JPWO2012053241A1 - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

優れた光学性能を保持しながらも、小型化と低コスト化とを図ることが可能な顕微鏡装置を提供する。顕微鏡装置100を、結像光学系10と、撮像素子30と、この結像光学系10の外周に環状に配置された照明装置20と、で構成する。また、この照明装置20を、光源22と、この光源22からの光が入射する入射面23a、この入射面23aから入射した光を反射して集光する第1の光学面23b、及び、第1の屈折面23fが形成された第1部材23P,並びに、第2の屈折面23g、当該第1の光学面23bで反射した光を反射する第2の光学面23c及び第3の光学面23d、並びに、第3の光学面23dで反射した光が射出する射出面23eが形成された第2部材23Sからなる集光部材23とで構成し、射出面23eから射出した光を試料面Oに照射するよう構成する。

Description

本発明は、顕微鏡装置に関する。
従来、顕微鏡装置や画像測定機のリング照明、スチルカメラのマクロレンズ用ストロボ等、輪帯状の照明光を射出するための輪帯照明装置が知られており、このような輪帯照明装置として、多数のLEDを同心円状に配列して備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−328094号公報
しかしながら、上述のような従来の輪帯照明装置は、多数のLEDを備えることで装置が大型化するとともに、顕微鏡装置等への取り付け(位置決め)が難しく、また、構造が複雑であり、製造コストが増大してしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、優れた光学性能を保持しながら、小型化と低コスト化とを図ることが可能な顕微鏡装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る顕微鏡装置は、試料からの光を集光してこの試料の像を結像する結像光学系と、光源から放射された光の少なくとも一部を反射する第1の光学面、所定の屈折力を有し、光源から放射された光及び第1の光学面で反射された光を透過する第1の屈折面、所定の屈折力を有し、第1の屈折面を透過した光が透過する第2の屈折面、第2の屈折面を透過した光を反射する第2の光学面、及び、第2の光学面で反射された光を反射する第3の光学面を有し、第1の屈折面と第2の屈折面との距離が、結像光学系の光軸に略平行な光軸に沿って変化可能に構成してなる集光部材が、結像光学系の外周に離散的に2以上配置された照明装置と、を有することを特徴とする。
このような顕微鏡装置において、集光部材は、第3の光学面が中心を向くように配置されていることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の光学面は、回転対称な曲面であり、該回転対称な曲面の回転対称軸は、結像光学系の光軸に略平行であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、回転対称な曲面は、光源を焦点の1つとする略コーニック面であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の屈折面と第2の屈折面とは互いに密接して接合可能な形状であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の屈折面及び第2の屈折面は、球面であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の屈折面及び第2の屈折面は、非球面であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の屈折面及び第2の屈折面は、複数のマイクロレンズが2次元状に配置された形状であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、集光部材は、光を透過する部材で構成され、この部材の表面に形成された、光源から放射された光が入射する入射面、第1の光学面、及び、第1の屈折面を有する第1部材と、光を透過する部材で構成され、この部材の表面に形成された第2の屈折面、第2の光学面、第3の光学面、及び、第3の光学面で反射された光が射出する射出面を有する第2部材と、から構成され、第1の屈折面と第2の屈折面とが対向するように第1部材及び第2部材を配置することが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の光学面、第2の光学面、及び、第3の光学面の少なくとも1つは、前記部材の表面に設けられた反射部材で構成されていることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第1の光学面、第2の光学面、及び、第3の光学面の少なくとも1つは、前記部材の空気との境界面において光源からの光が全反射する角度で入射するように配置されていることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、第2の光学面と射出面とは、第2部材の連続する面上に形成されていることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、入射面は、光源を中心とする略球面の一部であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置は、隣接する第1部材同士を第1の結合部で結合して一体に構成し、隣接する第2部材同士を第2の結合部で結合して一体に構成することが好ましい。
