JPWO2012074037A1 - 豊胸促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規豊胸促進剤の提供。【解決手段】 本発明者は、リン酸カルシウム微粒子が、線維芽細胞と接触することによって、コラーゲン産生が促進されるという新規な属性を見出し、更に、当該微粒子を胸に適用することによって豊胸効果が得られるという新規な属性を見出すことにより、本発明を完成させた。すなわち本発明は、リン酸カルシウム微粒子を含有することを特徴とする豊胸促進剤である。【選択図】 図1

Description

本発明は、新規豊胸促進剤に関する。
美しい胸や、大きな胸を得たいという女性の願望は普遍なものである。当該願望をかなえるために、豊胸方法が研究されてきた。周知の豊胸方法としては、例えば、脂肪を胸部に注入する方法や、ヒアルロン酸を注入する方法や、生理食塩水、シリコン等の入ったバッグを胸部に入れる方法が挙げられる。
上記の他にも、皮膚外用組成物によって、豊胸効果を得ようとする研究が行なわれている。例えば、特許文献1においては、ジオウ、サンショウ、シイタケ、サルビア、カッコン、サイシン、トウニン、ケイヒより抽出した植物エキスの一種、又は二種以上を含有する豊胸用皮膚外用組成物が開示されており、当該組成物を使用することにより、脂肪合成が促進されて豊胸効果が得られるとしている。
その他、特許文献2においては、コラーゲンを有効成分として含有する豊胸用組成物が公開されている。当該組成物は、外用剤やサプリメントとして使用可能であり、バストに張りを与え、美しいバストを得ることができると共に、カップサイズがアップする等の優れた豊胸効果を得ることができるとされている。更に、コラーゲンによって、皮膚の保水性と弾力性を高め、肌に潤いを与える等の美肌効果も同時に得ることができるとされている。
特開2000−302667号公報 特開2008−044890号公報
本発明は、新規豊胸促進剤を提供することを目的とする。
本発明者は、リン酸カルシウム微粒子が、線維芽細胞と接触することによって、コラーゲン産生が促進されるという新規な属性を見出し、更に、当該微粒子を胸に適用することによって豊胸効果が得られるという新規な属性を見出すことにより、本発明を完成させた。
本発明(1)は、リン酸カルシウム微粒子を含有することを特徴とする豊胸促進剤である。
本発明(2)は、前記リン酸カルシウム微粒子がハイドロキシアパタイト微粒子である、前記発明(1)の豊胸促進剤である。
本発明(3)は、前記リン酸カルシウム微粒子の平均粒子径が、10〜1,000nmである、前記発明(1)又は(2)の豊胸促進剤である。
本発明(4)は、前記リン酸カルシウム微粒子が、焼結体である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの豊胸促進剤である。
本発明(5)は、前記焼結体が、
リン酸カルシウムを含有する一次粒子と融着防止剤とを混合する、混合工程と、
上記混合工程によって得られた混合粒子を焼結温度に曝す、焼結工程と、
を含む方法により製造された、前記発明(4)の豊胸促進剤である。
本発明(6)は、外用である、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの豊胸促進剤である。
本発明は、線維芽細胞に作用してコラーゲン産生を促進するという効果を奏するため、本発明を胸部へ適用することによって乳房表皮のハリ及び乳房の弾力が向上し豊胸促進効果を得ることができるという効果を奏する。特に、加齢等によってタレた胸部に対して有効であり、タレの改善効果を奏する。
本発明(2)によれば、繊維芽細胞に作用して、コラーゲン産生を特に促進し、豊胸促進効果を得ることができるという効果を奏する。
本発明(3)によれば、リン酸カルシウム微粒子の平均粒子径が、非常に小さいため、胸部に外用塗布することにより、豊胸促進効果を得ることができるという効果を奏する。
本発明(4)によれば、焼結体とすることにより、顕著なコラーゲン産生量の増加作用が認められるため、特に高い豊胸促進効果を有するという効果を奏する。
本発明(5)によれば、リン酸カルシウム微粒子が焼結によっても粒子同士が融着しにくく一次粒子の状態を保っているため、粒径が小さいままで、焼結体を得ることができるため、より高い豊胸促進効果を発揮できるという効果を奏する。
図1は、本実施例に係る豊胸促進剤を使用した試験結果を示すグラフである。 図2は、本実施例に係る豊胸促進剤を2ヶ月間にわたり被験者Aに塗布した後のエコー断面写真である。 図3は、本実施例に係る豊胸促進剤を2ヶ月間にわたり被験者Bに塗布した後のエコー断面写真である。
本最良形態に係る豊胸促進剤は、リン酸カルシウム微粒子を含む。その他、任意の構成要件として、他の豊胸促進有効成分、アルコール類、糖類、タンパク質類、アミノ酸類、水溶性ビタミン類、脂溶性ビタミン類、脂質、ムコ多糖類、界面活性剤が含まれていることが好適である。
本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子としては、例えば、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、フルオロアパタイト(Ca10(POF)、Ca10(POCl等が挙げられる。また、当該リン酸カルシウムには、カルシウムイオン及び/又は水酸イオン及び/又はリン酸イオンの一部がストロンチウムイオン、バリウムイオン、ナトリウムイオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン等で置換された化合物やリン酸トリカルシウム(Ca(PO))、メタリン酸カルシウム(Ca(PO)、オクタリン酸カルシウム(OCP)が含まれていてもよい。上記例示のうち、ハイドロキシアパタイトが好適である。そして、本最良形態に係るリン酸カルシウム粒子(リン酸カルシウムの粒子)の表面には、Ca10(PO(OH)が存在していることが好適である。このCa10(PO(OH)は、リン酸カルシウムの表面に存在していれば好適であり、リン酸カルシウム全量に対して、0.1重量%程度含まれていればよいが、50重量%以上含まれていることがより好ましい。また、上記リン酸カルシウム微粒子には、非晶質のハイドロキシアパタイトを後述するように焼結する際に生じる、リン酸トリカルシウム等が含まれていてもよい。本実施の形態に係るリン酸カルシウムは、生体組織との親和性及び生体環境における安定性が優れている。
本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子の平均粒子径は、10〜1,000nmが好適であり、20〜300nmがより好適であり、20〜250nmが更に好適である。このような粒子径の範囲とすることにより、皮膚の表面から真皮層に微粒子が浸透するため、豊胸促進剤が外用剤であっても、当該リン酸カルシウム微粒子が真皮相中に含まれる線維芽細胞に作用して、コラーゲン促進作用を発揮して、更に豊胸促進効果を発揮することが可能となる。20〜250nmとすることにより、表皮細胞の隙間が250nm程度であるため、特に皮膚の表面から真皮層に浸透しやすくなるという効果を奏する。変動係数は、20%以下が好適であり、18%以下がより好適であり、15%以下が更に好適である。尚、平均粒子径及び変動係数は、電子顕微鏡を用い、少なくとも100個以上の一次粒子について粒子径を測定して計算すればよい。尚、「変動係数」は、標準偏差÷平均粒子径×100(%)で計算することができる粒子間の粒子径のバラツキを示す値である。リン酸カルシウム微粒子の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、粒子状であっても、ロッド状であってもよい。尚、ロッド状である場合には、前記平均粒径は、当該粒子の長径により測定されるものとする。
