JPWO2012123992A1 - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定の収容部における内圧が過度に上昇してしまうのを抑制できる蓄電装置を提供する。【解決手段】 蓄電装置(10)は、複数の発電要素(20A〜20F)と、ケース(100)と、弁(10c)とを有する。発電要素は、充放電を行い、複数の発電要素は、電気的に直列に接続されている。複数の収容部は、複数の発電要素をそれぞれ収容しており、所定方向に並んでいる。連通路(106)は、収容部の内圧に応じて、閉じ状態から開き状態に変化する。連通路が開き状態にあるとき、所定方向で隣り合う2つの収容部の間において、気体が移動することができる。弁は、特定の収容部に設けられており、ケースの内部で発生したガスをケースの外部に排出させる。発電要素を除く各収容部内の余剰スペースは、特定の収容部において最も大きい。【選択図】 図2

Description

本発明は、ケース内で仕切られた複数の収容部に複数の発電要素をそれぞれ収容した蓄電装置に関する。
特許文献1に記載の電池では、一方向に並ぶ複数の収容部をケースの内部に設け、各収容部に発電要素を収容している。複数の発電要素は、電気的に直列に接続されており、ケースには、一部の発電要素と電気的に接続された正極端子と、他の発電要素と電気的に接続された負極端子が設けられている。
複数の収容部は、連通路によって繋がれている。特定の収容部に収容された発電要素からガスが発生すると、ガスは、連通路を移動して他の収容部に移動する。また、ケース(特定の収容部)には、1つの弁が設けられており、弁は、特定の収容部に導かれたガスを、ケースの外部に排出する。
特開2003−346763号公報 特開2008−311015号公報 特開2004−319096号公報
発電要素からガスが発生していないときには、連通路を閉じ状態としておくことができる。すなわち、複数の収容部を、互いに独立したスペースで構成することができる。そして、発電要素からガスが発生したときには、連通路を閉じ状態から開き状態に変化させることにより、他の収容部にガスを移動させることができる。
隣り合う2つの収容部が連通路によって繋がれている構成では、弁が設けられた収容部に近い側の収容部(第1の収容部という)での内圧が、弁が設けられた収容部よりも遠い側の収容部(第2の収容部という)での内圧よりも高くなることがある。この場合には、第2の収容部で発生したガスが、第1の収容部を通過して、弁が設けられた収容部に移動し難くなる。第2の収容部では、ガスの発生によって、内圧が上昇し続け、ケースに過度の負荷を与えてしまうことがある。
本願第1の発明である蓄電装置は、複数の発電要素と、ケースと、弁とを有する。発電要素は、充放電を行い、複数の発電要素は、電気的に直列に接続されている。複数の収容部は、複数の発電要素をそれぞれ収容しており、所定方向に並んでいる。連通路は、収容部の内圧に応じて、閉じ状態から開き状態に変化する。連通路が開き状態にあるとき、所定方向で隣り合う2つの収容部の間において、気体が移動することができる。弁は、特定の収容部に設けられており、ケースの内部で発生したガスをケースの外部に排出させる。発電要素を除く各収容部内の余剰スペースは、特定の収容部において最も大きい。
本願第1の発明によれば、収容部の余剰スペースを異ならせることにより、発電要素からガスが発生したときに、収容部の内圧を異ならせることができる。特定の収容部における余剰スペースが最も大きいため、特定の収容部の内圧を最も低くでき、他の収容部から発生したガスを特定の収容部に向かわせることができる。特定の収容部にガスを移動させれば、特定の収容部に設けられた弁からガスを排出することができる。
特定の収容部を除く他の収容部における余剰スペースは、他の収容部が所定方向において特定の収容部から離れるほど、小さくできる。これにより、各収容部においてガスが発生するときに、各収容部の内圧を、特定の収容部から離れるほど、大きくできる。したがって、特定の収容部から最も離れた収容部から、特定の収容部に向かって、ガスを移動させやすくなる。特定の収容部にガスを導けば、特定の収容部に設けられた弁からガスを排出することができる。
複数の発電要素が同一の体積を有している場合において、特定の収容部の容積を、他の収容部の容積よりも大きくすることができる。収容部の容積を異ならせることにより、上述した関係を満たすように、収容部の余剰スペースを異ならせることができる。他の収容部が特定の収容部から所定方向で離れるほど、他の収容部の容積を小さくすることができる。
複数の収容部が同一の容積を有するとともに、複数の発電要素が同一の容量を有している場合において、特定の収容部に収容された発電要素の体積を、他の収容部に収容された発電要素の体積よりも小さくできる。発電要素の体積を異ならせることにより、上述した関係を満たすように、収容部の余剰スペースを異ならせることができる。蓄電装置の充放電を行うときには、複数の発電要素における容量のバラツキを抑制することが好ましい。
発電要素は、充放電が行われる反応領域と、反応領域以外の未反応領域とで構成されている。未反応領域の体積を異ならせれば、複数の発電要素の容量を異ならせずに、複数の発電要素の体積を異ならせることができる。具体的には、特定の収容部に収容された発電要素の未反応領域を、他の収容部に収容された発電要素の未反応領域よりも小さくできる。また、他の収容部が特定の収容部から所定方向で離れるほど、他の収容部に収容された発電要素の未反応領域の体積を大きくすることができる。
各収容部には、電解液を充填することができる。複数の収容部が同一の容積を有するとともに、複数の発電要素が同一の体積を有している場合には、特定の収容部に充填された電解液の量を、他の収容部に充填された電解液の量よりも小さくできる。電解液の量を異ならせることにより、上述した関係を満たすように、収容部の余剰スペースを異ならせることができる。ここで、他の収容部が特定の収容部から所定方向で離れるほど、他の収容部に充填される電解液の量を増やすことができる。
