JPWO2012035663A1 - クランクシャフトの製造方法およびクランクシャフトの製造装置 - Google Patents

クランクシャフトの製造方法およびクランクシャフトの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、容易に精度よくクランクシャフトを製造することができる方法およびその装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の方法は、回転中心軸となるジャーナル部Jと、このジャーナル部Jから偏心するピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pとの間に延びるウエブ部Wとを有するクランクシャフト100を製造するためのものであって、素材1を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分p,wが形成された粗形材10を成形する予備成形工程と、粗形材10を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分wを所定の厚さに成形するとともに、ウエブ部Wを所定のピッチに成形する仕上成形工程とを含み、予備成形工程で、粗形材10のウエブ部となる部分wに肉薄部Tを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、クランクシャフトの製造方法およびクランクシャフトの製造装置に関し、特に、回転中心軸となるジャーナル部と、該ジャーナル部から偏心するピン部と、前記ジャーナル部とピン部との間に延びるウエブ部とを有するクランクシャフトの製造方法およびクランクシャフトの製造装置に関するものである。
クランクシャフトの製造に関する従来の技術として、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1には、冷間鍛造用材料からなる丸棒を切断して所定長さのビレット材(本発明では素材の一例にあたる)を形成し、該ビレット材を油圧ベンダで曲げ加工し、本願の図28に示すように各ジャーナル部となる部分j’と各ピン部となる部分p’とが軸直角方向へオフセットされたオフセット材料10’を形成し(曲げ工程)、次に、本願の図29に示すように該オフセット材料10’を軸方向に加圧して、本願の図30に示すように連接壁(本発明ではウエブ部の一例にあたる)W’間のピッチが所定寸法に形成されたクランク本体100’を圧縮成形(据え込み工程)することが開示されている。さらに特許文献1には、クランク本体とは別個に冷間鍛造成形された各カウンターウェイトをクランク本体の各連接壁に対して位置決めさせた状態で加圧して仮圧入した後に各カウンターウェイトを圧縮して各連接壁に塑性締結させて、クランク本体とカウンターウェイトとが一体化されてクランクシャフトを製造する方法が開示されている(0017)。
据え込み工程では、図29に示したようにオフセット材料10’のジャーナル部となる部分j’とピン部となる部分p’をそれぞれ型板30’,31’に保持し、これをケース32’内に摺動可能に収容して拘束した状態で軸方向に圧縮するよう加圧し、オフセット材料10’の連設壁となる部分w’を潰すように成形して、連接壁W’間のピッチを所定寸法に形成する。なお、据え込み工程で連設壁となる部分w’を潰すように成形することにより径方向に延ばして、オフセット材料10’のジャーナル部とピン部となる部分j’、p’の偏心量から、クランクシャフト100’のジャーナル部J’とピン部P’との偏心量に増大させる(連接壁となる部分w’を伸長させる)場合などでは、ピン部となる部分p’を保持する型板31’は、偏心量の増大に伴ってケース32’内で伸長させる方向に移動できるように構成されることもある。
特開2005−9595号公報
上記特許文献1においては、曲げ工程(本発明の予備成形工程と対比される)で、ただ単にビレット材を曲げ加工していたため、本願の図28にも示したように、オフセット材料(本発明の粗形材と対比される)10’のウエブ部となる部分w’が全体に曲げ加工によって厚さt’を素材の径よりも僅かに薄く成形されるにすぎなかった。そのため、オフセット材10’の据え込み工程では、ウエブ部となる部分w’の型板30’,31’に対する投影面積が大きく、所定の厚さまで潰すように成形するために大きな力が必要であった。そして、上記従来の技術では、図30に示したようにクランクシャフト100’のウエブ部W’の厚さに成形するためには、図29に示したように、据え込み工程(本発明の仕上工程と対比される)で、オフセット材料10’のウエブ部となる部分w’を潰す量が多かった。
ここで、据え込み工程でオフセット材料10’のウエブ部となる部分w’を潰すように成形するときには、図31に矢印Fで示すように、その材料がジャーナル部やピン部となる部分j’、p’に流れることとなる。そして、ジャーナル部とピン部となる部分j’、p’に流動した材料は図31に矢印Gで示すようにその径を拡大させようとして、型板30’,31’を押し広げて、ケース32’の内面に対する摺動摩擦抵抗が増大することとなる。その結果、据え込み工程を行う際にケース32’内で軸方向に加圧するために大きな力を必要とし、また、ウエブ部W’の厚さやピン部P’間のピッチなどを精度よく成形することが困難であり、さらに、型板30’,31’の端面がケース32’の内面に押し付けられて摺動摩擦抵抗が増大した状態で無理に軸方向に加圧しようとすると、図32に示したように型板30’,31’が曲がるなど変形したり、型板30’,31’のジャーナル部とピン部となる部分j’、p’を把持している部分の周囲に割れが生じたり、破損するなどの問題が発生することとなる。そのため、現実的に据え込み工程に使用する型を含む装置を構成することが困難であった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、容易に精度よくクランクシャフトを製造することができる方法およびその装置を提供することを目的とする。
本発明のクランクシャフトの製造方法は、回転中心軸となるジャーナル部と、該ジャーナル部から偏心するピン部と、前記ジャーナル部とピン部との間に延びるウエブ部とを有するクランクシャフトを製造する方法であって、素材を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分が形成された粗形材を成形する予備成形工程と、該粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形する仕上成形工程とを含み、前記予備成形工程で、粗形材のウエブとなる部分に肉薄部を形成することを特徴とするものである。
また、本発明のクランクシャフトの製造装置は、回転中心軸となるジャーナル部と、該ジャーナル部から偏心するピン部と、前記ジャーナル部とピン部との間に延びるウエブ部とを有するクランクシャフトを製造する装置であって、素材を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分が形成された粗形材を成形する予備成形装置と、該粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形する仕上成形装置とを備え、前記予備成形装置は、素材のピン部となる部分を把持するパンチと、ジャーナル部となる部分を把持するダイとを備えており、前記パンチとダイは、素材のウエブ部となる部分に肉薄部を形成するための突部を有することを特徴とするものである。
本願のクランクシャフトの製造方法に係る発明によれば、予備成形工程で、粗形材のウエブとなる部分に肉薄部を形成することにより、仕上成形工程で粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形するときに、かかるウエブ部となる部分の潰し量を低減させることができ、その結果、材料の流動を低減させることができることから、容易に精度よくクランクシャフトを製造することができる。
また、本願のクランクシャフトの製造装置に係る発明によれば、素材のピン部となる部分をパンチで把持するとともにジャーナル部となる部分をダイに把持して曲げ加工し、パンチとダイの突部によって素材のウエブ部となる部分に肉薄部を形成する。これにより、仕上成形装置で粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形するときに、かかるウエブ部となる部分の潰し量が低減され、その結果、材料の流動を低減させることができることから、容易に精度よくクランクシャフトを製造することができる。
本発明により成形される粗形材の実施の一形態を説明するために示した正面図である。 図1の部分拡大図である。 図2の状態から仕上成形を行って成形されたクランクシャフトの部分拡大図である。 本発明の予備成形装置の実施の一形態により予備成形を開始する前(a)と予備成形を開始した直後(b)の状態を説明するために示した部分拡大図である。 本発明のパンチおよびダイの実施の一形態を説明するために示した正面図(a)と側面図(b)である。 図5に示したパンチおよびダイを採用した予備成形装置を説明するために示した部分拡大図である。 従来の一般的なパンチおよびダイにより予備成形を行う場合の材料の流動(a)と、図5に示した本発明のパンチおよびダイにより予備成形を行う場合の材料の流動(b)とを比較して示した概念図である。 本発明により製造するクランクシャフトが機械加工によって成形される油孔を有する場合の実施の一形態を説明するために示した正面図である。 図8のA−A断面図である。 図8および図9に示したクランクシャフトを製造するためのダイまたはパンチの実施の一形態を説明するために示した縦断正面図(a)と、側面図(b)である。 クランクシャフトに機械加工によって成形する油孔(a)と、図10に示した突起(b)との角度および径の関係を示した説明図である。 油孔を有するクランクシャフトを製造するためのダイまたはパンチの別の実施の形態を説明するために示した側面図である。 図12に示したダイまたはパンチによって製造されるクランクシャフトの形状を説明するために示した断面図である。 個別の制御可能な軸方向駆動手段(a)と軸直交方向駆動手段(b)とを有する場合の予備成形装置を説明するために示した概念図である。 粗形材の中央に位置するジャーナル部を固定する中央ジャーナル部固定手段と、粗形材の両端を中央に向かって軸方向に加圧する軸方向加圧手段とを備えている場合の仕上成形装置の、仕上成形工程開始前(a)と仕上成形工程完了後(b)の状態を説明するための断面図である。 