JPWO2012157155A1 - 参照電圧安定化回路およびそれを備えた集積回路 - Google Patents

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Abstract

外乱ノイズや内部回路の自己ノイズに対して参照電圧を安定的に保つ。第1および第2の信号線(L1,L2)の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路(10)は、第1の信号線(L1)と第2の信号線(L2)との間に接続された容量性パス(11)を有する前段回路(1)と、第1の信号線(L1)と第2の信号線(L2)との間に接続された抵抗性パス(21)と、容量性パス(11)と抵抗性パス(21)との間において第1および第2の信号線(L1,L2)のうち参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路(22H,22L)とを有する後段回路(2)とを備えている。

Description

本発明は、参照電圧を安定化する回路に関し、特に、AD変換器に好適な参照電圧安定化回路に関する。
AD変換器は各種信号処理分野で広く利用されており、その変換精度は重要な性能指標である。一般に、AD変換器は入力信号を参照電圧と比較することでAD変換する。このため、高い変換精度を保つためには、参照電圧を精度よく一定に保つことが極めて重要である。アプリケーションにもよるが、mVオーダーのノイズが参照電圧に重畳されることでAD変換精度の劣化につながることが多い。よって、外乱ノイズやAD変換器自身が出す自己ノイズ等によって参照電圧が揺れないように、参照電圧を安定化することが重要である。
近年、その電力効率の高さから逐次比較型AD変換器が注目を浴びている。図10は、典型的な逐次比較型AD変換器の構成を示す。逐次比較型AD変換器100は、バイナリー比率で容量値(図中の1C、4C、8C、…、512C)が重み付けされた容量アレイで構成された容量DAC102と、アナログ入力電圧INと容量DAC102で生成した電圧とを比較する比較器104と、比較結果を格納するラッチ回路106と、ラッチ回路106から出力される信号に基づいて容量DAC102を制御するDAC制御部108とを備えている。容量DAC102において、容量アレイの一端はアナログ入力電圧INに接続され、他端はDAC制御部108から出力される多ビットの制御信号に従って参照電圧VREFH,VREFL(ただし、VREFH>VREFLである。)のいずれか一方にそれぞれ独立に接続されるようになっている。
逐次比較型AD変換器100の動作は次のようである。まず、制御信号のMSBを1、その他のビットを0にした状態で容量DAC102でアナログ入力電圧INをサンプリングした後、DAC制御部108は、1クロックごとに比較器104の比較結果に基づいて、制御信号をMSBから下位ビットに1ビットずつ逐次的に決定する。このとき、ラッチ回路106から出力される信号をシリアル−パラレル変換したものが、サンプリングしたアナログ入力電圧INのAD変換結果である。
各クロックで比較器104が動作するタイミングでVREFH−VREFLにmVオーダーのノイズが重畳されると、これがAD変換誤差になる。また、比較器104の動作後に容量アレイの他端の接続状態が変更されるタイミングでVREFH,VREFLの電荷が消費されるが、これがAD変換器の自己ノイズである。
従来、集積回路の内外にバイパスコンデンサ(容量素子)を設けて、参照電圧に重畳されるノイズを除去することがよく行われている。例えば、図11に示したように、外部電源200から供給される電圧をI/OピンP1,P2で受け、信号線L1,L2を通じてAD変換器100に参照電圧VREFH,VREFLとして供給する構成において、集積回路300の外部においてI/OピンP1,P2の間に外付けパスコン(容量素子202)を設け、集積回路300の内部の信号線L1,L2の間に内蔵パスコン(容量素子203)を設けることがある。しかし、外付けパスコンは、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204の影響で、100MHz近傍からそれ以上の周波数で効きが悪くなり、信号線の低インピーダンス化には寄与しなくなる。それを補うために内蔵パスコンを大きくすると、寄生インダクタンス204との共振現象で、参照電圧に重畳されたノイズがリンギングして参照電圧の揺れが収まりにくくなる。実際、10ビット程度のAD変換精度を得るには、AD変換器100の自己ノイズを抑えるために、nFオーダーの内蔵パスコンを設ける必要があるが、そのような大きな容量素子を集積回路内に設けることは非現実的である。
また、内部パスコンに代えて、集積回路内にバッファやアクティブバイパス回路(以下、バッファ等と称する。)を設けて信号線の低インピーダンス化を図ることもできる。例えば、図12に示した例では、集積回路300の内部にアクティブバイパス回路206を設けている(例えば、特許文献1参照)。この場合、バッファ等の応答速度、つまり、バッファ等がノイズにどれだけ高速に応答して、それを除去できるかが重要なパラメタである。応答速度は有限のため、バッファ等はその応答速度を越える瞬時のノイズには応答できないが、時間をかければ参照電圧を元の値に戻すことができる。
パイプライン型AD変換器や逐次比較型AD変換器などのクロック同期式の離散信号処理システムでは、AD変換の瞬間にノイズが十分抑えられていれば、AD変換精度に影響が出ないという特徴がある。よって、あるAD変換で自己ノイズが発生しても、次のAD変換の瞬間までに参照電圧を正規の値にまでセトリングさせれば問題ない。したがって、自己ノイズに対してバッファ等は有力な案となり得る。しかし、変換速度が上がると、大電力、大面積のバッファ等をもってしても必要な時間内でノイズをセトリングさせることは困難になってくる。また、集積回路のパッケージの寄生インダクタンスは、バッファ等の出力をリンギングさせ、セトリングをさらに大きく遅くする。さらには、外乱ノイズの場合は、どのタイミングで入ってくるか分からないため、瞬時にノイズを許容レベル以下に抑えておく必要がある。外乱ノイズには、瞬時応答可能な容量素子の力を多少なりとも借りる必要がある。
内蔵パスコンとバッファ等の双方を組み合わせる方法もあるが、この場合には、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間にトレードオフ問題がある。内蔵パスコンを大きくして外乱ノイズを減らすことは、バッファ等の応答を遅くし、自己ノイズのセトリングを遅くすることにつながる。もちろん、nFオーダーの容量素子を集積回路内に積めば、当該容量素子だけで自己ノイズを抑えられるが、これが非現実的であることは先述のとおりである。一方、内蔵パスコンを小さくしてバッファ等の応答を高めても、外乱ノイズの抑制が弱くなる。外乱ノイズがAD変換のタイミングの直前に入力されると、ノイズをセトリングさせきることができずにAD変換誤差が発生する。特に、インターリーブ構成のAD変換器などで参照電圧の信号線を複数のAD変換器が共有している場合には、あるAD変換器の自己ノイズが、外乱ノイズとなって別のAD変換器に飛び込み、より深刻な問題となる。
図13は、典型的なインターリーブ構成のAD変換器(以下、インターリーブADCと称する。)の構成を示す。当該インターリーブADCでは信号線L1,L2が4つのAD変換器100のそれぞれに接続され、各AD変換器100で参照電圧VREFH,VREFLが共用されている。VREFH,VREFLは、外部電源200からI/OピンP1,P2に入力される。内部電源がある場合には外付けパスコン(容量素子202)が付加されるケースもある。また、当該インターリーブADCは、ノイズを抑えるために内蔵パスコン(容量素子203)を搭載している。各AD変換器100のAD変換性能を10ビット50MHzとすると、当該インターリーブADCのAD変換性能は10ビット200MHzに相当する。
ここで、図13のインターリーブADCを同性能のパイプライン型AD変換器(以下、パイプラインADCと称する。)と比較すると、インターリーブADCは、パイプラインADCに比べ、はるかに少ない電力と面積で設計できる。一方、同じ変換速度、変換精度であっても、インターリーブADCの参照電圧に求められる精度がはるかに高く、パイプラインADCで用いられる参照電圧回路は、もはやインターリーブADCには適用できない。それは次の理由による。パイプラインADCでは、参照電圧を揺らす自己ノイズの周波数は200HMzである。一方、インターリーブADCでは各AD変換器100が50MHzでサンプリング動作するが、1クロックで1ビットを逐次比較する構成のため、その内部クロックは1GHzに迫る。したがって、参照電圧に自己ノイズが重畳されると1ns以内の短い時間に参照電圧を元の値にセトリングして戻す必要がある。さらには、インターリーブADCでは、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100にとっての外乱ノイズになる。あるAD変換器100の自己ノイズは、直接、参照電圧を揺らすため、そのレベルは別のAD変換器100の自己ノイズ並みに大きく、しかも、これが別のAD変換器100の自己ノイズとは異なるタイミングで入力される。これをバッファ等でセトリングさせるには、AD変換器100が1個のときの自己ノイズよりもはるかに短い数百psというような非現実的な時間でノイズをセトリングさせなければ、ノイズが次のAD変換のタイミングに重なってしまい、AD変換誤差の原因となり得る。
