JPWO2011158376A1 - 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びに情報再生装置及び方法 - Google Patents

情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びに情報再生装置及び方法 Download PDF

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Abstract

多層記録型の情報記録媒体において、CLV方式を採用しつつ記録用同期クロックなどのタイミング情報を高精度で発生させる。CLV方式の情報記録媒体(11)は、予めトラック(TR)が形成されたガイド層(12)と、該ガイド層上に積層された複数の記録層(13)とを備える。トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域(22)が、トラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている。

Description

本発明は、例えば多層型或いは多層記録型の光ディスク等の情報記録媒体、該情報記録媒体に情報を記録する記録装置及び方法、並びに該情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置及び方法の技術分野に関する。
この種の情報記録媒体では、予めトラックが形成された単一のガイド層上に、複数或いは多数の記録層が重ねて形成されており、ガイド層を用いて記録層における記録や再生が行われる(例えば、特許文献1から3参照)。
具体的には、その記録時や再生時には、トラッキング用の第1光ビーム(例えばDVDと同じく赤色レーザからなるガイド光ビーム或いはサーボ光ビーム)が照射され、記録層を介してガイド層に集光される。これにより、各記録層に対するトラッキングが可能となる。即ち、ガイド層に対するフォーカスサーボ及びガイド層に予め形成されたトラックを用いてのトラッキングサーボが可能となる。
このようなトラッキング動作と並行して、同一の光ピックアップを用いる或いは同一の対物レンズを介するなど、第1ビームとの位置関係が固定されている若しくは既知である情報記録再生用の第2ビーム(例えば、ブルーレイと同じく青色レーザからなるメイン光ビーム)が、典型的には第1ビームに同心的に重ねられた形で照射され、記録又は再生対象となっている一の記録層に集光される。これにより、各記録層における情報の記録や再生が可能となる。即ち、各記録層に対するフォーカスサーボ及び情報の書込若しくは読取が可能となる。
特開平4−301226号公報 特開2003−67939号公報 国際公開WO2009/037773号公報
しかしながら、特許文献に開示された技術では、ガイド層を照射する第1ビームと記録層を照射する第2ビームのディスク上の各ビーム径が異なり、ガイド層に比べ記録層が、「高密度記録」となる場合、ガイド層のトラッキング精度は、相対的に大径である第1ビーム径から算出されるトラックピッチで制御され、それに基づいて記録層のトラッキングが行われる。このため、相対的に小径である第2ビーム径から算出され得るトラッキング精度より粗くなり、ついては高密度記録により隣接トラックからのクロストーク等の増加により特性劣化を招く。
更に、情報記録時には、トラッキングの実行のみならず、例えば既存フォーマットで記録されたデータと再生互換性を有するフォーマットにより記録を行うためには、所定の帯域の記録用同期クロックを、ガイド層から発生させる必要性も生じる。しかしながら、上述の如きクロストーク等の増加により、ガイド層から記録用同期クロックを発生させることも困難となる。
また、ガイド層のトラックピッチが記録層のトラックピッチと略等しくなる高密度記録とした時には、第1ビームはガイド層の複数本のトラック領域を一度に照射することになり、目標トラックに追従することが極めて困難になる。この結果、同期クロックを高精度で発生させることも極めて困難になるという技術的課題がある。
特に、CLV(Constant Linear Velocity)方式を採用した場合、ディスク盤面上の利用効率を高くし且つ高密度記録を達成することは極めて困難である。また、ガイド層のアドレス構成方法についても開示されていない。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、CLV方式を採用しつつ記録用同期クロックなどのタイミング情報を高精度で発生させることを可能ならしめる多層型の情報記録媒体、そのような情報記録媒体に情報を記録する記録装置及び方法、並びにそのような情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の情報記録媒体は上記課題を解決するために、CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されており、前記複数のガイド領域は、前記トラックが前記トラック方向に区分されてなる複数のスロットのうち、前記トラック方向に相隣接しておらず且つ前記径方向に前記複数のトラックに渡って相隣接していない一部の複数のスロット内に、配置されている。
本発明の情報記録装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録媒体に、データを記録する情報記録装置であって、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御手段とを備える。
本発明の情報記録方法は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録媒体に、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを記録する情報記録方法であって、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御工程とを備える。
本発明の情報再生装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録媒体から、データを再生する情報再生装置であって、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得手段とを備える。
本発明の情報再生方法は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録媒体から、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを再生する情報再生方法であって、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得工程とを備える。
本発明のこのような作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
本発明の実施例に係る、情報記録媒体の基本構成を示す模式的な斜視図である。 実施例における、ガイド用の第1ビーム及び記録(若しくは再生)用の第2ビームを集光する対物レンズと、情報記録媒体とを示す、模式的な部分拡大断面図である。 実施例における、ガイド層のグルーブトラック及びランドトラックに夫々設けられる、三つの領域が配置されているトラックの構成、及び三つの領域の各々内の構造を示す概念図である。 実施例における、グルーブトラック、ランドトラック及び切替エリアが設けられたガイド層の図式的な平面図である。 実施例における、ランド/グルーブ切替エリアの一具体例を示す概念図である 実施例における、ランド/グルーブ切替エリアの他の具体例を示す概念図である。 図4〜図6に示したランド/グルーブ切替エリア全体の構成方法の1形態を示す概念図である。 実施例における、記録されるデータの構成例と1グループ乃至はスロット構成との関係を示す概念図である。 実施例における、図8に示した1グループを構成する各スロット内における、各種領域或いはデータのアサインの一具体例である。 実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上のマークの配置と読み取りビーム径との関係(条件)を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上の緩衝領域の長さと、スロット数との関係として図12と対比した例を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上の緩衝領域の長さと、スロット数との好適な関係の例を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 グルーブマーク離散配置構成例における、マークの分散配置と、トラック横切り信号との関係を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 グルーブ構成例における、グルーブトラッキング方式の場合のトラック横切り信号がビーム径に比して狭いトラック間隔により制限を受ける例を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 ランド/グルーブ構成例における、ランド/グルーブトラッキング方式の場合のトラック横切り信号の制限の緩和策の一例を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 グルーブトラック及びランドトラック上に分散配置されたマークの検出方法の実施形態を、その記録再生装置における受光部と共に示す、ガイド層の図式的な部分拡大斜視図である。 グルーブトラック及びランドトラック上に形成されるマークの例及び連続グルーブを示す、ガイド層の図式的な部分拡大斜視図である。 実施例における、信号分離部の一具体例を、分離により得られる信号と共に示す、図式的なブロック図である。 実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上のマークのサーボ信号への影響を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 隣接グルーブトラック及びランドトラック上のマークが隣接との重なりによりデータ取得への影響を及ぼす場合を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 実施例における、記録層上にデータが記録される様子を示し、切替領域においてもデータが連続して記録される様子を示す、切替領域が設けられたガイド層及び記録層の模式的な斜視図である。 実施例における、記録層上へのデータを任意の位置から記録開始できることを示す、切替領域が設けられたガイド層及び記録層の模式的な斜視図である。 実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上のマークの適応的な離散配置の一例を示す、ガイド層の図式的な部分拡大平面図である。 実施例における、情報記録再生装置のブロック図である。 実施例における、図24に示した情報記録再生装置のうち、信号記録再生部の一例を示すブロック図である。 実施例における、図25に示した信号記録再生部のうち、記録クロック生成部の一例を示すブロック図である。 実施例における、図26に示した記録クロック生成部が有する、記録クロック生成用PLLのオープンループ特性の一例を示す特性図である。 実施例における、図24に示した情報記録再生装置による記録スタートタイミングの生成の一例を示す、タイミングチャートである。 実施例における、情報記録再生方法のフローチャートである。 実施例における、新規ディスクに対する記録方法のフローチャートである。 実施例における、再生装置での新規ディスクに対する再生方法のフローチャートである。 実施例における、再生装置での新規ディスクに対する再生方法の他の例を示すフローチャートである。 実施例における、再生装置での新規ディスクに対する再生方法の他の例を示すフローチャートである。 一の変形例における、ガイド領域の構造を示す模式的な拡大平面図である。 他の変形例における、ガイド領域内の構造を示す模式的な拡大平面図である。 他の変形例における、ガイド領域内の構造を示す模式的な拡大平面図である。 他の変形例における、光ディスクの図1と同趣旨の模式的な斜視図である。
以下、発明を実施するための最良の形態として、駆動装置に係る実施形態について順に説明する。
(情報記録媒体)
<1>
本実施形態の情報記録媒体は上記課題を解決するために、CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている。
しかも、前記複数のガイド領域は、前記トラックが前記トラック方向に区分されてなる複数のスロットのうち、前記トラック方向に相隣接しておらず且つ前記径方向に前記複数のトラックに渡って相隣接していない一部の複数のスロット内に、配置されている。
本実施形態の情報記録媒体によれば、典型的には、ガイド層に設けられたトラックをガイド用或いはトラッキング用に利用することで、該ガイド層上又は下に積層されている複数の記録層のうちの所望の記録層に対し、該トラックに沿って、CLV(Constant Linear Velocity)方式にて光学的に情報を記録することが可能とされる。更に、同じくトラックをガイド用に利用することで又は利用することなく、記録済とされた所望の記録層から、CLV方式にて光学的に情報を再生することが可能とされる。
ここに「ガイド層」とは、典型的には少なくとも各記録層への情報記録時或いは書込時に、各記録層に係る記録面内の位置(即ち、記録面に沿った、径方向の位置及びトラック方向の位置)を、ガイド用或いはトラッキング用の第1光ビーム(以下単に「第1光ビーム」と呼ぶ)により、ガイドする又は案内するための層を意味する。「ガイド層」は、典型的には、トラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号やプリピット信号など)が発生可能に構成されたトラックが予め物理的に作り込まれている層である。
またガイド層に形成される「トラック」とは、少なくとも情報記録時に、第1光ビームがなぞられる或いは追従される軌道を意味し、典型的には、例えば、ウォブリングされたり、これに加えて又は代えてピットが形成されたグルーブトラック又はランドトラックとして、ガイド層内或いはガイド層上に予め物理的に作り込まれている。なお、記録層において記録後に形成される情報トラックは、当初はトラックが何も無かった記録面内にて、記録された情報ピットの並び或いは配列として構築される点で、ここにいう予め作りこまれた「トラック」とは、明確に区別される。
このようにガイドされる、ガイド層内のトラック上の第1光ビームの各位置に対応する、所望の記録層における、記録後に情報トラック上をなす各位置にて、典型的には、情報記録用或いは情報書込用の第2光ビーム(以下単に「第2光ビーム」と呼ぶ)による情報記録が行われる。
なお、ガイド層は、典型的には、全記録層に対して一層だけ設けられていれば足りるが、例えば二層など複数備えられて、各々が適宜に用いられる或いは役割分担される構成でもかまわない。いずれにせよ、ガイド層と複数の記録層とは、相互に別層として設けられる。
複数の記録層は、例えば16層など、各々に独立して情報を記録可能更に再生可能となるように構成される。複数の記録層は夫々、未記録状態では、例えばストレートグルーブ若しくはストレートランド又は鏡面など、なるべく単純な構造を持つのが好ましい。複数の記録層の相互間の位置合わせや、ガイド層との間での位置あわせが殆ど又は実践上全く不要であるのが、製造上好ましいからである。記録層の構造は、光ビームの照射側から見て、奥側の記録層或いはガイド層に対しても、光ビームが到達するように、各々の記録層における透過率及び反射率が所定範囲に収まるよう設定された各種記録方式で記録可能に構成されている。
より具体的には、情報記録時には、例えば、ガイド層に存在するトラックに対し、第1光ビーム(例えば、比較的大径の光スポットを形成する赤色レーザ)が集光された場合に得られる反射光から、記録用同期クロックであるタイミング情報が、検出或いは取得される。更にこの反射光から、トラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号及びこれに加えてプリピット信号)が検出可能とされる。このタイミング情報により規定されるタイミングで、既存フォーマットに準拠した所定の帯域にての情報記録が可能となる。この際、例えば、トラッキングエラー信号に従って、ガイド動作の一種としてトラッキング或いはトラッキングサーボが実行可能とされる。このトラッキングが行われている或いはトラッキングサーボが閉じられている状態で、トラックの上層又は下層側における所望の記録層に対し、第2光ビーム(例えば、比較的小径の光スポットを形成する青色レーザ)が集光されることで、情報の記録が行われる。言い換えれば、ガイド層に予め形成されたトラックの位置を基準として、予めトラック或いはトラックの如きが何ら存在していない(例えば、鏡面状態)他の層である所望の記録層における情報を記録する際の面内位置決めが行われる。(なお、フォーカスについては集光する際に別途行われている。)
ここで、光ピックアップ等における、第1及び第2光ビームを照射する光学系が固定されていれば、それらにより形成される光スポットの位置関係も固定されている。このため、第1光ビームの位置(即ち、それにより形成されるトラック上の光スポットの位置)についてトラッキングサーボ等のガイド動作を実行することは、第2光ビーム(即ち、それにより形成される記録面内における光スポットの位置)についても、再現性を持ってガイド動作を行っていることになる。言い換えれば、予め存在するトラック上における第1光ビームを利用して、予めトラックが存在しない記録面内における第2光ビームを、トラッキング或いはガイド可能となる。
このような記録方式を採用すれば、相互に積層形成される、ガイド層及び各記録層間で、或いは複数の記録層の相互間で、トラック相互間の記録面に沿った方向についての位置合わせを行う必要が元より殆ど又は実践上全くない。これは、製造上極めて有利である。
他方、情報再生の際には、同様にトラックはガイド用に利用されてもよいし、或いは、この情報再生の際には、既に記録層に書き込まれた情報を追従することで、ガイド層をガイド用に(典型的には、タイミング発生用やトラッキング用に)利用することなく、記録後の情報トラックに対してトラッキング動作を行うことで再生することも可能である。
ガイド層に形成されたトラックには、ガイド情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、配置されている。ここに「ガイド情報」とは、第1光ビームをガイド若しくは案内する又は追従させるための情報であり、典型的には、光学的にトラッキングエラー信号(或いはその元となるグルーブ信号、ウォブル信号及びこれに加えてプリピット信号等)を発生させるための情報である。更に、ガイド情報は、タイミングを発生させるための、或いは、用のトラッキング用の光ビームを位置決めするためのマークとなるという意味から「マーク情報」(或いは単に「マーク」)と言い換えることも出来る。
本実施形態では特に、このようなガイド情報の一種類として、例えば、記録用同期クロックである、複数の記録層に記録するためのタイミング情報が、ガイド領域の有する物理構造によって担持されている。
このようなガイド情報を担持する物理構造は、典型的には、グルーブトラック又はランドトラックの側壁又は内部若しくは外部に造作されたウォブル及びプリピット構造(即ちランドプリピット、グルーブプリピットなど)、ウォブル及び一部切欠き構造、グルーブ及びランドがない面(例えば、鏡面)上におけるプリピットの配列や連なりなどによって、実現される。ここに「物理構造」とは、論理構造、単なるデータにより構築される概念的な或いは仮想的な構造とは異なり、物理的に実在する構造を意味する。物理構造は、当該情報記録媒体の完成時に既にガイド上に造り込まれている。タイミング情報は、例えば、トラックに沿ったグルーブ又はランドの長さが変調されている複数のピット或いは凹凸の集合体であるマークとして、担持されている。
