JP5453573B2 - 撮像装置、撮像方法およびプログラム - Google Patents

撮像装置、撮像方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、撮像装置、撮像方法およびプログラムに係り、特に、フォーカスブラケット撮影を行う機能を有する撮像装置と、当該撮像装置において実行される撮像方法およびプログラムに関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)エリアセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージ・センサ等の固体撮像素子の高解像度化に伴い、デジタル電子スチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)等の撮影機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮影機能を有する情報機器を撮像装置と称する。
ところで、従来より、焦点位置を変更しながら連続して撮影を行うフォーカスブラケット撮影により撮影された複数の画像を合成処理することにより、ぼけのコントロールを行った画像や、画面全体に焦点の合った全焦点画像を得ることが行われてきた。しかしながら、この合成処理は、連続して撮影を行う間に手ブレや被写体ブレがあると処理に使用する画像間の相関度が下がり、意図した画像が得られない。
これを解決するための技術として、特許文献1(特開2008−271240号公報)には、予め定められた移動量で離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより複数の画像を得るフォーカスブラケット撮影手段と、前記フォーカスブラケット撮影手段により撮影された複数の画像間の被写体の対応点を検出する対応点検出手段と、前記複数の画像の中から所定の基準により選択された1枚の基準画像に対して、前記対応点の位置が一致するように前記基準画像以外の前記複数の画像を変形する画像変形手段と、前記変形された画像を含む複数の画像を合成する画像合成手段と、前記画像合成手段により得られた画像を記録媒体に記録する記録手段と、を備えた撮像装置が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1(特開2008−271240号公報)に開示されている技術におけるフォーカスブラケット撮影手段によって得られる複数の画像は互いに焦点位置が異なるものであるため、各画像毎にぼけの度合が異なる結果、対応点の検出に失敗しやすい。特に、これは、マクロ撮影を行う場合等に顕著に生じる。
本発明の態様によれば、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することのできる撮像装置、撮像方法およびプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によれば、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影手段と、前記撮影手段によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理手段による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形手段と、前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録手段と、を備えた撮像装置が提供される。
本発明の第1の態様による撮像装置によれば、撮影手段により、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影(フォーカスブラケット撮影)することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像が得られる。
ここで、本発明の第1の態様によれば、画像処理手段により、前記撮影手段によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理が施され、検出手段により、前記画像処理手段による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点が検出される。
そして、本発明の第1の態様によれば、変形手段により、前記検出手段によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理手段による画像処理の実行前の前記非基準画像が変形され、生成手段により、前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像が生成されて、記録手段により、前記生成手段によって生成されたぼけ調整画像が記録媒体に記録される。
このように、本発明の第1の態様による撮像装置によれば、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得て、当該複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施し、当該画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出している。これにより、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
なお、本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記画像処理手段が、前記画像処理として平滑化処理および鮮鋭化処理の少なくとも一方を施してもよい。これにより、平滑化処理および鮮鋭化処理という比較的簡易な処理によって、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
特に、本発明の第3の態様によれば、第2の態様において、前記画像処理手段が、予め定められた第1のフィルタ特性によるフィルタ処理により前記平滑化処理および前記鮮鋭化処理の少なくとも一方を施してもよい。これにより、フィルタ処理という比較的簡易な処理によって、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
また、本発明の第4の態様によれば、第3の態様において、前記第1のフィルタ特性が、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置と、に基づいて予め定められてもよい。これにより、新たな手段を要することなく、簡易にフォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
また、本発明の第5の態様によれば、第1から第4の何れかの態様による撮像装置において、前記撮影手段による撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定する特定手段をさらに備え、前記画像処理手段が、前記特定手段によって特定された前記主要被写体領域と前記非主要被写体領域との面積の広い方に対して前記画像処理を施してもよい。これにより、より多くの対応点を検出することができるようになる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
また、本発明の第6の態様によれば、第1から第4の何れかの態様による撮像装置において、前記撮影手段による撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定する特定手段をさらに備え、前記画像処理手段が、前記画像処理として平滑化処理を行う場合は、前記基準画像の前記主要被写体領域および前記非基準画像の前記非主要被写体領域の双方に対して当該平滑化処理を施し、前記画像処理として鮮鋭化処理を行う場合は、前記基準画像の前記非主要被写体領域および前記非基準画像の前記主要被写体領域の双方に対して当該鮮鋭化処理を施してもよい。これにより、さらに多くの対応点を検出することができるようになる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
