JPWO2011158932A1 - 周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法 - Google Patents

周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法 Download PDF

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Abstract

受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する場合に、受信信号の周波数オフセットを適切に推定し補償する、周波数オフセット推定装置を提供する。周波数オフセット推定装置は、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた受信信号を、N個の周波数成分を持つ周波数スペクトルに変換し、周波数スペクトルの、1からN/2までの負の周波数成分とN/2+1からNまでの正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限し、周波数帯域制限された周波数スペクトルの正の周波数成分と負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、それぞれの電力の電力差の絶対値が予め設定されたしきい値以下になるまで周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて周波数オフセットを推定する。

Description

本発明は、ディジタルコヒーレント光受信機および無線通信受信機における周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法に関する。
本願は、2010年6月17日に日本へ出願された特願2010−138402号、および、2010年11月10日に日本へ出願された特願2010−251868号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
光通信の分野において、周波数利用効率を飛躍的に向上させる同期検波方式とディジタル信号処理を組み合わせたディジタルコヒーレント通信システムが注目されている。ディジタルコヒーレント通信システムは、直接検波により構築されていたシステムと比較すると、受信感度を向上させることができるだけでなく、送信信号をディジタル信号として受信することで、光ファイバ伝送によって受ける波長分散や偏波モード分散による送信信号の波形歪みを補償することができることが知られており、次世代の光通信技術として導入が検討されている。
コヒーレント受信機において受信された信号光は、局部発振光と掛け合わされてベースバンド信号に変換される。信号光の搬送波や局部発振光を生成するレーザ発振器は、無線通信用の発振器で一般に用いられている位相同期ループによる周波数安定化が困難であり、送信機のレーザ発振器の出力周波数と受信機のレーザ発振器の出力周波数との間に大きな周波数オフセットが生じる。実際の光通信システムにおいて周波数オフセットは、±5GHzに達する。コヒーレント通信システムでは搬送波の位相に情報を乗せているため、受信機において周波数オフセットを推定し、補償する必要がある。
また無線通信においては、送信機と受信機に用いている基準発振器の発振周波数の誤差や送信機と受信機の移動に伴うドップラーシフトにより周波数オフセットが生じる。この場合も受信機において周波数オフセットを推定し、補償する必要がある。
従来の周波数オフセットの推定には、既知のパイロットシンボルを用いる方法がある(非特許文献1参照)。しかしながらこの方法には、情報伝送に寄与しない既知のパイロットシンボルを送信信号に付加することによる伝送速度の低下や、既知のパイロットシンボルを検出するための回路や手順が必要となるという欠点がある。
一方、既知のパイロットシンボルを必要としない周波数オフセット推定方法には、1シンボル周期におけるシンボルの位相変化情報を利用する位相増加アルゴリズムや(非特許文献2参照)、周波数スペクトルを利用する方法(非特許文献3参照)が知られている。
図17はM-PSK(M-Phase Shift Keying)変調信号に対して位相増加アルゴリズムを用いる従来の周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。図17に示される周波数オフセット推定装置は、1シンボル遅延部101、複素共役部102、乗算部103、M乗部104、加算部105、位相検出部106を備えている。
入力信号I+jQは、受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。この入力信号は二分岐され、分岐された一方の信号は1シンボル遅延部101および複素共役部102を通過し、分岐された他方の信号と乗算部103で乗算されて、1シンボル間の位相変化情報を持った複素信号となる。この複素信号をM乗部104でM(正の整数)乗することにより、データの変調に起因する位相変化を取り除く。この位相変化を取り除いた信号を加算部105でN(正の整数)シンボルに渡って加算することにより、位相に関する平均化を行い、瞬時的な変化を取り除く。この加算後の信号から位相検出部106で位相を取り出し、さらに、M乗部104のM乗の演算によって1シンボル間の位相変化のM倍になっている位相を1/M倍にしている。この結果、周波数オフセットによって生じる1シンボル間の位相変化Δθを得る。周波数オフセット推定値Δfは次式によって算出される。ただし、この式においてRSはシンボルレートである。
Figure 2011158932
図18は周波数スペクトルを利用する従来の周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。図18の周波数オフセット推定装置は、乗算部107、FFT(fast Fourier transform)部108、周波数誤差検出部109、NCO(numerically-controlled oscillator)110を備えている。
入力信号I+jQは、受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。この入力信号はNCO110の出力信号と乗算部107で乗算されて、その周波数が変更される。この周波数が変更された信号はFFT部108に入力されて周波数領域の周波数スペクトルに変換される。周波数誤差検出部109は周波数スペクトルを測定し周波数誤差信号を出力する。この周波数誤差信号を元に、NCO110はその出力信号の周波数を所定のステップで変化させる。以上のループの演算を周波数誤差信号がほぼ0となるまで繰り返し、周波数誤差信号がほぼ0となって収束した時点で周波数オフセット推定が完了する。
図17に示される位相増加アルゴリズムは、コンスタレーション上で信号点が等位相間隔に配置されているM-PSK変調信号に対してのみ正確に動作し、直交振幅変調(QAM: quadrature amplitude modulation)で変調された信号に対しては動作しない。QAMで変調された信号に対して、既知のパイロットシンボルを必要としない周波数オフセット推定方法が非特許文献4や非特許文献5に開示されている。これら文献に記載されている推定方法を表す数式は以下の通りである。
Figure 2011158932
ここで、y(p,t)は受信信号であり、偏波pと時間tの関数である。また、Nは推定に用いるシンボル数、RSはシンボルレートである。
Figure 2011158932
ここで、数式2の周波数オフセットの推定範囲は、数式3により制限されている。
次に、この推定方法の動作について、図19から図22を参照して説明する。
図19から図22は、上述の非特許文献4や非特許文献5に係る周波数オフセット推定方法の動作を示す説明図である。
図19に示すものは、64QAMで変調された信号に対して、0またはRS/4の整数倍の周波数オフセットを持っており、また位相オフセットが残留している場合のコンスタレーションである。信号点の周期はシンボルレートの逆数1/RSであり、周波数オフセットがRS/4であればコンスタレーション上の信号点は周波数オフセットが0の時の位置から丁度π/2回転したところに位置にする。すなわち周波数オフセットが0の時とRS/4の整数倍の周波数オフセットの時とでは同じコンスタレーション配置を示す。QAMで変調された信号はπ/2の位相対称性を持っているため、ある1つの信号点の位相を位相θとすると、原点からの距離がこの信号点と原点との距離に等しい点であって、且つこの信号点に対してπ/2の整数倍の位相差を持つ点が他に3点ある。図19においては、これらの点を黒丸k1からk4で示している。これら4点の黒丸k1,k2,k3,k4の位相βは、次の数式4で表される。
Figure 2011158932
これらの信号を4乗した場合の位相は4βであり、次の数式5で表される。
Figure 2011158932
すなわち、黒丸の4点k1,k2,k3,k4は4乗すると複素平面上の同一点に収束する。同様に他の信号点も4乗すると原点からの距離が等しくπ/2の整数倍の位相差を持つ4点ごとに複素平面上の同一点に収束する。
図20は、図19のコンスタレーションの信号点を4乗した場合の信号点配置図である。図19の64点は図20では16点に収束している。これらの信号点は実軸(横軸)および虚軸(縦軸)に対して非対称であり、信号点の加算値または平均値は0ではない値を取る。
図21に示すものは、64QAMで変調された信号に対して、RS/4の整数倍以外の周波数オフセットが有る場合のコンスタレーションである。原点からの距離が等しい信号点が円周上に配置されている。図22は、図21のコンスタレーションの信号点を4乗した場合の信号点配置図である。これらの信号点は実軸(横軸)および虚軸(縦軸)に対して対称であるため、信号点の加算値または平均値は0になる。
上述した数式2には、次に示す項が存在する。
Figure 2011158932
この項を評価関数φc(f)とすると、これは、受信信号y(p,t)を4乗した後に、周波数fの逆回転演算子exp(-j2πft)を作用させて時間平均を取る操作である。逆回転演算子exp(-j2πft)の作用は、元の信号の周波数を−fだけ周波数変換する。従って、受信信号y(p,t)の周波数オフセットがfoの時、評価関数φc(f)の中の周波数fがf≠4fo+kRS(kは整数)の時に評価関数φc(f)は0となる。また、周波数fがf=4fo+kRS (kは整数)の時に評価関数φc(f)は0ではない値を取る。
さらに、数式3の周波数オフセットの推定範囲の制限によってkRS(kは整数)の不確定性はなくなるため、評価関数φc(f)が最大値となるfを求めて1/4倍することにより、周波数オフセットfoを推定することができる。
M. K. Nezami et al., "DFT-based frequency acquisition algorithm for large carrier offsets in mobile satellite receivers," Electronics Letters, volume 37, pp. 386-387, March 2001. A. Leven et al., "Frequency estimation in intradyne reception," IEEE Photonics Technology Letters, volume 19, pp. 366-368, March 2007. K. Piyawanno et al., "Fast and accurate automatic frequency control for coherent receivers," ECOC2009, paper7.3.1, Sept., 2009. P. Ciblat et al., "Blind NLLS carrier frequency-offset estimation for QAM, PSK, and PAM modulations: performance at low SNR," IEEE Transactions on Communications, volume 54, pp. 1725-1730, Oct. 2006. M. Selmi et al., "Accurate digital frequency offset estimator for coherent PolMux QAM transmission systems," ECOC2009, paperP3.08, Sept.,2009.
