JPWO2012105562A1 - 新規マクロライド誘導体 - Google Patents

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Abstract

ジョサマイシンをリード母核とし動物の呼吸器感染症の起因菌に対し優れた抗菌活性を有する化合物を取得することに成功した。【化1】

Description

本発明は動物の細菌性感染症の治療薬として有効な新規マクロライド誘導体に関する。
動物用抗菌薬としてのマクロライドはエリスロマイシン、タイロシンおよびチルミコシンが、主に牛および豚の細菌性呼吸器感染症治療用の注射剤あるいは経口剤として使用されている。また、ジョサマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン等のロイコマイシン系16員環マクロライドに分類される天然物が、牛における呼吸器感染症治療薬としての適応はないものの、豚の細菌性呼吸器感染症治療用の経口抗菌剤として使用されている。
一方、ヒトの呼吸器感染症抗菌薬のうち、現在臨床上、最もよく用いられるマクロライドは、エリスロマイシンの6位をメチル化したクラリスロマイシン、及びエリスロマイシンのラクトン環に窒素原子を導入したアザライド系15員環マクロライドのアジスロマイシンである。
最近、動物専用のアザライド系15員環マクロライドとして、ツラスロマイシンが登場した。ツラスロマイシンは、牛及び豚の細菌性呼吸器疾患治療及び予防を目的とする動物用医薬品としての開発が進められて、2003年にEU、2005年には米国において牛及び豚の細菌性呼吸器疾患治療及び予防薬として承認されて以降、オーストラリア、カナダ、アジア諸国等で承認されている。本邦においては、豚用の注射剤として申請中である。
ところで、タイロシンやチルミコシンは、ヒトで使用されない動物専用の抗菌剤である。チルミコシンは、グラム陰性菌に対する抗菌活性が改善されたタイロシンより合成されたマクロライドであり、牛、豚のパスツレラ肺炎、マイコプラズマ肺炎を含む肺炎に対する適応を有している。
一方のロイコマイシン系16員環マクロライドは、豚のマイコプラズマ肺炎に対する適応のみとなっている。ロイコマイシン系16員環マクロライドの中の例えばジョサマイシンは、ヒトにおいても使用されている医薬品であり、ヒトの呼吸器感染症で臨床上問題となるグラム陽性菌に対して有効である。家畜動物の呼吸器感染症で問題となる起因菌としては、グラム陽性菌、マイコプラズマの他、代表的なものとして、牛ではマンヘイミア・ヘモリティカ(Mannheimia haemolytica)、ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、豚ではアクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)といったグラム陰性菌が挙げられる。ロイコマイシン系マクロライドが家畜現場において限定的な適応となっている最大の理由は、これらグラム陰性菌に対する効果が弱いことが考えられる。従って、これらの問題点を克服した当該母核を有する動物専用の抗菌薬が創出できれば、耐性菌出現の抑制に寄与し、一定の効果が期待できる。
この様な状況の中、本発明者らは、16員環マクロライドであるミデカマイシンの12,13位を修飾した誘導体が優れた抗菌活性を有することを見出している(国際公開第2002/064607)。
本発明の課題は、グラム陰性菌に有効な新規マクロライド誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、ミデカマイシンの12,13位を修飾した誘導体が優れた抗菌活性を有することを発見したが(国際公開第2002/064607)、ミデカマイシンとラクトン環構造が一部異なるジョサマイシンについては、12,13位を修飾した知見が全くなく興味が持たれた。そこで、ジョサマイシンをリード母核とした誘導体を合成した。その結果、牛、豚等の家畜動物において問題となる細菌性呼吸器感染症の起因菌に対して、極めて強い抗菌力を示すことが明らかとなった。即ち、式(I)の化合物は、最新の動物用マクロライドであるツラスロマイシンと比較して概ね4倍以上、ジョサマイシンとの比較においては概ね8倍の活性が増強されたMIC(最小発育阻止濃度: 被検菌株の発育を完全に抑制した最小の薬剤濃度)を与えることが判明し、牛、豚等の家畜動物の細菌性呼吸器感染症における主起因菌に対して極めて強い抗菌活性を有することを見出した。
Figure 2012105562
(I)
本発明は、動物の細菌性感染症に対し優れた抗菌活性を示す化合物および該化合物の用途に関し、より詳しくは、以下の項目の説明を提供するものである。
[1]式(I)で表される化合物または薬理学的に許容される塩。
[2]項目1に記載の化合物または薬理学的に許容し得るその塩を有効成分とする医薬。
