JPWO2012176259A1 - 真空遮断器 - Google Patents
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Abstract
Description
真空バルブが三相一括の絶縁フレームに保持された従来の真空遮断器は、例えば、台車ベースに3相分に仕切られた室が形成された絶縁フレームが搭載され、各室内に真空バルブが軸線を垂直に向けて個別に収容され、真空バルブの上方の固定側が水平方向の上部主回路導体に接続されると共に絶縁フレームに固定され、下部の可動側は、可撓導体を介して下部主回路導体に接続されて水平方向に引き出されている(例えば、特許文献1参照)。
また、個別に絶縁フレームに保持された従来の真空遮断器は、例えば、横断面がU字状の絶縁フレーム内に真空バルブがその軸線を垂直方向に向けて配置され、3相分が電磁操作部と共に移動台車に搭載されている。そして、真空バルブの固定接点と可動接点に繋がる固定側導体と可動側導体とが真空バルブの上下に配置され、U字状をした絶縁フレームの開口部側から水平方向に外側に向けて導出されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1の真空遮断器では、絶縁フレームを3相一括としているので、3相の相互間の強度はそれなりに確保できるが、真空遮断器の遮断容量が大きくなると真空バルブ及び主回路導体部も大形化し、それに伴って絶縁フレームが大形化する。このため、3相一括で製作するには、金型構造の大形化による初期費用増加や、製作できる金型の製作メーカの制約などもあり、これらがコストアップの要因となる。したがって、3相一括形の絶縁フレームで真空遮断器の大形化を進めていくには問題があった。
これに対し、特許文献2のように絶縁フレームが3相個別に台車に固定されているものでは、絶縁フレームを製作する金型が3相一括形より小形ですむため、制作面でのメリットは大きいが、上述した電磁力により絶縁フレームが変位することが想定される。絶縁フレームが変位すれば、主回路導体の接触子の接触部も変位して通電性能が低下し発弧に至る虞がある。これを防止するためには、絶縁フレームやそれを取付ける台車フレームを大形化して剛性アップを図ったり、接触子部の接圧荷重を上げたりする等の措置が必要となり、コストアップに繋がるという問題点があった。
また、絶縁フレームを必要以上に強度アップする必要がないため軽量化でき、真空バルブの固定側及び可動側導体とブッシングとの接続部の接触子に無理な横方向の力が加わらないため接触圧を小さくできる。したがって、真空遮断器の小形軽量化を図ることができる。
図1は、この発明の実施の形態1による真空遮断器を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)を右側から見た背面図である。図2は図1の真空遮断器の内部を示す側面断面図であり、スイッチギヤ等の筐体内に収容されて固定枠に載置された状態を示している。また、図3は、図1中に一点鎖線で示す円内部分の拡大図である。
固定側導体4及び可動側導体5の各先端側には、接触子6が設けられている。接触子6は、例えば、円周方向に多数の接触子片が配列され、その外周にばねが設けられ、ばねによって接触子片が中心方向に付勢されるように構成されている。
絶縁フレーム3は、台車フレーム7に搭載されている。台車フレーム7は、前後方向に移動可能なように、下部に車輪7aを備えている。前面側にはフェースプレート7bを有し、そのすぐ後ろ側は、主として真空バルブ2の操作機構(図示せず)が収容される機構ケース7cとなっており、これらで台車フレーム7が構成されている。
3相分3個の絶縁フレーム3は、台車フレーム7の機構ケース7cの後方に、軸線を垂直方向に向け、左右方向に並べて配置され、下部側が台車フレーム7にボルト等により固定されており、背面側から見れば、図1(b)のようになっている。
図のように、真空バルブ2の固定接点に繋がる上部側は、固定側導体4に電気的に接続されると共に、固定側導体4が絶縁フレーム3に固定されることで、真空バルブ2が絶縁フレーム3に機械的に固定されている。
一方、真空バルブ2の可動接点側は下方に導出された可動電極棒8が、可撓導体9を介し、絶縁フレーム3に固定された可動側導体5に接続されている。また、可動電極棒8は、軸線方向に絶縁ロッド10が連結されており、絶縁ロッド10はリンク機構11を介して機構ケース7c内に収容された操作機構(図示せず)に連結されている。操作機構の操作により、絶縁ロッド10を介し可動電極棒8が上下動し、真空バルブ2の可動接点が駆動され、固定接点に接離することで、真空遮断器1の開閉が行われるように構成されている。
図2では接触子6と中心導体14aとが接続された接続状態を示しているが、真空遮断器1のフェースプレート7bに設けた取手を引いて前方に引き出すことで、接触子6と中心導体14aとの接続が断たれ、断路状態となる。
図3(a)は、図1の一点鎖線で囲ったIII部の拡大図であり、(b)は(a)を矢印方向に見た図である。
各相の絶縁フレーム3の前面側、すなわち、台車フレーム7の機構ケース7cの背面と対向する側には、円柱状の突起部16が形成されている。一方、機構ケース7cの背面側には、図3(b)に示すように、突起部16の外径より僅かに大きな内径の嵌合穴17が設けられている。嵌合穴17は、機構ケース7cを形成する箱体の天板部を背面側に延長し、90度下方に折り曲げた折曲部7dに設けている。
なお、図3では、嵌合穴17は、機構ケース7cの天板を延長した折曲部7dに設けたものを示したが、別部材の板に設けて機構ケース7cの背面に取り付けても良い。