本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子はリン酸カルシウムを焼結(焼成)させたリン酸カルシウム焼結体(リン酸カルシウムセラミックスとも呼ばれる)であることが好適である。特に、後述する分散焼成法により焼結することが好適である。リン酸カルシウム微粒子焼結体を使用することにより、未焼結のものと比較して、コラーゲン産生促進作用が顕著に向上するという効果を奏する。更に、リン酸カルシウム微粒子焼結体は、非晶質のリン酸カルシウムと比べて、結晶性が高く、生体において溶解性が低い。従って生体内で長期間、生体活性を維持することができるため、コラーゲン産生促進効果が長期間発揮され易くなる。リン酸カルシウム微粒子焼結体は、非晶質のリン酸カルシウムを焼結させることにより得られる。具体的には、例えば、後述の方法で焼結させることにより、リン酸カルシウム微粒子焼結体を得ることができる。また、リン酸カルシウム微粒子の結晶性の高い、高結晶性リン酸カルシウムを用いることが好適である。このリン酸カルシウムの結晶性の度合いは、X線回折法(XRD)により、測定することができる。具体的には、各結晶面を示すピークの半値幅が狭ければ狭いほど結晶性が高い。ここで、本発明の高結晶性リン酸カルシウムに係る「高結晶性」とは、d=2.814での半値幅が0.8以下(好適には、0.5以下)である。
本最良形態に係る豊胸促進剤には、他の豊胸促進有効成分、アルコール類、糖類、タンパク質類、アミノ酸類、水溶性ビタミン類、脂溶性ビタミン類、脂質、ムコ多糖類、界面活性剤が含まれていることが好適である。
他の豊胸促進有効成分としては、コラーゲンペプチド、プエラリアミフィリカ根エキス、パルミトイルイソロイシン、パルミトイルグリシン、ココイルアラニンNa、パルミトイルジペプチド‐5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニンアラニン、パルミトイルジペプチド‐5ジアミノヒドロキシ酪酸、ボルフィリン、イソフラボン類が含まれていることが好適である。
アルコール類としては、例えば、エタノール、グリセリン等が挙げられる。アルコール類を含むことにより、リン酸カルシウム微粒子の分散安定性を向上させ、真皮層への速やかな浸透を促す。また、皮膚の洗浄、収れん、保湿効果も奏する。糖類としては、例えば、加水分解水添デンプン等が挙げられる。糖類を含むことにより、保湿効果、抗炎症効果が向上する。タンパク質類としては、例えば、コラーゲンが挙げられる。タンパク質類を含むことにより、リン酸カルシウムの担体となり真皮層への送達を促すことができる。アミノ酸類としては、例えば、グルタミン酸、アルギニン酸、又はこれらのナトリウム塩等が挙げられる。アミノ酸類を含むことにより、コラーゲン産生を促すことができる。水溶性ビタミン類としては、例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム等が挙げられる。水溶性ビタミン類を含むことにより、コラーゲン産生を促し、リン酸カルシウムとの相乗効果が期待できる。脂溶性ビタミン類としては、例えば、ビタミンAが挙げられる。脂溶性ビタミン類を含むことにより、ムコ多糖類の産生を促し、肌に潤いを与えることができる。脂質としては、例えば、セラミドやリン脂質類が挙げられる。脂質を含むことにより、保湿効果を奏する。ムコ多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸等が挙げられる。ムコ多糖類を含むことにより、保湿効果を奏する。界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸誘導体が挙げられる。界面活性剤を含むことにより、微粒子やビタミンAなど脂溶性成分の分散性が向上する。
本最良形態に係る豊胸促進剤におけるリン酸カルシウム微粒子の配合量は、適宜調整することができるが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜30質量%が好適であり、0.1〜15質量%がより好適であり、0.1〜10質量%が更に好適である。他の豊胸促進有効成分の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜30質量%が好適であり、0.1〜15質量%がより好適であり、0.1〜10質量%が更に好適である。アルコール類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜70質量%が好適であり、0.01〜50質量%がより好適であり、0.01〜30質量%が更に好適である。糖類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜70質量%が好適であり、0.01〜50質量%がより好適であり、0.01〜30質量%が更に好適である。タンパク質類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜30質量%が好適であり、0.01〜20質量%がより好適であり、0.01〜10質量%が更に好適である。アミノ酸類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜30質量%が好適であり、0.01〜20質量%がより好適であり、0.01〜10質量%が更に好適である。水溶性ビタミン類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.001〜30質量%が好適であり、0.001〜20質量%がより好適であり、0.001〜10質量%が更に好適である。脂溶性ビタミン類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.001〜30質量%が好適であり、0.001〜20質量%がより好適であり、0.001〜10質量%が更に好適である。脂質の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.001〜30質量%が好適であり、0.001〜20質量%がより好適であり、0.001〜10質量%が更に好適である。ムコ多糖類の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.01〜70質量%が好適であり、0.01〜50質量%がより好適であり、0.01〜30質量%が更に好適である。界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、豊胸促進剤の全質量を基準として、0.001〜30質量%が好適であり、0.001〜20質量%がより好適であり、0.001〜10質量%が更に好適である。
