JPWO2011125355A1 - 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス - Google Patents

被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011125355A1
JPWO2011125355A1 JP2012509327A JP2012509327A JPWO2011125355A1 JP WO2011125355 A1 JPWO2011125355 A1 JP WO2011125355A1 JP 2012509327 A JP2012509327 A JP 2012509327A JP 2012509327 A JP2012509327 A JP 2012509327A JP WO2011125355 A1 JPWO2011125355 A1 JP WO2011125355A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measured
sensing device
host molecule
specific frequency
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012509327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5859955B2 (ja
Inventor
功二 田中
功二 田中
誠治 神波
誠治 神波
近藤 孝志
孝志 近藤
和大 瀧川
和大 瀧川
佳子 三浦
佳子 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2012509327A priority Critical patent/JP5859955B2/ja
Publication of JPWO2011125355A1 publication Critical patent/JPWO2011125355A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5859955B2 publication Critical patent/JP5859955B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N21/3581Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N2021/3595Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using FTIR

Abstract

本発明は、 被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、前記ホスト分子を介して前記被測定物を結合し、前記被測定物が結合したセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射して透過光または反射光の周波数特性を測定し、該周波数特性の変化に基づいて前記被測定物の特性を測定するステップを含む、被測定物の特性の測定方法であって、前記ホスト分子の前記特定周波数における単位量当たりの吸光度は、前記被測定物より小さいことを特徴とする、測定方法である。