本願第2の発明である蓄電装置は、複数の発電要素と、ケースと、弁とを有する。発電要素は、充放電を行い、複数の発電要素は、電気的に直列に接続される。ケースは、複数の収容部と、連通路とを有する。複数の収容部は、複数の発電要素をそれぞれ収容しており、所定方向に並んでいる。連通路は、収容部の内圧に応じて閉じ状態から開き状態に変化する。連通路が開き状態にあるとき、所定方向で隣り合う2つの収容部の間において、気体が移動することができる。弁は、特定の収容部に設けられており、ケースの内部で発生したガスをケースの外部に排出させる。ここで、発電要素の容量は、特定の収容部に収容される発電要素において最も大きい。
本願第2の発明によれば、発電要素の容量を異ならせることにより、発電要素から発生するガスの量を異ならせることができる。具体的には、発電要素の容量が大きくなるほど、ガスの量を減らすことができる。ガスの量を異ならせれば、収容部の内圧を異ならせることができる。特定の収容部に収容された発電要素の容量は、最も大きいため、特定の収容部の内圧を最も低くでき、他の収容部から発生したガスを特定の収容部に向かわせることができる。特定の収容部にガスを移動させれば、特定の収容部に設けられた弁からガスを排出することができる。
他の収容部が、特定の収容部から所定方向で離れるほど、他の収容部に収容される発電要素の容量を小さくできる。このように発電要素の容量を設定することにより、特定の収容部から最も離れた収容部から、特定の収容部に向かって、収容部の内圧を小さくでき、特定の収容部から最も離れた収容部から、特定の収容部に向かってガスを移動させやすくすることができる。
実施例1における電池パックの分解図である。 実施例1における電池モジュールの断面図である。 実施例1における発電要素の構成を示す概略図である。 実施例1において、収容部の位置および収容部の容積の関係を示す図である。 実施例1の電池モジュールにおいて、ガスの移動経路を説明する図である。 実施例2において、発電要素の位置および発電要素の体積の関係を示す図である。 実施例3において、収容部の位置と、収容部内に充填された電解液の量との関係を示す図である。 実施例4において、発電要素の位置および発電要素の容量の関係を示す図である。 収容部の位置および収容部の温度の関係を示す図である。
本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例1である電池パックの構成について、図1を用いて説明する。図1において、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸であり、本実施例では、Z軸を、鉛直方向に相当する軸としている。X軸、Y軸およびZ軸の関係は、他の図面においても同様である。
図1は、電池パック1の分解図である。電池パック1は、車両に搭載することができ、この車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車では、車両を走行させるための動力源として、電池パック1の他に、内燃機関や燃料電池といった他の動力源を用いている。また、電気自動車では、車両の動力源として、電池パック1だけを用いている。
電池パック1は、電池スタック2と、電池スタック2を収容するパックケース3とを有する。パックケース3は、互いに接続されるアッパーケース3aおよびロアーケース3bを有する。電池スタック2は、X方向に並ぶ複数の電池モジュール(蓄電装置に相当する)10を有しており、複数の電池モジュール10は、電気的に直列に接続される。
ジャンクションボックス4は、X方向において電池スタック2と隣り合う位置に配置されている。パックケース3は、ジャンクションボックス4も収容する。ジャンクションボックス4は、電池スタック2の充放電制御に用いられる電子機器を収容する。ジャンクションボックス4に収容される電子機器としては、例えば、リレー、電流センサ、監視ユニットがある。
リレーは、オンおよびオフの間で切り替わることにより、電池スタック2および負荷の間の電気的な接続を切り替える。電流センサは、電池スタック2に流れる電流を検出するために用いられる。監視ユニットは、例えば、電池スタック2の電流値、電圧値および温度を監視する。監視ユニットは、電流センサの出力に基づいて、電池スタック2の電流値を監視する。監視ユニットは、例えば、電池スタック2の総電圧や、電池モジュール10の電圧値を監視する。温度センサが電池スタック2に取り付けられているとき、監視ユニットは、温度センサの出力に基づいて、電池スタック2の温度を監視する。
一対のエンドプレート11は、X方向における電池スタック2の両端に配置されている。拘束バンド12は、X方向に延びており、拘束バンド12の両端は、一対のエンドプレート11に接続されている。本実施例では、2つの拘束バンド12が電池スタック2の上面に配置され、2つの拘束バンド12が電池スタック2の下面に配置される。エンドプレート11および拘束バンド12を用いることにより、複数の電池モジュール10に対して拘束力を与えることができる。拘束力は、X方向において、電池モジュール10を挟む力である。
電池モジュール10は、正極端子10aおよび負極端子10bを有する。図1では、X方向における電池スタック2の両端に位置する電池モジュール10の正極端子10aおよび負極端子10bだけを示している。正極端子10aおよび負極端子10bは、Y方向における各電池モジュール10の両側面に設けられている。
X方向で隣り合う2つの電池モジュール10は、バスバーによって電気的に直列に接続されている。バスバーは、一方の電池モジュール10の正極端子10aと、他方の電池モジュール10の負極端子10bとに接続されている。バスバーモジュール13は、複数のバスバーと、複数のバスバーを保持するホルダとを有する。ホルダは、樹脂といった絶縁材料で形成されている。バスバーモジュール13は、Y方向において、電池スタック2を挟む位置にそれぞれ配置されている。
