JPWO2012042576A1 - 導電性ロープ - Google Patents

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Abstract

静電気がたまりにくく、かつ、取扱いやすい導電性ロープを提供する。導電性短繊維を含む導電性ロープ(4)である。導電性短繊維の端部からコロナ放電が起こることにより、導電性ロープ(4)に帯電した電荷を大気中に放電することができる。短繊維であるので導電性短繊維の端部の数が多くなり、コロナ放電が起こりやすく、放電量が多くなる。そのため、静電気がたまりにくい。

Description

本発明は、導電性ロープに関する。本発明の対象となるロープには、荷重の大小を問わず大径から小径のロープが含まれ、さらに、いわゆる紐や縄と称される細径のものも含まれる。具体的には、ストラップ等の軽荷重用のロープから、一般荷役用の中荷重用のロープ、さらにタンカーの曳航用や係船用の重荷重用のロープも含まれる。
船舶に使用される繊維ロープには、マニラロープ、タードロープ、合成繊維ロープ等がある。合成繊維ロープは、(1)耐久力が優れている、(2)一般に軽く、取扱いやすい、(3)湿気を吸収しないので腐食しない、という利点を有することから、現在の船舶用ロープの大半は合繊繊維ロープが使用されている。また、合成繊維ロープには、ナイロンロープ、ビニロンロープ、ポリエチレンロープ等があるが、合成繊維の中ではナイロンが最も引張強度が強いことから、ナイロンロープが最も多く用いられている(非特許文献1)。
ところで、ケミカルタンカー等、可燃性物質を運搬するタンカーでは、船内に蓄積した可燃性ガスと空気との比率が爆発に適合した状態になったときに、静電気による火花放電が起こると瞬時にして爆発が起こる(非特許文献2)。そのため、ケミカルタンカーの乗組員には、静電気の起こりにくい木綿等の服を着用し、静電気のたまりにくい導電性の高い靴を履くこと等が求められる。
従来は、ケミカルタンカーにもナイロンロープを使用していたが、ナイロンロープは静電気がたまりやすいため、ナイロンロープに蓄えられた静電気によって火花放電が起こり、爆発事故が起こる可能性があった。そのため、現在ではケミカルタンカーの係留ロープや曳航ロープとしてナイロンロープは使用されていない。
現在、ケミカルタンカーでは、ナイロンロープの代わりにワイヤを撚り合わせたワイヤロープが用いられている。ワイヤロープは導電性が高いため静電気がたまりにくく、静電気の火花放電によって爆発事故が起こる可能性はない。
しかし、ワイヤロープは重く硬いため取扱いづらく、また、タンカーの表面に当たって、タンカーが傷つくという問題がある。
板谷毅・藤井春三 共著、「最新運用読本」成山堂書店、平成11年6月8日発行、p.157 本田啓之助 著、「操船通論」成山堂書店、平成13年9月28日発行、p.229
本発明は上記事情に鑑み、静電気がたまりにくく、かつ、取扱いやすい導電性ロープを提供することを目的とする。
第1発明の導電性ロープは、導電性短繊維を含むことを特徴とする。
第2発明の導電性ロープは、導電性短繊維を含むヤーンが撚り合わされているストランドで形成されていることを特徴とする。
第3発明の導電性ロープは、導電性短繊維と被混撚繊維とが混撚されていることを特徴とする。
第4発明の導電性ロープは、導電性短繊維を含むヤーンと、被混撚繊維からなるヤーンとが撚り合わされているストランドで形成されていることを特徴とする。
第5発明の導電性ロープは、第3または第4発明において、前記被混撚繊維が超高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする。
第1発明によれば、導電性短繊維の端部からコロナ放電が起こることにより、導電性ロープに帯電した電荷を大気中に放電することができる。また、短繊維であるので導電性短繊維の端部の数が多くなり、コロナ放電が起こりやすく、放電量が多くなる。そのため、静電気がたまりにくい。さらに、繊維ロープであるので、軽く、取扱いやすい。
第2発明によれば、導電性短繊維の端部からコロナ放電が起こることにより、導電性ロープに帯電した電荷を大気中に放電することができる。また、短繊維であるので導電性短繊維の端部の数が多くなり、コロナ放電が起こりやすく、放電量が多くなる。そのため、静電気がたまりにくい。さらに、繊維ロープであるので、軽く、取扱いやすい。