しかしながら図17に示す位相増加アルゴリズムを用いる従来の周波数オフセット推定装置では、位相の不確定性によって推定できる周波数オフセットの範囲が限定される。位相検出部106において、位相を取り出す演算「arg(・)」によって取り出すことのできる位相の範囲は[-π〜π]である。この取り出した位相をさらに1/M倍にするために、位相検出部106が検出することのできる位相の範囲は[-π/M〜π/M]である。従って図17に示す周波数オフセット推定装置が推定できる周波数範囲は数式1によって、[-RS/2M〜RS/2M]に限定されるという問題がある。
また、図18に示す周波数スペクトルを利用する従来の周波数オフセット推定装置では、NCO110の出力信号の周波数を所定のステップで変えながら、それぞれの周波数で数百から数千のFFTする際のデータ数に等しいサンプル数の入力信号を周波数オフセット推定装置に取り込む必要があるため、推定処理が収束するまでに時間がかかるという問題がある。さらに周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置では、伝送路中のバンドパスフィルタや受信機中のローパスフィルタのカットオフ周波数が小さく、かつ、周波数オフセットが大きい場合に周波数スペクトルの片側が削られて非対称となることにより、周波数オフセットの推定精度が劣化するという問題点がある。
また、数式2および数式3で表される、従来のQAMで変調された信号に対する周波数オフセットの推定方法(非特許文献4、非特許文献5)では、推定可能な周波数範囲が4乗した周波数帯で[-RS/2〜RS/2]、4乗する前の元の周波数帯で[-RS/8〜RS/8]に限定されるという問題がある。すなわち、この範囲を超えた周波数オフセットについては、誤って検出されることとなり問題である。さらに、位相雑音がある場合、コンスタレーション上の信号点が円周に沿って移動し、周波数オフセットが有る場合の図21と同様の状態となるため正しく推定できないという問題がある。これらの問題について、図23から図25を参照して具体的に説明する。図23から図25は、従来の問題点を説明するためのシミュレーション結果の一例を示す説明図である。
なお、これらのシミュレーション結果においては、変調はシンボルレート28GBaudのDP-64QAM(偏波多重64直交振幅変調)、OSNR(光信号対雑音比)は10dB、推定に用いるシンボル数Nは1028であり、また周波数オフセットとして5GHzを与えて、周波数fと、次の数式6で表される評価関数φc(f)をプロットしている。
Figure 2011158932
図23に示すものは、周波数fを-64GHzから64GHzと広帯域に掃引した場合のシミュレーション結果である。なお、本シミュレーションでは、位相雑音を付加していない。この図23では、周波数オフセットの4倍である20GHzから、RS=28GHzの周波数間隔ごとに評価関数が大きくなる不確定性を示している。従って、非特許文献4や非特許文献5に記載された周波数オフセット推定方法では、評価関数のピークが常に2つ以上含まれない周波数範囲は[-RS/2〜RS/2]に制限されるという問題があることが分かる。
また、図24および図25に示すものは、レーザの線幅として10MHzを仮定してシミュレーションした結果である。なお、本シミュレーションでは、位相雑音を付加している。これらの図24と図25では、推定に用いている1028個のシンボル系列が互いに異なっている。図24では、周波数オフセットの4倍である20GHzで最も大きな値を示しているが、他の周波数でも局所的なピークが多数見られる。図25では、20GHzにもピークはあるが、20GHzとは異なる局所的なピークの方が全体の中で最も大きな値を示している。すなわち、図25から評価関数φc(f)を最大とするfを求めると、誤った値を周波数オフセットとして推定することになる。このように、非特許文献4や非特許文献5に記載された周波数オフセット推定方法では、位相雑音や熱雑音の状態によって、しばしば誤った推定結果を出力するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する場合に、受信信号の周波数オフセットを適切に推定することができる、周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、を備える周波数オフセット推定装置である。
本発明の周波数オフセット推定装置において、前記周波数オフセット推定制御部は、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算するようにしてもよい。
本発明は、本発明の周波数オフセット推定装置と、前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償部と、前記第1の周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定部と、前記位相増加周波数オフセット推定部によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償部と、を備える受信装置である。
本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置において用いられる、周波数オフセット推定方法であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、を備える周波数オフセット推定方法である。
本発明の周波数オフセット推定方法では、前記周波数オフセット推定制御手順において、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算することにより、前記周波数スペクトルを循環して移動するようにしてもよい。
本発明は、本発明の周波数オフセット推定方法による手順と、前記周波数オフセット推定方法による手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償手順と、前記第1の周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定手順と、前記位相増加周波数オフセット推定手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償手順と、を備える受信方法である。
本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、前記周波数オフセット粗推定部の粗推定値に基づいて掃引周波数の範囲を決定する掃引周波数範囲制御部と、前記掃引周波数範囲制御部により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定部と、を備え、前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算部と、前記第1の演算部における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの平均化または加算を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算部と、前記第2の演算部の後段側において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算部と、前記第3の演算部の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算部と、を有する周波数オフセット推定装置である。
本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、前記周波数オフセット粗推定手順により推定された粗推定値に基づいて掃引周波数範囲を決定する掃引周波数範囲制御手順と、前記掃引周波数範囲制御手順により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定手順と、を備え、前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算手順と、前記第1の演算手順における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの加算または平均化を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算手順と、前記第2の演算手順の後において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算手順と、前記第3の演算手順の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算手順と、を含む周波数オフセット推定方法である。
本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定部と、前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定部によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御部とを備える周波数オフセット推定装置である。
本発明の周波数オフセット推定装置において、前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定装置において、前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定装置において、前記周波数不確定性除去制御部は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、前記周波数オフセット精推定部によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定装置において、前記周波数オフセット粗推定部は、前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、を備えるようにしてもよい。
本発明は、本発明の周波数オフセット推定装置と、前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償部と、前記周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償部と、前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定部と、を備える受信装置である。
本発明は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定手順と、前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定手順によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御手順と、を備える周波数オフセット推定方法である。
本発明の周波数オフセット推定方法において、前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定方法において、前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定方法において、前記周波数不確定性除去制御手順は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、前記周波数オフセット精推定手順によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択するようにしてもよい。
本発明の周波数オフセット推定方法において、前記周波数オフセット粗推定手順は、前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、を備えるようにしてもよい。
本発明は、本発明の周波数オフセット推定方法による手順と、前記周波数オフセット推定方法によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償手順と、前記周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償手順と、前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定手順と、を備える受信方法である。