ここで本願発明者による研究の結果、例えば所定の帯域のタイミング情報の発生を行う、所定の帯域でトラッキングを行うなどの、ガイド動作を実行可能とするといった特定目的は、いずれかのトラックにてガイド情報を検出可能とする必要があるにせよ、従前の或いは既存の光ディスクにおけるトラックの如く、当該ガイド情報を検出するための特殊な仕掛けを、トラック方向に連続して形成しなくても、達成可能であることが判明している。即ち、ガイド情報が検出される時間間隔に相当するガイド情報の配置間隔(即ち、配置ピッチ)を、ガイド動作を可能ならしめるのに最低限必要な距離よりも小さく(例えば所定の帯域のタイミング情報の発生を可能ならしめる最長距離以下、トラッキングサーボが所定の帯域で動作可能な最長距離以下などに)設定しておく限りにおいて、トラックに沿った全域にこのような特殊な仕掛けを施しておかなくても、上記目的は達成可能であることが判明している。同時に、相隣接する複数のトラックについて言えば、径方向に揃った複数の位置或いは領域の各々に、このような特殊な仕掛けを並べておかなくても、即ち、径方向に一列に規則正しくこのような特殊な仕掛けを並べて(或いは整列させて)おかなくても、上記目的は達成可能であることが判明している。
そこで本発明では、複数のガイド領域は、螺旋状又は同心円状であるトラックに沿ったトラック方向(言い換えれば、トラックの接線方向)に、相互に、予め設定された所定距離又はそれ未満の距離を、配置間隔(即ち、配置ピッチ)として離散的に配置されている。ここに「所定距離」とは、典型的には、所定の帯域のタイミング情報の発生を可能ならしめる最長の距離よりも若干のマージンを持って短い距離、或いは、所定の帯域でトラッキング或いはトラッキング動作である、ガイド或いはガイド動作が機能し得る最長の距離(例えば、トラッキング動作を所定の帯域で安定的に実行可能ならしめる頻度にてトラッキング信号を連続的或いは継続的に発生し得る最長の距離)よりも若干のマージンを持って短い距離である。また、タイミング情報についての「所定の帯域」とは、例えば既存フォーマットで記録されたデータと再生互換性を有するフォーマットにより記録を行うための帯域である。トラッキングに係る「所定の帯域」とは、情報記録時に用いられる帯域との関係で定まる、トラッキング動作が行われる、データフォーマット或いはデータ規格に対して固有の帯域を意味する。
このような所定距離は、予め実験的、経験的に又はシミュレーション等により、固有の情報記録媒体におけるガイド層に対して、ガイド動作(典型的には、所定の帯域のタイミング情報を発生させる動作や、所定の帯域でのトラッキング動作)が機能する限界の距離を求めることと、適当なマージンを決定することで、設定されればよい。仮に、ガイド領域が、所定距離よりも長い配置間隔(即ち、配置ピッチ)で、離散的に配置されていたとすれば、例えば既存フォーマットに準拠した所定の帯域のタイミング情報が生成されない、或いは、例えば所定の帯域で安定したトラッキングサーボを可能ならしめるだけの頻度にてトラッキングエラー信号を生成できないなど、安定したガイド動作を実行できない。
なお「離散的に」とは、各記録層に係る記録面上で平面的に見て、相互に連続しておらず、相互間に、鏡面、緩衝領域、ガイド領域以外の領域など他の平面領域が介在している意味である。
複数のガイド領域は、トラックに交わる径方向(即ち、半径方向)に、相隣接する複数のトラックに渡って、該複数のトラック間でずらされて、配置されている。ここに「複数のトラックに渡って」とは、各記録層に係る記録面上で平面的に見て、相互に隣接する二本又は二本以上のトラック及びそれらの間隙を占める領域を含めて、それらに渡って或いは跨ってという意味である。また「径方向に、複数のトラック間でずらされて」とは、径方向(即ち半径方向)について複数のトラック間が同一位相(例えば、ディスク上の角度)或いは同一位相に相当する位置(例えば、ディスク上の角度位置)にない、或いは同一半径上にないという意味である。この際、相対的に径方向について近接して並ぶ複数のガイド領域は、完全に(即ち、間に間隙を隔てて)離間している必要は無く、典型的には、情報記録時又は再生時におけるトラッキングサーボ用の光ビームが、該複数のガイド領域に同時にかからない程度に(例えば5トラックに渡って)、径方向の位相がずらされていれば足りる。或いは、光ビームにより、該複数のガイド領域から読み取り可能な信号や情報が相互から識別可能である程度にずらされていれば足りる。
このため、光ビームのスポットが相隣接する二つの或いは二つ以上のトラック或いはトラック部分に跨るまで(例えば5トラックに渡るまで)トラック密度を高めても、これに対応してガイド領域が上述の如くずらされている限りにおいて、トラック方向及び径方向の双方についてガイド情報が重なること(或いは他のガイド領域からの信号成分がノイズとして影響を及ぼすこと)に起因して、即ち検出されるガイド情報のクロストークにより、ガイド情報が検出不能となってしまう事態が回避可能となる。このようにトラック密度を高めても、ガイド或いはトラッキングが可能となり、ガイド層としての、典型的にはトラッキング信号を発生する本来の機能や、記録用同期クロックなどの所定の帯域のタイミング信号を発生させる機能は保証される。
従って、第1光ビームがガイド層における相隣接する複数のトラックに同時に照射される程度に、第1光ビームの径に対して、トラックピッチを狭めつつも、例えば既存フォーマットに準拠した記録用同期クロックを発生することが可能となり、これに加えて、例えば第1光ビームに起因する反射光等から得られるプッシュプル信号をサンプリングするなどして、トラッキングエラー信号或いはその元となるウォブル信号及びこれに加えてプリピット信号等のガイド情報を、安定して連続的に発生させることが可能となる。即ち、例えば記録用同期クロックに基づく光ディスクのスピンドルサーボ制御、スレッドサーボ制御等の制御動作や記録用のレーザ光に係る変調周期の制御動作、更に、所定の帯域での安定したトラッキング動作等のガイド動作が実行可能となる。或いは、ガイド情報に、制御用の情報(例えば、サーボマークやアドレス情報など)を含めた場合に、これを第1光ビームに起因する反射光等に基づく情報として、確実に読み取ることが可能となる。即ち、安定的にプリフォーマット情報を取得可能となる。
これは特に、第1光ビーム(例えば、赤色レーザ)が、第2光ビーム(例えば青色レーザ)に比べてビーム径が大きい場合において、第2光ビームの相対的に小さい光スポットを有効活用して(即ち、その小ささに応じて)記録層に情報記録する際における記録密度を限界付近まで高める場合に、極めて有利に働く。即ち、記録層における記録後にトラックとなる狭ピッチの記録領域に対応する狭ピッチのトラックを、ガイド層に予め造り込んだ場合に、必然的に、そのようなトラックに対して大きくなる第1光ビームの光スポットは、複数のトラック(例えば5トラックなど多数のトラック)に渡って同時に照射されるという技術的性質を有する。このため、相対的に大きな光スポットを形成する第1光ビームを用いて、狭ピッチの記録層に対応したタイミング情報の発生や、トラッキング動作等のガイド動作を行う必要があるからである。
なお、第1光ビームが、第2光ビームに比べてビーム径が小さい場合においても、或いは、これらの径が殆ど又は全く同じ場合においても、トラックのピッチに対して光ビームの径が大きい場合に適切にガイド動作を行おうとする限りにおいて、やはり、上述の如き本実施形態における独自の構成は、相応の作用効果を齎すものである。
このように、ガイド用のトラックについては、例えば既存フォーマットに準拠した記録用同期クロックの発生を可能ならしめること、所定の帯域でトラッキングサーボを可能ならしめること或いはプリフォーマット情報を読み取らせることなどのガイド機能を損なわないようにしつつ、そのピッチを(例えば、記録層における記録により構築されると共に第2光ビームのビーム径に相応しい情報トラックが有することになる、狭ピッチと同程度にまで)狭ピッチにする(即ち、第1光ビームに対して不相応なまでに狭ピッチにする)ことが可能となる。
加えて特に、CLV方式を採用しているので、内周側になる程、角速度が増大するが故に(言い換えれば、外周側になる程、角速度が減少するが故に)、例えばガイド層のトラックに予め記録されたガイド情報の配置関係が、半径位置に応じて任意となる。例えばCAV(Constant Angular Velocity)方式であれば可能なように、特定長の情報を複数のトラックに渡って径方向に一列に整列させるといった配置をとることは、根本的に不可能である。すると、CLV方式にて仮に何らの対策も施さないとすれば、第1光ビームが複数トラックに渡る光スポットを形成する場合に、その光スポット内部に入るトラック部分が半径位置に応じて任意となり(即ち、いずれにせよ特定長の情報であっても径方向位置に応じてトラック方向にずれ)、ガイド情報の取得が半径位置に応じて、極めて不安定とならざるを得ない。
しかしながら、ガイド領域は、上述の如く意識的に或いは積極的に、径方向に複数のトラック間でずらされて配置されている。このため、径方向位置によらずに(即ち内周寄りや外周寄りを問わずに)、高密度記録を実現するための高密度のトラックピッチや記録線密度に対応して、所定の帯域の記録用同期クロックの発生や、所定の帯域でのトラッキングサーボ等のガイド動作を安定して実行可能となる。逆に言えば、CLV方式であることを前提として、径位置に応じて、予め所定距離やずらし方を規定しておけば、CLV方式であっても何ら問題は生じない。
しかも本実施形態によれば、複数のガイド領域は、複数のスロットのうち、トラック方向に相隣接しておらず且つ径方向に複数のトラックに渡って相隣接していない一部の複数のスロット内に、配置されている。典型的には、このような一部の複数のスロット内に一つずつ配置されている。
ここに、「スロット」とは、トラックがトラック方向に区分されてなる論理的な区画若しくは区分、又は物理的な区画若しくは区分である。スロットは、典型的には、トラック方向に隙間無く連続して配列されており且つ径方向にも隙間なく或いは相隣接して配列されている。但し、スロットは、トラック方向及び径方向の少なくとも一方については、若干の隙間をあけて配列されてもよい。言い換えれば、ガイド層にて、予めトラック方向に並べられるように作り込まれた複数のスロットにおける、配列、或いは連なりから、トラックが構築される。
ガイド領域は、トラック方向に相隣接しておらず且つ径方向に複数のトラックに渡って相隣接していない一部の複数のスロット内に(好ましくは一つずつ)配置されているので、複数のガイド領域から検出可能なガイド情報間におけるクロストークを確実に低減或いは無くすことが可能となる。加えて、ガイド層においては、グルーブ、ランド、プリピット等を、ガイド領域が配置されるスロット内にだけ作り込めばよく、これらをトラック全域に連続して作り込む必要は無い。しかも、スロットの存否(例えば、スロットと鏡面との相違)が物理的に明確に区別し易く、よって検出しやすいため、ガイド情報の読み取りが容易にして安定的に実行可能となる。これは、実践上大変有利である。
他方で、記録層における複数のスロットについては、ガイド層の場合と異なり、トラック方向及び径方向の両方についての連続する全てのスロット内に、コンテンツデータ、ユーザデータなどを記録するための個々の記録領域が配置されてよい。記録層におけるいずれのスロットについても、ガイド層におけるガイド領域が配置されたスロットと対応がとれるので、記録層に対して間接的に、所定の帯域の記録用同期クロックの発生や、所定の帯域におけるトラッキングサーボを実行可能となる。言い換えれば、記録層については、第2光ビームにより形成される光スポットによって、読み取り可能な限界までの高密度にて、全てのスロット内に情報を記録可能となる。
以上の結果、CLV方式を採用しつつ、記録層において記録若しくは再生できるトラックピッチや記録線密度(例えば、線記録密度、ピットピッチ或いは情報転送速度(即ち、記録線密度×移動速度))を、多層型の情報記録媒体における本来の目的である「高密度記録」と言える程度にまで高めることが可能となる。
本実施形態の情報記録媒体の一の態様では、前記複数のガイド領域は、前記トラック方向に(i)鏡面又はストレートグルーブ若しくはストレートランド構造を有する緩衝領域並びに(ii)鏡面又はストレートグルーブ若しくはストレートランド構造を有する鏡面領域のうち少なくとも一方を、間に挟んで配置されている。
この態様によれば、ガイド層では、トラックに沿って、緩衝領域、ガイド領域、及び鏡面領域が、適宜に順番に並べられる構造が予め構築される。ここに「鏡面」とは、特に情報が埋め込まれてないプレーンな素面を意味し、ガイド層にて光反射率が最も高い面となる。「ストレートグルーブ若しくはストレートランド構造」とは、ウォブルやピットなどが形成されていない単なる真っ直ぐな溝(グルーブ)又は溝と溝との間にある土手(ランド)を意味する。なお、グルーブとランドとは、相対的な凹凸であり、第1及び第2光ビームが照射される方向から見て、どちらが凹でありどちらが凸であっても構わない。例えば、情報記録媒体を構成する本体基板を基準に凹となるのがグルーブであり、凸となるのがランドである。この場合、第1及び第2光ビームが照射される方向から見て、グルーブが凸となり且つランドが凹となったりする。
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記物理構造は、ウォブル及びプリピット構造を含む。
この態様によれば、複数のガイド領域は、ガイド用のガイド情報を担持する、ウォブル及びプリピット構造を含む物理構造を夫々有する。ここに「ウォブル及びプリピット構造」とは、ウォブル或いはウォブリングされたグルーブ又はランドトラックが形成されていると共に、そのグルーブ内又はランド内にプリピットが形成されている構造を意味する。更に「プリピット」とは、グルーブ内若しくは上、又はランド上若しくは内におけるトラック上に、グルーブ幅又はランド幅よりも狭くなるように形成された凸状又は凹状のピット或いは位相ピットを意味する。言い換えれば、プリピットは、ランドプリピットでも、グルーブプリピットであってもよい。
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記物理構造は、ウォブル及び一部切欠き構造を含む。
この態様によれば、複数のガイド領域は、ガイド用のガイド情報を担持する、ウォブル及び一部切欠き構造を含む物理構造を夫々有する。ここに「ウォブル及び一部切欠き構造」とは、ウォブル或いはウォブリングされたグルーブ又はランドトラックが形成されていると共に、そのグルーブ内又はランド内にグルーブ幅又はランド幅と同等の切欠きが施されている構造を意味する。相隣接するグルーブ間に存在するランドの一部が切欠きされている場合、相隣接するランド間に存在するグルーブの一部が切欠きされている場合、及びそれらを組み合わせた場合が考えられる。言い換えれば、物理構造は、一部切欠きという広義のプリピットを含んで構成されてもよく、更に、この広義のプリピットは、広義のランドプリピットでも、広義のグルーブプリピットであってもよい。更に、そのような構造に加えて、前述した狭義のプリピット(即ち、一部切欠き構造を伴わないプリピット)を併せて形成することも可能である。
このように、トラックは、ピットが形成され又はこれに代えて若しくは加えてウォブリングされたグルーブトラック又はランドトラックとして、ガイド層に予め構築される。或いは、トラックは、ランド又はグルーブの一部が切欠きされ又はこれに代えて若しくは加えてウォブリングされたグルーブトラック又はランドトラックとして、ガイド層に予め構築される。よって、その構築は、比較的容易であり、最終的には、信頼性及び安定性の高いガイド動作が可能とされる。
このようなガイド領域に構築されるランド又はグルーブの凹凸若しくはピット等であって、タイミング情報の発生やトラッキング動作等に寄与するマークを、適宜単に「マーク」と称する。
<2>
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記トラックは、少なくとも一部において、グルーブ構造を有するグルーブトラックとランド構造を有するランドトラックとが、交互に形成されてなり、前記物理構造は、前記トラック方向に所定範囲の長さを有する1つ以上のマーク群を有する。
この態様によれば、グルーブトラックとランドトラックとが、典型的には、1週おきに形成されている。ガイド領域の有する物理構造は、トラック方向に所定範囲の長さを有する1つ以上のマーク群(即ち、1つ若しくは複数のマークから構成される、1つ又は複数の群)を有し、好ましくは、そのようなマーク群のみを含むマーク構造を有する(即ち、マーク以外の部分は、鏡面とされているのが好ましい)。従って、形成するマークの限定により、連続したグルーブ或いは連続したランドを形成することが可能となる。クロック信号やトラッキングエラー信号の連続検出により、トラッキングサーボ等が可能となる。ランド/グルーブ方式トラッキング(即ち、ランドトラック及びグルーブトラックの両方のトラックをトラッキングに用いる方式)と高密度のマーク配置とを両立できる。
<3>
このグルーブトラックとランドトラックとが交互に形成されている態様では、前記複数のガイド領域は、前記トラック方向に所定長さの緩衝領域を含み、該緩衝領域は、少なくとも一部において、前記グルーブトラックがストレートグルーブ構造を有すると共に前記ランドトラックがストレートランド構造を有してなってもよい。
このように構成すれば、グルーブ上でのトラッキングサーボは、グルーブ上に配置されたマークとは無関係に、連続したグルーブトラッキングが可能となる。他方、ランド上でのトラッキングサーボは、ランド上に配置されたマークとは無関係に、連続したランドトラッキングが可能となる。
<4>
上述のグルーブトラックとランドトラックとが交互に形成されている態様では、前記複数のガイド領域は、前記グルーブトラックとランドトラックとを相互に切り替えるためのランド/グルーブ切替領域を含み、該ランド/グルーブ切替領域は、少なくとも一部において、前記トラックに沿って前記スロットの整数倍の長さを有してもよい。
このように構成すれば、クロストークの影響が低減された形で、該ランド/グルーブを切り替るためのタイミング情報を、ランド/グルーブ切替領域から良好に取得可能となる。ここに「切り替え」は、グルーブトラックとランドトラックとがトラック方向(即ち周方向)に沿って連続しての(即ち、同一円周上にあるトラック部分間での)切り替えでもよい。或いは、トラック方向に対して若干の段差をもっての(即ち、同一円周上にないトラック部分間での)、即ち、トラック方向に対して局所的に若干斜めに交わるような切り替えでもよい。また、少なくとも1週に一回は、グルーブトラックからランドトラックへの切り替え点及びランドトラックからグルーブトラックへの切り替え点のうち少なくとも一方が設けられているのが好ましい。
更に、例えば、記録情報に対応付けられる、プリアドレス情報、所望のタイミング情報などの所望の情報を、記録時或いは再生時に、ランド/グルーブ切替領域を含むガイド領域から取得可能となる。
<5>
この態様では更に、前記ランド/グルーブ切替領域は、前記スロットの整数倍を単位として、前記径方向に揃うように配置されてもよい。
このように構成すれば、トラッキングオープン状態でも、ランド/グルーブ切替領域は検出可能となり、トラッキングサーボの引込みに対して有利な対応が可能となる。このように径方向に揃えるためには、例えば、ランド/グルーブ切替領域に隣接するエリアにマークを配置しない構成を採ればよい。ここに「径方向に揃う」とは、完全に揃っている場合のほか、このような効果が認められる程度に概略揃っていれば足りる意味である。言い換えれば、実質的に揃っていれば足りる意味である。
<6>
