以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、実施例1は、主に請求項1、4について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、5について説明する。また、実施例3は、主に請求項3,6について説明する。また、実施例4は、その他の実施例について説明する。
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の出入金管理サーバ装置を利用した取引の一例を説明するための概念図である。例えば、ネットオークションにてユーザβがオークション商品を出品する。あるいは、ネットワーク上の仮想ショッピングモールに仮想店舗を出店し、商品の販売を行う。すると当該商品に対して商品IDが付与され管理されるとともに、ネットオークションや仮想店舗のウェブページに当該商品写真や商品説明などが掲載される。そして、そのウェブページを閲覧したユーザによる入札が行われ、入札者の一人であるユーザαの1万円の入札によって当該商品が落札され、オークション取引が成立した。あるいはユーザαの商品購入注文の受付による商品売買取引が成立した。すると、本実施例の出入金管理サーバ装置において、その商品IDと、当該商品の発送者となる出品者ID、商品購入者ID、またその落札/購入金額などが関連付けられて登録され、取引契約が成立したものとして管理される。
その後ユーザαは、例えば後述する送金仲介者やユーザβの口座、あるいは実施例2で後述するホワイトカードなどに対して、自身を識別する購入者IDと落札商品の商品IDの入力と合わせて落札/購入金である1万円を入金するための処理を行う。そしてその入金処理の結果が、図1(a)に示すように本実施例の出入金管理サーバ装置に取得される。
すると図1(b)に示すように、本実施例の出入金管理サーバ装置は、その商品IDで識別される取引に関して入金があった旨の情報を、前述の登録情報を参照し特定した商品出品者(商品発送者)に対して例えばメールなどで通知する。ただしこの時点においては、口座やカードの保有者であっても入金された落札金の引き出しができないよう処理されている。
そしてユーザβはその通知を受け取ると、ユーザαに対して商品ID(や取引ID)を発送伝票やパッケージに記載するなどして商品を発送する。そしてユーザαはその発送商品を受領すると、その受領した旨を示す情報を、当該商品ID及び自身のID(購入者ID)と合わせて端末装置などに入力し、本実施例の出入金管理サーバ装置に通知する。すると図1(c)に示すように、出入金管理サーバ装置では、その通知が確かに商品購入者からの受領通知であることを購入者IDを利用して認証した上で、前記引き出しができないよう処理されていた当該商品IDに係る入金を引き出せるよう利用許可を発行する。あるいは送金仲介者に対して一時的に預かっていた入金をユーザβに送金するよう指示を発行する、という具合である。
このようにして、ネットオークションやネット通販など商品購入に係る入金と商品の発送のタイミングが異なるような取引であっても、その入金、及び発送に応じた商品の受領を確認したうえで取引を成立させることができる。
<機能的構成>
図2は、本実施例の出入金管理サーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する本システムを構成する各装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明はシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
また、本件発明はすべての構成要件が一のサーバ装置にて実現される必要は無く、複数の装置が各構成要件を分担し、ネットワークなどを介して接続されることで連携して実現されても良い。
そして、この図2にあるように、本実施例の「出入金管理サーバ装置」(0200)は、「発送商品登録部」(0201)と、「入金受付情報取得部」(0202)と、「入金済通知部」(0203)と、「商品受領情報取得部」(0204)と、「認証部」(0205)と、「利用可能情報出力部」(0206)と、を有する。
「発送商品登録部」(0201)は、商品購入者に対して発送される商品を識別する商品IDと、商品の発送者を識別する発送者IDとを関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路や発送商品登録プログラムなどによって実現することができる。
具体的に、例えばこの発送商品登録部は、商品の販売者(発送者)がインターネットを介した商品のオークションページや販売用ページを生成する際に、当該取引に係る商品を識別するために生成された商品IDを取得する。つづいて、そのページ内容となる商品説明や商品写真などの入力に際して、情報入力フォームを商品の発送者の端末装置にて表示させ、そのページに入力された発送者IDを取得し、前記生成された商品IDと関連付ける構成などが挙げられる。なお、この「商品ID」は、商品そのものを識別するものではなく、例えば当該商品に係る取引を識別する取引IDなどの商品に係る別の情報を識別するものであっても良い。その場合でも、上記のように商品のオークションページや販売用ページを生成する際に、例えば当該取引を識別するために取引IDを生成し取得する、という具合である。
そして商品に係る処理、例えば商品購入に係る入金の受付処理や後述するその入金を利用可能とする利用可能情報の出力処理などにおいて、この商品ID(あるいはそれに替わる取引IDなど)を媒介として、各種処理に用いられる情報がいずれの商品や取引などに係る情報なのかが特定され情報処理が実行されることになる。
また、本実施例の出入金管理サーバ装置が、ネットオークションサーバ装置や通販サーバ装置などとネットワークを介して接続され連携する構成であれば、そのネットオークションサーバ装置や通販サーバ装置が上記同様に生成、取得した商品IDや発送者IDをネットワークを介して転送してもらうことで取得するよう構成しても良い。
そして、ここで取得された商品IDと発送者IDは、HDDなどの記録装置に関連付けて記録され管理される。また、商品購入者を識別するための購入者IDの入力フォームを商品購入者の端末に表示し、当該購入者IDを合わせて取得するよう構成しても良い。なお、この場合の購入者IDの入力フォームは、いずれの商品の購入者であるかを識別するために商品IDごとに用意されたものであっても良いし、汎用的な入力フォームに購入者IDと商品IDとを合わせて入力させるものであっても良い。
また、商品ID及び発送者IDに対して購入者IDを関連付ける処理は、次の入金受付情報取得部での入金受付情報の取得の際に、商品IDの一致する発送者IDと購入者IDを関連付ける構成としても良い。
「入金受付情報取得部」(0202)は、商品購入に係る入金があった旨の情報である入金受付情報を、商品の購入者を識別する購入者IDと関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、I/Oや通信回路、入金受付情報取得プログラムなどによって実現することができる。ここで入金受付情報は、購入者IDに加えて、前述のようにいずれの商品購入に係る入金であるかを示すために商品IDや取引IDなどと関連付けて取得されることになる。
具体的に、ある商品IDや取引IDで識別される商品に関して商品発送者と商品購入者との間で取引契約が成立する。すると、商品購入者は、その商品購入に係る代金の入金処理を商品ID(取引ID)や購入者IDの入力と共に行い、購入商品の発送手続きを商品発送者に依頼することになる。そこで商品購入者は、商品購入に係る入金を行う。
なお、その入金処理は商品発送者に代行して受け付ける主体(仲介者)、例えばネット通販やネットオークションの主催者などによって管理されているサーバ装置に対して行われ、本実施例の出入金管理サーバ装置ではこれら外部のサーバ装置からネットワークを介してこの入金受付情報を取得する構成であっても良い。「仲介者」とは、商品購入者から商品発送者への送金を仲介する者であって、具体的には、商品購入者からの入金を受付けて一時的に預かり、その後商品購入者が実際に購入商品を受領したことが確認できてから預かった入金を商品発送者に対して送金する者である。