ジャーナル部から複数のピン部が同じ方向に偏心したクランクシャフトを製造する場合に、2番ピン部となる部分を予備成形する実施の一形態を、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態で示した説明図である。 図16に示した2番ピン部と同じ方向に偏心する3番ピン部となる部分を予備成形する実施の一形態を、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態で示した説明図である。 図17に示した状態から、2番、3番ピン部とは偏心方向が異なる1番ピン部となる部分を予備成形する実施の一形態を、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態で示した説明図である。 図17に示した1番ピンと同じ方向に偏心する4番ピン部となる部分を予備成形する実施の一形態を、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態で示した説明図である。 2番ピン、3番ピン部を成形するための仕上工程の実施の一形態を説明するために仕上成形工程前(a)と仕上成形工程後(b)の状態を示した断面図である。 1番ピン、4番ピン部を成形するための仕上工程の実施の一形態を説明するために示した断面図である。 予備成形で材料が流動することにより粗形材に発生する引けを示した説明図である。 図22のB−B拡大断面図である。 1番ピン部となる部分の予備成形を示した別の実施の形態の、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態と粗形材の説明図である。 次に2番ピン部となる部分の予備成形を示した、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態と粗形材の説明図である。 次に3番ピン部となる部分の予備成形を示した、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態と粗形材の説明図である。 次に4番ピン部となる部分の予備成形を示した、予備成形前(a)と予備成形後(b)の状態と粗形材の説明図である。 従来の技術により曲げ工程で曲げ加工されたオフセット材料を説明するために示した部分拡大図である。 従来の技術において、オフセット材料を軸方向に加圧して圧縮成形する据え込み工程を説明するために示した断面図である。 従来の技術により、連接壁間のピッチが所定寸法に形成されたクランク本体を説明するために示した部分拡大図である。 据え込み工程で、オフセット材料を軸方向に加圧して圧縮成形する時の材料の流動を説明するために示した部分拡大断面図である。 据え込み工程中の材料の流動によりジャーナル部が拡径してこれを把持している型板が変形した状態を示した説明図である。
1:素材、 10:粗形材、 100:クランクシャフト、 2:予備成形装置、 3:仕上成形装置、 20:パンチ、 21:ダイ、 22:突部、 26:カム機構(軸方向駆動手段)、 27:突起、 28:カム機構(軸方向駆動手段)、 30:型板、 31:型板、 32:ケース、 P:ピン部、 J:ジャーナル部、 W:ウエブ部、 p:ピン部となる部分、 j:ジャーナル部となる部分、 w:ウエブ部となる部分、T:肉薄部、H:油孔、
最初に、本発明のクランクシャフトの製造装置の基本的な構成を、主に図1〜図3に示した実施の一形態に基づいて説明する。なお、以下の記載と図面において、特に複数のピン部を有するクランクシャフト100について説明する場合には、各部のジャーナル部J、ピン部P、ウエブ部Wとを、また、その粗形材10と素材1について説明する場合には、各部のジャーナル部となる部分j、ピン部となる部分p、ウエブ部となる部分wとをそれぞれ特定するために、それぞれのアルファベット符号の後に続けて番号を付して記載することとし、特に複数のピン部を有することに限定されないクランクシャフト100、およびその粗形材10と素材1について説明する場合には、以下の記載においてアルファベット符号の後に番号を付さないで記載することとする。図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明は、概略、図8などに参照されるように、回転中心軸となるジャーナル部Jと、このジャーナル部Jから偏心するピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pとの間に延びるウエブ部Wとを有するクランクシャフト100を製造する装置であって、素材1を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分p、jが形成された粗形材10を成形する予備成形装置2と、粗形材10を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分wを所定の厚さに成形するとともに、ウエブ部Wを所定のピッチに成形する仕上成形装置3とを備えており、予備成形装置2は、素材1のピン部となる部分pを把持するパンチ20と、ジャーナル部となる部分jを把持するダイ21とを備えており、パンチ20とダイ21は、素材1のウエブ部となる部分wに肉薄部Tを形成するための突部22を有している。
この実施の形態における予備成形装置2は、図2に示すように、素材1のピン部となる部分pを保持するパンチ20と、ジャーナル部となる部分jを保持する一対のダイ21,21と、パンチ20を軸直交方向に駆動する軸直交方向駆動手段(後述する)と、ダイ21をパンチ20に対して軸方向に駆動する軸方向駆動主段26(後述する)とを備えており、パンチ20とダイ21は、そのウエブ部となる部分wを成形する部分に、粗形材10のウエブ部となる部分wを部分的に加圧して肉薄部Tを成形するための突部22を有している。
また、この実施の形態における仕上成形装置3は、図3に示すように、粗形材10のジャーナル部となる部分jを保持する型板30と、ピン部となる部分pを保持する型板31と、この型板30,31を径方向(軸直交方向)に拘束した状態で軸方向に移動可能に保持するケース32と、型板30,31をケース32内で軸方向に移動させて粗形材10のウエブ部となる部分wを型板30,31の間で潰し所定のピッチでウエブWを形成するよう軸方向に圧力を加える軸方向加圧手段26(後述する)とを備えている。
予備成形装置2のパンチ20は、素材1を軸直交方向に加圧する本体20aと、この本体20aの下方に設けられて素材1のピン部となる部分pを把持するパンチ押え20bとを有している。パンチ押え20bは、本体20aに対して開閉または着脱可能に取外すことができる。素材1は、本体20aに対してパンチ押え20bを開いた状態または取外した状態で配置され、その後本体20aに対してパンチ押え20bを閉じまたは取付けてクランプなどによってその状態を保持することにより、そのピン部となる部分pが把持される。パンチ20は、上盤23に取り付けられる。上盤23は、軸直交方向駆動手段として例えば素材1の軸直交方向に伸長退縮駆動するプレスのラムに接続されている。本体20aは、上盤23を下降させることによって把持した素材1のピン部となる部分pを軸直交方向に加圧し、このピン部となる部分pに隣接するウエブ部となる部分wを後述するダイ21の本体21aとの間で軸方向に部分的に加圧して肉薄部Tとなる凹部を形成するための突部22が形成されている。
ダイ21は、パンチ20と同様に、パンチ20との間でウエブ部となる部分wを潰すように成形する本体21aと、この本体21aの上方に設けられて素材1のジャーナル部jとなる部分を把持するダイ押え21bとを有しており、ダイ押え21bは、本体21aに対して開閉または着脱可能に取外すことができる。本体21aは、ウエブ部となる部分wに肉薄部Tとなる凹部を形成するための突部22が形成されている。そして、ダイは、軸方向に移動可能に設けられている。
軸方向駆動手段26は、例えば図4や図16〜19などに参照されるように、上盤23の下降によって互いに寄せるように移動するカム機構により構成することができる。軸方向駆動手段を構成するカム機構26は、駆動カム26aと、従動カム26bによって構成されている。なお、図4などに示した実施の形態におけるカム機構26は、一対のダイ21,21をそれぞれ軸方向に移動させる両カム機構26のカム面が同じ角度に設定されており、上盤23の下降によって両ダイ21,21を同様に寄せるように軸方向に移動させるものとなっている。駆動カム26aと従動カム26bは、パンチ20とダイ21によって把持された素材1と干渉することがないように、素材1の側部(図4などにおいては、紙面に対して手前と奥)に位置し、両カム26a、26bのカム面が対向するように配設される。そのため、図中には駆動カム26aと従動カム26bを鎖線で示している。駆動カム26aは、軸方向に対して移動することがないように設けられており、従動カム26bは、軸方向に移動可能に設けられてダイ21と連結されている。上盤23の下降に伴って駆動カム26aが押し下げられると、従動カム26bによって一対のダイ21,21が互いに寄るように軸方向に移動する。この実施の形態におけるカム機構26は、駆動カム26aが下降しておらず従動カム26bが互いに寄るように軸方向に移動していない(すなわち、素材1の予備成形が開始されていない)状態で、駆動カム26aと従動カム26bのカム面が互いに接するよう設定されている。従って、この実施の形態では、上盤23の下降による素材の軸直交方向の加圧とカム機構26による素材の軸方向の加圧とが同時に開始される構造となっている。なお、軸方向駆動手段26は、カム機構に限定されることはなく、軸方向に伸長・退縮する油圧シリンダなど、他のアクチュエータにより構成することもできる。
仕上成形装置3の型板30,31は、それぞれジャーナル部となる部分jとピン部となる部分pとを保持し、また取外すことができるように開閉または着脱可能に取外すことができるよう分割して構成されている。また、ケース32は全体がほぼ円筒状に形成されており、且つ、型板30,31に保持された粗形材10を内部に配置するとともに成形後に取り出すことができるように、開閉可能な半割り状に分割成形されており、仕上成形を行う際には半割り状のケース32が不用意に開くことがないように保持される。軸方向加圧手段33は、例えば、図20および図21に示すようにケース32の一方端を床面または壁面に当接させるとともに、他方端からプレスのラムなどに接続された押圧部材37を挿入することにより、または、図15に示すようにケースの両端からプレスのラムなどに接続された押圧部材37を挿入することにより、構成することができる。
