JPWO2011158932A1 - 周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2010年6月17日に日本へ出願された特願2010−138402号、および、2010年11月10日に日本へ出願された特願2010−251868号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
また無線通信においては、送信機と受信機に用いている基準発振器の発振周波数の誤差や送信機と受信機の移動に伴うドップラーシフトにより周波数オフセットが生じる。この場合も受信機において周波数オフセットを推定し、補償する必要がある。
一方、既知のパイロットシンボルを必要としない周波数オフセット推定方法には、1シンボル周期におけるシンボルの位相変化情報を利用する位相増加アルゴリズムや(非特許文献2参照)、周波数スペクトルを利用する方法(非特許文献3参照)が知られている。
図19から図22は、上述の非特許文献4や非特許文献5に係る周波数オフセット推定方法の動作を示す説明図である。
図19に示すものは、64QAMで変調された信号に対して、0またはRS/4の整数倍の周波数オフセットを持っており、また位相オフセットが残留している場合のコンスタレーションである。信号点の周期はシンボルレートの逆数1/RSであり、周波数オフセットがRS/4であればコンスタレーション上の信号点は周波数オフセットが0の時の位置から丁度π/2回転したところに位置にする。すなわち周波数オフセットが0の時とRS/4の整数倍の周波数オフセットの時とでは同じコンスタレーション配置を示す。QAMで変調された信号はπ/2の位相対称性を持っているため、ある1つの信号点の位相を位相θとすると、原点からの距離がこの信号点と原点との距離に等しい点であって、且つこの信号点に対してπ/2の整数倍の位相差を持つ点が他に3点ある。図19においては、これらの点を黒丸k1からk4で示している。これら4点の黒丸k1,k2,k3,k4の位相βは、次の数式4で表される。
すなわち、上記のように受信信号の周波数スペクトルの中の周波数帯域制限された正の周波数成分の電力値と負の周波数成分の電力値との電力差の絶対値が予め設定されたしきい値以下になるまで全周波数成分を移動し、その移動量に基づいて周波数オフセットを推定するため、位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置と比較して、広帯域に周波数オフセットを推定することができる。また、既知のパイロットシンボルを必要としない方法であって、さらにNCOも不要であるため、広帯域な他の周波数スペクトルを利用する周波数オフセット推定装置に比較して、高速かつ高精度に周波数オフセットを推定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による、受信信号の搬送波周波数と受信側の局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置15の構成例を示す概略ブロック図である。
周波数オフセット推定装置15は、FFT部1、SPDT(Single Pole, Double Throw)スイッチ2、バンドパスフィルタ3、および周波数オフセット推定制御部12を備えている。さらに、周波数オフセット推定制御部12は、第1の2乗加算部4、第2の2乗加算部5、減算部6、第1の判定部7、第2の判定部8、周波数スペクトル循環移動部9、カウンタ10、および周波数スペクトル移動距離検出部11を備えている。
FFT部1は、この入力信号を周波数領域の周波数スペクトルに変換する。例えば、FFT部1がFFTする際のデータ数をN(Nは任意の自然数)とすると、周波数の大きさの順に1からNまで順序付けしたN個の番号の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する。ここで、この周波数スペクトルの1からN/2までの周波数成分番号の周波数成分を負の周波数成分、周波数スペクトルのN/2+1からNまでの周波数成分番号の周波数成分を正の周波数成分としてこの後の信号処理を説明する。
初期設定は第1の判定部7はNOの判定で、SPDTスイッチ2の共通端子は上側の接点に接続されており、SPDTスイッチ2はFFT部1の出力信号を通過させてバンドパスフィルタ3に入力する。
第1の2乗加算部4および第2の2乗加算部5は、それぞれバンドパスフィルタ3の通過帯域の正の周波数成分の電力値PPおよび負の周波数成分の電力値PMを算出する。減算部6は、これら2つの電力値PPと電力値PMとの間の電力差を算出する。
この移動は、FFT部1で変換された周波数スペクトルの周波数成分番号が1からNとすると、移動後も周波数成分番号が1からNになるような循環した移動とする。すなわち移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算する。
以上で周波数オフセット推定は終了し、第1の判定部7は、SPDTスイッチ2の接点をFFT部1の出力信号がバンドパスフィルタ3に入力されるように切り替え、FFT部1から新たに周波数スペクトルデータをこのループ信号処理に入力し、周波数オフセットの推定は開始される。
図4、図5共に、横軸は周波数オフセットの設定値、縦軸は周波数オフセット推定結果である。変調方式は112Gbit/s偏波多重QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)であり、シンボルレートRSは28Gbaudである。
また、周波数スペクトル移動距離検出部11より出力される周波数オフセット推定値は、複数個を蓄積した後に相加平均しても良いし、忘却係数を用いた平均化を行って時間的な変動に追随させても良い。
また、バンドパスフィルタ3は、周波数帯域を制限するフィルタとして、バンドパスフィルタに限らず、受信する信号の特性に基づいて、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、あるいはその他の周波数帯域を制限するフィルタを用いても良い。
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、第1実施形態に記載した周波数オフセット推定装置15により周波数オフセットを粗く推定し、その推定値で周波数オフセットを補償した後に、従来の位相増加アルゴリズムを用いる周波数オフセット推定装置で周波数オフセットを推定し、さらに補償するという2種類の周波数推定装置を組み合わせた構成を持つ受信装置である。
