JPWO2012132486A1 - 撮像装置、撮像方法、プログラム、及びプログラム記憶媒体 - Google Patents

撮像装置、撮像方法、プログラム、及びプログラム記憶媒体 Download PDF

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Abstract

フォーカスブラケット撮影を行う際に、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる、撮像装置、撮像方法及びプログラムを提供する。撮像装置は、複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断手段、主要被写体を決定する決定手段、主要被写体と非主要被写体の合焦位置の差が閾値以上である場合に、非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段、主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて順次画像を撮影する撮影手段、主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として基準画像と非基準画像との間で被写体の対応点を検出する検出手段、検出された対応点の位置が一致するように非基準画像を変形する画像変形手段、及び基準画像と変形された非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する画像生成手段を備える。

Description

本願は2011年3月31日出願の日本出願第2011−080398号の優先権を主張すると共に、その全文を参照により本明細書に援用する。
本発明は、撮像装置、撮像方法、プログラム、及びプログラム記憶媒体に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)エリアセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージ・センサ等の固体撮像素子の高解像度化に伴い、デジタル電子スチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)等の撮影機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮影機能を有する情報機器を「撮像装置」と称する。
従来、フォーカスブラケット撮影により焦点位置の異なる複数の画像の撮影を行い、撮影された複数の画像(フォーカスブラケット画像)に対して、対応点検出や画像変形を行い、変形後の画像を合成処理することにより、被写界深度の深い画像や被写界深度の浅い画像を生成していた(例えば、特開2008−271240号公報、特開2008−271241号公報等参照)。即ち、フォーカスブラケット画像から、ぼけのコントロールを行った画像や、画面全体に焦点の合った全焦点画像を得ることが行われていた。
しかしながら、フォーカスブラケット画像は互いに焦点位置が異なるものであるため、画像毎にぼけ度合いが異なる。このため画像間の相関度が低下し、対応点検出に失敗しやすい。この問題は、至近距離から被写体を撮影する「マクロ撮影」を行う場合等に顕著となる。
本発明は上記を考慮してなされたものであり、フォーカスブラケット撮影を行う際に、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度を向上させることができる、撮像装置、撮像方法、プログラム、及びプログラム記憶媒体を提供する。
本発明の第一の態様は、画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断手段と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段と、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段と、前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段と、を備えた撮像装置である。
第一の態様において、前記非主要被写体に対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、前記差を表す物理量が第1閾値を超えないように設定されてもよい。
第一の態様において、前記差を表す物理量は、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間の光軸上の距離、前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の鮮鋭度差、及び前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の周波数成分の変化の少なくとも1つであってよい。
第一の態様において、前記画像生成手段は、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて前記基準画像をぼかすためのフィルタ特性を画素毎に算出するフィルタ特性決定手段と、画素毎に算出されたフィルタ特性に基づいて前記基準画像にフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、を含んでいてもよい。
第一の態様において、前記対応点の検出を行う前に、前記基準画像及び前記非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像及び前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段を更に備えていてもよい。
本発明の第二の態様は、画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断工程と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト工程と、前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、を備えた撮像方法である。
本発明の第三の態様は、コンピュータを、画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断手段、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段、前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明の第四の態様は、コンピュータに撮像処理を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記撮像処理が、画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断工程と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値を超える場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト工程と、前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、を含む。
本発明の第五の態様は、画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断手段と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段と、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断手段と、前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段と、を備えた撮像装置である。
第五の態様において、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第3閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段を更に備え、前記フォーカスブラケット撮影手段は、更に非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて画像を撮影してもよい。
第五の態様において、前記非主要被写体に対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、前記差を表す物理量が第3閾値を超えないように設定されてもよい。
第五の態様において、前記差を表す物理量は、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間の光軸上の距離、前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の鮮鋭度差、及び前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の周波数成分の変化の少なくとも1つであってもよい。
本発明の第六の態様は、画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断工程と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断工程と、前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、を含む、撮像方法である。
本発明の第七の態様は、コンピュータを、画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断手段、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断手段、前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明の第八の態様は、コンピュータに撮像処理を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記撮像処理が、画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断工程と、前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断工程と、前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、を含む。
本発明によれば、フォーカスブラケット撮影を行う際に、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出の精度向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、第1の実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影の動作を説明するための模式図である。 第1の実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影で対応点検出が容易化する理由を説明するための模式図である。 第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る閾値設定方法を説明する模式図である。 第2の実施の形態に係る第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る閾値設定方法を説明する模式図である。 第3の実施の形態に係る第3撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムの処理内容を説明するための模式図である。 第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 (A)及び(B)は第4の実施の形態に係るデジタルカメラにおけるぼかし量の決定手順を説明するための概略図である。 第5の実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影の原理を説明するための模式図である。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、静止画像の撮影を行うデジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
