JPWO2012108364A1 - ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造方法、およびガラス製品の製造装置 - Google Patents

ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造方法、およびガラス製品の製造装置 Download PDF

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Abstract

ガラス溶融炉において、ガラスカレットを含むガラス原料を用いるとともに気中溶融法を適用して溶融ガラスとガラス製品を効率的に製造できるようにする。本発明は、溶融ガラスを貯留する炉体1と、前記炉体1の側部に設けられて前記炉体内に貯留された溶融ガラスG上の供給領域Sにガラスカレットを含むガラス原料GM2を供給するガラス原料供給部5と、前記炉体1の一部に設けられて前記供給領域Sに向かってガラス原料粒子GM1を投入する第1の投入部と、前記第1の投入部の下方において該第1の投入部からのガラス原料粒子GM1を溶融ガラス粒子とする第1の加熱気相部Kを前記供給領域Sの上方に生成する第1の加熱手段とを備えたガラス溶融炉に関する。

Description

本発明は、ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造方法、およびガラス製品の製造装置に関する。
現在、板ガラス、瓶ガラス、繊維ガラスを始めとして表示装置用ガラスに至るまで、量産規模のガラスの多くはガラス原料を溶融炉にて溶融するというF.シーメンスが開発したシーメンス窯(Siemens type furnace)に基づき生産されている。シーメンス窯による溶融法では、粉末状ガラス原料(バッチ原料)を、シーメンス窯で先に溶融した溶融ガラスの液面上に投入し、それが塊(バッチ山、batch pileともいう。)となったものを溶融ガラスの液面上方に設置したバーナーによって加熱し、その塊の表面から融解を進行させ、徐々に溶融ガラス(ガラス融液)とする。このとき、融液上のバッチ原料は、反応あるいは溶融しやすい物質から順次溶け出るため、融点あるいは粘性の高い珪砂あるいは珪砂分を多く含む粒子が取り残される。また、同様の理由で、融液形成の初期状態においては、局所的に見るとバッチ原料と組成が異なったガラス融液が生じ、融液の不均一が生じやすい。さらに、シーメンス窯によるガラス溶融炉は、大量のエネルギーを必要とするため産業におけるエネルギー消費構造を改革する面から消費エネルギー削減が望まれている。最近では、表示装置用途のガラス板として高品質、高付加価値化ガラスの需要が増大の一途にあり、エネルギー消費も増大しており、溶融ガラスの製造にかかる省エネルギー技術の開発は重要かつ緊急の課題とされている。
このような従来技術に係る溶融ガラスの製造装置として、例えば、特許文献1には、ガラス原料から溶融ガラスを生産するガラス溶融装置であって、少なくとも一つの酸素バーナーと、酸素バーナーからのガス状燃料及び酸素の速度を制御する手段を備えたガラス溶融装置が記載されている。このガラス溶融装置は、ガス状燃料の速度と酸素の速度が実質的に等しくなるようにして層状のガス状燃料流と層状の酸素流を生じさせ、生成された火炎がガラス原料の表面に熱を与えてガラス原料を溶融することにより溶融ガラスを生産している。
また、省エネルギー型ガラス製造技術の一例として、ガラス原料の混合粉末からなる造粒体(ガラス原料粒子)を高温の気相雰囲気中で加熱し溶融させて溶融ガラス粒子とし、次いでこの溶融ガラス粒子を集積して溶融ガラス(ガラス融液)を形成する溶融ガラスの製造方法が提案されている(特許文献2参照)。なお、以下では、この溶融ガラスの製造方法を、気中溶融法(in-flight glass melting method)と呼ぶこととする。
日本特表2002−508295号公報 日本特開2006−199549号公報
前記のような従来の溶融ガラスの製造装置および製造方法には、以下の問題がある。
特許文献1に記載の技術では、前記のようにガラス原料の溶融開始時の初期融液に未溶融物が残り易いとともに、省エネルギー操業という面では課題を有している。
特許文献2に記載の気中溶融法を用いるならば、高温の気相雰囲気中でガラス原料粒子を個々に溶融するので組成の均一な高品質の溶融ガラス粒子が得られ易く、省エネルギー操業も可能となる。しかし、現在のガラスの実生産においては、シーメンス窯によるガラス溶融炉を用いた溶融ガラスの生産が主体であり、このガラス溶融炉を、気中溶融法を主体としたガラス溶融炉に変更するには、炉を全く新たに設計し直す必要があり、設備コストが増加する問題がある。また、現状のガラス溶融炉においては、ガラスカレットと称されるガラス片をガラス原料の一部として再利用することがなされており、気中溶融法を基にするガラス溶融炉では、現状ガラスの生産技術において欠くことのできない再生用途のガラスカレットをガラス原料の一部として用いることが容易にできない問題がある。
即ち、気中溶融法においてガラス原料粒子とともにガラスカレットを溶融させるためには1mm以下程度にガラスカレットを微細化する必要がある。しかし、現在使用されている再生用途のガラスカレットは、数ミリ〜50ミリ程度までの大きさの異なるガラスカレットが混在しているので、これらのガラスカレットをすべて1mm以下に加工するための手間やコストが大幅にかかる問題がある。
従って、微細化していない通常のガラスカレットを使用できる既存の溶融ガラス製造装置をその製造装置に大幅な改良を施すことなく利用した上で、均一な組成の溶融ガラスを得ることができ、熱効率も良好な技術の登場が望まれている。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、ガラスカレットを含むガラス原料を用いて溶融ガラスを効率的に製造できる溶融ガラスの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の溶融ガラスの製造方法と製造装置を用いるガラス製品の製造方法および製造装置の提供を目的とする。
本発明のガラス溶融炉は、溶融ガラスを貯留する炉体と、前記炉体の側部に設けられて前記炉体内に貯留された溶融ガラス上の供給領域にガラスカレットを含むガラス原料を供給するガラス原料供給部と、前記炉体の一部に設けられて前記供給領域に向かってガラス原料粒子を投入する第1の投入部と、前記第1の投入部の下方において該第1の投入部からのガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする第1の加熱気相部を前記供給領域の上方に生成する第1の加熱手段と、を備える。
本発明のガラス溶融炉は、前記炉体に設けられ前記供給領域と異なる溶融ガラス上の他の領域に向かってガラス原料粒子を投入する第2の投入部と、該第2の投入部の下方において該第2の投入部からのガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする第2の加熱気相部を前記他の領域の上方に生成する第2の加熱手段とを備えてもよい。
本発明のガラス溶融炉では、前記第1の投入部は、前記溶融ガラス粒子の放出方向が鉛直下向きとなるように設けられてもよい。
本発明のガラス溶融炉は、前記ガラス原料供給部を設けた炉体の一側と反対側に溶融ガラスの排出口が形成されるとともに、前記第一の投入部が前記溶融ガラス粒子の放出方向が斜め下向きとなり、かつ、前記ガラス原料供給部側に向いて傾斜されるように設けられてもよい。
本発明のガラス溶融炉は、前記ガラス原料供給部を設けた炉体の一側と反対側に溶融ガラスの排出口が形成されるとともに、前記第一の投入部が溶融ガラス粒子の放出方向が斜め下向きとなり、かつ、前記排出口側に向いて傾斜されるように設けられてもよい。
本発明のガラス溶融炉は、前記炉体の炉底部に溶融ガラスを加熱するための加熱手段を備えてもよい。
本発明のガラス溶融炉は、前記炉体の炉壁部に補助加熱バーナーを備えてもよい。
本発明の溶融ガラスの製造方法は、溶融ガラスを貯留している炉体内の該溶融ガラス上にガラスカレットを含むガラス原料を供給し、該ガラス原料を供給した供給領域に対し第1の投入部からガラス原料粒子を投入し、第1の投入部の下方において前記第1の投入部からのガラス原料粒子を第1の加熱気相部により溶融ガラス粒子としてから前記ガラスカレットを含むガラス原料上に落下させ、前記ガラスカレットを含むガラス原料を溶融する。
本発明の溶融ガラスの製造方法において、前記供給領域と異なる溶融ガラス上の他の領域に向けて、第2の投入部からガラス原料粒子を投入し、第2の投入部の下方において前記第2の投入部からのガラス原料粒子を第2の加熱気相部により溶融ガラス粒子としてから溶融ガラスに供給してもよい。
本発明の溶融ガラスの製造方法は、前記炉体内に供給されたガラスカレットを含むガラス原料について製造目的とする溶融ガラスに対し不足の組成成分がある場合、前記第1の投入部または第2の投入部から炉体内に投入するガラス原料粒子に対し前記不足の組成成分を補うように成分調整したガラス原料粒子を用い、前記第1の投入部または第2の投入部から、前記成分調整済みガラス原料粒子を投入することにより、前記ガラスカレットを含むガラス原料に不足の組成成分を補給することができる。