また、本発明の第7の態様によれば、第1から第6の何れかの態様による撮像装置において、前記変形手段によって変形された前記非基準画像を含む複数の画像から、画素の座標に応じたぼかし量を算出する算出手段をさらに備え、前記生成手段が、前記算出手段による算出結果に基づき第2のフィルタ特性を決定し、前記基準画像に対して決定したフィルタ特性によるフィルタ処理を行うことにより前記ぼけ調整画像を生成してもよい。これにより、画素単位でフィルタ処理を行うことができる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
特に、本発明の第8の態様によれば、第7の態様において、前記第2のフィルタ特性が、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置とに基づいて予め定められていてもよい。これにより、新たな手段を要することなく、簡易に、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
また、本発明の第9の態様によれば、第1から第6の何れかの態様による撮像装置において、前記生成手段が、前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とを合成することにより前記ぼけ調整画像を生成してもよい。これにより、基準画像に対してフィルタ処理を行うことによりぼけ調整画像を生成する場合に比較して、より簡易にぼけ調整画像を生成することができる。
さらに、本発明の第10の態様によれば、第1から第9の何れかの態様による撮像装置において、前記生成手段が、主要被写体領域に対して非主要被写体領域のぼけの度合が大きくなるように前記ぼけ調整画像を生成してもよい。
一方、本発明の第11の態様によれば、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影工程と、前記撮影工程によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理工程と、前記画像処理工程による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出工程と、前記検出工程によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理工程による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形工程と、前記基準画像と前記変形工程によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成工程と、前記生成工程によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録工程と、を有する撮像方法が提供される。
従って、本発明の第11の態様によれば、本発明の第1の態様と同様に作用するので、本発明の第1の態様と同様に、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
一方、本発明の第12の態様によれば、コンピュータを、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影手段と、前記撮影手段によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理手段による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形手段と、前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録手段と、として機能させるためのプログラムが提供される。
従って、本発明の第12の態様によれば、コンピュータを本発明の第1の態様と同様に作用させることができるので、本発明の第1の態様と同様に、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
本発明の態様によれば、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得て、当該複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施し、当該画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出している。これにより、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の要部構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係るデジタルカメラにおけるフォーカスブラケット撮影の説明に供する図であり、焦点位置とAF評価値との関係を示すグラフである。 実施の形態に係るデジタルカメラにおけるぼかし量の決定手順の説明に供する概略図である。 実施の形態に係るデジタルカメラにおけるぼかし量の決定手順の説明に供する概略図である。 実施の形態に係るデジタルカメラにおける特徴点と対応点の検出手順の説明に供する概略図である。 実施の形態に係るデジタルカメラにおける特徴点と対応点の検出手順の説明に供する概略図である。 実施の形態に係るラプラシアンフィルタのフィルタ行列を示す図である。 実施の形態に係るぼかし量の絶対値とガウシアンフィルタのσパラメータの関係を示すグラフである。 実施の形態に係るぼかし量の絶対値とガウシアンフィルタのσパラメータの関係を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムの処理内容の説明に供する概略図である。 第2の実施の形態に係る第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るデジタルカメラにおける主要被写体領域と非主要被写体領域の特定手順の説明に供する概略図である。 第2の実施の形態に係るデジタルカメラにおける主要被写体領域と非主要被写体領域の特定手順の説明に供する概略図である。 第3の実施の形態に係る第3撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係るデジタルカメラにおける簡易構図解析の説明に供する概略図である。 第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムの処理内容の説明に供する概略図である。 第5の実施の形態に係る第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第6の実施の形態に係る第6撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第7の実施の形態に係る第7撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第8の実施の形態に係る第8撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、静止画像の撮影を行うデジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の要部構成を説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10は、被写体像を結像させるためのレンズを含んで構成された光学ユニット22と、当該レンズの光軸後方に配設された固体撮像素子24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、を含んで構成されている。尚、撮像系20は、撮影手段に対応する。
また、デジタルカメラ10は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
なお、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
固体撮像素子24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、固体撮像素子24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
