JP2009093700A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザービームスポットを現在の層信号面から目的とする他の層の信号面に確実に移行させる。
【解決手段】記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスク1A又は1B中で所望の層の信号面に対物レンズ38から出射させたレーザービームスポットLBを照射して情報信号を記録し、記録した情報信号を再生する際に、レーザービームスポットLBを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプさせた後に、目的とする他の層の信号面が未記録である記録済みであるかをグルーブトラックに記録した情報信号の振幅から判別して、他の層の信号面が未記録である場合には光ディスク中にプリフォーマットされたアドレス情報を取得する一方、記録済みである場合には情報信号中から記録したIDアドレス情報を取得するようにアドレス情報切り換え可能に構成した。
【選択図】図8

Description

本発明は、記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスク中で所望の層の信号面に対物レンズから出射させたレーザービームスポットを照射して情報信号を記録し、前記記録した情報信号を再生する際に、レーザービームスポットを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプさせた後に、目的とする他の層の信号面が記録済みであるか否かを判別して、他の層の信号面が未記録である場合には光ディスク中にプリフォーマットされたアドレス情報を取得する一方、記録済みである場合には光ディスク中に記録されたIDアドレス情報を取得するようにアドレス情報切り換え可能に構成した光ディスク装置に関するものである。
一般的に、光ディスクは、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を円盤状のディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この際、光ディスクは、再生専用タイプと記録再生タイプとに大別できる。
ここで、再生専用タイプの光ディスクは、樹脂材を用いて射出成形により円盤状のディスク基板上に凹凸状のピット列でトラックを螺旋状又は同心円状に形成して、この凹凸状のピット列上にアルミなどの反射膜を膜付けして信号面を形成している。
一方、記録再生タイプの光ディスクは、樹脂材を用いて射出成形により円盤状のディスク基板上に凹凸状のグルーブとランドとでトラックを交互に螺旋状又は同心円状に予め形成し、これらのグルーブとランド上に記録層,反射層を順に膜付けして信号面を形成している。
そして、再生専用タイプの光ディスクは、光ディスク装置内で光ディスクの径方向に移動自在に設けた光ピックアップから対物レンズを介して出射された再生用のレーザービームスポットを信号面に照射して、信号面から反射された戻り光を多分割型フォトディテクタで受光することで、データを再生している。
一方、記録再生タイプの光ディスクは、光ディスク装置内で光ディスクの径方向に移動自在に設けた光ピックアップから対物レンズを介して出射された記録用のレーザービームスポットで信号面の記録層に情報信号を記録し、この後、記録済みの信号面を上記と同じように再生用のレーザービームスポットで再生している。
この種の光ディスクとして、記録再生可能なDVD(Digital Versatile Disc)や、DVDよりも高密度化を図ったHD−DVD(High Definition DVD)とかBD(Blu−ray Disc)では、記録層を有する信号面が単層であるものの他に、信号面が2層又は2層以上の多層のものが存在する。
例えば、2層のDVDの場合には、層間距離が55μmであるので、レーザービームスポット入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±27.5μmの位置、即ち、レーザービームスポット入射面から0.5725mm隔てた位置と、レーザービームスポット入射面から0.6275mm隔てた位置にそれぞれDVD規格に準拠してトラックピッチが0.74μm程度に設定された第1,第2信号面があり、これらの第1,第2信号面を開口数NAが0.6〜0.65程度の対物レンズを用いて記録又は再生している。
また、2層のHD−DVDの場合には、層間距離が20μmであるので、レーザービームスポット入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±10μmの位置、即ち、レーザービームスポット入射面から0.59mm隔てた位置と、レーザービームスポット入射面から0.61mm隔てた位置にそれぞれHD−DVD規格に準拠してトラックピッチが0.40μm程度に設定された第1,第2信号面があり、これらの第1,第2信号面を開口数NAが0.6〜0.65程度の対物レンズを用いて記録又は再生している。
更に、2層のBDの場合には、層間距離が25μmであるので、レーザービームスポット入射面から0.0875mm隔てた位置を中心として±12.5μmの位置、即ち、レーザービームスポット入射面から0.075mm隔てた位置と、レーザービームスポット入射面から0.1mm隔てた位置にそれぞれBD規格に準拠してトラックピッチが0.32μm程度に設定された第1,第2信号面があり、これらの第1,第2信号面を開口数NAが0.85程度の対物レンズを用いて記録又は再生している。
ところで、下記の特許文献1(特開2001−351311号公報)に開示された光ディスクのシーク方法及び光ディスク駆動装置には、ここでの図示を省略するものの、書き込み又は書き換え可能な光ディスクの記録済み部と未記録部からアドレス情報を異なる方法で読み出す際に、シークにおいて、記録済みの部分は記録済みのアドレス情報を用いてシークし、未記録部はプリアドレス方式を用いることで、正常なアクセスができ、且つ、未記録部に突入してもアドレスを取得することができる旨が示されている。
特開2001−351311号公報
ところで、上記した特許文献1に開示された光ディスクのシーク方法及び光ディスク駆動装置によれば、前述したように、書き込み又は書き換え可能な光ディスクへのシーク時に、未記録部に対してプリアドレス方式を用い、且つ、記録済みの部分は記録済みのアドレス情報を用いているものの、ここで用いられる書き込み又は書き換え可能な光ディスクの例として、CDR,CD−RW,DVD−R及びDVD−RAMが適用されているが、これらの光ディスクのプリアドレス方式は後述するようにランドプリピットフォーマットを採用しているものである。
一方、記録再生タイプの光ディスクとして、DVD+RやDVD+RWもあり、この場合に光ディスクのプリアドレス方式は後述するようにウォブル位相変調フォーマットを採用している。
従って、記録再生タイプの光ディスクからプリフォーマットされたアドレス情報を取得するには、ランドプリピットフォーマットを採用したものと、ウォブル位相変調フォーマットを採用したものと2種類存在することになるが、上記した特許文献1では未記録部に対するプリアドレス方式としてランドプリピットフォーマットによる1種類しか適用できないので光ディスクの種類が限定されてしまう。
また、DVD,HD−DVD,BDのような光ディスクにおいて、書き込み及び書き換え可能なメディアは、記録するコンテンツの高精細化・大容量化に伴って、片面に2層の信号面がある2層ディスクの使用頻度が高まりつつある。これら2層ディスクをはじめ、記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスクに記録した情報信号を再生する場合、層を跨いだ2点間のアクセスをする機会が発生する。
この際、2層以上の信号面を持つ光ディスクにおいて、各層の信号面内で未記録領域と記録済み領域とが混在する場合に、層を跨いだ2点間のアクセスを高速に行うためには、層間移動を行なうフォーカスジャンプの前に目的の層のフォーカスジャンプ後の位置が記録済みであるか、未記録であるかの確認が必要であるが、上記した特許文献1では、未記録/記録済みの判別を光ディスクのPMA(Progrm Memory Area)のセクターテーブルに書き込まれた記録状態コードによっているが、この記録状態コードの定義では、0:未記録(データが記録されていないことを示す)、1:書き込み動作を行ったことを示す(記録されている保証はない)、2:記録確認済み(実際に読み出し記録データが確認されたことを示す)の3通りのコードが存在し、とくに、あるセクタを記録状態コード:1に書き換えたときに、そのセクタにデータが記録されているとは限らないために、記録済みかどうか不明な部分については記録済みかどうか調べなければならないので、アクセス動作前の複雑な判断を含む煩雑な処理が必要である。
そこで、記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスク中で所望の層の信号面に対物レンズから出射させたレーザービームスポットを照射して情報信号を記録し、前記記録した情報信号を再生する際に、レーザービームスポットを現在の層信号面から目的とする他の層の信号面に確実に移行でき、更に、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用した第1光ディスクと、プリフォーマットされたウォブル位相変調フォーマットを採用した第2光ディスクのいずれにも適用できる光ディスク装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、ウォブルされたグルーブトラックと、隣り合う前記グルーブトラック間にあるランドトラックとが対をなしてディスク基板の内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成された記録再生可能な信号面を少なくとも2層以上有し、且つ、前記ランドトラック上又は前記グルーブトラック上のいずれか一方にプリフォーマットされたアドレス情報を有する光ディスクを用い、前記グルーブトラック及び前記ランドトラック上に対物レンズから出射されたレーザービームスポットを照射して情報信号を前記グルーブトラックに記録し、前記記録した情報信号を再生する光ディスク装置において、