本発明の溶融ガラスの製造方法において、溶融ガラスを貯留している炉体内の該溶融ガラス上にガラスカレットを含むガラス原料を連続的、または間欠的に供給しながら、かつ該ガラス原料が供給された供給領域に向けて、第1の投入部からガラス原料粒子を連続的、または間欠的に投入して前記第1の投入部からのガラス原料粒子を第1の加熱気相部を通して溶融ガラス粒子として前記ガラスカレットを含むガラス原料上に落下させ、前記ガラスカレットを含むガラス原料を溶融してもよい。
本発明の溶融ガラスの製造方法において、前記ガラス原料粒子の平均粒径は、30〜1000μmとするのが好ましい。
本発明の溶融ガラスの製造方法は、前記成分調整済みのガラス原料粒子として、清澄剤と着色剤と溶融助剤との少なくとも1種以上の量を調整したものを用いることができる。
本発明の溶融ガラス製品の製造方法は、先のいずれかに記載の溶融ガラスの製造方法を用いて、前記ガラス原料と前記ガラス原料粒子から溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含む。
本発明のガラス製品の製造装置は、先のいずれかに記載のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉により製造された溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備える。
本発明のガラス溶融炉によれば、第1の投入部からガラス原料粒子を炉内に投入し、第1の加熱気相部で溶融させた溶融ガラス粒子を、ガラスカレットを含むガラス原料の上に直接落下させてガラスカレットを含むガラス原料に直接熱を伝達し、溶融させることができる。このため、ガラスカレットを含むガラス原料を溶融ガラスからの伝熱に加え、溶融ガラス粒子からの伝熱も利用して効率良く熱伝達し、速やかに溶融させることができ、良好な熱効率で溶融ガラスを製造できる。
また、ガラス原料上に落下させる溶融ガラス粒子は、第1の加熱気相部により溶融されて均一組成の溶融ガラス粒子となっていて、この組成均一な溶融ガラス粒子からの良好な熱伝達によりガラス原料を溶融させるので、難溶性の原料を含むガラス原料であっても従来よりも均一な溶融を図ることができ、溶融した初期状態において従来の溶融ガラスよりも組成の均一化を図ることができる。
さらに、本発明のガラス溶融炉によれば、通常のガラス原料を加熱するためのバーナーで溶融ガラス上のガラスカレットを含むガラス原料の山をバーナーの火炎が直撃した場合に微細なガラスカレットないしはガラス原料粉末が飛散するが、第1の投入部からガラス原料粒子を炉内に投入し、第1の加熱気相部で溶融させた溶融ガラス粒子を、ガラスカレットを含むガラス原料の上に直接落下させるので、落下して堆積した溶融ガラス粒子によって、飛散した微細なカレットないしはガラス原料粉末が吸着され、ガラス原料粉末などの飛散を抑制できる。
本発明のガラス溶融炉によれば、ガラスカレットを含むガラス原料を炉内の供給領域に供給する構造については既存の溶融炉と同等構造を採用でき、更に炉体に第1の投入部と第1の加熱気相部を設けることで溶融ガラス原料粒子をガラス原料上に供給し、加熱できる。従って、ガラス原料とガラスカレットの供給設備などの既存設備を備えた溶融炉の構造をそのまま利用でき、既存ガラス溶融炉の大幅な改造を行うことなく、ガラスカレットを含むガラス原料粒子を有効利用しながら、溶融ガラス粒子を用いてガラス原料を直接加熱することができ、良好な熱効率で高品質の溶融ガラスを製造できる。
本発明のガラス製品の製造方法と製造装置によれば、本発明の溶融ガラスの製造装置および製造方法によって、組成が均一な高品質の溶融ガラスを効率的に製造できるため、省エネルギー操業により製造された高品質のガラス製品を提供できる。
図1は本発明に係るガラス溶融炉の第1実施形態の構成を示す模式的な構成図である。 図2は図1のA−A線に沿う断面図である。 図3は図1に示すガラス溶融炉に適用される気中溶融バーナーの一例を示す模式的な断面図である。 図4は本発明に係るガラス溶融炉を用いたガラス製品の製造方法の一例を示すフロー図である。 図5は本発明に係る溶融ガラスの製造方法の一実施形態における溶融ガラス粒子の挙動を示す模式的な説明図であり、図5(a)は溶融ガラス粒子がガラス原料に向かって降下している状態を示す説明図、図5(b)はガラス原料上に落下した溶融ガラス粒子が熱を伝える状態を示す説明図、図5(c)はガラス原料上に溶融ガラス粒子の堆積が進行した状態を示す説明図である。 図6は本発明に係るガラス溶融炉の第2実施形態を示す模式的な構成図である。 図7は図6のB−B線に沿う断面図である。 図8は本発明に係るガラス溶融炉の第3実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図8(a)は水平断面図、図8(b)は図8(a)のC−C線に沿う断面図である。 図9は本発明に係るガラス溶融炉の第4実施形態の主要部を示す模式的な構成図である。 図10は本発明に係るガラス溶融炉の第5実施形態の主要部を示す模式的な構成図である。 図11は本発明に係るガラス溶融炉の第6実施形態の主要部を示す模式的な構成図である。 図12は本発明に係るガラス溶融炉の第7実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図12(a)は縦断面図、図12(b)は図12(a)のD−D線に沿う断面図である。 図13は本発明に係るガラス溶融炉の第8実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図13(a)は縦断面図、図13(b)は図13(a)のE−E線に沿う断面図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して本発明に係るガラス溶融炉とそれを用いた溶融ガラスの製造装置と製造方法、並びに、ガラス製品の製造方法の一例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する各実施形態に制限されるものではなく、ガラス原料粒子を溶融して溶融ガラス粒子を形成し、ガラス原料が供給される供給領域に向けて放出し同様の効果が得られる限りは本発明の範囲である。
図1は本発明に係るガラス溶融炉の一実施形態の構成を示す模式的な構成図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は同ガラス溶融炉に適用される気中溶融バーナーの一例を示す構成図である。なお、気中溶融バーナーとは、気中溶融法で利用するためのバーナーである。
図1に示すように本実施形態のガラス溶融炉100は、炉体1と、気中溶融バーナー2と、ガス供給源3と、ガラス原料粒子供給部4と、ガラス原料供給部5を主体として構成されている。ガラス溶融炉100の下流側には、ガラス溶融炉100において製造された溶融ガラスGをガラス製品に成形するための成形装置6が接続されている。
炉体1は、耐火レンガなどの耐火材により中空構造にされている。すなわち、炉底部1bと天井部1aとの間に炉壁部1c、1d、1e、1f(図1、図2参照)が設けられ、これらの内部にガラス融液である溶融ガラスGの貯留部1hが形成されている。
炉壁部1cの高さ方向の中間部には、ガラス原料GMを炉内の溶融ガラスGに投入するためのガラス原料投入口1Aが設けられている。図1においてガラス原料投入口1Aは1箇所のみ描かれているが、本実施形態では、図2に示すように、水平方向に離間した2箇所に設けられている。また、炉壁部1cに対向する側の炉壁部1dには、溶融ガラスGを成形装置6側に排出するための排出口1Bが形成されている。
本実施形態のガラス原料供給部5は、炉体1の側部に、すなわち炉体1の炉壁部1c側であって、溶融ガラスの流れる方法の上流側に設けられており、ガラス原料GMを収容するホッパー5aと、該ホッパー5aの下部に接続された搬送管5dと、搬送管5dの内部に設けられた搬送スクリュー5bと、この搬送スクリュー5bを回転駆動する駆動部5cを備えている。
ホッパー5aは、上部に原料投入口5A、底部に底部開口5Bを備え、底部開口5Bの下方に水平に搬送管5dが接続され、搬送管5dの一端が前記ガラス原料投入口1Aに連結されている。前記搬送スクリュー5bは搬送管5d内のガラス原料GMをガラス原料投入口1Aに向かって搬送する。
本実施形態において、ガラス原料供給部5は、各ガラス原料投入口1Aにそれぞれ1つずつ設けられている。
このため、ホッパー5aに収容されているガラス原料GMは搬送スクリュー5bによってガラス原料投入口1Aから貯留部1hに投入される。貯留部1h内にすでに溶融ガラスGまたは溶融ガラス粒子Uが集積した溶融ガラスU’が貯留されている場合には、図1、2に示すように、ガラス原料GMが山状の塊を形成して溶融ガラスG(U’)の液面上に浮かぶことになる。
形成された各塊は、ガラス原料GMの投入が続くと、炉壁部1c側から炉壁部1d側に向かって押し出され互いに合流して、炉壁部1c、1dの間の溶融ガラスG上の一定範囲、たとえば、図2に二点鎖線で示す供給領域Sに供給される。このように本実施形態において、ガラス原料供給部5の原料供給方向は、炉壁部1cから炉壁部1dに向かう方向とされる。