この場合、商品購入者は例えばコンビニなどに設置された入金端末や自宅のユーザ端末にて仲介者の運営する商品IDで識別される当該商品の入金ページにアクセスし(あるいは汎用の入金ページに商品IDを入力し)、例えば入金用のカード番号やこの取引用で利用する自身のIDなどを購入者IDとして入力するとともに入金に係る決済処理などを行う。すると上記仲介者のサーバ装置に入金受付情報が取得される、という具合である。
また、この出入金管理サーバ装置自身が銀行サーバ装置であって口座を管理していたり、後述するホワイトカードによる入金を管理するサーバ装置であれば、自身が受け付けた入金処理情報に基づいて入金受付情報を生成し、取得する構成としても良い。あるいは例えば銀行口座に対する入金が実行されたのであれば、その銀行口座を管理する銀行サーバ装置から、ネットワークを介して所定の商品IDに係る商品に対する入金受付情報と、その入金を行った購入者IDを取得する構成としても良い。またその際の購入者IDは、その銀行口座などへの入金に利用されたクレジットカード番号などが挙げられる。
また、この入金受付情報は、上記の仲介者や銀行などの管理する端末装置に設けられており、その他の構成要件とネットワークを介して連携する構成としても良い。
なお、入金受付情報を銀行サーバ装置が取得する場合、本実施例のシステムにおける銀行サーバ装置は通常と異なり、即時あるいは所定時間経過によって自動的に当該口座の残高が入金分引き上げられるのではなく、後述する利用可能情報の出力を受けて初めて残高の引上げ処理を行う構成を備えるものとなる。
図3は、この入金受付情報の取得によって生成、管理される管理テーブルの一例を表す図である。この図にあるように、ある商品に関して、商品IDと発送者ID(出品者ID)、購入者ID、その入金金額、また入金があったか(入金受付情報を取得したか)を示すフラグが関連付けて保持されている、という具合である。
そして本実施例の出入金管理サーバ装置を利用した取引では、この時点ではその入金された金品の引き出しなどの利用を商品提供者(発送者)が行うことができず、後述する利用可能情報の出力を受けて初めて利用できるようになることを特徴とする。
「入金済通知部」(0203)は、入金受付情報に係る商品の発送者IDで識別される発送者に対して入金があった旨を通知する機能を有し、CPUや主メモリ、通信回路や入金済通知プログラムなどによって実現することができる。なお、この入金済通知部においては、いずれの商品購入に係る入金があったかも含めて通知するため、入金受付情報に関連付けられた商品IDや取引IDなども取得すると良い。
具体的に、例えばこの出入金管理サーバ装置は、発送者IDと関連付けて当該発送者のメールアドレスを保持しており、入金受付情報が取得されるとその入金に係る商品IDが取得され、図3に示すようなテーブルの検索処理がCPUの演算処理によって実行される。そして検索の結果、当該商品IDで識別される商品の発送者のIDが特定され、それと関連付けられているメールアドレスに対して、商品ID(取引ID)や入金済みであることを知らせる定型文や定型タイトルが記載された通知メールを送信する、という具合である。あるいは、同様に発送者IDに関連付けて住所情報や電話番号情報などを保持しており、その住所情報や電話番号情報を商品IDなどとともにオペレータ端末に表示し、オペレータの処理によって通知する構成としても良い。
そして、この通知を受けることで、商品発送者は商品の発送手続きを行うことができる、という具合である。
「商品受領情報取得部」(0204)は、商品IDを含み、発送された商品を受領した旨の情報である商品受領情報を、前記購入者IDと関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、商品受領情報取得プログラムなどによって実現することができる。なお、商品受領情報に含まれる商品IDは取引IDなどであっても良い。
具体的に、この商品受領情報取得部は、インターネットを介した商品受領確認ページを商品の購入者の端末装置にて表示させ、そのページに入力された商品ID(あるいは取引ID)やその商品の受領を確認する情報、そして購入者IDを取得する構成などが挙げられる。また、商品受領確認ページに関しては、例えば予め登録されている商品購入者のメールアドレス宛に、受領確認用URLを記載した確認メールを送信し、商品購入者が当該URLにアクセスしたことをもって商品受領情報を取得する構成としても良い。その際には、受領確認用URLに商品IDや購入者IDが含まれるようにして、アクセスがあった際にはそのURLから購入者IDと商品IDを特定しても良い。あるいは受領確認用URLを図3に示すような管理テーブルの該当レコードに関連付けておき、アクセスがあった際にはそのアクセスURLをキーとして管理テーブルを検索し、商品受領情報とともに取得される購入者IDや商品IDを特定する構成としても良い。
また商品配送業者の端末やサーバ装置とネットワークを介して連携することで、その商品配送業者の端末やサーバ装置に入力された商品IDを含む商品受領情報および購入者ID(受取人ID)をネットワークを介して取得する構成も挙げられる。
そして、商品受領情報に商品IDを含み取得する構成とすることで、例えば発送者側が悪意を持って故意に、あるいは不注意などで偶発的に本来の商品とは別の商品を送ってしまった場合などに、当該商品IDと登録されている商品IDを照会することで確認することができる。また、購入者IDが発送者側に知られてしまうと、悪意ある発送者が購入者を装い商品受領情報を入力してしまう恐れがある。そのため、購入者IDは発送者などに知られないIDを利用するか、あるいは上記受領確認用URLのメール送信を確実に購入者にしか行わない構成であることなどが好ましい。
「認証部」(0205)は、入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDと、商品受領情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、認証プログラムによって実現することができる。また比較判断の対象となる2つの購入者IDの特定については、入金受付情報に関連付けられている商品IDや取引IDを用いて同じ商品IDなどを含む商品受領情報を特定し、それに関連付けられている購入者ID同士を対象として特定する構成とすると良い。
具体的に、商品受領情報にて示される受領商品のID(や取引ID)をキーとして図3に示すような管理テーブルを検索する。そして、検索にヒットした商品の購入者IDを特定する。つづいて、その購入者IDと、当該商品IDで識別される商品に係る入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するか否かの判断処理をCPUの演算によって実行する。そして、一致しない場合には、例えば発送者などによる不正な商品受領通知として認証を却下し、一致する場合には確かに購入者からの商品受領通知として認証成立とする、という具合である。
「利用可能情報出力部」(0206)は、認証部での判断結果が一致するとの判断結果である場合に、前記入金された金品を発送者が利用可能とするための情報である利用可能情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、利用可能情報出力プログラムなどによって実現することができる。また、この利用可能情報は、その利用可能とする入金された金品を識別するため、前述のように商品IDや取引IDと関連付けて出力されると良い。
なお「金品」とは、基本的には入金された金銭を示すが、その金額に相当するその他の商品やサービスなども含まれて良い。また「金品を利用可能とする」とは、本システムにおいて当該金銭による支払いなどを商品発送者が実行できるようになること、あるいは商品やサービスの受け取りができるようになることを意味する。具体的に、利用可能情報としては、例えば金銭の口座を管理するサーバ装置に対する残高引上命令や、商品購入に係る入金を一時的に預かる仲介者のサーバ装置に対する送金命令、あるいは商品発送者に直接などが挙げられる。つまり、前者の引上命令であれば、銀行サーバ装置やホワイトカードの管理サーバ装置では、その利用可能情報の受信を受けてから初めて当該入金された金品の利用を可能とするために、当該カードに関連付けられた管理金額の上限を入金額分引き上げるなどの処理を行う、という具合である。
また利用可能情報が後者の送金命令であれば、仲介者サーバ装置では、一時預かりとしている商品購入者からの商品購入に係る入金を、商品発送者の銀行口座などに送金するための処理を実行する、という具合である。