前記グルーブトラック及び前記ランドトラック上に照射した前記レーザービームスポットの反射光を複数の受光領域で受光して、各受光領域からの各検出信号を出力する多分割型フォトディテクタと、
前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第1の演算処理により演算してフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、
前記フォーカスエラー信号と、前記レーザービームスポットを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプするためのフォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号とを選択的にフォーカスコイルに印加して前記対物レンズをフォーカス制御するフォーカス制御手段と、
前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第2の演算処理により演算してトラッキングエラー信号を検出するトラッキングエラー信号検出手段と、
前記レーザービームスポットを前記フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号により前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、前記トラッキングエラー信号により前記対物レンズをトラッキング制御するトラッキング制御手段と、
前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第3の演算処理により演算してプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、
前記プッシュプル信号から前記ランドトラック上又は前記グルーブトラック上のいずれか一方にプリフォーマットされたアドレス情報を抽出するプリフォーマットアドレス情報抽出手段と、
前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第4の演算処理により演算して前記グルーブトラックに記録した前記情報信号を検出するRF信号検出手段と、
前記検出した情報信号中から記録したIDアドレス情報を抽出するIDアドレス抽出手段と、
前記検出した情報信号の振幅に対して所定の閾値を設定し、前記レーザービームスポットを前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、前記他の層の信号面が未記録であるか記録済みであるかを判別する未記録/記録済み判別手段と、
前記未記録/記録済み判別手段の判別結果が未記録であれば前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するように切り換え、一方、前記未記録/記録済み判別手段の判別結果が記録済みであれば前記IDアドレス情報を取得するように切り換える切り換え手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置である。
また、第2の発明は、上記した第1の発明の光ディスク装置において、
前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するために前記ランドトラック上にランドプリピットをプリフォーマットした第1光ディスクと、前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するために前記グルーブトラック上にウォブル位相変調部をプリフォーマットした第2光ディスクとを選択的に装着可能に成したことを特徴とする光ディスク装置である。
また、第3の発明は、上記した第2の発明の光ディスク装置において、
前記プリフォーマットされたアドレス情報は、前記第1光ディスク中で前記ランドトラック上にプリフォーマットされた前記ランドプリピットにより得られるランドプリピット信号を前記プッシュプル信号から抽出するか、又は、前記第2光ディスク中で前記グルーブトラック上にプリフォーマットされた前記ウォブル位相変調部により得られるADIP信号を前記プッシュプル信号から抽出することを特徴とする光ディスク装置である。
更に、第4の発明は、上記した第1〜第3のいずれかの発明の光ディスク装置において、 前記未記録/記録済み判別手段は、前記レーザービームスポットを前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、トラッキングループオンするまでの待ち時間の間に前記他の層の信号面が未記録であるか記録済みであるかの判別を行うことを特徴とする光ディスク装置である。
上記した第1の発明の光ディスク装置によると、とくに、記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスク中で所望の層の信号面に対物レンズから出射させたレーザービームスポットを照射して情報信号を記録し、前記記録した情報信号を再生する際に、レーザービームスポットLBを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプさせた後に、目的とする他の層の信号面が未記録である記録済みであるかをグルーブトラックに記録した情報信号(メインデータ信号)の振幅から判別して、他の層の信号面が未記録である場合には光ディスク中にプリフォーマットされたアドレス情報を取得する一方、記録済みである場合には記録済みの情報信号中から記録したIDアドレス情報を取得するようにアドレス情報切り換え可能に構成しているために、他の層の信号面が記録済みである場合に従来例で説明したようなPMA(Progrm Memory Area)のセクターテーブルに書き込まれた記録状態コードを用いないので、この記録状態コードが記録されている保証がないとか又は記録状態コードが誤っている場合でも従来例を適用せずに、本発明のように記録済みのグルーブトラックから得た情報信号中から記録したIDアドレス情報を確実に取得でき、且つ、他の層の信号面を信頼性良くアクセスすることができると共に、アクセス処理をシンプルにすることができる。
更に、各層でトラックピッチが大きく異なった光ディスクを仮に適用した場合、フォーカスジャンプの着地ポイントのアドレスが各層のトラックピッチが同じと仮定して算出したアドレスと大きく異なることがあるが、本発明ではフォーカスジャンプ前に記録状態を予め知る必要がないので、このような場合も対応可能である。
また、上記した第2の発明の光ディスク装置によると、とくに、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用した第1光ディスクと、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにウォブル位相変調フォーマットを採用した第2光ディスクとを選択的に装着可能に構成されているために、光ディスク装置の使い勝手を向上させることができる。
また、上記した第3の発明の光ディスク装置によると、とくに、プリフォーマットされたアドレス情報は、第1光ディスク中で前記ランドトラック上にプリフォーマットされたランドプリピットにより得られるランドプリピット信号をプッシュプル信号から抽出するか、又は、第2光ディスク中で前記グルーブトラック上にプリフォーマットされたウォブル位相変調部により得られるADIP信号をプッシュプル信号から抽出しているので、プッシュプル信号検出手段を第1,第2光ディスクに対して共用できるために、光ディスク装置の構成を簡素化することができる。
更に、上記した第4の発明の光ディスク装置によると、とくに、未記録/記録済み判別手段は、レーザービームスポットを他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、トラッキングループオンするまでの待ち時間の間に他の層の信号面が未記録であるか記録済みであるかの判別を行っているために、他の層の信号面に対する未記録/記録済み判別を信頼性良く確実に行なうことができる。
以下に本発明に係る光ディスク装置の一実施例について図1〜図16を参照して項目順に詳細に説明する。
本発明に係る光ディスク装置を説明する前に、この光ディスク装置内で選択的に適用される2種類の記録再生タイプの光ディスクの例として、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用した第1光ディスクと、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにウォブル位相変調フォーマットを採用した第2光ディスクとについて図1〜図7を用いて先に説明する。
<第1,第2光ディスク>
図1(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置に適用される第1光ディスクを模式的に示した斜視図,平面図、
図2は図1に示した第1光ディスクにおいて、グルーブトラックに記録される情報信号のデータフォーマットを説明するための図、
図3は図1に示した第1光ディスクにおいて、ランドトラック上に形成したランドプリピットの種類を説明するための図、