次に、本発明のクランクシャフトの製造方法の基本的な構成を、上述したように構成された装置2,3を用いる場合により、この装置2,3の作動とともに主に図1〜図3に示した実施の一形態に基づいて説明する。なお、図1は、例えば直列4気筒の内燃機関などに用いるクランクシャフト100を製造する場合に、素材1を予備成形してなる粗形材10を示したもので、ジャーナル部となる部分jから所定の方向に偏心する4つのピン部となる部分p1〜p4と、ジャーナル部となる部分j01,j12,j23,j34,j45から所定の径方向に延びて各ピン部となる部分p1〜p4の両端をそれぞれ支持するウエブ部となる部分w10,w12、w21,w23、w32,w34、w43,w45が成形されている。
本発明は、概略、図8などに参照されるように、回転中心軸となるジャーナル部Jと、このジャーナル部Jから偏心するピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pとの間に延びるウエブ部Wとを有するクランクシャフト100を製造する方法であって、素材1を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分p,wが形成された粗形材10を成形する予備成形工程と、この粗形材10を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分wを所定の厚さに成形するとともに、ウエブ部Wを所定のピッチに成形する仕上成形工程とを含むものであり、予備成形工程で、粗形材10のウエブ部となる部分wに肉薄部Tを形成するものである。
素材1は、断面円形の棒状または線状の金属材料からなる。予備成形工程では、素材1は、図2に示したように、素材1のピン部となる部分pをパンチ20に把持し、ジャーナル部となる部分jをそれぞれダイ21,21に把持する。そして、パンチ20を素材1の軸直交方向に移動させて加圧するとともに、ダイ21,21をパンチ20に寄せるように軸方向に移動させて加圧する。素材1のピン部となる部分pは、ジャーナル部となる部分jから偏位し、これに伴って、ダイ21,21を互いに寄せるよう移動させることによってピン部となる部分pとジャーナル部となる部分jの間のウエブ部となる部分wをパンチ20の本体20aとダイ21の本体21aの間で軸方向に加圧する。パンチ20が素材1の軸直交方向に移動することによる加圧と、ダイ21,21が互いに寄るように軸方向に移動することによる加圧との合力により、ウエブ部となる部分wは、両突部22によって部分的に軸直交方向に加圧されて凹部が形成され、その結果、ウエブ部となる部分wに肉薄部Tが形成される。
図2に拡大して示したように、肉薄部Tは、従来の技術のようにただ単に素材1’を曲げ加工しただけのオフセット材料10’(図2の鎖線を参照)と比較して、厚さ方向aに薄くなっている。また、肉薄部Tは、軸方向(図2の左右方向)bも、径方向(図2の上下方向)cも、従来の技術と比較して薄くなっている。
次いで、図3に示したように、仕上成形工程では、粗形材10のピン部となる部分pとジャーナル部となる部分jに型板30,31を取り付け保持し、ケース32内に配置して軸方向に加圧する。粗形材10のウエブ部となる部分wに肉薄部Tが形成されているため、図3に示したように、仕上成形工程でジャーナル部とピン部となる部分j,pを型板30,31で保持してケース32内で軸方向に圧縮成形するよう加圧して、型板30,31間で粗形材10のウエブ部となる部分wを軸方向に潰すときに、粗形材10のウエブとなる部分wの厚さからクランクシャフト100のウエブ部Wの所定の厚さに潰す量が少なくて済み、また、型板30,31に接する投影面積が小さくなるため、軸方向の加圧力も小さくて済むこととなる。
さらに、予備成形工程で粗形材10のウエブ部となる部分wに肉薄部Tを形成することにより、仕上成形工程で軸方向に潰すよう圧縮成形されたウエブ部Wは、その角部に肉盗み形状が成形されることとなり、ジャーナル部Jを中心としてクランクシャフト100を軸回りに回転させたときのモーメントを低減させることができるので、カウンタウエイトを軽量化することができ、その結果、クランクシャフト100全体を軽量化することができる。
次に、本発明のクランクシャフトの製造装置の別の実施の形態を図4に基づいて説明する。なお、この実施の形態においては、上述した実施の形態と同様または相当する部分について同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
この実施の形態における予備成形装置2は、軸直交方向駆動手段が最初に素材1のピン部となる部分pを軸直交方向に加圧するのを開始し、その後、軸方向駆動手段26がピン部となる部分pとこれに隣接するジャーナル部となる部分jとの軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧するのを開始するよう構成されている。
図4に示した軸方向駆動手段を構成するカム機構26は、パンチ20が素材1のピン部となる部分pを軸直交方向に加圧するのを開始する状態で、駆動カム26aの上面が上盤23に対して所定の隙間Sを形成するように設定されている。従動カム26bは、下盤24のベース盤25上に軸方向に移動可能に支持されている。駆動カム26aは、上盤23の下面に吊下げ且つ上盤23が下降して駆動カム26aの上面に当接したときに素材1の軸方向に移動することがないように設け、または、駆動カム26aのカム面を従動カム26bのカム面に対して摺動するよう支持するとともに駆動カム26aを上方に付勢する構造とすることができる。また、駆動カム26aは、上盤23の下面に取り付けられ、上盤23が下降しておらず従動カム26bが互いに寄るように軸方向に移動していない状態で、駆動カム26aと従動カム26bの両カム面の間に垂直方向の隙間Sが生じるような構造とすることもできる。
次に、本発明のクランクシャフトの製造方法の別の実施の形態を、図4に示したように構成された予備成形装置2を用いる場合により、その作動とともに説明する。なお、この実施の形態においては、上述した実施の形態と同様または相当する部分について同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
この実施の形態における製造方法は、予備成形工程で、最初に素材のピン部となる部分pを軸直交方向に加圧するのを開始し、その後、該ピン部となる部分pとこれに隣接するジャーナル部となる部分jとの軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧するのを開始するものである。
予備成形工程では、図4(a)に示したように、上盤23を上昇させた状態で、所定長さに成形された素材1のジャーナル部となる部分jをダイ21に把持させるとともにピン部となる部分pをパンチ20に把持させ、上盤23を下降させる。すると、素材1のピン部となる部分pは、上盤23の下降開始に伴って軸直交方向に加圧され、これに従って素材1のウエブ部となる部分wとピン部となる部分pとの境界部分、および、ウエブ部wとなる部分とジャーナル部jとなる部分との境界部分が曲げ変形されることとなる。そして、図4(b)に示したように、さらに上盤23が下降して駆動カム26aに当接すると、上盤23の下降に伴って駆動カム26aも降下し、ダイ21と連結された従動カム26bにカム面が当接して、従動カム26bを互いに寄せる(両ダイ21,21をパンチ20に対してそれぞれ寄せる、と表現することもできる)よう軸方向に移動させ、ウエブ部となる部分wを軸方向に加圧する。このとき、素材1のウエブ部となる部分wとピン部およびジャーナル部となる部分p、jとのそれぞれの境界部が曲げ変形を既に開始しているため、ダイ21が素材1のジャーナル部となる部分jをすべることなく容易に且つ確実に把持して軸方向に加圧することができる。
続いてさらに上盤23を下降させると、素材1のウエブ部となる部分wは、パンチ20の本体20aとダイ21の本体21aの間で軸方向に加圧されて、両本体20a、21aに形成された突部22によって凹部が形成され、その結果、図2に示したように薄肉部Tが形成されることとなる。
次に、本発明における予備成形装置2のパンチ20とダイ21の異なる実施の形態を図5〜7に基づいて説明する。なお、パンチ20とダイ21はほぼ同様の形状であるため、図5〜7にはパンチ20の場合を示し、パンチ20と対応するダイ21の部位の符号については、カッコ付きで示すこととする。また、この実施の形態においては、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
図5の(a)は、パンチ20の正面図を、(b)は、パンチ20の側面図を示したものである。図6は、この実施の形態におけるパンチ20とダイ21を採用した予備成形装置2を示したものである。図7の(a)は、予備成形工程で、上述した基本的な構成のパンチ20とダイ21による素材1の材料の流動を矢印で示した説明図であり、図7の(b)は、この実施の形態におけるパンチ20とダイ21による素材1の材料の流動を矢印で示した説明図である。なお、上述した基本的な構成のパンチ20とダイ20の本体20a、21aの、素材1のウエブ部となる部分wに当接する部位は、この実施の形態と比較するために、図5の(b)に鎖線で示されている。
この実施の形態におけるパンチ20とダイ21の本体20a、21aは、素材1のウエブ部となる部分wに当接する部位が、素材1の材料をその径方向に流動させるよう傾斜した面Mが成形されている。図5(b)に示したように、素材1を保持する部分の上方に稜線Nが形成されており、稜線Nの両側の傾斜した面Mは、稜線Nから側方に向かって紙面に対して低く、且つ上方に向かって高くなるように傾斜している。
このように構成されたパンチ20とダイ21は、図6に示すように予備成形装置2の上盤23と下盤24のベース盤25とにそれぞれ設けられる。そして素材1の所定の位置を把持させて上盤23を下降し予備成形を開始すると、素材1の材料は、図7(b)に矢印で示したように、稜線Nから傾斜した面Mの突部22に押圧されて、素材1の軸方向だけでなく径方向に逃がすことができ、したがって、図7の(a)に矢印で示したように材料が軸方向に直接流動して粗形材10の長さが素材1よりも延びるようなことがなくなり、軸方向の剛性を比較的必要としないウエブ部Wの肉を減少させてクランクシャフト100の軽量化を図ることができる。