気中溶融バーナー2は、ガラス原料粒子GMを加熱気相部K中で溶融して溶融ガラス粒子Uを形成し、ガラス原料GMが供給される供給領域Sに向けて放出するために設けられている。本実施形態の気中溶融バーナー2は、ガラス原料粒子GMの放出方向が鉛直下方となるように、供給領域Sの中心を通る鉛直軸に沿って炉体1の天井部1aに取り付けられている。
本実施形態に適用されている気中溶融バーナー2の内部構造の一例は、図3に示すように、ガラス原料粒子GMを通過させる供給路21を有した筒型のノズル本体22と、このノズル本体22の周囲を取り囲むように配置された被覆管23と、この被覆管23の周囲を囲むように配置された外管24とからなる3重構造とされている。ノズル本体22と被覆管23との間の流路が燃料ガス供給路25とされ、被覆管23と外管24との間の流路が燃焼用ガス供給路26とされている。
また、気中溶融バーナー2には、プロパン、ブタン、メタン、LPG(液化石油ガス)などの燃料ガスと、Oガスを含む燃焼用ガスとを供給するガス供給源3が、供給管3a、3bを介して接続されている。
供給管3aは、前記燃料ガスを供給する配管であり、燃料ガス供給路25に接続されている。供給管3bは、前記燃焼用ガスを供給する配管であり、燃焼用ガス供給路26に接続されている。
このため、気中溶融バーナー2は、供給管3aを介して前記燃料ガスが図3の矢印28に示す如く燃料ガス供給路25に導入され、供給管3bを介して前記燃焼用ガスが図3の矢印29に示す如く燃焼用ガス供給路26に導入される。これにより、気中溶融バーナー2は先端側(図1、図3の下方側)に前記燃料ガスおよび前記燃焼用ガスによる酸素燃焼炎Hを噴射できる。
また、気中溶融バーナー2のノズル本体22には、供給管4aを介してガラス原料粒子GMをキャリアガスとともに供給するガラス原料粒子供給部4が接続されている。キャリアガスとしては、酸素または空気を採用できる。ただし、キャリアガスは、ガラス原料粒子GMをノズル本体22に供給して、ノズル本体22の出口側から噴射できるガスであれば、酸素または空気には限定されない。
ガラス原料粒子供給部4の構成は、ガラス原料粒子GMを収容するホッパーと、ホッパーに収容されたガラス原料粒子GMを前記キャリアガスによって供給管4a内に移動させるガス送出手段とを備える。
このため、ガラス原料粒子供給部4からキャリアガスとともにガラス原料粒子GMがノズル本体22に供給されると、気中溶融バーナー2は、先端から酸素燃焼炎Hを噴射するとともに、ガラス原料粒子GMを放出できる。
本実施形態では、酸素燃焼炎Hが、酸素燃焼炎Hの内部とその周囲に、ガラス原料粒子GMを構成する各原料の融点よりも高い、約2000〜3000℃の加熱気相部Kを形成できる。このため、ガラス原料粒子GMは、溶融した液相の溶融ガラス粒子Uとして鉛直下方に放出される。
また、溶融ガラス粒子Uとともに、酸素燃焼炎H内で燃焼されたガスと、加熱気相部Kを燃焼されることなく通過したガスとは、加熱気相部Kで加熱された加熱ガスgとして鉛直下方側に噴射される。加熱ガスgは、噴射時には加熱気相部Kと略同じ温度に加熱されている。
上述の構成の気中溶融バーナー2によってガラス原料粒子GMを加熱気相部K中で溶融して溶融ガラス粒子Uを形成し、該溶融ガラス粒子Uをガラスカレットを含むガラス原料GMに向けて放出できる。
本実施形態の気中溶融バーナー2は、内部の供給路21を介しガラス原料粒子GMを目的の方向に噴出できる第1の投入部と、酸素燃焼炎Hに伴う加熱気相部Kを生成してガラス原料粒子GMを溶融する第1の加熱手段を兼ねている。
なお、気中溶融バーナー2の構成は、ガラス原料粒子GMを加熱気相部K中で溶融して溶融ガラス粒子Uを形成し、ガラス原料GMが供給される供給領域Sに向けて放出する加熱手段である限り、特に限定されず、気中溶融法に用いるすべての加熱手段を採用できる。
たとえば、具体的な好適な加熱手段としては、天然ガス−酸素燃焼炎等の酸素燃焼炎を利用した上述の気中溶融バーナー2を用いることができるが、他に、移送式直流プラズマ、非移送式直流プラズマ、多相プラズマ、高周波誘導プラズマ等の熱プラズマアークなどの少なくとも一つを発生可能な装置を使用できる。ここにおいては、第1の加熱手段としての具体的な例示を挙げているが、後述する第2の加熱手段、あるいは第2の加熱手段に加えて設けられる加熱手段においても、これらの例示の加熱手段を用いることができる。
次に、本実施形態のガラス溶融炉100において製造しようとする溶融ガラスGとその原料となるガラス原料粒子GMとガラス原料GMについて以下に説明する。
本実施形態のガラス溶融炉100を用いて製造しようとする溶融ガラスGは組成的には特に制約されない。従って、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、混合アルカリ系ガラス、またはホウケイ酸ガラス、あるいは、その他のガラスのいずれであってもよい。
溶融ガラスGが建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合に、溶融ガラスGは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al23:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe23:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B23:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
溶融ガラスGが液晶ディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合に、溶融ガラスGは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜75%、Al23:3〜27%、B2:0〜20%、MgO:0〜13%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
溶融ガラスGがプラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合に、溶融ガラスGは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al23:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
その他の用途として、溶融ガラスGが耐熱容器または理化学用器具等に使用されるホウケイ酸ガラスの場合に、溶融ガラスGは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:60〜85%、Al23:0〜5%、B2:5〜20%、Na2O+K2O:2〜10%、という組成を有することが好ましい。
本実施形態で気中溶融バーナー2を用いて行う気中溶融法においては、前記いずれかの組成のガラスの原料、例えば上述の各成分の粒子状のガラス原料粉末粒子を目的のガラスの組成比に合わせて混合し、造粒体とした上述のガラス原料粒子GMを用意する。
基本的に気中溶融法とは、複数(通常3成分以上)の成分から成るガラスを製造するためにガラス原料粒子GMを高温の気相雰囲気中で溶融して溶融ガラスを製造する方法と表記できる。
また、たとえば、前述のガラス原料粒子GMの一例として、無アルカリガラスの一例を適用する場合、珪砂、アルミナ(Al)、ホウ酸(HBO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、ジルコン(ZrSiO)、弁柄(Fe)、塩化ストロンチウム(SrCl)などの原料粉末粒子を目的のガラスの組成比に合致するように均一に調合し、たとえばスプレードライ造粒法により30〜1000μm程度の造粒体として、ガラス原料粒子GMを得ることができる。
前記ガラス原料粉末粒子からガラス原料粒子GMを調製する方法としては、スプレードライ造粒法などの方法が使用でき、ガラス原料を分散溶解させた水溶液を高温雰囲気中に噴霧させて乾燥固化させる造粒法が好ましい。また、この造粒体は目的とするガラスの成分組成に対応する混合比の原料のみで構成してもよいが、その造粒体に更に同一組成のガラスカレット微粉を混合して、これをガラス原料粒子GMとして用いることもできる。なお、ガラスカレットは通常種々の大きさの物が混在するので、すでに微粉となっているガラスカレットは、ガラス原料粒子GMに混合しても良いが、ガラス原料粒子GMを構成する平均的な粒子径よりも大きなガラスカレットは、後に説明するガラス原料GMに混合して利用する。
ガラス原料粒子GMを得るための一例としてスプレードライ造粒法について説明する。2〜500μmの範囲のガラス原料粉末を蒸留水などの溶媒中に分散してボールミルなどの攪拌装置で所定時間攪拌し、混合し、粉砕することで上述の各成分のガラス原料粉末粒子がほぼ均一に分散されたスラリーが得られる。これを加熱した気流中に噴霧することでガラス原料粒子GMが得られる。
