JPWO2012121382A1 - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents
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Abstract
エネルギー効率を向上させる。ヒートポンプ式給湯機1は、凝縮器22で凝縮する冷媒が循環する冷媒回路3を有するヒートポンプユニット2と、凝縮器22において加熱された温水を貯留する貯湯タンク5とを備えており、第1流量の加熱温水が貯湯タンクに供給される循環沸上モードと、第1流量よりも少ない第2流量の加熱温水が貯湯タンク5の頂部側に供給される一過沸上モードとを取り得るものであって、凝縮器22に供給される冷媒温度に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられる。
Description
本発明は、貯湯タンクとヒートポンプユニットとを有するヒートポンプ式給湯機に関する。
ヒートポンプ式給湯機としては、循環沸上方式で温水を沸き上げるものと、一過沸上方式で温水を沸き上げるものとが知られている。循環沸上方式では、比較的大流量の加熱された温水が貯湯タンクに供給され、一過沸上方式では、比較的小流量の加熱された温水が貯湯タンクの頂部側に供給される。また、ヒートポンプユニットで用いられる冷媒としては、R410A、R134a、R407C等の凝縮器で凝縮する冷媒(以下、R410A等の冷媒という)や、CO2等の凝縮器で凝縮しない冷媒(以下、CO2等の冷媒という)が用いられる。
ヒートポンプ式給湯機では、ヒートポンプユニットによって沸き上げられた温水が貯湯タンクに供給されるが、温水流量が大きい場合は温水流量が小さい場合と比べて熱交換効率が高いことから、ヒートポンプのCOP(Coefficient Of Performance)が向上する。一方、温水流量が大きい場合は、貯湯タンク内の温水が攪拌されるので入水温度が高くなることによって、ヒートポンプのCOPが低下することがある。循環沸上方式と一過沸上方式とでは、貯湯タンクに供給される温水流量が異なることから、ヒートポンプのCOPが異なる。
また、例えば貯湯タンクから凝縮器に供給される温水温度(入水温度)が高くなると、循環沸上方式及び一過沸上方式のいずれにおいてもCOPが低下する。そして、CO2等の冷媒が用いられる場合は、入水温度にかかわらず、一過沸上方式におけるCOPが、循環沸上方式におけるCOPより高い。したがって、CO2等の冷媒に対して一過沸上方式を用いることで、循環沸上方式と比べてCOPを高くすることができる。
これに対し、R410A等の冷媒が用いられる場合は、入水温度の大きさによって、循環沸上方式におけるCOPと一過沸上方式におけるCOPの大小が入れ換わる。したがって、R410A等の冷媒に対して一過沸上方式を用いたとすると、入水温度の大きさによって循環沸上方式と比べてCOPが低くなることがある。よって、R410A等の冷媒に対して一過沸上方式だけを用いた場合、入水温度の大きさによって、ヒートポンプのCOPが著しく低下するという問題がある。
そこで、この発明は、凝縮器で凝縮する冷媒を用いた場合において、ヒートポンプのCOP(エネルギー効率)を向上させることができるヒートポンプ式給湯機を提供することを目的とする。
第1の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、凝縮器で凝縮する冷媒が循環する冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、前記凝縮器において加熱された温水を貯留する貯湯タンクとを備え、前記貯湯タンクに供給される温水流量が、前記冷媒回路における冷媒温度の変化または前記凝縮器と前記貯湯タンクとを接続する温水回路における温水温度の変化にともなって変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、冷媒回路における冷媒温度の変化または温水回路における温水温度の変化にともなって、貯湯タンクに供給される温水流量が変更される。したがって、流量増加による効率向上と効率悪化を考慮して温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第2の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第1の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記貯湯タンクに供給される温水流量が、前記冷媒回路における冷媒温度または前記凝縮器と前記貯湯タンクとを接続する温水回路における温水温度に基づいて変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、冷媒回路における冷媒温度または温水回路における温水温度に基づいて、貯湯タンクに供給される温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第3の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第1または第2の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記貯湯タンクに供給される温水流量が、沸上運転時間に基づいて変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、沸上運転時間に基づいて、貯湯タンクに供給される温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第4の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第1−第3のいずれかの発明に係るヒートポンプ式給湯機において、第1流量の加熱温水が前記貯湯タンクに供給される循環沸上モードと、前記第1流量よりも少ない第2流量の加熱温水が前記貯湯タンクの頂部側に供給される一過沸上モードとを取り得るものであって、前記循環沸上モードと前記一過沸上モードとが切り換えられることによって、前記貯湯タンクに供給される温水流量が変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えることにより、貯湯タンクに供給される温水流量が変更される。