また、本実施例の出入金管理サーバ装置がこれら銀行サーバ装置やホワイトカードの管理サーバ装置、仲介者のサーバ装置と一体に構成されているのであれば、サーバ装置の内部的に出力する構成とすると良い。また、金品が商品やサービスであれば、その商品やサービスの発注を行う処理などが実行されると良い。
あるいは、例えば商品発送者のメールアドレス宛に、利用可能情報を示す2次元バーコードなどを送信出力し、かつ認証サーバに当該利用可能情報で示される認証情報を送信する構成としても良い。その場合には、発送者は入金を利用する際に、その利用可能情報を示す2次元バーコードをATMなどの引出端末に読み取らせ、その利用可能情報を用いた認証サーバでの認証によって入金された金品の利用ができるようになる、という具合である。
以上のように、本実施例の出入金管理サーバ装置によって、ネットオークションやネット通販など商品購入に係る入金と商品の発送のタイミングが異なるような取引であっても、その入金、及び発送に応じた商品の受領を確認したうえで取引を成立させることができる。
<処理の流れ>
図4は、本実施例の出入金管理サーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、例えば商品の発送者が、インターネット上の商品登録ページなどを利用して入力した、商品購入者に対して発送される商品を識別する商品の発送者を識別する発送者IDを、例えばその商品登録ページにて生成された商品IDや取引IDと関連付けて取得する(ステップS0401)。つづいて、商品の購入者が例えば銀行口座や後述するホワイトカードなどへの入金処理を行ったことで生成される、商品購入に係る入金があった旨の情報である入金受付情報を、当該商品IDや取引ID及び商品の購入者を識別する購入者IDと関連付けて取得する(ステップS0402)。
そして、その取得した入金受付情報に係る商品の発送者IDで識別される発送者に対して、例えば商品IDなどや入金済みを示す定型文などを記載したメールなどで入金があった旨を通知する(ステップS0403)。
すると、その通知を受け取った商品発送者が商品の発送を実行し、その発送された商品を購入者が受け取ることで、発送された商品を受領した旨の情報である商品受領情報を、前記購入者IDと関連付けて取得する(ステップS0404)。すると入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDと、当該入金受付情報に関連付けられた商品IDなどで特定される商品や取引に関する商品受領情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するかの判断処理が実行され(ステップS0405)、一致するとの判断結果である場合に、前記入金された金品を発送者が利用可能とするための情報である利用可能情報を、例えば銀行口座を管理する銀行サーバ装置やホワイトカードの管理サーバ装置などに出力する(ステップS0406)。
<効果の簡単な説明>
本実施例の出入金管理サーバ装置によって、ネットオークションやネット通販など商品購入に係る入金と商品の発送のタイミングが異なるような取引であっても、その入金、及び発送に応じた商品の受領を確認したうえで取引を成立させることができる。
したがって、商品購入者が入金後に商品の発送が行われない、といった詐欺行為や、いったん取引が成立したにもかかわらず商品購入者が商品の受取を拒否し商品発送者が損をしてしまうといった事態を防ぐことができる。
≪実施例2≫
<概要>
図5は、本実施例の出入金管理システムにおけるカードの利用形態の一例を説明するための概念図である。前述の実施例1と同様にネットオークションにてユーザβがオークション商品を出品する。すると当該商品に対して商品IDが付与され管理されるとともに、ネットオークションのウェブページに当該商品写真や商品説明などが掲載される。そしてウェブページを利用した入札によりユーザαが1万円で当該商品を落札した。すると、本実施例の出入金管理サーバ装置において、その商品IDと、当該商品の発送者となる出品者ID、商品購入者ID、またその落札金額などが関連付けられて登録され、取引契約が成立したものとして管理される。
するとユーザβは、ユーザαに対して、βが保有するホワイトカードの受金IDをメールなどで通知する。そしてユーザαは、図5(a)に示すように、入金処理用の入金処理端末にてその取引に係る商品ID、および通知された受金IDを入力し1万円の入金処理を行う。すると、本実施例の出入金管理サーバ装置は、図5(b)に示すように、その入金があった旨の情報を取得し、それを商品出品者に対してメールなどで通知する。ただし、この時点においては、当該カードの保有者であっても入金された金品の引き出しなどができないよう処理されている。
そしてユーザβはその通知を受け取ると、ユーザαに対して商品IDが分かるように商品を発送する。そしてユーザαはその発送商品を受領すると、その受領した旨を端末装置などを用いて本実施例の出入金管理サーバ装置に通知する。すると図5(c)に示すように、出入金管理サーバ装置では、その通知を受け確かに商品購入者からの通知であることを認証した上で、受金IDに紐付けて別のサーバ装置で管理されている消費使用IDをホワイトカードID管理装置から取得する。そして、その消費使用IDを有するホワイトカードでの当該入金の引出処理などができるよう利用許可を引上命令装置に発行する、という具合である。
このようにして、ネットオークションやネット通販など商品購入に係る入金と商品の発送のタイミングが異なるような取引であっても、受金IDと消費使用IDとを有するホワイトカードを利用して、その入金、及び発送に応じた商品の受領を確認したうえで安全に取引を成立させることができる。
なお、上記説明における各装置を管理する主体はさまざまであって良く、例えば引上命令装置とホワイトカード管理装置が一の主体によって管理されても良い。例えばセキュリティ上、引上命令装置はカードを発行する機関ごとに一つずつ設置されるケースが考えられるが、もちろん統一的に一の主体が管理しても良い。また、逆にホワイトカードID管理装置は、サービス提供者が統合的に管理するケースが考えられるが、カードを発行する機関ごとに一つずつ設置されるなどしても良い。また、例えば引上命令装置とホワイトカード管理装置など複数の装置が物理的に一の装置として実現されていても良いし、逆に一の装置が物理的に複数の装置を組み合わせて実現されても良い。
<機能的構成>
図6は、本実施例の出入金管理システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の出入金管理システムは、「出入金管理サーバ装置」(0600)と、「引上命令装置」(0610)と、「ホワイトカードID管理装置」(0620)と、からなる。
(出入金管理サーバ装置の構成要件)
まず、「出入力管理サーバ装置」の構成要件について説明する。図2にあるように、「出入金管理サーバ装置」(0600)は、「発送商品登録部」と、「受金ID取得部」(0601)と、「入金受付情報取得部」と、「入金済通知部」と、「出力部」(0602)と、「商品受領情報取得部」と、「認証部」と、「利用可能情報出力部」(0603)と、を有する。
「発送商品登録部」は、前記実施例1の同名の構成要件と同様に、商品購入者に対して発送される商品を識別する商品IDと、商品の発送者を識別する発送者IDとを関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路や発送商品登録プログラムなどによって実現することができる。
具体的に、例えばこの発送商品登録部は、商品の販売者(発送者)がインターネットを介した商品のオークションページや販売用ページを生成する際に、当該取引に係る商品を識別するために生成された商品IDを取得する。つづいて、そのページ内容となる商品説明や商品写真などの入力に際して、情報入力フォームを商品の発送者の端末装置にて表示させ、そのページに入力された発送者IDを取得し、前記生成された商品IDと関連付ける構成などが挙げられる。なお、この「商品ID」は、商品そのものを識別するものではなく、例えば当該商品に係る取引を識別する取引IDなどの商品に係る別の情報を識別するものであっても良い。その場合でも、上記のように商品のオークションページや販売用ページを生成する際に、例えば当該取引を識別するために取引IDを生成し取得する、という具合である。