[3]抗菌薬として用いられる項目2に記載の医薬。
[4]有効成分である項目1に記載の化合物または薬理学的に許容し得るその塩と製剤用添加物とを含む医薬組成物。
[5]項目1に記載の化合物を有効成分とする動物用薬。
[6]項目1に記載の化合物を有効成分とする動物用抗菌薬。
本発明により、通常のマクロライドと同様にグラム陽性菌、マイコプラズマ、クラミジア、リケッチアに対して有効であることに加えて、特に動物の感染症で問題となっているグラム陰性菌に対して、強い抗菌力を示す化合物が提供された。また、本発明の化合物は、牛、豚等の動物の呼吸器感染に対する起因菌に優れた抗菌効果を示すことができる。さらに本発明の化合物を用いることで肺感染、乳房炎、菌血症、敗血症、下痢などの動物感染症を効果的に治療または予防することが可能である。
本発明記載の化合物は、例えば以下に挙げるような細菌性起因菌、豚病の細菌性起因菌である炭疽菌(Bacillus anthracis)、Brucella suis、気腫疽菌(Clostridium chauvoei)、レプトスピラ属、Salmonella serovar Dublin、S. Enteritidis、S. Typhimurium、S. Choleraesuis、Francisella tularensis、F. holarctia、 F. mediasiatica、 F. novicida、Bordetella bronchiseptica および毒素産生性 Pasteurella multocida、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、Brachyspira hyodysenteriae、Staphylococcus hyicus、Lawsonia intracellularis、ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)、Actinobacillus equuli、A. pleuropneumoniae、A. susi、Arcanobacterium pyogenes、Clostridium perfringens C型、Actinobacillus pleuropneumoniae、Mycobacterium avium-intracellulare complex、毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管接着微絨毛消滅性大腸菌(AEEC)、Pasteurella multocida B型、E型、Mycoplasma hyopneumoniae、Streptococcus suis、Haemophilus parasuis、牛病の細菌性起因菌である炭疽菌(Bacillus anthracis)、Brucella abortus、B. canis、Mycobacterium bovis、ヨ−ネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)、気腫疽菌(Clostridium chauvoei)、破傷風菌(Clostridium tetani )、レプトスピラ属、Salmonella serovar Dublin、 S. Enteritidis、S. Typhimurium、 S. Choleraesuis、Campylobacter fetus subsp. venerealis、C. fetus subsp. fetus、Clostridium septicum、C. sordellii、C. perfringens (A型)、C. novyi (A型)、Actinobacillus lignieresii、Clostridium perfringens、Corynebacterium renale, C. pilosum, C. cystitidis、毒素原性大腸菌(ETEC)、ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)、腸管接着微絨毛消滅性大腸菌(AEEC)、Pasteurella multocida、Mannheimia haemolytica、 P. trehalosi、Mycoplasma mycoides subsp. mycoides SC(スモールコロニー)型、Clostridium botulinum C,D型毒素産生菌、Mycoplasma bovis, M. bovigenitalium, M. dispar, Ureaplasma diversum、Mycoplasma alkalescens、 M. arginini、 M. bovigenitalium、 M. bovirhinis、 M. bovis、M. californicum、 M. canadense、Fusobacterium necrophorum、Moraxella