《製造方法》
次に、本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子の製造方法について説明する。リン酸カルシウム微粒子は、湿式法や、乾式法、加水分解法、水熱法等の公知の製造方法によって、人工的に製造されたものであってもよく、また、骨、歯等から得られる天然由来のものであってもよい。また、粒径の大きなリン酸カルシウム粒子を製造して、周知の方法により粉砕したものであってもよい。
リン酸カルシウム微粒子は、アモルファスのリン酸カルシウムを焼結させることにより得ることが好適である。また、焼結温度の下限値としては、500℃以上がより好ましい。焼結温度が500℃よりも低いと、焼結が十分でない場合がある。一方、焼結温度の上限値としては、1800℃以下がより好ましく、1250℃以下がさらに好ましく、1200℃以下が特に好ましい。焼結温度が1800℃よりも高いと、リン酸カルシウムが分解する場合がある。従って、焼結温度を、上記範囲内とすることにより、生体内で溶解し難い(結晶性が高い)リン酸カルシウムを製造することができる。また、焼結時間としては、特に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。尚、焼結により、粒子同士が融着してしまう場合もあるが、このような場合には、焼結後の粒子を粉砕して使用することが可能である。
本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子は、後述する方法により製造されることが特に好適である。即ち、本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子の製造方法は、混合工程と、焼結工程とから少なくともなる分散焼成(焼結)法を含む方法であることが好適である。当該分散焼成法によって、得られる微粒子が一次粒子の粒径がそのまま反映されるため、先述した範囲の平均粒子径に調製しやすい。また、本最良形態に係る製造方法は、一次粒子生成工程、除去工程を含んでいてもよい。これらの工程は、例えば、一次粒子生成工程、混合工程、焼結工程、除去工程の順で行われる。
(一次粒子生成工程)
当該一次粒子生成工程は、リン酸カルシウム微粒子を生成することができる工程であれば特に限定されるものではなく、製造する高結晶性リン酸カルシウム微粒子の原料により適宜選択の上、採用すればよい。例えば、常温下において水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下すれば、リン酸カルシウム(CaP)の粒子が沈殿する。
本最良形態に係るリン酸カルシウム微粒子のように、微細(ナノメートルサイズ)でかつ粒子径が均一な(粒度分布が狭い)一次粒子群を生成する方法については、特に限定されるものではないが、例えば、特開2002−137910号公報記載の方法が利用可能である。つまり、界面活性剤/水/オイル系エマルジョン相にカルシウム溶液及びリン酸溶液を可溶化して混合させ、界面活性剤の曇点以上で反応させることでリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)微粒子(一次粒子)を合成することができるというものである。また、このとき上記界面活性剤の官能基及び親水性/疎水性比の割合を変えることによりリン酸カルシウム微粒子の大きさを制御することができる。
上記リン酸カルシウム微粒子を製造する原理を簡単に説明すれば、以下の通りである。界面活性剤/水/オイル系エマルジョン相にカルシウム溶液及びリン酸溶液を可溶化して混合させ、反応させてリン酸カルシウム微粒子を合成する方法においては、界面活性剤のミセルの中でリン酸カルシウムの核が成長し、粒子が成長する。このとき反応温度を変化させること(前記界面活性剤が非イオン系の界面活性剤である場合には、界面活性剤の曇点以上とすること)により、ミセルの熱力学的安定性を制御することができる。すなわち反応温度を上げるということは、界面活性剤のミセルを形成する力を下げるということである。そうすると、ミセルという枠の中で制限を受けていたリン酸カルシウムの粒子成長の駆動力がミセルの枠を維持しようとする駆動力より大きくなると考えられる。よって、そのメカニズムを利用して粒子の形を制御できる。
界面活性剤のミセルを作る場合に、界面活性剤の官能基(親水性部位)及び分子内の親水性/疎水性比が重要であり、この違いによってミセルの安定性、曇点も異なってくる。また界面活性剤の曇点は、種類によって異なる。したがって、界面活性剤の種類を適宜変更することにより、上記界面活性剤の官能基及び親水性/疎水性比の割合を変えることができリン酸カルシウム微粒子の大きさを制御することができる。
尚、上記方法において用いる界面活性剤の種類は、特に限定されず、上記の特開平5−17111号公報に開示された他種類の公知の陰イオン、陽イオン、両性イオン、非イオン性界面活性剤から適宜選択して用いることができる。これらの界面活性剤の中でも、非イオン系の界面活性剤である場合には、界面活性剤の曇点を有するため、前述のメカニズムを利用した結晶の形状制御がし易くなる。より具体的には、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が利用可能である。また陽イオン界面活性剤としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が利用可能であり、陰イオン界面活性剤としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類等が利用可能であり、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アミンオキサイド型等が利用可能である。上記の界面活性剤は1種類又は2種類以上の組み合わせで使用する。このなかで、曇点、溶解性の点から、特にペンタエチレングリコールドデシルエーテルを使用することが望ましい。
また上記方法において利用可能なオイル相としては、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ドデカン、シクロヘキサン等の炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル等のエーテル類、ブタノール等のアルコール類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等挙げられ、これら溶媒は、使用する界面活性剤に応じて、水の溶解度が小さく、上記界面活性剤のいずれかを溶解するように1種もしくは2種を選択する。この中で、水の溶解度、界面活性剤の溶解性の点から、特にドデカンを使用することが望ましい。この他反応温度、反応時間、原料の添加量等は、一次粒子の組成に応じて適宜最適な条件を選択の上、採用すればよい。ただし反応温度の上限は、水溶液の反応であるから溶液が沸騰しない温度であれることが好ましく、90℃以下が好ましい。
また、本工程には生成した一次粒子を水等で洗浄する工程、遠心分離、ろ過等で一次粒子を回収する工程が含まれていてもよい。
(混合工程)