(デジタルカメラの要部構成)
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の要部構成を説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10は、被写体の画像を撮影する撮像系20を含んで構成されている。撮像系20は、被写体像を結像させるためのレンズを含んで構成された光学ユニット22、当該レンズの光軸後方に配設された固体撮像素子24、及び入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26を含んで構成されている。
また、撮像系20は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28、及び入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30を含んで構成されている。なお、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
固体撮像素子24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、固体撮像素子24から出力された被写体像を示すアナログ信号は、アナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
更に、撮像系20は、タイミングジェネレータ32とモータ駆動部34とを含んで構成されている。タイミングジェネレータ32は、主として固体撮像素子24を駆動させるためのタイミング信号(パルス信号)を生成して固体撮像素子24に供給する。固体撮像素子24の駆動は、後述するCPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。モータ駆動部34は、光学ユニット22に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータ、及び絞り駆動モータを駆動する。これら各モータの駆動は、CPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。
本実施の形態に係る光学ユニット22は、複数枚のレンズを有しており、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズ系として構成されている。ズームレンズ系の各レンズは、図示しないレンズ駆動機構により各々独立に駆動されている。このレンズ駆動機構には、上記焦点調整モータ、ズームモータ、及び絞り駆動モータが含まれている。上述した通り、これら各モータは、各々CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動されて、焦点位置をシフトさせる。
また、デジタルカメラ10は、撮影された被写体像やメニュー画面等を表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38、当該被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40、撮影により得られたデジタル画像データ等を一時的に記憶するメモリ48、及びメモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46を含んで構成されている。
また、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50、及びデジタル画像データに対する圧縮処理及び伸張処理を行う圧縮・伸張処理回路54を含んで構成されている。例えば、メモリ48としてフラッシュ・メモリ(Flash Memory)等を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、メモリカード52としてxDピクチャ・カード(登録商標)等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、CPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50、及び圧縮・伸張処理回路54は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46ないし外部メモリインタフェース50を介したアクセスを各々行うことができる。
更に、デジタルカメラ10は、各種スイッチ類を含んで構成された操作部56を備えている。上記の操作部56はCPU40に接続されている。従って、CPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握することができる。
各種スイッチとしては、撮影を実行する際に押圧操作されるレリーズスイッチ(所謂シャッタースイッチ)、デジタルカメラ10の電源のオン/オフを切り替える際に操作される電源スイッチ、撮影を行うモードである撮影モード及び被写体像をLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際に操作されるモード切替スイッチ、LCD38にメニュー画面を表示させるときに押圧操作されるメニュースイッチ、それまでの操作内容を確定するときに押圧操作される決定スイッチ、直前の操作内容をキャンセルするときに押圧操作されるキャンセルスイッチ等がある。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズスイッチは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
そして、デジタルカメラ10では、レリーズスイッチを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
また、デジタルカメラ10には、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発するストロボ44、及びストロボ44とCPU40との間に介在されると共に、CPU40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42が備えられている。さらに、ストロボ44はCPU40にも接続されており、ストロボ44の発光はCPU40によって制御される。
本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより、少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得て、当該複数の画像に基づいて主要被写体の領域(以下、「主要被写体領域」という。)を除く領域(以下、「非主要被写体領域」という。)のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成して記録するフォーカスブラケット撮影機能が搭載されている。
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、ユーザによって操作部56を介してフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定された場合にのみ、上記のフォーカスブラケット撮影が行われ、上記ぼけ調整画像が生成されてメモリカード52に記録される。
(フォーカスブラケット撮影の動作)
次に、図2(A)及び(B)を参照して、本実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影の動作について説明する。従来のフォーカスブラケット撮影では、主要被写体MO(例えば、人物等)と非主要被写体SO(例えば、背景等)の各々に合焦していたために、マクロモードなどで撮影した際に、ぼけ度合いの差が大きくなり過ぎて対応点検出に失敗してしまう場合があった。
図2(A)及び(B)に示すように、本実施の形態のフォーカスブラケット撮影では、1枚は主要被写体MOを合焦位置で撮影し、他の1枚は非主要被写体SOに対する焦点位置を非主要被写体SOの合焦位置から主要被写体側へシフトさせて撮影する。即ち、主要被写体MOはピントを合わせて撮影し、非主要被写体SOはピントをずらして撮影する。なお、本実施の形態では、光学ユニット22のズームレンズ系の各レンズが移動されて、非主要被写体SOに対する焦点位置がシフトする(図1参照)。
ここで、図3を参照して、上記のフォーカスブラケット撮影で対応点検出が容易化する理由について説明する。主要被写体MOの合焦位置で撮影された画像を基準画像60Mとする。基準画像60Mでは、主要被写体MOに合焦しているため、主要被写体MOのぼけ度合いは小さく、非主要被写体SOのぼけ度合いは大きい。一方、非主要被写体SOの合焦位置で撮影された画像を対象画像60Sとする。対象画像60Sでは、非主要被写体SOに合焦しているため、非主要被写体SOのぼけ度合いは小さく、主要被写体MOのぼけ度合いは大きい。このように、ぼけ度合いの差が大き過ぎると、対応点検出に失敗してしまう場合がある。
本実施の形態では、各ズームエリアで主要被写体MOの合焦位置と非主要被写体SOの合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となるシーンを撮影する場合には非主要被写体SOに対する焦点位置を合焦位置から主要被写体MO側にシフトするようにする。非主要被写体SOのシフト後の焦点位置で撮影された画像を非基準画像60PSとする。非基準画像60PSは、対象画像60Sと比較すると、基準画像60Mとのぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。基準画像60Mとの間で対応点の位置が一致するように非基準画像60PSを変形して、変形画像60Aを容易に得ることができる。
また、本実施の形態では、主要被写体MOの合焦位置と非主要被写体SOの合焦位置との差を表す物理量は「光軸上の距離」であり、その閾値として「主要被写体の焦点深度の倍数」が用いられる。焦点深度とは、結像面から像のぼけが許容できる面までの光軸上の距離である。主要被写体MOの合焦位置と非主要被写体SOの合焦位置との間の光軸上の距離に対する閾値は、主要被写体MOの焦点深度のx倍、y倍(例えば、2倍、3倍等)とされる。合焦位置間の光軸上の距離に対する閾値は、対応点検出に成功するか、失敗するかを分ける限界距離に応じて設定される。限界距離か否かは、例えば、経験則に基づいて判断することができる。また、非主要被写体SOに対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、合焦位置間の光軸上の距離が閾値を超えないように設定される。
(第1撮影処理の処理ルーチン)
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図4は、操作部56のレリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。CPU40が後述の各ステップを実行することにより、デジタルカメラ10の各機能部が実現される。当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
まず、ステップ101で、複数の被写体に対して自動合焦位置判断(AF)を行い、主要被写体の合焦位置及び非主要被写体の合焦位置を含む、各撮影位置の焦点位置が決定される(自動焦点位置判断部、主要被写体決定部に対応)。本実施の形態では、フォーカスブラケット撮影の際に設定される焦点位置には、主要被写体の合焦位置と非主要被写体のシフト後の焦点位置とが含まれる。例えば、後述する通り撮影枚数が3枚の場合には、主要被写体の合焦位置F1、第1の非主要被写体のシフト後の焦点位置F2、及び第2の非主要被写体のシフト後の焦点位置F3の計3点をフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置とすることができる。また、設定される焦点位置は、その前後の焦点位置を含んでいてもよい。