受信装置は、周波数オフセット推定装置15、第1の周波数オフセット補償部28、偏波分離部19、位相増加周波数オフセット推定装置20、第2の周波数オフセット補償部29、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27を備えている。ここで、位相増加周波数オフセット推定装置20は、図17に構成例を示した位相増加アルゴリズムを用いる従来の周波数オフセット推定装置と同様の構成を有している。図6に示す周波数オフセット推定装置15は、図1に示す第1実施形態に記載の構成に対応しており、その説明を省略する。
第2の周波数オフセット補償部29は、第2のNCO21、第3の乗算部22、および第4の乗算部23を備えている。
入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’はそれぞれX偏波とY偏波の受信信号が所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた複素信号である。
つまり、粗く推定された周波数オフセットの推定値に基づいて、第1の周波数オフセット補償部28が有する第1のNCO16の発振周波数は調整される。そして、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’と、調整された第1のNCO16の発振周波数を持った信号とが、第1の周波数オフセット補償部28が有する第1の乗算部17および第2の乗算部18において乗算され、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットは補償される。
つまり、位相増加周波数オフセット推定装置20で推定した周波数オフセット推定値に基づいて、第2の周波数オフセット補償部29が有する第2のNCO21の発振周波数は調整される。そして、第2の周波数オフセット補償部29への入力信号と、調整された第2のNCO21の発振周波数を持った信号とが、第2の周波数オフセット補償部29が有する第3の乗算部22および第4の乗算部23において乗算され、第2の周波数オフセット補償部29への入力信号の周波数オフセットは補償される。
以下、図面を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
上記に説明したように、第2実施形態の受信装置においては、周波数オフセット推定装置15が粗く推定した値に基づいて入力信号を補償している。これに対して、本第3実施形態の受信装置は、周波数オフセット推定装置15が粗く推定した値に基づいて、入力信号は補償せずに、従来の位相増加アルゴリズムを用いて検出する際の位相の不確定性を除去して周波数オフセットを推定する構成を持つ受信装置である。なお、本実施形態における受信装置では、第1実施形態の周波数オフセット推定装置に代えて、非特許文献3に記載の発明を利用することも可能である。
受信装置は、周波数オフセット推定装置15、周波数不確定性除去制御部30、偏波分離部19、位相増加周波数オフセット推定装置20、周波数オフセット補償部29、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27を備えている。周波数オフセット補償部29は、NCO21、第1の乗算部22、および第2の乗算部23を備えている。
周波数オフセット推定装置15は、第1実施形態に記載の構成であり説明を省略する。
図7において図6の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
本第3実施形態では、まず、周波数オフセット推定装置15は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して、周波数オフセットを広帯域に粗く推定し、その推定値を周波数不確定性除去制御部30に出力する。
また、位相増加周波数オフセット推定装置20は、偏波分離部19から出力された信号に対して周波数オフセットを推定し、その推定値を周波数不確定性除去制御部30に出力する。
周波数オフセット補償部29で、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’の周波数オフセットが補償されたあと、第1の位相補償部24、第2の位相補償部25、第1の判定部26、および第2の判定部27で復調される。
周波数オフセット推定装置15の推定値に基づいて、周波数不確定性除去制御部30は、位相増加周波数オフセット推定装置20の周波数オフセット推定結果の不確定性を除去する。
以下、図面を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。
この周波数オフセット推定装置は、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、および掃引周波数範囲制御部58を備えている。さらに、周波数オフセット精推定部41は、第1の4乗回路42、第2の4乗回路43、第1の乗算回路44、第2の乗算回路45、NCO(numerically-controlled oscillator)46、第1のNシンボル加算回路47、第2のNシンボル加算回路48、第1の1/N除算回路49、第2の1/N除算回路50、第1の絶対値2乗回路51、第2の絶対値2乗回路52、偏波加算回路53、Uフレーム加算回路54、最大値掃引周波数検出回路55、および1/4除算回路56を備えている。
以下、本実施形態における周波数オフセット精推定部41の具体的な動作例を説明する。
例えば、周波数オフセットが5GHzである図23において、粗推定周波数fcoarseが4GHzであったとすると、シンボルレートRSは28GHzであることから、数式10よりNCO46の掃引周波数範囲は[2GHz〜30GHz]となる。このため、周波数オフセット推定装置150は、20GHzのピークのみを検出してその両隣のピークは検出しないため、不確定性が無く20GHzを最大値掃引周波数として検出し、その1/4である5GHzを周波数オフセット推定値として出力することができる。