したがって、冷媒温度または温水温度の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が入れ換わる場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第5の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記貯湯タンクの底部側に設けられた第1返流口を介して前記貯湯タンクに加熱温水が供給される第1状態と、前記貯湯タンクの頂部側に設けられた第2返流口を介して前記貯湯タンクに加熱温水が供給される第2状態とを切り換える弁機構をさらに備え、前記弁機構が、前記循環沸上モードにおいて前記第1状態となるように切り換えられると共に、前記一過沸上モードにおいて前記第2状態となるように切り換えられることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、循環沸上モードにおいては、比較的大流量の加熱温水を貯湯タンクの底部側から供給することで、自然対流(温度差による対流)により貯湯タンク内が攪拌されるが、一過沸上モードにおいては、比較的小流量の加熱温水を貯湯タンクの頂部側から供給することで、攪拌が起こらないようにできる。
第6の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4または第5の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記貯湯タンクから前記凝縮器に供給される温水の温度が、閾値よりも小さい場合に前記循環沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記一過沸上モードに切り換えられることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、凝縮器に供給される温水の温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、凝縮器に供給される温水の温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第7の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4または第5の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記凝縮器の冷媒配管の中間部分における冷媒温度が、閾値よりも小さい場合に前記循環沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記一過沸上モードに切り換えられることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、凝縮器の中間部分の冷媒温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、凝縮器の中間部分の冷媒温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第8の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4または第5の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記凝縮器の冷媒配管の出口近傍における冷媒温度が、閾値よりも小さい場合に前記一過沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記循環沸上モードに切り換えられることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、凝縮器の出口近傍の冷媒温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転し、凝縮器の出口近傍の冷媒温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第9の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4または第5の発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記凝縮器の冷媒配管の中間部分における冷媒温度と、前記凝縮器の冷媒配管の出口近傍における冷媒温度との温度差が、閾値よりも小さい場合に前記一過沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記循環沸上モードに切り換えられる。
このヒートポンプ式給湯機では、凝縮器の中間部分と出口近傍の冷媒温度の温度差が小さい場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転し、上記温度差が大きい場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第10の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第6〜第9のいずれかの発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記閾値が、前記冷媒回路の蒸発器における吸込空気温度に基づいて変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、蒸発器における吸込空気温度に応じて、循環沸上モードおよび一過沸上モードともエネルギー消費効率が変化するため、モードを切り換える閾値を吸込空気温度に応じて変更することにより、エネルギー消費効率をより向上させることができる。
第11の発明に係るヒートポンプ式給湯機は、第4〜第10のいずれかの発明に係るヒートポンプ式給湯機において、前記一過沸上モードにおける前記第2流量が、前記貯湯タンクに貯留される温水の沸上目標温度と前記凝縮器に供給される温水の温度との温度差が大きいほど少なくように変更されることを特徴とする。