当該混合工程は、一次粒子と融着防止剤とを混合する工程である。上記一次粒子生成工程によって得られた一次粒子群の粒子間に、あらかじめ融着防止剤を介在させておくことで、その後の焼結工程における一次粒子同士の融着を防止することができるというものである。尚、当該混合工程によって得られた一次粒子と融着防止剤との混合物を「混合粒子」と呼ぶ。
ここで「融着防止剤」としては、一次粒子間の融着を防止できるものであれば特に限定されるものではないが、後の焼結工程の焼結温度において、不揮発性であることが好ましい。焼結温度条件下で不揮発性であるために、焼結工程中に一次粒子間から消失することは無く、一次粒子同士の融着を確実に防止することができるからである。ただし焼結温度において100%の不揮発性を有する必要は無く、焼結工程終了後に一次粒子間に10%以上残存する程度の不揮発性であればよい。また融着防止剤は焼結工程終了後に熱により化学的に分解するものであってもよい。すなわち焼結工程終了後に残存していれば、焼結工程の開始前後で、同一の物質(化合物)である必要は無い。
また融着防止剤が、溶媒、特に水系溶媒に溶解する物質であることが好ましい。上記のごとく融着防止剤として、溶媒に溶解する融着防止剤を用いることによれば、融着防止剤が混在するリン酸カルシウム微粒子を純水等の水系溶媒に懸濁するだけで、融着防止剤(例えば炭酸カルシウム等)を除去することができる。特に水系溶媒に溶解する融着防止剤であれば、融着防止剤を除去する際に有機溶媒を用いる必要が無いため、除去工程に有機溶媒の使用に対応する設備、有機溶媒廃液処理が不要となる。それゆえ、より簡便にリン酸カルシウム微粒子から融着防止剤を除去することができるといえる。上記溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水系溶媒としては、水、エタノール、メタノール等が挙げられ、有機溶媒としては、アセトン、トルエン等が挙げられる。
また上記水系溶媒は、融着防止剤の水への溶解性を上げるために、シュウ酸塩、エチレンジアミン、ビピリジン、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート化合物を含んでいてもよい。さらに上記水系溶媒は、融着防止剤の水への溶解性を上げるために、塩化ナトリウム、硝酸アンモニウム、炭酸カリウム等の電解質イオンを含んでいてもよい。
ここで、融着防止剤の溶媒に対する溶解度は、高ければ高いほど除去効率が高くなるために好ましいといえる。係る好ましい溶解度は、溶媒100gに対する溶質の量(g)を溶解度とすると、0.01g以上が好ましく、1g以上がさらに好ましく、10g以上が最も好ましい。
上記融着防止剤の具体例としては、塩化カルシウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム等のカルシウム塩(又は錯体)、塩化カリウム、酸化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム等のカリウム塩、塩化ナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム等のナトリウム塩等が挙げられる。
尚、当該混合工程において一次粒子と融着防止剤とを混合させる方法については、特に限定されるものではなく、固体の一次粒子に固体の融着防止剤を混合後、ブレンダーを用いて混合する方法であってもよいし、融着防止剤の溶液中に一次粒子を分散させる方法を行なってもよい。ただし、固体と固体を均一に混合することは困難であるため、一次粒子間に均一かつ確実に融着防止剤を介在させるためには、後者が好ましい方法であるといえる。後者の方法を採用した場合は、一次粒子を分散させた融着防止剤溶液を乾燥させておくことが好ましい。一次粒子と融着防止剤が均一に混合された状態を長期にわたってキープすることができるからである。後述する実施例においても、炭酸カルシウム飽和水溶液にハイドロキシアパタイト(HAp)一次粒子0.5gを分散させ、80℃にて乾燥させて混合粒子を取得している。
また当該混合工程は、側鎖にカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基又はこれらの塩のいずれかを有する高分子化合物を含む溶液と、上記一次粒子とを混合し、金属塩(アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩及び/又は遷移金属塩)をさらに添加する工程であってもよい。上記の工程を採用することによって、高分子化合物がリン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}表面に吸着することで融着防止剤混合過程におけるリン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}同士の接触を確実に防ぐことができ、その後にカルシウム塩を添加することでリン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}表面に確実に融着防止剤を析出させることが可能となる。尚、以下の説明において、側鎖にカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基又はこれらの塩のいずれかを有する高分子化合物のことを、単に「高分子化合物」と称する。
上記高分子化合物は、側鎖にカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基又はこれらの塩のいずれかを有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、側鎖にカルボキシル基を有する高分子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、側鎖に硫酸基を有する高分子化合物としては、ポリアクリル酸アルキル硫酸エステル、ポリメタクリル酸アルキル硫酸エステル、ポリスチレン硫酸等が挙げられ、側鎖にスルホン酸基を有する高分子化合物としては、ポリアクリル酸アルキルスルホン酸エステル、ポリメタクリル酸アルキルスルホン酸エステル、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられ、側鎖にリン酸基を有する高分子化合物としては、ポリアクリル酸アルキルリン酸エステル、ポリメタクリル酸アルキルリン酸エステル、ポリスチレンリン酸、ポリアクリロイルアミノメチルホスホン酸等が挙げられ、側鎖にホスホン酸基を有する高分子化合物としては、ポリアクリル酸アルキルホスホン酸エステル、ポリメタクリル酸アルキルホスホン酸エステル、ポリスチレンホスホン酸、ポリアクリロイルアミノメチルホスホン酸、ポリビニルアルキルホスホン酸等が挙げられ、側鎖にアミノ基を有する高分子化合物としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリメタクリル酸アミノアルキルエステル、ポリアミノスチレン、ポリペプチド、タンパク質等が挙げられる。尚、当該混合工程においては、上記高分子化合物のいずれか1種類を用いればよいが、複数種類の高分子化合物を混合して用いてもよい。