この発明によれば、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する場合に、受信信号の周波数スペクトルの中の周波数帯域制限された正の周波数成分の電力値と負の周波数成分の電力値との電力差の絶対値が予め設定されたしきい値以下になるまで全周波数成分を移動し、その移動量に基づいて周波数オフセットを推定することにより、受信信号の周波数オフセットを適切に推定することができる。
すなわち、上記のように受信信号の周波数スペクトルの中の周波数帯域制限された正の周波数成分の電力値と負の周波数成分の電力値との電力差の絶対値が予め設定されたしきい値以下になるまで全周波数成分を移動し、その移動量に基づいて周波数オフセットを推定するため、位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置と比較して、広帯域に周波数オフセットを推定することができる。また、既知のパイロットシンボルを必要としない方法であって、さらにNCOも不要であるため、広帯域な他の周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置に比較して、高速かつ高精度に周波数オフセットを推定することができる。
また、この発明によれば、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する場合に、粗推定した周波数オフセットの値に基づいて、広帯域な周波数範囲において推定するため、受信信号の周波数オフセットを適切に推定することができる。
本発明の第1実施形態による周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 本第1実施形態の動作の概要を示す説明図であり、周波数オフセットがないときの周波数スペクトルを示す説明図である。 本第1実施形態の動作の概要を示す説明図であり、周波数オフセットがあるときの周波数スペクトルを示す説明図である。 本第1実施形態の動作をシミュレーションした結果の一例を示した説明図である。 従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置の動作をシミュレーションした結果の一例を示した説明図である。 本発明の第2実施形態による受信装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態による受信装置の構成例を示すブロック図である。 本第3実施形態の動作の概要を示す説明図である。 第4の実施形態による周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態による周波数オフセット推定装置の動作をシミュレーションした結果の一例を示す説明図である。 第5実施形態による周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 第6実施形態による受信装置の構成例を示すブロック図である。 第7実施形態による周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 第7実施形態による周波数オフセット推定装置が、周波数オフセットを推定する動作の概要を示す説明図である。 第7実施形態の実験結果の一例を示す説明図である。 第8実施形態による受信装置の構成例を示すブロック図である。 従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 従来の周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置の構成例を示すブロック図である。 従来の周波数オフセット推定方法の動作を示す第1の説明図である。 従来の周波数オフセット推定方法の動作を示す第2の説明図である。 従来の周波数オフセット推定方法の動作を示す第3の説明図である。 従来の周波数オフセット推定方法の動作を示す第4の説明図である。 従来の問題点を説明するためのシミュレーション結果の一例を示す第1の説明図である。 従来の問題点を説明するためのシミュレーション結果の一例を示す第2の説明図である。 従来の問題点を説明するためのシミュレーション結果の一例を示す第3の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一または対応する構成には同一の符号を用いている。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による、受信信号の搬送波周波数と受信側の局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置15の構成例を示す概略ブロック図である。
周波数オフセット推定装置15は、FFT部1、SPDT(Single Pole, Double Throw)スイッチ2、バンドパスフィルタ3、および周波数オフセット推定制御部12を備えている。さらに、周波数オフセット推定制御部12は、第1の2乗加算部4、第2の2乗加算部5、減算部6、第1の判定部7、第2の判定部8、周波数スペクトル循環移動部9、カウンタ10、および周波数スペクトル移動距離検出部11を備えている。
図1において、入力信号I+jQは、受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。
FFT部1は、この入力信号を周波数領域の周波数スペクトルに変換する。例えば、FFT部1がFFTする際のデータ数をN(Nは任意の自然数)とすると、周波数の大きさの順に1からNまで順序付けしたN個の番号の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する。ここで、この周波数スペクトルの1からN/2までの周波数成分番号の周波数成分を負の周波数成分、周波数スペクトルのN/2+1からNまでの周波数成分番号の周波数成分を正の周波数成分としてこの後の信号処理を説明する。
SPDTスイッチ2は、後述する第1の判定部7からの制御によりバンドパスフィルタ3に入力する信号を切り替える。SPDTスイッチ2は、第1の判定部7の判定がNOの場合はFFT部1の出力信号を、YESの場合は周波数スペクトル循環移動部9の出力信号を、それぞれバンドパスフィルタ3に入力するように切り替える。
初期設定は第1の判定部7はNOの判定で、SPDTスイッチ2の共通端子は上側の接点に接続されており、SPDTスイッチ2はFFT部1の出力信号を通過させてバンドパスフィルタ3に入力する。
バンドパスフィルタ3は、SPDTスイッチ2を通過して入力された信号に対して周波数帯域制限をする。ここで、バンドパスフィルタ3は、FFT部1で周波数スペクトルに変換された受信信号の正の周波数成分の信号と負の周波数成分の信号とに対して、1からNの周波数成分における中心周波数に対して正と負が対称となるように周波数帯域制限をし、通過帯域が正の周波数成分の信号を第1の2乗加算部4へ、また通過帯域が負の周波数成分の信号を第2の2乗加算部5へ出力する。
第1の2乗加算部4および第2の2乗加算部5は、それぞれバンドパスフィルタ3の通過帯域の正の周波数成分の電力値PPおよび負の周波数成分の電力値PMを算出する。減算部6は、これら2つの電力値PPと電力値PMとの間の電力差を算出する。
ここで、図2および図3は、この周波数スペクトルに変換された受信信号に対して、バンドパスフィルタ3の通過帯域の正の周波数成分の電力値PPおよび負の周波数成分の電力値PMを算出する動作の概要を示す説明図である。図2と図3の横軸は周波数、縦軸は電力である。
バンドパスフィルタ3はFFT部1で周波数領域の周波数スペクトルに変換された信号に対して、その各周波数成分の信号にバンドパスフィルタ3の伝達関数を乗算する。例えばバンドパスフィルタ3は矩形波フィルタを用いた場合に、通過帯域の周波数成分には1、阻止帯域の周波数成分には0を乗算する。第1の2乗加算部4および第2の2乗加算部5は、通過帯域の周波数成分を2乗してその総和を取ることで、バンドパスフィルタ3の通過帯域の正負それぞれの周波数成分の電力の総和である電力値PPおよび電力値PMを算出する。
図2に示すように、周波数オフセットがない場合には、周波数スペクトルの対称性によって正の周波数成分の電力値PPと負の周波数成分の電力値PMは等しくなる。一方、図3に示すように、周波数オフセットがある場合には、周波数スペクトルは正の方向あるいは負の方向のいずれかに偏り、正の周波数成分の電力値PPと負の周波数成分の電力値PMとの間には電力差が生じる。
次に、図1の第1の判定部7は、電力値PPと電力値PMとの電力差の絶対値と、予め定められたしきい値THとを比較して大小の判定をする。第1の判定部7は、電力値PPと電力値PMの電力差の絶対値がしきい値THより大きく、YESと判定した場合は、第2の判定部8の処理を開始させ、また、SPDTスイッチ2の接点を切り替え、バンドパスフィルタ3への入力信号を、FFT部1からの出力信号から、周波数スペクトル循環移動部9からの出力信号に変更する。
第2の判定部8は、電力値PPと電力値PMとを比較して大小の判定をする。第2の判定部8は、その判定した結果すなわち周波数スペクトルが正の方向あるいは負の方向のいずれに偏っているかを判定した結果に基づいて、周波数スペクトル循環移動部9およびカウンタ10の中の移動制御を選択して通知する。周波数スペクトル循環移動部9は、第2の判定部8で判定した周波数成分の正の方向あるいは負の方向のいずれかの偏りが小さくなる方向に、全周波数成分を周波数軸上で移動させる。カウンタ10は、正の方向に移動した場合と負の方向に移動した場合とのそれぞれの回数を計数し保持する。
ここで、全周波数成分を周波数軸上で移動するための制御について説明する。
この移動は、FFT部1で変換された周波数スペクトルの周波数成分番号が1からNとすると、移動後も周波数成分番号が1からNになるような循環した移動とする。すなわち移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算する。
第2の判定部8において電力値PPが電力値PMより大きいと判定された場合、周波数スペクトル循環移動部9は、負の方向に周波数成分を1ずつ循環して移動させ、カウンタ10の値dを1増やす。反対に、第2の判定部8において電力値PPが電力値PMより小さいと判定された場合は、周波数スペクトル循環移動部9は、正の方向に周波数成分を1ずつ循環して移動させ、カウンタ10の値dを1減らす。
また、このときSPDTスイッチ2の接点は、周波数スペクトル循環移動部9からの出力信号がバンドパスフィルタ3に入力されるように変更されているため、周波数スペクトル循環移動部9によって循環移動された周波数スペクトルが、再びバンドパスフィルタ3に入力され、第1の2乗加算部4、第2の2乗加算部5、および減算部6の順に信号処理が実行され、電力値PPと電力値PMとの電力差が算出され第1の判定部7に入力される。このループの信号処理は、第1の判定部7がNOと判定するまで、繰り返し実行される。すなわち、このループの信号処理は、電力値PPと電力値PMとの電力差の絶対値が予め定められたしきい値TH以下と判定されるまで繰り返し実行される。
第1の判定部7がNOと判定した場合にこのループの信号処理は収束し、周波数スペクトル移動距離検出部11は、収束時点でのカウンタ10の値dの値を検出する。この値は周波数スペクトルの周波数軸上での移動距離の総和であり、この移動距離の総和である移動量に対応する周波数に基づいて周波数オフセットを推定する。
以上で周波数オフセット推定は終了し、第1の判定部7は、SPDTスイッチ2の接点をFFT部1の出力信号がバンドパスフィルタ3に入力されるように切り替え、FFT部1から新たに周波数スペクトルデータをこのループ信号処理に入力し、周波数オフセットの推定は開始される。
図4は本第1実施形態の動作をシミュレーションした結果の一例を示した説明図であり、図5は比較のために、従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置の動作をシミュレーションした結果の一例を示した説明図である。
図4、図5共に、横軸は周波数オフセットの設定値、縦軸は周波数オフセット推定結果である。変調方式は112Gbit/s偏波多重QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)であり、シンボルレートRSは28Gbaudである。