そして商品に係る処理、例えば商品購入に係る入金の受付処理やその入金を利用可能とする利用可能情報の出力処理などにおいて、この商品ID(あるいはそれに替わる取引IDなど)を媒介として、各種処理に用いられる情報がいずれの商品や取引などに係る情報なのかが特定され情報処理が実行されることになる。
また、本実施例の出入金管理サーバ装置が、ネットオークションサーバ装置や通販サーバ装置などとネットワークを介して接続され連携する構成であれば、そのネットオークションサーバ装置や通販サーバ装置が上記同様に生成、取得した商品IDや発送者IDをネットワークを介して転送してもらうことで取得するよう構成しても良い。
そして、ここで取得された商品IDと発送者IDは、HDDなどの記録装置に関連付けて記録され管理される。また、商品購入者を識別するための購入者IDの入力フォームを商品購入者の端末に表示し、当該購入者IDを合わせて取得するよう構成しても良い。なお、この場合の購入者IDの入力フォームは、いずれの商品の購入者であるかを識別するために商品IDごとに用意されたものであっても良いし、汎用的な入力フォームに購入者IDと商品IDとを合わせて入力させるものであっても良い。
また、商品ID及び発送者IDに対して購入者IDを関連付ける処理は、次の入金受付情報取得部での入金受付情報の取得の際に、商品IDの一致する発送者IDと購入者IDを関連付ける構成としても良い。
「受金ID取得部」(0601)は、商品購入に係る入金に際して、入金すべきホワイトカードの受金IDを取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路や受金ID取得プログラムなどによって実現できる。なお、この受金ID取得部においては、いずれの商品購入に係る入金かを識別するために商品IDや取引IDなども関連付けて取得されることになる。
なお「ホワイトカード」とは、本システムにおいて使用限度額を示す金額情報と関連付けて管理されるカードをいい、このホワイトカードを利用することで関連付けられた金額内での金品の使用が可能となる。なお、このホワイトカードの使用限度額は、実際の金銭やそれに相当する金品の入金によってのみ増加されるものである。つまり、利用者の信用情報に基づいて第三者が支払いを代行し、後で利用者から当該代金を徴収する後払い式のクレジットカードとは異なるものであり、実際の使用可能金銭の範囲内を示すものであるため、クレジットカードにおいて必要な信用情報を確定するための審査など無しに利用することができる。
また、もちろん当該カードの名称はホワイトカードに限定されないし、形状もカード状のものに限定されない。例えば同様の機能がチップ化やプログラム化により実現され、携帯電話や腕時計などの機器に組み込まれたものをホワイトカードとしても良い。
また、「受金ID」とは、受金にのみ利用可能なIDをいう。ただし「受金にのみ利用可能」とは、ホワイトカードとの関係において受金にのみ利用され消費使用には利用されない、という意味であり、ホワイトカードとの関係の無い場面において各種利用がなされるIDも含まれる。したがって例えば受金用に発行される専用IDのほか、携帯/固定電話番号や電子メールアドレス、住民基本台帳番号なども含まれる。
そして、この受金ID取得部は、具体的に、例えば上記例のように入金処理端末にて実現されるのであれば、GUIなどを介して直接受金IDが入力され取得する形態やカードの電子的読取などによって取得する形態などが挙げられる。具体的には、図7に示すようにユーザの携帯電話などにて入力された受金IDをネットワークを介して受信するなどの形態も挙げられる。また、そのコードは、受金IDのほか入金予定額なども含むと良い。
そして、ここで受付ける受金IDが後述するホワイトカードの消費使用IDとは別であるため、ホワイトカードの利用者以外の者は、受金IDを知っていたとしてもホワイトカードを消費に使用することができない。したがって本システムにおける入金処理において商品購入者に通知されたとしても、その受金と消費を安全に行うことができる、という具合である。
「入金受付情報取得部」は、商品購入に係る入金があった旨の情報である入金受付情報を、商品の購入者を識別する購入者IDと関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、I/Oや通信回路、入金受付情報取得プログラムなどによって実現することができる。ここで入金受付情報は、購入者IDに加えて、前述のようにいずれの商品購入に係る入金であるかを示すために商品IDや取引IDなどと関連付けて取得されることになる。
具体的に、ある商品IDや取引IDで識別される商品に関して商品発送者と商品購入者との間で取引契約が成立する。すると、商品購入者は、その商品購入に係る代金の入金処理を商品ID(取引ID)や購入者IDの入力と共に行い、購入商品の発送手続きを商品発送者に依頼することになる。そこで商品購入者は、商品購入に係る入金を行う。
なお、その入金処理は商品発送者に代行して受け付ける主体(仲介者)、例えばネット通販やネットオークションの主催者などによって管理されているサーバ装置に対して行われ、本実施例の出入金管理サーバ装置ではこれら外部のサーバ装置からネットワークを介してこの入金受付情報を取得する構成であっても良い。
この場合、商品購入者は例えばコンビニなどに設置された入金端末や自宅のユーザ端末にて仲介者の運営する商品IDで識別される当該商品の入金ページにアクセスし(あるいは汎用の入金ページに商品IDを入力し)、例えば入金用のカード番号やこの取引用で利用する自身のIDなどを購入者IDとして入力するとともに入金に係る決済処理などを行う。すると上記仲介者のサーバ装置に入金受付情報が取得される、という具合である。
また、この出入金管理サーバ装置自身がホワイトカードによる入金を管理する(ホワイトカード提供者の)サーバ装置であれば、自身が受け付けた入金処理情報に基づいて入金受付情報を生成し、取得する構成としても良い。また、この入金受付情報は、上記の仲介者やホワイトカードの提供者などの管理する端末装置に設けられており、その他の構成要件とネットワークを介して連携する構成としても良い。
前述の図3は、この入金受付情報の取得によって生成、管理される管理テーブルの一例を表す図である。この図にあるように、ある商品に関して、商品IDと発送者ID(出品者ID)、購入者ID、その入金金額、また入金があったか(入金受付情報を取得したか)を示すフラグが関連付けて保持されている、という具合である。
そして本実施例の出入金管理サーバ装置を利用した取引では、この時点ではその入金された金品の引き出しなどの利用を商品提供者(発送者)が行うことができず、利用可能情報の出力を受けて初めて利用できるようになることを特徴とする。
「入金済通知部」は、入金受付情報に係る商品の発送者IDで識別される発送者に対して入金があった旨を通知する機能を有し、CPUや主メモリ、通信回路や入金済通知プログラムなどによって実現することができる。なお、この入金済通知部においては、いずれの商品購入に係る入金があったかも含めて通知するため、入金受付情報に関連付けられた商品IDや取引IDなども取得すると良い。
具体的に、例えばこの出入金管理サーバ装置は、発送者IDと関連付けて当該発送者のメールアドレスを保持しており、入金受付情報が取得されるとその入金に係る商品IDが取得され、図3に示すようなテーブルの検索処理がCPUの演算処理によって実行される。そして検索の結果、当該商品IDで識別される商品の発送者のIDが特定され、それと関連付けられているメールアドレスに対して、商品ID(取引ID)や入金済みであることを知らせる定型文や定型タイトルが記載された通知メールを送信する、という具合である。あるいは、同様に発送者IDに関連付けて住所情報や電話番号情報などを保持しており、その住所情報や電話番号情報を商品IDなどとともにオペレータ端末に表示し、オペレータの処理によって通知する構成としても良い。
そして、この通知を受けることで、商品発送者は商品の発送手続きを行うことができる、という具合である。
「出力部」(0602)は、取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力する機能を有し、例えばネットワークなどを介して次の引上命令装置にこれら情報を送信する、という具合である。もちろん、この出力部においても、いずれの商品購入に係る出力情報かを識別するために、出力する入金受付情報に関連付けられている商品IDや取引IDなども合わせて出力することになる。