電池モジュール10の表面(X−Z平面)には、X方向に突出する複数のリブが形成されている。X方向で隣り合う2つの電池モジュール10が互いに接触することにより、2つの電池モジュール10の間には、スペースが形成される。このスペースは、電池モジュール10の温度調節に用いられる熱交換媒体が移動する通路となる。電池パック1を車両に搭載したときには、熱交換媒体として、例えば、車室内の空気を用いることができる。車室とは、乗員の乗車するスペースである。
電池モジュール10の温度が上昇したときには、2つの電池モジュール10の間に形成されたスペースに、冷却用の熱交換媒体を流すことにより、電池モジュール10の温度上昇を抑制することができる。電池モジュール10が過度に冷却されているときには、2つの電池モジュール10の間に形成されたスペースに、加温用の熱交換媒体を流すことにより、電池モジュール10の温度低下を抑制することができる。
次に、電池モジュール10の構造について、図2を用いて説明する。図2は、電池モジュール10の内部構造を示す図であり、電池モジュール10をY−Z平面で切断したときの断面図である。
電池モジュール10は、モジュールケース100を有しており、モジュールケース100は、ケース本体101および蓋102を有する。蓋102は、ケース本体101の上部に形成された開口部を塞いでいる。ケース本体101の開口部は、発電要素20A〜20Fをケース本体101に収容するために用いられる。ケース本体101は、6つの収容部102A〜102Fを有しており、収容部102A〜102Fは、隔壁101aによって仕切られている。6つの収容部102A〜102Fは、Y方向において並んでいる。
本実施例では、モジュールケース100に、6つの収容部102A〜102Fを設けているが、これに限るものではない。収容部の数は、適宜設定することができる。
収容部102A〜102Fは、発電要素20A〜20Fをそれぞれ収容している。発電要素20A〜20Fは、充放電を行うことができる要素であり、同一の構成を有している。
発電要素20(20A〜20F)は、図3に示すように、正極板21と、負極板22と、正極板21および負極板22の間に配置されるセパレータ(電解液を含む)23とを有する。正極板21は、集電板21aと、集電板21aの表面に形成された正極活物質層21bとを有する。正極活物質層21bは、集電板21aの両面に形成されており、集電板21aの一部の領域には、正極活物質層21bが形成されていない。正極活物質層21bは、正極活物質、導電剤および結着剤などを含んでいる。
負極板22は、集電板22aと、集電板22aの表面に形成された負極活物質層22bとを有する。負極活物質層22bは、集電板22aの両面に形成されており、集電板22aの一部の領域には、負極活物質層22bが形成されていない。負極活物質層22bは、負極活物質、導電剤および結着剤などを含んでいる。
発電要素20(20A〜20F)としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池で用いられる公知の構成を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)の構成を用いることもできる。
収容部102A〜102Fには、電解液が充填される。収容部102A〜102Fに充填された電解液は、発電要素20A〜20Fにしみ込むとともに、収容部102A〜102Fのうち、発電要素20A〜20Fを除くスペースに存在する。電解液は、セパレータ23や活物質層21b、22bにしみ込む。本実施例において、収容部102A〜102Fに充填される電解液の量は同一である。
なお、本実施例では、電解液を用いているが、固体電解質を用いることもできる。すなわち、電解液を含むセパレータ23の代わりに、固体電解質を用いることができる。固体電解質には、無機固体電解質や有機固体電解質が含まれる。
発電要素20A〜20Fには、正極タブ24aおよび負極タブ24bが接続されている。正極タブ24aは、発電要素20A〜20Fの正極板21と接続されており、負極タブ24bは、発電要素20A〜20Fの負極板22と接続されている。発電要素20Aの正極タブ24aは、モジュールケース100(ケース本体101)に形成された接続穴103を通過して、正極端子10aと接続されている。発電要素20Aの負極タブ24bは、モジュールケース100(隔壁101a)に形成された接続穴105を通過して、発電要素20Bの正極タブ24aと接続されている。
発電要素20B〜20Eは、Y方向で隣り合う発電要素と電気的に接続される。発電要素20Fの正極タブ24aは、隔壁101aに形成された接続穴105を通過して、発電要素20Eの負極タブ24bと接続されている。発電要素20Fの負極タブ24bは、ケース本体101に形成された接続穴104を通過して、負極端子10bと接続されている。
隔壁101aの上部には、連通路106が設けられている。連通路106は、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fを繋ぐために設けられている。収容部102A〜102Fの内圧が上昇していないときには、連通路106は、閉じ状態にある。
連通路106を閉じ状態としておくことにより、各収容部102A〜102Fに収容された各発電要素20A〜20Fの容量が変化してしまうのを抑制できる。各発電要素20A〜20Fの容量は、各収容部102A〜102Fの内部に存在するガス、言い換えれば、各収容部102A〜102Fの内圧に依存することがある。