次に、ステップ103で、撮影枚数が予め定められた枚数か否かを判定する。本実施の形態では、予め定められた撮影枚数は2枚であり、否定判定の場合は3枚撮影する。ステップ103で肯定判定の場合はステップ105に進み、否定判定の場合はステップ117に進む。ステップ105では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間の光軸上の距離(以下、「合焦位置間の差」という。)が、主要被写体の焦点深度のx倍未満か否かを判定する。
合焦位置間の差が焦点深度のx倍以上の場合には、ステップ105で否定判定してステップ107に進む。ステップ107では、非主要被写体に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体の焦点深度のx倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。合焦位置間の差が焦点深度のx倍未満の場合には、ステップ105で肯定判定してステップ109に進む。ステップ109では、後述する通り、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われる(フォーカスブラケット撮影部に対応)。
本実施の形態では、ステップ103で否定判定されると撮影枚数は3枚になる。撮影枚数が3枚の場合は、主要被写体の画像が何枚目の画像かにより焦点位置をシフトする画像群が異なる。ステップ117では、主要被写体の画像が1枚目か否かを判定する。ステップ117で肯定判定の場合はステップ119に進み、否定判定の場合はステップ127に進む。ステップ119では、主要被写体(1枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度のx倍未満か否かを判定する。
合焦位置間の差が焦点深度のx倍以上の場合には、ステップ119で否定判定してステップ121に進む。ステップ121では、非主要被写体(2枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(1枚目)の焦点深度のx倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(2枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。合焦位置間の差が焦点深度のx倍未満の場合には、ステップ119で肯定判定してステップ123に進む。
ステップ123では、主要被写体(1枚目)の合焦位置と非主要被写体(3枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度のy倍(y>x)未満か否かを判定する。合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ123で否定判定してステップ125に進む。ステップ125では、非主要被写体(3枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(1枚目)の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(3枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。
ステップ121の処理に続いてステップ125の処理が実行されて、ステップ109に進む。また、焦点位置間の差が焦点深度のy倍未満の場合には、ステップ123で肯定判定してステップ109に進む。ステップ109では、後述する通り、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われる。
ステップ127では、主要被写体の画像が2枚目か否かを判定する。ステップ127で肯定判定の場合はステップ129に進み、否定判定の場合は主要被写体の画像は3枚目であるからステップ137に進む。ステップ129では、主要被写体(2枚目)の合焦位置と非主要被写体(1枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度のx倍未満か否かを判定する。
合焦位置間の差が焦点深度のx倍以上の場合には、ステップ129で否定判定してステップ131に進む。ステップ131では、非主要被写体(1枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(2枚目)の焦点深度のx倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(1枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。合焦位置間の差が焦点深度のx倍未満の場合には、ステップ129で肯定判定してステップ133に進む。
ステップ133では、主要被写体(2枚目)の合焦位置と非主要被写体(3枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度のy倍未満か否かを判定する。合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ133で否定判定してステップ135に進む。ステップ135では、非主要被写体(3枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(2枚目)の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(3枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。
ステップ135の処理が実行されて、ステップ109に進む。また、合焦位置間の差が焦点深度のy倍未満の場合には、ステップ133で肯定判定してステップ109に進む。ステップ109では、後述する通り、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われる。
ステップ137では、主要被写体(3枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(3枚目)の焦点深度のx倍未満か否かを判定する。合焦位置間の差が焦点深度のx倍以上の場合には、ステップ137で否定判定してステップ139に進む。ステップ139では、非主要被写体(2枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(3枚目)の焦点深度のx倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(2枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。合焦位置間の差が焦点深度のx倍未満の場合には、ステップ137で肯定判定してステップ141に進む。
ステップ141では、主要被写体(3枚目)の合焦位置と非主要被写体(1枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(3枚目)の焦点深度のy倍未満か否かを判定する。合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ141で否定判定してステップ143に進む。ステップ143では、非主要被写体(1枚目)に対する焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体(3枚目)の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体(1枚目)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。
ステップ139の処理に続いてステップ143の処理が実行されて、ステップ109に進む。また、合焦位置間の差が焦点深度のx倍未満の場合には、ステップ141で肯定判定してステップ109に進む。ステップ109では、後述する通り、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われる。
次に、ステップ109で、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われ、これにより得られた撮影画像がメモリ48の所定領域に格納される。なお、本実施の形態では、光学ユニット22のズームレンズ系の各レンズが、図示しないレンズ駆動機構により駆動されている。レンズ駆動機構に含まれる各モータは、CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動されて、設定された焦点位置で撮影が行われるように焦点位置が制御される(図1参照)。
次のステップ111では、以上の処理によって得られた撮影画像のうち、主要被写体に合焦されている画像を基準画像とし、当該基準画像を除く画像を非基準画像として、基準画像と非基準画像との間で対応点の検出を行う(対応点検出部に対応)。本実施の形態では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトするので、基準画像と非基準画像とのぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。
なお、図3では説明の便宜上、非主要被写体のシフト後の焦点位置で撮影された画像を「非基準画像60PS」とすると説明したが、非主要被写体のシフトしていない焦点位置で撮影された画像も非基準画像である。
以下、当該対応点の検出手順について説明する。対応点検出は、複数画像間で対応する点の位置関係を求めるものである。例えば、基準画像から特徴点を抽出し、その特徴点が非基準画像(追跡画像)のどの位置に移動したかを追跡することにより、対応点の検出を行う。特徴点の抽出の手法としては、従来公知の種々の手法を用いることができる。例えば、ある点を中心とする所定領域内の輝度の標準偏差が所定値以上の場合に、その点を特徴点として抽出することができる。特徴点が多い方が以後の処理を精度よく行うことができるが、特徴点が多くなると処理負荷が増大するため、特徴点の数はハード性能から適宜決めればよい。
次に、CPU40は、非基準画像の何れか1つを追跡画像として選択し、当該追跡画像において、基準画像から抽出された特徴点の1つを選択して、この特徴点がどの位置へ移動したかを追跡する。追跡の手法としては、従来公知の種々の手法を用いることができる。例えば、ある点を中心とする所定領域内の相互相関係数が最小となるような座標を見つける手法(ブロックマッチング法)を用いて追跡を行うことができる。以上の基準画像における特徴点の追跡を全ての非基準画像について実行することにより、対応点の検出処理が終了する。
次のステップ113では、上記ステップ111の処理によって得られた対応する非基準画像の対応点の位置が基準画像の対応点の位置に極力一致するように、非基準画像に対して画像の変形を行う(画像変形部に対応)。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、当該画像の変形を、非基準画像に対する平行移動、回転移動、縮小・拡大処理により行う。これらの画像変形は、複数組の対応点の距離の総和が最小となるように移動ベクトルを決めればよい。なお、これらの平行移動、回転移動、及び拡大・縮小処理は、アフィン変換により行う。
また、基準画像と非基準画像との間に複雑な動きが生じている場合は、全ての対応点をより精度よく一致させるためにはワーピングを行う。ワーピングは、全ての対応点の組を完全に一致するような移動ベクトルを選択すると共に、その周囲の点も補間により求めるものである。
次のステップ115で、ぼかし量を算出してぼけ強調処理等のぼかし処理を行う(画像生成部に対応)。なお、得られたぼけ調整画像は、外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録し、その後に本第1撮影処理プログラムを終了する。
