部222は、データ保持部240に、当該名称に対応づけて登録される位置決め位置(デフォルト1)321を抽出し、検出個数設定領域312の標準画像上に表示する。操作者は、表示される位置決め位置321を、入力装置174を用いて操作して変更し、位置決め位置322を決定する。出力パターン設定部222は、出力パターン名設定領域320に名称が入力され、保存ボタン330が押下されたことを受け、その時点で標準画像上に表示される位置決め位置322を、出力パターンとして、出力パターン名に対応付けてデータ保持部240に登録する。
この場合、プロトコル設定画面500、検査画面600において、自動位置決めを行うよう設定された場合、デフォルトの検査断面に加え、操作者が出力パターン設定画面300を用いて作成した出力パターンも選択可能とする。選択可能なよう構成した検査画面600の例を図14に示す。
また、検査部位が膝関節の場合の、スタック420表示の具体例を図15に示す。図15(a)は、位置決め画像410上の出力撮像位置に、検査断面を構成する複数のスライスの表示を省き、撮像範囲のみ矩形421で表示するスタック420の例である。図15(b)は、位置決め画像410上の出力撮像位置に、スタック420を点滅表示する例である。図15(c)は、操作者からの指示に従って、スタック420の表示/非表示を変更する例である。
また、検査部位が肩関節の場合の出力パターン設定画面300例を図16に示す。検査部位が肩関節の場合も、膝関節の場合と同様に、予めデフォルトの検査断面を、装置毎に、作成し、名称を付けてデータ保持部240に登録する場合を例示する。その他の処理は、膝関節の場合と同様である。
すなわち、検査断面設定領域311にはデフォルト検査断面毎に付与された名称が表示される。ここでは、デフォルト1、デフォルト2とする。名称が選択されると、出力パターン設定部222は、データ保持部240に、当該名称に対応づけて登録される位置決め位置(デフォルト1)321を抽出し、検出個数設定領域312の標準画像上に表示する。操作者は、表示される位置決め位置321を、入力装置174を用いて操作して変更し、位置決め位置322を決定する。出力パターン設定部222は、出力パターン名設定領域320に名称が入力され、保存ボタン330が押下されたことを受け、その時点で標準画像上に表示される位置決め位置322を、出力パターンとして、出力パターン名に対応付けてデータ保持部240に登録する。
検査部位が肩関節の場合の、スタック420表示の具体例を図17に示す。図17(a)は、位置決め画像410上の出力撮像位置に、検査断面を構成する複数のスライスの表示を省き、撮像範囲のみ矩形421で表示するスタック420の例である。図17(b)は、位置決め画像410上の出力撮像位置に、スタック420を点滅表示する例である。図17(c)は、操作者からの指示に従って、スタック420の表示/非表示を変更する例である。
<<第二の実施形態>> 次に本発明を適用する第二の実施形態について説明する。本実施形態では、自動位置決め後、スタックとして表示する出力撮像位置を、操作者が選択可能とする。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を有する。ただし、本実施形態では、上述のように、設定された出力パターンに従って自動位置決め後、得られた検査断面の撮像位置の中からスタックとして表示する出力撮像位置の選択を受け付ける。このため、制御処理系170の撮像位置設定部220の構成が異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
図18は、本実施形態の撮像位置設定部220の機能ブロック図である。本図に示すように、本実施形態は、第一の実施形態同様、自動位置決め部221と、出力パターン設定部222と、検出結果表示部223と、調整部224とを備える。また、検出結果表示部223は、設定された検査断面の撮像位置の中からスタック420を表示する出力撮像位置の選択を受け付ける選択受付部225を備える。なお、自動位置決め部221と、出力パターン設定部222と、調整部224の各機能は第一の実施形態と同様である。以下、本実施形態の検出結果表示部223について説明する。
本実施形態の検出結果表示部223は、自動位置決め部221が位置決め処理を行うと、第一の実施形態同様、設定された検査断面の撮像位置を位置決め画像上に表示する。このとき行う表示は、スタック420ではなく、簡易な表示(以下、簡易表示と呼ぶ。)とする。簡易表示は、位置決め画像の視認性を損なわず、かつ、操作者が、検査断面の位置および傾きを把握可能な態様で表示する。
本実施形態においても、第一の実施形態同様、検出結果表示部223は、例えば、検出結果表示画面を生成し、表示装置173に表示する。そして、本実施形態の検出結果表示部223は、その検出結果表示画面の位置決め画像410上で、設定された検査断面の撮像位置に簡易表示をするとともに、スタック420を表示する撮像位置の選択を受け付ける。スタック420を表示する撮像位置の選択は、後述するように選択受付部225が受け付ける。
