JP4866317B2 - 撮像装置及び撮像装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び撮像装置、並びに撮像装置の制御方法に関し、特に、特別なハードウェアや複雑な処理や操作を必要とせずに背景と被写体とを適切に判定することが可能な撮像装置及び撮像装置の制御方法に関するものである。
コンパクトデジタルカメラで用いられる撮像素子は、一眼レフカメラで用いられる撮像素子や銀塩フィルムよりも小さく、そのため同じ画角の画像を撮影するために必要な撮影光学系の焦点距離は短い。
焦点距離が短いと、撮影光学系のF数を同じにしても、被写界深度が深くなる。これに対して、焦点距離が短くなることに比例させてF数を小さくすることができれば被写界深度を浅くすることができるが、撮影光学系を大口径化する必要があり、サイズおよびコストが増大する。
このため、コンパクトデジタルカメラで撮影すると、相対的に広い距離範囲に対して焦点が合うことになる。
これは、同じ明るさの画像を撮影したときにぼけの少ない画像が得られるという点では長所ともなるが、ポートレートのように背景のぼけ具合が重要な画像を撮影するときは、背景までも鮮明になってしまって逆に短所になる。
上記の不都合を解決すべく、例えば特許文献1〜5には、距離情報を測定あるいは推定し、その情報を基に画像処理を行って背景と被写体とを判定して背景をぼかすカメラが提案されている。
しかしながら、特許文献1〜5に記載の装置では、距離情報が十分に得られなかった場合の考慮がなされておらず、そのため、被写体や背景の明るさが適当で無かったり、被写体や背景のコントラストが十分で無いような場合、背景と被写体の判定を誤り不適切なぼかし処理を行ってしまうという不具合が生じる。
特開2000−259823号公報 特開2003−283902号公報 特開2005−136480号公報 特開2005−229198号公報 特開平9−318870号公報
そこで本発明は、上記の様な状況を鑑みてなされたものであり、特別なハードウェアや複雑な処理や操作を必要とせずに、背景と被写体とを適切に判定することが可能な撮像装置及び撮像装置の撮像装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置、画像処理方法、及び撮像装置、並びに撮像装置の制御方法は、具体的には下記(1)〜(12)に記載の技術的特徴を有する。
(1):画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して距離情報を取得する測距手段と、前記距離情報を用いて主要被写体領域を判定し、主要被写体領域を分離する第1の処理手段と、前記距離情報以外の情報を用いて主要被写体領域を判定し、主要被写体領域を分離する第2の処理手段と、前記第1の処理手段に対して十分な距離情報が得られたか否かを測距を行う事のできた領域の数に基づき判定する距離情報判定手段と、該距離情報判定手段の判定に基づき、十分な距離情報が得られた場合には前記第1の処理手段により主要被写体領域を分離して、十分な距離情報が得られなかった場合には前記第2の処理手段により主要被写体領域を分離する処理切替手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
上記(1)に記載の構成によれば、測距の結果に応じて主要被写体領域を判定する手段を自動的に切り替える様に構成されているので、十分な測距結果が得られなかった場合にも、適切な領域判定結果を得ることができる。
また、上記(1)に記載の構成によれば、測距を行う事のできた領域の数により、領域判定の処理手段を切り替える様に構成されているので、特別なハードウェアや複雑な処理を必要とせずに処理手段を切り替えることができる。
(2):上記(1)に記載の画像処理装置において、前記第1の処理手段は、前記第2の処理手段よりも外部入力操作が少ないことを特徴とする画像処理装置である。
上記(2)に記載の構成によれば、十分な測距結果が得られた場合の操作ステップが少なくなるように構成されているので、利便性を大きく損なうことなく上記(1)に記載の構成に基づく効果を享受することができる。
(3):上記(1)の画像処理装置において、前記第2の処理手段は、主要被写体を取り囲む矩形の座標位置を用いて主要被写体領域を判定することを特徴とする画像処理装置である。
上記(3)に記載の構成によれば、矩形の座標指定で主要被写体の領域を判定する様に構成されているので、特別なハードウェアや複雑な操作を必要とせずに領域を判定することができる。