図4は図1に示した第1光ディスクにおいて、一つのセクタに対応して設けた複数のランドプリピットを示した図、
図5(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置に適用される第2光ディスクを模式的に示した斜視図,平面図、
図6は図5に示した第2光ディスクにおいて、グルーブトラック上に形成したウォブル位相変調部のADIP構造を模式的に示した図、
図7(a)〜(c)は図5に示した第2光ディスクにおいて、8ウォブルの位相変調部(ADIP)を説明するための図である。
まず、図1(a),(b)に示した如く、本発明に係る光ディスク装置20(図8)に適用される第1光ディスク1Aは、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用しており、このランドプリピットフォーマットは例えば記録再生可能なDVD−R(DVD−Recordable)やDVD−RW(DVD−Rewritable)に適用されている。
上記した第1光ディスク1Aは、記録再生可能なDVD−R,DVD−RWと対応して信号面が下記するように2層に形成されているが、ここでの図示を省略するが2層以上の多層の場合もある。
具体的に説明すると、第1光ディスク1Aでは、透明な第1ディスク基板2Aが略0.6mm程度の厚みで円盤状に形成され、この第1ディスク基板2Aの一方の面側に所定の周波数でsineカーブ状にウォブル(蛇行)されて情報信号を記録するためのグルーブトラック3と、隣り合うグルーブトラック3間にあるランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、ランドトラック4上にグルーブトラック3に記録する情報信号へのアドレス情報や訂正用パリティなどの補助情報がランドプリピット4aとしてプリフォーマットされていると共に、第1ディスク基板2Aのグルーブトラック3及びランドトラック4上に第1記録層5aと半透過反射層5bとが成膜されて1層目の第1信号面5Aが形成されている。
また、厚さが略0.6mm程度の第2ディスク基板6Aも、第1ディスク基板2Aと略同様に、一方の面にグルーブトラック3とランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、ランドトラック4上にランドプリピット4a(図示せず)がプリフォーマットされていると共に、第2ディスク基板6Aのグルーブトラック3及びランドトラック4上に第2記録層7aと反射層7bとが成膜されて2層目の第2信号面7Aが形成されている。
更に、第1ディスク基板2Aの一方の面と、第2ディスク基板6Aの一方の面とを層間距離が例えば55μm程度となるように接着剤層8により貼り合わせて、第1光ディスク1Aが略1.2mmの厚みに形成されている。
そして、第1光ディスク1A中で透明な第1ディスク基板2Aの他方の面側からレーザービームスポットLBを照射して、第1信号面5Aの第1記録層5a又は第2信号面7Aの第2記録層7aに情報信号を記録した後に、第1信号面5Aの半透過反射層5b又は第2信号面7Aの反射層7bで反射された戻りの反射光を、後述する光ピックアップ30(図8)内の多分割型フォトディテクタ43(図8,図9)を用いて検出している。
ここで、グルーブトラック3は、第1光ディスク1Aを例えばCLV(Constant Linear Velocity…線速度一定)で回転制御させる際の基準クロックを抽出するために、前記した基準クロックに基づいた所定の周波数でウォブル(蛇行)されており、ウォブルの位相が全て同一の位相になっているので、隣り合うグルーブトラック3同士が互いに逆位相になることはない。そして、グルーブトラック3中で一つの同期フレーム周期は例えば3ウォブル周期に設定されている。
この際、グルーブトラック3に記録される情報信号のデータフォーマットは、図2に示した如く、一つのセクタ(レコーディングセクタ)が26個の同期フレーム(シンクフレームで)で構成され、且つ、一つのECC(Error Correcting Code)ブロックが例えば16セクタで構成されている。
そして、一つのセクタの先頭フレームにはセクタ先頭を示すフレーム同期信号SY0、その直後に記録済みの情報信号Dに対するトラック位置特定を行うためのID(Identification Data)アドレス情報が含まれていると共に、26個の各同期フレームには同期信号SYと情報信号Dとがそれぞれ記録されている。
図1(a),(b)に戻り、ランドトラック4上に形成したランドプリピット4aは、隣り合うグルーブトラック3とグルーブトラック3とに跨がって接続されており、レーザービームスポットLBで一つのグルーブトラック3をトラッキングしながら走査する際に、走査中の一つのグルーブトラック3に対して外周側のランドプリピット4aが現在走査中のグルーブトラック3のアドレス情報を示すとするならば、これに対して内周側のランドプリピット4aは現在走査中のグルーブトラック3よりも1トラック前の内周側のグルーブトラック3に対するアドレス情報を示すものである。
また、ランドプリピット4aは、図3に示したように、3ビット(b2,b1,b0)を用いた組み合わせにより4種類のコードデータが設定されており、3ビット(b2,b1,b0)の配列は連続した3つのウォブル中でウォブル周期に同期した各ウォブルの所定位置に合計で3か所設定されている。
この際、ランドプリピット5の3ビット(b2,b1,b0)の配列は、プリピット同期信号1が(1,1,1)に、プリピット同期信号2は(1,1,0)に、プリピットデータは(1,0,1)に、プリピットデータ=0は(1,0,0)に設定されている。
従って、各ランドプリピット5は、4種類のうちのいずれか1つが必ず付与されていると共に、4種類のランドプリピット5はビットb2が共通して“1”に設定されており、プリピット同期信号1及びプリピット同期信号2についてはビットb1が共に“1”であることにより同期情報であるとして認識され、更に、ビットb0が“1”か“0”かを認識することにより1ビットのデータとして扱うことができる。
そして、図4に示したように、一つのグルーブトラック3に対して一方側のランドトラック4上に形成した外周側のランドプリピット4aは奇数番目の同期フレームに対応して設けられ、且つ、他方側のランドトラック4上に形成した内周側のランドプリピット4aは偶数番目の同期フレームに対応して設けられているので、ランドプリピット4aが一つのグルーブトラック3の両側で重なり合うことがない。
これに伴って、前述したように、一つのセクタは26個の同期フレームで構成されているため、同期フレームに対して一つおきに設けたランドプリピット4aは一つのセクタと対応して13個設けられており、一つのセクタ26フレーム中に13アドレスデータビットが存在することになる。
次に、図5(a),(b)に示した如く、本発明に係る光ディスク装置20(図8)に適用される第2光ディスク1Bは、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにウォブル位相変調フォーマットを採用しており、このウォブル位相変調フォーマットは例えば記録再生可能なDVD+R(DVD+Recordable)やDVD+RW(DVD+Rewritable)に適用されていると共に、DVDよりも更に高密度記録再生可能なBDにも適用されている。
上記した第2光ディスク1Bは、記録再生可能なDVD+R,DVD+RWと対応して信号面が下記するように2層に形成されているが、ここでの図示を省略するが2層以上の多層の場合もある。
具体的に説明すると、第2光ディスク1Bでは、透明な第1ディスク基板2Bが略0.6mm程度の厚みで円盤状に形成され、この第1ディスク基板2Bの一方の面側に所定の周波数でsineカーブ状にウォブル(蛇行)されて情報信号を記録するためのグルーブトラック3と、隣り合うグルーブトラック3間にあるランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、グルーブトラック3上にウォブル周波数よりも高い周波数でウォブルの位相を180°反転させて位相変調されたウォブル位相変調部(ADIP)3aがプリフォーマットされていると共に、第1ディスク基板2Bのグルーブトラック3及びランドトラック4上に第1記録層5aと半透過反射層5bとが成膜されて1層目の第1信号面5Bが形成されている。
また、厚さが略0.6mm程度の第2ディスク基板6Bも、第1ディスク基板2Bと略同様に、一方の面にグルーブトラック3とランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、グルーブトラック3上にウォブル位相変調部3a(図示せず)がプリフォーマットされていると共に、第2ディスク基板6Bのグルーブトラック3及びランドトラック4上に第2記録層7aと反射層7bとが成膜されて2層目の第2信号面7Bが形成されている。
更に、第1ディスク基板2Bの一方の面と、第2ディスク基板6Bの一方の面とを層間距離が例えば55μm程度となるように接着剤層8により貼り合わせて、第2光ディスク1Bが略1.2mmの厚みに形成されている。
そして、第2光ディスク1B中で透明な第1ディスク基板2Bの他方の面側からレーザービームスポットLBを照射して、第1信号面5Bの第1記録層5a又は第2信号面7Bの第2記録層7aに情報信号を記録した後に、第1信号面5Bの半透過反射層5b又は第2信号面7Bの反射層7bで反射された戻りの反射光を、後述する光ピックアップ30(図8)内の多分割型フォトディテクタ43(図8,図9)を用いて検出している。
尚、第2光ディスク1Bへの更なる記録密度の向上のために、情報信号読取り側に位置する第1ディスク基板2Bに0.1mm〜0.2mm程度の薄い透明フィルムを用いて厚みを薄く形成し、且つ、層間距離が例えば25μm程度の第1,第2信号面を形成することで、DVDよりも更に高密度記録再生可能なBDを得る方法もある。