本実施形態の検出結果表示部223が表示する検出結果表示画面400aの例を図19に示す。本実施形態の検出結果表示画面400aも、第一の実施形態同様、撮像位置設定部220または検出結果表示部223により、データ保持部240に保持されるデータを用いて生成され、表示装置173に表示される。検出結果表示画面400aは、図19に示すように、位置決め画像410を表示する表示領域401と、出力撮像位置の調整に用いる種々のボタンを表示する調整指示領域430と、出力撮像位置の決定の意思と撮像開始の指示とを受け付ける撮像開始ボタン440とを備える。これらの各機能は、第一の実施形態の検出結果表示画面400の同名の機能と同様である。さらに、本実施形態の検出結果表示画面400aは、スタック420を表示する撮像位置の選択の確定の意思を受け付ける確定ボタン470を備える。
図20は、本実施形態の検出結果表示部223および選択受付部225による処理を説明するための図である。ここでは、検査部位として脊椎領域が、検査断面として椎体が、それぞれ選択された場合を例にあげて説明する。位置決め画像410として、脊椎の横断面が表示される。図20(a)は、本実施形態の検出結果表示部223による表示例を示す図である。図20(b)は、選択受付部225による、操作者の選択を受け付ける様子を説明するための図である。図20(c)は、位置決め画像410上に表示されるスタック420を説明するための図である。
簡易表示450は、表示領域401の位置決め画像410上の、設定された検査断面の撮像位置に表示される。表示の具体例を図20(a)に示す。図20(a)は、簡易表示450として、アローヘッドを用いる例である。アローヘッドの先端位置が検出された撮像位置であり、傾きが、検出された検査断面の傾きを示す。簡易表示450の表示態様はこれに限られない。
本実施形態の選択受付部225は、簡易表示450が表示された位置決め画像410上で、操作者による出力撮像位置の選択を受け付ける。選択は、例えば、図20(b)に示すように、所望の簡易表示450を、入力装置174を用いて矩形の領域選択枠460で囲むことにより受け付ける。選択の解除は、例えば、表示された領域選択枠460にマウスポインタを置き、クリックすることにより受け付ける。簡易表示450の選択、解除手法はこれに限られない。
選択を終えると、操作者は、確定ボタン470を押下し、選択する簡易表示450(撮像位置)が定まったことを選択受付部225に通知する。選択受付部225は、確定ボタン470の押下を受け、その時点で、矩形の領域選択枠460で囲まれている簡易表示450(撮像位置)が選択されたものと判断する。
検出結果表示部223は、選択受付部225から選択された簡易表示450(撮像位置)の通知を受けると、位置決め画像410上の選択された簡易表示450(撮像位置)の位置に、図20(c)に示すように、スタック420を表示する。
本実施形態の、制御処理系170の各機能による検査の流れは、基本的に図8に示す第一の実施形態の処理フローと同様である。ただし、ステップS1008の自動位置決め後、ステップS1009のスタック表示処理までの間に新たな処理が入る。第一の実施形態では、検出結果表示部223は、自動位置決め部221が自動位置決め処理を終え、撮像位置が検出されると、検査断面に該当する撮像位置を出力撮像位置とし、位置決め画像410上の対応する位置にスタック420を表示する。このとき、図8(b)に示すように、必要に応じて余剰スタック422および不足スタック423いずれか一方も併せて表示する。一方、本実施形態では、検出された撮像位置の中から、操作者により選択された撮像位置を出力撮像位置とし、そこにスタック420を表示する。
図21に、本実施形態の、ステップS1008の自動位置決め処理の後の、ステップS1009のスタック表示処理までの処理の流れを示す。また、各処理時の位置決め画像410上の表示を、図22を用いて説明する。ここでは、一例として、検査部位が脊椎領域、検査断面が椎間板である場合を示す。
本実施形態では、自動位置決め部221が、撮像位置を検出すると、検出結果表示部223は、位置決め画像410上の、設定された検査断面の撮像位置に、図22(a)に示すように、簡易表示450を行う(ステップS2001)。
次に、選択受付部225は、操作者から、簡易表示450の選択を受け付ける(ステップS2002)。選択は、図22(b)に示すように、選択したい位置の簡易表示450を矩形の領域選択枠460で囲むことによりなされる。選択受付部225は、確定ボタン470の押下を受け付けると(ステップS2003)、その時点で、選択されている簡易表示450(撮像位置)を、選択された撮像位置と確定し(ステップS2004)、検出結果表示部223に通知する。検出結果表示部223は、選択された撮像位置を出力撮像位置とし、位置決め画像410上の当該出力撮像位置に相当する位置に、図22(c)に示すように、スタック420を表示するスタック表示処理を行う(ステップS2005)。
