JPWO2012053172A1 - 組網線入二重管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
外管と内管の間に組網線を介在させた後、引抜き加工を行うことにより当該組網線を外管内面と内管外面に密着させた組網線入二重管の製造方法であって、外管内面および内管外面を、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で、Ra<1.0μmを満たすように研磨した後、当該外管と内管の間に組網線を介在させ、空引きによる引抜き加工後の二重管の外径のダイス径に対する差(引細り量)を0.1mm〜0.3mmとし、次いで熱処理を行う。加工用ダイスとして、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用するのが望ましい。この方法で製造した二重管は、漏洩流体の流路を確保できるとともに、熱伝導性にも優れることから、高速炉の蒸気発生器を構成する伝熱管として好適である。
Description
本発明は、高速炉の蒸気発生器に用いられる組網線入二重管の製造方法に関する。
別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は次のとおりである。
「組網線入二重管」:組網線を内管と外管の間に介在させ、引抜き加工を行うことにより当該組網線を内管外面と外管内面に密着させた二重管である。「組網線」とは、例えば、細径の線材を多数配して編まれた網材を内管の外面に巻き付けて形成させた多孔質体である。
「組網線入二重管」:組網線を内管と外管の間に介在させ、引抜き加工を行うことにより当該組網線を内管外面と外管内面に密着させた二重管である。「組網線」とは、例えば、細径の線材を多数配して編まれた網材を内管の外面に巻き付けて形成させた多孔質体である。
高速炉プラントでは、原子炉内の冷却に用いた高温の液体金属ナトリウムを蒸気発生器に導入し、水と熱交換して蒸気を発生させる。この際、上記の蒸気発生器を構成する伝熱管には、外管と内管を機械的に密着させた二重壁構造の管材(二重管)が用いられる。蒸気発生器を構成する伝熱管に二重管を用いるのは、次の2つの理由による。
理由の1つは、二重管が耐亀裂性に優れるからである、蒸気発生器内では、伝熱管の内部に水が通され、その外部に液体金属ナトリウムが通される。このとき、伝熱管に肉厚方向へ貫通する亀裂が発生した場合、液体金属ナトリウムが水と接触すると爆発的な反応を起こすので、極めて危険である。
一重壁のソリッド管材では、内外面のいずれか一方の面に発生した表面欠陥が他方の面に伝播して肉厚方向に貫通した亀裂が発生しやすい。一方、二重管では、内管と外管とが機械的に接合しているのみで、壁面に発生した亀裂が他方の壁面に直ちに伝播して内外管両方の肉厚を貫通する亀裂になる恐れがない。このため、蒸気発生器を構成する伝熱管には耐亀裂性に優れる二重管が用いられる。
理由の他の1つは、二重管の破損を初期段階で検知できるからである。蒸気発生器を構成する伝熱管に二重管を用いた場合、亀裂が内外管のいずれか一方に生じると、亀裂に伴い漏洩した流体が外管と内管のわずかな隙間を通って管端に滲み出す。この管端への漏洩流体を検出することにより二重管の破損を初期段階で検知することができる。
しかし、表面が平滑な外管と内管のみからなる二重管は、その両者間の隙間がミクロン単位と極めて狭く、亀裂が生じてから漏洩流体が管端へ滲み出すまでに長時間かかり、亀裂の発見が遅れるという問題がある。一方、二重管は伝熱管として用いられるので、外管と内管の間に隙間がなく、熱伝導性に優れていることが求められる。
このため、外管と内管の間に多孔質層を介在させ、それによって内外管の間に漏洩流体の流路を確保するとともに、多孔質層を外管内面および内管外面と十分に密着させ、それにより多孔質層の密着性を高め、かつ熱伝導性にも優れる二重管とその製造方法についての提案が数多くなされている。
例えば、特許文献1では、外管と内管の間に介在させた多孔質金属層と内外管との合わせ面間にインサート材を介在させ、縮径加工を施して得られた二重管を、その両端部の内外管相互の合わせ面を気密シールしてから熱処理することにより、多孔質金属層を内外管のいずれか一方または両方と確実に密着させた高速増殖炉用二重管の製造方法が提案されている。
特許文献2には、外管と内管との間隙部への多孔質金属の充填率を70%〜95%の範囲とし、さらには、二重管加工前の外管内面と内管外面の少なくとも一方の面粗さを0.5μm〜1.6μmの範囲とし、またさらには、多孔質金属が線径の異なる複数本の細線を組網して成るものとした蒸気発生器用二重伝熱管、および、この二重伝熱管を得るために、外管と内管と多孔質金属とで囲まれる間隙部を真空に保持し、熱処理して外管と内管および多孔質金属をそれぞれ固相拡散接合する二重伝熱管の製造方法が開示されている。