bovis、Histophilus somni、Actinomyces bovis、Listeria monocytogenes、Dermatophilus congolensis、家禽病の細菌性起因菌であるPasteulella multocida、Salmonella Pullorum (Salmonella enterica subsp. enterica serovar Gallinarum biovar Pullorum)(ひな白痢)、Salmonella.Gallinarum (Salmonella enterica subsp. enterica serovar、Gallinarum biovar Gallinarum)(家禽チフス)、S. enterica、 S. Typhimurium、S. Avibacterium、Haemophilus paragallinarum、Clostridium perfringens AまたはC型、Escherichia coli、Staphylococcus aureus、 S. hyicus、Clostridium botulinum C型毒素産生菌等に対して有効である。
また、本発明記載の化合物は、特に動物の感染症で問題となる、例えば以下に挙げる細菌性疾病に対して有効である。
豚では、豚炭疽、豚ブルセラ病、豚気腫疽、豚レプトスピラ症、豚ワイル病、豚サルモネラ症、豚野兎病、豚萎縮性鼻炎、豚丹毒、豚滲出性表皮炎(滲出性皮膚炎、スス病)、豚増殖性腸炎、豚浮腫病、豚アクチノバチルス症、豚アルカノバクテリウム・ピオゲネス感染症、豚壊死性腸炎、豚胸膜肺炎、豚抗酸菌症、豚大腸菌症、豚出血性敗血症 、豚パスツレラ症(パスツレラ肺炎)、豚レンサ球菌症、豚ヘモフィルス・パラスイス感染症(グレーサー病)、豚アクチノマイセス・ピオゲネス症、豚エルシニア症、豚バクテロイデス症、豚ブルセラ病、豚赤痢、豚エンテロトキセミア、豚レンサ球菌症、豚ブドウ球菌症、豚緑膿菌症、豚エペリスロゾーン病、豚クラミジア病、豚マイコプラズマ肺炎、豚マイコプラズマ関節炎等に有効である。
牛では、牛炭疽、牛ブルセラ病、牛結核病、牛ヨーネ病、牛気腫疽、牛破傷風、レプトスピラ症(牛レプトスピラ症)、牛ノカルジア、牛エンテロトキセミア、牛結核病、サルモネラ症(牛サルモネラ症)、牛カンピロバクター症、牛悪性水腫、牛アクチノバチルス症、牛壊死性腸炎、牛尿路コリネバクテリア感染症、牛大腸菌症、牛出血性敗血症、牛パスツレラ(マンヘミア)症 、乳房炎、大腸菌性乳房炎、牛ヘモフィルス・ソムナス感染症、牛肺疫、牛ボツリヌス症、牛マイコプラズマ肺炎、牛マイコプラズマ乳房炎、牛肝膿瘍、牛の伝染性角結膜炎、牛膀胱炎、牛腎盂腎炎、牛リステリア症、牛壊死桿菌症、牛放線菌病、牛デルマトフィルス症、牛肺疫、牛の流産不妊症、散発性牛脳脊髄炎、牛多発性関節炎、ダニ熱、エールリッキア症、牛出血熱、コクシェラ症、アナプラズマ病、牛エペリスロゾーン等に有効である。
馬では、馬鼻疸、馬類鼻疸、馬破傷風、馬パラチフス、馬クレブシエラ感染症、馬伝染性子宮炎、ロドコッカス・エクイ感染症、馬腺疫、馬クラミジア感染症、馬ポトマック熱、めん羊、山羊病では、ブルセラ病、めん羊赤痢、仮性結核、非化膿性多発性関節炎、めん羊豚丹毒菌症、めん羊クロストリジウム症、めん羊伝染性趾皮膚炎、野兎病、水心襄、伝染性眼炎、流行性羊流産、めん羊多発性関節炎、伝染性漿膜炎、伝染性無乳症、山羊伝染性胸膜肺炎等に有効である。
犬、猫では、犬レプトスピラ症、犬ライム病、犬ブルセラ症、犬カンピロバクター症、犬ボルデテラ症、犬猫嫌気性菌症、猫レプトスピラ症、猫結核病、犬エールリッキア病、サケ中毒、猫ひっかき病、猫ヘモバルトネラ症、猫クラミジア感染症、犬猫マイコプラズマ病、家禽では、家禽コレラ、鳥類アナチペスティファー症、鶏パラチフス、アリゾナ症、鶏ブドウ球菌症、ヒストフィルス・ソムニ感染症、放線菌症、リステリア症、デルマトフィルス症、趾乳頭腫症、鶏パスツレラ症、家禽サルモネラ感染症、サルモネラ症(鶏パラチフス)、鶏結核病、伝染性コリーザ、鳥の豚丹毒菌症、鳥カンピロバクター症、家禽クロストリジウム症、鶏壊死性腸炎、鶏大腸菌症、鶏ブドウ球菌症、鶏ボツリヌス症、鳥類レンサ球菌症、鳥類スピロヘータ症、鶏鼻気管炎、エジプチアネラ症、鳥類クラミジア病、鶏マイコプラズマ病、家禽マイコプラズマ滑膜炎等に有効である。
魚類では、ビブリオウ病、非運動性エロモナス感染症、運動性エロモナス敗血症、細菌性腎臓病、エドワージエラ病、冷水病、カラムナリス病、類結節症、パスツレラ症、赤口病、ノカルジア病、魚類マイコバクテリウム症、シュードモナス病、細菌性鰓病、レンサ球菌症等に有効である。
さらに、ここに挙げた疾病に限らず、マクロライドが有する免疫賦活作用、バイオフィルムに対する効果、等の抗菌作用以外に有する特有の効果に起因する治療薬としても使用することが可能である。