米国特許第5049764号明細書
AD変換器に限らず各種信号処理回路には安定した参照電圧を供給する必要がある。特に、逐次比較型AD変換器、とりわけそれをインターリーブ構成したAD変換器、あるいは並列化したAD変換器には、極めて安定した参照電圧が要求される。しかし、従来のような容量素子またはバッファ等による参照電圧の安定化では、高速、高精度のAD変換を担保することができず、また、それらを組み合わせると、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間のトレードオフ問題が生じる。
そこで、本発明は、外乱ノイズや内部回路の自己ノイズに対して参照電圧を安定的に保つことができる参照電圧安定化回路を提供することを課題とする。
本発明の一局面に従うと、第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路は、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された抵抗性パスと、前記容量性パスと前記抵抗性パスとの間において前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路とを有する後段回路とを備えている。
あるいは、本発明の別の局面に従うと、第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路は、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入され、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタと、前記バイアス電圧を生成するバイアス生成回路と、前記トランジスタのゲートと前記第1および第2の信号線のうち当該トランジスタが挿入されていない方の信号線との間に接続された容量素子とを有する後段回路とを備えている。
これら構成によると、参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路またはトランジスタによって当該信号線がI/O側と内部回路側とに分離されることにより、前段回路と後段回路とが互いに干渉することなく、前段回路は外乱ノイズを抑制し、後段回路は内部回路の自己ノイズを抑制して参照電圧を安定化することができる。
本発明によると、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間のトレードオフ問題を解消し、外乱ノイズおよび自己ノイズの双方を同時に抑制して、参照電圧を安定的に保つことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る参照電圧安定化回路を備えた集積回路の構成図である。 図2は、後段回路における抵抗回路の構成例を示す図である。 図3は、1個の前段回路に複数の後段回路を接続した参照電圧安定化回路を示す図である。 図4は、前段回路の変形例を示す図である。 図5は、後段回路の変形例を示す図である。 図6は、後段回路の別の変形例を示す図である。 図7は、後段回路のさらに別の変形例を示す図である。 図8は、参照電圧を生成するレギュレータを追加した集積回路の構成図である。 図9は、AD変換器の出力を補正する補正部を追加した集積回路の構成図である。 図10は、典型的な逐次比較型AD変換器の構成図である。 図11は、バイパスコンデンサによる参照電圧安定化の構成例を示す図である。 図12は、アクティブバイパス回路による参照電圧安定化の構成例を示す図である。 図13は、典型的なインターリーブ構成のAD変換器の構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る参照電圧安定化回路を備えた集積回路の構成を示す。参照電圧安定化回路10は、例えば、外部電源200からI/OピンP1,P2に入力され、信号線L1,L2を通じてAD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFL(ただし、VREFH>VREFLである。)を安定化する。AD変換器100は、例えば、図10に示した逐次比較型AD変換器である。参照電圧安定化回路10およびAD変換器100は、いずれも集積回路300に実装されている。ただし、参照電圧安定化回路10は、集積回路300において最もI/O寄り、すなわち、I/OピンP1,P2のすぐ近くに配置して、AD変換器100その他の図示しない内部回路に安定なVREFH,VREFLを供給することが望ましい。
参照電圧安定化回路10は、前段回路1および後段回路2を備えている。前段回路1は、信号線L1,L2の間に接続され、容量素子111で構成された容量性パス11を備えている。
後段回路2は、信号線L1,L2の間に接続され、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタ211で構成された抵抗性パス21、容量性パス11と抵抗性パス21との間において信号線L1に挿入された抵抗回路22H、および容量性パス11と抵抗性パス21との間において信号線L2に挿入された抵抗回路22Lを備えている。後段回路2は、さらに、バイアス電圧を生成するバイアス生成回路23、およびトランジスタ211のドレインとゲートとの間に接続された容量素子24を備えている。バイアス生成回路23は、抵抗素子231およびダイオード接続されたトランジスタ232を直列接続して構成することができ、抵抗性パス21の両端電圧に応じてバイアス電圧を生成する。
抵抗回路22H,22Lは、図2(a)に示したように、いずれも抵抗素子221で構成することができる。抵抗素子221は、信号線L1,L2を十分に長くして配線抵抗として実現してもよい。あるいは、図2(b)に示したように、抵抗回路22H,22Lは、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタ222,223で構成することもできる。すなわち、抵抗回路22H,22LをMOS抵抗で構成してもよい。
なお、抵抗回路22H,22Lの抵抗値が大きすぎるとIRドロップが大きくなり、VREFH−VREFLが小さくなる。逆に、抵抗回路22H,22Lの抵抗値が小さすぎると後述する前段回路1と後段回路2との分離効果が得にくくなる。したがって、抵抗回路22H,22Lは、いずれの構成であっても、抵抗値が10Ωから100Ωの範囲内、好ましくは数十Ω程度になるようにするとよい。
次に、参照電圧安定化回路10の動作・作用について説明する。抵抗回路22H,22Lは信号線L1,L2に挿入されたインピーダンスであり、当該インピーダンスによって信号線L1,L2はI/O側と内部回路側とに分離される。I/O側には前段回路1が、内部回路側には後段回路2が配置されている。前段回路1における容量性パス11は、信号線L1,L2を低インピーダンス化する内蔵パスコンとして機能する。一方、後段回路2の動作は次のようである。一定のバイアス電圧が高インピーダンスでトランジスタ211のゲートに供給されており、トランジスタ211のドレイン−ソース間に一定の電流が流れている。例えば、VREFHがノイズで瞬間的に高くなると、容量素子24を介してノイズが瞬時にトランジスタ211のゲートに伝播され、トランジスタ211のドレイン−ソース間電流が増えることで、内部回路側の信号線L1,L2間の電圧差であるVREFH−VREFLを小さくしようと働く。逆に、VREFHが瞬間的に下がると、トランジスタ211のドレイン−ソース間電流が瞬間的に減ることで、VREFH−VREFLを大きくしようと働く。また、VREFLが降下する場合は、容量素子24の働きでトランジスタ211のゲート電圧がほぼ動かないため、直接、トランジスタ211のゲート−ソース間電圧が増大することになり、VREFLの変動を元に戻す方向に動作する。このように、後段回路2は、内部回路側の信号線L1,L2にノイズが重畳されても短時間でそれら信号線間の電圧差、すなわちVREFH−VREFLを元に戻す広帯域な安定化回路として働く。
I/OピンP1,P2間に外付けパスコン(容量素子202)を接続することで、信号線L1,L2を低インピーダンス化することができるが、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204の影響で、外付けパスコンの効果が弱まることは上述したとおりである。しかし、I/O側から混入する外乱ノイズは前段回路1における容量性パス11によって吸収され、内部回路側には伝わらない。また、内部回路側には後段回路2が接続されているため、内部回路側の信号線L1,L2の寄生容量は極めて小さく抑えられている。信号線L1,L2に抵抗回路22H,22Lが挿入されていることにより、内部回路側には外乱ノイズが混入せず、AD変換器100の自己ノイズだけが存在する。したがって、あるAD変換時にAD変換器100の自己ノイズが発生しても、次のAD変換までに、後段回路2がVREFH,VREFLを元の値にまでセトリングして戻すことでAD変換精度を高く保つことができる。