図5に示す従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置では、±RS/2M=±3.5GHz(位相数M=4)の範囲内で精度良く推定できているが、その範囲を越えると位相の不確定性により誤った推定結果となっている。一方、図4に示す本第1実施形態では、±5GHzの広帯域に渡って精度良く推定できていることが分かる。
図1から図4を用いて説明したように、本第1実施形態の周波数オフセット推定装置15は、受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する場合に、受信信号の周波数スペクトルの中の周波数帯域制限された正の周波数成分の電力値PPと負の周波数成分の電力値PMとの電力差の絶対値が予め設定されたしきい値以下になるまで全周波数成分を循環して移動し、その移動量に基づいて周波数オフセットを推定する。
これにより、本第1実施形態の周波数オフセット推定装置15は、図17に示した従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置が推定できる周波数オフセットの範囲に比較して、広帯域に周波数オフセットを推定することができる。また、本第1実施形態による方法は、既知のパイロットシンボルを必要としない方法であって、さらに、図18に示した従来の周波数オフセット推定装置で用いていたNCOは不要な方法である。そのため本実施形態によれば、ステップ的な周波数変化の各周波数で数百から数千のFFTする際のデータ数に等しいサンプル数の入力信号を取り込む必要がない。よって本実施形態によれば、周波数オフセットを高速かつ高精度に推定することができる。
また、本第1実施形態の周波数オフセット推定装置15は、周波数成分を循環して移動する大きさは1に限る必要はない。そのため、電力値PPと電力値PMとの電力差の絶対値が大きい時には循環して移動する大きさを大きくし、電力値PPと電力値PMとの電力差の絶対値がしきい値THに近づいた時に循環して移動する大きさを小さくすることができる。これにより、さらに周波数オフセットを高速に推定することができる。
なお、第1の判定部7の予め定めるしきい値THの値は、入力信号の電力によって決めれば良い。例えばFFT部1の出力信号の周波数スペクトルが一様な矩形であると仮定し、また周波数スペクトルの全電力の総和を電力値PTOTALとして周波数成分を負の方向に1だけ循環移動すると、電力値PPは移動前に比べてPTOTAL/N 小さくなり、電力値PMはPTOTAL/N 大きくなる。従って電力値PPと電力値PMとの差は2PTOTAL/N変化する。このとき、しきい値THを2PTOTAL/N程度とすれば、ほぼ1周波数成分の精度で周波数オフセットを推定することができる。推定精度を犠牲にしても高速な推定処理時間が要求される場合には、しきい値THを大きくすれば良い。
なお、FFT部1がFFTする際のデータ数Nは、要求される推定精度と推定処理時間とによって決めることができる。一般にNが小さいほど推定精度は劣化するが、推定処理時間は短縮される。
また、周波数スペクトル移動距離検出部11より出力される周波数オフセット推定値は、複数個を蓄積した後に相加平均しても良いし、忘却係数を用いた平均化を行って時間的な変動に追随させても良い。
なお、入力信号を周波数スペクトルに変換するFFT部1は、周波数解析方法として高速フーリエ変換に限らず、短時間フーリエ変換、離散フーリエ変換、ウエーブレット変換、あるいはその他の周波数解析方法を用いても良い。
また、バンドパスフィルタ3は、周波数帯域を制限するフィルタとして、バンドパスフィルタに限らず、受信する信号の特性に基づいて、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、あるいはその他の周波数帯域を制限するフィルタを用いても良い。
<第2実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、第1実施形態に記載した周波数オフセット推定装置15により周波数オフセットを粗く推定し、その推定値で周波数オフセットを補償した後に、従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置で周波数オフセットを推定し、さらに補償するという2種類の周波数推定装置を組み合わせた構成を持つ受信装置である。
図6は、本発明の第2実施形態による受信装置の構成例を示す概略ブロック図である。
受信装置は、周波数オフセット推定装置15、第1の周波数オフセット補償部28、偏波分離部19、位相増加周波数オフセット推定装置20、第2の周波数オフセット補償部29、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27を備えている。ここで、位相増加周波数オフセット推定装置20は、図17に構成例を示した位相増加アルゴリズムを用いる従来の周波数オフセット推定装置と同様の構成を有している。図6に示す周波数オフセット推定装置15は、図1に示す第1実施形態に記載の構成に対応しており、その説明を省略する。
第1の周波数オフセット補償部28は、第1のNCO16、第1の乗算部17、および第2の乗算部18を備えている。
第2の周波数オフセット補償部29は、第2のNCO21、第3の乗算部22、および第4の乗算部23を備えている。
入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’はそれぞれX偏波とY偏波の受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。
本第2実施形態では、まず初めに、周波数オフセット推定装置15は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して、周波数オフセットを広帯域に粗く推定する。ただし、周波数オフセット推定装置15は、次のような条件を満たすように設計されている。その条件とは、周波数オフセット推定装置15がこの周波数オフセットを粗く推定する際は、この粗く推定された周波数オフセットを補償した入力信号に対して、位相増加周波数オフセット推定装置20が周波数オフセットを推定する場合に、周波数の不確定性なく推定できる周波数の範囲の中に入るような条件である。
次に、周波数オフセット推定装置15で粗く推定された周波数オフセット推定値は、第1の周波数オフセット補償部28に入力される。そして第1の周波数オフセット補償部28は、入力信号の周波数オフセットを補償する。
つまり、粗く推定された周波数オフセットの推定値に基づいて、第1の周波数オフセット補償部28が有する第1のNCO16の発振周波数は調整される。そして、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’と、調整された第1のNCO16の発振周波数を持った信号とが、第1の周波数オフセット補償部28が有する第1の乗算部17および第2の乗算部18において乗算され、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットは補償される。
偏波分離部19は、第1の周波数オフセット補償部28で入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットを補償された信号に対して、偏波分離および残留分散の除去を実行する。位相増加周波数オフセット推定装置20は、偏波分離部19から出力された信号を入力し、周波数オフセットの推定を実行する。
この、位相増加周波数オフセット推定装置20で推定した周波数オフセット推定値は、第2の周波数オフセット補償部29に入力される。そして第2の周波数オフセット補償部29は、入力信号の周波数オフセットを補償する。
つまり、位相増加周波数オフセット推定装置20で推定した周波数オフセット推定値に基づいて、第2の周波数オフセット補償部29が有する第2のNCO21の発振周波数は調整される。そして、第2の周波数オフセット補償部29への入力信号と、調整された第2のNCO21の発振周波数を持った信号とが、第2の周波数オフセット補償部29が有する第3の乗算部22および第4の乗算部23において乗算され、第2の周波数オフセット補償部29への入力信号の周波数オフセットは補償される。
次に、第2の周波数オフセット補償部29において周波数オフセットが補償された信号に対して、第1の位相補償部24および第2の位相補償部25は位相を補償し、それぞれ第1の判定部26および第2の判定部27へ出力する。第1の判定部26および第2の判定部27は、シンボルの判定をして復調信号を生成する。
このように、本第2実施形態の周波数オフセットの推定装置を備える受信装置は、まず周波数オフセット推定装置15で周波数オフセットを粗く推定した値に基づいて入力信号を補償してから、従来の位相増加周波数オフセット推定装置20に入力する。また、偏波分離および残留分散の除去を合わせて実行することで、周波数オフセットおよび分散値が共に小さい入力信号に対して、位相増加アルゴリズムを用いて周波数オフセットを推定することができる。これにより、本第2実施形態の周波数オフセットの推定装置を備える受信装置は、受信信号に対して、広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定して補償し、復調することができる。
ところで、周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置において、伝送路中のバンドパスフィルタや受信機中のローパスフィルタのカットオフ周波数が小さく、かつ周波数オフセットが大きい場合に周波数スペクトルの片側が削られて非対称となることがある。これに対して、本第2実施形態の周波数オフセットの推定装置においては、周波数オフセット推定装置15で周波数オフセットを粗く推定し補償した後に、さらに従来の位相増加周波数オフセット推定装置20で周波数オフセットを推定する。そのため、本第2実施形態の周波数オフセットの推定装置においては、伝送路中のバンドパスフィルタや受信機中のローパスフィルタのカットオフ周波数が小さく、かつ周波数オフセットが大きい場合であっても、周波数オフセットの推定精度が劣化してしまうことを防ぐことができる。
なお、位相増加周波数オフセット推定装置20に入力される信号は、偏波分離部19からの出力信号に代えて、偏波分離部19に入力される前の、第1の周波数オフセット補償部28で周波数オフセットを補償された信号であっても良い。ただし、偏波分離部19において偏波分離および残留分散の除去をされた信号を、位相増加周波数オフセット推定装置20へ入力した方が、より高精度に周波数オフセットを推定できる。
<第3実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
上記に説明したように、第2実施形態の受信装置においては、周波数オフセット推定装置15が粗く推定した値に基づいて入力信号を補償している。これに対して、本第3実施形態の受信装置は、周波数オフセット推定装置15が粗く推定した値に基づいて、入力信号は補償せずに、従来の位相増加アルゴリズムを用いて検出する際の位相の不確定性を除去して周波数オフセットを推定する構成を持つ受信装置である。なお、本実施形態における受信装置では、第1実施形態の周波数オフセット推定装置に代えて、非特許文献3に記載の発明を利用することも可能である。
図7は、本発明の第3実施形態による受信装置の構成例を示す概略ブロック図である。
受信装置は、周波数オフセット推定装置15、周波数不確定性除去制御部30、偏波分離部19、位相増加周波数オフセット推定装置20、周波数オフセット補償部29、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27を備えている。周波数オフセット補償部29は、NCO21、第1の乗算部22、および第2の乗算部23を備えている。
周波数オフセット推定装置15は、第1実施形態に記載の構成であり説明を省略する。
図7において図6の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
図7において、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’はそれぞれX偏波とY偏波の受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。