このヒートポンプ式給湯機では、一過沸上モードにおいて、沸上目標温度と凝縮器に供給される温水の温度との温度差が大きいほど貯湯タンクに供給される温水の流量を少なくすることにより、貯湯タンクに供給される温水の温度を沸上目標温度に近づけることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、冷媒回路における冷媒温度の変化または温水回路における温水温度の変化にともなって、貯湯タンクに供給される温水流量が変更される。したがって、流量増加による効率向上と効率悪化を考慮して温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第2の発明では、冷媒回路における冷媒温度または温水回路における温水温度に基づいて、貯湯タンクに供給される温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第3の発明では、沸上運転時間に基づいて、貯湯タンクに供給される温水流量を変更することにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第4の発明では、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えることにより、貯湯タンクに供給される温水流量が変更される。したがって、冷媒温度または温水温度の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が変化する場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
第5の発明では、循環沸上モードにおいては、比較的大流量の加熱温水を貯湯タンクの底部側から供給することで、自然対流(温度差による対流)により貯湯タンク内が攪拌されるが、一過沸上モードにおいては、比較的小流量の加熱温水を貯湯タンクの頂部側から供給することで、攪拌が起こらないようにできる。
第6の発明では、凝縮器に供給される温水の温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、凝縮器に供給される温水の温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第7の発明では、凝縮器の中間部分の冷媒温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、凝縮器の中間部分の冷媒温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第8の発明では、凝縮器の出口近傍の冷媒温度が低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、凝縮器の出口近傍の冷媒温度が高い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第9の発明では、凝縮器の中間部分と出口近傍の冷媒温度の温度差が大きい場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い循環沸上モードで運転し、上記温度差が小さい場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちエネルギー消費効率の高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
第10の発明では、蒸発器における吸込空気温度に応じて、循環沸上モードおよび一過沸上モードともエネルギー消費効率が変化するため、モードを切り換える閾値を吸込空気温度に応じて変更することにより、エネルギー消費効率をより向上させることができる。
第11の発明では、一過沸上モードにおいて、沸上目標温度と凝縮器に供給される温水の温度との温度差が大きいほど貯湯タンクに供給される温水の流量を少なくすることにより、貯湯タンクに供給される温水の温度を沸上目標温度に近づけることができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機1について説明する。
以下、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機1について説明する。
図1に示すように、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、ヒートポンプユニット2と、貯湯タンク5と、循環ポンプ6と、三方弁(弁機構)7と、制御部10(図2参照)とを備えている。貯湯タンク5には、給湯端末Aと給水源Bが接続されている。ヒートポンプ式給湯機1は、貯湯タンク5に貯湯される温水を加熱する(沸き上げる)沸上運転と、貯湯タンク5の温水を給湯端末Aに供給する給湯運転とを行うようになっている。給湯運転では、貯湯タンク5から給湯端末Aに温水を供給すると共に、給水源Bから貯湯タンク5への水の供給も行う。沸上運転では、貯湯タンク5から温水を取り出して、取り出した温水をヒートポンプユニット2の凝縮器22で加熱してから、貯湯タンク5に戻す。貯湯タンク5内に貯留される温水の沸上目標温度(例えば65℃)は、図示しないリモコンにより設定される。
ヒートポンプユニット2は、冷媒が循環する冷媒回路3を有する。冷媒回路3には、圧縮機21と、凝縮器22と、膨張弁23と、蒸発器24がこの順に設けられている。また、蒸発器24の近傍にはファン25が配置されている。冷媒回路3を循環する冷媒としては、例えば、R410A冷媒、R143a冷媒、R32冷媒などの凝縮器22で凝縮(液化)する冷媒が用いられる。
この冷媒回路3では、圧縮機21を起動することにより、低圧のガス冷媒が圧縮機21に吸入され、圧縮機21で圧縮されて高温高圧のガス冷媒となる。その後、高温高圧のガス冷媒は、凝縮器22において、貯湯タンク5から送られた温水と熱交換することで冷却されて凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁23において減圧された後、蒸発器24において、空気との熱交換により加熱されて蒸発し、再び、低圧のガス冷媒となって圧縮機21に戻る。