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記複数のスロットは、前記トラック方向の長さが相互に等しく、前記トラック方向に隙間無く配列されている。
この態様によれば、ガイド層及び記録層でスロットを配列することや、特にガイド層におけるいずれのスロット内にガイド領域を配置してよく、いずれのスロット内にガイド領域を配置していけないかを或いはそのような配置規則を、比較的容易にして決められる。
<7>
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記物理構造は、前記スロットの前記トラック方向の長さと、前記複数の記録層に夫々記録されることになるデータのフォーマットの構成単位の前記トラック方向の長さとが、所定の整数比となるように、前記ガイド情報を担持してもよい。
このように構成すれば、ガイド層におけるスロットのトラック方向の長さと、各記録層における、記録されることになるデータ(例えば、ユーザデータ、コンテンツデータなど)のフォーマットの構成単位のトラック方向の長さとが、所定の整数比となる。ここに「フォーマットの構成単位」とは、例えば、ECC(Error Correction Code)ブロック、ADIP(Address In Pre-groove)単位等のエラー訂正の単位など、データフォーマットに準拠しての構成単位を意味し、典型的には、情報記録時又は情報再生時に、所定種類の処理を行う際に扱われる単位となる。
このため、タイミング情報、トラッキングエラー信号等のガイド情報の発生頻度と、トラックに対応する記録面内位置における記録層に情報を記録する周期とを、半径位置に寄らずに或いはトラック位置に寄らずに、一定の関係に維持することが出来る。特にCLV方式なので、径位置によって、角速度が変化するにも拘らず、任意の径位置にて、安定したガイド動作が実行可能となる。しかも、そのためには、予め作り込む際に、スロットのトラック方向の長さを、データのフォーマットの構成単位の長さに応じて規定すればよい。
このように、スロットを採用することで、記録層に対するタイミングの生成、トラッキング動作などのガイド動作を、比較的容易にして、極めて安定的に実行可能となる。
なお、前記物理構造は(上述の「スロット」という構成を採用することなく)、前記ガイド情報の前記トラック方向の長さと、前記複数の記録層に夫々記録されるデータの最小構成単位の前記トラック方向の長さとが、所定の整数比となるように、前記ガイド情報を担持するように構成してもよい。このように構成すれば、ガイド層におけるガイド情報のトラック方向の長さと、各記録層における、記録される又は記録されることになるデータ(例えば、ユーザデータ、コンテンツデータなど)の最小構成単位のトラック方向の長さとが、所定の整数比となる。このため、タイミング情報、トラッキングエラー信号等のガイド情報の発生頻度と、トラックに対応する記録面内位置における記録層に情報を記録する周期とを、半径位置に寄らずに或いはトラック位置に寄らずに、一定の関係に維持することが出来る。特にCLV方式なので、径位置によって、角速度が変化するにも拘らず、任意の径位置にて、安定したガイド動作が実行可能となる。
<8>
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記ガイド領域が配置される複数のスロットは、(i)少なくとも前記記録層に対する情報記録時に前記トラックに対して照射され且つ集光される光ビームにより、前記トラック上に形成される光スポットの径と、(ii)前記トラックの前記径方向のピッチと、(iii)前記CLV方式に準拠して周回毎に前記径方向に相隣接する二つのスロット間の相対位置が、CAV方式に準拠したと仮定した場合に比べて前記トラック方向に沿ってずれる変位量と、(iv)前記スロットの前記トラック方向の長さとに基づいて、前記光スポット内に同時に含まれない複数のスロットとして選定されている。
この態様によれば、光スポット内に同時に含まれない複数のスロットを、光スポットの径、トラックのピッチと、上記変位量と、スロットのトラック方向の長さとから、算術により決定できる。ここに「含まれない」とは、狭義には、ガイド層の主面、即ち記録層の記録面上で平面的に見て、端や隅などの一部についても二つのスロットが光スポット内に同時に含まれない意味である。広義には、ガイド情報をクロストークなしで検出可能である限度において若干の部分について二つのスロットが光スポット内に同時に含まれてもよい意味である。このように選定されたスロット内にのみガイド領域を配置すれば、比較的容易にして確実にガイド情報間でのクロストークの発生を回避し得る、スロットの配置を有するガイド領域を実現できる。
<9>
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記物理構造は、前記ガイド用のガイド情報の他の種類として、前記トラック方向に沿って内周から外周又は外周から内周へ向うアドレス位置を示すアドレス情報を担持する。
この態様によれば、単一又は複数のガイド層におけるガイド領域が有する物理構造は、ガイド情報の他の種類として、トラック方向に沿って内周から外周又は外周から内周へ向うアドレス位置を示すアドレス情報を担持する。このため、ガイド層により、例えばタイミングの生成やトラッキングエラー信号の発生によるトラッキングといったガイド機能のみならず、これに代えて又は加えて、アドレス情報の提供によるガイド機能が発揮される。ガイド層に予め形成されたトラックからアドレス情報まで取得できれば、トラックによりガイドされつつ記録層に情報を記録する作業が容易にでき、記録作業の信頼性及び安定性を高められる。
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記トラックは、記録用同期クロック発生用のガイドトラックであり、前記物理構造は、前記ガイド情報の少なくとも一部を構成する前記記録用同期クロックを、発生可能であり、前記複数のガイド領域は夫々、前記記録用同期クロックを発生するためのクロック発生用領域であり、前記所定距離は、前記記録用同期クロックが所定の帯域で発生可能な距離に予め設定されており、前記複数のクロック発生用領域は、前記ガイド層に照射される光ビームの径に基づいて、前記光ビームが同時に照射されないように前記複数のトラック間でずらされて、配置されている。
この態様によれば、第1光ビームのスポットが相隣接する二つの或いは二つ以上のトラック部分に跨るまでトラック密度を高めても、これに対応してクロック発生用領域が上述の如くずらされている限りにおいて、トラック方向及び径方向の双方について記録用同期クロックが重なること(或いは他のクロック発生用領域からの記録用同期クロックの成分がクロストークのノイズとして影響を及ぼすこと)に起因して、記録用同期クロックが検出不能となってしまう事態が回避可能となる。
本実施形態の情報記録媒体の他の態様では、前記トラックは、トラッキングサーボ用のガイドトラックであり、前記物理構造は、前記ガイド情報の少なくとも一部を構成する前記トラッキングサーボ用の信号を、発生可能であり、前記複数のガイド領域は夫々、前記トラッキングサーボ用の信号を発生するためのサーボ用領域であり、前記所定距離は、前記トラッキングサーボが所定の帯域で動作可能な距離に予め設定されており、前記複数のサーボ用領域は、前記トラッキングサーボ用の光ビームの径に基づいて、前記光ビームが同時に照射されないように前記複数のトラック間でずらされて、配置されている。
この態様によれば、第1光ビームのスポットが相隣接する二つの或いは二つ以上のトラック部分に跨るまでトラック密度を高めても、これに対応してサーボ用領域が上述の如くずらされている限りにおいて、トラック方向及び径方向の双方についてトラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号)が重なること(或いは他のサーボ用領域からのトラッキングエラー信号の成分がクロストークのノイズとして影響を及ぼすこと)に起因して、トラッキングエラー信号が検出不能となってしまう事態が回避可能となる。即ち、このようにトラック密度を高めても、トラッキングが可能となり、ガイド層としての、トラッキング信号を発生する本来の機能は保証される。
(情報記録装置)
<10>
本実施形態の情報記録装置は上記課題を解決するために、上述した実施形態の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)に、データを記録する情報記録装置であって、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御手段とを備える。
本実施形態の情報記録装置によれば、例えば二種類の半導体レーザを含む光ピックアップである光照射手段により、ガイド層に対して、第1光ビームが照射され且つ集光される。第1光ビームは、前述の如く、例えば赤色レーザ光ビームの如くスポット径が相対的に大きい光ビームであってよい。即ち、相対的に大きく、複数トラックに渡って照射されるような大きな光スポットを形成するような太い光束の光ビームであっても構わない。
すると、第1光ビームに基づく、ガイド層からの反射光、散乱光、屈折光、透過光等である第1光が、受光手段により、受光される。ここに受光手段は例えば、光照射手段と一体形成され対物レンズ等の光学系を少なくとも部分的に共有する、二分割或いは四分割のCCD(Charged Coupled Device)等のフォトディテクタ或いは受光素子を含んで構成される。受光手段は例えば、プリズムやダイクロイックミラー、ダイクロイックプリズム等を経由して、第1光を、第2光並びに第1及び第2光ビームと途中から異なる光路にて、受光するように構成される。
続いて、この受光された第1光に基づき、ガイド領域の物理構造により担持されたタイミング情報が、例えばプロセッサ、演算回路、論理回路等を含んでなる、情報取得手段により取得される。この際特に、所定の帯域のタイミング情報を発生させるためには、トラックに沿った全てのスロット内にガイド情報を発生可能なガイド領域が配置されている必要は無い。即ち、ガイド領域を含むスロットは、所定の帯域に応じて、トラック方向及び半径方向の双方について離散的に、配置されれば足りる。
続いて、この取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、例えばプロセッサ等のデータ記録制御手段による制御下で、記録すべき情報に対応して変調される第2光ビームが、光照射手段により、照射され且つ集光される。第2光ビームは、情報記録の高密度記録を狙って、前述したように例えば青色レーザ光ビームの如くスポット径が相対的に小さい光ビームであってよい。記録情報の高密度化を図るという観点からは、第2光ビームは、より細い光束であることが望ましい。
なお、このようなタイミング情報の取得に並行して或いは相前後して、情報取得手段により取得されたガイド情報に基づき、トラックに対して所定の帯域でトラッキングサーボをかけるように或いはトラッキングサーボを閉じるように、例えばトラッキングサーボ回路等のトラッキングサーボ手段によって、例えば光ピックアップ等の光照射手段が制御されてもよい。例えば、光照射手段における、トラッキング制御用のアクチュエータが、フィードバック制御或いはフィードフォーワード制御により制御され、第1光ビームにより形成される光ビームが、トラック上に追従される。このように所定の帯域でトラッキングサーボがかけられている或いはトラッキングサーボが閉じられた状態で、上述の如く、タイミング情報により規定されるタイミングで、第2光ビームが、光照射手段により、照射され且つ集光されてよい。
すると、所望の記録層において、ガイド層におけるトラックに対応する情報トラックとなる領域に、データが順次記録されることになる。この際、記録層へのデータの記録を、例えばスロットの整数倍など、スロットに対応する単位で行うようにすれば、記録動作が簡単且つ安定したものとなる。
このように、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層に対し好適に、例えばコンテンツ情報、ユーザ情報等の記録すべき情報を、高密度にて記録可能となる。
(情報記録方法)
<11>
本実施形態の情報記録方法は上記課題を解決するために、上述した実施形態の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)に、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを記録する情報記録方法であって、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御工程とを備える。
本実施形態の情報記録方法によれば、上述した実施形態の情報記録装置の場合と同様に作用し、最終的には、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層に対し好適に、例えばコンテンツ情報、ユーザ情報等の記録すべき情報を、高密度にて記録可能となる。
(情報再生装置)
<12>
本実施形態の情報再生装置は上記課題を解決するために、上述した実施形態の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)から、データを再生する情報再生装置であって、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得手段とを備える。
本実施形態の情報再生装置によれば、例えば二種類の半導体レーザを含む光ピックアップである光照射手段により、ガイド層に対して、第1光ビームが照射され且つ集光される。第1光ビームは、前述の如く、例えば赤色レーザ光ビームの如くスポット径が相対的に大きい光ビームであってよい。即ち、相対的に大きく、複数トラックに渡って照射されるような大きな光スポットを形成するような太い光束の光ビームであっても構わない。
すると、第1光ビームに基づく、ガイド層からの反射光、散乱光、屈折光、透過光等である第1光が、受光手段により、受光される。
続いて、この受光された第1光に基づき、ガイド領域の物理構造により担持されたタイミング情報が、例えばプロセッサ、演算回路、論理回路等を含んでなる、情報取得手段により取得される。
続いて、この取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、例えばプロセッサ等のデータ取得手段による制御下で、第2光ビームが、光照射手段により、所望の記録層に照射され且つ集光される。第2光ビームは、情報記録の高密度再生を狙って、前述したように例えば青色レーザ光ビームの如くスポット径が相対的に小さい光ビームであってよい。
なお、このようなタイミング情報の取得に並行して或いは相前後して、情報取得手段により取得されたガイド情報に基づき、トラックに対して所定の帯域でトラッキングサーボをかけるように或いはトラッキングサーボを閉じるように、例えばトラッキングサーボ回路等のトラッキングサーボ手段によって、例えば光ピックアップ等の光照射手段が制御されてもよい。
すると、所望の記録層において、記録済情報が再生されることになる。この際、記録時における記録層へのデータの記録を、例えばスロットの整数倍など、スロットに対応する単位で行うようにしておけば、再生動作が簡単且つ安定したものとなる。
このように、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層に対から好適に、例えばコンテンツ情報、ユーザ情報等の記録済情報を、高密度にて再生可能となる。
なお、ガイド層によるトラッキングを利用することなく、即ち第1光ビームを利用することなく、専ら第2光ビームにより、記録済の記録情報の配列或いは連なりからなる情報トラックに対してトラッキングを行いつつ、該情報トラックから情報を再生することも可能である。即ち、情報再生時には、第2光ビームのみを利用し、情報記録時には第1及び第2光ビームの両方を利用するという、記録及び再生の別に応じて、光ビームを使い分けるように情報再生装置を構築することも可能である。情報再生時には、第2光ビームのみが使用されるので、相対的に(即ち、再生時にも第1光ビームを使用する場合に比較して)低消費電力且つ単純な制御にて、再生を実行可能となる。特に、情報再生装置を、情報記録時と情報再生時とで光ビームの使い分けをする、記録機能をも備えた「情報記録再生装置」として実現すれば、実践上非常に有利となる。
(情報再生方法)
<13>
本実施形態の情報再生方法は上記課題を解決するために、上述した実施形態の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)から、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを再生する情報再生方法であって、前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得工程とを備える。
本実施形態の情報再生方法によれば、上述した実施形態の情報再生装置の場合と同様に作用し、最終的には、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層から好適に、例えばコンテンツ情報、ユーザ情報等の記録済情報を、高密度にて再生可能となる。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本実施形態に係る情報記録媒体によれば、ガイド層と複数の記録層とを備え、トラックには複数のガイド領域が配置されているので、CLV方式を採用しつつ、記録層において記録若しくは再生できるトラックピッチや記録線密度を高めることが可能となる。
本実施形態に係る情報記録装置によれば、光照射手段と情報取得手段とデータ記録制御手段とを備え、本実施形態に係る情報記録方法によれば、情報取得工程とデータ記録制御工程とを備えるので、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層に対し好適に、例えばコンテンツ情報、ユーザ情報等の記録すべき情報を、高密度にて記録可能となる。
本実施形態に係る情報再生装置によれば、光照射手段と情報取得手段とデータ取得手段とを備え、本実施形態に係る情報再生方法によれば、情報取得工程とデータ取得工程とを備えるので、上述した実施形態の情報記録媒体における記録層から好適に記録済情報を高密度にて再生可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の各種実施例について説明する。尚、以下では、本発明に係る情報記録媒体を、多層記録型の光ディスクに適用した例について説明する。
<情報記録媒体の実施例>
初めに、図1から図23を参照して、本発明に係る情報記録媒体の一例である多層記録型の光ディスクの実施例について説明する。
先ず、図1及び図2を参照して、本実施例に係る光ディスク11の基本構成(主に物理的な構造)及び基本原理について説明する。
図1において、光ディスク11は、多層記録型であり、単一のガイド層12と複数の記録層13とを備える。ここに図1は、図中左半面に図示された一枚の光ディスク11を構成する複数の層を、図中右半面にて、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。
光ディスク11に対しては、その記録時に、記録用同期クロックの発生用であり且つトラッキングサーボ用であると共に本発明に係る「第1光ビーム」の一例たる第1ビームLB1と、情報記録用であると共に本発明に係る「第2光ビーム」の一例たる第2ビームLB2とが同時に照射される。その再生時に、第1ビームLB1と、情報再生用である第2ビームLB2とが同時に照射される。なお、情報再生時には、第2ビームLB2を、トラッキングサーボ用であり且つ情報再生用である、単一の光ビームとして利用すること(即ち、第1ビームLB1を使用しないこと)も、可能である。