次に、パンチ20とダイ21のさらに別の変形例を図8〜11に基づいて説明する。なお、パンチ20とダイ21はほぼ同様の構成であるため、図8〜11にはダイ21の場合を示し、ダイ21と対応するパンチ20の部位の符号については、カッコ付きで示すこととする。また、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
図8および図9に示すように、クランクシャフト100には、通常、潤滑を目的とした油孔Hが形成されている。油孔Hは、ジャーナル部Jを径方向に貫通する軸直交方向油孔H1と、この軸直交方向油孔H1と連通しピン部Pに開口する傾斜油孔H2とを備えている。このような油孔Hは、一般に、クランクシャフト100を成形した後にドリルなどを用いる機械加工によって形成される。このような油孔Hを成形するための機械加工、特に傾斜油孔H2を成形するための機械加工を行う際には、予め下孔を形成する必要がある。そこで、この実施の形態では、パンチ20とダイ21の素材1を把持する部分の内周面に下孔を形成することが可能な突起27が形成されている。
図10に示すようにダイ21とパンチ20の素材1を把持する部分の内周面には、一対の突起27が形成されている。突起27の形状は、円錐状、または、三角錐や四角錐などの多角錐とすることができる。突起27の底面の角度θ(図11の(b))は、傾斜油孔H2の軸直交方向に対する角度θ(図11の(a))とほぼ同じに設定されており、また、突起27の径d(図11の(b))は油孔Hの径D(図9)以下に設定されている。
次に、本発明の製造方法の別の実施の形態を、図8〜11に示したように突起27が形成されたダイ21とパンチ20を用いる場合により、その作動とともに説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明の製造方法は、予備成形工程で、クランクシャフト100の油孔Hが開口する部分に機械加工のための下孔を成形するものである。そして、より具体的には、予備成形装置2の素材1を把持する部分の内周面に突起27が形成されたパンチ20とダイ21を予め用意し、本体21a,20aと、ダイ押え21bおよびパンチ押え20bとの間にそれぞれ素材1の所定位置を配置してクランプなどで保持することにより、後の工程でクランクシャフト100に油孔Hを機械加工するための下孔を素材1に形成する。この実施の形態では、クランクシャフト100を成形した後に油孔Hを機械加工するための下孔を形成する工程を省略することができる。また、突起27を形成することにより、パンチ20とダイ21に把持された素材1が予備成形時に相対的に滑るのを防止することができ、その結果、素材1に対する軸直交方向への加圧と同時に軸方向への加圧を開始するよう構成することができる。
次に、パンチ20とダイ21に形成する突起27の別の実施の形態を図12および図13に基づいて説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。この実施の形態では、図12に示すように、パンチ20とダイ21の素材1を把持する部分の内周面には、4つの突起27が周方向に等間隔に形成されている。各突起27は、これに隣接する一方の突起27から他方の突起27に向かって周方向に漸次径方向内側に突出するよう形成されている。
このように突起27が形成されたダイ21とパンチ21は、本体21a,20aとダイ押え素材21bおよびパンチ押え20bとの間にそれぞれ素材1の所定位置を配置してクランプで保持することにより、図13に示すように、周方向に深さが漸次深くなる溝状の下孔が形成されるため、クランクシャフト100を成形した後に油孔Hを機械加工するための下孔を形成する工程を省略することができ、また、パンチ20とダイ21に把持された素材1が予備成形時に相対的に滑るのを防止して素材に対する軸直交方向への加圧と同時に軸方向への加圧を開始するよう構成することができる。そして、この実施の形態においては、下孔が周方向に漸次深くなる溝状に形成されているため、クランクシャフト100として使用する際に、クランクシャフト100がジャーナル部Jを中心として軸回りに回転することによってこの溝状の下孔に潤滑剤が掬われて油孔H1に効率よく流入し、しかも、ジャーナル部Jやピン部Pとこれらを支持する軸受部Rとの間の接する面積が小さくなるため、軸受部Rに供給する潤滑剤の量を低減させることができ、その結果、潤滑剤を圧送するためのポンプの容量を低減して、クランクシャフト100を内燃機関に使用する場合には燃費を低く抑えることができることとなる。
次に、本発明の予備成形装置2の別の実施の形態を、図14に基づいて説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
図14の(a)と(b)は、いずれか一方が予備成形装置2の基本的な構成を示す正面図であり、いずれか他方がいずれか一方と直交する方向(紙面に対して垂直方向)から見た平面または底面図である。上述した実施の形態では、素材1のピン部となる部分pをパンチ20で把持して軸直交方向に加圧するのに伴って、カム機構26により、ジャーナル部となる部分jを把持したダイ21,21を、軸方向に互いに寄せるよう移動させて軸方向に加圧していたのに対して、この実施の形態における予備成形装置2は、素材1のピン部となる部分pをパンチ21で把持して軸直交方向に加圧するための手段40(図14(b))と、ジャーナル部となる部分jを把持したダイ21,21を、軸方向に互いに寄せるよう移動させて軸方向に加圧するための手段41(図14(a))とを個別に構成している。より具体的に説明すると、この実施の形態では、素材1のピン部となる部分pをパンチ20で把持して軸直交方向に加圧するための手段40は、図14の(b)に示すように、パンチ20に接続された油圧シリンダなどのアクチュエータ40により構成されており、素材1のジャーナル部となる部分jをダイ21でそれぞれ把持して軸方向に互いに寄せるよう軸方向に加圧するための手段41は、図14の(a)に示すように、プレス機のラムなどによる駆動によって可動盤42が固定盤43に近付くのに伴ってダイ21,21を互いに寄せるように軸方向に移動させるカム機構により構成されている。このようにカム機構41を採用することにより、上述した実施の形態と同様に、両ダイ21,21を軸方向に均等に移動させることができる。しかしながら、本発明はこの実施の形態に限定されることはなく、例えば、ダイ21を軸方向に互いに寄せるよう軸方向に加圧するための手段41は、カム機構41に代えて、軸方向に伸長・退縮するシリンダなどのアクチュエータをダイ21にそれぞれ接続してもよい。
次に本発明の製造方法の別の実施の形態を、図14に示したように構成された予備成形装置2を用いる場合により、その作動とともに説明する。
予備成形工程において、素材のピン部となる部分pに対する軸直交方向への加圧と、このピン部となる部分pとこれに隣接するジャーナル部となる部分jとの軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向への加圧とを、それぞれ個別の制御可能な駆動手段40,41によって行うものである。
この実施の形態では、軸直交方向に加圧する手段40と軸方向に加圧する手段41とを個別に構成したことにより、必要に応じて軸直交方向への加圧と軸方向への加圧とを個別に任意のタイミングで開始させることができ、さらに、パンチ20とダイ21が摩耗することにより誤差が生じた場合であっても、その生じた誤差に応じて、カム機構41を駆動するプレスのラムや油圧シリンダ40のストロークなどをそれぞれ個別に調整するよう制御することができる。そのため、粗形材10を精度よく予備成形することができる。
次に、本発明の仕上成形装置3の別の実施の一形態を図15に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態における仕上成形装置3は、粗形材10の中央に位置するジャーナル部となる部分jを固定する中央ジャーナル部固定手段(後述する)と、粗形材10の両端を中央に向かって軸方向に加圧する軸方向加圧手段36とを備えている。
図15の(a)は、粗形材10を軸方向に加圧する前の状態を示したものであり、図15の(b)は、粗形材10を軸方向に加圧してクランクシャフト100を成形した状態を示したものである。この実施の形態における仕上成形装置3は、複数のピン部P(図15では4つ)を有するクランクシャフト100を製造するためのものであって、上述したように粗形材10のジャーナル部とピン部となる部分j、pの一部または全部を保持する型板30,31と、この型板30,31を径方向(軸直交方向)に拘束した状態で軸方向に移動可能に保持するケース32と、型板30,31をケース32内で軸方向に移動させて粗形材10のウエブ部となる部分wを潰しウエブW間を所定のピッチに形成するよう軸方向に圧力を加える軸方向加圧手段36とを備えている。そして、この実施の形態では、粗形材10の中央に位置するジャーナル部となる部分jを保持する型板35が、ケース32に対して軸方向に移動不能に固定されており、また、軸方向加圧手段が、粗形材10の中央に位置するジャーナル部となる部分jに向かって両端から加圧するカム機構36、36によって構成されている。
次に、本発明の製造方法の異なる実施の形態を、図15に示した仕上成形装置3を用いる場合により、その作動とともに説明する。
この実施の形態における製造方法は、仕上工程で、粗形材10の中央に位置するジャーナル部となる部分j23を固定した状態で、粗形材10の両端を中央に向かって軸方向に加圧するものである。
