JPWO2012133004A1 - 基板切断方法及び切断装置 - Google Patents
基板切断方法及び切断装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2012133004A1 JPWO2012133004A1 JP2013507408A JP2013507408A JPWO2012133004A1 JP WO2012133004 A1 JPWO2012133004 A1 JP WO2012133004A1 JP 2013507408 A JP2013507408 A JP 2013507408A JP 2013507408 A JP2013507408 A JP 2013507408A JP WO2012133004 A1 JPWO2012133004 A1 JP WO2012133004A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- cutting
- electrode
- cut
- edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/09—Severing cooled glass by thermal shock
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/013—Arc cutting, gouging, scarfing or desurfacing
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B26—HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
- B26F—PERFORATING; PUNCHING; CUTTING-OUT; STAMPING-OUT; SEVERING BY MEANS OTHER THAN CUTTING
- B26F3/00—Severing by means other than cutting; Apparatus therefor
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B26—HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
- B26F—PERFORATING; PUNCHING; CUTTING-OUT; STAMPING-OUT; SEVERING BY MEANS OTHER THAN CUTTING
- B26F3/00—Severing by means other than cutting; Apparatus therefor
- B26F3/06—Severing by using heat
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/02—Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor
- C03B33/023—Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor the sheet or ribbon being in a horizontal position
- C03B33/0235—Ribbons
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2101/00—Articles made by soldering, welding or cutting
- B23K2101/18—Sheet panels
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/50—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/50—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26
- B23K2103/52—Ceramics
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/50—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26
- B23K2103/54—Glass
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/50—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26
- B23K2103/56—Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26 semiconducting
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65H—HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
- B65H2301/00—Handling processes for sheets or webs
- B65H2301/40—Type of handling process
- B65H2301/41—Winding, unwinding
- B65H2301/414—Winding
- B65H2301/4148—Winding slitting
- B65H2301/41487—Winding slitting trimming edge
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Forests & Forestry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
- Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
Abstract
本発明は、熱機械的な引っ張り応力を導入することで、基板を切断する方法及び装置に関する。本発明は、(a)切断される基板を供給し、(b)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極手段により、前記基板に電気及び熱エネルギを供給し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記基板の決められた領域に供給して前記領域を加熱し、(c)前記領域を冷却し、(d)ステップ(b)の間、前記領域は基板表面のパスに沿って、前記電極及び/又は前記基板を相対的に動かし、前記パスに沿って、前記基板を切断する方法である。
Description
本発明は、熱機械応力を加えることで基板を切断する方法に関する。本発明はまた、かかる切断方法により基板形状を精密に製造する装置に関する。
ガラスなどの塑性破壊の対象となる材料を、精密に制御して切断することが、多くの産業上のプロセスや製品に求められている。
従来の切断方法(典型的には、例えば機械的に切断線を付与し折り割りする方法(機械的切断法)や公知のレーザー切断法)では、切断の際に切屑等の材料破片や微細粒子が発生する。このような切屑は、基板表面に付着することがある。また、切断面に微細なクラックを形成することがある。
前記の機械的切断法には、ダイヤモンドコートホイール又はドリルが用いられ、ガラスの大規模製造に導入されている。しかし、該切断法では、ガラスの破片粒子(切屑)が発生するため、端部(切断面)の精度/品質への要求が高度化した場合、追加の洗浄や研磨工程が必要になる。また、前記切断法は、切断線に沿ってマイクロクラックが生じやすく、のちに引っ張り応力が付加された場合に破壊の起点となり得る。
また、前述の公知のレーザー切断法としては、基板上のパスに沿って加熱するためにレーザービームを用い、続いて液体、気体又はそれらの混合流体を用いて冷却し、所定の破壊を誘導する方法がある。しかし、この切断法には次の欠点がある:必要な装置が高価であること、人員を直接及び間接にレーザー曝露から保護しなければならないこと、切断対象の材料が異なるとレーザービームに対する光学的挙動が異なること、である。さらに、前記レーザー切断法は、材料の限られた厚さにのみ適しており、かかる厚さより薄すぎる又は厚すぎる基板を切断する際には、条件の調整が複雑になる。
従って、本発明の課題は、基板の一部を除去せずに(切屑等の材料破片や微細粒子を発生させないように)切断する方法を提供することである。さらには本発明の課題は、薄い基板及び厚い基板を効果的に処理し、基板を真っ直ぐ又は自由な形状に切断することを可能にすることである。また本発明の課題は、切断時における材料破片の基板表面への影響を避けることである。さらに本発明の課題は、切断領域の清浄かつ平坦な表面を得ること、及び切断境界に沿って微小破壊(micro fracture)の形成を避けることである。さらに本発明の課題は、安価な切断方法を提供することである。さらに本発明の課題は、容易に実施でき、異なる厚さの材料に複雑な調整をせずに切断できる方法を提供することである。
これらすべての課題を解決するために、本発明は、
(a)切断される基板を供給し、
(b)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極によって、前記基板に電気及び熱エネルギを印加し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記基板の所定領域に供給して前記領域を加熱し、
(c)前記領域を冷却し、
(d)前記ステップ(b)の間、
(i)前記基板に対して前記電極を相対的に、
(ii)前記電極に対して前記基板を相対的に、又は
(iii)前記電極と前記基板の両者をそれぞれに対して相対的に
移動させることにより、前記領域を前記基板表面のパスに沿って移動させ、
前記パスに沿って前記基板を切断する方法を提供する。
(a)切断される基板を供給し、
(b)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極によって、前記基板に電気及び熱エネルギを印加し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記基板の所定領域に供給して前記領域を加熱し、
(c)前記領域を冷却し、
(d)前記ステップ(b)の間、
(i)前記基板に対して前記電極を相対的に、
(ii)前記電極に対して前記基板を相対的に、又は
(iii)前記電極と前記基板の両者をそれぞれに対して相対的に
移動させることにより、前記領域を前記基板表面のパスに沿って移動させ、
前記パスに沿って前記基板を切断する方法を提供する。
本発明の基板を切断する方法は:(a)切断される基板を供給し、(b)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極によって、前記基板に電気及び熱エネルギを印加し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記基板の所定領域に供給して前記領域を加熱し、(c)前記領域を冷却し、(d)ステップ(b)の間、(i)前記基板に対して前記電極を相対的に、(ii)前記電極に対して前記基板を相対的に、又は(iii)前記電極と前記基板の両者をそれぞれに対して相対的に、移動させることにより、前記領域を前記基板表面のパスに沿って移動させ、前記パスに沿って前記基板を切断することを特徴とする、方法である。
ひとつの実施態様においては、前記基板は対向電極として電気閉回路を確立するために作用する。
ひとつの実施態様においては、前記対向電極は、切断される基板の反対側に設けられて電気閉回路を確立する。
ひとつの実施態様においては、前記対向電極は接地される。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)はそれ自体、前記電極及び前記所定領域の間での電気アークを形成し、好ましくは前記電気アークが基板切断に使用される。