従来は、トレードオフ問題により、内部パスコンまたはバッファ等のいずれか一つの手段で外乱ノイズと自己ノイズの双方を抑制する必要があったが、本実施形態に係る参照電圧安定化回路10は、外乱ノイズと自己ノイズをそれぞれ個別に適した手段で抑制する。すなわち、瞬時に抑える必要がある外乱ノイズは、I/O側に配置された前段回路1で抑制する。一方、レベルが大きく容量素子だけで抑えるのが困難だが、抑制までの時間的な余裕がある自己ノイズは、内部回路側に配置された後段回路2で抑制する。後段回路2にとって、前段回路1における容量性パス11は、応答速度を遅くする足かせとなるが、抵抗回路22H,22Lで信号線L1,L2をI/O側と内部回路側とに分離することにより、その影響を十分抑えることができる。
以上のように、本実施形態によると、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204が大きくても、AD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFLを安定に保つことができ、AD変換精度を高く保つことが可能である。本実施形態に係る参照電圧安定化回路10は、従来構成では実現困難であった高速、高精度のAD変換器の参照電圧の安定化回路として使用することができる。
また、本実施形態には、抵抗回路22H,22Lによって、AD変換器100が寄生インダクタンス204と分離されているため、寄生インダクタンス204が大きくても参照電圧VREFH,VREFLが安定に保たれ、共振の影響を受けにくいという効果がある。このため、寄生インダクタ204が大きな安価なパッケージを使用することができるという利点がある。
参照電圧安定化回路10は、VREFH,VREFLのいずれか一方のみを安定化するものであってもよい。例えば、信号線L2をグランド電位を供給するグランド配線として用いる場合には、VREFHのみを安定化すればよい。この場合、信号線L2に抵抗回路22Lを挿入する必要はない。また、例えば、信号線L1を電源電圧を供給する電源配線として用いる場合には、VREFLのみを安定化すればよい。この場合、信号線L1に抵抗回路22Hを挿入する必要はない。
AD変換器100によっては電源電圧およびグランド電位を参照電圧として使用するものもあるが、その場合でも、電源配線およびグランド配線とは別に参照電圧を供給する信号線L1,L2を設けて、参照電圧安定化回路10によって安定化した参照電圧をAD変換器100に供給することが望ましい。この場合、I/OピンP1を電源電圧の入力端子にして、集積回路300の内部において電源配線と信号線L1とを分離するとともに、I/OピンP2をグランド電位の入力端子にして、集積回路300の内部においてグランド配線と信号線L2とを分離するようにしてもよい。
1個の前段回路1に複数の後段回路2が接続されるように参照電圧安定化回路10を変形してもよい。図3は、変形例に係る参照電圧安定化回路10の構成を示す。当該変形例では、1個の前段回路1に4個の後段回路2が接続されている。各後段回路2は、各AD変換器100に安定なVREFH,VREFLを供給する。4個のAD変換器100は、インターリーブ動作するAD変換器、共通の動作クロックで共通の入力信号をAD変換する並列方式のAD変換器、参照電圧を共有するのみの互いに独立したAD変換器のいずれでもよい。
上述したように、信号線L1,L2を複数のAD変換器100が共有している場合には、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100にとっての外乱ノイズになり得る。すなわち、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100の自己ノイズに匹敵する大きさで、しかも、当該別のAD変換器100の自己ノイズとは異なるタイミングで発生する。図3の参照電圧安定化回路10では、あるAD変換器100の自己ノイズは、まず、それに接続された後段回路2によって減衰される。ただし、ノイズが発生した直後は、後段回路2の応答が間に合わないため、後段回路2によって減衰しきらないノイズがI/O側に漏れ出ようとする。しかし、後段回路2における抵抗回路22H,22Lおよび前段回路1における容量性パス11によって構成されたローパスフィルタによって、I/O側に漏れ出ようとするノイズは大きく減衰される。結果として、I/O側にはAD変換器100の自己ノイズはほとんど漏れ出ない。さらに、当該減衰したノイズは、別のAD変換器100に伝搬する際に、各後段回路2における抵抗回路22H,22Lによってさらに減衰される。このため、あるAD変換器100で自己ノイズが発生しても、それ以外のAD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFLを安定に保つことができ、AD変換精度を高く保つことが可能である。
以上のように、参照電圧の信号線を複数のAD変換器が共有する構成において、各AD変換器の自己ノイズによって別のAD変換器に供給される参照電圧に影響が及ばないようにすることができる。これにより、参照電圧入力用のI/Oピンや外付け素子の数を大きく減らすことが可能になる。逐次比較型AD変換器のコア面積は、そのI/O領域に比べて小さいため、I/O領域の面積削減はコア面積削減以上に効果がある。
<前段回路1の変形例>
図1の例のように、容量性パス11が容量素子111のみで構成されている場合、容量素子111と寄生インダクタンス204との間で共振現象が生じるため、図4(a)に示したように、容量性パス11を、直列接続された容量素子111および抵抗素子112で構成してもよい。あるいは、図4(b)に示したように、容量性パス11とI/OピンP1,P2との間において信号線L1,L2にそれぞれ抵抗素子12H,12Lを挿入してもよい。なお、信号線L2をグランド配線として用いる場合には抵抗素子12Lは不要であり、信号線L1を電源配線として用いる場合には抵抗素子12Hは不要である。なお、図4(b)の前段回路1は、図4(a)の前段回路1よりも共振現象の抑制効果が大きいが、信号線L1,L2に抵抗素子12H,12Lを挿入しているため、IRドロップが大きくなる。
<後段回路2の変形例>
後段回路2からバイアス生成回路23および容量素子24を省略して、図5に示したように、抵抗性パス21を抵抗素子212で構成してもよい。抵抗素子212にはVREFH−VREFLに比例する電流が流れているため、抵抗性パス21は、VREFHが高くなればVREFHを下げる働きをし、VREFHが低くなればVREFHを上げる働きをする。しかし、電流効率を考慮すると、図1に示したように、抵抗性パス21をトランジスタ211で構成することが望ましい。トランジスタ211のトランスコンダクタンスをgmとすると、図1の抵抗性パス21は、抵抗素子212の抵抗値を1/gmにしたときの図5の抵抗性パス21と等価であるが、抵抗性パス21をトランジスタ211で構成した方が必要な電流が1/10から1/20で済み、電流効率が非常に高い。
また、ソースフォロワ回路を用いると、信号線L1,L2をI/O側と内部回路側とに分離する機能とAD変換器100の自己ノイズを広帯域で抑制する機能とを一つの回路で実現することができる。例えば、図6(a)に示した後段回路2では、抵抗回路22Hに代えてソースフォロワ回路として信号線L1にトランジスタ25Hが挿入されている。すなわち、信号線L1はトランジスタ25HによってI/O側と内部回路側とに分離されている。トランジスタ25Hのゲートには、バイアス生成回路26Hが生成するバイアス電圧が高インピーダンスで印加されており、トランジスタ25Hのゲートと信号線L2との間に容量素子27Lが接続されている。また、トランジスタ25Hのソースと信号線L2との間には抵抗素子28が接続されている。抵抗素子28に流れる電流はトランジスタ25Hのバイアス電流となる。
図6(b)に示した後段回路2では、抵抗回路22Lに代えてソースフォロワ回路として信号線L2にトランジスタ25Lが挿入されている。すなわち、信号線L2はトランジスタ25LによってI/O側と内部回路側とに分離されている。トランジスタ25Lのゲートには、バイアス生成回路26Lが生成するバイアス電圧が高インピーダンスで印加されており、トランジスタ25Lのゲートと信号線L1との間に容量素子27Hが接続されている。また、トランジスタ25Lのソースと信号線L1との間には抵抗素子28が接続されている。抵抗素子28に流れる電流はトランジスタ25Lのバイアス電流となる。
図6(c)に示した後段回路2は、上記の二つのソースフォロワ回路を組み合わせたものであり、抵抗回路22H,22Lに代えて信号線L1,L2にトランジスタ25H,25Lがそれぞれ挿入されている。
これら変形例に係る後段回路2の動作について、図6(a)の構成を例に説明する。ノイズがない状態では、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が一定に保たれ、VREFHは、トランジスタ25Hのゲート電圧から当該ゲート−ソース間電圧だけ下がったところで安定化する。例えば、VREFHがAD変換器100の自己ノイズにより下がると、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が大きくなり、トランジスタ25Hを介して内部回路側に電流が流れ込み、VREFHは元の高い値に戻る。逆に、VREFHが上がると、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が小さくなり、VREFHは元の低い値に戻る。また、VREFLが上がると、容量素子27Lを介してトランジスタ25Hのゲート電圧が上がってトランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が大きくなり、VREFHも上がる。これにより、信号線L1,L2間の電圧差は元に戻る。逆に、VREFLが下がる場合には上記と逆の動作により、やはり信号線L1,L2間の電圧差は元に戻る。このように、図6(a)に示した後段回路2は、信号線L1,L2にノイズが重畳されても短時間で信号線L1,L2間の電圧差を元に戻す広帯域な安定化回路として働く。図6(b)(c)に示した後段回路2についても同様である。