Description

本発明は、タンパク質などの生体物質を高感度に測定するための測定方法およびそれに用いられるセンシングデバイスに関する。
従来から、物質の特性を分析するために、特定のセンシングデバイスに被測定物を保持して、その被測定物が保持されたセンシングデバイスに電磁波を照射し、それによって得られる周波数特性を解析して被測定物の特性を測定する方法が用いられている。
特許文献1(特開2004−45390号公報)には、基板上にプローブ分子を固定配置した分子アレイに検体を作用させ、顕微フーリエ変換赤外分光法でスキャンし、プローブと特異的に結合した検体中の生体分子による吸収を測定検出することにより、検体中の分子をラベル化することなく、きわめて簡便に且つ高感度に生体物質を分析する方法が開示されている。ここでは、基板上へ生体物質を固定化する際のリンカーの選択などにより高感度検出を可能にしたとされている(特許文献1の[0010]、[0032]および図1参照)。
タンパク質はアミド基(−NH−CO−)などの官能基を有するため、これらの官能基に特異的な特定波長の光(アミド基は約1500〜1700cm-1の光)を吸収する(特許文献1の[0038]参照)。具体的に、特許文献1には、金基板にタンパク質をスポットして、FT−IRスペクトル測定した結果、タンパク質のアミド基のNH基部分が46THz(46THzは1533cm-1に相当。)に吸収ピークを有することが示されている([0052]〜[0054]および図9参照)。
特許文献1には、ペプチド結合(−NH−CO−)を介して金基板上に固定化された抗体を用いてタンパク質を分子アレイに固定し、分析を行う方法が記載される(特許文献1の[0033]、図1参照)。そのペプチド結合や抗体中のペプチド結合は、NH基に相当する構造を含んでいる。これらは、タンパク質などの被測定物と同様の特異的な光吸収を示すため、被測定物以外の要因による光吸収の割合が高くなり、測定におけるS/N比が低下し、被測定物の検出感度を低下させるという問題があった。特許文献1には、このような基板に固定されたリンカーや抗体などによる光吸収によって生じる問題については何ら記載されていない。
特開2004−45390号公報
本発明は、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに電磁波を照射し、それによって得られる周波数特性を解析して被測定物の特性を測定する方法において、ノイズを低下させることによりS/N比を向上し、被測定物の測定感度を向上させることを目的とする。
本発明は、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、前記ホスト分子を介して前記被測定物を結合し、
前記被測定物が結合したセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射して透過光または反射光の周波数特性を測定し、
該周波数特性の変化に基づいて前記被測定物の特性を測定するステップを含む、被測定物の特性の測定方法である。
また、本発明は、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、前記ホスト分子を介して前記被測定物を結合し、
前記被測定物が結合したセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射して透過光または反射光の周波数特性を測定し、
該周波数特性の変化に基づいて前記被測定物の特性を測定するステップを含む、被測定物の特性の測定方法に用いられる前記センシングデバイスであって、
前記ホスト分子は、前記特定周波数における単位量当たりの吸光度が前記被測定物より小さいことを特徴とする、センシングデバイスにも関する。
前記ホスト分子が前記被測定物と特異的に結合する分子であることが好ましい。
前記被測定物は、前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基を含み、
前記ホスト分子は、前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基を含まないことが好ましい。
前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基がNH基であることが好ましい。
前記被測定物がタンパク質であることが好ましい。
前記ホスト分子が、前記被測定物に特異的に結合する糖鎖または糖鎖の部分構造を含むことが好ましい。
前記被測定物の原子数が前記ホスト分子の原子数よりも大きい、または、前記被測定物の分子量が前記ホスト分子の分子量よりも大きいことが好ましい。
前記特定周波数における前記被測定物の比誘電率が前記ホスト分子の比誘電率よりも大きい、または、前記被測定物のtanδが前記ホスト分子のtanδよりも大きいことが好ましい。
前記基板が金属または誘電体からなることが好ましい。
本発明のセンシングデバイスおよび測定方法においては、ホスト分子の吸収ピークが被測定物(ゲスト分子)の吸収ピークと異なるものとされているため、ホスト分子などのセンシングデバイス自体に起因するばらつきの影響をほとんど受けずに、被測定物の特性変化に応じた周波数特性の変化を検出できる。したがって、測定ノイズが低減され、被測定物の測定感度、測定精度を向上させることができる。
実施例1で基板に固定化されたホスト分子の構造式である。 比較例1で基板に固定化されたホスト分子の構造式である。 実施例1および比較例1における測定により得られた透過率の周波数スペクトルである。 実施例2で得られた(a)NH基を含まない糖鎖層のみの場合、(b)NH基を含まない糖鎖層にタンパク質を固定化した場合のそれぞれにおける、糖鎖層の厚みを変化させた場合の吸光スペクトルを示す図である。 実施例2で得られた(a)NH基を含まない糖鎖層のみの場合、(c)NH基を含む糖鎖層にタンパク質を固定化した場合のそれぞれにおける、糖鎖層の厚みを変化させた場合の吸光スペクトルを示す図である。 図3に示す(b)特定周波数におけるtanδが0の糖鎖、および、図4に示す(c)特定周波数におけるtanδが0.2の糖鎖をそれぞれ用いた場合の、特定周波数におけるピーク吸光度およびばらつきを示すグラフである。 実施例3で得られたタンパク質(ConA)の吸光スペクトルを示す図である。 実施例3で得られた糖質(ガラクトース)の吸光スペクトルを示す図である。 実施例4で得られた吸光スペクトルを示す図である。 図7における周波数30〜60THzの範囲の拡大図である。
本発明は、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射した際の周波数特性を測定し、該周波数特性の変化に基づいて上記被測定物の特性を測定する測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイスに関するものである。ここで、周波数特性とは、センシングデバイスを透過(前方散乱)した電磁波の周波数特性、または、センシングデバイスで反射(後方散乱)された電磁波の周波数特性のいずれであってもよい。