(4):上記(1)の画像処理装置において、前記第1の処理手段または前記第2の処理手段で主要被写体を判定した後、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行うぼかし処理手段を備えることを特徴とする画像処理装置である。
上記(4)に記載の構成によれば、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行う様に構成されているので確実に領域を判定する必要がある構成に好適であり、その他の処理に比して大きな効果を奏する。
(5):被写体を撮像するための撮像素子と、該撮像素子に被写体像を結像させる撮像レンズと、該撮像レンズを移動させて焦点調節を行なう移動手段と画像内の所定領域毎の合焦度を判定する合焦度判定手段と、上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の画像処理装置と、を具備する撮像装置であって、前記合焦度判定手段は、前記レンズの各移動位置毎の合焦度を得て、該合焦度が最大となる合焦度最大レンズ位置を判定し、前記測距手段は、前記合焦度最大レンズ位置から画像内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して前記距離情報を取得することを特徴とする撮像装置である。
上記(5)に記載の構成によれば、通常の撮影時に行われる合焦動作により、距離情報を測定する様に構成されているので、特別なハードウェアや処理時間の増加を必要とせずに距離情報を得ることができる。
(6):上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の画像処理装置を備えることを特徴とするデジタルスチルカメラである。
上記(6)に記載の構成によれば、上記(1)〜(4)に記載の構成をデジタルスチルカメラに適用する様に構成されているので、限られたリソース上で画像処理を行う構成に好適であり、その他の装置に比して大きな効果を奏する。
(7):デジタルスチルカメラであることを特徴とする上記(5)に記載の撮像装置である。
(8):画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して距離情報を取得する測距工程と、前記距離情報を判定する距離情報判定工程と、該距離情報判定工程の判定に基づき主要被写体領域を判定し、該主要被写体領域を分離する処理工程と、を備える画像処理方法であって、前記処理工程は、前記距離情報を用いて主要被写体領域を判定する第1の処理工程と、前記距離情報以外の情報を用いて主要被写体領域を判定する第2の処理工程と、前記距離情報判定工程の判定に基づき、前記第1の処理工程と前記第2の処理工程を切り替える処理切替工程と、を有し、前記距離情報判定工程は、前記第1の処理工程に対して十分な距離情報が得られたか否かを測距を行う事のできた領域の数に基づき判定し、前記処理切替工程は、前記距離情報判定工程の判定に基づき、十分な距離情報が得られた場合には前記第1の処理工程に切り替え、十分な距離情報が得られなかった場合には前記第2の処理工程に切り替えることを特徴とする画像処理方法である。
上記(8)に記載の構成によれば、測距の結果に応じて主要被写体領域を判定する工程を自動的に切り替える様に構成されているので、十分な測距結果が得られなかった場合にも、適切な領域判定結果を得ることができる。
また、上記(8)に記載の構成によれば、測距を行う事のできた領域の数により、領域判定の処理工程を切り替える様に構成されているので、特別なハードウェアや複雑な処理を必要とせずに処理工程を切り替えることができる。
(9):上記(8)に記載の画像処理方法おいて、前記第1の処理方法は、前記第2の処理方法よりも、外部入力操作が少ないことを特徴とする画像処理方法である。
上記(9)に記載の構成によれば、十分な測距結果が得られた場合の操作ステップが少なくなるように構成されているので、利便性を大きく損なうことなく上記(9)に記載の構成に基づく効果を享受することができる。
(10):上記(8)に記載の画像処理方法において、前記第2の処理工程は、主要被写体を取り囲む矩形の座標位置を用いて主要被写体領域を判定することを特徴とする画像処理方法である。
上記(10)に記載の構成によれば、矩形の座標指定で主要被写体の領域を判定する様に構成されているので、特別なハードウェアや複雑な操作を必要とせずに領域を判定することができる。
(11):上記(8)に記載の画像処理方法において、前記第1の処理工程または前記第2の処理工程で主要被写体を判定した後、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行うぼかし処理工程を備えることを特徴とする画像処理方法である。