また、このような顕微鏡装置は、2以上の集光部材の各々に取り付けられた光源を有することが好ましい。
また、本発明に係る顕微鏡装置は、試料からの光を集光して試料の像を結像する結像光学系と、所定の屈折力を有し、光源から放射された光を透過し、この光を射出する第1の屈折面を有する第1部材と、所定の屈折力を有し、第1の屈折面から射出した光が透過する第2の屈折面を有する第2部材とを含み、第1の屈折面と第2の屈折面との距離が結像光学系の光軸に略平行な光軸に沿って変化可能に構成してなる集光部材が、前記結像光学系の外周に2以上配置された照明装置と、を有し、2以上の第1部材は、一体化された成型品であるとともに、2以上の第2部材は、一体化された成型品であることを特徴とする。
このような顕微鏡装置において、成型品は、モールドによって形成されることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、成型品は、樹脂からなることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、集光部材は、曲率を有する面を少なくとも一つ備えることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置において、曲率を有する面は、全反射面であることが好ましい。
また、このような顕微鏡装置は、2以上の第1部材の各々に取り付けられた光源を有することが好ましい。
本発明に係る顕微鏡装置を以上のように構成すると、優れた光学性能を保持しながらも、小型化と低コスト化とを図ることができる。
第1の実施形態に係る照明装置を備えた顕微鏡装置の構成を示す説明図である。 第1の実施形態に係る照明ユニットにおける光路を示す説明図である。 第1の実施形態に係る照明ユニットにおいて、第1部材及び第2部材を相対的に移動した状態を説明するための図面であって、(a)は断面図を示し、(b)は斜視図を示す。 照明ユニットと照明エリアとの関係を示す説明図である。 照明ユニットの仕様を説明するための説明図である。 集光部材の外形寸法を説明するための説明図である。 第1の実施形態における照明エリアの状態を示す説明図である。 第2の実施形態に係る集光ブロックを示す説明図である。 第3の実施形態における照明エリアの状態を示す説明図である。 第4の実施形態に係る集光ブロックを示す説明図である。 第4の実施形態における照明エリアの状態を示す説明図である。 第1の実施形態に係る照明ユニットの変形例において、第1部材及び第2部材を相対的に移動した状態を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る照明ユニットの他の変形例において、第1部材及び第2部材を相対的に移動した状態を説明するための断面図である。 集光部材を構成する第1部材と第2部材とを相対移動させるカム機構の分解斜視図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る輪帯照明装置(以下、単に「照明装置」と呼ぶ)を備えた顕微鏡装置の構成について説明する。この図1に示すように、第1の実施形態に係る顕微鏡装置100は、標本(試料面O)からの光を集光して、この試料面Oの像を像面Iに結像させる結像光学系10と、像面I上に配置され、試料面Oの像を検出するCCD等で構成された撮像素子30と、この結像光学系10の外周を囲むように環状に配置され、試料面Oに照明光を照射するための照明装置20と、を有して構成される。ここで、顕微鏡装置100は、結像光学系10により標本の縮小像(例えば、0.4倍)を形成する観察装置と、結像光学系10により標本の拡大像(例えば、40倍)を形成する観察装置と、を含む概念である。
結像光学系10は、試料面O側から順に、この試料面Oからの光を集光する第1対物レンズ11と、NAを規定するための開口絞り12と、第1対物レンズ11より出射した光を像面Iに結像する第2対物レンズ13と、から構成されている。また、照明装置20は、第1対物レンズ11の外周に配置されている。なお、試料面Oは、第1対物レンズ11、開口絞り12、及び、第2対物レンズ13を介して、撮像素子30の像面Iと共役な位置にある。