この図10を図24および図25と比べると、周波数オフセットの4倍である20GHzのピークが強調され、フレームごとに一時的に現れていた局所的なピークは相対的に低く抑えられている。従って、周波数オフセット推定装置150は、位相雑音や熱雑音によりフレームごとに一時的に現れていた局所的なピークに影響されることなく、正しい推定結果を算出することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、本第5実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。なお、図11において図9の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
以下、図面を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
図12は、本発明の第6実施形態による受信装置200の構成例を示すブロック図である。
この受信装置200は、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、掃引周波数範囲制御部58、偏波分離部66、周波数オフセット補償部67、第1の位相補償部68、第2の位相補償部69、第1の判定部70、および第2の判定部71を備えている。ここで、図12に示す、周波数オフセット精推定部41、周波数オフセット粗推定部57、および掃引周波数範囲制御部58は、図9および図11に示す同一符号の各部とそれぞれ対応している。
偏波分離部66は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して偏波分離および残留分散の除去を実行する。周波数オフセット精推定部41は、偏波分離部66から出力された信号を入力し、周波数オフセットの推定を実行する。
以下、図面を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。
図13は、本発明の第7実施形態による周波数オフセット推定装置150の構成例を示すブロック図である。
この周波数オフセット推定装置150は、周波数オフセット粗推定部57、周波数オフセット精推定部41、および周波数不確定性除去制御部97を備えている。周波数オフセット精推定部41は、第1のW乗回路88、第2のW乗回路89、第1のFFT部90、第2のFFT部91、第1の絶対値2乗回路92、第2の絶対値2乗回路93、偏波スペクトル加算回路94、Uフレームスペクトル加算回路95、および最大値周波数検出回路96を備えている。なお、Wは変調方式によって定まる数(正の整数)であり、周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/Wとする。QAM変調であればW=4、PAM変調であればW=2、M-PSK変調であればW=Mである。
この実験結果は、シンボルレートRSが10GHzの64QAMで変調された信号を受信した時のUフレームスペクトル加算回路95の出力信号の周波数スペクトルを示している。また周波数オフセット粗推定部57の推定値fCO は3.7GHzであった。図15より、数式12のfMAX は-4GHzである。数式14およびW=4 よりfCND(k)は、-1GHz(k=0)、1.5GHz(k=1)、4GHz(k=2)、6.5GHz(k=3)、…となり、このうち数式15を満たすiは2である。従って、数式16より周波数オフセットは4GHzと定めることができる。以上のように本実施形態により、RS/8=1.25GHzを越える周波数オフセットを推定することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。
図16は、本発明の第8実施形態による受信装置200の構成例を示すブロック図である。なお、図16において図12の各部に対応する構成には同一の符号をつけており、その説明を省略する。
偏波分離部66は、入力信号I+jQおよび入力信号I’+jQ’に対して偏波分離および残留分散の除去を実行する。周波数オフセット精推定部41は、偏波分離部66から出力された信号を入力し、周波数オフセットの推定を実行する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(read only memory)、CD(compact disc)−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (20)
- 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、
前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、
前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、
を備える周波数オフセット推定装置。 - 前記周波数オフセット推定制御部は、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、
前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、
前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算する請求項1に記載の周波数オフセット推定装置。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の周波数オフセット推定装置と、
前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償部と、
前記第1の周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定部と、
前記位相増加周波数オフセット推定部によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償部と、
を備える受信装置。 - 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差である周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定装置において用いられる、周波数オフセット推定方法であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、