なお、ステップS2005において、決定した本実施形態の出力撮像位置を用いたスタック表示処理は、図8(b)に示す第一の実施形態のスタック表示処理と同様である。また、スタック表示S1009以降の処理は、基本的に第一の実施形態と同様である。すなわち、第一の実施形態同様、調整部224は、スタック420が表示されている出力撮像位置に対する調整を受け付け、撮像位置設定部220は、撮像開始ボタン440により撮像開始の指示を受け付けると、その時点でスタック420が表示されている出力撮像位置を、本撮像の撮像位置とする。これらの処理中のデータは、全て記憶装置172上に構築されるデータ保持部240に保持される。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系170および表示装置173を備えるMRI装置100であって、前記制御処理系170は、検査を実行するための設定を受け付ける撮像条件設定部210と、撮像位置を設定する撮像位置設定部220と、前記撮像位置設定部220が設定した撮像位置の撮像を行う撮像部230と、を備え、前記撮像位置設定部220は、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記撮像条件設定部220が受け付けた検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決め部221と、前記表示装置173に、前記スキャノグラム画像を表示するとともに、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置に設定し、当該スキャノグラム画像上の当該撮像位置に、視認性を確保してスタック420を表示する検出結果表示部223と、を備える。このとき、前記検出結果表示部223は、前記撮像位置として設定する位置の選択を受け付ける選択受付部225を備えてもよい。
また、前記MRI装置100は、操作者からの入力を受け付ける入力装置174をさらに備え、前記検出結果表示部223は、前記スキャノグラム画像上の、前記自動位置決め部221が検出した位置に簡易表示450を行い、前記選択受付部225は、前記入力装置174を介して、前記簡易表示450の選択を受け付けることにより、前記位置の選択を受け付け、前記簡易表示450は、前記スキャノグラム画像の視認性を損なわず、かつ、前記検出した検査断面の位置と傾きとを把握可能な表示としてもよい。
また、前記撮像位置設定部220は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部222をさらに備え、前記検出結果表示部223は、前記スキャノグラム画像上の、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の、前記出力パターンとして設定された検査断面の位置に簡易表示450を行い、前記選択受付部225は、前記入力装置174を介して、前記簡易表示450の選択を受け付けることにより、前記位置の選択を受け付け、前記簡易表示450は、前記スキャノグラム画像の視認性を損なわず、かつ、前記検出した検査断面の位置と傾きとを把握可能な表示としてもよい。
このように、本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。従って、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、本実施形態のMRI装置では、自動位置決め部221が検出した撮像位置の中から、操作者が所望の撮像位置を選択することができる。従って、本実施形態によれば、撮像位置の決定にあたり、操作者にとって、より使い勝手の良い、操作性の高いMRI装置を提供することができる。
なお、上記実施形態では、検査断面として1種(脊椎領域であれば、椎体または椎間板)である場合を例にあげて説明したが、設定される検査断面は複数であってもよい。
また、上記実施形態では、出力パターン設定部222により、検査断面、あるいは、検査断面および検査個数が予め設定されている場合を例にあげて説明したが、これらの事前設定は省略されていてもよい。この場合、検出結果表示部223は、検出された全検査断面の撮像位置に簡易表示450を行う。
この場合の検出結果表示部223によるスタック表示処理を図23(a)〜(c)を用いて説明する。ここでは、一例として、検査部位として脊椎領域が選択された場合を例示する。