光ディスク11はCLV方式であり、同心円状又は螺旋状のトラックTRに予め記録されており、情報記録時又は再生時に検出される、記録用同期クロック、トラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号)、アドレス情報(或いはその元となるプリピット信号)等は、CLV方式に準拠してトラックに沿って配列されている。図1中、右半面に示されているように、第1ビームLB1は、ガイド層12に集光され、トラックTR(即ち、ガイドトラック)を追従するように、トラッキング制御される。
図2に示すように、第2ビームLB2は、ガイド層12上に積層された複数の記録層13のうち記録対象又は再生対象たる、所望の一つの記録層13に集光される。第2ビームLB2は、例えばBR(ブルーレイ)ディスクと同じく比較的小径の青色レーザビームである。これに対して、第1ビームLB1は、例えばDVDと同じく比較的大径の赤色レーザビームである。第1ビームLB1により形成される光スポットの径は、第2ビームLB2により形成される光スポットの径と比べて、例えば数倍程度となる。
複数の記録層は、例えば16層など、各々に独立して情報を光学的に記録可能、更に再生可能となるように構成される。より具体的には、複数の記録層13は夫々、例えば、2光子吸収材料を含む半透明の薄膜から構成される。例えば、2光子吸収材料としては、2光子吸収が起こった領域の蛍光強度が変化する蛍光物質を用いる蛍光タイプ、電子の局在化によって屈折率が変化するフォトリフラクティブ物質を用いる屈折率変化タイプなどが、採用可能である。屈折率変化タイプの2光子吸収材料としては、フォトクロミック化合物やビス(アラルキリデン)シクロアルカノン化合物などの利用が有望視されている。
2光子吸収材料を利用した光ディスク構造としては、(i)光ディスク11の全体が2光子吸収材料からなるバルク型と(ii)2光子吸収材料の記録層及び別の透明材料のスペーサ層を交互に積層した層構造型とがある。層構造型は、記録層13及びスペーサ層間の界面で反射される光を利用してフォーカスサーボ制御が可能となる利点がある。バルク型は、多層成膜工程が少なく、製造コストを抑えられる利点がある。
記録層13の材料としては、第2ビームLB2の波長及び強度の少なくとも一方に応じて感応し、屈折率、透過率、吸収率、反射率などの光学特性が変化することで、記録可能であると共に、安定な材料であればよい。例えば、光重合反応を生じるフォトポリマー、光異方性材料、フォトリフラクティブ材料、ホールバーニング材料、光を吸収して吸収スペクトルが変化するフォトクロミック材料など、透光性或いは半透明の光感応材料が、考えられる。例えば、記録層13としては、波長λ2の第2ビームLB2に感応するともに波長λ1(λ2<λ1)の第1ビームLB1に感応しない相変化材料、2光子吸収材料などが用いられる。
複数の記録層13は夫々、上述の2光子吸収材料、相変化材料以外にも、例えば色素材料等であってもよい。複数の記録層13は夫々、未記録状態では、トラックTRは予め形成されておらず、例えば全域が鏡面或いは凹凸のない平面とである。
以下に説明する実施例では、説明の便宜上、グルーブトラックGT及びランドトラックLTは、ストレート構造を有するが(図16及び図17等の図示参照)、これらのトラックには、ウォブリングが施されていてよい。例えば、グルーブトラックGT又はランドトラックLTは夫々、例えば光反射性の材料からなる薄膜である反射膜が、凹凸溝が形成された基材としての透明膜上に成膜され、更に保護膜としての透明又は不透明な膜で埋められることで形成されてよい。このようなグルーブやランドの側壁に、ウォブリングが施されていてよい。更に、ガイド層12(図1参照)に設けられるグルーブトラックには、例えば、一部切欠き構造からなるグルーブノッチが作り込まれてもよい。切欠きとは、グルーブトラックの一つのトラック幅に渡って切り欠かれてなる鏡面である。ランドパートには、ランドプリピットが作り込まれてもよい。加えて、プリピットが何ら形成されていないランドパートについても、適宜に、プリピットが形成されてもよい。
なお、ガイド層12のトラックTRに沿った記録層13上における記録済データの配列(以下適宜、単に「記録済情報トラック」)は、物理的には、記録時に第2ビームLB2の照射により記録層13の記録面に形成された、蛍光強度が変化した部分、屈折率が変化した部分、相変化部分、色素変化部分などの、ガイド層12のトラックTRに沿った一連のつらなりと言える。
このような複数の記録層13がガイド層12上に積層された光ディスク11に対し、少なくとも情報記録時には、光ピックアップが有する共通の対物レンズ102Lを介して、これらの径及び焦点深度が相異なる第1ビームLB1及び第2ビームLB2が、ほぼ又は実践上完全に同軸的に照射される。
図1及び図2において、第2ビームLB2についての、記録用同期クロックに基づくタイミングの生成及びトラッキング動作は、(特に記録時には記録層13上に何らのトラックも存在しないので)第1ビームLB1によるガイド層12のトラックTRに対する、タイミング生成及びトラッキング動作により、間接的になされる。即ち、第1ビームLB1と第2ビームLB2とは、対物レンズ102L等の共通の光学系(言い換えれば、照射される光ビーム間の位置関係が固定された光学系)を介して、照射される。このため、第1ビームLB1の光ディスク11の面内におけるタイミング生成や位置決めが、そのまま第2ビームLB2の光ディスク12の面内(即ち、各記録層13の記録面内)におけるタイミング生成や位置決めとして、利用できる訳である。
ガイド層12のトラックTRには、記録用同期クロック、トラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号などのトラッキングエラーを発生させるための信号)及びプリピット信号を担持する物理構造を夫々有する、複数のサーボ用領域が、配置されている。ここに、記録用同期クロックは、本発明に係る「ガイド用のガイド情報の一種類であるタイミング情報」の一例を構成し、トラッキングエラー信号及びプリピット信号は、本発明に係る「ガイド用のガイド情報」の一例を構成する。更に、後述のアドレスが、本発明に係る「ガイド用のガイド情報の他の種類であるアドレス情報」の一例を構成する。複数のマーク領域22G,22Lは、本発明に係る「複数のガイド領域」の一例を構成している。
このようにガイド層12のトラックTRが、記録用同期クロック(或いは、その元になる信号)、トラッキングエラー信号(或いはその元となるウォブル信号)を担持する物理構造をトラックTRに構築する際における、注意点について検討を加える。
光スポットSP1が、トラックピッチに対して相対的に大きい、高密度記録用のトラッキングを行う場合、光スポットSP1は(例えば、トラックピッチ0.25μmに対し)直径1μm程度であり、自らが集光され追従しているトラックTR以外の隣接或いは近隣トラックTR上の信号のノイズとしての影響を顕著に受ける。即ち、全てのトラックTRに対し、それらの径方向及びトラック方向に隙間無く、グルーブ構造やウォブル構造等を与えてしまうと、記録用同期クロックやトラッキングエラー信号にクロストークが顕著に発生する。このため、記録用同期クロックの生成やトラッキングを実行不可能となる。
特に、本実施例の如くCLV方式であると、CAV方式の場合と異なり、径方向位置に応じて、隣接する複数のトラックTR上におけるアドレス位置関係(アドレスの差)が変化するので、仮に一の場所で、記録用同期クロックの発生やトラッキング可能でも、他の場所で(即ち、径方向に隣接する他の信号発生領域の接近の度合いが強くなる箇所では)、これらが不可能となる可能性が顕著に出てきてしまう。これは、ランドプリピットやグルーブプリピットについても、同様であり、クロストークによりプリピット信号によるアドレス情報等が検出不可能となる。
そこで本実施例では特に、トラックTRには、主に、記録用同期クロックの発生とトラッキングとを可能ならしめるという特定目的を達成するために、複数のマーク領域が以下に説明する如くにトラック方向及び径方向の双方について、離散的に設けられる。
次に図3〜図23を参照して、トラックTRにおける、このようなマーク領域等の配置について詳細に説明する。
図3に示すように、ガイド層12におけるトラックTRのうち、グルーブトラック(Grooveトラック)20G上には、緩衝領域21G、マーク領域22Gが配置されており、ランドトラック(Landトラック)20L上には、緩衝領域21L、マーク領域22Lが配置されている。
マーク領域22G,22Lは、ウォブル構造やプリピット構造のマークが予め作り込まれる領域、即ち、記録用同期クロック、トラッキングエラー信号やプリピット信号を検出可能な領域である。なお図3の上段では、色濃く塗り潰された部分が、他の部分と比べて凹又は凸とされている。
マーク領域22G,22Lは、本発明に係る「ガイド領域」の一例であり、トラック方向(図3中、左右方向)に、相互に、予め設定された所定距離又はそれ未満の距離を、配置間隔(即ち配置ピッチ)として離散的に配置されている。より具体的には、4スロット(Slot)を一グループ(1Group)として、マーク領域22G,22Lは、1グループに一つずつ配置されている。この1グループ毎に設ける際におけるマーク領域22G,22Lの配置間隔(即ち、配置ピッチ)は、本発明に係る「所定距離」の一例である。この配置間隔は、所定の帯域の記録用同期クロックを発生し得ると共に、所定の周波数帯域でトラッキング動作を安定的に実行可能ならしめる頻度にてトラッキング信号を発生し得る、最長の距離よりも若干のマージンを持って短い距離の一例である。
しかも、複数のマーク領域22G,22Lは、径方向(即ち図3中、上下方向)に、相隣接する複数のトラックTRに渡って、該複数のトラックTR間で積極的に或いは能動的に左右に(即ちトラック方向に沿って)ずらされて配置されている。即ち、複数のマーク領域22G,22Lは、同一位相又は同一位相となる径方向に隣接するスロット(図3中、上下に並ぶスロット)内には、配置されていない。
より具体的には、マーク領域22G,22Lを含むスロットは、4トラックおきにのみ、径方向に概ね同一位置にくるように配置されている。即ち、径方向に隣接する片側2トラックである合計4トラックについては、他のトラックのマーク領域22G,22Lを含むスロットが、径方向に相隣接しないように配置されている。径方向に相隣接するスロットが、トラック方向に(即ち、図3中、左右に)若干ずれているのは、CLV方式に基づく周回毎のスロット位置のズレによるものである。トラックピッチは0.32μmであり、1.0μmである光スポットSP1の径に対応している。第1ビームLB1との関係で言えば、マーク領域22G,22Lを含むスロット(例えば、最上段のグルーブトラックであれば「Slot1」)のうち、径方向に隣接する5トラック以内に配置されているもの同士は、第1ビームLB1が、同時にかからない程度にトラック方向にずらされている。
緩衝領域21G,21Lは、その上半分に模式的に図示した如く鏡面構造を有する領域、又は、その下半分に模式的に図示した如くストレートグルーブ若しくはストレートランド構造を有する領域である。緩衝領域21は、トラック方向に、複数のマーク領域22G,22Lの各々における先頭部の前に夫々隣接配置されている。
図3に示すように、マーク領域22G,22Lの先頭部の前の緩衝領域21G,21Lは、隣接するマーク領域22G,22Lと同一スロット内に配置され、マーク領域22G,22Lの最後部の後ろの緩衝領域21G,21Lは、この同一スロットに後続するスロット内に配置されている。なお、最後部の後ろの緩衝領域21G,21Lは、同一スロット内に配置されてもよいし、或いは、先頭部の前の緩衝領域21は、同一スロットに先行するスロット内に配置されてもよい。
緩衝領域21G,21Lにおける緩衝作用によって、情報記録時等にサーボ系において、マーク領域22G,22Lからの信号検出に対する準備期間が与えられる。特に、マーク領域22G,22Lが、プリピット構造やウォブル構造を有するグルーブトラック又はランドトラックである場合に、マーク領域22G,22Lの先頭側に配置される緩衝領域21G,21Lをストレートグルーブ又はストレートランドで構成すれば、情報記録時においてトラッキングオンの状態で、第1ビームLB1をマーク領域22G,22Lに突入させられる。即ち、マーク領域22G,22Lの先頭側に配置される緩衝領域21が、トラッキングサーボを安定動作させるために極めて効果的な準備期間を与えてくれる。
なお、グルーブトラック20G又はランドトラック20Lにおける、これらマーク領域22G,22L及び緩衝領域21G,21L以外の領域に、鏡面領域を設けてもよい。ここに、鏡面領域は、鏡面構造を有する領域である。例えば、鏡面領域は、各トラックTRに沿って概ねスロット4つ分だけ、連続して形成されている。言い換えれば、トラックTRに沿って、概ね4スロットのうち1スロットの割合で、緩衝領域21G,21Lを伴うマーク領域22G,22Lが予め作り込まれると共に、概ね4スロットのうち3スロットについてはグルーブ、プリピット等が作り込まれることはなく、鏡面として残されてよい。
このようにスロット単位にて、緩衝領域21G,21L付のマーク領域22G,22Lを構築することによって、記録時等に、トラックTRに沿ってマーク領域22G,22Lを探し出すのが容易となり、安定して確実に、記録用同期クロック(或いはその元になる信号)及びトラッキングエラー信号を検出可能となり、安定したクロック生成或いはタイミング生成、トラッキング動作が実行可能となる。
以上のように構成されているため、第1ビームLB1のスポットSP1が相隣接する4つ或いは5つのトラックTRに跨るまでトラック密度を高めても、これに対応してマーク領域22G,22Lが上述の如くずらされているので、クロック信号(即ち、記録用同期クロック若しくは再生用同期クロック又はそれらの元になる信号)やトラッキングエラー信号のクロストークを確実に低減できる。同時に、マーク領域22G,22Lに、制御用のサーボマークやアドレス情報などを担持するプリピット或いはランドプリピットLPP1についても、クロストークを確実に低減できる。
このように、トラックTRについては、クロック生成やタイミング生成などを可能ならしめること或いはプリフォーマット情報を読み取らせることなどのガイド機能を損なわないようにしつつ、そのピッチを狭めることが可能となる。
本実施例では特に、スロット単位で、マーク領域22G,22Lを作り込んだり作り込まなかったりするので、クロック信号、トラッキングエラー信号等の検出が、容易にして安定的に、実行可能となる。
この際、トラックTR上におけるスロットのトラック方向の長さと、記録層13に夫々記録されることになるデータのフォーマットにおける、例えばECCブロック、RUB(Recording Unit Block)、ADIP単位の如き、構成単位のトラック方向の長さとが、所定の整数比となるように構成するとよい。このようにすると、クロック信号、トラッキングエラー信号等の発生頻度と、トラックTRに対応する記録面内位置における記録層13にデータを記録する周期とを、半径位置に寄らずに或いはトラック位置に寄らずに、一定の関係に維持することが容易となる。特にCLV方式であっても、任意の径位置にて、安定したクロック生成やタイミング生成、更にはトラッキングサーボが実行可能となる。
ここで図4〜図7を参照して、グルーブトラック20G及びランドトラック20Lを相互に切り替えるためのエリア及び切り替え点について、説明を加える。ここに、図4は、本実施例における、ガイド層12に設けられたグルーブトラック20G、ランドトラック20L及びランド/グルーブ切替エリア12SAを示している。図5は、図4における、ランド/グルーブ切替エリアの一具体例を示す。また、図6は、ランド/グルーブ切替エリアの他の具体例を示す。図7は、本実施例における、ランド/グルーブ切替エリア12SA全体の構成方法についての具体例を示す。
図4において、ガイド層12の平面内において、グルーブトラックGTとランドトラックLTとは、同心円状或いは螺旋状にて、一周おきに交互に形成されている。ランド/グルーブ切替エリア12SAは、一周に一回ずつグルーブトラックGT及びランドトラックLTを、ランド/グルーブ切替エリア12SAにて相互に切り替え可能なように、概ね同一位相となる領域(図4中、右側に延びる網線部の領域)に設けられている。
図5において、ランド/グルーブ切替エリア12SAでは、フレームの整数倍単位での切替が可能となるように、配置規則が規定されている。グルーブトラックとランドトラックとは、同一円周上にて連続するように且つ両者間にランド/グルーブ切替エリア12SAが存在するように、設けられている。特に、グルーブトラックの終端(即ちランドトラックの発端)に位置するマーク領域1001では夫々、マークを検出可能なように隣接配置が回避されている。ランドトラックの終端(即ちグルーブトラックの発端)に位置するマーク領域1002では夫々、マークを検出可能なように隣接配置が回避されている。
マーク領域1001において、図中左下に示した通りに、スロット単位で予め記録されているマークからRF信号が得られ、パターン検出信号が生成され、ランド/グルーブ検出が行われる。RF信号が検出される期間においては、グルーブサーボが、ホールドされる。
マーク領域1002において、図中右下に示した通りに、スロット単位で予め記録されているマークからRF信号が得られ、パターン検出信号が生成され、ランド/グルーブ検出が行われる。RF信号が検出される期間においては、ランドサーボが、ホールドされる。
図6において、「ランド/グルーブ切替エリア12SA」の他の具体例では、ランド/グルーブの切替マークをなす、マーク領域2001及びこれに隣接するマーク領域2002は夫々、半径方向に揃うように構成されている。
この場合、離散配置するためのグループ(Group)は、トラックの周回毎にずれ、マーク領域2001及びマーク領域2002に夫々隣接するエリア(図の三角斜線部分)は、マークを配置できる場合と出来ない場合がある。このため、隣接するエリア(図6中、三角斜線部分)にマークを配置しないエリアを設けることにより、所定の長さ(例えば、1グループの整数倍)に設定する。
図6の具体例で、マーク領域2001及びマーク領域2002或いはそれらの長さの和を、1グループ(Group)の長さの整数倍となるようにすれば、当該切替領域において、マークを配置しないグループ数が一定となる。このため、アドレスを構成する際や、ランド/グルーブ領域内でタイミングを生成するのに有利となる。しかも、マーク領域2001及びマーク領域2002内におけるSYNC(同期)パターンが、トラッキングオープン状態でも検出可能なので、トラッキングサーボの引込みに対しても有利な対応が可能である。
図7において、ランド/グルーブ切替エリア12SAは、ズレ量が、各グループGRNO.1、GRNO.2…が夫々有する1グループ長を超えたら、このズレ量を小さい値にリセットすべく、1グループ長だけ遅れる方向にずらされている。より具体的には、N/フレーム分周で、半径方向位置の変化に伴って(即ち、トラック一周の長さの変化に伴って)、ズレ量が1グループ長を超えたら、(N+1)/フレーム分周に切り替えられることで、1グループ長だけ遅れる方向にずらされている。
次に、ガイド層におけるプリフォーマット及びデータのアサインについて図8及び図9を参照して、説明する。ここに、図8は、以上のようなスロットを採用する場合の、ガイド層12のトラックTRにおけるプリフォーマットの一具体例を示す。この例は、3アドレス構成の場合の1RUBの単位での構成例である。図9は、図8に示した1グループを構成する各スロット内における、データ等のアサインの一具体例である。
図8において、1つのRUBは、BD−R(Blue ray Disc−Recordable:一回記録可能なブルーレイディスク)のフォーマットに相当して構成されている。
具体的には、1つのRUBは、物理的には、(248×(2×28))個の物理クラスター(Physical Cluster)から構成され、論理的には、三つのADIPワード(ADIP word NO.1〜NO.3)から構成される。即ち、3アドレス構成とされている。