なお、前述のスラリーを調製する際、原料粉末粒子の均一分散と造粒原料の強度を向上させる目的で2−アミノエタノール、PVA(ポリビニルアルコール)などのバインダーを混合してから攪拌してもよい。
本実施形態において用いるガラス原料粒子GMは、上述のスプレードライ造粒法の他に、転動造粒法、攪拌造粒法などの乾式造粒法により形成することもできる。
前記ガラス原料粒子GMの平均粒径(重量平均)は30〜1000μmが好ましい。より好ましくは、平均粒径(重量平均)が50〜500μmの範囲内のガラス原料粒子GMが使用され、さらに70〜300μmの範囲内のガラス原料粒子GMが好ましい。このガラス原料粒子GMの一例を拡大して図1の二点鎖線の円内に示す。1つのガラス原料粒子GMにおいて最終目的とするガラスの組成比にほぼ合致するか近似した組成比となっていることが好ましい。
ガラス原料粒子GMが溶融した溶融ガラス粒子Uの平均粒径(重量平均)は、通常、ガラス原料粒子GMの平均粒径の80%程度となることが多い。ガラス原料粒子GMの粒径は、短時間で加熱でき、ガラス原料粒子GMからの発生ガスの放散が容易である点、および粒子間の組成変動の低減の点から、前述の範囲を選択することが好ましい。
また、これらのガラス原料粒子GMは、必要に応じて、副原料として清澄剤、着色剤、溶融助剤等を含むことができる。また、これらのガラス原料粒子GM中のホウ酸などは、高温時の蒸気圧が比較的高いため加熱により蒸発しやすいことから、最終製品であるガラスの組成よりも余分に混合しておくことができる。
本実施形態において、副原料として清澄剤を含有する場合、塩素(Cl)、イオウ(S)、フッ素(F)の中から1種または2種以上の元素を選択して含む清澄剤を必要量添加できる。
ガラス原料GMは、ガラス原料粒子GMと合わせて溶融ガラスGを形成するためのガラス原料である。ガラス原料GMの組成は、目標とする溶融ガラスGのガラス組成の範囲と、ガラス原料粒子GMとして供給される組成の分量比とに基づいて、設定される。
たとえば、ガラス原料粒子GMの組成は、溶融ガラスGとしての目標のガラス組成の範囲に一致していることが好ましい。この場合には、ガラス原料GMの組成も溶融ガラスGとしての目標のガラス組成の範囲に合わせる。
ただし、ガラス原料粒子GMの組成が溶融ガラスGとしての目標のガラス組成の範囲から外れている場合、ガラス原料GMの組成は、ガラス原料粒子GMに不足する組成を補う組成とする。また、その逆に、目標のガラス組成にガラス原料GMの組成が外れていれば、ガラス原料粒子GMの組成は、ガラス原料GMに不足する組成を補う組成とする。いずれにしても、ガラス原料粒子GMの組成とガラス原料GMの組成を考慮して、目標のガラス組成を実現できる。
本実施形態において使用するガラス原料GMは、ガラスカレットを10質量%以上含む構成とすることが好ましい。ガラス原料GMに含有するガラスカレットの例としては、ガラス製品の製造工程等で発生したガラス屑(工程内循環カレット)および市中から回収され不純物を除去したガラス片のいずれか一方または両方が挙げられる。これらのガラス屑、ガラス片は粉砕されて、たとえば、粒径が1mm〜50mm程度の範囲にばらついた粉体状または破片状に形成されている。ガラスカレットの大きさは、溶融可能であって、大きいほうがよい。これは、大きなサイズのガラスカレットが原料表面を覆うことによって、ガラス原料GMのうち、微細な原料の飛散を抑制するためである。
ガラス原料GMにおけるガラスカレットの割合は、たとえば、製造するガラス製品の種類、工程内循環カレットの在庫、市中カレットの購入価格等の状況に応じて適宜設定にできる。
ガラス製品の全質量に占めるガラスカレットの量(質量%)は、たとえば、板ガラスの場合は30%程度、瓶ガラスの場合は90%程度、液晶用ガラスの場合は50%程度であることが多い。
また、本実施形態においてガラス原料GMに含まれるガラスカレットは、組成が必要な組成に合っている限り、一般的にガラス溶融炉において用いられるガラスカレットと同様のものを採用できる。
ガラス原料GMにおいて、ガラスカレット以外の成分としては、溶融することで必要なガラス組成が得られる複数のガラス原料の粉末を混合したバッチ原料が挙げられる。その他、ガラス原料として、ガラス原料粒子GMのように予めバッチ原料を造粒したものを含んでもよい。
また、ガラス原料GMにおいて、ガラスカレット以外の他の成分としては、副原料である清澄剤、着色剤、溶融助剤等を添加できる。
ガラスカレットはバッチ原料に比べ溶融性が良好である。このため、ガラス原料GMにおいてガラスカレットの量を増やすことは省エネルギー操業の点で好ましい。
ただし、ガラスカレットは反応性に乏しいため、ガラスカレットが増えると脱泡しにくくなる。したがって、この場合には、ガラス原料GMのバッチ原料とともに清澄剤を添加することが好ましい。ガラス原料粒子GMの方に清澄剤を多めに添加してもよいが、バッチ原料に清澄剤を入れる方が清澄剤の揮発などの観点から相対的に効果が高い。
次に、ガラス溶融炉100を用いた本発明に係る溶融ガラスの製造方法およびガラス製品の製造方法の一実施形態について説明する。
図4は本発明に係るガラス製品の製造方法の一例を示すフロー図である。図5はこの例における溶融ガラス粒子Uの挙動の模式的な説明図である。
まず、本実施形態の溶融ガラスの製造方法について説明する。本方法で行う工程は、図4に示す本実施形態のガラス製品の製造方法におけるガラス溶融工程S1を構成する。
ガラス溶融炉100によって、溶融ガラスGを形成するには、まず、気中溶融バーナー2によって、酸素燃焼炎Hを形成し、気中溶融バーナー2の下端側に加熱気相部Kを形成する。酸素燃焼炎Hによる輻射熱伝達や対流熱伝達によって、天井部1a、炉底部1b、炉壁部1c、1d、1e、1fを加熱し、貯留部1h内に、たとえば、1500℃程度の高温気相雰囲気を形成する。これにより貯留部1hは、溶融ガラスGをガラス融液として貯留できる。
なお、最初に貯留部1hに溶融ガラスGを形成する場合、貯留部1h内にバッチ原料を収容して気中溶融バーナー2により加熱して溶融ガラスGを形成してもよいし、気中溶融バーナー2により以下に説明の如く溶融ガラスGを形成してもよい。
次に、ガラス原料粒子供給部4から、キャリアガスとともにガラス原料粒子GMを気中溶融バーナー2のノズル本体22に供給する。
ガラス原料粒子GMは、ノズル本体22内を下方に移動し、酸素燃焼炎Hにより形成された加熱気相部Kに投入される。これにより、個々のガラス原料粒子GMが加熱気相部Kにおいて急速に加熱溶融され、全体が溶融されて個々に溶融ガラス粒子Uに変化する。各溶融ガラス粒子Uは、加熱気相部K内で加熱されたキャリアガスや加熱ガスgとともに鉛直下方に噴射され、炉体1の貯留部1h内に落下し、貯留部1hに集積され溶融ガラスU’を形成する。
このとき、ガラス原料粒子GMは、キャリアガス、燃料ガス供給路25、燃焼用ガス供給路26から噴射される前記燃料ガス、および前記燃焼用ガスが形成する気流によって、気中溶融バーナー2の先端部に滞留することがなく下方に噴射され、加熱される。
特に、ガラス原料粒子GMの組成が、溶融ガラスGの目標のガラス組成に一致している場合には、各溶融ガラス粒子Uが目標の溶融ガラスGであり、組成が均一な高品質な溶融ガラスGになっている。また、溶融ガラス粒子Uは、ガラス原料粒子GMを溶融し形成した小粒径の液滴粒子であるため、発生ガスの放散が充分になされる結果として泡が少ない。
また、通常のガラス原料を加熱するためのバーナーで溶融ガラス上のガラスカレットを含むガラス原料の山をバーナーの火炎が直撃した場合に、微細なガラスカレットないしはガラス原料粉末が飛散する。他方、本発明では、気中溶融バーナー(第1の投入部)2からガラス原料粒子GMを炉内に投入し、加熱気相部K(第1の加熱気相部)で溶融させた溶融ガラス粒子Uを、ガラスカレットを含むガラス原料GMの上に直接落下、堆積させるので、溶融ガラス粒子Uに飛散した微細なカレットないしはガラス原料粉末が吸着され、ガラス原料粉末などの飛散を防止できる。飛散したガラス原料粉末は目標のガラス組成と乖離がある場合が多いため、飛散したガラス原料粉末を削減してこれが溶融ガラスG(U’)に混入することを防止することは、高品質な溶融ガラスを得るために有効である。
さらに本発明では、上記のような作用があるので、加熱気相部Kのような炎を、ガラス原料GMの塊に対して比較的近くまで形成することができる。通常の加熱バーナーの場合には、このような作用はないので、ガラス原料GMの塊にその炎が近すぎると、上記のごとく微細なガラスカレットないしはガラス原料粉末が飛散して問題となる。
また、溶融ガラスU’は、ガラスカレットを含むガラス原料GMがその液面上に浮かべられ、下側からガラスカレットを含むガラス原料GMが加熱され、さらに溶融されるため、溶解初期段階の溶融体、いわゆる初期メルト(初期溶融物)となった状態となる。溶融ガラスU’は、投入されるガラスカレットを含むガラス原料GMの溶融時の脱泡を促進するため、充分な量の清澄剤を含んだガラス原料粒子GMを用いることが好ましい。
溶融ガラスU’における残存清澄剤量は、ガラス原料粒子GMにおける清澄剤の添加比率、供給量、燃焼量などの溶融条件をパラメータとして制御できるため、目的の残存清澄剤量に調整した溶融ガラスU’を得ることができる。