本発明のセンシングデバイスは、被測定物の測定に用いられる特定の周波数(特定周波数)における単位量当たり吸収度が、被測定物よりも小さいことを特徴としている。ここで、特定周波数は、通常、被測定物に特徴的な吸収を示す電磁波の周波数である。センシングデバイスの特定周波数における単位量当たりの吸光度は、被測定物の特定周波数における吸光度の10%以下であることが好ましい。
本発明において、被測定物の特性の測定とは、被測定物となる化合物の定量や各種の定性などを行うことであり、例えば、溶液中等の微量の被測定物の含有量を測定する場合や、被測定物の同定を行う場合が挙げられる。より具体的な例としては、被測定物を含む溶液にセンシングデバイスを浸漬し、被測定物をセンシングデバイスの表面に付着させた後に溶媒や余分な被測定物を洗浄し、センシングデバイスを乾燥してから、センシングデバイスに電磁波を照射して被測定物の特性を測定する方法が挙げられる。
本発明のセンシングデバイスは、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むものであり、好ましくは、被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板からなる。
センシングデバイスを構成する基板の形状としては、例えば、板状体、メンブレンフィルムのような多孔体、空隙配置構造体、ウェルプレートのような容器状などが挙げられる。なお、空隙配置構造体とは、金属メッシュフィルタなどの多数の空隙を有する構造体である。また、基板の材質は、特に限定されるものではないが、上記特定周波数における単位量当たりの吸光度が小さいものを用いることが好ましい。基板の材質も上記特定周波数における単位量当たりの吸光度が小さいものとした方が、被測定物の測定におけるノイズをより低減できるためである。具体的には、例えば、Auなどの金属、Siなどの半導体、ZnSeなどのセラミックス、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂が挙げられる。
本発明において、センシングデバイスに被測定物を保持する方法としては、種々公知の方法を使用することができ、例えば、センシングデバイスに直接固定されたホスト分子に付着させてもよく、基体に接して設けられた支持膜等に固定されたホスト分子に付着させてもよい。測定感度を向上させ、測定のばらつきを抑えることにより再現性の高い測定を行う観点からは、センシングデバイスの表面に直接固定されたホスト分子に被測定物を付着させることが好ましい。
ホスト分子とは、被測定物を結合させることのできる分子であり、被測定物を特異的に結合させることのできる分子であることが好ましい。また、ホスト分子は、特定周波数における単位量当たりの吸光度が大きい官能基を含んでいないことが好ましい。被測定物は、通常、特定周波数における単位量当たりの吸光度が大きい官能基を含んでおり、この場合にホスト分子が同じ官能基を含んでいると、センシングデバイス自体に起因する周波数特性が測定ノイズとなるからである。
具体的には、例えば、被測定物がタンパク質である場合、上記特定周波数における単位量当たりの吸光度が大きい官能基としては、NH基が挙げられる。この場合は、センシングデバイスのホスト分子がNH基を含まない(タンパク質由来のNH基以外のNH基も含まない)分子であることが好ましい。
ホスト分子と被測定物の組み合わせとしては、例えば、抗原と抗体、糖鎖とタンパク質、脂質とタンパク質、低分子化合物(リガンド)とタンパク質、タンパク質とタンパク質、一本鎖DNAと一本鎖DNAなどが挙げられる。
被測定物に特異的に結合する糖鎖または糖鎖の部分構造(その部分構造のみで被測定物に特異的に結合できるもの)を含むホスト分子は、本発明において好適に用いることができる。糖質には、NH基を含まず、タンパク質に特異的に結合できる性質を有するものが存在するため、これらをホスト分子として選択することで、タンパク質を被測定物として測定する場合の測定ノイズを低減することができ、高感度かつ高精度な測定を行うことができる。
また、被測定物の単位量当たりの原子数は、ホスト分子の単位量当たりの原子数よりも大きいことが好ましく、原子数で5倍以上(分子量で5倍以上)であることがより好ましい。ここで、単位量とは、例えば、被測定物の1分子や1molである。被測定物の原子数とホスト分子の原子数とを異ならせることによっても、被測定物とする測定におけるノイズを低減し、高感度かつ高精度な測定を行うことができる効果があるからである。
センシングデバイスを構成する基板の少なくとも一部の表面が導体で形成されることが好ましい。ここで、導体とは、電気を通す物体(物質)のことであり、金属だけでなく半導体も含まれる。金属としては、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基などの官能基を有する化合物の官能基と結合することのできる金属や、ヒドロキシ基、アミノ基などの官能基を表面にコーティングできる金属、ならびに、これらの金属の合金を挙げることができる。具体的には、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられ、好ましくは金、銀、銅、ニッケル、クロムであり、さらに好ましくは金である。金、ニッケルを用いた場合、特に被測定物がチオール基(−SH基)を有する場合に該チオール基をセンシングデバイスの表面に結合させることができるため有利である。また、ニッケルを用いた場合、特に被測定物がヒドロキシ基(―OH)やカルボキシル基(―COOH)を有する場合に該官能基をセンシングデバイスの表面に結合させることができるため有利である。また、半導体としては、例えば、IV族半導体(Si、Geなど)や、II−VI族半導体(ZnSe、CdS、ZnOなど)、III−V族半導体(GaAs、InP、GaNなど)、IV族化合物半導体(SiC、SiGeなど)、I−III−VI族半導体(CuInSe2など)などの化合物半導体、有機半導体が挙げられる。
また、支持膜等に固定されたホスト分子に被測定物を付着させる場合としては、具体的には、センシングデバイスの表面にポリアミド樹脂等の支持膜を貼付して被測定物を該支持膜にに固定されたホスト分子に付着させる方法が挙げられる。支持膜を介する場合は、支持膜として特定周波数における単位量当たりの吸光度が小さいものを選択することが望ましい。
本発明のセンシングデバイスにおいて、基板表面上のホスト分子が結合されていない部分はブロッキング剤で被覆されていてもよい。ブロッキング剤で被覆することにより、直接、基板に被測定物以外の非特異的な吸着が起こることを防止できる。