本発明の式(I)で示される化合物またはそれらの塩は、以下に説明する方法またはこれに準じた方法などにより製造でき、その詳細について記載する。
第一に、実施例1の化合物9-O-アセチル-12-アジド-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシジョサマイシン 18-ジメチルアセタールを製造する方法について述べる。ジョサマイシンを出発原料として9位水酸基をアシル基による選択的な修飾を行った後、18位ホルミル基をアセタール系保護基にて修飾を行った。9位水酸基のアシル基による修飾は、塩化メチレン溶媒中、ピリジン存在下、酸ハロゲン化物との反応により進行する。本反応における溶媒は、塩化メチレンの他、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒でもよく、塩基はピリジン等の有機塩基が好ましく1〜10当量用いるとよい。アシル化試薬はアセチルクロライドを1〜5当量用いるとよく、反応は20℃〜60℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜24時間である。続く18位ホルミル基のアセタール系保護基による修飾は、有機酸存在下、オルト蟻酸メチルとメタノールの混合溶媒中で行うことにより、好収率で進行する。用いる酸としてはパラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸の如く有機酸が可能であるが、好ましくはピリジニウムパラトルエンスルフォナート(PPTS)である。又、溶媒としては試薬を兼ねたオルト蟻酸メチル及びメタノールの等量混合溶液を10倍量(V / W)〜60倍量(V / W)用いるとよい。反応は20℃〜80℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜4日間である。
次いで、上記反応で得られた化合物を、クロロホルム中、3-クロロ過安息香酸(m-CPBA)との反応により1 2、13位のエポキシ化を行った後、同時に酸化されるジメチルアミノ基部位を亜二チオン酸ナトリウムによる選択的還元により目的とするエポキシ体を得た。本反応に用いるエポキシ化剤としては、モノペルオキシフタル酸、トリフルオロ過酢酸、過酢酸等の過酸あるいはジオキシラン等の過酸化物でもよく、好ましくはm-CPBAを1〜10当量用いるとよい。本反応に用いる溶媒としてはクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化溶媒が好ましく、0℃〜50℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜36時間である。続く選択的還元反応は、上記反応溶媒に低級アルコールを加えた後、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を溶解した水溶液を加えればよく、好ましくはエタノールを加えた後、亜二チオン酸ナトリウムを溶解して調製した1-10%水溶液を1〜4当量用いるとよい。本反応は-15℃〜20℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は5分間〜1時間である。
続いて上記の反応で得られたエポキシ体に対して、塩化アンモニウム存在下、アジ化ナトリウムとの反応により実施例1の化合物を得た。本反応に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール等の低級アルコールと水との混合溶媒が好ましく、用いる添加物としては塩化アンモニウムの他、臭化アンモニウム、チオシアン化アンモニウム等でもよく、1〜10当量用いるとよい。アジ化ナトリウムは、1〜15当量用いて、反応は、20℃〜100℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜48時間である。
第二に、実施例2の化合物9- O-アセチル-12-アミノ-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシジョサマイシン 18-ジメチルアセタールを製造する方法について述べる。実施例1の化合物に対して、トリフェニルホスフィンを用いた還元反応を行うことで目的物を得た。本反応に用いる溶媒としては、アセトニトリル、THF、ジエチルエーテル等が好ましく、用いる試薬はトリフェニルホスフィンの他、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等のトリアルキルホスフィンでもよく、1〜2当量用いるとよい。反応は、20℃〜100℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜48時間である。