照明装置20は、第1対物レンズ11の外周に、等間隔で環状に配置された8つの照明ユニット21を有して構成される。これら8つの照明ユニット21は、それぞれが試料面Oの被照射領域に対して略均一に照明光を射出するものであり、いずれも同じ構成を有している。なお、以降の説明では、照明装置20を8つの照明ユニット21で構成した場合について説明しているが、本発明がその個数に限定されることはなく、2以上の照明ユニット21を有していれば良い。
以下、照明ユニット21の詳細な構成について、図2〜図7及び図12〜図14を参照して説明する。照明ユニット21は、LED等の光源22と、この光源22からの光を集光する集光部材23と、から構成されている。また、各々の集光部材23は、光を透過する2つの部材23P,23Sで構成されている。この集光部材23において、第1部材23Pには、光源22から放射された光が内部に入射する入射面23aと、この部材の内部で入射面23aから入射した光を反射する第1の光学面23bと、所定の屈折力を有し、光源22から放射された光及び第1の光学面23bで反射された光を出射させて第2部材23Sに導く第1の屈折面23fと、が形成されており、また、第2部材23Sには、第1の屈折面23fと密着して接合可能な形状で、且つ、所定の屈折力を有し、第1部材23Pから出射した光が入射する第2の屈折面23gと、この第2の屈折面23gから入射した光を反射する第2の光学面23c、及び、第3の光学面23dと、この第2部材23Sから外部に光を射出させる射出面23eと、が形成されている。ここで、入射面23aは略球面の一部を構成する凹面として形成され、その球心に光源22が配置される。また、第1の光学面23bは、入射面23aを囲んだ、光源22と図2に示す点Fとを焦点とする略コーニック面(例えば、楕円面)として形成される。なお、第1の光学面23bは略コーニック面に限らず、回転対称な曲面であればよい。また、第2の光学面23c、第3の光学面23d及び射出面23eは略平面で形成されており、また、第2の光学面23c及び射出面23eは、この集光部材23(第2部材23S)の同一面上に形成されている。また、第3の光学面23dは、回転対称な曲面である第1の光学面23cの回転対称軸X′に略平行に形成されている。なお、第2の光学面23c、第3の光学面23d及び射出面23eは略平面に限らず、曲面であってもよい。さらに、第1の屈折面23fは凸状の曲面に形成され、第2の屈折面23gは、第1の屈折面23fと接合可能な凹状の曲面に形成されている。そのため、第1の屈折面23f及び第2の屈折面23gを接合させると、第1及び第2部材23P,23Sは、一体の光学部材となるように構成されている。なお、第1の屈折面23fと第2の屈折面23gとは、互いに密接して接合可能な形状(一体の光学部材となる)に限らず、互いに異なる屈折力(曲率半径)であってもよい。
このような構成の顕微鏡装置100において、光源22より放射された光は、この光源22を概ね球心とする入射面23aより集光部材23の第1部材23P内に入射し、さらに、その光の一部は第1の光学面23bにより反射される。ここで、第1の光学面23bは、上述のように光源22及び点Fを焦点とする略コーニック面として形成されているため、この第1の光学面23bに入射した光は点Fに集光するように反射する。また、入射面23aを略球面とすることにより、光源22からの光が入射面23aに垂直に入射するため、この面で反射する光を少なくすることができる。そして、入射面23aから入射した光の残りの一部及び第1の光学面23bにより反射された光は、第1の屈折面23f及び第2の屈折面23gを透過して第2部材23Sに入射し、さらに、第2の光学面23c及び第3の光学面23dで全反射した後、射出面23eから集光部材23の外に射出される。そして、集光部材23より射出された光は、焦点Fに集光した後、試料面O上に照射される。図1に示すように、照明装置20を構成する8つの照明ユニット21は、第1対物レンズ11の周りに照明ユニット21の光軸(光源22の法線、略コーニック面の回転対称軸)X′が結像光学系10の光軸Xと略平行になるように環状に配置されている。また、第3の光学面23d及び射出面23eがこの環の中心に向くように配置されているため、試料面Oの第1対物レンズ11を含む結像光学系10の光軸上を中心に、この試料面Oを周囲から照明することができる。また、照明ユニット21は略等間隔で配置されているため、試料面Oを均一に照明することができる。ここで、8つの集光部材23は、図示しない部材により固定されて集光ブロックを形成し、照明装置20として顕微鏡装置100に取り付けられる。
また、上述のように、第1部材23Pに形成された第1の屈折面23fは凸面として形成されており、第2部材23Sに形成された第2の屈折面23gは凹面として形成されている。そのため、図3に示すようにこれらの屈折面23f,23gが接合しているときは、第1部材23P及び第2部材23Sが同じ材質で形成されているとすると、光はこれらの面をそのまま通過するが、第1の屈折面23fと第2の屈折面23gとの間に空気間隔があると、これらの面23f,23gを通過する光が屈折するため、この集光部材23から出射する光が集光する点F及び、それらの光の発散角ηが変化する。具体的には、図4に示す第1部材23Pと第2部材23Sとの間隔(光軸上の距離)D2が小さいほど、点Fは射出面23eから遠ざかり、また、発散角ηは小さくなる。反対にこれらの間隔D2が大きいほど、点Fは射出面23eに近づき、発散角ηは大きくなる。