凝縮器22の冷媒配管の中間部分には、冷媒の温度を検出するための中間温度センサ31が付設されている。冷媒回路3における凝縮器22の出口近傍には、凝縮器22を通過した冷媒の温度を検出するための出口温度センサ32が付設されている。また、ヒートポンプユニット2は、外気温度センサ33を有する。外気温度センサ33により、蒸発器24に吸い込まれる空気の温度が検出される。
貯湯タンク5とヒートポンプユニット2の凝縮器22とは、温水回路4で接続されている。貯湯タンク5の底部には、第1返流口5aと、排出口5bと、給水口5cが設けられており、貯湯タンク5の頂部には、第2返流口5dと、出湯口5eが設けられている。
第1返流口5aには、戻り分岐管4cが接続されており、第2返流口5dには、戻り分岐管4dが接続されている。戻り分岐管4c、4dは、温水回路4の一部を構成する。戻り分岐管4c、4dは、三方弁7を介して、戻り配管4bに接続されている。戻り配管4bは凝縮器22に接続されている。
三方弁7は、戻り配管4bと戻り分岐管4cとを接続する第1状態と、戻り配管4bと戻り分岐管4dとを接続する第2状態とを切り換えるものである。三方弁7が第1状態の場合には、凝縮器22で加熱された温水が第1返流口5aを介して貯湯タンク5に供給され、三方弁7が第2状態の場合には、凝縮器22で加熱された温水が第2返流口5dを介して貯湯タンク5に供給される。戻り配管4bには、凝縮器22を通過した温水の温度を検出するための出湯温度センサ42が付設されている。
排出口5bには、凝縮器22に至る往き配管4aが接続されている。往き配管4aは、温水回路4の一部を構成する。往き配管4aには、循環ポンプ6が介設されていると共に、凝縮器22に流入する温水の温度(以下、入水温度という)を検出するための入水温度センサ41が付設されている。
循環ポンプ6は、沸上運転時に温水回路4で温水を循環させると共に、貯湯タンク5に供給される温水の流量を調整するために設けられている。循環ポンプ6を駆動させることにより、貯湯タンク5の温水(水の場合を含む)が排出口5bから往き配管4aに引き込まれ、凝縮器22において加熱された後、第1返流口5aまたは第2返流口5dを介して貯湯タンク5に戻される。また、循環ポンプ6の回転数を大きくすることで、貯湯タンク5に供給される温水は、その流量が増加し、循環ポンプ6の回転数を減少させた場合は、その流量が減少する。
給水口5cは、給水源Bに接続されており、出湯口5eは、給湯端末Aに接続されている。給湯運転時には、貯湯タンク5の出湯口5eから高温の温水が流出すると共に、貯湯タンク5の給水口5cから低温の水が流入する。
貯湯タンク5の外側面には、タンク温度センサ43が取り付けられている。タンク温度センサ43は、貯湯タンク5の温水の温度を検出するためのものである。タンク温度センサ43は、貯湯タンク5の上下方向における略中間部に設置されている。給湯運転時には、貯湯タンク5の出湯口5eから高温の温水が流出すると共に、貯湯タンク5の給水口5cから低温の水が流入するため、貯湯タンク5の温水は頂部側が高温、底部側が低温となる。そして、給湯を行うほど、底部側の低温温水の領域が上方に拡大する。そのため、タンク温度センサ43で検出された温度によって、貯湯タンク5に高温の温水がどれだけ残っているかを検知(残湯量検知)することができる。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、沸上運転の運転モードとして、循環沸上モードと、一過沸上モードとを有する。本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、貯湯タンク5から凝縮器22に供給される温水の温度(入水温度)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられる。
循環沸上モードは、三方弁7を第1状態にして、凝縮器22で加熱された温水を第1返流口5aを介して貯湯タンク5の底部側に供給するモードである。本実施形態では、循環沸上モード時に貯湯タンク5に供給される流量は、比較的大流量の一定の値である第1流量である。また、貯湯タンク5の底部側に高温の温水を供給することにより、貯湯タンク5内で温度差による対流が生じるため、貯湯タンク5内の温水が攪拌されるので、貯湯タンク5の温水温度はほぼ均一化される。したがって、循環沸上モード運転を継続して行うことにより、貯湯タンク5全体の温水の温度が徐々に上昇する。
一過沸上モードは、三方弁7を第2状態にして、第1流量よりも少ない流量の温水を貯湯タンク5の頂部側に供給するモードである。一過沸上モードでは、貯湯タンク5の頂部側に小流量の高温温水を供給するため、貯湯タンク5内で温度差による対流は生じない。本実施形態では、一過沸上モード時に貯湯タンク5に供給される流量は、第1流量よりも少ない第2流量であって、沸上目標温度に基づいて変更され、貯湯タンク5内で攪拌をほとんど生じさせない流量である。このように、一過沸上モードでは、攪拌が生じないように貯湯タンク5の頂部側に高温温水を供給するため、一過沸上モード運転を継続して行うことにより、貯湯タンク5の頂部側から底部側に向かって高温温水の領域が拡大していく。
次に、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える入水温度の閾値について説明する。図3は、入水温度とCOPとの関係を示すグラフの一例である。COP(Coefficient Of Performance)とは、消費電力1kWあたりの加熱能力を表した値であって、エネルギー消費効率を示す指標である。COPが大きいほどエネルギー消費効率は高い。
図3は、R410A冷媒が用いられ、外気温度がTaの条件に対応する。循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれも、図3に示すように、入水温度が高くなるほどCOPが低下するが、一過沸上モードは循環沸上モードよりも低下が緩やかである。また、循環沸上モードの曲線と一過沸上モードの曲線とは交差しており、入水温度が閾値TAより低い場合には、循環沸上モードが一過沸上モードよりCOPが高くなり、入水温度が閾値TAより高い場合には、一過沸上モードが循環沸上モードよりCOPが高くなっている。