以下では、ぼかし量の算出手順及びぼかし処理について説明する。まず、CPU40は、基準画像及び非基準画像の各々について、各画素の鮮鋭度を算出する(フィルタ特性決定部に相当)。鮮鋭度の算出については、ラプラシアンフィルタ処理による出力値の絶対値を算出することにより行う。ラプラシアンフィルタ処理を行うことによりエッジ検出をすることができ、この出力値の絶対値が鮮鋭度を示す。画像のぼけと鮮鋭度に関しては、画像のぼけが小さい画素ほど鮮鋭度が高く、ぼけが大きくなるほど鮮鋭度が低くなるという関係がある。なお、ラプラシアンフィルタのカーネルはこの例に限定されるものではなく、またラプラシアンフィルタ以外の鮮鋭度算出フィルタを用いてもよい。
次に、CPU40は、画素毎に、算出した鮮鋭度の最大値をnとし、基準画像の鮮鋭度をcとして、次の(8)式によりぼかし量kを算出する。
k=u×(n−c) 式(8)
ここで、uはユーザが指定したぼけ強調度合いであり、uが1.0よりも大きければ基準設定よりもぼけが強調され、uが1.0未満の場合は基準設定よりもぼけが緩和される画像となる。なお、ぼけ強調度合いuは、ユーザが操作部56を操作することにより設定が可能となっている。また、本実施の形態では、c=3である。
次に、算出されたぼかし量を用いてぼかし処理を行う(フィルタ処理部に相当)。本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、ぼかし処理にガウシアンフィルタを用いる。まず、CPU40は、得られたぼかし量kから何れかの画素に対応するぼかし量を選択し、ぼかし量の絶対値|k|と所定の閾値Thとの比較を行う。所定の閾値Thの方が大きい場合は、この画素を合焦領域とみなして被写体の合焦位置F3で撮影した画素値を出力する。ぼかし量の絶対値|k|の方が大きい場合は、この画素をぼけ強調すべき領域とみなしてフィルタ係数を決定する。
前述したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、このフィルタ処理にガウシアンフィルタを用いる。ぼかし量の絶対値|k|が所定の閾値Th以上のとき、ぼかし量の絶対値|k|と比例関係にあるガウシアンフィルタのσパラメータが求められ、このσパラメータに応じたガウシアンフィルタ係数f(x)を決定する。CPU40は、メモリ48の所定領域に記憶されたこの関係に基づいてσパラメータを決定する。
ガウシアンフィルタはσパラメータが大きいほど周辺画素の重みを大きくして加重平均をとる。従って、ぼかし量の絶対値|k|の大きさに応じてσパラメータを大きくすることにより、ぼかし量の絶対値|k|が大きいほど平滑化の度合いを大きくすることができる。このように求められたσパラメータからフィルタ係数f(x)を算出し、算出されたフィルタ係数の総和が1になるように正規化を行う。
以上のような、ぼかし量に応じたフィルタ処理を全ての画素について行うことにより、主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整された、ぼけ調整画像が生成される。このように、主要被写体の合焦位置で撮影された基準画像に対してフィルタ処理を行うことにより、より自然なぼけ強調が可能となる。なお、このフィルタ処理に用いるフィルタはガウシアンフィルタに限られるものではなく、ローパスフィルタなら他のフィルタでも構わない。例えば、絞りやレンズの特性に応じたぼけ形状を持ったフィルタを用いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせて非基準画像を取得するので、基準画像と非基準画像とのぼけ度合いの差が小さくなる。従って、ぼけ度合いの差が大き過ぎる場合であっても、焦点位置を変えずに非基準画像を撮影する従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる。
特に、対応点検出の失敗が多い、ぼけ度合いの差が大きいシーン(マクロシーンや高倍率ズームシーン)でも、適切に対応点検出を行うことができ、ぼかし効果を発揮できるようになる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。第2の実施の形態は、合焦位置間の差が閾値以上か否かを判断する基準を変更した以外は、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるため、同じ部分については説明を省略する。なお、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(フォーカスブラケット撮影の動作)
次に、本実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影の動作について説明する。本実施の形態のフォーカスブラケット撮影では、第1の実施の形態と同様に、1枚は主要被写体MOの合焦位置で撮影し、他の1枚は非主要被写体SOに対する焦点位置を非主要被写体SOの合焦位置から主要被写体側へシフトさせて撮影する。即ち、主要被写体MOはピントを合わせて撮影し、非主要被写体SOはピントをずらして撮影する。また、第1の実施の形態と同様に、主要被写体MOの合焦位置と非主要被写体SOの合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となるシーンを撮影する場合には非主要被写体SOに対する焦点位置を合焦位置から主要被写体MO側にシフトするようにする。
ここで、図5を参照して、上記のフォーカスブラケット撮影で対応点検出が容易化する理由について説明する。主要被写体MOの合焦位置で撮影された画像を基準画像60Mでは、主要被写体MOのぼけ度合いは小さく、非主要被写体SOのぼけ度合いは大きい。一方、非主要被写体SOの合焦位置で撮影された画像を対象画像60Sでは、非主要被写体SOのぼけ度合いは小さく、主要被写体MOのぼけ度合いは大きい。
本実施の形態では、合焦位置間の差を表す物理量は「画像内で選択された選択領域の鮮鋭度差」であり、その閾値として「基準画像における主要被写体の鮮鋭度と非基準画像における主要被写体の鮮鋭度との差(選択領域の鮮鋭度差)」が用いられる。鮮鋭度とは、カメラの解像力を意味する。コントラストの再現性などを物理的に精密に測定することで、鮮鋭度が評価される。鮮鋭度の評価値としては、例えばAF評価値等のコントラスト評価値を使用することができる。
図5に示すように、基準画像60Mと対象画像60Sとに関し鮮鋭度を分析するエリアを選択する。このとき、例えば、主要被写体MOの一部等、基準画像60M内で鮮鋭度が最も高いエリアを共通の分析エリアとして選択する。以下、選択された分析エリアを「選択領域」という。選択領域の鮮鋭度差に閾値を設けて、鮮鋭度分析を行った結果、選択領域の鮮鋭度差が閾値x以上となる場合には、非主要被写体SOに対する焦点位置を合焦位置から主要被写体MO側にシフトするようにする。なお、第1の実施の形態と同様に、撮影枚数が3枚以上となる場合には、閾値x、閾値yというように複数の閾値が設定される。
選択領域の鮮鋭度差に対する閾値は、対応点検出に成功するか、失敗するかを分ける限界に応じて設定される。例えば、鮮鋭度の評価値として「AF評価値」を使用する場合には、経験則に従って閾値となる「AF評価値の差」を設定することができる。また、非主要被写体SOに対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、選択領域の鮮鋭度差が閾値を超えないように設定される。
非主要被写体SOのシフト後の焦点位置で撮影された非基準画像60PSでは、対象画像60Sと比較すると、選択領域の鮮鋭度差が小さくなっている。換言すれば、非基準画像60PSは、対象画像60Sと比較すると、基準画像60Mとのぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。従って、基準画像60Mとの間で対応点の位置が一致するように非基準画像60PSを変形して、変形画像を容易に得ることができる。
(第2撮影処理の処理ルーチン)
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。図6は、操作部56のレリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、第1の実施の形態と同様に、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能が設定されている。
なお、図6に示す第2撮影処理の処理ルーチンは、図4のステップ105、107及び109、ステップ119、121及び109、ステップ123、125及び109等、「主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差が主要被写体の焦点深度のx倍(又はy倍)未満か否かを判定する工程」、「合焦位置間の差が焦点深度のx倍(又はy倍)以上の場合に、非主要被写体に対する焦点位置を当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体の焦点深度のx倍(又はy倍)となる地点までシフトする工程」、「設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影を行う工程」に代えて実行される。
まず、ステップ201で、基準画像と非基準画像(対象画像)とに共通する分析エリアとして、鮮鋭度分析エリア(選択領域)を決定する。次に、ステップ203で、選択領域内の鮮鋭度を評価し、「基準画像における主要被写体の鮮鋭度と非基準画像における主要被写体の鮮鋭度との差」、即ち、選択領域の鮮鋭度差が閾値x以上か否かを判定する。選択領域の鮮鋭度差がx以上の場合には、ステップ203で肯定判定してステップ205に進む。
ステップ205では、非主要被写体の焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から選択領域の鮮鋭度差がxとなる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。続くステップ207では、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われて、第2撮影処理プログラムを終了する。一方、選択領域の鮮鋭度差が閾値x未満の場合には、ステップ203で否定判定してステップ207に進み、ステップ207でフォーカスブラケット撮影が行われて(フォーカスブラケット撮影部に対応)、第2撮影処理プログラムを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、選択領域の鮮鋭度差に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせて非基準画像を取得するので、選択領域の鮮鋭度差、即ち、基準画像と非基準画像とのぼけ度合いの差が小さくなる。従って、従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる。特に、ぼけ度合いの差が大きいシーンでも、適切に対応点検出を行うことができ、ぼかし効果を発揮できるようになる。
また、鮮鋭度の評価値としてAF評価値等のコントラスト評価値を使用することで、機差による影響を受け難くなる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細に説明する。第3の実施の形態は、合焦位置間の差が閾値以上か否かを判断する基準を変更した以外は、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるため、同じ部分については説明を省略する。なお、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(フォーカスブラケット撮影の動作)
次に、本実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影の動作について説明する。本実施の形態のフォーカスブラケット撮影では、第1の実施の形態と同様に、1枚は主要被写体MOの合焦位置で撮影し、他の1枚は非主要被写体SOに対する焦点位置を非主要被写体SOの合焦位置から主要被写体側へシフトさせて撮影する。即ち、主要被写体MOはピントを合わせて撮影し、非主要被写体SOはピントをずらして撮影する。