「商品受領情報取得部」は、商品IDを含み、発送された商品を受領した旨の情報である商品受領情報を、前記購入者IDと関連付けて取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、商品受領情報取得プログラムなどによって実現することができる。なお、商品受領情報に含まれる商品IDは取引IDなどであっても良い。
具体的に、この商品受領情報取得部は、インターネットを介した商品受領確認ページを商品の購入者の端末装置にて表示させ、そのページに入力された商品ID(あるいは取引ID)やその商品の受領を確認する情報、そして購入者IDを取得する構成などが挙げられる。また、商品受領確認ページに関しては、例えば予め登録されている商品購入者のメールアドレス宛に、受領確認用URLを記載した確認メールを送信し、商品購入者が当該URLにアクセスしたことをもって商品受領情報を取得する構成としても良い。その際には、受領確認用URLに商品IDや購入者IDが含まれるようにして、アクセスがあった際にはそのURLから購入者IDと商品IDを特定しても良い。あるいは受領確認用URLを図3に示すような管理テーブルの該当レコードに関連付けておき、アクセスがあった際にはそのアクセスURLをキーとして管理テーブルを検索し、商品受領情報とともに取得される購入者IDや商品IDを特定する構成としても良い。
また商品配送業者の端末やサーバ装置とネットワークを介して連携することで、その商品配送業者の端末やサーバ装置に入力された商品IDを含む商品受領情報および購入者ID(受取人ID)をネットワークを介して取得する構成も挙げられる。
そして、商品受領情報に商品IDを含み取得する構成とすることで、例えば発送者側が悪意を持って故意に、あるいは不注意などで偶発的に本来の商品とは別の商品を送ってしまった場合などに、当該商品IDと登録されている商品IDを照会することで確認することができる。また、購入者IDが発送者側に知られてしまうと、悪意ある発送者が購入者を装い商品受領情報を入力してしまう恐れがある。そのため、購入者IDは発送者などに知られないIDを利用するか、あるいは上記受領確認用URLのメール送信を確実に購入者にしか行わない構成であることなどが好ましい。
「認証部」は、入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDと、商品受領情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、認証プログラムによって実現することができる。また比較判断の対象となる2つの購入者IDの特定については、入金受付情報に関連付けられている商品IDや取引IDを用いて同じ商品IDなどを含む商品受領情報を特定し、それに関連付けられている購入者ID同士を対象として特定する構成とすると良い。
具体的に、商品受領情報にて示される受領商品のID(や取引ID)をキーとして図3に示すような管理テーブルを検索する。そして、検索にヒットした商品の購入者IDを特定する。つづいて、その購入者IDと、当該商品IDで識別される商品に係る入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するか否かの判断処理をCPUの演算によって実行する。そして、一致しない場合には、例えば発送者などによる不正な商品受領通知として認証を却下し、一致する場合には確かに購入者からの商品受領通知として認証成立とする、という具合である。
「利用可能情報出力部」(0603)は、認証部での判断結果が一致するとの判断結果である場合に、前記入金された金品を発送者が利用可能とするための情報である利用可能情報をその受金IDと関連付けて出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、利用可能情報出力プログラムなどによって実現することができる。また、この利用可能情報は、その利用可能とする入金された金品を識別するため、前述のように商品IDや取引IDと関連付けて出力されると良い。
なお「金品」および「金品を利用可能とする」とは、上記実施例1で説明したとおりである。具体的に、利用可能情報としては、例えばホワイトカードの使用限度額などを管理するサーバ装置に対する残高引上命令や、商品購入に係る入金を一時的に預かる仲介者のサーバ装置に対する送金命令などが挙げられる。つまり、前者の引上命令であれば、ホワイトカードの管理サーバ装置では、以下の構成によってその利用可能情報の受信を受けてから初めて当該入金された金品の利用を可能とするために、当該カードに関連付けられた管理金額の上限を入金額分引き上げるなどの処理を行う、という具合である。
また利用可能情報が後者の送金命令であれば、仲介者サーバ装置では、一時預かりとしている商品購入者からの商品購入に係る入金を、商品発送者のホワイトカードなどに入金するための処理を実行する、という具合である。
また、本実施例の出入金管理サーバ装置がこれらホワイトカードの管理サーバ装置、仲介者のサーバ装置と一体に構成されているのであれば、サーバ装置の内部的に出力する構成とすると良い。また、金品が商品やサービスであれば、その商品やサービスの発注を行う処理などが実行されると良い。
(引上命令装置の構成要件)
次に、図6に戻り「引上命令装置」の構成要件について説明する。この図6にあるように、「引上命令装置」(0610)は、「受信部」(0611)と、「消費使用ID取得部」(0612)と、「利用可能情報受信部」(0613)と、「引上命令送信部」(0614)と、を有する。
「受信部」(0611)は、受金IDと関連付けられた入金受付情報を出入金管理サーバ装置から受信する機能を有し、例えばネットワーク網などを介してこれら情報を受信する、という具合である。また、この受信部においては、いずれの商品購入に係る入金受付情報かを識別するために、当該入金受付情報に関連付けられている商品IDや取引IDなども合わせて取得されると良い。
「消費使用ID取得部」(0612)は、受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカードの受金IDと紐付けられている消費使用IDをホワイトカードID管理装置から取得する機能を有する。なお「消費使用ID」は、ホワイトカードの利用者が消費使用に利用可能な消費使用IDをいい、基本的にはホワイトカードの利用者およびシステムの一部管理者以外には知りえない機密情報であることを前提とする。
このように、ホワイトカードID管理装置にて、ホワイトカードの利用者以外が入金に利用するために知っている受金ID(例えば携帯電話番号:090−xxx−xxxx)を、利用者しか知らない消費使用ID(例えば秘密のカードID:0123)にコンバートすることで、このホワイトカードによる受金と消費を安全に行うことができる。なおホワイトカードID管理装置における受金IDから消費使用IDへのコンバート処理の詳細については、次のホワイトカードID管理装置の構成要件の説明にて記載する。
また、後述する引上命令での使用限度の引上額はその入金額で決められる。そこで、この消費使用ID取得部では、その引上額を示す情報と合わせて消費使用IDを取得しても良い。あるいは、その入金額を特定するため商品IDや取引IDを合わせて取得し、その商品IDなどと関連付けられている入金受付情報を参照する構成としても良い。
「利用可能情報受信部」(0613)は、受金IDと関連付けられた利用可能情報を受信する機能を有する。また、この利用可能情報受信部では、利用可能情報出力部で説明したように、その利用可能とする入金された金品を識別するために利用可能情報に関連付けられている商品IDや取引IDを合わせて受信する。そして、引上命令装置では、この利用可能情報の受信を受けて初めて引上命令を送信することを特徴とする。これにより商品IDや取引IDで識別される商品(取引)の受領の通知が出入金管理サーバで確認されて、初めてホワイトカードへの入金に応じた使用金額の引上げが実行されることになる。
「引上命令送信部」(0614)は、利用可能情報を受信した場合に、取得した消費使用IDと関連付けた使用限度額引上額を含む引上命令を送信する機能を有する。具体的には、例えば「カードID:0123のカードに関して1万円の使用限度額を引上げる」といった命令を、カードID:0123に関する利用可能情報を受信した場合にのみホワイトカードを発行し管理する会社のサーバ装置などに送信する、という具合である。そして、その引上命令を受信したサーバ装置では、そのホワイトカードの使用限度額を1万円分引き上げ、買い物などで利用できるよう管理することができる。なお、「使用限度額引上額」は入金された額面そのままでも良いし、手数料などを引いた額面や何らかの特典によって増加された額面などであっても良い。