1つのADIPワードは、83個のADIP単位(ADIP units)から構成される。1つのADIP単位は、56wbl(ウォブル)から構成され、これは2つの記録フレーム(Recording frame)に相当する。記録されるデータは、15個のコードワード(code word)、即ち9nibbles(ニブル)の単位となる。従って、1つのRUBは、13944ウォブルに相当する区間となる。
図8及び図9に示した通り、各アドレスサブユニットは、4つのスロット(Slot)を1つのグループ(Group)として、多数のグループから構成されている。1つのグループは、4スロットに相当するので、合計で、(19+2)×4=84wblから構成されている。各スロットの先頭部にある2unitsは、緩衝領域21G,21L(図3参照)に割り当てられる。
よって、本例では、1つのRUBの長さは、(84×83)×4÷2=13944より、13944wblに相当している。また、本例では、各スロットの先頭に位置する緩衝領域21G,21Lの長さは、1つのウォブルDに相当し、D=1wbl>1.2μm(光スポットの最大径)とされている。
図9に示すように、1スロット内におけるデータのアサイン(割り当て)の一例では、1スロットは、(19+2)=21unitsから構成されており、最初の2unitsが、緩衝領域21G,21Lに割り当てられ、続く3unitsがSYNC信号(即ち、トラッキングエラー信号を検出可能とするシンク信号)に割り当てられる。続く16units(即ち、1Bytes=8bits DATA(1bit/2units)が、データ(即ち、制御用データ、アドレスデータなど)に割り当てられる。
このように本実施例のプリアドレス構成については、1Recording Unit Block相当に対して、4アドレス構成である。各々のアドレスは、83sub−unitsにより構成される。アドレスデータ24bits+Aux Data+ECCcodeにより構成される。ここに1Slot Data×83Units=1Byte×83=83Bytesである。
因みに、ECCブロックの構成については、例えば、48Bytes raw data+35BytesをECCコードとして利用する。
例えば、符号C、…、C82(Parity C48、…、C82)について、以下のように、Reed‐Solomonコードを生成する。
Figure 2011158376

={I(X)・X}mod{G(X)}
Figure 2011158376
Figure 2011158376

ここで、αは、原始元
(x)=X+X+X+X+1
以上説明したように図3〜図9に示した実施例では、トラック方向及び径方向の双方について、離間したスロット内に、マーク領域22G,22Lを配置したので、第1ビームLB1でガイド層12のトラックTRを追従させながら、記録層13へデータを記録させる際、プッシュプル信号をサンプリングすることによって又は位相差法(DPD)により位相差信号をサンプリングすることによって、安定的に、連続したトラッキングエラー信号を生成することができる。例えば、左右の分割ディテクターからの差分であるプッシュプル信号の高域成分をLPF(Low Pass Filter)によって除去すれば、ウォブル成分及び不要な高域ノイズ成分を除去することが可能となる。ここで、偏心成分を含むトラッキングエラー信号を内周から外周に亘ってサンプルすることにより、連続して取得することが可能となり、記録層13へ記録する際のトラッキングエラー信号として利用できる。
しかも、このようなトラッキングエラー信号の取得と共に、所定の帯域の記録用同期クロックをも連続して取得でき、既存フォーマットに準拠しておりこれと再生互換性がある情報記録が可能となる。
特に図8及び図9に示したように、1RUBを 4アドレス構成としたので、記録層13への記録データフォーマットを例えばBD−Rフォーマット準拠とした場合、ガイド層12の第1ビームLB1が、このBD−Rフォーマット用の読取ビームより低密度用であるために発生する新たな問題を解決する手段を講じたとしても、記録用プリフォーマットとして必要なプリアドレス等のデータを、所望の情報量だけ形成しておくことができる。この際、1グループ内に、4スロットと第1ビームLB1の光スポットSP1の径による影響を除去するための緩衝領域21G,21Lを設けたので、このプリフォーマットデータの取得に際し、クロストークを低減できる。第1ビームLB1のビーム径による影響も除去することができ、安定的にトラックTRに予め記録されたプリフォーマット情報を取得できる。
特に図 8に示した如く、本実施例では、各スロット内のビットに、SYNC、データ等を割り当てており、対応するマークを形成することにより、マーク領域22G,22Lとしてプリフォーマットアドレス構成に必要な部分情報を所望のスロット内に適応配置できる。本実施例のような光ディスク11においては、ガイド層12にデータを記録することがないので、当初の状態でマークを検出できればよい。このため、後に詳述する記録装置又は再生装置においてマークの検出が容易となる。
加えて、マーク領域22G,22Lを含む一のスロットが、1トラック前の隣接トラックのみならず、2トラック前に配置されたマーク領域22G,22Lを含む他のスロットと重ならないように適応配置される。よって、ガイド層12を読み取るための第1ビームLB1(例えば、赤色レーザ)が、BD−Rフォーマット用の第2ビームLB2より低密度用であっても、ウォブル及びプリピットを検出する際に、隣接した複数のトラックTRに配置されたマーク領域22G,22Lによる影響を回避することができる。よって、良好なプリフォーマットデータを取得できる。
次に、ガイド層12のマーク領域22G,22Lへのマークの配置条件について、図10〜図23を参照して説明する。
先ず、マークの配置条件に関し考慮すべき各種条件について、図10〜図12を参照して説明する。ここに、図10は、本実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上のマークの配置と読み取りビーム径との関係(条件)を示す。図11は、図12で示した緩衝領域の適切な長さ選定の効果の理解を容易にするための比較図である。図12は、本実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上の緩衝領域の長さと、スロット数との関係の例を示す。
図10を参照して、ここで考慮すべき条件の一つとして、光スポットSP1の径(即ち、読取りビーム径)との関係について検討を加える。
図10に示すグループ及びスロットの構成例では、第1ビームLB1のビーム径(即ち、光スポットSP1の直径)をDread、トラックピッチ(即ち、ランド/グルーブ間)をPとすると、同時に読込むトラックTRの数は、(Dread /P)+1となる。
よって隣接{(Dread /2)/P}トラック分について、重ならないように配置する必要がある
本実施例では、Dread=1[μm]、P=0.32[μm]であるので、同時に読み込むトラック数は、Dread /P+1=(1/0.32)+1=5(切り上げ)となる。
よって、図10に示した通り、{(Dread /2)/P}={(1/2)/0.32}=2(切り上げ)より、センタートラック23TRを基準に考えると、隣接2トラック分について、重ならないように配置する必要がある。
以上より、ランド/グルーブ方式(即ち、ランドトラック及びグルーブトラックの両方のトラックをトラッキングに用いる方式)を採用する場合には、隣接ランドトラック及び隣接グルーブトラックについて、マーク領域22G、22Lが半径方向に重ならないように配置する必要がある。
隣接するトラックTRの長さは、2πP(但し、Pはトラックピッチ)だけ異なるため、CLVでの隣接する部分は、周回毎に(即ち、第1ビームLB1の照射位置が径方向外側にトラック一本分だけ移動する都度に)2πPズレていく。
ビーム半径から同時に読み込むトラック数内でのズレ量は、
2πP×{(Dread /2)/P}=π×Dread[μm]
である。
このズレ量を、トラックに沿った緩衝領域の長さである「n×UL」よりも小さくすれば、CLVのズレによる影響を無くす或いは無視することが可能となる。但し、nは、緩衝領域21G(又は21L)を構成するunit数、ULは、1unitの長さである。言い換えれば、本実施例の緩衝領域21G(又は21L)は、長さULのunitが、n個集まって構築される。
本実施例では、P=0.32[μm]とすると、
ΔX=2πP≒2.01[μm](但し、ΔX=2π(r+P)−2πr)となる。
ここで、1unitの長さULは、BDフォーマット相当のウォブル1波(即ち、)の半分なのでUL=69(Channel bit)×0.0745[μm]/2=2.57025[μm]
7025025255となる。
となる。となる。となる。
これらの結果、図11及び図12に、破線サークル1003及び破線サークル1004で夫々囲んだ緩衝領域としては、トラック方向に沿った2unitsの長さのものを設ければよいことになる。
図11において、より具体的には、最上段のトラックn−2(グルーブトラック)におけるマーク領域22Gと、最下段のトラックn(グルーブトラック)におけるマーク領域22Gとは、相互に重なって配置できない。このため、最下段のトラックn(グルーブトラック)における破線サークル1003で囲んだ緩衝領域21Gの場合、最上段のトラックn−2(グルーブトラック)に配置された1つのスロットを避けるために、2スロット必要になる。
図12において、より具体的には、最上段のトラックn−2(グルーブトラック)におけるマーク領域22Gと、最下段のトラックn(グルーブトラック)におけるマーク領域22Gとは、相互に重なっていない。このため、最下段のトラックn(グルーブトラック)における破線サークル1004で囲んだ緩衝領域21Gの場合、最上段のトラックn−2(グルーブトラック)に配置された1つのスロットを避けるために、1スロットだけ必要になる。
図10〜図12を参照して説明したように、緩衝領域21G,21Lの長さを適切に設定することで、マーク或いはマーク領域22G、22Lが配置されたスロットの影響が、半径方向に複数トラックを隔てた先のスロットの隣のスロットに及ぶことがなく、しかも重ならないようにするための、マークの離散的配置用に確保すべきスロット数を少なくすることができる。
このように本実施例では好ましくは、マーク領域22G,22Lが配置されるスロットは、第1ビームLB1により形成される第1光スポットSP1(図10)の径Dreadと、トラックTRのトラックピッチPと、CLV方式に準拠して周回毎に径方向に相隣接する二つのスロット間の相対位置が、CAV方式に準拠したと仮定した場合に比べてトラック方向に沿ってずれる変位量と、スロットのトラック方向の長さとに基づく、スロット単位での繰り上げ計算により、光スポットSP1内に同時に含まれないようにトラック方向及び径方向に離間した、複数のスロット(例えば、径方向に所定本のトラック分だけ離間し且つトラック方向に所定個数のスロットだけ離間した複数のスロット)として選定される。選定されたスロット内にのみマーク領域22G,22Lを配置すれば、比較的容易にして確実に、記録用同期クロック、SYNC信号或いはトラッキングエラー信号に係るクロストークの発生を回避し得る、スロット配置を実現できる。
以上詳細に説明したように、本実施例によれば、CLV方式を採用しつつ、記録層13において記録若しくは再生できるトラックピッチや記録線密度を、多層記録型の光ディスク11における本来の目的である「高密度記録」と言える程度にまで高めることが可能となる。
次に、マークの配置条件に関する各種の基本的要求事項について、図13〜図22を参照して説明する。
先ず、基本的要求事項のうち、記録再生システムからの要求事項としては、ガイド層12に対して、少なくとも以下の情報が必要となる。
・第1要求事項:トラッキング信号生成情報
・第2要求事項:複数トラック横切り信号生成情報(サーボクローズ用)
・第3要求事項:トラックジャンプ横切り信号生成情報(トラックジャンプ用)
・第4要求事項:プリアドレス生成情報(記録位置情報の生成)
・第5要求事項:記録用同期クロック生成情報
・第6要求事項:記録スタートタイミング生成情報
これに対して、光ディスク11における「高密度化」に伴う制限があり、特に「基本的課題」として、記録層13の高密度化に伴うガイド層12のフォーマットの高密度化、及び、記録層13のビーム径に比して、ガイド層13のビーム径が大きいことにより、ガイド層12に配置された複数マークを、同時に読込んでしまうと、所望の情報が得られないという基本的課題がある。他方で「基本的課題の解決策により生じる新たな課題」として、ガイド層12に配置された複数マークを、同時に読込むことを防止するため、所定のマークを重ならないように分散配置することが有効である。
しかし、このように分散配置すると、上述の基本的課題のうち、前記第2要求事項(複数トラックジャンプ横切り信号生成情報)及び第3要求事項(トラックジャンプ横切り信号生成情報)において結果的に、十分な情報が得られない等、何らかの制限が加わることになる。
この制限について図13〜図15を参照して説明する。ここに図13は、グルーブマーク離散配置構成例における、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上のマークの分散配置と、トラック横切り信号との関係を示す。図14は、本実施例における、グルーブトラッキング方式の場合のトラック横切り信号の制限の緩和策の一例を示す。図15は、本実施例における、ランド/グルーブトラッキング方式の場合のトラック横切り信号の制限の緩和策の一例を示す。
図13に示すように、トラッキングサーボがオープン状態では、ビーム(光スポットSP1)と光ディスク11の関係は、主に偏心の影響により、矢印AR−A、矢印AR−B、矢印AR−C、矢印AR−Dに示したように、様々な角度、相対速度関係となり得る。
例えば、矢印AR−A、矢印AR−Cのように、光スポットSP1が動く場合には、十分なトラック横切り信号が生成される。他方で、矢印AR−B、矢印AR−Dのように光スポットSP1が動く場合には、トラック横切り信号生成が制限される。
このことは、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上におけるマーク或いはマーク領域22G,22Lの分散配置が、トラッキングサーボの引込み確率に影響を与えるということを意味する。
このため「トラック横切り信号生成情報の制限の緩和策」として、ガイド層12のトラッキング方式として、トラック横切り信号生成という観点から、図14に示すグルーブトラッキング方式及び図15に示すランド/グルーブ方式について検討する。
図14に示すように、グルーブトラッキング方式の場合には、A−A断面が相対的に細かいために、トラッキングエラー信号TE上において、所望の(即ち、十分な振幅を有する)トラック横切り信号が得られない。
図15に示すように、ランド/グルーブトラッキング方式の場合には、B−B断面が相対的に細かくないために、トラッキングエラー信号TE上において、所望の(即ち、十分な振幅を有する)トラック横切り信号が得られる。
図14及び図15から明らかなように、ランド/グルーブ方式の方が、同じトラックピッチ密度に対して、トラッキングエラー信号TE上におけるトラック横切り信号生成に関して有利である。
次に、光ディスク11における「高密度化」に伴う制限の他のものとして、マーク配置とランド/グルーブ構造との関係がある。この制限について図16〜図18を参照して説明する。ここに図16は、本実施例における、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上のマークの分散配置を、その記録再生装置における受光部102DTと共に示す。図17は、本実施例における、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上のマークの分散配置及び連続グルーブを示す。図18は、本実施例における、信号分離部の一具体例を、分離により得られる信号と共に示す。
図16では、光スポットSP1が、ガイド層12上にて分散配置されたマーク(即ち、分散配置マークが形成されたマーク領域22G,22L)上を移動する。これにより、記録再生装置では、対物レンズ102Lを介して、二分割フォトディテクタ(受光部)102DTにて、反射光が受光される。すると、0次元光と1次光との重なる部分が、二分割の受光面上に現れ、PushPullトラッキングエラー信号TEが生成される。
図17では、光スポットSP1が、ガイド層12上の連続グルーブ構造GT0を有する連続グルーブと周期の長いマーク(即ち、周期の長いマークLGが形成されたマーク領域22G,22L)及び周期の短いマーク(即ち、周期の短いマークSTが形成されたマーク領域22G,22L)との上を移動する。
ガイド層12のトラッキング方式として、トラック横切り信号生成という観点から、連続グルーブ又は連続ランドによるランド/グルーブ方式が有利である。しかし、プッシュプルエラー検出をする記録再生装置(図16の下半分参照)では、図17の左側のような、ビーム径に対して周期の長いマークLGが配置されると、隣接のグルーブにおいて所望のプッシュプル信号検出ができない。即ち、隣接トラックは、グルーブ構造とはできない。
このようにガイド層12上において、図16に示した如きマークの分散配置と、図17に示した如き連続グルーブ構造GT0(或いは連続ランド構造)とでは、それらの両立が困難或いは実践上不可能となる。
そこで、本実施例では図18に示した如くに信号分離を行うことで、それらの両立を行う。
このため先ず光ディスク11について、トラッキングサーボ帯域と所定の関係を有するマーク長のみを分散配置する。ここに言う「所定の関係」とは、「トラッキングサーボ帯域で位相まわりが無視できるフィルタで分離可能なマーク長」であり、これは、トラッキングエラー情報を、サンプリングによって検出しても位相情報まで概略再現できるマーク長である。
具体的には、例えば、トラッキングサーボ帯域を2KHzと仮定すると、サンプリングによるエラー検出で位相まわりが無視できる、10倍のレートを考慮にいれる。更に、分離用低域通過フィルターの位相まわりが無視できる、10倍程度が望ましく、約200KHzとなる。2unitsは、69Channel bit長(約5μm)で、約1MHzである。
よって、ここで求めるマーク長さは、69×1[MHz]/0.2[MHz]=345Channel bit相当となる。即ち、74.5nm×345=25.7[μm]となる。
図18に示すように、この場合、トラッキングサーボ(Tracking servo)は、二分割フォトディテクタ102DTの出力信号の差分信号である信号S1を、LPF(ローパスフィルタリング)したラジアルプッシュプル(Radial Push-pull)信号により行う。この場合のトラッキングサーボ領域は、例えば、200KHz以下とする。
他方、プレアドレス(Pre-address)信号は、二分割フォトディテクタ102DTの出力信号の合算信号である信号S2を、HPF(ハイパスフィルタリング)したRF信号として取得する。この場合に透過させる周波数帯域は、例えば、1MHz以上とする。
更に、記録再生装置にて、信号S1に係るトラッキング信号生成情報と、信号S2に係るプリアドレス生成情報とを、分離可能なマーク長で生成する。
以上のように分離することで、図16及び図17に示した如くマークをどのように分散配置しても、トラッキング信号生成情報に影響を与えない。このため、ランド/グルーブ方式の連続サーボが可能となる。
次に「所定範囲の長さのマークを配置したランド/グルーブ構造と、前述の基本的要求事項(第1要求事項〜第6要求事項)との関係」について説明する。
グルーブ間隔が、0.64μm程度であれば、赤色レーザーの読取りビーム径(即ち、光スポットSP1の直径Dread)が1μm程度である。このため、トラック横切り信号生成に問題はなく、前述の基本的要求事項のうち、第1〜第3要求事項は満たすことになる。また、マークの分散配置を適用することで(図16参照)、第4要求事項に関しても満たすことができる。