図15に示した実施の形態における仕上成形装置3では、粗形材10の図の左方の端部に位置するピン(1番ピンと称する)と右方端部に位置するピン(4番ピンと称する)となる部分p1,p4がジャーナル部から同じ方向に偏心しており、1番ピンと4番ピンとなる部分p1,p4の間の2つのピン(左方を2番ピンと、右方を3番ピンと称する)となる部分p2,p3がジャーナル部となる部分jから同じ方向に偏心している。そして、この実施の形態では、後述するように1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間と、3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間とのジャーナル部となる部分j12,j34間を軸方向に加圧して同じ方向に偏心する2番ピン部と3番ピン部となる部分p2,p3に連続するウエブ部となる部分w21,w23,w34,w34を潰すように成形する場合で説明する。そのため、この実施の形態における仕上成形装置3は、粗形材10の同じ方向に偏心する2番ピンおよび3番ピンとなる部分p2,p3と、1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間および3番ピンと4番ピンとなる部分p3、p4の間のジャーナル部となる部分j12,j34を保持する可動型板31,30を備えている。これらの可動型板30,31は、ケース32内で軸方向に移動可能となっている。そして、1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間および3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間のジャーナル部となる部分j12,j34を保持する可動型板30は、ケース32内でジャーナル部となる部分j12,j34を径方向に移動させることなく保持し得るよう成形されており、さらにケース32の端部に向かってそれぞれ延びている。また、2番ピンおよび3番ピンとなる部分p2,p3を保持する可動型板31は、軸方向の加圧によってウエブ部となる部分wが潰され所定のピッチでウエブ部Wが成形されることによりジャーナル部Jに対してピン部Pが所定の偏心量となるのを許容し得るように、ケース32内で径方向に所定量移動可能に成形されている。また、粗形材10の中央部に位置するジャーナル部となる部分j23を保持する固定型板35は、ケース32の内径よりも長くまたは大きく成形されており、ケース32のほぼ中央には固定型板35の保持する凹部32aが形成されている。固定型板35とこれを保持するケース32の凹部32aは、中央ジャーナル部固定手段を構成する。ケース32は、全体がほぼ円筒状に形成されており、且つ、固定型板35および可動型板30,31に保持された粗形材10を内部に配置するとともに成形後に取り出すことができるように、開閉可能な半割り状に分割成形されている。
この実施の形態における軸方向加圧手段36はカム機構によって構成されている。カム機構36は、駆動カム36aと従動カム36bとにより構成されており、一対で設けられている。各駆動カム36aは、プレス機のラムなどに支持された上盤53に取り付けられ、各従動カム36bは下盤54上のベース盤55に摺動可能に設けられている。両従動カム36bの互いに対向する垂直面には、1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間および3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間のジャーナル部となる部分j12,j34を保持する可動型板30の、ケース32の端部に向かって延びた部分の端面を押圧する押圧部材37がそれぞれ設けられている。
次に、本発明の製造方法の別の実施の形態を、図15に示したように構成された仕上成形装置3を用いる場合により、その作動とともに説明する。
この実施の形態における製造方法は、仕上工程で、粗形材10の中央に位置するジャーナル部となる部分j23を固定した状態で、粗形材10の両端を中央に向かって軸方向に加圧するものである。
この実施の形態における仕上成形工程は、図15の(a)に示すように、粗形材10の1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間および3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間のジャーナル部となる部分j12,j34を可動型板30により保持し、また、2番ピンおよび3番ピンとなる部分p2,p3を可動型板31により保持し、さらに2番ピンと3番ピンとなる部分p2,p3の間のジャーナル部となる部分j23を固定型板35により保持し、反割り状に成形されたケース32内に配置し、固定型板35をケース32の内面の凹部32aに係合して、ケース32を閉じて円筒状とし保持する。そして1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間および3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間のジャーナル部となる部分j12,j34を保持する可動型板30の端部に従動カム36bの押圧部材37を当接し、上昇した状態の上盤53に設けられた一対の駆動カム36aの間に従動カム36bを配置する。そして、上盤53を下降させると、図15の(b)に示すように、駆動カム36aと従動カム36bのカム面が互いに摺動することによって両従動カム36bが互いに寄るように移動することとなる。そのため、粗形材10の1番ピンと2番ピンとなる部分p1,p2の間のジャーナル部となる部分j12と、3番ピンと4番ピンとなる部分p3,p4の間のジャーナル部となる部分j34との間は、それぞれ2番ピンと3番ピンとなる部分p2,p3の間のジャーナル部となる部分j23に向かって軸方向に均等に加圧され、2番ピンと3番ピンのウエブ部となる部分w21,w23,w32,w34を各型板30,31間で均等に潰するように成形することができる。
ここで、仕上成形工程では、ジャーナル部となる部分jをそれぞれ保持する型板30は、かかるジャーナル部となる部分jをケース32内で径方向に移動させないように拘束した状態で保持した状態で軸方向に移動させるために、ケース32の内周面よりも僅かに小さく成形されており、型板30の外周端面がケース32の内周面に摺動することとなる。ところで、型板30,31は、保持するジャーナル部となる部分jとピン部となる部分pの軸方向長さによってその厚さが決定されることから厚くできないため、強度を増加させることが困難となる傾向にある。従って、一般的な仕上成形工程を行って粗形材10を一方端から他方端に向かって軸方向に加圧する場合には、材料の流動になどによって、特にこの実施の形態における固定型板35と対応する中央に位置するジャーナル部となる部分j23を保持する型板30が型割れしたり曲がるなどして破損する場合が考えられる。しかしながら、この実施の形態では、中央に位置するジャーナル部となる部分j23を保持する固定型板35に対して両側から均等に軸方向に加圧することとしたので、固定型板35をケース32内で摺動させる必要がなくなり、したがって強度を増加させることが困難な固定型板35がケース32内での摺動による無理な力を受けることがないので、割れたり曲がるなどの破損を抑制することができる。
次に、本発明のクランクシャフトの製造装置の別の実施の形態を図16〜21に基づいて説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態における予備成形装置2は、複数のピン部(この実施の形態ではP1〜P4の4つ)を有するクランクシャフトを製造するためのものであって、ジャーナル部Jから同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部P2,P3となる部分p2,p3の予備成形と、1番ピン部および4番ピン部P1、P4となる部分p1,p4の予備成形とに分けて、各予備成形を順次行うものである。また、この実施の形態における仕上成形装置3は、粗形材10のジャーナル部となる部分jから同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部となる部分p2,p3の仕上成形と、1番ピン部および4番ピン部となる部分p1,p4の仕上成形とに分けて、各仕上成形を行うものである。
図16は2番ピン部となる部分p2の、図17は3番ピン部となる部分p3の、図18は1番ピン部となる部分p1の、図19は4番ピン部となる部分p4の、それぞれ予備成形を行う前(a)と予備成形を行った後(b)を示したものである。また、図20は粗形材10のジャーナル部となる部分jから同じ方向に偏心する2番ピン部と3番ピン部となる部分p2,p3の、図21は1番ピン部と4番ピン部となる部分p1,p4の仕上成形を行う前(a)と仕上成形を行った後(b)を示したものである。
予備成形装置2は、素材1の各ピン部となる部分pを保持するパンチ20とこのパンチ20の両側に位置するジャーナル部となる部分jをそれぞれ保持するダイ21とを備えており、ダイ21は各ジャーナル部となる部分jを保持し得るように、クランクシャフト100のジャーナル部Jと対応する数を有している。予備成形装置2は、各ピン部となる部分p1〜p4をそれぞれ予備成形する専用のものとして構成することができ、また、パンチ20とダイ21に対して素材1の位置を相対的にずらすか、または、素材1に対してパンチ20とダイ21の位置を相対的にずらすなどして、各ピン部となる部分p1〜p4を共通で予備成形するものとして構成することもできる。また、仕上成形装置3は、粗形材10のジャーナル部とピン部となる部分j12,j23,j34、および、p2、p3を保持する型板30,31,38と、この型板30,31,38を径方向(軸直交方向)に拘束した状態で軸方向に移動可能に保持するケース32と、型板30、31をケース32内で軸方向に移動させて粗形材10のウエブ部w21,23、および、w34,w43となる部分を潰し所定のピッチでウエブW21,W23,W34,W43間を形成するよう軸方向に圧力を加える軸方向加圧手段33を備えている。
型板30は、2番ピン部および3番ピン部なる部分p2,p3、または、1番ピン部および4番ピン部なる部分p1,p4を保持するものである。型板31は、1番ピン部と2番ピン部の間、2番ピン部と3番ピン部の間、および3番ピン部と4番ピン部の間のジャーナル部となる部分j12,j23,j34、または、1番ピン部と4番ピン部の端部側のジャーナル部となる部分j01、j45を保持するものであり、ジャーナル部となる部分j12,j34およびj01、j45を保持する型板31は、ケースの端部方向に延びている。型板38は、先に仕上成形された1番ピンと2番ピンの間のジャーナル部J12から3番ピンと4番ピンの間のジャーナル部J34までを保持するものである。ケース32は、2番ピン部および3番ピン部なる部分p2,p3を保持するための型板30と、1番ピン部と2番ピン部の間、2番ピン部と3番ピン部の間、3番ピン部と4番ピン部の間のジャーナル部となる部分j12,j23,j34を保持するための型板31とを収容する専用のものと、1番ピン部および4番ピン部なる部分p1,p4を保持するための型板30と、1番ピン部と4番ピン部の端部側のジャーナル部となる部分j01、j45を保持するための型板31と、先に仕上成形された1番ピンと2番ピンの間のジャーナル部J12から3番ピンと4番ピンの間のジャーナル部J34までを保持するための型板38とを収容するための専用のものとを用意することができる。また、ケース32は、2番ピン部および3番ピン部なる部分p2,p3を保持するための型板30と、1番ピン部と2番ピン部の間、2番ピン部と3番ピン部の間、3番ピン部と4番ピン部の間のジャーナル部となる部分j12,j23,j34を保持するための型板31とを保持するためのものと、1番ピン部および4番ピン部なる部分p1,p4を保持するための型板30と、1番ピン部と4番ピン部の端部側のジャーナル部となる部分j01、j45を保持するための型板31と、先に仕上成形された1番ピンと2番ピンの間のジャーナル部J12から3番ピンと4番ピンの間のジャーナル部J34までを保持するための型板38とを保持するためのものとを、共通で使用することができるのものを用意することもできる。