ここで、連通路106を開き状態のままにしておくと、特定の収容部内のガスが、特定の収容部とY方向で隣り合う他の収容部に移動してしまう。ガスが移動すると、特定の収容部に収容された発電要素の容量が変化してしまい、発電要素の容量に基づいて、電池モジュール10の充放電を制御し難くなる。そこで、本実施例では、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fの間でガスの移動を抑制するために、一定条件のもとで、連通路106を閉じ状態としている。また、連通路106を閉じ状態とすることにより、各収容部102A〜102Fに充填された電解液が、他の収容部に移動するのを阻止することができる。
連通路106は、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fにおける内圧差が閾値に到達したときに、閉じ状態から開き状態に変化する。例えば、発電要素20Aからガスが発生して、収容部102Bの内圧よりも収容部102Aの内圧が上昇すると、連通路106が閉じ状態から開き状態に変化する。収容部102Aの内部に存在するガスは、連通路106を通過して、収容部102Bに移動する。
連通路106は、一方向のガスの移動だけを許容する。具体的には、連通路106は、収容部102Aから収容部102Bに向かうガスの移動だけを許容する。連通路106は、例えば、逆止弁で構成することができる。
弁10cは、収容部102Eに設けられている。モジュールケース100の内圧が弁10cの作動圧に到達したとき、弁10cは、閉じ状態から開き状態に変化する。これにより、弁10cは、モジュールケース100の内部で発生したガスをモジュールケース100の外部に排出する。
弁10cとしては、いわゆる破壊型の弁や、いわゆる復帰型の弁を用いることができる。破壊型の弁10cは、閉じ状態から開き状態に不可逆的に変化する弁である。復帰型の弁は、閉じ状態および開き状態の間で可逆的に変化する弁である。復帰型の弁は、モジュールケース100の内部および外部の圧力に応じて、閉じ状態および開き状態の間で変化する。
収容部102Eで発生したガスは、弁10cに向かい、弁10cからモジュールケース100の外部に排出される。収容部102A〜102D,102Fで発生したガスは、連通路106を通過しながら、収容部102Eに向かい、弁10cからモジュールケース100の外部に排出される。
本実施例において、発電要素20A〜20Fは、同一のサイズを有しており、同一の構成を有している。一方、収容部102A〜102Fについては、以下に説明するように、各収容部102A〜102Fの容積を異ならせている。図4は、各収容部102A〜102Fの容積と、収容部102A〜102Fの位置との関係を示す図である。
収容部102Eの容積は、最も大きくなっている。収容部102Fの容積は、収容部102Eの容積よりも小さい。また、収容部102Dの容積は、収容部102Eの容積よりも小さい。収容部102F,102Dの容積は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。収容部102Cの容積は、収容部102Dの容積よりも小さく、収容部102Bの容積は、収容部102Cの容積よりも小さい。収容部102Aの容積は、収容部102Bの容積よりも小さい。
本実施例では、収容部102Aの容積が最も小さくなっているが、これに限るものではない。例えば、収容部102Aおよび収容部102Fの容積を等しくしたり、収容部102Fの容積を最も小さくしたりすることができる。
収容部102A〜102Fの容量を異ならせる方法としては、例えば、収容部102A〜102Fの位置に応じて、ケース本体101(隔壁101aを含む)の厚さを異ならせることができる。例えば、収容部102Aを形成するケース本体101の厚さを最も厚くし、収容部102Eを形成するケース本体101の厚さを最も薄くすることができる。
一方、収容部102A〜102Fの容積が等しいケース本体101を製造しておき、収容部102A〜102Fの一部のスペースを埋める充填部材を、収容部102A〜102Fに収容することもできる。充填部材は、収容部102A〜102Fの内壁面に沿って配置することができる。この場合には、充填部材は、収容部102A〜102Fの内壁面に沿った形状を有していることが好ましい。
充填部材を用いるときには、例えば、収容部102Eには充填部材を収容せず、他の収容部102A〜102D,102Fだけに充填部材を収容することができる。充填部材の厚さは、収容部102A〜102D,102Fに応じて異ならせばよい。
本実施例では、図4に示すように、弁10cが設けられた収容部102Eの容積が最も大きく、収容部102EからY方向に離れるにつれて、収容部102A〜102D,102Fの容積が段階的に小さくなっている。このように収容部102A〜102Fの容積を設定すると、図5に示すように、収容部102A〜102Fにおいて、矢印で示すガスの流れを発生させることができる。
電池モジュール10の過充電などによって、発電要素20A〜20Fからガスが発生すると、ガスは、各収容部102A〜102Fに溜まり、各収容部102A〜102Fの内圧が上昇する。各収容部102A〜102Fは、密閉状態となっているため、発電要素20A〜20Fから発生したガスは、各収容部102A〜102Fのうち、発電要素20A〜20Fを除くスペースに溜まる。ガスが発生し続ければ、各収容部102A〜102Fの内圧が上昇する。
本実施例では、収容部102Aの容積は最も小さいため、発電要素20A〜20Fから発生するガスの量が等しければ、収容部102Aの内圧は、最も上昇しやすくなる。収容部102Aの内圧が閾値に到達すると、収容部102Aおよび収容部102Bの間に位置する連通路106が閉じ状態から開き状態に変化し、収容部102Aのガスは、収容部102Bに移動する。これにより、収容部102A,102Bにガスが溜まり、収容部102A,102Bの内圧を均等化させることができる。