前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、
前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、
を備える周波数オフセット推定方法。 - 前記周波数オフセット推定制御手順において、前記周波数スペクトルの前記全ての周波数成分を前記周波数軸上で循環して移動させる場合に、
前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力より大きい場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を負の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号が1未満の場合は周波数成分番号にNを加算し、
前記正の周波数成分の電力が前記負の周波数成分の電力以下の場合は、前記周波数スペクトルの全周波数成分を正の方向に予め定められた大きさだけ移動し、移動後の周波数成分番号がNを越える場合は周波数成分番号からNを減算することにより、前記周波数スペクトルを循環して移動する請求項4に記載の周波数オフセット推定方法。 - 請求項4あるいは請求項5に記載の周波数オフセット推定方法による手順と、
前記周波数オフセット推定方法による手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する第1の周波数オフセット補償手順と、
前記第1の周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、前記周波数オフセットを位相増加アルゴリズムに基づいて推定する、位相増加周波数オフセット推定手順と、
前記位相増加周波数オフセット推定手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセットを補償する第2の周波数オフセット補償手順と、
を備える受信方法。 - 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、
前記周波数オフセット粗推定部の粗推定値に基づいて掃引周波数の範囲を決定する掃引周波数範囲制御部と、
前記掃引周波数範囲制御部により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定部と、
を備え、
前記周波数オフセット精推定部は、
前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算部と、
前記第1の演算部における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの平均化または加算を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算部と、
前記第2の演算部の後段側において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算部と、
前記第3の演算部の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算部と、
を有する周波数オフセット推定装置。 - 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、
前記周波数オフセット粗推定手順により推定された粗推定値に基づいて掃引周波数の範囲を決定する掃引周波数範囲制御手順と、
前記掃引周波数範囲制御手順により決定された前記掃引周波数の範囲において前記受信信号の周波数オフセットを推定する周波数オフセット精推定手順と、
を備え、
前記周波数オフセット精推定手順は、
前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後、該受信信号に対して該受信信号の周波数から前記掃引周波数を減算する周波数変換を行う第1の演算手順と、
前記第1の演算手順における各偏波の演算結果に対して、N(N:正の整数)シンボルの加算または平均化を行った後、絶対値または絶対値のべき乗の演算を行う第2の演算手順と、
前記第2の演算手順の後において、前記2つの偏波の演算結果を加算、またはピーク値の大きい方の偏波の演算結果を選択するとともに、前記NシンボルからなるフレームについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行う第3の演算手順と、
前記第3の演算手順の演算結果が最大値となる掃引周波数を検出し、当該掃引周波数を1/W倍して前記周波数オフセットを推定する第4の演算手順と、
を含む周波数オフセット推定方法。 - 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定装置であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定部と、
前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定部と、
前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定部によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御部と
を備える周波数オフセット推定装置。 - 前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定する請求項9に記載の周波数オフセット推定装置。
- 前記周波数オフセット精推定部は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出する請求項9に記載の周波数オフセット推定装置。
- 前記周波数不確定性除去制御部は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、
前記周波数オフセット精推定部によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、
周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、