通常、電流は閉ループを要する。ここで使用する「電気回路」とは、流れ出た電流が戻るためのリターンパスを含む閉ループを持つ、電気的ネットッワークに関するものとして意味する。そのような実施態様において、基板はこのループの一部として作用する。AC(高圧高周波)電源を出た電流は、電極と、電極と基板間のアークと、基板自体を通って電源に流れ戻る。そのような実施態様では、基板は、それ自体で対向電極とリターンパスとして作用する。この設定は、AC電源供給を接地することにより、より容易に構成される。基板から電源へ導く専用導電性パス(例えば配線等)を省略することができる。
特に厚い材料では、ひとつの電極だけでは、基板内部に非対称的かつ不均一な加熱をもたらす場合があり、厚くなるほど切断がより難しくなる。基板の全厚さ方向に等しく電流が流れることを保証するため、ひとつの実施態様においては、専用接地(ground)リターンを供するための対向電極を用いる。基板を介して電源へ戻る電流は強く減少される。いかなる理論にも束縛されるつもりはないが、切断に対して次の2つの好ましい効果がもたらされる:(1)電気アークが基板の両側で形成され、基板の両方の側から外部熱により基板を加熱できること、(2)基板内の電場が、E=(供給電圧)/(基板厚さ)に近づくまで増加されること、である。これはさらに、誘電損失により内部加熱を増加させることになる。
電極の配置により、さらに基板を通る電流及び熱のパスをある程度制御することを可能とする。
ひとつの実施態様においては、基板の加熱は、前記AC電圧及び/又は電流及び/又は基板と電極間距離を調節することで制御される。
理論になんら縛られるものではないが、誘電損失現象により基板内部に与えられる電力pinは、
pin=εrε0tanδωE2
である。なお、εrは比誘電率、ε0は誘電率、tanδは誘電正接、ωは周波数、Eは電場すなわち電圧を基板の厚さで除したものである。
pin=εrε0tanδωE2
である。なお、εrは比誘電率、ε0は誘電率、tanδは誘電正接、ωは周波数、Eは電場すなわち電圧を基板の厚さで除したものである。
この式は、ユーザ制御可能な切断パラメータを定義する:(1)周波数ωを上げると加熱が増加し、より迅速な加熱を可能とし、従ってより迅速な切断又は厚い材料の切断を可能とする。この式はまた、切断に有利でない誘電パラメータ、例えば低い誘電正接及び低比誘電率を補償する方法を提供する。(2)電圧を上げると誘電損失が増加し従って切断能力が増加する。
電気アークにより外部から加熱することはまた、切断のための役割をすることができることから、その強さを変更することは切断に影響する。電気アークは供給電圧、電流、周波数、基板と電極との距離に依存する。基板材料により、これらのパラメータは最適切断条件を決定するために変更することができる。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)につき、前記電極は、前記基板の片側又は両側で、基板から0mmから100mmの距離に設けられる。
基板内部の熱は、異なる基板との電極との距離を用いて制御することができる。電気アークが電極距離に依存することから、電気アークの基板加熱も基板の両側で相違するであろう。この違いは、従って、基板内部の垂直温度分布に反映される。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)は、10Vから107V、好ましくは100Vから106V、より好ましくは100Vから105Vの大きさの範囲の電圧と、1kHzから10GHz、好ましくは10kHzから1GHz、より好ましくは100kHzから100MHzの範囲の周波数とを供給することで実施される。
ひとつの実施態様においては、電気アークの性質は、電極と基板を包む雰囲気を変更して制御される。雰囲気としては、例えば窒素、アルゴン又は6フッ化硫黄が、気圧1Pa(10−5バール)から100MPa(103バール)、好ましくは100Pa(10−3バール)から1MPa(10バール)の範囲である。
周囲の雰囲気の成分や圧力を変えることで、電気アークに接する領域の形状やサイズと同様に電気アークの形状や温度を制御可能となる。
ひとつの実施態様においては、ステップ(c)で、前記所定領域は、次の方法のいずれかにより冷却される:
(i)熱伝導及び/又は周囲環境による対流により受動的に、
(ii)熱を効率的に吸収する要素、場合により例えばペリチエ素子などのアクチィブヒートポンプとして作用する要素に基板を接することにより、
(iii)ガス、液体、それらの混合流体、又はガスと固体の混合物を、前記所定領域の近傍に又は直接その領域に、能動的に供給することによる。
(i)熱伝導及び/又は周囲環境による対流により受動的に、
(ii)熱を効率的に吸収する要素、場合により例えばペリチエ素子などのアクチィブヒートポンプとして作用する要素に基板を接することにより、
(iii)ガス、液体、それらの混合流体、又はガスと固体の混合物を、前記所定領域の近傍に又は直接その領域に、能動的に供給することによる。
理論になんら拘束されるものではないが、本発明者は、切断は切断パスに沿った熱勾配によると考えている。加熱された領域が再び冷却される際に発生する引張応力がクラッキング及び切断をもたらす。かかる熱勾配は、これらの加熱領域の冷却を促進することで増大させ、従って引張応力によるクラッキングも増大させる。最も単純な場合の冷却は、加熱された領域から熱が基板のその他の領域へ伝導することで起こる。しかし、より優れた冷却方法として、次の方法が使用可能である。(1)基板に大きな蓄熱体(heat reservoir)を取り付けて受動的に冷却する、(2)例えばヒートポンプを用いて能動的に冷却するか、基板に冷媒を加えて能動的に冷却する(例えばガス又は液体流)。これらの冷却補助を局所で適用することで、基板内の分離される領域をより精密に決めることができる。
ひとつの実施態様においては、前記方法はさらに、ステップ(a2)を含み、ステップ(b)に先立って前記所定領域を冷却する。
切断速度、切断精度等の切断性能を改良するために、冷却ステップ(a2)が適用され得る。これによる主な2つの効果は、(1)材料の脆さ、従ってクラックし易さが増加すること、及び(2)達成可能な最大熱勾配が増加すること、である。ここで理論になんら縛られるものではないが、基板内の最大温度Tは材料の溶融温度Tmeltingに比べて低く、通常T<<Tmeltingに制限される。なぜならばこのような高い温度では通常もはや切断は生じないからである。従ってより低い温度から出発することでより高い勾配が可能となる。
ひとつの実施態様においては、前記所定領域は、上で説明した方法(i)から(iii)のいずれかにより冷却される。
ひとつの実施態様においては、好ましくは、前記積極的冷却が、前記所定領域が動くにつれて基板上の同じパスに沿って動かされる。
ひとつの実施態様においては、前記積極的冷却が、前記電極への固定された距離に位置する1又はそれ以上のノズルを介して適用され、前記基板上の前記冷却の移動が、次のいずれかで達成される。
(i)前記基板に対する前記ノズルの相対的な移動、
(ii)前記ノズルに対する前記基板の相対的な移動、
(iii)前記ノズルと前記基板の両方のそれぞれに対する相対的な移動。
(i)前記基板に対する前記ノズルの相対的な移動、
(ii)前記ノズルに対する前記基板の相対的な移動、
(iii)前記ノズルと前記基板の両方のそれぞれに対する相対的な移動。
ひとつの実施態様においては、前記基板内の応力は、ステップ(b)に先立って、切断が意図されるパスに沿って誘起又は誘導されている。
この多重パスの方法は、優先的切断パスを導入することを可能とする。これは、すでに高い内部引張応力を持つ基板にとって特に重要であり、この方法で補償され得る。
ひとつの実施態様においては、前記AC電源は、高圧高周波装置であり、AC電圧が10Vから107V、好ましくは100Vから106V、より好ましくは100Vから105Vの範囲の大きさを持ち、周波数が1kHzから10GHz、好ましくは10kHzから1GHz、より好ましくは100kHzから100MHzの範囲の周波数を発生させることができる。
ひとつの実施態様においては、前記高電圧高周波装置は、テスラ変圧器、フライバック変圧器などの共振変圧器、高出力高周波源及び半導体に基づく高周波固体チョッパー(high frequency solid state chopper)から選択される。
ひとつの実施態様においては、前記高電圧高周波装置は、あらゆる導電材料からなる電極の1又はそれ以上と結合される。かかる導電材料としては、好ましくは高融点、低抵抗であって、例えばパラジウム、白金又は金などの貴金属である。
信頼性の高い切断を実施するためには電圧供給に用いる電極は安定でなければならない。高融点材料は耐酸化性であることが好ましい。例として、Pt、Pdなどの貴金属がそのような性質を持つ。
ひとつの実施態様においては、前記電極は、1−300mm、好ましくは2−100mm、より好ましくは3−50mmの範囲の長さを持ち、0.1−20mm、好ましくは0.2−10mm、より好ましくは0.4−4mmの範囲の平均直径を持つ。
電流リーク、従って電力損失を減少するために、電極は可能な限り短くすることが好ましい。一方、長い電極を採用すると、取り扱いが容易となり、熱い領域からの熱分離がより容易となる。実際の電極長さと厚さは、使用する電力と周波数に応じて決められる。
ひとつの実施態様においては、前記電極は、1μmから5mm、好ましくは10μmから1mm、より好ましくは20μmから0.5mmの範囲の曲率を持つ先の尖ったチップである。
理論になんら拘束されるものではないが、本発明者らは、鋭い電極チップは電気アークが始まる際にその位置をより正確に決めるということを見出している。これは従って、信頼性の高い操作にとって重要である。
ひとつの実施態様においては、前記基板は、例えばガラス、アルミニウム窒化物、ジルコニア、スピネル、セラミックスなどの電気的絶縁材料や、ドープされたシリコン及び結晶性シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素及びインジウムリン化物などの化合物半導体などの電気的半導体材料を含む。
ひとつの実施態様においては、前記基板は、一方又は両方の側に、スズドープ酸化インジウム(ITO)などの導電性材料又は金属酸化物などの非導電性材料の追加の層を付加されていてもよい。
ひとつの実施態様においては、電圧及び/又は周波数は、例えば比誘電率、導電率、熱膨張係数、厚さなどの基板の電気的及び物理的性質により調節される。
理論になんら拘束されるものではないが、基板内の熱放散すなわち与えられる電力は、次の式で表される。
pin=εrε0tanδωE2
温度の増加は、pinに比例する:dT=(pin/ρc)dt
最適切断条件は、しばしば決まった熱エネルギ値dT/dtを要求する。従って、(1)材料の性質(即ち、ε、tanδ、ρ(密度)、c(比熱))、(2)速度(dtに逆比例)及び(3)形状パラメータ(例えば厚さ)を適合させるために、通常は電圧及び周波数を適宜設定する必要がある。処理の間の基板間の電圧低下はまた、その温度に影響し、かかる影響された温度は切断プロセスを変化させるものとなることから、特定のインピーダンスの電圧源を用いることが必要となることもあり得る。
pin=εrε0tanδωE2
温度の増加は、pinに比例する:dT=(pin/ρc)dt
最適切断条件は、しばしば決まった熱エネルギ値dT/dtを要求する。従って、(1)材料の性質(即ち、ε、tanδ、ρ(密度)、c(比熱))、(2)速度(dtに逆比例)及び(3)形状パラメータ(例えば厚さ)を適合させるために、通常は電圧及び周波数を適宜設定する必要がある。処理の間の基板間の電圧低下はまた、その温度に影響し、かかる影響された温度は切断プロセスを変化させるものとなることから、特定のインピーダンスの電圧源を用いることが必要となることもあり得る。
ひとつの実施態様においては、変圧駆動回路を有する共振変圧器がAC電源として用いられ、基板は閉回路の一部となり閉回路の共鳴周波数に影響を与える。変圧装置駆動回路の周波数は、基板の寸法や誘電性などの物理的性質に応じて調節される。