次に、本発明の予備成形工程の別の実施の形態を、図16〜19に示した予備成形装置を用いる場合により、その作動とともに説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態における予備成形工程は、概略、クランクシャフトが複数(この実施の形態ではP1〜P4の4つ)のピン部を有しており、ジャーナル部Jから複数のピン部Pが同じ方向に偏心したクランクシャフトを製造する場合において、ジャーナル部Jから同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部となる部分p2,p3ならびにそれらのウエブ部となる部分w21、w23、w34、w34の予備成形と、1番ピン部および4番ピン部となる部分p1,p4ならびにそれらのウエブ部w10,w12,w43,w45となる部分の予備成形とに分けて、各予備成形を順次行うものである。そして、この実施の形態における仕上成形工程は、ジャーナル部Jから同じ方向に偏心する2番ピン部P2および3番ピン部P3ならびにそれらのウエブ部W21,W23,W34,W34の仕上成形と、1番ピン部P1および4番ピン部P4ならびにそれらのウエブ部W10,W12,W43,W45の仕上成形とに分けて、各仕上成形を行うものである。
4つのピン部P1〜P4を有するクランクシャフトを製造するに際して、最初に図16(a)に示すように、棒状の素材1の、2番ピン部となる部分p2をパンチ20に保持させるとともに、2番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j12,j23をダイ21,21にそれぞれ保持させ、図16(b)に示すように、上盤23を下降させ、2番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w21,w23を予備成形する。このとき、ウエブ部となる部分w21,w23を軸方向に加圧して肉薄部Tを形成するための、パンチ20に対して両ダイ21,21を寄せるよう軸方向に移動させる量は、同じに設定されている。
次いで、図17(a)に示すように、2番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23が予備成形された素材1の、3番ピン部となる部分p3をパンチ20に保持させるとともに、3番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j23,j34をダイ21,21に保持させる。このとき、2番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23を予備成形した状態から素材1を軸回りに回転させる必要がない。続いて、図17(b)に示すように、上盤23を下降させ、3番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p3,w23,w34を予備成形する。ウエブ部となる部分w23,w34を軸方向に加圧して肉薄部Tを形成するための、パンチ20に対して両ダイ21,21を寄せるよう軸方向に移動させる量は、同じに設定されている。
次いで、図18(a)に示すように、2番ピン部および3番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23、p3,w23,w34が予備成形された素材1の、1番ピン部となる部分p1をパンチ21に保持させるとともに、1番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j01、j12をダイ21,21に保持させる。このとき、2番ピン部および3番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23、p3,w23,w34を予備成形した状態から素材1を軸回りに回転させる。続いて、図18(b)に示すように、上盤を23下降させ、1番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p1,w01,w12を予備成形する。ウエブ部となる部分w01,w12を軸方向に加圧して肉薄部Tを形成するための、パンチ20に対して両ダイ21,21を寄せるよう軸方向に移動させる量は、同じに設定されている。
その後、図19(a)に示すように、2番ピン部、3番ピン部、および1番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23、p3,w23,w34、p1,w01,w12が予備成形された素材1の、4番ピン部となる部分p4をパンチ20に保持させるとともに、4番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分w43,w45をダイ21,21に保持させる。このとき、2番ピン部、3番ピン部、および1番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w12,w23、p3,w23,w34、p1,w01,w12を予備成形した状態から素材1を軸回りに回転させる必要がない。続いて、図19(b)に示すように、上盤23を下降させ、4番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p4,w43,w45を予備成形する。ウエブ部となる部分w43,w45を軸方向に加圧して肉薄部Tを形成するための、パンチ20に対して両ダイ21,21を寄せるよう軸方向に移動させる量は、同じに設定されている。成形された粗形材10は、図1に示したように各ウエブ部w10,w12,w21,w23,w34,w34,w43,w45となる部分に肉薄部Tが形成されている。
その後、図20(a)に示すように、粗形材10の2番ピンおよび3番ピンとなる部分p2,p3と、1番ピンと2番ピンの間、2番ピンと3番ピンの間、および3番ピンと4番ピンの間のジャーナル部となる部分j12,j23,j34に対して型板30,31をそれぞれ装着し、ケース32内に配置して図20の(b)に示すように押圧部材37により軸方向に加圧する。粗形材10の2番ピン部と3番ピン部に隣接するウエブ部w21,w23,w34,w34となる部分は、図3に示したように所定の厚さに潰されるよう仕上成形されて、所定のピッチのウエブ部W21,W23,W34,W34となる。続いて、この半粗形材10/半クランクシャフト100の状態のものをケース32から取り出して、図21に(a)に示すように、仕上成形された1番ピンと2番ピンの間のジャーナル部J12から3番ピンと4番ピンの間のジャーナル部J34までを型板38で保持するとともに、1番ピンおよび4番ピンとなる部分p1、p4と、1番ピンおよび4番ピンにそれぞれ隣接する両端部に位置するジャーナル部となる部分j01、j45を型板30,31で保持し、ケース32内に配置して、軸方向に加圧する。粗形材10の1番ピン部と4番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w10,w12,w43,w45は、図3に示したように所定の厚さに潰されるよう仕上成形されて、所定のピッチのウエブ部W10,W12,W43,W45となる。
次に、本発明のクランクシャフトの製造装置とこの装置を用いた場合の製造方法の、さらに別の実施の形態を図22〜27に基づいて説明する。なお、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
上述した実施の形態における予備成形装置2は、ジャーナル部Jから同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部となる部分p2,p3の予備成形と、1番ピン部および4番ピン部となる部分p1、p4の予備成形とに分けて、各予備成形を順次行うものであったのに対して、この実施の形態における予備成形装置2は、概略、一方の端部に位置する1番ピン部となる部分p1から他方の端部に位置する4番ピン部となる部分p4に向かって、順次予備成形するものである。また、この実施の形態における予備成形装置2は、素材1の端部を拘束する端部拘束部材60と、一のピン部およびウエブ部となる部分p2,w21,w23またはp3,w32,w34と隣接して既に形成されたウエブ部w10,w12またはw21,w23となる部分のうちの他方の端部側のウエブ部となる部分w12またはw23とこのウエブ部に連続するジャーナル部となる部分j12またはj23を拘束するウエブ部−ジャーナル部拘束部材61とを有しており、予備成形装置2の軸方向駆動手段28は、ウエブ部となる部分w10,w12、w21,w23、w32,w34、w43,w45のうちの一方の端部側のウエブ部となる部分w21、w32、w43を他方の端部側のウエブ部となる部分w23、w34、w45よりも軸方向に多く(L1>L2)寄せるように加圧する構成とされている。