ここで、グルーブトラック3は、第2光ディスク1Bを例えばCLV(Constant Linear Velocity…線速度一定)で回転制御させる際の基準クロックを抽出するために、前記した基準クロックに基づいた所定の周波数でウォブル(蛇行)されている。
この際、グルーブトラック3に記録される情報信号のデータフォーマットは、第1光ディスク1A(図1)と略同様に、一つのセクタ(レコーディングセクタ)が26個の同期フレーム(シンクフレームで)で構成され、且つ、一つのECC(Error Correcting Code)ブロックが例えば16セクタで構成されている。
また、グルーブトラック3上には、図6に模式的に示した如く、ADIP(Address In Pre−groove)構造が採用されており、このADIP構造は2シンクフレームに93個のウォブルが対応しており、そのうち8個のウォブルが前述したウォブル位相変調部3aであり、この位相変調部3aにADIPと呼ばれるアドレス情報がプリフォーマットされていると共に、残りの83個が単一ウォブルとして形成されている。
この際、図7に示した如く、第2光ディスク1Bのグルーブトラック3上に形成された8ウォブルの位相変調部(ADIP)3aにおいては、3つのパターンのADIPビットが存在する。この図7中で(a)はADIPワードの切れ目を示すためのADIPワード・シンクであり、(b)はADIP=0を示すためのADIPゼロ・ビットであり、(c)はADIP=1を示すためのADIPワン・ビットである。そして、ADIPワードは、これらのADIPビットの合計52ビットにより表わされ、そのうちビット0〜ビット23が、アドレス情報である。
そして、上記したように、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用した第1光ディスク1Aと、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにウォブル位相変調フォーマットを採用した第2光ディスク1Bとを下記する光ディスク装置20(図8)内に選択的に装着可能に構成しているので、光ディスク装置20の使い勝手を向上させることができる。
<光ディスク装置>
図8は本発明に係る光ディスク装置の全体構成を示した構成図、
図9は本発明に係る光ディスク装置において、光ピックアップ内に設けた多分割型フォトディテクタを拡大して示した図、
図10は本発明に係る光ディスク装置において、制御回路内に設けたフォーカス制御部(FO制御部)を拡大して示した図、
図11は本発明に係る光ディスク装置において、制御回路内に設けたトラッキング制御部(TR制御部)を拡大して示した図、
図12(a)〜(c)は本発明に係る光ディスク装置において、第1プッシュプル信号からウォブル信号とランドプリピット信号とをそれぞれ抽出する状態を模式的に示した図、
図13(a)〜(d)は本発明に係る光ディスク装置において、第2プッシュプル信号からウォブル信号とADIP信号とをそれぞれ抽出する状態を模式的に示した図、
図14(a)〜(e)は第1光ディスク又は第2光ディスクの第1信号面及び第2信号面が共に記録済みであるときに、対物レンズから出射させたレーザービームスポットを第1信号面から第2信号面にフォ−カスジャンプさせた場合の各信号波形を示した図、
図15(a)〜(e)は第1光ディスク又は第2光ディスクの第1信号面が記録済みであり、且つ、第2信号面が未記録であるときに、対物レンズから出射させたレーザービームスポットを第1信号面から第2信号面にフォ−カスジャンプさせた場合の各信号波形を示した図、
図16は本発明に係る光ディスク装置において、対物レンズによるフォーカスジャンプを含むシーク動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示した如く、本発明に係る実施例の光ディスク装置20では、この内部に装置全体を制御するための制御回路21がマイクロコンピュータを用いて設けられており、且つ、制御回路21内には制御動作を指令するソフトを予め格納したROM21aと、制御に必要なデータを一時的に格納するRAM21bと、後述するフォーカス制御部(FO制御部)21cと、後述するトラッキング制御部(TR制御部)21dとが設けられている。
また、光ディスク装置20内には、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにランドプリピットフォーマットを採用した第1光ディスク1Aと、プリフォーマットされたアドレス情報を取得するためにウォブル位相変調フォーマットを採用した第2光ディスク1Bとが、スピンドルモータ22の軸22aに固着したターンテーブル23上に選択的に着脱可能に搭載されて、上方からディスククランパ24でターンテーブル23上に押圧されてしっかりとクランプされていると共に、制御回路21からの指令で動作する第1モータ駆動回路25を介してスピンドルモータ22の回転数がCLV制御されて、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bがターンテーブル23及びディスククランパ24と一体に回転自在になっている。
この際、上記した第1光ディスク1Aは、先に図1を用いて説明したように、記録再生可能な信号面5A,7Aが少なくとも2層に形成された上で、所定の周波数でウォブルされたグルーブトラック3と、隣り合うグルーブトラック3間にあるランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、ランドトラック4上にアドレス情報や訂正用パリティなどを示すランドプリピット4aがプリフォーマットされているものが適用されている。
一方、上記した第2光ディスク1Bは、先に図5を用いて説明したように、記録再生可能な信号面5B,7Bが少なくとも2層に形成された上で、所定の周波数でウォブルされたグルーブトラック3と、隣り合うグルーブトラック3間にあるランドトラック4とが対をなして内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成されており、且つ、グルーブトラック3上にアドレス情報を示すウォブル位相変調部(ADIP)3aがプリフォーマットされているものが適用されている。
また、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの下方には、光ピックアップ30が各光ディスク1A,1Bの半径方向に移動自在に設けられており、この光ピックアップ30は、光ピックアップ筐体31の螺合部31aが制御回路21からの指令で動作する第2モータ駆動回路26により回転駆動されるスレッドモータ27に連結したリードスクリュー28に螺合することで、各光ディスク1A,1Bの半径方向に直線移動自在に設けられている。
上記した光ピックアップ30は、凹凸状のピット列でトラックを形成した再生専用タイプの光ディスク(図示せず)と、記録再生可能タイプの第1光ディスク1Aと、記録再生可能タイプの第2光ディスク1Bとに対応できるようにメインビームと一対のサブビームとを使用する方式を採用して構成されている。
具体的に説明すると、光ピックアップ30の光ピックアップ筐体31内には、レーザー駆動回路29を介して所定波長のレーザー光を出射するレーザー光源32と、レーザー光源32からのレーザー光を平行光に変換するコリメータレンズ33と、この平行光のレーザー光をメインビームと一対のサブビームとによる3ビームに分離する回折素子34と、レーザー光源32からのレーザー光と各光ディスク1A,1Bからの反射光(戻り光)とを分離するビームスプリッタ35と、平行光のレーザー光を円偏光に変換するλ/4板36と、レンズホルダ37内に取り付けられてメインビームと一対のサブビームとによる3ビームのレーザービームスポットLBを各光ディスク1A,1Bの信号面(図示せず)上に照射する対物レンズ38と、レンズホルダ37の外周に取り付けられて対物レンズ38をフォーカス方向及びトラッキング方向に揺動させるフォーカスコイル39及びトラッキングコイル40と、各光ディスク1A,1Bの信号面で反射されたメインビームと一対のサブビームとによる3ビームの戻り光を検出レンズ41,シリンドリカルレンズ42を介して検出する多分割型フォトディテクタ43とで構成されている。
この際、上記したレーザー駆動回路29は、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bのグルーブトラック3に情報信号を記録する場合には、ここに印加される記録信号RSに応じてレーザー光源32から記録パワーを持たせた記録用のレーザー光を出射させるように駆動し、一方、記録済みの第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bを再生する場合にはレーザー光源32から記録パワーよりもパワーが小さい再生用のレーザー光を出射させるように駆動している。
また、上記したレーザー光源32は、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1BがDVDタイプ又はHD−DVDタイプであれば波長650nm近辺のレーザー光を出射し、第2光ディスク1BがBDタイプであれば波長405nm近辺のレーザー光を出射するようになっている。