本第3実施形態では、まず、周波数オフセット推定装置15は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して、周波数オフセットを広帯域に粗く推定し、その推定値を周波数不確定性除去制御部30に出力する。
また、位相増加周波数オフセット推定装置20は、偏波分離部19から出力された信号に対して周波数オフセットを推定し、その推定値を周波数不確定性除去制御部30に出力する。
次に、周波数不確定性除去制御部30は、周波数オフセット推定装置15、および位相増加周波数オフセット推定装置20から入力されたそれぞれの周波数オフセットの推定値に基づいて、周波数オフセットを推定し、周波数オフセット補償部29のNCO21に出力し、NCO21の発振周波数を調整する。
周波数オフセット補償部29で、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットが補償されたあと、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27で復調される。
ここで、周波数不確定性除去制御部30が、位相増加周波数オフセット推定装置20の周波数オフセット推定結果の不確定性を除去し、周波数オフセットを推定する際の動作について説明する。
まず、周波数不確定性除去制御部30は、位相増加周波数オフセット推定装置20から入力された周波数オフセットの推定値に基づいて、複数の周波数オフセットの候補の周波数を算出する。次に、周波数不確定性除去制御部30は、算出した複数の周波数オフセットの候補において、周波数軸上で隣り合う候補と候補の中点を算出し境界とする。さらに、周波数不確定性除去制御部30は、周波数オフセット推定装置15から入力された周波数オフセットの推定値が、上記周波数オフセットの候補の隣り合う境界と境界の間の領域にあることを検出する。そして、周波数不確定性除去制御部30は、上記検出された領域の中にある周波数オフセットの候補を、周波数オフセットの推定値として選択する。
次に、図8を用いて、本第3実施形態における周波数オフセットを推定する動作の概要について説明する。
周波数オフセット推定装置15の推定値に基づいて、周波数不確定性除去制御部30は、位相増加周波数オフセット推定装置20の周波数オフセット推定結果の不確定性を除去する。
この周波数オフセット推定結果の不確定性は、位相増加周波数オフセット推定装置20において、位相増加アルゴリズムで検出する位相の不確定性に起因するものであり、周期性を持っている。位相増加周波数オフセット推定装置20の周波数オフセット推定値を周波数fMthとすると、推定値が周波数fMthとなる可能性のある周波数オフセットの候補の周波数fCND(k)は、次の数式7で与えられる。
Figure 2011158932
実際の周波数オフセットを周波数fCND(L)とする。すなわち不確定性を表す係数kをk=Lとする(Lは整数)。この時、周波数オフセット推定装置15の周波数オフセット推定値を周波数fCOとすると、周波数fCOが次の数式8の関係式を満足するように周波数オフセット推定装置15を設計することで、不確定性を除去することができる。
Figure 2011158932
図8は、周波数軸上に周波数fMthからRS/M周期に周波数fCND(k)が並んでおり、隣り合う周波数fCND(k)の周波数の中点を、隣り合う周波数オフセットの候補の境界としていることを示している。図8では、周波数fCOが周波数オフセットの候補の周波数fCND(1)の領域にあるため、周波数不確定性除去制御部30は、実際の周波数オフセットをfCND(1)と推定する。
このように、本第3実施形態の周波数オフセットの推定装置を備える受信装置は、まず周波数オフセット推定装置15で周波数オフセットを粗く推定する。次に、周波数不確定性除去制御部30は、その推定値に基づいて位相増加アルゴリズムで検出する位相の不確定性を除去するとともに、周波数オフセットを推定する。これにより、本第3実施形態の周波数オフセットの推定装置を備える受信装置は、受信信号に対して、広帯域、かつ高精度に周波数オフセットを推定して補償し、復調することができる。また第2実施形態と比較すると、周波数オフセット推定装置15の推定値で周波数オフセットを補償するためのNCOや乗算器が不要となり、回路規模を低減することができる。
なお、位相増加周波数オフセット推定装置20に入力される入力信号は、本第3実施形態の構成例の図7では、偏波分離部19からの出力信号であるが、偏波分離部19に入力される前の信号であっても良い。
<第4実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。
この周波数オフセット推定装置は、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、および掃引周波数範囲制御部58を備えている。さらに、周波数オフセット精推定部41は、第1の4乗回路42、第2の4乗回路43、第1の乗算回路44、第2の乗算回路45、NCO(numerically-controlled oscillator)46、第1のNシンボル加算回路47、第2のNシンボル加算回路48、第1の1/N除算回路49、第2の1/N除算回路50、第1の絶対値2乗回路51、第2の絶対値2乗回路52、偏波加算回路53、Uフレーム加算回路54、最大値掃引周波数検出回路55、および1/4除算回路56を備えている。
周波数オフセット粗推定部57は、所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する。周波数オフセット粗推定部57には、第2実施形態と同様、第1実施形態に記載の周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置15を用いることができる。また、第1実施形態に記載の周波数オフセット推定装置15に代えて、非特許文献3に記載の周波数オフセット推定装置も同様に用いることができる。掃引周波数範囲制御部58は、周波数オフセット粗推定部57の粗推定値に基づいて掃引周波数範囲を決定する。周波数オフセット精推定部41は、掃引周波数範囲制御部58により決定された掃引周波数範囲において受信信号の周波数オフセットを推定する。ここで、受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/Wとする。なお、Wは変調方式によって定まる数(正の整数)であり、QAM変調であればW=4、PAM(pulse amplitude modulation)変調であればW=2、M-PSK変調であればW=Mである。本第4実施形態においては、W=4の場合として、説明する。
周波数オフセット精推定部41は、第1の演算部41a、第2の演算部41b、第3の演算部41c、および第4の演算部41dを備えている。第1の演算部41aは、受信信号における2つの偏波をそれぞれ4乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う。そして、第2の演算部41bは、第1の演算部41aにおける各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの平均化(平均値の算出)を行った後、絶対値のべき乗の演算(平均値に対して絶対値のべき乗を算出)を行う。さらに、第3の演算部41cは、第2の演算部41bによる2つの偏波の演算結果を加算した後、NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算処理を行う。そして、第4の演算部41dは、第3の演算部41cの演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、この掃引周波数を1/4倍して出力して周波数オフセットを推定する。
なお、第1の演算部41aは、第1の4乗回路42、第2の4乗回路43、第1の乗算回路44、第2の乗算回路45、およびNCO46を備えている。第2の演算部41bは、第1のNシンボル加算回路47、第2のNシンボル加算回路48、第1の1/N除算回路49、第2の1/N除算回路50、第1の絶対値2乗回路51、および第2の絶対値2乗回路52を備えている。また、第3の演算部41cは、偏波加算回路53およびUフレーム加算回路54を備えている。第4の演算部41dは、最大値掃引周波数検出回路55および1/4除算回路56を備えている。
以下、本実施形態における周波数オフセット精推定部41の具体的な動作例を説明する。
この第4実施形態の動作を表す数式を数式9および数式10に示す。
Figure 2011158932
Figure 2011158932
ここで、Nは1フレームの推定に用いるシンボル数、uはN個のシンボル系列からなるフレームのフレーム番号、Uは推定に用いる総フレーム数、y(u,p,t)は受信信号であり、フレームu、偏波p、および時間tの関数である。また、RSはシンボルレートであり、fcoarseは周波数オフセット粗推定部57の粗推定周波数である。
図9において、入力信号I+jQおよびI'+jQ'は、それぞれ、数式9の受信信号y(u,p,t)が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされたX偏波およびY偏波の複素信号である。周波数オフセット精推定部41は、この入力信号を第1の4乗回路42および第2の4乗回路43で4乗し、NCO46の出力信号exp(-j2πft)と第1の乗算回路44および第2の乗算回路45において乗算する。この乗算は、4乗した受信信号の周波数から周波数fを減算する周波数変換を行う演算に相当する。
NCO46の掃引周波数は、掃引周波数範囲制御部58により制御される。具体的には、掃引周波数範囲制御部58は、周波数オフセット粗推定部57により推定された粗推定周波数fcoarseとシンボルレートRSから数式10を満足するようにNCO46の掃引周波数の周波数範囲を決め、数式10の下限周波数から上限周波数まで所定のステップで周波数fを変化させる。周波数オフセット精推定部41は、各々の周波数fにおいて、第1のNシンボル加算回路47および第2のNシンボル加算回路48でのN個のシンボルに対する演算結果を加算し、第1の1/N除算回路49および第2の1/N除算回路50においてNで除算してN個の平均値とし、第1の絶対値2乗回路51および第2の絶対値2乗回路52において絶対値の2乗を求め、偏波加算回路53において2つの偏波に対する演算結果を加算する。ここで、周波数オフセット精推定部41は、N個のシンボル系列を1フレーム目、次のN個のシンボル系列を2フレーム目とみなし、Uフレームの演算結果をUフレーム加算回路54において加算する。当該加算処理により、周波数オフセット精推定部41は雑音成分を除去する。ここまでの演算により、次の数式11で示す評価関数φn(f)が求まる。
Figure 2011158932
周波数オフセット推定装置150は、この評価関数φn(f)が最大値となる周波数fを最大値掃引周波数検出回路55で算出し、1/4除算回路56で1/4倍することにより、周波数オフセットを推定することができる。
本第4実施形態では、周波数オフセット粗推定部57と掃引周波数範囲制御部58とがNCO46の掃引周波数範囲を制御することにより、周波数オフセットの推定範囲を広帯域にすることができる。この点について、図23を用いて説明する。
例えば、周波数オフセットが5GHzである図23において、粗推定周波数fcoarseが4GHzであったとすると、シンボルレートRSは28GHzであることから、数式10よりNCO46の掃引周波数範囲は[2GHz〜30GHz]となる。このため、周波数オフセット推定装置150は、20GHzのピークのみを検出してその両隣のピークは検出しないため、不確定性が無く20GHzを最大値掃引周波数として検出し、その1/4である5GHzを周波数オフセット推定値として出力することができる。
本実施形態の周波数オフセット推定装置150は、推定可能な周波数範囲が [fcoarse-RS/8〜fcoarse+RS/8]であり、また粗推定周波数fcoarseが可変であることから、広帯域に推定が可能である。また本実施形態では、真の周波数オフセット値と粗推定周波数fcoarseとの誤差には±RS/8と大きな値が許容できるため、周波数オフセット粗推定部57には高精度な特性が要求されない。なお、従来の技術では、推定範囲が[-14GHz〜14GHz]となるため、-8GHzを最大値掃引周波数として検出し、その1/4である-2GHzを周波数オフセット推定値として出力することとなる。