なお、トランジスタ25H,25Lから内部回路側に十分な大きさの出力電流が得られるようであれば、抵抗素子28は省略してもよい。
また、図6の各変形例に係る後段回路2では、トランジスタ25H,25Lのドレイン−ソース間電圧の分だけVREFHとVREFLとの電圧差が小さくなるという問題があるが、I/OピンP1に入力する電圧をあらかじめ高くしておくことで当該問題は解消することができる。このため、図1または図5の後段回路2の方がAD変換器100に大振幅の参照電圧を供給することができ、S/N特性にも有利である。逆に、図6の各変形例に係る後段回路2は、I/OピンP1,P2に入力される外部電圧を変更せずとも、トランジスタ25H,25Lのゲート電圧を適宜変更することで、VREFH,VREFLを変更することができるというメリットがある。
図6の各変形例に係る後段回路2に、図1に示した後段回路2における抵抗性パス21、バイアス生成回路23、および容量素子24からなる回路部分を追加してもよい。図7は、図6(a)の後段回路2に当該回路部分を追加した例を示す。当該回路部分を追加することにより、図6の各変形例に係る後段回路2の広帯域化特性をより強力にすることができる。
<PVTばらつき対策>
信号線L1,L2に抵抗回路22H,22Lを挿入したことによりIRドロップが発生する。IRドロップは、温度、電圧、集積回路のプロセス変動といったPVTばらつきで変動し、それがAD変換精度を劣化させてしまう。そこで、PVTばらつきを吸収するために次のような手段を講じるとよい。
例えば、図8に示したように、集積回路300に、VREFHを生成するレギュレータ30を設ける。すなわち、I/OピンP1に外部電圧を接続せずに、レギュレータ30の出力電圧を接続する。レギュレータ30は、例えば、ソースがI/OピンP3に接続され、ドレインがI/OピンP1に接続されたトランジスタ31と、信号線L1,L2間の電圧差と所定電圧VREFとの誤差をトランジスタ31のゲートに出力する誤差増幅器32とで構成することができる。I/OピンP3には、例えば、集積回路300の電源電圧が入力される。VREFは、集積回路300における図示しない参照電圧源から供給される。
当該構成よると、レギュレータ30によってVREFH−VREFLが所定電圧VREFとなるようにフィードバック制御がかかる。外付けパスコン(容量素子202)は、レギュレータ30の位相補償を兼ねている。図8の構成によると、IRドロップのPVTばらつきが吸収され、AD変換器100に常に安定したVREFH,VREFLを供給することができる。
なお、VREFLがグランド電位であれば、レギュレータ30はVREFHをフィードバックするだけでよくなる。さらに、PVTばらつきが小さい場合には、レギュレータ30は、VREFHに代えてI/OピンP1の電圧をフィードバックするようにしてもよい。この場合、レギュレータ30の出力を直接フィードバックするため、レギュレータ30の制御ループが単純化し、より安定な回路となる。
また、複数の動作モードを用意して、各動作モードに応じてVREFの大きさを切り替えることで、AD変換器100のレンジ調整を行うことができる。
一方、PVTばらつきによってVREFH,VREFLが変動すれば、AD変換器100のAD変換ゲインも変動する。そこで、例えば、図9に示したように、集積回路300に、AD変換器100の入力を切り替える入力切替部101と、AD変換器100のデジタル出力についてAD変換ゲイン誤差を補正するゲイン誤差補正部109を設けて、AD変換後のデジタル領域でPVTばらつきを吸収する。具体的には、入力切替部101は、通常動作時にはアナログ入力電圧INを、キャリブレーション時には2種類のVCAL参照電圧(Vcal1およびVcal2)を、AD変換器100に入力する。ゲイン誤差補正部109は、Vcal1,Vcal2に対するAD変換コードをDout1,Dout2から、次式に従ってAD変換ゲインADGを算出する。
ADG=(Dout2−Dout1)/(Vcal2−Vcal1)
そして、ゲイン誤差補正部109は、AD変換器100にINが入力される通常動作時には、AD変換ゲインが目的の値になるように、AD変換器100から出力されるデジタル信号OUTに対してデジタル領域において、ADGに基づいた補正ゲイン係数を掛ける。これにより、IRドロップのPVTばらつきが吸収され、AD変換器100に常に安定したVREFH,VREFLを供給することができる。
なお、図9の構成に図8のレギュレータ30を追加することで、より安定的なVREFH,VREFLを供給することができる。
上記説明では、便宜上、AD変換器100は逐次比較型AD変換器であるとしたが、これに限定されない。AD変換器100は、パイプライン型AD変換器、フラッシュ型AD変換器、デルタシグマAD変換器など、クロック信号で離散的に動作する別タイプのAD変換であってもよい。また、VREFH,VREFLを受ける内部回路はAD変換器100に限られず、参照電圧を参照して動作する回路であればどのようなものであってもよい。
本発明に係る参照電圧安定化回路は、外乱ノイズおよび内部回路の自己ノイズの双方を同時に抑制して参照電圧を安定化することができるため、内部回路が多数集積されたSoCに適用することができ、AD変換器、特に、高精度な参照電圧が要求される逐次比較型AD変換器およびそれをインターリーブ化、並列化したAD変換器に有用である。また、集積回路のパッケージの寄生インダクタンスの影響を受けにくいため、安価なパッケージの製品に利用することができる。また、複数のAD変換器で参照電圧のI/Oを共有することができるから、多数のAD変換器を搭載する製品に利用することができる。
10 参照電圧安定化回路
1 前段回路
11 容量性パス
111 容量素子
112 抵抗素子
12H 抵抗素子
12L 抵抗素子
2 後段回路
21 抵抗性パス
211 トランジスタ
212 抵抗素子
22H 抵抗回路
22L 抵抗回路
221 抵抗素子
222 トランジスタ
223 トランジスタ
23 バイアス生成回路
24 容量素子
25H トランジスタ
25L トランジスタ
26H バイアス生成回路
26L バイアス生成回路
27H 容量素子
27L 容量素子
30 レギュレータ
101 入力切替部
109 ゲイン誤差補正部
100 AD変換器
300 集積回路
L1 信号線(第1の信号線)
L2 信号線(第2の信号線)
P1 I/Oピン
P2 I/Oピン
本発明は、参照電圧を安定化する回路に関し、特に、AD変換器に好適な参照電圧安定化回路に関する。
AD変換器は各種信号処理分野で広く利用されており、その変換精度は重要な性能指標である。一般に、AD変換器は入力信号を参照電圧と比較することでAD変換する。このため、高い変換精度を保つためには、参照電圧を精度よく一定に保つことが極めて重要である。アプリケーションにもよるが、mVオーダーのノイズが参照電圧に重畳されることでAD変換精度の劣化につながることが多い。よって、外乱ノイズやAD変換器自身が出す自己ノイズ等によって参照電圧が揺れないように、参照電圧を安定化することが重要である。
近年、その電力効率の高さから逐次比較型AD変換器が注目を浴びている。図10は、典型的な逐次比較型AD変換器の構成を示す。逐次比較型AD変換器100は、バイナリー比率で容量値(図中の1C、4C、8C、…、512C)が重み付けされた容量アレイで構成された容量DAC102と、アナログ入力電圧INと容量DAC102で生成した電圧とを比較する比較器104と、比較結果を格納するラッチ回路106と、ラッチ回路106から出力される信号に基づいて容量DAC102を制御するDAC制御部108とを備えている。容量DAC102において、容量アレイの一端はアナログ入力電圧INに接続され、他端はDAC制御部108から出力される多ビットの制御信号に従って参照電圧VREFH,VREFL(ただし、VREFH>VREFLである。)のいずれか一方にそれぞれ独立に接続されるようになっている。
逐次比較型AD変換器100の動作は次のようである。まず、制御信号のMSBを1、その他のビットを0にした状態で容量DAC102でアナログ入力電圧INをサンプリングした後、DAC制御部108は、1クロックごとに比較器104の比較結果に基づいて、制御信号をMSBから下位ビットに1ビットずつ逐次的に決定する。このとき、ラッチ回路106から出力される信号をシリアル−パラレル変換したものが、サンプリングしたアナログ入力電圧INのAD変換結果である。
各クロックで比較器104が動作するタイミングでVREFH−VREFLにmVオーダーのノイズが重畳されると、これがAD変換誤差になる。また、比較器104の動作後に容量アレイの他端の接続状態が変更されるタイミングでVREFH,VREFLの電荷が消費されるが、これがAD変換器の自己ノイズである。