上記(11)に記載の構成によれば、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行う様に構成されているので確実に領域を判定する必要がある構成に好適であり、その他の処理に比して大きな効果を奏する。
(12):撮像レンズの移動により焦点調整を行って、画像内の所定領域毎の合焦度を判定する合焦度判定工程と、前記撮像レンズにより撮像素子に被写体像を結像して被写体を撮像する撮像工程と、上記(8)(11)のいずれか1に記載の画像処理方法と、を備える撮像装置の制御方法であって、前記合焦度判定工程は、前記撮像レンズの各移動位置毎の合焦度を得て、合焦度が最大となる合焦度最大レンズ位置を判定し、前記測距工程は、前記合焦度最大レンズ位置から画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して前記距離情報を取得することを特徴とする撮像装置の制御方法である。
上記(12)に記載の構成によれば、通常の撮影時に行われる合焦動作により、距離情報を測定する様に構成されているので、特別なハードウェアや処理時間の増加を必要とせずに距離情報を得ることができる。
本発明によれば、特別なハードウェアや複雑な処理や操作を必要とせずに、背景と被写体とを適切に判定することが可能な撮像装置及び撮像装置の撮像装置の制御方法を提供することを提供することができる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施の形態における構成、及び撮像装置の接続機器の構成を示す概略図である。
デジタルスチル装置1は、システム制御部2、撮像部3、画像処理部4、表示制御部5、LCD6、記録メディアインターフェイス部7、ハードキーインターフェイス部9、通信インターフェイス部10を備えてなり、記録メディア8が着脱可能で、PC11にUSBで接続することが可能な構成である。
システム制御部2は、デジタルスチル装置1全体の制御を行うために設けられ、CPU、NANDフラッシュメモリ、SDRAM、タイマ−等を備える。
撮像部3は、撮像のために設けられ、光学系部品(レンズ及びレンズ駆動モータ)、CCD、CCD駆動回路、A/D変換器等を備える。
画像処理部4は、撮像部3で得られた画像信号に種々の画像処理を施すと共に、CCD駆動タイミングの制御、レンズ駆動モータの制御をして、ズーミング、フォーカシング、露出調整等を行い、また、画像の圧縮伸長を行うために設けられた、画像処理用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、RAM等を備える。
表示制御部5は、撮像部3で得られて画像処理部4で処理された画像信号をLCD5へ表示するための信号処理を行い、また、ユーザーインターフェイスのための種々のグラフィック画像を生成しLCDへ表示するために設けられた、D/A変換器、オンスクリーンディスプレイコントローラ等を備える。
LCD6は、画像を表示し、また、ユーザーインターフェイスのためのグラフィックを表示するために設けられた液晶表示装置LCD(liquid crystal display)である。
記録メディアインターフェイス部7は、記録メディアとのインターフェイスのために設けられた、メモリカードコントローラ等を備える。
ハードキーインターフェイス部9は、図示されていないキー、ダイヤル等のユーザーインターフェイスの状態検出を行い、またメインCPUへの主電源制御を行うために設けられた、サブCPU等を備える。
通信インターフェイス部10は、、USBを接続してデータ通信を行うために設けられた、通信コントローラを備える。
記録メディア8は、圧縮された画像信号や画像に纏わる種々の情報を記憶するために設けられたフラッシュメモリ等のメモリーカードであり、デジタルスチルカメラ装置1から着脱可能な記録メディアである。
PC11は、デジタルスチルカメラ装置1をUSBで接続し、デジタルスチルカメラ装置1からの画像を転送して再生する事や、デジタルスチルカメラ装置1へ各種設定を行う事ができるパーソナルコンピュータである。
ここでまず、従来の撮像装置の起動動作について説明する。
利用者が図示されていない電源ボタンを押下すると、ハードキーインターフェイス部9はメインCPUへの電源供給をオンする。
システム制御部2内のメインCPUは、まずNANDフラッシュメモリのブート部からアクセス(プログラム実行)を開始し、ブートプログラムによってプログラム・データをSDRAMへ転送する。
SDRAMへの転送が完了すると、プログラムの実行ポインタ(プログラムカウンタ)を、転送したSDRAM上のプログラムに移し、以降はSDRAM上のプログラムにより起動処理を開始する。