また、気中溶融バーナー2を用いて、製造装置の稼働初期の溶融初期段階の溶融体である初期メルトを製造すると、ガラス原料GMの寄与分による成分が含まれない。このため、ガラス原料粒子GMとガラス原料GMの組成が異なる場合は、より均質な溶融ガラスGをより効率よく形成するために、少なくとも製造装置の稼働初期の初期メルトを形成するガラス原料粒子GMの組成を、溶融ガラスGの組成の範囲に合わせるか、溶融ガラスGの組成の範囲に近似した組成とすることが好ましい。
このようにして、ある程度、溶融ガラスU’の貯留が進んでから、ガラス原料供給部5からガラスカレットを含むガラス原料GMを供給する。
すなわち、原料投入口5Aに投入したガラス原料GMを、搬送スクリュー5bの回転によって、ガラス原料投入口1Aから貯留部1h内に投入する。ここでガラスカレットに数ミリ〜数十ミリの範囲で大きさのばらつきがあったとしても、搬送スクリュー5bを用いて原料投入口5Aから炉内にガラスカレットを投入する方式では問題なくガラスカレットの投入ができる。
貯留部1h内に投入されたガラス原料GMは、すでに貯留された溶融ガラスU’の液面上に塊(パイル)を形成して浮かび、気中溶融バーナー2の下方に位置する供給領域Sに向かって押し出される。この間にガラス原料GMは、溶融ガラスU’からの熱伝達により加熱されて下側から徐々に溶融を始める。
供給領域Sでは、気中溶融バーナー2から鉛直下方に放出される溶融ガラス粒子Uが降り注いでいるため、ガラスカレットを含むガラス原料GMが溶融ガラス粒子Uと接触し、ガラス原料GMの溶融が促進される。以下に図5を参照してこの様子を説明する。
図5(a)には、溶融ガラスU’上に浮かぶガラスカレットGCとバッチ原料GBとを含むガラス原料GMの塊の上方部のイメージを示す。図のように、ガラスカレットGCどうしの隙間に大きさの小さいバッチ原料GBが入り込んだ状態となる。実際には図示していないがガラスカレットGCの下にも、別のガラスカレットが積層し、その隙間にバッチ原料が入っている。溶融ガラスU’上に浮かぶガラスカレットGCを含むガラス原料GMの塊は、図示しないがこの塊の下面が溶融ガラスU’と接触して加熱され、上面mがガラス溶融炉100の内壁部からの輻射熱および加熱ガスgからの気体熱伝達により加熱されている。このため、ガラスカレットGCを含むガラス原料GMは、それぞれの加熱量に応じて、上面m、下面から加熱溶融されて溶融ガラスU’に混入し、溶融ガラスGが形成されていく。
上面mに溶融ガラス粒子Uが落下すると、図5(b)に示すように、溶融ガラス粒子Uが上面m上に拡がり、上面mの一部に密着する。この密着した溶融ガラス粒子Uから、上面mとの接触面mcを介して、熱伝導が起こり、接触面mcを通してガラス原料GMを広く加熱できる。
溶融ガラス粒子Uは、加熱気相部Kの温度である約2000℃〜約3000℃の領域を通過して高温に加熱されているため、溶融ガラスU’に比べて格段に高温である。また、固体状態のガラス原料GMの温度に比べるとよりいっそう高温である。
したがって、接触面mcでの熱伝導を急速に行うことができる。しかも溶融ガラス粒子Uは小径であるため、単位面積当たりの熱伝導量がきわめて大きい。また、溶融ガラス粒子Uは衝突により偏平となり、溶融ガラス粒子Uの粒径に比べて広範囲に付着するため、溶融ガラス粒子Uの熱がガラス原料GMに効率よく伝熱する。このため、溶融ガラス粒子Uは、ガラスカレットGCどうしの隙間に流れ込み、ガラスカレットGCの表面やその下方部を溶融する。
さらに、図5(c)に示すように、ガラスカレットを含むガラス原料GMにおいて接触面mcにおいてガラス原料GMが急速に溶融し、後続の溶融ガラス粒子Uも接触面mcを構成することになるので、接触面mcも拡大していく。たとえば、図5(c)には、一例として、隣接領域に落下した複数の溶融ガラス粒子Uがそれぞれの接触面mcを拡大した結果、互いに合流して接触面mc’のように拡大した様子を示している。
このような接触面mc(mc’)では、溶融したガラス原料GMと溶融ガラス粒子Uとが密着して接触する結果、化学反応も効率的に進行する。また、接触面mc(mc’)が粒子体積に比して大きいため、反応が速やかに進行し、均一性の高い反応が短時間のうちに起こる。
このようにして、ガラスカレットGCを含むガラス原料GMの上面m上に溶融ガラス粒子Uとガラス原料GMとのガラス原料の組成比に応じた液滴状の溶融ガラスGが形成されていく。
この液滴状の溶融ガラスGは、成長して隣接する同様の溶融ガラスGと合流して下方あるいは側方に流れたり、塊を貫通したりして、貯留済みの溶融ガラスU’に混入する。この結果、貯留部1h内の溶融ガラスが増加していく。
以上、隣接して降り注ぐ溶融ガラス粒子Uについて図示による説明をしたが、溶融ガラス粒子Uは、ガラス原料粒子GMの投入量、溶融ガラス粒子Uの放出範囲に応じて、上面m上を広範囲に覆う。このため、供給領域Sにおいて、ガラス原料GMの上面mを溶融ガラス粒子Uの堆積層によって覆いつつ、上述の溶融を上面m上で進行させることができる。
このとき、ガラスカレットGCを含むガラス原料GMの下面では、溶融ガラスU’との接触による溶融も進行している。このため、溶融ガラス粒子Uの供給量によって、上面mからの溶融の速度と、下面からの溶融の速度を調節できる。
たとえば、溶融ガラス粒子Uがガラス原料GMの溶融に寄与する熱量を、ガラス原料GMの溶融に必要な熱量の50%から60%程度に設定すれば、溶融ガラスU’の寄与による下面からの溶融と、溶融ガラス粒子Uの寄与による上面mからの溶融をほぼ均衡できるため、ガラス原料GMを外表面からほぼ均等に溶融させることができ、効率的である。
また、ガラス溶融炉100の省エネルギー面の評価としては、気中溶融バーナー2を用いた気中溶融法はきわめてエネルギー効率がよいため、ガラス原料粒子GMの投入量が多いほど省エネルギー操業が実現できたことになる。
ただし、ガラス原料粒子GMの投入量を増やすと溶融ガラスGの全体量に対するガラス原料GMの量比が低下するため、ガラス原料粒子GMの投入量の上限は溶融ガラスGに占めるべきガラス原料GMの比率、特にガラス原料GMに占めるべきガラスカレットの必要量に応じて決定できる。
したがって、ガラス原料粒子GMの投入量は、この上限の範囲でエネルギー効率を考慮して適宜設定すればよい。
このようにしてガラス原料粒子GMから溶融ガラス粒子Uを形成し、溶融ガラス粒子Uをガラス原料GM上に放出してガラス原料GMの溶融を継続する。
ガラス原料粒子GMおよびガラス原料GMの投入量が、溶融ガラスGを形成する組成比を満足する量比になり、この量比に相当するガラス原料GMが溶融されると、貯留された溶融ガラスは目的のガラス組成を有する溶融ガラスGになる。このようにして、ガラス溶融炉100を用いて溶融ガラスGを製造する。
ガラス溶融炉100において目的の組成比とした溶融ガラスGは、必要に応じて清澄され、排出口1Bから成形装置6に移送し、成形装置6において目的の形状に成形できる。
ガラス溶融炉100を用いて行う溶融ガラスの製造方法によれば、ガラス原料供給部5によって炉体1内にガラスカレットを含むガラス原料GMを供給し、気中溶融バーナー2によって形成された溶融ガラス粒子Uをガラス原料GM上に放出するため、ガラス原料GMに対し高温かつ液相の溶融ガラス粒子Uからの効率的な熱伝達を行うことができ、迅速に溶融できる。このため、ガラスカレットを気中溶融バーナー2に供給できるように小径化することなく、ガラスカレットを利用しつつ気中溶融バーナー2も利用して効率良く溶融ガラスを製造できる。
また、気中溶融バーナー2によって組成が均一に形成された溶融ガラス粒子Uを少量ずつガラス原料GMの塊と密着させて溶融できるため、ガラス原料GMの溶融部分における反応性が向上し、溶融ガラス粒子Uとの混成体の組成を均一化できる。
また、溶融ガラス粒子Uに清澄剤を添加する場合、前記溶融ガラスGにおいて溶融ガラス粒子Uに含まれる清澄剤が作用するため、ガラス原料GMに含まれる反応性に乏しいガラスカレットを溶融させて溶融ガラスGとした場合であっても、溶融ガラスGにおける脱泡効果を発揮できる。このため、脱泡するために炉体1内において溶融ガラスGを対流させて貯留する時間を短縮できるため、効率よく高品質の溶融ガラスGを製造できる。
また、目標とする清澄に必要な清澄剤量を全ガラス原料の0.3質量%とし、ガラスカレットの添加量をガラス原料GMの50%とする場合、ガラスカレットの清澄剤含有量を0.2質量%とすると、ガラスカレットを除くガラス原料GMに0.4質量%の清澄剤を含有させておくと、ガラスカレットを含むガラス原料GMを溶融した場合に目標清澄剤量として適正な値とすることができる。また、目標とする清澄に必要な清澄剤量を全ガラス原料の0.3質量%とし、ガラスカレットの添加量をガラス原料GMの80%とする場合、ガラスカレットの清澄剤含有量を0.2質量%とすると、ガラス原料GMに0.7質量%の清澄剤を含有させておくと、ガラスカレットを含むガラス原料GMを溶融した場合に目標清澄剤量として適正な値とすることができる。また、ガラスカレットを含むガラス原料GMに対し気中溶融バーナー2を用いて供給するガラス原料粒子GMからの溶融ガラス粒子Uにおいては既に泡が少なく、泡抜きされているとすると、上述の関係を満足することでガラス原料粒子GMとガラス原料粒子GMを含めた全溶融ガラスGの清澄剤量の把握ができる。