共振変圧器は通常、その共振周波数で又はその近傍で第二の変圧器コイルを駆動することにより作用する。この第二コイルの2つの端の間に基板を置くことで、その共鳴周波数を変え、従ってそれを駆動するために必要な周波数を変える。共鳴周波数の変化は、基板の誘電性及び形状に依存し、最適操作のためにそれに応じて駆動装置を調節することが必要となり得る。
ひとつの実施態様においては、共振変圧器はAC電圧源として用いられ、上で説明した回路の共振に合わせて設定される固定周波数により駆動される。
共振変圧器を駆動する回路は、その変圧器の固有周波数又は共振周波数を選び出すような方法で設計されていてもよい。この構成は、例えば基板の材料又は形状パラメータが変化する場合でも、電力源を自動調節することを可能とする。
ひとつの実施態様においては、共振変圧器は、AC電源として使用され、基板内の誘電損失同様、電気アークの性質を制御するために、共振周波数からずれた周波数で駆動される。
電圧源の固定周波数の使用は、切断が起こる条件が大きく変化しない場合には可能となる。また電圧源の固定周波数を使用することで、周波数選択により基板への焦点及び加熱と同様に、電気アークの挙動を制御することができる。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)の際、前記所定領域内の基板材料は溶融されず、除去されず又は前記所定領域から除かれない。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)の際、前記所定領域内の基板材料は溶融され及び/又は前記所定領域から除かれる。
ひとつの実施態様においては、前記パスは、直線、曲線、角度付直線、閉線又はこれらの全ての組み合わせであり、前記パスは切断される前記基板を定義する。
ひとつの実施態様においては、基板の分離は、好ましくは前記パスに沿って、前記基板に機械的圧縮又は張力を適用することで制御される。
理論になんら縛られるものではないが、本発明者は、切断は、引張応力を与えることにより基板のクラッキング/分離を引き起こすと考える。外部から他の応力をさらに導入して加えることで、切断パスをより好ましく制御する方法が提供される。これは例えば、基板を圧縮したり引っ張ったりすることでその境界に力を与えることにより可能である。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)に先立って、最初の人工的なクラックなどの最初の破壊きっかけを基板に導入し、ステップ(b)が前記最初の破壊きっかけ部分で開始される。
ひとつの実施態様においては、ステップ(b)に先立って、第二の人工的クラックなどの第二の破壊きっかけを基板に導入し、分離パスが前記第二の破壊きっかけ、例えば第二の人工的クラックまで通過して終了するようにステップ(b)を実行する。
切断の最終部分を案内するために、人工的な破壊きっかけを切断の最終部分に導入することができる。そのような破壊きっかけは、例えば基板自体よりも硬い鋭い治工具を用いて基板を引っ掻くことにより得られる。
ひとつの実施態様においては、前記基板上の前記パスに沿った前記所定領域の移動と、前記基板上の前記冷却の移動は、0.01mm/秒から10000mm/秒の範囲の速度である。
ひとつの実施態様においては、前記基板表面上の前記パスに沿った前記所定領域の移動は、前記基板の最初の部分と最終分離部分では、かかる部分での品質を改良するために速度を落とす。
ひとつの実施態様においては、電圧及び/又は周波数は、切断の最初と最終部分での減少速度を補償するために、例えば一定の速度/電力の比を維持することで、調節される。
ひとつの実施態様においては、電圧及び/又は周波数は、切断の最初と最終部分での減少速度を補償するために、例えば一定の速度/電力の比を維持することで、調節される。
引張応力条件は、特に切断の際、基板の主要部分と周辺部分では異なる。切断の際のこれらの違いを補償するために、場合により速度と切断パワーを変更する必要がある。例として、切断の初めは速度と切断パワーを徐々に上げていき、切断パスの終了に近づくとこれらのパラメータを徐々に下げていく。
本発明の課題はまた、本発明による方法を実施するための装置により解決される。
係る装置は:
(I)10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数を供給可能なAC電圧源と、
(II)前記AC電圧源に接続する第1の電極と、
(III)切断される基板を保持し、前記基板のひとつの側を前記電極に晒す、保持手段と、
(IV)場合により、前記基板を冷却するために、前記電極に固定された距離で設けられる冷却手段と、
(V)前記電極、場合により前記冷却手段と組み合わせて使用する前記電極と、前記基板をそれぞれお互いに関して動かす移動手段と、
(VI)前記構成(I)、(V)、ある場合には(IV)を制御する制御手段と、
(VII)場合により、前記基板の反対側に設けられる対向電極と、
(VIII)場合により、前記基板の反対側に設けられる冷却ノズルを、含む。
係る装置は:
(I)10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数を供給可能なAC電圧源と、
(II)前記AC電圧源に接続する第1の電極と、
(III)切断される基板を保持し、前記基板のひとつの側を前記電極に晒す、保持手段と、
(IV)場合により、前記基板を冷却するために、前記電極に固定された距離で設けられる冷却手段と、
(V)前記電極、場合により前記冷却手段と組み合わせて使用する前記電極と、前記基板をそれぞれお互いに関して動かす移動手段と、
(VI)前記構成(I)、(V)、ある場合には(IV)を制御する制御手段と、
(VII)場合により、前記基板の反対側に設けられる対向電極と、
(VIII)場合により、前記基板の反対側に設けられる冷却ノズルを、含む。
注意すべきは、前記構成(I)−(III)及び(V)−(VI)は、必須であり、(IV)、(VII)及び(VIII)は選択的であり、独立して、いくつかの実施態様に現れる、ということである。
ひとつの実施態様においては、前記AC電圧源は、周波数発生装置駆動パワー部、前記パワー部に結合するテスラ発生装置として共振変圧器のプライマリコイル、前記第1の電極に接続する前記共振変圧器のセカンダリコイル及び前記共振変圧器のパワー出力を制御/設定するためのフィードバック機構を含む。
ひとつの実施態様においては、本発明による装置はさらに、前記電極及び/又は前記保持手段に保持された基板を移動可能とする、数値制御装置及び管理用カメラを含む。
ひとつの実施態様においては、前記制御手段はまた、前記管理用カメラ及び前記数値制御装置により、前記定義された方法の実施を制御する。
注意すべきは、本発明による方法により達成される切断は前記基板の表面に対して垂直となり得るということである。しかし、他の実施態様においては、切断は90°ではない角度、例えば、95°、100°、105°等の90°超、又は80°、70°、60°等の90°未満もあり得る。基板の側表面と、基板の最上表面又は基板の底表面との間で形成されるすべてのこれらの角度が本発明に含まれる。
ここで使用する用語「前記所定領域に隣接する位置に適用する」とは、前記流れを前記領域の周辺に適用することを意味し、かかる周辺領域とはステップ(b)で供される熱により影響される領域である。ひとつの実施態様では、前記領域は、0.001cm2から100cm2、好ましくは0.1cm2から10cm2、より好ましくは0.1cm2から1cm2の範囲のサイズである。当該用語はまた、前記領域に前記流れを直接適用することも意味する。
ここで使用する「前記領域の近隣」なる用語は、「熱の影響を受ける領域」を意味するか、同意語として用いられる。
ここで使用する「テスラ変圧器」及び「テスラ発生器」は、全体にわたって交換可能に使用される。
本発明による実施態様において、AC電圧源に接続した電極を用いて、電圧が前記基板に適用され、前記基板へ電流が流れる結果となる。通常、電流は前記基板の定義された地点で基板に入る。この地点はここではまた「所定領域」として意味する場合があり、前記基板の前記領域を意味し電流はここに入る。ひとつの実施態様においては、前記基板の前記領域へ前記電圧と前記電流を供する電極が、前記基板から0mmから100mmの範囲の距離で設けられる。前記電極が前記基板から0mmで設けられる場合、前記電極が前記基板に接していることを意味する。前記電極が前記基板からの距離が>0mmに設けられるという場合、前記電極が前記基板と直接には接していないことを意味する。電流が流れるために電気アークが形成される。当業者であれば、前記所定領域で前記基板へ電極から電流が流れ始めるように、電気アーク形成に必要なパラメータを決定できる。
本発明による実施態様において、AC電圧源に接続した電極を用いて、電圧が前記基板に適用され、前記基板へ電流が流れる結果となる。通常、電流は前記基板の定義された地点で基板に入る。この地点はここではまた「所定領域」として意味する場合があり、前記基板の前記領域を意味し電流はここに入る。ひとつの実施態様においては、前記基板の前記領域へ前記電圧と前記電流を供する電極が、前記基板から0mmから100mmの範囲の距離で設けられる。前記電極が前記基板から0mmで設けられる場合、前記電極が前記基板に接していることを意味する。前記電極が前記基板からの距離が>0mmに設けられるという場合、前記電極が前記基板と直接には接していないことを意味する。電流が流れるために電気アークが形成される。当業者であれば、前記所定領域で前記基板へ電極から電流が流れ始めるように、電気アーク形成に必要なパラメータを決定できる。
通常、本発明による実施態様において、前記基板への電流を適用することで、前記所定領域で局所的な基板加熱を引き起こす。注意すべきは、この加熱は通常前記基板の前記所定領域内では材料を溶融させず、いかなる材料も前記所定領域から除かれたり弾き飛ばされたりしないようにすることが好ましいということである。一方で、基板をできるだけ高く局所加熱することは、切断スピードの向上をもたらす。したがって、基板表面の汚染を防止しながら切断スピードをあげるために、基板材料が溶融せずにできるだけ高温に加熱されるよう、パスの長さ、切断スピード、基板材料の比誘電率、導電率、熱膨張係数、厚さ等の物性値に応じて周波数や電圧を設定することが好ましい。特に、基板の温度をモニタリングしながら、当該温度履歴に応じて周波数や電圧を制御することがさらに好ましい。
好ましい実施態様においては、ステップ(b)で生じる加熱は、前記基板へ電流を前記の方法で、より具体的には1kHzから10GHzの範囲の周波数で電流を適用することで達成される。従って、この実施態様において、誘電損失が基板の加熱に寄与することが可能となり、前記電気アークによる効果を増大することが可能となる。
本発明の実施態様においては、基板の所定領域は基板に沿って動かされる。これは、電圧が供され、従って電流が基板に流れる場所は、静的ではなく、動くことを意味する。かかる移動は、通常次のひとつの方法で達成される。(i)基板に対して相対的な電極の移動、(ii)電極に対して相対的な基板の移動、(iii)基板と電極の両者のそれぞれに対して相対的な移動。通常かかる相対的移動は基板表面のパスに沿って起こる。このパスはまた、切断される基板の形状を決める。本発明によれば、かかるパスは、基板のひとつの端に沿うものではなく、基板の全体又は少なくとも一部を横切るものである。かかるパスは、直線、曲線、角度付き線、又は閉線であり得る。この閉線の例としては、基板の内部から基板の一部が切断される場合である。
本発明によれば、所定領域の材料は加熱されてはいるが、通常溶融されておらず、それだけで基板から除去されたり弾き飛ばされたりしない。溶融が生じる場合、切断の精度及び品質に干渉するであろう。
本発明の実施態様において、ステップ(c)、即ち加熱された前記所定領域を冷却されるステップは、加熱された部分から対流及び/又は伝導により消極的に起こる。他の実施態様では、冷却は大部分積極的な冷却により起こる。かかる積極的冷却には、空気、窒素またはアルゴンなどのガス流れ、ガスと液体混合物、エアロゾルの流れ、又はガスと固体例えば二酸化炭素ドライアイス混合物の流れを適用することで達成される。