第3発明によれば、被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができ、中荷重から重荷重の用途に用いることができる。
第4発明によれば、被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができ、中荷重から重荷重の用途に用いることができる。
第5発明によれば、超高分子量ポリエチレン繊維が混撚されているため、導電性ロープの引張強度を非常に強くすることができ、重荷重の用途に用いることができる。
本発明の第1実施形態に係る導電性ロープの説明図である。 導電性短繊維のコロナ放電の説明図である。 摩擦帯電圧の試験結果を示すグラフである。 摩擦帯電電荷量の試験結果を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1において、1は導電性短繊維を紡績して得られた導電性ヤーン、2はポリエチレン等導電性短繊維以外の繊維を紡績して得られた被混撚ヤーン、3は複数本の導電性ヤーン1および被混撚ヤーン2が撚り合わされているストランド、4は3本のストランド3を撚って形成される導電性ロープである。
導電性短繊維とは、導電性を有する繊維であって、繊維の長さが短く15cm以下のものをいう。導電性短繊維としては、例えば、コアブリッド(三菱レイヨン株式会社 登録商標)が用いられる。コアブリッドは、湿式アクリル繊維の芯鞘複合紡糸技術により形成される繊維であって、一本の繊維が、中心となる芯部と芯部の外周を覆う鞘部とからなる。芯部および鞘部には機能材を練りこむことができ、機能材として導電粒子を練りこむことで導電性短繊維とすることができる。なお、コアブリッドの繊維の長さは38mmである。
導電性ヤーン1は、導電性短繊維のみを紡績することで得てもよいし、導電性短繊維と他の繊維とを混ぜて紡績することで得てもよい。導電性短繊維に混ぜる繊維としてはポリエステル等が用いられる。
被混撚ヤーン2は、一般的なロープに用いられる繊維を紡績することで得られ、一般的なロープを形成するヤーンと同一の、公知のものである。本明細書および特許請求の範囲では導電性ヤーンと区別するため、便宜的に、この公知のヤーンを「被混撚ヤーン」と称する。
被混撚ヤーン2を形成する繊維としてはポリエチレンの他、ポリプロピレン、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン繊維等を用いることができ、形成される導電性ロープ4の用途に合わせて選択することができる。ただし、被混撚ヤーン2の伸び率が導電性ヤーン1の伸び率と同程度となるように、被混撚ヤーン2を形成する繊維を選択することが好ましい。伸び率が大きく異なると、導電性ロープ4に荷重が加わった場合に、伸び率が低い方のヤーン1あるいは2が切断されてしまうからである。なお、本明細書および特許請求の範囲では導電性短繊維と区別するため、便宜的に、被混撚ヤーンを形成する繊維を「被混撚繊維」と称する。
ストランド3は、複数本の導電性ヤーン1および被混撚ヤーン2が撚り合わされて形成されている。そのため、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2との割合を変えることで、導電性ロープ4に含まれる導電性短繊維の割合を調整することができる。例えば、導電性短繊維の割合を高くすると、後述のごとく静電気がたまりにくくなり、逆に、被混撚繊維の割合を高くすると、後述のごとく引張強度が強くなる。そのため、導電性ロープ4の用途に合わせて、導電性短繊維の割合として最適な値を選択することができる。
3本のストランド3をZ撚りにすることで、いわゆる3つ打ちの導電性ロープ4が形成される。
導電性ロープ4は、静電気がたまりにくく、たまった静電気も放電しやすい。その理由は以下の通りである。
図2に示すように、導電性短繊維fが帯電すると、導電性短繊維fの両端部からコロナ放電が起こる。ここで、コロナ放電とは、尖った電極から起こる、数μAの非常に弱い電流を大気中に持続的に放電する現象である。導電性短繊維fの場合、繊維の両端部が「尖った電極」となり、帯電した電荷をコロナ放電により放出することができる。したがって、コロナ放電が起こることにより、導電性ロープ4に帯電した電荷を大気中に放電することができるのである。
また、導電性短繊維fは短繊維であるので、導電性ロープ4に含まれる単位長さ当たりの端部の数が多くなる。そうすると、コロナ放電が起こりやすく、また、放電量が多くなる。そのため、導電性ロープ4に静電気がたまりにくい。