なお、ここに言うマークの長さについての「所定範囲」は、従来方式の分離可能なデータ長に課される要求範囲とは異なり、ガイド層12に特有の条件が許容される。
即ち、従来の記録層13に記録されるデータ長は、トラッキング信号とは分離可能なマークのうち、高密度を達成するために、出来るだけ短いマーク群を選択することが必須である。例えば、DVD等では3T〜14Tといった範囲である。
しかし、本実施例では、ガイド層12は記録層13とは独立しており、配置するデータ密度も独立しているので、ガイド層12に配置するマーク(データ)は、必ずしも高密度である必要はない。このため、「所定範囲」は広く設けることができる。
これらの結果、「検出の容易なマークパターンの選択」及び「誤りにくいマークパターンの組合せ」等が、フレキシブルに可能となり、配置できるマークの選択幅が広がる利点がある。
次に、上述の基本的要求事項のうち、第5及び第6要求事項を満たすための分散配置規則について図19〜図22を参照して説明する。ここに図19は、実施例における、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上のマークのサーボ信号への影響を示す。図20は、本実施例における、グルーブトラックGT及びランドトラックLT上のマークのデータ取得への影響を示す。図21は、本実施例における、切替エリア12SAが設けられたガイド層12と共に、記録層13上にデータが記録される様子を示す。図22は、本実施例における、切替エリア12SAが設けられたガイド層12と共に、記録層13上へのデータの記録開始位置を示す。
これらの第5及び第6要求事項を満たすためには、先ず、「記録層データ構造と整数倍関係にあるSlot構成単位から成るグループ構成」及び「記録用同期クロック生成」のため、グルーブ上においても、ランド上においても、所定間隔以下でマークの配置が必要となる。よって、マークの長さについての所定間隔は、所定帯域を満足する記録クロック生成のためのサンプル間隔以下とする。
マークが配置されない位置からの、記録層13へのデータ記録タイミング生成のため、1グループに1スロット配置されたマークから、所定の位置の記録スタートタイミングを生成する。
ランド/グルーブ切替エリア12SAの期間を、1グループ期間の整数倍とし、実際にマークが無い場合でも、記録スタートタイミングを補間により、生成可能とする。
図19に示すように、このようにマークを分散配置すれば、エリア1101においては破線サークルで囲まれたマーク(即ち、破線サークルで囲まれたマーク領域22L、22G)は、グルーブトラック上の光スポットSP1によるグルーブサーボ(即ち、これにより得られるサーボ信号)に対して、影響を及ぼさない。更に、このようにマークを分散配置すれば、エリア1102において、破線サークルで囲まれたマークは、ランドトラック上の光スポットによるランドサーボ(即ち、これにより得られるサーボ信号)に対して、影響を及ぼさない。
図20に示すように、本実施例のような適切な分散配置をしないで重なりを生ずると、エリア1103においては破線サークルで囲まれたマークは、グルーブトラック上の光スポットSP1によるデータ取得(即ち、これにより得られるRF信号)に対して、影響を及ぼす。更に同様に、エリア1104において、破線サークルで囲まれたマークは、ランドトラック上の光スポットによるデータ取得(即ち、これにより得られるRF信号)に対して、影響を及ぼす。
以上のように、各要求事項が満足されることによって、ガイド層12上におけるマークの存在によるサーボ信号への悪影響及びデータ取得への悪影響が低減される。これにより、図21及び図22に示すように、記録層13上における、データ記録が実行可能となる。
即ち図21に示すように、対物レンズ102Lを介して照射される第1ビームLB1が、ガイド層12上で、ランド/グルーブ切替エリア12SAを通過する際にも、即ちランド/グルーブ切替ポイントを通過する際にも、対物レンズ102Lを介して照射される第2ビームLB2による、記録総13上における連続記録が可能となる。更に、図22に示すように、第1ビームLB1により記録用同期クロック発生及びトラッキング動作等を行いつつ、第2ビームLB2により記録層13上における所望の位置からデータ記録を開始させることも可能となる。
次に「1グループ内の構成例とスロット配置とに必要とされる条件」について、図23を参照しながら説明する。ここに、図23は、本実施例における、グルーブトラック及びランドトラック上のマークの配置の一例を示す。
第1に、「1グループ構成条件とスロット配置条件」については、前述したように緩衝領域21G,21Lを2ユニット期間設けることにより(図9〜図12参照)、2トラック内側とのズレは、スロット間に跨ることはなくなる。
ここで、ズラして配置すべきデータは、(i)自己アドレス(ii)直前の隣接アドレス及び(iii)2トラック前のドアドレス、の3つなので、隣接2トラック分について、重ならないように配置するために、スロットは、少なくとも3スロット以上必要となる。
図23に示したように、そこで本実施例では、1グループを4スロット構成とし、マークは、少なくとも1グループ内に1つのスロットに配置される。
第2に、「トラッキングサーボとの関係」については、信号分離可能なマークのみによる構成としており、マークがグルーブ/ランドサーボに影響しないため(図19参照)、トラックは、連続グルーブ/連続ランド構成とすることができる。即ち、ランド/グルーブ方式連続サーボが可能とされる(図23参照)。
なお、この場合には、トラッキングサーボ信号生成のためのマークは、所定間隔で配置する必要はない。
第3に、「記録クロックの生成と記録位置の特定」については、記録時のクロック生成のため、グルーブ上においてもランド上においても、所定間隔以下でマークの配置が必要となる。この際、所定間隔は、所定帯域を満足する記録クロック生成のためのサンプル間隔以下とする。マークが配置されない位置からの、記録層へのデータ記録タイミング生成のため、1グループに1スロット配置されたマークから、所定の位置の記録スタートタイミングを生成する。そのために、記録層13の1ECCの先頭に対応する位置が、いずれかの1グループの先頭と一致する構成を採用する(図8参照)。
図23は、本実施例における、以上の諸条件を満足するマークの配置例である。
以上図1〜図23を参照して、詳細に説明したように本実施例によれば、図3に示したようにトラックを形成するので(即ち、所定範囲の長さから成るマーク群を含むマーク構造を有する領域を設けるので)、マーク領域22G,22Lの配置によらず、トラッキング信号生成に影響を与えない。このため、ガイド層12のトラッキング信号生成の方式を、ランド/グルーブ方式とすることができる。更に、その他必要な種々の情報(前述の第1〜第6要求事項参照)を生成することができる。このように、ランド/グルーブ方式とマーク配置との両立が可能とされる。
本実施例の「マーク領域22G,22L」に関し、第1〜第6要求事項別にまとめれば次の通りである。
第1要求事項(トラッキング信号生成情報)については、ランド/グルーブ方式による連続信号トラッキングサーボを行う。
第2要求事項(複数トラック横切り信号生成情報)については、高密度化しても、トラック横切り信号を、ディスク上のどの位置においても十分に生成できる。このため、ディスク上のどの位置においても、スムーズなトラッキングサーボクローズ動作が可能となる。
第3要求事項(トラックジャンプ横切り信号生成情報)についても同様に、トラックジャンプに関してランド/グルーブ切替エリア12SAを除く、光ディスク11上のどの位置においても可能となる。
第4要求事項(プリアドレス生成情報)については、所定範囲の長さから成るマーク群を、所定のエリアで重ならないように離散的に適応配置したので、光ディスク11上のどの位置でも、アドレス情報が取得できる。隣接ランドに配置されたマークのみならず、隣接グルーブに配置されたマークの影響を排除できるため、必要なデータ、タイミング、の取得が可能となる。
第5要求事項(記録用同期クロック生成情報)については、マーク領域22Gとマーク領域22Lとが、それらの間隔が所定の間隔以下になるようにされつつ、光ディスク11の全面に配置されている。このため、ガイド層12の光ディスク11の内周から外周に亘って、どの位置においても、サンプリングにより、所定帯域の、光ディスク11の回転に同期した、記録クロック信号の生成が可能となる。しかも、所定の位置からの記録タイミングの生成も容易となる。
更に、記録層13のデータフォーマットの構成単位とスロットを構成するユニット長が、所定の整数比の関係にあり(図8参照)、整数倍のスロットから1グループを構成し、少なくともその1つのスロットにマークを配置させたので、所定の間隔が容易に設定できる。配置されたマークに同期したクロックが容易に生成できる。これらの結果、記録クロックの生成、及び記録スタートのタイミング生成が容易となる。
第6要求事項(記録スタートタイミング生成情報)については、記録層13のデータ長と所定の整数関係にあるユニット/スロットから構成されているので、記録用同期クロックと、プリアドレス情報等から、記録すべき先頭タイミングを特定できる。PLL構成によりタイミング生成できるので、ロバストネスを有するタイミング生成が可能となる。
本実施例の「緩衝領域21G,21L」に関しては、所定の長さとしたので(図9〜図12参照)、CLVによる周長さのズレの影響を、緩衝領域21G,21Lで吸収することができ、適応配置のためのスロット数を減らすことができ、配置規則も容易となる。
所定の長さの緩衝領域21G,21Lは、グルーブトラックではグルーブ構造として、ランドトラックではランド構造として構築しているので、グルーブ上でのトラッキングサーボは、グルーブ上に配置したマークとは無関係に、連続したグルーブトラッキングが可能となる。またランド上でのトラッキングサーボは、ランド上に配置したマークとは無関係に、連続したランドトラッキングが可能となる。
本実施例の「ランド/グルーブ切替エリア12SA」に関しては、図5に示したように、隣接グルーブ或いは、隣接ランド間で、2種(複数)の切替マークを重ならないように配置したので、ランド/グルーブの切替タイミング情報を、良好に取得することが可能となる。
更に、ランド/グルーブ切替エリア12SAの長さを、所定の長さ(1グループGroupの整数倍)に設定したので、所定のマークが仮に配置されないようなランド/グルーブ切替エリア12SAにおいて、記録層13に記録するデータの先頭がランド/グルーブ切替エリア12SAにある時でも、記録スタートタイミング等の必要なタイミングを容易に生成することができる。
また、「ランド/グルーブ切替エリア12SA」の他の実施例として、図6に示したように、切替マークを半径方向に揃うように構成することも可能である。この場合には、隣接するエリア(図6中、三角斜線部分)にマークを配置しないエリアを設けることにより、所定の長さ(1グループの整数倍)に設定することができる。この実施例のように、切替マークを半径方向に揃うように構成すれば、トラッキングオープン状態でも検出可能となり、トラッキングサーボの引込みに対しても有利な対応が可能となる利点がある
図7に示すように、ランド/グルーブ切替エリア12SAが、所定量(1グループ分)トラック方向にズレたら、所定量、その位置をシフトするようにしたので、ランド/グルーブ切替エリア12SAは、光ディスク11における、ほぼ半径方向の所定位置(ほぼ同一位相位置)となり、CLVであるにもかかわらず、ランド/グルーブの利用効率がよくなる。
<情報記録再生装置及び方法の実施例>
次に、図24から図33を参照して、本発明に係る情報記録再生装置及び方法の実施例について説明する。
図24において、記録再生装置101は、本発明に係る「情報記録装置」及び「情報再生装置」の一例たるディスクドライブとして構成されており、ホストコンピュータ201と接続されている。
記録再生装置101は、光ピックアップ102、信号記録再生部103、スピンドルモータ104、バス106、CPU(ドライブ制御部)111、メモリ112、及びデータ入出力制御部113を備える。記録時には、光ピックアップ102が有する対物レンズ102L(図2参照)を介して、第1ビームLB1及び第2ビームLB2が照射され、再生時には、同じく対物レンズ102Lを介して、タイミング生成用及びトラッキング用の光ビームを兼ねる第2ビームLB2のみ、又は、第1ビームLB1及び第2ビームLB2の両方が照射されるように構成されている。
ホストコンピュータ201は、操作/表示制御部202、操作ボタン202、表示パネル204、バス206、CPU211、メモリ212、及びデータ入出力制御部213を備えて構成される。記録時には、記録すべきデータが、データ入出力制御部213から入力され、再生時には、再生されたデータが、データ入出力制御部213から出力されるように構成されている。
光ピックアップ102は、第1ビームLB1を発する赤色半導体レーザと、第2ビームLB2を発する青色半導体レーザと、対物レンズ102Lを含む、プリズム、ミラー等から構成される合成分離光学系とを備える。光ピックアップ102は、共通の対物レンズ102Lを介して、第1ビームLB1及び第2ビームLB2を同軸的に且つ異なるフォーカスにて(図1及び図2参照)照射するように構成されている。
更に、光ピックアップ102は、第1ビームLB1に起因する光ディスク11からの反射光を、対物レンズ102Lを介して受光する、二分割或いは四分割のCCD等の受光素子と、第2ビームLB2に起因する光ディスク11からの反射光を、対物レンズ102Lを介して受光する、二分割或いは四分割のCCD等の受光素子とを含んで構成される。光ピックアップ102は、第2ビームLB2を、記録時に相対的に高強度の記録用強度で変調可能であり、再生時に相対的に低強度の再生用強度に設定可能に構成されている。
光ピックアップ102及び信号記録再生部103は、少なくとも記録時に、ガイド層12からの反射光を受光する受光素子からの受光信号により、例えばプッシュプル法又は位相差法(DPD)で、トラッキングエラー信号を生成し、更に、プリピット信号或いはアドレス情報を再生可能に構成されている。
光ピックアップ102及び信号記録再生部103は、再生時に、記録層13からの反射光を受光する受光素子からの受光信号により、例えばプッシュプル法又は位相差法でトラッキングエラー信号を生成し、例えば全光量に対応する信号としてデータ信号を生成するように構成されている。
或いは、光ピックアップ102及び信号記録再生部103は、再生時に、ガイド層12からの反射光を受光する受光素子からの受光信号により、トラッキングエラー信号を生成し、記録層13からの反射光を受光する受光素子からの受光信号により、データ信号を生成するように構成されている。
本実施例では特に、信号記録再生部103は、後に詳述するように、記録用同期クロックを生成可能に、更に記録用のタイミング生成を実行可能に構成されている(図25〜図28参照)。
メモリ112及びメモリ212は、(i)記録再生装置101におけるCPU111等の各要素、及びホストコンピュータ201におけるCPU211等の各要素を、次に説明する記録再生動作が行われるように制御するためのコンピュータプログラム、並びに(ii)記録再生動作に必要な、制御データ、処理中データ、処理済みデータなどの各種データを、バス106、バス206等を介して一時的又は恒久的に保持するのに適宜用いられる。
図25において、信号記録再生部103は、フォーカスサーボ部151、トラッキングサーボ部152、記録系データ処理部154、再生系データ処理部155、スピンドル・スレッドサーボ部157、及記録クロック生成部158を備えて構成されている。
フォーカスサーボ部151は、光ピックアップ102における対物レンズ102Lを、光ピックアップ102から出力されるフォーカスエラー信号に応じて光軸に沿って駆動させる。トラッキングサーボ部152は、光ピックアップ102における対物レンズ102Lを、光ピックアップ102から出力されるトラッキングエラー信号に応じて光軸に交わる方向に駆動させる。再生系データ処理部155は、光ピックアップ102からの受光出力を用いて、各種信号(図15、図16、図18等参照)を再生するように構成されている。
記録クロック生成部158は、光ディスク11のマーク領域22G,22Lからのタイミング情報に応じて、記録用同期クロック信号等のタイミング生成を実行する。
図26において、記録クロック生成部158は、同期検出(Sync)&周期検出回路400、加算回路401、サンプルタイミング(Sample timing)回路402、増幅&イコライザー回路403、VCO(Voltage Controlled Oscillator)回路406、及び分周回路407を備える。
同期検出&周期検出回路400はRF信号(図18参照)に対して、同期検出及び周期検出を行い、プレフォーマット(Pre-format)信号位相を出力する。加算回路401は、このプレフォーマット(Pre-format)信号位相から、分周回路407からフィードバックされる書き込み位相を減算して出力する。
サンプルタイミング回路402は、スイッチ、キャパシタ及びバッファを含んでなり、加算回路401からの出力をサンプリングする。サンプルタイミング回路402からのサンプリング出力は、増幅&イコライザー回路403を経て、VCO回路406により、発振出力されることで、同期用記録クロック等が生成される。同期用記録クロックの一部は、分周回路407を経て、書き込み位相とされて、加算回路401へフィードバックされるように構成されている。
より具体的には、サンプルタイミング回路402は、サンプル値をホールドする、いわゆる「零次ホールド回路」として構成されている。具体的には、サンプリングタイミングにて閉じるサンプリングスイッチと、これをホールドするキャパシタと、バッファとを備える。サンプルタイミング回路402により、減算信号は、サンプリングスイッチにより、トラッキングサーボを動作させる周波数帯域に応じたサンプリングタイミングでサンプリングされ、更にキャパシタによりホールドされ、バッファによりバッファリングされる。サンプリングタイミングは、例えば、第1ビームLB1を受光する受光素子にて検出された、記録用同期クロックの元になる信号、ウォブル信号及びプリピット信号などの、マーク信号により生成される。但し、サンプリングタイミングの生成方法は、これに限られず、後述する変形例等の媒体構成に応じて生成されてよい。また、サンプルタイミング回路402の構成についても、これに限られることはなく、「1次ホールド回路」等でもよいことは言うまでもない。
図27は、20KHzサンプリングの場合における、記録クロック生成用PLL(Phase-Locked Loop)のオープンループ特性の一例を示し、図28は、マーク領域22G,22L(図3等参照)からのマーク検出による記録用同期クロックの生成、並びに、これをN分周して得られるPLL1/N分周信号、それに対応するスロットの同期信号(Slot Sync)、ECC先頭信号及び記録スタートのタイミングを示している。
図26〜図28に示したように、記録クロック生成部158によって、マーク領域22G,22L(図3等参照)の存在に応じて、記録用同期クロックが生成されると共に、記録スタートなどのタイミング生成が実行される。
再び図25において、記録系データ処理部154は、記録クロック生成部158による記録用のタイミング生成(図28等参照)に応じて、記録すべきデータの処理を実行する。スピンドル・スレッドサーボ部157は、記録クロック生成部158から出力されるクロックに応じて、スピンドルモータにおけるスピンドル制御及びスレッド制御を行うように構成されている。
尚、図25〜図28においては、説明の便宜上、記録クロック生成部158により、クロックとして、記録用同期クロックを生成することとしているが、再生時にも、同様に第1ビームLB1を、ガイド層12に照射することで、同様に、クロック(即ち、再生用同期クロック)を生成することも可能である。