好ましくは、冷却はまた、局所的なものである。即ち、所定領域が動くパスと同じ基板上のパスに沿って起こる。これは例えば、電極と、冷却ノズルなどの冷却手段をお互いに対して固定された距離で設け、その固定された距離で電極の後から冷却手段を追跡させるということで可能となる。本発明者はまた、冷却手段が前記パスに沿う電極に先行する実施態様も想到している。かかる実施態様では、所定領域はまず冷却され、その後加熱される。従ってステップ(b)とステップ(c)が効果的に逆の順となり、定義される領域が初めに冷却され、続いて電圧と電流をそこに適用して加熱する。また、冷却ステップが加熱に先行し、さらに加熱の後にさらに冷却する実施態様も可能である。これらは全て本発明者が想到したものであり、本発明の範囲に含まれる。
通常、電圧及び電流を基板に適用する電極は、基板の一方側に設けられる。ひとつの実施態様においては、第二の電極即ち対向電極を設けてもよく、これは基板の対向する側に設けられる。
所定領域の移動は、0.01mm/秒から10000mm/秒の範囲の速度である。上で説明したように、かかる移動は、基板に対して相対的な電極の移動、その逆(電極に対する相対的な基板の移動)又はお互いに対して共にそれぞれが相対的に移動することにより達成可能である。従ってまた、電極と基板の相対速度は、0.01mm/秒から10000mm/秒の範囲である。かかる移動のパスは、0から無限(直線)までの全ての曲率半径を持つ曲線が可能であり、円形形状も含まれる。
通常、供される電圧は、102Vから107Vの範囲であり、1kHzから10GHzの範囲の周波数を持つ。かかる供される高周波数は、(1)基板内部に誘電損失を引き起こし、(2)通常、電気アークにより生じる電流が、基板の所定領域で基板を加熱する。
理論に縛られるつもりはないが、本発明者は、基板に導入された熱が基板に引張応力を誘導して、所定領域のパスが、制御破壊(controlled breakage)又は制御分離(controlled separation)を受ける、ものと考える。かかる効果はさらに、上記した追加の冷却により引張応力を生じる温度勾配を強化することで改良することができる。例えばかかる追加冷却は、局所加熱の前又は後又はその両方で行ってよい。
かかる制御破壊又は分離を、さらに機械的手段を追加することで補助することができる。例えば、適当な引っ張り又は締めるというような適当な手段による機械的張力又は超音波装置による機械的張力である。
本発明の実施態様においては、電極/冷却手段の基板に対する相対的動きは、その場でまたは離れた場所で操作される数値制御装置により操作することができる。本発明による方法を実行する全設定は、適当なコンピュータシステムを用いて制御することが可能である。例えば、適当なインプット/アウトプットインターフェースを備えるパーソナルコンピュータ、又はスタンドアロンの制御装置であって、基板及び/又は電極の動きを制御する数値制御装置又はそれらの組み合わせが挙げられる。さらに上で説明したように、冷却手段は好ましくは基板と連関して電極と共に動かされる。これは例えば、通常0.1mmから100mmの範囲の電極からの固定距離に冷却手段の位置を維持することで達成することができる。
本発明による適当な高電圧高周波数装置は、テスラ変圧器、フライバック変圧器、高出力高周波発生器(high power radiofrequency generator)及び半導体に基づく高周波数固体チョッパー(high frequency solid state choppers based on semiconductor)が挙げられる。
本発明はまた、本発明による方法を実施するための装置を含み、かかる装置は、
(I)102から107Vの範囲の電圧と1kHzから10GHzの範囲の周波数とを供給することができるAC電圧源と、
(II)前記電圧源に結合する第1電極と、
(III)切断される基板を保持し、前記基板の一方の側を前記第1電極に晒す保持手段と、
(IV)場合により、前記基板を冷却するための、前記電極との固定距離で設けられる冷却手段と、
(V)前記冷却手段と組み合わせて、前記電極と、前記基板をそれぞれ相対的に移動させる手段と、
(VI)(I)、(V)及び、ある場合には(IV)を制御する制御手段と、
(VII)場合により、前記基板の反対側に設けられる対向電極と、
(VIII)場合により、前記基板の反対側に設けられる冷却ノズル、を含む。
(I)102から107Vの範囲の電圧と1kHzから10GHzの範囲の周波数とを供給することができるAC電圧源と、
(II)前記電圧源に結合する第1電極と、
(III)切断される基板を保持し、前記基板の一方の側を前記第1電極に晒す保持手段と、
(IV)場合により、前記基板を冷却するための、前記電極との固定距離で設けられる冷却手段と、
(V)前記冷却手段と組み合わせて、前記電極と、前記基板をそれぞれ相対的に移動させる手段と、
(VI)(I)、(V)及び、ある場合には(IV)を制御する制御手段と、
(VII)場合により、前記基板の反対側に設けられる対向電極と、
(VIII)場合により、前記基板の反対側に設けられる冷却ノズル、を含む。
前記冷却ノズル又は対向電極が、基板の「反対側に」設けられる場合とは、通常前記第1の電極が設けられる側に対して設けられること、を意味する。
本発明者は、高周波数電圧源による電気エネルギを用いて、材料を局所的に加熱することで、熱応力が導入され、従って、材料の制御分離がもたらされることを見出した。さらに、材料のあらかじめ決められたパスに沿ってかかる熱を供することで、決められた仕様で切断することができることを見出した。
本発明の実施態様において、基板への電気的及び/又は熱的パワーを局所的に導入することは、高周波数電圧源に接続した電極を、切断される領域に隣接して設けることで可能となる。決められた切断は、基板に対して電極を移動させ、従って電流が基板に入る位置を移動させることにより可能となる。かかる移動は、電極自体を、又は電極に対して基板を、又は両方を移動させることで可能となる。加熱は、大部分が(1)基板内の誘電損失及び(2)電極と基板の間に形成される電気アークからの熱伝達により起こる。非導電性基板を横切って流れる容量性電流の高周波現象により、加熱は、基板が直接又は間接に接地されている場合のみ、又は直接又は間接に(例えばキャパシタを介して)結合した他の電極を用いて、ひとつの電極を用いて導入することができる。かかる電極は、電流の流れ及び従って基板内の熱が、ユーザにより決められた好ましいパスに従うように設けることができる。ひとつの実施態様では、供給される電圧は、10Vから107V、好ましくは100Vから106V、より好ましくは100から105Vの範囲の大きさである。さらにひとつの実施態様では、電圧源は、1kHzから10GHz、好ましくは10kHzから1GHz、より好ましくは100kHzから100MHzの範囲の周波数を持つ高周波電源である。ひとつの実施態様においては、供給される電圧は、1kHzから10GHz、好ましくは10kHzから1GHz、より好ましくは100kHzから100KHzの範囲の周波数を持つ。これらのパラメータは、平均電流が、10−9Aから103A、好ましくは10−7Aから102A、より好ましくは10−5Aから1Aの範囲となるように調節することができる。
かかる高電圧及び高周波数は例えば、テスラ変圧器又はかかる要求を満たす他の高周波―高電圧供給源を用いて発生させることができる。かかる電圧供給は、アウトプット電圧、周波数、電流、インピーダンスを調節可能なものであってよい。電極と基板との作用距離は、加熱点の形状に影響を与え、従って、基板の加熱される領域の空間的熱プロフィールを制御する。ひとつの実施態様においては、電極と基板表面の距離は、0mm(接触)から10cm、好ましくは0mmから10mm、より好ましくは0.05mmから5mmの範囲である。
基板表面に対する電極の相対的速度を変えることで、基板に導入され、従って基板を加熱する熱及び電気エネルギの量を調節することが可能となる。電極及び基板表面での速度は、通常0.01mm/秒から10000mm/秒、好ましくは0.1mm/秒から500mm/秒、より好ましくは50mm/秒から200mm/秒の範囲でお互いに対して動かされる。
本発明の方法及び装置において、電極はいかなる形状でもよいが、好ましくは基板の表面を指す尖った先端形状である。かかる電極は種々の材料で作製可能であり、高融点の貴金属、例えばプラチナ又はパラジウムが特に良好に作用することが見出された。
高周波高電圧供給として、テスラ変圧器を用いることができる。一次側コイル(プライマリコイル)は、100巻数まで、好ましくは1から10巻数、より好ましくは1から2巻数であり、直径5mmから1000mm、好ましくは10mmから100mm、より好ましくは10mmから60mmの範囲の直径を有する平面又はらせん形状として実施することができる。かかるコイル材料は固体の導電性材料(例えば銅、アルミニウム、貴金属)から、ワイヤ/テープ又は堆積層の形状で得ることができる。二次側コイル(セカンダリコイル)は、0.01mmから10mm、好ましくは0.05mmから5mm、より好ましくは0.1mmから1mmの範囲の直径のワイヤで、10から105巻数、好ましくは50から104巻数、より好ましくは60から1000巻数の範囲の巻数で得ることができる。かかる二次側コイル巻きは、一次側コイルとは異なるが通常は一次側コイルと同軸に、一次側コイルの内側又はそのすぐ近くに設けられる。
1〜2巻数の一次側コイルを有する高周波数テスラ変圧器を含むひとつの例示的設定は、直径約20mmのパターン化プリント基板を用いて実現した。100から300巻数の二次側は、0.1mmから0.5mmの範囲の直径の銅から得られ、一次側コイルの内側に設けた。電極としてプラチナ及びパラジウムを共に、0.5mmから2mmの直径の先が尖った形状で用いた。一次側コイル駆動に必要なパワー回路は、半導体回路に基づき、例えば低電力供給(50Wまで)として、IXYSからのIXDD414などのモノリシックMOSゲートドライバが挙げられ、及び高電力供給として、高周波数ハイパワーMOSFET(例えばIXY2210N50L、DE275X2−102N06A 500Wまで)が挙げられる。システムを、一次側コイル5Vから30Vの供給電圧2〜20MHzで操作した。かかるパラメータを用いて、0.1mmから2mmまでの範囲の厚さを有する、例えばガラス基板などの異なる基板を切断することに成功した(図4、5、6A及び6B)。
また熱張力形成と続く基板分離は、加熱された所定領域を冷却するための追加の冷却装置を、加熱の前及び/又は後に、決められた時間、決められた強さで用いることにより、さらに制御することができることが分かった。このような改良実施態様は、ガス流れ(例えば空気、窒素、アルゴン)、液体(例えばジクロロメタン、クロロホルム)、ガスと液体の混合物(エアロゾル)又はガスと固体(例えば二酸化炭素ドライアイス)を用いて、切断される基板を、前冷却することを含む。例として、上記したテスラ変圧器のパラメータとして、追加の冷却ステップを、1mm直径のスプレーノズルを用いて、約10℃の空気を、相対圧力0.1MPa(1バール)で、基板表面から1mmの距離、電極から10mmの距離で使用して成功した。
厚さや熱膨張係数といったガラス特性は、切断プロセス中のガラスの挙動を主に決めるものである。従ってより厚いガラスや低い熱膨張係数を持つガラスは、伝達されるエネルギを増加するためにより多い電流及び/又はより低い速度を必要とすることになる。
本発明の切断方法、装置を特に有益に適用できる基板の材料として、ガラスを挙げることができる。これは、特に切断のための加熱によって、基板の所定領域内で材料を溶融させないようにすることで、基板表面への微細粒子等の付着を防止することが、ガラス基板に強く求められるからである。さらに、相応の大きさのガラス基板(矩形であるならば例えば、約300mm以上x約200mm以上、なお、好ましい厚さとしては0.1mm〜2mm)を切断する場合、切断スピードの向上を求められる。したがって、基板表面の汚染を防止しながら切断スピードをあげるために、基板材料が溶融せずにできるだけ高温に加熱できるよう、パスの長さ、切断スピード、基板材料の比誘電率、導電率、熱膨張係数、厚さ等の物性値に応じて周波数や電圧を定めることが好ましい。かかる最適化により本発明の切断方法による切断スピードは、50mm/秒、特に100mm/秒以上とすることが可能となる。