一方、デジタルカメラ10は、撮影された被写体像やメニュー画面等を表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38と、当該被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、撮影により得られたデジタル画像データ等を一時的に記憶するメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46と、を含んで構成されている。尚、CPU40は、画像処理手段、検出手段、変形手段、生成手段、記録手段、特定手段及び算出手段に対応する。
さらに、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理および伸張処理を行う圧縮・伸張処理回路54と、を含んで構成されている。
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、メモリ48としてフラッシュ・メモリ(Flash Memory)が用いられ、メモリカード52としてxDピクチャ・カード(登録商標)が用いられているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、CPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50、および圧縮・伸張処理回路54はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、デジタル信号処理部30および圧縮・伸張処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48およびメモリカード52へのメモリインタフェース46ないし外部メモリインタフェース50を介したアクセスを各々行うことができる。
一方、デジタルカメラ10には、主として固体撮像素子24を駆動させるためのタイミング信号(パルス信号)を生成して固体撮像素子24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、固体撮像素子24の駆動はCPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
さらに、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータおよび絞り駆動モータの駆動もCPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。
すなわち、本実施の形態に係る上記レンズは複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズ系として構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータおよび絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
さらに、デジタルカメラ10には、撮影を実行する際に押圧操作されるレリーズスイッチ(所謂シャッタースイッチ)、デジタルカメラ10の電源のオン/オフを切り替える際に操作される電源スイッチ、撮影を行うモードである撮影モードおよび被写体像をLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際に操作されるモード切替スイッチ、LCD38にメニュー画面を表示させるときに押圧操作されるメニュースイッチ、それまでの操作内容を確定するときに押圧操作される決定スイッチ、直前の操作内容をキャンセルするときに押圧操作されるキャンセルスイッチ等の各種スイッチ類を含んで構成された操作部56が備えられており、これらの操作部56はCPU40に接続されている。従って、CPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握することができる。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズスイッチは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
そして、デジタルカメラ10では、レリーズスイッチを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
また、デジタルカメラ10には、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発するストロボ44と、ストロボ44とCPU40との間に介在されると共に、CPU40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42と、が備えられている。さらに、ストロボ44はCPU40にも接続されており、ストロボ44の発光はCPU40によって制御される。
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより、少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得て、当該複数の画像に基づいて主要被写体の領域(以下、「主要被写体領域」という。)を除く領域(以下、「非主要被写体領域」という。)のぼけの度合が調整されたぼけ調整画像を生成して記録するフォーカスブラケット撮影機能が搭載されている。
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、ユーザによって操作部56を介してフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定された場合のみ、以上のようなフォーカスブラケット撮影が行われ、上記ぼけ調整画像が生成されてメモリカード52に記録される。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図2は、操作部56のレリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、デジタルカメラ10のCPU40によって実行される第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図2のステップ100では、AF機能を働かせることにより、主要被写体に対して自動合焦位置判断を行い、次のステップ102では、焦点位置間隔dを決定する。
本実施の形態では、フォーカスブラケット撮影の際に設定される焦点位置に、主要被写体の合焦位置と、その前後の焦点位置を含むようにする。ここでは、一例として図3に示すように、主要被写体の合焦位置F3、主要被写体の合焦位置から前後に焦点位置間隔dだけ離れた焦点位置F2およびF4、さらに主要被写体の合焦位置F3から遠ざかる方向に、焦点位置F2およびF4から焦点位置間隔dだけ離れた焦点位置のF1およびF5の計5点をフォーカスブラケット撮影の際の焦点位置とする。なお、焦点位置の端から順に、F1で撮影された画像の番号を1、F2で撮影された画像の番号を2、・・・、F5で撮影された画像の番号を5とする。
本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、絞りのF値が小さい場合や焦点距離が長い場合等、被写界深度が浅い場合はdを小さく、逆に絞りのF値が大きい場合や焦点距離が短い場合等、被写界深度が深い場合はdを大きくするように設定されている。CPU40は、メモリ48に記憶されたこの設定に基づいて焦点位置間隔dを決定する。これにより、任意の絞りと焦点距離において、ぼけ強調に適した焦点の異なる画像を得ることができる。なお、焦点位置間隔dは一定でなくてもよく、例えば、主要被写体の合焦位置から見てNEAR側とFAR側で変えるようにしてもよい。
次のステップ104では、上記ステップ100およびステップ102の処理によって得られた主要被写体に対する合焦位置および焦点位置間隔dにより決定される複数の焦点位置(本実施の形態では、図3に示されるF1〜F5の5箇所の焦点位置)の何れか1つとなるように焦点位置を制御し、次のステップ106にて、撮影を行うように制御する。
次のステップ108では、撮影回数が予め定められた回数(本実施の形態では、5回)に達したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ104に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ110に移行する。なお、上記ステップ104〜ステップ108の繰り返し処理を実行する際にステップ104では、上記複数の焦点位置のうち、それまでに設定しなかった焦点位置を設定するように制御する。以上のステップ104〜ステップ108の繰り返し処理により、フォーカスブラケット撮影が行われ、これにより得られた撮影画像がメモリ48の所定領域に格納される。