以上のごとく、導電性ロープ4は静電気がたまりにくいという性質を有する。また、導電性ロープ4は繊維ロープであるので、ワイヤロープに比べて、軽く、取扱いやすいという性質を有する。
(他の実施形態)
図1に示す導電性ロープ4は、3本のストランド3をZ撚りにした、いわゆる3つ打ちロープであるが、4本以上のストランドを撚った撚りロープとしてもよい。またZ撚りに限らず、S撚りで形成してもよい。また、撚りロープに限らず、組ロープや編みロープとするなど、種々の構成を選択することができる。
ここで、編みロープは、芯を鞘で被った構成をしているロープであって、芯と鞘は複数本のヤーンを編んだり撚ったりして形成されている。導電性ロープを編みロープとして構成するには、芯と鞘を形成するヤーンとして、導電性ヤーン1を用いればよい。
また、上記実施形態では、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2とを混撚することで導電性ロープを形成したが、導電性ヤーン1のみを用いて導電性ロープを形成してもよい。
さらに、本発明の対象となる導電性ロープには、荷重の大小を問わず大径から小径のロープが含まれ、さらに、いわゆる紐や縄と称される細径のものも含まれる。具体的には、以下に示すように、(1)ストラップ等の軽荷重用のロープ、(2)一般荷役用の中荷重用のロープ、(3)タンカーの曳航用や係船用の重荷重用のロープも含まれる。
(1)軽荷重用
軽荷重用の導電性ロープは、導電性ヤーン1のみを編んだり撚ったりして、細径に形成される。
軽荷重用の導電性ロープは、例えばストラップとして形成され、半導体やLEDなど静電気に弱い電子機器の工場や、火気厳禁の化学工場等において、作業員が社員証等を首から下げるのに使用される。ストラップを導電性ロープとすることで、ストラップと作業服が擦れても静電気がたまりにくい。そのため、電子機器工場では、静電気が電子機器に流れることにより故障することを防止できる。また、化学工場においては、静電気による火花放電によって、爆発事故が起こることを防止できる。
(2)中荷重用
中荷重用の導電性ロープは、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2とを混撚して形成される。被混撚ヤーン2を形成する被混撚繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられる。被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができる。
中荷重用のロープは、例えばトラックロープや、一般作業用のロープとして形成され、電子機器の物流や、火気厳禁な場所での荷役に使用される。トラックロープを導電性ロープとすることで、トラックロープと荷物とが擦れても静電気がたまりにくい。そのため、物流中に、静電気が電子機器に流れることにより故障することを防止できる。また、火気厳禁な場所においては、静電気による火花放電によって、爆発事故が起こることを防止できる。
(3)重荷重用
重荷重用の導電性ロープは、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2とを混撚して、大径に形成される。被混撚ヤーン2を形成する被混撚繊維としては、超高分子量ポリエチレン繊維等の引っ張り強度の強い繊維が用いられる。引っ張り強度の強い繊維が混撚されているため、導電性ロープの引張強度を非常に強くすることができ、重荷重の用途に用いることができる。
重荷重用のロープは、例えば船舶の係留ロープや曳航ロープとして形成され、特に、オイルタンカー、ケミカルタンカー、LNG船に使用される。ケミカルタンカー等のロープを導電性ロープとすることで、静電気による火花放電によって、爆発事故が起こることを防止できる。
(試験)
つぎに、本願発明の導電性ロープの性能試験について説明する。
(1)摩擦帯電圧試験
導電性ロープについて、摩擦帯電圧試験を行った。試験はJIS-L-1094に準拠して行い、摩擦布として、綿を用いた場合と、毛を用いた場合の2通りの試験を行った。導電性ロープは、導電性短繊維としてコアブリッドを使用し、被混撚繊維を混撚しないものとした。比較例として、ビニロンロープ、ポリエステルロープ、ナイロンロープも同条件で試験を行った。
試験結果は図3に示すとおりである。図3から分かるように、導電性ロープはいずれの比較例に比べても帯電圧が低い。そのため、導電性ロープは、比較例に比べて、摩擦による帯電が抑えられていることが分かる。