尚、上記高分子化合物の分子量は特に限定されるものではないが、100g/mol以上1,000,000g/mol以下が好ましく、500g/mol以上500,000g/mol以下がさらに好ましく、1,000g/mol以上300,000g/mol以下が最も好ましい。上記好ましい範囲未満であると一次粒子間に入り込む割合が減少し、一次粒子同士の接触を阻止する割合が低くなる。また上記好ましい範囲を超えると、高分子化合物の溶解度が低くなること、当該高分子化合物を含む溶液の粘度が高くなること等の操作性が悪くなるために好ましくない。
尚、高分子化合物を含む溶液は、水溶液であることが好ましい。リン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}焼結体粒子は強い酸性条件下で溶解してしまうからである。尚、高分子化合物が含まれる水溶液のpHは、5以上14以下でHAp粒子が不溶な条件あれば特に限定されるものではない。当該高分子化合物を含む水溶液は、高分子化合物を蒸留水、イオン交換水等に溶解し、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液でpHを調整すればよい。
また上記水溶液に含まれる高分子化合物の濃度は、0.001%w/v以上50%w/v以下が好ましく、0.005%w/v以上30%w/v以下がさらに好ましく、0.01%w/v以上10%w/v以下が最も好ましい。上記好ましい範囲未満であると一次粒子間に入り込む量が少なく、一次粒子同士の接触を阻止する割合が低くなる。また上記好ましい範囲を超えると、高分子化合物の溶解が困難となること、当該高分子化合物を含む溶液の粘度が高くなる等の操作性が悪くなるために好ましくない。
本発明における混合工程では、上記高分子化合物を含む溶液と、一次粒子とを混合する。かかる混合は、例えば、当該溶液中に一次粒子を投入し、撹拌操作等によって、当該一次粒子を分散させればよい。かかる操作によって、上記本発明に係るリン酸カルシウムの製造方法では、一次粒子の表面に上記高分子化合物が吸着し、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基又はこれらの塩のいずれかを当該一次粒子の表面に付加することができる。このとき当該カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基又はアミノ基は、溶液中でイオンの状態で存在している。
次に高分子化合物を含む溶液と一次粒子とを混合した溶液に、金属塩(アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩及び/又は遷移金属塩)をさらに添加すれば、上記一次粒子の表面に存在するカルボン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、ホスホン酸イオン、アミノイオンと、金属イオン(アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオン及び/又は遷移金属イオン)とが結合し、一次粒子の表面にカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩が生じる。かかる金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)のカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩が、上記融着防止剤として機能する。従って、金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)のカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩がその表面に生じた一次粒子は、いわゆる「混合粒子」である。尚、かかる金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)のカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩は沈殿するため、当該沈殿物を回収後、乾燥させて後述する焼結工程に供すればよい。前記乾燥は、例えば減圧条件下(1×10Pa以上1×10−5Pa以下が好ましく、1×10Pa以上1×10−3Pa以下がさらに好ましく、1×10Pa以上1×10−2Pa以下が最も好ましい。)で、加熱(0℃以上200℃以下が好ましく、20℃以上150℃以下がさらに好ましく、40℃以上120℃以下が最も好ましい。)して行なう方法が挙げられる。尚、上記乾燥においては、乾燥温度を下げることができることから減圧条件下が好ましいが、大気圧条件下で行なってもよい。
上記アルカリ金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ酸ナトリウム、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、セレン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、リン化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カリウム、次亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ酸カリウム、酸化カリウム、過酸化カリウム、硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、セレン酸カリウム、亜硝酸カリウム、硝酸カリウム、リン化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等が利用可能である。
また上記アルカリ土類金属塩としては、例えば塩化マグネシウム、次亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、過酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、セレン酸マグネシウム、亜硝酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、リン化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ酸カルシウム、酸化カルシウム、過酸化カルシウム、硫酸カルシウム、チオ硫酸カルシウム、セレン酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が利用可能である。
また上記遷移金属塩としては、例えば塩化亜鉛、次亜塩素酸亜鉛、亜塩素酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、ヨウ酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、硫酸亜鉛、チオ硫酸亜鉛、セレン酸亜鉛、亜硝酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩化鉄、次亜塩素酸鉄、亜塩素酸鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、ヨウ酸鉄、酸化鉄、過酸化鉄、硫酸鉄、チオ硫酸鉄、セレン酸鉄、亜硝酸鉄、硝酸鉄、リン化鉄、炭酸鉄、水酸化鉄等が利用可能である。またニッケル化合物であってもよい。