ステップ110では、以上の処理によって得られた撮影画像のうち、主要被写体に合焦されている画像を基準画像とし、当該基準画像を除く画像を非基準画像として、非基準画像に対して平滑化フィルタにより平滑化処理を施すことによって、非基準画像のぼけの度合を基準画像のぼけの度合に近づける。
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、非基準画像に対する平滑化処理によるぼかし量を次のように決定する。
図4A及び図4Bに示すように、焦点距離をf[mm]、F値をFとするレンズを用いて、ある基準被写体が合焦するように像面が配置されているとする。ここで、基準被写体距離(基準被写体からレンズ中心Hまでの距離)をd[mm]とし、基準被写体の焦点(像面)とレンズ中心Hとの距離をb[mm]とする。また、任意の位置にある被写体の被写体距離をd[mm]とし、この被写体の焦点とレンズ中心Hとの距離をb[mm]とする。このとき、任意被写体の被写体距離d[mm]とぼけ半径r[mm]との関係について考える。なお、図4Aは任意被写体が基準被写体よりも手前にあるとき(NEAR側:d≦d)の関係を表し、図4Bは任意被写体が基準被写体よりも遠くにあるとき(FAR側:d>d)の関係を表している。
このとき、結像公式より以下の(1)式および(2)式が成り立つ。
また、像面側で形成する相似三角形の関係より、以下の(3)式および(4)式が成り立つ。
ここで、開口径の半径をf/2Fとしているが、これは「F値=焦点距離/開口径」という定義に基づくものである。
また、(3)式および(4)式をまとめて、以下の(5)式で表せる。
(1)式および(2)式をb、bに対して解き、これらを(5)式に代入すると任意の被写体距離dとぼけ半径rについて以下の関係式が得られる。
ただし、合焦被写体距離は焦点距離よりも長い、すなわち、d>f(1/f>1/d)が成り立つものとする。このぼけ半径r[mm]が平滑化度合の目安となる。
固体撮像素子24の画素ピッチをp[μm]とすれば、画素単位でのぼけ半径rは、以下の(7)式で表される。
最後に、上記ぼけ半径に基づいてフィルタ特性を決定する。本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、平滑化フィルタとしてガウシアンフィルタを適用し、当該ガウシアンフィルタのσパラメータを次の(8)式により算出する。
ここで、Dは平滑化の度合いを調整するための定数である。このように求められたσパラメータからフィルタ係数f(x)を算出するには、次の(9)式を用いて演算を行い、算出されたフィルタ係数の総和が1になるように正規化を行う。
デジタルフィルタの場合は注目画素を中心とした離散位置ごとにf(x)が決定される。例えば、5タップフィルタの場合は、f(x)={0.1、0.2、0.4、0.2、0.1}等となる。なお、一般には画像の明るさが変動しないよう、各係数の総和が1.0になるように正規化される。また、ここでは1次元のフィルタ係数で表現しているが、このフィルタを水平方向と垂直方向に順に施すことにより2次元のフィルタ処理を行うことができる。
なお、本ステップ110では、平滑化処理が施された非基準画像をフォーカスブラケット撮影によって得られた非基準画像とは別に生成するようにしている。
次のステップ112では、基準画像と上記ステップ110の処理によって平滑化処理が施された非基準画像との間における対応点の検出を行う。以下、当該対応点の検出手順について説明する。対応点検出は、複数画像間で対応する点の位置関係を求めるものである。図5A、図5Bは、フォーカスブラケット撮影から得られた画像の一例を示す図である。本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、一例として図5Aに示す基準画像から特徴点を抽出し、その特徴点が一例として図5Bに示す追跡画像のどの位置に移動したかを追跡することにより、対応点の検出を行う。
まず、CPU40は、基準画像から特徴点の抽出を行う。ここで、特徴点の抽出の手法は種々のものが提案されているが、ここでは、ある点を中心とする所定領域内の輝度の標準偏差が所定値以上の場合に、その点を特徴点として抽出する。図5Aにおける丸印が、図5Aの画像における特徴点を示す。特徴点は多いほうが以後の処理を精度よく行うことができるが、特徴点が多くなると処理負荷が増大するため、特徴点の数はハード性能等から適宜決めればよい。
次に、CPU40は、非基準画像の何れか1つを追跡画像として選択し、当該追跡画像において、基準画像から抽出された特徴点の1つを選択して、この特徴点がどの位置へ移動したかを追跡する。ここで、当該追跡の手法についても種々のものが提案されているが、ここではその点を中心とする所定領域内の相互相関係数が最小となるような座標を見つける手法(ブロックマッチング法)を用いて追跡を行う。
以上の基準画像における特徴点の追跡を全ての非基準画像について実行することにより、対応点の検出処理が終了する。
次のステップ150では、上記ステップ110による平滑化処理が施される前の非基準画像(フォーカスブラケット撮影によって得られた非基準画像)に対して、上記ステップ112の処理によって得られた対応する非基準画像の対応点が基準画像の対応点の位置に極力一致するように画像の変形を行う。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、当該画像の変形を、非基準画像に対する平行移動、回転移動、縮小・拡大処理により行う。これらの画像変形は、複数組の対応点の距離の総和が最小となるように移動ベクトルを決めればよい。なお、これらの平行移動、回転移動、および拡大・縮小処理は、アフィン変換により行う。
また、基準画像と非基準画像との間に複雑な動きが生じている場合は、全ての対応点をより精度よく一致させるためにはワーピングを行う。ワーピングは、全ての対応点の組を完全に一致するような移動ベクトルを選択すると共に、その周囲の点も補間により求めるものである。
次のステップ152では、ぼかし量の算出を行う。以下、当該ぼかし量の算出手順について説明する。
まず、CPU40は、基準画像および上記ステップ150の処理により画像の変形が行われた後の非基準画像の各々について、各画素の鮮鋭度を算出する。
鮮鋭度の算出については、ラプラシアンフィルタ処理による出力値の絶対値を算出することにより行う。図6は、ラプラシアンフィルタのフィルタ行列を示す図である。ラプラシアンフィルタ処理を行うことによりエッジ検出をすることができ、この出力値の絶対値が鮮鋭度を示す。画像のぼけと鮮鋭度に関しては、画像のぼけが小さい画素ほど鮮鋭度が高く、ぼけが大きくなるほど鮮鋭度が低くなるという関係がある。なお、ラプラシアンフィルタのカーネルはこの例に限定されるものではなく、またラプラシアンフィルタ以外の鮮鋭度算出フィルタを用いてもよい。
次に、CPU40は、画素毎に、算出した鮮鋭度が最大値である画像番号をnとし、基準画像の画像番号をcとして、次の(10)式によりぼかし量kを算出する。
ここで、uはユーザが指定したぼけ強調度合いであり、uが1.0よりも大きければ基準設定よりもぼけが強調され、uが1.0未満の場合は基準設定よりもぼけが緩和される画像となる。なお、ぼけ強調度合いuは、ユーザが操作部56を操作することにより設定が可能となっている。また、本実施の形態では、c=3である。
次のステップ154では、基準画像に対してぼかし処理を行う。本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、ぼかし処理にもガウシアンフィルタを用いる。
まず、CPU40は、上記ステップ152の処理によって得られたぼかし量kから何れかの画素に対応するぼかし量を選択し、ぼかし量の絶対値|k|と所定の閾値Thとの比較を行う。所定の閾値Thの方が大きい場合は、この画素を合焦領域とみなして合焦位置F3で撮影した画素値を出力する。ぼかし量の絶対値|k|の方が大きい場合は、この画素をぼけ強調すべき領域とみなしてフィルタ係数を決定する。