(2)摩擦帯電電荷量試験
導電性ロープについて、摩擦帯電電荷量試験を行った。試験はJIS-L-1094に準拠して行い、摩擦布として、アクリルを用いた場合と、ナイロンを用いた場合の2通りの試験を行った。導電性ロープは、被混撚繊維としての超高分子量ポリエチレン繊維に、導電性短繊維としてのコアブリッドを1.6%混撚したものとした。比較例として、ダイニーマロープ(東洋紡績株式会社 登録商標)、ナイロンロープも同条件で試験を行った。ダイニーマロープは、表面を収束剤でコーティングしたものと、収束剤でコーティングしていないもの両方を試験した。
試験結果は図4に示すとおりである。図4から分かるように、導電性ロープはいずれの比較例に比べても帯電電荷量が少ない。そのため、導電性ロープは、比較例に比べて、摩擦による帯電が抑えられていることが分かる。
以上の試験結果から、本発明に係る導電性ロープが、従来のロープに比べて、静電気がたまりにくいことが分かる。
1 導電性ヤーン
2 被混撚ヤーン
3 ストランド
4 導電性ロープ
【0002】
は使用されていない。
[0004]
現在、ケミカルタンカーでは、ナイロンロープの代わりにワイヤを撚り合わせたワイヤロープが用いられている。ワイヤロープは導電性が高いため静電気がたまりにくく、静電気の火花放電によって爆発事故が起こる可能性はない。
しかし、ワイヤロープは重く硬いため取扱いづらく、また、タンカーの表面に当たって、タンカーが傷つくという問題がある。
先行技術文献
非特許文献
[0005]
非特許文献1:板谷毅・藤井春三共著、「最新運用読本」成山堂書店、平成11年6月8日発行、p.157
非特許文献2:本田啓之助著、「操船通論」成山堂書店、平成13年9月28日発行、p.229
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0006]
本発明は上記事情に鑑み、静電気がたまりにくく、かつ、取扱いやすい導電性ロープを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007]
第1発明の導電性ロープは、導電性アクリル短繊維を含むことを特徴とする。
第2発明の導電性ロープは、導電性アクリル短繊維を含むヤーンは撚り合わされているストランドで形成されていることを特徴とする。
第3発明の導電性ロープは、導電性アクリル短繊維と被混撚繊維とが混撚されていることを特徴とする。
第4発明の導電性ロープは、導電性アクリル短繊維を含むヤーンと、被混撚繊維からなるヤーンとが撚り合わされているストランドで形成されていることを特徴とする。
第5発明の導電性ロープは、第3または第4発明において、前記被混撚繊
【0003】
維が超高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする。
発明の効果
[0008]
第1発明によれば、導電性アクリル短繊維の端部からコロナ放電が起こることにより、導電性ロープに帯電した電荷を大気中に放電することができる。また、短繊維であるので導電性アクリル短繊維の端部の数が多くなり、コロナ放電が起こりやすく、放電量が多くなる。そのため、静電気がたまりにくい。さらに、繊維ロープであるので、軽く、取扱いやすい。
第2発明によれば、導電性アクリル短繊維の端部からコロナ放電が起こることにより、導電性ロープに帯電した電荷を大気中に放電することができる。また、短繊維であるので導電性アクリル短繊維の端部の数が多くなり、コロナ放電が起こりやすく、放電量が多くなる。そのため、静電気がたまりにくい。さらに、繊維ロープであるので、軽く、取扱いやすい。
第3発明によれば、被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができ、中荷重から重荷重の用途に用いることができる。
第4発明によれば、被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができ、中荷重から重荷重の用途に用いることができる。
第5発明によれば、超高分子量ポリエチレン繊維が混撚されているため、導電性ロープの引張強度を非常に強くすることができ、重荷重の用途に用いることができる。
図面の簡単な説明
[0009]
[図1]本発明の第1実施形態に係る導電性ロープの説明図である。
[図2]導電性アクリル短繊維のコロナ放電の説明図である。