第三に、実施例3の化合物9-O-アセチル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-12-( N-メチル-N-(3-(キノリン-4-イル)プロピル)アミノジョサマイシン 18-ジメチルアセタールを製造する方法について述べる。実施例2の化合物に対して、酢酸存在下、3-(キノリン-4-イル)プロピルカルバルデヒドを加え、ナトリウムシアノボロヒドリドによるアミノ基への還元的アルキル化反応により目的化合物を得た。本還元的アルキル化反応に用いる試薬は、1〜5当量でよく、溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールの他、アセトニトリル、塩化メチレンを使用することも可能である。添加する酢酸は1〜15当量用い、また還元剤は、ナトリウムアセトキシボロヒド、ピコリンボラン等でもよく、好ましくはナトリウムシアノボロヒドリドを1〜5当量用いるとよい。20℃〜100℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は30分間〜24時間である。
次に、上記化合物に、酢酸存在下、ホルムアルデヒド液を加え、ナトリウムシアノボロヒドリドによるアミノ基の還元的アルキル化反応を実施した。本反応における還元的アルキル化反応は上述した方法と同様に実施すればよい。
第四に、実施例4(式(I)の化合物)9-O-アセチル-4 ’-デマイカロシル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-12-( N-メチル-N-(3-(キノリン-4-イル)プロピル)アミノジョサマイシンを製造する方法について述べる。実施例3の化合物に対して、アセトニトリルと水との混合溶媒中でジフルオロ酢酸との反応により18位の保護基を除去することで当該化合物を得た。本反応で用いる溶媒としては、アセトニトリル及び水の等量混合溶液を、10倍量(g / ml)〜300倍量(g / ml)用いるとよい。また、ジフルオロ酢酸の他、モノフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、酢酸等でもよく、1〜30当量用いるとよい。反応は20℃〜50℃の範囲で収率良く進行し、反応時間は12時間〜4日間である。
尚、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例の修飾手段は勿論、本発明によって明らかにされた化合物の性状に基づき、公知の手段を施してこれらを合成、生産、抽出、精製する全ての方法を包括する。
以下、化合物の評価方法について記載する。
化合物のin vitro抗菌活性をCLSI法(旧NCCLS法、M31-A2)(Performance Standards for Antimicrobial Disk and Dilution Susceptibility Tests for Bacteria Isolated from Animals; Approved Standard−Second Edition NCCLS M31-A2 Vol.22 No.6 2002)に準じ、微量液体希釈法を用いて測定した。培地はBBL Mueller Hinton II brothに馬溶血液、NADを加えたものを使用した。被験薬をエタノールに溶解後、上記液体培地を用い希釈し各濃度段階の被験薬溶液を96穴マイクロプレートに分注し、被検菌株を接種した。37℃ 20〜24時間5%炭酸ガス存在下において培養後、被験菌株の発育の有無を肉眼で観察し、被検菌株の発育を完全に抑制した最小の薬剤濃度を最小発育阻止濃度(Minimum inhibitory concentration; 以下MIC)とした。
式(I)の化合物ならびにそれらの薬理学上許容される塩、水和物およびそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質をそのまま用いても良いが、通常は、有効成分である上記物質と1または2以上の製剤用添加物とを含む組成物を調製して投与することが好ましい。本発明の化合物は、経口または非経口(例えば静注、筋注、皮下注、皮内注、腹腔内投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で動物に投与することが出来る。本発明の化合物は、投与経路に応じて適当な形態の組成物として調製できる。具体的には、主として静脈内投与用、筋肉内投与用、皮下投与用、皮内投与用、腹腔内投与用の注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、シロップ剤、トローチ錠等の経口剤、吸入剤、直腸投与剤、油脂性坐剤、水性坐剤、ローション、軟膏等の経皮投与剤などのいずれかの形態組成物として調製することが出来る。