収容部102A,102Bの内圧が閾値に到達すると、収容部102Bおよび収容部102Cの間に位置する連通路106が閉じ状態から開き状態に変化する。収容部102Bの容積は、収容部102Cの容積よりも小さいため、収容部102A,102Bの内圧は、収容部102Cの内圧よりも高くなりやすく、収容部102A,102Bのガスは、開き状態の連通路106を通過して、収容部102Cに移動する。これにより、収容部102A〜102Cにガスが溜まり、収容部102A〜102Cの内圧を均等化させることができる。
収容部102A〜102Cの内圧が閾値に到達すると、収容部102Cおよび収容部102Dの間に位置する連通路106が閉じ状態から開き状態に変化する。収容部102Cの容積は、収容部102Dの容積よりも小さいため、収容部102A〜102Cの内圧は、収容部102Dの内圧よりも高くなりやすく、収容部102A〜102Cのガスは、開き状態の連通路106を通過して収容部102Dに移動する。これにより、収容部102A〜102Dにガスが溜まり、収容部102A〜102Dの内圧を均等化させることができる。
収容部102A〜102Dの内圧が閾値に到達すると、収容部102Dおよび収容部102Eの間に位置する連通路106が閉じ状態から開き状態に変化する。収容部102Dの容積は、収容部102Eの容積よりも小さいため、収容部102A〜102Dの内圧は、収容部102Eの内圧よりも高くなりやすく、収容部102A〜102Dのガスは、開き状態の連通路106を通過して収容部102Eに移動する。これにより、収容部102A〜102Eにガスが溜まり、収容部102A〜102Eの内圧を均等化させることができる。
一方、収容部102Fの内圧が閾値に到達すると、収容部102Fおよび収容部102Eの間に位置する連通路106が閉じ状態から開き状態に変化する。収容部102Fの容積は、収容部102Eの容積よりも小さいため、収容部102Fの内圧は、収容部102Eの内圧よりも高くなりやすく、収容部102Fのガスは、開き状態の連通路106を通過して収容部102Eに移動する。これにより、収容部102E,102Fにガスが溜まり、収容部102E,102Fの内圧を均等化させることができる。
モジュールケース100(収容部102A〜102F)の内圧が、弁10cの作動圧に到達すると、弁10cは、閉じ状態から開き状態に変化する。弁10cが閉じ状態から開き状態に変化することにより、モジュールケース100の内部で発生したガスを、モジュールケース100の外部に排出することができる。
本実施例によれば、各収容部102A〜102Fの容積を異ならせることにより、各収容部102A〜102Fの内圧を、収容部102Aから収容部102Eに向かって減少させたり、収容部102Fから収容部102Eに向かって減少させたりすることができる。これにより、収容部102Aから収容部102Eに向かって、又は、収容部102Fから収容部102Eに向かって、ガスをスムーズに移動させることができる。また、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスが移動するとき、Y方向で隣り合う2つの収容部における内圧を均等化させながら、ガスを移動させることができる。
収容部102A〜102Fの容積を均一にすると、例えば、収容部102Bの内圧が収容部102Aの内圧よりも高くなることがある。この場合には、収容部102Aで発生したガスは、収容部102Bに移動し難くなる。収容部102Aで発生したガスが、収容部102Bに移動し難い状態が続くと、収容部102Aの内圧が上昇し続け、収容部102A(モジュールケース100)に過度の負荷がかかってしまう。
本実施例では、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスをスムーズに移動させたり、収容部102Fから収容部102Eに向かってガスをスムーズに移動させたりすることができる。このため、特定の収容部(収容部102A〜102D,102Fのいずれか)で発生したガスが、収容部102Eに移動せずに、特定の収容部の内圧が過度に上昇してしまうのを防止することができる。また、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスが移動するとき、連通路106で繋がれた複数の収容部の内圧を均等化させることができる。したがって、すべての収容部102A〜102Fを含むモジュールケース100の内圧が弁10cの作動圧に到達したときに、弁10cを閉じ状態から開き状態に変化させることができる。
本実施例では、収容部102Eの容積を最も大きくし、収容部102EからY方向で離れるにつれて、収容部102A〜102D,102Fの容積を段階的に小さくしているが、これに限るものではない。具体的には、収容部102Eの容積が、他の収容部102A〜102D,102Fの容積よりも大きければよい。例えば、収容部102Eの容積を最も大きくし、他の収容部102A〜102D,102Fの容積を等しくすることができる。この場合であっても、収容部102A〜102D,102Fで発生したガスを、収容部102Eに導いて、弁10cからモジュールケース100の外部に排出することができる。
本実施例において、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fにおける容積の差は、各収容部102A〜102Fで設定される内圧を考慮して、適宜設定することができる。具体的には、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fにおける容積の差を、同一にしたり、異ならせたりすることができる。
本発明の実施例2である電池モジュール10について説明する。本実施例において、実施例1で説明した部材と同一の部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。本実施例では、実施例1と異なる点について、主に説明する。
実施例1では、収容部102A〜102Fの容積を異ならせているが、本実施例では、収容部102A〜102Fの容積を等しくするとともに、発電要素20A〜20Fの体積を異ならせている。本実施例では、収容部102A〜102Fの容積は等しく、発電要素20A〜20Fの容量も等しくなっている。