また、上述した実施の形態における予備成形工程では、予備成形工程で、ジャーナル部Jから同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部となる部分p2,p3と、1番ピン部および4番ピン部となる部分p1,p4とに分けて予備成形を順次行い、このとき、パンチ20に対して両ダイ21,21をそれぞれ同じ量で寄せるよう軸方向に移動させ、さらに、仕上成形工程で、ジャーナル部から同じ方向に偏心する2番ピン部および3番ピン部P2,P3と、1番ピン部および4番ピン部P1,P4とに分けて、各仕上成形を行うものであった。これに対して、この実施の形態では、予備成形工程で、1番ピン部となる部分p1から4番ピン部となる部分p4に向かって順次予備成形し、このとき、1番ピン部となる部分p1を予備形成するときに素材1の一方の端部を拘束した状態とし、次いで、既に成形された1番ピン部となる部分p1に隣接するウエブ部w10,w12となる部分のうちの、2番ピン部側のウエブ部となる部分w12とこのウエブ部となる部分に連続するジャーナル部となる部分j12とを拘束した状態で、この拘束した側(1番ピン部となる部分p1側)のウエブ部となる部分w21の成形のために2番ピン部となる部分p2に寄せる軸方向長さL1を、反対側(3番ピン部となる部分p3側)のウエブ部となる部分w23の成形のために2番ピン部となる部分p2に寄せる軸方向長さ長さL2よりも多く(L1>L2)移動させて、2番ピン部およびこれに隣接するウエブ部となる部分p2、w21、w23を成形し、続いて、2番ピン部となる部分p2と同様に、既に成形された2番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w21、w23のうちの、3番ピン部側のウエブ部となる部分w23とこのウエブ部となる部分に連続するジャーナル部となる部分j23とを拘束した状態で、この拘束した側(2番ピン部となる部分p2側)のウエブ部となる部分w32の成形のために3番ピン部となる部分p3に寄せる軸方向長さL1を、反対側(4番ピン部となる部分p4側)のウエブ部となる部分w34の成形のために3番ピン部となる部分p3に寄せる軸方向長さ長さL2よりも多く(L1>L2)移動させて、3番ピン部およびこれに隣接するウエブ部となる部分p3、w34、w34を成形し、その後、4番ピン部およびウエブ部となる部分p4,w43,w45を形成するときに素材1の他方の端部を拘束した状態で、既に成形された側(3番ピン部となる部分p3側)のウエブ部となる部分w43の成形のために4番ピン部となる部分p4に寄せる軸方向長さL1を、反対側(他端部側)のウエブ部となる部分w45の成形のために4番ピン部となる部分p4に寄せる軸方向長さL2よりもよりも多く(L1>L2)移動させて、4番ピン部およびこれに隣接するウエブ部となる部分p4、w43、w45を成形する。
この実施の形態における予備成形装置2は、軸方向駆動手段を構成する一方のカム機構28が上述した実施の形態のカム機構26と相違している。すなわちこの実施の形態においては、2番ピン部〜4番ピン部とそのウエブ部となる部分p2〜p4、およびw21,w23、w32,w34、w43,w45を成形する予備成形装置2は、図25〜図27に示したように、上盤23の下降に伴うダイ21の軸方向移動量が、ぞれぞれ図の左方に位置するダイ21の方が、図の右方に位置するダイ21よりも多くなるように異なって設定されている。そして、図25〜27に示した実施の形態においては、各図の左方のカム機構28の駆動カム28aと従動カム28bのカム面の角度が、各図の右方のカム機構26の駆動カムと26aと従動カム26bのカム面の角度と比較して、水平に近付くようになっており、左右のカム機構28,26で異なった設定となっている。
ここで、素材1のピン部となる部分pを軸直交方向に加圧するとともにこれに隣接するジャーナル部となる部分jを軸方向に互いに寄せるよう加圧してウエブ部となる部分wに肉薄部Tを成形する予備成形においては、ウエブ部となる部分wの材料が隣接するジャーナル部となる部分jに流動し、その結果、図22および図23に矢印で示すように素材1が軸方向に延びることとなる。そして素材1の温度や材質、加圧する速度などの条件によっては、この材料の流動により、特に、ウエブ部となる部分wとジャーナル部となる部分jの境界付近に引けKが生じる場合がある。そこで、この実施の形態においては、一のピン部となる部分pの予備成形で材料が流動することにより発生した引けKを、次のピン部となる部分pの予備成形で材料を逆に流動させて補充し、発生した引けKを補修するよう構成している。以下、図24〜図27に示した実施の形態に基づいて、より具体的に説明する。
上述したように構成されたこの実施の形態における予備成形装置を用いて、粗形材10を成形するに際しては、最初に図24(a)に示すように、棒状の素材1の、1番ピン部となる部分p1をパンチ20に保持させるとともに、一方の端部を端部拘束部材60に挿入して軸方向延びたり拡径しないように拘束し、1番ピン部となる部分p1に隣接するジャーナル部j01、j12となる部分をダイ21,21に保持させ、図24(b)に示すように、上盤23を下降させ、1番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p1,w10,w12を予備成形する。このとき、ウエブ部となる部分w10,w12を軸方向に加圧して肉薄部Tを形成するために、カム機構26,28によりパンチ20に対して両ダイ21,21を寄せるよう軸方向に移動させる量は、同じに設定されている。これにより成形された1番ピン部となる部分p1の他方端側に位置するウエブ部となる部分w12の材料が軸方向に流動して引けKがけ生じることとなる。
次いで、図25(a)に示すように、1番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p1,w10,w12を予備成形した状態から素材1を軸回りに回転させて、2番ピン部となる部分p2をパンチ20に保持させるとともに、2番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j12,j23をダイ21,21に保持させる。図25の左方に位置するダイ21には、1番ピン部に隣接するウエブ部w10,w12となる部分のうちの、2番ピン部側のウエブ部となる部分w12とこのウエブ部に連続するジャーナル部となる部分j12とを拘束するウエブ部−ジャーナル部拘束部材61が一体に成形されている。そして、この状態では、図の左方(一方の側)のダイ21は右方(他方の側)のダイ21と比較してパンチ20の延長線上からより離れて配置されている(L1>L2)。続いて、図25(b)に示すように、上盤23を下降させ、2番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p2,w21,w23を予備成形する。このとき、両ダイ21,21はパンチ20に対して同じ距離となるまで軸方向に移動される。すなわち、左方のダイ21の軸方向移動量L1が右方のダイ21の軸方向移動量L2よりも大きい(L1>L2)こととなる。そのため、図25(c)に示すように、2番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w21,w23のうち、1番ピン部側のウエブ部となる部分w21の材料が1番ピン部となる部分p1側に流動し、1番ピンの他方端側に位置するウエブ部となる部分w12に発生した引けKを修復することとなる。また、2番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w21,w23のうち、他方の端部側のウエブ部となる部分w23の材料が他方の端部側に流動し、2番ピンの他方端側に位置するウエブ部となる部分w23に引けKが発生することとなる。
次いで、図26(a)に示すように、1番ピン部および2番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p1,w10,w12、p2,w21,w23が予備成形された素材1の、3番ピン部となる部分p3をパンチ20に保持させるとともに、3番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j23,j34をダイ21,21に保持させる。図の左方に位置するダイ21には、2番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w21,w23のうちの、3番ピン部側のウエブ部となる部分w23とこのウエブ部に連続するジャーナル部j23とを拘束するウエブ部−ジャーナル部拘束部材61が一体に成形されている。そして、この状態では、図の左方(一方の側)のダイ21は右方(他方の側)のダイ21と比較してパンチ20の延長線上からより離れて配置されている(L1>L2)。続いて、図26(b)に示すように、上盤23を下降させ、3番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p3,w32,w34を予備成形する。このとき、両ダイ21,21はパンチ20に対して同じ距離となるまで軸方向に移動される。すなわち、左方のダイ21の軸方向移動量L1が右方のダイ21の軸方向移動量L2よりも大きい(L1>L2)こととなる。そのため、図26(c)に示すように、3番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w32,w34のうち、2番ピン部側のウエブ部となる部分w32の材料が2番ピン部となる部分p2側に流動し、2番ピンの他方端側に位置するウエブ部となる部分w23に発生した引けKを修復することとなる。また、3番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w32,w34のうち、他方の端部側のウエブ部となる部分w34の材料が他方の端部側に流動し、3番ピンの他方端側に位置するウエブ部となる部分w34に引けKが発生することとなる。
その後、図27(a)に示すように、1番ピン部、2番ピン部、および3番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p1,w10,w12、p2,w21,w23、p3,w34,w34が予備成形された素材1を軸回りに回転させて、4番ピン部となる部分p4をパンチ40に保持させるとともに、他方の端部を端部拘束部材60に挿入して軸方向延びたり拡径しないように拘束し、4番ピン部に隣接するジャーナル部となる部分j34,j45をダイ21,21に保持させる。そして、この状態では、図の左方(一方の側)のダイ21は右方(他方の側)のダイ21と比較してパンチ20の延長線上からより離れて配置されている(L1>L2)。続いて、図27(b)に示すように、上盤23を下降させ、4番ピン部とその両側に位置するウエブ部となる部分p4,w43,w45を予備成形する。このとき、両ダイ21,21はパンチ20に対して同じ距離となるまで軸方向に移動される。すなわち、左方のダイ21の軸方向移動量L1が右方のダイ21の軸方向移動量L2よりも大きい(L1>L2)こととなる。そのため、図27(c)に示すように、4番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w43,w45のうち、3番ピン部側のウエブ部となる部分w43の材料が3番ピン部となる部分p3側に流動し、3番ピンの他方端側に位置するウエブ部となる部分w34に発生した引けKを修復することとなる。これに対して、4番ピン部に隣接するウエブ部となる部分w43,w45のうち、他方の端部側のウエブ部となる部分w45の材料は、端部拘束部材60によって他方の端部側が拘束されているため、材料が他方の端部側に流動することがないために引けKが発生することはない。