尚、高分子化合物を含む溶液と一次粒子とを混合した溶液に添加する金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩)は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。また金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属)は、固体の状態としてもよいが、均一に添加することができること、及び添加する濃度を制御することが可能である等の理由から水溶液として添加することが好ましい。また添加する金属塩(アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩及び/又は遷移金属塩)の量(濃度)は、一次粒子表面に存在するカルボン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、ホスホン酸イオン、アミノイオンと結合して、金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)のカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩が生じる条件であれば特に限定されるものではなく、適宜検討の上、決定すればよい。
尚、上記工程によって一次粒子の表面に生じた金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)のカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、アミノ酸塩は、後述する焼結工程において熱分解を受け、金属(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属及び/又は遷移金属)の酸化物になる。例えば、一次粒子の表面にポリアクリル酸カルシウムが生じている場合は、焼結工程によって酸化カルシウムとなる。尚、当該金属酸化物(アルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物(例えば酸化カルシウム)及び/又は遷移金属酸化物)は水溶性であるため、後述する除去工程によって簡単に除去することが可能である。
尚、ポリアクリル酸ナトリウムは水に可溶なため、本混合工程において融着防止剤としてそのまま利用可能であるが、ポリアクリル酸カルシウムは水に不溶なため、一旦ポリアクリル酸のみを一次粒子表面に吸着させた後に、カルシウム塩等を添加することで、ポリアクリル酸カルシウムを一次粒子表面に析出させるようにすることが好ましい。また、高温(約300℃以上)で一次粒子を仮焼する際に高分子化合物は分解するため、仮焼後も融着防止剤として機能するように、高分子化合物の金属塩を一次粒子の表面に析出させておくことが好ましいといえる。ただし高分子化合物が分解しない(軟化しない)温度において一次粒子を仮焼(熱処理)する場合は、高分子化合物の金属塩を一次粒子の表面に析出させておく必要は特にない。
(焼結工程)
当該焼結工程は、上記混合工程によって得られた混合粒子を焼結温度に曝して、当該混合粒子に含まれる一次粒子を高結晶性リン酸カルシウム微粒子(焼結体粒子)にする工程である。一次粒子の粒子間に融着防止剤が介在しているために、焼結工程における高温条件に曝された場合であっても一次粒子同士の融着を防止することができるというものである。
当該焼結工程における焼結温度は、高結晶性リン酸カルシウム微粒子の硬度が所望の硬度となるように適宜設定すればよく、例えば、100℃〜1800℃の範囲内がより好ましく、150℃〜1500℃がさらに好ましく、200℃〜1200℃が最も好ましい。尚、焼結時間については所望する高結晶性リン酸カルシウム微粒子の硬度等を基準に適宜設定すればよい。後述する実施例においては、800℃で1時間焼結を行なっている。
尚、当該焼結工程に用いる装置等は特に限定されるものではなく、製造規模、製造条件等に応じて市販の焼成炉を適宜選択の上、採用すればよい。
(除去工程)
当該除去工程は、焼結工程によって得られた高結晶性リン酸カルシウム微粒子の粒子間に混在する融着防止剤を取り除く工程である。
除去の手段及び手法については、上記混合工程において採用した融着防止剤に応じて適宜採用すればよい。例えば、溶媒溶解性を有する融着防止剤を用いた場合は、リン酸カルシウム微粒子を溶解しない溶媒(非溶解性)でかつ融着防止剤を溶解する(溶解性)溶媒を用いることによって、融着防止剤のみを溶解して除去することができる。用いる溶媒としては、上記要件を満たす溶媒であれば特に限定されるものではなく、水系溶媒であっても、有機溶媒であってもよい。例えば、水系溶媒としては、水、エタノール、メタノール等が挙げられ、有機溶媒としては、アセトン、トルエン等が挙げられる。
また上記水系溶媒は、融着防止剤の水への溶解性を上げるために、シュウ酸塩、エチレンジアミン、ビピリジン、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート化合物が含んでいてもよい。さらに上記水系溶媒は、融着防止剤の水への溶解性を上げるために、塩化ナトリウム、硝酸アンモニウム、炭酸カリウム等の電解質イオンを含んでいてもよい。
ただし、当該除去工程において有機溶媒の使用に対応する設備が不要となること、有機溶媒廃液処理が不要となること、製造作業の安全性が高いこと、環境に対するリスクが低いこと等の理由から、使用する溶媒は水系溶媒が好ましい。
尚、高結晶性リン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}焼結体粒子の場合は、pH4.0以下の条件において高結晶性リン酸カルシウム{ハイドロキシアパタイト(HAp)}焼結体粒子が溶解するため、pH4.0〜pH12.0で除去工程を行なうことが好ましい。
ところで、溶媒を用いて融着防止剤を除去する場合は、焼結工程によって得られた融着防止剤を含むリン酸カルシウムを溶媒に懸濁させた後、ろ過又は遠心分離によってリン酸カルシウム粒子のみを回収すればよい。最良形態に係るリン酸カルシウムの製造方法において上記操作は、1回に限られるものではなく2回以上行なってもよい。上記操作を複数回行なうことで、リン酸カルシウムの融着防止剤の除去率がさらに向上するものといえる。ただし、製造工程が複雑になること、製造コストが高くなること、リン酸カルシウムの回収率が低下すること等の理由により、必要以上に上記操作を行なうことは好ましくない。よって上記操作の回数は、目標とする融着防止剤の除去率を基準に適宜決定すればよい。
尚、本工程には、さらに粒子径を均一にするために分級する工程が含まれていてもよい。
上記溶媒を用いて融着防止剤を除去する方法の他、融着防止剤に磁性体を用いることによって、マグネットを用いて融着防止剤を除去することができる。より具体的には、焼結工程によって得られた融着防止剤を含むリン酸カルシウム粒子(粗リン酸カルシウム粒子)群を適当な溶媒(水等)に懸濁して分散させた後、当該懸濁液に磁力をかけ、融着防止剤のみをマグネットに吸着させ、吸着しなかったリン酸カルシウム粒子のみを回収する。また特に溶媒に懸濁することなく、粗リン酸カルシウム粒子をすりつぶして粉体にした後、マグネットによって融防止剤を分離する方法を行なってもよい。ただし、懸濁液にした方がリン酸カルシウム粒子と融着防止剤が剥離しやすく、融着防止剤の除去率は高いといえる。尚、この手法を適用することができるリン酸カルシウム粒子は、非磁性体又は、弱磁性体であることが好ましい。