また、第1の屈折面23fは、試料面O側に凸面であり、第2の屈折面23gは、試料面O側に凹面であるが、これに限らず、例えば、図12に示すように、第1の屈折面23fを試料面O側に凹面にし、第2の屈折面23gを光源22側に凸面にしてもよいし、図13に示すように、第1の屈折面23fを試料面O側に凸面にし、第2の屈折面23gを光源22側に凸面にしてもよい。この場合も同様に、第1の屈折面23fと第2の屈折面23gとの間の空気間隔が変化すると、これらの面23f,23gを通過する光が屈折で変化するため、この集光部材23から出射する光が集光する点F及び、それらの光の発散角ηが変化する。具体的には、第1部材23Pと第2部材23Sとの間隔(光軸上の距離)D2が小さいほど、点Fは射出面23eから遠ざかり、また、発散角ηは小さくなる。反対にこれらの間隔D2が大きいほど、点Fは射出面23eに近づき、発散角ηは大きくなる。
このような第1部材23P及び第2部材23Sで構成される集光部材23は、例えば図14に示すカム機構26によって光軸方向に移動されるように構成することが望ましい。このカム機構26は、第1部材23Pを保持する第1保持部26P、第2部材23Sを保持する第2保持部26S、及び、円筒カム26Cにより構成されている。このカム機構26の各構成要素は略円筒形状を有しており、内側から第1保持部26P、第2保持部26S及び円筒カム26Cの順に嵌合している。
具体的には、第1保持部26Pは、円柱状に形成された基部26aの外周部に、この基部26aの軸(円柱の回転軸)を囲むように照明ユニット21の個数分の第1保持溝26bが形成されており、この第1保持溝26bの各々に第1部材23P及び光源22が保持されている。また、この基部26aの物体側には、基部26aの軸と同心円状に物体側に延びる円筒状の軸部26cが形成されており、これらの基部26a及び軸部26cには、軸方向に貫通する貫通孔26dが形成されている。また、第2保持部26Sは円柱状に形成された基部26eの外周面に、上述の第1保持溝26bと位置整合する照明ユニット21の個数分の第2保持溝26fが形成されており、この第2保持溝26fの各々に第2部材23Sが保持されている。また、この第2保持部26Sの基部26eには、軸方向に貫通する貫通孔26gが形成されている。更に、基部26eの外周面には外方に突出するピン26hが形成されている。また、円筒状に形成された円筒カム26Cは、その外周面に沿ってカム溝26iが形成されている。そして、第1保持部26Pの軸部26cが第2保持部26Sの貫通孔26gに挿入され、第2保持部26Sはこの軸部26cに対して円筒軸方向にのみ摺動可能に配置される。また、円筒カム26Cの円筒内には第2保持部26Sが挿入され、第2保持部26Sに形成されているピン26hがカム溝26iに挿入される。また、第1保持部26Pに形成された貫通孔26dの軸は、結像光学系10の光軸と略一致するように配置されるため、この貫通孔26dは結像光学系10の光路を囲むように配置される。
このようなカム機構26において、円筒カム26Cは不図示の調整リングと固定されており、調整リングを手動にて回すことにより回転される。そのため、第2保持部26Sは第2部材23Sとともにピン26hにより円筒カム26Cのカム溝26iに案内されて光軸方向に移動し、これにより第1部材23Pと第2部材23Sとの光軸方向の間隔を変化させることができる。
図7は、以下の表1に示す諸元の照明ユニット21を、第1対物レンズ11の周りに等間隔に8つ配置し、これらの照明ユニット21を点灯させたときの被照射領域(試料面O)での照度の状態(シミュレーション結果)を示している。なお、この図7は、第1部材23Pと第2部材23Sの間隔D2を0mm,1mm,2mm,3mm,4mmにしたときの状態を示しており、座標(0mm,0mm)の位置が、結像光学系10の光軸X上の位置である(以降の説明においても同様である)。
ここで、以下の表1において、集光部材23の外形寸法は、図6に示すように、幅をWとし、高さをHとし、また、図4に示すように、第1部材23Pの奥行きをD1とし、第2部材23Sの奥行きをD3とし、これらの部材の間隔をD2として定義している。また、第1の光学面23bを構成するコーニック面の形状は、次式(1)で表されるものとし、表1には、この式(1)における基準球面の曲率半径r、及び、コーニック定数Kを示している。なお、式(1)において、yは光軸からの垂直方向の高さ(入射高)を示し、S(y)はコーニック面の頂点における接平面から高さyにおけるコーニック面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)を示している。
S(y)=(y2/r/{1+(1−(1+K)/y2/r21/2} (1)