検査部位が脊椎領域の場合、検査断面には、椎体と椎間板とがある。従って、自動位置決め部221は、全検査断面の撮像位置、すなわち、椎体と椎間板の全撮像位置を検出する。検出結果表示部223は、まず、図23(a)に示すように、椎体および椎間板の両方の撮像位置に簡易表示450を行う。なお、このとき、本図に示すように、検査断面毎に異なる態様で簡易表示450を行うよう構成してもよい。異なる態様とは、例えば、表示位置を変える、表示形態を変える、などである。本図では、椎間板に相当する出力撮像位置の簡易表示452を脊椎の左側に、椎体に相当する出力撮像位置の簡易表示451を脊椎の右側に表示し、簡易表示451と簡易表示452とは、表示色も変える例を示す。
なお、検査断面等の事前設定が無い場合であっても、所望の撮像位置の選択は、上記同様、図23(b)に示すように、矩形などの領域選択枠460で所望の簡易表示450を囲むといった手法でなされる。そして、図23(c)に示すように、検出結果表示部223は、選択された簡易表示450の位置に、検査断面種を問わず、スタック420を表示する。
なお、出力パターン設定処理において、複数の検査断面が設定された場合も同様である。すなわち、検査部位が脊椎領域の場合、椎体と椎間板とが検査断面として設定された場合、設定された検査断面の撮像位置に簡易表示450を行う際、図23(a)に示すように、検査断面毎に異なる態様で表示させてもよい。
このように、検査断面等を指定する事前設定処理を行わない場合、前記検出結果表示部223は、前記撮像位置に、当該検査断面の位置と傾きとが特定され、かつ、前記位置決め画像410上の前記検査部位の構造と組織の状態とを操作者が把握可能な態様の簡易表示450を行い、前記選択受付部225は、前記簡易表示を介して前記出力撮像位置の選択を受け付ける。このように構成することにより、出力パターン設定処理を簡略化することができ、より操作性の高いMRI装置を提供できる。
なお、本実施形態では、出力撮像位置の中から所望の位置を選択するにあたり、矩形の領域選択枠460で領域を選択する場合を例にあげて説明したが、これに限られない。他の形状、例えば、図24(a)に示す円をはじめとして、楕円、ポリゴン、などの形状の領域選択枠460で所望の位置に相当する簡易表示450を選択するよう構成してもよい。また、図24(b)に示すように、複数の領域を選択可能なように構成してもよい。この場合、確定ボタン470の押下が成された時点で選択されている全ての簡易表示450の位置に、スタック420を表示する。さらに、所望の位置にある簡易表示450そのものを、マウスポインタをおいてクリックするなどの操作により選択するよう構成してもよい。
いずれの選択手法であっても、選択された簡易表示450を、非選択の簡易表示450とは異なる態様で表示するよう構成してもよい。異なる態様とは、例えば、図24(c)に示すように、表示色を変更する等である。また、簡易表示450としてアローヘッドを用いる場合、例えば、外枠のラインの太さ、形状を変更する等としてもよい。
さらに、本実施形態では、自動位置決め部221が検出した所定の撮像位置に、簡易表示450を行うよう構成しているが、この、簡易表示450は行わなくてもよい。この場合のスタック表示処理の流れを、図25を用いて説明する。ここでは、検査部位として脊椎領域が選択され、検査断面として椎体が選択された場合を例にあげて、位置決め画像410のみ抽出して説明する。
この場合、検出結果表示部223は、上記ステップS2001において、図25(a)に示すように、簡易表示450は行わない。ただし、設定された検査断面の撮像位置の位置情報は、図24(b)に示すように、内部的に保持する。
そして、選択受付部225は、図24(c)に示すように、簡易表示450無しの位置決め画像410上で、領域の選択を受け付ける。
そして、確定ボタン470の押下に応じて、選択受付部225は、選択された領域を検出結果表示部223に通知する。検出結果表示部223は、選択された領域内の、設定された検査断面の撮像位置を、選択された撮像位置と確定し、出力撮像位置とする。検出結果表示部223は、位置決め画像410上の、出力撮像位置に、図24(d)に示すように、スタック420を表示する。
なお、選択された検査断面が椎間板である場合も同様である。この場合の、スタック表示処理時の位置決め画像410の様子を図26(a)〜(d)に示す。
すなわち、検出結果表示部223は、選択受付部225とともに、図26(a)のように簡易表示450無しの位置決め画像410上で、図26(c)に示すように、領域の選択を受け付ける。領域選択確定後、選択された領域内の椎間板の撮像位置に、図26(d)に示すように、スタック420を表示する。なお、検出された椎間板の撮像位置の位置情報は、図26(b)に示すように内部的に保持される。
また、検査断面等の事前設定無し、または、出力パターン設定時に複数の検査断面が選択された場合も同様である。ここでは、検査部位を脊椎領域とする場合を例にあげて説明する。検査部位が脊椎領域である場合、検査断面は椎体と椎間板との2種であるため、検査断面が設定されない場合と、検査断面として椎体および椎間板が選択された場合とは、同じである。この場合の、スタック表示処理時の位置決め画像410の様子を図26(a)〜(d)に示す。