図6は、発電要素20A〜20Fの体積と、発電要素20A〜20Fの位置との関係を示す図である。発電要素20Eの体積は最も小さく、発電要素20F,20Dの体積は、発電要素20Eの体積よりも大きくなっている。発電要素20F,20Dの体積は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
発電要素20Cの体積は、発電要素20Dの体積よりも大きく、発電要素20Bの体積は、発電要素20Cの体積よりも大きい。また、発電要素20Aの体積は、最も大きくなっている。本実施例では、発電要素20Aの体積を最も大きくしているが、これに限るものではない。例えば、発電要素20A,20Fの体積を等しくしたり、発電要素20Fの体積を最も大きくしたりすることができる。
収容部102A〜102Fの体積を等しくしたとき、収容部102A〜102Fのうち、発電要素20A〜20Fを除く余剰スペースは、発電要素20A〜20Fの体積に応じて変化する。発電要素20A〜20Fの体積が大きくなるほど、余剰スペースは、小さくなる。また、発電要素20A〜20Fからガスが発生したとき、余剰スペースが小さくなるほど、収容部102A〜102Fの内圧が上昇しやすくなる。
発電要素20A〜20Fは、充放電に関与する反応領域と、反応領域を除く未反応領域とを有する。発電要素20A〜20Fの体積を変更する場合としては、未反応領域の体積を変更することができる。これにより、発電要素20A〜20Fの容量を異ならせずに、発電要素20A〜20Fの体積を異ならせることができる。
例えば、セパレータ23のサイズを変更したり、発電要素20A〜20Fの外面に、発電要素20A〜20Fの体積を増加させるためだけの充填部材を設けたりすることができる。セパレータ23のサイズとは、未反応領域のサイズであり、正極板21および負極板22の積層方向と直交する方向の長さが含まれる。充填部材は、余剰スペースを埋めることができる部材であればよく、例えば、ポリプロピレンで形成された板を用いることができる。充填部材の形状は、収容部102A〜102Fや発電要素20A〜20Fの形状に応じて、適宜設定することができる。
本実施例によれば、実施例1と同様に、収容部102Aの内圧が最も高くなり、収容部102Aから収容部102Eに向かって、内圧を段階的に低くできる。これにより、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくすることができる。また、収容部102Fの内圧を収容部102Eの内圧よりも高くできるため、収容部102Fから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくすることができる。これにより、収容部102A〜102D,102Fで発生したガスを、収容部102Eに導いて、弁10cから排出することができる。したがって、一部の収容部だけの内圧が過度に上昇してしまうのを防止することができる。
本実施例では、発電要素20Eの体積を最も小さくし、発電要素20EからY方向で離れるにつれて、発電要素20A〜20D,20Fの体積を段階的に大きくしているが、これに限るものではない。具体的には、発電要素20Eの体積が、他の発電要素20A〜20D,20Fの体積よりも小さければよい。例えば、発電要素20Eの体積を最も小さくし、他の発電要素20A〜20D,20Fの体積を等しくすることができる。この場合であっても、収容部102A〜102D,102Fで発生したガスを、収容部102Eに導いて、弁10cからモジュールケース100の外部に排出することができる。
本実施例において、Y方向で隣り合う2つの発電要素20A〜20Fにおける体積の差は、同一にしたり、異ならせたりすることができる。各収容部102A〜102Fで設定される内圧を考慮して、体積の差を決定することができる。
本発明の実施例3である電池モジュール10について説明する。本実施例において、実施例1で説明した部材と同一の部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。本実施例では、実施例2と異なる点について、主に説明する。
実施例2では、発電要素20A〜20Fの体積を異ならせているが、本実施例では、収容部102A〜102Fに充填される電解液の量を異ならせている。ここでいう電解液の量とは、収容部102A〜102Fの余剰スペースに存在する電解液の量(体積)である。
本実施例では、収容部102A〜102Fの容積は、互いに等しく、発電要素20A〜20Fの体積は、互いに等しくなっている。
図7は、余剰スペースに存在する電解液の量(体積)と、収容部102A〜102Fの位置との関係を示す図である。収容部102Eでは、電解液の量が最も少なくなっている。収容部102D,102Fにおける電解液の量は、収容部102Eにおける電解液の量よりも多くなっている。収容部102D,102Fにおける電解液の量は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
収容部102Cにおける電解液の量は、収容部102Dにおける電解液の量よりも多く、収容部102Bにおける電解液の量は、収容部102Cにおける電解液の量よりも多い。収容部102Aにおける電解液の量は、収容部102Bにおける電解液の量よりも多い。本実施例では、収容部102Aにおける電解液の量が最も多くなっているが、これに限るものではない。具体的には、収容部102A,102Fにおける電解液の量を等しくしたり、収容部102Fにおける電解液の量を最も多くしたりすることができる。
本実施例では、収容部102Eにおける電解液の量を最も多くし、収容部102EからY方向に離れるにつれて、収容部102A〜102D,102Fにおける電解液の量を段階的に多くしている。電解液の量を多くするほど、余剰スペースが小さくなるため、発電要素20A〜20Fからガスが発生したときには、収容部102A〜102Fの内圧が上昇しやすくなる。