また、使用限度の引上額に関して、その替わりに商品IDや取引IDを引上命令と関連付けて送信しても良い。その場合、引上命令の受信先では、その商品IDなどと関連付けられている入金受付情報を取得、参照し、その引上額を特定すると良い。
(ホワイトカードID管理装置)
次に、「ホワイトカードID管理装置」の構成要件について説明する。図6にあるように、「ホワイトカードID管理装置」(0620)は、「紐付テーブル保持部」(0621)と、「受金ID受信部」(0622)と、「消費使用ID送信部」(0623)と、を有する。
「紐付テーブル保持部」(0621)は、消費使用IDと受金IDとを紐付けた紐付テーブルを保持する機能を有し、例えばハードディスクドライブなどの各種記憶媒体によって実現することができる。
図8は、この紐付テーブルの一例を表す概念図である。この図にあるように、例えば携帯電話番号「090−xxx−xxxx」を受金IDとし、それに対して消費使用ID「0123」が関連付けられている。あるいは受金IDである電子メールアドレス「α@yyy.ne.jp」に対して消費使用ID「1234」、あるいは専用ID「USER−001」に対して消費使用ID「5432」が関連付けられている、という具合である。
このようにして、送金者に消費使用IDを知らせなくても、携帯電話番号などを指定することで安全に受金し、ホワイトカードの使用限度額を引上げることができる。
また、この紐付テーブルにて保持される消費使用IDについては、固定ID(実際の消費使用に利用されるカードID)と変動ID(1回のみの使いきりID)の2種類を合せて管理するよう構成し、引上命令装置に対して実際の消費に利用されるIDを知らせないよう構成し、そのセキュリティ性を高めても良い。例えば、受金IDを受信した際に、固定IDとは別に1回きりの変動IDを新規に生成し、その変動IDを消費使用IDとして引上命令装置に送信する。そして、その変動IDと固定IDの組を、実際に引上命令にしたがって使用限度額を引上げて管理する例えばホワイトカードの発行管理者のサーバ装置に対して送信する、という具合である。
「受金ID受信部」(0622)は、引上命令装置から受金IDを受信する機能を有し、例えばネットワーク網などを介して受信する、という具合である。また、このホワイトカードID管理装置と引上命令装置が物理的に1つの装置で実現されている場合には、バス線などを介して内部的に情報を送受信するよう構成すると良い。また、いずれの商品購入に係る入金に対する受金IDであるかを識別するため、前述のように受金IDと関連付けられている商品IDや取引IDを合わせて受信すると良い。
「消費使用ID送信部」(0623)は、受信した受金IDに紐付けられている消費使用IDを紐付テーブルから取得して引上命令装置に送信する機能を有し、例えばCPUなどの論理演算処理によって上記テーブルを検索し、該当する消費使用IDをネットワーク網(あるいは内部バス線)などを介して返信する、という具合である。
このように本実施例では、受金IDと消費使用IDとが異なるホワイトカードを利用することによって、第三者(商品購入者)からの入金を安全に商品の販売者が受金することができ、その入金を確認したうえで商品の発送を行うことができる。
なお、この消費使用IDの送信部では、受信した商品IDや取引IDを利用して入金受付情報で示される入金額を取得することで、その消費使用IDに係る使用限度額の引上額を算出し、消費使用IDと関連付けて送信しても良い。あるいは、使用限度額の引上額の替わりに商品IDや取引IDを引上命令と関連付けて送信しても良い。
<処理の流れ>
図9は、本実施例の出入金管理システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、例えば商品の発送者が、インターネット上の商品登録ページなどを利用して入力した、商品購入者に対して発送される商品を識別する商品の発送者を識別する発送者IDを、例えばその商品登録ページにて生成された商品IDや取引IDと関連付けて取得する(ステップS0901)。つづいて、商品の取引が成立すると、商品の発送者は商品の購入者に対して、自身の保有するホワイトカードの受金IDをメールなどで通知する。すると、購入者は、例えば入金処理端末でその受金IDと自身の購入者IDを入力し入金処理を実行する。すると、その入金によって生成される、商品購入に係る入金があった旨の情報である入金受付情報を、当該商品IDや取引ID及び商品の購入者を識別する購入者ID、および受金IDと関連付けて取得する(ステップS0902)。
そして、その取得した入金受付情報に係る商品の発送者IDで識別される発送者に対して、例えば商品IDなどや入金済みを示す定型文などを記載したメールなどで入金があった旨を通知する(ステップS0903)。また、入金受付情報と受金IDとを、引上命令装置に対して出力する(ステップS0904)。
すると、その通知を受け取った商品発送者が商品の発送を実行し、その発送された商品を購入者が受け取ることで、発送された商品を受領した旨の情報である商品受領情報を、前記購入者IDと関連付けて取得する(ステップS0905)。すると入金受付情報に関連付けて取得した購入者IDと、当該入金受付情報に関連付けられた商品IDなどで特定される商品や取引に関する商品受領情報に関連付けて取得した購入者IDとが一致するかの判断処理が実行され(ステップS0906)、一致するとの判断結果である場合に、前記入金された金品を発送者が利用可能とするための情報である利用可能情報を、受金ID及び商品IDや取引IDと関連付けて引上命令装置に出力する(ステップS0907)。
そして、引上命令装置にて、ステップS0907にて受金IDや商品IDなどと関連付けて出力された入金受付情報を受信し(ステップS0911)、受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカードの受金IDをホワイトカードID管理装置に送信する(ステップS0912)。
するとホワイトカードID管理装置にて、引上命令装置から受金IDを受信し(ステップS0921)、予め保持されている紐付テーブルを参照して消費使用IDを取得する(ステップS0922)。そしてその消費使用IDを引上命令装置に返信する(ステップS0923)。また、その際には受金IDと合わせて商品IDを受信し、その商品IDを消費使用IDと関連付けて返信すると良い。
そして、引上命令装置では返信された消費使用IDを取得し(ステップS0913)、その取得した消費使用IDと使用限度額引上額を含む引上命令を、当該消費使用IDに火も付けられた受金IDと関連付けられた利用可能情報を受信した場合(ステップS0914)にのみ送信する(ステップS0915)。また、その際には消費使用IDと合わせて受信した商品IDを利用して特定した入金受付情報を参照し算出した引上額を含む引上命令を生成しても良い。あるいは使用限度額引上額の替わりに商品IDを引上命令に含身送信しても良い。
なお、上記処理の流れは一例であって、例えば引上命令装置は、予め引出などの制限付きの引上命令を送信しておき、後で送信した利用可能情報によって当該制限を解除する処理の流れであっても良い。
<効果の簡単な説明>
本実施例の出入金管理システムによって、ネットオークションやネット通販など商品購入に係る入金と商品の発送のタイミングが異なるような取引であっても、受金IDと消費使用IDとを有するホワイトカードを利用して、その入金、及び発送に応じた商品の受領を確認したうえで安全に取引を成立させることができる。
また事前の信用情報などの審査を必要とせず、また受金IDと消費使用IDが異なるホワイトカードを利用することで、クレジットカードを所持していない者であっても、第三者(商品購入者)からの入金を安全に受金することができ、その入金を確認したうえで商品の発送を行うことができる。
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、さらに、引上命令装置から送信された引上命令に応じてホワイトカードの使用限度額を引上げて使用できるよう管理する、例えばホワイトカードの発行会社などのサーバ装置である「ホワイトカード管理サーバ装置」を備えることを特徴とする出入金管理システムである。