起動処理には、OS(オペレーティングシステム)の初期化や鏡胴の繰りだし処理、記録メディアの初期化処理などが含まれる。
鏡胴の繰り出し処理は、画像処理部4を介して撮像部3のレンズ駆動モータに所定の間隔(2mS)毎にパルス信号を与える事で行う。
また、記録メディアの初期化処理は、記録メディアインターフェイス部7を介して記録メディア8への電源とクロックを供給した後、記録メディア8へ初期化コマンドを発行する。実際の初期化処理は記録メディア8内で行われ、システム制御部2はその完了を検知するために記録メディア8のステータスを10mS間隔でポーリングする。
続いて撮影時の動作について説明する。
利用者は撮影に先立ち、図示されていない種々のキー、ダイヤルを操作し、撮影モード(高画質モード、低画質モード等)を決定する。
利用者の操作内容はハードキーインターフェイス部9を通じてシステム制御部2で判別され、システム制御部2は、操作に応じて表示制御部5へガイダンスグラフィックを生成して、利用者に次操作を促す。
システム制御部2は、撮影モードが決定されると、モードに応じた処理パラメタを画像処理部4へ設定する。
あるいはまた、利用者は図示されていないズームレバーを操作し、画角(構図)を決定する。
利用者の操作内容はハードキーインターフェイス部9を通じてシステム制御部2で判別され、システム制御部2は、操作に応じて撮像部3を制御しレンズを駆動する。
撮像部3は画像処理部4からの制御に従い、実際の撮影に先だって、モニタリング画像を表示するための撮像動作を開始する。
撮像されたデータは連続的に画像処理部4へ送られ、画像処理部4では色空間変換、ガンマ補正、ホワイトバランス調整などの処理を施した後、画像データを表示制御部5へ送る。
表示制御部5では、画像データを信号処理してLCD6へ表示し、利用者へ撮像状態を提示する。
図示されていないレリーズボタンが押されると、その操作はモード設定と同様にしてハードキーインターフェイス部9を通じてシステム制御部2で判別される。
撮像部3は画像処理部4からの制御に従い、フォーカス合わせを行った後、取り込んだ画像を画像処理部4へ送り、画像処理部4は、撮影モードに応じた画像処理、圧縮処理を行う。
システム制御部2は、圧縮された画像データを読み出し、さらにヘッダー情報を付加した後、記録メディアインターフェイス部7を通じて記録メディアへ8書き込む。
以上で一連の撮影動作を完了する。
(第1の実施の形態)
続いて、本発明に係る撮像装置の制御方法における第1の実施の形態として、撮影時に主要被写体以外の背景部分にぼかし処理を行う例について説明する。
本発明に係る撮像装置の制御方法における第1の実施の形態の動作フローを図2に示す。本フローは前述したレリーズボタンが押された際の動作を示している。
レリーズボタンが押されると、システム制御部2は画像処理部4及び撮像部3を制御し、CCDAFのスキャン動作を行う(step01−001)。
撮像部3、及び画像処理部4は、前述した手順でフォーカス合わせ、画像取り込みを行う(step01−002)。
続いてシステム制御部2は、各画像の位置毎の距離の算定を行う(step01−003)。
以下、図3に示す本発明に係る撮像装置の制御方法を説明する説明図を参照しながら説明する。
図3(A)において、100は取り込んだ画像の画角、101は1つのAF評価値エリアを示している。
図3に示す様に、AF評価値エリアは、画角内を均等に分割した小領域となっており、CCDAFのスキャンにより各領域毎のAF評価値(領域内の画像のコントラストの積算値)が得られる。
システム制御部2は、各領域毎に、CCDAFのスキャンにより得られたレンズ位置毎のAF評価値を、所定のアルゴリズムに基づき解析し、AF評価値のピーク位置に相当するレンズの駆動位置を判定する。
さらにシステム制御部2は、各領域毎に、現在のズーム位置からレンズの駆動位置を距離情報に変換する。
ここで、AF評価値はエリア内の各画素に対し、水平方向のHPFの演算を行い、得られた結果を加算して得られるものである。
HPFの係数は、例えば、ki={−1,−2,6,−2,−1}といった値が用いられる。
k0は注目画素の水平方向−2の座標の画素に乗算される係数、k1は注目画素の水平方向−1の座標の画素に乗算される係数、k3は注目画素に乗算される係数、k4は注目画素の水平方向+1の座標の画素に乗算される係数、k5は注目画素の水平方向+2の座標の画素に乗算される係数である。
AF評価値から距離情報を取得するには、ガウスの結像方程式に基づき、下記式(1)及び(2)で求められる。
1/a+1/b=1/f ・・・式(1)
a=b・f/(b−f) ・・・式(2)