また、図4に示すように、表1におけるRは結像光学系10の光軸Xと光源22の法線X′との距離を示し、WDは第1対物レンズ11の作動距離を示し、nは集光部材23を構成する第1及び第2部材23P,23Sの媒質の屈折率を示す。また、r1は第1の屈折面23fの曲率半径を示し、r2は第2の屈折面23gの曲率半径を示す。また、図5に示すように、Δzは第1の光学面23bの曲面頂点と光源22との距離を示し、αは光源22の法線と第2の光学面23cの法線とのなす角度を示し、δは光源22の法線と第3の光学面23dの法線とのなす角度を示す。ここで、この表1に示す集光部材23においては、第1及び第2の屈折面23f,23gは、球面として形成している。
なお、この表1に示す集光部材23の外形寸法等の長さの単位は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大・比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることはなく、他の適当な長さの単位を用いることができる。また、これらの諸元値の説明は、以降の実施形態においても同様である。
(表1)
D1=14
D3=14.5
W = 9
H = 7
R =18
WD=40
n = 1.585
α =68.7°
δ =90°
r = 1.6
K =-1
r1=6
r2=6
Δz= 0.8
上述したように、第1部材23Pと第2部材23Sの間隔D2が広くなるほど、焦点Fが射出面23eに近づき、且つ、発散角ηが大きくなるため、図7から、この間隔D2が広くなるにしたがって、被照射領域が広くなっていることがわかる。そのため、結像光学系10のズーム倍率に応じて、第1部材23Pと第2部材23Sの間隔D2を変化させることにより、視野に相当する領域に適切な配光を制御することができる。
なお、本実施形態において、集光部材23は、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂によるモールド成型品とし、さらに、上述の第1〜第3の光学面23b〜23dにクロムやアルミを蒸着した反射部材を用いることが好ましい。あるいは、この集光部材23は、第1〜第3の光学面23b〜23d及び射出面23eが、以下の条件(1)〜(4)を満足するように形成されていることが好ましい。すなわち、(1)第1の光学面23bで反射した光が、第2の光学面23cに対してこの第2の光学面23cで全反射する角度で入射する。(2)第3の光学面23dで反射された光が、射出面23e(第2の反射面23cと連続する面)を透過する角度で入射する。また、(3)入射面23aから入射した光が、第1の光学面23bに対してこの第1の光学面23bで全反射する角度で入射する。(4)第2の光学面23cで反射した光が、第3の光学面23dに対してこの第3の光学面23dで全反射する角度で入射する。このように構成することで、集光部材23の表面にアルミ蒸着膜などの加工を施すことなく、この集光部材23の空気との境界面で光を全反射させることにより上記反射面(第1〜第3の光学面23b〜23d)を構成することができる。
以上のように、第1の実施形態に係る顕微鏡装置100においては、照明装置20により、試料面Oを均一に照明することができ、この試料面Oの観察に好適で優れた光学性能を得ることができる。また、集光部材23により、上述したような光路を形成することにより、光源22の法線(照明ユニット21の光軸X′)を結像光学系10の光軸Xに略平行に配置できるため、照明装置20及びこの照明装置20が装着された顕微鏡装置100を小型化することができる。しかも簡易な構造で廉価な材料製の照明ユニット21を用いているので、優れた光学性能を保持しながら、照明装置20及び顕微鏡装置100の小型化と低コスト化とを図ることができる。さらに、上述のように集光部材23を構成する第1部材23P及び第2部材23Sを相対移動させて間隔D2を変化させることにより、被照射領域の大きさを変化させることができるので、結像光学系10のズーム倍率に応じて適切な配光とすることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態で示した顕微鏡装置100は、第1対物レンズ11の周囲に8個の集光ユニット21を並べて配置した照明装置20を有しているが、図8に示すように、隣接する集光部材23の第1部材23P同士を第1の結合部24Pで結合し、第2部材23S同士を第2の結合部24Sで結合して、これらの集光部材23を第1対物レンズ11の周りに照明ユニット21の光軸X′が結像光学系10の光軸Xと略平行になるように環状に配置可能な集光ブロック25として構成することもできる。すなわち、この照明装置20は、複数の集光部材23(23P,23S)が結合部24(24P,24S)で結合されて輪帯状に配置された集光ブロック25と、この集光ブロック25が有する各々の集光部材23に取り付けられた光源22とからなる照明ユニット21として構成されている。このように、複数の集光部材23を一体化した集光ブロック25としても、熱可塑性樹脂によるモールド成型品として構成することが可能であり、また、照明ユニット21を個々に第1対物レンズ11の周りに配置したときと比較して、複数部品の組み立ての手間が省けるとともに、部品点数の削減によるコストダウンが可能となる。