ここで、図7を参照して、上記のフォーカスブラケット撮影で対応点検出が容易化する理由について説明する。主要被写体MOの合焦位置で撮影された基準画像60Mでは、主要被写体MOのぼけ度合いは小さく、非主要被写体SOのぼけ度合いは大きい。一方、非主要被写体SOの合焦位置で撮影された対象画像60Sでは、非主要被写体SOのぼけ度合いは小さく、主要被写体MOのぼけ度合いは大きい。レリーズスイッチを半押し状態にした時点で、AF機能により合焦制御しながら撮影されたプリ撮影画像でも同様である。
本実施の形態では、合焦位置間の差を表す物理量は「画像内で選択された選択領域の周波数成分の変化」であり、その閾値として「基準画像の平均周波数を非基準画像の平均周波数で除算した商(選択領域の周波数変化)」が用いられる。周波数成分(空間周波数成分)とは、画像を構成する周期的構造の細かさを表す量である。例えば、基準画像60M内の主要被写体MOの部分では、高周波成分の割合が多く、平均周波数は高くなる。
図7に示すように、プリ撮影を行って基準画像60Mと対象画像60Sとを取得する。得られた基準画像60Mと対象画像60Sの各々に、ハイパスフィルタをかけ高周波成分(輪郭)を抽出する。基準画像60Mから高周波成分を抽出した画像を高周波基準画像60FMとする。高周波基準画像60FMでは、高周波成分を抽出しているため、主要被写体MO部分での平均周波数は高く、非主要被写体SO部分での平均周波数は低い。一方、対象画像60Sから高周波成分を抽出した画像を高周波対象画像60FSとする。高周波基準画像60FSでは、主要被写体MO部分での平均周波数は低く、非主要被写体SO部分での平均周波数は高い。
高周波基準画像60FMと高周波対象画像60FSとに関し、周波数成分を分析するエリアを選択する。このとき、例えば、主要被写体MOの一部等、基準画像60FM内で最も高い周波数成分が存在するエリアを共通の分析エリアとして選択する。以下、選択された分析エリアを「選択領域」という。選択領域の周波数変化に閾値を設けて、周波数成分分析(即ち、周波数成分の比較)を行った結果、選択領域の周波数変化が閾値x未満となる場合には、非主要被写体SOに対する焦点位置を合焦位置から主要被写体MO側にシフトするようにする。
選択領域の周波数変化に対する閾値は、対応点検出に成功するか、失敗するかを分ける限界に応じて設定される。例えば、選択領域の周波数変化を「(基準画像の平均周波数/非基準画像の平均周波数)×100」とした場合には、経験則に従って閾値x%未満(例えば、50%未満)と設定することができる。また、非主要被写体SOに対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、選択領域の周波数変化が閾値を超えないように設定される。
非主要被写体SOのシフト後の焦点位置で撮影された非基準画像に対応する高周波画像では、高周波対象画像60FSと比較すると、選択領域の周波数変化が小さくなっている。換言すれば、非基準画像に対応する高周波画像は、高周波対象画像60FSと比較すると、高周波基準画像60FMとのぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。従って、対応点の位置が一致するように非基準画像に対応する高周波画像を変形して、変形画像を容易に得ることができる。
(第3撮影処理の処理ルーチン)
次に、図8を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。図8は、操作部56のレリーズスイッチを半押し状態にした時点で、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第3撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、第1の実施の形態と同様に、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能が設定されている。
なお、図8に示す第3撮影処理の処理ルーチンは、図4のステップ105、107及び109、ステップ119、121及び109、ステップ123、125及び109等、「主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差が主要被写体の焦点深度のx倍(又はy倍)未満か否かを判定する工程」、「合焦位置間の差が焦点深度のx倍(又はy倍)以上の場合に、非主要被写体に対する焦点位置を当該非主要被写体の合焦位置から主要被写体の焦点深度のx倍(又はy倍)となる地点までシフトする工程」、「設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影を行う工程」に代えて実行される。
まず、ステップ301で、レリーズスイッチが半押し状態にされたことを検出する。次のステップ303で、AF機能により合焦制御しながらプリ撮影が行われ、これにより得られたプリ撮影画像がメモリ48の所定領域に格納される。次に、ステップ305で、プリ撮影画像をフィルタ処理して高周波成分を抽出する。フィルタ処理には、ハイパスフィルタを適用する。次に、ステップ307で、フィルタ処理されたプリ撮影画像に対し周波数成分の分析を行う分析エリア(選択領域)を決定する。
次に、ステップ309で、周波数成分分析を行う。即ち、基準画像と非基準画像(対象画像)の各々について選択領域内での平均周波数を算出し、選択領域の周波数変化として「(基準画像の平均周波数/非基準画像の平均周波数)×100」の値を求める。次に、ステップ311で、選択領域の周波数変化が閾値であるx%未満か否かを判定する。ステップ311で肯定判定の場合はステップ313に進み、否定判定の場合はステップ315に進む。
ステップ313では、非主要被写体の焦点位置が、当該非主要被写体の合焦位置から選択領域の周波数変化がx%未満となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。即ち、非主要被写体のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。続くステップ315では、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われて(フォーカスブラケット撮影部に対応)、第3撮影処理プログラムを終了する。一方、選択領域の周波数変化がx%以上の場合には、ステップ311で否定判定してステップ315に進み、ステップ315でフォーカスブラケット撮影が行われて、第3撮影処理プログラムを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、選択領域の周波数変化に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせて非基準画像を取得するので、選択領域の周波数変化、即ち、基準画像と非基準画像とのぼけ度合いの差が小さくなる。従って、従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる。特に、ぼけ度合いの差が大きいシーンでも、適切に対応点検出を行うことができ、ぼかし効果を発揮できるようになる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について詳細に説明する。第4の実施の形態は、フォーカスブラケット撮影の後で且つ対応点の検出を行う前に、基準画像に画像処理を施す以外は、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるため、同じ部分については説明を省略する。なお、本第4の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、図9及び図10を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。図9は、第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムの処理内容を説明するための模式図である。図10は、操作部56のレリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第4撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、第1の実施の形態と同様に、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能が設定されている。
まず、ステップ401で、複数の被写体に対して自動合焦位置判断(AF)を行い、主要被写体の合焦位置及び非主要被写体の合焦位置を含む、各撮影位置の焦点位置が決定される(自動焦点位置判断部、主要被写体決定部、焦点位置シフト部に対応)。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となるシーンを撮影する場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトするようにする。従って、フォーカスブラケット撮影の際に設定される焦点位置には、主要被写体の合焦位置と非主要被写体のシフト後の焦点位置とが含まれる。また、設定される焦点位置は、その前後の焦点位置を含んでいてもよい。
次に、ステップ403で、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われ、これにより得られた撮影画像がメモリ48の所定領域に格納される(フォーカスブラケット撮影部に対応)。
次に、ステップ405では、以上の処理によって得られた撮影画像のうち、主要被写体に合焦されている画像を基準画像として設定する。続くステップ407で、基準画像を除く画像を非基準画像として選択し、非基準画像として設定する。
次に、ステップ409では、基準画像に対して平滑化処理を施すことにより、基準画像のぼけの度合を非基準画像のぼけの度合に近づける復元処理を行う(画像処理部に対応)。復元処理は、画像に生じた劣化を復元する復元フィルタを用いたフィルタ処理である。復元フィルタは、焦点位置ズレや手ブレによるぼけを復元する際に用いられるフィルタである。復元フィルタとしては、一般にウィナーフィルタ等が知られている。
本実施の形態では、復元処理は、後述するぼけ半径に基づいてフィルタ特性を有する復元フィルタを用いて行われる。なお、平滑化処理が施された基準画像は、フォーカスブラケット撮影によって得られた基準画像とは別に生成される。ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、基準画像に対する平滑化処理によるぼかし量を次のように決定する。
図11に示すように、焦点距離をf[mm]、F値をFとするレンズを用いて、ある基準被写体が合焦するように像面が配置されているとする。ここで、基準被写体距離(基準被写体からレンズ中心Hまでの距離)をd[mm]とし、基準被写体の焦点(像面)とレンズ中心Hとの距離をb[mm]とする。また、任意の位置にある被写体の被写体距離をd[mm]、この被写体の焦点とレンズ中心Hとの距離をb[mm]とする。
このとき、任意被写体の被写体距離d[mm]とぼけ半径r[mm]との関係について考える。なお、図11(A)は任意被写体が基準被写体よりも手前にあるとき(NEAR側:d≦d)の関係を表し、図11(B)は任意被写体が基準被写体よりも遠くにあるとき(FAR側:d>d)の関係を表している。このとき、結像公式より以下の(1)式および(2)式が成り立つ。


また、像面側で形成する相似三角形の関係より、以下の(3)式および(4)式が成り立つ。


ここで、開口径の半径をf/2Fとしているが、これは「F値=焦点距離/開口径」という定義に基づくものである。
また、(3)式および(4)式をまとめて、以下の(5)式で表せる。


(1)式および(2)式をb、bに対して解き、これらを(5)式に代入すると任意の被写体距離dとぼけ半径rについて以下の関係式が得られる。


ただし、合焦被写体距離は焦点距離よりも長い、つまりd>f(1/f>d)が成り立つものとする。このぼけ半径r[mm]が平滑化度合の目安となる。
固体撮像素子24の画素ピッチをp[μm]とすれば、画素単位でのぼけ半径rは、以下の(7)式で表される。