本発明の方法・装置を適用できるガラス基板は、その製造方法には限定されず、フロート法、ダウンドロー法(オーバーフロー、スリット、リドローを含む)等、種々の方法で製造したものが含まれる。また製造されるガラス基板の用途は特に限定されず、すべての分野における用途、特に建築用や車両用、フラットパネルディスプレイ用、同じくカバー用、その他の各種用途が挙げられる。
本発明の方法・装置を適用できるガラス基板の材料には特に制限はなく以下例示的に説明する通り種々の組成を有する材料が含まれる。
ホウケイ酸ガラスに代表される無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有の無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス等を例示できる。これらのガラス基板は、物理強化又は化学強化されたガラス基板でもよい。強化処理の施されたガラス基板は内部に引張応力を残留させているため、本発明の切断方法・装置を有益に適用できる。これは、機械的にスクライブを形成し折り割りする切断方法やレーザーにより加熱して切断する方法が、ガラス基板の表面からガラス基板に対し機械的又は熱的変化を施すからである。これに対し、本発明の切断方法・装置、特に上述した材料を溶融させないように切断する方法では、ガラス基板の厚さ方向内部の加熱をも可能としているため、内部の残留引張応力により切断線がパスから外れて自走することを、防止できる。この自走防止は、切断スピードを高めようとすると発生しやすいため、上記の大型ガラス基板にこれら本発明の切断方法・装置を適用することが有益である理由の1つである。
本発明の切断方法が、レーザーを用いた切断方法に比べてより好ましい理由のひとつとして、上記のガラス基板表面からの加熱であるか否かの点をあげることができる。すなわち、本発明の切断方法によれば、ガラス基板の厚さ方向内部をも加熱できることから、引張応力をパスに直交する方向に厚さ方向にバランスよく与えることができると考えられる。この結果、レーザーによる切断と比べて、本発明の各種実施形態によって得られたガラス基板の切断面の3点曲げ強度が高くなる。
具体的に、これらガラス基板の材料としては、ソーダライムガラスの場合には、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al2O3:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe2O3:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B2O3:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
液晶ディスプレイ用又は有機ELディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜70%、Al2O3:3〜25%、B2O3:1〜20%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成や、酸化物標準においてモルパーセントで、SiO2:64.0〜72.0、Al2O3:9.0〜16.0、B2O3:1.0〜5.0、MgO+La2O3:1.0〜7.5、CaO:2.0〜7.5、SrO:0.0〜4.5、BaO:1.0〜7.0を含み、ここでΣ(MgO+CaO+SrO+BaO+3La2O3)/(Al2O3)≧1.15である、式中、Al2O3、MgO、CaO、SrO、BaO及びLa2O3が、各酸化物のモルパーセントを表すことを特徴とするアルカリを含まないガラスや、質量百分率で、SiO2を58.0〜68.0%、Al2O3を10.0〜25.0%、B2O3を3.0〜15.0%、MgOを0〜2.9%、CaOを0〜8.0%、BaOを0.1〜5.0%、SrOを0.1〜10.0%、ZnOを0〜5.0%、ZrO2を0〜5.0%、TiO2を0〜5.0%の組成を有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラス、という組成を有することが好ましい。
プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al2O3:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
ディスプレイ等のカバーガラス用の基板に使用されるガラスの場合には、SiO2を50〜74%、Al2O3を1〜10%、Na2Oを6〜14%、K2Oを3〜15%、MgOを2〜15%、CaOを0〜10%、ZrO2を0〜5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計Na2O+K2Oが12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計MgO+CaOが7〜15%という組成や、
SiO2を61〜66%、Al2O3を6〜12%、MgOを7〜13%、Na2Oを9〜17%、K2Oを0〜7%含有し、ZrO2を含有する場合その含有量が0.8%以下という組成や、
SiO2を75.5〜85.5%、MgOを1〜8%、CaOを0〜7%、Al2O3を0〜5%、Na2Oを10〜22.5%を含有し、MgOの含有量がCaOの含有量より多く、MgOおよびCaOの含有量の合計(MgO+CaO)が8%以下、MgO、CaOおよびNa2Oの含有量の合計が24.5%以下、MgOおよびCaOの含有量(MgO+CaO)をNa2Oの含有量で除して得られた比が0.45以下という組成が挙げられる。
SiO2を61〜66%、Al2O3を6〜12%、MgOを7〜13%、Na2Oを9〜17%、K2Oを0〜7%含有し、ZrO2を含有する場合その含有量が0.8%以下という組成や、
SiO2を75.5〜85.5%、MgOを1〜8%、CaOを0〜7%、Al2O3を0〜5%、Na2Oを10〜22.5%を含有し、MgOの含有量がCaOの含有量より多く、MgOおよびCaOの含有量の合計(MgO+CaO)が8%以下、MgO、CaOおよびNa2Oの含有量の合計が24.5%以下、MgOおよびCaOの含有量(MgO+CaO)をNa2Oの含有量で除して得られた比が0.45以下という組成が挙げられる。
また化学強化用ガラスとして:モル百分率表示で、SiO2を64〜68%、Na2Oを12〜16%、Al2O3を8〜12%、B2O3を0〜3%、K2Oを2〜5%、MgOを4〜6%、CaOを0〜5%含有し、SiO2+B2O3+CaOが66〜69%、Na2O+K2O+B2O3+MgO+CaO+SrOが10%超 、MgO+CaO+SrOが5〜8%、(Na2O+B2O3)−Al2O3が2%以下、Na2O−Al2O3が2〜6%、(Na2O+K2O)−Al2O3が4〜10%であり、少なくとも13kPa・Sの液相粘度を有する組成や、質量%でSiO2を40〜70%、Al2O3を12〜25%、B2O3を0〜10%、Li2Oを0〜8%、Na2Oを6〜15%、K2Oを0〜10%、Li2O+Na2O+K2Oを13〜20%、MgOを0〜3.9%、CaOを0〜5%、ZnOを0〜5%、ZrO2を0〜6%、SrO+BaOを0〜5%含有し、且つ質量分率で(MgO+ZrO2+ZnO)/(MgO+ZrO2+ZnO+Al2O3)の値が0.25〜0.45である組成、が挙げられる。
その他の用途として、耐熱容器または理化学用器具等に使用されるホウケイ酸ガラスの場合には、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:60〜85%、Al2O3:0〜5%、B2O3:5〜20%、Na2O+K2O:2〜10%、という組成を有することが好ましい。
なお、ガラス基板の材料として、上記の材料のほか、シリカガラス、サファイア等も使用可能である。また、均質なガラス材料以外にも、不均質な材料や、複数の材質のガラスが積層された形態のものも使用できる。
また、非平面又は通常でない平面の材料もまた本発明の方法で処理可能である。しかしこれらの状態の場合は、基板表面からの距離を決められた、例えば一定の距離で電極が基板を追跡するように設定を適合させることで、得られる結果を改良することができる。通常基板材料の厚さは0.01mmから5mm、好ましくは0.1mmから2mmの範囲である。ひとつの実施態様では、基板の片側又は両側に、スズドープ酸化インジウム(ITO)などの導電性の追加の層や金属酸化物などの非導電性の追加の層を有していてもよい。
基板と電極がお互いに関して直線に、即ち一次元に沿って動くことで、直線切断又は分離が得られる。複雑な形状の基板には、基板の要求される形状に沿って追跡するように電極の位置/動きを制御することで、本発明を適用して得ることができる。試験した構成においては、角の丸められた長方形及び波状線切断を含む複雑な形状、さらには基板をくり抜いた形状が容易に得られる。
精密に切断された基板を得るために、電極と基板の相対的移動を、数値制御電子機械装置により制御することができる。可能な構成は、基板の上に設けられた装置により電極が動かされるか、又はその代わりに電極を固定された位置で維持して基板が動かされるか、それらの2つの方法の組み合わせ、である。適切な短い時間(通常100msより短い補正矯正時間)で電気的及び機械的パラメータを制御して適合させるためには、フィードバックループを実装することが可能である。かかる方法で、電流、電圧及び/又は温度の測定値に基づき、電圧発生パラメータ、冷却システム、基板―電極距離及び/又は速度をリアルタイムに調節して、正常なプロセスを維持することができる。
基板及び/電極の動き又はそれらの組み合わせを制御するための数値制御装置に結合される、適当なインプット/アウトプットインターフェースを設けたPCなどの適当なコンピュータシステム又はスタンドアロン装置の手段により、かかる設定を制御し駆動することができる。
切断工程の開始は決定的な事象である得ることから、正しい切断開始位置の決定によって、本プロセスをより正確にするために、クラック付与(又は人工的な凹凸付与)を導入することができる。かかる凹凸(irregularity)は、材料の端から切断開始する場合には基板の端に設けてもよいし、基板の内側に設けてもよい。基板内のかかる付けられたクラックは、基板内で閉じた切断を行う場合、即ち外側の端の境界を横切らない場合に重要である。試料に複数のこのような不規則性を付することは、前もって定義される複雑な分離パスにとって有用である。
さらに、例示的実施態様として提供される次の図面を参照して説明する。
図1は、基板(5)の表面に向けられた電極(1)の例示的実施態様を示す。電極(1)は、発生器(6)に接続され、発生器(6)は、接地されていても接地されていなくてもよい。発生器(6)による電圧供給/発生により、電気アーク(2)が材料の表面と電極間に形成される。冷却システム(3)が、電極から固定位置に設けられ、冷却媒体を吹きつける。冷却媒体は、ガス、液体又はエアロゾルの形である。電極(冷却ノズルが追跡する)及び材料表面は、お互いに切断されるべき方向(4)に沿って動かされ、切断される表面を電極に晒す。選択的な対向電極(7)が、切断される基板の反対側に設けられてよい。点線は、切断が生じることが予想される領域を示す。
図2は、本発明の電気部品(8)として可能な実施態様を示す。高周波発生駆動パワーステージ(9)がテスラ変圧器に結合されている。二次側コイル(11)が、電極(1)に結合され、基板近くに、可能ならば接地された対向電極(7)と共に、設けられる。場合により、フィードバック(12)が発生器により発生される周波数を調節する。
図3は、本発明の自動化の可能な構成を示し、基板(5)、電圧供給(6)に結合する電極(13)又は基板(14)、可視光、赤外線または紫外線で操作される監視/フィードバックカメラ(15)、及び制御装置(16)を含む。