前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定部によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、
前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択する請求項9〜11のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定装置。 - 前記周波数オフセット粗推定部は、
前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換部と、
前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限部と、
前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御部と、
を備える請求項9〜12のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定装置。 - 請求項7、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、または請求項13に記載の周波数オフセット推定装置と、
前記周波数オフセット推定装置によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償部と、
前記周波数オフセット補償部によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償部と、
前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定部と、
を備える受信装置。 - 受信信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数との差を推定する周波数オフセット推定方法であって、
所定のサンプリング周波数で予めサンプリングされた2つの偏波から成る受信信号の周波数スペクトルから周波数オフセットを推定する周波数オフセット粗推定手順と、
前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して周期的な周波数オフセット推定特性を有する周波数オフセット精推定手順と、
前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記周波数オフセットの値に基づいて、前記周波数オフセット精推定手順によって推定された周波数オフセットの周波数不確定性を除去し、前記周波数オフセットを推定する周波数不確定性除去制御手順と、
を備える周波数オフセット推定方法。 - 前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号または前記受信信号の分散が補償された信号に対して位相増加アルゴリズムに基づいて前記周波数オフセットを推定する請求項15に記載の周波数オフセット推定方法。
- 前記周波数オフセット精推定手順は、前記受信信号の周波数オフセットの無いコンスタレーション上の信号点の持つ回転対称性を2π/W(W:正の整数)と定義した場合に、前記受信信号における前記2つの偏波をそれぞれW乗した後に周波数スペクトルに変換し、その変換結果に対して絶対値または絶対値のべき乗の演算を行い、これら2つの偏波の周波数スペクトルを加算、またはピーク値の大きい方の偏波の周波数スペクトルを選択するとともに、N(N:正の整数)シンボルからなるフレームの周波数スペクトルについてU(U:正の整数)フレームの加算または平均化を行い、この演算結果が最大値となる周波数を検出する請求項15に記載の周波数オフセット推定方法。
- 前記周波数不確定性除去制御手順は、前記周波数不確定性を除去し前記周波数オフセットを推定する際に、
前記周波数オフセット精推定手順によって推定された前記周波数オフセットに基づいて、前記周波数不確定性を含む前記周波数オフセットの候補となる周波数を算出し、
周波数軸上で隣り合う前記周波数オフセットの候補となる周波数の中点を、隣り合う前記周波数オフセットの候補の境界とし、
前記周波数軸上で前記境界に基づいた領域の中から、前記周波数オフセット粗推定手順によって推定された前記値が含まれる領域を選択し、
前記選択した領域に含まれる前記周波数オフセットの候補となる周波数を、前記周波数オフセットの推定値として選択する請求項15〜17のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定方法。 - 前記周波数オフセット粗推定手順は、
前記受信信号を周波数変換し、周波数の大きさの順に1からN(Nは任意の自然数)まで順序付けしたN個の周波数成分を持つ周波数スペクトルを出力する周波数変換手順と、
前記周波数スペクトルの、1からN/2までの周波数成分番号を持った周波数成分である負の周波数成分とN/2+1からNまでの周波数成分番号を持った周波数成分である正の周波数成分とを、それぞれ周波数帯域制限する周波数帯域制限手順と、
前記周波数帯域制限された前記周波数スペクトルの前記正の周波数成分と前記負の周波数成分とをそれぞれ2乗加算してそれぞれの電力を算出し、前記正の周波数成分の電力と前記負の周波数成分の電力とから算出した電力差の絶対値が、予め設定されたしきい値以下になるまで前記周波数スペクトルの全ての周波数成分を周波数軸上で循環して移動させ、前記しきい値以下になるまで移動させた移動量に基づいて前記周波数オフセットを推定する周波数オフセット推定制御手順と、
を備える請求項15〜18のいずれか1項に記載の周波数オフセット推定方法。 - 請求項8、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、または請求項19に記載の周波数オフセット推定方法による手順と、
前記周波数オフセット推定方法による手順によって推定された前記受信信号の前記周波数オフセットの値に基づいて、前記受信信号の前記周波数オフセットを補償する周波数オフセット補償手順と、
前記周波数オフセット補償手順によって補償された前記受信信号に対して、位相を補償する位相補償手順と、
前記位相を補償された前記受信信号のシンボルの判定を行う判定手順と、
を備える受信方法。
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