最後に、上記ぼけ半径に基づいてフィルタ特性を決定する。具体的な方法としては、特開2008−271240号公報の段落0109〜0111に記載されているガウシアンフィルタを適用する。当該公報では、σパラメータに基づいてガウシアンフィルタの係数を決定しているが、本実施の形態では、σ=k×rとしたうえで係数を決定する。ここで、kは平滑化度合を調整するための定数である。
次のステップ411では、上記ステップ409の処理によって平滑化処理が施された基準画像と非基準画像との間における対応点の検出を行う(対応点検出部に対応)。次のステップ413では、上記ステップ411の処理によって得られた対応する非基準画像の対応点の位置が基準画像の対応点の位置に極力一致するように、非基準画像に対して画像の変形を行う(画像変形部に対応)。対応点検出、画像変形の手法については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップ415で、すべての非基準画像について画像変形が行われたか否かを判定し、肯定判定となるまでステップ407〜ステップ415の処理を繰り返し行う。即ち、ステップ415で肯定判定の場合はステップ417に進み、ステップ415で否定判定の場合はステップ407に戻る。
次に、ステップ417で、ぼかし量の算出を行う。なお、算出されたぼかし量を用いて、手前が黒で且つ奥が白の距離画像を生成することもできる。この距離画像では、手前(黒)から奥(白)にかけてぼかし量が減少する。次のステップ419では、算出されたぼかし量を用いてぼけ強調等のぼかし処理を行う(画像生成部に対応)。ぼかし量の算出、ぼかし処理の手法については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。得られたぼけ調整画像は、外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録し、その後に本第4撮影処理プログラムを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせて非基準画像を取得するので、基準画像と非基準画像とのぼけ度合いの差が小さくなる。従って、ぼけ度合いの差が大き過ぎる場合であっても、焦点位置を変えずに非基準画像を撮影する従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、距離画像を生成する場合には、焦点位置の差が一定量以上必要となるため焦点位置のシフトにも限界があるが、対応点検出前に基準画像に復元フィルタを適用して鮮鋭度を増した基準画像を取得し、復元処理後の基準画像と非基準画像との間で対応点検出を行うので、更に対応点検出の精度向上を図ることができる。
なお、上記第4の実施の形態では、基準画像について平滑化処理を行う場合について説明したが、基準画像及び非基準画像の少なくとも一方に画像処理(復元処理)が施されていればよい。また、復元処理を行うことにより基準画像のぼけ度合を非基準画像のぼけ度合に近づけることができればよく、復元処理は平滑化処理には限定されない。例えば、基準画像及び非基準画像の少なくとも一方に鮮鋭化処理を施してもよい。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について詳細に説明する。第5の実施の形態は、フォーカスブラケット撮影、対応点検出及び画像変形(位置合わせ)の手法を変更した以外は、第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるため、同じ部分については説明を省略する。なお、本第5の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(フォーカスブラケット撮影から画像変形までの動作)
次に、図12を参照して、本実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影から画像変形までの動作について説明する。図12に示すように、本実施の形態に係るフォーカスブラケット撮影では、1枚は主要被写体MOの合焦位置で撮影し、他の1枚は非主要被写体SOの合焦位置で撮影する。即ち、主要被写体MO及び非主要被写体SOの両方にピントを合わせて撮影する。
主要被写体MOの合焦位置で撮影された基準画像60Mは、主要被写体MOに合焦しているため、主要被写体MOのぼけ度合いは小さく、非主要被写体SOのぼけ度合いは大きい。一方、非主要被写体SOの合焦位置で撮影された対象画像60Sは、非主要被写体SOに合焦しているため、非主要被写体SOのぼけ度合いは小さく、主要被写体MOのぼけ度合いは大きい。このように、ぼけ度合いの差が大き過ぎると、対応点検出に失敗してしまう場合がある。
本実施の形態では、主要被写体MOを合焦位置と非主要被写体SOの焦点位置との間の焦点位置で、中間画像60Nを撮影する。基準画像60Mと中間画像60Nとのぼけ度合いの差は、基準画像60Mと対象画像60Sとのぼけ度合いの差よりも小さい。また、中間画像60Nと対象画像60Sとのぼけ度合いの差は、基準画像60Mと対象画像60Sとのぼけ度合いの差よりも小さい。従って、基準画像60Mと中間画像60N、中間画像60Nと対象画像60Sというように、互いに隣接する隣接画像間で対応点検出を行うと、ぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。
また、基準画像60Mと中間画像60N、中間画像60Nと対象画像60Sの順序で、対応点検出及び画像変形を行うと、基準画像60Mと対象画像60Sとの間で対応点検出及び画像変形を行ったのと同じ結果になる。即ち、基準画像60Mと中間画像60Nとの間で対応点検出及び画像変形を行うと、中間画像60Nに対し画像変形された変形中間画像60NAが得られる。この変形中間画像60NAと対象画像60Sとの間で対応点検出及び画像変形を行うと、対象画像60Sに対し画像変形された変形対象画像60SAが得られる。変形対象画像60SAは、基準画像60Mと対象画像60Sとの間で対応点検出及び画像変形を行って得られた変形画像と同じ画像である。
(第5撮影処理の処理ルーチン)
次に、図13〜図17を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図13〜図17は、操作部56のレリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、第1の実施の形態と同様に、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能が設定されている。
まず、ステップ501で、複数の被写体に対して自動合焦位置判断(AF)を行い、主要被写体の合焦位置及び非主要被写体の合焦位置を含む、各撮影位置の焦点位置が決定される(自動焦点位置判断部、主要被写体決定部に対応)。本実施の形態では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差に閾値を設けて、この閾値以上となるシーンを撮影する場合には主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影する。従って、フォーカスブラケット撮影の際に設定される焦点位置には、主要被写体の合焦位置、非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置が含まれる。また、設定される焦点位置は、その前後の焦点位置を含んでいてもよい。
次に、ステップ503で、撮影枚数が予め定められた枚数か否かを判定する。本実施の形態では、予め定められた撮影枚数は2枚であり、否定判定の場合は3枚撮影する。ステップ503で肯定判定の場合はステップ505に進み、否定判定の場合は「処理A」に進む。ステップ505では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差が、主要被写体の焦点深度のy倍未満か否かを判定する。
焦点位置間の差が焦点深度のy倍未満の場合には、ステップ505で肯定判定してステップ507に進む。続くステップ507では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差が、主要被写体の焦点深度のx倍以下か否かを判定する(追加撮影判断部に対応)。ここでx、yは、x<yの関係にある。合焦位置間の差が焦点深度のx倍以下の場合には、ステップ507で肯定判定してステップ509に進む。ステップ509では、合焦位置間の差がx倍以下と小さく中間画像を撮影する必要はないので、撮影枚数は2枚と決定されて次の「処理E」に進む。
合焦位置間の差が焦点深度のx倍より大きい場合には、ステップ507で否定判定してステップ511に進む。ステップ509では、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。即ち、中間焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。従って、ステップ513では、中間画像を撮影するため撮影枚数が1枚増加し、撮影枚数は3枚と決定されて次の「処理E」に進む。
合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ505で否定判定してステップ515に進む。ステップ515では、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置はフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。次に、ステップ517では、非主要被写体の焦点位置が、合焦位置から主要被写体の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。なお、非主要被写体のシフト後の焦点位置が、中間焦点位置と重ならないようにする。
即ち、合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上と大きい場合には、中間画像の撮影を行うと共に、非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせる。この場合には、非主要被写体のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。この場合も、ステップ513で撮影枚数は3枚と決定されて、次の「処理E」に進む。
本実施の形態では、ステップ503で否定判定されると撮影枚数は3枚になる。撮影枚数が3枚の場合は、主要被写体の画像が何枚目の画像かにより中間焦点位置を設定する画像群が異なる。ステップ519では、主要被写体の画像が何枚目かを判定する。主要被写体の画像が1枚目の場合はステップ521に進み、主要被写体の画像が2枚目の場合は「処理C」に進み、主要被写体の画像が3枚目の場合は「処理D」に進む。
ステップ521では、主要被写体(1枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍(ここでは「a倍」と表す)かを判定する(追加撮影判断部に対応)。詳しくは、合焦位置間の差が、「焦点深度のx倍以下か」、「焦点深度のx倍より大きく且つy倍未満か」及び「焦点深度のy倍以上か」の何れの場合であるかを判定する。
ステップ521で合焦位置間の差が焦点深度のx倍以下の場合には、ステップ523に進む。次のステップ523では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍かを判定する(追加撮影判断部に対応)。ステップ523で合焦位置間の差が焦点深度のx倍以下の場合には、ステップ525に進む。ステップ525では、合焦位置間の差がx倍以下と小さく中間画像を追加撮影する必要はないので、撮影枚数は3枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ523で合焦位置間の差が焦点深度のx倍より大きく且つy倍未満である場合には、ステップ527に進む。次のステップ527では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。即ち、中間焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。従って、ステップ529では、中間画像を追加撮影するため、撮影枚数は4枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ523で合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ531に進む。次のステップ531では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。次のステップ533では、非主要被写体(3枚明)の焦点位置が、合焦位置から主要被写体の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。