《性質》
上記、本最良形態に係るリン酸カルシウム粒子の製造方法によって製造されたリン酸カルシウム粒子は、融着防止剤の作用によって一次粒子同士の融着が防止されているために、その過半数が一次粒子の状態をキープしている。よって、当該高結晶性リン酸カルシウム粒子を溶媒中に懸濁した際には、高結晶性リン酸カルシウム粒子の過半数が単結晶からなる一次粒子又は前記単結晶からなる一次粒子がイオン的相互作用にて集合化した粒子塊(単結晶一次粒子)で分散することができる。
本最良形態に係るリン酸カルシウム粒子は、その過半数が単結晶からなる一次粒子、もしくは前記単結晶からなる一次粒子がイオン的相互作用にて集合化した粒子塊(単結晶一次粒子)であり、溶媒中で分散性が良く、二次粒子を形成していないためにその表面積も高い。
ここでリン酸カルシウム微粒子が一次粒子で存在しているか否かを評価する方法としては、例えば、電子顕微鏡観察によって粒子径を測定した結果と、動的光散乱法により溶媒に懸濁した状態で粒子径を測定した場合の結果とを対比することにより、両者の結果がほぼ一致すれば、その本最良形態に係るリン酸カルシウム粒子のほとんどが一次粒子の状態であると判断することができ、また電子顕微鏡観察による粒子径の測定結果より、動的光散乱法による粒子径測定の結果が大きくなれば、一次粒子同士の融着が起こり二次粒子を形成しているものと判断することができる。
尚、本最良形態に係るリン酸カルシウム粒子を分散させる溶媒としては、リン酸カルシウム粒子を溶解しないものであれば特に限定されるものではない。例えば、水や、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、トルエン、キシレン、ヘキサン、ドデカン、シクロヘキサン等の炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等挙げられ、これら溶媒は、使用目的に応じて1種もしくは2種を選択して使用すればよい。
動的光散乱法から求めた粒子径分布図をもとに、電子顕微鏡から求めた一次粒子の粒子径とほぼ一致する粒子径である粒子の割合を求めることで、単結晶からなる一次粒子、もしくは前記単結晶からなる一次粒子がイオン的相互作用にて集合化した粒子塊(単結晶一次粒子)の割合が算出可能である。
尚、リン酸カルシウム原料、融着防止剤の種類、焼結の条件等によって異なる場合があるが、上記本最良形態に係る高結晶性リン酸カルシウム粒子の製造方法によれば、少なくとも50%以上が単結晶一次粒子として存在し、より好適な場合には60%以上が単結晶一次粒子として存在し、最も好適な条件下においては70%以上が単結晶一次粒子として存在させることができる。
(用法用量)
本最良形態に係る豊胸促進剤を胸部に塗布する豊胸促進方法は、特に限定されない。例えば、一日1〜3回(好適には2回)、一回250〜4000mg(好適には、500〜2000mg、更に好適には1000mg)(但し、この中にリン酸カルシウムが10〜300mg(好適には25〜200mg、より好適には50mg)含まれる)、胸部(特に上方胸部)に塗布する外皮用として用いることにより効能を発揮する。さらに、1週間〜1年といった長期間継続的に用いることにより、さらなる効能を発揮する。
製造例1(リン酸カルシウム微粒子の製造)
(一次粒子生成工程)
連続オイル相としてドデカン〔CH(CH10CH〕、非イオン性界面活性剤として曇点31℃のペンタエチレングリコールドデシルエーテル〔CH(CH10CHO(CHCHO)CHCHOH〕を用いた。室温において、上記非イオン性界面活性剤0.5gを含有している連続オイル相40mlを調製した。次に、上記で調製した連続オイル相に2.5mol/l水酸化カルシウム〔Ca(OH)〕分散水溶液10mlを添加し、油中水滴型溶液(W/O溶液)を調製した。上記W/O溶液を攪拌しながら、そこに1.5mol/lリン酸二水素カリウム〔(KHPO)〕溶液を10ml添加した。そして、24時間、室温で撹拌しながら反応させた。次に、得られた反応物を遠心分離により分離洗浄することにより、ハイドロキシアパタイト(HAp)一次粒子群を取得した。
(混合工程)
1.0gのポリアクリル酸ナトリウム(ALDRICH社製、重量平均分子量15,000g/mol)を含むpH12.0の水溶液100mlに、1.0gのハイドロキシアパタイト(HAp)一次粒子群を分散させることで、同粒子表面にポリアクリル酸ナトリウムを吸着させた。この水溶液のpHは株式会社 堀場製作所製pHメータD−24SEを用いて測定した。
次に、上記で調製した分散液に、0.12mol/lの硝酸カルシウム〔Ca(NO〕水溶液100mlを添加することで、同一次粒子表面にポリアクリル酸カルシウムを析出させた。かかるポリアクリル酸カルシウムは、融着防止剤である。その結果として生じた沈殿物を回収し、減圧下(約0.1Pa)80℃にて乾燥させることで、混合粒子を取得した。
(焼結工程)
上記混合粒子をルツボに入れ、焼結温度800℃にて1時間焼結を行なった。この際、ポリアクリル酸カルシウムは熱分解し、酸化カルシウム〔CaO〕となった。焼結工程終了後の酸化カルシウム〔CaO〕の残存率は25%以上であった。
(除去工程)
融着防止剤の水への溶解性を上げるために、50mmol/l硝酸アンモニウム〔NHNO〕水溶液を調製した。次に、上記で調製した水溶液500mlに、上記工程にて得られた焼結体を懸濁し、遠心分離により分離洗浄し、さらに蒸留水に懸濁し、同様に遠心分離により分離洗浄を行なうことによって、融着防止剤及び硝酸アンモニウムを除去し、高結晶性ハイドロキシアパタイト(HAp)微粒子を回収した。これらの工程により得られたハイドロキシアパタイト微粒子の詳細な情報については、以下にまとめた。
XRDの半値幅:0.2(d=2.814)
形状:球状
平均粒径(電子顕微鏡より):28nm
変動係数:14%
製造例2(未焼成)
一次粒子生成工程における反応温度を30℃としたこと以外では製造例1と同条件で一次粒子生成工程をのみ行い、その後の混合工程や焼結工程等のその後の工程を行わないで、製造例2の未焼成のハイドロキシアパタイト微粒子を得た。以下、当該ハイドロキシアパタイト微粒子の詳細な情報について記載する。
XRDの半値幅:0.8(d=2.814)
形状:粒子形状
平均粒径(電子顕微鏡より):42nm
変動係数:17%
<線維芽細胞のI型コラーゲン産生促進作用試験>
正常ヒト線維芽細胞を試料含有0.5%FBS−DMEM培地にて24時間培養後、培地中のコラーゲン量をELISAにて定量した。当該実験はそれぞれの条件において6回反復して行なった(n=6)。陽性コントロール(P.C.)には、アルコルビン酸リン酸マグネシウム(VCPMg)を用いた。尚、用いた試料は、製造例1において製造した焼成のハイドロキシアパタイトと、製造例2において使用した未焼成したハイドロキシアパタイトである。結果を表1に示した。ここで、表1中の「mean」は、測定で得られたコラーゲン量の実測値(平均値)を示しており、「SD」とは、標準偏差を示しており、「p(t−test)」とは、「t−test」により得られたp値{一般的に0.05(厳密に議論する場合は、0.01)以下であれば、差がある値であることを示し、逆に、0.05より大きな値である場合、差がほとんどないことを示す。}を示している。