このように、入水温度が閾値TAより低い場合に、循環沸上モードが一過沸上モードよりCOPが高いのは、入水温度が低いことから、温水流量が大きい場合に熱交換効率が高いことによる効率の向上(流量増加による効率の向上)の影響が、温水流量が大きい場合に入水温度が高いことによる効率の悪化(流量増加による効率悪化)の影響より大きいからである。
一方、入水温度が閾値TAより高い場合に、一過沸上モードが循環沸上モードよりCOPが高いのは、入水温度が高いことから、温水流量が大きい場合に入水温度が高いことによる効率の悪化(流量増加による効率悪化)の影響が、温水流量が大きい場合に熱交換効率が高いことによる効率の向上(流量増加による効率の向上)の影響より大きいからである。
そして、沸上運転が開始されたときは、入水温度が閾値TAより低いことから、循環沸上モードで運転して、その後、沸上運転が行われることにより入水温度が閾値TAより高くなったときに、一過沸上モードの運転に切り換えることで、COPが高い方のモードで運転を行うことができる。
図4は、図3の条件において外気温度がTaからTa’(但し、Ta’<Ta)に低下した場合に、入水温度とCOPとの関係がどのように変化するかを示している。図4に示すように、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれも、外気温度が低いほどCOPが低くなる。そのため、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる入水温度の閾値TAは、外気温度の低下に伴って、TA’まで低くなる。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、外気温度がTaの場合において、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わるときの入水温度の閾値TAに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えられる。入水温度センサ41で検出される入水温度が閾値TAよりも小さい場合には、循環沸上モードで沸上運転を行い、入水温度が閾値TA以上の場合には、一過沸上モードで沸上運転を行う。このように、入水温度に応じて循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えることによって、循環沸上モードだけで沸上運転を行う場合や一過沸上モードだけで沸上運転を行う場合に比べて、COPを向上させることができる。
また、図4に示すように、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる入水温度の閾値TAは、外気温度に応じて変化することから、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、モードを切り換える入水温度の閾値TAを、外気温度に応じて変化させる。具体的には、閾値TAは、外気温度が低いほど低く変更される。
次に、制御部10について説明する。図2に示すように、制御部10は、閾値決定部11と、モード切換部12と、三方弁制御部13と、循環ポンプ制御部14とを有する。
閾値決定部11は、外気温度センサ33で検出される外気温度に基づいて、入水温度についての閾値TAを決定する。閾値決定部11は、複数の外気温度のそれぞれに対応するように、循環沸上モードのCOPと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる入水温度の閾値TAを記憶している。したがって、閾値決定部11は、記憶された複数の閾値TAの中から、外気温度に対応した閾値TAを選択して決定する。
モード切換部12は、沸上運転時に、入水温度センサ41で検出される入水温度と、閾値決定部11により決定された閾値TAに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える。入水温度が閾値TAよりも小さい場合には、循環沸上モードに切り換え、入水温度が閾値TA以上の場合には、一過沸上モードに切り換える。
三方弁制御部13は、モード切換部12により決定されたモードに応じて、沸上運転時に三方弁7を切り換える。循環沸上モードの場合には、三方弁7を第1状態に切り換え、一過沸上モードの場合には、三方弁7を第2状態に切り換える。
循環ポンプ制御部14は、モード切換部12により決定されたモードに応じて、沸上運転時に循環ポンプ6の回転数を制御する。循環沸上モードの場合には、貯湯タンク5に供給される温水の流量が予め設定された第1流量になるように、循環ポンプ6の回転数を制御する。また、一過沸上モードの場合には、入水温度と沸上目標温度との温度差に基づいて、循環ポンプ6の回転数を制御する。入水温度と沸上目標温度との温度差が大きくなるほど、循環ポンプ6の回転数は小さくなる。循環ポンプ制御部14は、一過沸上モードの場合に、貯湯タンク5に供給される温水の流量が、上述したように、第1流量よりも小さく且つ貯湯タンク5内で攪拌をほとんど生じさせない流量である第2流量を越えない範囲で循環ポンプ6の回転数を制御する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、凝縮器22に供給される入水温度に基づいて、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えられる。したがって、入水温度の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が入れ換わる場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
本実施形態では、凝縮器22に供給される入水温度が、閾値TAより低い場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちCOPが高い循環沸上モードで運転し、凝縮器22に供給される入水温度が閾値TA以上である場合には、循環沸上モードと一過沸上モードのうちCOPが高い一過沸上モードで運転するため、効率を向上させることができる。
本実施形態では、外気温度(蒸発器24における吸込空気温度)に応じて、循環沸上モードおよび一過沸上モードともCOPが変化するが、モードを切り換える閾値TAを、外気温度に応じて変更することによって、COPをより向上させることができる。