本実施例のように電解液の量を設定することにより、実施例1と同様に、収容部102Aの内圧が最も高くなり、収容部102Aから収容部102Eに向かって、内圧を段階的に低くできる。これにより、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくすることができる。また、収容部102Fの内圧を収容部102Eの内圧よりも高くできるため、収容部102Fから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくすることができる。これにより、収容部102A〜102D,102Fで発生したガスを、収容部102Eに導いて、弁10cから排出することができる。したがって、一部の収容部だけの内圧が過度に上昇してしまうのを防止することができる。
本実施例では、収容部102Eにおける電解液の量を最も小さくし、収容部102EからY方向に離れるにつれて、電解液の量を段階的に多くしているが、これに限るものではない。具体的には、収容部102Eにおける電解液の量が、他の収容部102A〜102D,102Fにおける電解液の量よりも小さければよい。例えば、収容部102Eにおける電解液の量を最も小さくし、他の収容部102A〜102D,102Fにおける電解液の量を等しくすることができる。この場合であっても、収容部102A〜102D,102Fで発生したガスを、収容部102Eに導いて、弁10cからモジュールケース100の外部に排出することができる。
本実施例において、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fにおける電解液の量の差は、同一にしたり、異ならせたりすることができる。収容部102A〜102Fで設定される内圧を考慮して、電解液の量の差を決定することができる。
上述した実施例1〜3では、収容部102A〜102Fの容積(第1パラメータという)、発電要素20A〜20Fの体積(第2パラメータという)、収容部102A〜102Fにおける電解液の量(第3パラメータという)のいずれかを異ならせているが、これに限るものではない。
すなわち、第1パラメータから第3パラメータのうち、少なくとも2つのパラメータを異ならせることができる。実施例1〜3で説明したように、弁10cが設けられた収容部102Eにおける余剰スペースを、収容部102A〜102D,102Fにおける余剰スペースよりも大きくできればよい。より好ましくは、収容部102EからY方向に離れるにつれて、余剰スペースが段階的に大きくなればよい。
本発明の実施例4である電池モジュール10について説明する。本実施例において、実施例1で説明した部材と同一の部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。本実施例では、実施例2と異なる点について、主に説明する。
実施例2では、発電要素20A〜20Fの反応領域のサイズを変更せずに、言い換えれば、発電要素20A〜20Fの容量を異ならせずに、発電要素20A〜20Fの体積を変更している。本実施例では、発電要素20A〜20Fの体積を異ならせずに、発電要素20A〜20Fの容量を異ならせている。発電要素20A〜20Fの体積を異ならせずに、発電要素20A〜20Fの反応領域のサイズを異ならせれば、発電要素20A〜20Fの容量だけを異ならせることができる。
本実施例において、収容部102A〜102Fの容積は、互いに等しくなっており、収容部102A〜102Fに充填される電解液の量は、互いに等しくなっている。
図8は、発電要素20A〜20Fの容量と、発電要素20A〜20Fの位置との関係を示している。発電要素20Eの容量は、最も大きく、発電要素20D,20Fの容量は、発電要素20Eの容量よりも小さい。発電要素20D,20Fの容量は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
発電要素20Cの容量は、発電要素20Dの容量よりも小さく、発電要素20Bの容量は、発電要素20Cよりも小さい。発電要素20Aの容量は、発電要素20Bの容量よりも小さい。本実施例では、発電要素20Aの容量を最も小さくしているが、これに限るものではない。具体的には、発電要素20Fの容量を最も小さくしたり、発電要素20A,20Fの容量を等しくしたりすることができる。
発電要素20A〜20Fの容量を異ならせすぎると、容量が最も小さい発電要素20Aに依存して、電池モジュール10の充放電が行われてしまい、他の発電要素20B〜20Fを有効活用し難くなってしまう。このため、例えば、発電要素20A〜20Fの容量のバラツキを許容できる範囲を予め決めておき、許容範囲内において、発電要素20A〜20Fの容量を異ならせることができる。これにより、電池モジュール10を充放電するときに、すべての発電要素20A〜20Fを効率良く利用することができる。
本実施例では、発電要素20Eの容量が最も大きく、発電要素20EからY方向に離れるにつれて、発電要素20A〜20D,20Fの容量を段階的に小さくしている。発電要素20A〜20Fの容量を大きくするほど、発電要素20A〜20Fから発生するガスの量を減らすことができる。このため、収容部102Eの内圧を、他の収容部102A〜102D,102Fの内圧よりも低くすることができる。また、収容部102A〜102Eの内圧を、収容部102Aから収容部102Eに向かって段階的に低くすることができる。
本実施例によれば、実施例1と同様に、収容部102Aから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくしたり、収容部102Fから収容部102Eに向かってガスを移動させやすくしたりすることができる。これにより、すべての収容部102A〜102Fで発生したガスを、弁10cからモジュールケース100の外部に排出でき、一部の収容部の内圧だけが過度に上昇してしまうのを防止することができる。