このように、清澄剤の添加率の配分を適切に行うことによって、添加率が過小になって、脱泡効果が低減したり、添加率が過大になって溶融塩の析出により白泡等が発生することを防止したりできる。
以上、清澄剤を例にとって説明したが、前記の添加量の調節方法は、ガラス原料GMにそれぞれ添加する他の副原料、たとえば、着色剤、溶融助剤等にも同様に適用できる。
また、以上のガラス溶融炉100は、加熱用の酸素バーナーを炉壁部に複数備えてバッチ原料を溶融させる従来構造のガラス溶融炉に対し、さらに気中溶融バーナー2を増設して実現できる。この場合、既存設備を有効利用できるため、設備コストの上昇を抑制できるとともに、既存設備の操業条件を大幅に変更することはないので、既存設備の操業条件も有効に利用しながら容易かつ安価に溶融ガラスGを製造できることとなる。
次に、本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いてガラス製品を製造する方法の一例を説明する。
図4に示す方法に従い、ガラス製品を製造するには、上述のガラス溶融炉100を用いた上述のガラス溶融工程S1により溶融ガラスGを得たならば、溶融ガラスGを排出口1Bから排出し成形装置6に送って目的の形状に成形する成形工程S2を経た後、徐冷工程S3にて徐冷し、切断工程S4において必要な長さに切断する。これにより目的サイズのガラス製品9を製造できる。
なお、必要に応じて、成形後の溶融ガラスを研磨する工程を設けて、ガラス製品を製造できる。
また、成形装置6に送る前に、溶融ガラスGを必要に応じ、脱泡を行うための清澄装置、例えば減圧脱泡装置に導入し、減圧状態で強制的にさらに脱泡した後、成形装置6に送ることもできる。
更に、ガラス製品の製造装置として、上述のガラス溶融炉100と、このガラス溶融炉100により製造された溶融ガラスGを形成する成形装置6と、この成形装置6で成形されたガラスを徐冷する徐冷手段と、徐冷後のガラスを目的の大きさに切断する切断装置を備えた構成を例示できる。
以上に説明したようなガラス製品の製造方法と製造装置によれば、ガラス溶融炉100によって効率的に製造された均一組成の溶融ガラスGを用いるため、省エネルギーにより製造された高品質のガラス製品を提供できる。
[第2実施形態]
次に、本実施形態の第2実施形態について説明する。
図6は本発明に係るガラス溶融炉の第2実施形態を示す模式的な構成図である。図7は図6に示すB−B線に沿う断面図である。
図6、7に示すように、本実施形態のガラス溶融炉101は、先の第1実施形態のガラス溶融炉100に対し気中溶融バーナー2A(第2の気中溶融バーナー)と、ガス供給源3Aを追加し、第1実施形態のガラス溶融炉100のガラス原料粒子供給部4に代えて、供給管4aとは独立してガラス原料粒子GMを供給する供給管4bを設けたガラス原料粒子供給部4Aを備えた構成を有する。その他の構成は先の第1実施形態のガラス溶融炉100と同等であり、以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
気中溶融バーナー2Aは、ガラス原料粒子GMを加熱気相部K中で溶融して溶融ガラス粒子Uを形成し、供給領域Sと異なる炉体1内の領域である領域S(図7参照)に向けて放出する第2の気中溶融バーナーである。気中溶融バーナー2Aの詳細構成は、特に図示しないが、気中溶融バーナー2と同様な構成を有する。
本実施形態の気中溶融バーナー2Aは、ガラス原料粒子GMの放出方向が鉛直下向きとなるように、気中溶融バーナー2と炉壁部1dとの間の天井部1aに取り付けられている。
また、気中溶融バーナー2Aは、供給管4bを介してガラス原料粒子供給部4Aと接続され、気中溶融バーナー2と同様の形態で、供給管4bを通してガラス原料粒子GMが供給されるようになっている。このため、ガラス溶融炉101では、ガラス原料粒子供給部4Aによって、供給管4a、4bに供給するガラス原料粒子GMの供給量を適宜変化させたり、供給を停止させたりできる。
ガス供給源3Aは、第1実施形態のガス供給源3と同様な構成を有し、供給管3a、3bが、それぞれ先の第1実施形態の気中溶融バーナー2に接続されるのと同様の形態で気中溶融バーナー2Aに接続されている。
このため、ガス供給源3Aからは、供給管3aを介して前記燃料ガスが、気中溶融バーナー2Aの燃料ガス供給路に導入され、供給管3bを介して前記燃焼用ガスが気中溶融バーナー2Aの燃焼用ガス供給路に導入される。これにより、気中溶融バーナー2Aは、気中溶融バーナー2と同様に、先端側(図6の下方側)に前記燃料ガスおよび前記燃焼用ガスによる酸素燃焼炎Hを噴射できる。
本実施形態のガラス溶融炉101によれば、内部に、気中溶融バーナー2、2Aからそれぞれガラス原料粒子GMを放出できる。ただし、気中溶融バーナー2Aは、供給領域Sとは異なる領域Sに向けてガラス原料粒子GMを放出するため、ガラス原料粒子GMは、ガラス原料GMを直接溶融することはなく、溶融ガラス粒子Uによって貯留部1h内の溶融ガラスGを増加させる。
このため、気中溶融バーナー2、2Aの両方にガラス原料粒子GMを投入することにより、初期メルトである溶融ガラスU’を迅速に貯留できる。
また、溶融ガラスGに対するガラス原料GMの量比がガラス原料粒子GMの量比よりも少ない場合に、気中溶融バーナー2、2Aの両方にガラス原料粒子GMを投入することにより、迅速に溶融ガラスGを製造できる。
また、たとえば、工程内循環カレットの在庫、市中カレットの購入価格等の状況に応じてガラスカレットを含むガラス原料GMの投入量が変化する場合にも、気中溶融バーナー2、2Aのそれぞれのガラス原料粒子GMの投入量を調整することにより、溶融ガラスGを製造できる。
また、ガラス溶融炉101によれば、ガラス原料GMを用いることなく溶融ガラスGを製造する場合、気中溶融バーナー2を停止することなく、気中溶融バーナー2、2Aの両方にガラス原料粒子GMを投入することにより、迅速に溶融ガラスGを製造できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は本発明に係るガラス溶融炉の第3実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図8(a)は水平方向の断面図、図8(b)は図8(a)のC−C線に沿う断面図である。
図8(a)、(b)に主要部の構成を示すように、本実施形態のガラス溶融炉102は、先の第1実施形態のガラス溶融炉100において、酸素バーナー30(補助加熱部)と加熱用の電極31(図8(b)参照)を追加した構成を有する。以下、前記実施形態と異なる点を中心に説明する。
酸素バーナー30は、図示略のガス供給源から燃料ガスと酸素との供給を受けて、酸素燃焼炎hを横向きに形成し、ガラス原料GMの塊を加熱する補助加熱部である。
本実施形態において酸素バーナー30は、ガラス原料投入口1Aと供給領域Sとの間の炉壁部1f、1eにそれぞれ1つずつ、火炎噴出方向を水平方向とするように横向きに設置されている。各酸素バーナー30の設置高さは、溶融ガラスGの液面よりも若干高い適宜位置に設定できる。また、各酸素バーナー30は、ガラス原料投入口1Aから排出口1Bに向かって一定距離を離して設置する。これらにより、ガラス原料粉末などの飛散を防止できる。本実施形態の酸素バーナー30は、塊を構成するガラス原料GMが供給領域Sに到達するまでの間にガラス原料GMを予熱する。
電極31は、貯留部1hに貯留された溶融ガラスG(U’)の温度を一定範囲に保ち、対流させるための加熱手段であり、溶融ガラスG(U’)を内部側から加熱可能な棒状の電極31を複数縦横に配置した構造を採用できる。
電極31の配列位置は、溶融ガラスG(U’)の温度低下が起こりやすい位置に適宜設けることが好ましい。例えば、ガラス原料GMによる塊が形成される領域よりも下流側の炉底部1bに設けられる。
本実施形態のガラス溶融炉102によれば、酸素バーナー30を備え、塊を形成するガラス原料GMを予熱できるため、溶融ガラス粒子Uによるガラス原料GMの溶融能力が相対的に増大する。この結果、ガラス原料GMの溶融がより加速される。
また、ガラス原料GM上に落下した溶融ガラス粒子Uの温度低下を低減できるため、安定した一定の速度で溶融ガラスGを製造できる。
さらに、酸素バーナー30は、ガラス原料GMの投入量に応じて、オンオフ制御を行ってもよい。酸素バーナー30は、投入されたガラス原料GMを加熱するため、投入による溶融ガラスG(U’)の温度低下を抑制する。
ガラス溶融炉102によれば、電極31を備えるため、貯留部1hに貯留された溶融ガラスG(U’)の温度を安定化できる。特に、本実施形態では、塊が形成される領域の下流側の炉底部1bに電極31を設けるため、ガラス原料GMの投入による温度低下を低減し、下面m側からの溶融量を安定化できる。
このように、本実施形態では、酸素バーナー30と電極31とを併設しているため、これらが相まって、溶融ガラスG(U’)の温度低下を抑制し、溶融ガラス粒子Uによる溶融能力を高くできる。