図4は、以下の条件で得られたソーダライムガラス板(厚さ0.7mm)の顕微鏡スライドの切断部を示す。切断条件は、2.5A、3.85mm/秒、0.1MPa(1バール)の冷却空気圧、500μmの試料−電極間距離である。
図5は、切断プロセスの際、ガラス試料と電極間で形成される電気アークを示す写真である。冷却空気を吹き付けるノズルが、電極の1cm後を追跡し、温度プロフィールを制御し、ランダムなクラックが入ることを阻止する。
図6Aは、次の条件で作られた化学強化ガラス板(厚さ0.7mm)が示される。切断条件は、2.5A、3.85mm/秒、0.1MPa(1バール)の冷却空気圧、500μmの試料−電極間距離である。同じく図6Bは、次の条件で作られた化学強化ガラス板(厚さ0.7mm)が示される。切断条件は、2.5A、3.85mm/秒、0.1MPa(1バール)の冷却空気圧、500μmの試料−電極間距離である。
図7には、本発明の切断方法及び装置を用いて、ガラスリボンの縁部の切断に用いた例を示す。ここでガラスリボンとは、主に形状の特徴を意味し、薄い板状又はフィルム状のガラスであり、通常、取り扱い上の便宜性から、芯材に巻きとられてガラスロールとして、保存・移動等が可能なものである。厚さについては特に制限はないが、通常0.01〜0.2mm程度であり、幅についても特に制限はないが通常100〜2000mm程度である。ロール状に巻くための芯材の直径は通常100〜1000mmの範囲である。また、通常、製造後のガラスリボンの幅方向の両方又は片側には縁部といわれる部分が残っており、最終的には切断されてガラスリボン製品とする。ここで意味するガラスリボンの縁部とは、製造後のガラスリボンの幅方向の両方又は片側に残され、最終的には切断される部分を意味し、ガラスリボンにおける位置(幅方向の端からの距離)、切断される大きさ(サイズ、長さ)、切断される形状等については特に限定はない。通常製造後のガラスリボンの幅方向の端から約5〜100mm程度の部分を意味する。
まず切断されるべき縁部75を有するガラスリボン74をロール状に巻いたガラスロール71を用意する。さらにガラスロール71からガラスリボン74をほどいて平坦にして矢印方向に進行させる。ガラスロール74の縁部近くに設けられた本発明の切断装置73により、進行するガラスロール74の切断されるべき縁部を示すパス(図示せず)に沿って、縁部75が切断される。縁部75が切断されたガラスロール76は、さらに進行し、再度巻かれてロール状のガラスロール72となる。この際、切断装置73による切断は、ガラスリボンの各種物性値にあわせて電圧や周波数を調整し、上述の態様のいずれかを適用して行われる。
ここで、ガラスリボン74を加熱して切断装置73により切断する際、すなわちAC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極手段により、前記縁部に電気及び熱エネルギを供給し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記縁部の決められた領域に供給して前記領域を加熱する際、少なくとも前記加熱領域のガラスリボン断面に生じる張力は100kPa以下であると好ましい。前記張力は50kPa以下であるとさらに好ましい。前記張力が100kPaを超えると切断面(ガラスリボン端面)の性状が安定せず、応力集中が起きやすくなるため割れの起点となることがある。前記張力が100kPa以下であると、好ましい性状の切断面が得られ、ガラスリボン74の機械的強度の低下を防止できる。
図7では、ガラスリボン74には両端にある縁部を同時に切断する態様を示したが、本発明はその態様に限定されるものではない。例えばどちらか一方の縁部のみを切断する場合や、どちらか一方の縁部を切断した後に、他方の縁部を切断する方法も含まれる。
また図7に示されるように、縁部75を切断した後ガラスロール76を再度巻いてロール状のガラスロール72とすることが好ましい。これにより縁部75を切断した後ガラスロール76をよりコンパクトに、収納、包装、梱包、保存、運搬等することを可能とする。ただし本発明の方法及び装置においては、前記再度巻き取ることは必須ではない。例えば実質的に巻き取られることなく以下説明するように、前記縁部75を切断した後のガラスロール76及び切断された縁部75について、さらに種々の取り扱い又は回収等が可能である。ここで、種々の取り扱いとは、例えば前記縁部75が切断されたガラスロールを実質的に再巻きとることなく続く種々の工程で使用・加工等することを含む。又ここで回収とは、巻き取り又は牽引による、切断した後のガラスロール76及び切断された縁部75の収集、保存、再利用、再使用、廃棄を含む。
図7に示す例では、切断後のガラスリボン74を巻き取り、縁部75が自重により自由落下する態様が図示されているが、本発明はその態様に限定されるものではない。本発明の方法及び装置においては、切断された後のガラスリボン74だけでなく縁部75も回収することが好ましく、上で説明した種々の回収の方法が適用可能である。その際に前記ガラスリボン74の断面と前記縁部75の断面に生じる張力の差を50kPa以下とすることが好ましい。前記張力差を小さくすることにより、好ましい性状の切断面が得られるからである。
また切断されたガラスリボン74と縁部75の両方を回収する場合には、両者を搬送する際にそれらの搬送高さが異なるようにすることが好ましい。両者の搬送高さが異なるようにすることで、ガラスリボン74の切断面と縁部75の切断面が互いに接触しにくくなり、その結果微少傷を発生させにくくなるからである。従ってかかる接触による問題を低減させるように、前記ガラスリボン74と縁部75の高さを適切に設定することが好ましい。
さらに前記回収は、前記回収の目的に応じて、切断されたガラスリボンと縁部を適切な搬送手段を用いて搬送することにより、もしくは適切な巻き取り手段を用いて巻き取ることにより行うことができ、またガラスリボンと縁部の搬送と巻き取りを組み合わせることにより行うことも可能である。図7においては巻きほどかれる前のガラスロール71と巻き取られた後のガラスロール72との間のガラスリボン74の搬送手段は図示されていないが、一般的には搬送手段として円筒状の搬送ロールが好ましく用いられ得る。例えば、1つ又は複数の前記搬送ロールをガラスロール71とガラスロール72の間に適切な位置に設けることで、ガラスリボン74の進行方向に直交する方向に平行に配置して搬送経路を形成することができる。その際、複数の搬送ロールは、環状部材(例えばベルト部材)で接続されていることが好ましい。前記環状部材により搬送ロール間の隙間でガラスリボン74を支持できるため、ガラスリボン74のたわみが抑制され、切断装置73とガラスリボン74との間の距離の変動を防止でき、その結果、安定した品質で切断ができるからである。前記搬送ロールに代わるガラスリボン74の搬送手段としては、ガラスリボン74の進行方向に平行に配置した長尺の環状ベルト部材等が挙げられる。
また上述の本発明の切断方法・装置は、ガラスリボンを成形した後にオフラインで幅方向の縁部を切断する態様を説明したものであるが、本発明はその態様に限定されるものではない。本発明の切断方法・装置を、ガラスリボンを成形した後に、オンラインで幅方向の縁部を切断するために適用する態様も含むものである。すなわち、例えばフロート法によりガラスリボンを成形する場合には、例えば図7の紙面上右側にフロートバスから連通する徐冷炉を配置することにより可能となる。また例えばオーバーフローダウンドロー法によりガラスリボンを成形する場合にも、同様に例えば図7の紙面上右側に徐冷ゾーンを配置することにより可能となる。
また、ガラスリボンの縁部を切断するための装置(オフライン及びオンライン)については、特に制限はなく上述した本発明の装置を好ましく適用可能であるが、例えば次の構成を含む装置が好ましい。すなわち、ガラスリボンの幅方向の縁部を切断する装置であって:(A)切断される幅縁部を有するガラスリボンをロール状に巻いたガラスロールから、ガラスロールの巻きをほどいてガラスリボンを用意する手段と、(B)前記ほどかれたガラスリボンを、再びロール状に巻く手段と、(C)前記ほどかれたガラスリボンの幅方向の縁部を切断する切断手段を含み、前記切断手段が、(i)10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数を供給可能なAC電圧源と、(ii)前記AC電圧源に結合する第1の電極と、(iii)切断される前記ガラスリボンの幅方向の縁部を保持し、前記縁部のひとつの側を前記電極に晒す、保持手段と、(iv)場合により、前記縁部を冷却するために、前記電極に固定された距離で設けられる冷却手段と、を含み、前記ガラスロールの巻きをほどいて、前記ほどかれたガラスリボンの幅方向の縁部を、前記切断手段により切断し、前記縁部が切断されたガラスリボンを、再びロール状に巻く、装置が挙げられる。
ただし上で説明したように本発明の装置においては、再びロール状に巻くための手段・装置を備えることは必須ではない。例えば実質的に巻き取る手段を備えることなく、以下説明するように、前記縁部75を切断した後のガラスロール76及び切断された縁部75について、さらに種々の取り扱い又は回収等のための装置を含むことが可能である。ここで、種々の取り扱いのための装置とは続く種々の工程で使用・加工等するための装置を含む。又は回収するための装置とは、切断した後のガラスロール76及び切断された縁部75を収集、保存(一時的又は長期間)、再利用、再使用、廃棄等するための装置を含む。
さらに、本発明を実施例に基づいて説明する。
ソーダライムガラス板を波形状に切断するために、電極と空気ノズルが辿るパスをコード言語(code language)でプログラムした。辿るべき電極と冷却ノズルにパスを伝達するためにコンピュータと数値制御電子機械装置とのインターフェースを使用した。
顕微鏡スライドガラスの厚さ0.7mmを切断するために、次のパラメータを適用した。2.5A電流と、3.85mm/秒の電極及び冷却ノズル速度と、0.1MPa(1バール)の冷却空気圧と、電極とガラス試料の距離が0.5mmであった。得られた切断は図4に示される。
化学強化ガラス板を切断するために、電極と空気ノズルが辿るパスをコード言語でプログラムした。辿るべき電極と冷却ノズルにパスを伝達するためにコンピュータと数値制御電子機械装置とのインターフェースを使用した。
化学強化ガラス板の厚さ0.7mmを切断するために、次のパラメータを適用した。2.5A電流と、3.85mm/秒の電極及び冷却ノズル速度と、0.1MPa(1バール)の冷却空気圧と、電極とガラス試料の距離が0.5mmであった。得られた切断は図6A及び6Bに示される。
明細書、特許請求の範囲及び/又は添付図面で開示された本発明の構成は、別々に又はいかなる組み合わせにおいて、本発明の種々の変法を実行するために重要である。
本出願は、2011年3月28日付けで出願された特許出願2011−069800を基礎として優先権主張されている出願であり、この優先権主張の基礎となる出願の全内容はここで参照されて本明細書に取り込まれる。
1 電極
2 電気アーク
3 冷却システム
4 切断方向
5 材料
6 発生器、電圧供給
7 対向電極
8 電気部品
9 高周波発生駆動パワーステージ
10 一次側コイル、プライマリーコイル
11 二次側コイル、セカンダリーコイル
12 フィードバック
13 電極
14 基板
15 監視/フィードバックカメラ
16 制御装置
71 ガラスロール
72 ガラスロール
73 切断装置
74 ガラスリボン
76 ガラスロール
75 縁部
2 電気アーク
3 冷却システム
4 切断方向
5 材料
6 発生器、電圧供給
7 対向電極
8 電気部品
9 高周波発生駆動パワーステージ
10 一次側コイル、プライマリーコイル
11 二次側コイル、セカンダリーコイル
12 フィードバック
13 電極
14 基板
15 監視/フィードバックカメラ
16 制御装置
71 ガラスロール
72 ガラスロール
73 切断装置
74 ガラスリボン
76 ガラスロール
75 縁部
Claims (36)
- (a)切断される基板を供給し、