これらの組成物は、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、浸潤剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などの製剤用添加物を用いて常法により製造することが出来る。賦形剤としては、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、崩壊剤としては例えば澱粉、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウムなどが、結合剤としては、例えばメチルセルロースまたはその塩、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などが、その他添加剤としてシロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどがそれぞれ挙げられる。
上記の組成物中の有効成分の含有量は、特に限定されず、通常は組成物の形態に応じて適宜選択可能であり、通常は全組成物中の10〜95重量%、好ましくは30〜80重量%程度である。
本発明の投与量は、特に限定されず、投与経路及び投与形態、年齢、雌雄、疾患の相違、症状の程度等を考慮して適宜決定されるが、通常は1日当たり有効成分として約0.02〜200mg/kg、好ましくは0.2〜100mg/kg程度であり、この投与量を1日1回または数回に分けて投与することが出来る。
以下に、本発明を実施例により具体的に記載する。
[実施例1] 9-O-アセチル-12-アジド-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシジョサマイシン 18-ジメチルアセタールの合成法
ジョサマイシン1.0 gを塩化メチレン15 μlに溶解してピリジン178 μlを加えた後、アセチルクロリド114 μlを徐々に滴下した。室温で3時間攪拌した後、飽和重曹水を加えた。塩化メチレン35 mlを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧留去して得られた濃縮物をメタノール3 mlを加え溶解し、オルト蟻酸メチル3 ml及びPPTS 322 mgを加え、50℃で33時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え減圧濃縮し、クロロホルム50 mlで2回抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。
濾液を減圧濃縮して得た反応物をクロロホルム12 mlを加えて溶解し、3-クロロ過安息香酸982 mgを加え、室温で14時間反応させた。反応液にエタノール50 mlを加え、氷冷下5%亜二チオン酸ナトリウム水溶液18 mlをゆっくり滴下した。1時間撹拌した後、減圧濃縮し、飽和重曹水を加え、クロロホルム50 mlで2回抽出した。有機層を飽和重曹水100 ml、飽和食塩水100 mlで順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール(50:1))に通して、粗9-O-アセチル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-エポキシジョサマイシン 18-ジメチルアセタールを得た。
得られた上記化合物の280mgにエタノール−水(8:1)7.0 mlを加え溶解し、塩化アンモニウム30 mg及びアジ化ナトリウム 70 mgを加え、80℃で24時間攪拌した。反応液に水10 mlを加え減圧濃縮した後、水50 mlを加えクロロホルム100 mlで抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水(90:1:0.1→80:1:0.1))で精製して、化合物560 mgを得た。
本化合物の理化学的性状
(1) マススペクトル (ESI) : m/z 974 (M+H)+
(2) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3 δ(ppm) : 0.94(d, 3-H), 0.96(d, 3-H), 1.12(s, 3H), 1.13(d, 3H), 1.30(d, 3H), 1.50-1.90(m, 3H), 2.04(s, 3H), 2.10(s, 3H), 2.50(br s, 6H), 2.61(dd, 1-H), 2.85(dd, 1H), 3.16(s, 3H), 3.27(s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.57(dd, 2’-H), 3.93(br dd, 1H), 4.00(br d, 1H), 4.25(br s, 1H), 4.40-4.65(m, 4H), 5.05-5.15(m, 3H), 5.32(br s, 1H), 5.78(br s, 2H).