同様に、顕微鏡装置100にこの照明装置20を取り付けたときの各集光部材23(23P,23S)の位置決めが容易になる。また、第1部材23Pと第2部材23Sとを相対移動させて間隔D2を変化させるときも、これらの部材を一体に移動させることができるので、被照射領域の大きさの調整を容易にすることができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、集光部材23の第1部材23Pに形成された第1の屈折面23fと、第2部材23Sに形成された第2の屈折面23gとを、球面で形成した場合について説明したが、被照射領域における照度を均一にするために、これらの面を非球面とすることも可能である。
図9は、以下の表2に示す諸元の照明ユニット21を、第1対物レンズ11の周りに等間隔に8つ配置し、これらの照明ユニット21を点灯させたときの被照射領域(試料面O)での照度の状態(シミュレーション結果)を示している。なお、この表2に示す照明ユニット21を構成する集光部材23において、第1及び第2の屈折面23f,23gは、上述の式(1)で表される非球面として形成されており、r1は第1の屈折面23fの基準球面の曲率半径を、K1は第1の屈折面23fのコーニック定数を、r2は第2の屈折面23gの基準球面の曲率半径を、K2は第2の屈折面23gのコーニック定数をそれぞれ示している。
(表2)
D1=14
D3=14.5
W = 9
H = 7
R =18
WD=40
n = 1.585
α =68.7°
δ =90°
r = 1.6
K =-1
r1=4
K1=-2.5
r2=4
K2=-2.5
Δz= 0.8
この図9から明らかなように、第1及び第2の屈折面23f,23gを適切な非球面形状とすることで、第1及び第2部材23P,23Sの間隔D2を変化させても、照度ムラが抑えられ、均一な照明が実現されていることが分かる。
(第4の実施形態)
また、集光部材23の第1部材23Pに形成された第1の屈折面23fと、第2部材23Sに形成された第2の屈折面23gの形状は、図10に示すように、複数のマイクロレンズ223f,223gを2次元状に配置した形状としても良い。図10は、第1の屈折面23fを、9つの凸面状のマイクロレンズ223fを格子状に配置した場合を示し、また、これに対応して、第2の屈折面23gを、第1の屈折面23fと接合可能な、9つの凹面状のマイクロレンズ223gを格子状に配置した場合を示している。
図11は、以下の表3に示す諸元の照明ユニット21を、第1対物レンズ11の周りに等間隔に8つ配置し、これらの照明ユニット21を点灯させたときの被照射領域(試料面O)での照度の状態(シミュレーション結果)を示している。なお、この表3に示す照明ユニット21を構成する集光部材23において、第1及び第2の屈折面23f,23gは、球面状に形成された3×3のマイクロレンズ223f,223gで構成されており、r1は第1の屈折面23fの1つのマイクロレンズ223fの曲率半径を、r2は第2の屈折面23gの1つのマイクロレンズ223gの曲率半径をそれぞれ示している。
(表3)
D1=10.5
D3=17
W = 9
H = 7
R =18
WD=40
n = 1.585
α =68.7°
δ =90°
r = 1.6
K =-1
r1=3
r2=3
Δz= 0.8
この図11から明らかなように、第1及び第2の屈折面23f,23gを2次元状に配置されたマイクロレンズ223f,223gとすることにより、第1及び第2部材23P,23Sの間隔D2を変化させても、照度ムラが抑えられ、均一な照明が実現されていることが分かる。
10 結像光学系 20 照明装置 21 照明ユニット 22 光源
23 集光部材 23P 第1部材 23S 第2部材
23a 入射面 23b 第1の光学面 23c 第2の光学面
23d 第3の光学面 23e 射出面 23f 第1の屈折面
23g 第2の屈折面 223f,223g マイクロレンズ
24P 第1の結合部 24S 第2の結合部 25 集光ブロック
O 試料面 100 顕微鏡装置

Claims (21)

  1. 試料からの光を集光して前記試料の像を結像する結像光学系と、
    光源から放射された光の少なくとも一部を反射する第1の光学面、所定の屈折力を有し、前記光源から放射された光及び前記第1の光学面で反射された光を透過する第1の屈折面、所定の屈折力を有し、前記第1の屈折面を透過した光が透過する第2の屈折面、前記第2の屈折面を透過した光を反射する第2の光学面、及び、前記第2の光学面で反射された光を反射する第3の光学面を有し、前記第1の屈折面と前記第2の屈折面との距離が、前記結像光学系の光軸に略平行な光軸に沿って変化可能に構成してなる集光部材が、前記結像光学系の外周に離散的に2以上配置された照明装置と、を有することを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記集光部材は、前記第3の光学面が中心を向くように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記第1の光学面は、回転対称な曲面であり、該回転対称な曲面の回転対称軸は、前記結像光学系の光軸に略平行であることを特徴とする請求項1又は2記載の顕微鏡装置。