前述したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、このフィルタ処理にガウシアンフィルタを用いる。図7A及び図7Bは、ぼかし量の絶対値|k|と、ガウシアンフィルタのσパラメータの関係を示したグラフである。図7A及び図7Bに示すように、ぼかし量の絶対値|k|が所定の閾値Th以上のとき、ぼかし量の絶対値|k|と比例関係にあるガウシアンフィルタのσパラメータが求められ、このσパラメータに応じたガウシアンフィルタ係数f(x)を決定する。CPU40は、メモリ48の所定領域に記憶されたこの関係に基づいてσパラメータを決定する。
図7Bは、注目画素からの距離xとガウシアンフィルタのフィルタ係数f(x)の関係を示したグラフである。図7Bに示すように、ガウシアンフィルタはσパラメータが大きいほど周辺画素の重みを大きくして加重平均をとる。従って、ぼかし量の絶対値|k|の大きさに応じてσパラメータを大きくすることにより、ぼかし量の絶対値|k|が大きいほど平滑化の度合いを大きくすることができる。
このように求められたσパラメータを前述した(9)式に代入することによりフィルタ係数f(x)を算出し、当該フィルタ係数の総和が1になるように正規化を行う。なお、ここでも1次元のフィルタ係数で表現しているが、このフィルタを水平方向と垂直方向に順に施すことにより2次元のフィルタ処理を行うことができる。
以上のような、ぼかし量に応じたフィルタ処理を全ての画素について行うことにより、主要被写体の領域を除く領域のぼけの度合が調整された、ぼけ調整画像が生成される。このように、主要被写体の合焦位置で撮影された基準画像に対してフィルタ処理を行うことにより、より自然なぼけ強調が可能となる。なお、このフィルタ処理に用いるフィルタはガウシアンフィルタに限られるものではなく、ローパスフィルタなら他のフィルタでも構わない。例えば、絞りやレンズの特性に応じたぼけ形状を持ったフィルタを用いてもよい。
次のステップ156では、上記ステップ154の処理によって得られたぼけ調整画像を、圧縮/伸張処理回路54にて圧縮した後に、外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録し、その後に本第1撮影処理プログラムを終了する。
以上の第1撮影処理プログラムの実行により、一例として図8に示すように、まず、フォーカスブラケット撮影を行うことにより、主要被写体の領域に合焦された基準画像と、主要被写体の領域を除く背景の領域に合焦された非基準画像が得られる。次に、非基準画像に対して平滑化処理を施すことにより、当該非基準画像における主要被写体を除く背景領域のぼけの度合いを基準画像に近づける。
次に、基準画像の特徴点を検出した後、当該特徴点に対応する対応点を平滑化処理が施された後の非基準画像から検出し、検出した対応点が特徴点に重なるように、平滑化処理が施される前の非基準画像を変形する。
次に、基準画像および変形された非基準画像の各々の各画素の鮮鋭度に基づいて各画素毎のぼかし量を算出し、最後に、算出したぼかし量にて基準画像の背景領域をぼかすことによりぼけ調整画像を生成して、メモリカード52に記録する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影(フォーカスブラケット撮影)することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得て、当該複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方(本実施の形態では、非基準画像)に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理(本実施の形態では、平滑化処理)を施し、当該画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出している。これにより、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、前記画像処理として平滑化処理を施しているので、比較的簡易な処理によって、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
特に、本実施の形態によれば、予め定められた第1のフィルタ特性によるフィルタ処理により前記平滑化処理を施しているので、フィルタ処理という比較的簡易な処理によって、フォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、前記第1のフィルタ特性が、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置と、に基づいて予め定められているので、新たな手段を要することなく、簡易にフォーカスブラケット撮影によって得られた複数の画像間で対応点の検出を行う際の誤検出を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、変形された前記非基準画像を含む複数の画像から、画素の座標に応じたぼかし量を算出し、当該算出結果に基づき第2のフィルタ特性を決定し、前記基準画像に対して決定したフィルタ特性によるフィルタ処理を行うことにより、ぼけ調整画像を生成しているので、画素単位でフィルタ処理を行うことができる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、前記第2のフィルタ特性が、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置とに基づいて予め定められているので、新たな手段を要することなく、簡易に、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図9を参照して、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図9は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図9の図2と同一の処理を実行するステップについては図2と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図9のステップ120では、撮影画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域との面積を特定する構図解析を行う。以下、当該構図解析の手順について説明する。
本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、操作部56におけるレリーズスイッチが半押し状態とされた際に実行されるAF機能により得られる情報を利用して上記構図解析を実行する。
すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズスイッチが半押し状態とされた際にAF機能が働いて、一例として図10Aに示されるように、撮影画角内の予め定められた分割領域(本実施の形態では、横方向に8領域で縦方向に6領域の合計48の分割領域)の各々毎に焦点位置が得られる。
ここで、特定の被写体がデジタルカメラ10から同一の距離に位置するとすれば、当該被写体を含む分割領域の焦点位置は略同一になることが期待される。そこで、本実施の形態に係る構図解析では、予め定められた範囲内の焦点位置となる分割領域の数を被写体の面積として考える。図10Bに示す例では、主要被写体である人物に属する分割領域の数が8で、背景に属する分割領域の数が40となっており、これらの分割領域の数により主要被写体領域と非主要被写体領域の面積を特定する。
次のステップ122では、上記ステップ120の処理によって得られた主要被写体領域の面積が、非主要被写体領域の最大の面積より小さいか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ124に移行する。
ステップ124では、上記第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムのステップ110およびステップ112の処理と同様に、非基準画像に対して平滑化フィルタにより平滑化処理を施すことによって、非基準画像のぼけの度合を基準画像のぼけの度合に近づける。その後、次のステップ126にて、基準画像と上記ステップ124の処理によって平滑化処理が施された非基準画像との間における対応点の検出を行い、その後にステップ150に移行する。