[図3]摩擦帯電圧の試験結果を示すグラフである。
[図4]摩擦帯電電荷量の試験結果を示すグラフである。
発明を実施するための形態
[0010]
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0004】
(第1実施形態)
図1において、1は導電性アクリル短繊維を紡績して得られた導電性ヤーン、2はポリエチレン等導電性アクリル短繊維以外の繊維を紡績して得られた被混撚ヤーン、3は複数本の導電性ヤーン1および被混撚ヤーン2が撚り合わされているストランド、4は3本のストランド3を撚って形成される導電性ロープある。
[0011]
導電性アクリル短繊維とは、導電性を有するアクリル繊維であって、繊維の長さが短く15cm以下のものをいう。導電性アクリル短繊維としては、例えば、コアブリッド(三菱レイヨン株式会社 登録商標)が用いられる。コアブリッドは、湿式アクリル繊維の芯鞘複合紡糸技術により形成される繊維であって、一本の繊維が、中心となる芯部と芯部の外周を覆う鞘部とからなる。芯部および鞘部には機能材を練りこむことができ、機能材として導電粒子を練りこむことで導電性アクリル短繊維とすることができる。なお、コアブリッドの繊維の長さは38mmである。
導電性ヤーン1は、導電性アクリル短繊維のみを紡績することで得てもよいし、導電性アクリル短繊維と他の繊維とを混ぜて紡績することで得てもよい。導電性アクリル短繊維に混ぜる繊維としてはポリエステル等が用いられる。
[0012]
被混撚ヤーン2は、一般的なロープに用いられる繊維を紡績することで得られ、一般的なロープを形成するヤーンと同一の、公知のものである。本明細書および特許請求の範囲では導電性ヤーンと区別するため、便宜的に、この公知のヤーンを「被混撚ヤーン」と称する。
被混撚ヤーン2を形成する繊維としてはポリエチレンの他、ポリプロピレン、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン繊維等を用いることができ、形成される導電性ロープ4の用途に合わせて選択することができる。ただし、被混撚ヤーン2の伸び率が導電性ヤーン1の伸び率と同程度となるように、被混撚ヤーン2を形成する繊維を選択することが好ましい。伸び率が大きく異なると、導電性ロープ4に荷重が加わった場合に、伸び率が低い方のヤーン1あるいは2が切断されてしまうからである。なお、本明細書および特許
【0005】
請求の範囲では導電性アクリル短繊維と区別するため、便宜的に、被混撚ヤーンを形成する繊維を「被混撚繊維」と称する。
[0013]
ストランド3は、複数本の導電性ヤーン1および被混撚ヤーン2が撚り合わされて形成されている。そのため、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2との割合を変えることで、導電性ロープ4に含まれる導電性アクリル短繊維の割合を調整することができる。例えば、導電性アクリル短繊維の割合を高くすると、後述のごとく静電気がたまりにくくなり、逆に、被混撚繊維の割合を高くすると、後述のごとく引張強度が強くなる。そのため、導電性ロープ4の用途に合わせて、導電性アクリル短繊維の割合として最適な値を選択することができる。
[0014]
3本のストランド3をZ撚りにすることで、いわゆる3つ打ちの導電性ロープ4が形成される。
[0015]
導電性ロープ4は、静電気がたまりにくく、たまった静電気も放電しやすい。その理由は以下の通りである。
図2に示すように、導電性アクリル短繊維fが帯電すると、導電性アクリル短繊維fの両端部からコロナ放電が起こる。ここで、コロナ放電とは、尖った電極から起こる、数μAの非常に弱い電流を大気中に持続的に放電する現象である。導電性アクリル短繊維fの場合、繊維の両端部が「尖った電極」となり、帯電した電荷をコロナ放電により放出することができる。したがって、コロナ放電が起こることにより、導電性ロープ4に帯電した電荷を大気中に放電することができるのである。
また、導電性アクリル短繊維fは短繊維であるので、導電性ロープ4に含まれる単位長さ当たりの端部の数が多くなる。そうすると、コロナ放電が起こりやすく、また、放電量が多くなる。そのため、導電性ロープ4に静電気がたまりにくい。
[0016]
以上のごとく、導電性ロープ4は静電気がたまりにくいという性質を有する。また、導電性ロープ4は繊維ロープであるので、ワイヤロープに比べて、軽く、取扱いやすいという性質を有する。
[0017]