従来、集積回路の内外にバイパスコンデンサ(容量素子)を設けて、参照電圧に重畳されるノイズを除去することがよく行われている。例えば、図11に示したように、外部電源200から供給される電圧をI/OピンP1,P2で受け、信号線L1,L2を通じてAD変換器100に参照電圧VREFH,VREFLとして供給する構成において、集積回路300の外部においてI/OピンP1,P2の間に外付けパスコン(容量素子202)を設け、集積回路300の内部の信号線L1,L2の間に内蔵パスコン(容量素子203)を設けることがある。しかし、外付けパスコンは、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204の影響で、100MHz近傍からそれ以上の周波数で効きが悪くなり、信号線の低インピーダンス化には寄与しなくなる。それを補うために内蔵パスコンを大きくすると、寄生インダクタンス204との共振現象で、参照電圧に重畳されたノイズがリンギングして参照電圧の揺れが収まりにくくなる。実際、10ビット程度のAD変換精度を得るには、AD変換器100の自己ノイズを抑えるために、nFオーダーの内蔵パスコンを設ける必要があるが、そのような大きな容量素子を集積回路内に設けることは非現実的である。
また、内部パスコンに代えて、集積回路内にバッファやアクティブバイパス回路(以下、バッファ等と称する。)を設けて信号線の低インピーダンス化を図ることもできる。例えば、図12に示した例では、集積回路300の内部にアクティブバイパス回路206を設けている(例えば、特許文献1参照)。この場合、バッファ等の応答速度、つまり、バッファ等がノイズにどれだけ高速に応答して、それを除去できるかが重要なパラメタである。応答速度は有限のため、バッファ等はその応答速度を越える瞬時のノイズには応答できないが、時間をかければ参照電圧を元の値に戻すことができる。
パイプライン型AD変換器や逐次比較型AD変換器などのクロック同期式の離散信号処理システムでは、AD変換の瞬間にノイズが十分抑えられていれば、AD変換精度に影響が出ないという特徴がある。よって、あるAD変換で自己ノイズが発生しても、次のAD変換の瞬間までに参照電圧を正規の値にまでセトリングさせれば問題ない。したがって、自己ノイズに対してバッファ等は有力な案となり得る。しかし、変換速度が上がると、大電力、大面積のバッファ等をもってしても必要な時間内でノイズをセトリングさせることは困難になってくる。また、集積回路のパッケージの寄生インダクタンスは、バッファ等の出力をリンギングさせ、セトリングをさらに大きく遅くする。さらには、外乱ノイズの場合は、どのタイミングで入ってくるか分からないため、瞬時にノイズを許容レベル以下に抑えておく必要がある。外乱ノイズには、瞬時応答可能な容量素子の力を多少なりとも借りる必要がある。
内蔵パスコンとバッファ等の双方を組み合わせる方法もあるが、この場合には、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間にトレードオフ問題がある。内蔵パスコンを大きくして外乱ノイズを減らすことは、バッファ等の応答を遅くし、自己ノイズのセトリングを遅くすることにつながる。もちろん、nFオーダーの容量素子を集積回路内に積めば、当該容量素子だけで自己ノイズを抑えられるが、これが非現実的であることは先述のとおりである。一方、内蔵パスコンを小さくしてバッファ等の応答を高めても、外乱ノイズの抑制が弱くなる。外乱ノイズがAD変換のタイミングの直前に入力されると、ノイズをセトリングさせきることができずにAD変換誤差が発生する。特に、インターリーブ構成のAD変換器などで参照電圧の信号線を複数のAD変換器が共有している場合には、あるAD変換器の自己ノイズが、外乱ノイズとなって別のAD変換器に飛び込み、より深刻な問題となる。
図13は、典型的なインターリーブ構成のAD変換器(以下、インターリーブADCと称する。)の構成を示す。当該インターリーブADCでは信号線L1,L2が4つのAD変換器100のそれぞれに接続され、各AD変換器100で参照電圧VREFH,VREFLが共用されている。VREFH,VREFLは、外部電源200からI/OピンP1,P2に入力される。内部電源がある場合には外付けパスコン(容量素子202)が付加されるケースもある。また、当該インターリーブADCは、ノイズを抑えるために内蔵パスコン(容量素子203)を搭載している。各AD変換器100のAD変換性能を10ビット50MHzとすると、当該インターリーブADCのAD変換性能は10ビット200MHzに相当する。
ここで、図13のインターリーブADCを同性能のパイプライン型AD変換器(以下、パイプラインADCと称する。)と比較すると、インターリーブADCは、パイプラインADCに比べ、はるかに少ない電力と面積で設計できる。一方、同じ変換速度、変換精度であっても、インターリーブADCの参照電圧に求められる精度がはるかに高く、パイプラインADCで用いられる参照電圧回路は、もはやインターリーブADCには適用できない。それは次の理由による。パイプラインADCでは、参照電圧を揺らす自己ノイズの周波数は200HMzである。一方、インターリーブADCでは各AD変換器100が50MHzでサンプリング動作するが、1クロックで1ビットを逐次比較する構成のため、その内部クロックは1GHzに迫る。したがって、参照電圧に自己ノイズが重畳されると1ns以内の短い時間に参照電圧を元の値にセトリングして戻す必要がある。さらには、インターリーブADCでは、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100にとっての外乱ノイズになる。あるAD変換器100の自己ノイズは、直接、参照電圧を揺らすため、そのレベルは別のAD変換器100の自己ノイズ並みに大きく、しかも、これが別のAD変換器100の自己ノイズとは異なるタイミングで入力される。これをバッファ等でセトリングさせるには、AD変換器100が1個のときの自己ノイズよりもはるかに短い数百psというような非現実的な時間でノイズをセトリングさせなければ、ノイズが次のAD変換のタイミングに重なってしまい、AD変換誤差の原因となり得る。
米国特許第5049764号明細書
AD変換器に限らず各種信号処理回路には安定した参照電圧を供給する必要がある。特に、逐次比較型AD変換器、とりわけそれをインターリーブ構成したAD変換器、あるいは並列化したAD変換器には、極めて安定した参照電圧が要求される。しかし、従来のような容量素子またはバッファ等による参照電圧の安定化では、高速、高精度のAD変換を担保することができず、また、それらを組み合わせると、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間のトレードオフ問題が生じる。
そこで、本発明は、外乱ノイズや内部回路の自己ノイズに対して参照電圧を安定的に保つことができる参照電圧安定化回路を提供することを課題とする。
本発明の一局面に従うと、第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路は、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された抵抗性パスと、前記容量性パスと前記抵抗性パスとの間において前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路とを有する後段回路とを備えている。
あるいは、本発明の別の局面に従うと、第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路は、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入され、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタと、前記バイアス電圧を生成するバイアス生成回路と、前記トランジスタのゲートと前記第1および第2の信号線のうち当該トランジスタが挿入されていない方の信号線との間に接続された容量素子とを有する後段回路とを備え、前記後段回路は、前記トランジスタのソースと前記第1および第2の信号線のうち当該トランジスタが挿入されていない方の信号線との間に接続された抵抗性パスを有する、あるいは、前記後段回路は、前記容量性パスと前記容量素子との間において前記第1および第2の信号線のうち前記トランジスタが挿入されていない方の信号線に挿入された抵抗回路を有する。
これら構成によると、参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路またはトランジスタによって当該信号線がI/O側と内部回路側とに分離されることにより、前段回路と後段回路とが互いに干渉することなく、前段回路は外乱ノイズを抑制し、後段回路は内部回路の自己ノイズを抑制して参照電圧を安定化することができる。