一方、上記ステップ122において否定判定となった場合はステップ128に移行し、基準画像に対して平滑化フィルタにより平滑化処理を施すことによって、基準画像のぼけの度合を非基準画像のぼけの度合に近づける。その後、次のステップ130にて、上記ステップ128の処理によって平滑化処理が施された基準画像と非基準画像との間における対応点の検出を行い、その後にステップ150に移行する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができると共に、フォーカスブラケット撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定し、特定した前記主要被写体領域と前記非主要被写体領域との面積の広い方に対して前記画像処理を施している。これにより、より多くの対応点を検出することができるようになる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第3の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図11を参照して、本第3の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図11は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第3の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第3撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図11の図2と同一の処理を実行するステップについては図2と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図11のステップ140では、撮影画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く非主要被写体領域とを特定する簡易構図解析を行う。
本実施の形態に係るデジタルカメラ10でも、上記第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構図解析と同様に、操作部56におけるレリーズスイッチが半押し状態とされた際に実行されるAF機能により得られる情報を利用して上記簡易構図解析を実行する。
具体的には、本実施の形態に係る簡易構図解析では、画角内の中央部に位置する分割領域の焦点位置を含み、かつ予め定められた範囲内の焦点位置となる分割領域を主要被写体領域とし、他の領域を非主要被写体領域とする。
ところで、本実施の形態に係る簡易構図解析では、レリーズスイッチが半押し状態とされた際に得られた焦点位置を用いているため、一例として図12に示すように、当該簡易構図解析により得られる主要被写体領域および非主要被写体領域と、実際にフォーカスブラケット撮影を行っている際の各領域とでは、各領域の位置に若干のずれが生じる。
そこで、次のステップ142では、上記ステップ140の処理によって特定された主要被写体領域および非主要被写体領域を上記ずれに応じて補正する処理を実行する。以下、図12を参照して、当該補正処理の手順について説明する。
まず、簡易構図解析で用いた焦点位置を得るためのAF機能が働いている際に得られた画像(以下、「AF画像」という。)とフォーカスブラケット撮影によって得られた基準画像との間で前述した手順と同様の手順で対応点検出を行う。次に、検出した対応する対応点間の距離およびAF画像から基準画像に対する移動方向を特定する。そして、特定した各対応点間の距離および移動方向に基づいて、上記ステップ140の処理によって得られた主要被写体領域と非主要被写体領域との境界線を、最も近接するAF画像における対応点に対する上記距離だけ、対応する上記移動方向に移動する。
次のステップ144では、基準画像の上記ステップ142の処理によって補正された主要被写体領域に対して平滑化フィルタにより平滑化処理を施すことにより、基準画像の主要被写体領域のぼけの度合を非基準画像の主要被写体領域のぼけの度合に近づける。次のステップ144にて、非基準画像の上記ステップ142の処理によって補正された非主要被写体領域に対して平滑化フィルタにより平滑化処理を施すことにより、非基準画像の非主要被写体領域のぼけの度合を基準画像の非主要被写体領域のぼけの度合に近づける。
次のステップ148では、以上の処理によって平滑化処理が施された基準画像と非基準画像との間における対応点の検出を、上記第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムのステップ112の処理と同様に行う。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができると共に、撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定し、前記基準画像の前記主要被写体領域および前記非基準画像の前記非主要被写体領域の双方に対して、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施している。これにより、さらに多くの対応点を検出することができるようになる結果、より高品質なぼけ調整画像を得ることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第4の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図13を参照して、本第4の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図13は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第4の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第4撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図13の図2と同一の処理を実行するステップについては図2と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図13のステップ110’では、フォーカスブラケット撮影によって得られた撮影画像のうちの基準画像に対して復元フィルタにより復元処理を施すことによって、基準画像のぼけの度合(鮮鋭度)を非基準画像のボケの度合(鮮鋭度)に近づける。
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、上記復元フィルタとして上記第1の実施の形態に係る平滑化フィルタの逆フィルタを適用する。なお、当該平滑化フィルタのフィルタ係数は上記第1の実施の形態と同様に導出することができる。
以上の第4撮影処理プログラムの実行により、一例として図14に示すように、まず、フォーカスブラケット撮影を行うことにより、主要被写体の領域に合焦された基準画像と、主要被写体の領域を除く背景の領域に合焦された非基準画像とが得られる。次に、基準画像に対して復元処理を施すことにより、当該基準画像における背景領域のぼけの度合いを非基準画像に近づける。
次に、基準画像の特徴点を検出した後、当該特徴点に対応する対応点を非基準画像から検出し、検出した対応点が特徴点に重なるように、非基準画像を変形する。次に、基準画像および非基準画像の各々の各画素の鮮鋭度に基づいて各画素毎のぼかし量を算出する。最後に、算出したぼかし量にて基準画像の背景領域をぼかすことによりぼけ調整画像を生成して、メモリカード52に記録する。
本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第5の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図15を参照して、本第5の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図15は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第5の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第5撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図15の図9と同一の処理を実行するステップについては図9と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