この「ホワイトカード管理サーバ装置」では、消費使用IDとその使用限度額とを関連付けて管理し、引上命令を受信した場合、その使用限度額を変更する機能を有する。したがって、例えば店舗などでホワイトカードが提示され、その店舗端末から消費使用IDを含むカードの使用可否の問合せを受付けた場合、その引上命令による使用限度額が変更されたカードの利用可否判断をすることができる、という具合である。
<機能的構成>
図10は、本実施例の出入金管理システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の出入金管理システムは、上記実施例1を基本として「出入金管理サーバ装置」(1000)と、「引上命令装置」(1010)と、「ホワイトカードID管理装置」(1020)と、を有する。なお、これら装置における機能ブロックなどは上記実施例にて記載済みであるので、その説明は省略する。
そして、本実施例の出入金管理システムは、さらに「ホワイトカード管理サーバ装置」(1030)を有することを特徴とする。
(ホワイトカード管理サーバ装置)
図10に示すように、この「ホワイトカード管理サーバ装置」は、「引上命令受信部」(1031)と、「使用限度額テーブル保持部」(1032)と、「使用限度額変更部」(1033)と、を有する。
「引上命令受信部」(1031)は、引上命令装置から引上命令を受信する機能を有し、例えばインターネット網などを介して、この引上命令を取得する、という具合である。
「使用限度額テーブル保持部」(1032)は、使用限度額テーブルを保持する機能を有し、例えばHDDなどの各種記憶媒体によって実現することができる。また、「使用限度額テーブル」とは、消費使用IDと使用限度額とを関連付けたテーブルをいい、これによって例えば実際に店舗などでカードが提示された際に、その使用限度額を参照して使用可否の判断を行う、という具合である。そして、本実施例では、以下の構成によってこの使用限度額が受金に応じて変更可能に構成されていることを特徴とする。
「使用限度額変更部」(1033)は、受信した引上命令に応じて使用限度額テーブル中の消費使用IDと関連付けられた使用限度額を変更する機能を有する。
図11は、この使用限度額の変更処理の一例を説明するための図である。この図11(a)にあるように、消費使用ID「0123」に関連付けられている使用限度額は、「10万円」である。ここで、ID:0123(受金ID:090−xxx−xxxx)のホワイトカードに対して1万円が入金されると、その旨の引上命令がこのホワイトカード管理サーバ装置に受信される。すると、図11(b)に示すように、消費使用ID「0123」に関連付けられている使用限度額が「11万円」に更新される、という具合である。
そして、この使用限度額の引上処理のトリガーとなる引上命令は、利用可能情報の出力に応じて送信されるものであるため、商品の取引における発送と入金とがきちんと確認できてから使用限度額の引上が実行されることとなる。
なお、このホワイトカード管理サーバ装置では、その使用限度額内での支払が実行された旨の情報を受付け、その支払金額分だけ使用限度額を引上げるよう構成すると良い。このようにすることで、カードの受金および使用に応じてその使用限度額を適宜変更し管理することができるようになる。
なお、この使用限度額変更部での変更額については、引上命令に関連付けられて商品IDや取引IDが送信されてきた場合、その商品IDや取引IDに関連付けられている入金受付情報を特定し、その入金額を取得することで決定しても良い。
<処理の流れ>
図12は、本実施例の出入金管理システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
なお、引上命令装置から引上命令が送信されるまでの処理については図9にて記載済みであるのでその説明は省略する。
そして、ホワイトカード管理サーバ装置では、引上命令装置から送信された消費使用IDと使用限度額引上額を含む引上命令を受信する(ステップS1231)と、受信した引上命令に含まれる消費使用IDに応じて、予め保持されている使用限度額テーブル中で当該消費使用IDと関連付けられた使用限度額を取得する(ステップS1232)。そして、引上命令に含まれる使用限度額引上額に応じて、その取得した使用限度額を変更する(ステップS1233)。
<効果の簡単な説明>
本実施例の出入金管理システムによって、商品の取引における発送と入金とがきちんと確認できてから使用限度額の引上が実行され、その増えた金額を元にカードの使用限度額を変更可能に管理し、その変更される使用限度額の範囲内でカードが使用可能か否かを判断することができる。
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、さらに例えばコンビニの店頭や自身の端末などを使ってホワイトカードへ入金をしようとする入金者を認証する機能を備えることを特徴とする出入金管理システムである。
例えば2009年9月現在の法令によると、他者に対して10万円以上の入金を行う場合、入金者の本人認証を行うよう定められている。そこで本実施例では、システム内で入金者の本人認証をすることで、10万円以上の入金を可能とすることができる。また、法令に関わらず、入金者の本人認証を行うことで、詐欺などの何らかの悪意ある行為に利用されることを抑止する効果も期待できる。
具体的には、予めパスポートなどの写真やパスポートなどに記載された住所氏名などのテキスト情報を個人認証サーバに登録させ、登録に応じて個人IDとパスワードを当該登録ユーザに発行する。そして入金に際しては、パスワードと個人IDの組を入力させ、その組が一致するかにより認証を行う、という具合である。
<機能的構成>
図13は、本実施例の出入金管理システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の出入金管理システムは、上記実施例1を基本として「出入金管理サーバ装置」(1300)と、「引上命令装置」(1310)と、「ホワイトカードID管理装置」(1320)と、を有する。また、実施例2を基本として、図示しない「ホワイトカード管理サーバ装置」を備えていても良い。
そして、本実施例の出入金管理システムは、さらに「個人認証サーバ装置」(1330)を有する点、および「引上命令装置」または「出入金管理サーバ装置」が後述するような各構成要件を有する点を特徴とする。
(個人認証サーバ装置)
図13に示すように、「個人認証サーバ装置」(1330)は、「個人ID保持部」(1331)と、「特定要求取得部」(1332)と、「判断部」(1333)と、「結果情報返信部」(1334)と、を有する。
「個人ID保持部」(1331)は、入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報または/及び文字情報と関連付けられた個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを保持する機能を有し、例えばHDDやその他の記憶媒体によって実現することができる。
なお、この個人ID保持部で保持される画像情報または/及び文字情報の取得や、個人IDおよび利用者用のパスワードの発行などについては様々な方法で実現されて良い。例えば本システムを利用する際にユーザ登録を要求し、その登録に際して免許証、保険証、パスポートなどの写しをFAXにて送付させる。そして、そのFAXデータを画像データとして取り込むとともに、新規に個人IDとパスワードを生成し、登録ユーザに返信する、といった方法が挙げられる。また、その際に免許証のFAXデータをOCR(光学式文字読取装置)などで解析し、住所情報などの文字情報を同時に登録されるようにしても良い。あるいは、別途ユーザ端末にて登録サーバなどにアクセスさせ、そこで表示されるGUI画面などを介して、パスポートなどの公的に個人を特定することが可能な書類の情報を文字情報として入力させて取得する方法なども挙げられる。
また、画像データを直接ユーザの端末から送信させて取得するよう構成しても良いし、ユーザが任意に入力した個人IDやパスワードを重複判定処理の後で登録できるよう構成しても良い。
そして、いずれの場合においても、この個人IDとパスワードの組を認証情報として保持し、入金時に入力された組情報とのマッチング判断をすることで入金者の個人認証を実現する、という具合である。また、この組情報には免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の「画像情報」や「文字情報」もデータとして関連付けられているため、後述するようにその画像情報や文字情報も合せて認証に利用することができる。