検出結果表示部223は、選択受付部225とともに、図27(a)のように簡易表示450無しの位置決め画像上で、図27(c)に示すように、領域の選択を受け付ける。領域選択確定後、選択された領域内の全撮像位置に、図27(d)に示すように、スタック420を表示する。なお、検出された全撮像位置の位置情報は、図27(b)に示すように、内部的に保持する。
なお、簡易表示なしの場合も、領域の選択手法は、矩形の領域選択枠460に限られない。例えば、図28(a)、(b)に示すように他の形状の領域選択枠460であってもよい。図28(a)は、楕円枠で操作者が選択領域を指定する例を示す。また、図28(b)は、ポリゴンで操作者が選択領域を指定する例を示す。
さらに、例えば、図28(c)に示すように、選択する範囲を指定するライン461を引くなどの手法で選択する領域を指定するよう構成してもよい。検出結果表示部223は、体軸方向の座標値が、ライン461の両端部の体軸方向の位置(座標値)の範囲内の出力撮像位置を、選択された出力撮像位置とし、スタック420を表示する。
このように、本変形例のMRI装置は、操作者からの入力を受け付ける入力装置174を備え、前記選択受付部225は、前記入力装置174を介して、前記スキャノグラム画像上の領域の選択を受け付け、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の前記選択された領域内の位置を、前記選択された位置とする。また、前記撮像位置設定部220は、前記撮像位置として設定する前記検査断面を出力パターンとして設定する出力パターン設定部222をさらに備え、前記選択受付部225は、前記入力装置174を介して、前記スキャノグラム画像上の領域の選択を受け付け、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の前記出力パターンとして設定された検査断面の位置であって、前記選択された領域内の位置を、前記選択された位置とするよう構成してもよい。このため、簡易表示450もなされないため、操作者は、位置決め画像410の視認性を妨げるものが全く無い状態で、撮像領域を選択することができる。従って、本変形例によれば、より高い操作性を得ることができる。
なお、選択された撮像位置において、マルチスライス撮像を行う場合、そのスライス数を増減可能なよう構成してもよい。すなわち、前記各検査断面が1以上のスライスで構成される場合、前記調整部224は、前記スタック420に対する操作者による指示に従って、前記検査断面のスライス数の変更を受け付ける。本処理は、調整部224が担う。以下、この手法を、図29を用いて説明する。ここでは、上記同様、検査部位を脊椎領域とし、検査断面として、椎体および椎間板が選択された場合を例示する。選択される検査断面が1種の場合、検査断面の選択を行わない場合も同様である。
図29(a)に示すように、検出結果表示部223により簡易表示450(椎体面を示す簡易表示451、椎間板面を示す簡易表示452)が成されると、選択受付部225は、操作者から選択範囲を受け付ける。ここでは、所望の位置に表示されるアローヘッドによる簡易表示450をマウス等で選択し、1つの簡易表示450を選択する場合を例示するが、本実施形態の上記の例で説明したように、領域を選択するよう構成してもよい。また、選択する簡易表示450も1つに限られない。
選択を受け付けると、検出結果表示部223は、図29(b)に示すように、受け付けた選択範囲内の撮像位置にスタック420を表示する。表示するスタック420は、選択された撮像位置の検出された検査断面に平行に表示する。また、本変形例では、マルチスライス撮像を行なうことを前提としているため、複数スライスであることが分かる態様でスタック420を表示する。例えば、予め撮像パラメータで設定されるスライス数のラインを、撮像パラメータで設定されるスライス間隔で表示することが望ましい。
調整部224は、第一の実施形態で説明した撮像位置の微調整に加え、スライス数の増減の指示を受け付ける。指示は、例えば、スタック420をドラッグ操作によりスライス数を増加したい方向に、増加させたいスライス数になるまで拡大するなどの手法により行う。このとき、スタック420の角度は固定する。
ここでは、調整部224は、このような操作者の指示を受け、撮像パラメータで設定されるスライス間隔と拡大後のスタック420のスライス方向のサイズとから、スライス数を算出する。また、検出位置(撮像位置)の情報と、スライス数、スライス間隔とから、各撮像スライス位置を算出する。このとき、スライス数を数値として表示させるよう構成してもよい。
なお、操作者が選択した簡易表示450(撮像位置)が複数の場合、スライス数の増減は、隣接するスタック420と重なりあわない範囲で行う。
このように、本変形例によれば、前記調整部224は、前記選択された出力撮像位置のスライス数の変更の指示をさらに受け付け、受け付けた指示に従って、スライス数をさらに調整し、前記検出結果表示部223は、前記調整後の出力撮像位置に、前記スタック420を表示する。