特許文献3には、鉄基合金からなる内管および外管と、これらの間に介在された熱伝導性に優れ且つ3%≧の気孔率を有する多孔質体とを具備し、内管外面および外管内面に形成されている金属被覆層を介して前記多孔質体が内管および外管に接合されている、亀裂検出性能と熱伝達性能のいずれにも優れた蒸気発生器用伝熱管、およびこの伝熱管の製造方法として、内管と外管の間に挿入する多孔質体の気孔率を30%以上、抽伸加工の圧下率を70%以下とし、あるいは内管の外周面および外管の内周面に予め電気メッキ等により金属被覆層を形成する蒸気発生器用伝熱管の製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、外表面にコーティング層を薄くして熱伝達性を高めたセラミックスコーティング層を形成した内管を外管の中に挿入する工程と、内管を拡管して塑性変形させるとともに、セラミックスコーティング層に被加熱流体の漏洩検出流路となるひび割れを生じさせる工程とを有する二重伝熱管の製造方法が開示されている。
しかしながら、これら内管と外管の間に多孔質体を介在させた従来の二重管の製造においては、漏洩流体の流路を確保するための多孔性を維持するとともに良好な熱伝導性を維持するため、それぞれ特定の製造工程が必要とされている。
すなわち、特許文献1に記載の方法では、多孔質金属層と内外管との合わせ面間にインサート材を介在させ、プラグを使用して縮径加工を行う工程が必要である。特許文献2に記載の方法では、外管と内管との間隙部への多孔質金属の充填率や、二重管加工前の外管内面と内管外面の面粗さを規定しており、また、固相拡散接合では真空での処理が必要とされている。特許文献3に記載の方法では、多孔質体の気孔率と、抽伸加工の圧下率を規定し、あるいは内管の外周面および外管の内周面に予め電気メッキ等による金属被覆層の形成が必要とされている。また、特許文献4に記載の方法では、PVDやCVDによる内管表面へのセラミックスコーティング層の形成、および内管の拡管によるコーティング層におけるひび割れ形成のための工程が必要とされる。
本発明は、内管と外管の間に多孔質体を介在させた二重管の製造における上述の状況に鑑みてなされたもので、その目的は、外管と内管の間に漏洩流体の流路を確保するとともに、組網線を外管内面および内管外面と十分に密着させることにより熱伝導性にも優れる組網線入二重管を、特別な工程を付加することなく、簡素な手段により効率よく製造する方法を提供することである。
本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)外管と内管の間に組網線を介在させた後、引抜き加工を行うことにより当該組網線を外管内面と内管外面に密着させた組網線入二重管の製造方法であって、外管内面および内管外面を、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で、Ra<1.0μmを満たすように研磨した後、当該外管と内管の間に組網線を介在させ、空引きによる引抜き加工を行って、得られる二重管の外径のダイス径に対する差を0.1mm〜0.3mmとし、次いで熱処理を行うことを特徴とする組網線入二重管の製造方法。
ここで、「空引きによる引き抜き加工」とは、プラグを用いない引抜き加工をいう。
ここで、「空引きによる引き抜き加工」とは、プラグを用いない引抜き加工をいう。
図1は、空引きによる引抜き加工時に生じるダイス径と引抜加工後の二重管の外径との差を説明する図である。図1に示すように、外管1aに内管1bを挿入し、例えばテーパーダイス2を使用して白抜き矢印の方向に空引きを行って二重管1とした場合、管の内面がプラグにより拘束されていないため、二重管1の外径はダイス径と同じにはならず、一般に減径する。前記の「空引きにより得られる二重管の外径のダイス径に対する差」とは、図1において、ダイス径Ddから空引き後の二重管の外径Dpを差し引いた差dをいう。なお、空引き後の二重管の外径のダイス径に対する差dをここでは、「二重管の外径の引細り量」、または単に「引細り量」ともいう。
(2)加工用ダイスとして、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用することを特徴とする前記(1)に記載の組網線入二重管の製造方法。
(3)前記外管、内管および組網線の材質を9Cr−1Mo鋼(例えば、火力基準の火STBA28またはASME SA−213Gr.T91)とすることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の組網線入二重管の製造方法。
本明細書において、「火力基準」とは、発電用火力設備に関する技術基準をいう。
本明細書において、「火力基準」とは、発電用火力設備に関する技術基準をいう。