以下、図24〜図28に加えて、図29から図33を参照して、本実施例の記録再生装置101の各構成要素における構成及び動作を、記録再生装置101の全体動作と共に説明する。ここに図29は、情報記録再生装置101における、記録再生動作を示し、図16は、記録動作の一例の詳細を示し、図32は、再生動作の一例の詳細を示し、図33は、再生動作の他の例を詳細に示す。
図29において、先ず、記録再生装置101に対し、ユーザによる手動又は機械動作により、上述した本実施例に係るフォーマットの光ディスク11が装着される(ステップS11)。
すると、ユーザによる表示パネル204を見ての操作ボタン203上での操作などに応じた動作開始コマンドが、ドライブ側の操作/表示制御部202及びCPU111、並びにホスト側のCPU211等により発生される。この動作開始コマンドを受けて、信号記録再生部103による制御下で、スピンドルモータ104による光ディスク11の回転が開始される。これと相前後して、信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102による光照射が開始される。更に、ガイド層12に対する読取用サーボ系が動作される。即ち、第1ビームLB1が照射され、ガイド層12に集光されて、トラッキング動作が開始される(ステップS12)。
なお、この動作開始コマンドを含めた各種コマンド、ユーザデータや制御データを含む各種データの受け渡しは、ホスト側のバス206及びデータ入出力制御部213、並びにドライブ側のバス106及びデータ入出力制御部113を介して行われる。
続いて、ガイド層12上で、第1ビームLB1によるトラックTRへの照射が続けられ、記録用同期クロック等の元になる信号、マーク信号(更に、これらの少なくとも一方からプッシュプル法又はDPD法で得られるトラッキングエラー信号)が、マーク領域22G,22Lから検出される。更に、これらの信号の少なくとも一方として予め記録されたディスク管理情報が、ドライブ側のCPU111又はホスト側のCPU211等により取得される。
なお、ディスク管理情報は、ガイド層12における、最内周側に位置するリードイン領域、TOC(Table Of Content)領域などにまとめて、記録され読み出されてもよい。その内容は、既存のDVD、BRディスク等におけるディスク管理情報に準拠したものでよい。管理情報については別途、記録層に特別に設けられたリードイン領域、TOC領域などに予め若しくは別途先行して記録されており、これが本時点で又は任意の時点で読み出されてもよい。
次に、ドライブ側のCPU111又はホスト側のCPU211等により、要求されている動作が、データ記録であるか否かが判定される(ステップS14)。ここで、データ記録である場合(ステップS14:Yes)、新規なる光ディスク11に対する記録処理が実行される(ステップS15)。この記録処理については、後に詳述する(図16参照)
他方、ステップS14の判定にてデータ記録でない場合(ステップS14:No)、又はステップS15にて新規なる光ディスク11に対する記録処理が完了された場合、ドライブ側のCPU111又はホスト側のCPU211等により、要求されている動作が、データ再生であるか否かが判定される(ステップS16)。ここで、データ再生である場合(ステップS16:Yes)、新規なる光ディスク11に対する再生処理が実行される(ステップS17)。この再生処理については、後に詳述する(図31〜図33参照)。
ステップS16の判定にてデータ再生でない場合(ステップS16:No)、又はステップS17にて新規なる光ディスク11に対する再生処理が完了された場合、イジェクト(Eject)、即ちトレイの排出などが、操作ボタン203等を介して要求されているか否かが判定される(ステップS18)。ここで、イジェクトが要求されていなければ(ステップS18:No)、ステップS14に戻って、再び、それ以降のステップが実行される。
他方、ステップS18の判定にてイジェクトが要求されている場合に(ステップS18:No)、イジェクト動作が実行され(ステップS19)、光ディスク11に対する一連の記録再生処理が完了する。
次に図30を参照して、新規の光ディスク11に対する記録処理(図29のステップS15)の一例について、説明する。
図30において、記録処理が開始されると、先ず、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、ガイド層12上において、第1ビームLB1によるトラックTRへの照射が続けられたまま(即ち、トラッキング動作が実行されたまま)、記録用同期クロック信号の元となる信号、マーク信号が、マーク領域22G,22Lから検出される。これにより、CPU111等により、トラックTR上におけるアドレス情報が取得される。このアドレス情報を参照することで、CPU211等により、データの記録を開始すべきアドレスとして指定された、所望の記録アドレスがサーチされる。即ち、第1ビームLB1がそのアドレス位置へと移動される。このサーチ動作により、光ピックアップ102内にて対物レンズ102L等の光学系を第1ビームLB1と共通する第2ビームLB2も(図1及び図2参照)、記録層13上でそのサーチされた記録アドレスに対応する記録面内における平面位置へと移動される(ステップS201)。
続いて、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102によって、データを記録すべき所望の記録層13へと、第2ビームLB2のフォーカスサーボがかけられる(ステップS202)。
続いて、トラッキングサーボ部152(図25参照)によって光ピックアップ102を制御することで、ガイド層12に対してトラッキングサーボをかける。即ち、トラッキングエラーの検出極性を、グルーブサーボ側に切替え若しくは維持するか、又はランドサーボ側に切替え若しくは維持し、サーボクローズとする(ステップS203)。
続いて、記録クロック生成部158にて、マーク領域22G、22Lから検出されるマークを用いて、記録用同期クロック、記録スタートタイミング等(図25〜図28参照)を生成する(ステップS204)。
続いて、記録系データ処理部154等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、記録スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層への記録を開始すべきか否かが判定される(ステップS205)。
ここで記録スタートタイミングを通過した場合には(ステップS205:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する記録が開始される(ステップS206)。
ステップS206の後に、又は記録スタートタイミングでない場合に(ステップS205:No)、記録系データ処理部154等(図25参照)にて、記録しようとするトラックが、ランドからグルーブへ切り替えられるか否かが判定される(ステップS207)。
ここで、ランドからグルーブへ切り替えられる場合(ステップS207:Yes)、記録系データ処理部154等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、記録スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層への記録を開始すべきか否かが、更に判定される(ステップS211)。
ここで記録スタートタイミングを通過した場合には(ステップS211:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する記録が開始される(ステップS212)。これは、光スポットSP1が、グルーブトラックでもランドトラックでもなく、それらの間に位置する切替領域に位置した場合にも、記録開始を可能とさせるためである。
ステップS212の後に、又は記録スタートタイミングでない場合に(ステップS211:No)、記録系データ処理部154等(図25参照)により、トラッキングサーボ極性が、ランドからグルーブへ切り替えられる(ステップS213)。
他方で、ステップS207の判定において、ランドからグルーブへ切り替えられない場合(ステップS207:No)、更に、記録系データ処理部154等(図25参照)にて、記録しようとするトラックが、グルーブからランドへ切り替えられるか否かが判定される(ステップS220)。
ここで、グルーブからランドへ切り替えられる場合(ステップS220:Yes)、記録系データ処理部154等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、記録スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層への記録を開始すべきか否かが、更に判定される(ステップS221)。
ここで記録スタートタイミングを通過した場合には(ステップS221:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する記録が開始される(ステップS222)。これは、光スポットSP1が、グルーブトラックでもランドトラックでもなく、それらの間に位置する切替領域に位置した場合にも、記録開始を可能とさせるためである。
ステップS222の後に、又は記録スタートタイミングを通過していない場合に(ステップS221:No)、記録系データ処理部154等(図25参照)により、トラッキングサーボ極性が、グルーブからランドへ切り替えられる(ステップS223)。
上述のステップS213若しくはステップS223の処理の後、又は、ステップS220の判定にてグルーブからランドへ切り替えられない場合(ステップS220:No)、CPU111等により、所定量の記録が終了したか否かがモニタリングされる(ステップS214)。ここで、記録が終了しない限り、記録層13へのデータの記録が継続される(ステップS214:No)。
ここで、記録が終了すると(ステップS214:Yes)、記録したデータに応じて、管理情報が更新される(ステップS215)。管理情報は、複数の記録層13の少なくとも一つに設けられたリードイン領域、TOC領域などにまとめて記録されてよい。その位置は内周側であってもよいが外周側や途中であってもよいし、多少分散された形で記録されてもよい。これに加えて又は代えて、メモリ112、メモリ212等内に設けられており、光ディスク11に紐付けられた管理情報が更新されてもよい。
以上により、新規の光ディスク11に対する一連の記録処理(図29のステップS15)が完了する。
次に図31を参照して、新規の光ディスク11に対する再生処理(図29のステップS17)の一例について、説明する。この例は、記録処理時のみならず再生処理時にも、第1ビームLBが、クロック(即ち、再生用同期クロック)、トラッキング等のために、用いられる例である。
図31において、再生処理が開始されると、先ず、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、ガイド層12上において、第1ビームLB1によるトラックTRへの照射が続けられたまま(即ち、トラッキング動作が実行されたまま)、再生用同期クロック信号の元となる信号、ウォブル信号及びプリピット信号が、マーク領域22G,22Lから検出される。これにより、CPU111等により、トラックTR上におけるアドレス情報が取得される。このアドレス情報を参照することで、CPU211等により、データの記録を開始すべきアドレスとして指定された、所望の記録アドレスがサーチされる。即ち、第1ビームLB1がそのアドレス位置へと移動される。このサーチ動作により、光ピックアップ102内にて対物レンズ102L等の光学系を第1ビームLB1と共通する第2ビームLB2も(図1及び図2参照)、記録層13上でそのサーチされた記録アドレスに対応する記録面内における平面位置へと移動される(ステップS301)。
続いて、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102によって、データを再生すべき所望の記録層13へと、第2ビームLB2のフォーカスサーボがかけられる(ステップS302)。
続いて、トラッキングサーボ部152(図25参照)によって光ピックアップ102を制御することで、ガイド層12に対してトラッキングサーボをかける。即ち、トラッキングエラーの検出極性を、グルーブサーボ側に切替え若しくは維持するか、又はランドサーボ側に切替え若しくは維持し、サーボクローズとする(ステップS303)。
続いて、記録クロック生成部158にて、マーク領域22G、22Lから検出されるマークを用いて、再生用同期クロック、再生スタートタイミング等(図25〜図28参照)を生成する(ステップS304)。
続いて、再生系データ処理部155等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、再生スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層からの再生を開始すべきか否かが判定される(ステップ305)。
ここで再生スタートタイミングを通過した場合には(ステップS305:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する再生が開始される(ステップS306)。
ステップS306の後に、又は再生スタートタイミングを通過していない場合に(ステップS305:No)、再生系データ処理部155等(図25参照)にて、再生しようとするトラックが、ランドからグルーブへ切り替えられるか否かが判定される(ステップS307)。
ここで、ランドからグルーブへ切り替えられる場合(ステップS307:Yes)、再生系データ処理部155等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、再生スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層からの再生を開始すべきか否かが、更に判定される(ステップS311)。
ここで再生スタートタイミングを通過した場合には(ステップS311:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する再生が開始される(ステップS312)。これは、光スポットSP1が、グルーブトラックでもランドトラックでもなく、それらの間に位置する切替領域に位置した場合にも、再生開始を可能とさせるためである。
ステップS312の後に、又は再生スタートタイミングを通過していない場合に(ステップS311:No)、再生系データ処理部155等(図25参照)により、トラッキングサーボ極性がランドからグルーブへ切り替えられる(ステップS313)。
他方で、ステップS307の判定において、ランドからグルーブへ切り替えられない場合(ステップS307:No)、更に、再生系データ処理部155等(図25参照)にて、再生しようとするトラックが、グルーブからランドへ切り替えられるか否かが判定される(ステップS320)。
ここで、グルーブからランドへ切り替えられる場合(ステップS320:Yes)、再生系データ処理部155等(図25参照)にて、現在の光スポットSP1が、再生スタートタイミングを通過したか否か、即ち、記録層への記録を開始すべきか否かが、更に判定される(ステップS321)。
ここで再生スタートタイミングを通過した場合には(ステップS321:Yes)、第2ビームLB2により所望の記録層13に対する再生が開始される(ステップS222)。これは、光スポットSP1が、グルーブトラックでもランドトラックでもなく、それらの間に位置する切替領域に位置した場合にも、再生開始を可能とさせるためである。
ステップS322の後に、又は再生スタートタイミングを通過していない場合に(ステップS321:No)、再生系データ処理部155等(図25参照)により、トラッキング極性がグルーブからランドへ切り替えられる(ステップS323)。
上述のステップS313若しくはステップS323の処理の後、又は、ステップS320の判定にてグルーブからランドへ切り替えられない場合(ステップS320:No)、CPU111等により、所定量の再生が終了したか否かがモニタリングされる(ステップS314)。ここで、再生が終了しない限り、記録層13からのデータの再生が継続される(ステップS314:No)。
ここで、再生が終了すると(ステップS314:Yes)、再生したデータに応じて、管理情報が更新される(ステップS315)。管理情報は、複数の記録層13の少なくとも一つに設けられたリードイン領域、TOC領域などにまとめて記録されてよい。その位置は内周側であってもよいが外周側や途中であってもよいし、多少分散された形で記録されてもよい。これに加えて又は代えて、メモリ112、メモリ212等内に設けられており、光ディスク11に紐付けられた管理情報が更新されてもよい。
以上により、新規の光ディスク11に対する一連の再生処理(図29のステップS17)が完了する。
次に図32を参照して、新規の光ディスク11に対する再生処理(図29のステップS17)の他の例について、説明する。この例は、再生処理時に第1ビームLBが、クロック(即ち、再生用同期クロック)発生、トラッキング等のために、用いられない例である。即ち、この例では、記録処理時と異なり、第2ビームLB2が、クロック発生用及びトラッキング用にも用いられる。
図32において、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102によって、データを再生すべき所望の記録層13へと、第2ビームLB2のフォーカスサーボがかけられ、これと相前後して或いは並行して、第2ビームLB2による記録済情報トラックへのトラッキングサーボがかけられる(ステップS31)。
続いて、CPU111等により、記録済情報トラック上における記録済のアドレス情報が取得される。このアドレス情報を参照することで、CPU211等により、所望のデータの再生を開始すべきアドレスとして指定された、所望の再生アドレスがサーチされる。即ち、第2ビームLB2がそのアドレス位置へと移動される(ステップS32)。
続いて、光ピックアップ102によって、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボが閉じられた状態で、第2ビームLB2に起因する反射光を、対物レンズ102Lを介して受光することで、所望の記録層13からのデータの再生が開始される(ステップS33)。
続いて、CPU111等により、所定量の再生が終了したか否かがモニタリングされる(ステップS34)。ここで、再生が終了しない限り、記録層13からのデータの再生が継続される(ステップ34:No)。
これらのステップS31〜S34の処理に並行して或いは相前後して、第2ビームLB2が、記録層13から再生用同期クロックの元となる信号の発生用に用いられ、再生用同期クロックの発生や再生タイミングの生成動作が実行される。
ここで、再生が終了すると(ステップS34:Yes)、新規の光ディスク11に対する一連の記録処理(図29のステップS17)が完了する。
次に図33を参照して、新規の光ディスク11に対する再生処理(図29のステップS17)の更に他の例について、説明する。この例は、記録処理時のみならず、再生処理時に第1ビームLBがトラッキングのために用いられると共に、再生用同期クロックの発のためには用いられない例である。即ち、この例では、記録処理時と異なり、第2ビームLB2が、クロック発生用にも用いられる。
図33において、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102によって、ガイド層12へと、第1ビームLB1のフォーカスサーボがかけられ、これと相前後して或いは並行して、第1ビームLB1によるトラックTRへのトラッキングサーボがかけられる。更に、CPU111等により、トラックTR上におけるウォブルやプリピットから、アドレス情報が取得される。このアドレス情報を参照することで、CPU211等により、データの再生を開始すべきアドレスとして指定された、所望の再生アドレスがサーチされる。即ち、第1ビームLB1がそのアドレス位置へと移動される。このサーチ動作により、光ピックアップ102内にて対物レンズ102L等の光学系を第1ビームLB1と共通する第2ビームLB2も(図1及び図2参照)、記録層13上でそのサーチされた記録アドレスに対応する記録面内における平面位置へと移動される(ステップS41)。