本発明は、上記に限定されることはなく、単気筒あるいは4気筒以外の複数の気筒の内燃機関、さらには、直列以外の複数の気筒数を有する内燃機関、または、内燃機関以外の他の機関に使用されるクランクシャフトを製造する場合にも適用することができる。また、予備成形工程と仕上成形工程は、必要に応じて所定温度の熱間または冷間で行うことができる。

Claims (21)

  1. 回転中心軸となるジャーナル部と、該ジャーナル部から偏心するピン部と、前記ジャーナル部とピン部との間に延びるウエブ部とを有するクランクシャフトを製造する方法であって、
    素材を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分が形成された粗形材を成形する予備成形工程と、
    該粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形する仕上成形工程とを含み、
    前記予備成形工程で、粗形材のウエブ部となる部分に肉薄部を形成することを特徴とするクランクシャフトの製造方法。
  2. 前記予備成形工程でウエブとなる部分をその軸直交方向に加圧することにより前記肉薄部を形成することを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの製造方法。
  3. 前記予備成形工程で、素材のピン部となる部分を軸直交方向に加圧するとともに、該ピン部となる部分とこれに隣接するジャーナル部となる部分との軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧することを特徴とする請求項1または2に記載のクランクシャフトの製造方法。
  4. 前記予備成形工程で、最初に素材のピン部となる部分を軸直交方向に加圧するのを開始し、その後、該ピン部となる部分とこれに隣接するジャーナル部となる部分との軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧するのを開始することを特徴とする請求項3に記載のクランクシャフトの製造方法。
  5. 前記予備成形工程で、素材のピン部となる部分を軸直交方向に加圧するのに伴って、該ピン部となる部分とこれに隣接するジャーナル部となる部分との軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧することを特徴とする請求項3または4に記載のクランクシャフトの製造方法。
  6. 予備成形工程において、素材のピン部となる部分に対する軸直交方向への加圧と、該ピン部となる部分とこれに隣接するジャーナル部となる部分との軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向への加圧とを、それぞれ個別の制御可能な駆動手段によって行うことを特徴とする請求項3または4に記載のクランクシャフトの製造方法。
  7. クランクシャフトに油孔を機械加工によって成形する場合において、
    前記予備成形工程で、油孔が開口する部分に前記機械加工のための下孔を成形することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  8. クランクシャフトが複数のピン部を有しており、ジャーナル部から複数のピン部が同じ方向に偏心したクランクシャフトを製造する場合において、
    前記予備成形工程で、ジャーナル部に対して偏心する方向が同じピン部およびウエブ部となる部分毎に順次曲げ加工して粗形材を成形し、
    その後、前記仕上成形工程で、ジャーナル部に対して偏心する方向が同じピン部およびウエブ部となる部分毎に粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  9. クランクシャフトが複数のピン部を有するクランクシャフトを製造する場合において、
    前記予備成形工程で、素材の一方の端部から他方の端部に向かって順次曲げ加工してそれぞれのピン部およびウエブ部となる部分を形成し、
    一方の端部のピン部およびウエブ部となる部分を形成するときに素材の一方の端部を拘束し、
    中間部の一のピン部およびウエブ部となる部分を形成するときに、一のピン部およびウエブ部となる部分と隣接して既に形成されたウエブ部となる部分のうちの他方の端部側のウエブ部となる部分と該ウエブ部に連続するジャーナル部とを拘束して、一のウエブ部となる部分のうちの一方の端部側のウエブ部となる部分を他方の端部側のウエブ部となる部分よりも軸方向に多くの長さを寄せるように加圧し、
    他方の端部のピン部およびウエブ部となる部分を形成するときに、素材の他方の端部と、該端部のピン部およびウエブ部となる部分と隣接して既に形成されたウエブ部となる部分のうちの他方の端部側のウエブ部となる部分と該ウエブ部に連続するジャーナル部となる部分とを拘束して、端部のウエブ部となる部分のうちの一方の端部側のウエブ部となる部分を他方の端部側のウエブ部となる部分よりも軸方向に多くの長さを寄せるように加圧することを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造方法。
  10. 前記仕上工程で、粗形材の中央に位置するジャーナル部となる部分を固定した状態で、粗形材の両端を中央に向かって軸方向に加圧することを特徴とする請求項8または9に記載のクランクシャフトの製造方法。
  11. 回転中心軸となるジャーナル部と、該ジャーナル部から偏心するピン部と、前記ジャーナル部とピン部との間に延びるウエブ部とを有するクランクシャフトを製造する装置であって、
    素材を曲げ加工してピン部およびウエブ部となる部分が形成された粗形材を成形する予備成形装置と、
    該粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形する仕上成形装置とを備え、
    前記予備成形装置は、素材のピン部となる部分を把持するパンチと、ジャーナル部となる部分を把持するダイとを備えており、
    前記パンチとダイは、素材のウエブ部となる部分に肉薄部を形成するための突部を有することを特徴とするクランクシャフトの製造装置。
  12. 前記突部は、ウエブとなる部分をその軸直交方向に加圧することにより前記肉薄部を形成するものであることを特徴とする請求項11に記載のクランクシャフトの製造装置。
  13. 前記予備成形装置は、前記パンチを素材の軸直交方向に移動させる軸直交方向駆動手段と前記ダイを前記パンチに寄せるよう軸方向に加圧する軸方向駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項11または12に記載のクランクシャフトの製造装置。
  14. 前記予備成形装置は、軸直交方向駆動手段が最初に素材のピン部となる部分を軸直交方向に加圧するのを開始し、その後、軸方向駆動手段がピン部となる部分とこれに隣接するジャーナル部となる部分との軸方向の位置を互いに寄せるよう軸方向に加圧するのを開始するよう構成されていることを特徴とする請求項13に記載のクランクシャフトの製造装置。
  15. 前記ダイとパンチの、素材のウエブ部となる部分に当接する部位を、素材の材料をその径方向に流動させるよう傾斜させたことを特徴とする請求項13または14に記載のクランクシャフトの製造装置。
  16. 前記予備成形装置は、前記軸方向駆動手段が、前記軸直交方向駆動手段により前記パンチを素材の軸直交方向に移動させるのに伴って、前記ダイを前記パンチに寄せるよう軸方向に加圧するよう構成されていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造装置。
  17. 前記予備成形装置は、個別の制御可能な前記軸直交方向駆動手段と軸方向駆動手段によって構成されていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造装置。
  18. クランクシャフトが機械加工によって成形される油孔を有する場合において、
    前記予備成形装置のパンチとダイスが、油孔の開口する部分と対応する位置に前記機械加工のための下孔を成形するための突起を有することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造装置。
  19. クランクシャフトが複数のピン部を有しており、ジャーナル部から複数のピン部が同じ方向に偏心したクランクシャフトを製造する場合において、
    前記予備成形装置は、ジャーナル部に対して偏心する方向が同じピン部およびウエブ部となる部分毎に順次曲げ加工して粗形材を成形するものであり、
    前記仕上成形装置は、ジャーナル部に対して偏心する方向が同じピン部およびウエブ部毎に粗形材を軸方向に加圧してそのウエブ部となる部分を所定の厚さに成形するものであることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造装置。
  20. クランクシャフトが複数のピン部を有するクランクシャフトを製造する場合において、
    前記予備成形装置は、素材の一方の端部から他方の端部に向かって順次曲げ加工してそれぞれのピン部およびウエブ部となる部分を形成するものであって、
    一方または他方の端部のピン部およびウエブ部となる部分を形成するときに素材の一方の端部を拘束する端部拘束部材と、
    一のピン部およびウエブ部となる部分と隣接して既に形成されたウエブ部となる部分のうちの他方の端部側のウエブ部となる部分と該ウエブ部に連続するジャーナル部となる部分とを拘束するウエブ部−ジャーナル部拘束部材とを有しており、
    前記軸方向駆動手段は、ウエブ部となる部分のうちの一方の端部側のウエブ部となる部分を他方の端部側のウエブ部となる部分よりも軸方向に多くの長さを寄せるように加圧するよう構成されていることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載のクランクシャフトの製造装置。
  21. 前記仕上装置は、粗形材の中央に位置するジャーナル部となる部分を固定する中央ジャーナル部固定手段と、粗形材の両端を中央に向かって軸方向に加圧する軸方向加圧手段とを備えていることを特徴とする請求項19または20に記載のクランクシャフトの製造装置。
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