即ち、合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上と大きい場合には、中間画像の撮影を行うと共に、非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせる。この場合には、非主要被写体(3枚明)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。この場合も、ステップ529で撮影枚数は4枚と決定されて、次の「処理E」に進む。
ステップ521で合焦位置間の差が焦点深度のx倍より大きく且つy倍未満である場合には、ステップ535に進む。次のステップ535では、主要被写体(1枚目)の合焦位置と2枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。ここで、中間画像を追加撮影することになるため、撮影枚数は4枚に増加する。
次に、ステップ537で、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍かを判定する(追加撮影判断部に対応)。ステップ537で合焦位置間の差が焦点深度のx倍以下の場合には、ステップ539に進む。ステップ539では、合焦位置間の差がx倍以下と小さく中間画像を更に追加撮影する必要はないので、撮影枚数は4枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ537で合焦位置間の差が焦点深度のx倍より大きく且つy倍未満である場合には、ステップ541に進む。次のステップ541では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。ここで、中間画像を更に追加撮影することになるため、撮影枚数は5枚に増加する。従って、ステップ543では、撮影枚数は5枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ537で合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ545に進む。次のステップ545では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。次のステップ547では、非主要被写体(3枚明)の焦点位置が、合焦位置から主要被写体の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。非主要被写体(3枚明)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。この場合も、ステップ543で撮影枚数は5枚と決定されて、次の「処理E」に進む。
ステップ521で合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ549に進む。次のステップ549では、主要被写体(1枚目)の合焦位置と2枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。ここで、中間画像を追加撮影することになるため、撮影枚数は4枚に増加する。
次に、ステップ551で、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍かを判定する(追加撮影判断部に対応)。ステップ551で合焦位置間の差が焦点深度のx倍以下の場合には、ステップ553に進む。ステップ553では、合焦位置間の差がx倍以下と小さく中間画像を更に追加撮影する必要はないので、撮影枚数は4枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ551で合焦位置間の差が焦点深度のx倍より大きく且つy倍未満である場合には、ステップ555に進む。次のステップ555では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。ここで、中間画像を更に追加撮影することになるため、撮影枚数は5枚に増加する。従って、ステップ557では、撮影枚数は5枚と決定されて次の「処理E」に進む。
ステップ551で合焦位置間の差が焦点深度のy倍以上の場合には、ステップ559に進む。次のステップ559では、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との間において、中間画像を撮影するための中間焦点位置を決定する。中間焦点位置がフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。次のステップ561では、非主要被写体(3枚明)の焦点位置が、合焦位置から主要被写体の焦点深度のy倍となる地点までシフトされる(焦点位置シフト部に対応)。非主要被写体(3枚明)のシフト後の焦点位置が決定され、フォーカスブラケット撮影の際の焦点位置として設定される。この場合も、ステップ557で撮影枚数は5枚と決定されて、次の「処理E」に進む。
ステップ519で主要被写体の画像が2枚目と判定されると「処理C」に進む。図15に示す「処理C」は、主要被写体の画像が2枚目とされた以外は、図14のステップ521〜ステップ561と同じ手順で処理を実行する。「処理C」のステップ563〜ステップ603は、図14のステップ521〜ステップ561に各々対応する。「処理C」のステップ563〜ステップ603の処理により、種々の場合に応じて撮影枚数が決定されて次の「処理E」に進む。
例えば、「処理C」のステップ563では、主要被写体(2枚目)の合焦位置と非主要被写体(1枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度の何倍かを判定する。この処理は、図14のステップ521で、主要被写体(1枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍(ここでは「a倍」と表す)かを判定する処理に対応している。
また、「処理C」のステップ565、ステップ579及びステップ593では、主要被写体(2枚目)の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度の何倍かを判定する。これらの処理は、図14のステップ523、ステップ537及びステップ551で、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度の何倍かを判定する処理に対応している。
ステップ519で主要被写体の画像が3枚目と判定されると「処理D」に進む。図16に示す「処理D」は、主要被写体の画像が3枚目とされた以外は、図14のステップ521〜ステップ561と同じ手順で処理を実行する。「処理D」のステップ605〜ステップ645は、図14のステップ521〜ステップ561に各々対応する。「処理D」のステップ605〜ステップ645の処理により、種々の場合に応じて撮影枚数が決定されて次の「処理E」に進む。
例えば、「処理D」のステップ605では、主要被写体(3枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(3枚目)の焦点深度の何倍かを判定する。この処理は、図14のステップ521で、主要被写体(1枚目)の合焦位置と非主要被写体(2枚目)の合焦位置との差が、主要被写体(1枚目)の焦点深度の何倍(ここでは「a倍」と表す)かを判定する処理に対応している。
また、「処理D」のステップ607、ステップ621及びステップ635では、2枚目の合焦位置と1枚目の合焦位置との差が、主要被写体(3枚目)の焦点深度の何倍かを判定する。これらの処理は、図14のステップ523、ステップ537及びステップ551で、2枚目の合焦位置と3枚目の合焦位置との差が、主要被写体(2枚目)の焦点深度の何倍かを判定する処理に対応している。
次に、図17に示す「処理E」について説明する。フォーカスブラケット撮影の撮影枚数が決定されると「処理E」に進む。まず、ステップ701で、設定された焦点位置においてフォーカスブラケット撮影が行われ、これにより得られた撮影画像がメモリ48の所定領域に格納される(フォーカスブラケット撮影部に対応)。次に、ステップ703で、以上の処理によって得られた撮影画像のうち、主要被写体に合焦されている画像を基準画像とし、当該基準画像を除く画像を非基準画像として、互いに隣接する隣接画像間で対応点の検出を行う(対応点検出部に対応)。互いに隣接する隣接画像間で対応点検出を行うと、ぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。
例えば、図12に示す例では、1枚目の画像が主要被写体MOの合焦位置で撮影された基準画像60Mであるとすると、基準画像60Mに隣接する2枚目の画像は中間画像60Nである。また、中間画像60Nに隣接する3枚目の画像は対象画像60Sである。従って、上述した通り、基準画像60Mと中間画像60N、中間画像60Nと対象画像60Sというように、互いに隣接する隣接画像間で対応点検出を行う。なお、対応点検出の手法については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップ705では、上記ステップ703の処理によって得られた隣接画像の一方の画像の対応点の位置が、隣接画像の他方の対応点の位置に極力一致するように、隣接画像の一方の画像に対して画像の変形を行う(画像変形部に対応)。基準画像と非基準画像とが隣接する場合には、非基準画像に対して画像の変形(位置合わせ)を行う。隣接画像間では対応点検出が行い易いので、変形画像を容易に得ることができる。
例えば、図12に示す例では、基準画像60Mと中間画像60Nとの間で対応点検出及び画像変形を行うと、中間画像60Nに対し画像変形された変形中間画像60NAが得られる。この変形中間画像60NAと対象画像60Sとの間で対応点検出及び画像変形を行うと、対象画像60Sに対し画像変形された変形対象画像60SAが得られる。なお、画像変形の手法については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップ707で、ぼかし量の算出を行う。なお、算出されたぼかし量を用いて、手前が黒で且つ奥が白の距離画像を生成することもできる。次のステップ709では、算出されたぼかし量を用いてぼけ強調等のぼかし処理を行う(画像生成部に対応)。ぼかし量の算出、ぼかし処理の手法については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。得られたぼけ調整画像は、外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録し、その後に本第5撮影処理プログラムを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、フォーカスブラケット撮影から画像変形までの動作において、主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で中間画像を撮影し、互いに隣接する隣接画像間で対応点検出を行うので、ぼけ度合いの差が小さく対応点検出を行い易い。従って、ぼけ度合いの差が大き過ぎる場合であっても撮影枚数を変えずに非基準画像を撮影する従来のフォーカスブラケット撮影に比べて、対応点検出を行い易い画像を撮影することができ、対応点検出の精度向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、互いに隣接する隣接画像間で対応点検出及び画像変形を行うので、対応点検出及び画像変形を行う画像の組み合わせを変えることができ、従来のフォーカスブラケット撮影では対応点検出及び画像変形に失敗していたぼけ度合いの差が大きいシーン(マクロシーンや高倍率ズームシーン)でも、適切に対応点検出及び画像変形を行うことができ、ぼかし効果を発揮できるようになる。