続いて、トラッキングサーボがかけられたまま、CPU111及び信号記録再生部103による制御下で、光ピックアップ102によって、データを再生すべき所望の記録層13へと、第2ビームLB2のフォーカスサーボがかけられる(ステップS42)。
続いて、光ピックアップ102によって、第1ビームLB1にてトラッキングサーボが閉じられており且つ第2ビームLB2にてフォーカスサーボが閉じられた状態で、第2ビームLB2に起因する反射光を、対物レンズ102Lを介して受光することで、所望の記録層13からのデータの再生が開始される(ステップS43)。
続いて、CPU111等により、所定量の再生が終了したか否かがモニタリングされる(ステップS44)。ここで、再生が終了しない限り、記録層13からのデータの再生が継続される(ステップ44:No)。
これらのステップS41〜S44の処理に並行して或いは相前後して、第2ビームLB2が、記録層13から再生用同期クロックの元となる信号の発生用に用いられ、再生用同期クロックの発生や再生タイミングの生成動作が実行される。
ここで、再生が終了すると(ステップS44:Yes)、新規の光ディスク11に対する一連の再生処理(図29のステップS17)が完了する。
<各種変形例>
以下、実施例の各種変形例について図34から図37を参照して説明する。
上述の如く本実施例に係る光ディスク11では、その径方向の幅が一定であり且つトラック方向の長さが適宜に変調されている、短く分断して掘られた複数のグルーブの、トラックに沿った連続的且つ直線的な配列(言い換えれば「マークパターン」或いは「マーク」)がトラックとされている。或いは、短く分断して掘られた複数のランドの、トラックに沿った連続的且つ直線的な配列(言い換えれば「マークパターン」或いは「マーク」)がトラックとされている。トラックはウォブリングされていない。例えば、プリエンボス加工により、マークパターンを形成すれば、このような構造のトラックを、各マーク領域22G,22Lに構築可能となる。以下、このような構造とは異なる物理構造にて、ガイド情報を担持する変形例について、図34〜図36を参照して説明する。
図34の本実施例では、ウォブルWBとランドプリピットLPP1とから、マーク領域のトラックが構成されている。ここに、ウォブルWBとランドプリピットLPP1との周期を整数倍の関係とし、更に、ウォブルWBの各頂点に、ランドプリピットLLP1が形成されている。このため、プリピット信号及びウォブル信号の検出を容易にすることができる
図35の変形例では、グルーブトラックのウォブルWB1の各頂点に、ウォブル振幅(振れ量)が局所的に高められた急カーブ部分501が設けられている。即ち、プリピットなしで、特殊なウォブルWB1から、マーク領域のトラックが構成されている。この場合にも、ウォブル信号の検出を容易にすることができる
図36の変形例では、短く分断して掘られた複数のグルーブ502の、トラックに沿った連続的な配列自体がウォブリングされることで、ウォブルWB2が形成されている。例えば、プリエンボス加工により、ウォブルWB2を形成すれば、このような構造のトラックTRwを、各マーク領域に構築可能となる。
なお、上述した本実施例における緩衝領域、ストレートグルーブ若しくはストレートランド、及び鏡面領域に形成される物理的なトラック構成についても各種の組み合わせによる変形が可能である。
次に図37は、上述した本実施例における光ディスク11の基本的な層構成(図1及び図2参照)の変形例を示す。ここに図37は、本変形例の光ディスクの図1と同趣旨の模式的な斜視図である。
図37において、光ディスク11の変形例では、二層のガイド層12a及び12bが設けられる。例えば、ガイド層12aのトラックTR―aに、内周から外周へ向うアドレス位置を示す第1アドレス情報を担持させる。ガイド層12bのトラックTR−bに、外周から内周へ向うアドレス位置を示す第2アドレス情報を担持させる。この場合更に、記録層13についても、第1アドレス情報に従って記録される第1記録層と第2アドレス情報に従って記録される第2記録層とに使い分けをし、第1記録層に対するガイドは、ガイド層12aを用いて行い、第2記録層に対するガイドは、ガイド層12bを用いて行う。このように構成すれば、一又は複数の第1記録層にて、内周から外周へ向って情報を記録し、一又は複数の第2記録層にて、外周から内周へ向って情報を記録する動作が、効率良くなる或いは容易となる。しかも、記録動作の信頼性及び安定性についても、二種類のアドレス情報を使い分けることによって、顕著に高められる。よって、連続して双方向に又は任意若しくは独立にて双方向に記録可能な光ディスク11を実現可能となる。
例えば、記録層の1層目を内周から外周に向かって記録再生し、記録層の2層目を外周から内周に向って記録再生をすることにすれば、これら二層間で記録再生を切り替える時間は、ほぼ層間ジャンプを行うだけの時間で済むので、複数の記録層に跨るように連続して、記録再生を行う際に、極めて有利となる。言い換えれば、2層ディスクにおける所謂「Opposite 記録」或いは「Opposite再生」と同様の効果が得られる。即ち、記録するデータとして、ビデオデータ等のリアルタイムに連続したデータを本変形例の光ディスク11を用いて、記録しておくと、再生時において、特に第1記録層の終わりから第2記録層の始まりにかけては、殆ど層間ジャンプの時間のみで到達できる。これは、図1に示した実施例の場合に、層間ジャンプと、光ピックアップ102の位置を、外周から内周に戻す時間が更に加算されることを考えると非常に有利である。図1に示した実施例の場合に、データを途切れなく再生するためには、多量のメモリーを記録再生装置101に備えればよい。
このように図37の変形例を併用することで、安価に、容易に、再生装置において連続再生が可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施例及び変形例によれば、トラックTRに沿ったマーク領域22G,22Lの配置間隔(配置ピッチ)を所定距離以下とし、更に、光ディスク11の全面にマーク領域22G,22Lを(離散的に)配置したので、ガイド層12の光ディスク11の内周から外周に亘って、どの位置においても、サンプリングにより、連続した記録用同期クロック及びトラッキング信号を取得することができる。
また特に、記録層13におけるデータフォーマットの構成単位とウォブルWBの1周期とを整数倍の関係とし、ウォブルWBの1周期の整数倍としてスロットを構成し、マーク領域22G,22Lをこの区間に対応させたので、隣接トラックTRにおけるマーク領域22G,22L領域同士が重ならないような(即ち、記録用同期クロック、ウォブル信号やプリピット信号にクロストークが発生しないような)適応配置が容易となる。このようにして得られる記録用同期クロックやウォブル信号は、PLL(Phase Locked Loop)回路を介して、ロバスト性に優れたタイミング基準信号生成として、或いは、記録スタート時のタイミング信号生成として利用できる。
以上詳細に説明したように、本実施例によれば、次のような効果が得られる。
(1)マーク領域22G,22Lとして、所定範囲の長さから成る、信号分離可能なマーク群のみを含むマーク構造を有する領域を設けたので(図3等参照)、連続したグルーブ及び連続したランドを形成することができる。ガイド層12のトラッキング信号生成をランド/グルーブ方式にできる。更に、その他必要な各種情報(前述の第1〜第6要求事項等参照)を生成できる。特に、マークの離散配置とトラック横切り信号生成との両立を図れる。トラック横切り信号やジャンプのためのトラック横切り信号を光ディスク11の全面で生成可能なので、トラッキングサーボのクローズ動作がいずれの場所でも容易となる。ジャンプ動作を所望の位置で行うことも可能となる。
(2)所定の長さの緩衝領域21G,21Lを設けたので(図9〜図12参照)、適応配置のためのスロット数を減らすことができ、配置規則も容易となる。CLVによる1周長さの違いによる位置ずれを、ビーム径とトラックピッチから決定される複数トラックに渡る影響を回避するように、緩衝領域の長さを設定したので、重ならないように配置するためのスロット数を最小限で構成できる。
(3)所定の長さの緩衝領域21G,21Lは、グルーブトラックではグルーブ構造として、ランドトラックではランド構造として構築しているので、グルーブ上でのトラッキングサーボは、グルーブ上に配置したマークとは無関係に、連続したグルーブトラッキングが可能となる。またランド上でのトラッキングサーボは、ランド上に配置したマークとは無関係に、連続したランドトラッキングが可能となる(図19及び図20等参照)。
(4)所定範囲の長さか成るマーク群を、所定のエリアで重ならないように離散的に配置したので、光ディスク11上のどの位置でも、アドレス情報が取得できる。特に、図8に示した1Recording Unit Block 単位での構成例によれば、他の記録層13への記録データフォーマットが、例えばBD−Rフォーマット準拠であるとした場合、ガイド層12の読取ビームである第1ビームLB1が、このBD−Rフォーマット用の読取ビームである第2ビームLB2より低密度用であるために発生する新たな問題を解決する手段を講じたとしても、記録用プリフォーマットとして必要なプリアドレス等のデータを、所望の情報量形成しておくことができる。
(5)1グループ内のスロット適応配置例(図23等参照)によれば、隣接ランドに配置されたマークのみならず、隣接グルーブに配置されたマークの影響を排除できるため、必要なデータ、タイミング、の取得が可能となる。マーク領域22Gとマーク領域22Lとの間隔は、所定の間隔以下になるようにして、光ディスク11の全面に配置したので、ガイド層12の光ディスク11の内周から外周に渡って、どの位置においても、サンプリングにより、所定帯域の、光ディスク11の位置に同期した、記録クロック信号の生成が可能となる。しかも、所定の位置からの記録タイミングの生成も容易となる。記録層13のデータフォーマットの構成単位とスロットを構成するユニット長が、所定の整数比の関係にあり(図8等参照)、整数倍のスロットから1グループを構成し、少なくともその1つのスロットにマークを配置させている。このため、所定の間隔が容易に設定でき、配置されたマークに同期したクロックが容易に生成できるので、記録クロックの生成、及び記録スタートのタイミング生成が容易となる。
(6)ランド/グルーブ切替エリア12SAの長さを、所定の長さ(1グループの整数倍)に設定したので、所定のマークが配置されないランド/グルーブ切替エリア12SAにおいて、記録層13に記録するデータの先頭がランド/グルーブ切替エリア12SAにある時でも、記録スタートタイミング等の必要なタイミングを容易に生成できる。
(7)ランド/グルーブ切替エリア12SAにおいて、隣接グルーブ或いは隣接ランド間で、2種(複数)の切替信号生成マークを、隣接グルーブ或いは隣接ランドで、1スロットずらして重ならないように配置している。このため、隣接トラックからの切替信号検出への影響を除去でき、ランド/グルーブ切替タイミング情報を、良好に取得できる。
(8)ランド/グルーブ切替エリア12SAが、所定量(1グループ分)だけトラック方向にずれたら、所定量、その位置をシフトするようにしている。このため、ランド/グルーブ切替エリア12SAは、ほぼ、ディスクの半径方向の所定位置となり、CLVであるにもかかわらず、ランド/グルーブの利用効率がよくなる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びに情報再生装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
11 光ディスク
12 ガイド層
12SA ランド/グルーブ切替エリア
13 記録層
20G グルーブトラック
20L ランドトラック
21G,21L 緩衝領域
22G,22L マーク領域
TR トラック
LB1 第1ビーム
LB2 第2ビーム
SP1 光スポット
102 光ピックアップ
102L 対物レンズ
101 記録再生装置
201 ホストコンピュータ

Claims (13)

  1. CLV方式の情報記録媒体であって、
    予めトラックが形成されたガイド層と、
    該ガイド層上に積層された複数の記録層と
    を備え、
    前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されており、
    前記複数のガイド領域は、前記トラックが前記トラック方向に区分されてなる複数のスロットのうち、前記トラック方向に相隣接しておらず且つ前記径方向に前記複数のトラックに渡って相隣接していない一部の複数のスロット内に、配置されている
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 前記トラックは、少なくとも一部において、グルーブ構造を有するグルーブトラックとランド構造を有するランドトラックとが、交互に形成されてなり、
    前記物理構造は、前記トラック方向に所定範囲の長さを有する1つ以上のマーク群を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記複数のガイド領域は、前記トラック方向に所定長さの緩衝領域を含み、
    該緩衝領域は、少なくとも一部において、前記グルーブトラックがストレートグルーブ構造を有すると共に前記ランドトラックがストレートランド構造を有してなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記複数のガイド領域は、前記グルーブトラックとランドトラックとを相互に切り替えるためのランド/グルーブ切替領域を含み、
    該ランド/グルーブ切替領域は、少なくとも一部において、前記トラックに沿って前記スロットの整数倍の長さを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
  5. 前記ランド/グルーブ切替領域は、前記スロットの整数倍を単位として、前記径方向に揃うように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体。
  6. 前記複数のスロットは、前記トラック方向の長さが相互に等しく、前記トラック方向に隙間無く配列されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  7. 前記物理構造は、前記スロットの前記トラック方向の長さと、前記複数の記録層に夫々記録されることになるデータのフォーマットの構成単位の前記トラック方向の長さとが、所定の整数比となるように、前記ガイド情報を担持することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  8. 前記ガイド領域が配置される複数のスロットは、(i)少なくとも前記記録層に対する情報記録時に前記トラックに対して照射され且つ集光される光ビームにより、前記トラック上に形成される光スポットの径と、(ii)前記トラックの前記径方向のピッチと、(iii)前記CLV方式に準拠して周回毎に前記径方向に相隣接する二つのスロット間の相対位置が、CAV方式に準拠したと仮定した場合に比べて前記トラック方向に沿ってずれる変位量と、(iv)前記スロットの前記トラック方向の長さとに基づいて、前記光スポット内に同時に含まれない複数のスロットとして選定されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  9. 前記物理構造は、前記ガイド情報の他種類として、前記トラック方向に沿って内周から外周又は外周から内周へ向うアドレス位置を示すアドレス情報を担持することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  10. CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている情報記録媒体に、データを記録する情報記録装置であって、
    前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、
    前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、
    前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御手段と
    を備えることを特徴とする情報記録装置。
  11. CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている情報記録媒体に、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ記録用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを記録する情報記録方法であって、
    前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、
    前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層に前記第2光ビームを照射し且つ集光することで、前記データを記録するように前記光照射手段を制御するデータ記録制御工程と
    を備えることを特徴とする情報記録方法。
  12. CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている情報記録媒体から、データを再生する情報再生装置であって、
    前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段と、
    前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得手段と、
    前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得手段と
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
  13. CLV方式の情報記録媒体であって、予めトラックが形成されたガイド層と、該ガイド層上に積層された複数の記録層とを備え、前記トラックには、ガイド用のガイド情報の一種類として前記複数の記録層に記録するためのタイミング情報を担持する物理構造を夫々有する複数のガイド領域が、前記トラックに沿ったトラック方向に予め設定された所定距離以下の配置間隔にて離散的に、且つ前記トラックに交わる径方向に相隣接する複数のトラックに渡って該複数のトラック間でずらされて、配置されている情報記録媒体から、前記ガイド層にトラッキング用の第1光ビームを照射し且つ集光することが可能であると共に前記複数の記録層のうち一の記録層にデータ再生用の第2光ビームを照射し且つ集光することが可能である光照射手段を用いて、データを再生する情報再生方法であって、
    前記ガイド層からの前記照射され且つ集光された第1光ビームに基づく第1光を受光し、該受光された第1光に基づき前記担持されたタイミング情報を取得する情報取得工程と、
    前記取得されたタイミング情報により規定されるタイミングで、前記一の記録層からの前記照射され且つ集光された第2光ビームに基づく第2光を受光し、該受光された第2光に基づき前記データを取得するデータ取得工程と
    を備えることを特徴とする情報再生方法。
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