本発明の組網線入二重管の製造方法によれば、外管と内管の間に漏洩流体の流路が確保され、かつ組網線(多孔質体)が外管および内管と十分に密着しているため熱伝導性にも優れた組網線入二重管を、簡素な工程で効率よく製造することができる。この組網線入二重管は、高速炉の蒸気発生器用伝熱管の素材として好適である。
本発明者らは、上記の課題を解決して、組網線入二重管を簡素な工程で効率よく製造することができる方法について検討を重ねた。その結果、二重管引抜き加工前に、外管内面および内管外面を研磨により所定の表面粗さに仕上げ、空引きによる二重管引抜き加工を行って、加工後の二重管の実外径のダイス径に対する差を0.1mm〜0.3mmとすることにより、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面を十分に密着させることが可能であることを見いだした。
また、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用すれば、空引きの引抜き加工により、密着度を一層高めて、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面の確実な密着をより促進し得ることを知見した。
また、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用すれば、空引きの引抜き加工により、密着度を一層高めて、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面の確実な密着をより促進し得ることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
前述のように、本発明の組網線入二重管の製造方法においては、内管と外管の間に組網線を介在させた後、引抜き加工を行うことにより当該組網線を内管外面と外管内面に密着させることを前提としている。
これは、前述のように、組網線を内管と外管の間に介在させることにより、二重管を高速炉の蒸気発生器の伝熱管に適用した際における万一の亀裂発生時に、外管と内管の間に漏洩流体の流路を確保して亀裂の早期発見を可能にするとともに、優れた熱伝導性を有する二重管を得るためである。
内管と外管の間に組網線を介在させる方法としては、次のような方法があげられる。すなわち、細径線材を用いて所望のメッシュに編まれた板状の網を筒体に成形し、この筒体を内管と外管の間に挿入する方法、あるいは、前記板状の網を内管の外面に螺旋状に巻き付けた後、その内管を外管内に挿入する方法などである。
本発明は、このような前提の下に、外管内面および内管外面を、表面粗さがRa<1.0μmを満たすように研磨し、空引きによる引抜き加工を行って、得られる二重管の外径のダイス径に対する差を0.1mm〜0.3mmとし、次いで熱処理を行うことを特徴とする組網線入二重管の製造方法である。
外管内面および内管外面の研磨は、例えば、管外面についてはローラー式研磨装置を用いて行い、管内面については、管内に研磨紙をつけたプラグを往復運動させる内面研磨装置を用いて行えばよい。
本発明において、前記所定の研磨仕上げ後、空引きによる引抜き加工を行うのは、引抜き加工工程を簡素化して生産の効率化を図るためである。その場合、ダイス径に対する引抜加工後の二重管の実外径の差(引細り量)を0.1mm以上とするのは、引細り量をこの範囲に維持して引抜き加工を行うことにより、後工程の熱処理による作用とも相俟って前記外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面を十分に密着させ、二重管としての良好な熱伝導性を確保するためである。
一方、引細り量を0.3mm以下とするのは、これを超えると、被引抜き加工材の長手方向へ強い引張応力がかかり、被引抜き加工材が破断する可能性が高くなるためである。
一方、引細り量を0.3mm以下とするのは、これを超えると、被引抜き加工材の長手方向へ強い引張応力がかかり、被引抜き加工材が破断する可能性が高くなるためである。
引細り量は、管の外径、ダイス径、加工度等により定まり、前述の「0.1mm≦引細り量≦0.3mm」の条件はそれらを適宜選択することで維持される。なお、本発明の対象となる二重管の外径は、15〜40mmである。
空引きを行わず、例えば、プラグ引きをすれば界面の密着度が上がり、確実な密着も期待できるが、空引きによる引抜き加工を行うこととすれば、プラグの準備やそれの操作が不要となること、および鋼管の内外面を潤滑する工程やその作業を省略できることから、生産効率を大きく向上させることが可能となる。
空引きで使用するダイスの形状は、テーパー両角が25°以上のテーパーダイスが望ましい。この場合に、テーパー両角が30°以下のテーパーダイスを用いることがより望ましい。