本発明によると、外乱ノイズの抑制と自己ノイズの抑制との間のトレードオフ問題を解消し、外乱ノイズおよび自己ノイズの双方を同時に抑制して、参照電圧を安定的に保つことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る参照電圧安定化回路を備えた集積回路の構成図である。 図2は、後段回路における抵抗回路の構成例を示す図である。 図3は、1個の前段回路に複数の後段回路を接続した参照電圧安定化回路を示す図である。 図4は、前段回路の変形例を示す図である。 図5は、後段回路の変形例を示す図である。 図6は、後段回路の別の変形例を示す図である。 図7は、後段回路のさらに別の変形例を示す図である。 図8は、参照電圧を生成するレギュレータを追加した集積回路の構成図である。 図9は、AD変換器の出力を補正する補正部を追加した集積回路の構成図である。 図10は、典型的な逐次比較型AD変換器の構成図である。 図11は、バイパスコンデンサによる参照電圧安定化の構成例を示す図である。 図12は、アクティブバイパス回路による参照電圧安定化の構成例を示す図である。 図13は、典型的なインターリーブ構成のAD変換器の構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る参照電圧安定化回路を備えた集積回路の構成を示す。参照電圧安定化回路10は、例えば、外部電源200からI/OピンP1,P2に入力され、信号線L1,L2を通じてAD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFL(ただし、VREFH>VREFLである。)を安定化する。AD変換器100は、例えば、図10に示した逐次比較型AD変換器である。参照電圧安定化回路10およびAD変換器100は、いずれも集積回路300に実装されている。ただし、参照電圧安定化回路10は、集積回路300において最もI/O寄り、すなわち、I/OピンP1,P2のすぐ近くに配置して、AD変換器100その他の図示しない内部回路に安定なVREFH,VREFLを供給することが望ましい。
参照電圧安定化回路10は、前段回路1および後段回路2を備えている。前段回路1は、信号線L1,L2の間に接続され、容量素子111で構成された容量性パス11を備えている。
後段回路2は、信号線L1,L2の間に接続され、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタ211で構成された抵抗性パス21、容量性パス11と抵抗性パス21との間において信号線L1に挿入された抵抗回路22H、および容量性パス11と抵抗性パス21との間において信号線L2に挿入された抵抗回路22Lを備えている。後段回路2は、さらに、バイアス電圧を生成するバイアス生成回路23、およびトランジスタ211のドレインとゲートとの間に接続された容量素子24を備えている。バイアス生成回路23は、抵抗素子231およびダイオード接続されたトランジスタ232を直列接続して構成することができ、抵抗性パス21の両端電圧に応じてバイアス電圧を生成する。
抵抗回路22H,22Lは、図2(a)に示したように、いずれも抵抗素子221で構成することができる。抵抗素子221は、信号線L1,L2を十分に長くして配線抵抗として実現してもよい。あるいは、図2(b)に示したように、抵抗回路22H,22Lは、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタ222,223で構成することもできる。すなわち、抵抗回路22H,22LをMOS抵抗で構成してもよい。
なお、抵抗回路22H,22Lの抵抗値が大きすぎるとIRドロップが大きくなり、VREFH−VREFLが小さくなる。逆に、抵抗回路22H,22Lの抵抗値が小さすぎると後述する前段回路1と後段回路2との分離効果が得にくくなる。したがって、抵抗回路22H,22Lは、いずれの構成であっても、抵抗値が10Ωから100Ωの範囲内、好ましくは数十Ω程度になるようにするとよい。
次に、参照電圧安定化回路10の動作・作用について説明する。抵抗回路22H,22Lは信号線L1,L2に挿入されたインピーダンスであり、当該インピーダンスによって信号線L1,L2はI/O側と内部回路側とに分離される。I/O側には前段回路1が、内部回路側には後段回路2が配置されている。前段回路1における容量性パス11は、信号線L1,L2を低インピーダンス化する内蔵パスコンとして機能する。一方、後段回路2の動作は次のようである。一定のバイアス電圧が高インピーダンスでトランジスタ211のゲートに供給されており、トランジスタ211のドレイン−ソース間に一定の電流が流れている。例えば、VREFHがノイズで瞬間的に高くなると、容量素子24を介してノイズが瞬時にトランジスタ211のゲートに伝播され、トランジスタ211のドレイン−ソース間電流が増えることで、内部回路側の信号線L1,L2間の電圧差であるVREFH−VREFLを小さくしようと働く。逆に、VREFHが瞬間的に下がると、トランジスタ211のドレイン−ソース間電流が瞬間的に減ることで、VREFH−VREFLを大きくしようと働く。また、VREFLが降下する場合は、容量素子24の働きでトランジスタ211のゲート電圧がほぼ動かないため、直接、トランジスタ211のゲート−ソース間電圧が増大することになり、VREFLの変動を元に戻す方向に動作する。このように、後段回路2は、内部回路側の信号線L1,L2にノイズが重畳されても短時間でそれら信号線間の電圧差、すなわちVREFH−VREFLを元に戻す広帯域な安定化回路として働く。
I/OピンP1,P2間に外付けパスコン(容量素子202)を接続することで、信号線L1,L2を低インピーダンス化することができるが、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204の影響で、外付けパスコンの効果が弱まることは上述したとおりである。しかし、I/O側から混入する外乱ノイズは前段回路1における容量性パス11によって吸収され、内部回路側には伝わらない。また、内部回路側には後段回路2が接続されているため、内部回路側の信号線L1,L2の寄生容量は極めて小さく抑えられている。信号線L1,L2に抵抗回路22H,22Lが挿入されていることにより、内部回路側には外乱ノイズが混入せず、AD変換器100の自己ノイズだけが存在する。したがって、あるAD変換時にAD変換器100の自己ノイズが発生しても、次のAD変換までに、後段回路2がVREFH,VREFLを元の値にまでセトリングして戻すことでAD変換精度を高く保つことができる。
従来は、トレードオフ問題により、内部パスコンまたはバッファ等のいずれか一つの手段で外乱ノイズと自己ノイズの双方を抑制する必要があったが、本実施形態に係る参照電圧安定化回路10は、外乱ノイズと自己ノイズをそれぞれ個別に適した手段で抑制する。すなわち、瞬時に抑える必要がある外乱ノイズは、I/O側に配置された前段回路1で抑制する。一方、レベルが大きく容量素子だけで抑えるのが困難だが、抑制までの時間的な余裕がある自己ノイズは、内部回路側に配置された後段回路2で抑制する。後段回路2にとって、前段回路1における容量性パス11は、応答速度を遅くする足かせとなるが、抵抗回路22H,22Lで信号線L1,L2をI/O側と内部回路側とに分離することにより、その影響を十分抑えることができる。
以上のように、本実施形態によると、集積回路300のパッケージの寄生インダクタンス204が大きくても、AD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFLを安定に保つことができ、AD変換精度を高く保つことが可能である。本実施形態に係る参照電圧安定化回路10は、従来構成では実現困難であった高速、高精度のAD変換器の参照電圧の安定化回路として使用することができる。
また、本実施形態には、抵抗回路22H,22Lによって、AD変換器100が寄生インダクタンス204と分離されているため、寄生インダクタンス204が大きくても参照電圧VREFH,VREFLが安定に保たれ、共振の影響を受けにくいという効果がある。このため、寄生インダクタ204が大きな安価なパッケージを使用することができるという利点がある。
参照電圧安定化回路10は、VREFH,VREFLのいずれか一方のみを安定化するものであってもよい。例えば、信号線L2をグランド電位を供給するグランド配線として用いる場合には、VREFHのみを安定化すればよい。この場合、信号線L2に抵抗回路22Lを挿入する必要はない。また、例えば、信号線L1を電源電圧を供給する電源配線として用いる場合には、VREFLのみを安定化すればよい。この場合、信号線L1に抵抗回路22Hを挿入する必要はない。
AD変換器100によっては電源電圧およびグランド電位を参照電圧として使用するものもあるが、その場合でも、電源配線およびグランド配線とは別に参照電圧を供給する信号線L1,L2を設けて、参照電圧安定化回路10によって安定化した参照電圧をAD変換器100に供給することが望ましい。この場合、I/OピンP1を電源電圧の入力端子にして、集積回路300の内部において電源配線と信号線L1とを分離するとともに、I/OピンP2をグランド電位の入力端子にして、集積回路300の内部においてグランド配線と信号線L2とを分離するようにしてもよい。
1個の前段回路1に複数の後段回路2が接続されるように参照電圧安定化回路10を変形してもよい。図3は、変形例に係る参照電圧安定化回路10の構成を示す。当該変形例では、1個の前段回路1に4個の後段回路2が接続されている。各後段回路2は、各AD変換器100に安定なVREFH,VREFLを供給する。4個のAD変換器100は、インターリーブ動作するAD変換器、共通の動作クロックで共通の入力信号をAD変換する並列方式のAD変換器、参照電圧を共有するのみの互いに独立したAD変換器のいずれでもよい。