(b)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極によって、前記基板に電気及び熱エネルギを印加し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記基板の所定領域に供給して前記領域を加熱し、
(c)前記領域を冷却し、
(d)ステップ(b)の間、
(i)前記基板に対して相対的な前記電極の移動、
(ii)前記電極に対して相対的な前記基板の移動又は
(iii)前記電極と前記基板のそれぞれに対して相対的な移動
によって、前記所定領域を基板表面上のパスに沿って移動させる
ことを特徴とする基板の切断方法。 - 前記基板は対向電極として閉電気回路を確立するために作用する、請求項1に記載の基板の切断方法。
- 対向電極が、切断される前記基板の反対側に設けられて閉電気回路を確立する、請求項1に記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)はそれ自体、前記電極及び前記所定領域の間での電気アークを発現させ、好ましくは前記電気アークが基板切断に使用される、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記基板の加熱は、前記AC電圧及び/又は電流及び/又は基板と電極間距離を調節することで制御される、請求項1乃至4のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)において、前記電極は、前記基板の片側又は両側で、基板から0mmから100mmの距離に設けられる、請求項1乃至5のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)は、10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数とを供給することで実施される、請求項1乃至6のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記方法はさらに、ステップ(a2)を含み、前記ステップ(b)に先立って前記所定領域を冷却する、請求項1乃至7のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記冷却が、前記所定領域が動くにつれて前記基板上の同じパスに沿って動かされる、請求項1乃至8のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記基板内の引っ張り応力は、前記ステップ(b)に先立って、切断が意図されるパスに沿って誘起又は誘導されている、請求項1乃至9のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記AC電源は、高電圧高周波装置であり、10Vから107VのAC電圧、1kHzから10GHzの周波数を発生することができる、請求項1乃至10のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記高電圧高周波装置は、テスラ変圧器、フライバック変圧器を含む共振変圧器、高出力高周波源及び半導体に基づく高周波固体チョッパーから選択される、請求項11に記載の基板の切断方法。
- 前記基板は、ガラス又はセラミックスを含む電気的絶縁材料、ドープされたシリコン及び結晶性シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素及びインジウムリン化物を含む化合物半導体を含む電気的半導体材料から選ばれる材料から成る、請求項1乃至12のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記電圧及び/又は周波数は、比誘電率、導電率、熱膨張係数、厚さを含む前記基板の電気的及び物理的性質により調節される、請求項11乃至13のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 変圧駆動回路を有する共振変圧器がAC電源として用いられ、前記基板は閉回路の一部となり前記閉回路の前記共振周波数に影響を与えて、変圧装置駆動回路の周波数を、前記基板の寸法及び誘電性を含む物理的性質に応じて調節する、請求項2乃至14のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 共振変圧器がAC電圧源として用いられ、請求項15に記載される前記回路の前記共振に合わせて設定される固定周波数により駆動される、請求項15に記載の基板の切断方法。
- 前記共振変圧器は、AC電源として使用され、前記基板内の前記誘電損失と前記電気アークの前記性質を制御するために、前記共振周波数からずれた周波数で駆動される、請求項1乃至16のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)の際、前記所定領域内の基板材料は溶融されず、除去されず又は前記所定領域から除かれない、請求項1乃至17のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)に際し、前記所定領域内の基板材料は溶融され及び/又は前記所定領域から除かれる、請求項1乃至18のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記基板の分離は、前記基板に機械的に圧縮又は引っ張りの力を印加することで制御される、請求項1乃至19のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)に先立って、最初の人工的なクラックを含む最初の破壊きっかけを基板に導入し、前記ステップ(b)が前記最初の破壊きっかけ部分で開始される、請求項1乃至20のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記ステップ(b)に先立って、第二の人工的クラックを含む第二の破壊きっかけを基板に導入し、前記分離パスが、第二の人工的クラックを含む前記第二の破壊きっかけまで通過して終了するようにステップ(b)を実行する、請求項21に記載の基板の切断方法。
- 前記基板表面上の前記パスに沿った前記所定領域の移動は、前記基板の最初の部分と最終分離部分では、前記部分での前記分離の品質を改良するために速度を減少する、請求項1乃至22のいずれかに記載の基板の切断方法。
- 前記電圧及び/又は周波数は、前記切断の前記最初と前記最終部分での前記減少速度を補償するために、一定の速度/電力比を維持することで、調節される、請求項23に記載の基板の切断方法。
- 請求項1乃至24のいずれかに記載の本発明による方法を実施するための装置であり:
(I)10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数を供給可能なAC電圧源と、
(II)前記AC電圧源に接続する第1の電極と、
(III)切断される前記基板を保持し、前記基板の一表面を前記電極に晒す、保持手段と、
(V)前記電極と前記基板をそれぞれ相対的に移動させる移動手段と、
(VI)(I)と(V)を制御する制御手段と、を含む装置。 - 前記AC電圧源は、周波数発生装置駆動パワー部、前記パワー部に結合するテスラ発生装置として共振変圧器のプライマリコイル、前記第1の電極に結合する前記共振変圧器のセカンダリコイル及び前記共振変圧器のパワー出力を制御/設定するためのフィードバック機構を含む、請求項25に記載の装置。
- さらに、前記電極及び/又は前記保持手段に保持された前記基板を移動可能とする数値制御装置及び管理用カメラを含む、請求項25又は26のいずれかに記載の装置。
- 前記制御手段はまた、前記管理用カメラ及び前記数値制御装置により、前記定義された方法の実施を制御する、請求項27に記載の装置。
- ガラスリボンの幅方向の縁部を切断する方法であって:
(A)切断される幅縁部を有するガラスリボンをロール状に巻いたガラスロールを用意し、前記ガラスロールの巻きをほどいて、前記ほどかれたガラスリボンの幅方向の縁部に、
(B)AC電圧源に接続された1又はそれ以上の電極手段により、前記縁部に電気及び熱エネルギを供給し、1kHzから10GHzの範囲の周波数で、AC電圧及び電流を前記縁部の決められた領域に供給して前記領域を加熱し、
(C)前記領域を冷却し、
(D)ステップ(B)の間、前記領域は前記縁部のパスに沿って、前記電極に関して前記ほどかれたガラスリボンを動かし、前記パスに沿って、前記縁部を切断する、ことを含む方法。 - 前記ステップ(D)の後に、
(E)前記縁部が切断されたガラスリボンを、再びロール状に巻くことを含む、請求項29に記載の方法。 - 前記ステップ(B)の間、少なくとも前記加熱領域のガラスリボン断面に生じる張力が100kPa以下である、請求項29に記載の方法。
- 前記ステップ(D)の切断後、さらに、切断されたガラスリボンと縁部の両方を回収することを含み、前記ガラスリボンの断面と前記縁部の断面に生じる張力の差が50kPa以下である、請求項31に記載の方法。
- 前記ステップ(D)の切断後、さらに、切断されたガラスリボンと縁部の両方を回収することを含み、前記ガラスリボンと前記縁部の搬送高さが異なるものである、請求項31又は32のいずれかに記載の方法。
- 前記回収は、切断されたガラスリボンと縁部の、搬送及び/又は巻き取りにより行う、請求項32又は33のいずれかに記載の方法。
- ガラスリボンの幅方向の縁部を切断する装置であって:
(A)切断される幅縁部を有するガラスリボンをロール状に巻いたガラスロールから、ガラスロールの巻きをほどいてガラスリボンを用意する手段と、
(B)前記ほどかれたガラスリボンを、再びロール状に巻く手段と、
(C)前記ほどかれたガラスリボンの幅方向の縁部を切断する切断手段を含み、
前記切断手段が、
(i)10Vから107Vの範囲の電圧と、1kHzから10GHzの範囲の周波数を供給可能なAC電圧源と、
(ii)前記AC電圧源に結合する第1の電極と、
(iii)切断される前記ガラスリボンの幅方向の縁部を保持し、前記縁部のひとつの側を前記電極に晒す、保持手段と、を含み、
前記ガラスロールの巻きをほどいて、前記ほどかれたガラスリボンの幅方向の縁部を、前記切断手段により切断する、装置。 - さらに、前記縁部が切断されたガラスリボンを、再びロール状に巻く手段を含む、請求項35に記載の装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011069800 | 2011-03-28 | ||
JP2011069800 | 2011-03-28 | ||
PCT/JP2012/057063 WO2012133004A1 (ja) | 2011-03-28 | 2012-03-19 | 基板切断方法及び切断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2012133004A1 true JPWO2012133004A1 (ja) | 2014-07-28 |
Family
ID=46930736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013507408A Pending JPWO2012133004A1 (ja) | 2011-03-28 | 2012-03-19 | 基板切断方法及び切断装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2012133004A1 (ja) |
KR (1) | KR20140006958A (ja) |
CN (1) | CN103476720A (ja) |
TW (1) | TW201309447A (ja) |
WO (1) | WO2012133004A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9481598B2 (en) * | 2013-03-15 | 2016-11-01 | Kinestral Technologies, Inc. | Laser cutting strengthened glass |