同図のステップ124’では、上記第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムのステップ110’の処理と同様の復元フィルタにより、基準画像に対して復元処理を施すことによって、基準画像のぼけの度合(鮮鋭度)を非基準画像のぼけの度合(鮮鋭度)に近づける。また、ステップ128’では、非基準画像に対して同様の復元フィルタにより復元処理を施すことによって、非基準画像のぼけの度合を基準画像のぼけの度合に近づける。
本実施の形態でも、上記第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第6の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図16を参照して、本第6の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図16は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第6の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第6撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図16の図11と同一の処理を実行するステップについては図11と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図16のステップ144’では、上記第4の実施の形態に係る第4撮影処理プログラムのステップ110’の処理と同様の復元フィルタにより、基準画像の上記ステップ142の処理によって補正された非主要被写体領域に対して復元処理を施すことにより、基準画像の非主要被写体領域のぼけの度合(鮮鋭度)を非基準画像の非主要被写体領域のぼけの度合(鮮鋭度)に近づける。次のステップ146’にて、非基準画像の上記ステップ142の処理によって補正された主要被写体領域に対して復元処理を施すことにより、非基準画像の主要被写体領域のぼけの度合(鮮鋭度)を基準画像の主要被写体領域のぼけの度合(鮮鋭度)に近づける。
本実施の形態でも、上記第3の実施の形態と略同様の効果を奏することができる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第7の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図17を参照して、本第7の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図17は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第7の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第7撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図17の図2と同一の処理を実行するステップについては図2と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図17に示すように、本実施の形態に係る第7撮影処理プログラムは、上記第1の実施の形態に係る第1撮影処理プログラムに対して、ステップ152およびステップ154の処理に代えてステップ153の処理が適用されている点のみが異なっている。
すなわち、図17のステップ153では、基準画像に上記ステップ150の処理によって変形した非基準画像を合成することにより、ぼけ調整画像を生成する。以下、当該合成の手順について説明する。
まず、CPU40は、基準画像および画像の変形が行われた非基準画像の各々について、各画素の鮮鋭度を、前述したラプラシアンフィルタ処理による出力値の絶対値を算出することにより導出する。
次に、CPU40は、画素毎に、算出した鮮鋭度が最大である画像が何れの画像であるかを判定し、鮮鋭度が最大である画像が基準画像であれば当該基準画像の画素値を、ぼけ調整画像の画素値として採用する。これに対して、算出した鮮鋭度が最大である画像が、主要被写体の合焦位置より遠い側(FAR側)の画像(本実施の形態では、画像番号が4または5の画像)であれば、当該画像の基準画像を中心として点対称の焦点位置とされた、主要被写体の合焦位置より近い側(NEAR側)の画像(本実施の形態では、鮮鋭度が最大である画像が4の場合は画像番号が2の画像で、鮮鋭度が最大である画像が5の場合は画像番号が1の画像)の画素値を、ぼけ調整画像の画素値として採用する。さらに、算出した鮮鋭度が最大である画像がNEAR側の画像(本実施の形態では、画像番号が1または2の画像)であれば、当該画像の基準画像を中心として点対称の焦点位置とされたFAR側の画像(本実施の形態では、鮮鋭度が最大である画像が1の場合は画像番号が5の画像で、鮮鋭度が最大である画像が2の場合は画像番号が4の画像)の画素値を、ぼけ調整画像の画素値として採用する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができると共に、基準画像と変形した非基準画像とを合成することにより、ぼけ調整画像を生成しているので、基準画像に対してフィルタ処理を行うことによりぼけ調整画像を生成する場合に比較して、より簡易にぼけ調整画像を生成することができる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第8の実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図18を参照して、本第8の実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図18は、レリーズスイッチが半押し状態を経て全押し状態に移行した際に、本第8の実施の形態に係るデジタルカメラ10のCPU40によって実行される第8撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図18の図17と同一の処理を実行するステップについては図17と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、ユーザによってフォーカスブラケット撮影機能を働かせることが設定されている場合について説明する。
図18に示すように、本実施の形態に係る第8撮影処理プログラムは、上記第7の実施の形態に係る第7撮影処理プログラムに対して、ステップ153の処理に代えてステップ153’の処理が適用されている点のみが異なっている。
すなわち、図18のステップ153’では、基準画像に上記ステップ150の処理によって変形した非基準画像を合成することにより、ぼけ調整画像を生成する。以下、当該合成の手順について説明する。
まず、CPU40は、基準画像および画像の変形が行われた非基準画像の各々について、各画素の鮮鋭度を、前述したラプラシアンフィルタ処理による出力値の絶対値を算出することにより導出する。
次に、CPU40は、画素毎に、鮮鋭度が最大となる画像の画素値を、ぼけ調整画像の画素値として採用する。本実施の形態に係る第8撮影処理プログラムにより得られるぼけ調整画像は、主要被写体領域と非主要被写体領域の双方について合焦されている全焦点画像となる。
本実施の形態でも、上記第7の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記第2,第3,第5,第6の実施の形態では、構図解析および簡易構図解析をAF機能により得られる情報を利用して行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮影画像の色情報に基づいて画像の領域分割を行い、各分割領域毎にAF機能と同様に焦点位置を導出して、各実施の形態と同様に適用する形態としてもよいし、顔検出機能を有するデジタルカメラにおいては、当該機能を用いて得られる顔領域と当該顔領域から推定される胴体領域とを主要被写体領域とし、残りの領域を非主要被写体領域として特定する形態等としてもよい。