(他の実施形態)
【0007】
中荷重用の導電性ロープは、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2とを混撚して形成される。被混撚ヤーン2を形成する被混撚繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられる。被混撚繊維が混撚されているので、導電性ロープの引張強度を強くすることができる。
中荷重用のロープは、例えばトラックロープや、一般作業用のロープとして形成され、電子機器の物流や、火気厳禁な場所での荷役に使用される。トラックロープを導電性ロープとすることで、トラックロープと荷物とが擦れても静電気がたまりにくい。そのため、物流中に、静電気が電子機器に流れることにより故障することを防止できる。また、火気厳禁な場所においては、静電気による火花放電によって、爆発事故が起こることを防止できる。
[0022]
(3)重荷重用
重荷重用の導電性ロープは、導電性ヤーン1と被混撚ヤーン2とを混撚して、大径に形成される。被混撚ヤーン2を形成する被混撚繊維としては、超高分子量ポリエチレン繊維等の引っ張り強度の強い繊維が用いられる。引っ張り強度の強い繊維が混撚されているため、導電性ロープの引張強度を非常に強くすることができ、重荷重の用途に用いることができる。
重荷重用のロープは、例えば船舶の係留ロープや曳航ロープとして形成され、特に、オイルタンカー、ケミカルタンカー、LNG船に使用される。ケミカルタンカー等のロープを導電性ロープとすることで、静電気による火花放電によって、爆発事故が起こることを防止できる。
[0023]
(試験)
つぎに、本願発明の導電性ロープの性能試験について説明する。
(1)摩擦帯電圧試験
導電性ロープについて、摩擦帯電圧試験を行った。試験はJIS−L−1094に準拠して行い、摩擦布として、綿を用いた場合と、毛を用いた場合の2通りの試験を行った。導電性ロープは、導電性アクリル短繊維としてコアブリッドを使用し、被混撚繊維を混撚しないものとした。比較例として、ビニロンロープ、ポリエステルロープ、ナイロンロープも同条件で試験を行った。
【0008】
[0024]
試験結果は図3に示すとおりである。図3から分かるように、導電性ロープはいずれの比較例に比べても帯電圧が低い。そのため、導電性ロープは、比較例に比べて、摩擦による帯電が抑えられていることが分かる。
[0025]
(2)摩擦帯電電荷量試験
導電性ロープについて、摩擦帯電電荷量試験を行った。試験はJIS−L−1094に準拠して行い、摩擦布として、アクリルを用いた場合と、ナイロンを用いた場合の2通りの試験を行った。導電性ロープは、被混撚繊維としての超高分子量ポリエチレン繊維に、導電性アクリル短繊維としてのコアブリッドを1.6%混撚したものとした。比較例として、ダイニーマロープ(東洋紡績株式会社登録商標)、ナイロンロープも同条件で試験を行った。ダイニーマロープは、表面を収束剤でコーティングしたものと、収束剤でコーティングしていないもの両方を試験した。
試験結果は図4に示すとおりである。図4から分かるように、導電性ロープはいずれの比較例に比べても帯電電荷量が少ない。そのため、導電性ロープは、比較例に比べて、摩擦による帯電が抑えられていることが分かる。
[0026]
以上の試験結果から、本発明に係る導電性ロープが、従来のロープに比べて、静電気がたまりにくいことが分かる。
符号の説明
[0027]
1 導電性ヤーン
2 被混撚ヤーン
3 ストランド
4 導電性ロープ

Claims (5)

  1. 導電性短繊維を含む
    ことを特徴とする導電性ロープ。
  2. 導電性短繊維を含むヤーンが撚り合わされているストランドで形成されている
    ことを特徴とする導電性ロープ。
  3. 導電性短繊維と被混撚繊維とが混撚されている
    ことを特徴とする導電性ロープ。
  4. 導電性短繊維を含むヤーンと、被混撚繊維からなるヤーンとが撚り合わされているストランドで形成されている
    ことを特徴とする導電性ロープ。
  5. 前記被混撚繊維が超高分子量ポリエチレン繊維である
    ことを特徴とする請求項3または4記載の導電性ロープ。
JP2012536032A 2010-10-01 2010-10-01 導電性ロープ Active JP5479606B2 (ja)

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