US10029941B2 (en) | 2014-03-31 | 2018-07-24 | Corning Incorporated | Machining methods of forming laminated glass structures |
CN116638643B (zh) * | 2023-06-27 | 2024-02-06 | 沈阳和研科技股份有限公司 | 一种划片机共振的解决方法 |
Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3584773A (en) * | 1968-03-29 | 1971-06-15 | Pilkington Brothers Ltd | Cutting of glass |
JPS63162543A (ja) * | 1986-12-12 | 1988-07-06 | ピーピージー インダストリーズ,インコーポレーテツド | ガラス板を切断する方法および設備 |
JPH091370A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-07 | Souei Tsusho Kk | 割断加工方法及び割断加工装置 |
JP2001176820A (ja) * | 1999-12-15 | 2001-06-29 | Hitachi Cable Ltd | 基板の加工方法及びその加工装置 |
JP2004148438A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-05-27 | Shibuya Kogyo Co Ltd | 脆性材料の割断方法およびその装置 |
JP2007055072A (ja) * | 2005-08-24 | 2007-03-08 | Lemi Ltd | 脆性材料の誘電損失に基づく高周波加熱割断方法及び装置 |
JP2009255346A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-05 | Linkstar Japan Co Ltd | 脆性材料基板の加工装置および加工方法 |
JP2010132531A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-06-17 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
JP2010253752A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Lemi Ltd | 脆性材料の割断装置および脆性材料の割断方法 |
JP2011000605A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-01-06 | Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd | 脆性材料基板の割断方法 |
DE102009043602A1 (de) * | 2009-05-14 | 2011-01-20 | Jenoptik Automatisierungstechnik Gmbh | Verfahren zum Kantenverrunden spröder Flachmaterialien |
JP2012180257A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-20 | Asahi Glass Co Ltd | 板状ガラス部材の割断方法、および割断装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE543617T1 (de) * | 2004-04-01 | 2012-02-15 | Picodrill Sa | Herstellung und verwendung von mikroperforierten substraten |
CN102574232A (zh) * | 2009-09-29 | 2012-07-11 | 皮可钻机公司 | 切割基板的方法和用于切割的设备 |
-
2012
- 2012-03-19 CN CN2012800159549A patent/CN103476720A/zh active Pending
- 2012-03-19 JP JP2013507408A patent/JPWO2012133004A1/ja active Pending
- 2012-03-19 KR KR1020137024721A patent/KR20140006958A/ko not_active Application Discontinuation
- 2012-03-19 WO PCT/JP2012/057063 patent/WO2012133004A1/ja active Application Filing
- 2012-03-23 TW TW101110275A patent/TW201309447A/zh unknown
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3584773A (en) * | 1968-03-29 | 1971-06-15 | Pilkington Brothers Ltd | Cutting of glass |
JPS63162543A (ja) * | 1986-12-12 | 1988-07-06 | ピーピージー インダストリーズ,インコーポレーテツド | ガラス板を切断する方法および設備 |
JPH091370A (ja) * | 1995-06-20 | 1997-01-07 | Souei Tsusho Kk | 割断加工方法及び割断加工装置 |
JP2001176820A (ja) * | 1999-12-15 | 2001-06-29 | Hitachi Cable Ltd | 基板の加工方法及びその加工装置 |
JP2004148438A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-05-27 | Shibuya Kogyo Co Ltd | 脆性材料の割断方法およびその装置 |
JP2007055072A (ja) * | 2005-08-24 | 2007-03-08 | Lemi Ltd | 脆性材料の誘電損失に基づく高周波加熱割断方法及び装置 |
JP2009255346A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-05 | Linkstar Japan Co Ltd | 脆性材料基板の加工装置および加工方法 |
JP2010132531A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-06-17 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
JP2010253752A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Lemi Ltd | 脆性材料の割断装置および脆性材料の割断方法 |
DE102009043602A1 (de) * | 2009-05-14 | 2011-01-20 | Jenoptik Automatisierungstechnik Gmbh | Verfahren zum Kantenverrunden spröder Flachmaterialien |
JP2011000605A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-01-06 | Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd | 脆性材料基板の割断方法 |
JP2012180257A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-20 | Asahi Glass Co Ltd | 板状ガラス部材の割断方法、および割断装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2012133004A1 (ja) | 2012-10-04 |
CN103476720A (zh) | 2013-12-25 |
KR20140006958A (ko) | 2014-01-16 |
TW201309447A (zh) | 2013-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20120181264A1 (en) | Method of cutting a substrate and a device for cutting | |
CN102458754B (zh) | 分离脆性材料板的方法 | |
CN107207309B (zh) | 薄玻璃片和用于形成薄玻璃片的系统和方法 | |
TWI591026B (zh) | 用於自連續移動之玻璃帶移除邊緣部分之設備及方法 | |
JP2018172276A (ja) | 積層強化ガラス基板の切断方法 | |
EP2551245A1 (en) | Glass substrate manufacturing method and glass substrate | |
KR20140075769A (ko) | 특수 에지 형성부를 갖는 얇은 유리의 절단 방법 | |
CN106458681B (zh) | 用于生产薄玻璃带的方法和设备以及根据这样的方法生产的薄玻璃带 | |
KR101845575B1 (ko) | 유리판 성형품의 제조 방법 및 유리판 성형품의 제조 장치 | |
KR20120018765A (ko) | 기판 에지의 평활화 및/또는 면취 방법 | |
WO2012133004A1 (ja) | 基板切断方法及び切断装置 | |
CN104641730B (zh) | 等离子体处理装置以及等离子体处理方法 | |
WO2012118083A1 (ja) | 板状ガラス部材の割断方法、および割断装置 | |
CN115734947A (zh) | 制造玻璃带的方法 | |
JP2007055072A (ja) | 脆性材料の誘電損失に基づく高周波加熱割断方法及び装置 | |
JP2021066655A (ja) | ガラス板の製造方法、および該方法により製造されたガラス板並びにその使用 | |
JP2012193093A (ja) | ガラス板、およびその製造方法 | |
WO2012136329A1 (en) | Method of and device for high performance electrothermal cutting by maximising the electric filed inside the substrate | |
TW201232648A (en) | A method of cutting a substrate and a device for cutting | |
TW201313641A (zh) | 強化玻璃之切斷方法 | |
JP2012193092A (ja) | ガラス板、およびその製造方法 | |
JP5207535B2 (ja) | 非晶質薄膜の結晶化装置及び方法、並びに薄膜トランジスタの製造方法 | |
WO2012132973A1 (ja) | 板状ガラス部材の割断方法、および板状ガラス部材の割断装置 | |
Collins | Ultrashort pulse laser scribing of thin flexible glass | |
JP2007147894A (ja) | ブレイキング装置およびブレイキング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150116 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151215 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160531 |