図10は、図24および図25と同じ周波数オフセット5GHz、レーザの線幅10MHz、OSNR10dBを仮定し、1フレームの推定に用いるシンボル数Nを1028、推定に用いる総フレーム数Uを80としてシミュレーションを行って、数式11の評価関数φn(f)を求めた結果を示している。
この図10を図24および図25と比べると、周波数オフセットの4倍である20GHzのピークが強調され、フレームごとに一時的に現れていた局所的なピークは相対的に低く抑えられている。従って、周波数オフセット推定装置150は、位相雑音や熱雑音によりフレームごとに一時的に現れていた局所的なピークに影響されることなく、正しい推定結果を算出することが可能となる。
以上のように、本第4実施形態の周波数オフセット推定装置150は、周波数オフセット粗推定部57が粗く推定した結果に基づいて、周波数オフセット精推定部41が周波数オフセットを推定する際の周波数不確定性を除去するように、掃引周波数範囲制御部58がNCO46の掃引周波数の周波数範囲を決め、周波数オフセットを推定する。また、周波数オフセット推定装置150は、周波数オフセット精推定部41が周波数オフセットを推定する演算処理において、受信信号の雑音成分を除去する。これにより、本第4実施形態の周波数オフセット推定装置150は、受信信号に対して広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定することができる。
<第5実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、本第5実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。なお、図11において図9の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
なお、本第5実施形態による周波数オフセット精推定部41において、第1の演算部41a、および第4の演算部41dは、第4実施形態による第1の演算部41a、および第4の演算部41dと同様の構成である。一方、本第5実施形態による周波数オフセット精推定部41において、第2の演算部41b、および第3の演算部41cは、第4実施形態による第2の演算部41b、および第3の演算部41cと異なる構成である。本第5実施形態による周波数オフセット精推定部41において、第2の演算部41bは、第1のNシンボル加算回路47、第2のNシンボル加算回路48、第1の絶対値回路59、および第2の絶対値回路60を備えている。また、第3の演算部41cは、第1のUフレーム加算回路61,第2のUフレーム加算回路62、第1の1/U除算回路63、第2の1/U除算回路64、および偏波加算回路53を備えている。
本実施形態において周波数オフセット精推定部41は、第2の演算部41bにおいて、第1の演算部41aにおける各偏波の演算結果に対して、Nシンボルの加算を行った後、絶対値の演算(加算した値に対して絶対値を算出)を行う。さらに、周波数オフセット精推定部41は、第3の演算部41cにおいて、第2の演算部41bで得られた演算結果に対して、NシンボルからなるフレームについてUフレームの平均化処理を行った後、2つの偏波の演算結果を加算する。そして、周波数オフセット精推定部41は、第4の演算部41dにおいて、第3の演算部41cの演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、この掃引周波数を1/4倍して出力して周波数オフセットを推定する。
本実施形態における周波数オフセット精推定部41は、図9に示す第4実施形態の構成と比較して、第1の1/N除算回路49および第2の1/N除算回路50が削除されている。このように第1の1/N除算回路49および第2の1/N除算回路50が削除されることにより、評価関数φn(f)の各周波数成分はN倍になるものの、周波数間の相対的な大小関係は変わらない。よって、本実施形態の周波数オフセット精推定部41は、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41と同様に周波数オフセットを推定する。ここで、Nシンボル加算回路と1/N除算回路との両方により処理される場合は平均化処理、1/N除算回路を省いてNシンボル加算回路により処理される場合は加算処理となる。
また、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41における第1の絶対値2乗回路51および第2の絶対値2乗回路52は、本実施形態の周波数オフセット精推定部41においては、第1の絶対値回路59および第2の絶対値回路60に置き換えられている。このように2乗を1乗や他のべき乗に変えても、評価関数φn(f)の各周波数成分の相対的な大小関係は変わらない。そのため、本実施形態の周波数オフセット精推定部41は、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41と同様に周波数オフセットを推定する。
また、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41の構成と比較して、本実施形態の周波数オフセット精推定部41においては、第1の1/U除算回路63および第2の1/U除算回路64が追加されている。これによって評価関数φn(f)の各周波数成分は1/U倍になるものの、周波数間の相対的な大小関係は変わらない。そのため、本実施形態の周波数オフセット精推定部41は、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41と同様に周波数オフセットを推定する。ここで、Uフレーム加算回路と1/U除算回路との両方により処理される場合は平均化処理、1/U除算回路を省いて、Uフレーム加算回路により処理される場合は加算処理となる。
さらに、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41における偏波加算回路53からUフレーム加算回路54への順番は、本実施形態の周波数オフセット精推定部41においては、第1のUフレーム加算回路61(または、第2のUフレーム加算回路62)から、1/U除算回路を介して偏波加算回路53への順番に入れ替えられている。このようにフレーム加算と偏波加算との順番が入れ替えられても評価関数φn(f)の各周波数成分の相対的な大小関係は変わらない。そのため、本実施形態の周波数オフセット精推定部41は、第4実施形態の周波数オフセット精推定部41と同様に周波数オフセットを推定する。なお、推定に用いる総フレーム数Uが大きければ、偏波加算を行わず、ピーク値の大きい方の偏波の評価関数のみを選択することも可能である。
これにより、本第5実施形態の周波数オフセット推定装置150は、上述の周波数オフセット精推定部41の構成においても、第4実施形態の周波数オフセット推定装置150の周波数オフセット精推定部41の構成と同様に、受信信号に対して広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定することができる。
また、第4実施形態や第5実施形態はQAMで変調された信号に限るものではなく、PSKやPSKの振幅を多段階とした変調方式、あるいはPAM変調方式についても適用できる。この場合、周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/Wとすると、第1の4乗回路42および第2の4乗回路43をW乗回路、1/4除算回路56を1/W除算回路に変更すれば良い。例えばPAM変調であればW=2、8PSK変調であればW=8となる。
<第6実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
図12は、本発明の第6実施形態による受信装置200の構成例を示すブロック図である。
この受信装置200は、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、掃引周波数範囲制御部58、偏波分離部66、周波数オフセット補償部67、第1の位相補償部68、第2の位相補償部69、第1の判定部70、および第2の判定部71を備えている。ここで、図12に示す、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、および掃引周波数範囲制御部58は、図9および図11に示す同一符号の各部とそれぞれ対応している。
周波数オフセット補償部67は、周波数オフセット推定装置150によって推定された受信信号の周波数オフセットの値に基づいて、受信信号の周波数オフセットを補償する。第1の位相補償部68および第2の位相補償部69は、周波数オフセット補償部67によって補償された受信信号に対して、位相を補償する。第1の判定部70および第2の判定部71は、前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う。
本第6実施形態の受信装置200は、まず周波数オフセット粗推定部57で周波数オフセットを粗く推定した値に基づいて、数式10を満足するように、周波数オフセット精推定部41の掃引周波数を掃引周波数範囲制御部58において決める。
偏波分離部66は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して偏波分離および残留分散の除去を実行する。周波数オフセット精推定部41は、偏波分離部66から出力された信号を入力し、周波数オフセットの推定を実行する。
この周波数オフセット精推定部41で推定した周波数オフセット推定値は、周波数オフセット補償部67に入力され、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットを補償する。次に、周波数オフセット補償部67において周波数オフセットが補償された信号に対して、第1の位相補償部68および第2の位相補償部69は位相を補償し、それぞれ第1の判定部70および第2の判定部71へ出力する。第1の判定部70および第2の判定部71は、シンボルの判定をして復調信号を生成する。
以上のように、周波数オフセットの推定と共に、偏波分離および残留分散の除去を合わせて実行することで、周波数オフセットおよび分散値が共に小さい入力信号に対して、周波数オフセット精推定部41を動作させることができる。これにより、本第6実施形態の周波数オフセット推定装置150を備える受信装置200は、受信信号に対して、広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定して補償し、復調することができる。
なお、周波数オフセット精推定部41に入力される信号は、偏波分離部66からの出力信号に代えて、偏波分離部66に入力される前の信号を入力しても良い。ただし、偏波分離部66において偏波分離および残留分散の除去をされた信号を周波数オフセット精推定部41へ入力した方が、より高精度に周波数オフセットを推定することができる。
<第7実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。
図13は、本発明の第7実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。
この周波数オフセット推定装置150は、周波数オフセット粗推定部57、周波数オフセット精推定部41、および周波数不確定性除去制御部97を備えている。周波数オフセット精推定部41は、第1のW乗回路88、第2のW乗回路89、第1のFFT部90、第2のFFT部91、第1の絶対値2乗回路92、第2の絶対値2乗回路93、偏波スペクトル加算回路94、Uフレームスペクトル加算回路95、および最大値周波数検出回路96を備えている。なお、Wは変調方式によって定まる数(正の整数)であり、周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/Wとする。QAM変調であればW=4、PAM変調であればW=2、M-PSK変調であればW=Mである。
周波数オフセット粗推定部57には、第1実施形態に記載の周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置15を使うことができる。また、第1実施形態に記載の周波数オフセット推定装置15に代えて、非特許文献3に記載の発明も同様に使うことができる。本実施形態は、時間平均である評価関数が離散フーリエ変換にもなっていることに着目した構成である。