そして、制御回路21の指令によりレーザー駆動回路29を介してレーザー光源32を始動させて所定波長のレーザー光を出射させると、このレーザー光はコリメータレンズ33,回折素子34,ビームスプリッタ35,λ/4板36を経由して対物レンズ38に入射され、この対物レンズ38で絞り込んだメインビームと一対のサブビームとによる3ビームのレーザービームスポットLBが第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面に到達し、ここで図9に拡大して示したように3ビームのレーザービームスポットLBのうちでメインビームMBは一つのグルーブトラック3上にスポット状に照射されると共に、一対のサブビームSB1,SB2は一つのグルーブトラック3の両側にあるランドトラック4,4上にスポット状に照射されている。
この後、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面で反射されたメインビームMBの戻り光と一対のサブビームSB1,SB2の戻り光とが、対物レンズ38,λ/4板36を通過してビームスプリッタ35で反射されて検出レンズ41,シリンドリカルレンズ42を介して多分割型フォトディテクタ43上にそれぞれに集光される。
ここで、多分割型フォトディテクタ43は、図9に拡大して示したように、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの一つのグルーブトラック3上に照射したメインビームMBの戻り光を検出する4個の受光領域A〜Dと、一つのグルーブトラック3に隣接する一方のランドトラック4上に照射した一方のサブビームSB1を検出する2個の受光領域E,Fと、一つのグルーブトラック3に隣接する他方のランドトラック4上に照射した他方のサブビームSB2を検出する2個の受光領域G,Hとが一つの半導体基板(図示せず)上に配置されており、各受光領域A〜Hは第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bのトラック方向及び径方向に対して図示の配置関係となっている。
再び図8に戻り、光ピックアップ30内の多分割型フォトディテクタ43より後段には、フォーカスエラー信号検出回路50と、トラッキングエラー信号検出回路60と、プッシュプル信号検出回路70と、RF信号検出回路80とが設けられており、且つ、各検出回路50,60,70,80は第1光ディスク1Aと第2光ディスク1Bとに対して共用可能に設けられているので、光ディスク装置20の構成部材の簡素化が図られている。
ここで、上記したフォーカスエラー信号検出回路50では、対物レンズ38を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面に対してフォーカス方向に制御するためのフォーカスエラー信号FEを検出しており、このフォーカスエラー信号FEは周知の非点収差法により図9に示した多分割型フォトディテクタ43内の各受光領域A〜Dで受光した各検出信号に対して第1の演算処理となる下記の式1に基づいて演算されている。
[数1]
FE=(A+C)−(B+D) (式1)。
そして、フォーカスエラー信号検出回路50で検出したアナログのフォーカスエラー信号FEをA/D変換器51でディジタルのフォーカスエラー信号FEに変換して制御回路21内に設けたフォーカス制御部(FO制御部)21cに入力させている。
前記した制御回路21内に設けたフォーカス制御部(FO制御部)21cは、図10に拡大して示した如く、第2スイッチSW2と、ループ制御部21c1と、フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号生成部21c2と、フォーカスジャンプ・フォーカスブレーキ制御部21c3とから構成されている。
このフォーカス制御部(FO制御部)21c内では、ディジタルのフォーカスエラー信号FEがループ制御部21c1を介して第2スイッチSW2の一方の端子aに入力され、且つ、フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号生成部21c2にも入力されている。
また、フォーカスジャンプ・フォーカスブレーキ制御部21c3には、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で不図示のリードイン領域から何層の信号面があるかを読み出した層判別信号S1/S2(この実施例では2層のためS1/S2とする)と、不図示の操作部で指示された層指示信号SSとが入力されている。
そして、フォーカスジャンプ・フォーカスブレーキ制御部21c3により対物レンズ38(図1)から出射させたレーザービームスポットLBを第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面へ移動させるためのフォーカスジャン制御指令信号をフォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号生成部21c2に送り、このフォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号生成部21c2内でフォーカスエラー信号FEのS字カーブの立ち下り及び立ち上がりに基づいて後述の図14(b)及び図15(b)に示したようなフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FBが生成されて、このフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FB信号が第2スイッチSW2の他方の端子bに入力されており、更に、フォーカスジャンプ・フォーカスブレーキ制御部21c3からのフォーカスジャンプ制御指令信号により第2スイッチSW2を切り換えることで、フォーカスエラー信号FEとフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FBとが選択的にD/A変換器52に送られている。
この後、ディジタルのフォーカスエラー信号FE又はフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FBをD/A変換器52内でアナログ化してフォーカス駆動回路(FO DRIVE)53を介してフォーカスコイル39に印加することで、第2スイッチSW2が一方の端子a側に切り換ったときにアナログのフォーカスエラー信号FEにより対物レンズ38が第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で所望の層の信号面に対してフォーカス方向に制御され、且つ、第2スイッチSW2が他方の端子b側に切り換ったときにフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FBにより対物レンズ38(図8)から出射させたレーザービームスポットLB(図8)が第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で所望の層の信号面に向かってフォーカスジャンプできるようになっている。
次に、上記したトラッキングエラー信号検出回路60では、対物レンズ38を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面に対してトラッキング方向に制御するためのトラッキングエラー信号TEを検出しており、このトラッキングエラー信号TEは周知のDPP(Differential Push Pull)法により図9に示した多分割型フォトディテクタ43内の各受光領域A〜Hで受光した各検出信号に対して第2の演算処理となる下記の式2に基づいて演算されている。
[数2]
TE={(A+B)−(C+D)}+{(E−F)+(G−H)} (式2)。
そして、トラッキングエラー信号検出回路60で検出したアナログのトラッキングエラー信号TEをA/D変換器61でディジタルのトラッキングエラー信号TEに変換して制御回路21内に設けたトラッキング制御部(TR制御部)21dに入力させている。
前記した制御回路21内に設けたトラッキング制御部(TR制御部)21dは、図11に拡大して示した如く、第3スイッチSW3と、ループ制御部21d1と、トラッキングセンター値信号生成部21d2と、トラッキングループオン・オフ制御部21d3とから構成されている。
このトラッキング制御部(TR制御部)21d内では、ディジタルのトラッキングエラー信号TEがループ制御部21d1を介して第3スイッチSW3の一方の端子aに入力されている。
また、トラッキングエラーセンター値信号生成部21d2内で後述するトラッキングループオン用としてトラッキングエラー信号TEの略センター値に設定されたディジタルのトラッキングエラーセンター値信号TECが生成されて、このトラッキングエラーセンター値信号TECが第3スイッチSW3の他方の端子aに入力されている。
また、トラッキングループオン・オフ制御部21d3には、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で不図示のリードイン領域から読み出した層判別信号S1/S2と、不図示の操作部で指示された層指示信号SSとが入力されている。
そして、トラッキングループオン・オフ制御部21d3の制御指令により第3スイッチSW3を切り換えることで、トラッキングエラー信号TEとトラッキングエラーセンター値信号TECとが選択的にD/A変換器62に送られている。
この後、ディジタルのトラッキングエラー信号TE又はトラッキングエラーセンター値信号TECをD/A変換器62内でアナログ化してトラッキング駆動回路(TR DRIVE)63を介してトラッキングコイル40に印加することで、第3スイッチSW3が一方の端子a側に切り換ったときにアナログのトラッキングエラー信号TEにより対物レンズ38が第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で所望の層の信号面に対してトラッキング方向に制御され、且つ、第3スイッチSW3が他方の端子b側に切り換ったときにトラッキングエラーセンター値信号TECにより対物レンズ38がトラッキングループオン制御できるようになっている。