図2に示すように、真空遮断器1がスイッチギヤ等の筐体に組み込まれて使用されるとき、上部のブッシング14の中心導体14aから固定側導体4−真空バルブ2の固定接点及び可動接点−可撓導体9−可動側導体5−下部のブッシング14の中心導体14aへと流れる電流経路が形成される。3相の真空バルブ2がそれぞれ独立した絶縁フレーム3に収容され固定されて並行に配置されているので、地絡等が発生して大きな短絡電流が上記の電流経路に流れると、その電流により3相の導体間に、図1(b)に矢印で示す方向に、大きな電磁力が発生する。固定側導体4及び可動側導体5は絶縁フレーム3に固定されているので、絶縁フレーム3の相間方向(前面から見て左右方向)にもその過大な電磁力が加わることになる。これを放置しておけば、真空遮断器1の接触子6部も相間方向に変位しようとする力が働くので、ブッシング14の中心導体14aとの接触が不均一な接触圧となり通電性能が損なわれ、場合によっては接触部で発弧が発生する虞がある。
突起部16は、絶縁フレーム3をモールド成形するときに同時に形成でき、嵌合穴17は、機構ケース7cの天板の寸法を伸ばして穴を開けるだけで容易に形成できる。
なお、突起部16及び嵌合穴17の形状は円形に限定するものではなく、四角形や多角形でも良い。また個数も、必要に応じて1個の絶縁フレームに複数個設けても良い。
また、突起部を機構ケース7c側に設け、嵌合穴を各絶縁フレーム3に設けても良い。
また、絶縁フレームを必要以上に強度アップする必要がないため軽量化できる。
また、真空バルブの固定側及び可動側導体とブッシングが接続される接触子に無理な横方向の力が加わらないため接触圧を小さくでき、接触子部の変位を抑制して発弧を防止できる。
更に、台車フレームの剛性も押さえることができるので、真空遮断器の小形軽量化を図ることができる。
図4は、この発明の実施の形態2による真空遮断器の平面断面図である。実施の形態1の図1と同等な真空遮断器を上面から見た図なので、図1と同等部分は同一符号を付して説明は省略し、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
また、図4では、フランジ部3aを絶縁フレーム3の幅方向両側に設けたが、フランジ部は例えば幅方向の中央部に1箇所のみとし、係合板18の先端形状をそれに合わせて形成して係止部としても良い。
図5は、係止部の他の例を示す真空遮断器の平面断面図である。先の図4に対応する部分なので、同等部分は同一符号で示して説明は省略し、図4との相違点を中心に説明する。図5では、絶縁フレーム3にフランジ部は設けずに、略矩形状の断面をした各相の絶縁フレーム3の幅方向の端部3bを絶縁フレーム3側の係止部とし、機構ケース7c側は、天板を絶縁フレーム3側に伸ばし、先端部の形状を、各絶縁フレーム3の幅方向全体を外側から挟むような形状にした係合板19を設けたものである。係合板19は、機構ケース7cの天板とは別部材で構成しても良い。
なお、係止部の形状は、図4,図5に限定するものではなく、絶縁フレーム側の形状に合わせて、係止させる部分の形状を適宜決めればよい。
3 絶縁フレーム 3a フランジ部
3b 端部 4 固定側導体
5 可動側導体 6 接触子
7 台車フレーム 7a 車輪
7b フェースプレート 7c 機構ケース
7d 折曲部 8 可動電極棒
9 可撓導体 10 絶縁ロッド
11 リンク機構 12 床面
13 後壁 14 ブッシング
14a 中心導体 15 係止部
16 突起部 17 嵌合穴
18,19 係合板。
また、係止部は、各絶縁フレームと対向する機構ケースの対向面に設けられた突起部と、突起部に嵌合するように絶縁フレーム側に設けられた嵌合穴とで構成されているものである。
また、係止部は、機構ケースと対向する各絶縁フレームの対向面に設けられたフランジ部と、フランジ部に係合する先端形状を有して機構ケース側に設けられた係合板とで構成されているものである。
更にまた、係止部は、機構ケースと対向する各絶縁フレームの対向面の両端部と、両端部に係合する先端形状を有して機構ケース側に設けられた係合板とで構成されているものである。
Claims (4)
- 3相分の真空バルブと、前記真空バルブを各相個別に収容し保持する3個の絶縁フレームと、前面側に前記真空バルブの操作機構部を収容した機構ケースを有する台車フレームとを備え、前記真空バルブが収容された前記3個の絶縁フレームが前記機構ケースの後方に左右方向に並べて配置され、下部側が前記台車フレームに固定された真空遮断器において、
前記各絶縁フレームと前記機構ケースとの対向部に係止部を設け、前記係止部によって前記各絶縁フレームの相間方向の変位を拘束するようにしたことを特徴とする真空遮断器。 - 請求項1記載の真空遮断器において、
前記係止部は、前記機構ケースと対向する前記各絶縁フレームとの対向面に設けられた突起部と、前記突起部に嵌合するように前記機構ケース側に設けられた嵌合穴とで構成されていることを特徴とする真空遮断器。 - 請求項1記載の真空遮断器において、
前記係止部は、前記機構ケースと対向する前記各絶縁フレームの対向面に設けられたフランジ部と、前記フランジ部に係合する先端形状を有して前記機構ケース側に設けられた係合板とで構成されていることを特徴とする真空遮断器。 - 請求項1記載の真空遮断器において、
前記係止部は、前記機構ケースと対向する前記各絶縁フレームの対向面の両端部と、前記両端部に係合する先端形状を有して前記機構ケース側に設けられた係合板とで構成されていることを特徴とする真空遮断器。
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