本実施例において、Y方向で隣り合う2つの発電要素20A〜20Fの容量の差は、同一にしたり、異ならせたりすることができる。収容部102A〜102Fで設定される内圧を考慮して、容量の差を決定することができる。
上述した実施例1〜4では、収容部102A〜102Fの位置だけを考慮しているが、これに限るものではない。具体的には、収容部102A〜102Fの位置だけでなく、収容部102A〜102Fの温度分布を考慮することもできる。
電池モジュール10は、図1で説明したように、X方向において並べて配置される。複数の電池モジュール10をX方向に並べたときには、Y方向における各電池モジュール10の中央部は、放熱されにくく、熱が溜まりやすい。また、Y方向における電池モジュール10の両端部は、放熱されやすく、熱が溜まりにくい。このため、電池モジュール10では、図9に示す温度分布が発生することがある。
温度が上昇しやすい収容部では、ガスが発生しやすくなることがあり、収容部の内圧が上昇しやすくなることがある。そこで、図9に示す温度分布を考慮して、各収容部102A〜102Fで設定される内圧を調整することができる。具体的には、Y方向で隣り合う2つの収容部102A〜102Fにおける内圧の差を、図9に示す温度分布を考慮して設定することができる。
例えば、Y方向における電池モジュール10の中央部に位置する2つの収容部102B,102Cにおける内圧の差を、Y方向における電池モジュール10の端部に位置する2つの収容部102A,102Bにおける内圧の差よりも広げることができる。このように内圧の差を決めておけば、各収容部102A〜102Fの内圧を考慮して、収容部102A〜102Fの容積、発電要素20A〜20Fの体積、電解液の量、発電要素20A〜20Fの容量を決めることができる。実施例1(図4)で説明した構成を用いて説明すると、収容部102B,102Cの容積の差を、収容部102A,102Bの容積の差よりも大きくすることができる。
実施例1〜4の電池モジュール10では、弁10cが収容部102Eに設けられているが、これに限るものではない。すなわち、弁10cが設けられた収容部を基準として、収容部102A〜102Fの容積、発電要素20A〜20Fの体積、電解液の量、発電要素20A〜20Fの容量を決定することができる。例えば、収容部102A〜102Fの容積を異ならせるときには、弁10cが設けられた収容部の容積を最も大きくし、弁10cが設けられた収容部からY方向に離れるにしたがって、収容部の容積を段階的に小さくすればよい。

Claims (8)

  1. 電気的に直列に接続され、充放電を行う複数の発電要素と、
    前記複数の発電要素をそれぞれ収容し、所定方向に並ぶ複数の収容部と、前記収容部の内圧に応じて閉じ状態から開き状態に変化し、前記開き状態において、前記所定方向で隣り合う2つの前記収容部の間で気体の移動を許容する連通路と、を備えたケースと、
    特定の前記収容部に設けられ、前記ケースの内部で発生したガスを前記ケースの外部に排出させる弁と、を有し、
    前記発電要素を除く前記各収容部内の余剰スペースは、前記特定の収容部において最も大きいことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記特定の収容部を除く他の前記収容部は、前記所定方向において前記特定の収容部から離れるほど小さくなる前記余剰スペースを有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記複数の発電要素が同一の体積を有しており、
    前記特定の収容部の容積は、他の前記収容部の容積よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記複数の収容部が同一の容積を有するとともに、前記複数の発電要素が同一の容量を有しており、
    前記特定の収容部に収容された前記発電要素の体積は、他の前記収容部に収容された前記発電要素の体積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  5. 前記発電要素は、充放電が行われる反応領域と、前記反応領域以外の未反応領域とを有しており、
    前記特定の収容部に収容された前記発電要素の前記未反応領域は、前記他の収容部に収容された前記発電要素の前記未反応領域よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の蓄電装置。
  6. 前記各収容部に充填された電解液を有し、
    前記複数の収容部が同一の容積を有するとともに、前記複数の発電要素が同一の体積を有しており、
    前記特定の収容部に充填された前記電解液の量は、他の前記収容部に充填された前記電解液の量よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  7. 電気的に直列に接続され、充放電を行う複数の発電要素と、
    前記複数の発電要素をそれぞれ収容し、所定方向に並ぶ複数の収容部と、前記収容部の内圧に応じて閉じ状態から開き状態に変化し、前記開き状態において、前記所定方向で隣り合う2つの前記収容部の間で気体の移動を許容する連通路と、を備えたケースと、
    特定の前記収容部に設けられ、前記ケースの内部で発生したガスを前記ケースの外部に排出させる弁と、を有し、
    前記発電要素の容量は、前記特定の収容部に収容される前記発電要素において最も大きいことを特徴とする蓄電装置。
  8. 前記特定の収容部を除く他の前記収容部は、前記所定方向において前記特定の収容部から離れるほど容量が小さくなる前記発電要素を収容することを特徴とする請求項7に記載の蓄電装置。
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