次に、上記したプッシュプル信号検出回路70では、第1光ディスク1Aの信号面を再生した時に、第1光ディスク1A上で所定の周波数でウォブルされたグルーブトラック3から得られるウォブル信号WBLと、第1光ディスク1Aに形成されたランドトラック4上のランドプリピット4aから得られるランドプリピット信号LPPとを含む第1プッシュプル信号PP1を検出し、一方、第2光ディスク1Bの信号面を再生した時に、第2光ディスク1B上で所定の周波数でウォブルされたグルーブトラック3から得られるウォブル信号WBLと、第2光ディスク1Bに形成されたグルーブトラック3上のウォブル位相変調部(ADIP)3aから得られるADIP信号とを含む第2プッシュプル信号PP2を検出しており、これらの第1プッシュプル信号PP1又は第2プッシュプル信号PP2は周知のプッシュプル法により図9に示した多分割型フォトディテクタ43内の各受光領域A〜Dで受光した各検出信号に対して第3の演算処理となる下記の式3に基づいて演算されている。
[数3]
PP1又はPP2={(A+B)−k(C+D)} (式3)。
この際、上記した係数kの値は、例えば0.7〜0.9程度に設定されている。
尚、この実施例では、第1プッシュプル信号PP1又は第2プッシュプル信号PP2を検出する際に4つの受光領域A〜Dを有する4分割型フォトディテクタを用いているが、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面のトラック方向に沿った直線に対して2分割して2つの受光領域を有する2分割型フォトディテクタ(図示せず)を用いても良く、この場合には第1受光領域は4分割型フォトディテクタ中の(A+B)に相当する領域とし、第2受光領域は4分割型フォトディテクタ中の(C+D)に相当する領域として扱えば良いものである。
そして、プッシュプル信号検出回路70で検出した第1プッシュプル信号PP1又は第2プッシュプル信号PP2は、ウォブル信号抽出回路(WBL抽出回路)71と、ランドプリピット信号抽出回路(LPP抽出回路)72と、ADIP信号抽出回路73とに入力されるものの、第1光ディスク1Aの信号面を再生した時にはウォブル信号抽出回路71とランドプリピット信号抽出回路72とが動作し、一方、第2光ディスク1Bの信号面を再生した時にはウォブル信号抽出回路71とADIP信号抽出回路73とが動作するようになっている。
ここで、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面を再生した時に、プッシュプル信号検出回路70で検出した第1プッシュプル信号PP1又は第2プッシュプル信号PP2からウォブルされたグルーブトラック3と対応したウォブル信号WBLを抽出する場合には、図12(a),(b)又は図12(a)〜(c)に示したように、ウォブル信号抽出回路(WBL抽出回路)71により、第1プッシュプル信号PP1又は第2プッシュプル信号PP2に対してウォブル周波数成分を不図示のBPF(バンドパスフィルタ)を介して周波数選択して取り出し、このウォブル周波数成分を0レベルの閾値により2値化した上で不図示のPLL回路を介して同期を取ってウォブル信号WBLを得た後に、このウォブル信号WBLを制御回路21に入力している。
この後、制御回路21内では、入力されたウォブル信号WBLを用いて第1光ディスク1A又は第2光ディスクBを搭載したスピンドルモータ22を例えばCLV(Constant Linear Velocity…線速度一定)で回転制御させる際の基準クロック(図示せず)を生成して、この基準クロックを第1モータ駆動回路25に供給している。
また、第1光ディスク1Aの信号面を再生した時に、プッシュプル信号検出回路70で検出した第1プッシュプル信号PP1から第1光ディスク1Aに形成されたランドトラック4上のランドプリピット4aから得られるランドプリピット信号LPPを抽出する場合には、ランドプリピット信号抽出回路(LPP信号抽出回路)72により、図12(a),(c)に示した如く、第1プッシュプル信号PP1に対してウォブル波高よりも大きな値に設定された正極性のランドプリピット信号スライスレレベルで2値化してランドプリピット信号LPPを抽出し、このランドプリピット信号LPPを第1スイッチSW1の一方の端子aに入力している。
更に、第2光ディスク1Bの信号面を再生した時に、プッシュプル信号検出回路70で検出した第2プッシュプル信号PP2から第2光ディスク1Bに形成されたグルーブトラック3上のウォブル位相変調部(ADIP)3aから得られるADIP信号を抽出する場合には、ADIP信号抽出回路73により、例えば特開2005−100574号公報に記載されているように、第2プッシュプル信号PP2に対して不図示の高域通過フィルタ及び低域通過フィルタを通過した信号と、ここに入力した第2プッシュプル信号PP2との位相差を不図示の位相比較器により検出して、検出した位相差に応じてADIP信号を図12(d)に示した如く得て、このADIP信号を第1スイッチSW1の一方の端子aに入力している。
尚、ADIP信号抽出回路73によりADIP信号を抽出する方法は上記の方法に限られるものではなく、ADIP信号によるアドレス情報を取得できればいかなる方法でも良いものである。
この際、第1スイッチSW1の一方の端子aに入力される第1光ディスク1Aからのランドプリピット信号LPPと、第2光ディスク1BからのADIP信号は、前述したように、第1光ディスク1Aと第2光ディスク1Bとが同時に使用されないので、同時に入力されることはない。
次に、上記したRF信号処理回路80では、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bのグルーブトラック3に記録された映像データとか音声データなどの情報信号と対応したメインデータ信号(RF信号)RFが図9に示した多分割型フォトディテクタ43内の各受光領域A〜Dで受光した各検出信号に対して第4の演算処理となる下記の式4に基づいて演算されている。
[数4]
RF=A+B+C+D (式4)。
そして、RF信号処理回路80で検出したアナログのメインデータ信号RFは、IDアドレス抽出回路81と、未記録/記録済み判別回路82と、メインデータ処理回路83とに入力されている。
ここで、上記したIDアドレス抽出回路81では、RF信号処理回路80で検出したアナログのメインデータ信号RFから記録済みの情報信号Dに対するトラック位置特定を行うためのID(Identification Data)アドレス情報を抽出して、このIDアドレス情報を第1スイッチSW1の他方の端子bに入力しているが、この際に、上記したIDアドレス情報は、先に図2を用いて説明したように、一つのセクタの先頭フレームのフレーム同期信号SY0の直後に記録されたものである。
また、上記した未記録/記録済み判別回路82は、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bのグルーブトラック3に情報信号が記録されているか否かを判別するための回路であり、RF信号処理回路80で検出したアナログのメインデータ信号RF{図14(d)及び図15(d)}の振幅に対して所定の閾値を設定することで、未記録/記録済み判別回路82内で後述の図14(e)及び図15(e)に示したような未記録/記録済み判別信号JSが生成され、この未記録/記録済み判別信号JSで制御回路21を介して第1スイッチSW1を切り換えている。
この際、図14(e)及び図15(e)に示したように、未記録/記録済み判別信号JSが「Low」であればグルーブトラック3上で情報信号が未記録であり、一方、未記録/記録済み判別信号JSが「High」であればグルーブトラック3上で情報信号が記録済みであるので、未記録/記録済み判別信号JSが「Low」のときに第1スイッチSW1を一方の端子a側に切り換えることで、未記録状態のグルーブトラック3に対して第1光ディスク1Aからのランドプリピット信号LPP又は第2光ディスク1BからのADIP信号によるプリフォーマットされたアドレス情報が取得でき、一方、未記録/記録済み判別信号JSが「High」のときに第1スイッチSW1を他方の端子b側に切り換えることで、記録済み状態のグルーブトラック3のメインデータ信号RF中から記録したIDアドレス情報を取得できるようになっている。
更に、上記したメインデータ処理回路83では、RF信号処理回路80で検出したアナログのメインデータ信号RFに対して第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bのディスク規格に対応して所定のフォーマットに基づいてメインデータを処理している。
次に上記のように構成した光ディスク装置20内で対物レンズ38(図8)から出射させたレーザービームスポットLB(図8)を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で現在層となる1層目の信号面から目的とする他の層となる2層目の信号面に向かってフォーカスジャンプさせる動作について、図14〜図16を用いて説明する。
まず、図14は第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で1層目の第1信号面5A又は5B及び2層目の第2信号面7A又は7Bが共に記録済み状態である場合を示し、一方、図15は第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で1層目の第1信号面5A又は5Bが記録済み状態であり、且つ、2層目の第2信号面7A又は7Bが未記録状態である場合示している。