(ここで、aはレンズから被写体までの距離、bはレンズから撮像素子までの距離、fはレンズの焦点距離である。)
本発明において、レンズから被写体までの距離aが求める距離情報である。
また、レンズの焦点距離fは、撮影時のズーム位置により一意に求められ、レンズから撮像素子までの距離bは、AF評価値のピークの得られたフォーカスレンズの駆動位置から一意に求められる。
なお、AF評価値に所定量以上のピークが現れない場合には、そのエリアの距離情報には異常値(=−1)を設定する。
以上により、画角100内の全領域のAF評価値エリア101毎の距離情報を得ることができる。
ここでシステム制御部2は、得られた全エリアの距離情報を照合して正常値(≠−1)であるエリアの数nをカウントし、所定の数N以上であった場合には、以下で説明する距離情報を用いた主要被写体領域の判定を行う(step01−004)。
所定の数Nは、例えば16×16=256のエリアに対し、その90%に相当する230といった値が用いられる。
図3(A)において、斜線で示した領域は、AFでフォーカスを合わせたAFエリア102である。
システム制御部2は、画面中央部分のAF評価値エリアのうち、最も近距離にあるエリアをAFエリアとして判定し、さらにAFエリアと等距離にあるブロックを主要被写体ブロックとして判定する。
図3(B)において、主要被写体ブロック103は斜線で示している。但し、主要被写体ブロック103はAFエリア102を含む領域である。
システム制御部2は、得られた主要被写体ブロック103の情報と、撮像した画像を基に主要被写体領域を判定する(step01−005)。この処理は、従来の画像処理(輪郭抽出)により、主要被写体ブロック103を含む任意形状の領域の判定を行う。
図3(C)において、主要被写体領域104を示している。
画像処理部4は、主要被写体領域104の情報を基に、主要被写体画像の抽出処理、背景画像のぼかし処理、合成処理を順次行う(step01−009)。
図3(D)に、撮影画像105、主要被写体106、抽出した主要被写体画像107、背景画像108、ぼかした背景画像109、合成画像110を夫々示す。
主要被写体の抽出処理では、主要被写体領域104に沿って画像を分離することで、主要被写体の抽出を行う。結果として、撮影画像105は主要被写体画像107と背景画像108に分離される。
背景画像のぼかし処理では、背景画像108に空間フィルタを適用し、ぼかした背景画像109を生成する。
空間フィルタは、下記式(3)を用いて入力画像(In(x,y))にフィルタ係数(k(ix,iy))を演算し、出力画像(Out(x,y))を得る。
In :入力画像
Out:出力画像
k :フィルタ係数
fs :フィルタサイズ(本実施の形態では7)
フィルタ係数の例を図3(E)に示す。
step01−004に戻り、正常値(≠−1)であるエリアの数nが所定の数N未満であった場合の動作について説明する。
距離情報は異常値(=−1)となるのは、前述したように、評価値に所定量以上のピークが現れなかった場合である。
これは、そのエリアの被写体のコントラストが低かったり、露出が適当でなく黒つぶれや白飛びが発生していたりする場合に発生する。図4の例で言えば、図中×印を付した様な部分で発生しやすい。
システム制御部2は、表示制御部5を制御して撮影画像を表示させると共に、図5に示すような主要被写体を指定するための矩形の枠表示を行う(step01−006)。
利用者は枠表示が目的とする被写体を囲う様にキー操作を行い、システム制御部はキー操作に応じて枠表示の位置、大きさを変更して再表示を繰り返す。
利用者が枠の確定の操作を行うと、システム制御部2は、その時点の枠表示の座標に相当する画像上の座標値を算定し、以下に説明する矩形の座標位置を用いた主要被写体領域の判定を行う(step01−006)。
システム制御部2は、画像処理により、図6に示すような領域分割を行う。これは画像の色や明るさにより、各画素をグループ化することにより行う。
システム制御部2は、指定された矩形座標の内側にある領域を主要被写体領域として判定する(step01−008)。
主要被写体画像の抽出処理、背景画像のぼかし処理、合成処理は、前述した通りである。
システム制御部2は、画像処理部4を制御して合成後の画像を圧縮し、圧縮された画像データを読み出し、さらにヘッダー情報を付加した後、記録メディアインターフェイス部7を通じて記録メディアへ8書き込む。
なおこの際、ヘッダー情報には得られた距離情報を付与する。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態として、再生時に主要被写体以外の背景部分にぼかし処理を行う例について説明する。