本発明に用いられる電磁波は、特に限定されないが、例えばテラヘルツ波が挙げられ、上記特定周波数は、好ましくは20GHz〜120THzである。被測定物がタンパク質である場合、上記特定周波数は、タンパク質のペプチド結合に特徴的なアミドバンド周波数である約36〜51THz(波数1700〜1200cm-1に相当)であることが好ましい。具体的な電磁波としては、例えば、短光パルスレーザを光源として、ZnTe等の電気光学結晶の光整流効果により発生するテラヘルツ波が挙げられる。また、例えば、短光パルスレーザを光源として、光伝導アンテナに自由電子を励起し、光伝導アンテナに印加した電圧によって瞬時に電流が発生することによって生じるテラヘルツ波が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1Aに示す構造式で表される糖鎖を含む(NH基を含まない)化合物(式中、nは5〜15)を、被測定物を特異的に結合させるためのホスト分子として、ガラス基板に固定化し、センシングデバイスを得た。ガラス基板へのホスト分子の固定化は、まず、上記ホスト分子の水溶液をガラス基板上に塗布し、基板を室温で自然乾燥させることにより行った。
得られたセンシングデバイスについて、FT−IR装置(spectrum社製)を用いて、吸光度を測定し周波数スペクトルを得た。
(比較例1)
図1Bに示す構造式で表されるNH基を含む化合物(式中、nは7〜8)を(被測定物を特異的に結合させるための)ホスト分子として、実施例1と同様にしてガラス基板に固定化し、センシングデバイスを得た。得られたセンシングデバイスについて、実施例1と同様にして吸光度を測定し吸光スペクトルを得た。
実施例1および比較例1で得られたスペクトルを図2に示す。なお、図2では、実施例1を実線で、比較例1を点線で示している。図2に示されるように、NH基が特異的吸収を示す46THz付近において、実施例1では特にノイズとなるピークは見られないのに対して、比較例1ではノイズとなるピークが明確に見られる。実施例1および比較例1では、被測定物をセンシングデバイスに付着させた測定は行っていないが、タンパク質等を被測定物として実施例1および比較例1のセンシングデバイスに付着させて測定を行った場合、比較例1よりも実施例1のセンシングデバイスを用いた方が、より微量のタンパク質を測定することが当然に予測される。また、タンパク質の量を増加させたとしても、図2に示される比較例1のノイズピークは、ばらつきの要因となるため、測定の再現性が悪くなることが予測される。
(実施例2)
以下の3つのモデル:
(a) NH基を含まない糖鎖のみを基板上に固定化したセンシングデバイスのモデル (b) NH基を含まない糖鎖のみを基板上に固定化したセンシングデバイスに、タンパク質を固定化した場合のモデル
(c) NH基を含む糖鎖のみを基板上に固定化したセンシングデバイスに、タンパク質を固定化した場合のモデル
について、電磁波の吸光スペクトルをシミュレーション計算により求めた。
具体的には、
(a) εr=2.4、tanδ=0の物質(NH基を含まない糖鎖を想定)からなる厚み15μmの板状体、
(b) (a)と同じ板状体の表面に、複素誘電率εr=3、tanδ=0.4の物質(タンパク質を想定)からなる厚み15μmの層を積層したもの、および、
(c) εr=2.4、tanδ=0.2の物質(NH基を含む糖鎖を想定)からなる厚み15μmの板状体の表面に、複素誘電率εr=3、tanδ=0.4の物質(タンパク質を想定)からなる厚み15μmの層を積層したもの
について、周波数0.90〜1.05THzの電磁波の吸光スペクトルをシミュレーション計算により求めた。得られた吸光スペクトルを図3および図4に示す。
さらに、個々のセンシングデバイスにおいて製造上生じる誤差(基板上の糖鎖の固定量の変動)を想定し、(a)〜(c)のそれぞれの場合において、糖鎖からなる層の厚みを5通り(5、10、15、20、25μm)に変化させた場合の吸光度のばらつきを計算し、図3および図4中に表示した。その結果、糖鎖のtanδが小さい場合(すなわち、糖鎖がNH基などを含まない場合)の方が吸光度のばらつきが小さく、センシングデバイスの製造上の誤差による影響を受けにくいことが分かる。また、図3に示す(b)特定周波数におけるtanδが0の糖鎖、および、図4に示す(c)特定周波数におけるtanδが0.2の糖鎖をそれぞれ用いた場合の、特定周波数におけるピーク吸光度およびばらつきと糖鎖のtanδとの関係を図5に示す。図5から、糖鎖のtanδが小さい方が吸光度のバラツキが小さくなることがわかる。
なお、糖鎖の層の厚みを5μm〜25μmに設定して計算したが、実際のセンシングデバイスでは糖鎖の層の厚みは1分子層の厚みであり、数nmである。
(実施例3)
原子数が多い(分子量が大きい)被測定物としてタンパク質(ConA:コンカナバリンA)と、原子数が少ない(分子量が小さい)ホスト分子として糖鎖(ガラクトース)との透過率スペクトルの比較を行った。透過率スペクトルは、ConAおよびガラクトースの厚み1mmのペレット状試料を作製し、各々についてTHz−TDS(テラヘルツ時間領域分光分析装置)を用いた透過率測定を行うことにより求めた。ConAの透過率スペクトルを図6Aに、ガラクトースの透過率スペクトルを図6Bに示す。
図6Aおよび図6Bに示されるように、例えば、1.5〜2.0THzにおいて、両者の透過率(吸光度)に大きな差が生じている。このことから、被測定物の原子数(分子量)とセンシングデバイスに固定されたホスト分子の原子数(分子量)を異なるものとすることによっても、被測定物の測定におけるノイズを低減できることが分かる。
(実施例4)
タンパク質(ConA)、糖鎖A(NH基を含有しない図1Aに示す糖鎖)または糖鎖B(NH基を含有する図1Bに示す糖鎖)を基板(ガラス製の板状体:厚さ0.3mmに直接固定化したものを作製し、それぞれについて100μg当りの吸光度をFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いて測定した。測定により得られた吸光スペクトルを図7に示す。また、図7の周波数30〜60THzの範囲の拡大図を図8に示す。
図7および図8に示されるように、タンパク質の吸光スペクトルにおいては、NH基の吸収ピークである46THz付近において吸光度ピークが存在し、糖鎖A(NH基を含有しない糖鎖)の吸光スペクトルにおいては、同じ位置に吸光度ピークが見られない。したがって、NH基を含まないホスト分子を基板に固定化したセンシングデバイスを用いることにより、タンパク質を測定する際のノイズを低減できることが分かる。これに対して、糖鎖B(NH基を含有する糖鎖)の吸光スペクトルにおいては、タンパク質と同じ位置に吸光度ピークが存在しており、タンパク質を測定する際のノイズの要因となると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (10)