この際、対物レンズ38(図8)から出射させたレーザービームスポットLB(図8)を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で現在層となる1層目の第1信号面5A又は5Bから目的とする他の層となる2層目の第2信号面7A又は7Bに向かってフォーカスジャンプさせる場合に、図14(a)及び図15(a)は先に図10を用いて説明したようにフォーカスコイル39(図8)に印加するトフォーカスエラー信号FEを示し、また、図14(b)及び図15(b)は先に図10を用いて説明したようにフォーカスコイル39(図8)に印加するフォーカスジャンプ信号FJ・フォーカスブレーキ信号FBを示し、また、図14(c)及び図15(c)は先に図11を用いて説明したようにトラッキングコイル40(図8)に印加するトラッキンギエラー信号TEを示し、また、図14(d)及び図15(d)は先に図8を用いて説明したように第1光ディスク1A又は第2光ディスク1Bの信号面から得られるメインデータ信号RFを示し、更に、図14(e)及び図15(e)は先に図8を用いて説明したようにメインデータ信号RFの振幅に対して所定の閾値を設定して未記録状態である場合に「Low」を、一方、記録済み状態である場合に「High」を出力する未記録/記録済み判別信号JSを示している。
そして、図14に示したように、対物レンズ38(図8)から出射させたレーザービームスポットLB(図8)を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で1層目の信号面5A又は5Bからフォーカスジャンプを開始して2層目の信号面7A又は7Bにフォーカスジャンプさせたときに、2層目の信号面7A又は7Bが記録済みである場合には、フォーカスジャンプ直後からメインデータ信号RFの振幅が大きいので、未記録/記録済み判別信号JSは「High」を出力する。
一方、図15に示したように、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中でフォーカスジャンプ先の2層目の信号面7A又は7Bが未記録である場合には、フォーカスジャンプ直後からメインデータ信号RFの振幅が小さいの、未記録/記録済み判別信号JSは「Low」を出力する。
更に、通常、フォーカスジャンプ終了からトラッキングループを繋ぐまでは安定待ちの為、数ms〜数十msの待ち時間WTを設定しているが、この実施例ではフォーカスジャンプ終了からトラッキングループオンするまでの待ち時間WTの間に、フォーカスジャンプ先の第2信号面7A又は7Bに対して未記録であるか記録済みであるかを未記録/記録済み判別信号JSにより判別し、トラッキングループオン後に第2信号面7A又は7Bに対するアドレス情報の取得を未記録/記録済み判別信号JSの判別結果に応じて選択している。
即ち、図14に示したように、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中でフォーカスジャンプ先の第2信号面7A又は7Bに対する未記録/記録済み判別信号JSから「High」が出力されて記録済みである場合には、先に図8を用いて説明した第1スイッチSW1を他方の端子b側に切り換えて、第2信号面7A又は7Bに記録されたメインデータ信号RF中から記録したIDアドレス情報を取得している。
一方、図15に示したように、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中でフォーカスジャンプ先の第2信号面7A又は7Bに対する未記録/記録済み判別信号JSから「Low」が出力されて未記録である場合には、先に図8を用いて説明した第1スイッチSW1を一方の端子a側に切り換えて、第2信号面7A又は7B中でプリフォーマットされたアドレス情報を取得しており、具体的には、第1光ディスク1Aの第2信号面7Aではランドトラック4上のランドプリピット4aから得られるランドプリピット信号LPPをアドレス情報として取得し、第2光ディスク1Bの第2信号面7Bではグルーブトラック3上のウォブル位相変調部(ADIP)3aから得られるADIP信号をアドレス情報として取得している。
ここで、上記したようなフォーカスジャンプを含むシーク動作の一例を図16に示すフローチャートに基づいて説明すると、まず、ステップS11でフォーカスジャンプを実行する。ここでは、先に図14及び図15を用いて説明したように、対物レンズ38(図8)から出射させたレーザービームスポットLB(図8)を第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中で現在層となる1層目の信号面から目的とする他の層となる2層目の信号面に向かってフォーカスジャンプさせている。
次に、ステップS12でフォーカスジャンプが成功したか、失敗したかを判断し、フォーカスジャンプが失敗した場合にはステップS13で予め別に用意されたエラー処理を実施してリカバリさせる。リカバリ後の処理はそれぞれのシステムに拠るところが大きいので、ここでは省略する。
一方、フォーカスジャンプが成功したら、ステップS14で現在地(フォーカスジャンプ先)の記録状態を調査する。この際、図14,図15の例では、フォーカスジャンプ終了からトラッキングループオンするまでの待ち時間WTの間に未記録/記録済み判別信号JSが「Low」であるか、それとも「High」であるかを調べる。これにより、他の層の信号面に対する未記録/記録済み判別を信頼性良く確実に行なうことができる。
次に、ステップS15で現在地が記録済みであるか否かを未記録/記録済み判別信号JSの判別結果に基づいて判別を行う。
そして、現在地が記録済みであれば、ステップ16でアドレス取得方法を記録済み領域に適した方法になるように第1スイッチSW1(図8)を他方の端子b側に切り換える一方、現在地が未記録であれば、ステップ17でアドレス取得方法を未記録領域に適した方法になるように第1スイッチSW1(図8)を一方の端子a側に切り換えている。
この後、ステップS18で第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中の第2信号面7A又は7Bに対してトラッキングループオンし、ステップS16又はステップS17で設定したアドレス取得方式に従って、ステップS19で第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中の第2信号面7A又は7Bに対してアドレス情報を取得している。
この際、ステップS19では、第1光ディスク1A又は第2光ディスク1B中の第2信号面7A又は7Bが記録済みであれば、記録したIDアドレス情報を取得する一方、未記録であれば、第1光ディスク1Aの場合にランドプリピットフォーマットによりアドレス情報を取得し、第2光ディスク1Bの場合にウォブル位相変調フォーマットによりアドレス情報を取得している。
その後、ステップS20では既存の同一層内シーク方法でシークを行い、一連のシーク動作を完了する。
上述したように、本発明に係る光ディスク装置20によると、とくに、記録再生可能な信号面が2層又は2層以上の多層に形成された光ディスク1A又は1B中で所望の層の信号面に対物レンズ38から出射させたレーザービームスポットLBを照射して情報信号を記録し、前記記録した情報信号を再生する際に、レーザービームスポットLBを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプさせた後に、目的とする他の層の信号面が未記録である記録済みであるかをグルーブトラック3に記録した情報信号(メインデータ信号)の振幅から判別して、他の層の信号面が未記録である場合には光ディスク1A又は1B中にプリフォーマットされたアドレス情報を取得する一方、記録済みである場合には記録済みの情報信号中から記録したIDアドレス情報を取得するようにアドレス情報切り換え可能に構成しているために、他の層の信号面が記録済みである場合に従来例で説明したようなPMA(Progrm Memory Area)のセクターテーブルに書き込まれた記録状態コードを用いないので、この記録状態コードが記録されている保証がないとか又は記録状態コードが誤っている場合でも従来例を適用せずに、本発明のように記録済みのグルーブトラック3から得た情報信号中から記録したIDアドレス情報を確実に取得でき、且つ、他の層の信号面を信頼性良くアクセスすることができると共に、アクセス処理をシンプルにすることができる。
更に、各層でトラックピッチが大きく異なった光ディスクを仮に適用した場合、フォーカスジャンプの着地ポイントのアドレスが各層のトラックピッチが同じと仮定して算出したアドレスと大きく異なることがあるが、本発明ではフォーカスジャンプ前に記録状態を予め知る必要がないので、このような場合も対応可能である。