更に、本実施の形態によれば、隣接画像に対応する合焦位置間の差に閾値を設けて、この閾値以上となる場合には非主要被写体に対する焦点位置を合焦位置から主要被写体側にシフトさせて非基準画像を取得するので、隣接画像間でのぼけ度合いの差が更に小さくなる。従って、対応点検出の精度が更に向上する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記第5の実施の形態では、中間画像を撮影し隣接画像間で対応点検出を行う手法と、合焦位置間の差が閾値を超えた場合に焦点位置のシフトを行う手法の両方を併用する例について説明したが、中間画像を撮影し隣接画像間で対応点検出を行う手法のみを用いてもよい。
また、上記第5の実施の形態では、合焦位置間の差が閾値を超えた場合に焦点位置のシフトを行う手法を併用する例について説明したが、第2の実施の形態や第3の実施の形態のように、焦点位置間の差が閾値以上か否かを判断する基準は、適宜変更することができる。
また、上記第4の実施の形態では、対応点の検出を行う前に復元処理等の画像処理を行う例について説明したが、他の実施の形態においても、対応点の検出を行う前に基準画像及び非基準画像の少なくとも一方に復元処理等の画像処理を施すことができる。
その他、上記各実施の形態で説明したデジタルカメラ10の構成(図1参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記各実施の形態で説明した各種撮影処理プログラムの処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。

Claims (15)

  1. 画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断手段と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段と、
    前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段と、
    前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段と、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段と、
    を備えた撮像装置。
  2. 前記非主要被写体に対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、前記差を表す物理量が第1閾値を超えないように設定される、請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記差を表す物理量は、前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との間の光軸上の距離、前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の鮮鋭度差、及び前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の周波数成分の変化の少なくとも1つである、請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
  4. 前記画像生成手段は、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて前記基準画像をぼかすためのフィルタ特性を画素毎に算出するフィルタ特性決定手段と、
    画素毎に算出されたフィルタ特性に基づいて前記基準画像にフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記対応点の検出を行う前に、前記基準画像及び前記非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像及び前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段を更に備えた、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断工程と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、
    前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト工程と、
    前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、当該基準画像と当該基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、
    前記対応点検出工程によって検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、
    を備えた撮像方法。
  7. コンピュータを、
    画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断手段、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段、
    前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段、
    前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段、
    として機能させるためのプログラム。
  8. コンピュータに撮像処理を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記撮像処理が、
    画像データに基づいて複数の被写体の各合焦位置を判断する自動焦点位置判断工程と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、
    前記主要被写体の合焦位置と非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第1閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト工程と、
    前記主要被写体の合焦位置及び非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像として、前記基準画像と前記基準画像以外の非基準画像との間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、
    を含む、記憶媒体。
  9. 画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断手段と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段と、
    前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断手段と、
    前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段と、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段と、
    を備えた撮像装置。
  10. 前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第3閾値以上である場合に、前記非主要被写体に対する焦点位置を前記非主要被写体の合焦位置から主要被写体側にシフトさせる焦点位置シフト手段を更に備え、
    前記フォーカスブラケット撮影手段は、更に非主要被写体のシフト後の焦点位置に基づいて画像を撮影する、請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記非主要被写体に対する焦点位置をシフトさせるシフト量は、前記差を表す物理量が第3閾値を超えないように設定される、請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記差を表す物理量は、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間の光軸上の距離、前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の鮮鋭度差、及び前記画像データで表される画像内で選択された選択領域の周波数成分の変化の少なくとも1つである、請求項10又は請求項11に記載の撮像装置。
  13. 画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断工程と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、
    前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断工程と、
    前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、
    を含む、撮像方法。
  14. コンピュータを、
    画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断手段、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定手段、
    前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断手段、
    前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影手段、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出手段、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形手段、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成手段、
    として機能させるためのプログラム。
  15. コンピュータに撮像処理を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記撮像処理が、
    画像データに基づいて複数の被写体の各焦点位置を判断する自動焦点位置判断工程と、
    前記画像データに基づいて主要被写体を決定する主要被写体決定工程と、
    前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との差を表す物理量が第2閾値を超える場合に、前記主要被写体の合焦位置と前記非主要被写体の合焦位置との間に在る中間焦点位置で少なくとも1枚の追加画像を撮影すると判断する追加撮影判断工程と、
    前記主要被写体の合焦位置、前記非主要被写体の合焦位置、及び中間焦点位置に基づいて、順次画像を撮影することにより複数の画像を取得するフォーカスブラケット撮影工程と、
    前記主要被写体の合焦位置で撮影された画像を基準画像とし、前記中間焦点位置で撮影された画像を中間画像とし、前記非主要被写体の合焦位置で撮影された画像を非基準画像として、前記基準画像と前記基準画像に隣接する中間画像とから開始し且つ前記中間画像と前記中間画像に隣接する非基準画像とで終了するように、互いに隣接する画像間で被写体の対応点を検出する対応点検出工程と、
    前記検出された対応点の位置が一致するように前記非基準画像を変形する画像変形工程と、
    前記基準画像と前記変形された前記非基準画像とに基づいて、前記主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成する画像生成工程と、
    を含む、記憶媒体。
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