なお、ここで保持されている個人IDとパスワードの組とのマッチング処理に関して、そのマッチング対象となる情報の送信元は引上命令装置または出入金管理サーバ装置のいずれからでも構わない。したがって、以下では両パターンにおける構成要件について合せて説明する。
「特定要求取得部」(1332)は、引上命令装置または出入金管理サーバ装置からパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する機能を有する。具体的には、例えば入金時に入金処理端末などに個人IDとパスワードとを入力させるためのGUIを表示し、そこに入力された個人IDとパスワードの組を、直接出入金管理サーバ装置から、あるいは間接的に引上命令装置を経由して取得する、という具合である。
「判断部」(1333)は、取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、判断プログラムなどによって実現することができる。このようにして、入金者が確かに登録されているユーザか否かを判断し、本人認証を行うことができる。
また、この判断部での判断処理に関しては、さらに以下の情報を加味して判断されるよう構成しても良い。すなわち個人認証サーバ装置は、入金処理端末などから特定要求を取得した際に、それに含まれる個人ID、パスワードに関連付けられた画像情報または文字情報を当該入金店舗の店員向けシステムに返信する。そして、店員はその画像をディスプレイに表示し、その入金者の実際の顔と画像の顔、あるいは別途記入提出された用紙に記載された住所などの文字情報とが一致あるいは類似しているか否かを示す目視確認情報を入金処理端末に入力する。そして、パスワードと個人IDとの対と合致したかに加えてその入力された目視確認情報を加味して本人認証のための判断を行う、という具合である。
「結果情報返信部」(1334)は、判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を返信する機能を有する。なお、判断結果が合致しないときでも、その合致しない旨を示す不一致結果情報を返信するよう構成しても良い。
また、その結果情報の返信先は、特定情報の送信元である引上命令装置または出入金管理サーバ装置となる。そして、結果情報が引上命令装置に返信される場合は、結果情報に応じて引上命令の出力を制御することで、この本人認証結果を入金可否に反映させる。一方、結果情報が出入金管理サーバ装置に返信される場合は、結果情報に応じて取得した受金IDと入金受付情報との出力を制御することで、この本人認証結果を入金可否に反映させる、という具合である。
(引上命令装置)
図13に示すように、「引上命令装置」(1310)は、「個人ID入力受付部」(1311)と、「個人ID送信部」(1312)と、「結果情報受信部」(1313)と、「引上命令送信制御部」(1314)と、を有する。なお、上記実施例ですでに記載済みの構成要件についての図示、および説明は省略する。
「個人ID入力受付部」(1311)は、入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付ける機能を有し、例えば入金者による入金サービス開始操作などに応じて、パスワードと個人IDとの対の入力を促すGUI画面を表示するなどの方法が挙げられる。なお、引上命令装置が入金処理端末やユーザ端末に組み込まれていない場合、ユーザから直接、パスワードと個人IDとの対の入力を受付けることができない。そのような場合には、入金処理端末や出入金管理サーバ装置の機能によって上記GUI画面などを入金処理端末などに表示し、入力されたパスワードと個人IDとの対を間接的に受け付けるよう構成すると良い。
また、この個人ID入力受付部は、さらに以下のような機能を有していても良い。すなわち、前述のように現在の法令では10万円以上の入金の場合個人認証が必要と定められている。そこで、ユーザが受金IDとともに入力した入金額が例えば10万円など所定額以上か否かをCPUの演算処理により判断し、その判断結果に応じて10万円以上などであれば個人IDとパスワードの対の入力を受け付けるよう構成する、という具合である。
「個人ID送信部」(1312)は、受け付けたパスワードと個人IDとの対を特定要求として前記個人認証サーバ装置に送信する機能を有する。
「結果情報受信部」(1313)は、送信した特定要求に応じて個人認証サーバ装置から返信される結果情報を受信する機能を有する。
「引上命令送信制御部」(1314)は、結果情報を受信した場合にのみ引上命令の送信を可能とするよう制御する機能を有する。このようにして、個人IDとパスワードの組み合わせ(対)、また場合によっては画像情報を利用した店員などの目視による確認情報を利用して本人認証を行い、本人と認証された場合にのみ引上命令を送信し、ホワイトカードに対する入金処理を実行することができる。
(出入金管理サーバ装置)
図13に示すように、「出入金管理サーバ装置」(1300)は、「個人ID入力受付部」(1301)と、「個人ID送信部」(1302)と、「結果情報受信部」(1303)と、「出力部制御部」(1304)と、を有する。なお、上記実施例ですでに記載済みの構成要件についての図示、および説明は省略する。また、引上命令装置における上記同名の構成要件も、その機能などは同様であるので説明は省略する。
「出力部制御部」(1304)は、結果情報を受信した場合にのみ取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力するように出力部を制御する機能を有する。この構成においても、個人IDとパスワードの組み合わせ(対)、また場合によっては画像情報を利用した店員などの目視による確認情報を利用して本人認証を行い、本人と認証された場合にのみ引上命令を送信し、ホワイトカードに対する入金処理を実行することができる。
<処理の流れ>
図14は、本実施例の出入金管理システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
なお、出入金管理サーバ装置や引上命令装置による引上命令送信に関する処理の流れについては図9などで記載済みであるのでその説明は省略する。
まず、個人認証サーバ装置は、例えばユーザ登録などを要求することで、入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報や文字情報を取得する(ステップS1431)。そしてその画像情報と関連付けて個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを生成、あるいは取得し、それらを関連付けて個人ID保持部に記録する(ステップS1432)。
その後、その利用者が入金を行うため出入金管理サーバ装置での受金IDを入力する前または後に、引上命令装置、または出入金管理サーバ装置にて、入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付け(ステップS1401)、そのパスワードと個人IDとの対を特定要求として個人認証サーバ装置に送信する(ステップS1402)。
そして個人認証サーバ装置では、引上命令装置または出入金管理サーバ装置から送信されたパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する(ステップS1433)と、取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する(ステップS1434)。そして判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を引上命令装置または出入金管理サーバ装置に返信する(ステップS1435)。
そして引上命令装置では、結果情報を受信した場合にのみ引上命令の送信を可能とする(ステップS1403A)。あるいは出入金管理サーバ装置であれば、結果情報を受信した場合にのみ取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力するように出力部を制御する(ステップS1403A)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の出入金管理システムにおいて、入金者の本人認証を行うことができる。したがって、例えば法令に沿った運用が可能になり、また詐欺などに悪用されることを抑止する効果も期待できる。