  4. 前記回転対称な曲面は、前記光源を焦点の1つとする略コーニック面であることを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡装置。
  5. 前記第1の屈折面と前記第2の屈折面とは互いに密接して接合可能な形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記第1の屈折面及び前記第2の屈折面は、球面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  7. 前記第1の屈折面及び前記第2の屈折面は、非球面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  8. 前記第1の屈折面及び前記第2の屈折面は、複数のマイクロレンズが2次元状に配置された形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  9. 前記集光部材は、
    前記光を透過する部材で構成され、前記部材の表面に形成された、前記光源から放射された光が入射する入射面、前記第1の光学面、及び、前記第1の屈折面を有する第1部材と、
    前記光を透過する部材で構成され、前記部材の表面に形成された前記第2の屈折面、前記第2の光学面、前記第3の光学面、及び、前記第3の光学面で反射された光が射出する射出面を有する第2部材と、から構成され、
    前記第1の屈折面と前記第2の屈折面とが対向するように前記第1部材及び前記第2部材を配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  10. 前記第1の光学面、前記第2の光学面、及び、前記第3の光学面の少なくとも1つは、前記部材の表面に設けられた反射部材で構成されていることを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡装置。
  11. 前記第1の光学面、前記第2の光学面、及び、前記第3の光学面の少なくとも1つは、前記部材の空気との境界面において前記光源からの光が全反射する角度で入射するように配置されていることを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡装置。
  12. 前記第2の光学面と前記射出面とは、前記第2部材の連続する面上に形成されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  13. 前記入射面は、前記光源を中心とする略球面の一部であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  14. 隣接する前記第1部材同士を第1の結合部で結合して一体に構成し、隣接する前記第2部材同士を第2の結合部で結合して一体に構成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  15. 2以上の前記集光部材の各々に取り付けられた光源を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  16. 試料からの光を集光して前記試料の像を結像する結像光学系と、
    所定の屈折力を有し、光源から放射された光を透過し、前記光を射出する第1の屈折面を有する第1部材と、所定の屈折力を有し、前記第1の屈折面から射出した光が透過する第2の屈折面を有する第2部材とを含み、前記第1の屈折面と前記第2の屈折面との距離が前記結像光学系の光軸に略平行な光軸に沿って変化可能に構成してなる集光部材が、前記結像光学系の外周に2以上配置された照明装置と、
    を有し、
    2以上の前記第1部材は、一体化された成型品であるとともに、2以上の前記第2部材は、一体化された成型品であることを特徴とする顕微鏡装置。
  17. 前記成型品は、モールドによって形成されたことを特徴とする請求項16記載の顕微鏡装置。
  18. 前記成型品は、樹脂からなることを特徴とする請求項17記載の顕微鏡装置。
  19. 前記集光部材は、曲率を有する面を少なくとも一つ備えることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
  20. 前記曲率を有する面は、全反射面であることを特徴とする請求項19に記載の顕微鏡装置。
  21. 2以上の前記第1部材の各々に取り付けられた光源を有することを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
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