[第4、第5、第6実施形態]
次に、本発明の第4実施形態〜第6実施形態について説明する。
図9は本発明に係るガラス溶融炉の第4実施形態の主要部を示す模式的な構成図、図10は同第5実施形態の主要部を示す模式的な構成図、図11は同第6実施形態の主要部を示す模式的な構成図である。
第4実施形態〜第6実施形態は、気中溶融バーナー2の配置姿勢、配置位置に関する実施形態であり、それぞれの構成要素は、第1実施形態のガラス溶融炉100と同様である。以下、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9に主要部の構成を示すように、第4実施形態のガラス溶融炉103は、気中溶融バーナー2が、鉛直軸に対して傾斜する斜め下向き、かつガラス原料供給部5側に向かう方向(排出口1B側から原料投入口5A側に向かう方向)に、溶融ガラス粒子Uを放出する姿勢で天井部1aに取り付けられている。また、気中溶融バーナー2の放出中心軸は、供給領域Sの中心Oに向けられている。
ガラス溶融炉103によれば、気中溶融バーナー2から噴射される加熱ガスgと溶融ガラス粒子Uとが、ガラス原料GMの原料供給方向の上流側に向いて斜め下向きに当たるため、ガラス原料GMからなる塊の前進移動を抑制できる。この結果、ガラス原料GMが充分に溶融する前に供給領域Sを通り抜けて排出口1B側に移動してしまうことを防止できるため、ガラス原料GMからなる塊を充分に溶融できる。
図10に主要部の構成を示すように、第5実施形態のガラス溶融炉104は、気中溶融バーナー2が、鉛直軸に対して傾斜する斜め下向き、かつ排出部1B側に向かう方向(すなわち、原料投入口5A側から排出口1B側に向かう方向)に、溶融ガラス粒子Uを放出する姿勢で天井部1aに取り付けられている。また、気中溶融バーナー2の放出中心軸は、供給領域Sの中心Oに向けられている。
ガラス溶融炉104によれば、気中溶融バーナー2から噴射される加熱ガスgと溶融ガラス粒子Uとが、ガラス原料GMの下流側(排出口1B側)に当たるため、塊の前進移動を促進できる。この結果、ガラス原料GMが供給領域Sに到達するまでの時間を短縮でき、塊が大きくなりすぎてガラス原料GMの供給が滞ったり、溶融ガラスG(U’)がガラス原料投入口1A付近で温度低下しすぎたりすることを防止できる。
図11に主要部の構成を示すように、第6実施形態の溶融ガラス製造装置105は、気中溶融バーナー2が、鉛直軸に対して傾斜する斜め下向き、かつ排出部1B側に向かう方向に、溶融ガラス粒子Uを放出する姿勢で炉壁部1cの上部に取り付けられている。また、気中溶融バーナー2の放出中心軸は、供給領域Sの中心Oに向けられている。
ただし、図11は模式図であるため、ガラス原料供給部5と気中溶融バーナー2とが同一面上に配置されているように描いているが、これらの奥行き方向の位置は、ずれていてもよい。例えば、2箇所のガラス原料供給部5の間に気中溶融バーナー2を配置すれば、ガラス原料供給部5と干渉しにくいため、ガラス原料供給部5と干渉することなく気中溶融バーナー2の設置ができる。
本実施形態のガラス溶融炉105によれば、気中溶融バーナー2の配置姿勢が前記第5実施形態と同一であるため、気中溶融バーナー2に関しては第5実施形態と同じ作用を有する。
また、第5実施形態とは異なり炉壁部1cに設けられているため、ガラス原料粒子供給部4を炉壁部1c寄りのガラス溶融炉105の外部に設置できる。このため、ガラス原料粒子GMとガラス原料GMの投入位置を近接し、ガラス原料に関わる装置の位置を集約させることができ、投入時の作業効率、ガラス原料の運搬効率を向上できる。
本実施形態は、気中溶融バーナー2がガラス溶融炉105の炉壁部1cに設けられた場合の例になっている。
気中溶融バーナー2は、ガラス原料供給部5が1台で構成された場合や、炉壁部1e、1fの間隔が狭い場合などに、炉壁部1cに近い炉壁部1e、1fのいずれかまたは両方に配置してもよい。この場合も、本実施形態と同様な作用が得られる。また、ガラス原料供給部5と干渉しにくいため、気中溶融バーナー2の配置が容易となる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
図12は本発明に係る溶融ガラスの製造装置の第7実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図12(a)は縦断面図、図12(b)は図12(a)のD−D線に沿う断面図である。
図12に主要部の構成を示すように、第7実施形態のガラス溶融炉106は、第1実施形態のガラス溶融炉100のガラス原料投入口1A、ガラス原料供給部5に代えて、ガラス原料投入口1C、ガラス原料供給部32を備える。以下、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態のガラス原料投入口1Cは、炉壁部1cの高さ方向の中間部において、壁厚方向に貫通して設けられた矩形状の開口である。炉壁部1cにおけるガラス原料投入口1Cの開口形状は、水平方向の幅が供給領域Sと略同一幅とされ、高さ方向に幅狭とされた矩形状である。
ガラス原料投入口1Cの高さは、第1実施形態のガラス原料投入口1Aと同様の高さに設けられている。
本実施形態においてガラス原料供給部32は、ガラス原料GMをガラス溶融炉106の外部から投入するため、上部に原料投入口32A、底部に底部開口32Bが設けられたホッパー32aと、一端がガラス原料投入口1Cに連結され底部開口32Bから導入されたガラス原料GMをガラス原料投入口1Cに向かって下方に傾斜する斜め方向に沿って案内する搬送管32dとを備える。
ガラス溶融炉106によれば、ホッパー32aにガラス原料GMを投入し、図示しないがガラス原料GMを幅方向に揃って押し出すブランケットフィーダーによってガラス原料GMが押し出され、底部開口32Bから搬送管32dに沿って下方側に落下し、ガラス原料投入口1Cから貯留部1hに投入される。
ガラス原料投入口1Cは、液面に平行な偏平の矩形状開口になっているため、ガラス原料GMは、偏平な層状に整形された状態で投入される。貯留部1h内にすでに溶融ガラスG(U’)が貯留されている場合には、ガラス原料GMは、層状の塊を形成して溶融ガラスG(U’)の液面上に浮かぶことになる。
形成された塊は、ガラス原料GMの投入が続くと、ガラス原料投入口1Cの水平方向の幅とほぼ同幅の帯状をなして、炉壁部1cから炉壁部1d側に向かって押し出され、図12(b)に二点鎖線で示す供給領域Sに供給される。
供給領域Sに供給されたガラス原料GMは、前記実施形態と同様に、放出された溶融ガラス粒子Uにより効率的に溶融される。
本実施形態のガラス溶融炉106によれば、ガラス原料GMを層状に供給するため、山状の塊を形成する場合に比べて、塊の層厚が均等化される。このため、層厚のバラツキによるガラス原料GMの溶融速度の不均衡を低減し、溶融残りを低減できる。
また、ガラス溶融炉106によれば、ガラス原料GMの自重落下により供給するため、簡素な装置構成となる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
図13は本発明に係るガラス溶融炉の第8実施形態の主要部を示す模式的な構成図であり、図13(a)は縦断面図、図13(b)は図13(a)のE−E線に沿う断面図である。
図13に主要部の構成を示すように、第8実施形態のガラス溶融炉107は、第1実施形態のガラス溶融炉100のガラス原料投入口1A、ガラス原料供給部5に代えて、連結孔1D、ガラス原料供給部33を備えている。また、本実施形態では、気中溶融バーナー2は、前記第5実施形態と同様に設置されている。以下、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
連結孔1Dは、ガラス原料供給部33を連結するため、炉壁部1cの高さ方向の中間部において、炉壁部1cを斜め下方向に貫通して設けられた円断面を有する貫通孔である。連結孔1Dの高さは、第1実施形態のガラス原料投入口1Aよりも高い位置に設けられている。
本実施形態のガラス原料供給部33は、ガラス原料GMを炉体1の外部から投入するため、上部に原料投入口33A、底部に底部開口33Bが設けられたホッパー33aと、一端が連結孔1Dに挿通して連結され底部開口33Bから導入されたガラス原料GMを貯留部1hに向かって下方に傾斜する斜め方向に沿って案内する搬送管33dとを備える。
本変形例では、搬送管33dは、炉壁部1cから貯留部1hの内部に向かって斜め下側に突出され、その先端に円形開口であるガラス原料投入口33eが形成されている。また、ガラス原料投入口33eは、集積した溶融ガラスG(U’)の液面の上方に開口され、その開口位置は、ガラス原料投入口33eから斜め方向に落下するガラス原料GMが供給領域S上に散布される適宜の高さに設定されている。
本実施形態のガラス溶融炉107によれば、ホッパー33aにガラス原料GMを投入すると、ガラス原料GMは図示していないが別の形態で前述した搬送スクリューによって、底部開口33Bから搬送管33dに沿って斜め下方側に押し出されて落下し、ガラス原料投入口33eから貯留部1h内の空中に放出されて投入される。