本実施形態では、循環沸上モードにおいては、比較的大流量の加熱温水を貯湯タンク5の底部側から供給することで、自然対流(温度差による対流)により貯湯タンク5内の温水が攪拌されるが、一過沸上モードにおいては、比較的小流量の加熱温水を貯湯タンク5の頂部側から供給することで、攪拌が起こらないようにできる。
本実施形態では、一過沸上モードにおいて、入水温度と沸上目標温度との温度差が大きいほど、貯湯タンク5に供給される温水の流量を少なくすることにより、貯湯タンク5に供給される温水の温度を沸上目標温度に近づけることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機101は、凝縮器22の冷媒配管の中間部分における冷媒温度(以下、中間温度という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機101は、凝縮器22の冷媒配管の中間部分における冷媒温度(以下、中間温度という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態のヒートポンプ式給湯機101の制御部110は、閾値決定部111と、モード切換部112と、三方弁制御部13と、循環ポンプ制御部14とを有する。
図6は、中間温度とCOPとの関係を示すグラフの一例である。図6に示すように、循環沸上モードの曲線と一過沸上モードの曲線とは交差しており、中間温度が閾値TBより小さい場合には、循環沸上モードが一過沸上モードよりCOPが高くなっており、中間温度が閾値TB以上である場合には、一過沸上モードが循環沸上モードよりCOPが高くなっている。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機101では、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる中間温度の閾値TBに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられる。中間温度センサ31で検出される温度が閾値TBより小さい場合には、循環沸上モードで沸上運転を行い、中間温度が閾値TB以上である場合には、一過沸上モードで沸上運転を行う。このように、中間温度に応じて循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えることによって、循環沸上モードだけで沸上運転を行う場合や一過沸上モードだけで沸上運転を行う場合に比べて、COPを向上させることができる。
閾値決定部111は、外気温度センサ33で検出される外気温度に基づいて、中間温度についての閾値TBを決定する。閾値決定部111は、第1実施形態と同様に、複数の外気温度のそれぞれに対応するように、循環沸上モードのCOPと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる中間温度の閾値TBを記憶している。したがって、閾値決定部111は、記憶された複数の閾値TBの中から、外気温度に対応した閾値TBを選択して決定する。
モード切換部112は、沸上運転時に、中間温度センサ31で検出される中間温度と、閾値決定部111により決定された閾値TBに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える。中間温度が閾値TBよりも小さい場合には、循環沸上モードに切り換え、中間温度が閾値TB以上の場合には、一過沸上モードに切り換える。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機101では、凝縮器22の中間温度に基づいて、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えられる。したがって、中間温度の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が入れ換わる場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機201は、凝縮器22の冷媒配管の出口部分における冷媒温度(以下、出口温度という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機201は、凝縮器22の冷媒配管の出口部分における冷媒温度(以下、出口温度という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態のヒートポンプ式給湯機201の制御部210は、閾値決定部211と、モード切換部212と、三方弁制御部13と、循環ポンプ制御部14とを有する。
図8は、出口温度とCOPとの関係を示すグラフの一例である。図8に示すように、循環沸上モードの曲線と一過沸上モードの曲線とは交差しており、出口温度が閾値TCより小さい場合には、一過沸上モードが循環沸上モードよりCOPが高くなっており、出口温度が閾値TC以上である場合には、循環沸上モードが一過沸上モードよりCOPが高くなっている。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機201では、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる出口温度の閾値TCに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられる。出口温度センサ32で検出される温度が閾値TCより小さい場合には、一過沸上モードで沸上運転を行い、出口温度が閾値TC以上である場合には、循環沸上モードで沸上運転を行う。このように、出口温度に応じて循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えることによって、循環沸上モードだけで沸上運転を行う場合や一過沸上モードだけで沸上運転を行う場合に比べて、COPを向上させることができる。