上述したように、信号線L1,L2を複数のAD変換器100が共有している場合には、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100にとっての外乱ノイズになり得る。すなわち、あるAD変換器100の自己ノイズが、別のAD変換器100の自己ノイズに匹敵する大きさで、しかも、当該別のAD変換器100の自己ノイズとは異なるタイミングで発生する。図3の参照電圧安定化回路10では、あるAD変換器100の自己ノイズは、まず、それに接続された後段回路2によって減衰される。ただし、ノイズが発生した直後は、後段回路2の応答が間に合わないため、後段回路2によって減衰しきらないノイズがI/O側に漏れ出ようとする。しかし、後段回路2における抵抗回路22H,22Lおよび前段回路1における容量性パス11によって構成されたローパスフィルタによって、I/O側に漏れ出ようとするノイズは大きく減衰される。結果として、I/O側にはAD変換器100の自己ノイズはほとんど漏れ出ない。さらに、当該減衰したノイズは、別のAD変換器100に伝搬する際に、各後段回路2における抵抗回路22H,22Lによってさらに減衰される。このため、あるAD変換器100で自己ノイズが発生しても、それ以外のAD変換器100に供給される参照電圧VREFH,VREFLを安定に保つことができ、AD変換精度を高く保つことが可能である。
以上のように、参照電圧の信号線を複数のAD変換器が共有する構成において、各AD変換器の自己ノイズによって別のAD変換器に供給される参照電圧に影響が及ばないようにすることができる。これにより、参照電圧入力用のI/Oピンや外付け素子の数を大きく減らすことが可能になる。逐次比較型AD変換器のコア面積は、そのI/O領域に比べて小さいため、I/O領域の面積削減はコア面積削減以上に効果がある。
<前段回路1の変形例>
図1の例のように、容量性パス11が容量素子111のみで構成されている場合、容量素子111と寄生インダクタンス204との間で共振現象が生じるため、図4(a)に示したように、容量性パス11を、直列接続された容量素子111および抵抗素子112で構成してもよい。あるいは、図4(b)に示したように、容量性パス11とI/OピンP1,P2との間において信号線L1,L2にそれぞれ抵抗素子12H,12Lを挿入してもよい。なお、信号線L2をグランド配線として用いる場合には抵抗素子12Lは不要であり、信号線L1を電源配線として用いる場合には抵抗素子12Hは不要である。なお、図4(b)の前段回路1は、図4(a)の前段回路1よりも共振現象の抑制効果が大きいが、信号線L1,L2に抵抗素子12H,12Lを挿入しているため、IRドロップが大きくなる。
<後段回路2の変形例>
後段回路2からバイアス生成回路23および容量素子24を省略して、図5に示したように、抵抗性パス21を抵抗素子212で構成してもよい。抵抗素子212にはVREFH−VREFLに比例する電流が流れているため、抵抗性パス21は、VREFHが高くなればVREFHを下げる働きをし、VREFHが低くなればVREFHを上げる働きをする。しかし、電流効率を考慮すると、図1に示したように、抵抗性パス21をトランジスタ211で構成することが望ましい。トランジスタ211のトランスコンダクタンスをgmとすると、図1の抵抗性パス21は、抵抗素子212の抵抗値を1/gmにしたときの図5の抵抗性パス21と等価であるが、抵抗性パス21をトランジスタ211で構成した方が必要な電流が1/10から1/20で済み、電流効率が非常に高い。
また、ソースフォロワ回路を用いると、信号線L1,L2をI/O側と内部回路側とに分離する機能とAD変換器100の自己ノイズを広帯域で抑制する機能とを一つの回路で実現することができる。例えば、図6(a)に示した後段回路2では、抵抗回路22Hに代えてソースフォロワ回路として信号線L1にトランジスタ25Hが挿入されている。すなわち、信号線L1はトランジスタ25HによってI/O側と内部回路側とに分離されている。トランジスタ25Hのゲートには、バイアス生成回路26Hが生成するバイアス電圧が高インピーダンスで印加されており、トランジスタ25Hのゲートと信号線L2との間に容量素子27Lが接続されている。また、トランジスタ25Hのソースと信号線L2との間には抵抗素子28が接続されている。抵抗素子28に流れる電流はトランジスタ25Hのバイアス電流となる。
図6(b)に示した後段回路2では、抵抗回路22Lに代えてソースフォロワ回路として信号線L2にトランジスタ25Lが挿入されている。すなわち、信号線L2はトランジスタ25LによってI/O側と内部回路側とに分離されている。トランジスタ25Lのゲートには、バイアス生成回路26Lが生成するバイアス電圧が高インピーダンスで印加されており、トランジスタ25Lのゲートと信号線L1との間に容量素子27Hが接続されている。また、トランジスタ25Lのソースと信号線L1との間には抵抗素子28が接続されている。抵抗素子28に流れる電流はトランジスタ25Lのバイアス電流となる。
図6(c)に示した後段回路2は、上記の二つのソースフォロワ回路を組み合わせたものであり、抵抗回路22H,22Lに代えて信号線L1,L2にトランジスタ25H,25Lがそれぞれ挿入されている。
これら変形例に係る後段回路2の動作について、図6(a)の構成を例に説明する。ノイズがない状態では、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が一定に保たれ、VREFHは、トランジスタ25Hのゲート電圧から当該ゲート−ソース間電圧だけ下がったところで安定化する。例えば、VREFHがAD変換器100の自己ノイズにより下がると、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が大きくなり、トランジスタ25Hを介して内部回路側に電流が流れ込み、VREFHは元の高い値に戻る。逆に、VREFHが上がると、トランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が小さくなり、VREFHは元の低い値に戻る。また、VREFLが上がると、容量素子27Lを介してトランジスタ25Hのゲート電圧が上がってトランジスタ25Hのゲート−ソース間電圧が大きくなり、VREFHも上がる。これにより、信号線L1,L2間の電圧差は元に戻る。逆に、VREFLが下がる場合には上記と逆の動作により、やはり信号線L1,L2間の電圧差は元に戻る。このように、図6(a)に示した後段回路2は、信号線L1,L2にノイズが重畳されても短時間で信号線L1,L2間の電圧差を元に戻す広帯域な安定化回路として働く。図6(b)(c)に示した後段回路2についても同様である。
なお、トランジスタ25H,25Lから内部回路側に十分な大きさの出力電流が得られるようであれば、抵抗素子28は省略してもよい。
また、図6の各変形例に係る後段回路2では、トランジスタ25H,25Lのドレイン−ソース間電圧の分だけVREFHとVREFLとの電圧差が小さくなるという問題があるが、I/OピンP1に入力する電圧をあらかじめ高くしておくことで当該問題は解消することができる。このため、図1または図5の後段回路2の方がAD変換器100に大振幅の参照電圧を供給することができ、S/N特性にも有利である。逆に、図6の各変形例に係る後段回路2は、I/OピンP1,P2に入力される外部電圧を変更せずとも、トランジスタ25H,25Lのゲート電圧を適宜変更することで、VREFH,VREFLを変更することができるというメリットがある。
図6の各変形例に係る後段回路2に、図1に示した後段回路2における抵抗性パス21、バイアス生成回路23、および容量素子24からなる回路部分を追加してもよい。図7は、図6(a)の後段回路2に当該回路部分を追加した例を示す。当該回路部分を追加することにより、図6の各変形例に係る後段回路2の広帯域化特性をより強力にすることができる。
<PVTばらつき対策>
信号線L1,L2に抵抗回路22H,22Lを挿入したことによりIRドロップが発生する。IRドロップは、温度、電圧、集積回路のプロセス変動といったPVTばらつきで変動し、それがAD変換精度を劣化させてしまう。そこで、PVTばらつきを吸収するために次のような手段を講じるとよい。
例えば、図8に示したように、集積回路300に、VREFHを生成するレギュレータ30を設ける。すなわち、I/OピンP1に外部電圧を接続せずに、レギュレータ30の出力電圧を接続する。レギュレータ30は、例えば、ソースがI/OピンP3に接続され、ドレインがI/OピンP1に接続されたトランジスタ31と、信号線L1,L2間の電圧差と所定電圧VREFとの誤差をトランジスタ31のゲートに出力する誤差増幅器32とで構成することができる。I/OピンP3には、例えば、集積回路300の電源電圧が入力される。VREFは、集積回路300における図示しない参照電圧源から供給される。
当該構成よると、レギュレータ30によってVREFH−VREFLが所定電圧VREFとなるようにフィードバック制御がかかる。外付けパスコン(容量素子202)は、レギュレータ30の位相補償を兼ねている。図8の構成によると、IRドロップのPVTばらつきが吸収され、AD変換器100に常に安定したVREFH,VREFLを供給することができる。
なお、VREFLがグランド電位であれば、レギュレータ30はVREFHをフィードバックするだけでよくなる。さらに、PVTばらつきが小さい場合には、レギュレータ30は、VREFHに代えてI/OピンP1の電圧をフィードバックするようにしてもよい。この場合、レギュレータ30の出力を直接フィードバックするため、レギュレータ30の制御ループが単純化し、より安定な回路となる。
また、複数の動作モードを用意して、各動作モードに応じてVREFの大きさを切り替えることで、AD変換器100のレンジ調整を行うことができる。