[実施例2] 9-O-アセチル-12-アミノ-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシジョサマイシン 18-ジメチルアセタールの合成法
実施例1の化合物280 mgにアセトニトリル 4 ml を加え溶解し、トリフェニルホスフィン63 mgを加え、室温で23時間攪拌した。反応液に水1 mlを加え、さらに1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水(30:1:0.1))で精製して、化合物180 mgを得た。
本化合物の理化学的性状
(1) マススペクトル (ESI) : m/z 948 (M+H)+
(2) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0 .96(d, 3H), 1.10(s, 3H),1.13(d, 3H), 1.27(d, 3H), 1.29(d, 3H), 1.50-1.90(m, 5H), 2.02(s, 3H), 2.11(s, 3H), 2.30(d, 2H), 2.50(s, 6H), 2.64(dd, 1H), 2.88(dd, 1H), 3.17(s, 3H), 3.28(s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.57(dd, 1H), 3.69(br s, 1H), 3.78(m, 1H), 4.01(br d, 1 H), 4.45(dq, 1H), 4.53(d, 1H), 4.61(d, 1H), 5.06(d, 1H), 5.15(m, 2H), 5.28(dd, 9-H), 5.64(dd, 1H), 5.82(dd , 1H).
[実施例3] 9-O-アセチル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-12-( N-メチル-N-(3-(キノリン-4-イル)プロピル)アミノジョサマイシン 18-ジメチルアセタールの合成法
実施例2の化合物180 mgにメタノール2 ml を加え溶解し、3-(キノリン-4-イル)プロピルカルバルデヒド38 mg 、酢酸93 μlを加え、室温で30分間攪拌した。反応液にナトリウムシアノボロヒドリド26 mgを加え、さらに1時間撹拌した後、反応液に飽和重曹水10 mlを加え、酢酸エチル20 mlで2回抽出した。有機層を飽和重曹水20 ml、飽和食塩水20 mlで順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水(50:1:0.1))で精製して、9-O-アセチル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-12-( N-(3-(キノリン-4-イル)プロピル)アミノジョサマイシン 18-ジメチルアセタールを85 mgを得た。
この化合物85 mgにメタノール2 ml を加え溶解し、37%ホルムアルデヒド液92 μl 、酢酸130 μl 、ナトリウムシアノボロヒドリド48 mgを加え、氷冷下で45分間攪拌した。反応液に飽和重曹水20 mlを加え、酢酸エチル40 mlで抽出した。有機層を飽和重曹水20 ml、飽和食塩水20 mlで順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して粗化合物86 mgを得た。
本化合物の理化学的性状
(1) マススペクトル (ESI) : m/z 1,132 (M+H)+
(2) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3 δ(ppm) : 0.92(d, 3H), 0.95(d, 3H), 1.11(s,3H), 1.12(d, 3H), 1.15(d, 3H), 1.26(d, 3H), 2.03(s, 3H), 2.05(s, 3H), 2.22(s, 3H), 2.27(d, 1H), 2.50(s, 6H), 2.65(m, 2H), 3.15(s, 3H), 3.27(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.57(dd, 1H), 3.96(m, 2H), 4.50(m, 3H), 4.60(d, 1H), 5.00(m, 1 H), 5.06(d, 1H), 5.15(br s, 1H), 5.37(br s, 1H), 5.72(br dd, 1H), 5.81(br d, 1H), 7.23(d, 1H), 7.55(dd, 1H), 7.68(dd, 1H), 8.02(d, 1H), 8.08(d, 1H) , 8.78 (d, 1H).