図2は、冷間引抜き加工に用いられる加工用ダイスの断面形状を示す図であり、(a)はRダイス、(b)はテーパーダイスを示す。同図(a)に示すRダイス3は、管材をダイス孔中心に案内するための中心に向かって内径が縮小するアプローチ部3aと、一定の内径を有し管材の加工形状を決定する出口側のベアリング部3bと、逃げ部3cとを備えている。Rダイスのアプローチ部の形状は、曲率半径Rで規定される。
図2(b)に示すテーパーダイス2は、管材をダイス孔中心に案内するための中心に向かって内径が縮小するアプローチ部2aと、一定の内径を有し管材の加工形状を決定する出口側のベアリング部2bと、逃げ部2cとを備えている。テーパーダイスのアプローチ部の形状は、両角αで規定される。
図3は、種々の形状のダイスを用いて、内管と外管の間に円筒状の組網線を介在させた二重管の空引きによる引抜き加工後の実外径の測定結果を例示する図である。用いたダイスは、曲率半径が80mmのRダイス(図3中では、R80と表示)、曲率半径が40mmのRダイス(同様にR40と表示)、両角が25°のテーパーダイス(同様にテーパー25°と表示)および両角が30°のテーパーダイス(同様にテーパー30°と表示)である。ダイス径はいずれも31.55mmとした場合である。なお、図3中に示した矢印の長さは、引細り量を表す。
図3から明らかなように、ダイス径を同じとした場合、Rダイスを使用するよりも、テーパーダイスを使用する方が、引細り量を大きくすることができる。テーパーダイスを使用した場合、ダイス径(31.55mm)に対する二重管の実外径の差(引細り量)は、引細り量≧0.1mm以上の条件を満たしている。これに対し、曲率半径が80〜40mmのR型ダイスでは、引細り量が0.1mm未満であった。
これらの二重管について、熱処理工程を経た後、断面を光学顕微鏡により観察した結果、後述する実施例に示すように、引細り量≧0.1mmの条件を満たすテーパー25°およびテーパー30°のダイスを用いた場合は、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面において確実な密着が十分に進行していたが、引細り量が0.1mm未満のR80およびR40のダイスを用いた場合は、確実な密着が十分には進行していなかった。
本発明の組網線入二重管の製造方法では、加工用ダイスとして、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用する実施形態の採用が望ましい。これは、図3に示したように、テーパー両角が25°以上であれば、比較的容易に引細り量が0.1mm以上の条件を満たし得るからである。
一方、テーパ両角が30°を超えると、被引抜き加工材の長手方向へ強い引張応力がかかり、被引抜き加工材が破断する可能性が高くなるため、その上限を30°とする。
一方、テーパ両角が30°を超えると、被引抜き加工材の長手方向へ強い引張応力がかかり、被引抜き加工材が破断する可能性が高くなるため、その上限を30°とする。
本発明の組網線入二重管の製造方法では、空引きによる引抜き加工を行った後、熱処理を行う。前記所定の条件(0.1mm≦二重管の引細り量≦0.3mm)を満たす空引きによる引抜き加工で組網線と外管内面および内管外面との密着性を高めておくことにより、熱処理を施した際に、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面における確実な密着が促進される。
熱処理は、二重管の材質に応じて適宜の条件で施せばよい。例えば、内管および外管の材質が火STBA28、SA−213Gr.T91またはその相当鋼である場合は、1050℃付近の温度で30分間程度保持した後空冷する焼きならし(normalizing)を施し、次いで780℃付近の温度で60分間程度保持した後空冷する焼き戻し処理(tempering)を施せばよい。
本発明の組網線入二重管の製造方法では、外管、内管および組網線の材質を9Cr−1Mo鋼(火STBA28、SA−213Gr.T91)またはその相当鋼とする実施形態を採用するのが一般的である。前記材質の鋼の具体的な組成例として、火STBA28の組成を示すと、次のとおりである。すなわち、質量%で、C:0.08〜0.12%、Si:0.20〜0.50%、Mn:0.30〜0.60%、P≦0.020%、S≦0.010%、Ni≦0.40%、Cr:8.00〜9.50%、Mo:0.85〜1.05%、V:0.10〜0.25%を含有(残部はFeおよび不純物)する鋼である。
この材質の鋼は、高温特性(降伏点、クリープ強度)に優れていることから、ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管として広範囲に用いられており、高速炉においても多用されているが、組網線入二重管の各部の材質がこの9Cr−1Mo鋼の場合には、本発明の製造方法の特徴が最大限に発揮される。