このため、放出されたガラス原料GMは、ガラス原料投入口33eにおける初速度に応じてそれぞれ放物線を描いて放出され、供給領域S上に散布される。
供給領域Sに散布供給されたガラス原料GMは、前記実施形態と同様に、気中溶融バーナー2から放出された溶融ガラス粒子Uにより効率的に溶融される。
本実施形態のガラス溶融炉107によれば、溶融ガラスG(U’)の若干上方からガラス原料GMを散布するため、ガラス原料投入口33eの開口面積が小さくても、広範囲にガラス原料GMを供給できる。
また、散布されて山状の塊を形成したガラス原料GMは、前記第5実施形態の構造と同様に、加熱ガスg及び溶融ガラス粒子Uの噴射によって、塊の前進移動が促進され、酸素燃焼炎Hによって塊を形成するガラス原料GMが溶融される。
なお、以上の説明では、本発明に係るガラス溶融炉、それを用いた溶融ガラスの製造方法、およびガラス製品の製造方法の各実施形態について説明したが、本発明はこれらに種々の変形を加えて実施できる。
たとえば、第1の気中溶融バーナー、第2の気中溶融バーナーの本数は、1本とは限らず、1本以上の適宜本数を設けることができる。
第1の気中溶融バーナー、第2の気中溶融バーナーは、たとえば、前記実施形態のガラス原料供給部5の複数の配置に合わせて、それぞれ複数設けてもよい。
第1の気中溶融バーナー、第2の気中溶融バーナーは、溶融ガラス粒子を放出して供給できる限り、炉体の天井部、炉壁部のどこに設けられていてもよい。たとえば前記第6実施形態では気中溶融バーナー2の放出方向を傾斜させるため、気中溶融バーナー2を炉壁部1cに設けた場合の例が説明されたが、炉壁部1f、1eに設けられていてもよい。炉壁部1f、1eに設ける場合には、放出方向に直交する平面で斜めに取り付けられていればよく、ガラス原料GMの原料供給方向に対しては垂直であってもよい。
また、前記第8実施形態では、ガラス原料GMが搬送管33dから搬送スクリューの押し出しによって落下して放出される場合の例で説明したが、ガラス原料GMとともにキャリアガスを供給して、キャリアガスの噴射圧によって、ガラス原料投入口33eからガラス原料GMを放出してもよい。
また、先に記載の実施形態に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施できる。
本発明の技術は、ガラスカレットを含むガラス原料を用いて、組成が均一な高品質の溶融ガラスを省エネルギー操業にて効率的に製造することができ、建築用ガラス、車両用ガラス、光学用ガラス、医療用ガラス、表示装置用ガラス、その他一般のガラス製品の製造に広く適用できる。
なお、2011年2月7日に出願された日本特許出願2011−024273号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1…炉体、1A、1C、1D…ガラス原料投入口、1B…排出口、1a…天井部、1b…炉底部、1c、1d、1e、1f…炉壁部、1h…貯留部、2…気中溶融バーナー(第1の気中溶融バーナー)、2A…気中溶融バーナー(第2の気中溶融バーナー)、3、3A…ガス供給源、4、4A…ガラス原料粒子供給部、5、32、33…ガラス原料供給部、5b…搬送スクリュー、6…成形装置、9…ガラス製品、30…酸素バーナー(補助加熱部)、31…電極、33e…ガラス原料投入口、100…ガラス溶融炉、101、102、103、104、105、106、107…ガラス溶融炉、G、U’…溶融ガラス、GM…ガラス原料粒子、GM…ガラス原料、GC…ガラスカレット、GB…バッチ原料、H、h…酸素燃焼炎、K…加熱気相部、S…供給領域、U…溶融ガラス粒子、g…加熱ガス、S1…ガラス溶融工程、S2…成形工程、S3…徐冷工程、S4…切断工程、S…他の領域。

Claims (15)

  1. 溶融ガラスを貯留する炉体と、
    前記炉体の側部に設けられて前記炉体内に貯留された溶融ガラス上の供給領域にガラスカレットを含むガラス原料を供給するガラス原料供給部と、
    前記炉体の一部に設けられて前記供給領域に向かってガラス原料粒子を投入する第1の投入部と、
    前記第1の投入部の下方において該第1の投入部からのガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする第1の加熱気相部を前記供給領域の上方に生成する第1の加熱手段と、
    を備えたガラス溶融炉。
  2. 前記炉体に設けられ、前記供給領域と異なる溶融ガラス上の他の領域に向かってガラス原料粒子を投入する第2の投入部と、該第2の投入部の下方において該第2の投入部からのガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする第2の加熱気相部を前記他の領域の上方に生成する第2の加熱手段と、を備えた請求項1に記載のガラス溶融炉。
  3. 前記第1の投入部が、前記溶融ガラス粒子の放出方向が鉛直下向きとなるように設けられた請求項1または2に記載のガラス溶融炉。
  4. 前記ガラス原料供給部を設けた炉体の一側と反対側に溶融ガラスの排出口が形成されるとともに、前記第一の投入部が前記溶融ガラス粒子の放出方向が斜め下向きとなり、かつ、前記ガラス原料供給部側に向かって傾斜されるように設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス溶融炉。
  5. 前記ガラス原料供給部を設けた炉体の一側と反対側に溶融ガラスの排出口が形成されるとともに、前記第一の投入部が溶融ガラス粒子の放出方向が斜め下向きとなり、かつ、前記排出口側に向かって傾斜されるように設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス溶融炉。
  6. 前記炉体の炉底部に溶融ガラスを加熱するための加熱手段を備えた請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス溶融炉。
  7. 前記炉体の炉壁部に補助加熱バーナーを備えた請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス溶融炉。
  8. 溶融ガラスを貯留している炉体内の該溶融ガラス上にガラスカレットを含むガラス原料を供給し、
    該ガラス原料を供給した供給領域に対し第1の投入部からガラス原料粒子を投入し、
    第1の投入部の下方において前記第1の投入部からのガラス原料粒子を第1の加熱気相部により溶融ガラス粒子としてから前記ガラスカレットを含むガラス原料上に落下させ、
    前記ガラスカレットを含むガラス原料を溶融する溶融ガラスの製造方法。
  9. 前記供給領域と異なる溶融ガラス上の他の領域に向けて、第2の投入部からガラス原料粒子を投入し、第2の投入部の下方において前記第2の投入部からのガラス原料粒子を第2の加熱気相部により溶融ガラス粒子としてから溶融ガラスに供給する請求項8に記載の溶融ガラスの製造方法。
  10. 前記炉体内に供給されたガラスカレットを含むガラス原料について製造目的とする溶融ガラスに対し不足の組成成分がある場合、前記第1の投入部または第2の投入部から炉体内に投入するガラス原料粒子に対し前記不足の組成成分を補うように成分調整したガラス原料粒子を用い、前記第1の投入部または第2の投入部から、前記成分調整済みガラス原料粒子を投入することにより、前記ガラスカレットを含むガラス原料に不足の組成成分を補給する請求項8または9に記載の溶融ガラスの製造方法。
  11. 前記成分調整済みのガラス原料粒子として、清澄剤と着色剤と溶融助剤との少なくとも1種以上の量を調整した請求項10に記載の溶融ガラスの製造方法。
  12. 溶融ガラスを貯留している炉体内の該溶融ガラス上にガラスカレットを含むガラス原料を連続的、または間欠的に供給しながら、かつ該ガラス原料が供給された供給領域に向けて、第1の投入部からガラス原料粒子を連続的、または間欠的に投入して前記第1の投入部からのガラス原料粒子を第1の加熱気相部を通して溶融ガラス粒子として前記ガラスカレットを含むガラス原料上に落下させ、前記ガラスカレットを含むガラス原料を溶融する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  13. 前記ガラス原料粒子の平均粒径が、30〜1000μmである請求項8〜12のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  14. 請求項8〜13のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法を用いて、前記ガラス原料と前記ガラス原料粒子から溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含むガラス製品の製造方法。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉により製造された溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備えたガラス製品の製造装置。
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