本実施形態において周波数オフセット精推定部41は、受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/Wと定義した場合に、受信信号における2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換する。そして、周波数オフセット精推定部41は、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなる各フレームの周波数スペクトルに対してU(U:正の整数)フレーム加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出する。
まず、周波数オフセット精推定部41は、入力信号I+jQ およびI'+jQ'を第1のW乗回路88および第2のW乗回路89でW乗した後、第1のFFT部90および第2のFFT部91でN個のシンボル系列を一括して周波数スペクトルに変換する。次に、周波数オフセット精推定部41は、この周波数スペクトルのデータに対して、第1の絶対値2乗回路92および第2の絶対値2乗回路93で絶対値の2乗を求め、偏波スペクトル加算回路94において2つの偏波の周波数スペクトルを加算する。ここで、周波数オフセット精推定部41は、N個のシンボル系列を1フレーム目、次のN個のシンボル系列を2フレーム目とみなし、Uフレームの周波数スペクトルをUフレームスペクトル加算回路95において加算する。当該加算処理により、周波数オフセット精推定部41は、雑音成分を除去する。
この加算された周波数スペクトルから、最大値周波数検出回路96は、最大値を取る周波数fを算出する。第4実施形態や第5実施形態では、NCO46の掃引周波数を所定のステップで変化させて、各々の周波数において評価関数φn(f)を求めた後にφn(f)が最大となる周波数fを検出した。これに対し本第7実施形態では、周波数スペクトルを求め、周波数領域で周波数スペクトルが最大となる周波数fを検出する。
また、第4実施形態や第5実施形態では、周波数不確定性のない周波数オフセットを推定するために、NCO46の掃引周波数の周波数範囲を予め掃引周波数範囲制御部58で制限していた。一方、本第7実施形態で用いる周波数スペクトルには周波数不確定性が含まれている。この周波数不確定性を周波数不確定性除去制御部97で除去する。周波数不確定性除去制御部97は、周波数オフセット粗推定部57によって推定された周波数オフセットの値に基づいて、周波数オフセット精推定部41によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、周波数オフセットを推定する。
例えば、周波数不確定性除去制御部97は、周波数不確定性を除去し周波数オフセットを推定する際に、周波数オフセット精推定部41によって推定された周波数オフセットに基づいて、周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出する。さらに、周波数不確定性除去制御部97は、周波数軸上で隣り合う周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、周波数軸上で境界に基づいた領域の中から、周波数オフセット粗推定部57によって推定された値が含まれる領域を選択する。そして、周波数不確定性除去制御部97は、前記選択した領域に含まれる周波数オフセットの候補となる周波数を、周波数オフセットの推定値として選択する。
以下、周波数不確定性を除去して周波数オフセットを推定する本実施形態の動作の具体例について、図14および数式12〜数式16を用いて説明する。図14は、第7実施形態による周波数オフセット推定装置150が周波数オフセットを推定する動作の概要を示す説明図である。
Figure 2011158932
Figure 2011158932
Figure 2011158932
Figure 2011158932
Figure 2011158932
数式12の絶対値記号の中は、yW(u,p,t)に関する離散フーリエ変換となっている。すなわちyW(u,p,t)に関する周波数スペクトルとなっている。この周波数スペクトルの最大値を求める周波数範囲は、数式13によって、折り返しの影響を受けない第1ナイキストゾーンである[-RS/2からRS/2]に制限している。受信信号のW乗の周波数スペクトルが最大となる周波数をfMAX とすると、周波数オフセットの推定値がfMAXとなる可能性のある周波数オフセットの候補の周波数fCND(k)は数式14で表される。図14はW=4の場合について示している。この図14にはfMAX を縦軸に、またfCND(k)を横軸にプロットしている。
周波数オフセット粗推定部97の粗推定値をfCO とし、隣り合うfCND(k)の中点を判定境界とする。この時、2つの判定境界に挟まれる領域のうち、fCO を含む領域が実際の周波数オフセットを与える。数式15ではk=i の領域がfCO を含んでいることを表し、数式16により周波数オフセットの推定値を確定することができる。この場合、図14に示している例では、次の数式17が成り立つ。
Figure 2011158932
以上のように、本第7実施形態の周波数オフセット推定装置150は、周波数オフセット粗推定部57によって推定された周波数オフセットの値に基づいて、周波数オフセット精推定部41によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、周波数オフセットを推定する。これにより、本第7実施形態の周波数オフセット推定装置150は、受信信号に対して広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定することができる。また、第4実施形態や第5実施形態と比較すると、掃引周波数範囲制御部58およびNCO46をFFT部90および91に置き換えて一括して周波数スペクトルに変換して推定するため、推定に要する時間を短縮することができる。
なお、周波数スペクトルに変換するFFT部90およびFFT部91は、周波数解析方法として高速フーリエ変換に限らず、短時間フーリエ変換、離散フーリエ変換、ウエーブレット変換、あるいはその他の周波数解析方法を用いても良い。また、第1の絶対値2乗回路92および第2の絶対値2乗回路93の2乗を1乗や他のべき乗に変えても周波数スペクトルの各周波数成分の相対的な大小関係は変わらず、動作に影響しない。また偏波スペクトル加算回路94において偏波加算を行わず、ピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択することも可能である。
図15は、本第7実施形態の実験結果の一例を示す説明図である。
この実験結果は、シンボルレートRSが10GHzの64QAMで変調された信号を受信した時のUフレームスペクトル加算回路95の出力信号の周波数スペクトルを示している。また周波数オフセット粗推定部57の推定値fCO は3.7GHzであった。図15より、数式12のfMAX は-4GHzである。数式14およびW=4 よりfCND(k)は、-1GHz(k=0)、1.5GHz(k=1)、4GHz(k=2)、6.5GHz(k=3)、…となり、このうち数式15を満たすiは2である。従って、数式16より周波数オフセットは4GHzと定めることができる。以上のように本実施形態により、RS/8=1.25GHzを越える周波数オフセットを推定することが可能となる。
<第8実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。
図16は、本発明の第8実施形態による受信装置200の構成例を示すブロック図である。なお、図16において図12の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
偏波分離部66は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して偏波分離および残留分散の除去を実行する。周波数オフセット精推定部41は、偏波分離部66から出力された信号を入力し、周波数オフセットの推定を実行する。
周波数不確定性除去制御部97は、周波数オフセット粗推定部57の推定値および周波数オフセット精推定部41の推定値がそれぞれ入力され、数式12から数式16に従って周波数オフセット推定値を確定する。そして、周波数オフセット補償部67は、周波数不確定性除去制御部97から出力される確定した周波数オフセットの推定値が入力され、入力信号の周波数オフセットを補償する。
次に、周波数オフセット補償部67において周波数オフセットが補償された信号に対して、第1の位相補償部68および第2の位相補償部69は位相を補償し、それぞれ第1の判定部70および第2の判定部71へ出力する。第1の判定部70および第2の判定部71は、シンボルの判定をして復調信号を生成する。
以上のように、本第8実施形態の受信装置200は、周波数オフセット推定装置150による周波数オフセットの推定と共に、偏波分離および残留分散の除去を合わせて実行することで、周波数オフセットおよび分散値が共に小さい入力信号に対して、周波数オフセット精推定部41を動作させることができる。これにより、本第8実施形態の受信装置200は、受信信号に対して、広帯域かつ高精度に周波数オフセットを推定して補償し、復調することができる。
なお、周波数オフセット精推定部41に入力される信号は、偏波分離部66からの出力信号に代えて、偏波分離部66に入力される前の信号を入力しても良い。ただし、偏波分離部66において偏波分離および残留分散の除去をされた信号を周波数オフセット精推定部41へ入力した方が、より高精度に周波数オフセットを推定することができる。
また、図1、図6、図7、図9,図11,図12、図13、および図16における周波数オフセットの推定装置を構成する各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各構成による処理が実行されてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(operating system)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWW(world wide web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(read only memory)、CD(compact disc)−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、周波数不確定性除去制御部を備えた受信装置または周波数オフセット推定装置において、周波数オフセットの精推定を実現するための構成は、位相増加周波数オフセット推定装置(部)20(図7)や周波数オフセット精推定部41(図13,図16)の構成に限定されるものではなく、これらに代えて、図5や図14にのこぎり波状に示されているような周期的な周波数オフセット推定特性を持つ従来の一般的な構成を用いてもよい。
本発明は、例えば、ディジタルコヒーレント光受信機や無線通信受信機に利用することができる。本発明によれば、受信信号の周波数オフセットを広帯域,高速かつ高精度に推定することができる。
1・・・FFT部、3・・・バンドパスフィルタ、12・・・周波数オフセット推定制御部、15、150・・・周波数オフセット推定装置、20、67・・・位相増加周波数オフセット推定装置、24、25、68、69・・・位相補償部、26,27、70,71・・・判定部、28、29・・・周波数オフセット補償部、30、97・・・周波数不確定性除去制御部、41・・・周波数オフセット精推定部、41a・・・第1の演算部、41b・・・第2の演算部、41c・・・第3の演算部、41d・・・第4の演算部、57・・・周波数オフセット粗推定部、58・・・掃引周波数範囲制御部、200・・・受信装置

Claims (20)

  1. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、
    前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、
    前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、