また、上記各実施の形態では、本発明の鮮鋭化処理を行うフィルタとして平滑化フィルタの逆フィルタを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウィナーフィルタや、他のローパスフィルタの逆フィルタを適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、対応点を検出する前に、基準画像および非基準画像の少なくとも一方に平滑化処理または鮮鋭化処理(復元処理)を必ず実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基準画像と非基準画像との間で焦点位置に所定量以上の差があるか否かを判定し、差がある場合のみ平滑化処理または鮮鋭化処理を実行する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、対応点の検出を画像の全域に渡って行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、平滑化処理または鮮鋭化処理により、ぼけの度合が近づいた領域のみを対応点の検出対象とする形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、平滑化処理、鮮鋭化処理、対応点を検出する処理、非基準画像を変形する処理、画像を合成する処理等の各種処理をプログラムによるソフトウェアにより実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。これらの処理をハードウェアにより実現する形態としてもよく、さらに、ソフトウェアとハードウェアの双方にて実現する形態としてもよい。
その他、上記各実施の形態で説明したデジタルカメラ10の構成(図1参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記各実施の形態で説明した各種撮影処理プログラムの処理の流れ(図2,図9,図11,図13,図15〜図18参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
尚、日本特許出願2011−080034の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 デジタルカメラ
20 撮像系(撮影手段)
40 CPU(画像処理手段,検出手段,変形手段,生成手段,記録手段,特定手段,算出手段)
48 メモリ
52 メモリカード
56 操作部

Claims (12)

  1. 離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影手段と、
    前記撮影手段によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段と、
    前記画像処理手段による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理手段による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形手段と、
    前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録手段と、
    を備えた撮像装置。
  2. 前記画像処理手段は、前記画像処理として平滑化処理および鮮鋭化処理の少なくとも一方を施す
    請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記画像処理手段は、予め定められた第1のフィルタ特性によるフィルタ処理により前記平滑化処理および前記鮮鋭化処理の少なくとも一方を施す
    請求項2記載の撮像装置。
  4. 前記第1のフィルタ特性は、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置と、に基づいて予め定められる
    請求項3記載の撮像装置。
  5. 前記撮影手段による撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定する特定手段をさらに備え、
    前記画像処理手段は、前記特定手段によって特定された前記主要被写体領域と前記非主要被写体領域との面積の広い方に対して前記画像処理を施す
    請求項1から請求項4の何れか1項記載の撮像装置。
  6. 前記撮影手段による撮影によって得られた画像における主要被写体領域と主要被写体領域を除く被写体領域である非主要被写体領域とを特定する特定手段をさらに備え、
    前記画像処理手段は、前記画像処理として平滑化処理を行う場合は、前記基準画像の前記主要被写体領域および前記非基準画像の前記非主要被写体領域の双方に対して当該平滑化処理を施し、前記画像処理として鮮鋭化処理を行う場合は、前記基準画像の前記非主要被写体領域および前記非基準画像の前記主要被写体領域の双方に対して当該鮮鋭化処理を施す
    請求項1から請求項4の何れか1項記載の撮像装置。
  7. 前記変形手段によって変形された前記非基準画像を含む複数の画像から、画素の座標に応じたぼかし量を算出する算出手段をさらに備え、
    前記生成手段は、前記算出手段による算出結果に基づき第2のフィルタ特性を決定し、前記基準画像に対して決定したフィルタ特性によるフィルタ処理を行うことにより前記ぼけ調整画像を生成する
    請求項1から請求項6の何れか1項記載の撮像装置。
  8. 前記第2のフィルタ特性は、前記基準画像と、前記非基準画像を撮影した際の焦点位置とに基づいて予め定められる
    請求項7記載の撮像装置。
  9. 前記生成手段は、前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とを合成することにより前記ぼけ調整画像を生成する
    請求項1から請求項6の何れか1項記載の撮像装置。
  10. 前記生成手段は、主要被写体領域に対して非主要被写体領域のぼけの度合が大きくなるように前記ぼけ調整画像を生成する
    請求項1から請求項9の何れか1項記載の撮像装置。
  11. 離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影工程と、
    前記撮影工程によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理工程と、
    前記画像処理工程による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出工程と、
    前記検出工程によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理工程による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形工程と、
    前記基準画像と前記変形工程によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成工程と、
    前記生成工程によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録工程と、
    を有する撮像方法。
  12. コンピュータを、
    離散的に焦点位置を移動して順次画像を撮影することにより少なくとも主要被写体に合焦した画像を含む複数の画像を得る撮影手段と、
    前記撮影手段によって得られた複数の画像のうちの前記主要被写体に合焦した画像を基準画像として、当該基準画像および当該基準画像を除く非基準画像の少なくとも一方に、前記基準画像および前記非基準画像の相互のぼけの度合を近づけるための画像処理を施す画像処理手段と、
    前記画像処理手段による前記画像処理の実行後の前記基準画像と前記非基準画像との間の被写体の対応点を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された対応点の位置が一致するように前記画像処理手段による画像処理の実行前の前記非基準画像を変形する変形手段と、
    前記基準画像と前記変形手段によって変形された前記非基準画像とに基づいてぼけ調整画像を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成されたぼけ調整画像を記録媒体に記録する記録手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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