閾値決定部211は、外気温度センサ33で検出される外気温度に基づいて、出口温度についての閾値TCを決定する。閾値決定部211は、第1実施形態と同様に、複数の外気温度のそれぞれに対応するように、循環沸上モードのCOPと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる出口温度の閾値TCを記憶している。したがって、閾値決定部211は、記憶された複数の閾値TCの中から、外気温度に対応した閾値TCを選択して決定する。
モード切換部212は、沸上運転時に、出口温度センサ32で検出される出口温度と、閾値決定部211により決定された閾値TCに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える。出口温度が閾値TCよりも小さい場合には、循環沸上モードに切り換え、出口温度が閾値TB以上の場合には、一過沸上モードに切り換える。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機201では、凝縮器22の出口温度に基づいて、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えられる。したがって、中間温度の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が入れ換わる場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機301は、凝縮器22の出口近傍の冷媒温度と凝縮器22の冷媒配管の中間部分における冷媒温度との差(以下、中間・出口温度差という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機301は、凝縮器22の出口近傍の冷媒温度と凝縮器22の冷媒配管の中間部分における冷媒温度との差(以下、中間・出口温度差という)に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える点で、第1実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のヒートポンプ式給湯機301の制御部310は、閾値決定部311と、モード切換部312と、三方弁制御部13と、循環ポンプ制御部14とを有する。
図10は、中間・出口温度とCOPとの関係を示すグラフの一例である。図10に示すように、循環沸上モードの曲線と一過沸上モードの曲線とは交差しており、中間・出口温度が閾値TDより小さい場合には、一過沸上モードが循環沸上モードよりCOPが高くなっており、中間・出口温度が閾値TD以上である場合には、循環沸上モードが一過沸上モードよりCOPが高くなっている。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機301では、循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる中間・出口温度の閾値TDに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられる。中間温度センサ31で検出される中間温度と、出口温度センサ32で検出される出口温度との温度差である中間出口温度差が閾値TDより小さい場合には、一過沸上モードで沸上運転を行い、中間出口温度差が閾値TD以上である場合には、循環沸上モードで沸上運転を行う。このように、中間出口温度差に応じて循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えることによって、循環沸上モードだけで沸上運転を行う場合や一過沸上モードだけで沸上運転を行う場合に比べて、COPを向上させることができる。
閾値決定部311は、外気温度センサ33で検出される外気温度に基づいて、中間出口温度差についての閾値TDを決定する。閾値決定部311は、第1実施形態と同様に、複数の外気温度のそれぞれに対応するように、循環沸上モードのCOPと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる中間出口温度差の閾値TDを記憶している。したがって、閾値決定部311は、記憶された複数の閾値TDの中から、外気温度に対応した閾値TDを選択して決定する。
モード切換部312は、沸上運転時に、中間出口温度差と、閾値決定部311により決定された閾値TDに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換える。中間出口温度差が閾値TDよりも小さい場合には、一過沸上モードに切り換え、中間出口温度差が閾値TD以上の場合には、循環沸上モードに切り換える。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機301では、凝縮器22の中間温度と出口温度との温度差に基づいて、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれかに切り換えられる。したがって、中間出口温度差の大きさによって、循環沸上モードにおけるCOPと一過沸上モードにおけるCOPとの大小が入れ換わる場合でも、COPが高い方のモードで運転を行うことにより、ヒートポンプ式給湯機のエネルギー消費効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記実施形態では、入水温度、中間温度、出口温度、中間出口温度差のいずれかに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられたが、これらに限定されず、沸上運転時間に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとを切り換えてもよい。この沸上運転時間は、入水温度、中間温度、出口温度、中間出口温度差の変化と対応していることから、上記実施形態と同様に、循環沸上モードと一過沸上モードとの切り換えを行うことができる。
上記実施形態では、循環ポンプ6の回転数を制御することで、貯湯タンク5に供給される温水の流量を制御しているが、往き配管4aまたは戻り配管4bに流量調整弁を設けて、この流量調整弁を制御することで、貯湯タンク5に供給される温水の流量を制御してもよい。
また、上記実施形態では、外気温度に応じて閾値を変更しているが、外気温度に関わらず一定の閾値を用いて、モードの切り換えを行ってもよい。例えば、外気温度が平均値の場合における循環沸上モードと一過沸上モードのCOPの大小が入れ換わる閾値としてもよい。