製造例1のハイドロキシアパタイト(焼成)において、顕著なコラーゲン産生量の増加作用が認められた。製造例2のハイドロキシアパタイト(未焼成)においても、6.30〜25.00μg/mLの濃度域で有意なコラーゲン産生量の増加が認められたが、ハイドロキシアパタイト(焼成)に比べ作用は弱かった。
<豊胸促進試験1>
試験条件:被験者成人女性に試験内容、趣旨を説明したのち、前腕部にてパッチテストを行い異常が認められないことを確認した上で、本発明に係る豊胸促進剤の効果を調査した。
ここでは、以下の配合の豊胸促進剤を使用した。
製造例1のハイドロキシアパタイト(焼成):5質量%
グリセリン:6質量%
ポリエチレングリコール:14質量%
水:75質量%
上記配合の豊胸促進剤を朝晩の一日2回、1000mgずつ、合計9日間継続して胸部に塗布した。第4日目の朝の塗布終了後、塗布前と比較して乳房表皮のハリ及び乳房の弾力が向上したことを実感できた。
図1では、上記豊胸促進試験において、塗布回数と被験者の実感の指標との関係をグラフに示した。評価項目としては、「表皮のハリ」と、「指で押して感じる弾力」を採用した。「表皮のハリ」は、被験者が感覚的に感じる皮膚のハリを意味し、表皮における豊胸促進効果の表れを評価することを意図している。「指で押して感じる弾力」は、被験者が適用部位を指で押して感じた弾力を意味し、表皮のみならず真皮も含めた皮膚全体での効果を評価することを意図している。
グラフの縦軸において採用した「実感の指標」は、被験者の経験上、実生活で経験し得る「表皮のハリ」又は「指で押して感じる弾力」を最大値の100と仮定した場合において、試験の各時において「表皮のハリ」又は「指で押して感じる弾力」を前記の最大値と比較評価して数値化した値である。
当該評価においては、各回の塗布を行なう前と後で「実感の指数」を取得した。グラフでは、「試験開始前と比べ」とするプロットにおいて、各回の塗布後の実感の指標値から、初回の塗布前の指標値を差し引いた値が示されている。「一回の塗布前後の比較」とするプロットにおいては、一回の塗布の後の実感の指標値から、当該回の塗布の前の実感の指数を引いた値が示されている。
図1に示したグラフをみれば、塗布回数第7回目(第4日目の朝)から「表皮のハリ」及び「指で押して感じる弾力」に実感が表れた。表皮のハリに関しては、試験開始前と比べた場合との比較では第9回目までは上昇し続けた。更に、第9回目以降も一回の塗布前後においても実感できる程度に表皮のハリが向上する効果は持続した。指で押して感じる弾力の実感の指標は、塗布回数第7回目以降は上昇し続けた。すなわち、弾力に関しては持続的に上昇し続けるため、真皮におけるコラーゲン促進作用が断続的に得られているものと考えられ、これが豊胸促進効果に寄与しているものと理解される。
<豊胸促進試験2(長期投与の効果)>
長期投与における効果を調査する目的で、2名の被験者A及びBに豊胸促進試験1で用いた豊胸促進剤を2ヶ月間朝晩の一日二回ずつ継続投与し(適用量:片方あたり約500mg、即ち、1回あたり約1g)、以下に示す設問に塗布後の感想を記入してもらった。設問に対する感想を、「変わらない」を0、上がった程度を+1〜+4の4段階、下がった程度を−1〜−4の4段階と、計9段階との評価とした。評価の詳細及び詳細を表2及び表3にそれぞれ示す。
(考察)
2ヶ月継続した試験により、いずれの設問においても継続性、即効性共に使用前に比べ改善した意見のみであった。ハリについては、即効性、持続性共に同等のスコアであり、初期に獲得したハリが維持されることを示唆している。ボリュームについては、即効性に比べ継続性に関するスコアが高いことから試用期間の経過と共にボリュームアップの効果が獲得できていることを示唆している。いずれの被験者も弾力の改善(即効性、継続性ともに)に関する効果を認めている。
<豊胸試験後のエコー断面写真撮影>
豊胸促進試験2を経た被験者A及びBについて、塗布前後におけるバスト状態の変化を検証するために、エコー断面写真の撮影を行った。図2及び図3に結果を示す。写真に向かって左側が適用前の画像で、(C)「白点間の距離」が胸部皮下組織の厚みである。対して、右側が2ヶ月(材適応並びに問診期間)後の画像で、(C)「白点間の距離」が胸部皮下組織の厚みである。いずれの被験者も胸部皮下組織が厚くなり効果が認められた。
アルコール類としては、例えば、エタノール、グリセリン等が挙げられる。アルコール類を含むことにより、リン酸カルシウム微粒子の分散安定性を向上させ、真皮層への速やかな浸透を促す。また、皮膚の洗浄、収れん、保湿効果も奏する。糖類としては、例えば、加水分解水添デンプン等が挙げられる。糖類を含むことにより、保湿効果、抗炎症効果が向上する。タンパク質類としては、例えば、コラーゲンが挙げられる。タンパク質類を含むことにより、リン酸カルシウムの担体となり真皮層への送達を促すことができる。アミノ酸類としては、例えば、グルタミン酸、アルギニン、又はこれらのナトリウム塩等が挙げられる。アミノ酸類を含むことにより、コラーゲン産生を促すことができる。水溶性ビタミン類としては、例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム等が挙げられる。水溶性ビタミン類を含むことにより、コラーゲン産生を促し、リン酸カルシウムとの相乗効果が期待できる。脂溶性ビタミン類としては、例えば、ビタミンAが挙げられる。脂溶性ビタミン類を含むことにより、ムコ多糖類の産生を促し、肌に潤いを与えることができる。脂質としては、例えば、セラミドやリン脂質類が挙げられる。脂質を含むことにより、保湿効果を奏する。ムコ多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸等が挙げられる。ムコ多糖類を含むことにより、保湿効果を奏する。界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸誘導体が挙げられる。界面活性剤を含むことにより、微粒子やビタミンAなど脂溶性成分の分散性が向上する。

Claims (6)

  1. リン酸カルシウム微粒子を含有することを特徴とする豊胸促進剤。
  2. 前記リン酸カルシウム微粒子がハイドロキシアパタイト微粒子である、請求項1記載の豊胸促進剤。
  3. 前記リン酸カルシウム微粒子の平均粒子径が、10〜1,000nmである、請求項1又は2記載の豊胸促進剤。
  4. 前記リン酸カルシウム微粒子が、焼結体である、請求項1〜3のいずれか一項記載の豊胸促進剤。
  5. 前記焼結体が、
    リン酸カルシウムを含有する一次粒子と融着防止剤とを混合する、混合工程と、
    上記混合工程によって得られた混合粒子を焼結温度に曝す、焼結工程と、
    を含む方法により製造された、請求項4記載の豊胸促進剤。
  6. 外用である、請求項1〜5のいずれか一項記載の豊胸促進剤。
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