  1. 被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、前記ホスト分子を介して前記被測定物を結合し、
    前記被測定物が結合したセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射して透過光または反射光の周波数特性を測定し、
    該周波数特性の変化に基づいて前記被測定物の特性を測定するステップを含む、被測定物の特性の測定方法であって、
    前記ホスト分子の前記特定周波数における単位量当たりの吸光度は、前記被測定物より小さいことを特徴とする、測定方法。
  2. 被測定物に対して結合性のホスト分子、および、該ホスト分子が固定化された基板を含むセンシングデバイスに、前記ホスト分子を介して前記被測定物を結合し、
    前記被測定物が結合したセンシングデバイスに、特定周波数の電磁波を照射して透過光または反射光の周波数特性を測定し、
    該周波数特性の変化に基づいて前記被測定物の特性を測定するステップを含む、被測定物の特性の測定方法に用いられるセンシングデバイスであって、
    前記ホスト分子は、前記特定周波数における単位量当たりの吸光度が前記被測定物より小さいことを特徴とする、センシングデバイス。
  3. 前記ホスト分子が前記被測定物と特異的に結合する分子である、請求項2に記載のセンシングデバイス。
  4. 前記被測定物は、前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基を含み、
    前記ホスト分子は、前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基を含まない、請求項2に記載のセンシングデバイス。
  5. 前記特定周波数の電磁波に対する吸光度が大きい官能基がNH基である、請求項4に記載のセンシングデバイス。
  6. 前記被測定物がタンパク質である、請求項5に記載のセンシングデバイス。
  7. 前記ホスト分子が、前記被測定物に特異的に結合する糖鎖または糖鎖の部分構造を含む、請求項6に記載のセンシングデバイス。
  8. 前記被測定物の原子数が前記ホスト分子の原子数よりも大きい、または、前記被測定物の分子量が前記ホスト分子の分子量よりも大きい、請求項2に記載のセンシングデバイス。
  9. 前記特定周波数における前記被測定物の比誘電率が前記ホスト分子の比誘電率よりも大きい、または、前記被測定物のtanδが前記ホスト分子のtanδよりも大きい、請求項2に記載のセンシングデバイス。
  10. 前記基板が金属または誘電体からなる、請求項2に記載のセンシングデバイス。
JP2012509327A 2010-04-01 2011-01-20 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス Active JP5859955B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012509327A JP5859955B2 (ja) 2010-04-01 2011-01-20 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010084981 2010-04-01
JP2010084981 2010-04-01
PCT/JP2011/050963 WO2011125355A1 (ja) 2010-04-01 2011-01-20 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス
JP2012509327A JP5859955B2 (ja) 2010-04-01 2011-01-20 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011125355A1 true JPWO2011125355A1 (ja) 2013-07-08
JP5859955B2 JP5859955B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=44762322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012509327A Active JP5859955B2 (ja) 2010-04-01 2011-01-20 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20130011935A1 (ja)
JP (1) JP5859955B2 (ja)
WO (1) WO2011125355A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102325919B1 (ko) * 2013-10-21 2021-11-12 우미코레 아게 운트 코 카게 방향족 아민의 모노아릴화
JP2017174606A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置及びその製造方法
US10340438B2 (en) * 2017-11-28 2019-07-02 International Business Machines Corporation Laser annealing qubits for optimized frequency allocation