二重管の原管となる外管、内管として、火STBA28の継目無し鋼管を用意した。それぞれの管の寸法は以下のとおりである。
外管:外径35.8mm、肉厚3.2mm、長さ10m
内管:外径24.7mm、肉厚3.2mm、長さ10m
外管:外径35.8mm、肉厚3.2mm、長さ10m
内管:外径24.7mm、肉厚3.2mm、長さ10m
これら外管の内面および内管の外面を、表面粗さがRa<1.0μmを満たすように研磨した後、前記内管の外面に、これと同材質の外径0.1mmの線材を1束当たり44本配して編まれた網材を巻き付けて組網線を形成した。なお、内管外面の研磨にはローラー式研磨装置を用い、外管内面の研磨には内面研磨装置を用いた。
この外面に組網線が形成された内管を前記外管内に挿入し、空引きによる引抜き加工を行って二重管とした。空引きに用いたダイスは、両角が25°のテーパーダイス(テーパー25°)、両角が30°のテーパーダイス(テーパー30°)、曲率半径が40mmのRダイス(R40)または曲率半径が80mmのRダイス(R80)である。ダイス径はいずれも31.55mmとした。引抜き加工後の二重管の外径の引細り量は、テーパー25°のダイスでは0.13mm、テーパー30°のダイスでは0.24mm、R40のダイスでは0.06mm、R80のダイスでは0.04mmであった。
その後、前記二重管に対して、光輝炉内で、1050℃×30分の焼きならし処理を施し、次いで780℃×60分の焼き戻し処理を行って組網線入二重管とした。
この組網線入二重管について、管断面を光学顕微鏡により観察して、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面における確実な密着の有無を確認した。
図4〜図7は、組網線入二重管の断面の顕微鏡写真であり、図4は空引きに両角が25°のテーパーダイスを用いた場合、図5は空引きに両角が30°のテーパーダイスを用いた場合、図6は空引きに曲率半径が40mmのRダイスを用いた場合、図7は空引きに曲率半径が80mmのRダイスを用いた場合である。図4〜図7のそれぞれにおいて、(a)は外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面を含む全体写真、(b)は外管と組網線の界面の拡大写真、(c)は組網線と内管の界面の拡大写真である。
図4または図5に示したように、両角が25°または30°のテーパーダイスを用いた場合、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面において、組網線と外管または内管とが一体化している箇所が多数認められ、確実な密着が十分に生じていることが確認できた。
これに対し、曲率半径が40mmまたは80mmのRダイスを用いた場合は、図6または図7に示したように、外管と組網線ならびに組網線と内管の両界面において、組網線と外管または内管とが一体化している箇所が必ずしも多くはなく、確実な密着が十分には進行していなかった。
本発明の組網線入二重管の製造方法は、高速炉の蒸気発生器を構成する伝熱管の素材の製造方法として好適であり、この産業分野において多大な貢献ができる。
1:二重管、 1a:外管、 1b:内管、
2:テーパーダイス、 2a:アプローチ部、 2b:ベアリング部、
2c:逃げ部、
3:Rダイス、 3a:アプローチ部、 3b:ベアリング部、
3c:逃げ部
2:テーパーダイス、 2a:アプローチ部、 2b:ベアリング部、
2c:逃げ部、
3:Rダイス、 3a:アプローチ部、 3b:ベアリング部、
3c:逃げ部
Claims (3)
- 外管と内管の間に組網線を介在させた後、引抜き加工を行うことにより当該組網線を外管内面と内管外面に密着させた組網線入二重管の製造方法であって、
外管内面および内管外面を、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で、Ra<1.0μmを満たすように研磨した後、当該外管と内管の間に組網線を介在させ、
空引きによる引抜き加工を行って、得られる二重管の外径のダイス径に対する差を0.1mm〜0.3mmとし、
次いで熱処理を行うことを特徴とする組網線入二重管の製造方法。 - 加工用ダイスとして、テーパー両角が25°〜30°のテーパーダイスを使用することを特徴とする請求項1に記載の組網線入二重管の製造方法。
- 前記外管、内管および組網線の材質を9Cr−1Mo鋼(例えば、火力基準の火STBA28またはASME SA−213Gr.T91)とすることを特徴とする請求項1または2に記載の組網線入二重管の製造方法。
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