[実施例4]9-O-アセチル-4 ’-デマイカロシル-12,13-ジヒドロ-13-ヒドロキシ-12-( N-メチル-N-(3-(キノリン-4-イル)プロピル)アミノジョサマイシン(式(I)の化合物)の製造法
実施例3の粗化合物86 mgにアセトニトリル1 ml を加え溶解し、水1 ml を加えた。ジフルオル酢酸 73 μlを加えて40℃で60時間攪拌した。反応液に飽和重曹水20 mlを加え、酢酸エチル40 mlで抽出した。有機層を飽和重曹水20 ml、飽和食塩水20 mlで順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さを分取用TLC(クロロホルム−メタノール−アンモニア水(10:1:0.1))で精製して、表記化合物を26 mgを得た。
本化合物の理化学的性状
(1) マススペクトル (ESI) : m/z 858(M+H)+
(2) H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3 δ(ppm) : 0.88(d, 3H), 1.18(d, 3H), 1.21(d, 3H), 1.53(m, 2H), 2.05(s, 3H), 2.24(s, 3H), 2.33(dd, 1H), 2.50(s, 6H), 3.05(m, 2H), 3.18(br t, 1H), 3.26(dq, 1H), 3.36(br d, 1H), 3.46(dd, 1H), 3.53(s, 3H), 3.97(m, 2H), 4.45(d, 1H), 5.00(ddq, 1H), 5.15(br s, 1H), 5.23(br t, 1H), 5.75(dd, 1H), 5.84(br d, 1H), 7.23(d, 1H), 7.54(dd, 1H), 7.68(dd, 1H), 8.02(d, 1H), 8.08(d, 1H) , 8.78 (d, 1H), 9.67(s, 1H).
[実施例5]抗菌活性試験
本発明で得られる化合物のin vitro抗菌活性をCLSI法(旧N CCLS法、M31-A2)(Performance Standards for Antimicrobial Disk and Dilution Susceptibility Tests for Bacteria Isolated from Animals; Approved Standard−Second Edition NCCLS M31-A2 Vol.22 No.6 2002)に準じ、微量液体希釈法を用いて測定した。測定に使用した培地組成を下記に示した。
1,280 μg/mLとなるようエタノールに溶解した被験薬溶液を、下記液体培地を用いて10倍に希釈した被験薬溶液を、更に下記液体培地を用いて2段階希釈を行い各濃度段階の被験薬溶液を調製した。このようにして調製した各濃度段階の被験薬溶液を96穴マイクロプレートに100 μL/wellとなるように分注し、被検菌株約5×10 CFU/wellを接種した。
37℃ 20〜24時間5%炭酸ガス存在下において培養後、被験菌株の発育の有無を肉眼で観察し、被検菌株の発育を完全に抑制した最小の薬剤濃度を最小発育阻止濃度(Minimum inhibitory concentration; 以下MIC)とした。
液体培地
BBL Mueller Hinton II broth (日本ベクトン・ディッキンソン) 22.0 g
馬溶血液* 20 mL
NAD(和光純薬) 0.2 g
精製水 1000 mL
*馬溶血液
サポニン(関東化学) 2.0 g
精製水 10 mL
馬脱繊血(ジャパン・ラム) 100 mL
精製水でサポニンを溶解し、滅菌後、馬脱繊血に添加した。
式(I)の化合物及び既存動物用抗菌剤のMIC(μg/ml)
Figure 2012105562
牛、豚等の家畜動物で問題となる細菌性呼吸器感染症の起因菌を中心としたMIC測定を実施した結果を表1に示した。動物用抗菌剤として用いられているタイロシン(TS)、アイブロシンAIV、チルミコシン(TMS)、ツラスロマイシン(TLM)およびジョサマイシン(JM)との同時比較において、本発明で得られる式(I)の化合物は、既存薬剤と比較して顕著に強い抗菌活性を示すことが明らかとなった。
式(I)の化合物は、既存の動物用マクロライドと比較して、牛、豚等の家畜動物で問題となる細菌性呼吸器感染症の主起因菌に対して強い抗菌活性を有することを見出し、極めて有用な動物用抗菌剤の提供が可能となった。

Claims (6)

  1. 下記の式(I)で表される化合物または薬理学的に許容される塩。
    Figure 2012105562
    (I)
  2. 請求項1に記載の化合物または薬理学的に許容し得るその塩を有効成分とする医薬。
  3. 抗菌薬として用いられる請求項2に記載の医薬。
  4. 有効成分である請求項1に記載の化合物または薬理学的に許容し得るその塩と製剤用添加物とを含む医薬組成物。
  5. 請求項1に記載の化合物を有効成分とする動物用薬。
  6. 請求項1に記載の化合物を有効成分とする動物用抗菌薬。
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