(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置に適用される第1光ディスクを模式的に示した斜視図,平面図である。 図1に示した第1光ディスクにおいて、グルーブトラックに記録される情報信号のデータフォーマットを説明するための図である。 図1に示した第1光ディスクにおいて、ランドトラック上に形成したランドプリピットの種類を説明するための図である。 図1に示した第1光ディスクにおいて、一つのセクタに対応して設けた複数のランドプリピットを示した図である。 (a),(b)は本発明に係る光ディスク装置に適用される第2光ディスクを模式的に示した斜視図,平面図である。 図5に示した第2光ディスクにおいて、グルーブトラック上に形成したウォブル位相変調部のADIP構造を模式的に示した図である。 (a)〜(c)は図5に示した第2光ディスクにおいて、8ウォブルの位相変調部(ADIP)を説明するための図である。 本発明に係る光ディスク装置の全体構成を示した構成図、 本発明に係る光ディスク装置において、光ピックアップ内に設けた多分割型フォトディテクタを拡大して示した図である。 本発明に係る光ディスク装置において、制御回路内に設けたフォーカス制御部(FO制御部)を拡大して示した図である。 本発明に係る光ディスク装置において、制御回路内に設けたトラッキング制御部(TR制御部)を拡大して示した図である。 (a)〜(c)は本発明に係る光ディスク装置において、第1プッシュプル信号からウォブル信号とランドプリピット信号とをそれぞれ抽出する状態を模式的に示した図である。 (a)〜(d)は本発明に係る光ディスク装置において、第2プッシュプル信号からウォブル信号とADIP信号とをそれぞれ抽出する状態を模式的に示した図である。 (a)〜(e)は第1光ディスク又は第2光ディスクの第1信号面及び第2信号面が共に記録済みであるときに、対物レンズから出射させたレーザービームスポットを第1信号面から第2信号面にフォ−カスジャンプさせた場合の各信号波形を示した図である。 (a)〜(e)は第1光ディスク又は第2光ディスクの第1信号面が記録済みであり、且つ、第2信号面が未記録であるときに、対物レンズから出射させたレーザービームスポットを第1信号面から第2信号面にフォ−カスジャンプさせた場合の各信号波形を示した図である。 本発明に係る光ディスク装置において、対物レンズによるフォーカスジャンプを含むシーク動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1A,1B 第1,第2光ディスク、2A,2B 第1ディスク基板、
3 グルーブトラック、3a 位相変調部、
4 ランドトラック、4a ランドプリピット、
5A,5B 第1信号面、5a 第1記録層、5b 半透過反射層、
6A,6B 第2ディスク基板、
7A,7B 第2信号面、7a 第2記録層、7b 反射層、8 接着剤層、
20 光ディスク装置、
21 制御回路、21a ROM、21b RAM、
21c フォーカス制御部(FO制御部)、21c1 ループ制御部、
21c2 フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号生成部、
21c3 フォーカスジャンプ・フォーカスブレーキ制御部、
21d トラッキング制御部(TR制御部)、21d1 ループ制御部、
21d2 トラッキングセンター値信号生成部、
21d3 トラッキングループオン・オフ制御部、
22 スピンドルモータ、22a 軸、23 ターンテーブル、
24 ディスククランパ、25 第1モータ駆動回路、26 第2モータ駆動回路、
27 スレッドモータ、28 リードスクリュー、29 レーザー駆動回路、
30 光ピックアップ、31 光ピックアップ筐体、31a 螺合部、
32 レーザー光源、33 コリメータレンズ、
34 回折素子、35 ビームスプリッタ、36 λ/4板、37 レンズホルダ、
38 対物レンズ、39 フォーカスコイル、40 トラッキングコイル、
41 検出レンズ、42 シリンドリカルレンズ、43 多分割型フォトディテクタ、
50 フォーカスエラー信号検出回路、51 A/D変換器、
52 D/A変換器、53 フォーカス駆動回路(FO DRIVE)、
60 トラッキングエラー信号検出回路、61 A/D変換器、
62 D/A変換器、63 トラッキング駆動回路(TR DRIVE)、
70 プッシュプル信号検出回路、
71 ウォブル信号抽出回路(WBL信号抽出回路)、
73 ランドプリピット信号抽出回路(LPP信号抽出回路)、
73 ADIP信号抽出回路、
80 RF信号検出回路、81 IDアドレス抽出回路、
82 未記録/記録済み判別回路、83 メインデータ処理回路、
SW1〜SW 第1〜第3スイッチ、
A〜H 多分割型フォトディテクタ内の各受光領域、
LB レーザービームスポット、
FE フォーカスエラー信号、
FJ・FB フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号、
TE トラッキングエラー信号、
TEC トラッキングエラーセンター値信号、
S1/S2 層判別信号、SS 層指示信号、
JS 未記録/記録済み判別信号、
PP1 第1プッシュプル信号、PP2 第2プッシュプル信号、
LPP ランドプリピット信号、
WBL ウォブル信号、WT 待ち時間。

Claims (4)

  1. ウォブルされたグルーブトラックと、隣り合う前記グルーブトラック間にあるランドトラックとが対をなしてディスク基板の内周から外周に亘って螺旋状又は同心円状に形成された記録再生可能な信号面を少なくとも2層以上有し、且つ、前記ランドトラック上又は前記グルーブトラック上のいずれか一方にプリフォーマットされたアドレス情報を有する光ディスクを用い、前記グルーブトラック及び前記ランドトラック上に対物レンズから出射されたレーザービームスポットを照射して情報信号を前記グルーブトラックに記録し、前記記録した情報信号を再生する光ディスク装置において、
    前記グルーブトラック及び前記ランドトラック上に照射した前記レーザービームスポットの反射光を複数の受光領域で受光して、各受光領域からの各検出信号を出力する多分割型フォトディテクタと、
    前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第1の演算処理により演算してフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、
    前記フォーカスエラー信号と、前記レーザービームスポットを現在の層の信号面から目的とする他の層の信号面にフォーカスジャンプするためのフォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号とを選択的にフォーカスコイルに印加して前記対物レンズをフォーカス制御するフォーカス制御手段と、
    前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第2の演算処理により演算してトラッキングエラー信号を検出するトラッキングエラー信号検出手段と、
    前記レーザービームスポットを前記フォーカスジャンプ信号・フォーカスブレーキ信号により前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、前記トラッキングエラー信号により前記対物レンズをトラッキング制御するトラッキング制御手段と、
    前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第3の演算処理により演算してプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、
    前記プッシュプル信号から前記ランドトラック上又は前記グルーブトラック上のいずれか一方にプリフォーマットされたアドレス情報を抽出するプリフォーマットアドレス情報抽出手段と、
    前記多分割型フォトディテクタの各検出信号を第4の演算処理により演算して前記グルーブトラックに記録した前記情報信号を検出するRF信号検出手段と、
    前記検出した情報信号中から記録したIDアドレス情報を抽出するIDアドレス抽出手段と、
    前記検出した情報信号の振幅に対して所定の閾値を設定し、前記レーザービームスポットを前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、前記他の層の信号面が未記録であるか記録済みであるかを判別する未記録/記録済み判別手段と、
    前記未記録/記録済み判別手段の判別結果が未記録であれば前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するように切り換え、一方、前記未記録/記録済み判別手段の判別結果が記録済みであれば前記IDアドレス情報を取得するように切り換える切り換え手段と、
    を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するために前記ランドトラック上にランドプリピットをプリフォーマットした第1光ディスクと、前記プリフォーマットされたアドレス情報を取得するために前記グルーブトラック上にウォブル位相変調部をプリフォーマットした第2光ディスクとを選択的に装着可能に成したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記プリフォーマットされたアドレス情報は、前記第1光ディスク中で前記ランドトラック上にプリフォーマットされた前記ランドプリピットにより得られるランドプリピット信号を前記プッシュプル信号から抽出するか、又は、前記第2光ディスク中で前記グルーブトラック上にプリフォーマットされた前記ウォブル位相変調部により得られるADIP信号を前記プッシュプル信号から抽出することを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
  4. 前記未記録/記録済み判別手段は、前記レーザービームスポットを前記他の層の信号面にフォーカスジャンプした後に、トラッキングループオンするまでの待ち時間の間に前記他の層の信号面が未記録であるか記録済みであるかの判別を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の光ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8408895B2 (en) 2009-06-05 2013-04-02 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Transferring mold and production process of transferring mold

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