上記実施形態の循環沸上モードでは、貯湯タンク6の底部側に温水を供給するようになっているが、貯湯タンク6の頂部側に温水を供給するようになっていてもよい。この変更形態の場合、図11に示すように、循環沸上モード及び一過沸上モードのいずれのモードでも、貯湯タンク6の頂部側に温水が供給されることから、三方弁7を制御する必要がない。したがって、三方弁7および戻り分岐管4cを設けなくてよい。また、この変更形態の貯湯タンク6内には、第2返流口5dに対向するように攪拌防止部材が配置される。したがって、第2返流口5dから供給される温水によって貯湯タンク6内の温水が攪拌されるのを防止できる。
上記実施形態の循環沸上モードでは、貯湯タンク6の底部側に供給される温水の流量(第1流量)は、常に同じ値であるが、沸上目標温度や入水温度に基づいて変更してもよい。
上記実施形態では、R410A冷媒を用いているが、例えば、R134A、R407C等の他の凝縮器で凝縮しない冷媒を用いてもよい。
上記実施形態では、入水温度、中間温度、出口温度、中間出口温度差のいずれかに基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられたが、これらに限定されず、冷媒回路における他の部分の冷媒温度または凝縮器と貯湯タンクとを接続する温水回路における他の部分の温水温度に基づいて、循環沸上モードと一過沸上モードとが切り換えられてもよい。
本発明を利用すれば、エネルギー効率を向上させることができる。
1、101、201、301 ヒートポンプ式給湯機
2 ヒートポンプユニット
3 冷媒回路
4 温水回路
5 貯湯タンク
5a 第1返流口
5d 第2返流口
6 循環ポンプ
7 三方弁(弁機構)
22 凝縮器
24 蒸発器
2 ヒートポンプユニット
3 冷媒回路
4 温水回路
5 貯湯タンク
5a 第1返流口
5d 第2返流口
6 循環ポンプ
7 三方弁(弁機構)
22 凝縮器
24 蒸発器
Claims (11)
- 凝縮器で凝縮する冷媒が循環する冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、
前記凝縮器において加熱された温水を貯留する貯湯タンクとを備え、
前記貯湯タンクに供給される温水流量が、前記冷媒回路における冷媒温度の変化または前記凝縮器と前記貯湯タンクとを接続する温水回路における温水温度の変化にともなって変更されることを特徴とするヒートポンプ式給湯機。 - 前記貯湯タンクに供給される温水流量が、前記冷媒回路における冷媒温度または前記凝縮器と前記貯湯タンクとを接続する温水回路における温水温度に基づいて変更されることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記貯湯タンクに供給される温水流量が、沸上運転時間に基づいて変更されることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 第1流量の加熱温水が前記貯湯タンクに供給される循環沸上モードと、
前記第1流量よりも少ない第2流量の加熱温水が前記貯湯タンクの頂部側に供給される一過沸上モードとを取り得るものであって、
前記循環沸上モードと前記一過沸上モードとが切り換えられることによって、前記貯湯タンクに供給される温水流量が変更されることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記貯湯タンクの底部側に設けられた第1返流口を介して前記貯湯タンクに加熱温水が供給される第1状態と、前記貯湯タンクの頂部側に設けられた第2返流口を介して前記貯湯タンクに加熱温水が供給される第2状態とを切り換える弁機構をさらに備え、
前記弁機構が、前記循環沸上モードにおいて前記第1状態となるように切り換えられると共に、前記一過沸上モードにおいて前記第2状態となるように切り換えられることを特徴とする請求項4に記載のヒートポンプ式給湯機。 - 前記貯湯タンクから前記凝縮器に供給される温水の温度が、閾値よりも小さい場合に前記循環沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記一過沸上モードに切り換えられることを特徴とする請求項4または5に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記凝縮器の冷媒配管の中間部分における冷媒温度が、閾値よりも小さい場合に前記循環沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記一過沸上モードに切り換えられることを特徴とする請求項4または5に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記凝縮器の冷媒配管の出口近傍における冷媒温度が、閾値よりも小さい場合に前記一過沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記循環沸上モードに切り換えられることを特徴とする請求項4または5に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記凝縮器の冷媒配管の中間部分における冷媒温度と、前記凝縮器の冷媒配管の出口近傍における冷媒温度との温度差が、閾値よりも小さい場合に前記一過沸上モードに切り換えられると共に、閾値以上である場合に前記循環沸上モードに切り換えられる請求項4または5に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記閾値が、前記冷媒回路の蒸発器における吸込空気温度に基づいて変更されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯機。
- 前記一過沸上モードにおける前記第2流量が、前記貯湯タンクに貯留される温水の沸上目標温度と前記凝縮器に供給される温水の温度との温度差が大きいほど少なくように変更されることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯機。
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