本発明に係る撮像装置の制御方法における第2の実施の形態の動作フローを図7に示す。本フローは画像の再生中に、利用者の操作によってぼかし処理が選択された際の動作を示している。
システム制御部2は、再生中の画像ファイルのヘッダー情報から、付与されている距離情報を読み込む(step02−001)。
距離情報が無い場合(step02−002)、あるいは、正常値(≠−1)であるエリアの数nが所定の数N未満であった場合には(step02−003)、矩形の枠による主要被写体領域の判定を行う(step02−005〜007)。
但し、矩形の枠による主要被写体領域の判定方法は一例であり、その他の主要被写体領域の判定方法であっても良く、また、画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して得られた距離情報以外の距離情報から主要被写体領域を判定する判定方法であっても良い。
一方、距離情報があり、正常値(≠−1)であるエリアの数nが所定の数N以上であった場合には、距離情報を用いた主要被写体領域の判定を行う(step02−004)。
主要被写体画像の抽出処理、背景画像のぼかし処理、合成処理は、第1の実施の形態と同じである(step02−008)。
システム制御部2は、画像処理部4を制御して合成後の画像を圧縮し、圧縮された画像データを読み出し、さらにヘッダー情報を付加した後、記録メディアインターフェイス部7を通じて記録メディアへ8書き込む。
本実施の形態においては、十分な距離情報が得られない場合に、全く距離情報を用いずに主要被写体領域の判定を行う場合の例について示したが、得られた距離情報を加味した方法であっても良い。
また、本実施の形態においては、十分な距離情報が得られない場合に、距離情報以外の情報(矩形座標位置)を用いた主要被写体領域の判定を行う場合の例について示したが、他の距離情報の取得手段を起動しても良い。
以上のように、本発明に係る撮像装置及び撮像装置の制御方法における上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態によれば、特別なハードウェアや複雑な処理や操作を必要とせずに、背景と被写体とを適切に判定することが可能なである。
本発明に係る撮像装置の一実施の形態における構成、及び撮像装置の接続機器の構成を示す概略図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法における第1の実施の形態の動作フローを示すブロック図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法を説明する説明図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法における距離情報の異常値を示す部分を説明する説明図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法における主要被写体領域を指定するための矩形の枠表示を説明する説明図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法における領域分割を説明する説明図である。 本発明に係る撮像装置の制御方法における第2の実施の形態の動作フローを示すブロック図である。
符号の説明
1 デジタルスチルカメラ装置
2 システム制御部
3 撮像部
4 画像処理部
5 表示制御部
6 LCD
7 記録メディアインターフェイス部
8 記録メディア
9 ハードキーインターフェイス部
10 通信インターフェイス部
11 PC

Claims (12)

  1. 画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して距離情報を取得する測距手段と、
    前記距離情報を用いて主要被写体領域を判定し、主要被写体領域を分離する第1の処理手段と、
    前記距離情報以外の情報を用いて主要被写体領域を判定し、主要被写体領域を分離する第2の処理手段と、
    前記第1の処理手段に対して十分な距離情報が得られたか否かを測距を行う事のできた領域の数に基づき判定する距離情報判定手段と、
    該距離情報判定手段の判定に基づき、
    十分な距離情報が得られた場合には前記第1の処理手段により主要被写体領域を分離して、