    を備える周波数オフセット推定装置。
  2. 前記周波数オフセット推定制御部は、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、
    前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、
    前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算する請求項1に記載の周波数オフセット推定装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載の周波数オフセット推定装置と、
    前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償部と、
    前記第1の周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定部と、
    前記位相増加周波数オフセット推定部によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償部と、
    を備える受信装置。
  4. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置において用いられる、周波数オフセット推定方法であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、
    前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、
    前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、
    を備える周波数オフセット推定方法。
  5. 前記周波数オフセット推定制御手順において、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、
    前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、
    前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算することにより、前記周波数スペクトルを循環して移動する請求項4に記載の周波数オフセット推定方法。
  6. 請求項4あるいは請求項5に記載の周波数オフセット推定方法による手順と、
    前記周波数オフセット推定方法による手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償手順と、
    前記第1の周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定手順と、
    前記位相増加周波数オフセット推定手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償手順と、
    を備える受信方法。
  7. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、
    前記周波数オフセット粗推定部の粗推定値に基づいて掃引周波数の範囲を決定する掃引周波数範囲制御部と、
    前記掃引周波数範囲制御部により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定部と、
    を備え、
    前記周波数オフセット精推定部は、
    前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算部と、
    前記第1の演算部における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの平均化または加算を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算部と、
    前記第2の演算部の後段側において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算部と、
    前記第3の演算部の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算部と、
    を有する周波数オフセット推定装置。
  8. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、
    前記周波数オフセット粗推定手順により推定された粗推定値に基づいて掃引周波数の範囲を決定する掃引周波数範囲制御手順と、
    前記掃引周波数範囲制御手順により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定手順と、
    を備え、
    前記周波数オフセット精推定手順は、
    前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算手順と、
    前記第1の演算手順における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの加算または平均化を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算手順と、
    前記第2の演算手順の後において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算手順と、
    前記第3の演算手順の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算手順と、
    を含む周波数オフセット推定方法。
  9. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、
    前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定部と、
    前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定部によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御部と
    を備える周波数オフセット推定装置。
  10. 前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定する請求項9に記載の周波数オフセット推定装置。
  11. 前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出する請求項9に記載の周波数オフセット推定装置。
  12. 前記周波数不確定性除去制御部は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、
    前記周波数オフセット精推定部によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、
    周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、
    前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、
    前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択する請求項9〜11のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定装置。
  13. 前記周波数オフセット粗推定部は、
    前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、
    前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、
    前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、
    を備える請求項9〜12のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定装置。
  14. 請求項7、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、または請求項13に記載の周波数オフセット推定装置と、
    前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償部と、
    前記周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償部と、
    前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定部と、
    を備える受信装置。
  15. 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、
    所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、
    前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定手順と、
    前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定手順によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御手順と、
    を備える周波数オフセット推定方法。
  16. 前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定する請求項15に記載の周波数オフセット推定方法。
  17. 前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出する請求項15に記載の周波数オフセット推定方法。
  18. 前記周波数不確定性除去制御手順は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、
    前記周波数オフセット精推定手順によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、
    周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、
    前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、
    前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択する請求項15〜17のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定方法。
  19. 前記周波数オフセット粗推定手順は、
    前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、
    前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、
    前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、
    を備える請求項15〜18のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定方法。
  20. 請求項8、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、または請求項19に記載の周波数オフセット推定方法による手順と、
    前記周波数オフセット推定方法による手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償手順と、
    前記周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償手順と、
    前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定手順と、
    を備える受信方法。
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