このよう構成することにより、操作者は、所望の角度の撮像位置を選択することにより、その撮像位置の検出角度に合わせて、マルチスライス撮像を行うことができる。従って、より高い操作性を得ることができる。
なお、スライス数の増減は、マウス操作だけでなく、パラメータを直接変更してもよい。調整部224は、パラメータの変更を受け付け、変更後のパラメータで特定されるスライス数、スライス間隔で、スタック420を表示する。
さらに、スタック420として表示される個々のスライスの位置の調整を受け付けるよう構成してもよい。これにより、スライス間隔の調整も受け付けることができ、操作者は、容易にスライス間隔の調整を行うことができる。スライス間隔の調整も、パラメータの変更により受け付けるよう構成してもよい。
なお、上記各実施形態では、撮像位置設定部220の機能をMRI装置100の制御処理系170が備えるものとして記載したが、これに限られない。例えば、MRI装置100とデータの送受信が可能な、MRI装置100とは独立した情報処理装置上に構築されていてもよい。
また、上記各実施形態では、MRI装置を例にあげて説明しているが、各実施形態の撮像位置設定手法は、撮像スライスの位置を設定し、撮像を行う医用画像撮像装置一般に適用できる。
最初に、本実施形態のMRI装置の一例の全体概要を説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生系120と、傾斜磁場発生系130と、送信系150と、受信系160と、制御処理系170と、シーケンサ140と、を備える。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系170および表示装置173を備えるMRI装置100であって、前記制御処理系170は、検査を実行するための設定を受け付ける撮像条件設定部210と、撮像位置を設定する撮像位置設定部220と、前記撮像位置設定部220が設定した撮像位置の撮像を行う撮像部230と、を備え、前記撮像位置設定部220は、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記撮像条件設定部210が受け付けた検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決め部221と、前記表示装置173に、前記スキャノグラム画像を表示するとともに、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置に設定し、当該スキャノグラム画像上の当該撮像位置に、視認性を確保してスタック420を表示する検出結果表示部223と、を備える。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、装置全体の動作の制御と演算とを行う制御処理系170および表示装置173を備えるMRI装置100であって、前記制御処理系170は、検査を実行するための設定を受け付ける撮像条件設定部210と、撮像位置を設定する撮像位置設定部220と、前記撮像位置設定部220が設定した撮像位置の撮像を行う撮像部230と、を備え、前記撮像位置設定部220は、予め取得したスキャノグラム画像上で、前記撮像条件設定部210が受け付けた検査部位の全検査断面の位置を検出する自動位置決め部221と、前記表示装置173に、前記スキャノグラム画像を表示するとともに、前記自動位置決め部221が検出した位置の中の予め定めた1以上の位置を前記撮像位置に設定し、当該スキャノグラム画像上の当該撮像位置に、視認性を確保してスタック420を表示する検出結果表示部223と、を備える。このとき、前記検出結果表示部223は、前記撮像位置として設定する位置の選択を受け付ける選択受付部225を備えてもよい。
この場合、検出結果表示部223は、上記ステップS2001において、図25(a)に示すように、簡易表示450は行わない。ただし、設定された検査断面の撮像位置の位置情報は、図25(b)に示すように、内部的に保持する。
そして、確定ボタン470の押下に応じて、選択受付部225は、選択された領域を検出結果表示部223に通知する。検出結果表示部223は、選択された領域内の、設定された検査断面の撮像位置を、選択された撮像位置と確定し、出力撮像位置とする。検出結果表示部223は、位置決め画像410上の、出力撮像位置に、図25(d)に示すように、スタック420を表示する。
また、検査断面等の事前設定無し、または、出力パターン設定時に複数の検査断面が選択された場合も同様である。ここでは、検査部位を脊椎領域とする場合を例にあげて説明する。検査部位が脊椎領域である場合、検査断面は椎体と椎間板との2種であるため、検査断面が設定されない場合と、検査断面として椎体および椎間板が選択された場合とは、同じである。この場合の、スタック表示処理時の位置決め画像410の様子を図27(a)〜(d)に示す。