    十分な距離情報が得られなかった場合には前記第2の処理手段により主要被写体領域を分離する処理切替手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記第1の処理手段は、前記第2の処理手段よりも外部入力操作が少ないことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記第2の処理手段は、主要被写体を取り囲む矩形の座標位置を用いて主要被写体領域を判定することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記第1の処理手段または前記第2の処理手段で主要被写体を判定した後、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行うぼかし処理手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 被写体を撮像するための撮像素子と、
    該撮像素子に被写体像を結像させる撮像レンズと、
    該撮像レンズを移動させて焦点調節を行なう移動手段と
    画像内の所定領域毎の合焦度を判定する合焦度判定手段と、
    請求項1乃至4のいずれか1に記載の画像処理装置と、を具備する撮像装置であって、
    前記合焦度判定手段は、前記レンズの各移動位置毎の合焦度を得て、該合焦度が最大となる合焦度最大レンズ位置を判定し、
    前記測距手段は、前記合焦度最大レンズ位置から画像内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して前記距離情報を取得することを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1に記載の画像処理装置を備えることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  7. デジタルスチルカメラであることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  8. 画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して距離情報を取得する測距工程と、
    前記距離情報を判定する距離情報判定工程と、
    該距離情報判定工程の判定に基づき主要被写体領域を判定し、該主要被写体領域を分離する処理工程と、を備える画像処理方法であって、
    前記処理工程は、前記距離情報を用いて主要被写体領域を判定する第1の処理工程と、
    前記距離情報以外の情報を用いて主要被写体領域を判定する第2の処理工程と、
    前記距離情報判定工程の判定に基づき、前記第1の処理工程と前記第2の処理工程を切り替える処理切替工程と、を有し、
    前記距離情報判定工程は、前記第1の処理工程に対して十分な距離情報が得られたか否かを測距を行う事のできた領域の数に基づき判定し、
    前記処理切替工程は、前記距離情報判定工程の判定に基づき、
    十分な距離情報が得られた場合には前記第1の処理工程に切り替え、
    十分な距離情報が得られなかった場合には前記第2の処理工程に切り替えることを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8に記載の画像処理方法おいて、
    前記第1の処理方法は、前記第2の処理方法よりも、外部入力操作が少ないことを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項8に記載の画像処理方法において、
    前記第2の処理工程は、主要被写体を取り囲む矩形の座標位置を用いて主要被写体領域を判定することを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項8に記載の画像処理方法において、
    前記第1の処理工程または前記第2の処理工程で主要被写体を判定した後、主要被写体以外の部分にぼかし処理を行うぼかし処理工程を備えることを特徴とする画像処理方法。
  12. 撮像レンズの移動により焦点調整を行って、画像内の所定領域毎の合焦度を判定する合焦度判定工程と、
    前記撮像レンズにより撮像素子に被写体像を結像して被写体を撮像する撮像工程と、
    請求項8乃至11のいずれか1に記載の画像処理方法と、を備える撮像装置の制御方法であって、
    前記合焦度判定工程は、前記撮像レンズの各移動位置毎の合焦度を得て、合焦度が最大となる合焦度最大レンズ位置を判定し、
    前記測距工程は、前記合焦度最大レンズ位置から画角内の所定領域毎の被写体までの距離を測定して前記距離情報を取得することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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