一方、PVTばらつきによってVREFH,VREFLが変動すれば、AD変換器100のAD変換ゲインも変動する。そこで、例えば、図9に示したように、集積回路300に、AD変換器100の入力を切り替える入力切替部101と、AD変換器100のデジタル出力についてAD変換ゲイン誤差を補正するゲイン誤差補正部109を設けて、AD変換後のデジタル領域でPVTばらつきを吸収する。具体的には、入力切替部101は、通常動作時にはアナログ入力電圧INを、キャリブレーション時には2種類のVCAL参照電圧(Vcal1およびVcal2)を、AD変換器100に入力する。ゲイン誤差補正部109は、Vcal1,Vcal2に対するAD変換コードをDout1,Dout2から、次式に従ってAD変換ゲインADGを算出する。
ADG=(Dout2−Dout1)/(Vcal2−Vcal1)
そして、ゲイン誤差補正部109は、AD変換器100にINが入力される通常動作時には、AD変換ゲインが目的の値になるように、AD変換器100から出力されるデジタル信号OUTに対してデジタル領域において、ADGに基づいた補正ゲイン係数を掛ける。これにより、IRドロップのPVTばらつきが吸収され、AD変換器100に常に安定したVREFH,VREFLを供給することができる。
なお、図9の構成に図8のレギュレータ30を追加することで、より安定的なVREFH,VREFLを供給することができる。
上記説明では、便宜上、AD変換器100は逐次比較型AD変換器であるとしたが、これに限定されない。AD変換器100は、パイプライン型AD変換器、フラッシュ型AD変換器、デルタシグマAD変換器など、クロック信号で離散的に動作する別タイプのAD変換であってもよい。また、VREFH,VREFLを受ける内部回路はAD変換器100に限られず、参照電圧を参照して動作する回路であればどのようなものであってもよい。
本発明に係る参照電圧安定化回路は、外乱ノイズおよび内部回路の自己ノイズの双方を同時に抑制して参照電圧を安定化することができるため、内部回路が多数集積されたSoCに適用することができ、AD変換器、特に、高精度な参照電圧が要求される逐次比較型AD変換器およびそれをインターリーブ化、並列化したAD変換器に有用である。また、集積回路のパッケージの寄生インダクタンスの影響を受けにくいため、安価なパッケージの製品に利用することができる。また、複数のAD変換器で参照電圧のI/Oを共有することができるから、多数のAD変換器を搭載する製品に利用することができる。
10 参照電圧安定化回路
1 前段回路
11 容量性パス
111 容量素子
112 抵抗素子
12H 抵抗素子
12L 抵抗素子
2 後段回路
21 抵抗性パス
211 トランジスタ
212 抵抗素子
22H 抵抗回路
22L 抵抗回路
221 抵抗素子
222 トランジスタ
223 トランジスタ
23 バイアス生成回路
24 容量素子
25H トランジスタ
25L トランジスタ
26H バイアス生成回路
26L バイアス生成回路
27H 容量素子
27L 容量素子
30 レギュレータ
101 入力切替部
109 ゲイン誤差補正部
100 AD変換器
300 集積回路
L1 信号線(第1の信号線)
L2 信号線(第2の信号線)
P1 I/Oピン
P2 I/Oピン

Claims (15)

  1. 第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路であって、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された抵抗性パスと、前記容量性パスと前記抵抗性パスとの間において前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入された抵抗回路とを有する後段回路とを備えている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  2. 第1および第2の信号線の少なくとも一方を通じて供給される参照電圧を安定化する参照電圧安定化回路であって、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線との間に接続された容量性パスを有する前段回路と、
    前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線に挿入され、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタと、前記バイアス電圧を生成するバイアス生成回路と、前記トランジスタのゲートと前記第1および第2の信号線のうち当該トランジスタが挿入されていない方の信号線との間に接続された容量素子とを有する後段回路とを備えている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  3. 請求項2に記載の参照電圧安定化回路において、
    前記後段回路は、前記トランジスタのソースと前記第1および第2の信号線のうち当該トランジスタが挿入されていない方の信号線との間に接続された抵抗性パスを有する
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  4. 請求項2に記載の参照電圧安定化回路において、
    前記後段回路は、前記容量性パスと前記容量素子との間において前記第1および第2の信号線のうち前記トランジスタが挿入されていない方の信号線に挿入された抵抗回路を有する
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  5. 請求項1および2のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記容量性パスは、容量素子で構成されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  6. 請求項5に記載の参照電圧安定化回路において、
    前記前段回路は、前記容量性パスと前記第1および第2の信号線のうち前記参照電圧を供給する信号線のI/Oピンとの間において当該信号線に挿入された抵抗素子を有する
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  7. 請求項1および2のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記容量性パスは、直列接続された容量素子および抵抗素子で構成されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  8. 請求項1および3のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記抵抗性パスは、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタで構成されており、
    前記後段回路は、前記抵抗性パスの両端電圧に応じて前記バイアス電圧を生成するバイアス生成回路と、前記抵抗性パスを構成する前記トランジスタのドレインとゲートとの間に接続された容量素子とを有する
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  9. 請求項1および3のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記抵抗性パスは、抵抗素子で構成されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  10. 請求項1および4のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記抵抗回路は、抵抗素子で構成されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  11. 請求項1および4のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    前記抵抗回路は、ゲートにバイアス電圧が印加されたトランジスタで構成されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  12. 請求項1から11のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路において、
    複数の前記後段回路が、1個の前記前段回路に接続されている
    ことを特徴とする参照電圧安定化回路。
  13. 請求項1から12のいずれか一つに記載の参照電圧安定化回路と、
    前記参照電圧安定化回路によって安定化された参照電圧を参照して、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器とを備えている
    ことを特徴とする集積回路。
  14. 請求項13に記載の集積回路において、
    前記参照電圧を生成するレギュレータを備え、
    前記レギュレータは、前記第1および第2の信号線の電圧差と所定電圧との誤差に応じて前記参照電圧をフィードバック制御する
    ことを特徴とする集積回路。
  15. 請求項13および14のいずれか一つに記載の集積回路において、
    前記AD変換器の入力を切り替える入力切替部と、
    前記AD変換器から出力されるデジタル信号について、前記AD変換器のAD変換ゲイン誤差を補正するゲイン誤差補正部とを備えている
    ことを特徴とする集積回路。
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