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6287874B1 (en) * 1998-02-02 2001-09-11 Signature Bioscience, Inc. Methods for analyzing protein binding events
JP4533044B2 (ja) * 2003-08-27 2010-08-25 キヤノン株式会社 センサ
JP2006125860A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Fujikura Ltd 表面プラズモンセンサ及び表面プラズモン測定装置
WO2008093647A1 (ja) * 2007-01-31 2008-08-07 Tohoku University マイクロアレイとその製造方法並びに有機分子と作用物質との相互作用の検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011125355A1 (ja) 2011-10-13
US20130011935A1 (en) 2013-01-10
JP5859955B2 (ja) 2016-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5035618B2 (ja) 電磁波を用いた検出方法、及び検出装置
JP4481967B2 (ja) センサ装置
JP4829669B2 (ja) 検体情報取得装置、及び検体情報取得方法
Pejcic et al. Environmental monitoring of hydrocarbons: A chemical sensor perspective
US8792102B2 (en) Interferometric spectral imaging of a two-dimensional array of samples using surface plasmon resonance
JPWO2010044193A1 (ja) 試料分析方法
JPWO2014017430A1 (ja) 被測定物の測定方法
WO2012029629A1 (ja) 被測定物の特性を測定する方法、および平板状の周期的構造体
JP5859955B2 (ja) 被測定物の特性の測定方法、および、それに用いられるセンシングデバイス
JP5828899B2 (ja) 測定用デバイス、および、それを用いた被測定物の特性測定方法
JP5609654B2 (ja) 被測定物の測定方法
WO2010110415A1 (ja) 被測定物の特性を測定する方法、回折現象を伴う構造体および測定装置
JP5418721B2 (ja) 測定構造体、その製造方法、および、それを用いた測定方法
Rupp et al. A shear horizontal surface acoustic wave sensor for the detection of antigen–antibody reactions for medical diagnosis
Boujday et al. Innovative surface characterization techniques applied to immunosensor elaboration and test: Comparing the efficiency of Fourier transform–surface plasmon resonance, quartz crystal microbalance with dissipation measurements, and polarization modulation–reflection absorption infrared spectroscopy
JP5967201B2 (ja) 空隙配置構造体およびそれを用いた測定方法
WO2013128707A1 (ja) 被測定物の特性を測定するための測定装置
WO2013073242A1 (ja) 周期的構造体、および、それを用いた測定方法
Kuwana et al. Label-free detection of low-molecular-weight samples using a terahertz chemical microscope
Mao et al. Development and application of time-resolved surface plasmon resonance spectrometer
WO2014132692A1 (ja) 測定デバイスおよびその製造方法
JP5384648B2 (ja) 被測定物の特性を測定する方法
Salazar-Alvarez et al. Label free detection of specific protein binding using a microwave sensor
JP5967202B2 (ja) 被測定物の測定方法およびそれに用いる測定デバイス
Yao et al. Spectral surface plasmon resonance imaging for the detection of clenbuterol via three-dimensional immobilization of bioprobes

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141120

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141201

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20141219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5859955

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150